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特許7471178画像領域分類モデル作成装置、コンクリート評価装置及びコンクリート評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】画像領域分類モデル作成装置、コンクリート評価装置及びコンクリート評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240412BHJP
   G01N 33/38 20060101ALI20240412BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
G06T7/00 610Z
G01N33/38
G01N21/88 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020146188
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022041142
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ディ
(72)【発明者】
【氏名】西岡 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】小島 正朗
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-142532(JP,A)
【文献】特開2015-081907(JP,A)
【文献】特開2019-211247(JP,A)
【文献】国際公開第2008/111724(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - 21/958
G01N 33/00 - 33/46
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 - 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
CSDB(日本国特許庁)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とが識別可能とされた識別情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記スランプフロー画像に対して、前記粗骨材の領域と前記モルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理が行われた前記スランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像に対応する前記識別情報を学習用データとして、前記スランプフロー画像を入力情報とし、当該スランプフロー画像における前記粗骨材の領域と前記モルタルの領域とを分類する情報を出力情報としたセグメンテーションモデルを学習させることで画像領域分類モデルを作成する作成部と、
を備えた画像領域分類モデル作成装置。
【請求項2】
前記画像処理は、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の少なくとも1つの処理である、
請求項1に記載の画像領域分類モデル作成装置。
【請求項3】
前記スランプフロー画像は、グレイスケールの画像である、
請求項1又は請求項2に記載の画像領域分類モデル作成装置。
【請求項4】
前記識別情報は、前記画像処理部によって画像処理が行われた前記スランプフロー画像を用いて作成された情報である、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の画像領域分類モデル作成装置。
【請求項5】
評価対象とするコンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う画像処理部と、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の画像領域分類モデル作成装置によって作成された画像領域分類モデルに対して、前記画像処理部によって画像処理が行われた前記スランプフロー画像を入力する入力部と、
前記入力部による前記スランプフロー画像の入力によって前記画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出する導出部と、
前記導出部によって導出された分布状態情報を用いて、前記評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価する評価部と、
を備えたコンクリート評価装置。
【請求項6】
前記画像処理は、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の少なくとも1つの処理である、
請求項5に記載のコンクリート評価装置。
【請求項7】
前記スランプフロー画像は、グレイスケールの画像である、
請求項5又は請求項6に記載のコンクリート評価装置。
【請求項8】
評価対象とするコンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行い、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の画像領域分類モデル作成装置によって作成された画像領域分類モデルに対して、前記画像処理が行われた前記スランプフロー画像を入力し、
前記スランプフロー画像の入力によって前記画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出し、
導出した分布状態情報を用いて、前記評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価する、
処理をコンピュータに実行させるためのコンクリート評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像領域分類モデル作成装置、コンクリート評価装置及びコンクリート評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2019年の「JIS A5308 レディーミクストコンクリート」の改正により、普通コンクリートにスランプフローで管理する高流動コンクリートが追加された。高流動コンクリートの材料分離抵抗性の試験方法では、スランプフロー試験後、粗骨材の偏在の有無を目視により確認することとし、客観的な判断方法が確立されていないのが実情である。
【0003】
従来、高流動コンクリートの材料分離抵抗性を評価するために適用することのできる技術として以下の技術があった。
【0004】
特許文献1には、高流動コンクリートのフレッシュ時における材料分離抵抗性を評価するための試験方法が開示されている。この試験方法では、スランプフロー試験用の台板及びスランプコーンを用意し、前記台板上に形成されるスランプフローのコンクリート試料に挿し込むことによって当該スランプフローのコンクリート試料を複数の領域に分断するための、互いに直径の異なる円環形状の複数の試料分断部材を用意する。また、この試験方法では、前記台板上に前記スランプコーンを載置して当該スランプコーンにコンクリート試料を充填し、前記スランプコーンを引き上げて除去することで、前記台板上に前記コンクリート試料のスランプフローを形成する。また、この試験方法では、前記複数の試料分断部材を前記台板上の前記スランプフローの中心に対して略々同心的な位置関係となるようにして当該スランプフローのコンクリート試料に挿し込むことによって、当該スランプフローのコンクリート試料を略々同心的な複数の領域に分断する。そして、この試験方法では、前記複数の領域の各々から夫々にコンクリート試料を採取し、それら複数の採取試料の各々についてコンクリートの材料分離抵抗性を評価する。
【0005】
また、特許文献2には、高流動コンクリートの材料分離評価方法が開示されている。この材料分離評価方法では、高性能減水剤を配合した高流動コンクリートを作製するに際し、所定のモールド内に該コンクリートを装填し、このモールド内コンクリートの上面全体に所定の吸水性シートを接触させる。そして、この材料分離評価方法では、この接触状態に一定時間静置したあと該吸水性シートを剥がし、この試験前後の該シートの重量差から該シートへの吸着量を求め,この吸着量を該コンクリートの材料分離の指標とする。
【0006】
更に、特許文献3には、高流動コンクリートを構造物に対して充填する際に用いるコンクリート評価方法が開示されている。このコンクリート評価方法では、流下速度測定装置を用いて、配合を変化させたときの高流動コンクリートの流下時間および最大せん断ひずみ速度を測定する。また、このコンクリート評価方法では、前記最大せん断ひずみ速度をコンクリートの材料分離を示す分離限界点と仮定し、前記流下時間と前記最大せん断ひずみ速度との関係を示すコンクリート分離限界特性を求める第1工程を有する。また、このコンクリート評価方法では、前記構造物に実際に充填する実施高流動コンクリートの性状、および前記構造物の形状に基づいて数値計算や流動解析を行い、実施最大せん断ひずみ速度を算出する第2工程を有する。また、このコンクリート評価方法では、前記流下速度測定装置によって前記構造物に実際に充填する前記実施高流動コンクリートの実施流下時間を求める第3工程を有する。そして、このコンクリート評価方法では、該第3工程で求めた前記実施流下時間における前記第2工程で求めた前記実施最大せん断ひずみ速度の分布と、前記第1工程で得られた前記コンクリート分離限界特性と、を比較し、予め設定されている判定基準に基づいて前記実施最大せん断ひずみ速度の分布から前記実施高流動コンクリートにおける材料分離の危険度、および前記構造物に対する閉塞の危険度を判定する第4工程を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-322602号公報
【文献】特開平09-021797号公報
【文献】特開2013-170833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1~特許文献2に記載の技術は、何れも、特殊な試験装置が必要であり、著しく手間がかかる、という問題点があった。また、特許文献3に記載の技術は、流動解析の実施が必要であり、この技術においても、著しく手間がかかる、という問題点があった。なお、この問題点は、高流動コンクリートのみに関するものではなく、コンクリート全般に関するものである。
【0009】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することのできる画像領域分類モデル作成装置、コンクリート評価装置、及びコンクリート評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置は、コンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とが識別可能とされた識別情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記スランプフロー画像に対して、前記粗骨材の領域と前記モルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理が行われた前記スランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像に対応する前記識別情報を学習用データとして、前記スランプフロー画像を入力情報とし、当該スランプフロー画像における前記粗骨材の領域と前記モルタルの領域とを分類する情報を出力情報としたセグメンテーションモデルを学習させることで画像領域分類モデルを作成する作成部と、を備える。
【0011】
請求項1に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置によれば、スランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とが識別可能とされた識別情報を取得し、取得したスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行い、画像処理を行ったスランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像に対応する識別情報を学習用データとして、スランプフロー画像を入力情報とし、当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とを分類する情報を出力情報としたセグメンテーションモデルを学習させることで画像領域分類モデルを作成することで、当該画像領域分類モデルを用いることにより、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置は、請求項1に記載の画像領域分類モデル作成装置であって、前記画像処理が、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の少なくとも1つの処理であるものである。
【0013】
請求項2に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置によれば、画像処理を、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の少なくとも1つの処理とすることで、不均一照度、ノイズ、及びコントラストの少なくとも1つの影響による画像領域分類モデルの性能の低下を抑制することができる。
【0014】
請求項3に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置は、請求項1又は請求項2に記載の画像領域分類モデル作成装置であって、前記スランプフロー画像が、グレイスケールの画像であるものである。
【0015】
請求項3に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置によれば、スランプフロー画像を、グレイスケールの画像とすることで、スランプフロー画像をカラー画像とする場合に比較して、より簡易に画像領域分類モデルを作成することができ、スランプフロー画像を2値のモノクロ画像とする場合に比較して、より高精度に画像領域分類モデルを作成することができる。
【0016】
請求項4に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の画像領域分類モデル作成装置であって、前記識別情報が、前記画像処理部によって画像処理が行われた前記スランプフロー画像を用いて作成された情報であるものである。
【0017】
請求項4に記載の本発明に係る画像領域分類モデル作成装置によれば、識別情報を、画像処理部によって画像処理が行われたスランプフロー画像を用いて作成された情報とすることで、識別情報を作成し易くすることができる。
【0018】
請求項5に記載の本発明に係るコンクリート評価装置は、評価対象とするコンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う画像処理部と、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の画像領域分類モデル作成装置によって作成された画像領域分類モデルに対して、前記画像処理部によって画像処理が行われた前記スランプフロー画像を入力する入力部と、前記入力部による前記スランプフロー画像の入力によって前記画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出する導出部と、前記導出部によって導出された分布状態情報を用いて、前記評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価する評価部と、を備える。
【0019】
請求項5に記載の本発明に係るコンクリート評価装置によれば、スランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行い、本発明の画像領域分類モデル作成装置によって作成された画像領域分類モデルに対して、画像処理が行われたスランプフロー画像を入力し、当該スランプフロー画像の入力によって画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出し、導出した分布状態情報を用いて、評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価することで、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0020】
請求項6に記載の本発明に係るコンクリート評価装置は、請求項5に記載のコンクリート評価装置であって、前記画像処理が、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の少なくとも1つの処理であるものである。
【0021】
請求項6に記載の本発明に係るコンクリート評価装置によれば、画像処理を、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の少なくとも1つの処理とすることで、適用した処理に応じた好適なスランプフロー画像を画像領域分類モデルに入力することができる結果、より高精度に、コンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0022】
請求項7に記載の本発明に係るコンクリート評価装置は、請求項5又は請求項6に記載のコンクリート評価装置であって、前記スランプフロー画像が、グレイスケールの画像であるものである。
【0023】
請求項7に記載の本発明に係るコンクリート評価装置によれば、スランプフロー画像を、グレイスケールの画像とすることで、スランプフロー画像をカラー画像とする場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができ、スランプフロー画像を2値のモノクロ画像とする場合に比較して、より高精度にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0024】
請求項8に記載の本発明に係るコンクリート評価プログラムは、評価対象とするコンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行い、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の画像領域分類モデル作成装置によって作成された画像領域分類モデルに対して、前記画像処理が行われた前記スランプフロー画像を入力し、前記スランプフロー画像の入力によって前記画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出し、導出した分布状態情報を用いて、前記評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価する、処理をコンピュータに実行させる。
【0025】
請求項8に記載の本発明に係るコンクリート評価プログラムによれば、スランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行い、本発明の画像領域分類モデル作成装置によって作成された画像領域分類モデルに対して、画像処理が行われたスランプフロー画像を入力し、当該スランプフロー画像の入力によって画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出し、導出した分布状態情報を用いて、評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価することで、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置の画像領域分類モデルの学習時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る情報処理装置による画像領域分類モデルの学習方法の説明に供する図である。
図5】実施形態に係る情報処理装置の画像領域分類モデルの運用時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図6】実施形態に係る学習用画像情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】実施形態に係るラベリング情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図8】実施形態に係るラベリング情報作成処理の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係るラベリング用画面の構成の一例を示す正面図である。
図10】実施形態に係る画像領域分類モデル作成処理の一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係るコンクリート評価処理の一例を示すフローチャートである。
図12】実施形態に係るコンクリート評価処理の説明に供する図であり、各段階における具体的な画像、及び粗骨材分布グラフの一例を示す図である。
図13】実施形態に係る評価結果画面の構成の一例を示す正面図である。
図14】実施形態に係るコンクリート評価処理の効果の説明に供する図であり、画像処理前後のスランプフロー画像、画像領域分類モデルからの出力結果、及び粗骨材分布グラフの一例を示す図である。
図15A】従来のエッジ抽出処理による粗骨材の領域の抽出結果の一例を示す図であり、左図が画像処理前のスランプフロー画像の一例を示す図であり、右図が粗骨材の抽出結果の一例を示す図である。
図15B】従来の分水嶺セグメンテーション法による粗骨材の領域の抽出結果の一例を示す図であり、左図が画像処理前のスランプフロー画像の一例を示す図であり、右図が粗骨材の抽出結果の一例を示す図である。
図16】実施形態に係るコンクリート評価処理の効果の説明に供する図であり、左図が画像領域分類モデルの学習に用いた学習用画像の一例を示す図であり、右図が実際の評価に用いた評価対象画像の一例を示す図である。
図17】実施形態に係るコンクリート評価処理の効果の説明に供する図であり、図16に示した評価対象画像を画像領域分類モデルの入力画像とした場合における、各種画像処理を選択的に実施した場合の具体的な画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像領域分類モデル作成装置及びコンクリート評価装置として情報処理装置を適用した場合について説明する。
【0029】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、本システムの中心的な役割を担う情報処理装置10と、情報蓄積装置90と、を含む。本実施形態に係る情報処理装置10は、後述する画像領域分類モデルの学習、及び当該画像領域分類モデルを用いたコンクリートの評価を行う。また、本実施形態に係る情報蓄積装置90は、情報処理装置10で取り扱う各種情報を蓄積するものである。
【0031】
本実施形態に係る情報蓄積装置90は不揮発性の記憶部92を備えている。記憶部92はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部92には、学習用画像情報データベース92A及びラベリング情報データベース92Bが記憶されている。学習用画像情報データベース92A及びラベリング情報データベース92Bについては、詳細を後述する。
【0032】
情報処理装置10と、情報蓄積装置90とは、ネットワークNを介して接続されており、情報処理装置10は、情報蓄積装置90とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、ネットワークNとしてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、インターネット、電話回線等の公共の通信回線を適用してもよく、これらの企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線を適用してもよく、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0033】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成を説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、情報処理装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の各種コンピュータが挙げられる。
【0034】
本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0035】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、ラベリング情報作成プログラム13A、画像領域分類モデル作成プログラム13B、及びコンクリート評価プログラム13Cが記憶されている。ラベリング情報作成プログラム13Aは、ラベリング情報作成プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からのラベリング情報作成プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。また、画像領域分類モデル作成プログラム13Bは、画像領域分類モデル作成プログラム13Bが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの画像領域分類モデル作成プログラム13Bの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。更に、コンクリート評価プログラム13Cは、コンクリート評価プログラム13Cが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からのコンクリート評価プログラム13Cの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、ラベリング情報作成プログラム13A、画像領域分類モデル作成プログラム13B、及びコンクリート評価プログラム13Cを各々記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、各プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0036】
また、記憶部13には、画像領域分類モデル13Dが記憶される。本実施形態に係る画像領域分類モデル13Dは、コンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像を入力情報とし、当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とを分類する情報を出力情報としたセグメンテーションモデルとして構成されている。
【0037】
なお、本実施形態では、上記セグメンテーションモデルとして、ファストランダムフォレスト(Fast Random Forest)をベースとしたモデルを適用しているが、これに限定されるものではない。セマンティック・セグメンテーション(Semantic Segmentation)モデル、インスタンス・セグメンテーション(Instance-aware Segmentation)モデル等の他のセグメンテーションモデルを画像領域分類モデル13Dとして適用する形態としてもよい。
【0038】
また、通信I/F部18には、ネットワークNが接続されると共に、スランプフロー画像を撮影する撮影装置80が接続されており、情報処理装置10は、撮影装置80からスランプフロー画像を入力することができる。本実施形態に係る撮影装置80は、カラーの静止画像を撮影するものとされているが、これに限定されるものではない。グレイスケールの静止画像を撮影する撮影装置を撮影装置80として適用する形態としてもよいし、2値のモノクロの静止画像を撮影する撮影装置を撮影装置80として適用する形態としてもよい。また、撮影装置80として、動画像を撮影する撮影装置を適用する形態としてもよい。
【0039】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の画像領域分類モデル13Dの学習時における機能的な構成について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の画像領域分類モデル13Dの学習時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。また、図4は、本実施形態に係る情報処理装置10による画像領域分類モデル13Dの学習方法の説明に供する図である。
【0040】
図3に示すように、画像領域分類モデル13Dの学習時における情報処理装置10は、取得部11A、画像処理部11B、及び作成部11Cを含む。情報処理装置10のCPU11が画像領域分類モデル作成プログラム13Bを実行することで、取得部11、画像処理部11B、及び作成部11Cとして機能する。
【0041】
本実施形態に係る取得部11Aは、スランプフロー画像(以下、「学習用画像」という。)、及び当該学習用画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とが識別可能とされた識別情報(本実施形態では、後述するラベリング情報であり、以下、「ラベリング情報」という。)を取得する。なお、本実施形態では、学習用画像として、グレイスケールの画像を適用している。従って、学習用画像として撮影装置80による撮影によって得られたスランプフロー画像を用いる場合は、当該画像はカラー画像であるため、情報処理装置10は、当該カラー画像をグレイスケールの画像に変換する必要がある。但し、学習用画像は必ずしもグレイスケールの画像に限定されるものではなく、例えば、カラー画像や、2値のモノクロ画像を、学習用画像として適用する形態としてもよい。
【0042】
また、本実施形態に係る画像処理部11Bは、取得部11Aによって取得された学習用画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う。なお、本実施形態では、上記画像処理として、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の全ての処理を適用しているが、これに限定されるものではない。これらの処理の1つ、又は2つの組み合わせを画像処理として適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、不均一照度を低減させる処理として、トップハットフィルタによる処理を適用し、ノイズ除去処理として、ガウシアンぼかし処理を適用し、コントラスト調整処理としてヒストグラム均等化処理及びヒストグラムマッチング処理を適用しているが、この形態に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0043】
そして、本実施形態に係る作成部11Cは、画像処理部11Bによって画像処理が行われた学習用画像、及び当該学習用画像に対応するラベリング情報を学習用データとして、スランプフロー画像を入力情報とし、当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とを分類する情報を出力情報としたセグメンテーションモデルを学習させることで画像領域分類モデル13Dを作成する。
【0044】
また、本実施形態では、ラベリング情報を、画像処理部11Bによって画像処理が行われた学習用画像を用いて作成された情報としている。本実施形態では、画像処理部11Bによる画像処理後の学習用画像を表示部15に表示させる。そして、本実施形態では、この状態で情報処理装置10のユーザに対し、入力部14を用いて、粗骨材の領域と、モルタルの領域との各々を異なる値でラベリングさせることで、ラベリング情報を作成する。これにより、情報処理装置10のユーザは、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴が強調された学習用画像を参照しながらラベリングすることができる結果、より高精度かつ容易にラベリング情報を作成することができる。
【0045】
即ち、一例として図4に示すように、学習用画像50Aに対して画像処理部11Bによって上述した画像処理が行われることで複数の特徴50Bが抽出される。また、上述したように、画像処理部11Bによって画像処理が行われた学習用画像50Aが用いられて、学習用画像50Aに対応するラベリング情報50Cが得られる。そして、作成部11Cにより、画像処理後の学習用画像50A及びラベリング情報50Cが学習用データとして用いられて上述したセグメンテーションモデルを学習させることで、画像領域分類モデル13Dが作成される。
【0046】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の画像領域分類モデル13Dの運用時における機能的な構成について説明する。図5は、本実施形態に係る情報処理装置10の画像領域分類モデル13Dの運用時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図5に示すように、画像領域分類モデル13Dの運用時における情報処理装置10は、画像処理部11D、入力部11E、導出部11F、及び評価部11Gを含む。情報処理装置10のCPU11がコンクリート評価プログラム13Cを実行することで、画像処理部11D、入力部11E、導出部11F、及び評価部11Gとして機能する。
【0048】
本実施形態に係る画像処理部11Dは、評価対象とするコンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像(本実施形態では、撮影装置80による撮影によって得られたスランプフロー画像であり、以下、「評価対象画像」という。)に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う。なお、本実施形態では、上記画像処理として、画像処理部11Bによる画像処理と同様に、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の全ての処理を適用しているが、これに限定されるものではない。これらの処理の1つ、又は2つの組み合わせを画像処理として適用する形態としてもよいことは、画像処理部11Bの画像処理と同様である。また、本実施形態では、評価対象画像としても、学習用画像と同様に、グレイスケールの画像を適用しているが、これに限定されるものではない。評価対象画像としても、学習用画像と同様に、例えば、カラー画像や、2値のモノクロ画像を適用する形態としてもよい。
【0049】
また、本実施形態に係る入力部11Eは、画像領域分類モデル13Dに対して、画像処理部11Dによって画像処理が行われた評価対象画像を入力する。この画像処理後の評価対象画像の入力により、画像領域分類モデル13Dから、当該評価対象画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とを分類する情報が出力される。
【0050】
そこで、本実施形態に係る導出部11Fは、画像領域分類モデル13Dから出力された情報を用いて、当該評価対象画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出する。そして、本実施形態に係る評価部11Gは、導出部11Fによって導出された分布状態情報を用いて、評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価する。
【0051】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る学習用画像情報データベース92Aについて説明する。図6に示すように、本実施形態に係る学習用画像情報データベース92Aは、画像ID(Identification)、及び画像情報が関連付けられて記憶されている。
【0052】
上記画像IDは、学習用画像50Aを個別に識別するために、学習用画像50Aの各々毎に異なる情報として予め割り振られた情報である。また、上記画像情報は、対応する学習用画像50Aそのものを示す画像情報である。なお、本実施形態では、学習用画像50Aとして、学習用のスランプフローを撮影装置80によって撮影して得られた画像を適用しているが、撮影装置80以外の撮影装置を用いて得られた画像を学習用画像50Aとして適用する形態としてもよい。
【0053】
次に、図7を参照して、本実施形態に係るラベリング情報データベース92Bについて説明する。図7に示すように、本実施形態に係るラベリング情報データベース92Bは、画像ID、及びラベリング情報が関連付けられて記憶されている。
【0054】
上記画像IDは、学習用画像情報データベース92Aの画像IDと同一の情報であり、上記ラベリング情報は、上述したラベリング情報50Cと同一の情報である。即ち、ラベリング情報データベース92Bには、学習用画像情報データベース92Aに登録されている学習用画像50Aの各々に対応するラベリング情報50Cが、一対一で対応付けられて記憶される。
【0055】
次に、図8図13を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の作用を説明する。
【0056】
まず、図8図9を参照して、ラベリング情報作成処理を実行する際の情報処理装置10の作用を説明する。図8は、本実施形態に係るラベリング情報作成処理の一例を示すフローチャートである。また、図9は、本実施形態に係るラベリング用画面の構成の一例を示す正面図である。
【0057】
ユーザによってラベリング情報作成プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、情報処理装置10のCPU11がラベリング情報作成プログラム13Aを実行することにより、図8に示すラベリング情報作成処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、学習用画像情報データベース92Aが構築済みである場合について説明する。
【0058】
図8のステップ200で、CPU11は、学習用画像情報データベース92Aから何れか1組の画像ID及び画像情報(以下、「ラベリング時学習用画像」という。)を読み出す。ステップ202で、CPU11は、読み出したラベリング時学習用画像に対して、上述した画像処理部11Bによる画像処理を実行する。
【0059】
ステップ204で、CPU11は、以上の処理を経たラベリング時学習用画像を用いて、予め定められた構成とされたラベリング用画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ206で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0060】
図9には、本実施形態に係るラベリング用画面の一例が示されている。図9に示すように、本実施形態に係るラベリング用画面では、粗骨材とモルタルのラベリングを促すメッセージが表示されると共に、上記画像処理が行われたラベリング時学習用画像が表示される。
【0061】
一例として図9に示すラベリング用画面が表示部15に表示されると、情報処理装置10のユーザは、表示されているラベリング時学習用画像に対して、粗骨材の領域と、モルタルの領域とで異なる値を入力する。
【0062】
なお、本実施形態では、上記異なる値として、粗骨材の領域に対して「1」を入力し、モルタルの領域に対して「0」を入力する形態としているが、これに限定されるものではない。例えば、これとは逆に、粗骨材の領域に対して「0」を入力し、モルタルの領域に対して「1」を入力する形態としてもよい。また、例えば、粗骨材の領域に対して「A」を入力し、モルタルの領域に対して「B」を入力する形態としてもよい。要は、粗骨材の領域とモルタルの領域とで異なる情報を入力する形態であれば、如何なる形態も適用することができる。
【0063】
また、本実施形態では、粗骨材の領域と、モルタルの領域とのラベリングを、ラベリング時学習用画像における画素単位で行っているが、これに限定されるものではない。例えば、ラベリング時学習用画像における予め定められた画素群毎にラベリングを行う形態としてもよい。
【0064】
情報処理装置10のユーザは、ラベリング時学習用画像における粗骨材の領域及びモルタルの領域の各領域のラベリングが終了すると、終了ボタン15Aを、入力部14を介して指定する。これに応じて、ステップ206が肯定判定となってステップ208に移行する。
【0065】
ステップ208で、CPU11は、以上の処理によって得られたラベリング時学習用画像に対するラベリング結果を示す情報を、当該ラベリング時学習用画像のラベリング情報として、対応する画像IDと共にラベリング情報データベース92Bに記憶する。
【0066】
ステップ210で、CPU11は、学習用画像情報データベース92Aに記憶されている全ての学習用画像50Aについて以上の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ200に戻る一方、肯定判定となった時点で本ラベリング情報作成処理を終了する。なお、ステップ200~ステップ210の処理を繰り返し実行する際に、CPU11は、それまでに処理対象としなかった学習用画像50Aをラベリング時学習用画像として適用する。
【0067】
以上のラベリング情報作成処理により、一例として図7に示すラベリング情報データベース92Bが構築されることになる。
【0068】
次に、図10を参照して、画像領域分類モデル作成処理を実行する際の情報処理装置10の作用を説明する。図10は、本実施形態に係る画像領域分類モデル作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
ユーザによって画像領域分類モデル作成プログラム13Bの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、情報処理装置10のCPU11が画像領域分類モデル作成プログラム13Bを実行することにより、図10に示す画像領域分類モデル作成処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、学習用画像情報データベース92A及びラベリング情報データベース92Bが構築済みである場合について説明する。
【0070】
図10のステップ300で、CPU11は、学習用画像情報データベース92A及びラベリング情報データベース92Bから、画像IDが共通する何れか1組の画像情報(以下、「学習時学習用画像」という。)及びラベリング情報を読み出す。ステップ302で、CPU11は、読み出した学習時学習用画像から、スランプフロー画像のみを円形状に抽出する処理(以下、「関心領域抽出処理」という。)を行った後、抽出後の円形状の学習時学習用画像に対して上述した画像処理部11Bによる画像処理を実行する。なお、本実施形態では、上記関心領域抽出処理として、学習時学習用画像を、当該学習時学習用画像における略円形状のスランプフローの領域の外周部に内接する円で区分し、当該円の内部のみを抽出する処理を適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、学習時学習用画像におけるスランプフローの領域のみが含まれ、かつ、最大径となる円を予め用意しておき、当該円を上記内接する円に代えて適用する形態としてもよい。
【0071】
ステップ304で、CPU11は、以上の処理を経た学習時学習用画像を入力情報とし、読み出したラベリング情報を出力情報として、画像領域分類モデル13Dの学習を行う。
【0072】
ステップ306で、CPU11は、学習用画像情報データベース92Aに記憶されている全ての学習用画像50Aについて以上の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ300に戻る一方、肯定判定となった時点で本画像領域分類モデル作成処理を終了する。なお、ステップ300~ステップ306の処理を繰り返し実行する際に、CPU11は、それまでに処理対象としなかった学習用画像50Aを学習時学習用画像として適用する。
【0073】
次に、図11図13を参照して、コンクリート評価処理を実行する際の情報処理装置10の作用を説明する。図11は、本実施形態に係るコンクリート評価処理の一例を示すフローチャートである。また、図12は、本実施形態に係るコンクリート評価処理の説明に供する図であり、各段階における具体的な画像、及び粗骨材分布グラフの一例を示す図である。更に、図13は、本実施形態に係る評価結果画面の構成の一例を示す正面図である。
【0074】
ユーザによってコンクリート評価プログラム13Cの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、情報処理装置10のCPU11がコンクリート評価プログラム13Cを実行することにより、図11に示すコンクリート評価処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、撮影装置80による撮影によって得られた、評価対象とし、かつ、グレイスケールに変換されたスランプフロー画像を示す評価対象画像が記憶部13に記憶されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、学習された画像領域分類モデル13Dが作成済みである場合について説明する。
【0075】
図10のステップ400で、CPU11は、評価対象画像を記憶部13から読み出す。ステップ402で、CPU11は、読み出した評価対象画像に対して、上述した関心領域抽出処理を行った後、上述した画像処理部11Dによる画像処理を実行する。この関心領域抽出処理及び画像処理により、読み出した評価対象画像が一例として図12に示す評価対象画像60Aである場合、一例として図12に示す画像処理後の評価対象画像60Bが得られる。
【0076】
ステップ404で、CPU11は、以上の処理を経た評価対象画像を画像領域分類モデル13Dに入力する。この評価対象画像の入力によって画像領域分類モデル13Dから、一例として図12に示す、粗骨材の領域とモルタルの領域とがラベリングされた情報(以下、「画像領域分類情報」という。)60Cが出力される。
【0077】
そこで、ステップ406で、CPU11は、画像領域分類モデル13Dから出力された画像領域分類情報を取得する。ステップ408で、CPU11は、取得した画像領域分類情報を用いて、評価対象画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出する。本実施形態では、当該分布状態情報を以下のように導出する。
【0078】
まず、CPU11は、一例として図12に示すように、関心領域抽出処理によって円形状とされた評価対象画像に対して、中心点を中心とした複数(図12に示す例では、3つ)の同心円60Dを想定する。次いで、CPU11は、想定した各同心円60Dで区分される複数の区分領域毎に、粗骨材の領域の面積の、当該区分領域の総面積に対する割合(以下、「相対面積割合」という。)を算出する。そして、CPU11は、算出した区分領域毎の相対面積割合を用いて、一例として図12に示すグラフ(以下、「粗骨材分布グラフ」という。)60Eを上記分布状態情報として作成する。
【0079】
ステップ410で、CPU11は、ステップ408の処理によって得られた分布状態情報を用いて、評価対象画像に対応するコンクリートの材料分離抵抗性を評価する。なお、本実施形態では、当該コンクリートの材料分離抵抗性の評価として、当該コンクリートの材料分離抵抗性の高さが、予め定められた段階数(本実施形態では、10段階)における、何段階目に位置しているのかを示す情報(以下、「材料分離抵抗レベル値」という。)を導出する処理を適用している。但し、この形態に限定されるものではなく、例えば、材料分離抵抗レベル値に代えて、材料分離抵抗のレベルをグラフィカルに示した画像を導出する処理を適用する形態としてもよい。
【0080】
ステップ412で、CPU11は、以上の処理によって得られた粗骨材分布グラフ60E及び材料分離抵抗レベル値を用いて、予め定められた構成とされた評価結果画面を表示するように表示部15を制御する。ステップ414で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0081】
図13には、本実施形態に係る評価結果画面の一例が示されている。図13に示すように、本実施形態に係る評価結果画面では、粗骨材分布グラフ60E及び材料分離抵抗レベル値が表示される。従って、情報処理装置10のユーザは、評価結果画面を参照することで、評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性能を容易に把握することができる。
【0082】
一例として図13に示す評価結果画面が表示部15に表示されると、情報処理装置10のユーザは、表示されている粗骨材分布グラフ60E及び材料分離抵抗レベル値を参照した後、終了ボタン15Aを、入力部14を介して指定する。これに応じて、ステップ414が肯定判定となって本コンクリート評価処理を終了する。
【0083】
実際の高流動コンクリートのフレッシュ試験を実施し、正常なスランプフローと、材料が分離したスランプフローに対して、本実施形態に係るコンクリート評価処理によって材料分離抵抗性に関するテストを実施した。なお、ここでは、正常なスランプフローに対するテストをテストT1と表し、材料が分離したスランプフローに対するテストをテストT2と表す。
【0084】
テストT1及びテストT2の各テストに用いたスランプフローの調合条件を表1に示す。なお、表1において、Wは水量を表し、Cはセメント量を表し、s/aは細骨材率を表す。
【0085】
【表1】
【0086】
図14は、本実施形態に係るコンクリート評価処理の効果の説明に供する図であり、画像処理前後のスランプフロー画像、画像領域分類モデルからの出力結果、及び粗骨材分布グラフの一例を示す図である。
【0087】
図14に示すように、本テストにおいて適用した画像領域分類モデルは学習回数が2回のみであったにも関わらず、テストT1及びテストT2の双方について粗骨材の領域とモルタルの領域とを良好に区分することができた。また、粗骨材分布グラフにおいても、テストT1については粗骨材の分布状況が略均一(略平坦)となっている一方、テストT2についてはスランプフローの中心部から端部にかけて、粗骨材の分布状況に大きく偏りがある状態となっていることを容易に把握することができる。画像領域分類モデルの学習回数を増加させることで、より正確に材料分離抵抗性が判断できるようになると考えられる。
【0088】
一方、図15Aは、従来のエッジ抽出処理による粗骨材の領域の抽出結果の一例を示す図であり、左図が画像処理前のスランプフロー画像の一例を示す図であり、右図が粗骨材の抽出結果の一例を示す図である。図15Aに示すように、この場合、粗骨材の領域以外に水跡も抽出されてしまい、良好な結果を得ることができなかった。
【0089】
また、図15Bは、従来の分水嶺セグメンテーション法による粗骨材の領域の抽出結果の一例を示す図であり、左図が画像処理前のスランプフロー画像の一例を示す図であり、右図が粗骨材の抽出結果の一例を示す図である。図15Bに示すように、この場合、一部の粗骨材の領域のみしか抽出されず、この場合も良好な結果を得ることができなかった。
【0090】
そこで、本実施形態では、画像領域分類モデル13Dに入力させるスランプフロー画像に実施する画像処理として、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の全てを適用している。以下、その効果について、図16及び図17を参照して説明する。図16は、本実施形態に係るコンクリート評価処理の効果の説明に供する図であり、左図が画像領域分類モデルの学習に用いた学習用画像の一例を示す図であり、右図が実際の評価に用いた評価対象画像の一例を示す図である。また、図17は、本実施形態に係るコンクリート評価処理の効果の説明に供する図であり、図16に示した評価対象画像を画像領域分類モデルの入力画像とした場合における、各種画像処理を選択的に実施した場合の具体的な画像の一例を示す図である。
【0091】
図17(A)に示すように、スランプフロー画像のグレイスケール画像に対して何ら画像処理を実施しない場合は、同図の右端に示すように、粗骨材の領域の抽出が困難であった。また、図17(B)に示すように、スランプフロー画像のグレイスケール画像に対して、不均一な照度を低減させる処理(ここでは、トップハットフィルタによる処理)及びノイズ除去処理(ここでは、ガウシアンぼかしフィルタによる処理)を実施した場合においても、同図の右端に示すように、粗骨材の領域の抽出が困難であった。
【0092】
これに対し、図17(C)に示すように、スランプフロー画像のグレイスケール画像に対して、不均一な照度を低減させる処理及びノイズ除去処理に加えて、コントラスト調整処理(ここでは、ヒストグラム均等化処理)を実施した場合、当該コントラスト調整処理を実施しない場合に比較して、より明確に、粗骨材の領域を抽出することができた。
【0093】
更に、図17(D)に示すように、スランプフロー画像のグレイスケール画像に対して、不均一な照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びヒストグラム均等化処理に加えて、コントラスト調整処理の一種であるヒストグラムマッチング処理を実施した場合、当該ヒストグラムマッチング処理を実施しない場合に比較して、更に明確に、粗骨材の領域を抽出することができた。
【0094】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とが識別可能とされた識別情報(本実施形態では、ラベリング情報)を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得されたスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う画像処理部11Bと、画像処理部11Bによって画像処理が行われたスランプフロー画像、及び当該スランプフロー画像に対応する識別情報を学習用データとして、スランプフロー画像を入力情報とし、当該スランプフロー画像における粗骨材の領域とモルタルの領域とを分類する情報を出力情報としたセグメンテーションモデルを学習させることで画像領域分類モデルを作成する作成部11Cと、を備えている。従って、当該画像領域分類モデルを用いることにより、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、画像処理部11Bにより行われる画像処理を、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の全ての処理としている。従って、不均一照度、ノイズ、及びコントラストの各々の影響による画像領域分類モデルの性能の低下を抑制することができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、画像領域分類モデルの学習のために用いるスランプフロー画像として、グレイスケールの画像を適用している。従って、スランプフロー画像をカラー画像とする場合に比較して、より簡易に画像領域分類モデルを作成することができ、スランプフロー画像を2値のモノクロ画像とする場合に比較して、より高精度に画像領域分類モデルを作成することができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、識別情報を、画像処理部11Bによって画像処理が行われたスランプフロー画像を用いて作成された情報としている。従って、識別情報を作成し易くすることができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、評価対象とするコンクリートのスランプフローを撮影した画像であるスランプフロー画像に対して、粗骨材の領域とモルタルの領域との特徴を強調するものとして予め定められた画像処理を行う画像処理部11Dと、作成した画像領域分類モデルに対して、画像処理部11Dによって画像処理が行われたスランプフロー画像を入力する入力部11Eと、入力部11Eによるスランプフロー画像の入力によって画像領域分類モデルから出力された出力情報を用いて、当該スランプフロー画像における粗骨材の分布状態を示す分布状態情報を導出する導出部11Fと、導出部11Fによって導出された分布状態情報を用いて、評価対象とするコンクリートの材料分離抵抗性を評価する評価部11Gと、を備えている。従って、特殊な試験等を行う場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、画像処理部11Dにより行われる画像処理を、不均一照度を低減させる処理、ノイズ除去処理、及びコントラスト調整処理の全ての処理としている。従って、これらの処理に応じた好適なスランプフロー画像を画像領域分類モデルに入力することができる結果、より高精度に、コンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0100】
更に、本実施形態によれば、コンクリートの評価に用いるスランプフロー画像として、グレイスケールの画像を適用している。従って、スランプフロー画像をカラー画像とする場合に比較して、より簡易にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができ、スランプフロー画像を2値のモノクロ画像とする場合に比較して、より高精度にコンクリートの材料分離抵抗性を評価することができる。
【0101】
なお、上記実施形態において、例えば、取得部11A、画像処理部11B、作成部11C、画像処理部11D、入力部11E、導出部11F、及び評価部11Gの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0102】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0103】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0104】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0105】
10 情報処理装置
11 CPU
11A 取得部
11B 画像処理部
11C 作成部
11D 画像処理部
11E 入力部
11F 導出部
11G 評価部
12 メモリ
13 記憶部
13A ラベリング情報作成プログラム
13B 画像領域分類モデル作成プログラム
13C コンクリート評価プログラム
13D 画像領域分類モデル
14 入力部
15 表示部
15A 終了ボタン
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
50A 学習用画像
50B 特徴
50C ラベリング情報
60A 評価対象画像
60B 評価対象画像
60C 画像領域分類情報
60D 同心円
60E 粗骨材分布グラフ
80 撮影装置
90 情報蓄積装置
92 記憶部
92A 学習用画像情報データベース
92B ラベリング情報データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17