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特許7471277データ整合性に基づいたコーンビームコンピュータ断層撮影における効率的な動き補償
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】データ整合性に基づいたコーンビームコンピュータ断層撮影における効率的な動き補償
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A61B6/03 550L
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021510439
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019072192
(87)【国際公開番号】W WO2020043536
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】18191715.4
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー ダーク
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】グラス ミカエル
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-170824(JP,A)
【文献】特開平06-114052(JP,A)
【文献】特表2007-521906(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100814(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージング機器によって異なる方向に沿って取得された可動物体の複数の投影画像であって、検出器の放射線感受性面に広がる投影領域内に規定された前記複数の投影画像からの投影画像を受け取るための入力インターフェースと、
前記投影画像が、取得中の前記可動物体の動きによって破損されているかどうかを判断する動きチェッカと、
動き破損があると前記動きチェッカが判断した場合かつその場合にのみ前記動きの推定値を計算する動き推定器と、
前記動きチェッカによる判断に基づいて、前記可動物体の断面情報を含む画像を再構成する再構成器と、
を含み、
前記動きチェッカは、少なくとも2つの投影画像に基づいて、前記複数の投影画像からの投影画像と少なくとも1つの他の投影画像との整合性を評価するコーンビームデータ整合性スコアであって、前記イメージング機器のイメージングジオメトリに関連するコーンビームデータ整合性スコアを計算し、
前記動きチェッカによる前記判断は、前記コーンビームデータ整合性スコアに基づいている、画像処理システム。
【請求項2】
前記再構成器は、前記複数の投影画像から前記可動物体の前記断面情報を含む前記画像を再構成し、前記投影画像は、前記動きチェッカが動き破損があると判断した場合かつその場合にのみ、前記再構成器によって無視される、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記動き推定器は、前記投影画像と、前記再構成器による第1のパスの再構成において得られた中間ボリュームとの間の3D-2D位置合わせを含む動き推定を計算する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記動き推定値に基づいて前記動きを補償して、動き補償された投影画像を得る動き補償器を含む、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記再構成器は、少なくとも前記動き補償された投影画像から前記画像を再構成する、請求項4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記投影画像は、前記位置合わせに基づいて再整列され、前記再構成器は、少なくとも再整列された前記投影画像から、第2のパスの再構成において画像を再構成する、請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記コーンビームデータ整合性スコア値を表示デバイス上で視覚化するビジュアライザを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記可動物体は、異なる物理的状態となることができ、前記物理的状態間で移行することができる、請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記動きチェッカは、前記投影画像が前記移行中に取得された場合に、動き破損があると判断する、請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項10】
前記動き補償器は、前記補償を行うために補正動作を適用し、前記動き補償器は、前記可動物体が前記物理的状態のいずれか1つである所定の物理的状態に移行する移行領域で計算された補正動作と同じ補正動作を、前記可動物体が前記所定の物理的状態にある間に取得された前記投影画像適用する、請求項4を直接的又は間接的に引用する請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記イメージング機器は、コーンビームコンピュータ断層撮影方式機器である、請求項1から10のいずれか一項に記載の画像処理システム。
【請求項12】
イメージング機器によって異なる方向に沿って取得された可動物体の複数の投影画像であって、検出器の放射線感受性面に広がる投影領域内に規定された前記複数の投影画像からの投影画像を受け取るステップと、
前記投影画像が、取得中の前記可動物体の動きによって破損されているかどうかを判断するステップと、
前記判断するステップによる、動き破損があるという判断に基づいて、
破損を引き起こした動きの推定を計算するステップと、
前記可動物体の断面情報を含む画像を再構成するステップと、
を含み、
前記判断するステップは、前記複数の投影画像からの投影画像と少なくとも1つの他の投影画像との整合性を評価するコーンビームデータ整合性スコアであって、前記イメージング機器のイメージングジオメトリに関連するコーンビームデータ整合性スコアに基づく、画像処理の方法。
【請求項13】
イメージング機器と、請求項1から11のいずれか一項に記載の画像処理システムと、
を含む、画像処理装置。
【請求項14】
少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると、前記少なくとも1つの処理ユニットに請求項12に記載の方法を行わせる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理方法、イメージング装置、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、コーンビームCT(コンピュータ断層撮影)スキャン中に患者の動きを検出する方法は、主に外部センサに基づいている。光学カメラベースのシステムで使用されている技法には、患者の皮膚に取り付けられる受動マーカ及び能動マーカが含まれる(ただし、これらに限定されない)。
【0003】
患者の動きは、特にコーンビームCTのイメージングを妨害する。これは、スキャン速度がファンビームCTシステムと比較して依然として遅いことによる。測定データに対する最初の再構成の剛体3D/2D位置合わせは、すべての投影画像に対して剛体運動を推定するためのデータ駆動型方法である。このデータ駆動型アプローチは、3D順投影を必要とし、この動作は計算コストが高いことから、かなりの時間を要する。例えば、A.Sisniega他の「Motion compensation in extremity cone-beam CT using a penalized image sharpness criterion」(Phys.Med.Biol.、第62巻、2017年、3712頁)を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、より反応が早いCTイメージングが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれる。なお、以下に説明する本発明の態様は、画像処理方法、イメージング装置、コンピュータプログラム要素、及びコンピュータ可読媒体に等しく適用されることに留意されたい。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、画像処理システムが提供される。画像処理システムは、
イメージング機器によって異なる方向に沿って取得された可動物体の複数の投影画像からの投影画像を受け取るための入力インターフェースと、
取得中の物体の動きによって投影画像が破損されているかどうかを判断する動きチェッカと、
動きチェッカによる判断に基づいて、物体の断面情報を含む画像を再構成する再構成器とを含む。
【0007】
実施形態では、動きチェッカは、投影画像が規定される投影領域において、好ましくは排他的に動作する。投影領域には、検出器の放射線感受性面が広がる。投影領域は好ましくは2Dである。これにより、3Dでの複雑な計算が不要であるため、判断を迅速に行える。動きチェッカの動作は、尺度又はスコア、すなわち、数を計算することを含み、この尺度は、決断のために1つ以上の閾値と比較され得る。システムが再構成器を含むことが好ましいが、これは必須ではなく、また、教示目的のため、又は患者の動き挙動を分析するときなど、必ずしも再構成がなくても、動きチェッカの出力が考慮される代替案が想定される。
【0008】
実施形態では、尺度は、データ整合性を評価する。実施形態では、基礎となるイメージングジオメトリの仮定に由来するデータ冗長性が利用される。データ冗長性に対する妨害に敏感な数値尺度が構築され、そのような妨害は患者の動きによって引き起こされたものとみなされる。
【0009】
一実施形態では、再構成器は、複数の投影画像から物体の断面情報を含む画像(3Dボリュームなど)を再構成するが、動きチェッカが動き破損があると判断した場合にのみ、投影画像は再構成器によって無視される。
【0010】
一実施形態では、システムは、動きチェッカが動き破損があると判断した場合にのみ、動きの推定値を計算する動き推定器を含む。
【0011】
一実施形態では、システムは、動き推定値に基づいて動きを補償して、動き補償された投影画像を得る動き補償器を含む。動き補償された画像を形成することは、(ピクセルで符号化された)画像情報を変更することを含み得るが、代わりに、投影画像に割り当てられたイメージングジオメトリのみを変更することを含んでもよい。他の実施形態では、イメージングジオメトリ及びピクセルの両方が変更されてもよい。
【0012】
好ましい実施形態では、動きチェッカの計算量は、動き推定器及び動き補償器の計算量よりも少ない。これにより、動き推定及び補償は動き破損された投影画像に対してのみ行われるので、計算時間をさらに短縮できる。好ましくは、システムはモジュラー式であり、動きチェッカは、動き推定器及び/又は動き補償器とは異なる処理段として配置される。好ましくは、動き推定及び動き補償も別個の段として配置され、これらを使用できる。
【0013】
これらの実施形態では、再構成器は、少なくとも動き補償された投影画像から画像を再構成する。画像は、3Dボリュームであってよい。
【0014】
一実施形態では、動きチェッカは、少なくとも2つの投影画像に基づいて、イメージング機器のイメージングジオメトリに関連する整合性スコアを計算し、動きチェッカによる判断は、上記スコアに基づいている。
【0015】
一実施形態では、システムは、スコア値を表示デバイス上で視覚化するビジュアライザを含む。
【0016】
一実施形態では、物体は、異なる物理的状態となることができ、また、物理的状態間で移行することができる、
【0017】
一実施形態では、動きチェッカは、投影画像が移行中に取得された場合に、動き破損があると判断する。
【0018】
一実施形態では、動き補償器は、補償を行うために補正動作を適用し、動き補償器は、物体が物理的状態のいずれか1つにある間に取得された投影画像又は他の1つ以上の投影画像に同じ補正動作を適用する。これにより、動き推定を投影画像に対して個別に新たに行う必要がなく、再利用できるため、さらに一層計算時間を削減できる。
【0019】
さらなる態様によれば、画像処理方法が提供される。方法は、
イメージング機器によって異なる方向に沿って取得された可動物体の複数の投影画像からの投影画像を受け取るステップと、
投影画像が、取得中の物体の動きによって破損されているかどうかを判断するステップと、
上記判断ステップによる判断に基づいて、物体の断面情報を含む画像を再構成するステップとを含む。
【0020】
投影画像は、検出器の放射線感受性面が広がる投影領域内で規定され、投影画像が動き破損されているかどうかを判断するステップは、実施形態では、投影領域内で行われる1つ以上の動作に基づいている。ここでも、システムについて上述したように、実施形態では、再構成ステップを省略してもよい。
【0021】
さらなる態様によれば、イメージング機器と、上記の実施形態のいずれか1つによるシステムとを含む画像処理装置が提供される。
【0022】
さらなる態様によれば、少なくとも1つの処理ユニットによって実行されると、処理ユニットに方法を行わせるコンピュータプログラム要素が提供される。
【0023】
さらなる態様によれば、プログラム要素を格納したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0024】
動き補正を動き破損されている投影に限定したことにより、動き補正の全体的なロバスト性が向上される。さらに、動き補正によるアイソセンタ又は向きの変化などの影響が回避される。
【0025】
実施形態では、動きによって実際に影響を受けているビューに対してのみ、順投影及び3D/2D位置合わせを行うことによって、第2のパスの動き補償された再構成を行う効率的なやり方が提案される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の例示的な実施形態について、次の図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1図1は、イメージング装置の概略ブロック図を示す。
図2図2は、コーンビーム用の例示的なイメージングジオメトリを示す。
図3図3は、画像処理システムの概略ブロック図を示す。
図4図4は、動き破損を確定するためのスコア値の曲線を示す。
図5図5は、画像処理方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1を参照すると、イメージング装置IAの概略ブロック図が示されている。
【0029】
イメージング装置1Aは、特に、X線イメージング機器XA(「イメージャ」)、好ましくはコーンビームタイプのCT(コンピュータ断層撮影)スキャナと、画像処理システムIPSとを含む。イメージング機器は、Cアーム又はUアームスキャナとして可動又は固定ユニットとして配置されるか、又はドーナツ型ガントリ内に配置され得る。
【0030】
画像処理システムIPSは、画像取得中にX線イメージャXAによって取得された投影画像πを処理する。画像処理システムIPSは、汎用コンピュータなどの計算ユニットPU上のハードウェア回路及び/又はソフトウェア構成要素として構成され得る。画像処理システムは、通常、1つ以上のX線イメージャXAに関連付けられているワークステーション上に実装され得る。実施形態では、画像処理システムIPSが1つ以上のイメージャXAのために機能するクラウドベースのアーキテクチャも想定される。画像プロセッサは、集積回路、FPGA、ASICなどの専用ハードウェア構成要素として少なくとも部分的に実装され得る。IPSは、X線イメージャXAに(完全に)統合されていてもよい。X線イメージャXAから画像プロセッサIPSへの投影画像πの通信は、有線又は無線通信ネットワークを介して行われ得る。
【0031】
イメージャXAを使用するとき、患者PATの関心領域(ROI)は、イメージャXAのX線源XSとX線感受性検出器Dとの間の検査領域に配置される。画像取得の間、X線源XSは、関心領域の周りの軌道又は軌跡Tを辿るように移動する。実施形態では、検出器Dも、X線源XSと協働して上記軌跡を辿り、関心領域の周りのX線源の移動中、X線源XSの反対側にあり続ける。好ましくは、必須ではないが、軌跡は、平面円又は楕円の少なくとも一部である。軌跡は、必ずしも閉じた形である必要はない。
【0032】
あるいは、検出器Dが、患者PATがその中に位置する管又はリングとして本質的に配置され、X線源だけが上記管又はリング内の軌跡Tを追跡する、より高い世代のイメージャXAもまた、本明細書で想定される。軌跡Tに沿ったX線源XSの移動中、少なくとも関心領域を照射するようにX線ビームがX線源XSによって生成される。関心領域は、頭部、心臓、胸部、脚部、膝などの患者PATの任意の解剖学的部分であってよい。
【0033】
本明細書で好ましく想定されるコーンビーム装置のため、ビームXBの空間形状は、図1の破線の楕円によって示されるような空間コーンの空間形状である。コーンは、円形又は楕円形の断面を有する。コーンビームタイプは、ビームが発散平面扇形の形を有するか、又は平行ビームジオメトリが使用される他のタイプのCTイメージング機器とは対照的である。これらの他のタイプのいずれにおいても、ビームは実質的に2D構造であるのに対して、コーンビームは3D構造である。
【0034】
X線ビームXBは、患者PATの組織と相互作用する。その結果、ビームXBは吸収、位相シフト/偏差、及び種々の散乱のために、特に減衰を経験する。この相互作用のために、X線ビームXBは変更され、(X線源の位置に対して)遠い側で患者から出て、検出器Dの検出器感知表面に衝突する。検出器表面は2D構造である。
【0035】
行及び列に配列された検出器ピクセルは、検出器表面をレイアウトするか又は他の方法で形成し、変更された放射線を検出する。検出器ピクセルによる検出動作は、変更された放射線を電気信号に変換することを含む。電気信号は、データ取得ユニットDAQによって、デジタル投影画像のインスタンスを形成する一組の数(「投影画像値」又は「p値」)に変換される。線源XSが、患者PATに対して異なる空間位置をとるように軌跡Tに沿って適切な増分で移動するにつれて、そのような位置ごとに、異なる投影画像(又はフレーム)が検出器によって検出される。このようにして、(投影)画像取得の終了時には、投影画像の集合(軌跡T上の各位置に対して1つ以上)が得られる。
【0036】
本明細書で主に(ただし、排他的にではなく)想定されるコーンビームのジオメトリのために、各投影画像は、好ましくは行列(u,v)に配列され格納されるp値の2次元アレイである。
【0037】
X線源XSが患者の周りで完全な曲線(例えば、円)を辿ることが可能であるが、必ずしも必要ではない。通常、180°以下の円弧で十分である。
【0038】
投影画像の集合は、画像処理システムIPSに転送され得る。投影画像は、画像取得中に、それらが取得されるときにそれぞれ転送されても、一括して、一度に異なるセットで転送されてもよい。あるいは、すべての投影画像を、画像取得の終了時にまとめて転送してもよい。
【0039】
画像処理システムは特に、再構成器RECONを含む。再構成器RECONは、コーンビームタイプのイメージングに適切に調整された再構成アルゴリズムを実行するソフトウェア構成要素又はハードウェア構成要素である。大まかに言えば、再構成器は、投影画像を処理して、患者PATの体内の内部構造(器官、組織界面、病変など)の点を特に表す、ボクセルVxと呼ばれる画像値から構成される3D画像ボリュームを生成する。
【0040】
次いで、このボリュームVを通る特定のビュー、レンダリング、又は断面が、適切なリフォーマッタ又はレンダラによって生成されて、ビジュアライザVIZに渡される。ビジュアライザVIZは、画像値をグレー値又はカラー値にマッピングする。ビジュアライザVIZは、グラフィックス回路と対話して、表示デバイスDDを制御する。次いで、3Dボリュームの要求された断面画像又はレンダリングなどの視覚的表現が表示デバイスDD上に表示され、診断、ナビゲーション、介入計画又は他のタスクにおいてユーザ(例えば、放射線科医)を支援することができる。
【0041】
ここで、再構成器RECONをより詳細に参照すると、この構成要素は、投影画像から3D画像ボリュームへのマッピングを実施する。上から分かるように、投影画像は、検出器Dの放射線感受性面を形成するピクセルによって規定される。この面は通常平面であるが、曲面検出器も本明細書において想定されていることから、すべての実施形態において必ずしもそうとは限らない。投影画像が規定されるこの検出器面を、投影領域と呼ぶ。これと区別するために、また、これに加えて、X線源及び好ましくは検出器が軌跡を追跡するときにその周りを回転する検査領域の3D空間内のグリッド点によって形成される第2の領域もある。再構成画像、すなわち、ROIの断面画像を含む3Dボリュームは、再構成の結果として再構成器RECONによってグリッド点に割り当てられるボクセル値によって規定される。したがって、再構成演算は、投影画像πを入力とし、画像値を計算し、3D内のボクセル位置に割り当てる。したがって、ボクセル位置における画像値は合わせて計算されて、再構成3DボリュームVが形成される。コーンビームは、ファンビーム又は平行ジオメトリイメージングとは異なる。従来のビームジオメトリでは、X線源は、複数の断面画像を取得するために患者の長手方向軸に沿って前進する必要がある。これらの断面画像は画像ボリュームとなるようにスタックされる。コーンビームCTでは、イメージングが真に又は本質的に3Dであり、個々の断面画像を再構成し、これらをスタックする必要がない。コーンビームCTでは、完全な3Dボリュームが再構成されると、リフォーマットなどの比較的簡単な演算によって断面画像を計算することができる。
【0042】
ファンビーム又は平行ジオメトリスキャナで取得した投影画像では、従来のフィルタ付き逆投影(FBP)アルゴリズムを使用して再構成を行うことができる。コーンビームジオメトリでは、発散ビームジオメトリのために、これは通常当てはまらない。L.A.Feldkamp他の「Practical cone-beam algorithm」(J.Opt.Soc.Am.A/第1巻、第6号、1984年6月)の専用コーンビーム再構成アルゴリズムなどの専用のコーンビーム再構成アルゴリズムが過去に開発されている。ファンビームのジオメトリも発散型であるが、この発散は平面に限定され、一方で、複数の発散平面が存在するコーンビームには当てはまらないことが理解されるであろう。
【0043】
ファンビームや平行ジオメトリビームのより単純なビーム構造は、それぞれの再構成アルゴリズムを導出する際に、特定の単純化仮定を行うことを可能にする。FBPなどのこれらのアルゴリズムは、フーリエ変換及びラドン変換の理論的操作を通して到達される。これらの単純化仮定は、コーンビームの場合でもはや行うことができない。しかしながら、コーンビーム状況をファンビーム又は平行ジオメトリの場合のそれに少なくとも近似的に変換するように、特定の変換G(以下により詳細に説明する)を投影データに適用できることが観察され、報告されている。Bruce Smithがこのことについて書いている。例えば「Cone-beam tomography: recent advances and a tutorial review」(OPTICAL ENGINEERING、第29巻(5)、524~534頁)を参照されたい。
【0044】
再構成画像V(π)の精度の大部分は、基礎となるイメージングジオメトリに関連する特定のモデル仮定に基づいている。図2に、これらの仮定をよりうまく説明するために、1つの基礎となるイメージングジオメトリを概略的に示す。図2は、具体的にはX線源の平面軌跡Tが位置する平面Π(T)を示す。実施形態では、この軌跡Tは、円、楕円又は他の閉曲線の一部である。非平面のTもまた、実施形態において想定され得る。Tの曲線自体は閉じている場合もあるが、軌跡T自体は通常そうではなく、代わりに円弧などの曲線の一部のみを形成する。
【0045】
軌跡の平面Π(T)に対して、検出器Dの平面Π(D)が垂直である。2つの平面の交点は、3D座標系(U,V,W)の1次元を規定する。別の次元Wは、平面Π(D)に対して垂直であり得る。したがって、検出器平面内の点は、局所座標(u,v)によって記述され得る。座標系の原点「0」は、U及びVと、軌跡の平面Π(T)に垂直でかつその内に延在し、また、X線源XSの位置に向かって延在する第3の次元wとの交点で規定され得る。
【0046】
座標系全体は、周囲の破線の円上の矢印によって示されるように、X線源XSと共に移動(例えば、回転)される。具体的には、図2は、軌跡T上のX線源XSの所与の位置についての構成を示す。平面Π(D)は関心領域を通過し、それと交差する中心平面を表す。ビームのコーンビーム構造により、複数のそのような平面が存在することが理解されるであろう。これらの平面は、中心平面Π(D)に平行であり、中心平面に対して-v及び+v方向にずれている。
【0047】
例示的なボクセル点Vxが、3D空間内のグリッド点上に位置するものとして示されている。より良く例示するために、この例示的な場合では、ボクセルVxは平面Π(T)外にある。幾何学的光線が、光線に沿ったすべてのボクセルVx(1つのみを示す)の像点P(Vx)を規定し、X線源XSの特定の位置αλについて検出器Dによって記録される。線源XSの位置は、位置パラメータλによってパラメータ化されたベクトルαによってパラメータ化され得る。パラメータは角度であってもよい。検出器表面Π(D)上の像点P(Vx)の位置(u,v)は、上記幾何学的光線と検出器表面Π(D)との交点である。像点P(Vx)の画像値は、上記幾何学的光線上にあるすべてのボクセル(Vxを含む)の線積分である。幾何学的光線は、X線ビームの一部が進む経路をマークする。すべてのボクセルVxに対するすべての幾何学的光線(1つのみを示す)は合わされて空間コーンを形成する。図2の構成は、イメージングジオメトリを規定する。図2に示すイメージングジオメトリは、検出器とX線源との間の空間的関係、及びイメージング物体(この例では患者の解剖学的構造又は関心領域)に対するそれらの空間的関係を規定する。
【0048】
基礎となるジオメトリに基づくこのモデル化の仮定は、例えば、各投影画像πが軌跡T上の事前に規定された線源XS位置から取得されることを必要とすることがある。したがって、投影画像πと線源XSの位置パラメータλとの間に関連付けが存在する。さらに、軌跡Tは、画像取得全体を通して不変と仮定される事前に規定された形状を有すると仮定される。図2の例示的な実施形態の場合、Tの形状は、円形であるか、少なくとも円弧であると仮定される。事前に規定された軌跡を仮定することは、線源と患者PATとの間、又は少なくとも線源XSと関心領域ROIとの間の不変の空間的関係を暗示する。
【0049】
残念なことに、これらのモデル仮定は、患者の動きを含む外部因子により妨害されることがある。例えば、脳スキャンの間に、患者は、咳払いしなければならないことがある。これは、X線源XSが事前に規定された軌跡T上でその経路を辿る間に、画像取得中に頭部の動きを引き起こす。動きが生じたとき、基礎となるジオメトリの仮定はもはや適用されないか、又は取得全体を通して有効でなくなり、考慮されなければ、イメージングアーチファクトがもたらされる。例えば、関心領域の動きがある場合、相対軌跡Tはもはや円形ではなく、より複雑な仮想形状を有するボクセル位置がある。したがって、基礎となるモデル化の仮定は壊れ、再構成アルゴリズムは、少なくとも局所的に、画質(「IQ」)を損なうアーチファクトをもたらす可能性がある。
【0050】
この状況を軽減するために、提案される画像処理システムIPSは、画像取得中に生じる可能性がある動き破損を補償又は相殺することを可能にする動き合成機能を含む。
【0051】
しかしながら、現存の動き補償方式とは異なり、提案される画像処理システムは選択的である。つまり、出願人によって発見されたように、画像取得中に、すべての投影画像が動きによって破損されるわけではない。したがって、すべての投影画像が動き補償されなければならないわけではない。例えば、上記の脳イメージングの例では、外乱は、画像取得の初めから終わりまでショートバーストで発生する。例えば、咳発作によって引き起こされる頭部の動きは、時間的に分離した「特異点」であり、非常に短い期間に急激な動きのピークを引き起こす。したがって、本出願人は、動き破損によって実際に影響を受けた投影画像に対してのみ動き補償を行う、的を絞った又は選択的な動き補償を提案する。したがって、動きによって影響を受けていない残りの投影画像は保持されるか、又は、ある場合に、少なくとも、動き補償が、すべての投影画像の集合のうちのいくつかのフレームについて単純化されてもよい。この選択的アプローチにより、計算時間が削減され、再構成の反応をより早めることができる。
【0052】
画像処理システムIPSの動作をより詳細に説明する前に、以下の観察が役立つであろう。図2のイメージングジオメトリの上記の説明から、投影画像は、以下の情報成分を含むことが明らかになるであろう。すなわち、投影画像は、検出器ピクセルによって記録された行及び列(u,v)にされた画像値P(Vx)を含むが、基礎となるイメージングジオメトリにおける各像点P(Vx)の予想される空間位置λ、特に、線源XSに対するその関係、及び/又は線源からROIを通って像点P(Vx)までの光線に沿った関連するボクセル位置Vxも含む。さらなるジオメトリ情報は、検出器の位置、検出器の向き、患者テーブルの位置、又はアイソセンタ位置のうちの任意の1つを含み得るが、これらに限定されない。したがって、投影画像は、π=(u,v,λ)と書くことができ、(u,v)は画像ピクセルであり、λはイメージングジオメトリを記述する3D空間座標である。イメージングジオメトリは、特に、取得時の3D空間における線源XSの位置について記述する。したがって、ある線源位置αλで取得された所与の瞬間における任意の1つの投影画像は、画像情報(u,v)と、本明細書でλと呼ぶそのイメージングジオメトリの空間座標とを含む多成分構造である。「λ」は、一般的な意味で使用され、必ずしも図2の例示的な円形ジオメトリに関係するとは限らない。空間情報、特に空間座標λは、例えば、対応する投影画像などのヘッダファイル内に符号化されることによって、各投影画像に適切に関連付けられる。あるいは、空間情報は、較正データファイルなどのファイルとしてメモリに別個に格納されてもよい。
【0053】
座標λは、空間における対応する投影画像とROIとの予想される空間構成を指定する。特に、座標は、ROIとX線源XS及び/又は検出器Dとの予想される空間コンステレーション(配置)を指定する。
【0054】
ここで図3を参照すると、本明細書で想定される動き補償機能を有する画像処理システムIPSの概略ブロック図が示されている。
【0055】
画像処理システムは、入力ポートINを含み、ここで、好ましくはAD変換後に、動き破損された可能性のある投影画像πがイメージャXAから受信される。πはまた、PACS又は他のメモリなどの記憶装置からイメージング後に取得されてもよい。
【0056】
各投影画像は、数の行列として表現可能である。各投影画像は、上述したように、基礎となるイメージングジオメトリに対応する特定の空間座標に関連付けられている。
【0057】
投影画像のいくつか、又は好ましくはすべてが、動きチェッカMCHによって処理される。動きチェッカMCHは、投影画像の所与のフレームが動きによって破損されているかどうかを確定するためにスコアを計算することを可能にする動き検出尺度meas(π)を使用する。一実施形態では、コーンビームデータ整合性尺度meas(・)=DCC(・)が、例えば「4th International Conference on Image Formation in X-Ray Computed Tomography」(2016年7月18~22日、ドイツ、バンベルグ)で発表されたJerome Lesaint他による「Two cone-beam consistency conditions for a circular trajectory」において報告されているように、かつ、以下で図5でより詳細に説明されるように、使用される。実施形態では、DDCは、投影画像を構成するいくつかの又はすべての他のフレームとのフレームの整合性を評価する。実施形態では、基礎となるイメージングジオメトリ及び/又は静止している被験者の仮定との画像πの整合性が定量化される。
【0058】
所与のπについての動き破損尺度meas(π)は、所与の投影画像πの前及び/又は後に取得された追加の投影画像の関数であってよい。好ましくは、少なくとも2つの投影画像が処理されて、所与の投影画像πに対するスコアmeas(π)が生成される。例えば、一実施形態では、所与の投影画像πλ1の場合、所与の画像πλ1のスコアを計算するために、後の時点λ<λで取得された後続の画像πλ2も使用される。3つ以上の後続の投影画像及び/又は1つ以上の前のフレームも、所与の時点πλ1についての計算に含められ得る。本明細書で使用される場合、「前の」又は「後の」フレームは、投影画像が取得されたときにX線源XSがある位置を規定する位置パラメータλに対応し得る。
【0059】
投影画像又はそのセットは、物体が動いている間に取得された場合、動き破損されているとみなされる。さらに、少なくとも2つの投影画像からなるセットは、それらが物体が2つの異なる物理的状態にあるときに取得された場合、動き破損されているか、又は不整合であるとみなされ得る。したがって、1つの状態で取得された1つのフレームは、物体の異なる状態で取得されたフレームと比較して、動き破損されてる可能性がある。本明細書で使用される「状態」の概念は、後に図4Bにおいて詳述される。
【0060】
まず、画像処理システムIPSをより詳細に参照すると、選択的な動き補償の様々な実施形態が想定される。
【0061】
これらの実施形態のうちの1つでは、画像処理システムIPSは、動きチェッカMCHをフィルタとして機能させることによって実装される。例えば、一実施形態では、動き破損されていない投影画像のみが、画像処理システムの次の段に転送される。患者の動きに起因する破損情報を含むものとして動きチェッカによって判断された投影画像は破棄され、IPSによってそれ以上処理されない。具体的には、ボリュームVを再構成する際に再構成器によって使用されない。この実施形態では、動きチェッカMCHは、投影画像のセット全体から動き破損されていない画像のみを実質的にフィルタリングし、これらのみが、3DボリュームVに再構成されるように、再構成器RECON(図3の点線)に渡される。この実施形態では、再構成器RECONは、全投影画像の元の集合のうちの真のサブセットからのみ再構成する。次いで、再構成されたボリュームは、出力ポートOUTで出力された後、記憶されても、表示デバイス上での視覚化のために処理されても、他の方法で処理されてもよい。
【0062】
しかしながら、好ましい実施形態では、動き破損された投影画像は破棄されずに、動き推定段MEに渡されることによってさらに解析される。動き破損があるかどうかの指示を提供する動きチェッカMCHとは対照的に、動き推定器は、考慮される投影画像に関連する経験された動きの推定値
【数1】
を実際に計算する。
【0063】
次いで、この動き推定値は、動き補償器MCに転送され、そこで、動き破損された投影画像の補正動作が行われる。
【0064】
これらの実施形態のいずれにおいても、動きチェッカの動作は、閾値に基づく。つまり、すべての動き破損が等しく重大であるとみなされるわけではない。閾値に基づいて、物体の十分に大きい動きの間に取得された投影画像のみが、動き破損されているとフラグが立てられる。
【0065】
閾値化は、動き補償器によって使用され得る。動きチェッカによって計算された動き尺度は、閾値と比較される。例えば(ただし、これは慣例ではあるが)、特定の閾値を超えた場合にのみ、イメージング物体が十分に動いているときに起きたとみなされる。
【0066】
動き補償器によって行われる補正動作は、動き破損されていることがわかったフレーム内の画像情報を変更することを含む。他の好ましい実施形態では、フレーム内の画像情報は変更されないが、推定された動き
【数2】
に基づいて、そのフレームの関連する座標に対して座標変換
【数3】
が行われる。このようにして、考慮される投影画像には、イメージングされた物体及び軌跡Tに関して空間内の新しい位置が割り当てられる。あるいは、
【数4】
であり、したがって、ピクセル画像情報(u,v)は維持され、空間イメージングジオメトリ座標λのみがλ’に変更される。いくつかの実施形態では、変換
【数5】
は、投影画像のうちの1つ以上の投影画像のジオメトリを再割り当てするように、画像を再分類する。頭部イメージングなどの一実施形態では、2つ以上の投影画像が
【数6】
によって同じジオメトリに再割り当てされる。これは、例えば脳イメージングにおいて、例えば画像取得中に、患者PATが頭部を左から右に向けたときに起こる可能性がある。したがって、2つの投影画像をλにより異なる方向から取得することができるが、これらは同じ情報、すなわちROIのビューを表す。
【0067】
次いで、保持されたフレーム(もしあれば)と共に動き補正された投影画像の集合が、再構成器RECONに転送された後、出力ポートOUTで出力される動き補償された3Dボリュームに再構成される。
【0068】
いくつかの実施形態では、動き推定器ME、動き補償器MC及び再構成器RECON間にフィードバックループがあってもよい。例えば、一実施形態では、推定器MEによる動き推定は、3D/2D位置合わせを含む。この実施形態では、第1のパスで画像ボリュームV’を得るために、結果が動き破損され得ることを知りつつ、第1の再構成が行われる。次いで、中間ボリュームV’を順投影し、投影領域における投影画像と比較する。偏差がある場合、投影画像を再整列させるために位置合わせが行われ、そのように再整列された投影画像は次に、第2のパスで再構成器に再び転送される。次に、第2のパスにおいて、再構成器RECONは、補正された、すなわち再整列された投影画像から、残りの破損されていない投影画像(ある場合に)と共に、動き補償された最終3DボリュームVを再構成する。
【0069】
ここで、提案される画像処理システムIPSの動作の実施形態を、図4A図4Bの曲線をさらに参照して説明する。図4A図4Bのグラフにおいて、それぞれのスコアDCCは、例示的な番号付け1~600で示されるそれぞれの投影画像フレームにわたって捕捉される。投影画像の番号付けは、縦軸DCCに沿ったスコア値に対する横軸に沿って示される。円錐ビームCT頭部スキャンのための中心平面のデータ整合性尺度が取られる。
【0070】
図4Aは、一実施形態による動きチェッカと動き推定器との相互作用を示す。動きチェッカは、いくつかの又は各フレームπについて、尺度DCC(π)を計算する。尺度は、動き破損に敏感である。好ましくは、尺度DCCは、投影領域全体で計算される。すなわち、投影領域が埋め込まれている周囲の3D空間の「外へ出る(stepping outside)」ことは不要である。特に、スコアを計算するための3D-2D位置合わせは不要である。より一般的には、実施形態では、スコアは、ジオメトリ情報λ以外の、周囲の3D空間からの情報を使用せずに計算できる。
【0071】
各投影画像フレームπについて計算されたスコアは、図4Aの右斜線の幅広間隔のハッチングで設定されたエリアによって示されるように、閾値に対して処理され得る。スコアが閾値を超えるフレームπは次に、動き破損されているとしてフラグが立てられ、次に、これらのみが動き推定される。当然ながら、他の実施形態では、使用される特定の尺度に応じて、閾値を下回る低下が動き破損を示す逆の状況があってもよい。
【0072】
動き破損されていることがわかっており、個々の動き推定が行われたフレームが、図4Aの下部に示されている。このようなフレームは、左斜線幅広ハッチングによって示されている。これらのフレームについてのみ、それぞれの動き推定値に基づいて動き補償が行われる。残りの投影画像(右斜線幅細ハッチングで示される)は、変更されないままである。
【0073】
図4Aによるアプローチは有用であり、本明細書において、実施形態において想定されているが、図4Aの実施形態の改良版と考えられる図4Bに示される第2の実施形態も想定される。この第2の実施形態では、動き推定は、動きによって破損されていることが分かっている特定のフレームに限定される。動きは、所与のフレームについて推定されると、他のフレームについて再利用され得る。具体的には、この実施形態は、イメージングされる物体が、左、真っ直ぐ、右などの人間の頭部の異なる姿勢又は向きなどの異なる物理的状態を取ることができる場合に特に有用である。物体は、ある状態になると、その状態に特定の期間の間留まる。例えば、頭部は、左又は右の特定の位置に静止する。ある状態になると、その状態に留める期間には動きはない。しかしながら、1つの状態から別の状態に移ると、例えば、頭部が左からまっすぐ又は右へと向けられると、動きが生じる。それぞれの状態は、動き破損スコアDCC曲線におけるプラトー領域PL1及びPL2によって示される。プラトー領域は、異なるレベルを有していても有していなくてもよい。
【0074】
図4Bは、物体がなり得る2つの異なる物理状態又はフェーズPH1及びPH2を示す例示的な状況を示す。あるフェーズになると、1つ、2つ、又はそれ以上の移行領域によって示されるように、別のフェーズに戻る、又は別のフェーズに移るまで、特定の期間の間、そのあるフェーズにおける動きはない。図4Bの例では、3つの移行領域TR1、TR2、TR3が示されている。
【0075】
ここでは、このような移行期間TR1、TR又はTR3の間に取得された投影画像に対してのみ、個々の動き推定を適用することが提案される。物体が(それぞれのプラトーPL1及びPL2によって示される)所与の同じ状態に留まっている間に取得された投影画像については、個々の動き推定は不要である。そのスコアがプラトーPL1、PL2を形成する投影画像は、真っ直ぐのハッチングのセクションによって下部に示されている。
【0076】
例えば、先行する移行フェーズTR又はTR2からの投影画像のうちの1つについて取得された動き推定値を、各後続のプラトー領域内のすべての投影画像に使用してもよい。より具体的には、また、プラトー領域PL2を参照すると、フレーム毎の個々の動き推定は、先行する移行フェーズTR2における投影画像に対してのみ行われ得る。動き補償は移行領域について行われるが、動き推定は、後続プラトー領域PL2内のすべての投影画像に対してそのまま再利用され得る。これは、プラトー領域において個々の推定を行う必要がないため、計算時間を節約できる。ROIが所与の物理状態PH1、PH2にある間に取得された投影画像は、先行する移行領域で計算された1つの再利用動き推定に基づく同じ補正動作を使用して動き補償される。同様の考察は、PL1などの他のプラトー領域にも当てはまる。これらにおいても、先行する移行領域TR2において取得された投影画像に基づいて計算されたものと同じ動き推定値が使用される。フェーズのうちの1つ(PH1)は、動き推定を行う必要がない基準又は基底フェーズであることが理解されよう。基底フェーズPH1で取得された投影画像は、図4Bの前述のように変更されないままにされる。移行領域からの動き推定値を再利用する場合、移行フェーズからの最新又は最後のそのような投影画像に対する推定値を使用することが好ましい。上記は、3つ以上のフェーズ及び任意の2つのこのようなフェーズの間の移行に容易に一般化され得ることが理解される。
【0077】
実施形態では、一連の投影画像にわたって計算されたスコア値自体を表示デバイスDD上に視覚化し得る。実施形態では、視覚化は、図4A図4Bに示されるように構成され得る。任意選択で、関与する閾値についての視覚的指示もまた、図4A図4Bに示されるように示される。スコア値の視覚化は、取得中に発生した動きの量に関するフィードバックをユーザに提供する。本明細書で提案されるシステムは、ユーザ対話を必要とせずに完全自動であるが、ユーザは依然として、適切なユーザインターフェースによって介入することができる。例えば、視覚化されたスコア値曲線に基づいて、ユーザは、場合によってはシステムIPSを無効にして、特定のフレームに個別の動き補正を適用することを決定することができる。
【0078】
ここで、画像処理システムの動作の基礎となる画像処理方法のフロー図を示す図5を参照する。しかしながら、以下のステップは、それら自体で教示として理解され、図2の画像処理システムIPSのアーキテクチャに必ずしも結びついていないことが理解されるであろう。
【0079】
ステップS510において、X線イメージング機器から投影画像が受信される。これらは、関心領域に対して異なる方向から取得される。あるいは、投影画像は、取得後にメモリに記憶され、後にそこから取り出されてもよい。しかしながら、好ましくは、投影画像は、イメージャXAから適切なインタフェースINを介してリアルタイムで受信される。投影画像は、ピクセル(u,v)での画像情報を含み、また、取得に使用されたイメージングジオメトリに関する空間情報λを含む。所与の投影画像の空間座標は、領域に対するX線源の空間における位置を表す。これは、投影画像が取得されたときにX線源がとっていた位置である。空間情報は、各投影画像に関連する空間座標を含み得る。空間座標は、取得時間における各投影画像の位置とグリッド点(ボクセル位置)との間の空間関係を記述し得る。コーンビームCTのイメージングでは、図2に示すジオメトリが使用されてもよい。患者がグリッド点に対して静止したままであるという仮定もあり得る。少なくとも、例えば、患者を患者テーブルと共にX線システムに対して移動させるなど、起こるあらゆる動きは、事前に規定されているか又は知られているという仮定があり得る。これらの仮定のいずれかが満たされない場合、いくつかの又はすべての投影画像は、患者の動きに起因して動き破損されている可能性がある。
【0080】
ステップS520において、投影画像が処理され、いくつかの又は各投影画像について尺度又はスコアが計算される。スコアは、所与の投影画像の動き破損があったか否か、すなわち、各投影画像が取得されたときに患者の動きがあったかどうかを判断するために使用される。実施形態では、動き破損があったか否かの判断は、スコアを1つ以上の閾値と比較することによる閾値化に基づいている。尺度を計算するステップS520は、好ましくは、ステップS510において受信された全投影画像のサブセットに対して行われる。
【0081】
実施形態では、1つ以上の投影画像を使用して、所与の1つの投影画像の動き破損スコアを計算し得る。1つ以上の投影画像は、所与の投影画像が参照画像と整合するかどうか、したがって、所与の画像が動き破損されているか否かを判断するために、参照画像を提供できる。実施形態では、上述のLesaintの論文など、他の場所で報告されているように、スコアデータ整合性条件DCCを使用することが想定される。DCCは、Lesaintなどによって示されるように、再構築(reformulation)を使用することによって効率的に評価できる。
【0082】
ステップS520において、動きに敏感である限り、任意の適切な尺度を使用してスコアを計算することができる。そのような適切な尺度の1つのクラスは、上述のLesaintの参照文献にあるように、過去に提案されたDCCであることがわかっている。しかしながら、例示的である一実施形態では、以下のように動機付けされ得る以下の尺度Gを使用してもよい:gは、減衰物体fの線源軌道λに沿って測定されたX線コーンビーム変換を示すとする。関数fは、3Dスカラー場であり、材料密度、散乱、回折(位相コントラスト)などの、再構成が望まれる(一般に)空間依存品質を記述する。線源位置λに対して測定されるコーンビームデータπ=gは、取得の終わりにおいて、次式で与えられる:
【数7】
(1)において、
【数8】
は線源XSの位置であり、
【数9】
は線源XSの位置から検出器平面Π(D)までの線であり、それに沿って物体f(ROIを表す)の線積分が取られる。
【0083】
実施形態では、冗長情報に基づき、冗長性が維持されているかどうかを確立することを可能にする尺度が使用される。より詳細には、冗長情報は、より複雑な形式で、例えば、測定されたコーンビーム投影gのフィルタリングされた2Dラドン変換として表すことができる。本明細書では、実施形態において、Gと呼ばれる関数表現を用いて、イメージングジオメトリの仮定に起因する情報の冗長性が確実に維持されているかどうかを測定することを提案する。実施形態では、同一の情報を含むと予想されるラドン平面内の情報が測定される。情報が同一ではなく、逸脱している場合、これはデータ(不)整合性の尺度とみなされる。ラドン平面は、ラドン変換が画像領域からの点をマッピングする平面である。言い換えれば、ラドン平面は、ラドン変換の関数画像である。
【0084】
より詳細には、実施形態において、データ整合性は、関数G(Lesaintでは同様の関数が中間関数と呼ばれている)を使用して測定され得る:
【数10】
ここで、
【数11】
は、中心平面などの平面を決定する3D空間における単位球面S上のベクトルである。上述のLesaintの論文によれば、
【数12】
と3Dラドン変換
【数13】
との間の関係は、次式:
【数14】
によって与えられる。
【0085】
次いで、畳み込みカーネルhは、例えば、ランプフィルタ又は微分フィルタとして選択され得る:
【数15】
【0086】
少なくとも2つの線源位置
【数16】
及び
【数17】
を含む、原点に対するその法線
【数18】
及びその距離sによって定義される平面が、2つの投影
【数19】
及び
【数20】
の整合性尺度を提供する。これは、
【数21】
及び式(2.1)から、以下の恒等式:
【数22】
を導出することができるからである。
【0087】
したがって、恒等式(4)を使用して、
【数23】
のいずれか1つなど、必要に応じて、乗法的又は加法的な形成で、動きに敏感な尺度又はスコアを構成することができる。
【0088】
(5)又は(6)の組み合わせ、又は(4)から導出可能な他の関数式も想定される。(6)では、適切なノルム||.||を使用することができる。定数係数だけ(5)、(6)と異なる任意の尺度は、本明細書では、代替実施形態において想定されていると理解される。関係(4)、したがって(5)、(6)は、適切な検出器座標変換を使用することによって数値的に効率的に評価され得る。特に、Gは、上述の参照文献の432頁のセクションA)においてLesaintによって報告されているように、投影データの事前重み付け、2Dラドン変換及び畳み込みを含む3ステップ処理として、再構築され得る。(4)、(5)、(6)のとおり、計算は、λにおける所与の投影画像のスコアを計算するために、1つ以上の投影画像(λ)において必要となり得る。しかしながら、所与の投影画像、例えば第1の投影画像が参照画像として選択され、式(4)~(6)は、1変数依存性に縮小することができる。参照投影画像は、図4Bのプラトー領域を表す静止フェーズ/状態の間に取得されたものであってもよい。
【0089】
式(4)~(6)によるDCCは、単に1つの例示的な実施形態であり、他の式において及び/又は円形以外のジオメトリについての他のDCCも、本明細書では想定されることが理解されるであろう。特に、他の実施形態では、非ラドン平面ベースのデータ整合性尺度を代わりに使用してもよい。また、本明細書で想定されるすべての尺度が冗長情報に基づいているわけではない。
【0090】
一般に、DCCは、DCCが正常値又は値の範囲から逸脱する場合、動き破損を検出するために有用であり得る。上記正常値又は範囲に基づいて適切に構成された閾値を使用して、投影画像のセットについて計算されたスコアに基づいてそのような偏差を検出することができる。DCC又は他の尺度の正常値は、即座には知られていないが、1つ以上の較正スキャンで得ることができる。次いで、DCC関数によるスコア値を一連の投影画像にわたって取得して、DCC値がどこに落ち着くかの見当を得ることができ、これは、動きがないことを示す正常値を表すものとみなされる。実際に動きがないことを確かめるために、較正においてファントムを使用することができる。より具体的には、Shepp-Loganファントムを使用することができる。
【0091】
ステップS520におけるスコアの計算は、投影領域における情報に基づいて排他的に行われ得る。このステップでは、周囲の3D空間における演算は不要である。より具体的には、このステップでは、3D-2D位置合わせは不要である。
【0092】
実施形態では、ステップS520で計算された動き破損の量を表すスコア値は、例えば、図4A図4Bに示されるように、適切な表示デバイスにおいてユーザにグラフ表現として表示されるように使用され得る。
【0093】
ステップS520における動き破損があるかどうかの判断は、後続の処理フローを決定する。一実施形態では、(閾値と比較された)スコアが、動き破損があったことを示す場合、対応する投影画像は破棄され、ステップS550における後続の再構築において使用されなくなる。この実施形態では、ROIの3Dボリュームを再構成するために、再構成ステップS550において、利用可能な全投影画像のうちのサブセットのみが使用される。
【0094】
代替実施形態では、投影画像は、動き破損されていることがわかっていても依然として使用される。これらの実施形態では、投影画像は、動きの推定が行われるステップS530に渡される。動き破損されていないことが分かっている投影画像は、そのまま保持され、ステップS550の再構成までリープフロッグ(飛び越し)される。
【0095】
ステップS530において、破損を引き起こした動きの推定値が計算される。このステップには、動きの大きさ及び/又は方向を計算することが含まれ得る。動きは、剛体変換、特に3D剛体変換を計算することによって推定され得る。
【0096】
ステップS530における動き推定は、ステップ520における判断が動き破損があるとの場合にのみ、所与の投影画像に適用される。
【0097】
このようにして得られた動き推定値は、後続のステップS540において使用されて、実際の動き補償が実行される。これについては、多くの異なる実施形態が想定され、以下でより詳細に説明する。
【0098】
ステップS540は動き補償された投影画像をもたらし、この投影画像は、再構築のためにステップS550に転送される。当初に受信された投影画像の全セットは、ステップS520において十分な動き破損が見つからなかったためにそのままにされた投影画像と、ステップS540において動き補償ステップが実行された投影画像との2つのグループに属する。次に、2つのグループの投影画像、すなわち、元の投影画像と動き補償された投影画像は共に、再構成ステップS550において使用されて3DボリュームVが生成され、これは、次いで、記憶、表示、又はさらなる処理のために、ステップS560で出力され得る。
【0099】
上述のステップS520~S540は、ステップS510で受信された異なる方向からの投影画像の一部又は全部について繰り返されると理解される。
【0100】
ここで、動き補償ステップS540をより詳細に再び参照すると、上述のいくつかの実施形態についてより詳細に説明する。実施形態では、動き補償における関連する補正動作は、投影画像におけるピクセル画像情報(u,v)を変更することを含み得る。具体的には、画像情報は、例えば、オプティカルフロー法などによって、補償を行うように変更される。しかしながら、他の実施形態では、各投影画像に関連付けられた空間イメージングジオメトリ座標λのみが変更される。この変更は、上述したように、患者の動きを考慮するために、座標変換
【数24】
で行われてよい。特に、1つ以上の投影画像の変換された空間イメージングジオメトリ座標に基づく一実施形態では、仮想軌跡T’が計算され、再構成はその新しい仮想軌跡に基づいて行われる。実際の線源軌跡TがROIに対して円弧だったとしても、動きがあることにより、軌跡はもはや円形を記述せず、より複雑な形状を有し、この複雑な形状が、ステップS550において、より正確な再構成をもたらすために、円形の代わりに使用され得る。他の実施形態では又はそれに加えて、2つのパスを有する3D-2D位置合わせが、動き破損されている投影画像に対して行われる。
【0101】
好ましくは、尺度meas(.)に基づいて、動き破損があったかどうかを判断するためのステップS520は、好ましくは、後続の動き推定ステップS530及び/又は動き補償ステップS540ののいずれよりも計算コストが安価である。特に、動きチェッカステップS520は主に、3D計算を含まないものとして、特に、3D順投影が不要であるものとして想定されている。このようにして、計算コストの高い動き推定ステップS530及び/又は動き補償ステップS540が、動き破損によって実際に十分に深刻な影響を受けている投影画像にのみ行われるので、計算時間が大幅に削減される。さらに、DCC条件式(4)~(6)などの尺度meas()に関する計算の一部は、予想イメージングジオメトリのみに依存し、事前に分かっているので、事前に計算できる。この場合、投影データにmeas(.)を適用するステップS520を迅速に行うことができ、その結果、判断ステップS520でmeas(.)を計算するときの応答が早くなり、CPU時間が短縮される。
【0102】
実施形態では、また、図4Aで説明したように、ステップS520において閾値化が行われて、どの投影画像に対して動き推定S530及び動き補償S540を行うべきかが判断される。しかしながら、この実施形態は、患者又はROIの様々な状態を識別することを可能にする、2つ以上の複数の閾値を使用することによって、さらに改良できる。具体的には、関心の状態が仮定されると、患者は、比較的穏やかなままであり、これらの状態の間の移行時にのみ、動き推定、したがって動き補償が実行される。この実施形態では、取得された投影画像の時系列のスコア値を分析して、静止状態を表すプラトー領域を特定する必要がある。静止状態は、実質的にゼロ勾配のセクションによって示され得る。異なるプラトーレベルに対応する2つ以上の異なる状態があってよい。プラトーレベルは、プラトーを見つけるために時系列のスコア値に対して自動識別器を実行することによって見つけることができる。
【0103】
次に、ステップS530における動き推定が、移行を表す非消失勾配があるところに行われる。図4Bによる本実施形態のさらなる改良において、プラトー領域に関連する投影画像に適用される実際の動き補償S540は、個別に処理される必要がない。言い換えると、同じ動き補償S540を、プラトー領域に関連するすべての投影画像に適用できる。所与のプラトー領域に関連する投影画像は、それら自体間で整合性がある。ただし、異なるプラトー領域について取られた投影画像についてはそのような整合性はない場合がある。したがって、1つのプラトーPL1についての投影画像は、別のプラトー領域PL2についての投影画像に対して、動き破損されていると判断され得る。この場合、1つのプラトー/状態についての投影画像に動き補償を適用することにより、別の(参照)プラトー又は状態からの投影画像との整合性を確立することが可能になる。
【0104】
移行中に取得された投影画像について計算された動き推定値のいずれも、その移行の直後に続くプラトー領域に使用してもよい。より具体的には、移行領域において計算された最新の動き推定値を実質的にすべてのプラトー投影画像に使用してもよい。この場合、動き補償も、同じ動き推定値に基づいて、プラトー投影画像について同じであり得る。この実施形態は、図4Aのように、動き破損の影響を受けていることがわかった各投影画像に対して、個別の動き推定/補償が行われる実施形態と比較して、さらに一層計算時間が削減できる。図4Bの実施形態では、(移行領域内の投影画像について推定される)同じ動き推定が、後続のプラトー領域のすべての投影画像に使用され得る。個別の推定を行う必要がなく、前の推定が再利用される。プラトー領域の投影画像には、動き補償だけを適用する必要があるが、これは同じ動き推定に基づいているので、同じ動き補償である。
【0105】
実施形態では、提案される方法及びシステムは、神経イメージングにおける心臓バリスティック効果(Cardio-ballistic effect:CBE)を検出及び補正するために使用され得る。CBEは、心拍活動及び脈拍動によって引き起こされる動きに関連する。上述の原理をCBEタイプの動きに適用できる。動き推定及び補償は、非剛体変換を含んでもよい。
【0106】
投影画像πがさらに、切り詰められた投影も含む場合、ステップS520における整合性計算は、動きによって引き起こされる外乱ではなく、切り詰めから生じる追加の不整合性効果を回避するために、切り詰められていない平面にのみ適用され得る。良好な実行のために、本明細書では、これらの2つのタイプの不整合性の混合を回避することが提案される。あるいは、切り詰めによって引き起こされる不整合性も考慮するために、整合性尺度が増強される。
【0107】
提案される方法はまた、例えば(比較的少ない)投影からの3Dサーフェイスモデリングのために、非断層撮影再構成において整合性のある投影を特定するために使用されてもよい。
【0108】
CBCTについて特に参照したが、提案される選択的動き補正のコーンビーム以外の他のX線イメージングモダリティへの適用も想定され、本明細書に説明される原理はそれへの直接的な適用を許容する。
【0109】
本明細書で開示される1つ以上の特徴は、コンピュータ可読媒体内にコード化された回路として/それを用いて、及び/又はそれらの組合せとして構成又は実装され得る。回路は、ディスクリート及び/又は集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SOC)、及びそれらの組合せ、機械、コンピュータシステム、プロセッサ及びメモリ、コンピュータプログラムを含み得る。
【0110】
本発明の別の例示的な実施形態では、適切なシステム上で、前述の実施形態のうちの1つによる方法の方法ステップを実行するように構成されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0111】
したがって、上記コンピュータプログラム要素は、本発明の実施形態の一部であり得るコンピュータユニットに格納されてもよい。この計算ユニットは、上述の方法のステップを実行し、又は該ステップの実行を誘導するように構成され得る。また、上述の装置の各構成要素を動作させるようにしてもよい。計算ユニットは、自動的に動作するように、及び/又はユーザの指令を実行するように構成されてもよい。コンピュータプログラムは、データプロセッサの作業メモリにロードされてもよい。したがって、データプロセッサは、本発明の方法を実行するように装備され得る。
【0112】
本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、アップデートによって既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムとの両方を対象とする。
【0113】
さらに、コンピュータプログラム要素は、上述の方法の例示的な実施形態の手順を満たすために必要なすべてのステップを提供することができる。
【0114】
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、CD‐ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示される。コンピュータ可読媒体は、その上に格納されたコンピュータプログラム要素を有し、コンピュータプログラム要素は、前述の段落によって説明されている。
【0115】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体(特に、必ずしもそうである必要はないが、非一時的媒体)上に記憶及び/又は配布することができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムなどを介して他の形態で配布することもできる。
【0116】
しかしながら、コンピュータプログラムはまた、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提示されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることができる。本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、ダウンロードのためにコンピュータプログラム要素を利用可能にするための媒体が提供され、このコンピュータプログラム要素は、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる方法を行うように構成される。
【0117】
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して説明されていることに留意されたい。特に、方法タイプの請求項を参照して説明される実施形態もあれば、デバイスタイプの請求項を参照して説明される実施形態もある。しかしながら、当業者は、上記及び以下の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組合せに加えて、異なる主題に関する特徴間の任意の組合せも、本出願で開示されると考えられることを理解するであろう。しかしながら、すべての特徴を組み合わせて、特徴の単なる寄せ集め以上の相乗効果を提供できる。
【0118】
本発明を、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明したが、このような図示及び説明は、例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の精査から、特許請求されている発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。
【0119】
特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されるいくつかのアイテムの機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4A)】
図4B)】
図5