(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】食器洗い機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A47L15/42 A
A47L15/42 M
(21)【出願番号】P 2021105264
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】泊出 由布乃
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特許第5289160(JP,B2)
【文献】特開2007-061516(JP,A)
【文献】特開2002-065560(JP,A)
【文献】特開2009-045105(JP,A)
【文献】特表2001-522744(JP,A)
【文献】特開2018-191768(JP,A)
【文献】特開2013-198396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部を有する洗浄槽と、
前記洗浄槽を前後方向に移動可能に支持する外箱と、
前記外箱に上下方向に移動可能に支持されて前記開口部を開閉する蓋部と、
前記蓋部の下面に設けられ、前記開口部の周縁部と当接するシールパッキングと、を備え、
前記シールパッキングは、
チューブ形状の第1シールパッキング部と、
前記第1シールパッキング部よりも下方に位置する板状の第2シールパッキング部と、を有し、
前記第2シールパッキング部は、
上下方向に形成された切れ目を幅方向に沿って複数有して
おり、
前記第2シールパッキング部の下端は、
前記第1シールパッキング部の下端よりも下方に位置している
食器洗い機。
【請求項2】
前記第2シールパッキング部の上下方向の長さは、
前記蓋部の上下方向の可動域以上である
請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記第2シールパッキング部は、
前記蓋部の下面の少なくとも後方の一辺に設けられた
請求項1または2に記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記第2シールパッキング部の下端は、
前記第2シールパッキング部が形成される起点の位置よりも後方に位置するように設けられている
請求項1~3のいずれか一項に記載の食器洗い機。
【請求項5】
前記第2シールパッキング部は、
前記第1シールパッキング部と別体として設けられている
請求項1~4のいずれか一項に記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄槽と蓋部との閉塞性を保つシールパッキングを有する食器洗い機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食器洗い機として例えば、蓋部の下面の内周部分に設けられたチューブ形状の第1シールパッキングと、第1シールパッキングの外側に設けられた板状の第2シールパッキングとを備え、第2シールパッキングの板状部分の縦長さは、第1シールパッキングのチューブ形状の外形より長くなっているものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、洗浄槽とシールパッキングとの間にまな板類などの被洗浄物が挟まった際に、シールパッキングが被洗浄物の形状に追従しきれず、洗浄槽とシールパッキングとの間に隙間が生じ、その隙間から水漏れが発生してしまうという課題があった。
【0005】
本開示は、以上のような課題を解決するためになされたもので、洗浄槽とシールパッキングとの間に被洗浄物が挟まった際の水漏れを抑制する食器洗い機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る食器洗い機は、上方に開口部を有する洗浄槽と、前記洗浄槽を前後方向に移動可能に支持する外箱と、前記外箱に上下方向に移動可能に支持されて前記開口部を開閉する蓋部と、前記蓋部の下面に設けられ、前記開口部の周縁部と当接するシールパッキングと、を備え、前記シールパッキングは、チューブ形状の第1シールパッキング部と、前記第1シールパッキング部よりも下方に位置する板状の第2シールパッキング部と、を有し、前記第2シールパッキング部は、上下方向に形成された切れ目を幅方向に沿って複数有しており、前記第2シールパッキング部の下端は、前記第1シールパッキング部の下端よりも下方に位置しているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る食器洗い機によれば、第1シールパッキング部よりも下方に位置する板状の第2シールパッキング部は、上下方向に形成された切れ目を幅方向に沿って複数有している。そのため、洗浄槽とシールパッキングの間にまな板類などの被洗浄物が挟まった場合でも、切れ目が複数形成された第2シールパッキング部で洗浄槽とシールパッキングとの間の隙間を埋めることができ、洗浄水が洗浄槽の外部へ流れ出ること、つまり水漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽を完全に押し込んだ状態の側面断面図である。
【
図2】実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽をすべて引き出した状態の側面断面図である。
【
図3】実施の形態に係る食器洗い機の蓋部後方の斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽をすべて引き出して食器類をセットしその上にまな板類を置いた状態の側面断面図である。
【
図5】
図4に示す状態から食器洗い機の洗浄槽を完全に押し込んだ状態の側面断面図である。
【
図6】
図1に示す状態におけるシールパッキング付近を拡大した図である。
【
図7】
図5に示す状態におけるシールパッキング付近を拡大した斜視図である。
【
図8】
図5と同じ状態における従来のシールパッキング付近を拡大した斜視図である。
【
図9】実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽を完全に押し込んで蓋部が浮いた状態の側面断面図である。
【
図10】
図9に示す状態におけるシールパッキング付近を拡大した図である。
【
図11】実施の形態に係る食器洗い機のシールパッキングの第1変形例を示す図である。
【
図12】実施の形態に係る食器洗い機のシールパッキングの第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。これらの方向を示す用語は、特に明示しない限り、食器洗い機を前面側(正面側)から見た場合の方向を意味しており、
図1に前後、上下、左右方向を示す。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
【0010】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽2を完全に押し込んだ状態の側面断面図である。
図2は、実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽2をすべて引き出した状態の側面断面図である。
図3は、実施の形態に係る食器洗い機の蓋部7後方の斜視図である。
以下、実施の形態に係る食器洗い機の概略全体構成を説明する。
【0011】
図1及び
図2に示すように、実施の形態に係る食器洗い機は、前方が開口した前方開口部(図示せず)を有し、食器洗い機の外郭となる外箱1と、上方が開口した開口部2aを有し、食器かご9にセットされた食器類20を収納する洗浄槽2と、外箱1の上部に設けられており、洗浄槽2の開口部2aを開閉する蓋部7と、洗浄槽2の前方に取り付けられており、外箱1内部に設けられた洗浄槽2が取り出される際に開閉する扉10と、を備えている。
【0012】
洗浄槽2の左右両外面には、第1スライドレール3が設けられ、外箱1の左右両内面には、第1スライドレール3と嵌合する第2スライドレール4が設けられている。そして、洗浄槽2は、前後方向に移動可能となるように外箱1に支持されており、扉10を手前に引き出すあるいは後方へ押し込むことで、洗浄槽2は外箱1に設けられた第2スライドレール4に沿ってスライドし、外箱1の前方開口部から出し入れすることができる。
【0013】
洗浄槽2は、ほぼ箱体形状を有しており、底面の少なくとも一部に、鉛直下方向に凹んだ凹部2bが設けられている。その凹部2bの四側面のうちいずれかの側面あるいは底面には、洗浄用水を加温するヒーター12と、洗浄水を加圧する洗浄ポンプ13と、がそれぞれ取り付けられている。また、洗浄槽2内には、洗浄水を噴射する洗浄ノズル11が設けられている。そして、洗浄ポンプ13によって加圧された洗浄水が洗浄ノズル11に送られ、洗浄ノズル11から洗浄水が食器かご9にセットされた食器類20に向けて噴射されることで、食器類20が洗浄される。
【0014】
蓋部7の下面前方には、下方に突出した食器規制壁14が設けられている。この食器規制壁14は、洗浄槽2を外箱1内に収容する際に、食器かご9にセットされた食器類20の最も上となる位置が所定以上の高さとなる場合、食器類20と接触するようになっており、そうすることで洗浄槽2が外箱1内へ収容できないようになっている。したがって、食器規制壁14により、所定よりも大きい食器類20が食器かご9にセットされたまま運転することができない。そのため、大きい食器類20が食器かご9にセットされることによって洗浄槽2と蓋部7との閉塞性が失われることを防止できるとともに、食器類20の損傷を防ぐことができる。
【0015】
図3に示すように、洗浄槽2の上方に形成された開口部2aと当接する蓋部7の下面には、シールパッキング8が設けられている。シールパッキング8は、弾性材料で構成されており、チューブ形状の第1シールパッキング部8aと、その下部に下方向に向けて設けられた板状の第2シールパッキング部8bとを有している。第2シールパッキング部8bは、上下方向に形成された切れ目を幅方向に沿って複数有している。そして、それによって第2シールパッキング部8bには、幅方向に沿って複数の単位シールパッキング部8cが形成されている。この単位シールパッキング部8cは、切れ目間の板状の部分であり、幅方向に沿って形成された複数の単位シールパッキング部8cによって、第2シールパッキング部8bを構成されている。なお、第2シールパッキング部8bは、少なくとも蓋部7の後方の一辺に設けられていればよい。また、蓋部7のその他の辺である蓋部7の左右の辺および前方の辺には、別形状のシールパッキングを設けてもよい。
【0016】
図1および
図2に示すように、洗浄槽2の左右両側面の外壁の前後には、側面形状が略三角形の形状を有し、外箱1に向かって突出した凸部5が設けられており、この凸部5の下部には傾斜面5aが形成されている。また、洗浄槽2の開口部2aの周縁部(以下、洗浄槽上方周縁部2cと称する)には、蓋部7の下面に設けられるシールパッキング8と接するシール面(図示せず)が設けられている。このシール面には傾斜がつけられており、外側に向かって高くなる形状を有している(後述する
図7参照)。外箱1内の左右両側面上方には、4個のリンク(図示せず)が前後方向にそれぞれ2個ずつ設けられ、これら4個のリンクを介して蓋部7が移動可能に外箱1に取り付けられている。
【0017】
図4は、実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽2をすべて引き出して食器類20をセットしその上にまな板類21を置いた状態の側面断面図である。
図5は、
図4に示す状態から食器洗い機の洗浄槽2を完全に押し込んだ状態の側面断面図である。
図6は、
図1に示す状態におけるシールパッキング8付近を拡大した図である。
図7は、
図5に示す状態におけるシールパッキング8付近を拡大した斜視図である。
図8は、
図5と同じ状態における従来のシールパッキング80付近を拡大した斜視図である。
【0018】
次に、
図1~
図8を用いて実施の形態に係る食器洗い機の動作について説明する。
まず始めに、
図2に示すように、洗浄槽2を前方へ引き出し、洗浄槽2内の食器かご9に食器類20をセットした後、洗浄槽2を後方へ押し込む。
【0019】
図2に示す状態から洗浄槽2が後方へ移動すると、洗浄槽2の外壁の左右両側面の前後に設けられた略三角形の凸部5の傾斜面5aが外箱1内のリンク(図示せず)に設けられている樹脂製ローラー(図示せず)を押し下げ、リンクの回転作用により蓋部7が後方に移動しながら下方向へ移動する。そして、
図6に示すように、洗浄槽2の開口部2aの高さまで蓋部7が下降し、洗浄槽2の外箱1への収容が完了すると同時に、蓋部7がシールパッキング8を介して、洗浄槽上方周縁部2cに当接して開口部2aを閉塞する。このとき、シールパッキング8の第2シールパッキング部8bのたわむ方向は限定されず、洗浄槽2の内側あるいは外側のどちらでもよい。
【0020】
一方、
図1に示す状態から洗浄槽2が前方へ移動すると、凸部5の傾斜面5aが樹脂製ローラーを押し下げる作用が解除され、蓋部7が前方に移動する。それと同時に、リンクの回転作用により、蓋部7は上方向へ移動する。
【0021】
図4に示すように、食器かご9に食器類20をセットし、その上にまな板類21などの被洗浄物を設置すると、洗浄槽2を押し込む過程でまな板類21が後方へ移動し、洗浄槽2とシールパッキング8との間にまな板類21が挟まる可能性がある。そして、
図5に示すように、洗浄槽2とシールパッキング8との間にまな板類21が挟まった場合、挟まったまな板類21の上面にはシールパッキング8が当接するが、まな板類21の側面にはシールパッキング8が当接しない。そして、従来のシールパッキング80の構造では、
図8に示すように、洗浄槽2とチューブ形状のシールパッキング80との間に隙間16が生じるため、隙間16から洗浄水が洗浄槽2の外部へ流れ出ようとする。
【0022】
しかしながら、実施の形態に係るシールパッキング8は、
図3に示すように、チューブ形状の第1シールパッキング部8aの下部に板状の第2シールパッキング部8bを有している。そして、第2シールパッキング部8bには、幅方向に沿って複数の単位シールパッキング部8cが形成されている。したがって、
図7に示すように、シールパッキング8と洗浄槽2との間にまな板類21が挟まった場合、第2シールパッキング部8bに形成された単位シールパッキング部8cで、洗浄槽2とシールパッキング8との間の隙間16を埋めることができる。そのため、隙間16から洗浄水が洗浄槽2の外部へ流れ出ること、つまり水漏れを抑制することができる。
【0023】
図9は、実施の形態に係る食器洗い機の洗浄槽2を完全に押し込んで蓋部7が浮いた状態の側面断面図である。
図10は、
図9に示す状態におけるシールパッキング8付近を拡大した図である。
【0024】
また、食器かご9にセットされた食器類20の最も上となる位置が蓋部7に設けられた食器規制壁14の下面より高くなるような場合、
図9に示す状態まで洗浄槽2を後方へ移動させたとき、洗浄槽2内部の食器かご9にセットされた食器類20が蓋部7および食器かご9を変形させながら外箱1内へ押し込まれる。すると、洗浄槽2を閉塞する蓋部7を食器類20が押し上げ、洗浄槽2と蓋部7外周との間に設けられたシールパッキング8の第1シールパッキング部8aが洗浄槽2から離れた状態になり、隙間16から洗浄水が洗浄槽2の外部へ流れ出ようとする。
【0025】
しかし、
図10に示すように、シールパッキング8は、弾性材料で構成されており、チューブ形状の第1シールパッキング部8aと、その下部に下方向に向けて設けられた板状の第2シールパッキング部8bとを有している。また、洗浄槽上方周縁部2cは、外側に向かって高くなるように傾斜がつけられている。したがって、シールパッキング8の第1シールパッキング部8aが洗浄槽2の洗浄槽上方周縁部2cから離れた場合でも、第2シールパッキング部8bが洗浄槽上方周縁部2cに当接しているので、洗浄水が洗浄槽2の外部へ流れ出ることを防止することができる。
【0026】
また、シールパッキング8の第2シールパッキング部8bの上下方向の長さを、蓋部7が洗浄槽2の内部から押し上げられた際の可動域、つまり、蓋部7の上下方向の可動域以上の長さとする。そうすることにより、洗浄槽上方周縁部2cと蓋部7の下面に設けられたシールパッキング8の第1シールパッキング部8aとの間の隙間16が大きくなっても、第2シールパッキング部8bに形成された単位シールパッキング部8cで隙間16を確実に埋めることができる。
【0027】
なお、実施の形態では、第2シールパッキング部8bが、第1シールパッキング部8aの下部に下方向に向けて設けられたとしたが、それに限定されない。第2シールパッキング部8bの下端が、その形成される起点、すなわち本実施の形態では第2シールパッキング部8bの上端、よりも後方に位置するように設けられていてもよい。例えば、第2シールパッキング部8bが、第1シールパッキング部8aの下部から後方へ傾斜するように向けて設けられていてもよい。また、第2シールパッキング部8bが、第1シールパッキング部8aの下部に下方向に向けて設けられ、途中から後方に傾斜するように向けて設けられていてもよい。さらに、湾曲した第2シールパッキング部8bの下端が、その形成される起点よりも後方に位置するように設けられていてもよい。第2シールパッキング部8bをこのように設けることで、シールパッキング8が洗浄槽上方周縁部2cと当接した際、変形したシールパッキング8は第2シールパッキング部8bが洗浄槽上方周縁部2cに押し付けられやすい形となるため、より閉塞性を高めることができる。
【0028】
また、シールパッキング8を蓋部7の角部に渡って設ける場合、蓋部7の角部における第2シールパッキング部8bの長さは、蓋部7の直線部における第2シールパッキング部8bの長さと異なっていてもよい。
【0029】
図11は、実施の形態に係る食器洗い機のシールパッキング8の第1変形例を示す図である。
図12は、実施の形態に係る食器洗い機のシールパッキング8の第2変形例を示す図である。
【0030】
また、実施の形態では、シールパッキング8は、第1シールパッキング部8aと第2シールパッキング部8bとが一体形成されている構成であるが、それに限定されない。
図11に示すように、シールパッキング8は、第1シールパッキング部8aと第2シールパッキング部8bとが別体として設けられた構成とし、蓋部7の下面に第1シールパッキング部8aを設け、蓋部7の下面かつ第1シールパッキング部8aの外側に第2シールパッキング部8bを設けてもよい。そして、この場合でも、第2シールパッキング部8bの下端は第1シールパッキング部8aの下端よりも下に位置する。なお、このように第1シールパッキング部8aと第2シールパッキング部8bとを別体として設ける場合、第2シールパッキング部8bは弾性材料に限らず、可撓性のある樹脂シート材料などで構成してもよい。
【0031】
また、
図12に示すシールパッキング8は、第1シールパッキング部8aと第2シールパッキング部8bとが一体形成されている構成であるが、第2シールパッキング部8bの単位シールパッキング部8cの間に隙間8dが形成されてもよい。
【0032】
以上、実施の形態に係る食器洗い機は、上方に開口部2aを有する洗浄槽2と、洗浄槽2を前後方向に移動可能に支持する外箱1と、外箱1に上下方向に移動可能に支持されて開口部2aを開閉する蓋部7と、蓋部7の下面に設けられ、洗浄槽上方周縁部2cと当接するシールパッキング8と、を備えている。そして、シールパッキング8は、チューブ形状の第1シールパッキング部8aと、第1シールパッキング部8aよりも下方に位置する板状の第2シールパッキング部8bと、を有し、第2シールパッキング部8bは、上下方向に形成された切れ目を幅方向に沿って複数有しているものである。
【0033】
実施の形態に係る食器洗い機によれば、第1シールパッキング部8aよりも下方に位置する板状の第2シールパッキング部8bは、上下方向に形成された切れ目を幅方向に沿って複数有している。そのため、洗浄槽2とシールパッキング8の間にまな板類21などの被洗浄物が挟まった場合でも、切れ目が複数形成された第2シールパッキング部8bで洗浄槽2とシールパッキング8との間の隙間16を埋めることができ、洗浄水が洗浄槽2の外部へ流れ出ること、つまり水漏れを抑制することができる。
【0034】
また、実施の形態に係る食器洗い機において、第2シールパッキング部8bの上下方向の長さは、蓋部7の上下方向の可動域以上である。
【0035】
実施の形態に係る食器洗い機によれば、洗浄槽上方周縁部2cと蓋部7の下面に設けられたシールパッキング8の第1シールパッキング部8aとの間の隙間16が大きくなっても、第2シールパッキング部8bに形成された単位シールパッキング部8cで隙間16を確実に埋めることができる。
【0036】
また、実施の形態に係る食器洗い機において、第2シールパッキング部8bは、蓋部7の下面の少なくとも後方の一辺に設けられたものである。
【0037】
実施の形態に係る食器洗い機によれば、シールパッキング8と洗浄槽2との間にまな板類21などの被洗浄物が挟まりやすく、洗浄槽2とシールパッキング8との間の隙間16ができやすいのが蓋部7の後方の一辺である。そのため、第2シールパッキング部8bを少なくとも蓋部7の後方の一辺に設けることで、洗浄水が洗浄槽2の外部へ流れ出ること、つまり水漏れを抑制することができる。
【0038】
また、実施の形態に係る食器洗い機において、第2シールパッキング部8bの下端は、第2シールパッキング部8bが形成される起点の位置よりも後方に位置するように設けられている。
【0039】
実施の形態に係る食器洗い機によれば、第2シールパッキング部8bの下端は、第2シールパッキング部8bが形成される起点の位置よりも後方に位置するように設けられている。そのため、シールパッキング8が洗浄槽上方周縁部2cと当接した際、変形したシールパッキング8は第2シールパッキング部8bが洗浄槽上方周縁部2cに押し付けられやすい形となるため、より閉塞性を高めることができる。
【0040】
また、実施の形態に係る食器洗い機において、第2シールパッキング部8bは、第1シールパッキング部8aと別体として設けられている。
【0041】
実施の形態に係る食器洗い機によれば、第2シールパッキング部8bは、第1シールパッキング部8aと別体として設けられているため、第2シールパッキング部8bを第1シールパッキング部8aと別の材料で構成することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 外箱、2 洗浄槽、2a 開口部、2b 凹部、2c 洗浄槽上方周縁部、3 第1スライドレール、4 第2スライドレール、5 凸部、5a 傾斜面、7 蓋部、8 シールパッキング、8a 第1シールパッキング部、8b 第2シールパッキング部、8c 単位シールパッキング部、8d 隙間、9 食器かご、10 扉、11 洗浄ノズル、12 ヒーター、13 洗浄ポンプ、14 食器規制壁、16 隙間、20 食器類、21 まな板類、80 シールパッキング。