(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】浴室ユニット
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20240412BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20240412BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20240412BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20240412BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240412BHJP
F21S 4/28 20160101ALI20240412BHJP
【FI】
E04H1/12 301
A47K4/00
F21S8/02 100
F21V33/00 200
F21S2/00 230
F21S4/28
(21)【出願番号】P 2019159211
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】厨 謙三
(72)【発明者】
【氏名】安沢 智明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 学
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-275823(JP,A)
【文献】特開2019-087310(JP,A)
【文献】特開2017-218875(JP,A)
【文献】特開2005-054543(JP,A)
【文献】実開昭61-100745(JP,U)
【文献】特開平01-230833(JP,A)
【文献】特開2019-046628(JP,A)
【文献】実公平07-038496(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
A47K 4/00
F21V 33/00
F21S 2/00,4/28,8/00,8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部材と、
前記床部材の上方に立つ壁パネルと、
前記壁パネルの側面に沿って立つ照明固定用フレームと、
前記照明固定用フレームの表面側に配置され、前記照明固定用フレームに固定されている照明装置と、
を備え、
前記照明固定用フレームは、前記照明装置の裏面側に配置される裏面部を有し、
前記照明装置は、光源ユニットと、前記光源ユニットが収容されるケースを備えており、
前記ケースは、前記光源ユニットが取り付けられる筐体と、前記筐体の開放部を塞ぐカバーを有しており、
前記照明装置及び前記照明固定用フレームは上下方向に延びており、
前記裏面部に、前記照明装置の配線を通す配線通し部が形成され
ており、
前記光源ユニットの上端に配線が接続されるともに、前記配線通し部は前記照明装置より上方に形成されている浴室ユニット。
【請求項2】
前記配線通し部の表側にスペーサが取り付けられる請求項1に記載の浴室ユニット。
【請求項3】
前記床部材の上方に立つ柱部材を有し、
前記照明固定用フレームは、前記柱部材と前記壁パネルとの間に配置されている請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の浴室ユニット。
【請求項4】
前記裏面部は、前記壁パネルの表面から裏側に落ち込んだ位置に配置されている請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の浴室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置を浴室ユニットの壁パネルに固定する技術が知られている。例えば下記特許文献1には、間接照明装置を壁パネルに固定する技術が記載されている。間接照明装置は、光源部材と、光源部材に接着された光源固定部材とを備えている。光源固定部材はビスにより壁パネルに固定される。これにより、間接照明装置は壁パネルに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成の浴室ユニットでは、照明装置が壁パネルの撓みによる影響を受ける虞があった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、照明装置が壁パネルの撓みによる影響を受けにくい浴室ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の浴室ユニットは、床部材と、前記床部材の上方に立つ壁パネルと、前記壁パネルの側面に沿って前記床部材の上方に立つ照明固定用フレームと、前記照明固定用フレームに固定されている照明装置と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】浴室ユニットの一部拡大断面図であって、照明装置を取り付けた状態を示す断面図
【
図3】照明装置及び照明固定用フレームの係止構造を示す斜視図
【
図4】浴室ユニットの上端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付ける前の状態を示す斜視図
【
図5】浴室ユニットの上端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付けた状態を示す斜視図
【
図6】浴室ユニットの下端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付けた状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
浴室ユニット10は、シャワー装置Mを備えたシャワーユニットである。浴室ユニット10の室内は上下方向に長い縦長の空間である。浴室ユニット10は、床部材11、壁パネル12及び天井パネル13を備えている。床部材11は、浴室ユニット10の床面を形成する。壁パネル12は、床部材11の上方に立ち、浴室ユニット10の側面を形成する。天井パネル13は、浴室ユニット10の上方を覆う。天井パネル13は、浴室ユニット10の天上面を形成する。浴室ユニット10の四方の側面のうち一つの側面(側面17と称する)には、浴室ドアDが設けられている。
【0009】
浴室ユニット10は、
図2に示すように、柱部材14、照明固定用フレーム20及び照明装置Lを備えている。柱部材14は、浴室ユニット10の角部に立つ。照明固定用フレーム20は、浴室ユニット10の角部において柱部材14と壁パネル12との間に立つ。照明装置Lは、照明固定用フレーム20の表面側に配置される。以下、各構成部材において、
図1の上側を上側、下側を下側、浴室ユニット10の室内側を表側、浴室ユニット10の室内と反対側を裏側として説明する。
【0010】
壁パネル12は、表面に化粧面を有する金属板材と、金属板材の裏面に貼り付けられた石膏ボードや発泡ウレタンなどの基材(断熱材)とを有している。壁パネル12は、所定の厚さ寸法(表裏方向の寸法)を有し、取付部位に応じた高さ寸法(上下方向の寸法)及び幅寸法(表面に向かって左右方向の寸法)に形成されている。
【0011】
壁パネル12の左右両側縁部には、柱部材14や照明固定用フレーム20に係止する係止部12Aが設けられている(
図2参照)。照明固定用フレーム20には、壁パネル12の係止部12Aが係止する係止受け部15が設けられている。壁パネル12の係止部12Aは、柱部材14の係止受け部(図示せず)や照明固定用フレーム20の係止受け部15に係止する。これにより、壁パネル12は柱部材14や照明固定用フレーム20に連結される。
【0012】
柱部材14は、金属板(溶融亜鉛めっき鋼板など)を曲げ加工等して形成されている。柱部材14は、浴室ユニット10の床面から天井面まで延びている。柱部材14の下端は床部材11に固定される。柱部材14は、
図2に示すように、板面が略直交する一対の縦板部14Aを有している。一対の縦板部14Aは、幅寸法(表裏方向の寸法)が同等である。一対の縦板部14Aのうち一方の縦板部14Aに壁パネル12が固定され、他方の縦板部14Aに照明固定用フレーム20が固定される。両縦板部14Aの板面は、壁パネル12の側面及び照明固定用フレーム20の側面に沿う。
【0013】
照明固定用フレーム20は、
図1に示すように、壁パネル12の側面に沿って床部材11の上方に立つ。照明固定用フレーム20は、浴室ユニット10の4つのコーナー部のうち1つのコーナー部に備えられている。具体的には、照明固定用フレーム20は、浴室ドアDから見て室内の奥側に位置するコーナー部に配置されている。
【0014】
照明固定用フレーム20は、金属板(溶融亜鉛めっき鋼板など)を曲げ加工等して形成されている。照明固定用フレーム20は、上下方向に長い。照明固定用フレーム20は、柱部材14の縦板部14A及び壁パネル12の側面に沿って床面から天井面まで延びている。照明固定用フレーム20の長さ寸法は柱部材14の長さ寸法と同等である。照明固定用フレーム20の下端は床部材11に固定されている。
【0015】
照明固定用フレーム20は、
図2に示すように、照明装置Lの裏面側に配置されるフレーム裏面部21と、フレーム裏面部21から表側に立つ左右一対のフレーム側面部22とを有している。一対のフレーム側面部22は略平行をなす。一対のフレーム側面部22はフレーム裏面部21と略直交する。一対のフレーム側面部22の間は、照明装置Lが取り付けられる照明装置取付部23である。照明装置取付部23の表側は開放されている。一対のフレーム側面部22のうち一方のフレーム側面部22に柱部材14が連結され、他方のフレーム側面部22に壁パネル12が連結される。
【0016】
フレーム側面部22の表側の端部は内面(一対のフレーム側面部22の対向面)に折り返されて板材が重なっている。これにより、フレーム側面部22の内面には、縦方向に段差24が延びている。段差24には、後述するスペーサSの係止部16が係止する(
図4参照)。
【0017】
フレーム裏面部21は、
図2に示すように、壁パネル12の表面より裏側にずれた位置に配置されている。フレーム裏面部21は、表裏方向において柱部材14の裏面と概ね同じ位置(面一)に配置される。フレーム側面部22の表側の端部も壁パネル12の表面より裏側にずれた位置に配置されている。
【0018】
フレーム裏面部21には、照明装置Lの配線(図示せず)を通す配線通し部25が形成されている(
図3参照)。配線通し部25は、フレーム裏面部21の上端部(スペーサSの取付部)に形成されている。配線通し部25は、全周が閉じた縦長の方形状をなしている。配線通し部25は、フレーム裏面部21を板厚方向(表裏方向)に貫通している。
【0019】
フレーム裏面部21には、照明装置Lに係止するフレーム側係止部26が設けられている(
図3参照)。フレーム側係止部26は、フレーム裏面部21の一部を表面に切り起こして形成された係止爪27の上縁である。係止爪27は、フレーム裏面部21から表側に突出している。各係止爪27の左右のいずれかに隣接して、縦長の開口が形成されている。フレーム側係止部26は、表側に向かって上るように傾斜している。照明装置Lは、フレーム側係止部26の裏側の端に係止し、表側及び下側への移動が制限される。フレーム側係止部26は、フレーム裏面部21の左右に一対ずつ、上下方向の複数個所に設けられている。フレーム側係止部26は、照明固定用フレーム20の左右方向における中央を基準に左右対称である。
【0020】
照明固定用フレーム20の上端部には、
図4に示すように、天井パネル13と照明装置Lとの間の隙間を塞ぐスペーサSが取り付けられる。スペーサSは、四角い箱形状をなしている。スペーサSは、照明固定用フレーム20の上端部に嵌合し、段差24に係止する。スペーサSが照明固定用フレーム20に取り付けられた状態では、スペーサSの上面は天井パネル13と近接または当接する。スペーサSが照明固定用フレーム20に取り付けられた状態では、スペーサSの下面は照明装置Lの上面(上キャップ61の上面)と近接または当接する。
【0021】
照明装置Lは、照明固定用フレーム20に固定されている。照明装置Lは、上下方向に長い。照明装置Lは、照明固定用フレーム20に沿った縦ラインの直接照明である。照明装置Lは、浴室ドアDが設けられた側面17と直交する側面から、浴室ドアDと対向する側面(浴室ドアDから見て奥側の側面)に向かって光を照射する。照明装置Lの長さ寸法は、スペーサSの上下方向の寸法分だけ照明固定用フレーム20の長さ寸法よりも短い。
【0022】
照明装置Lの幅寸法(表面に向かって左右方向の寸法)は、
図2に示すように、照明固定用フレーム20の一対のフレーム側面部22の間に入ることができる寸法である。照明装置Lの厚さ寸法(表裏方向の寸法)は、壁パネル12の厚さ寸法と同等の寸法である。照明装置Lは、幅寸法が厚さ寸法よりも大きい横長の方形断面を有している。
【0023】
照明装置Lは、一方向に長い光源ユニット30と、内部に光源ユニット30が収容される一方向に長いケース40と、を備えている。
【0024】
光源ユニット30は、多数の図示しない光源(LED等)が実装された基板31と、基板31を内部に収容する枠体32と、枠体32に収容された基板31を封止する樹脂材33とを有している(
図2参照)。光源ユニット30は、細長い角柱状をなしている。光源ユニット30の表面は発光面である。光源ユニット30は、全長にわたり表方向に光を照射する。光源ユニット30の上端部に、照明装置Lの配線が接続されるコネクタ部が設けられている。
【0025】
ケース40は、
図2に示すように、表面が開放された形態の筐体41と、筐体41の開放部を塞ぐように取り付けられる透光カバー42とを有している。筐体41に透光カバー42が取り付けられた状態においてケース40は筒状をなし、長さ方向の両端部は開口している。
【0026】
筐体41は、例えばアルミ等の金属材により形成されている。筐体41は、
図2に示すように、光源ユニット30の裏面に配置されるケース裏面部43と、ケース裏面部43から表側に立つ左右一対のケース側面部44とを有している。一対のケース側面部44は略平行をなしている。一対のケース側面部44はケース裏面部43と略直交している。
【0027】
一対のケース側面部44は、一対の第1ケース側面部44Fと、一対の第1ケース側面部44Fよりも左右方向の間隔が大きい一対の第2ケース側面部44Sとを有している。第2ケース側面部44Sは第1ケース側面部44Fよりも表側に位置している。第1ケース側面部44Fの表縁と第2ケース側面部44Sの裏縁とはケース段差部45によって連結されている。
【0028】
一対の第1ケース側面部44Fの間は、光源ユニット30が取り付けられる光源ユニット取付部46である。光源ユニット取付部46は表側に開放されている。第1ケース側面部44Fの内面には、光源ユニット30を筐体41の内部に保持する保持部材54が取り付けられている。保持部材54は、第1ケース側面部44Fの内面に突設された係止リブ47に係止する。
【0029】
保持部材54は、金属板材により形成されている。保持部材54は、
図2に示すように、筐体41に取り付けられる。保持部材54は、光源ユニット取付部46に収容された状態の光源ユニット30に当接する。これにより、光源ユニット30は、筐体41の所定位置に保持される。
【0030】
一対の第2ケース側面部44Sの外面には、照明固定用フレーム20のフレーム側面部22の表端部に当接する当接部53が突出して設けられている。当接部53は、筐体41の全長に延びて形成されている。
【0031】
ケース裏面部43は、
図2に示すように、フレーム裏面部21の表面に沿って配置される。ケース裏面部43は、
図3に示すように、ケース側面部44から左側及び右側に張り出したフランジ部49を有している。フランジ部49は、筺体の全長に設けられている。
【0032】
ケース裏面部43には、
図3に示すように、照明固定用フレーム20に係止するケース側係止部51が設けられている。ケース側係止部51は、ケース裏面部43に形成された切欠き52の上縁である。切欠き52は、ケース裏面部43のフランジ部49に形成されている。切欠き52は、フランジ部49の複数個所に形成されている。切欠き52の上下方向の寸法は、後述する係止爪27が上下方向にスライド移動できる寸法である。
【0033】
ケース段差部45の表面には、
図2に示すように、透光カバー42の係止片57が係止する係止壁55が設けられている。係止壁55は、ケース段差部45から表側に突出している。係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間は表側に開放されている。係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間に、透光カバー42の係止片57が挿入される。透光カバー42の係止片57が係止壁55の先端部に係止することにより、透光カバー42が筐体41に取り付けられる。
【0034】
透光カバー42は、筐体41の開放側に取り付けられて開放部を覆う。透光カバー42は、平板状をなすカバー本体56と、カバー本体56から裏側に延出した係止片57とを備えている。
【0035】
カバー本体56は、筐体41の第2ケース側面部44Sの表側の端の間にわたる幅寸法を有している。カバー本体56の左右両端部と第2ケース側面部44Sの表側の端部とには、略同一勾配の傾斜面59が形成されている。カバー本体56は、ケース裏面部43と略平行をなす。
【0036】
係止片57は、カバー本体56の左右両端部から裏側に突出している。係止片57は、係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間に挿入される。係止片57の先端部は係止壁55に係止する。係止片57と第2ケース側面部44Sとの間には、筐体41と透光カバー42との間を止水する止水部材58が装着されている。
【0037】
照明装置Lは、ケース40の長さ方向の両端部に形成された開口を塞ぐキャップ61,62を備えている。ケース40の上端に取り付けられる上キャップ61とケース40との間、及びケース40の下端に取り付けられる下キャップ62とケース40との間は、それぞれ止水部材67により止水されている。下キャップ62は、
図1に示すように、上下方向に長い柱状をなしている。下キャップ62は、ケース40の下端と床面との間の隙間を埋める。
【0038】
浴室ユニット10を組み立てる作業手順の一例を説明する。
【0039】
照明装置Lを組み付ける。筐体41に光源ユニット30を収容する。発光面を表に向けて光源ユニット30を光源ユニット取付部46にセットする。保持部材54を筐体41に取り付ける。保持部材54が光源ユニット30に当接する。これによって、光源ユニット30が筐体41の所定位置に保持される。透光カバー42を筐体41に取り付ける。ケース40の上下両端にキャップ61,62を装着する。以上により照明装置Lの組み付け作業が完了する。
【0040】
浴室ユニット10の床部材11に柱部材14及び照明固定用フレーム20を固定する。柱部材14の間、及び柱部材14と照明固定用フレーム20との間に壁パネル12を嵌め込み連結する。これによって、浴室ユニット10の壁面が組み立てられる。
【0041】
照明装置Lを取り付ける。照明装置Lを照明固定用フレーム20の照明装置取付部23に差し入れる。ケース裏面部43の切欠き52に、フレーム裏面部21の係止爪27が入るように位置をあわせる。ケース40の当接部53がフレーム側面部22の表端に当接する。ケース裏面部43の切欠き52に、フレーム裏面部21の係止爪27を入れた状態で、照明装置Lを下方にスライド移動する。これによって、ケース側係止部51がフレーム側係止部26に上方から当接し、ケース側係止部51とフレーム側係止部26とが係止状態になる。ケース側係止部51及びフレーム側係止部26は、照明装置Lの裏に配置されるから室内からは見えない。照明装置Lの透光カバー42のみ室内に露出するからデザイン性を高くできる。
【0042】
ケース側係止部51とフレーム側係止部26とが係止状態になると、照明装置Lの下面は床部材11の上面(床面)に当接または近接する。照明装置Lの配線を配線通し部25に通し、天井パネル13の上方に備えられた機器と接続する。
【0043】
照明固定用フレーム20の上端部にスペーサSを嵌め込む。照明固定用フレーム20は、スペーサS及び照明装置Lによって表面の全体を覆われる。
【0044】
こうして照明装置Lの取り付け作業が完了する。照明装置Lを取り付けた状態の浴室ユニット10は、透光カバー42の表面と壁パネル12の表面とが概ね面一になる。スペーサSの表面及び下キャップ62の表面も、透光カバー42の表面と面一になる。このときの面一は、透光カバー42の表面と壁パネル12の表面とに多少の段差があるものを含む。多少の段差とは、浴室ユニット10の壁面の拭き掃除等に邪魔にならない程度の段差である。この段差には、
図4に示すように、シリコンシーラント18が埋め込まれる。
【0045】
照明装置Lは照明固定用フレーム20に固定されるから、従来のように照明装置Lを固定するための穴を壁パネル12にあけなくて済む。したがって、施工性を良くすることができる。
【0046】
照明装置Lをメンテナンスする場合には、照明装置Lを照明固定用フレーム20から取り外す。この場合、スペーサSを取り外し、照明装置Lを上方にスライド移動する。ケース側係止部51がフレーム側係止部26から上方に離れ、ケース側係止部51とフレーム側係止部26との係止状態が解除される。こうして、照明装置Lを容易に取り外すことができる。
【0047】
上記のように構成された浴室ユニット10の作用および効果について説明する。
【0048】
浴室ユニット10は、床部材11と、壁パネル12と、照明固定用フレーム20と、照明装置Lと、を備えている。壁パネル12は、床部材11の上方に立つ。照明固定用フレーム20は、壁パネル12の側面に沿って立つ。照明固定用フレーム20は、上下方向に長い。照明装置Lは、照明固定用フレーム20に固定されている。この構成によれば、照明装置Lが壁パネル12に固定されていないから、壁パネル12の撓みによる影響を受けにくくできる。床部材11の上方に壁パネル12及び照明固定用フレーム20を立てた後、照明装置Lの取り付け作業を行えばよいから、従来と同じ施工方法で浴室ユニット10を施工できる。
【0049】
浴室ユニット10は、床部材11の上方に立つ柱部材14を有している。照明固定用フレーム20は、柱部材14と壁パネル12との間に配置されている。この構成によれば、照明固定用フレーム20が壁パネル12と壁パネル12との間に配置されている構成に比べて、照明装置Lが壁パネル12の撓みの影響を受けにくくできる。
【0050】
浴室ユニット10の照明固定用フレーム20は、照明装置Lの裏面側に配置されるフレーム裏面部21を有している。フレーム裏面部21は、壁パネル12の表面より裏側に落ち込んだ位置に配置されている。この構成によれば、照明装置Lを壁パネル12の表面に固定する構成に比べて、裏面側に引っ込んだ位置に配置できる。
【0051】
浴室ユニット10の照明装置Lは、照明固定用フレーム20の表面側に配置される。この構成によれば、照明固定用フレーム20が照明装置Lによって隠されるから、デザイン性を高くできる。
【0052】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、本開示をシャワーユニットに適用した場合を例示した。これに限らず、本開示は浴槽及び洗い場を有する浴室ユニットにも適用できる。
(2)上記実施形態では、照明固定用フレーム20が柱部材14と壁パネル12との間に配置されている。これに限らず、照明固定用フレームは壁パネルと壁パネルとの間に配置してもよい。
(3)上記実施形態では、照明固定用フレーム20が浴室ユニット10の角部に立つ。これに限らず、照明固定用フレームは浴室ユニットの側面の中間部に立ってもよい。
(4)上記実施形態では、照明固定用フレーム20のフレーム裏面部21が、壁パネル12の表面より裏側に位置している。これに限らず、フレーム裏面部は壁パネルの表面より表側に位置してもよい。
(5)上記実施形態では、照明装置Lが上下方向に長い。照明装置はどのような形状のものであってもよい。例えば複数の照明装置を照明固定用フレームの長さ方向に並べて配置してもよい。
(6)上記実施形態では、照明装置Lと照明固定用フレーム20との係止構造を例示した。これに限らず、照明装置と照明固定用フレームとの係止構造は適宜変更できる。
(7)上記実施形態では、照明固定用フレーム20は、上下方向に長い。照明固定用フレームは、上下方向に複数に分割されたものであってもよい。言い換えると、照明固定用フレームは、複数の部材によって実質的に1本の照明固定用フレームとなるように構成されたものであってもよい。この場合、複数の部材は、上下方向に所定の間隔をあけて配置されていてもよい。例えば、照明固定用フレームは上下2つの部材に分割された形態をなし、上下の部材の間(照明固定用フレームの上下方向における中央部)に隙間が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
L…照明装置、10…浴室ユニット、11…床部材、12…壁パネル、14…柱部材、20…照明固定用フレーム、21…フレーム裏面部(裏面部)