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特許7471073接触抵抗を測定するための差動容量プローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】接触抵抗を測定するための差動容量プローブ
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/20 20060101AFI20240412BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20240412BHJP
   B64F 5/60 20170101ALI20240412BHJP
【FI】
G01R27/20
G01R1/06 F
B64F5/60
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019213189
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2020112544
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】16/202,445
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コスラバニ, シャハリアル
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0006761(US,A1)
【文献】特開2011-112408(JP,A)
【文献】米国特許第05491424(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0160464(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/20
G01R 1/06
B64F 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触抵抗を測定するための差動容量プローブ(100)であって、前記差動容量プローブ(100)が:
フレーム(101);
前記フレーム(101)から延びるエンドエフェクタ(102);
少なくとも部分的に前記エンドエフェクタ(102)を取り囲むように前記フレーム(101)に接続された第1の容量性パッド(103);および
前記エンドエフェクタ(102)に対して前記第1の容量性パッド(103)から径方向に間隔を空けるように、かつ、前記エンドエフェクタ(102)を少なくとも部分的に取り囲むように前記フレーム(101)に接続された第2の容量性パッド(104)
を備え、
前記第1の容量性パッド(103)の接触表面積(103S)は、前記第2の容量性パッド(104)のもう一つの接触表面積(104S)と実質的に同じである、差動容量プローブ(100)。
【請求項2】
前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)が、繊維強化材料(105)の表面(105S)と一致するように構成されている、請求項1に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項3】
導電性ギャップフィラー(112)をファスナ開口部(106)に分配するために、前記エンドエフェクタ(102)が、少なくとも部分的に前記繊維強化材料(105)を通って延在する前記ファスナ開口部(106)への挿入のために構成されている、請求項2に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項4】
前記エンドエフェクタ(102)が、低融点合金(600)の形態の前記導電性ギャップフィラー(112)を分配するように構成されている、請求項3に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項5】
前記エンドエフェクタ(102)が、前記繊維強化材料(105)を通る電流フロー(170)を生成する交流電源(107)を備え;かつ
前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)が前記電流フロー(170)を受け取るように構成されており、前記第1の容量性パッド(103)と前記第2の容量性パッド(104)との間の前記間隔(113)が前記エンドエフェクタ(102)と前記繊維強化材料(105)との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定をもたらす、請求項3または4に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項6】
前記エンドエフェクタ(102)、前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)が、ファスナ(111)と前記繊強化材料(105)との間の測定された接触抵抗から前記繊維強化材料(105)の繊維抵抗を実質的に排除するように構成されている電気回路(800、801)を形成する、請求項から5のいずれか一項に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項7】
前記エンドエフェクタ(102)に接続された交流電源(107);と
前記交流電源(107)を作動させ、前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)のそれぞれからの電圧読み取り値を受け取るように構成されたコントローラ(108)
とをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項8】
前記コントローラ(108)が、前記エンドエフェクタ(102)または前記エンドエフェクタ(102)に接続されたファスナ(111)のうちの一方と、前記エンドエフェクタ(102)を前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)のそれぞれに接続する繊維強化材料(105)との間の接触抵抗を測定するように構成されている、請求項7に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項9】
前記コントローラ(108)に接続されたディスプレイ(109)をさらに備え、
前記コントローラ(108)が、測定された接触抵抗を所定の接触抵抗と比較し、前記測定された接触抵抗が前記所定の接触抵抗の所定の範囲内にあるかどうかについての表示を前記ディスプレイ(109)を通して提供するように構成されている、請求項7または8に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項10】
フレーム(101);
前記フレーム(101)から延びるエンドエフェクタ(102);
前記エンドエフェクタ(102)に接続された交流電源(107);
少なくとも部分的に前記エンドエフェクタ(102)を取り囲むように前記フレーム(101)に接続された第1の容量性パッド(103);および
前記エンドエフェクタ(102)に対して前記第1の容量性パッド(103)から径方向に間隔を空けるように、かつ、前記エンドエフェクタ(102)を少なくとも部分的に取り囲むように前記フレーム(101)に接続された第2の容量性パッド(104)
を備える、接触抵抗を測定するための差動容量プローブ(100)であって、
前記第1の容量性パッド(103)の接触表面積(103S)は前記第2の容量性パッド(104)のもう一つの接触表面積(104S)と実質的に同じであり、電流は、前記エンドエフェクタ(102)から、前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)のそれぞれに、前記エンドエフェクタ(102)を前記第1の容量性パッド(103)および前記第2の容量性パッド(104)のそれぞれに接続する繊維強化材料(105)を少なくとも通って流れる、差動容量プローブ(100)。
【請求項11】
ファスナ開口部(106)にファスナ(111)を挿入するために、前記エンドエフェクタ(102)が、少なくとも部分的に前記繊維強化材料(105)を通って延在する前記ファスナ開口部(106)への挿入のための前記ファスナ(111)を保持するように構成されている、請求項10に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項12】
前記第1の容量性パッド(103)と前記第2の容量性パッド(104)との間の間隔(113)が、前記ファスナ(111)と前記繊維強化材料(105)との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定をもたらす、請求項11に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項13】
前記エンドエフェクタ(102)が、少なくとも部分的に前記繊維強化材料(105)を通って延在するファスナ開口部(106)への挿入のために構成されている、請求項10、11または12に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項14】
前記第1の容量性パッド(103)と前記第2の容量性パッド(104)との間の間隔(113)が、前記エンドエフェクタ(102)と前記繊維強化材料(105)との間の接触に対して実質的に絶縁されている接触抵抗測定をもたらす、請求項13に記載の差動容量プローブ(100)。
【請求項15】
前記エンドエフェクタ(102)が、少なくとも部分的に前記繊維強化材料(105)を通って延在するファスナ開口部(106)に挿入されたファスナ(111)と連結するように構成されている、請求項10から14のいずれか一項に記載の差動容量プローブ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、概して、接触抵抗を測定するための容量プローブ、特に差動容量プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は頻繁に落雷に見舞われる。通常、雷は最初に機首や翼の先端などの航空機の端に当たり、雷からの電流は航空機の外皮およびその他の構造物を介して分散されてから、尾などの別の端を出ていく。一部の航空機は導電性のアルミニウムスキンで製造されているが、新しい航空機ではより導電性の低い複合材料で作られたスキンが使用されている場合がある。複合材料は一般に、マトリックス材料と補強材料を含む2種以上の構成材料を含む。航空機スキンに使用される複合材料には、ポリマー樹脂がマトリックスとして機能し、かつ、炭素繊維で強化された炭素繊維強化ポリマー(「CFRP」)が含まれる。炭素繊維はポリマー樹脂よりも導電性が高いため、雷が航空機に当たったときに主要な導体として機能する。炭素繊維スキンは、相互におよび/または航空機のフレームに固定されるパネルとして製造される。落雷の結果として電流が流れる導電性経路を形成するのは、炭素繊維の外皮とファスナである。
【0003】
導電性経路の連続性と抵抗を試験するには、直接雷効果試験を用いることができる。システムまたはコンポーネントの材料に対する高電流パルスの効果を理解するために、直接雷効果試験によって、システムまたはコンポーネントをこのような高電流パルスに当てる。例えば、航空機は、米国連邦航空局(U.S. Federal Aviation Administration)などの政府事業体から運航の認可を受ける前に、直接雷効果試験規格に合格することが必要となり得る。風力タービン、建築物などの他のシステムも、直接雷効果試験を受けることがある。
【0004】
直接雷効果試験の実施は、膨大なリソースが必要になり得る。例えば、短期間で高電流のパルスを生成するためには、通常、いくつものコンデンサと複雑なスイッチングおよび制御システムが使用される。また、直接雷効果試験は破壊試験であり、直接雷効果試験を受けた部品は通常、すぐには再使用できない。そのような被試験部品は、例えば再使用前に検査および/または補修を必要とするような方法で損傷を受ける可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、少なくとも上で特定された懸念に対処することを目的とした装置および方法には、有用性が見出されるであろう。
【0006】
以下は、本開示による主題の例を非網羅的に列挙したものであり、これらは特許請求されている場合も、されていない場合もある。
【0007】
本開示による主題の一例は、接触抵抗を測定するための差動容量プローブに関し、この差動容量プローブは、フレーム、フレームから延びるエンドエフェクタ、少なくとも部分的にエンドエフェクタを取り囲むようにフレームに接続された第1の容量性パッド、およびエンドエフェクタに対して第1の容量性パッドから径方向に間隔を空けるように、かつ、エンドエフェクタを少なくとも部分的に取り囲むようにフレームに接続された第2の容量性パッドを含み、第1の容量性パッドの接触表面積は、第2の容量性パッドのもう一つの接触面と実質的に同じである。
【0008】
本開示による主題の別の例は、接触抵抗を測定するための差動容量プローブに関し、この差動容量プローブは、フレーム、フレームから延びるエンドエフェクタ、エンドエフェクタに接続された交流電源、少なくとも部分的にエンドエフェクタを取り囲むようにフレームに接続された第1の容量性パッド、およびエンドエフェクタに対して第1の容量性パッドから径方向に間隔を空けるように、かつ、エンドエフェクタを少なくとも部分的に取り囲むようにフレームに接続された第2の容量性パッドを含み、第1の容量性パッドの接触表面積は第2の容量性パッドのもう一つの接触面と実質的に同じであり、電流は、エンドエフェクタから第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに、エンドエフェクタを第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに接続する繊維強化材料を少なくとも通って流れる。
【0009】
本開示の主題のさらに別の例は、繊維強化材料を用いて接触抵抗を測定する方法に関し、この方法は、差動容量プローブのエンドエフェクタと差動容量プローブの第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれとの間の繊維強化材料を通る電流フローを生成することであって、第2の容量性パッドは、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドがそれぞれ少なくとも部分的にエンドエフェクタを取り囲むように、エンドエフェクタに対して第1容量性パッドから径方向に間隔をあけて存在し、かつ、第1の容量性パッドの接触表面積は第2の容量性パッドのもう一つの接触面と実質的に同じである、生成することと;第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドに接続されたコントローラで、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドからのそれぞれの電圧測定値を受け取ることと;コントローラで、繊維強化材料との接触抵抗を測定することであって、測定された接触抵抗から繊維強化材料の繊維抵抗を実質的に排除する、測定することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の例は上記で概括的に説明されており、以後添付図面を参照することになるが、図面は必ずしも正寸で描かれておらず、類似の参照記号は、複数の図を通じて同じまたは類似した部分を示している。
【0011】
図1】本開示の1または複数の態様による差動容量プローブのブロック図である。
図2】本開示の1または複数の態様による航空機の概略斜視図である。
図3】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの概略斜視図である。
図3A】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの概略斜視図である。
図4】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略断面側面図である。
図5】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略側面図である。
図5A】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略側面図である。
図6】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略側面図である。
図6A】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略側面図である。
図7】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略側面図である。
図8A】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略斜視図である。
図8B】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブの一部の概略斜視図である。
図9A】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブによって形成された回路を示す回路図である。
図9B】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブによって形成された回路を示す回路図である。
図10】本開示の1または複数の態様による図1の差動容量プローブを用いて接触抵抗を測定する方法のブロック図である。
図11】本開示の1または複数の態様による航空機の製造および保守方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1-4を参照すると、本明細書で説明する本開示の態様は、航空機900のファスナ111と外皮901の間のファスナ接触面300(図4)など、被試験ユニット199(図3)のファスナ接触面の接触抵抗R図9A-9B)を測定するための差動容量プローブ100を提供する。一般に、航空機900の外皮901は、例えばブラインド締結システム(ファスナ111を含む)で航空機900のフレーム905に固定される繊維強化材料105(複合材料ともいう)で構成されるパネルを含む。一態様では、繊維強化材料105は炭素繊維強化ポリマーであるが、他の態様では、繊維強化材料105は、繊維強化を有する任意の適切な材料であってよい。落雷からの電流の分散を増加させるために、ファスナ111のシャンク111S(図4)と繊維強化材料105の繊維105F(図5)の間の接触抵抗Rは、所定の制限(例えば米国連邦航空局が設定したもの)内になければならない。例えば電気抵抗器での、ファスナ接触面300(図4)における接触抵抗Rの直接測定は、電気抵抗器の測定プローブを連結するための第2の接点へのアクセスが制限されているため(すなわち、ブラインド締結システムは第2の接点を覆い隠す可能性がある)、さらに繊維強化材料105の異方性特性のために、難しい。加えて、繊維強化材料105の繊維105F(図5)からの抵抗は、直接測定によって繊維105Fからの抵抗を含む全実効抵抗(overall effective resistance)Reffが生じるものである。
【0013】
本開示の態様によれば、差動容量プローブ100は、接触抵抗R図9A-9B)を複数の方法で測定するように構成されている。例えば、差動容量プローブ100は、電流がファスナ111を通って繊維強化材料105に流れるように、ファスナ111を通る接触抵抗Rを測定してもよく、または差動容量プローブ100は、差動容量プローブ100のエンドエフェクタ102(エンドエフェクタ102はファスナ111に似た形状およびサイズ)から繊維強化材料105に直接電流を流すことにより接触抵抗Rを測定してもよい。
【0014】
本開示の態様によれば、以下でさらに説明するように、差動容量プローブ100は、被試験ユニット199(図3)のファスナ接触面300(図4)の接触抵抗R図9A-9B)を絶縁し、その結果、繊維強化材料105内の繊維105F(図5)によって生じる抵抗が差動容量プローブ100によって得られる抵抗測定から実質的に排除される。
【0015】
ここでは、差動容量プローブ100は航空機900の外皮901などの被試験ユニット199(図3)の接触抵抗Rを測定するものとして説明されるが、他の態様では、差動容量プローブ100は、例えば海事産業、自動車産業、航空宇宙産業、建築産業等、任意の適切な産業の任意の適切な構造物のファスナ接触面において接触抵抗Rを測定するために使用されることに留意されたい。図2に示された航空機は固定翼航空機として示されているが、他の態様では、航空機は回転翼航空機または他の適切な航空機であり得ることにさらに留意されたい。
【0016】
図1および3-8Bを参照すると、差動容量プローブ100は一般に、フレーム101、エンドエフェクタ102、第1の容量性パッド103、および第2の容量性パット104を含む。差動容量プローブ100は、測定のために配置されたときに、繊維強化材料105の表面105Sおよび繊維強化材料105内に形成されたファスナ開口部106またはファスナ開口部106に配置されたファスナ111の一方と接触するように構成される。差動容量プローブ100がファスナ開口部106と接触している場合、エンドエフェクタ102は、ファスナ開口部106に挿入される。ファスナ開口部106は、ファスナ開口部106に配置された導電性ギャップフィラー112、またはファスナ111のシャンク111S(図4および7)が挿入されるスリーブ/ジャケット111J(図5)を含み得る。導電性ギャップフィラー112およびスリーブ/ジャケット111Jは、ファスナ111と裸のファスナ開口部との間の接触と比較した場合、ファスナ111と繊維強化材料105との間の接触を増加させ得る。
【0017】
差動容量プローブ100のフレーム101は、任意の適切な材料から形成することができ、第1の端部1011と、第1の端部1011から長手方向に間隔を空けた第2の端部1012とを含む。エンドエフェクタ102は、フレーム101の第1の端部1011に接続され、そこから延びている。エンドエフェクタ102は、グリッパ102A(図1および7)、ファスナ係合プローブ102B(図1および3)、ファスナ開口部係合プローブ102C(図1および5-5A)、ノズル102D(図1および6-6A)またはこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切なエンドエフェクタであってよい。図1と7を参照すると、エンドエフェクタは少なくともグリッパ102A(図7参照)を備え、グリッパはファスナ111を把持/保持し、かつ、ファスナ111をファスナ開口部106に挿入に挿入するように構成されている。例えば、グリッパ102Aは、ファスナ開口部106への挿入のためにファスナを回転させるようにファスナ111と係合する任意の適切なファスナ係合102A1(例:フィリップスヘッド、アレン/六角ヘッド、ソケットヘッド)を含む。グリッパ102Aはまた、グリッパ102A上にファスナ111を保持するためのファスナ保持(例えば可動ジョー102A2、磁石102A3など)を含んでもよい。本態様では、グリッパ102Aの少なくとも一部がフレーム101に回転可能に接続され、差動容量プローブ100は、例えばファスナ係合102A1を少なくとも回転駆動させるように(例えばファスナ開口部106への挿入のためにファスナ111を回転させるように)フレーム101内に配置された任意の適切な駆動装置を含む。ある態様では、駆動装置1025は、ファスナ111を把持および解放するために例えば可動ジョー102A2を移動させるようにも構成される。ファスナが磁石102A3でグリッパ102Aに保持されている場合、ファスナ111の把持および解放は受動的に行われる(例えば可動部品/能動的把持なし)。エンドエフェクタ102がグリッパ102Aを備えることにより、差動容量プローブ100は、ファスナ111がファスナ開口部106に挿入された状態で接触抵抗R図9A-9B)をin situで測定/試験することができる。
【0018】
図1および3を参照すると、エンドエフェクタ102は少なくともファスナ係合プローブ102Bを備え、エンドエフェクタ102は、例えばファスナ111のヘッド111Hと連結するように構成される。一例として、ファスナ係合プローブ102Bは、ファスナヘッド駆動構成のタイプ(例:フィリップスヘッド、アレン/六角ヘッド、ソケットヘッド)に関係なくファスナ111のヘッド111Hと連結する円錐形状102B1などの任意の適切な形状を含む。エンドエフェクタ102がファスナ係合プローブ102Bを備えることにより、差動容量プローブ100は、ファスナ111がファスナ開口部106に挿入された後に接触抵抗R図9A-9B)をin situで測定/試験することができる。
【0019】
図1および5-5Aを参照すると、エンドエフェクタ102は少なくともファスナ開口部係合プローブ102Cを備え、エンドエフェクタ102は、例えばファスナ開口部106と連結するように構成される。一例として、ファスナ開口部係合プローブ102Cは、ファスナ111に似た形状およびサイズである。例示目的のみのために、ファスナがM12x25皿小ねじである場合、M12x25ファスナの大径に実質的に等しい直径(例えば、ファスナ開口部106にねじ山がない場合;ファスナ開口部106にねじ山がある場合など、直径は、小径と実質的に等しい)およびM12x25ファスナの長さと少なくとも実質的に等しい長さを有し、その結果ファスナ開口部係合プローブ102Cは、接触抵抗R図9A-9B)を測定/試験するためにファスナ開口部係合プローブ102Cがファスナ開口部106に挿入され得る。ある態様では、ファスナ開口部係合プローブ102Cの少なくとも一部は、M12x25ファスナに対応するねじ山102C1を含むことができ、その結果、開口部係合プローブは、接触抵抗Rを測定/試験するために、ねじ山のないファスナ開口部106を貫通して延びながら、繊維強化材料105が接続されたフレーム905に配置されたナットにねじ込み式に挿入され得る。ある態様では、ファスナ開口部係合プローブ102Cは、繊維強化材料105のねじ山のあるファスナ開口部にねじ込み式に挿入され得る。ファスナ開口部係合プローブ102Cを備えるエンドエフェクタ102により、差動容量プローブ100は、被試験ユニット199(図3)の接触抵抗Rを測定/試験してから、被試験ユニット199を他のもの、例えば航空機部材と組み立てるか、またはファスナ111をファスナ開口部106に挿入することができる。ここで述べたように、ファスナ開口部係合プローブ102Cを備えるエンドエフェクタ102により、エンドエフェクタ102はファスナ開口部106の壁1061と連結することができ、ここで壁は、接触抵抗Rを測定するために、ファスナ開口部106内に配置された裸の繊維強化材料105またはスリーブ/ジャケット111J、またはファスナ開口部106内に配置された導電性ギャップフィラー112(図4および6)を含む。
【0020】
図1および6-6Aを参照すると、エンドエフェクタ102は少なくともノズル102Dを備え、エンドエフェクタ102は、例えばファスナ開口部106と、ファスナ開口係合プローブ102Cに関して上述したのと実質的に同様の方法で連結するように構成される。ノズル102Dは上述のようにファスナ111に似た形状およびサイズとすることができるが、本態様においてノズル102Dは、導電性ギャップフィラー112(図4および6も参照)をファスナ開口部106に注入するための流体流路102D1を含む。流体流路102D1は、ファスナ開口部106の壁1061とノズル102Dとの間で径方向外側に導電性ギャップフィラー112を注入するように、ノズル102Dの周囲に径方向に配置されてもよい。ノズル102Dは、導電性ギャップフィラー112を流体流路102D1に供給するように構成された導電性ギャップフィラー供給102D3と流体流路102D1を連結するように、差動容量プローブ100のフレーム101とノズル102Dとの間に延びる流体導管102D2を含むこともできる。導電性ギャップフィラー112は、低融点合金600または任意の他の適切な導電性ギャップフィラーの形態であってもよい。エンドエフェクタ102がノズル102Dを備えることにより、差動容量プローブ100は、導電性ギャップフィラー112がファスナ開口部106に挿入された状態で接触抵抗R図9A-9B)をin situで測定/試験することができる。エンドエフェクタ102は、上述のグリッパ102A、ファスナ係合プローブ102B、ファスナ開口部係合プローブ102Cまたはノズル102Dの任意の組み合わせであり、その結果、エンドエフェクタ102は、導電性ギャップフィラー112を分配し、導電性ギャップフィラー112と繊維強化材料105との間の接触抵抗R図9A-9B)を試験し、ファスナ111を挿入することができる。
【0021】
図1および3を参照すると、エンドエフェクタ102は、エンドエフェクタ102に接続された交流電源107を含み、交流電源107は、電流フロー170を生成するように構成される。電流フロー170をエンドエフェクタ102を通して繊維強化材料105に伝えるために、交流電源107は、エンドエフェクタ102に接続される。エンドエフェクタ102が少なくともファスナ係合プローブ102Bを備える場合、ファスナ係合プローブ102Bは、ファスナ111に連結するように構成される。ファスナ111に接続されたファスナ係合プローブ102Bは、交流電源107から生成された電流フロー170をファスナ111を介して繊維強化材料105に導き、電流フロー170は繊維105Fを介して分散される。エンドエフェクタ102が少なくともファスナ開口部係合プローブ102C(図5および5A)および/またはノズル102D(図6および6A)を備える場合、ファスナ開口部係合プローブ102Cおよび/またはノズル102Dは、ファスナ開口部106内に配置された壁1061、スリーブ/ジャケット111Jまたは導電性ギャップフィラー112のうちの1つと連結するように構成される。ファスナ開口係合プローブ102Cおよび/またはノズル102Dは、交流電源107から生成された電流フロー170を壁1061、スリーブ/ジャケット111Jまたは導電性ギャップフィラー112を介して繊維強化材料105に導き、電流フロー170は繊維105Fを介して分散される。
【0022】
図3、4、8A、8Bおよび9Aを参照すると、第1の容量性パッド103は、内半径r1(図8A)、外半径r2(図8A)および接触表面積103Sを含む。第1の容量性パッド103は、任意の適切な方法で第1の端部1011と第2の端部1012との間に接続される。他の態様では、第1の容量性パッド103は、第1の端部1011に接続されているか、またはそれに隣接している。ある態様において、第1の容量性パッド103は、プロング101P(図3)によってフレーム101と接続され得る。プロング101Pは、第1の容量性パッド103が繊維強化材料105の表面105Sに一致するほどの弾力性があり、これは部分的にはプロング101Pの弾力性によってもたらされる。第1の容量性パッド103は、エンドエフェクタ102を少なくとも部分的に取り囲むようにフレーム101に接続される。ある態様では、第1の容量性パッド103が表面接触領域103Sを有する連続円形部材400(図8a)であるように、第1の容量性パッド103はエンドエフェクタ102を完全に取り囲んでおり、一方、他の態様では、第1の容量性パッド103が複数の弓形部材401を含むように、第1の容量性パッド103はエンドエフェクタ102を部分的に取り囲んでいる(図3および8B)。第1の容量性パッド103が複数の弓形部材401を含む場合、各弓形部材401A、401Bは等しい内半径r1と外半径r2を有し、弓形部材403Aの内半径r1が弓形部材403Bの内半径r1と等しく、弓形部材403Aの外半径r2が弓形部材403Bの外半径r2と等しい。各弓形部材401A、401Bはそれぞれ、接触表面積401AS、401BSを有し、それぞれの接触表面積401AS、401BSの合計は接触表面積103Sと呼ばれる(これは、連続円形部材400と同じ表面積と同じであってもなくてもよい)。
【0023】
第2の容量性パッド104は、第1の容量性パッド103と実質的に同心円をなしており、内半径r3、外半径r4および接触表面積104Sを含み、第1の容量性パッド103からエンドエフェクタ102に対して径方向に離間するようにフレーム101に接続される。第2の容量性パッド104は、第1の容量性パッド103と実質的に同様の方法でプロング101Pによりフレーム101に結合されてもよい(例えば、プロング101Pは第1の容量性パッド103と第2の容量性パッド104の双方に共通である)が、一方、他の態様では、第2の容量性パッド104は、任意の適切な方法で第1の容量性パッド103とは独立してフレームに接続される。第2の容量性パッド104は、エンドエフェクタ102を少なくとも部分的に取り囲むようにフレーム101に接続される。ある態様では、第2の容量性パッド104が表面接触領域104Sを有する連続円形部材402(図8A)であるように、第2の容量性パッド104はエンドエフェクタ102を完全に取り囲んでおり、一方、他の態様では、第2の容量性パッド104が複数の弓形部材403を含むように、第2の容量性パッド104はエンドエフェクタ102を少なくとも部分的に取り囲んでいる(図3および8B)。第2の容量性パッド104は複数の弓形部材403を含み、各弓形部材403A、403Bは、等しい内半径r3と外半径r4を有し、弓形部材403Aの内半径r3は弓形部材403Bの内半径r3に等しく、弓形部材403Aの外半径r4は弓形部材403Bの外半径r4に等しい。各弓形部材403A、403Bは表面領域403AS、403BSを有し、それぞれの接触表面積403AS、403BSの合計は接触表面積104Sと呼ばれる(これは、連続円形部材402と同じ表面積であってもなくてもよい)。
【0024】
第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104は、以下でさらに説明するように、エンドエフェクタ102(またはファスナ111)と繊維強化材料105との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定を行うように、互いに径方向に間隔をあけてスペース113を形成している。繊維強化材料105の表面105S上に配置され、第1の容量性パッド103と第2の容量性パッド104は、少なくとも1つのファスナ開口部106を少なくとも部分的に取り囲んでいる。
【0025】
第1のおよび第2の容量性パッド103、104は、例えば導電性発泡体、金属材料、または柔軟もしくは剛性のいずれかの他の適切な材料等、任意の適切な材料で形成されてもよい。ある態様において、第1のおよび第2の容量性パッド103、104は連続円形部材400、402を含み、第1の容量性パッド103の接触表面積103Sは、第2の容量性パッド104の接触表面積104Sと実質的に同じであり、(r22-r12)=(r42-r32);ここで、(r22-r12)は平均半径距離rc1に等しく、(r42-r32)は平均半径距離rc2に等しい(図8A参照)。第1のおよび第2の容量性パッド103、104は複数の弓形部材401、403を含み、第1の容量性パッド103の接触表面積103S(例えば、それぞれの接触表面積401AS、401BSの合計)は、第2の容量性パッド104の接触表面積104S(例えば、それぞれの接触表面積403AS、403BSの合計)と実質的に同じであり、(r22-r12)=(r42-r32);ここで、(r22-r12)は平均半径距離rp1に等しく、(r42-r32)は平均半径距離rp2に等しい(図8A参照)。
【0026】
第1の容量性パッド103と第2の容量性パッド104は、交流容量性カップリング499(図4)を形成する繊維強化材料105の表面105Sに一致するように繊維強化材料105上に位置するように構成される。第1の容量性パッド103と第2の容量性パッド104はそれぞれ、誘電バリア接触面110を含み;一方、他の態様では、誘電バリア接触面110は、第1の容量性パッド103と第2の容量性パッド104の双方に共通である(高い比誘電率εr(すなわち、物質が電場に電気エネルギーを貯蔵する能力)を有する誘電バリアは静電容量の寄与および繊維強化材料105の表面厚さの変動/誤差を最小化でき、実効静電容量は主に誘電体の厚さと誘電率εrに依存する(すなわち、誘電体の誘電率εrが実質的に繊維強化材料105の誘電率εrより高い)。誘電バリア接触面110は、第1および第2の容量性パッド103、104それぞれを繊維強化材料105の表面105S(図4)と接続するために、第1および第2の容量性パッド103、104それぞれと繊維強化材料105との間に配置される。誘電バリア接触面110は、繊維強化材料105(すなわち、コンデンサの第1のプレート/端子)からの電流を誘電バリア接触面110(すなわちコンデンサの誘電体媒質)を介して変位電流として第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド(すなわちコンデンサの第2のプレート/端子)に伝送するように構成される。例えば、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104はそれぞれ、交流電源107によって電流フロー170が生成されるエンドエフェクタ102から電流フロー170(すなわち変位電流)を受け取るように構成される。電流フロー170がエンドエフェクタ102(またはファスナ111)を介して繊維強化材料105に分散されるように、交流電源107を作動させて、エンドエフェクタ102に電流フロー170を流すことができる。繊維強化材料105またはファスナ111および導電性ギャップフィラー112のいずれかに直接接続されたエンドエフェクタ102は、電流フロー170を繊維強化材料105に伝送する。繊維強化材料105に伝送された電流フロー170は、繊維強化材料105中に分散され、その後、繊維強化材料105上に位置する第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104に流れ、ここで電流フロー170は、誘電バリア接触面110によって変位電流として第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104に伝送される。
【0027】
図1、8Aおよび9Aを参照すると、フレーム101にそれぞれ接続されたエンドエフェクタ102、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104は、ファスナ111(またはエンドエフェクタ102)と繊維強化材料105との間の接触抵抗Rを絶縁するために、全実効抵抗Reffから繊維強化材料105の繊維抵抗を実質的に排除するように構成されている電気回路800(図9A参照)を形成する。図9Aで説明されているように、電気回路800は、交流電源107によって生成され、差動容量プローブ100によって繊維強化材料105に入力される電圧および電流である電圧Vinおよび電流Iinを含む。電圧Vinおよび電流Iinは、2つの分岐800A、800Bを流れる。分岐800A、800Bのそれぞれは、ファスナ111(またはエンドエフェクタ102)からそれぞれ第1の容量性パッド103、第2の容量性パッド104への電流フロー170を表す。例えば、分岐800Aはファスナ111(またはエンドエフェクタ102)から第1の容量性パッド103への流れに相当し、分岐800Bはファスナ111(またはエンドエフェクタ102)から第2の容量性パッド104への流れに相当する。したがって、分岐800Aの抵抗Rは第1の容量性パッド103の径方向距離rc1での繊維抵抗を表し、抵抗Rは径方向距離rc2での繊維抵抗を表す(接触表面積103Sと接触表面積104Sは等しいため、下式が成り立つことに留意されたい)。
=(r/r)R1=NR; [1]
式中、N=r/rであり、Nは整数値である。
【0028】
抵抗Rは接触抵抗であり、抵抗Rは外部ブリッジ基準抵抗である(外部ブリッジ基準抵抗Rは、単に分岐電流分割の比較用であり、繊維強化材料105の抵抗と直接比較されないことに留意されたい)。2つの容量プローブ(すなわち第1および第2の容量性パッド103、104)を使用して電流分割差を測定することにより、コントローラ108(以下で説明)は2つの分岐800A、800Bの測定抵抗を区別し、接触抵抗Rを残したまま測定の繊維抵抗部分(R、R)を排除することができる。VおよびIは、第1の容量性パッド103で測定された電圧および電流であり、VおよびIは、第2の容量性パッドで測定された電圧および電流である。Reffは、全実効抵抗である。
【0029】
電気回路800の繊維抵抗の排除および接触抵抗Rの絶縁は、次の証明によって示される。
in=Iineff [2]
eff=(Reff_1 eff_2)/(Reff_1+Reff_2) [3]
eff_1=(j/Cω)+R+R+R [4]
eff_2=(j/Cω)+R+R+R [5]
ここで、jは複素数、ωは周波数であり、(j/Cω)は、容量性リアクタンスである。
=I [6]
=Vin/Reff_1 [7]
式[7]のVinを式[2]で置き換えると、次のようになる。
=Iin(Reff_2/Reff_1+Reff_2) [8]
式[6]のI1を式[8]で置き換えると、次のようになる。
=Rin(Reff_2/Reff_1+Reff_2) [9]
したがって、V=α((j/Cω)+R+R+R);ここで、α=(Rin/Reff_1+Reff_2) [10]
=I [11]
=Vin/Reff_2 [12]
式[12]のVinを式[2]で置き換えると、次のようになる。
=Iin(Reff_1/Reff_1+Reff_2) [13]
式[11]のIを式[13]で置き換えると、次のようになる。
=Rin(Reff_1/Reff_1+Reff_2) [14]
したがって、V=α((j/Cω)+R+R+R);ここで、α=(Rin/Reff_1+Reff_2) [15]
out=NV-V [16]
式[16]のVとVをそれぞれ式[10]、[15]で置き換えると、次のようになる。
out=(αN((j/Cω)+R+R+R))-(α((j/Cω)+NR+R+R)=α(N-1)(((j/Cω)+R)-R) [17]
したがって、Vout=α(N-1)(β-R);ここで、((j/Cω)+R)=β [18]
式[18]のRを解くと、次のようになる。
=β-(Vout/α(N-1)) [19]
【0030】
別の態様では、図1、3、8Bおよび9Bを参照すると、フレーム101にそれぞれ接続されたエンドエフェクタ102、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104は、ファスナ111(またはエンドエフェクタ102)と繊維強化材料105との間の接触抵抗Rを絶縁するために、全実効抵抗Reffから繊維強化材料105の繊維抵抗を実質的に排除するように構成されている電気回路801(図9B参照)を形成する。回路801の電気部品は、インダクタを回路801の各分岐801A、801Bに追加して、以下の証明によって示されるように、繊維抵抗の排除を簡略化することを除いて、上記の回路800の部品と実質的に同じであることに留意されたい。
in=Iineff [20]
eff=(Reff_1 eff_2)/(Reff_1+Reff_2) [21]
eff_1=jLω-(j/Cω)+R+R+R [22]
eff_2=jLω-(j/Cω)+R+R+R [23]
ここで、jは複素数、ωは周波数であり、(j/Cω)は容量性リアクタンスであり、Lω=1/Cω(共振@ω)(注:jLω-(j/Cω)は実質的にゼロ);
=I [24]
=Vin/Reff_1 [25]
式[25]のVinを式[20]で置き換えると、次のようになる。
=Iin(Reff_2/Reff_1+Reff_2) [26]
式[24]のIを式[26]で置き換えると、次のようになる。
=Rin(Reff_2/Reff_1+Reff_2) [27]
したがって、V=α(R+R+R);ここで、α=(Rin/Reff_1+Reff_2) [28]
=I [29]
=Vin/Reff_2 [30]
式[30]のVinを式[20]で置き換えると、次のようになる。
=Iin(Reff_1/Reff_1+Reff_2) [31]
式[29]のIを式[31]で置き換えると、次のようになる。
=Rin(Reff_1/Reff_1+Reff_2) [32]
したがって、V=α(R+R+R);ここで、α=(Rin/Reff_1+Reff_2) [33]
out=V-NV=α(NR+R+R)-αN(R+R+R)=α(1-N)(R+R
[34]
したがって、Vout=α(1-N)(R+R) [35]
式[35]のRを解くと、次のようになる。
=(Vout/α(a-N))-R [36]
【0031】
図1および3-3Aを参照すると、ある態様では、差動容量プローブ100は、フレーム101に配置された1または複数のハンドル1013を含むハンドヘルド試験機器(図3A)である。1または複数のハンドル1013は、オペレータが差動容量プローブ100を手に持って様々な試験場所へ/から移動できるように構成される。例えば、差動容量プローブ100は、異なるファスナ位置の接触抵抗R図9A-9Bを測定/試験するために、複数のファスナ位置の各ファスナ位置に移動させることができる。ハンドヘルド試験機器190として構成された差動容量プローブ100は、外皮901の補修、例えば相欠き後の接触抵抗R測定/試験を簡略化することができる。
【0032】
別の態様では、差動容量プローブは、自動試験機器191(図3)として構成され得、かつ、自動化デバイス500と連結するために構成され得る。例えば、差動容量プローブのフレーム101は、自動化デバイス500(例えばロボットアーム502またはロボットガントリー503(図1参照))のツールインターフェース501と連結するように構成されているツールインターフェースソケット1014を含み、ここで自動化デバイス500は、自動化デバイスコントローラ508の制御下で、差動容量プローブ100を複数のファスナ位置の各ファスナ位置に移動させ、異なるファスナ位置の接触抵抗Rを測定/試験する。ハンドヘルド試験機器190または自動試験機器191のいずれかとして構成された差動容量プローブ100は、外皮901の補修、例えば相欠き後の接触抵抗R測定/試験を簡略化することができる。他の態様では、ハンドヘルド試験機器190または自動試験機器191のいずれかとして構成された差動容量プローブ100は、被試験ユニット199の製造または保守中の接触抵抗R測定/試験を簡略化することができる(図3)。
【0033】
ある態様では、差動容量プローブ100は、コントローラ108をさらに含む。ある態様では、コントローラ108は、コントローラ108が差動容量プローブ100のフレーム101内に配置されるように、オンボードコントローラであってもよい。別の態様では、コントローラは、例えばオペレータのステーションなどの遠隔にあってもよい。コントローラ108は、任意の不揮発性コンピュータ可読媒体を含むことができ、交流電源107、第1の容量性パッド103、および第2の容量性パッド104のそれぞれに、例えば毛0ブル108Wで接続される。コントローラ108は、交流電源107を作動させ、第1の容量性パッド103と第2の容量性パッド104のそれぞれから電流/電圧の読み取り値を受け取るように構成される。ある態様では、コントローラ108は、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104からの電流/電圧を検出し、コントローラが受け取るその電流/電圧に対応する/を表す信号を生成する電流/電圧センサ115を含み得る。
【0034】
ある態様では、コントローラ108は、ファスナ111(またはエンドエフェクタ102)と繊維強化材料105の間の接触抵抗Rを測定し、コントローラ108内に格納された所定の接触抵抗と比較するように構成される。例えば、コントローラ108は、交流電源107を作動させ、交流電源107は電流フロー170をエンドエフェクタ102とファスナ111を通して繊維強化材料105に送り、繊維強化材料105は繊維強化材料105の繊維105Fに分散する。繊維105Fに分散する電流フロー170は、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104のそれぞれに向かって流れ、変位電流として誘電バリア接触面110によって第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104に伝送される。電圧または電流読み取り値は、その後コントローラ108によって捕捉され、格納された所定の接触抵抗と比較される。
【0035】
ある態様では、差動容量プローブ100は、コントローラ108に接続されたディスプレイ109をさらに含む。ディスプレイ109は、測定された接触抵抗Rが、コントローラ108によって測定された所定の接触抵抗の所定の範囲内にあるかどうかについての表示を提供するように構成される。この表示は、聴覚的、視覚的であり得る(例えば赤または緑の色表示(すなわち、差動容量プローブ100は、接触抵抗Rが所定の、例えば米国連邦航空局によって設定されたものの範囲内にあるかどうかを示す通り/止まりゲージである)。他の態様では、この表示は、電圧、電流もしくは抵抗値等、または任意の他の適切な表示である。一態様では、ディスプレイ109は、ディスプレイ109が差動容量プローブ100のフレーム101に直接接続されるようなオンボードディスプレイであってもよい。例えば、差動容量プローブ100はハンドヘルド試験機器190である場合、ディスプレイ109は、ハンドヘルド試験機器190上のインジケータライト190I(図3A)であってもよい。差動容量プローブ100が繊維強化材料105およびファスナ111と接触して接触抵抗Rを測定/試験するとき、コントローラ108は交流電源107を作動させ、ディスプレイ109は、ハンドヘルド試験機器190上に直接赤色光(すなわち許容範囲外の接触抵抗)または緑色光(すなわち許容範囲内の接触抵抗)のいずれかを示す。他の態様では、ディスプレイ109は、例えばオペレータのステーションなどの遠隔にあってもよい。他の態様では、ディスプレイ109上に測定読み取り/値が(例えばオームで)提供され得る。
【0036】
図1および3-10を参照すると、差動容量プローブ100によって接触抵抗Rを測定するための方法9000が示されている。方法9000は、繊維強化材料105(図10、ブロック9001)を通る電流フロー170(例えば交流)を差動容量プローブ100のエンドエフェクタ102と差動容量プローブの第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104のそれぞれとの間に生成することを含む。第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104がそれぞれ少なくとも部分的にエンドエフェクタ102を取り囲み、第1の容量性パッド103の接触表面積103Sが第2の容量性パッド104のもう一つの接触表面積104Sと実質的に同じであるように、第2の容量性パッド104は、エンドエフェクタ102に対して第1の容量性パッド103から径方向に間隔を空けて配置されている。ある態様において、繊維強化材料105を通る電流フロー170を生成することは、電流フロー170を交流電源107からエンドエフェクタ102を通して繊維強化材料105に伝えることを含む。別の態様において、繊維強化材料105を通る電流フロー170を生成することは、電流フロー170を交流電源107からエンドエフェクタ102を通して繊維強化材料105に接続されたファスナ111に伝えることを含む。この方法は、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104に接続されたコントローラ108で、第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104からのそれぞれの電圧読み取り値を受け取ることをさらに含む(図10、ブロック9002)。コントローラ108は、繊維強化材料105との接触抵抗Rを測定する(図10、ブロック9003)。この測定は、測定された接触抵抗から繊維強化材料105の繊維抵抗を実質的に排除する。ある態様では、接触抵抗Rは、エンドエフェクタ102と繊維強化材料105との間の接触に対応する。別の態様では、接触抵抗Rは、ファスナ111と繊維強化材料105との間の接触に対応し、ファスナ111はエンドエフェクタ102と繊維強化材料105の双方に接続される。
【0037】
ある態様では、差動容量プローブ100を繊維強化材料105に対して自動的に移動させて、繊維強化材料105上の複数の位置(すなわち、パネルを航空機900のフレーム905に固定する複数の固定位置)で接触抵抗Rを測定することができる。
【0038】
ある態様では、コントローラ108は、エンドエフェクタ102から繊維強化材料105のファスナ開口部106への導電性ギャップフィラー112の分配によりin situで、エンドエフェクタ102と繊維強化材料105との間の接触抵抗Rを測定する。別の態様では、ファスナ111と繊維強化材料105との間の接触抵抗Rを測定することは、エンドエフェクタ102による繊維強化材料105のファスナ開口部106へのファスナ111の挿入によってなされる。
【0039】
ある態様では、コントローラ108は、測定された接触抵抗Rをコントローラ108に格納されている所定の接触抵抗と比較し、測定された接触抵抗Rが所定の接触抵抗の所定の範囲内にあるかどうかについての表示をディスプレイ109上に表示させる。
【0040】
ある態様では、電流は、誘電バリア接触面110を通る変位によって、繊維強化材料105から第1の容量性パッド103および第2の容量性パッド104のそれぞれに流れる。
【0041】
本開示の例は、図11に示す航空機の製造および保守方法2000に照らして説明することができる。他の態様では、本開示の例は、例えば自動車、海事、宇宙船等、任意の適切な産業に適用され得る。航空機製造に関して、例示的な方法2000は、製造前の段階で、航空機900(図2)の仕様および設計(ブロック2001)と材料の調達(ブロック2002)とを含み得る。製造段階では、航空機900のコンポーネントおよびサブアセンブリの製造(ブロック2003)と、システムインテグレーション(ブロック2004)とが行われ得る。その後、航空機900は認可および納品(ブロック2005)を経て運航(ブロック2006)に供され得る。運航中、航空機900には、定期的な整備および保守(ブロック2007)が予定され得る。定期的な整備および保守には、本明細書で説明する差動容量プローブ100の使用を含む、航空機900の1または複数のシステムの修正、再構成、改修等が含まれ得る。
【0042】
例示的な方法2000のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、および/または顧客などのオペレータによって実行または実施され得る。本明細書において、システムインテグレータとは、任意の数の航空機製造業者および主要なシステム下請業者を含み得るがこれらに限定されず、第三者とは、任意の数のベンダー、下請業者および供給業者を含み得るがこれらに限定されず、かつ、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関等であり得る。
【0043】
本書で図示または説明される装置(複数可)と方法(複数可)は、製造および保守方法2000の任意の1または複数の段階において用いられ得る。例えば、コンポーネントおよびサブアセンブリの製造(ブロック2003)に対応するコンポーネントまたはサブアセンブリは、航空機900の運航(ブロック2006)中に製造されるコンポーネントまたはサブアセンブリと同様の方法で作製または製造され得る。また、装置(複数可)、方法(複数可)またはこれらの組み合わせの1または複数の例は、例えば、航空機900の組立てを著しく効率化するかまたはコストを削減することにより、製造段階2003および2004において利用され得る。同様に、装置もしくは方法実現の1もしくは複数の実施例、またはそれらの組み合わせは、限定するものではないが例えば、航空機900の運航(ブロック2006)中に、ならびに/または整備および保守(ブロック2007)段階で利用され得る。
【0044】
本開示の態様に従って、以下が提供される。
【0045】
A1. 接触抵抗を測定するための差動容量プローブであって、差動容量プローブが:
フレーム;
フレームから延びるエンドエフェクタ;
少なくとも部分的にエンドエフェクタを取り囲むようにフレームに接続された第1の容量性パッド;および
エンドエフェクタに対して第1の容量性パッドから径方向に間隔を空けるように、かつ、エンドエフェクタを少なくとも部分的に取り囲むようにフレームに接続された第2の容量性パッドを備え、
第1の容量性パッドの接触表面積は、第2の容量性パッドのもう一つの接触面(contact surface)と実質的に同じである、差動容量プローブ。
【0046】
A2. 第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが、繊維強化材料の表面と一致するように構成されている、A1に記載の差動容量プローブ。
【0047】
A3. 導電性ギャップフィラーをファスナ開口部に分配するために、エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部への挿入のために構成されている、A2に記載の差動容量プローブ。
【0048】
A4. エンドエフェクタが、低融点合金の形態の導電性ギャップフィラーを分配するように構成されている、A3に記載の差動容量プローブ。
【0049】
A5. A3に記載の差動容量プローブであって、
エンドエフェクタが、繊維強化材料を通る電流フローを生成する交流電源を備え;かつ
第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが電流フローを受け取るように構成されており、第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔がエンドエフェクタと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定をもたらす、差動容量プローブ。
【0050】
A6. ファスナをファスナ開口部に挿入するために、エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部への挿入のためのファスナを保持するように構成されている、A2に記載の差動容量プローブ。
【0051】
A7. A6に記載の差動容量プローブであって、
エンドエフェクタが、繊維強化材料を通る電流フローを生成する交流電源を備え;かつ
第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが電流フローを受け取るように構成されており、第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔が、ファスナと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定をもたらす、差動容量プローブ。
【0052】
A8. エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部への挿入のために構成されている、A2に記載の差動容量プローブ。
【0053】
A9. エンドエフェクタが、繊維強化材料を通る電流フローフローを生成する交流電源を備え;かつ
第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが電流フローを受け取るように構成されており、第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔が、エンドエフェクタと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されている接触抵抗測定をもたらす、A8に記載の差動容量プローブ。
【0054】
A10. エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部に挿入されたファスナと連結するように構成されている、A2に記載の差動容量プローブ。
【0055】
A11. エンドエフェクタが、繊維強化材料を通る電流フローを生成する交流電源を備え;かつ
第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが電流フローを受け取るように構成されており、第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔がファスナと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されている接触抵抗測定をもたらす、A10に記載の差動容量プローブ。
【0056】
A12. エンドエフェクタ、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが、ファスナと強化繊維材料との間の測定された接触抵抗から繊維強化材料の繊維抵抗を実質的に排除するように構成されている電気回路を形成する、A1に記載の差動容量プローブ。
【0057】
A13. 第1の容量性パッドが連続的な円形部材を含む、A1に記載の差動容量プローブ。
【0058】
A14. 第2の容量性パッドが連続的な円形部材を含む、A1に記載の差動容量プローブ。
【0059】
A15. 第1の容量性部材が複数の弓形部材を含む、A1に記載の差動容量プローブ。
【0060】
A16. 第2の容量性部材が複数の弓形部材を含む、A1に記載の差動容量プローブ。
【0061】
A17. エンドエフェクタに接続された交流電源;ならびに
交流電源を作動させ、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれからの電圧読み取り値を受け取るように構成されたコントローラ
をさらに備える、A1に記載の差動容量プローブ。
【0062】
A18. コントローラが、エンドエフェクタを第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに連結する繊維強化材料とエンドエフェクタとの間の接触抵抗を測定するように構成されている、A17に記載の差動容量プローブ。
【0063】
A19. コントローラが、エンドエフェクタに接続されたファスナと、ファスナを第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに連結する繊維強化材料との間の接触抵抗を測定するように構成されている、A17に記載の差動容量プローブ。
【0064】
A20. コントローラに接続されたディスプレイをさらに備え、コントローラが、測定された接触抵抗を所定の接触抵抗と比較し、測定された接触抵抗が所定の接触抵抗の所定の範囲内にあるかどうかについての表示をディスプレイを通して提供するように構成されている、A17に記載の差動容量プローブ。
【0065】
A21. 第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドがそれぞれ、繊維強化材料の表面と連結するように構成されている誘電バリア接触面を含む、A1に記載の差動容量プローブ。
【0066】
A22. 第1の容量プローブおよび第2の容量プローブが金属材料を含む、A1に記載の差動容量プローブ。
【0067】
B1. 接触抵抗を測定するための差動容量プローブであって、
フレーム;
フレームから延びるエンドエフェクタ;
エンドエフェクタに接続された交流電源;
少なくとも部分的にエンドエフェクタを取り囲むようにフレームに接続された第1の容量性パッド;および
エンドエフェクタに対して第1の容量性パッドから径方向に間隔を空けるように、かつ、エンドエフェクタを少なくとも部分的に取り囲むようにフレームに接続された第2の容量性パッドを備え、
第1の容量性パッドの接触表面積は第2の容量性パッドのもう一つの接触面と実質的に同じであり、電流は、エンドエフェクタから、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに、エンドエフェクタを第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに接続する繊維強化材料を少なくとも通って流れる、差動容量プローブ。
【0068】
B2. 第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが、繊維強化材料の表面と一致するように構成されている、B1に記載の差動容量プローブ。
【0069】
B3. B2に記載の差動容量プローブであって、導電性ギャップフィラーをファスナ開口部に分配するために、エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部への挿入のために構成されている、差動容量プローブ。
【0070】
B4. エンドエフェクタが、低融点合金の形態の導電性ギャップフィラーを分配するように構成されている、B3に記載の差動容量プローブ。
【0071】
B5. 第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔が、エンドエフェクタと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定をもたらす、B3に記載の差動容量プローブ。
【0072】
B6. ファスナをファスナ開口部に挿入するために、エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部への挿入のためのファスナを保持するように構成されている、B2に記載の差動容量プローブ。
【0073】
B7. 第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔が、ファスナと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されているin situ接触抵抗測定をもたらす、B6に記載の差動容量プローブ。
【0074】
B8. エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部への挿入のために構成されている、B2に記載の差動容量プローブ。
【0075】
B9. 第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔が、エンドエフェクタと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されている接触抵抗測定をもたらす、B8に記載の差動容量プローブ。
【0076】
B10. エンドエフェクタが、少なくとも部分的に繊維強化材料を通って延在するファスナ開口部に挿入されたファスナと連結するように構成されている、B2に記載の差動容量プローブ。
【0077】
B11. 第1の容量性パッドと第2の容量性パッドとの間の間隔が、ファスナと繊維強化材料との間の接触に対して実質的に絶縁されている接触抵抗測定をもたらす、B10に記載の差動容量プローブ。
【0078】
B12. エンドエフェクタ、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドが、ファスナと強化繊維材料との間の測定された接触抵抗から繊維強化材料の繊維抵抗を実質的に排除するように構成されている電気回路を形成する、B1に記載の差動容量プローブ。
【0079】
B13. 第1の容量性パッドが連続的な円形部材を含む、B1に記載の差動容量プローブ。
【0080】
B14. 第2の容量性パッドが連続的な円形部材を含む、B1に記載の差動容量プローブ。
【0081】
B15. 第1の容量性部材が複数の弓形部材を含む、B1に記載の差動容量プローブ。
【0082】
B16. 第2の容量性部材が複数の弓形部材を含む、B1に記載の差動容量プローブ。
【0083】
B17. 交流電源を作動させ、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれからの電圧読み取り値を受け取るように構成されたコントローラ
をさらに備える、B1に記載の差動容量プローブ。
【0084】
B18. コントローラが、エンドエフェクタを第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに接続する繊維強化材料とエンドエフェクタとの間の接触抵抗を測定するように構成されている、B17に記載の差動容量プローブ。
【0085】
B19. コントローラが、エンドエフェクタに接続されたファスナと、ファスナを第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに連結する繊維強化材料との間の接触抵抗を測定するように構成されている、B17に記載の差動容量プローブ。
【0086】
B20. コントローラに接続されたディスプレイをさらに備え、コントローラが、測定された接触抵抗を所定の接触抵抗と比較し、測定された接触抵抗が所定の接触抵抗の所定の範囲内にあるかどうかについての表示をディスプレイを通して提供するように構成されている、B17に記載の差動容量プローブ。
【0087】
B21. 第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドがそれぞれ、繊維強化材料の表面と連結するように構成されている誘電バリア接触面を含む、B1に記載の差動容量プローブ。
【0088】
B22. 第1の容量プローブおよび第2の容量プローブが金属材料を含む、B1に記載の差動容量プローブ。
【0089】
C1. 繊維強化材料との接触抵抗を測定するための方法であって、
差動容量プローブのエンドエフェクタと差動容量プローブの第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれとの間の繊維強化材料を通る電流フローを生成することであって、第2の容量性パッドは、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドがそれぞれ少なくとも部分的にエンドエフェクタを取り囲むように、エンドエフェクタに対して第1容量性パッドから径方向に間隔を空けて存在し、かつ、第1の容量性パッドの接触表面積は第2の容量性パッドのもう一つの接触面と実質的に同じである、生成することと;
第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドに接続されたコントローラで、第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドからのそれぞれの電圧測定値を受け取ることと;
コントローラで、繊維強化材料との接触抵抗を測定することであって、測定された接触抵抗から繊維強化材料の繊維抵抗を実質的に排除する、測定すること
とを含む、方法。
【0090】
C2. 接触抵抗がエンドエフェクタと繊維強化材料との間の接触に対応する、C1に記載の方法。
【0091】
C3. エンドエフェクタと繊維強化材料との間の接触抵抗の測定が、エンドエフェクタから繊維強化材料のファスナ開口部への導電性ギャップフィラーの分配によってin situで行われる、C2に記載の方法。
【0092】
C4. 接触抵抗がファスナと繊維強化材料との間の接触に対応し、ファスナがエンドエフェクタと繊維強化材料の双方に接続されている、C1に記載の方法。
【0093】
C5. ファスナと繊維強化材料との間の接触抵抗の測定が、エンドエフェクタによる繊維強化材料のファスナ開口部へのファスナの挿入によってin situでなされる、C4に記載の方法。
【0094】
C6. 繊維強化材料に対して差動容量性プローブを自動的に移動させて、繊維強化材料上の複数の位置で接触抵抗を測定することをさらに含む、C1に記載の方法。
【0095】
C7.
コントローラで、測定された接触抵抗を所定の接触抵抗と比較すること;および
コントローラに接続されたディスプレイ上に、測定された接触抵抗が所定の接触抵抗の所定の範囲内にあるかどうかについて表示をコントローラとともに表示させること
をさらに含む、C1に記載の方法。
【0096】
C8. 電流が、誘電バリアを通る変位によって、繊維強化材料から第1の容量性パッドおよび第2の容量性パッドのそれぞれに流れる、C1に記載の方法。
【0097】
上で参照した図において、様々な要素および/またはコンポーネントを連結する実線が存在する場合、それらの実線は、機械的、電気的、流体的、光学的、電磁的、無線および他の連結、ならびに/またはこれらの組み合せを表し得る。本書において、「接続され(coupled)」とは、直接的および間接的に関連付けられていることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接的に関連付けられるか、または、例えば、別の部材Cを介して間接的に関連付けられていてよい。開示されている様々な要素間の全ての関係が必ずしも表わされているわけではないことが、理解されよう。したがって、図面に描かれているもの以外の接続も存在し得る。様々な要素および/またはコンポーネントを示すブロックを連結する破線が存在する場合、それらの破線は、機能および目的の点で実線によって表されているものに類似した接続を表わす。ただし、破線によって表わされた接続は、選択的に提供されるか、本開示の代替的実施例に関するかのいずれかであり得る。同様に、破線で表わされた要素および/またはコンポーネントが存在する場合、それらは本開示の代替的実施例を示す。実線および/または破線で示される1または複数の要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の実施例から省略され得る。環境要素が存在する場合、それらは点線で表わされる。また、明確性のために、仮想(架空)の要素を示してもよい。図に示されたいくつかの特徴は、図、他の図面および/またはこれらに付随する開示において記載されている他の特徴を含める必要なく、様々な方法で組み合わせることができる(このような組み合わせが本明細書に明示的に示されていなくても)ことを、当業者は理解するであろう。同様に、提示されている実施例に限定されない追加の特徴も、本明細書で図示され説明されている特徴のいくつかまたはすべてと組み合わせることができる。
【0098】
上で参照した図10および11において、ブロックは、工程および/またはその一部を表し、様々なブロックを連結する線は、工程またはその一部のいかなる特定の順序または従属関係も示唆しない。破線で示されるブロックは、代替的な工程および/またはその一部を示す。様々なブロックを連結する破線がある場合、その破線は工程またはその一部の代替的な従属関係を表わす。開示されている様々な工程間の必ずしもすべての従属関係が表わされているわけではない。本明細書に明記された1または複数の方法の工程を記載している図10および11、ならびにこれらに付随する開示は、必ずしも工程が実行されるべき順序を決定付けていると解釈すべきではない。むしろ、1つの例示的な順序が示されてはいるが、工程の順序は適宜変更され得ることを理解されたい。したがって、ある特定の工程は、異なる順序で、または同時に実行され得る。加えて、必ずしも記載されている全工程を実行する必要はないことを、当業者は理解するであろう。
【0099】
以下の説明において、開示されている概念の完全な理解をもたらすために、多くの特定の詳細が明記されるが、その概念はこれらの詳細の一部または全部がなくとも実施され得る。あるいは、開示を不必要に分かりにくくすることを避けるために、既知のデバイスおよび/またはプロセスの詳細は省略されている。いくつかの概念は特定の例と併せて説明されるが、これらの例は限定を意図していないことが理解されよう。
【0100】
別途指示されない限り、「第1の(first)」、「第2の(second)」などの語は、本書では単に符号として使用されており、これらの用語が指すアイテムに順序的、位置的または序列的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、例えば「第2の」アイテムへの言及は、例えば「第1の」もしくはより小さな番号が付けられたアイテム、および/または、例えば「第3の」もしくより大きな番号が付けられたアイテムの存在を必要とすることも、除外することもない。
【0101】
本書における「一例」への言及は、その例に関連して説明される1または複数の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実行形態に含まれることを意味する。本明細書の各所で見られる「一例」という表現は、同一の例を指すことも、指さないこともある。
【0102】
本明細書で使用される場合、特定の機能を実行するように構成されたシステム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアは、さらなる改良後にその特定の機能を実行する潜在能力を単に有するというよりも、実際は、いかなる変更も行わずにその特定の機能を実行することが可能である。換言すると、特定の機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアは、その特定の機能を実行するという目的のために、特に選択され、作り出され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/または設計される。本明細書で使用される場合、「ように構成された」という表現は、システム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアがさらなる改良なしで特定の機能を実行することを可能にする、システム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアの存在する特徴を指す。本開示において、特定の機能を実行する「ように構成され」ていると説明されているシステム、装置、構造物、物品、要素、コンポーネントまたはハードウェアは、追加的または代替的には、その機能を実行するよう「適合されている(adapted to)」、かつ/または実行するように「動作可能である(operative to)」とも説明され得る。
【0103】
本明細書で開示されている装置(複数可)および方法(複数可)の様々な例は、多種多様なコンポーネント、特徴および機能を含む。本明細書で開示されている装置(複数可)および方法(複数可)の様々な例は、本明細書で開示されている装置(複数可)および方法(複数可)のいかなるその他の例のいかなるコンポーネント、特徴および機能も、任意の組み合わせで含む可能性があり、かつ、かかる可能性はすべて本開示の範囲内にあるものとする。
【0104】
前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益をできる、本開示に関係する当業者には、本明細書に記載された実施例の変更が多数想起されるであろう。
【0105】
したがって、本開示は、例示された特定の例に限定されるものでなく、変更および他の例が別紙の特許請求の範囲に含まれることが意図されることを理解されたい。さらに、上述の記載および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例示的な組み合わせに照らして本開示の例を説明しているが、要素および/または機能の異なる組み合わせが代替的な実行形態によって、別紙の特許請求の範囲から逸脱することなく提供され得ることを理解されたい。そのため、別紙の特許請求の範囲中の括弧でくくられた参照番号は、例示のみを目的として提示されており、特許請求される主題の範囲を本開示内で提供される特定の例に限定するものではない。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図5A
図6
図6A
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11