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特許7471282CPAP治療における使用のための浸入防止付き加湿器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】CPAP治療における使用のための浸入防止付き加湿器
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A61M16/16 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021516802
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019075777
(87)【国際公開番号】W WO2020064784
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】62/738,306
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴィアン ジャスティン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホームズ エリック エル.
(72)【発明者】
【氏名】マクラケン クリストファー ジェームス
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0361058(US,A1)
【文献】特表2013-540033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに提供するための治療ガスの流れの加湿に使用するための装置であって、
ハウジングと、
ガス流発生器から前記治療ガスの流れを受ける入口と、
前記治療ガスの流れを患者インターフェースデバイスに運ぶ出口と、
前記ハウジング内に画定されたコンパートメントであって、その中に水のボリュームを保持する、コンパートメントと、
前記入口と前記コンパートメントとの間に配置された一次弁であって、前記入口から前記コンパートメントへの前記治療ガスの流れの通過を可能にし、前記コンパートメントから前記入口への流体の通過を阻止する、一次弁と、
前記コンパートメントと前記入口との間に配置された二次弁であって、前記コンパートメントから前記入口への流体の通過を可能にし、前記入口から前記コンパートメントへの前記治療ガスの流れの通過を阻止する、二次弁と、
を含む、装置において、
前記治療ガスと前記水のボリュームとの相互作用を促進するために、前記一次弁及び前記二次弁と前記出口との間に、前記装置の上壁から前記コンパートメント内の下方に延びるバッフルが設けられていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記一次弁は、フラッパ弁を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記二次弁は、ダックビル弁又はフラッパ弁を含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
ユーザの気道への治療ガスの加湿された流れの提供に使用するためのデバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された流れ発生デバイスであって、前記治療ガスの流れを生成する、流れ発生デバイスと、
前記治療ガスの流れを加湿するために前記ハウジング内に配置された装置と、を含み、
前記装置は、
前記流れ発生デバイスから前記治療ガスの流れを受ける入口と、
前記治療ガスの流れを運ぶ出口と、
前記ハウジング内に画定されたコンパートメントであって、その中に水のボリュームを保持する、コンパートメントと、
前記入口と前記コンパートメントとの間に配置された一次弁であって、前記入口から前記コンパートメントへの前記治療ガスの流れの通過を可能にし、前記コンパートメントから前記入口への流体の通過を阻止する、一次弁と、
前記コンパートメントと前記入口との間に配置された二次弁であって、前記コンパートメントから前記入口への流体の通過を可能にし、前記入口から前記コンパートメントへの前記治療ガスの流れの通過を阻止する、二次弁と、
を含む、デバイスにおいて、
前記治療ガスと前記水のボリュームとの相互作用を促進するために、前記一次弁及び前記二次弁と前記出口との間に、前記装置の上壁から前記コンパートメント内の下方に延びるバッフルが設けられていることを特徴とする、デバイス。
【請求項5】
前記ハウジングは、第1のハウジング、及び、前記第1のハウジングに選択的に結合された第2のハウジングを含み、
前記流れ発生デバイスは、前記第1のハウジング内に配置され、
前記装置は、前記第2のハウジング内に配置される、請求項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記一次弁は、フラッパ弁を含む、請求項又はに記載のデバイス。
【請求項7】
前記二次弁は、ダックビル弁又はフラッパ弁を含む、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
ユーザの気道に治療ガスの加湿された流れを提供するためのシステムであって、前記システムは、
請求項に記載のデバイスと、
前記装置の前記出口に結合された第1の端部、及び、反対側の第2の端部を有する送達導管と、
前記送達導管の前記第2の端部に結合された患者インターフェースデバイスと、
を含み、
前記送達導管は、前記治療ガスの流れを前記出口から前記患者インターフェースデバイスに運ぶ、
システム。
【請求項9】
前記ハウジングは、第1のハウジング、及び、前記第1のハウジングに選択的に結合された第2のハウジングを含み、
前記流れ発生デバイスは、前記第1のハウジング内に配置され、
前記装置は、前記第2のハウジング内に配置される、
請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記一次弁は、フラッパ弁を含む、請求項又はに記載のシステム。
【請求項11】
前記二次弁は、ダックビル弁又はフラッパ弁を含む、請求項から10のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 本発明は、加湿された気体の流れを患者の気道に送達するための気道内圧補助システムに使用するための加湿器に関し、より詳細には、そのような加湿器の入口からの水の通過を阻止するための配置に関する。
【背景技術】
【0002】
[02] 多くの人が睡眠中の呼吸障害に苦しんでいる。睡眠時無呼吸は、世界中の何百万人もの人々が苦しんでいるこのような睡眠呼吸障害の一般的な例である。睡眠時無呼吸の1つのタイプは、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)であり、これは、典型的には上気道又は咽頭領域である気道の閉塞による呼吸不能によって睡眠が繰り返し中断される疾患である。気道の閉塞は、一般的に、少なくとも部分的には、上気道セグメントを安定化させる筋肉の全般的な弛緩により、組織が気道をつぶすためであると考えられている。別のタイプの睡眠時無呼吸症候群は、中枢性無呼吸であり、これは脳の呼吸中枢からの呼吸信号の欠如による呼吸停止である。閉塞性、中枢性、又は、閉塞性と中枢性との組合せである混合性を問わず、無呼吸疾患は、呼吸の完全な又はほぼ停止、例えば最大呼吸空気流量の90%以上の減少と定義されている。
【0003】
[03] 睡眠時無呼吸に悩む人々は、睡眠の断片化や、潜在的に重度の酸素ヘモグロビン飽和度低下を伴う、睡眠中に間欠的に、換気の完全又はほぼ完全な停止を経験する。これらの症状は、日中の極度の眠気、心不整脈、肺動脈性高血圧、うっ血性心不全及び/又は認知機能障害に臨床的に変換される可能性がある。睡眠時無呼吸がもたらす他の結果には、右心室機能不全、覚醒時並びに睡眠時の二酸化炭素の貯留、及び連続的な動脈酸素圧低下が含まれる。睡眠時無呼吸患者は、これらの因子による過度の死亡のリスク、並びに運転中及び/又は潜在的に危険な器材の操作中の事故の高いリスクに曝される可能性がある。
【0004】
[04] 患者が気道の完全又はほぼ完全な閉塞に苦しんでいなくても、睡眠からの覚醒などの有害作用は、気道の部分的な閉塞があるだけで起こりうることも知られている。気道の部分的閉塞は、典型的には呼吸低下と呼ばれる浅い呼吸をもたらす。呼吸低下は、典型的には最大呼吸空気流量の50%以上の減少として定義されている。他のタイプの睡眠呼吸障害には、上気道抵抗症候群(UARS)や、一般にいびきと呼ばれる咽頭壁の振動などの気道の振動が含まれるが、これらに限定されない。
【0005】
[05] 患者の気道に持続的気道陽圧(CPAP)を印加することにより睡眠呼吸障害を治療することはよく知られている。この陽圧は、効果的に気道を「固定(splint)」し、これにより、肺への開放通路を維持する。また、患者に送達されるガスの圧力が患者の呼吸サイクルと共に変化するか、又は患者の呼吸努力と共に変化し、患者の快適さを高める陽圧療法を提供することも知られている。この圧補助技術は、二段階圧補助と呼ばれ、患者に送達される吸気気道陽圧(IPAP)が呼気気道陽圧(EPAP)よりも高い。さらに、患者が無呼吸及び/又は呼吸低下を経験しているか否かなど、患者の検出された状態に基づいて圧力が自動的に調節される陽圧療法を提供することが知られている。この圧補助技術は、圧補助デバイスが呼吸障害を治療するのに必要なだけ高い圧力を患者に提供しようとするので、自動滴定タイプの圧補助と呼ばれる。
【0006】
[06] 上述したような圧補助療法は、患者の顔面への、柔らかい可撓性の封止クッションを有するマスク構成要素を含む患者インターフェースデバイスの配置を伴う。マスク構成要素は、患者の鼻を覆う鼻マスク、患者の鼻及び口を覆う鼻/口マスク、又は患者の顔を覆うフルフェイスマスクであり得るがこれに限定されない。このような患者インターフェースデバイスはまた、額支持体、頬パッド、及び顎パッドなどの他の患者接触構成要素を使用してもよい。患者インターフェースデバイスは、典型的にはヘッドギア構成要素によって患者の頭部に固定される。患者インターフェースデバイスは、ガス送達チューブ又は導管に接続され、圧補助デバイスを患者の気道とつなげ、その結果、呼吸ガスの流れが、圧力/流れ生成デバイスから患者の気道に送達できる。
【0007】
[07] 加湿器が、しばしば、PAP機械によって生成された比較的乾燥した圧縮空気を加湿するために、PAP機械とユーザインターフェースとの間に、又はPAP機械と一体に設けられる。加湿器は一般に、水の加熱されたタンクからなり、空気が所望のレベルまで加湿されるように水面上に吹き付けられる。水のタンクは一般に、タンクの底部の金属パンの下に配置された加熱板を介して加熱される。水のタンクは、所望の湿度出力を提供するために計算された温度まで加熱される。患者の吸入の間、空気はCPAPから加湿器を通って(水分を獲得して)進み、次いで、治療回路から患者に向けて出る。呼気の際に、空気は治療回路を通って進み、加湿器の水チャンバを通って戻り、CPAPを通って大気に出る。
【0008】
[08] これらのデバイスでは、水チャンバは一般に、含まれる水のボリュームよりもはるかに大きい。これは、加湿器が取り付けられたCPAPデバイス又は患者チューブ内に水が漏れないように、全方向に最大20°に傾斜したときに加湿器の動作を可能にするためになされている。
【0009】
[09] CPAP療法と共に加湿器を使用することにより、加湿の追加によるさらなる快適性を提供することによって、患者のコンプライアンスを向上させることができる。加湿がCPAP療法と共に使用される場合、加湿器内で使用される水がCPAPデバイス内に逆流するのを阻止する必要がある。加湿器からCPAPデバイスへのこのような水の浸入は、デバイスの電子機器及びモータブロワに壊滅的な問題を引き起こす可能性がある。さらに重要なことに、電気が存在するCPAPユニット内の水は、安全性の問題を引き起こす可能性がある。通常の使用下では、CPAP及び加湿器が推奨される向き内で動作するとき、水の浸入は問題を提起しない。さらに、加湿器が、適切な製造業者の指示を使用して適切に水で満たされる場合、CPAPデバイスへの水の浸入に関する問題は存在すべきではない。水の浸入の問題は主に、製造業者の最大充填要件を超えての加湿器過剰充填など、通常の誤使用事例シナリオの場合に生じる。水の浸入の問題を引き起こす可能性がある別のよくある誤使用事例のシナリオは、デバイスのユーザが加湿器の水を空にしないでデバイスを動かす、及び/又はデバイスと共に移動するときである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
[10] 現在、CPAP加湿器システムにおける水浸入防止のために使用される最も一般的な方法は、ボリュメトリック水浸入防止と呼ばれるものである。この方法がうまくいくやり方は、チャンバからの水がCPAPデバイスに逆流することなく加湿器を360度回転させるのに十分な総ボリュームがあるように、水チャンバ内に十分な量のボリュームを提供することによる。この方法は、CPAPデバイスの水浸入防止を提供するのに極めて有効であるが、この防水方法を使用するには、システムの大量のボリューム、典型的には全体の高さが必要であるという問題又は欠点がある。
【0011】
[11] 本発明の実施形態は、効果的なボリュメトリック水浸入防止を達成するために必要とされる大ボリュームタンクの必要性を排除することによって、上記の一般的に使用される方法の欠点若しくは問題を解決又は克服する。大ボリュームタンクを必要としないと、設計の柔軟性が高くなり、360度の水浸入防止を依然として維持しながら、より小さい薄型のシステムを使用することができる。これがうまくいくやり方は、2つの弁を使用し、2つの弁のうちの第1の、より大きい弁が、CPAP治療が提供される一次流路において使用される。この弁は通常は閉じており、デバイスが治療を提供しているときに開く。この弁は、デバイス治療が停止しているときに加湿器とCPAPとの間の空気経路を閉鎖して、水がCPAPデバイスに入らないようにすることによって、システムの主要な水浸入防止機構として機能する。
【0012】
[12] 加湿器とCPAPとの間の空気経路を閉じる機械弁を使用することに伴う1つの問題は、低圧/低流量治療条件下では、一次弁が患者の呼気相中に閉じる可能性があることである。治療がまだ提供されている間にこの弁が閉じると、患者の呼気相の抵抗が非常に強くなり、やや不快になることがある。主治療弁とCPAPへの接続部との間に二次の一方向弁を使用することにより、この問題が解決される。この弁の主な機能は、治療弁が閉じたときに開き、患者の呼気相からの流れがデバイスの空気経路に入ることを可能にすることにより、患者に呼気の解放をもたらすことである。
【0013】
[13] 水の浸入防止のために単一の機械弁を使用することに関する別の問題は、加湿器を回転させたり、弁を水没させる向きに回したりしたときに、弁が水中に沈んだりすると、弁がフラッタリングし始め、空気をデバイスの空気経路に入れようと試みることである。これは、流路が水中に沈んで弁が閉じたときに起こる圧力差によって起こる。弁がフラッタリングする際に生じる問題は、流路に水が入り、主弁の防水対策の効果がなくなることである。二次の一方向弁は、主弁の水の浸入防止を損なうことなく、空気が流路に入るための経路を設けることで、この問題を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[14] 開示された概念の一態様として、ユーザに提供するための治療ガスの流れの加湿に使用する装置は、ハウジングと、ガス流発生器から治療ガスの流れを受ける入口と、治療ガスの流れを患者インターフェースデバイスに運ぶ出口と、ハウジング内に画定され、その中に水のボリュームを保持するコンパートメントと、入口とコンパートメントとの間に配置され、入口からコンパートメントへの治療ガスの流れの通過を可能にし、コンパートメントから入口への流体の通過を阻止する一次弁と、コンパートメントと入口との間に配置され、コンパートメントから入口への流体の通過を可能にし、入口からコンパートメントへの治療ガスの流れの通過を阻止する二次弁とを含む。
【0015】
[15] 一次弁は、フラッパ弁を含んでもよい。
【0016】
[16] 二次弁は、ダックビル弁を含んでもよい。
【0017】
[17] 二次弁は、フラッパ弁を含んでもよい。
【0018】
[18] 装置はさらに、二次弁と出口に又はその周りに配置された遠位端部との間に延在する細長い通路を含んでもよく、細長い通路は、流体を水のボリュームに曝すことなく、流体を出口から二次弁に運ぶ。
【0019】
[19] 開示される概念の別の態様として、ユーザの気道への治療ガスの加湿された流れの提供に使用するためのデバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、治療ガスの流れを生成する流れ生成デバイスと、ハウジング内に配置され、治療ガスの流れを加湿するための装置とを含む。装置は、治療ガスの流れを流れ発生デバイスから受ける入口と、治療ガスの流れを運ぶ出口と、ハウジング内に画定され、その中に水のボリュームを保持するコンパートメントと、入口からコンパートメントの間に配置され、入口からコンパートメントへの治療ガスの流れの通過を可能にし、コンパートメントから入口への流体の通過を阻止する一次弁と、コンパートメントと入口の間に配置され、コンパートメントから入口への流体の通過を可能にし、入口からコンパートメントへの治療ガスの流れの通過を阻止する二次弁とを含む。
【0020】
[20] ハウジングは、第1のハウジングと、第1のハウジングに選択的に結合された第2のハウジングとを含んでもよく、流れ発生デバイスは、第1のハウジング内に配置され、装置は、第2のハウジング内に配置される。一次弁は、フラッパ弁を含んでもよい。二次弁は、ダックビル弁を含んでもよい。二次弁は、フラッパ弁を含んでもよい。
【0021】
[21] 装置はさらに、二次弁と出口に又はその周りに配置された遠位端部との間に延在する細長い通路を含んでもよく、細長い通路は、流体を水のボリュームに曝すことなく、流体を出口から二次弁に運ぶ。
【0022】
[22] 本発明の別の態様として、ユーザの気道に治療ガスの加湿された流れを提供するためのシステムは、治療ガスの加湿された流れを提供するデバイスを含む。デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置され、治療ガスの流れを生成する流れ生成デバイスと、治療ガスの流れを加湿するためにハウジング内に配置された装置とを含む。装置は、流れ発生デバイスから治療ガスの流れを受ける入口と、治療ガスの流れを運ぶ出口と、ハウジング内に画定され、その中に水のボリュームを保持するコンパートメントと、入口からコンパートメントの間に配置され、治療ガスの流れの通過を可能にし、コンパートメントから入口への流体の通過を阻止する一次弁と、コンパートメントと入口の間に配置され、コンパートメントから入口への流体の通過を可能にし、入口からコンパートメントへの治療ガスの流れの通過を阻止する二次弁とを含む。システムはさらに、装置の出口に結合された第1の端部、及び、反対側の第2の端部を有する送達導管と、導管の第2の端部に結合された患者インターフェースデバイスとを含み、導管は、治療の流れを出口から患者インターフェースデバイスに運ぶ。
【0023】
[23] ハウジングは、第1のハウジングと、第1のハウジングに選択的に結合される第2のハウジングとを含んでもよく、流れ発生デバイスは、第1のハウジング内に配置され、装置は、第2のハウジング内に配置される。
【0024】
[24] 一次弁は、フラッパ弁を含んでもよい。二次弁は、ダックビル弁を含んでもよい。二次弁は、フラッパ弁を含んでもよい。
【0025】
[25] 装置はさらに、二次弁と出口に又はその周りに配置された遠位端部との間に延在する細長い通路を含んでもよく、細長い通路は、流体を水のボリュームに曝すことなく、流体を出口から二次弁に運ぶ。
【0026】
[26] 本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び特性や、構造の関連する要素の動作方法及び機能、並びに部品の組み合わせ及び製造の経済性は、添付の図面を参照して、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考察するとより明らかになり、これらのすべては本明細書の一部を形成する。同様の参照番号は、様々な図において対応する部品を示す。しかし、図面は例示及び説明のみを目的とし、本発明の限定の定義として意図されていないことを明確に理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形は、コンテキストが明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】[27]図1は、様々な実施形態における本発明が実施され得る、1つの特定の非限定的な実施形態による気道圧補助システムの概略図であり、その患者インターフェースデバイスが患者の顔に配置されている状態を示す。
図2A】[28]図2Aは、本発明の1つの特定の非限定的な実施形態による、治療ガスの流れを加湿するための装置の概略等角図である。
図2B】[29]図2Bは、図2AのI-I線に沿った図2Aの装置の概略断面図であり、その内部構成要素が、治療ガスの流れが装置のユーザによって受け取られているときに対応する第1の位置に配置されている状態を示す。
図2C】[30]図2AのI-I線に沿った図2Aの装置の概略断面図であり、その内部構成要素が、装置のユーザが息を吐いているときに対応する第2の位置に配置されている状態を示す。
図3A】[31]図3Aは、本発明の1つの特定の非限定的な実施形態による、治療ガスの流れを加湿するための別の装置の概略等角図である。
図3B】[32]図3Bは、図3AのII-II線に沿った図3Aの装置の概略断面図であり、その内部構成要素が、治療ガスの流れが装置のユーザによって受け取られているときに対応する第1の位置に配置されている状態を示す。
図3C】[33]図3Cは、II-II線に沿った図3Aの装置の概略断面図であり、その内部構成要素が、装置のユーザが息を吐きだしているときに対応する第2の位置に配置されている状態を示す。
図3D】[34]図3Dは、内部の詳細を示すために上面カバーが取り外されて示されている図3Aの装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[35] 要求事項として、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示された実施形態は、様々な形態で具現化され得る本発明の単なる例示であることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び実質的に任意の適切に詳細な構造で本発明を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0029】
[36] 本明細書で使用される場合、単数形は、コンテキストが明確に指示しない限り、複数の参照を含む。本明細書で使用される場合、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という記載は、部品が直接的又は間接的に、すなわち、リンクが生じる限り、1つ以上の中間部品又は構成要素を介して、一緒に接合されるか、又は動作することを意味する。本明細書で使用される場合、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触して結合されることを意味する。本明細書で使用される場合、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が互いに対して一定の向きを維持しながら1つとして動くように結合されることを意味する。本明細書で使用される場合、「選択的に結合される」は、2つの要素が容易に脱結合又は再結合されるように結合されることを意味する。
【0030】
[37] 本明細書で使用される場合、用語「単一の」は、構成要素が単一の部品又はユニットとして作成されることを意味する。すなわち、別々に作成され、後にユニットとして一緒に結合される部品を含む構成要素は、「単一の」構成要素又は本体ではない。本明細書で使用される場合、2つ以上の部品又は構成要素が互いに「係合する」という記載は、部品が直接に、又は1つ以上の中間部品又は構成要素を介して、互いに対して力を及ぼすことを意味する。本明細書で使用される場合、用語「数」は、1又は1より大きい整数(すなわち、複数)を意味する。
【0031】
[38] 次に限定されないが、例えば、頂部、底部、左、右、上部、下部、前、後、及びそれらの派生物などの本明細書で使用される方向に関する表現は、図面に示される要素の向きに関連し、明示的に記載されない限り、特許請求の範囲を限定しない。
【0032】
[39] 図1は、様々な実施形態における本発明が実施され得る、1つの特定の非限定的な実施形態による気道圧補助システム2の概略図である。圧補助システム2は、ガス流発生器4と、送達導管6と、患者の気道の周りに係合する患者インターフェースデバイス8と、患者インターフェースデバイス8を患者(P)の頭部に固定するためのヘッドギア10とを含む。ガス流発生器4は、患者インターフェースデバイス8を通って患者Pの気道に送達される呼吸ガスの流れを発生させる。呼吸ガスの流れは、(図1に破線で示されているよう)ガス流発生器4と共通のハウジング14内に設けられるか、ガス流発生器4のハウジング20に選択的に結合可能な別個のハウジング18内に設けられるか、又は、ガス流発生器4のハウジング20とは別個の、かつ離間したハウジング18内に設けられていてもよい加湿器12によって加熱及び/又は加湿され得る。つまり、ハウジング18及び20は、単一のハウジング14として形成されても、互いに選択的に結合及び脱結合される2つの別個のユニットとして形成されても、又は間隔をあけて配置され、適切な導管を介してのみ結合される2つの別個のユニットとして形成されてもよい。
【0033】
[40] ガス流発生器4は、人工呼吸器、定圧補助デバイス(持続的気道陽圧デバイス、すなわちCPAPデバイスなど)、可変圧デバイス(例えば、ペンシルベニア州マリスビルのPhilips Respironics社によって製造及び販売されているBiPAP(登録商標)、Bi‐Flex(登録商標)、又はC‐Flex(登録商標)デバイス)、及び自動滴定圧補助デバイスを含むが、これらに限定されない。送達導管6は、呼吸ガスの流れをガス流発生器4から患者インターフェースデバイス8に連通させる。送達導管6及び患者インターフェースデバイス8はしばしば、集合的に患者回路と呼ばれる。
【0034】
[41] BiPAP(登録商標)デバイスは、患者に提供される圧力が患者の呼吸サイクルと共に変化し、したがって、呼気中よりも吸気中により高い圧力が送達される二段階デバイスである。自動滴定圧補助システムは、圧力が、患者がいびきをしているか、無呼吸又は呼吸低下を経験しているかなどの患者の状態によって変化するシステムである。本発明は、ガス流発生器4は、患者の気道にガス流を送達するための、又は患者の気道におけるガスの圧力を上昇させるための任意の従来のシステムであり、上記に要約された圧補助システム及び非侵襲的換気システムを含むことを企図する。本明細書では、ガスの加圧流が利用される例示的な実施形態で説明されるが、本明細書で説明される本発明の実施形態は、他の一般的に非加圧の用途(例えば、限定されないが、高流量の治療用途)でも容易に使用され得ることを理解されたい。
【0035】
[42] 図1に示す例示的な実施形態では、患者インターフェースデバイス8は、図示の実施形態ではフルフェイスマスクである患者封止アセンブリ16を含む。しかし、本発明の範囲内に留まりながら、患者の気道への呼吸ガスの流れの送達を容易にする、鼻/口マスク、鼻クッション、又は任意の他の配置など、これらに限定されない、他のタイプの患者封止アセンブリが、患者封止アセンブリ16の代わりになり得ることを理解されたい。また、ヘッドギア10は、単に例示目的に提供されており、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適切なヘッドギア配置を使用し得ることを理解されたい。
【0036】
[43] 図2A図2Cを参照すると、加湿器12は、ガス流発生器4によって生成された治療ガスの流れ(図2Bに矢印F及び関連する破線で示す)を受ける入口22と、治療ガスFの流れを患者に運ぶ出口24と、入口22から出口24へとハウジング18及びそのコンパートメント26を通過する治療ガスFの流れを加湿するために、その中に水Wのボリュームを収容するコンパートメント26とを含む。図2B及び図2Cに示す例では、治療ガスFの流れと水Wのボリュームとの相互作用を促進するために、その上壁からコンパートメント26内へと概ね下方に延びるバッフル28が設けられている。
【0037】
[44] 加湿器12はさらに、入口22とコンパートメント26との間に配置された一次弁30を含む。一次弁30は、一次弁30が入口22からコンパートメント26への治療ガスFの流れの通過を可能にする開位置(図2B)と、一次弁30がコンパートメント26から入口22への1つ以上の流体(例えば、空気、水など)の通過を阻止する閉位置(図2C)との間で移動可能な一方向弁である。一次弁30は、一次弁30を開くのに十分な圧力が作用する場合を除いて、通常は閉位置に配置されている。本発明の1つの例示的な実施形態では、一次弁30は、加湿器12を通って患者に提供される治療ガスFの流れが、0~100LPMの流速で4cmH2O~25cmH2Oの圧力範囲にある場合に、開位置に配置されるフラッパ弁である。逆に、このような例示的な実施形態では、一次弁30は、治療を受けている患者が図2Cの矢印E(及び関連する破線)によって示され、以下でさらに説明されるように、呼気ガスを吐き出すときなど、前述の治療ガスFの流れの流速が0~-80LPMの範囲の流速に低下すると、閉位置に配置される。
【0038】
[45] 図2B及び図2Cを引き続き参照すると、加湿器12はさらに、コンパートメント26と入口22との間に配置された二次弁40を含む。二次弁40は、二次弁40がコンパートメント26から入口22への呼気ガスEなどの流体の通過を可能にする開位置(図2C)と、二次弁40が入口22からコンパートメント26への治療ガスFの流れなどの1つ以上の流体の通過を阻止する閉位置(図2B)との間で移動可能な一方向弁である。二次弁40は、二次弁40を開くのに十分な圧力が作用する場合を除いて、通常は閉位置に配置されている。本発明の1つの例示的な実施形態では、二次弁40は、一次弁30が閉じられ、コンパートメント26内の圧力が入口22内の圧力よりも大きい場合に、開位置に配置されるダックビル弁である。
【0039】
[46] 二次弁40は、CPAP療法の呼気サイクル中の呼気流量を解放するために必要である。二次弁40は、効果的に水の浸入を防止するために(すなわち、水が入口22を介して加湿器12から出ないようにするために)必要である。二次弁40の配置は、2弁システムの機能に重要である。二次弁40は、好ましくは加湿器12の入口22と一次弁30との間に配置される。好ましくは、二次弁40はまた、デバイスが360度回転されたときに水中に浸ることが難しく、これにより、前述したようにシステムが適切に通風するような向きに配置される。
【0040】
[47] 加湿器12の前述の説明から、CPAP治療の間、一次弁30は開位置に配置され、治療ガスFの流れは、入口22を介して加湿器12に入り、一次弁30を通過し、バッフル28によって水Wの方に向けられ、次いで、出口24を介してチャンバ26及び加湿器12から出て、次いで、患者に向かって進むことを理解されたい。しかしながら、患者が息を吐いているときは、結果として生じる圧力/流れが、一次弁30を閉位置に戻し、二次弁40を開いて、出口24を介して加湿器12に入る呼気ガスEの流れが加湿器12を通過し、入口22を介して出ることを可能にする。CPAP治療が行われていないときには、一次弁30及び二次弁40は共に閉位置に配置されるので、水Wがチャンバ26から出ることが阻止され、したがって、水が入口22から出ることが阻止される。
【0041】
[48] 次に図3A図3Dを参照すると、図1のシステム2で使用できる本発明の別の例示的な実施形態による加湿器112が示されている。加湿器112は、上述のガス流発生器4などのガス流発生器によって生成された治療ガスの流れ(図3Bの矢印Fで示される)を受ける入口122と、治療ガスFの流れを運ぶ出口124と、入口122から出口124へとハウジング118及びそのコンパートメント126を通過する治療ガスFの流れを加湿するために、その中に水Wのボリュームを収容するコンパートメント126とを含む。図3B図3Dに示す例では、治療ガスFの流れと水Wのボリュームの相互作用を促進するために、その上壁からコンパートメント126内へと概ね下方に延びるバッフル128が設けられている。
【0042】
[49] 加湿器112はさらに、入口122とコンパートメント126との間に配置された一次弁130を含む。一次弁130は、一次弁130が入口122からコンパートメント126への治療ガスFの流れの通過を可能にする開位置(図3B)と、一次弁130がコンパートメント126から入口122への1つ以上の流体(例えば、空気、水など)の通過を阻止する閉位置(図3C)との間で移動可能な一方向弁である。本発明の1つの例示的な実施形態では、一次弁130は、加湿器112を通って患者に提供される治療ガスFの流れが、0~100LPMの流速で4cmH2O~25cmH2Oの圧力範囲にある場合に、開位置に配置されるフラッパ弁である。逆に、このような例示的な実施形態では、一次弁130は、治療を受けている患者が図3Cの矢印Eによって示され、以下でさらに説明されるように、呼気ガスを吐き出すときなど、前述の治療ガスFの流れの流速が0~-80LPMの範囲の流速に低下すると、閉位置に配置される。
【0043】
[50] 図3B及び図3Cを引き続き参照すると、加湿器112はさらに、コンパートメント126と入口122との間に配置された二次弁140を含む。二次弁140は、二次弁140がコンパートメント126から入口122への呼気ガスEなどの流体の通過を可能にする開位置(図3C)と、二次弁140が入口122からコンパートメント126への治療ガスFの流れなどの1つ以上の流体の通過を阻止する閉位置(図3B)との間で移動可能な一方向弁である。
【0044】
[51] 本発明の1つの例示的な実施形態では、二次弁140は、一次弁130が開いているときに閉位置に配置され、コンパートメント126内の圧力が入口122内の圧力よりも大きいときに開位置に配置されるフラッパ弁である。二次弁140は、正の方向への治療の流れがバイパス管150を通って出口124から出て、加湿器をバイパスし、加湿出力を減少させることを阻止するために必要である。
【0045】
[52] 呼気中にコンパートメント126から二次弁140を通る水Wの損失を低減及び/又は排除するために、加湿器112はさらに、細長い通路152をその中に画定するバイパス管150を含む。細長い通路152は、二次弁140と、出口124に又はその周りに配置されたバイパス管150の遠位開口部154との間に延在する。図3B図3Dに示される例示的な実施形態では、遠位開口部154は、出口124と概ね整列される(すなわち、共通の中心軸に沿って配置される)。入口出口124の近くに遠位開口部154をこのように位置決めすることにより、呼気ガスEは、チャンバ内の水Wにほぼ曝されないので、呼気ガスEとチャンバ126内の水Wとの相互作用がほぼ排除される。
【0046】
[53] 加湿器112の前述の説明から、CPAP治療の間、一次弁130は開位置に配置され、治療ガスFの流れは、入口122を介して加湿器112に入り、一次弁130を通過し、バッフル128(及びバイパス管150の周囲)によって水Wの方に向けられ、次いで、出口24を介して遠位開口部154から離れて上方に向かってチャンバ26及び加湿器12から出て、次いで、患者に向かって進むことを理解されたい。しかしながら、患者が息を吐いているときは、結果として生じる圧力/流れが、一次弁130を閉位置に戻し、二次弁140を開いて、出口124を介して加湿器112に入る呼気ガスEの流れがバイパス管150の遠位開口部154に直ちに入り、バイパス管150及び二次弁140を通過し、入口122を介して加湿器112から出る。CPAP治療が行われていないときには、一次弁130及び二次弁140は共に閉位置に配置されるので、水Wがチャンバ126から出ることが阻止され、したがって、水が入口122から出ることが阻止される。
【0047】
[54] 前述の例から、本発明の実施形態は、効果的なボリュメトリック水浸入防止を達成するために以前に必要であった大ボリュームタンクの必要性を排除することによって、従来の構成の欠点又は問題を克服することを理解されたい。大ボリュームタンクを必要としないことにより、設計の柔軟性が高くなり、360度の水浸入防止を依然として維持しながら、より小さい薄型のシステムを使用することができる。
【0048】
[55] 本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考えられているものに基づいて、例示の目的で詳細に説明されてきたが、そのような詳細はその目的のためだけであり、本発明は、開示された実施形態に限定されず、反対に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある修正形態及び同等の構成を包含することが意図されることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施形態の1つ以上の特徴が、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされ得ることを企図することを理解されたい。
【0049】
[56] 特許請求の範囲において、括弧の間に付された参照記号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されない。用語「備える」又は「含む」は、請求項に列挙されたもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段の幾つかは同一のハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。単数形は、そのような要素の複数の存在を排除するものではない。いくつかの手段を列挙する任意の装置の請求項において、これらの手段のいくつかは同一のハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。特定の要素が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの要素が組み合わせて使用されることができないことを示すものではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D