(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】ポールカバー兼用ポール収容バッグ
(51)【国際特許分類】
B65D 67/00 20060101AFI20240412BHJP
B65D 65/02 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
B65D67/00 A
B65D65/02 E
(21)【出願番号】P 2021005485
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】511177282
【氏名又は名称】セノー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎一
(72)【発明者】
【氏名】玉泉 範行
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-008177(JP,U)
【文献】登録実用新案第3197039(JP,U)
【文献】特開2000-225220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00
B65D 65/02
A45C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ長方形状をなす第1の布状体と第2の布状体とからなるポールカバー兼用ポール収容バッグであって、
各々の布状体は、バッグ状としたときに外側面となる第1の面に、幅方向に延びた帯状の雌型面ファスナが長手方向の複数箇所に設けられており、
バッグ状としたときに内側面となる第2の面には、上記雌型面ファスナにそれぞれ対応した長手方向位置において、各布状体の側縁から上記雌型面ファスナの延長線上に沿って突出した帯状の雄型面ファスナがそれぞれ設けられており、
第1,第2の布状体の少なくとも一方の第2の面には、上記長手方向に沿ってポール構成部品を挿入可能な少なくとも1つのポケットが設けられており、
第1,第2の布状体の少なくとも一方は、持ち手もしくは肩掛けベルトの少なくとも一方を備え、
第1の布状体の雄型面ファスナを第2の布状体の雌型面ファスナにそれぞれ接合するとともに第2の布状体の雄型面ファスナを第1の布状体の雌型面ファスナにそれぞれ接合して筒状とすることにより、ポール構成部品を搬送するためのバッグとして機能し、
第1,第2の布状体を個々にポールに巻き付け、各布状体の雄型面ファスナを当該布状体の雌型面ファスナにそれぞれ接合することでポールカバーとして機能する、
ことを特徴とするポールカバー兼用ポール収容バッグ。
【請求項2】
一対の布状体の端部に、筒状に組み合わせたときに端部を閉じるためのファスナ部材が設けられている、請求項1に記載のポールカバー兼用ポール収容バッグ。
【請求項3】
ポールカバーとして用いるときには、第1,第2の布状体が、それぞれ幅方向中央を折曲線として2つ折りにした上でポールに巻き付けられる、請求項1または2に記載のポールカバー兼用ポール収容バッグ。
【請求項4】
ビーチバレー用の一対のポールが複数に分割されてネットとともに収容可能である請求項1~3のいずれかに記載のポールカバー兼用ポール収容バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビーチバレーやビーチテニス等のポールを搬送するためのバッグとしての機能と、競技中にポールに接触した競技者を保護するためのポールカバーとしての機能と、を兼ね備えたポールカバー兼用ポール収容バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
ビーチバレーやビーチテニスは、ビーチに一時的にネットを設置して競技を行うことが多いため、ネットを支持するポール(支柱)およびネットは手軽に搬送できることが求められる。通常、ポールは複数に分割して構成されており、例えば1m程度の長さを有する細長いバッグを用いてネットとともに収容し、このバッグを肩から下げるなどして搬送するのが一般的である。
【0003】
一方、ビーチバレーやビーチテニスは、一般に水着に類したウェアを着用して競技を行うため、競技中に競技者が金属製のポールに接触したときに怪我をしないように、ポールの少なくとも下部にはポールカバーを備えていることが望ましい。
【0004】
特許文献1は、ビーチバレーのポールではないが、長尺のスポーツ用品として吹き矢の用具を収容して携帯するためのシート状部材からなる収容ケースを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているようなシート状部材からなる長尺物の収容ケースは、当然のことながら、ポールカバーを兼ねるものではない。
【0007】
つまり、従来は、ポールを覆うためのポールカバーを用いようとすると、ポールを搬送するためのバッグとは別にポールカバーが必要である。従って、ポールカバーを付加することで、ネット一式(ネット・セット)を構成する部品点数が増えるのは勿論のこと、ポールとともに搬送すべき要素が多くなってしまう。
【0008】
また競技中は、収容・搬送用のバッグは不要となるので、どこかに保管しておかなければならない、という問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、それぞれ長方形状をなす第1の布状体と第2の布状体とからなるポールカバー兼用ポール収容バッグであって、
各々の布状体は、バッグ状としたときに外側面となる第1の面に、幅方向に延びた帯状の雌型面ファスナが長手方向の複数箇所に設けられており、
バッグ状としたときに内側面となる第2の面には、上記雌型面ファスナにそれぞれ対応した長手方向位置において、各布状体の側縁から上記雌型面ファスナの延長線上に沿って突出した帯状の雄型面ファスナがそれぞれ設けられており、
第1,第2の布状体の少なくとも一方の第2の面には、上記長手方向に沿ってポール構成部品を挿入可能な少なくとも1つのポケットが設けられており、
第1,第2の布状体の少なくとも一方は、持ち手もしくは肩掛けベルトの少なくとも一方を備え、
第1の布状体の雄型面ファスナを第2の布状体の雌型面ファスナにそれぞれ接合するとともに第2の布状体の雄型面ファスナを第1の布状体の雌型面ファスナにそれぞれ接合して筒状とすることにより、ポール構成部品を搬送するためのバッグとして機能し、
第1,第2の布状体を個々にポールに巻き付け、各布状体の雄型面ファスナを当該布状体の雌型面ファスナにそれぞれ接合することでポールカバーとして機能する、
ことを特徴としている。
【0010】
すなわち、2つの布状体を組み合わせることで細長いバッグとなり、ポールの搬送が可能である。そして、競技中は、個々の布状体をポールに巻き付けることで、一対のポールをそれぞれ覆うポールカバーとなる。
【0011】
本発明の好ましい一つの態様では、一対の布状体の端部に、筒状に組み合わせたときに端部を閉じるためのファスナ部材が設けられている。この端部のファスナ部材としては、面ファスナ、一般的なスライドファスナ、スナップボタン、ホック、ボタン、等を用いることができる。
【0012】
また、本発明の具体的な一つの態様では、ポールカバーとして用いるときには、第1,第2の布状体が、それぞれ幅方向中央を折曲線として2つ折りにした上でポールに巻き付けられる。このようにすることで、ポールカバーとしての厚さを大きく確保できるとともに、ポールの円周に比較して布状体の幅を大きく設定でき、適当な大きさのバッグを構成することができる。
【0013】
本発明のポールカバー兼用ポール収容バッグは、例えば、ビーチバレー用の一対のポールが複数に分割されてネットとともに収容可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ビーチバレー等のポールを搬送するためのバッグと一対のポールを覆うポールカバーとの2つの機能を兼ね備えたものとなり、ポールカバーを別途に用意する必要がなくなるとともに、専用のボールカバーの収容・搬送が不要となる。また、競技中にバッグを保管しておく必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ビーチバレーのネット・セットを設置状態で示した説明図。
【
図2】一実施例のポールカバー兼用ポール収容バッグの構成要素を示した平面図。
【
図4】第1布状体の内側面のポケットカバーを開いた状態で示す要部の平面図。
【
図5】ポール構成部品を収容した状態を示す内側面の平面図。
【
図6】2つの布状体をポールカバーとして用いるときの説明図。
【
図7】バッグとして組み合わせて用いるときの説明図。
【
図8】端部のファスナ部材として布状体の長手方向に沿った面ファスナを用いた第2実施例を示す説明図。
【
図9】端部のファスナ部材の構成を変更した第3実施例における2つの布状体の外側面を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
まず
図1に基づいて、この実施例が収容・搬送の対象とするビーチバレー用ネット・セットの概略を説明する。図示するように、ネット・セットは、左右一対のポール31と、この一対のポール31の間に張られるネット32と、コートのライン上に沿ってネット32から上方へ突出するように取り付けられる一対のアンテナ33と、から大略構成される。ポール31は、搬送の便宜のために下部31A,中間部31B,上部31Cの3つの部品に分割して構成されており、下部31Aの下端に円板状の基台31Dが着脱可能に取り付けられている。つまり、ポール31は、収容時には4つの構成部品に分解が可能である。ポール31は、ネット32の高さを変更するために長さの調整が可能であるが、ポール31自体は本発明の要部ではないので、その詳細の説明は省略する。またネット・セットは、ポール31を支持するためのロープやこのロープの端部を地面に固定するためのペグ等をさらに含んでいるが、これらは図示省略してある。
【0018】
図2は、一実施例のポールカバー兼用ポール収容バッグの構成要素を示している。図示するように、一実施例のポールカバー兼用ポール収容バッグは、
図2の左側に示す第1布状体1と、図の右側に示す第2布状体2と、一対の肩掛けベルト3と、を含んで構成される。
図2は、特に第1,第2布状体1,2の外側面を示している。また
図3は、第1,第2布状体1,2の内側面の構成を示している。
【0019】
2つの布状体1,2は、バッグとして必要な十分な強度を有する布状材料を用いて細長い長方形に形成したもので、2つの布状体1,2は、基本的に同一の寸法(長手方向寸法および幅方向寸法)を有している。例えば、1m前後の長さと30~40cm程度の幅とを有している。布状材料としては、織布、合成樹脂性シート、これらの組み合わせ、などを用いることができ、一実施例では、キャンバス地やデニムなどの引張強度ならびに耐摩耗性に優れた厚手の布を表裏に用い、両者間にクッション性を与えるためのスポンジを挟んでなる、厚さが10mm程度の布状材料が用いられている。各布状体1,2の幅方向の中央には、各布状体1,2を容易に2つ折りにできるように、折曲線として表裏の布を縫い合わせてなる中央縫合線4が設けられている。
【0020】
図2に示すように、2つの布状体1,2の外側面には、布状体1,2の幅方向に延びた帯状の雌型面ファスナ6が布状体1,2の長手方向の5カ所に設けられている。5つの雌型面ファスナ6は、等間隔に配置され、かつ互いに平行に延びている。より詳しくは、引張に対する伸縮が少ない材質からなる補強用の布テープ7の一方の面に雌型面ファスナ6が縫い付けられており、この雌型面ファスナ6が外側に露出するようにして各布テープ7が布状体1,2の外側面に縫い付けられている。
【0021】
雌型面ファスナ6は、布状体1,2の幅方向の全体に亘って配置されている。つまり、布状体1,2の幅方向寸法と等しい長さを有する。これに対し、雌型面ファスナ6を支持する布テープ7は、布状体1,2の一方の側縁1a,2aからさらに延びており、それぞれ側縁1a,2aから突出している。例えば、布状体1,2の幅方向寸法の1/2程度の長さで布テープ7が突出している。
【0022】
この布テープ7の突出部分には、
図3に示すように、布状体1,2の内側面において、それぞれ帯状の雄型面ファスナ8が縫い付けられている。つまり、布状体1,2の内側面においては、長手方向の5カ所において、雄型面ファスナ8が布状体1,2の側縁1a,2aから雌型面ファスナ6の延長線上に沿って突出している。この雄型面ファスナ8は、後述するように雌型面ファスナ6に接合可能なものである。なお、面ファスナの「雄型・雌型」は、具体的な面ファスナの形状・構成を特定する用語ではなく、単に面ファスナとして互いに接合可能な一方の部材と他方の部材を意味しているに過ぎない。
【0023】
布状体1,2の側縁1b,2bの中央には、バッグの形態としたときに手で持つための略C字形をなす持ち手11がそれぞれ取り付けられている。また、
図2に示すように、第1布状体1の外側面に、肩掛けベルト3の端部の金具3aをそれぞれ取り外し可能に連結するためのD字形リング12が4カ所に設けられている。具体的には、5本の布テープ7の中で2番目と4番目の布テープ7とともにD字形リング12が第1布状体1に縫い付けられている。
【0024】
また、布状体1,2の内側面を示した
図3に示すように、布状体1,2の各端部においては、端部を閉じるためのファスナ部材として、布状体1,2の端縁1c,1d,2c,2dに沿って雄型面ファスナ14および雌型面ファスナ15が取り付けられている。一実施例では、第1布状体1側に雄型面ファスナ14が配置され、第2布状体2側に雌型面ファスナ15が配置されているが、これらの雌雄の組み合わせは任意である。
【0025】
さらに、布状体1,2の内側面には、少なくともポール31の構成部品を含むネット・セットの構成部品を収容するためのいくつかのポケットが形成されている。
【0026】
例えば、一実施例では、
図5に一部の構成部品の収容状態を示したように、第1布状体1の内側面に、一対のアンテナ33を布状体1の長手方向に沿って挿入可能な相対的に幅の狭い細長いポケット16と、巻き上げたネット32を収容するための相対的に幅の広いポケット17と、が形成されている。ネット32収容用のポケット17は、図の上方側が開口しているほか、
図4に示すように、布状体1の側縁1aに沿った側縁部分がフラップ状に開くポケットカバー17aによって開閉可能となっている。これにより、巻き上げたネット32の出し入れが容易である。ポケットカバー17aは、
図4に示すように、雌雄の面ファスナ18,19を備え、この面ファスナ18,19の接合によって閉じられる。
【0027】
また第2布状体2の内側面に、一対のポール31の中間部31Bを布状体2の長手方向に沿って挿入可能なポケット20と、一対の下部31Aと一対の上部31Cとを布状体2の長手方向に沿って挿入可能なポケット21と、を備えている。ネット32の収容空間を確保するために、ポケット20は側縁2bに沿って、ポケット21は側縁2aに沿って、互いに離れるように設けられている。
【0028】
また第1布状体1の内側面のポケット17よりも図上方の領域および第2布状体2の内側面のポケット21よりも図上方の領域に、それぞれ、一対のベルト22,23が設けられており、
図5に示すように、ポール31の円形の基台31Dを一対の弦に沿うような形で挟み込むことで保持する構成となっている。各ベルト22,23は、一端部が布状体1,2に縫い付けられ、他端部が図示しない面ファスナによって布状体1,2内側面に固定されている。従って、面ファスナを外すことで基台31Dの出し入れが行われる。
【0029】
このように構成された実施例のポールカバー兼用ポール収容バッグにあっては、ポール31を含むネット・セットの構成部品を収容して搬送するバッグとして機能するとともに、競技中は、ポール31の下半部を覆うポールカバーとして機能し得る。
【0030】
図6は、ポールカバーとして用いる場合の説明図である。ポールカバーとして用いる場合は、図(a)に示すように、第1,第2布状体1,2の各々を、
図3に示した内側面が内側となるような形でもって、長手方向に沿った中央縫合線4に沿って2つ折りとした上で、図(b)のように、側縁1a,2aが外周側で側縁1b,2bが内周側となるような形でポール31に巻き付ける。そして、側縁1a,2aから延びている5本の雄型面ファスナ8を布状体1,2の外周に沿って回し、かつそれぞれ布状体1,2の表面に露出している雌型面ファスナ6に貼り合わせる。つまり、雌型面ファスナ6の全長の中で、中央縫合線4と側縁1a,2aとの間にある略半分の範囲の雌型面ファスナ6に雄型面ファスナ8が重なり、互いに接合される。これにより、図(c)に示すように、ポール31の下半部を覆うポールカバーとなる。
【0031】
このようなポールカバーによって、競技者がポール31に接触したときの怪我の発生が抑制される。特にこの実施例では、布状体1,2が2つ折り状態でポール31に巻き付けられるので、スポンジを含む布状体1,2の厚さが2倍となり、クッション性に優れたポールカバーが得られる。
【0032】
図7は、収容・搬送用のバッグとして用いる場合の説明図である。この場合は、図(a)に示すように、第1,第2布状体1,2を各々の内側面が互いに向かい合うようにして組み合わせる。そして、第1布状体1の雄型面ファスナ8を第2布状体2の雌型面ファスナ6に接合し、同様に、第2布状体2の雄型面ファスナ8を第1布状体1の雌型面ファスナ6に接合する。これにより、図(b)に示すように、筒状の構成となる。このとき、布状体1,2の側縁1a,2aから突出する雄型面ファスナ8は、雌型面ファスナ6の全長の中で、中央縫合線4と側縁1b,2bとの間にある略半分の範囲の雌型面ファスナ6に重なり、互いに接合される。また、筒状としたときに、一対の持ち手11が互いに重なり合い、1つの手で把持できる状態となる。なお、バッグの中に収容すべきポール31やネット32等のネット・セット構成部品は、布状体1,2がそれぞれ分離独立している状態、あるいは、側縁の一方同士が接合されている状態、において内側面のポケット等に予め収容しておくとよい。
【0033】
内部にネット・セット構成部品を収容した上で第1,第2布状体1,2を筒状に組み合わせた後、図(c)に示すように、筒の両端部を端縁1c,1dに沿った雄型面ファスナ14および雌型面ファスナ15を互いに接合することで封止する。これにより、ネット・セット構成部品を収容した搬送可能なバッグが得られる。この状態で、図(d)に示すように、例えば肩掛けベルト3を用いて競技者35等がバッグを持ち運ぶことができる。
【0034】
このように、上記実施例のポールカバー兼用ポール収容バッグにあっては、競技中は一対のポール31を覆うポールカバーとして利用でき、競技の前後は、ポール31を含むネット・セットの構成部品を収容・搬送するためのバッグとして利用できる。従って、専用のポールカバーを付加する必要がなくなってネット・セットの構成要素が少なくなり、それだけ搬送する容量ないし重量が軽減する。また、競技中のバッグの保管も不要となる。
【0035】
次に、
図8は、布状体1,2を筒状に組み合わせたときの端部を封止するファスナ部材の異なる第2実施例を示している。この第2実施例では、布状体1,2の端縁1c,1dから布状体1,2の長手方向に沿って突出した形に、端部封止用の雄型面ファスナ41が各布状体1,2に設けられている。雄型面ファスナ41は、その接合面が各布状体1,2の内側面に面している。
【0036】
この第2実施例では、布状体1,2を筒状に組み合わせた状態において、第1布状体1から延びた端部封止用の雄型面ファスナ41が端縁1c,1d,2c,2dに沿って折り返され、かつ第2布状体2の端部に位置する雌型面ファスナ6に重なって接合される。同様に、第2布状体2から延びた端部封止用の雄型面ファスナ41が端縁1c,1d,2c,2dに沿って折り返され、かつ第1布状体1の端部に位置する雌型面ファスナ6に重なって接合される。
【0037】
次に、
図9および
図10は、端部を封止するファスナ部材の配置を変更した第3実施例を示している。
図9は、第3実施例における第1,第2布状体1,2の外側面を示す平面図であり、図示するように、第1布状体1の長手方向の寸法が第2布状体2の長手方向の寸法に比較して長く構成されている。そして、第1布状体1の上下の端縁1c,1dに沿って、内側面に向かった雄型面ファスナ51が取り付けられている。この雄型面ファスナ51にそれぞれ対応するように、第2布状体2の上下の端縁2c,2dに沿って、外側面を向いた雌型面ファスナ52が取り付けられている。
【0038】
この第3実施例においては、
図10の説明図に示すように、相対的に長く延びた第1布状体1の端部を第2布状体2の端部に重なるように折り返し、雄型面ファスナ51と雌型面ファスナ52とを互いに接合することによって端部が封止される。
【0039】
端部封止用のファスナ部材としては、このほか、一般的なスライドファスナ、スナップボタン、ホック、ボタン、等を用いることもできる。
【0040】
以上、この発明をビーチバレーのネット・セットを収容するポールカバー兼用ポール収容バッグに適用した一実施例を説明したが、この発明はビーチバレーやビーチテニスに限定されるものではなく、一対のポールを用いるとともにそのポールカバーが必要となる種々の用品の搬送に適用することが可能である。
【0041】
なお、バッグの中に必ずしも全てのネット・セット構成部品を収容する必要はなく、少なくともポールを含む一部の構成部品であってもよい。
【0042】
また、例えば、全ての構成部品が上端が開口したポケットに収容されていて下方へ脱落する恐れがないような場合には、上下両端部の封止用のファスナ部材は省略することも可能である。
【0043】
また上記実施例では布状体1,2を2つ折りとした状態でポール31に巻き付けるようにしているが、ポールの径等に応じて、2つ折りとせずにポールに巻き付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…第1布状体
2…第2布状体
3…肩掛けベルト
6…雌型面ファスナ
7…布テープ
8…雄型面ファスナ
11…持ち手
14…雄型面ファスナ
15…雌型面ファスナ
16,17,20,21…ポケット
31…ポール
32…ネット