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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】マスクケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20240412BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20240412BHJP
   A62B 25/00 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
A45C11/00 Q
A41D13/11 Z
A62B25/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020167153
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059413
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗山 朋之
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-194275(JP,A)
【文献】登録実用新案第3213720(JP,U)
【文献】登録実用新案第3228679(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A41D 13/11
A62B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを収納するためのマスクケースであって、
板状の第1板部及び第2板部と、前記第1板部と前記第2板部とを回動自在に接続する本体ヒンジ軸部と、含む本体部であって、前記第1板部及び前記第2板部が前記本体ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記第1板部と前記第2板部との間に前記マスクを挟み込む閉姿勢と、前記閉姿勢よりも前記第1板部及び前記第2板部が開いて前記マスクを出し入れ可能な開姿勢とに、姿勢を変化可能な本体部と、
前記本体部において前記マスクが配置される領域である配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の一端部側の位置と、配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の他端部側の位置との両方に設けられた、板状のフラップ部と、
前記フラップ部と前記第1板部とを回動自在に接続する第1ヒンジ軸部と、
前記フラップ部と前記第2板部とを回動自在に接続する第2ヒンジ軸部と、
を備え、
前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部は、前記本体ヒンジ軸部の延在方向に直交する方向において前記本体ヒンジ軸部から離れるに従って前記本体ヒンジ軸部の延在方向において前記配置領域から離れるように傾斜して延在しており、
前記フラップ部は、前記本体部が前記閉姿勢から前記開姿勢に至るのに伴い、前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記配置領域側に倒伏した倒伏姿勢から前記配置領域に対して起立した起立姿勢に至る、
マスクケース。
【請求項2】
マスクを収納するためのマスクケースであって、
板状の第1板部及び第2板部と、前記第1板部と前記第2板部とを回動自在に接続する本体ヒンジ軸部と、含む本体部であって、前記第1板部及び前記第2板部が前記本体ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記第1板部と前記第2板部との間に前記マスクを挟み込む閉姿勢と、前記閉姿勢よりも前記第1板部及び前記第2板部が開いて前記マスクを出し入れ可能な開姿勢とに、姿勢を変化可能な本体部と、
前記本体部において前記マスクが配置される領域である配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の一端部側の位置と、配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の他端部側の位置との両方に設けられた、板状のフラ
ップ部と、
前記フラップ部と前記第1板部とを回動自在に接続する第1ヒンジ軸部と、
前記フラップ部と前記第2板部とを回動自在に接続する第2ヒンジ軸部と、
を備え、
前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部は、前記本体ヒンジ軸部の延在方向に直交する方向において前記本体ヒンジ軸部から離れるに従って前記本体ヒンジ軸部の延在方向において前記配置領域から離れるように傾斜して延在しており、
前記フラップ部は、前記本体部が前記開姿勢から前記閉姿勢に至るのに伴い、前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記配置領域に対して起立した起立姿勢から前記配置領域側に倒伏した倒伏姿勢に至る、
マスクケース。
【請求項3】
前記フラップ部は、前記本体部が前記開姿勢から前記閉姿勢に至るのに伴い、前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記配置領域に対して起立した起立姿勢から前記配置領域側に倒伏した倒伏姿勢に至る、
請求項1に記載のマスクケース。
【請求項4】
前記本体部は、前記閉姿勢と前記開姿勢との間で、前記本体部の前記一端部で接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができ、
前記フラップ部は、少なくとも前記本体部の前記一端部側の位置に設けられている、
請求項1から3の何れか一項に記載のマスクケース。
【請求項5】
前記フラップ部には、前記マスクの紐を係止可能な係止部が形成されている、
請求項1から4の何れか一項に記載のマスクケース。
【請求項6】
前記本体部は、前記閉姿勢と前記開姿勢との間で、前記本体部の前記一端部で接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができ、
前記フラップ部は、少なくとも前記本体部の前記他端部側の位置に設けられており、
前記本体部の前記他端部側の位置に設けられた前記フラップ部は、前記本体部が前記自立姿勢のときに、第1ヒンジ軸部及び第2ヒンジ軸部を挟んで前記本体部の反対側に反転した反転姿勢に姿勢を変化可能であり、
前記本体部の前記他端部側の位置に設けられた前記フラップ部には、前記係止部が形成されている、
請求項5に記載のマスクケース。
【請求項7】
前記本体部の前記一端部側に設けられた前記フラップ部及び前記他端部側に設けられた前記フラップ部は、前記倒伏姿勢において重なり合うように形成され、
重なりにおいて下側の前記フラップ部と前記本体部とを接続する前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部の前記本体ヒンジ軸部に直交する方向に対する傾斜角度は、重なりにおいて上側の前記フラップ部と前記本体部とを接続する前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部の前記本体ヒンジ軸部に直交する方向に対する傾斜角度よりも小さい、
請求項1から6の何れか一項に記載のマスクケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウイルスや花粉等の各種異物の吸引を防ぐためにマスクが使用されている。このような衛生用・医療用のマスクとしては、不織布を生地として形成されたタイプやガーゼやコットン、麻、ニット等の織布を生地として形成されたタイプのものが存在する。
【0003】
昨今、感染症予防に関する意識の高まりから、日常的にマスクを使用する人間が増加している。日常においては、例えば食事等、一時的にマスクを外す機会は多い。その際、マスクをポケット等に収納して再度使用することは不衛生であることから、一時的にマスクを収納可能なマスクケースが従来から使用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、マスクを折り畳んで収納できるケースが開示されている。このマスクケースは、折り畳んだマスク片の間に配置できる抗菌処理が施された介装プレート部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】登録実用新案第3191947号公報
【文献】登録実用新案第3222103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のマスクケースにおいては、使用者がマスクを出し入れする際に、介装プレートを使用者の手で動かす必要があり、マスクの出し入れのし易さの観点から改善の余地があった。
【0007】
本発明は、前記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マスクを容易に出し入れ可能なマスクケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、マスクを収納するためのマスクケースであって、板状の第1板部及び第2板部と、前記第1板部と前記第2板部とを回動自在に接続する本体ヒンジ軸部と、含む本体部であって、前記第1板部及び前記第2板部が前記本体ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記第1板部と前記第2板部との間に前記マスクを挟み込む閉姿勢と、前記閉姿勢よりも前記第1板部及び前記第2板部が開いて前記マスクを出し入れ可能な開姿勢とに、姿勢を変化可能な本体部と、前記本体部において前記マスクが配置される領域である配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の一端部側の位置と、配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の他端部側の位置とのうち、少なくも何れか一方に設けられた、板状のフラップ部と、前記フラップ部と前記第1板部とを回動自在に接続する第1ヒンジ軸部と、前記フラップ部と前記第2板部とを回動自在に接続する第2ヒンジ軸部と、を備え、前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部は、前記本体ヒンジ軸部の延在方向に直交する方向において前記本体ヒンジ軸部から離れるに従って前記本体ヒンジ軸部の延在方向において前記配置領域から離れるように傾斜して延在しており、前記フラップ部は、前記本体部が前記閉姿勢から前記開姿勢に至るのに伴い、前記第
1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記配置領域側に倒伏した倒伏姿勢から前記配置領域に対して起立した起立姿勢に至ることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、マスクを収納するためのマスクケースであって、板状の第1板部及び第2板部と、前記第1板部と前記第2板部とを回動自在に接続する本体ヒンジ軸部と、含む本体部であって、前記第1板部及び前記第2板部が前記本体ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記第1板部と前記第2板部との間に前記マスクを挟み込む閉姿勢と、前記閉姿勢よりも前記第1板部及び前記第2板部が開いて前記マスクを出し入れ可能な開姿勢とに、姿勢を変化可能な本体部と、前記本体部において前記マスクが配置される領域である配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の一端部側の位置と、配置領域よりも前記本体ヒンジ軸部の延在方向における前記本体部の他端部側の位置とのうち、少なくも何れか一方に設けられた、板状のフラップ部と、前記フラップ部と前記第1板部とを回動自在に接続する第1ヒンジ軸部と、前記フラップ部と前記第2板部とを回動自在に接続する第2ヒンジ軸部と、を備え、前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部は、前記本体ヒンジ軸部の延在方向に直交する方向において前記本体ヒンジ軸部から離れるに従って前記本体ヒンジ軸部の延在方向において前記配置領域から離れるように傾斜して延在しており、前記フラップ部は、前記本体部が前記開姿勢から前記閉姿勢に至るのに伴い、前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部を回動軸として回動することで、前記配置領域に対して起立した起立姿勢から前記配置領域側に倒伏した倒伏姿勢に至ることを特徴としてもよい。
【0010】
つまり、本発明は、フラップ部にいわゆるVフォールド構造を採用している。これにより、フラップ部は、本体部が閉姿勢のときには倒伏姿勢となり且つ本体部が開姿勢のときには起立姿勢となるように、本体部の開閉による姿勢変化に伴って第1ヒンジ軸部及び第2ヒンジ軸部を回動軸として回動する。このような本発明によれば、使用者は、フラップ部に触れることなく、本体部を開閉するための回動操作を行うのみで、マスクケースに対してマスクを出し入れすることができる。これにより、使用者がマスクケースからマスクを出し入れするための手間数が低減され、マスクを容易に出し入れすることができる。
【0011】
また本発明において、前記本体部は、前記閉姿勢と前記開姿勢との間で、前記本体部の前記一端部で接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができ、前記フラップ部は、少なくとも前記本体部の前記一端部側の位置に設けられてもよい。
【0012】
また、本発明において、前記フラップ部には、前記マスクの紐を係止可能な係止部が形成されてもよい。
【0013】
また、本発明において、前記本体部は、前記閉姿勢と前記開姿勢との間で、前記本体部の前記一端部で接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができ、前記フラップ部は、少なくとも前記本体部の前記他端部側の位置に設けられており、前記本体部の前記他端部側の位置に設けられた前記フラップ部は、前記本体部が前記自立姿勢のときに、第1ヒンジ軸部及び第2ヒンジ軸部を挟んで前記本体部の反対側に反転した反転姿勢に姿勢を変化可能であり、前記本体部の前記他端部側の位置に設けられた前記フラップ部には、前記係止部が形成されてもよい。
【0014】
また、本発明において、前記本体部は、ポリプロピレン樹脂によって形成されてもよい。
【0015】
また、本発明において、前記フラップ部は、前記本体部の前記一端部側の位置と前記他端部側の位置の両方に設けられてもよい。
【0016】
また、本発明において、前記本体部の前記一端部側に設けられた前記フラップ部及び前記他端部側に設けられた前記フラップ部は、前記倒伏姿勢において重なり合うように形成され、重なりにおいて下側の前記フラップ部と前記本体部とを接続する前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部の前記本体ヒンジ軸部に直交する方向に対する傾斜角度は、重なりにおいて上側の前記フラップ部と前記本体部とを接続する前記第1ヒンジ軸部及び前記第2ヒンジ軸部の前記本体ヒンジ軸部に直交する方向に対する傾斜角度よりも小さくなるように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、マスクを容易に出し入れ可能なマスクケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態1に係るマスクケースの斜視図である。
図2図2は、実施形態1に係るマスクケースの展開図である。
図3図3は、実施形態1に係る本体部が閉姿勢にあるときのマスクケースの平面図である。
図4図4は、実施形態1において本体部が閉姿勢にあるときのマスクケースの下面図である。
図5図5は、実施形態1において本体部が閉姿勢にあるときのマスクケース及びマスクの状態を模式的に示す断面図であって、図5(a)は図3のA-A断面に相当する断面図、図5(b)は図3のB-B断面に相当する断面図である。
図6図6は、実施形態1において本体部が開姿勢にあるときのマスクケースの平面図である
図7図7は、実施形態1において本体部が開姿勢にあるときのマスクケースの下面図である。
図8図8は、実施形態1において本体部が開姿勢にあるときのマスクケース及びマスクの状態を模式的に示す断面図であって、図8(a)は図6のC-C断面に相当する断面図、図8(b)は図6のD-D断面に相当する断面図である。
図9図9は、実施形態1において本体部が自立姿勢にあるときのマスクケースを示す斜視図である。
図10図10は、実施形態2に係るマスクケースの斜視図である。
図11図11は、実施形態2に係るマスクケースの展開図である。
図12図12は、実施形態2において本体部が自立姿勢にあるときのマスクケースを示す斜視図である。
図13図13は、実施形態3に係るマスクケースの斜視図である。
図14図14は、実施形態3に係るマスクケースの展開図である。
図15図15は、実施形態3において本体部が閉姿勢にあるときのマスクケースの平面図である。
図16図16は、実施形態3において本体部が開姿勢にあるときのマスクケース及びマスクの状態を模式的に示す断面図であって、図15のE-E断面に相当する断面図である。
図17図17は、実施形態2において本体部が自立姿勢にあるときのマスクケースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して本発明に係るマスクケースの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は例示である。本明細書において、特に言及がない限り、図2において視認される上下をマスクケースの「高さ方向(上下方向)」とし、同様に視認される左右をマスクケースの「幅方向(左右方向)」とし、図4において視認される上下をマスクケ
ースの「厚み方向」とする。なお、本発明に係るマスクケースが収納するマスクは特に限定されない。マスクケースは、不織布を生地として形成された不織布マスクや、ガーゼ、コットン、麻、ニット等の織布を生地として形成された布マスク等、種々のマスクに対して適用できる。
【0020】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るマスクケース100(以下、ケース100)の斜視図である。図1では、符号1で示す本体部が後述する閉姿勢と開姿勢との間の姿勢にある状態が示されている。図1の符号M1は、マスクを示す。マスクM1は、布マスクである。図2は、ケース100の展開図である。ケース100は、使用者によって着用されるマスクM1を収納するためのケースとして構成されている。なお、ケース100は、布マスクに限らず、不織布マスクの収納にも用いることができる。
【0021】
[全体構成]
図1及び図2に示すように、ケース100は、第1シート部材B1と第1シート部材B1の上に重ねられた第2シート部材B2とが溶着されることで形成されている。第1シート部材B1及び第2シート部材B2は、共にポリプロピレン樹脂により形成された可撓性を有する樹脂シートである。第1シート部材B1は、ケース100に対して構造体としての所定の剛性を付与する部材であり、第2シート部材B2よりも厚肉に形成されている。第2シート部材B2は、ケース100においてマスクに接触する部材であり、抗菌処理が施されている。なお、本発明に係るマスクケースの材料は、これに限定されない。
【0022】
図1及び図2に示すように、ケース100は、本体部1、一対のフラップ部2,2、一対の第1ヒンジ軸部31,31、一対の第2ヒンジ軸部32,32、第1留め具41、及び第2留め具42を有する。
【0023】
図3は、本体部1が閉姿勢にあるときのケース100の平面図、図4は、本体部1が閉姿勢にあるときのケース100の下面図である。また、図5は、本体部1が閉姿勢にあるときのケース100及びマスクM1の状態を模式的に示す断面図であって、図5(a)は図3のA-A断面に相当する断面図、図5(b)は図3のB-B断面に相当する断面図である。図5(a)及び図5(b)では、便宜上、マスクM1等を簡略化して図示している。また、図6は、本体部1が開姿勢にあるときのケース100の平面図、図7は、本体部1が開姿勢にあるときのケース100の下面図である。また、図8は、本体部1が開姿勢にあるときのケース100及びマスクM1の状態を模式的に示す断面図であって、図8(a)は図6のC-C断面に相当する断面図、図8(b)は図6のD-D断面に相当する断面図である。図8(a)及び図8(b)では、便宜上、マスクM1等を簡略化して図示している。以下、ケース100の各構成について説明する。
【0024】
[本体部1]
本体部1は、図5(a)に示すようにマスクM1と共に折り畳まれることでマスクM1を挟み込む板部材である。図2に示すように、本体部1は、平面視において概ね矩形状に形成されている。本体部1の左右方向における中央位置には、上下方向に延在する本体ヒンジ軸部13が本体部1の上下方向の全域に亘って形成されている。本体部1は、ケース100が展開された状態において本体ヒンジ軸部13を対称軸として左右対称の形状となっている。ここで、本体ヒンジ軸部13によって区分される部位のうち、図2における左側の部位を第1板部11とし、右側の部位を第2板部12とする。第1板部11及び第2板部12は、共に平面視において略台形状を有する板状に形成されており、台形の上辺に相当する端縁同士が本体ヒンジ軸部13を介して接続されている。第1板部11及び第2板部12は、本体ヒンジ軸部13を回動軸として互いに回動自在となっている。ここで、図2に示すように、第1板部11の上側の端縁を第1上端縁E11Aとし、下側の端縁を
第1下端縁E11Bとする。同様に、第2板部12の上側の端縁を第2上端縁E12Aとし、下側の端縁を第2下端縁E12Bとする。第1上端縁E11Aと第2上端縁E12Aとによって本体部1の上端部E1Aが形成され、第1下端縁E11Bと第2下端縁E12Bとによって本体部1の下端部E1Bが形成されている。本例では、上端部E1Aが本発明に係る「他端部」に相当し、下端部E1Bが本発明に係る「一端部」に相当する。また、第1板部11の左側の端縁、つまり、本体ヒンジ軸部13に接続された端縁とは反対側の側端縁を第1側端縁E11Cとする。同様に、第2板部12の右側の端縁(本体ヒンジ軸部13に接続された端縁とは反対側の側端縁)を第2側端縁E12Cとする。
【0025】
以上のように構成される本体部1は、第1板部11及び第2板部12が本体ヒンジ軸部13を回動軸として回動することで、第1板部11及び第2板部12を離接し、これらの開閉動作を可能としている。つまり、本体部1は、図3図5に示すような、第1板部11及び第2板部12が重なるように二つ折りにされた閉姿勢と、図6図8に示すような、マスクM1を出し入れ可能な程度に第1板部11及び第2板部12が開いた開姿勢とに、その姿勢を自在に切り替えることができる。図5(a)等に示すように、本体部1が閉姿勢となることで、第1板部11と第2板部12との間にマスクM1を挟み込むことができる。これにより、ケース100にマスクM1が収納される。ここで、図5(a)に示すように、第1板部11において本体部1が閉姿勢のときに第2板部12に対向する面、即ちマスクM1に接触する面を第1内側面S111とし、その反対側の面(つまり外側の面)を第1外側面S112とする。同様に、第2板部12において本体部1が閉姿勢のときに第1板部11に対向する面を第2内側面S121とし、その反対側の面を第2外側面S122とする。図2に示すように、第1内側面S111及び第2内側面S121は、抗菌性を有する第2シート部材B2によって形成されている。また、図2図6等の符号A1は、本体部1においてマスクM1が配置される領域を示す。本例では、第1内側面S111及び第2内側面S121の略全域が配置領域A1となっている。但し、本発明はこれに限定されない。
【0026】
第1板部11及び第2板部12の相対回動により本体部1が閉姿勢から開姿勢となることで、第1板部11と第2板部12とによってマスクM1が挟み込まれていた状態が解除され、図6等に示すように、配置領域A1に配置されたマスクM1をケース100から取り出すことができる。なお、本明細書において、「開姿勢」とは、マスクケースに対してマスクを出し入れ可能な程度に第1板部及び第2板部が開いた状態のことを指し、開姿勢において第1板部と第2板部とがなす角度は、図7等に示す角度には限定されない。
【0027】
[フラップ部2]
一対のフラップ部2,2は、本体部1に接続された板状の部材である。フラップ部2は、本体部1の開閉による姿勢変化に連動して、本体部1が閉姿勢のときには図5(b)に示すように配置領域A1側に倒伏した倒伏姿勢となり、本体部1が開姿勢のときには図8(b)に示すように配置領域A1に対して起立した起立姿勢となるように、構成されている。
【0028】
図2に示すように、一対のフラップ部2,2の一方は、本体部1において配置領域A1よりも上端部E1A側(つまり上側)の位置に設けられており、他方は、配置領域A1よりも下端部E1B側(つまり下側)の位置に設けられている。即ち、一対のフラップ部2,2は、配置領域A1を挟んで上下に配置されている。以下、一対のフラップ部2,2を区別して説明する場合には、上側のフラップ部2を上側フラップ部2Aと称し、下側のフラップ部を下側フラップ部2Bと称し、これらを区別しないで説明する場合には単にフラップ部2と称する。
【0029】
図2に示すように、フラップ部2は、第2シート部材B2の一部によって形成されてお
り、抗菌性を有している。フラップ部2は、本体ヒンジ軸部13を跨ぐように本体部1に接続されている。フラップ部2は、第1板部11に接続される第1カバー部21と第2板部12に接続される第2カバー部22と第1カバー部21と第2カバー部22とを回動自在に接続するカバーヒンジ軸部23とを含む。第1カバー部21及び第2カバー部22は、ケース100が展開された状態において本体ヒンジ軸部13(及びカバーヒンジ軸部23)を対称軸として互いに左右対称となるように形成されている。カバーヒンジ軸部23は、フラップ部2の左右方向における中央位置に形成されており、ケース100が展開された状態において本体ヒンジ軸部13と同軸となるように延在している。
【0030】
本体部1の上端部E1A側に形成された上側フラップ部2Aには、一対の係止部24,24が形成されている。一対の係止部24,24の一方は第1カバー部21に形成され、他方は第2カバー部22に形成されており、これらは本体ヒンジ軸部13(及びカバーヒンジ軸部23)を対称軸として互いに左右対称となっている。係止部24は、上側フラップ部2Aの先端に形成されたスリットであり、マスクM1の紐M1aを受け入れ可能である。係止部24がマスクM1の紐M1aを受け入れることで、紐M1aが係止される(図9参照)。
【0031】
[第1ヒンジ軸部31・第2ヒンジ軸部32]
図2に示すように、一対の第1ヒンジ軸部31,31の一方は上側フラップ部2Aの第1カバー部21と本体部1の第1板部11とを回動自在に接続し、他方は下側フラップ部2Bの第1カバー部21と本体部1の第1板部11とを回動自在に接続する。以下、一対の第1ヒンジ軸部31,31を区別して説明する場合には、上側フラップ部2Aと第1板部11と接続する方を上側第1ヒンジ軸部31Aと称し、下側フラップ部2Bと第1板部11と接続する方を下側第1ヒンジ軸部31Bと称し、これらを区別しないで説明する場合には単に第1ヒンジ軸部31と称する。また、図2に示すように、一対の第2ヒンジ軸部32,32の一方は上側フラップ部2Aの第2カバー部22と本体部1の第2板部12とを回動自在に接続し、他方は下側フラップ部2Bの第2カバー部22と本体部1の第2板部12とを回動自在に接続する。以下、一対の第2ヒンジ軸部32,32を区別して説明する場合には、上側フラップ部2Aと第2板部12と接続する方を上側第2ヒンジ軸部32Aと称し、下側フラップ部2Bと第2板部12と接続する方を下側第2ヒンジ軸部32Bと称し、これらを区別しないで説明する場合には単に第2ヒンジ軸部32と称する。
【0032】
図2に示すように、上側第1ヒンジ軸部31A及び上側第2ヒンジ軸部32Aは、配置領域A1よりも上側の位置に形成されている。より詳細には、上側第1ヒンジ軸部31Aは第1板部11の第1上端縁E11Aに沿うように延在しており、上側第2ヒンジ軸部32Aは第2板部12の第2上端縁E12Aに沿うように延在している。上側第1ヒンジ軸部31A及び上側第2ヒンジ軸部32Aは、ケース100が展開された状態において本体ヒンジ軸部13を対称軸として左右対称となるように形成されている。ここで、上側第1ヒンジ軸部31Aは左側に向かうに従って上側へ向かうように傾斜しており、上側第2ヒンジ軸部32Aは右側に向かうに従って上側へ向かうように傾斜している。つまり、上側第1ヒンジ軸部31A及び上側第2ヒンジ軸部32Aは、本体ヒンジ軸部13の延在方向に直交する方向において本体ヒンジ軸部13から離れるに従って、本体ヒンジ軸部13の延在方向において配置領域A1から離れるように傾斜して延在している。そのため、上側第1ヒンジ軸部31Aと上側第2ヒンジ軸部32Aとによって略V字が形成されている。これにより、上側フラップ部2Aは、いわゆるVフォールド構造となっている。
【0033】
また、図2に示すように、下側第1ヒンジ軸部31B及び下側第2ヒンジ軸部32Bは、配置領域A1よりも下側の位置に形成されている。より詳細には、下側第1ヒンジ軸部31Bは第1板部11の第1下端縁E11Bに沿うように延在しており、下側第2ヒンジ軸部32Bは第2板部12の第2下端縁E12Bに沿うように延在している。下側第1ヒ
ンジ軸部31B及び下側第2ヒンジ軸部32Bは、ケース100が展開された状態において本体ヒンジ軸部13を対称軸として左右対称となるように形成されている。ここで、下側第1ヒンジ軸部31Bは左側に向かうに従って下側へ向かうように傾斜しており、下側第2ヒンジ軸部32Bは右側に向かうに従って下側へ向かうように傾斜している。つまり、下側第1ヒンジ軸部31B及び下側第2ヒンジ軸部32Bは、上側第1ヒンジ軸部31A及び上側第2ヒンジ軸部32Aと同様に、本体ヒンジ軸部13の延在方向に直交する方向において本体ヒンジ軸部13から離れるに従って、本体ヒンジ軸部13の延在方向において配置領域A1から離れるように傾斜して延在している。これにより、下側第1ヒンジ軸部31Bと下側第2ヒンジ軸部32Bとによって略逆V字が形成されている。その結果、下側フラップ部2Bは、上側フラップ部2Aと同様に、いわゆるVフォールド構造となっている。
【0034】
ここで、本体ヒンジ軸部13と直交する方向(左右方向)に対する上側第1ヒンジ軸部31Aの傾斜角度をθ1Aとし、左右方向に対する上側第2ヒンジ軸部32Aの傾斜角度をθ2Aとし、左右方向に対する下側第1ヒンジ軸部31Bの傾斜角度をθ1Bとし、左右方向に対する下側第2ヒンジ軸部32Bの傾斜角度をθ2Bとする。本例では、θ1A、θ2A、θ1B、及びθ2Bは、互いに等しくなっている。また、このことにより、本体ヒンジ軸部13に沿った仮想線と上側第1ヒンジ軸部31Aに沿った仮想線とが接する位置の角度は90°よりも大きく、図示しないが、本体ヒンジ軸部13に沿った仮想線と上側第2ヒンジ軸部32Aに沿った仮想線とが接する位置の角度、本体ヒンジ軸部13に沿った仮想線と下側第1ヒンジ軸部31Bに沿った仮想線とが接する位置の角度、及び本体ヒンジ軸部13に沿った仮想線と下側第2ヒンジ軸部32Bに沿った仮想線とが接する位置の角度も同様である。
【0035】
[第1留め具41・第2留め具42]
第1留め具41及び第2留め具42は、図4等に示すように本体部1が閉姿勢にあるときに互いに係合することで、第1板部11及び第2板部12の相対回動を規制し、本体部1の閉姿勢を維持する部材である。第1留め具41及び第2留め具42は、本体ヒンジ軸部13を対称軸として左右対称の位置に設けられており、第1留め具41は第1板部11の第1側端縁E11C付近に設けられ、第2留め具42は第2板部12の第2側端縁E12C付近に設けられている。本例の第1留め具41及び第2留め具42は、互いに係合可能なスナップボタンとして形成されている。但し、第1留め具41及び第2留め具42はスナップボタンに限定されず、種々の構造を採用できる。
【0036】
[開閉動作]
以下、ケース100に対してマスクM1を出し入れするための開閉動作について説明する。まず、ケース100からマスクM1を取り出すためにケース100の本体部1を図3図5に示す閉姿勢から図6図8に示す開姿勢にする際の動作について説明する。
【0037】
図5(a)に示すように、本体部1が閉姿勢にあるときは、マスクM1は折り畳まれた状態で第1板部11及び第2板部12に挟み込まれている。本体部1が本体ヒンジ軸部13を境に二つ折り状態となっていることで、マスクM1収納時のケース100のサイズはコンパクトになっている。また、図5(a)に示すように、本体部1が閉姿勢にあるときには、フラップ部2は、第1カバー部21と第2カバー部22とが対向するように二つ折り状態となっている。また、フラップ部2は、図5(b)に示すように、配置領域A1側に倒伏した倒伏姿勢となっている。より詳細には、上側フラップ部2Aの第1カバー部21及び下側フラップ部2Bの第1カバー部21が第1板部11に重なり、上側フラップ部2Aの第2カバー部22及び下側フラップ部2Bの第2カバー部22が第2板部12に重なっている。フラップ部2が倒伏姿勢となることで、配置領域A1に配置されたマスクM1が本体部1とフラップ部2との間に挟持され、マスクM1がケース100から脱落する
ことが防止されている。また、M1に接触する第1板部11の第1内側面S111、第2板部12の第2内側面S121、及びフラップ部2は前述のように抗菌性を有していることから、マスクM1が清潔に保たれている。以上のように、本体部1が閉姿勢となることで、ケース100にマスクM1を好適に収納可能となっている。また、第1留め具41及び第2留め具42が互いに係合することで第1板部11及び第2板部12の相対回動が規制され、本体部1の閉姿勢が維持されている。これにより、意図せずに本体部1が開いてマスクM1が脱落することが防止されている。
【0038】
閉姿勢にある本体部1を開姿勢にするには、まず、第1留め具41及び第2留め具42の係合を解除する。その状態で、第1板部11と第2板部12とがなす角が広がる方向に第1板部11及び第2板部12を本体ヒンジ軸部13回りに相対回動させることで、本体部1が図6図8に示す開姿勢となる。
【0039】
ここで、前述のように、フラップ部2は、第1カバー部21において第1ヒンジ軸部31を介して第1板部11に接続され、第2カバー部22において第2ヒンジ軸部32を介して第2板部12に接続されている。そのため、第1板部11及び第2板部12が開く方向にこれらが相対回動することで、第1カバー部21が第1板部11に引っ張られ、第2カバー部22が第2板部12に引っ張られることとなる。これにより、フラップ部2が二つ折りの状態から図1に示すように開いた状態となるように第1カバー部21及び第2カバー部22がカバーヒンジ軸部23回りに相対回動する。また、前述のように、第1ヒンジ軸部31と第2ヒンジ軸部32とが略V字をなすことでフラップ部2がVフォールド構造となっている。そのため、本体部1が開く方向に第1板部11及び第2板部12が相対回動することで、フラップ部2を起き上がらせようとする方向に張力が作用する。これにより、図1に示すように、フラップ部2は、第1板部11及び第2板部12の相対回動に伴い、第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を回動軸として配置領域A1に対して起立する方向に回動する。その結果、図6図8に示すように、本体部1が開姿勢のときにはフラップ部2が起立姿勢となる。つまり、使用者がフラップ部2に触れることなく本体部1を閉姿勢から開姿勢にするための回動操作を行うのみで、フラップ部2が本体部1の開動作に連動して起立姿勢となる。
【0040】
図5図8に示すように、本体部1が開姿勢となることで第1板部11と第2板部12とによってマスクM1が挟み込まれていた状態が解除される。このとき、フラップ部2が起立姿勢となっているため、本体部1とフラップ部2との間にマスクM1が挟持されていた状態も解除されている。これにより、使用者は、フラップ部2に触れることなく、配置領域A1に配置されたマスクM1に触れることができる。以上のように、使用者は、フラップ部2に触れることなく本体部1を閉姿勢から開姿勢する回動操作を行うのみで、ケース100から容易にマスクM1を取り出すことができる。
【0041】
ケース100にマスクM1を収納するためには、図6に示すように開姿勢にある本体部1の配置領域A1にマスクM1を第1板部11と第2板部12とに跨るように配置した状態で、第1板部11及び第2板部12を本体ヒンジ軸部13回りに相対回動させて本体部1を閉姿勢にすればよい。フラップ部2は、第1板部11及び第2板部12の相対回動に伴い、第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を回動軸として配置領域A1側に倒伏する方向に回動する。これにより、使用者がフラップ部2に触れることなく本体部1を開姿勢から閉姿勢にするための回動操作を行うのみで、フラップ部2が本体部1の閉動作に連動して倒伏姿勢となる。その結果、図3図5に示すように、マスクM1は、閉姿勢となった本体部1の第1板部11及び第2板部12によって折り畳まれた状態でケース100に収納される。以上のように、使用者は、フラップ部2に触れることなく本体部1を開姿勢から閉姿勢する回動操作を行うのみで、ケース100に対して容易にマスクM1を収納することができる。
【0042】
[自立機能]
更に、ケース100は、自立する機能を有する。図9は、本体部1が自立姿勢にあるときのケース100を示す斜視図である。前述のように、本例の本体部1は、ポリプロピレン樹脂により形成されることで、所定の剛性を備えている。そのため、本体部1は、図9に示すように、下端部E1Bで接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができる。自立姿勢における第1板部11及び第2板部12の開度は、閉姿勢における開度よりも大きく、開姿勢における開度よりも小さい。つまり、本体部1は、前記閉姿勢と前記開姿勢との間で自立姿勢となることができる。
【0043】
また、図9に示すように、本体部1の上端部E1A側の位置に設けられた上側フラップ部2Aは、本体部1が自立姿勢のときに、第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を挟んで本体部1の反対側(つまり上側)に反転した反転姿勢へと姿勢を変化可能となっている。反転姿勢となった上側フラップ部2Aに形成された一対の係止部24,24にマスクM1の紐M1aを係止することで、マスクM1を上側フラップ部2Aに吊り下げることができる。これにより、マスクM1をケース100に収納するまでもなくマスクM1を保持することができる。
【0044】
[作用・効果]
以上のように、実施形態1に係るケース100では、本体部1が、第1板部11と第2板部12との間にマスクM1を挟み込む閉姿勢と、閉姿勢よりも第1板部11及び第2板部12が開いてマスクM1を出し入れ可能な開姿勢とに、姿勢を変化可能となっている。そして、フラップ部2と本体部1とを回動自在に接続する第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32は、本体ヒンジ軸部13の延在方向に直交する方向において本体ヒンジ軸部13から離れるに従って本体ヒンジ軸部13の延在方向において配置領域A1から離れるように傾斜して延在している。つまり、フラップ部2がVフォールド構造となっている。これによると、フラップ部2は、本体部1が閉姿勢から開姿勢に至るのに伴い、第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を回動軸として回動することで、配置領域A1側に倒伏した倒伏姿勢から配置領域A1に対して起立した起立姿勢に至り、本体部1が開姿勢から閉姿勢に至るのに伴い、第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を回動軸として回動することで、起立姿勢から倒伏姿勢に至る。つまり、フラップ部2は、本体部1が閉姿勢のときには本体部1との間にマスクM1を挟持するように配置領域A1側に倒伏した倒伏姿勢となり、本体部1が開姿勢のときには配置領域A1に対して起立した起立姿勢となるように、本体部1の開閉による姿勢変化に伴って第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を回動軸として回動する。
【0045】
このようなケース100によると、マスクM1を挟み込む閉姿勢において本体部1が本体ヒンジ軸部13を境に二つ折り状態となることで、マスクM1収納時のケース100のサイズを小型化することができる。これにより、使用者がケース100をポケット等に入れて持ち運べるようになり、バッグ等にケース100を入れた場合であってもケース100が嵩張らない。つまり、ケースの携帯性を向上できる。また、本体部1が閉姿勢のときにはフラップ部2が本体部1との間にマスクM1を挟持するように倒伏姿勢となることで、マスクM1がケース100から脱落することを防止できる。更に、フラップ部2が本体部1の開閉による姿勢変化に連動して本体部1が閉姿勢のときには倒伏姿勢となり且つ本体部1が開姿勢のときには起立姿勢となるように構成されているため、使用者は、フラップ部2に触れることなく、本体部1を開閉するための回動操作を行うのみで、ケース100に対してマスクM1を出し入れすることができる。これにより、使用者がケース100からマスクM1を出し入れするための手間数が低減され、マスクM1を容易に出し入れすることができる。また、使用者がフラップ部2に触れる頻度が減るため、フラップ部2にウイルスや雑菌等が付着するリスクを低減できる。
【0046】
なお、本実施形態では、本体部1が閉姿勢から開姿勢に至るのに伴ってフラップ部2が倒伏姿勢から起立姿勢に至り、且つ、本体部1が開姿勢から閉姿勢に至るのに伴ってフラップ部2が起立姿勢から倒伏姿勢に至るように構成されているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、本体部が閉姿勢から開姿勢に至るのに伴ってフラップ部が倒伏姿勢から起立姿勢に至ることと、本体部が開姿勢から閉姿勢に至るのに伴ってフラップ部が起立姿勢から倒伏姿勢に至ることのうち、少なくとも何れか一方を実現できるように構成されていればよい。
【0047】
また、実施形態1に係るケース100は、配置領域A1よりも上側に設けられた上側フラップ部2Aと配置領域A1よりも下側に設けられた下側フラップ部2Bとを備える。これにより、本体部1が閉姿勢のときに、マスクM1が本体部1の上側から抜け落ちることが上側フラップ部2Aによって防止され、マスクM1が下側から抜け落ちることが下側フラップ部2Bによって防止される。つまり、ケース100に収納されたマスクM1の脱落をより確実に防止することができる。但し、本発明はこれに限定されない。本発明に係るフラップ部は、本体ヒンジ軸部の延在方向において、配置領域よりも本体部の一端部側の位置と、配置領域よりも本体部の他端部側の位置とのうち、少なくも何れか一方に設けられていればよい。
【0048】
また、実施形態1に係るケース100では、本体部1は、閉姿勢と開姿勢との間で、下端部E1Bで接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができる。また、本体部1の上端部E1A側の位置に設けられた上側フラップ部2Aは、本体部1が自立姿勢のときに、第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32を挟んで本体部1の反対側に反転した反転姿勢に姿勢を変化可能であり、上側フラップ部2Aには、マスクM1の紐M1aを係止可能な係止部24が形成されている。
【0049】
これによると、反転姿勢となった上側フラップ部2Aの一対の係止部24,24の夫々にマスクM1の紐M1aを係止することで、マスクM1を上側フラップ部2Aに吊り下げることができる。これにより、マスクM1をケース100に収納するまでもなくマスクM1を保持することができる。つまり、一時的にマスクM1を外したときにマスクM1を仮置きするためのスタンドとしてケース100を利用することができる。例えば、外食の際に、わざわざマスクM1をケース100に収納せずとも、テーブルに自立させたケース100にマスクM1を保持させておくことができる。このとき、マスクM1をケース100以外の物に触れさせることなくマスクM1が保持されるため、マスクM1が汚れるリスクを低減できる。また、マスクM1をケース100の内部に収納しないで保持するため、マスクM1を乾燥させて清潔さを好適に保つことができる。このような利点により、洗濯したマスクM1を自立させたケース100に保持させることで、マスクM1を乾燥させてもよい。
【0050】
また、実施形態1に係るケース100において、上側フラップ部2Aの係止部24を利用せずに、自立姿勢にある本体部1と下側フラップ部2Bとの間にマスクM1を挟み込むことでマスクM1を保持してもよい。この場合においても、マスクM1をケース100以外の物に触れさせることなくマスクを保持することができる。
【0051】
なお、自立させたケース100でマスクM1を保持するという観点においては、上側フラップ部2Aの係止部24を利用してマスクM1を保持する場合には、下側フラップ部2Bは必須の構成ではなく、少なくとも上側フラップ部2Aが設けられていればよい。上側フラップ部2Aの係止部24を利用してマスクを吊り下げて保持する構成は、マスクM1のように不織布マスクと比較して厚手な布マスクの保持に適している。また、自立姿勢にある本体部1と下側フラップ部2Bとの間にマスクM1を挟み込んでマスクM1を保持す
る場合には、上側フラップ部2Aは必須の構成ではなく、少なくとも下側フラップ部2Bが設けられていればよい。
【0052】
なお、本例では、上端部E1Aが本発明に係る「他端部」に相当し、下端部E1Bが本発明に係る「一端部」に相当するが、本発明はこれに限定されず、上端部E1Aを本発明に係る「一端部」とし、下端部E1Bを本発明に係る「他端部」としてもよい。例えば、本体部1は、自立姿勢において上端部E1Aで接地して自立可能であってもよく、下側フラップ部2Bに係止部24を形成し、反転姿勢とした下側フラップ部2Bの係止部24にマスクM1の紐M1aを係止させてマスクM1を保持してもよい。
【0053】
また、実施形態1では、本体部1をポリプロピレン樹脂によって形成することで、本体部1に自立姿勢を可能とする所定の剛性を付与することができる。但し、本発明の本体部の材質はこれに限定されない。
【0054】
<実施形態2>
図10は、実施形態2に係るマスクケース200(以下、ケース200)の斜視図である。図10では、本体部1が閉姿勢と開姿勢との間の姿勢にある状態が示されている。図10の符号M2は、マスクを示す。マスクM2は、不織布マスクである。図11は、ケース200の展開図である。図12は、本体部1が自立姿勢にあるときのケース200を示す斜視図である。なお、ケース200は、不織布マスクに限らず、布マスクの収納にも用いることができる。実施形態2に係るケース200は、実施形態1に係るケース100と同様の技術的特徴を備えている。そのため、ケース200においても、マスクM2を容易に出し入れすることができる。
【0055】
ここで、図10等に示すように、ケース200は、下側フラップ部2Bに一対の係止部224,224が形成されている点で、ケース100と主に相違する。以下、実施形態2に係るケース200について、図1図9で説明した実施形態1に係るケース100との相違点を中心に説明し、ケース100と同様の点については同一の符号を付すことで詳細な説明は割愛する。
【0056】
図10等に示すように、ケース200の下側フラップ部2Bの先端には、マスクM2の紐M2aを受け入れ可能なスリットである一対の係止部224,224が形成されている。一対の係止部224,224の一方は第1カバー部21に形成され、他方は第2カバー部22に形成されており、これらは本体ヒンジ軸部13(及びカバーヒンジ軸部23)を対称軸として互いに左右対称となっている。係止部224がマスクM2の紐M2aを受け入れることで、紐M2aが係止される。
【0057】
ケース200では、図10に示すように本体部1の配置領域A1にマスクM1を第1板部11と第2板部12とに跨るように配置した状態で一対の係止部224,224の夫々にマスクM2の紐M2aを係止させ、本体部1を閉姿勢とすることでマスクM2が収納される。これによると、係止部224によってマスクM2の紐M2aが係止されるため、ケース200内でマスクM2の位置がずれたりマスクM2の形がくずれたりする不具合を抑制できる。このような係止部224の使用方法は、M2のような不織布マスクの収納に好適である。但し、布マスクの収納においてもマスクの紐を係止部に係止させてもよい。例えば、前述した実施形態1に係るケース100において、マスクM1の紐M1aを一対の係止部24,24の夫々に係止させた状態で本体部1を閉姿勢とし、マスクM1を収納してもよい。ここで、図11に示すように、一対の係止部224,224は、左右方向における中央側、つまり、本体ヒンジ軸部13側に開口している。これにより、第1カバー部21に形成された係止部224によって紐M2aが左側へずれることが規制され、第2カバー部22に形成された係止部224によって紐M2aが右側へずれることが規制される
こととなる。その結果、マスクM2が左右方向にずれることを好適に抑制できる。
【0058】
また、図12に示すように、実施形態2に係るケース200では、本体部1は、閉姿勢と開姿勢との間で、下端部E1Bで接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができ、本体部1の下端部E1B側の位置には下側フラップ部2Bが設けられている。これにより、自立姿勢にある本体部1と下側フラップ部2Bとの間にマスクM2を挟み込むことでマスクM2を保持することができる。これにより、マスクM2を仮置きするためのスタンドとしてケース200を利用することができる。また、図12に示すように、本体部1が自立姿勢のときにマスクM2の紐M2aを係止部224に係止させてもよい。これにより、より確実にマスクM2を保持できる。なお、ケース200において、本体部1は、自立姿勢において上端部E1Aで接地して自立可能であって、反転姿勢とした下側フラップ部2Bの係止部224にマスクM2の紐M2aを係止させてマスクM2を保持してもよい。
【0059】
<実施形態3>
図13は、実施形態3に係るマスクケース300(以下、ケース300)の斜視図である。図13では、本体部1が閉姿勢と開姿勢との間の姿勢にある状態が示されている。図14は、ケース300の展開図である。図15は、本体部1が閉姿勢にあるときのケース300の平面図である。図16は、本体部1が閉姿勢にあるときのケース300及びマスクM2の状態を模式的に示す断面図であって、図15のE-E断面に相当する断面図である。図16では、便宜上、マスクM2等を簡略化して図示している。図17は、本体部1が自立姿勢にあるときのケース300を示す斜視図である。なお、ケース300は、マスクM2のような不織布マスクに限らず、布マスクの収納にも用いることができる。実施形態3に係るケース300は、実施形態1に係るケース100と同様の技術的特徴を備えている。そのため、ケース300においても、マスクM2を容易に出し入れすることができる。
【0060】
ここで、図13等に示すように、ケース300は、係止部324が形成された第1折返し部25及び第2折返し部26が下側フラップ部2Bに設けられている点で、ケース100と主に相違する。また、ケース300の本体部1は、前述のケース100やケース200と比較して、上下幅が短尺となっている。以下、実施形態3に係るケース300について、図1図9で説明した実施形態1に係るケース100との相違点を中心に説明し、ケース100と同様の点については同一の符号を付すことで詳細な説明は割愛する。
【0061】
図13等に示すように、第1折返し部25は、下側フラップ部2Bの第1カバー部21の先端が折り返されるように形成されており、第2折返し部26は、下側フラップ部2Bの第2カバー部22の先端が折り返されるように形成されている。第1折返し部25及び第2折返し部26は、第2シート部材B2の一部によって形成されており、抗菌性を有している。また、第1折返し部25及び第2折返し部26の夫々には、略U字状のスリットが形成されることで、係止部324が設けられている。係止部324は、第2シート部材B2の一部により形成された弾性片である。これら一対の係止部324は、本体ヒンジ軸部13(及びカバーヒンジ軸部23)を対称軸として互いに左右対称となっており、マスクM2の紐M2aを係止部324に引っ掛けることで、紐M2aが係止される。
【0062】
ケース300では、図13に示すように、本体部1の配置領域A1と第1カバー部21及び第2カバー部22とに跨るようにマスクM2を配置し、第1カバー部21と第1折返し部25との間及び第2カバー部22と第2折返し部26との間にマスクM2を差し込み、一対の係止部324,324の夫々にマスクM2の紐M2aを係止させた状態で、本体部1を閉姿勢とすることで、マスクM2が収納される。第1カバー部21と第1折返し部25とによってマスクM2を挟持すると共に第2カバー部22と第2折返し部26とによってマスクM2を挟持した状態で下側フラップ部2Bが第1ヒンジ軸部31及び第2ヒン
ジ軸部32を回動軸として回動し、倒伏姿勢となることで、図16に示すように、マスクM2が本体部1及び下側フラップ部2Bによって折り畳まれる。これに加え、閉姿勢となった本体部1の第1板部11及び第2板部12によってもマスクM2が折り畳まれることで、マスクM2は、四つ折りの状態でケース300に収納される。
【0063】
このようなケース300によると、係止部324によってマスクM2の紐M2aが係止されるため、ケース300内でマスクM2の位置がずれたりマスクM2の形がくずれたりする不具合を抑制できる。ここで、図14に示すように、一対の係止部324,324は、左右方向における中央側、つまり、本体ヒンジ軸部13側に延在している。これにより、第1折返し部25に形成された係止部324によって紐M2aが左側へずれることが規制され、第2折返し部26に形成された係止部324によって紐M2aが右側へずれることが規制されることとなる。その結果、マスクM2が左右方向にずれることを好適に抑制できる。
【0064】
更に、ケース300によると、マスクM2を四つ折りの状態にして収納することで、ケース100やケース200と比較して、全体のサイズをコンパクトにすることができる。その結果、ケースの携帯性をより向上させることができる。
【0065】
ここで、図16に示すように、ケース300では、上側フラップ部2A及び下側フラップ部2Bが倒伏姿勢において重なり合うように形成されている。より具体的には、下側フラップ部2Bの上に上側フラップ部2Aが重なっている。図14に示すように、ケース300では、重なりにおいて下側の下側フラップ部2Bと本体部1とを接続する下側第1ヒンジ軸部31B及び下側第2ヒンジ軸部32Bの傾斜角度θ1B及びθ2Bが、重なりにおいて上側に位置する上側フラップ部2Aと本体部1とを接続する上側第1ヒンジ軸部31A及び上側第2ヒンジ軸部32Aの傾斜角度θ1A及びθ2Bよりも小さくなっている。より詳細には、θ1A=θ2A>θ1B=θ2Bとなっている。これにより、本体部1が開姿勢から閉姿勢に至るときに、下側フラップ部2Bと上側フラップ部2Aとの第1ヒンジ軸部31及び第2ヒンジ軸部32回りの回動のタイミングをずらし、下側フラップ部2Bを上側フラップ部2Aよりも先に倒伏姿勢とすることができる。その結果、起立姿勢から倒伏姿勢に変化する途中の上側フラップ部2A及び下側フラップ部2Bが互いに干渉することが抑制され、マスクM2の収納を円滑に行うことができる。
【0066】
また、図17に示すように、実施形態3に係るケース300では、本体部1は、閉姿勢と開姿勢との間で、上端部E1Aで接地した状態で自立可能な自立姿勢となることができる。これにより、上側フラップ部2AにマスクM2を載せ、反転姿勢とした下側フラップ部2Bの第1折返し部25及び第2折返し部26を利用してマスクM2を挟持することで、マスクM2を保持することができる。これにより、マスクM2を仮置きするためのスタンドとしてケース300を利用することができる。また、本体部1が自立姿勢のときにマスクM2の紐M2aを係止部324に係止させてもよい。これにより、より確実にマスクM2を保持できる。なお、ケース300において、本体部1は、自立姿勢において下端部E1Bで接地して自立可能であってもよい。
【0067】
<その他>
以上、本発明に係るマスクケースの実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・・・本体部
11・・・・第1板部
12・・・・第2板部
13・・・・本体ヒンジ軸部
2・・・・・フラップ部
31・・・・第1ヒンジ軸部
32・・・・第2ヒンジ軸部
100,200,300・・・・マスクケース
M1,M2・・・・マスク
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