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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】電源制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20240412BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240412BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240412BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240412BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/00 Q
H02J7/34 G
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019239459
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021108521
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】520039179
【氏名又は名称】NTTアノードエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石橋 拓
(72)【発明者】
【氏名】矢島 寛也
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-046454(JP,A)
【文献】実開平07-044873(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-11/00
H01M 10/42-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を出力する第1変換部と、
前記第1変換部と電気的に並列に接続され、交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を出力する第2変換部と、
前記第1変換部及び前記第2変換部から直流電力が出力される導線において、前記第1変換部と前記第2変換部との間に設けられ、前記第2変換部から前記第1変換部へ向かう電流の流れを許容し、前記第1変換部から前記第2変換部へ向かう電流の流れを規制する規制部と、
前記第2変換部から直流電力が出力される側であって、前記第2変換部と前記規制部との間に充放電可能に接続された蓄電部から出力される所定の電圧よりも低い電圧である試験電圧に、前記第2変換部から出力される直流電力の電圧を調整する制御が可能であるように構成された制御部と、
前記規制部に前記第2変換部又は前記蓄電部から入力される電圧を測定する測定部と、
前記第2変換部と前記蓄電部との間の電力を放電可能に構成された放電部と、
を備え、
前記第2変換部から出力される電圧は、前記第1変換部から出力される電圧よりも小さいことを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
請求項に記載の電源制御装置であって、
前記制御部により前記第2変換部から出力される電圧を前記試験電圧に調整する制御が行われた場合、前記蓄電部から放電を行う放電制御を行うように構成された放電制御部、
を更に備える、電源制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項に記載の電源制御装置であって、
前記蓄電部と前記規制部とを電気的に接続する導線、及び、前記第2変換部の間に接続され、前記第2変換部から前記蓄電部又は前記規制部への電流の流れを許容し、前記蓄電部又は前記規制部から前記第2変換部への電流の流れを規制する逆流防止部を更に備える、電源制御装置。
【請求項4】
請求項に記載の電源制御装置であって、
前記第2変換部から前記逆流防止部に向かって出力される電圧を測定する変換測定部、
を備える、電源制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電システムに用いられる電源制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施設に対して、通常時には商用電源を用いて給電を行い、停電時等の非常時には備えられた蓄電池を用いて給電を行う給電システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-046454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような給電システムでは、蓄電池が正常に機能するか否かを確認するための正常性確認を行う技術が知られている。
しかしながら、特許文献1に記載されているような、従来の給電システムでは、蓄電池の正常性確認において、蓄電池から実放電を行う。このため、正常性確認の際、蓄電池から実放電が行われることにより蓄電池に蓄電された電力量が減少する。
【0005】
本発明は、正常性確認の際、蓄電池に蓄電された電力量が減少することを抑制しやすい電源制御装置に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、電源制御装置であって、第1変換部と、第2変換部と、規制部と、制御部と、測定部と、を備える。第1変換部は、交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を出力する。第2変換部は、第1変換部と電気的に並列に接続され、交流電力を直流電力に変換し、変換された直流電力を出力する。規制部は、第1変換部及び第2変換部から直流電力が出力される導線において、第1変換部と第2変換部との間に設けられ、第2変換部から第1変換部へ向かう電流の流れを許容し、第1変換部から第2変換部へ向かう電流の流れを規制する。制御部は、第2変換部の直流電力が出力される側であって、第2変換部と規制部との間に充放電可能に接続された蓄電部から出力される所定の電圧よりも低い電圧である試験電圧に、第2変換部から出力される直流電力の電圧を調整する制御が可能であるように構成される。測定部は、規制部に第2変換部又は蓄電部から入力される電圧を測定する。
【0007】
このような構成によれば、正常性確認の際、制御部により、第2変換部から出力される電圧が蓄電部から出力される電圧よりも低い試験電圧に調整される。これにより、規制部に第2変換部又は蓄電部から入力される電圧が測定部により測定されることで、蓄電部が正常に動作しているか否かを判定することができる。このため、正常性確認を行う際に、蓄電部により直流電力を供給する必要がなく、蓄電部の電力が消費されることを抑制することができる。
【0008】
本開示の一態様では、第2変換部と蓄電部との間の電力を放電可能に構成された放電部、を備えてもよい。
このような構成によれば、正常性確認を行い、制御部により第2変換部から出力される電圧を試験電圧にした際に、放電部により通電状態に制御されることにより、蓄電部の正常性確認をより適切に行いやすくなる。すなわち、蓄電部からの給電に異常がある場合に、第2変換部から出力される電圧が試験電圧まで低下することが寄生容量により妨げられ、蓄電部からの給電の異常が検出されないことを抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様は、制御部により第2変換部から出力される電圧を試験電圧に調整する制御が行われた場合、蓄電部から放電を行う放電制御を行うように構成された放電制御部、を更に備えてもよい。
【0010】
このような構成によれば、放電制御が行われることにより、蓄電部から放電が行われ、電圧が試験電圧まで低下することを妨げる寄生容量の影響を相対的に小さくすることができる。
【0011】
本開示の一態様は、導線、及び、規制部を更に備えてもよい。また、導線は、蓄電部と規制部とを電気的に接続する。規制部は、第2変換部の間に接続され、第2変換部から蓄電部又は規制部への電流の流れを許容し、蓄電部又は規制部から第2変換部への電流の流れを規制する。
【0012】
このような構成によれば、規制部及び蓄電部から第2変換部へと電流が逆流することを抑制することができる。
本開示の一態様では、規制部に向かって第2変換部から出力される電圧を測定する変換測定部、を備えてもよい。
【0013】
このような構成によれば、変換測定部によって、第2変換部から出力される電圧と、規制部及び蓄電部の電圧とを測定することにより、各電圧の比較を行い、蓄電池の正常性確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態における給電システムの装置構成の例を表した図である。
図2図2(A)は、実施例に記載の給電システムにおける通常状態の直送器電圧Vp、充電器電圧Vc及び電池電圧Vbの時間変動の例を表した図である。図2(B)は、実施例に記載の給電システムにおける通常状態の第1電圧V1及び第2電圧V2の時間変動の例を表した図である。
図3図3(A)は、実施例に記載の給電システムにおける正常性確認時の直送器電圧Vp、充電器電圧Vc及び電池電圧Vbの時間変動の例を表した図である。図3(B)は、実施例に記載の給電システムにおける正常性確認時の第1電圧V1及び第2電圧V2の時間変動の例を表した図である。
図4図4(A)は、実施例に記載の給電システムの蓄電装置からの給電に異常がある場合の正常性確認時の直送器電圧Vp、充電器電圧Vc及び電池電圧Vbの時間変動の例を表した図である。図4(B)は、実施例に記載の給電システムの蓄電装置からの給電に異常がある場合の正常性確認時の第1電圧V1及び第2電圧V2の時間変動の例を表した図である。
図5】第1実施形態において試験回路が実行する正常性確認処理の例を表したフローチャートである。
図6】従来の給電システムにおける正常性確認時の直送器電圧Vp、充電器電圧Vc及び電池電圧Vbの時間変動の例を表した図である。
図7】第2実施形態における給電システムの装置構成の例を表した図である。
図8】第2実施形態において試験回路が実行する正常性確認処理の例を表したフローチャートである。
図9】第3実施形態における給電システムの装置構成の例を表した図である。
図10】第3実施形態において試験回路が実行する正常性確認処理の例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
本実施形態における給電システム1は、図1に示すように、交流電源10、電源制御装置20、負荷装置30及び蓄電装置40を備える。給電システム1は、交流電源10又は蓄電装置40から電源制御装置20を介して負荷装置30へと直流電力を供給するシステムである。図1では、給電システム1が備える各構成の間の接続は、プラス導線及びマイナス導線により電気的に接続される複線図で表現する。同様に、電源制御装置20内の各構成の接続についてもプラス導線及びマイナス導線により電気的に接続される複線図で表現する。なお、ここでいうプラス導線とは、電位が相対的に高い方の端子をプラス極として、プラス極の端子と電気的に接続される導線であり、マイナス導線とは、電位が相対的に低い方の端子をマイナス極として、マイナス極の端子と電気的に接続される導線である。
【0016】
交流電源10は、交流電力を供給する電源である。交流電源10は、例えば一般的な商用電源であってもよい。なお、交流電源10は商用電源に限定されるものではなく、交流電力を供給できるものであればよい。
【0017】
負荷装置30は、直流電力が入力されることより動作又は処理を行う装置である。
蓄電装置40は、直流電力を充放電する装置である。蓄電装置40としては、例えば、種々の蓄電池などが用いられてもよい。
【0018】
電源制御装置20は、交流電源10からの交流電力を受け、直流電力に変換し、変換した直流電力を負荷装置30に供給する。また、電源制御装置20は、変換した直流電力を蓄電装置40に供給する。
【0019】
さらに、電源制御装置20は、蓄電装置40から負荷装置30への直流電力の電力供給を行う。
電源制御装置20は、交流入力端子20aと、直流入出力端子20bと、直流出力端子20cと、を備える。
【0020】
交流入力端子20aは、電源制御装置20の外部から内部に交流電力を入力可能に構成された端子である。本実施形態では、交流電源10が交流入力端子20aに電気的に接続された例に適用して説明する。すなわち、交流電源10は、交流入力端子20aを介して電源制御装置20に対して交流電力を供給する。
【0021】
直流入出力端子20bは、電源制御装置20の外部から内部への直流電力の入力及び電源制御装置20の内部から外部への直流電力の出力ができるように構成された端子である。本実施形態では、蓄電装置40が直流入出力端子20bに電気的に接続された例に適用して説明する。すなわち、蓄電装置40は、直流入出力端子20bを介して電源制御装置20により直流電力が供給されることにより充電を行い、直流入出力端子20bを介して電源制御装置20に直流電力を供給することにより放電を行う。
【0022】
直流出力端子20cは、電源制御装置20の内部から外部に直流電力を出力可能に構成された端子である。本実施形態では、負荷装置30が直流出力端子20cに電気的に接続された例に適用して説明する。すなわち、負荷装置30は、電源制御装置20から直流出力端子20cを介して直流電力の電力供給を受ける。
【0023】
なお、交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cは、それぞれプラスの極性を有するプラス端子と、マイナスの極性を有するマイナス端子を有し、それぞれの極性に応じた出力を行う。また、プラス端子とプラス導線が接続され、マイナス端子とマイナス導線が接続される。
【0024】
電源制御装置20は、第1変換部21と、第2変換部22と、規制部23と、第1電圧計241と、第2電圧計242と、試験回路25と、を備える。
第1変換部21は、交流電力を、負荷装置30に供給する直流電力に変換する。
【0025】
第1変換部21は、複数の第1AC-DCコンバータ211を備える。複数の第1AC-DCコンバータ211はそれぞれ入力側と出力側を有し、入力側から入力された交流電力を直流電力に変換し、直流電力を出力側から出力する。以下では、第1AC-DCコンバータ211の入力側を交流側、第1AC-DCコンバータ211の出力側を直流側とも表記する。なお、図1において、第1変換部21には、2つの第1AC-DCコンバータ211を表記しているが、第1変換部21が備える第1AC-DCコンバータ211の数は2つに限定されるものではない。例えば、第1変換部21が備える第1AC-DCコンバータ211の数は、3つ以上であってもよい。また、第1変換部21が備える第1AC-DCコンバータ211は、複数ではなく、1つであってもよい。
【0026】
また、第1変換部21に備えられた複数の第1AC-DCコンバータ211は並列に配列される。第1変換部21が備える複数の第1AC-DCコンバータ211はそれぞれ、入力側と交流入力端子20aとが電気的に接続され、出力側と直流入出力端子20b及び直流出力端子20cとが電気的に接続される。
【0027】
なお、複数の第1AC-DCコンバータ211と交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cとの接続は、それぞれプラス導線とマイナス導線により電気的に接続される。交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cの各端子に接続されたプラス導線及びマイナス導線は、複数の第1AC-DCコンバータ211のそれぞれに分岐して電気的に接続される。
【0028】
第2変換部22は、複数の第2AC-DCコンバータ221を備える。複数の第2AC-DCコンバータ221はそれぞれ入力側と出力側を有し、入力側から入力された交流電力を直流電力に変換し、直流電力を出力側から出力する。以下では、第2AC-DCコンバータ221の入力側を交流側、第2AC-DCコンバータ221の出力側を直流側とも表記する。なお、図1において、第2変換部22には、2つの第2AC-DCコンバータ221を表記しているが、第2変換部22が備える第2AC-DCコンバータ221の数は2つに限定されるものではない。例えば、第2変換部22が備える第2AC-DCコンバータ221の数は、3つ以上であってもよい。また、第2変換部22が備える第2AC-DCコンバータ221は、複数ではなく、1つであってもよい。
【0029】
また、第2変換部22に備えられた複数の第2AC-DCコンバータ221は並列に配列される。第2変換部22が備える複数の第2AC-DCコンバータ221はそれぞれ、入力側と交流入力端子20aとが電気的に接続され、出力側と直流入出力端子20b及び直流出力端子20cとが電気的に接続される。
【0030】
また、第2変換部22から直流電力が出力される導線と、蓄電装置40から直流入出力端子20bを介して直流電力が出力される導線とは電気的に接続される。
なお、複数の第2AC-DCコンバータ221と交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cとの接続は、それぞれ、プラスの極性を有するプラス導線と、マイナスの極性を有するマイナス導線により電気的に接続される。また、プラス導線及びマイナス導線は、交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cから複数の第2AC-DCコンバータ221のそれぞれに分岐して電気的に接続される。
【0031】
複数の第1AC-DCコンバータ211の交流側に接続されたプラス導線及びマイナス導線と、複数の第2AC-DCコンバータ221の交流側に接続されたプラス導線及びマイナス導線とは、プラス導線同士及びマイナス導線同士が電気的に接続される。
【0032】
さらに、複数の第1AC-DCコンバータ211の直流側に接続されるプラス導線及びマイナス導線と、複数の第2AC-DCコンバータ221の直流側に接続されるプラス導線及びマイナス導線とは、プラス導線同士及びマイナス導線同士が電気的に接続される。
【0033】
電気的に接続された第1変換部21の直流側のプラス導線と、第2変換部22の直流側のプラス導線との間には、規制部23が配置される。
規制部23は、第2変換部22から第1変換部21への直流電力の流出を許容する一方で、第1変換部21から第2変換部22への直流電力の流出を禁止する、いわゆるダイオードである。なお、規制部23は、ダイオードの素子に限定されるものではなく、このような機能を有するものであれば、素子でなくてもよい。
【0034】
第1変換部21から直流電力が出力される側、言い換えると、複数の第1AC-DCコンバータ211の直流側に接続されたプラス導線とマイナス導線との間に、第1電圧計241が配置される。第1電圧計241は、複数の第1AC-DCコンバータ211の出力側のプラス導線とマイナス導線との電位差を測定する。ここで、第1電圧計241により測定された電圧を第1電圧V1とも表記する。
【0035】
また、第2変換部22から直流電力が出力される側、言い換えると、複数の第2AC-DCコンバータ221の直流側に接続されたプラス導線とマイナス導線との電位差を測定する。ここで、第2電圧計242により測定された電圧を第2電圧V2とも表記する。
【0036】
なお、第1電圧計241は、規制部23よりも第1変換部21側に配置され、第2電圧計242は、規制部23よりも第2変換部22側に配置される。
さらに、第1変換部21及び第2変換部22のプラス導線及びマイナス導線と、交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cのプラス端子及びマイナス端子とは、それぞれ電気的に接続される。
【0037】
試験回路25は、正常性確認処理を行う。正常性確認処理は、第2変換部22が備える、複数の第2AC-DCコンバータ221それぞれに対して行う、出力電圧の制御である。
試験回路25が行う正常性確認処理の詳細については後述する。
【0038】
電源制御装置20は、試験回路25が正常性確認処理を行っていない状態においては、電源制御装置20の内部の導線の電圧は、図2(A)及び図2(B)に示すような電圧を示す。ここでいう、電源制御装置20の内部の導線の電圧は、各導線におけるプラス導線及びマイナス導線の電位差である。
【0039】
以下では、第1変換部21から出力される直流電力の電圧を直送器電圧Vpと表記する。直送器電圧Vpは、第1電圧計241により測定される。
また、第2変換部22から出力される直流電力の電圧を充電器電圧Vcと表記する。充電器電圧Vcは、第2変換部22が備える複数の第2AC-DCコンバータ221を試験回路25が正常性確認処理を実行することにより調整可能に構成される。
【0040】
蓄電装置40から出力される直流電力の電圧を電池電圧Vbとも表記する。
直送器電圧Vpの値は、例えば、交流電源10及び第1変換部21などにより設定される。また、直送器電圧Vpは、第1電圧計241により測定される第1電圧V1とも一致する。
【0041】
一方、電源制御装置20の内部において、第2変換部22から充電器電圧Vcの直流電力が出力される導線と、蓄電装置40から直流入出力端子20bを介して電池電圧Vbの直流電力が出力される導線とが電気的に接続される。また、当該導線において、第2電圧計242が配置される。
【0042】
つまり、第2電圧V2は、充電器電圧Vcと電池電圧Vbのうち、より高い方の電圧と同一の電圧を示す。また、蓄電装置40から放電される電圧が、第2変換部22から出力される直流電力の電圧よりも低い場合には、第2変換部22から出力される直流電力により充電される。
【0043】
ここで、図3(A)に示すように、試験回路25は、正常性確認処理により、第2変換部22が備える複数の第2AC-DCコンバータ221の出力電圧を、正常性確認処理を行っていない状態である通常状態の電圧と比べて、低い値である試験電圧Vtに設定する。この場合、蓄電装置40が、電源制御装置20と接続されており、正常に機能している場合には、図3(B)に示すように、第2電圧計242により測定された電圧である第2電圧V2は、通常状態と同じ電圧値を示す。
【0044】
一方、蓄電装置40が電源制御装置20に接続されていない状態である場合や、蓄電装置40が故障などにより正常に機能していない場合など、蓄電装置40からの給電が異常である場合には、図4(A)に示すように電池電圧Vbは、正常性確認処理を開始することにより設定される充電器電圧Vcである試験電圧Vtまで低下する。ここで、図4(B)に示すように、第2電圧計242の第2電圧V2は、正常性確認処理を行い、充電器電圧Vcである試験電圧Vtまで低下する際に、導線の寄生容量の影響により、第2電圧V2の低下が妨げられる可能性がある。そして、正常性確認処理が終了すると、充電器電圧Vcを通常状態と同様の電圧に設定するため、第2電圧計242の測定電圧である第2電圧V2は、充電器電圧Vcと同様の電圧を示す。
なお、電源制御装置20は、例えば、図4(A)に示すように、正常性確認処理が終了すると、電池電圧Vbに合わせて、充電器電圧Vcを徐々に増加させる制御を行ってもよい。
【0045】
また、本実施形態における第1変換部21、第2変換部22、規制部23、第2電圧計242、試験回路25、蓄電装置40がそれぞれ、特許請求の範囲における第1変換部、第2変換部、規制部、測定部、制御部及び蓄電部としての構成の一例に相当する。
【0046】
[1-2.処理]
次に、試験回路25が実行する正常性確認処理について図5のフローチャートを用いて説明する。正常性確認処理は、蓄電装置40が正常に機能するか否かを確認するための正常性確認を行う処理である。正常性確認処理は、例えば電源制御装置20の操作者により、正常性確認処理を行うように操作がなされた場合に開始されるものであってもよい。また、正常性確認処理の開始は、正常性確認処理を行うように操作がなされたときに限定されるものではなく、例えば、所定の時間間隔で繰り返し実行させるものであってもよい。
【0047】
S110で、試験回路25は、第2変換部22が備える複数の第2AC-DCコンバータ221を調整し、充電器電圧Vcを試験電圧Vtに設定し、充電器電圧Vcを低下させる制御を行う。ここで、試験電圧Vtは、正常性確認処理を開始する前、すなわち通常状態の充電器電圧Vcよりも低ければよい。なお、試験電圧Vtは、蓄電装置40の故障、接続不良、放電不良などの不具合の発生や蓄電装置40が接続されていないなどの場合に、後述する第2電圧V2が低下したことが判定することができる大きさに設定されることが好ましい。
【0048】
S120で、試験回路25は、所定時間待機する。ここでいう所定時間は、充電器電圧Vcを試験電圧Vtに設定した場合に、蓄電装置40に異常がある場合に、第2電圧V2が試験電圧Vtに変化するために必要な時間よりは長く設定されても良い。所定時間は、例えば、寄生容量により蓄積した電荷が十分に放電される放電時間よりも長い時間が設定されてもよい。
【0049】
S130で、試験回路25は、第2電圧計242により測定された第2電圧V2を取得する。
S140で、試験回路25は、S130で測定された第2電圧V2に基づいて第2電圧V2蓄電装置40が正常であることを表す正常条件を満たすか否かを判定する。
【0050】
ここで、正常条件は、例えば、第2電圧計242により測定された第2電圧V2と、S110において設定された試験電圧Vtとに基づくものであってもよい。具体的には、正常条件は、第2電圧V2が試験電圧Vtを基準とした閾値範囲に含まれることであってもよい。また、閾値範囲は、試験電圧Vtと同等程度と判定できる程度の電圧の範囲が設定されてもよい。
【0051】
試験回路25は、S140で、正常条件を満たすと判定した場合、S150に処理を移行する。
S150で、試験回路25は、電源制御装置20に接続された蓄電装置40からの給電は正常であると判定し、後述するS170に処理を移行する。
【0052】
一方、試験回路25は、S140で、正常条件を満たさないと判定した場合、S160に処理を移行する。
S160で、試験回路25は、電源制御装置20に接続された蓄電装置40からの給電に異常があると判定する。ここで、蓄電装置40からの給電に異常があるとは、例えば、蓄電装置40の故障、接続不良、放電不良などの不具合の発生や蓄電装置40が接続されていない場合など、蓄電装置40から所定の電圧の電力が給電されないことを指す。
【0053】
S170で、試験回路25は、S110で行った電圧の制御に対して、電圧を元に戻す制御を行い、その後、正常性確認処理を終了する。すなわち、S110で低下させる前の通常状態における電圧に充電器電圧Vcを制御し、その後、正常性確認処理を終了する。
【0054】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)上記第1実施形態によれば、正常性確認処理が行われると、第2変換部22から出力される直流電力の電圧である充電器電圧Vcが蓄電装置40から出力される電圧である電池電圧Vbよりも低い試験電圧Vtに調整される。これにより、第2変換部22又は蓄電装置40から入力される電圧が第2電圧計242により測定されることで、蓄電装置40が正常に動作しているか否かを判定することができる。
【0055】
例えば、蓄電装置40が接続されていない場合や故障などの不具合が生じている場合に、正常性確認処理を行った場合、第2電圧計242により測定される第2電圧V2は試験電圧Vtになる。これにより、蓄電装置40が適切であるか否かを判定することができる。ここで、正常性確認処理を行っている際も負荷装置30には、第1変換部21から出力される直流電力が供給される。このため、正常性確認のために蓄電装置40の電力が負荷装置30に供給され、蓄電装置40に充電された電力が消費されることを抑制しやすくなる。
【0056】
(2)さらに、正常性確認を行ったために蓄電装置40の電力が消費されることが抑制される。これにより、電源制御装置20への交流電力の供給が停止した場合などの蓄電装置40から電力を出力する際に、正常性確認を行ったために蓄電装置40の電力が消費され、蓄電装置40の充電量が少なくなることを抑制しやすくなる。
【0057】
具体的には、従来の給電システムは、例えば、図6に示すように、正常性確認が開始されると、直送器電圧Vp及び充電器電圧Vcを低下させ、蓄電装置から直流電力を出力する。そして、出力される直流電力の電圧を測定することにより蓄電装置が正常であるか否かを判定していた。このため、正常性確認により蓄電装置に蓄電された電力が消費される。
【0058】
したがって、正常性確認が終了した後に、直送器電圧Vpを元に戻した際に、消費した蓄電装置の電力量を充電するための電力と負荷装置へ供給する電力との両方が消費されるため、一時的に消費電力量が大きくなる。なお、従来の給電システムでは、例えば、正常性確認が終了すると、電池電圧Vbに合わせて、充電器電圧Vcを徐々に増加させる制御を行うものがある。
【0059】
さらに、正常性確認のために蓄電装置の電力を消費するため、例えば、正常性確認によって蓄電装置の電力を消費した後に、蓄電装置からの電力の供給が必要となった場合、正常性確認によって蓄電装置の電力が消費されるため、蓄電装置から供給できる電力の量が少なくなる。
【0060】
これに対して、上記第1実施形態に記載の電源制御装置20によれば、正常性確認処理を開始したとしても、蓄電装置40から直流電力が出力されず、蓄電装置40が正常状態であるか否かを判定することができる。これにより、正常性確認処理を終了した後に、消費電力が大きくなることを抑制しやすくなる。また、蓄電装置40から供給できる電力量が正常性確認処理によって少なくなることを抑制しやすくなる。
【0061】
(3)また、正常性確認の際に蓄電装置40の電力が消費され、正常性確認後に再度蓄電装置40の電力を充電する場合に比べると、蓄電装置40に対する充放電のサイクルの回数を減らすことができる。このため、蓄電装置40が充放電のサイクルにより消耗することを抑制することができる。その結果、蓄電装置40の電池の寿命が短くなることを抑制しやすくなる。
【0062】
(4)上記第1実施形態に記載の電源制御装置20によれば、規制部23により第1変換部21により出力された直流電力が第2変換部22の出力側へと逆流することを抑制することができる。特に、第1変換部21の出力電圧が第2変換部22の出力電圧よりも高い場合にも、第1変換部21の電力が第2変換部22の出力側に逆流することを抑制することができる。
【0063】
(5)上記第1実施形態に記載の電源制御装置20によれば、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定するためのパラメータとして、第2電圧計242による測定値である第2電圧V2を取得することができる。
【0064】
(6)さらに、上記第1実施形態に記載の電源制御装置20によれば、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定するためのパラメータである第2電圧V2があらかじめ決められた閾値以上であるか否かを判定することにより蓄電装置40が正常で有るか否かを判定することができる。
【0065】
(7)上記第1実施形態に記載の電源制御装置20によれば、正常性確認処理において、プラス導線及びマイナス導線などに導線に寄生容量があったとしても、寄生容量により蓄積した電荷が十分に放電される放電時間よりも長い所定の待機時間経過後に、蓄電装置40が正常状態であるか否かを判定する。これにより、寄生容量の影響により正常状態であるか否かの判定の精度が低下することを抑制しやすくなる。よって、正常状態であるか否かを判定する精度を向上させることができる。
【0066】
具体的には、S110で充電器電圧Vcを低く設定したとしても、第2変換部22と接続されたプラス導線及びマイナス導線などの寄生容量の影響により、第2電圧計242の測定値がなだらかに低下する可能性がある。このため、正常な状態における第2電圧計242の測定値と異常な状態においてなだらかに低下している第2電圧計242の測定値との差が、その状態が判定できる程度にまで大きくなる程度の時間、待機される。これにより、蓄電装置40が接続されていない場合や蓄電装置40が故障しているなどの不具合があり、蓄電装置40から正しく給電が行われなかった場合、第2電圧計242による測定に基づく、正常状態及び異常状態の判定の精度をより向上させることができる。
【0067】
[1-4.第1実施形態の変形例]
(1)正常性確認処理が開始されるタイミングとしては、電源制御装置20を操作する者により操作されるものに限定されるものではなく、所定の時間間隔で繰り返し実行させるものに限定されるものではない。例えば、蓄電装置40又は直流入出力端子20bなどの蓄電装置40の周辺機器等から、蓄電装置40からの給電の異常を表す信号を受信した場合に正常性確認処理が実行されてもよい。このような構成によれば、異常を表す信号を受信した場合に、電源制御装置20でも蓄電装置40の電圧を測定することにより、蓄電装置40が正常であるか異常であるかを判定することができる。
【0068】
(2)上記第1実施形態の正常性確認処理において、正常条件は、例えば、第2電圧計242により測定された第2電圧V2と、S110において設定された試験電圧Vtとに基づくものであってもよいと記載した。
【0069】
しかし、正常条件は、第2電圧V2と試験電圧Vtとに基づくものに限定されるものではない。例えば、第2電圧計242により測定された第2電圧V2と、S110において電圧の制御がなされる試験開始前である通常状態において第2電圧計242により測定された第2電圧V2との差があらかじめ決められた閾値よりも小さいことであってもよい。
【0070】
(3)上記第1実施形態の正常性確認処理では、試験回路25が正常性確認処理を実行し、正常条件を満たすと判定した場合に、S150で、蓄電装置40からの給電は正常であると判定し、正常条件を満たさないと判定した場合に、S160で、蓄電装置40からの給電は異常であると判定した。しかし、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかの判定は、このように判定されるものに限定されるものではなく、給電の異常に対応した異常条件を満たす場合に蓄電装置40からの給電が異常であると判定してもよい。具体的には、例えば、第2電圧V2の値があらかじめ決められた電圧の閾値以下であることを異常条件として、当該異常条件を満たす場合に、蓄電装置40からの給電が異常であると判定してもよい。
【0071】
(4)また、上記第1実施形態では、試験回路25は蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定するが、さらに、正常であるか異常であるかの判定結果を表示する構成を有していてもよい。
【0072】
(5)さらに、試験回路25は、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定しなくてもよい。さらには、電源制御装置20においても、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定する構成を有しなくてもよい。例えば、試験回路25又は電源制御装置20が備える他の構成が、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定するためのパラメータを測定し、当該パラメータを取得した、電源制御装置20が備える他の構成又は電源制御装置20の外部の構成が蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定してもよい。
【0073】
(6)上記第1実施形態では、正常性確認処理において、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定するため、S120で所定時間待機する。しかしながら、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定するために所定時間待機する処理は、行われなくてもよい。このような構成によれば、蓄電装置40からの給電が正常出るか異常であるかの判定を迅速に行うことができる。また、例えば、第2電圧計242により測定される電圧の単位時間当たりの電位の変化を測定し、あらかじめ決められた異常を表す変化率の閾値以上の大きさの変化が発生した場合に、蓄電装置40からの給電が異常であると判定してもよい。なお、蓄電装置40からの給電が異常であることを表す変化率の閾値の大きさは、例えば、蓄電装置40からの給電が異常である場合において、導線の寄生容量の影響を受けた場合に変化する変化率よりも小さく、蓄電装置40からの給電が正常である場合において、ゆらぎやばらつきにより変化する充電器電圧Vcの変化率よりも大きく設定されてもよい。
【0074】
また、上記第1実施形態では、第2電圧計242により測定される電圧により、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定したが、正常であるか異常であるかを判定する構成としては、第2電圧計242の測定値によるものに限定されるものではない。例えば、規制部23が配置されるプラス導線において、規制部23の両端の電位を測定することにより判定してもよい。すなわち、第1変換部21から出力される直流電力と、第2変換部22から出力される直流電力とに基づいて蓄電装置40からの給電が異常であるか否かを判定してもよい。具体的には、第1変換部21から出力される直流電力と、第2変換部22から出力される直流電力とがあらかじめ決められた閾値以上の大きさの差が生じた場合に、蓄電装置40からの給電が異常であると判定されてもよい。
【0075】
第1変換部21から出力される直流電力の電圧である直送器電圧Vpは正常性確認を開始したとしてもおよそ一定である。一方、第2変換部22から出力される直流電力の電圧である充電器電圧Vcは、正常性確認により低下し、規制部23には、蓄電装置40から出力される直流電力の電圧である電池電圧Vbがかかる。ここで、蓄電装置40からの給電に異常がない場合には、規制部23の第2変換部22及び蓄電装置40と接続される側の電圧は、低下しない。これにより、規制部23を挟んで、第1変換部21側と第2変換部22及び蓄電装置40側との電位差は、正常性確認開始後は正常性確認開始前と同様である。
【0076】
一方、蓄電装置40からの給電に異常がある場合には、規制部23の第2変換部22及び蓄電装置40と接続されている側の電圧は、低下する。これにより、規制部23を挟んで、第1変換部21側と第2変換部22及び蓄電装置40側との電位差は、正常性確認開始後は正常性確認開始前に比べて大きくなる。
【0077】
以上から、規制部23の第1変換部21側と第2変換部22及び蓄電装置40側との両端の電圧を測定することにより蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定してもよい。
【0078】
(7)上記第1実施形態では第1変換部21に備えられる第1AC-DCコンバータ211及び第2変換部22に備えられる第2AC-DCコンバータ221の数は、複数である。しかし、第1変換部21に備えられる第1AC-DCコンバータ211の数及び第2変換部22に備えられる第2AC-DCコンバータ221の数は、複数に限定されるものではなく、それぞれ1つであってもよい。
【0079】
(8)上記第1実施形態において、例えば、蓄電装置40と電源制御装置20との間に遮断機や開閉器が配置されてもよい。また、配置される遮断機及び開閉器の数は複数であってもよい。なお、開閉器は、蓄電装置40の交換等の作業をするように開状態にされ、蓄電装置40からの電力が供給されないように構成されてもよい。このような構成であれば、開状態にされた状態において、蓄電装置40から電力が供給されないため、蓄電装置40に対する作業後の開閉器の戻し忘れを検知することができる。
【0080】
(9)また、第1電圧計241及び第2電圧計242は、それぞれ、第1AC-DCコンバータ211及び第2AC-DCコンバータ221から直流電力を出力するプラス導線及びマイナス導線の間に配置されるように図示した。しかしながら、第1電圧計241及び第2電圧計242が配置される位置は、このような位置に限定されるものではなく、第1電圧計241は、第1変換部21から出力される直流電力の電圧を、第2電圧計242は、第1変換部21から出力される直流電力の電圧及び蓄電装置40から出力される直流電力の電圧を、測定できれば、特に位置は限定されない。
【0081】
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0082】
前述した第1実施形態で給電システム1が備える電源制御装置20に代えて、第2実施形態の給電システム2では、電源制御装置50を備える例に適用して説明する。
図1及び図7に示すように、電源制御装置20と電源制御装置50とは、基本的な構成は同様である。
【0083】
すなわち、電源制御装置50における第1変換部51、第2変換部52、規制部53、第1電圧計541、第2電圧計542、試験回路55、交流入力端子50a、直流入出力端子50b及び直流出力端子50cが、電源制御装置20における第1変換部21、第2変換部22、規制部23、第1電圧計241、第2電圧計242、試験回路25、交流入力端子20a、直流入出力端子20b及び直流出力端子20cに、それぞれ対応する構成である。
【0084】
また、電源制御装置50における第1AC-DCコンバータ511、第2AC-DCコンバータ521が、電源制御装置20における第1AC-DCコンバータ211、第2AC-DCコンバータ221にそれぞれ対応する。
【0085】
第1実施形態の電源制御装置20と同様に、交流入力端子50aには交流電源10が、直流入出力端子50bには蓄電装置40が、直流出力端子50cには負荷装置30がそれぞれ電気的に接続される例に適用して説明する。
【0086】
一方、電源制御装置50は、その構成にスイッチ56及び抵抗部57を備える点で、電源制御装置20と相違する。
スイッチ56及び抵抗部57は、第2変換部52から直流電力が出力されるプラス導線及びマイナス導線との間を結ぶ同一の導線上に直列に配置される。言い換えると、スイッチ56及び抵抗部57が直列に配置される導線は、第2電圧計542と並列となるように第2変換部52のプラス導線及びマイナス導線に接続される。
【0087】
スイッチ56は、スイッチ56及び抵抗部57が直列に配置される導線を電気的に接続される状態とそうでない状態に調整する、開閉可能なスイッチである。
スイッチ56は、試験回路55により開閉制御される。すなわち、試験回路55は、第1実施形態の試験回路25と基本的な構成は同一であるが、スイッチ56の制御を行う点で異なる。
【0088】
抵抗部57は、寄生容量により蓄積された電荷を放電するために用いられる放電用の負荷であり、例えば、電気抵抗などの素子が用いられる。なお、抵抗部57としては、電気抵抗などの素子が用いられる構成に限定されるものではなく、電気抵抗などの素子と同様に寄生容量により蓄積された電荷を放電できるような構成であれば電気抵抗などの素子以外の構成であってもよい。
【0089】
なお、本実施形態における第1変換部51、第2変換部52、規制部53、第2電圧計542、試験回路55、スイッチ56及び抵抗部57がそれぞれ、特許請求の範囲における第1変換部、第2変換部、規制部、測定部、制御部、放電制御部及び放電部としての構成の一例に相当する。
【0090】
[2-2.処理]
次に、第2実施形態の試験回路55が、第1実施形態の正常性確認処理に代えて実行する正常性確認処理について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0091】
試験回路55が実行する正常性確認処理と、試験回路25が実行する第1実施形態の正常性確認処理とは、基本的には同様である。具体的には、図5に示す第1実施形態の正常性確認処理における、S110からS170までの処理が図8に示す第2実施形態の正常性確認処理における、S210と、S230からS280までの処理に相当する。すなわち、上記第2実施形態の試験回路55が実行する正常性確認処理はS220及びS290以外の点については、第1実施形態の試験回路25が実行する正常性確認処理と基本的には同一である。
【0092】
一方で、試験回路55が実行する正常性確認処理では、S210の後、S220に処理を移行する。なお、S220はS210の後に行われるものに限定されず、S210と同時又はS210よりも前であってもよい。
【0093】
S220で試験回路55は、スイッチ56を閉じるように、すなわち、スイッチ56及び抵抗部57が直列に接続される導線により、プラス導線とマイナス導線とが電気的に接続するように制御し、S230に処理を移行する。
【0094】
また、試験回路55は、S280の処理後、S290において、スイッチ56のスイッチが開くように、すなわち、スイッチ56及び抵抗部57が直列に接続される導線により、プラス導線とマイナス導線とが電気的に接続するように制御される。
【0095】
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0096】
(1)上記第2実施形態では、電源制御装置50にスイッチ56及び抵抗部57が更に設けられる。スイッチ56は、正常性確認開始時に開き、スイッチ56及び抵抗部57が直列に接続された導線を介してプラス導線及びマイナス導線が電気的に接続されることにより寄生容量の影響により蓄積された電荷を放電することができる。これにより、正常性確認処理が開始した際に、第2電圧計542により測定される電圧の値が、スイッチ56及び抵抗部57を配置しない場合に比べて寄生容量の影響を小さくすることができる。これにより、給電システム2に配置される蓄電装置40からの給電に異常があった場合には、第2電圧計542により測定される電圧値を、スイッチ56及び抵抗部57を配置しない場合に比べて急激に低下させることができる。これにより、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかの判定をより迅速に行うことができる。また、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定する精度を向上させることができる。
【0097】
[2-4.第2実施形態の変形例]
(1)上記第2実施形態の試験回路55が実行する正常性確認処理はS220及びS290以外については、第1実施形態の試験回路25が実行する正常性確認処理と基本的には同一であると記載した。
【0098】
しかしながら、試験回路55が実行する正常性確認処理は試験回路25が実行する正常性確認処理と異なっていてもよい。例えば、第1実施形態の試験回路25は、正常性確認処理のS120において、所定時間待機する処理を行う。しかし、第2実施形態の試験回路55は、正常性確認処理においてS230の所定時間待機する処理を省略してもよい。第2実施形態の正常性確認処理では、S220でスイッチ56が閉状態となることにより、寄生容量により蓄積した電荷が抵抗部57で消費されるため、第1実施形態の正常性確認処理を行った場合に比べて、蓄電装置40の給電に異常があった場合の電圧の低下までの時間がより短くなる。このため、所定時間待機しなかったとしても、電圧の低下が滞ることを抑制しやすくなる。そのため、抵抗部57を備えない構成に比べて、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定する時間を短縮しつつ、その判定の精度を向上させることができる。
【0099】
(2)同様にスイッチや抵抗も電源制御装置50の内部に配置されるものに限定されるものではなく、外部に配置されてもよい。
また、抵抗は、放電用負荷として機能するが、この放電用負荷は、抵抗により実現するものであってもよく、また、放電を行う機能を有していれば、抵抗に限定されるものではない。例えば、電子負荷であってもよい。また、抵抗は可変抵抗であってもよい。
【0100】
さらに、抵抗は、寄生容量を消費するための放電用負荷として機能するものに限定されるものではない。例えば、放電時の蓄電装置40から出力される電力の電圧である蓄電池電圧の推移により劣化状態を診断するために、蓄電装置40に充電された電力を、任意の抵抗値や電流値で放電させる放電用負荷としての機能を更に備えてもよい。
【0101】
[3.第3実施形態]
[3-1.第2実施形態との相違点]
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0102】
前述した第2実施形態で給電システム2が備える電源制御装置50に代えて、図9に示すように、第3実施形態の給電システム3では、電源制御装置60を備える例に適用して説明する。
【0103】
なお、図7及び図9に示すように、電源制御装置50と電源制御装置60とは、基本的な構成は同様である。
すなわち、電源制御装置60における第1変換部61、第2変換部62、規制部63、第1電圧計641、第2電圧計642、試験回路65、スイッチ66、抵抗部67、交流入力端子60a、直流入出力端子60b及び直流出力端子60cは、電源制御装置50における第1変換部51、第2変換部52、規制部53、第1電圧計541、第2電圧計542、試験回路55、スイッチ56、抵抗部57、交流入力端子50a、直流入出力端子50b及び直流出力端子50cにそれぞれ対応する構成である。
【0104】
また、電源制御装置60における第1AC-DCコンバータ611及び第2AC-DCコンバータ621と、電源制御装置50における第1AC-DCコンバータ511及び第2AC-DCコンバータ521と、はそれぞれ基本的には同様の構成である。
【0105】
ただし、電源制御装置60における第1AC-DCコンバータ611及び第2AC-DCコンバータ621と、電源制御装置50における第1AC-DCコンバータ511及び第2AC-DCコンバータ521とは、以下の点で異なる。
【0106】
すなわち、第1変換部61は、第1変換部51に更に、逆流防止部611aを備える点で異なる。具体的には、第1変換部61が備える、複数の第1AC-DCコンバータ611のそれぞれから直流電力が出力されるプラス導線において、第1AC-DCコンバータ611から直流出力端子60cへと出力する向きには電流が流れることを許容し、反対に向かって電流が流れることを禁止する逆流防止部611aが配置される。
【0107】
さらに、第2変換部62の第2AC-DCコンバータ621と、第2変換部52の第2AC-DCコンバータ621とは、以下の点で異なる。すなわち、第2変換部62の複数の第2AC-DCコンバータ621は、逆流防止部621a及び第3電圧計621bを備える点で第2AC-DCコンバータ521と異なる。具体的には、第2変換部62が備える、複数の第2AC-DCコンバータ621の直流側に接続されたプラス導線において、第2AC-DCコンバータ621から出力する向きには電流が流れることを許容し、反対に向かって電流が流れることを禁止する逆流防止部621aが複数の第2AC-DCコンバータ621のプラス導線にそれぞれ配置される。さらに、第3電圧計621bは、第2AC-DCコンバータ621のプラス導線における第2AC-DCコンバータ621と逆流防止部621aとの間と、第2AC-DCコンバータ621のマイナス導線との間の電圧を測定する。ここで、第3電圧計621bにより測定される電圧を以下では、第3電圧V3とも表記する。
【0108】
なお、本実施形態における第1変換部61、第2変換部62、逆流防止部621a,622a、規制部63、第2電圧計642、試験回路65、スイッチ66及び抵抗部67が、特許請求の範囲における第1変換部、第2変換部、逆流防止部、規制部、測定部、制御部、放電制御部及び放電部としての構成の一例に相当する。
【0109】
[3-2.処理]
次に、第3実施形態の試験回路65が、第2実施形態の正常性確認処理に代えて実行する正常性確認処理について図10に示すフローチャートを用いて説明する。
【0110】
試験回路65が実行する正常性確認処理と、試験回路55が実行する第2実施形態の正常性確認処理とは、基本的には同様である。
一方で、試験回路55が実行する第2実施形態の正常性確認処理のS240において、第2電圧計542により測定された電圧を取得することにより、電源制御装置60が正常状態であるか否かを判定した。しかし、試験回路65が実行する正常性確認処理では、S340で第2電圧計542により測定された第2電圧V2及び第3電圧計621bにより測定された第3電圧V3を取得し、第2電圧V2と第3電圧V3とを比較することにより、電源制御装置60が正常状態であるか否かを判定する点が異なる。
【0111】
具体的には、第3電圧V3が第2電圧V2よりも小さかった場合には、蓄電装置40からの給電が正常であると判定し、第3電圧V3が第2電圧V2以上であった場合には、蓄電装置40からの給電が異常であると判定する。
【0112】
[3-3.効果]
(1)上記第3実施形態によれば、第3電圧計621bにより測定された第3電圧V3に基づいて、蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定することができる。
【0113】
具体的には、第3電圧V3と第2電圧V2とを比較することにより蓄電装置40からの給電が正常であるか異常であるかを判定することができる。
すなわち、第3電圧計621bのプラス導線と接続された側は、第2AC-DCコンバータ621から出力されるプラス導線と同じ電位になり、第3電圧計621bのマイナス導線と接続された側は、蓄電装置40から直流電力が出力されるマイナス導線と同じ電位になる。これらプラス導線とマイナス導線の電位差が第3電圧V3として測定される。
【0114】
一方、第2電圧計642のプラス導線と接続された側は、蓄電装置40から出力されるプラス導線と同じ電位になり、第2電圧計642のマイナス導線と接続された側は、蓄電装置40から直流電力が出力されるマイナス導線と同じ電位になる。これらプラス導線とマイナス導線の電位差が第2電圧V2として測定される。
【0115】
ここで、第3電圧V3と第2電圧V2では、測定しているマイナス導線の電位が同じであるため、その電位差を測定することにより、第2AC-DCコンバータ621から直流電力が出力されるプラス導線の電位と、蓄電装置40から直流電力が出力されるプラス導線の電位とを比較することができる。
【0116】
これにより、第2AC-DCコンバータ621のプラス導線とマイナス導線との電位差よりも蓄電装置40のプラス導線とマイナス導線との電位差が大きい場合には、蓄電装置40の出力電圧が第2AC-DCコンバータ621から出力される出力電圧よりも高いと判定することができ、蓄電装置40からの給電が正常であると判定できる。
【0117】
よって、第3電圧V3が第2電圧V2の大きさよりも小さければ、蓄電装置40からの給電が正常であると判定され、反対に、第3電圧V3が第2電圧V2以上であれば、蓄電装置40からの給電が異常であると判定することができる。
【0118】
(2)また、第3電圧計621bは、複数の第2AC-DCコンバータ621のそれぞれにおいて逆流防止部621a及び第3電圧計621bが配置されるため、仮に複数の第2AC-DCコンバータ621のいずれかに異常があった場合に、その第2AC-DCコンバータ621に対応した第3電圧計621bにより測定された第2AC-DCコンバータ621の出力電圧に基づいて異常がある第2AC-DCコンバータ621を特定することができる。
【0119】
[3-4.第3実施形態の変形例]
(1)上記第3実施形態では、第2実施形態との相違点を記載したが、第3実施形態は、第2実施形態の構成を含む構成に限定されるものではない。例えば、第1実施形態の電源制御装置20の構成、すなわち、スイッチ56及び抵抗部57を含まない構成に、逆流防止部611a、逆流防止部621a及び第3電圧計621bを備える構成であってもよい。また、第1実施形態の電源制御装置20の試験回路25が実行する正常性確認処理のS130において、第2電圧V2及び第3電圧V3が取得され、第2電圧V2及び第3電圧V3に基づいて、蓄電装置40からの給電が正常であるか否かを判定するものであってもよい。
【0120】
(2)さらに、複数の第1AC-DCコンバータ611及び複数の第2AC-DCコンバータ621のそれぞれに、異なる試験電圧Vtを設定してもよい。
この場合、設定された異なる試験電圧Vtのうち、最も高い試験電圧Vtと第2電圧V2を比較することにより、蓄電装置40からの給電が正常であるか否かを判定してもよい。
【0121】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0122】
(1)上記各実施形態では、蓄電装置40は、電源制御装置20,50,60の外部に配置される。しかし、蓄電装置40が配置される位置は、電源制御装置20,50,60の外部に限定されるものではない。たとえば、蓄電装置40は電源制御装置20,50,60の内部に配置されてもよい。
【0123】
(2)また、上記各実施形態では、試験回路25,55,65は、電源制御装置20,50,60の内部に配置される。しかし、試験回路25,55,65が配置される位置は、電源制御装置20,50,60の内部に限定されるものではない。たとえば、試験回路25,55,65は電源制御装置20,50,60の外部に配置されてもよい。
【0124】
(3)上記各実施形態において、プラス導線及びマイナス導線として表記した導線及びプラス端子及びマイナス端子として表記した端子の極性を反対にしてもよい。すなわち、プラス端子及びプラス導線で給電し、マイナス端子及びマイナス導線で接地する構成でもよく、反対にプラス端子及びプラス導線で接地し、マイナス端子及びマイナス導線で給電する構成でもよい。
【0125】
(4)上記各実施形態の正常性確認処理において、S140,S250,S350で正常条件を満たすか否かが判断され、それぞれ、正常条件を満たすと判定された場合、S150,S260,S360で、蓄電装置40からの給電が正常であると判定された。
【0126】
しかしながら、蓄電装置40からの給電が正常であるか否かの判定は、このような方法に限定されるものではない。
例えば、正常条件を満たすか否かの判定は、複数回行われてもよい。さらに、正常条件を満たすか否かの判定が複数回行われ、複数回行われた判定のうち、1度でも正常条件を満たさないと判定された場合に、蓄電装置40からの給電が異常であると判定してもよい。
【0127】
このように、正常条件を満たすか否かを複数回判定されることにより、蓄電装置40からの給電に異常があった場合に、より異常が検出されやすくなる。
また、複数回正常条件を満たすか否かを判定する場合において、1度正常条件を満たさないと判定された場合、その後の正常条件を満たすか否かを判定する処理を省略し、蓄電装置40からの給電が異常であると判定してもよい。
【0128】
このような構成によれば、1度正常条件を満たさないと判定された場合、その後、複数回の正常条件を満たすか否かの判定が省略されるため、複数回判定を行うことによる処理負荷及び処理時間等を低減することができる。
【0129】
さらに、正常条件を満たすか否かの判定が複数回行われた場合において、1度でも正常条件を満たさないと判定された場合に、必ず蓄電装置40からの給電が異常であると判定されるものに限定されない。
【0130】
例えば、あらかじめ決められた回数以上異常条件を満たすと判定された場合に、蓄電装置40からの給電が異常であると判定されるものであってもよい。
このような構成によれば、例えば、正常条件を満たすか否かを判定するための数値に測定誤差等が含まれた結果、異常であると判定された場合にも、当該測定誤差により異常であると判定されることを抑制しやすくなり、正常であるか否かの判定制度を向上させることができる。
【0131】
さらに、正常条件を満たすか否かの判定が複数回行われる場合、その判定の繰り返し周期は、あらかじめ決められた時間間隔で行われてもよい。この場合において、繰り返し周期の時間間隔は任意に設定されるものであってもよい。
【0132】
このような構成によれば、例えば、時刻に沿って正常から異常に変化した場合に、その変化を検出することができる。
(5)本開示に記載の電源制御装置20,50,60及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の電源制御装置20,50,60及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の電源制御装置20,50,60及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。電源制御装置20,50,60に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれる必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0133】
(6)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0134】
(7)前述した電源制御装置20,50,60の他、当該電源制御装置20,50,60を構成要素とするシステム、当該電源制御装置20,50,60としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、電源制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0135】
1,2,3…給電システム、10…交流電源、20,50,60…電源制御装置、20a,50a,60a…交流入力端子、20b,50b,60b…直流入出力端子、20c,50c,60c…直流出力端子、21,51,61…第1変換部、22,52,62…第2変換部、23,53,63…規制部、241…第1電圧計,242…第2電圧計、25,55,65…試験回路、56,66…スイッチ、57,67…抵抗部、30…負荷装置、40…蓄電装置、211,511,611…第1AC-DCコンバータ、221,521,621…第2AC-DCコンバータ、611a,621a…逆流防止部。
図1
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