(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】プラスチック製まな板用のエタノール製剤組成物及びプラスチック製まな板用のエタノール製剤製品
(51)【国際特許分類】
A01N 31/08 20060101AFI20240412BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20240412BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20240412BHJP
A01N 31/02 20060101ALI20240412BHJP
A01N 37/02 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
A01N31/08
A01P3/00
A01N25/02
A01N31/02
A01N37/02
(21)【出願番号】P 2020048345
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000115429
【氏名又は名称】ライオンハイジーン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】西村 宇司
(72)【発明者】
【氏名】神藤 宏明
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-123062(JP,A)
【文献】特開平11-246312(JP,A)
【文献】特開2008-150366(JP,A)
【文献】特開2005-080617(JP,A)
【文献】特許第7080141(JP,B1)
【文献】国際公開第2010/047108(WO,A1)
【文献】特開昭58-121204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:エタノールと、
(B)成分:炭素数8~14の脂肪酸及びそれらの塩から選択される1種以上と、を含有し、
前記(A)成分の含有量が総質量に対して40質量%
超60質量%未満であり、
前記(B)成分の含有量が総質量に対して0.05質量%以上0.3質量%以下であり、
25℃におけるpHが2.0以上4.0未満である、
プラスチック製まな板用のエタノール製剤組成物。
【請求項2】
(C)成分:前記(B)成分を除く有機酸及びその塩から選択される1種以上、
をさらに含有する、請求項
1に記載の
プラスチック製まな板用のエタノール製剤組成物。
【請求項3】
(D)成分:多価アルコール脂肪酸エステルから選ばれる1種以上、
をさらに含有する、請求項1
又は2に記載の
プラスチック製まな板用のエタノール製剤組成物。
【請求項4】
(E)成分:硫黄原子を含む2価の陰イオンを放出する塩、
をさらに含有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
プラスチック製まな板用のエタノール製剤組成物。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の
プラスチック製まな板用のエタノール製剤組成物をスプレー容器に充填した、
プラスチック製まな板用のエタノール製剤製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エタノール製剤組成物及びエタノール製剤製品に関する。
【背景技術】
【0002】
エタノール80体積%(約74質量%、15℃)溶液のエタノール製剤組成物(消毒用エタノール)は、優れた殺菌力を示し、後処理が容易なことから、食品工場等で汎用されている。エタノール80体積%溶液は、消防法で危険物第4類のアルコール類危険物に該当するので、危険物貯蔵所に保管する等の管理が必要となる。
そこで、エタノール濃度を非危険物である60質量%(約68体積%、15℃)未満のエタノール製剤組成物とすることが望まれている。
【0003】
エタノールは、80体積%前後で優れた殺菌力を示すが、エタノール60質量%溶液の殺菌力は80体積%溶液に比べて弱く、エタノール濃度がさらに低下すると殺菌力は極端に低下する。こうした問題に対し、エタノール濃度を50質量%以上60質量%未満として、脂肪酸グリセリンエステル等の添加剤を含む、殺菌剤組成物(エタノール製剤組成物)が開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のエタノール製剤組成物によれば、食品、食品製造機器及び食品加工機器に対する殺菌効果の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、まな板等の調理器具は、水道水や食材に由来する水分で濡れた状態となっている。例えば、業務用まな板としてポリプロピレン製のまな板が使用される。ポリプロピレン製のまな板の片面を水道水で洗い流すと、水が付着する。その面にそのままエタノール製剤組成物を噴霧すると、エタノール製剤組成物が水によって希釈され、除菌力が著しく低下する。そこで、水分が残留するまな板に対しても優れた殺菌力を示すエタノール製剤組成物が求められている。
【0006】
また、肉汁等食材由来の有機物が付着する調理器具においては、ノロウイルス等のウイルス汚染防止が極めて重要である。殺ウイルス剤は有機物の存在によってその効果が低減する。そのため、有機物が存在しても優れた殺ウイルス効果を示すエタノール製剤組成物が求められている。
【0007】
さらに、まな板の表面には、包丁等による傷が形成される。このため、エタノール製剤組成物には、まな板の傷に沿って広がること(展延性)及びまな板の傷の深さ方向に浸み込むこと(浸透性)が求められている。
【0008】
そこで本発明は、展延性及び浸透性に優れ、殺菌力及び殺ウイルス力に優れるエタノール製剤組成物及びエタノール製剤製品を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1](A)成分:エタノールと、(B)成分:炭素数8~14の脂肪酸及びそれらの塩から選択される1種以上と、を含有し、前記(A)成分の含有量が総質量に対して40質量%以上60質量%未満であり、25℃におけるpHが2.0以上4.0未満である、エタノール製剤組成物。
[2]まな板用である、[1]に記載のエタノール製剤組成物。
[3](C)成分:前記(B)成分を除く有機酸及びその塩から選択される1種以上、をさらに含有する、[1]又は[2]に記載のエタノール製剤組成物。
[4](D)成分:多価アルコール脂肪酸エステルから選ばれる1種以上、をさらに含有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載のエタノール製剤組成物。
[5](E)成分:硫黄原子を含む2価の陰イオンを放出する塩、をさらに含有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載のエタノール製剤組成物。
[6]前記(B)成分の含有量が総質量に対して0.02質量%超0.3質量%以下である、[1]~[5]のいずれか一項に記載のエタノール製剤組成物。
[7][1]~[6]のいずれか一項に記載のエタノール製剤組成物をスプレー容器に充填した、エタノール製剤製品。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエタノール製剤組成物及びエタノール製剤製品によれば、展延性及び浸透性に優れ、殺菌力及び殺ウイルス力に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】エタノール製剤組成物の展延性の評価方法の一例を示す写真である。
【
図2】エタノール製剤組成物の展延性の評価結果の一例を示す写真である。
【
図3】エタノール製剤組成物の浸透性の評価基準の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[エタノール製剤組成物]
本発明のエタノール製剤組成物は、(A)成分と、(B)成分とを含有する。
【0013】
<(A)成分>
(A)成分は、エタノールである。
(A)成分の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、40質量%以上60質量%未満であり、50質量%以上60質量%未満が好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、エタノール製剤組成物の液体安定性(例えば、沈殿物が析出しないこと)を向上し、かつ、殺菌力及び殺ウイルス力を高められる。(A)成分の含有量が上記上限値未満であると、エタノール製剤組成物を非危険物として取扱い可能となり、管理上好ましい。
【0014】
<(B)成分>
(B)成分は、炭素数8~14の脂肪酸及びそれらの塩から選択される1種以上である。本実施形態のエタノール製剤組成物は、(B)成分を含有することで、展延性及び浸透性を向上し、かつ、組成物が水によって稀釈されても、殺菌力を発揮する。
【0015】
炭素数8~14の脂肪酸としては、例えば、カプリル酸(オクタン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリン酸(ドデカン酸)、ミリスチン酸(テトラデカン酸)等が挙げられる。炭素数8~14の脂肪酸としては、展延性及び浸透性をより向上しやすい観点から、カプリル酸、カプリン酸が好ましく、カプリン酸がより好ましい。
【0016】
炭素数8~14の脂肪酸の25℃における酸解離定数(pKa)は、4.8~5.8が好ましく、4.8~5.4がより好ましく、4.8~5.0がさらに好ましい。炭素数8~14の脂肪酸の25℃におけるpKaが上記数値範囲内であると、エタノール製剤組成物の展延性及び浸透性をより向上できる。
炭素数8~14の脂肪酸の25℃におけるpKaは、中和滴定、吸光光度法、キャピラリー電気泳動等により求められる。
【0017】
炭素数8~14の脂肪酸の塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。炭素数8~14の脂肪酸の塩における塩としては、親油性の汚れに対する展延性及び浸透性をより向上しやすい観点から、マグネシウム塩、カルシウム塩が好ましい。
【0018】
(B)成分の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、0.02質量%超0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.25質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.2質量%以下がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値超であると、エタノール製剤組成物が水によって稀釈されても、殺菌力を発揮し、かつ、展延性及び浸透性をより向上できる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、エタノール製剤組成物の液体安定性をより向上できる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
<任意成分>
本発明のエタノール製剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分以外の任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、例えば、(C)成分、(D)成分、(E)成分、pH調整剤、水等が挙げられる。
任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
((C)成分)
(C)成分は、(B)成分を除く有機酸及びその塩から選択される1種以上である。本実施形態のエタノール製剤組成物は、(C)成分を含有することで、殺菌力及び殺ウイルス力をより高められる。
本明細書において、有機酸とは、(B)成分を除くカルボキシル基又はリン酸基を有する酸をいう。
【0021】
有機酸としては、例えば、ヒドロキシ酸として、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、その他の有機酸として、ソルビン酸、グルコン酸、フィチン酸等が挙げられる。有機酸としては、エタノール製剤組成物の殺菌力及び殺ウイルス力を高める観点から、ヒドロキシ酸が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、乳酸がより好ましく、クエン酸、リンゴ酸がさらに好ましく、エタノール製剤組成物を希釈してもpHを維持しやすい観点から、クエン酸が特に好ましい。
有機酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機酸の塩としては、入手しやすい観点から、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0022】
エタノール製剤組成物が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、1.0質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上4.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、エタノール製剤組成物の殺菌力及び殺ウイルス力をより高められる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、エタノール製剤組成物の低温(例えば、5℃)時の液体安定性をより向上できる。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
((D)成分)
(D)成分は、多価アルコール脂肪酸エステルから選ばれる1種以上である。多価アルコール脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルが好ましく、エタノール製剤組成物の液体安定性の観点から、グリセリンモノ脂肪酸エステルがより好ましい。本実施形態のエタノール製剤組成物は、(D)成分を含有することで、殺菌力及び殺ウイルス力をより高められる。
本明細書において、グリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリン骨格のヒドロキシ基一つに脂肪酸がエステル結合した化合物であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含まない。
【0024】
グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸グリセリル(オクタン酸グリセリル)、カプリン酸グリセリル(デカン酸グリセリル)、ラウリン酸グリセリル(ドデカン酸グリセリル)、ミリスチン酸グリセリル(テトラデカン酸グリセリル)、パルミチン酸グリセリル(ヘキサデカン酸グリセリル)、ステアリン酸グリセリル(オクタデカン酸グリセリル)、オレイン酸グリセリル(シス-9-オクタデセン酸グリセリル)等が挙げられる。グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、殺菌効果及び殺ウイルス効果により優れる観点から、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリルが好ましく、カプリン酸グリセリルがより好ましい。
【0025】
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸ソルビタン、カプリン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン等が挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタンが好ましい。
【0026】
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖カプリル酸エステル、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等が挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。
【0027】
エタノール製剤組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.15質量%以上0.7質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下がさらに好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、エタノール製剤組成物の殺菌力及び殺ウイルス力をより高められる。(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、エタノール製剤組成物の低温時の液体安定性をより向上できる。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
((E)成分)
(E)成分は、硫黄原子を含む2価の陰イオンを放出する塩である。本実施形態のエタノール製剤組成物は、(E)成分を含有することで、殺菌力及び殺ウイルス力をより高められる。
本明細書における(E)成分として配合する化合物は、水和物であってもよく、水和物でなくてもよい。
【0029】
(E)成分における硫黄原子を含む2価の陰イオンとしては、例えば、硫酸イオン(SO4
2-)、亜硫酸イオン(SO3
2-)、チオ硫酸イオン(S2O3
2-)、亜ジチオン酸イオン(S2O4
2-)、ピロ硫酸イオン(S2O7
2-)、ペルオキソ二硫酸イオン(S2O8
2-)等が挙げられる。
(E)成分としては、例えば、硫酸(H2SO4)、亜硫酸(H2SO3)、チオ硫酸(H2S2O3)、亜ジチオン酸(H2S2O4)、ピロ硫酸(H2S2O7)、ペルオキソ二硫酸(H2S2O8)及びそれらの塩等が挙げられる。
(E)成分における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、銅塩、アンモニウム塩、及びそれらの複合塩等が挙げられる。
(E)成分としては、殺菌効果及び殺ウイルス効果により優れる観点から、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムが好ましく、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムがより好ましい。
【0030】
エタノール製剤組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.02質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。(E)成分の含有量が上記下限値以上であると、エタノール製剤組成物の殺ウイルス力をより高められる。(E)成分の含有量が上記上限値以下であると、エタノール製剤組成物の低温時の液体安定性をより向上できる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
(pH調整剤)
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩等が挙げられる。また、上述した(C)成分又は(E)成分が、pH調整剤を兼ねてもよい。
エタノール製剤組成物が(C)成分及び(E)成分以外のpH調整剤を含有する場合、(C)成分及び(E)成分以外のpH調整剤の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、0.01質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
(水)
エタノール製剤組成物は、水を含有することが好ましい。水の含有量は、エタノール製剤組成物の総質量に対して、30質量%以上60質量%未満が好ましく、40質量%以上50質量%以下がより好ましい。水の含有量が上記下限値以上であると、エタノール製剤組成物の低温時の液体安定性をより向上できる。水の含有量が上記上限値未満であると、エタノール製剤組成物の殺菌力及び殺ウイルス力をより高められる。
【0033】
なお、本発明のエタノール製剤組成物を構成する成分の合計量は、100質量%を超えない。
【0034】
・pH
エタノール製剤組成物の25℃におけるpHは、2.0以上4.0未満であり、2.5以上4.0未満が好ましく、2.5以上3.5以下がより好ましい。エタノール製剤組成物の25℃におけるpHが上記下限値以上であると、エタノール製剤組成物を使用する者の安全性を確保しやすい。エタノール製剤組成物の25℃におけるpHが上記上限値未満であると、エタノール製剤組成物の殺菌力及び殺ウイルス力をより向上でき、展延性及び浸透性をより向上できる。加えて、エタノール製剤組成物の25℃におけるpHが上記上限値未満であると、エタノール製剤組成物の低温時の液体安定性をより向上できる。
エタノール製剤組成物の25℃におけるpHは、pH調整剤の種類や含有量により調整できる。
なお、本明細書におけるpHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(ポータブルpH/ORP/IONメーター D-73、(株)堀場製作所製)により測定される値を意味する。
【0035】
[エタノール製剤組成物の製造方法]
本発明のエタノール製剤組成物は、例えば、(A)成分と(B)成分と、必要に応じて任意成分を(A)成分の含有量が総質量に対して40質量%以上60質量%未満になるように混合し、所定のpHになるように調整することによって製造できる。
本発明のエタノール製剤組成物をスプレー容器に充填することで、エタノール製剤製品(スプレー剤)が得られる。スプレー容器としては、例えば、トリガーノズル付き容器が挙げられる。
【0036】
本発明のエタノール製剤組成物は、スプレー容器に充填して、エタノール製剤製品(スプレー剤)とすることが好ましい。スプレー剤とすることで、適用対象物の消毒、殺菌、除菌、抗菌、殺ウイルス、ウイルス除去、抗ウイルス、除カビ、抗カビ、洗浄等を簡便に行うことができる。適用対象物については後述する。
【0037】
スプレー容器としては、持ち運びに便利であることから、密封可能な0.1~2Lのスプレー容器が好ましい。
スプレー容器の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が挙げられる。スプレー容器の材料は、エタノール製剤組成物の原液又はその希釈溶液の残分を目視できる観点から、透明性の高いPET、PP、PEが好ましい。スプレー容器の材料として透明性の高い樹脂を用いることで、トリガーを操作して噴霧が困難となった場合に、その原因が原液又はその希釈溶液の残量の低下によるものなのか、沈殿物等の生成によるものなのかを的確に判断できる。
トリガーノズルとしては、特に限定されないが、例えば、キャニヨン(株)製のCHS-5ANやT95等が挙げられる。
【0038】
[エタノール製剤組成物の使用方法]
エタノール製剤組成物の使用方法としては、例えば、本発明のエタノール製剤組成物の原液又はその希釈溶液を容器に入れ、その一部を適用対象物に滴下、塗布、噴霧等して接触させる方法が挙げられる。また、本発明のエタノール製剤組成物の原液又はその希釈溶液に適用対象物を浸漬してもよい。
適用対象物としては、食材、食品、調理器具、調理台、食品の保管場所、ドアノブ、食品工場のライン、手指、身体、グローブ、作業着、靴等が挙げられる。食品の保管場所としては、例えば、冷蔵庫の内部、冷蔵庫の扉の取っ手等が挙げられる。エタノール製剤組成物は、食材に練り込んで使用してもよい。
エタノール製剤組成物の適用対象物としては、調理器具、調理台、食品の保管場所、ドアノブが好ましく、水分が残留していても殺菌力及び殺ウイルス力に優れる観点から、調理器具、調理台がより好ましく、調理器具がさらに好ましい。
調理器具の中でも、表面に傷がつきやすく、エタノール製剤組成物の展延性及び浸透性による効果がより得られやすい観点から、まな板が特に好ましい。まな板の材質は、特に制限はないが、プラスチック製、木製に適しており、展延性及び浸透性による効果がより得られやすい観点から、プラスチック製がより適している。
適用対象物がまな板の場合、まな板は、予め洗剤で汚れを除去したり、表面の水を予め除去したりする方が望ましいが、そのような操作をしても、まな板の表面には多数の傷が存在するため、傷表面や傷の奥に脂汚れやタンパク質汚れが滞留することがある。そして、残留した汚れを栄養源として菌が爆発的に増加し、繰り返し使用していくうちに細菌やウイルスがバイオフィルムを作ることがある。本発明のエタノール製剤組成物は、展延性及び浸透性に優れるため、まな板の傷に沿って広がり、かつ、まな板の傷の深さ方向に浸透する。これにより、まな板の傷に滞留する細菌やウイルスを除去することができる。さらに、脂汚れやタンパク質汚れへの浸透性に優れるため、傷の奥に残った汚れが残留したとしても、汚れとともに、汚れの内部に滞留する細菌やウイルスを除去することができる。
すなわち、本発明のエタノール製剤組成物は、まな板用のエタノール製剤組成物とすることが特に好ましい。
【0039】
エタノール製剤組成物をまな板に使用する場合、エタノール製剤組成物の原液又はその希釈溶液の一部をまな板の表面に滴下、塗布、噴霧等して接触させる。まな板の傷には、細菌やウイルスが滞留しやすく、通常の洗浄方法では、細菌やウイルスを除去しにくい。しかし、本発明のエタノール製剤組成物は、展延性及び浸透性に優れるため、まな板の傷に沿って広がり、まな板の傷の深さ方向に浸透する。これにより、まな板の傷に滞留する細菌やウイルスを除去できる。
加えて、まな板の表面に脂等の汚れが付着していると、まな板の表面に滞留する細菌やウイルスを除去しにくい。しかし、本発明のエタノール製剤組成物は、脂等の汚れに対しても浸透性に優れるため、汚れの内部に滞留する細菌やウイルスを除去できる。
【0040】
本発明のエタノール製剤組成物は、水道水等で希釈して用いることもできる。本発明のエタノール製剤組成物の原液を希釈する場合、希釈倍率(原液に対する希釈溶液の体積)は、2~10倍が好ましく、2~8倍がより好ましく、2~6倍がさらに好ましい。希釈倍率が上記下限値以上であると、水分が残留する調理器具や食器への利用に有用であり、加えて、製造コストの面で優れる。希釈倍率が上記上限値以下であると、殺菌力及び殺ウイルス力を維持しやすい。
【0041】
本発明のエタノール製剤製品の用途としては、適用対象物の消毒、殺菌、除菌、抗菌、殺ウイルス、ウイルス除去、抗ウイルス、除カビ、抗カビ、洗浄等が挙げられる。
エタノール製剤製品は、適用対象物に噴霧することにより使用できる。エタノール製剤製品を噴霧する適用対象物としては、調理器具、食品の保管場所、ドアノブ、手指、グローブが好ましい。
エタノール製剤製品の一回当たりの噴霧量は、0.3~2.0mLが好ましく、0.5~1.5mLがより好ましく、0.7~1.3mLがさらに好ましい。エタノール製剤製品の一回当たりの噴霧量が上記下限値以上であると、充分な殺菌効果、殺ウイルス効果が得られやすく、対象物への噴霧回数を低減できる。エタノール製剤製品の一回当たりの噴霧量が上記上限値以下であると、トリガーの操作を容易にしやすい。
【実施例】
【0042】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、調製方法、測定方法、評価方法は、以下の通りである。
【0043】
[使用原料]
<(A)成分>
エタノール:発酵アルコール「トレーサブル99 1級」(商品名)、日本アルコール販売(株)製。
【0044】
<(B)成分>
カプリン酸:炭素数10の脂肪酸、デカン酸、東京化成工業(株)製。
ミリスチン酸:炭素数14の脂肪酸、テトラデカン酸、東京化成工業(株)製。
【0045】
<任意成分>
((C)成分)
クエン酸:精製クエン酸(結晶)、扶桑化学工業(株)製。
クエン酸ナトリウム:精製クエン酸ナトリウム、扶桑化学工業(株)製。
リンゴ酸:リンゴ酸、純正化学(株)製。
リンゴ酸ナトリウム:リンゴ酸ナトリウム、純正化学(株)製。
【0046】
((D)成分)
カプリン酸グリセリル:デカン酸グリセリル、ポエムM-200(商品名)、理研ビタミン(株)製。
ラウリン酸グリセリル:ドデカン酸グリセリル、ポエムM-300(商品名)、理研ビタミン(株)製。
パルミチン酸グリセリル:ヘキサデカン酸グリセリル、NIKKOL MGO(商品名)、日光ケミカルズ(株)製。
【0047】
((E)成分)
硫酸マグネシウム:硫酸マグネシウム、関東化学(株)製。
【0048】
(pH調整剤)
リン酸(特級)、純正化学(株)製。
水酸化ナトリウム(特級)、純正化学(株)製。
(水)
水:イオン交換水。
【0049】
<エタノール製剤組成物の調製>
表1に示す組成に従い、水に、(A)成分、(B)成分、任意成分を添加し、混合した後、pH調整剤でpHを表中の値に調整して、試料No.1~10のエタノール製剤組成物を調製した。
表中の配合量の単位は、「質量%」であり、いずれの成分も純分換算量を示す。
表中の「-」は、その成分が配合されていないことを示す。
表中の「適量」は、各試料No.のエタノール製剤組成物のpHを表中の値にするのに要したpH調整剤の量である。
表中の「バランス」は、エタノール製剤組成物に含まれる全配合成分の合計の配合量が100gとなるように水が配合されていることを示す。
【0050】
【0051】
<まな板に付着した水分量の測定>
ポリプロピレン製まな板(縦幅21cm×横幅42cm×高さ2.7cm)の片面を水道水で洗い流し、洗い流す前の増加質量を測定したところ、増加質量は8gであった。
【0052】
<エタノール製剤製品(スプレー剤)の噴霧評価>
試料No.1のエタノール製剤組成物をPE製の容器(500mL、(株)ツバキスタイル製)に入れ、トリガーノズルT95(キャニヨン(株)製)を取り付けて、エタノール製剤製品(スプレー剤)とし、25℃の環境下で1時間静置した後、噴霧を行った。
各々のトリガーノズルを用いて1回の噴霧量を1.0~1.2mLとすると、ポリプロピレン製まな板(縦幅21cm×横幅42cm×高さ2.7cm)の全体にエタノール製剤組成物を噴霧することができた。このときのポリプロピレン製まな板の増加質量を測定したところ、増加質量は3gであった。
各試料No.のエタノール製剤組成物を上記のPET製の容器に入れ、上記トリガーノズルを取り付けて、スプレー剤とし、同様に噴霧を行った。
いずれの試料No.のスプレー剤も、問題なく噴霧することができた。
【0053】
[実施例1~7、比較例1~3]
<殺菌力の評価1>
大腸菌(Escherichia coli NBRC3972)をSCD寒天培地(ダイゴ、日本製薬(株)製)に接種し、37℃で24時間培養した。生育したコロニーを1白金耳取り、新たなSCD寒天培地に接種して37℃で24時間培養した。生育したコロニーを白金耳で採取した後、試験管に入れた滅菌水に懸濁し、濁度(Thermo Electron社製、SPECTRONIC 20+測定波長660nmの吸光度)が0.3となるように滅菌水を適宜添加して菌液を調製した。各試料No.のエタノール製剤組成物9.5mLに肉エキス(ナカライテクス社)10質量%溶液0.5mLを加えた試料溶液10mLを試験管に添加して20℃に保温した。その試験管に菌液0.1mLを添加した後に素早く撹拌し、30秒間静置後、その溶液0.1mLを予め準備したSCDLP培地(ダイゴ、日本製薬(株)製)9.9mLに添加した(A液)。A液1mLを、予め準備したSCDLP培地9mLに添加し、同様の操作を繰り返して10倍ずつ順次希釈した希釈液を得た。各希釈液1mLを滅菌シャーレに添加し、そこに47℃で溶解したSCD寒天培地を加えて混釈し、37℃で24時間培養し、生育したコロニー数を測定して生菌数に換算した(log CFU/mL)。生菌数が少ないほど、殺菌力に優れる。結果を表2に示す。
表中、「<2.0」は、生菌数が2.0(log CFU/mL)未満であったことを示す。
【0054】
<殺ウイルス力の評価>
ウシ胎児血清(シグマハイクロン社、FBS)10体積%及びペニシリンストレプトマイシン溶液(シグマ社)1体積%を含むRoswell Park Memorial Institute 1640培地(シグマ社、以下「RPMI 1640培地」ともいう。)をT-75フラスコ(イワキ社)に15mL添加した。このRPMI 1640培地にネコ腎細胞(ATCC CCL-94)を播種して37℃、炭酸ガス5体積%濃度の雰囲気で培養した。96穴マイクロプレート(イワキ社)について、各ウェルにRPMI 1640培地を0.1mL添加して、ネコ腎細胞を播種して、T-75フラスコの場合と同様に培養した。T-75フラスコで生育したネコ腎細胞にネコカリシウイルス(ATCC VR-782)を感染させて24時間培養して、培養液を得た。この培養液を3000rpmで5分間の遠心分離を行い、上清に肉エキス(ナカライテクス社)10質量%溶液を同量加えて、ウイルス液とした。
各試料No.のエタノール製剤組成物0.9mLに上記ウイルス液を0.1mL添加して、25℃、30秒間放置した。その後、Eagle’s Minimal Essential Medium(シグマ社、EMEM培地)で10倍ずつ順次希釈した。96穴マイクロプレートで生育したネコ腎細胞をEMEM培地で洗浄し、その洗浄液を取り除いた後、希釈した反応液を0.1mL添加して37℃、炭酸ガス5体積%濃度の雰囲気で1時間培養した。1時間培養後の反応液にウシ胎児血清0.2体積%及びペニシリンストレプトマイシン溶液1体積%を含むEMEM培地を0.1mL添加し、37℃、炭酸ガス5体積%濃度の雰囲気で3日間培養した。3日間培養後の細胞の変性を顕微鏡で観察してウイルス感染の有無を判断し、TCID50法にて感染価(log TCID50)を求めた。なお、TCID50法とは、ウイルスに感染すると細胞の形状が変化する現象(細胞変性)を利用したウイルス量の測定法で、「感染価」は、50%の細胞に感染するウイルス量を意味する。感染価が小さいほど、殺ウイルス力に優れる。結果を表2に示す。
表中、「<2.0」は、感染価が2.0(log TCID50)未満であったことを示す。
【0055】
<傷への展延性の評価>
ポリプロピレン板(長さ35mm、幅25mm、厚み1mm)に、プラスチックカッターにて長さ方向に10本の線状の傷(スジ)を付けた。それぞれのスジの間隔は、2mm等間隔になるようにした。ポリプロピレン板のスジを付けた面(表面)に牛脂1g(富士フイルム和光純薬(株)製)を均一に塗布した後、ポリプロピレン板の表面部分のみをウエスで拭き取り、スジに入り込んだ牛脂を残存させたものを試料板とした。
各試料No.のエタノール製剤組成物の総質量に対して赤色102号(癸巳化成(株)製)0.1質量%を添加したものを試料液とした。マイクロピペットで試料液0.2mLを採取し、試料板の中央に幅方向で帯状に滴下して25℃で1時間静置して乾燥させた。乾燥後、
図1に示すように、試料液がスジに沿って伸びて着色されたスジ部分の長さdを測定し、試料液の両側のスジ部分合計20本の長さdの平均値を求めた。求めた平均値の結果を表2に示す。スジに沿って伸びた長さ(平均値)が長いほど、展延性に優れる。
図2に傷への展延性の評価結果の一例を示す。
図2に示すように、比較例1及び3は展延性が乏しいのに対し、実施例1は展延性に優れることが分かる。
【0056】
<傷への浸透性の評価>
上記の傷への展延性を評価した後、
図2に示すように、ポリプロピレン板の試料液の中央からスジに沿って5.0mm離れた位置を、幅方向に沿ってプラスチックカッターにて厚み方向に切断した。その切断面を顕微鏡で観察し、試料液の傷への浸透性を着色の程度によって目視で評価した。
図3の(a)に示すように、傷の内部に試料液が浸透し、傷全体が着色しているものを「○」、
図3の(b)に示すように、傷の表面付近にのみ試料液が浸透し、傷の深部まで試料液が浸透していないものを「△」、
図3の(c)に示すように、試料液が傷に浸透していないものを「×」とした。「○」、「△」、「×」の評価は、10本の傷のうち、最も多い形態を採用した。結果を表2に示す。「○」又は「△」を合格とした。
【0057】
【0058】
[実施例8~9、比較例4]
<殺菌力の評価2>
試験管に表3に示すエタノール製剤組成物と滅菌水を加えて9.5mLとし、さらに肉エキス(ナカライテクス社)10質量%溶液0.5mLを加えた試料溶液10mLを20℃に保温した。なお、試料溶液で所定希釈倍率になるようにアルコール製剤組成物と滅菌水を添加した。この試料溶液10mLに、上記<殺菌力の評価1>での菌液0.1mLを加え、37℃で24時間、試験管内で培養して、下記評価基準に基づき、溶液の濁り具合を目視で確認して、大腸菌の生死を評価した。上記所定希釈倍率は、8倍希釈及び12倍希釈とした。結果を表3に示す。
《評価基準》
-:溶液が全く濁らなかった(大腸菌の生育なし)。
+:溶液が濁った(大腸菌の生育あり)。
【0059】
【0060】
表2に示すように、本発明を適用した実施例1~7は、生菌数が3.0(log CFU/mL)以下で、殺菌力に優れることが分かった。実施例1~7は、感染価が3.0(log TCID50)以下で、殺ウイルス力に優れることが分かった。加えて、実施例1~7は、スジに沿って伸びた長さの平均値が3.0mm以上で、展延性に優れることが分かった。実施例1~7は、傷への浸透性が「○」又は「△」で、浸透性に優れることが分かった。
一方、(B)成分を含有しない比較例1、3は、スジに沿って伸びた長さの平均値が0.0mmで、かつ、傷への浸透性が「×」だった。pHが7.0で本発明の範囲外である比較例2は、生菌数が5.0(log CFU/mL)、感染価が5.0(log TCID50)で、殺菌力及び殺ウイルス力に劣っていた。
また、表3に示すように、本発明を適用した実施例8~9は、水で8倍に希釈しても殺菌力に優れることが分かった。
一方、(B)成分を含有しない比較例4は、原液であれば、殺菌力を有するものの、水で8倍以上に希釈すると殺菌力に劣っていた。
【0061】
これらの結果から、本発明のエタノール製剤組成物によれば、展延性及び浸透性に優れ、殺菌力及び殺ウイルス力に優れることが分かった。