(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】熱力学サイクルプロセスから電気機械的エネルギー変換器への電気エネルギーの供給
(51)【国際特許分類】
H02P 9/04 20060101AFI20240412BHJP
F01K 13/02 20060101ALI20240412BHJP
F01K 25/08 20060101ALI20240412BHJP
H02P 101/20 20150101ALN20240412BHJP
【FI】
H02P9/04 E
F01K13/02 Z
F01K25/08
H02P101:20
(21)【出願番号】P 2021523672
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2019079126
(87)【国際公開番号】W WO2020094418
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-28
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520062247
【氏名又は名称】オルカン エネルギー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ランガー ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シュワルベ ウルフ
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-075587(JP,A)
【文献】特開2004-019476(JP,A)
【文献】特開2014-093808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 9/04
F01K 13/02
F01K 25/08
H02P 101/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱力学サイクルプロセス装置(30,120,150,160)と、
前記熱力学サイクルプロセス装置の膨張機(30)のシャフト(35)に接続されて前記シャフトと共に回転可能な発電機(20)と、
を備えた、電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)を動作させるための装置(100~1000)であって、
前記発電機(20)は第1の電圧変換器(42)に電気的に接続されており、
前記第1の電圧変換器(42)は直流中間回路(40)に電気的に接続されており、
前記直流中間回路(40)は、前記電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)を動作させるために前記電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)に電気的に接続可能であり、
前記第1の電圧変換器(42)は、前記発電機(20)の第1の交流電圧を直流電圧に変換するように構成されており、
前記直流中間回路(40)は付加的電気エネルギー供給部(50)
に接続可能であり、
前記装置(100~1000)は、前記電気機械的エネルギー変換器が所定の速度で動作可能となるように、前記電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)に供給される電気エネルギーを制御するための制御装置(60)を備えており、
前記制御装置は、前記発電機から前記電気機械的エネルギー変換器へ供給される電気エネルギーを制御するように構成されており、
前記付加的電気エネルギー供給部(50)を用いずに前記発電機(20)から前記電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)へ電気エネルギーを供給する通常動作が行われ、
前記発電機によって生成された電気エネルギーが前記電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)を前記所定の速度で動作させるために十分でない場合、前記制御装置は、前記付加的電気エネルギー供給部から前記電気機械的エネルギー変換器に電気エネルギーを供給すべく制御するように構成されており、
前記直流中間回路(40)は、
前記第1の電圧変換器(42)に接続された第1の部分直流中間回路(46)と、
第2の部分直流中間回路(48)と、
前記第1の部分直流中間回路(46)と前記第2の部分直流中間回路(48)との間に配置された昇圧コンバータ(45)と、
を備えており、
前記第2の部分直流中間回路(48)は、前記電気機械的エネルギー変換器に接続可能であり、
前記付加的電気エネルギー供給部
(50)は、整流回路(52)
を介して前記第2の部分直流中間回路(48)に接続可能であり、又は力率改善段(54)を介して前記
第1の部分直流中間回路
(46)に接続可能な公共電力網(51)であり、
前記制御装置はさらに、前記公共電力網に電気エネルギーが供給されることを回避するために、前記発電機によって生成されるエネルギーを低減するように構成されている
ことを特徴とする装置(100~1000)。
【請求項2】
前記電気機械的エネルギー変換器を動作させるために前記直流中間回路の直流電圧を第2の交流電圧に変換するための第2の電圧変換器(44)がさらに設けられており、
前記第2の電圧変換器は、前記
第2の部分直流中間回路
(48)に電気的に接続されている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記熱力学サイクルプロセス装置に流入する熱流を低減することにより、及び/又は、前記熱力学サイクルプロセス装置の効率を低減することにより、前記公共電力網に電気エネルギーが供給されることを回避するように構成されている、
請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記第2の部分直流中間回路における並列接続により他の電気機械的エネルギー変換器が動作可能である、
請求項
1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記他の電気機械的エネルギー変換器を動作させるために前記第2の部分直流中間回路の直流電圧を第3の交流電圧に変換するための第3の電圧変換器が設けられている、
請求項
4記載の装置。
【請求項6】
前記第2の部分直流中間回路における並列接続と双方向直流電圧変換器とを介してバッテリーが接続されている、
請求項
1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
熱発生装置(110)を備えたシステムであって、
前記熱発生装置(110)は、前記熱発生装置から熱を排出するための冷却流体と、当該冷却流体を冷却するための電動の換気装置(80)を備えた冷却装置(150)と、を備えており、
前記熱力学サイクルプロセス装置はとりわけオーガニック・ランキンサイクル装置であり、
前記熱力学サイクルプロセス装置は、作動媒体を蒸発させるための蒸発器(120)と、蒸発した前記作動媒体の膨張によって蒸発した当該作動媒体により動作可能な前記膨張機(30)と、膨張した前記作動媒体を凝縮するためのコンデンサと、を備えており、
前記換気装置(80)はさらに、前記コンデンサ(150)内の前記作動媒体を冷却するためのものであり、
前記システムは、電気機械的エネルギー変換器としての前記換気装置を動作させるために請求項1から
6までのいずれか1項記載の装置をさらに備えている
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記換気装置の速度は、前記冷却装置によって冷却される前記冷却流体の目標温度により定まる、
請求項
7記載のシステム。
【請求項9】
電気機械的エネルギー変換器を所定の速度で動作させるための方法であって、
熱力学サイクルプロセス装置の膨張機のシャフトに接続されて前記シャフトと共に回転し当該シャフトにより駆動される発電機の第1の交流電圧を、当該発電機と前記電気機械的エネルギー変換器との間の直流中間回路に供給される直流電圧に変換するステップと、
前記直流中間回路の直流電圧を第2の交流電圧に変換するオプションのステップと、
前記直流中間回路の直流電圧又は前記第2の交流電圧を前記電気機械的エネルギー変換器に印加するステップと、
付加的電気エネルギー供給部から前記直流中間回路に直流電圧を、とりわけ公共電力網からの電気エネルギーによって印加するステップと、
前記電気機械的エネルギー変換器を前記所定の速度で動作させるように、前記発電機から前記電気機械的エネルギー変換器に供給される電気エネルギーを制御するステップと、を有し、
前記付加的電気エネルギー供給部(50)を用いずに前記発電機(20)から前記電気機械的エネルギー変換器(80,81,82,83)へ電気エネルギーを供給する通常動作を行い、
前記方法はさらに、
前記発電機により生成される電気エネルギーが前記電気機械的エネルギー変換器を前記所定の速度で動作させるために十分でない場合、前記付加的電気エネルギー供給部から前記電気機械的エネルギー変換器に電気エネルギーを供給すべく制御するステップ
を有し、
前記直流中間回路(40)は、
前記発電機に接続された第1の部分直流中間回路(46)と、
前記電気機械的エネルギー変換器に接続可能な第2の部分直流中間回路(48)と、
前記第1の部分直流中間回路(46)と前記第2の部分直流中間回路(48)との間に配置された昇圧コンバータ(45)と、
を備えており、
前記付加的電気エネルギー供給部は、整流回路
(52)を介して前記第2の部分直流中間回路(48)に接続された又は力率改善段(54)を介して前記
第1の部分直流中間回路
(46)に接続された公共電力網であり、
前記方法はさらに、
前記発電機によって生成されるエネルギーを低減することにより、前記公共電力網に電気エネルギーが供給されることを回避
し、
前記第1の部分直流中間回路(46)の第1の直流電圧を、前記昇圧コンバータ(45)によって、前記第2の部分直流中間回路(48)に供給されるより高い第2の直流電圧に変換する
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記方法はさらに、
前記熱力学サイクルプロセス装置に流入する熱流を低減することにより、及び/又は、前記熱力学サイクルプロセス装置の効率を低減することにより、前記公共電力網に電気エネルギーが供給されることを回避するステップ
を有する、請求項
9記載の方法。
【請求項11】
他の電気機械的エネルギー変換器を動作させるために、又は他の換気装置を動作させるために、前記直流中間回路の直流電圧を第3の交流電圧に変換するステップをさらに有する、請求項
9又は10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械的エネルギー変換器を動作させるための装置と、電気機械的エネルギー変換器を動作させるための方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
熱エネルギーから電気エネルギーを得るための熱力学サイクルプロセス装置は、以下の主要な構成要素を備える:
液体の作動媒体を昇圧して蒸発器へ送る供給ポンプ。
熱の供給により作動媒体を予熱して蒸発させ、オプションとしてさらに過熱する前記蒸発器自体。
高圧状態の蒸発した作動媒体を膨張させて機械エネルギーを生成する膨張機。この機械エネルギーは例えば、発電機により電気エネルギーに変換されることができる。
膨張機からの低圧蒸気(膨張した作動媒体)を除熱して液化させるコンデンサ。
コンデンサから液体の作動媒体はシステムの供給ポンプに戻り、これにより熱力学的循環路が閉じられる。作動媒体が有機作動媒体である場合、熱力学サイクルプロセスはオーガニック・ランキンサイクル(ORCプロセス)となる。
【0003】
従来技術から、電動の換気装置により空気が通されるいわゆる乾式冷却器(例えば機関コージェネレーションシステム(CHP)の熱交換器)が公知である。その消費エネルギーを最小限にするため、本願出願人の内部の従来技術では、かかる換気装置に熱力学サイクルプロセス(例えばORCプロセス等)を利用して電気エネルギーを供給する。それと同時に、このサイクルプロセスの排熱は、乾式冷却器の換気装置を介して実現される(通常、サイクルプロセスないしはORCプロセスは、コンデンサの冷却を空気流によって実現するため、別個の換気装置を備えている)。この場合、サイクルプロセスは熱(例えば、内燃機関の未使用の排ガス熱、又は、冷却器において冷却すべき流体の熱の一部)を電気エネルギーに変換する。ここで問題となるのは、換気装置の冷却機能を損なわないようにするため、換気装置への電気エネルギーの安定的な供給を保証することである。さらに、ORCプロセスの余剰エネルギーが公共電力網に戻ってしまうという欠点もある。つまり、電力網へエネルギーが供給されるということは、例えば供給ガイドラインの順守、プラント認可、電力網運営者への届け出、及び、再生エネルギーの拡大に関する法律(再生エネルギー法、EEG)の規定によるEEG賦課金の支払い等の他の要求に繋がる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、上記の欠点を回避し、又は少なくとも緩和することである。
【0005】
サイクルプロセスないしはORCプロセスは可能な限り常に、換気装置が消費する分と正確に等しい量の電力を供給しなければならない(準アイランドモード)。冷却プロセスとサイクルプロセスとに換気装置を共用することにより、換気装置の速度は冷却プロセスの冷却需要にのみ依存することとなり、ひいては、換気装置が消費する電力が冷却プロセスの冷却需要にのみ依存することとなる。従って、ORCプロセスの熱交換器は制御技術的に影響を受けることがなくなる。高い動作確実性を保証するためには、(例えば外部温度が高いこと、又はプロセスエネルギー(排熱)が小さいことを理由に)ORCプロセスが換気装置を動作させるために十分な電力を提供できない場合に、公共電力網から付加的な電力を取り出せるようにしなければならない。
【0006】
また、換気装置の変動的な電力需要を、可能な限り正確にORC発電機によってカバーできるようにする必要もある。サイクルプロセスが十分なエネルギーを提供できない場合には、公共電力網又は他の電力源によって換気装置にエネルギーを供給すると共に、グリッドへの供給を回避できるようにしなければならない。
【0007】
本発明は、上記の問題の少なくとも一部を解決するものである。
【0008】
本発明の解決手段は、請求項1に記載の発明特定事項を具備する装置である。
【0009】
よって本発明は、熱力学サイクルプロセス装置と、前記熱力学サイクルプロセス装置の膨張機のシャフトに接続されて前記シャフトと共に回転可能な発電機と、を備えた、例えば換気装置又はポンプ等の電気機械的エネルギー変換器を動作させるための装置を開示するものであり、前記発電機は第1の電圧変換器に電気的に接続されており、前記第1の電圧変換器は直流中間回路に電気的に接続されており、前記直流中間回路は、前記電気機械的エネルギー変換器を動作させるために前記電気機械的エネルギー変換器に電気的に接続可能であり、前記第1の電圧変換器は、前記発電機の第1の交流電圧を直流電圧に変換するように構成されており、前記直流中間回路は付加的電気エネルギー供給部、とりわけ公共電力網に接続可能である。前記装置は、前記電気機械的エネルギー変換器が所定の速度で動作可能となるように、前記電気機械的エネルギー変換器に供給される電気エネルギーを制御するための制御装置(60)をさらに備えており、前記制御装置は、前記発電機から前記電気機械的エネルギー変換器へ供給される電気エネルギーを制御するように構成されており、前記発電機によって生成された電気エネルギーがそのために十分でない場合、前記制御装置は、前記付加的電気エネルギー供給部から前記電気機械的エネルギー変換器に供給される電気エネルギーを制御するように構成されている。
【0010】
本発明の装置は、排熱を利用するサイクルプロセスないしはORCプロセスを用いて電気機械的エネルギー変換器(例えば換気装置又はポンプ等)への給電を行うことによりエネルギー削減が達成され、例えば別個のサイクルプロセス換気装置ないしはORC換気装置が不要となり、換気装置の動作がORCプロセスに依存しなくなり、これによりシステムの高い信頼性が達成され、電力網への供給が回避され、これにより供給要件を満たさなくてもよくなる、という利点を奏する。
【0011】
本発明の装置は、専用の電圧変換器無しで電気機械的エネルギー変換器を動作させるために前記直流中間回路の直流電圧を第2の交流電圧に変換するための第2の電圧変換器がさらに設けられており、前記第2の電圧変換器は、前記直流中間回路に電気的に接続されているように改良することができる。
【0012】
他の改良形態は、前記付加的電気エネルギー供給部が、整流回路若しくは力率改善段を介して前記直流中間回路に接続された公共電力網であり、前記制御装置がとりわけさらに、前記公共電力網に電気エネルギーが供給されることを回避するために、前記発電機によって生成されるエネルギーを低減するように構成されており、前記発電機によって生成されるエネルギーの低減がとりわけ、前記熱力学サイクルプロセス装置に流入する熱流を低減することにより、及び/又は、前記熱力学サイクルプロセス装置の効率を低減することにより行われる、というものである。
【0013】
これに代えて、前記発電機の余剰エネルギーを前記公共電力網に供給するために、双方向電流変換回路を介して前記公共電力網を前記直流中間回路に接続することもできる。
【0014】
他の一改良形態では、前記直流中間回路は、前記第1の電圧変換器に接続された第1の部分直流中間回路と、第2の部分直流中間回路と、前記両部分回路間に配置された昇圧コンバータと、を備えることができ、前記第2の部分直流中間回路は、前記電気機械的エネルギー変換器に接続可能であるか、又は前記第2の電圧変換器に接続されている。
【0015】
これは、前記第2の部分直流中間回路における並列接続によって他の電気機械的エネルギー変換器が動作可能であり、オプションとして、前記他の電気機械的エネルギー変換器を動作させるために前記第2の部分直流中間回路の直流電圧を第3の交流電圧に変換するための第3の電圧変換器が設けられており、前記他の電気機械的エネルギー変換器は例えば、他のポンプ、とりわけ前記熱力学サイクルプロセス装置内で作動媒体をポンピングするための供給ポンプ、又は他の換気装置であるように、改良することができる。
【0016】
上記実施形態では、前記電気機械的エネルギー変換器は、交流電圧接続端を有する中間回路を備えることができ、前記交流電圧接続端は、前記第2の部分直流中間回路に直接接続されることができる。
【0017】
他の一改良形態では、前記第2の部分直流中間回路における並列接続と双方向直流電圧変換器とを介してバッテリーを接続することができる。
【0018】
本発明はさらに、熱発生装置を備えたシステムを開示するものであり、前記熱発生装置は、前記熱発生装置から熱を排出するための冷却流体と、当該冷却流体を冷却するための電動の換気装置を備えた冷却装置と、を備えており、とりわけ前記換気装置の速度は前記冷却装置の冷却需要によって定まり、ひいては、とりわけ換気装置の消費電力も前記冷却装置の冷却需要によって定まり、前記熱力学サイクルプロセス装置はとりわけオーガニック・ランキンサイクル装置であり、前記熱力学サイクルプロセス装置は、作動媒体を蒸発させるための蒸発器と、蒸発した前記作動媒体の膨張によって蒸発した当該作動媒体により動作可能な前記膨張機と、前記膨張機によって動作可能な発電機と、膨張した前記作動媒体を凝縮するためのコンデンサと、を備えており、前記換気装置はさらに、前記コンデンサ内の前記作動媒体を冷却するためのものであり、前記システムは、電気機械的エネルギー変換器としての前記換気装置を動作させるために本発明の装置又は上記の一改良形態の装置をさらに備えている。
【0019】
前記システムは、前記換気装置の速度が、前記冷却装置によって達成可能な前記冷却流体の温度により定まるように改良することができる。
【0020】
上述の問題の少なくとも一部は、請求項10に記載の本発明の方法によっても解決される。
【0021】
それによれば本発明は、電気機械的エネルギー変換器、例えばポンプ又は換気装置等を、所定の速度で動作させるための方法であって、熱力学サイクルプロセス装置の膨張機のシャフトに接続されて前記シャフトと共に回転し当該シャフトにより駆動される発電機の第1の交流電圧を、当該発電機と前記電気機械的エネルギー変換器との間の直流中間回路における直流電圧に変換するステップと、前記直流中間回路の直流電圧を前記電気機械的エネルギー変換器に印加するステップと、付加的電気エネルギー供給部から前記直流中間回路に直流電圧を、とりわけ公共電力網からの電気エネルギーによって印加するステップと、前記電気機械的エネルギー変換器を前記所定の速度で動作させるように、前記発電機から前記電気機械的エネルギー変換器に供給される電気エネルギーを制御するステップと、前記発電機により生成される電気エネルギーが前記電気機械的エネルギー変換器を前記所定の速度で動作させるために十分でない場合、前記付加的電気エネルギー供給部から前記電気機械的エネルギー変換器に供給される電気エネルギーを制御するステップと、を有する。
【0022】
オプションとして、直流中間回路から第2の交流電圧を生成し、(直流中間回路の直流電圧に代えて)この第2の交流電圧を電気機械的エネルギー変換器(例えば換気装置モータ等)に印加することもできる。
【0023】
本発明の方法やその改良形態の利点は本発明の装置ないしはその改良形態の利点に相当するので、それについては繰り返しを割愛する。
【0024】
本発明の方法は、前記付加的電気エネルギー供給部が、整流回路を介して前記直流中間回路に接続された公共電力網であり、前記方法がさらに、前記発電機によって生成されるエネルギーを低減することにより、前記公共電力網に電気エネルギーが供給されることを回避するステップを有し、前記発電機によって生成されるエネルギーの低減はとりわけ、前記熱力学サイクルプロセス装置に流入する熱流を低減することにより、及び/又は、前記熱力学サイクルプロセス装置の効率を低減することにより行われるように改良することができる。
【0025】
上記改良形態に代えて、本発明の方法は、前記付加的電気エネルギー供給部が双方向電流変換回路を介して前記直流中間回路に接続された公共電力網であり、前記方法はさらに、前記発電機の余剰エネルギーを前記公共電力網に供給するステップを有するように改良することができる。
【0026】
他の一改良形態は、前記直流中間回路が、前記発電機に接続された第1の部分直流中間回路と、前記電気機械的エネルギー変換器に接続された前記第2の部分直流中間回路と、を備えており、前記方法がさらに、前記第1の部分直流中間回路の第1の直流電圧を、前記第2の部分直流中間回路に供給されるより高い第2の直流電圧に変換するステップを有する、というものである。
【0027】
これは、前記発電機によって生成される電気エネルギーが、前記電気機械的エネルギー変換器を前記所定の速度で動作させるために十分でない場合、前記第2の部分直流中間回路において前記第2の直流電圧を、前記付加的電気エネルギー供給部により生成される第3の直流電圧を下回るように調整するステップをさらに有するように改良することができる。
【0028】
他の一改良形態では、本方法は、他の電気機械的エネルギー変換器を動作させるために、又は他の換気装置を動作させるために、前記直流中間回路の直流電圧を第3の交流電圧に変換するステップをさらに有することができ、前記他の電気機械的エネルギー変換器はとりわけ、例えば前記熱力学サイクルプロセス装置内で作動媒体をポンピングするための供給ポンプ等のポンプである。
【0029】
上述の改良形態は個別に使用することができ、又は、特許請求の範囲に記載されているところにより適宜組み合わせることができる。
【0030】
以下、本発明の他の構成及び実施形態例並びに利点について、図面を参照して詳細に説明する。勿論、これらの実施形態は本発明の範囲の全てではない。また、詳細に記載されている構成の一部又は全部を他の態様で組み合わせることができることも勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】本発明の第1の実施形態の装置を示す図である。
【
図1B】本発明の第1の実施形態の装置を備えた本発明のシステムを示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の装置における1つ又は複数の換気装置の動作状態を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態の装置を示す図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態の装置を示す図である。
【
図5】本発明の第4の実施形態の装置を示す図である。
【
図6】本発明の第5の実施形態の装置を示す図である。
【
図7】本発明の第6の実施形態の装置を示す図である。
【
図8】本発明の第7の実施形態の装置を示す図である。
【
図9】本発明の第8の実施形態の装置を示す図である。
【
図10】本発明の第9の実施形態の装置を示す図である。
【
図11】本発明の第10の実施形態の装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面中、同一の符号は同一又は対応する構成要素を示す。一部において、図面を簡潔化するため、先行して記載されている実施形態に対して追加された構成要素にのみ符号を付している。
【0033】
以下の実施形態では、電気機械的エネルギー変換器のあくまで例として1つ若しくは複数の換気装置及び/又は1つ若しくは複数のポンプ、とりわけ熱力学サイクルプロセス装置における供給ポンプ等として示している。電気機械的エネルギー変換器は電気エネルギーを機械運動エネルギーに変換するものであり、その運動は直線運動又は回転運動とすることができる。これに応じて、リニア機械と回転電気機械とを区別する。以下の実施形態は回転電気機械についてのものであるが、これらの実施形態では速度制御は重要ではなく、これらの実施形態の電気機械的エネルギー変換器としてはリニア機械も使用することができる。
【0034】
また、以下の実施形態における電気機械的エネルギー変換器は主に、それ自体が、交流電圧接続端を有する中間回路を備えた構成となっている。以下の各実施形態は、電気機械的エネルギー変換器に接続するために適した電圧変換器が直流中間回路に設けられるように変更することができる。
【0035】
図1Aは、本発明の第1の実施形態の換気装置を動作させるための装置100を示す図である。
【0036】
装置100は、モータ10及びDC/AC電圧変換器44を備えた電動式の換気装置80と、熱力学サイクルプロセス装置の膨張機30のシャフト35に接続されてシャフト35と共に回転可能である発電機20と、を備えており、熱力学サイクルプロセス装置はここではORC装置である。発電機20と換気装置80との間には第1の電圧変換器42(入力変換器42)及び直流中間回路40が設けられている。第1の電圧変換器42は、発電機20の第1の交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。DC/AC電圧変換器44(あるいは出力変換器44)は、直流中間回路40の直流電圧を、換気装置モータ10を動作させるための第2の交流電圧に変換するように構成されている。直流中間回路40は付加的電気エネルギー供給部50に接続されており、付加的電気エネルギー供給部50はここでは公共電力網51である。装置100は、換気装置が所定の速度で動作可能となるように、換気装置80に供給される電気エネルギーを制御するための制御装置60をさらに備えており、制御装置60は、発電機20から換気装置80へ供給される電気エネルギーを制御するように構成されており、発電機20によって生成された電気エネルギーがそのために十分でない場合、制御装置60は、付加的電気エネルギー供給部50から換気装置80に供給される電気エネルギーを制御する。
【0037】
直流中間回路40はキャパシタ41を備えている。公共電力網51からの交流電圧は整流回路52によって整流されて、直流中間回路40に印加される。制御装置60はさらに、1つ又は複数の負荷のエネルギー需要に対応するように、発電機20によって生成されるエネルギーを低減するように構成されており、このエネルギーの低減はとりわけ、熱力学サイクルプロセス装置に流入する熱流を低減することにより、及び/又は、熱力学サイクルプロセス装置の効率を低減することにより行われる。
【0038】
熱エネルギー(例えば排熱等)から電気エネルギーを得るためのORC装置は、液体の作動媒体を昇圧して蒸発器へ送る供給ポンプと、熱の供給により作動媒体を予熱して蒸発させ、オプションとしてさらに過熱する前記蒸発器自体と、高圧状態の蒸発した作動媒体を膨張させて、発電機20により電気エネルギーに変換できる機械エネルギーを生成する膨張機30と、膨張機30からの低圧蒸気(膨張した作動媒体)を除熱して液化させるコンデンサと、を備えている。コンデンサから液体の作動媒体はシステムの供給ポンプに戻り、これにより熱力学的循環路が閉じられる。
【0039】
図1Bは、
図1Aの本発明の第1の実施形態の装置と組み合わされた本発明のシステムを示す。
【0040】
このシステムは、熱発生装置110と、熱発生装置の流出口111であって、冷却すべきプロセス流体を当該熱発生装置110から排出するための流出口111と、熱発生装置110の流入口112であって、冷却されたプロセス流体を熱発生装置110へ供給するための流入口112と、熱力学サイクルプロセス装置、とりわけORC装置と、を備えており、熱力学サイクルプロセス装置は、冷却すべきプロセス流体を熱発生装置110の流出口111から導入するための入口121と、冷却されたプロセス流体を熱発生装置110の流入口112へ排出するための出口122と、を備えた蒸発器120と、膨張機30と、空冷されるコンデンサ150と、ポンプ160と、を備えており、蒸発器120は、プロセス流体の熱を利用して熱力学サイクルプロセス装置の作動媒体を蒸発させるように構成されており、膨張機30は、蒸発した作動媒体を膨張させ、発電機20を用いて電気エネルギーを発生させるためのものであり、コンデンサ150は、膨張した作動媒体を液化するためのものであり、ポンプ160は、液化した作動媒体を蒸発器へポンピングするためのものである。
【0041】
さらに、冷却すべきプロセス流体の少なくとも一部を冷却するための空気冷却器170が設けられている。システムは分岐部171を備えており、分岐部171は例えば、冷却すべきプロセス流体を当該プロセス流体の第1の部分流と第2の部分流とに分割するため、プロセス流体の流れ方向を基準として流出口111より下流かつ入口121より上流に設けられている。システムはさらに合流部172を備えており、合流部172は、冷却器170により冷却されたプロセス流体の第2の部分流と蒸発器120により冷却された当該プロセス流体の第1の部分流とを合流させるため、プロセス流体の流れ方向を基準として出口122より下流かつ流入口112より上流に設けられており、分岐部171は、第1の部分流を蒸発器120に供給すると共に、第2の部分流を冷却器170に供給するように構成されている。周囲空気の流れは、まず冷却器170を通ってから、その後にコンデンサ150を順次通る。
【0042】
上記のシステムの具体的な実施形態は、あくまで例示である。
【0043】
図2は、本発明の第1の実施形態の装置100における1つ又は複数の換気装置の動作状態を、電力対外部温度のグラフで示す図であり、以下これについて詳細に説明する。
【0044】
換気装置80はDC中間回路(Direct Current)40(又は複数のDC中間回路)を介して発電機20に接続されている。換気装置80の速度は、冷却システムの目標送り温度に依存して制御され、発電機速度とORCプロセスからのエネルギー供給とには依存しない。
【0045】
ORCプロセスが生成するエネルギーが中間回路40で必要とされる分(U_DC)より少ない場合、その不足分のエネルギーは公共のグリッド51から整流器52を介して引き出される。整流器52は、熱力学サイクルプロセスに依存せずに換気装置80の動作の保証も行う(例えば故障時や不具合時)。サイクルプロセスの不具合時又は故障時には、必要な電力の全部がグリッド51から引き出される。よって、換気装置80によって動作する冷却器は一貫してかつ独立して、十分な冷却パワーを提供することができる。ORCプロセスが生成するエネルギーが中間回路40で必要とされる分(U_DC)より多い場合(そのためには、システムは所定の外部温度を下回る通常動作時に対応して設計される)、適切な措置を講じなければならない。
【0046】
発電機20の速度は、最初はORCプロセスの最適な動作点に応じて設定され、入力変換器42を用いて制御される(制御モード)。この動作点では、ORCに伝達される熱量Qzuは最適効率ηORCで電気エネルギーPelに変換される。
【0047】
この変換後の電気エネルギーを所望の通りに低減するためには、原理的に2つの異なる手段が存在する:
-供給ポンプ速度を低減することにより、供給される熱Qzuを低減する。
-例えば熱効率ηth、発電機効率ηGen又は入力変換器の効率ηEW等の効率連鎖における個々の効率を悪くすることにより、効率ηORC=ηth・ηGen・ηEWを低下させる。
【0048】
実用上は、これらの措置は相互間で僅かに影響を与え合い、例えば供給ポンプ速度が低下すると蒸発パラメータが別のものになり、ひいては熱効率も変化する。
【0049】
従来のORC制御と相違する点として、電圧U_DCが発電機速度及び/又は供給ポンプ速度に対する制御量として使用され、この速度は、ORC電力生成と消費エネルギーとの間が安定的な均衡状態となるまで低下され、又は再び上昇される。換気装置による消費が一定である場合、電圧U_DCの振舞いは、ORC電力が上昇すると共に増大する。電圧U_DCはこのようにして制御量として用いられる。
【0050】
従来技術では中間回路40には、中間回路電圧を素子にとって危険でない値に制限するブレーキチョッパが設けられていた。しかしこのブレーキチョッパは、ブレーキ抵抗の十分な排熱を保証しなければならず、その部品の追加により材料コストが高くなるという欠点を有する。本発明では、これを省略することができる。その代わりに本発明では、入力変換器42の迅速な制御と、準最適領域での発電機20の駆動とによって、発電機20において生じる損失をより多くし、これにより中間回路電圧を制限する。つまり、入力変換器42を意図的に、効率を悪くして動作させるということである。
【0051】
図3は、本発明の第2の実施形態の換気装置を動作させるための装置200を示す図である。
【0052】
図1Aの第1の実施形態100との相違点として、直流中間回路40は、入力変換器42に接続された第1の部分直流中間回路46と、出力変換器44に接続された第2の部分直流中間回路48と、両部分回路間に配置された昇圧コンバータ45と、を備えている。昇圧コンバータ45は同義語としてブーストコンバータ又はステップアップコンバータとも称される。
【0053】
換気装置のために必要な出力電圧を定格電圧が格段に下回る発電機を引き続き使用するためには、ブーストコンバータ45を介挿接続する。グリッド接続端はここでは、3相接続されるパッシブ型のB6整流器52により構成される。
【0054】
図4は、本発明の第3の実施形態の換気装置を動作させるための装置300を示す図である。
【0055】
図3の第2の実施形態200とは異なり、グリッド連結はブーストコンバータ45の入力側でも行うことができる。さらに、力率改善段54(アクティブPFC、Power Factor Correction)を用いたアクティブなグリッド連結が用いられ、これはグリッドから引き込む電力が常に小さいので、ORC発電機と負荷(換気装置)との間の電力バランスの制御に余裕が生じる。第2の実施形態との相違点として、1相のグリッド接続端で足りる。アクティブPFCにより、消費電流は第2の実施形態とは異なって略正弦波形となる(高調波が回避される)。
【0056】
図5は、本発明の第4の実施形態の装置400を示す図である。
【0057】
第4の実施形態400では、第2の実施形態200とは対照的に、第2の部分直流中間回路48において並列回路が設けられている。かかる構成では、第2の部分直流中間回路48の直流電圧を、例えば水ポンプ及び/又は熱力学サイクルプロセス装置内で作動媒体をポンピングするための供給ポンプ等のポンプ81のモータ11の動作のための第3の交流電圧に変換するための他の出力変換器49を介して、ポンプ81を駆動することができる。
【0058】
ここでは、換気装置80の他にポンプ81にも、第2の中間回路48(U_DC2)から給電を行う。その利点は、通常動作時にポンプ81のエネルギーもORCプロセスから得られ、グリッド51から引き込まなくても良いため、一層の効率向上が達成されることである。ORCプロセスを始動するためには、エネルギーはB6ブリッジ52を介してグリッド51から引き込まれる。また、補助電圧供給(例えば24VDC等、不図示)も同様に中間回路48から取り出すことができる。
【0059】
図6は、本発明の第5の実施形態の装置500を示す図である。
【0060】
第4の実施形態400との相違点として、ポンプ81に代えて他の換気装置82が駆動される。
【0061】
第5の実施形態500では、複数の換気装置80,82が共通のDC中間回路において並列接続されているのが示されている。ここでは、換気装置のパワーに応じて任意の数の換気装置を並列接続することができる。実用上は、複数の換気装置及び比較的大型の冷却器を用いることにより、空気速度を下げて滑らかな動作と効率とを改善することが多い。
【0062】
図7は、本発明の第6の実施形態の装置600を示す図である。
【0063】
第6の実施形態600では、共通のコンバータすなわち出力変換器44を介して複数の換気装置80,82に給電が行われる。従って、その並列接続は交流側で行われる。こうするためには、この共通のコンバータ44に後置接続された正弦フィルタ13が必要である。この正弦フィルタは、周波数可変の正弦波の出力電流を出力する。第5の実施形態500に対する利点は、配線が簡単になること(応力強度、シールド電線の省略)と、EMC特性(電磁両立性)が改善されることである。コンバータ44と換気装置モータとの間の配線は、例えば10m以上の長さとすることができる。
【0064】
図8は、本発明の第7の実施形態の装置700を示す図である。
【0065】
第7の実施形態700には、ファン80の3相のAC入力端がDC中間回路48に直接接続されているのが示されている。変換器44は通常、入力整流ダイオード(ボディダイオード)を備えており、この入力整流ダイオードによりDC回路への直接接続が可能になる。これにより、中間回路48(U_DC2)は換気装置コンバータ(変換器44)の中間回路に直接接続される。よって、市販の制御されるECファン(Electronically Commutated Motor)を直接そのまま使用することができる。相故障監視又はAC電圧監視が設けられている場合、上述のECファンをそのまま使用するためには、この監視を作動停止しなければならない。本実施形態も、一変形形態では複数のファンを接続することができる。
【0066】
図9は、本発明の第8の実施形態の装置800を示す図である。
【0067】
第8の実施形態800では、例えば中間回路48におけるバッテリー70等のエネルギー貯蔵器が示されている。これは、完全に無電動のファンの方向への一歩であり(例えばポンプ、ファン、補助電圧供給部等のあらゆる負荷が中間回路に接続され、少なくとも、配電網への永続的な接続を要せず、バッテリー70の寸法設計が適切であればグリッド接続端を完全に省略することができる)、さらに、ORC電力の制御回路の設計において自由度を増大することができる。
【0068】
図10は、本発明の第9の実施形態の装置900を示す図である。
【0069】
第9の実施形態900では、逆方向供給可能なグリッド変換器53(双方向電流変換回路)を備えたトポロジーが示されている。これにより、ORC発電機の出力を制限することなく、余剰エネルギーがグリッド51に戻る。供給変換器53は、国ごとに適用される供給ガイドラインに従わなければならない。技術面及び規制面での全ての供給ガイドラインを遵守するために上乗せされるコストを無くせることが、上記の全ての実施形態の利点である。
【0070】
図11は、本発明の第10の実施形態の装置1000を示す図である。
【0071】
第10の実施形態1000は、例えば加熱回路の熱水ポンプ等のポンプ83にDC中間回路48から給電するものである。しかし、ポンプ83に代えて、コンプレッサ又は他の任意の電気的負荷を接続することも可能である。
【0072】
ポンプは本適用例では、換気装置より所要電力が高いことが多い。所要ポンプ電力がORC電力より高い状態が続く場合には、ORC発電機変換器のDC出力端を、制御されるポンプの電圧中間回路に直接接続することが可能である。その際には、ORCは最適な動作点で、ポンプの動作に使用される最大エネルギーを生成する。追加のエネルギーは、グリッドから継続的に引き込まれる。
【0073】
上記の実施形態はあくまで例示である。本発明の全範囲は、特許請求の範囲によって定められる。