(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240412BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240412BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240412BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/69
A63F13/792
(21)【出願番号】P 2021113167
(22)【出願日】2021-07-07
(62)【分割の表示】P 2019133140の分割
【原出願日】2018-03-20
【審査請求日】2021-07-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 岳
(72)【発明者】
【氏名】飯島 崇史
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】渡邊 聡
【審判官】松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-181194(JP,A)
【文献】特開2010-122950(JP,A)
【文献】特開2021-216387(JP,A)
【文献】特開平8-292981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/10
A63F13/69
A63F13/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがゲームをプレイした後に前記プレイにより生じた課金額を支払うことが可能な後払い条件を満たし、かつ前記ユーザが前記課金額を後払い方式によって支払う場合には、プレイ結果を有効とし、前記後払い条件を満たし、かつ前記ユーザが前記課金額を後払い方式によって支払わない場合には、プレイ結果の少なくとも一部を無効とする決定手順、
をコンピュータに実行させ、
前記後払い方式における支払い状況に応じて、前記後払い条件が設定される
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記後払い条件を満たし、支払い方式が前払い方式である場合には、前記支払い方式が前記後払い方式である場合よりも、前記プレイに対して特典を前記ユーザに有利になるように付与する付与手順
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記後払い条件が設定されることは、
前記後払い方式によって支払った額が所定金額以上である場合、後払い可能回数が増加される
ことである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザがゲームをプレイした後に前記プレイにより生じた課金額を支払うことが可能な後払い条件を満たし、かつ前記ユーザが前記課金額を後払い方式によって支払う場合には、プレイ結果を有効とし、前記後払い条件を満たし、かつ前記ユーザが前記課金額を後払い方式によって支払わない場合には、プレイ結果の少なくとも一部を無効とする決定工程を含み、
前記後払い方式における支払い状況に応じて、前記後払い条件が設定される
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
ユーザがゲームをプレイした後に前記プレイにより生じた課金額を支払うことが可能な後払い条件を満たし、かつ前記ユーザが前記課金額を後払い方式によって支払う場合には、プレイ結果を有効とし、前記後払い条件を満たし、かつ前記ユーザが前記課金額を後払い方式によって支払わない場合には、プレイ結果の少なくとも一部を無効とする決定部、
を備え、
前記後払い方式における支払い状況に応じて、前記後払い条件が設定される
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに対してプレイ料金の支払いを引き換えにゲームをプレイさせる情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザがゲームをプレイする前にプレイ料金を支払う場合には、ユーザの満足する結果を得られずにプレイが終了することがあり、ユーザの満足度を向上させる点で、改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの満足度を向上させるプログラム、情報処理方法、および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願にかかるプログラムは、決定手順をコンピュータに実行させる。決定手順は、ユーザがゲームをプレイした後にプレイにより生じた課金額を支払うことが可能な後払い条件を満たし、かつユーザが課金額を後払い方式によって支払う場合には、プレイ結果を有効とし、後払い条件を満たし、かつユーザが課金額を後払い方式によって支払わない場合には、プレイ結果の少なくとも一部を無効とする。後払い条件を満たす場合には、後払い方式における支払い状況に応じて、後支払い条件が設定される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザの満足度を向上させるプログラム、情報処理方法、および情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の説明図である。
【
図2】
図2は、情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、後払い方式によって発生した課金額に対するユーザの支払い状況の一例である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る支払い方式の設定処理を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る後払い処理を説明するフローチャートである。
【
図6A】
図6Aは、ユーザがアイテムを選択して購入するゲームがウェブブラウザを介して行われているノートPCを示す図(その1)である。
【
図6B】
図6Bは、ユーザがアイテムを選択して購入するゲームがウェブブラウザを介して行われているノートPCを示す図(その2)である。
【
図7】
図7は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願にかかるプログラム、情報処理方法、および情報処理装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかるプログラム、情報処理方法、および情報処理装置が限定されるものではない。
【0010】
[1.情報処理]
実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の説明図である。
【0011】
情報処理装置1は、例えば、ウェブブラウザを介してユーザにゲームを提供するサーバ装置である。すなわち、情報処理装置1は、オンラインゲームを提供するサーバ装置である。ユーザは、端末装置2を用いてゲームをプレイすることができる。
【0012】
端末装置2は、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップ型PCや、スマートフォンや、タブレット型端末や、PDA(Personal Digital Assistant)等のユーザ端末である。
【0013】
ユーザは、ゲーム中に、例えば、ゲームで使用するアイテムを購入することができる。これにより、ゲームをプレイするための対価(以下、「課金額」と称する。)が発生する(S1)。
【0014】
情報処理装置1は、ユーザがゲームをプレイした後に、プレイにより生じた課金額を支払う後払い方式により課金額を支払い可能である。そして、情報処理装置1は、ユーザによる課金額の支払いに基づいてプレイ結果を確定させる。なお、ここでは、プレイにより生じる課金額を事前に支払う方式を前払い方式と称する。
【0015】
具体的には、情報処理装置1は、ユーザがゲームでプレイした後に、課金額を支払うか否かを受け付ける(S2-1)。そして、情報処理装置1は、ユーザが課金額を支払う場合には、プレイを有効とする(S2-2)、一方、情報処理装置1は、ユーザが課金額を支払わない場合には、プレイの少なくとも一部を無効とする(S2-3)。
【0016】
これにより、ユーザは、ゲーム中に、例えば、アイテムを購入し、アイテムを使用した後に、課金額を支払うことができる。すなわち、ユーザは、アイテムを使用したプレイ結果に応じて課金額を支払うことができる。従って、情報処理装置1は、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0017】
[2.情報処理装置1の構成]
次に、情報処理装置1について
図2を参照し説明する。
図2は、情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
【0018】
情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、制御部12とを備える。
【0019】
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線、または無線で接続され、情報処理装置1と端末装置2との間で情報の送受信を行う。
【0020】
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0021】
記憶部11は、ゲーム情報記憶部20と、後払い状況記憶部21とを備える。ゲーム情報記憶部20は、ゲームに関する各種情報を記憶する。ゲーム情報記憶部20は、例えば、ユーザを識別するユーザIDや、ユーザがプレイ可能なゲームの情報を記憶する。
【0022】
後払い状況記憶部21は、後払い方式によって発生した課金額に対するユーザの支払い状況を記憶する。後払い状況記憶部21は、例えば、
図3に示すように、ユーザ毎に、後払い方式によって課金額が発生した日付である利用日と、後払い状況とを関連付けて記憶する。
図3は、後払い方式によって発生した課金額に対するユーザの支払い状況の一例である。なお、氏名などは、個別のユーザIDなどとして記憶されるが、
図3では説明のため図形や単語で示している。
【0023】
例えば、ユーザ「○○」が2018年2月1日に後払い方式によって発生した課金額に対して支払いを行った場合には、「後払い」は「有り」として記憶される。
【0024】
また、例えば、ユーザ「××」が2017年11月12日に発生した課金額に対して支払いを行わなかった場合には、「後払い」は「無し」として記憶される。
【0025】
後払い状況記憶部21は、ユーザに対して、ゲーム毎の支払い状況を記憶してもよく、また、ユーザに対して、複数のゲームにおける支払い状況を含む支払い状況を記憶してもよい。
【0026】
図2に戻り、制御部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0027】
制御部12は、受付部30と、判定部31と、設定部32と、決定部33とを備える。
【0028】
受付部30は、ネットワークNを介して端末装置2におけるユーザの操作情報を受け付ける。具体的には、受付部30は、支払い方式を、前払い方式にするか、後払い方式にするかを受け付ける。
【0029】
また、受付部30は、支払い方式が後払い方式である場合には、ユーザがゲームをプレイした後に、ユーザがプレイによって発生した課金額を支払うか否かを示す支払い情報を受け付ける。
【0030】
判定部31は、ユーザが後払い条件を満たすか否かを判定する。具体的には、判定部31は、所定期間内におけるユーザの後払い回数が、所定回数以下であるか否かを判定する。所定期間は、予め設定された期間であり、例えば、1月である。なお、所定期間は、前回の後払いからの期間であってもよい。また、所定回数は、予め設定された回数であり、例えば、3回である。また、後払い回数は、ゲーム毎の後払い回数であるが、複数のゲームにおける後払い回数であってもよい。また、後払い回数は、ユーザの後払い回数であってもよい。
【0031】
判定部31は、所定期間内におけるユーザの後払い回数が、所定回数以下である場合には、ユーザが後払い条件を満たすと判定する。また、判定部31は、所定期間内におけるユーザの後払い回数が、所定回数よりも多い場合には、ユーザが後払い条件を満たさないと判定する。
【0032】
設定部32は、支払い方式を、前払い方式、または後払い方式に設定する。具体的には、設定部32は、ユーザが後払い条件を満たさない場合には、支払い方式を特典が付与されない前払い方式に設定する。特典については、後述する。これにより、所定期間内における後払い回数は、所定回数以下に制限される。すなわち、設定部32は、プレイ後における課金額の支払い可能回数である、後払い可能回数を制限する。
【0033】
また、設定部32は、ユーザが後払い条件を満たし、かつ受付部30によって前払い方式が受け付けられた場合、すなわちユーザが支払い方式として前払い方式を選択した場合には、支払い方式を特典が付与される前払い方式に設定する。また、設定部32は、ユーザが後払い条件を満たし、かつ受付部30によって後払い方式が受け付けられた場合には、支払い方式を後払い方式に設定する。
【0034】
特典は、後払い方式におけるプレイに対する特典である。例えば、特典が付与されることで、前払い方式におけるプレイの課金額は、後払い方式における同一のプレイに対する課金額よりも低くなる。
【0035】
決定部33は、後払い方式により発生した課金額に対して所定のタイミングでユーザから課金額の支払いを受け付けた場合、すなわち、ユーザによる支払いがある場合には、ユーザのプレイを有効とする。また、決定部33は、後払い方式により発生した課金額に対して所定のタイミングでユーザから課金額の支払いを受け付けなかった場合、すなわち、ユーザによる支払いがない場合には、ユーザによるプレイの少なくとも一部を無効とする。なお、決定部33は、ユーザによるプレイの全てを無効としてもよい。
【0036】
所定のタイミングは、予め設定されたタイミングであり、例えば、課金額が発生してから予め設定された所定時間が経過したタイミングや、ユーザがプレイを終了、もしくはプレイ中のゲームのデータをセーブするタイミングである。
【0037】
[3.支払い方式設定処理]
ここで、実施形態に係る支払い方式設定処理について
図4を参照し説明する。
図4は、実施形態に係る支払い方式の設定処理を説明するフローチャートである。
【0038】
情報処理装置1は、例えば、ユーザがゲームを開始する際に、ユーザが後払い条件を満たすか否かを判定する(S10)。
【0039】
情報処理装置1は、ユーザが後払い条件を満たさない場合には(S10:No)、支払い方式を特典が付与されない前払い方式に設定する(S11)。情報処理装置1は、ユーザが後払い条件を満たす場合には(S10:Yes)、支払い方式、すなわちユーザによる支払い方式の選択結果を受け付ける(S12)。
【0040】
情報処理装置1は、受け付けた支払い方式が後払い方式であるか否かを判定する(S13)。情報処理装置1は、受け付けた支払い方式が後払い方式である場合には(S13:Yes)、支払い方式を後払い方式に設定する(S14)。情報処理装置1は、受け付けた支払い方式が前払い方式である場合には(S13:No)、支払い方式を特典が付与される前払い方式に設定する(S15)。
【0041】
なお、情報処理装置1は、課金額が発生する場合、例えば、課金額が発生するような状況になる度に、上記した支払い方式設定処理を実行してもよい。
【0042】
[4.支払い方式設定処理の一例]
次に、実施形態における支払い方式の設定処理について
図3に示す例を用いて説明する。ここでは、現在の日付が、2018年2月20日であるとする。また、所定期間は、1ヶ月であり、所定回数は、3回であるとする。
【0043】
図3に示す例では、ユーザ「○○」は、2018年2月2日までに後払いを3回行っている。そのため、「○○」は、2018年2月20日の時点では、後払い条件を満たさないと判定される。そのため、支払い方式は、特典が付与されない前払い方式となり、ユーザ「○○」は、特典が付与されない前払い方式でのみゲームをプレイすることができる。
【0044】
また、ユーザ「××」は、2018年2月18日に後払いを1回行っている。そのため、ユーザの「××」は、2018年2月20日の時点では、後払い条件を満たすと判定される。そのため、ユーザ「××」は、特典が付与される前払い方式と、後払い方式とを選択してゲームをプレイすることができる。
【0045】
そして、ユーザ「××」が、特典が付与される前払い方式を選択すると、支払い方式は、特典が付与される前払い方式に設定される。また、ユーザ「××」が、後払い方式を選択すると、支払い方式は、後払い方式に設定される。
【0046】
[5.後払い処理]
【0047】
次に、実施形態に係る後払い処理について
図5を参照し説明する。
図5は、実施形態に係る後払い処理を説明するフローチャートである。
【0048】
情報処理装置1は、ユーザがゲームをプレイした後に、ユーザがプレイによって発生した課金額を支払うか否かの支払い情報を受け付ける(S20)。具体的には、情報処理装置1は、所定のタイミングにおいて、支払い情報を受け付ける。
【0049】
情報処理装置1は、受け付けた支払い情報に基づいてユーザが課金額を支払うか否かを判定する(S21)。情報処理装置1は、ユーザが課金額を支払う場合には(S21:Yes)、課金額が生じたプレイを有効とする(S22)。すなわち、情報処理装置1は、課金額が生じたプレイ結果を有効とする。
【0050】
情報処理装置1は、ユーザが課金額を支払わない場合には(S21:No)、課金額が生じたプレイの少なくとも一部を無効とする(S23)。すなわち、情報処理装置1は、課金額が生じたプレイ結果の少なくとも一部を無効とする。
【0051】
[6.後払い処理の一例]
次に、実施形態に係る後払い処理について
図6Aにおける一例を用いて説明する。
図6Aは、ユーザがアイテムを選択して購入するゲームがウェブブラウザWを介して行われているノートPC2Aを示す図(その1)である。
図6Aは、支払い方式が前払い方式である場合を示している。
【0052】
図6Aでは、ユーザがアイテムA、およびアイテムBを選択して購入可能である。例えば、アイテムAは、ロールプレイングゲームにおいて一定のプレイ時間内に経験値を2倍獲得できるアイテムであり、アイテムBは、ロールプレイングゲームにおいて体力を2倍にすることができるアイテムである。
【0053】
例えば、ユーザがアイテムAを後払い方式で購入し、ゲーム中にアイテムAを使用すると、ユーザは、通常よりも2倍の経験値をゲーム中に獲得することができる。なお、アイテムAの購入により、課金額「500円」が発生する。
【0054】
そして、ユーザが、プレイ後に課金額「500円」を支払った場合には、情報処理装置1は、ゲーム中にアイテムAを使用して2倍の経験値を得られたプレイを有効とし、有効なゲーム結果として確定させる。これにより、ユーザは、2倍の経験値をゲームで獲得することができる。
【0055】
また、ユーザが、プレイ後に課金額「500円」を支払わない場合には、情報処理装置1は、ゲーム中にアイテムAを使用して2倍の経験値を得られたプレイを無効とし、無効なゲーム結果として確定させる。例えば、情報処理装置1は、アイテムAを使用して得られたプレイの一部を無効とし、ゲーム中に得られる通常の経験値(1倍)を有効なゲーム結果として確定させる。
【0056】
なお、ユーザが、後払い条件を満たしており、かつ支払い方式として前払い方式を選択した場合には、ユーザは、例えば、
図6Bに示すアイテムA、およびアイテムBを購入することができる。
図6Bは、ユーザがアイテムを選択して購入するゲームがウェブブラウザWを介して行われているノートPC2Aを示す図(その2)である。
図6Bは、
図6Aに対して、支払い方式が前払い方式である場合を示している。
【0057】
ユーザが、支払い方式として前払い方式を選択した場合には、ユーザは、アイテムAを「400円」で購入することができ、またアイテムBを「100円」で購入することができる。このように、ユーザは、例えば、特典としてアイテムを安く購入することができる。
【0058】
[7.後払い処理の他の例]
上記した後払い方式は、抽選によりアイテムを獲得するゲームにも適用することができる。抽選によりアイテムを獲得するゲームは、抽選を行う際に課金額が発生する。
【0059】
このようなゲームにおいて、支払い方式が後払い方式である場合には、ユーザは、課金額を支払う前に抽選を行うことができる。そして、ユーザが、抽選を行うことで発生した課金額を支払う場合には、抽選結果(プレイ)が有効となり、抽選により得られたアイテムをユーザは獲得することができる。
【0060】
また、ユーザが、抽選で発生した課金額を支払わない場合には、抽選結果(プレイ)が無効となり、抽選により選択されたアイテムをユーザは獲得することができない。
【0061】
なお、ユーザが、後払い条件を満たし、かつ支払い方式として前払い方式を選択した場合には、例えば、ユーザは、後払い方式よりも安い課金額で抽選を行うことができる。
【0062】
また、上記した後払い方式は、景品を獲得するゲームにも適用することができる。景品を獲得するゲームは、ゲーム自体をプレイする際に課金額が発生する。このようなゲームは、例えば、クレーンによって景品を把持し、景品を景品獲得口まで搬送することで、景品を獲得するクレーンゲームである。ユーザは、カメラによって撮影されている画像に基づいて、遠隔操作によってクレーンを操作することができる。
【0063】
このようなゲームにおいて、支払い方式が後払い方式である場合には、ユーザは、課金額を支払う前にクレーンを遠隔操作し、景品を景品獲得口まで搬送することができる。そして、ユーザが、クレーンを操作することで発生した課金額を支払う場合には、景品の搬送結果(プレイ)が有効となり、景品がユーザに配送され、ユーザは景品を獲得することができる。
【0064】
また、ユーザが、クレーンを操作することで発生した課金額を支払わない場合には、景品の搬送結果(プレイ)が無効となり、景品獲得口まで搬送した景品をユーザは獲得することができない。
【0065】
なお、上記した後払い方式は、端末装置2にアプリケーションがインストールされることでプレイ可能なゲームに適用されてもよい。
【0066】
また、上記した後払い方式は、オンラインゲームだけではなく、オフラインゲームに適用されてもよい。この場合、上記した情報処理装置1の一部の機能は、ゲーム機自体に組み込まれる。例えば、ユーザが直接操作するクレーンゲームを後払い方式でプレイ可能としてもよい。この場合、例えば、認証カードなどを用いて認証されたユーザが後払い方式でクレーンゲームをプレイすることが可能である。そして、ユーザが、プレイ後にクレーンを操作することで発生した課金額を支払う場合には、景品取り出し口が開き、ユーザは景品を獲得することができる。
【0067】
また、ユーザが、プレイ後にクレーンを操作することで発生した課金額を支払わない場合には、景品取り出し口は開かず、ユーザは景品を獲得することができない。
【0068】
[8.効果]
情報処理装置1は、ユーザがゲームをプレイした後に、プレイにより生じた課金額を支払うか否かを受け付ける。そして、情報処理装置1は、ユーザが課金額を支払う場合には、プレイを有効とし、ユーザが課金額を支払わない場合には、プレイの少なくとも一部を無効とする。
【0069】
これにより、ユーザは、課金額を支払う前にプレイを行い、プレイをした後に、プレイ結果に応じて課金額を支払うことができる。また、ユーザは、課金額を支払うことでプレイを有効とすることができる。そのため、情報処理装置1は、ユーザの満足度を向上させることができる。また、情報処理装置1は、ユーザが課金額を支払わない場合には、プレイの少なくとも一部を無効とすることで、ユーザの課金額の支払い状況に応じたゲーム進行を実現することができる。
【0070】
情報処理装置1は、ユーザの後払い回数を制限する。具体的には、情報処理装置1は、所定期間内におけるユーザの後払い回数を所定回数以下に制限する。これにより、情報処理装置1は、ユーザの満足度を向上させるとともに、ゲームの進行を多様化させてゲーム性を向上させることができる。
【0071】
情報処理装置1は、課金額の支払い方式を、前払い方式であるか、後払い方式であるかを受け付ける。これにより、ユーザは、課金額の支払い方式を選択することができる。そのため、情報処理装置1は、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0072】
情報処理装置1は、支払い方式が、前払い方式である場合、例えば、ユーザが支払い方式として前払い方式を選択した場合には、後払い方式である場合よりもプレイに対して特典を付与する。これにより、情報処理装置1は、プレイ結果が分かった状態で課金額を支払うユーザに対し、プレイ結果が不明な状態で課金額を支払うユーザの満足度を向上させることができる。
【0073】
[9.他の変形例]
変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが支払った支払額に基づいて後払い可能回数を制限、すなわち設定してもよい。例えば、変形例に係る情報処理装置1は、所定期間内にユーザが後払い方式で支払った支払い額が予め設定された所定金額以上である場合には、後払い可能回数を増加させる。なお、変形例に係る情報処理装置1は、支払い額が高くなるにつれて後払い可能回数を増加させてもよい。また、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが前払い方式で支払った支払い額を含む支払い額に基づいて後払い可能回数を制限してもよい。これにより、情報処理装置1は、例えば、支払い額が多いユーザに対して、後払い可能回数を増加させて、支払い額が多いユーザの満足度を向上させることができる。
【0074】
また、変形例に係る情報処理装置1は、後払い方式で発生した課金額に対するユーザの支払い状態に基づいて後払い可能回数を制限してもよい。例えば、変形例に係る情報処理装置1は、後払い方式で発生した課金額に対する不払い回数や、不払い額に基づいて後払い可能回数を制限する。
【0075】
具体的には、変形例に係る情報処理装置1は、後払い方式で発生した課金額に対する不払い回数が多くなるにつれて、後払い可能回数を減少させる。なお、変形例に係る情報処理装置1は、後払い方式で発生した課金額に対する不払い回数が、予め設定された所定上限回数となった場合には、後払い条件を満たさないと判定してもよい。
【0076】
また、変形例に係る情報処理装置1は、後払い方式で発生した課金額に対する不払い額が大きくなるにつれて、後払い可能回数を減少させる。変形例に係る情報処理装置1は、後払い方式で発生した課金額に対する不払い額が、予め設定された所定上限額となった場合には、後払い条件を満たさないと判定してもよい。
【0077】
これにより、情報処理装置1は、例えば、後払い方式で発生した課金額に対する不払い回数が多いユーザや、後払い方式で発生した課金額に対する不払い額が多いユーザに対して、ペナルティを与えることができる。
【0078】
また、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが支払った支払額や、後払い方式で発生した課金額に対するユーザの支払い状態などに基づいてポイントを算出し、算出したポイントに基づいて後払い可能回数を制限してもよい。例えば、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが後払い方式で課金額を支払った場合には、ポイントを「+1」とし、ユーザが後払い方式で課金額を支払わなかった場合には、ポイントを「-1」とする。そして、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザにおけるポイントに基づいて後払い可能回数を制限する。例えば、変形例に係る情報処理装置1は、ポイントが大きいほど、後払い回数を多くする。また、例えば、変形例に係る情報処理装置1は、ポイントが予め設定された所定ポイント以下の場合には、後払い条件を満たさないと判定する。
【0079】
これにより、変形例に係る情報処理装置1は、課金額に対するユーザの支払い状態に対して、ゲーム性を演出することができる。また、変形例に係る情報処理装置1は、例えば、支払い状態が良いユーザに対して後払い可能回数を増加させ、支払い状態が良くないユーザに対してペナルティを与えることができる。
【0080】
また、変形例に係る情報処理装置1は、特定ユーザ、例えば、所定の入会条件を満たしたユーザや、所定のサービス購入者にのみ、後払い方式を選択可能としてもよい。すなわち、変形例に係る情報処理装置1は、特定ユーザのみが後払い条件を満たすと判定してもよい。また、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが、特定ユーザである場合には、特定ユーザでは無いユーザよりも、後払い可能回数を増加させてもよい。
【0081】
これにより、変形例に係る情報処理装置1は、特定ユーザの満足度を向上させることができる。
【0082】
また、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが後払い条件を満たし、かつ前払い方式が受け付けられた場合であっても、支払い方式を特典が付与されない前払い方式に設定してもよい。また、変形例に係る情報処理装置1は、ユーザが後払い条件を満たさない場合であっても、支払い方式を特典が付与される前払い方式に設定してもよい。すなわち、変形例に係る情報処理装置1は、支払い方式を前払い方式にする場合には、ユーザが後払い条件を満たすか否かに関わらず、同一の前払い方式としてもよい。
【0083】
また、変形例に係る情報処理装置1は、特典が付与されない前払い方式をユーザが選択可能としてもよい。これにより、変形例に係る情報処理装置1は、ゲーム性を多様化させることができる。
【0084】
また、変形例に係る情報処理装置1は、支払い方式を後払い方式のみとしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態、および変形例に係る情報処理装置1を組み合わせて適用してもよい。
【0086】
[10.ハードウェアの構成]
上記してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、情報処理装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0087】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0088】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が決定したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0089】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、決定したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0090】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0091】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部12の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0092】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0093】
[11.その他]
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0094】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0095】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0096】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、通信部10は、通信手段や通信回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0097】
1 情報処理装置
2 端末装置
11 記憶部
12 制御部
30 受付部
31 判定部
32 設定部
33 決定部