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特許7471288移動するパーツを選別するためのユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】移動するパーツを選別するためのユニット
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/91 20060101AFI20240412BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20240412BHJP
   A01K 43/00 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
B65G47/91 B
B07C5/36
A01K43/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021523718
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 FR2019052604
(87)【国際公開番号】W WO2020094958
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】1860158
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516086303
【氏名又は名称】エッグ-チック オートメイテッド テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロバート,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】クーヴォー,ローラン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529083(JP,A)
【文献】特表2008-529786(JP,A)
【文献】特表2002-538794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00 - 47/96
B07C 5/00 - 5/38
A01K 43/00 - 43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアベルト(2)上の移動するパーツを選別するためのユニットであって、前記コンベアベルトから不適合と選択的に識別されるパーツを抽出することが可能であるパーツ移送装置(3)を備え、前記パーツ移送装置は、前記コンベアベルトの上方で横方向に回転可能であるように装着されることが可能であるローラ(31)と、前記ローラの周縁に半径方向に延在し、前記ローラの第1の角度位置によって画定される除去位置に運ばれたときに、各々が前記コンベアベルトから1つのパーツを選択的に除去することが可能であり、前記ローラの第2の角度位置によって画定される放出位置に運ばれたときに、前記除去されたパーツを放出することが可能な複数の把持ツール(32)であって、各把持ツール(32)は、前記ローラ(31)上に装着されて、前記ローラ(31)の内部に至る管状支持スリーブ(322)上に固定される吸着カップ(321)を含み、前記管状支持スリーブ(322)は、前記吸着カップと、周囲空気に対して減圧下に維持されている、前記ローラの内部に配置された主チャンバ(312)との間に連通を確立することが可能である横方向開口部(322c)が設けられている内側ダクトを画定する、複数の把持ツール(32)と、を備え、前記除去位置に運ばれるすべての前記吸着カップ(321)が減圧下に置かれ、各管状支持スリーブ(322)が、前記ローラの壁(311)を通じて当該スリーブの軸に従って並進して移動可能であるように装着され、アクチュエータ(34)が、前記除去位置において、前記吸着カップ(321)が前記除去されるパーツと係合するように、前記コンベアベルトの方向における前記管状支持スリーブ(322)の移動を選択的に命令することが可能であることを特徴とする、ユニット。
【請求項2】
前記管状支持スリーブ(322)は、前記壁を通過するガイドリング(33)を介して前記ローラ(31)の前記壁(311)の両側に延在する中空管要素から形成され、前記壁を通過するガイドリング(33)は、第1の端部(331a)を有するシャンク(331)を備え、前記シャンク(331)は、前記ローラ(31)の前記壁(311)の外面から突出し、かつ、前記ローラ(31)の前記壁(311)の孔(313)に、前記第1の端部(331a)によって装着され、前記中空管要素は、前記壁を通過するガイドリング(33)内に受け入れられ、前記壁を通過するガイドリング(33)に摺動接続によって接続され、これにより前記中空管要素と前記壁を通過するガイドリング(33)との間の相対的な並進運動が可能になる、ことを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記シャンク(331)の内面が、前記中空管要素(322)の外面を支持するための2つの円筒形支持突出部(3311、3312)を備え、前記突出部は、前記シャンク(331)のそれぞれの端部に配置され、二次チャンバを画定するセットバック円筒内面(3313)によって相互接続され、前記シャンクの前記第1の端部(331a)の側面に配置された前記円筒形支持突出部(3311)には、前記二次チャンバを前記ローラの前記主チャンバ(312)と連通させることを意図する複数の長手方向溝(3314)が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
前記中空管要素(322)が、前記ローラ(31)内に配置された前記主チャンバ(312)内で優勢な減圧の影響下で、前記ローラ(31)の内部に引き込まれる位置であって、当該位置において、前記開口部(322c)が減圧を前記吸着カップ(321)に伝達するために前記主チャンバと直接連通する、位置と、前記アクチュエータ(34)の作用下で前記コンベアベルト(2)に向かって展開される位置であって、当該位置において、前記開口部(322c)が減圧を前記吸着カップ(321)に伝達するために前記二次チャンバと直接連通する、位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記シャンク(331)が、前記第1の端部(331a)にフランジ(3310)を備え、当該フランジによって、シールジョイントを介して、前記孔(313)の周縁部を圧迫することができることを特徴とする、請求項2~4のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項6】
前記アクチュエータ(34)が、前記ローラの内部に装着されているシリンダを備え、前記シリンダは、前記ローラの前記壁を通じて前記ローラの外側に向かって前記管状支持スリーブ(322)を押すことが可能であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項7】
前記ユニットは、カム(35)を形成し、かつ前記ローラの内部に配置され、かつ前記ローラの回転に対して固定されている手段を備え、前記カム(35)は、前記除去位置に到達した後の前記ローラの回転中に、前記管状支持スリーブ(322)が前記カム(35)に行き当たり、前記開口部(322c)が少なくとも部分的に、前記把持ツール(32)の放出位置において外気の中に位置決めされるまで、前記管状支持スリーブ(322)の前記ローラの外部への移動を強制するようにカム軌道に従うことが可能であるようにプロファイルされることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項8】
前記第1の角度位置および前記第2の角度位置が、互いに対して少なくとも180°オフセットされることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項9】
前記ユニットは、前記パーツの移動と同期された速度および位相を有する様態で前記吸着カップ(321)の回転をもたらすように、前記ローラに回転速度命令を提供することが可能である制御モジュール(15)を備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項10】
前記ユニットは、家禽卵の処理に好適であり、前記移送装置(3)は、前記移送装置(3)によって前記コンベアベルト(2)から卵を抽出することを目的として、不適合卵を検出するための検卵ステーションの下流に配置されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアベルト上の移動するパーツを選別するためのユニットに関し、ユニットは、上記コンベアベルトから不適合と選択的に識別されるパーツを抽出することが可能であるパーツ移送装置を備え、パーツ移送装置は、上記コンベアベルトの上方で横方向に回転可能であるように装着されることが可能であるローラと、上記ローラの周縁に半径方向に延在し、上記ローラの第1の角度位置によって画定される除去位置に運ばれたときに、各々が上記コンベアベルトから1つのパーツを選択的に除去することが可能であり、上記ローラの第2の角度位置によって画定される放出位置に運ばれたときに、上記除去されたパーツを放出することが可能な複数の把持ツールであって、各把持ツールは、上記ローラ上に装着され、かつ上記ローラの内部に至る管状支持スリーブ上に固定される吸着カップを備え、上記管状支持スリーブには、上記吸着カップと、周囲空気に対して減圧下に維持されている、上記ローラの内部に配置された主チャンバとの間に連通を確立することが可能である横方向開口部が設けられている内側ダクトを画定する、複数の把持ツールと、を備える。
【0002】
本発明の好ましい用途は、家禽卵を処理するための家禽産業におけるものである。例えば、その後の意図される用途に適合しない卵を検出することを目的とした検卵動作の結果に応じて卵を選別するための産業ユニットの文脈では、コンベアベルト上に直列に配置されたトレイ内に分散された規則的な場所に従って卵を置き、コンベアベルトは、不適合として検出される卵を分離するために、不適合卵を検出するように意図されている検卵ステーションを通って、その後、卵抽出ステーションへと卵を移動させることが既知である。
【背景技術】
【0003】
家禽卵の処理におけるそれらの使用における、上記序言に記載される選別ユニットは、特に特許文献EP3194309によって与えられる例によって、当業者に周知である。本文献に記載されているユニットは、コンベアベルトの上方で横方向に配置された回転ドラム式の卵移送装置を使用する卵抽出ステーションを備える。上記ドラムまたはローラは、その周縁に吸着カップ把持ツールを保持し、これらのツールは、ローラの回転によって、コンベアベルトに対して、適合していないと識別される卵を把持するための除去位置と称される位置に入り、その後、ローラの回転中に決定される、吸着カップ把持ツールによって除去された卵が例えば、卵受容トレイに放出される、卵放出位置と称される位置に入るように駆動される。これを達成するために、ローラの内部に配置された圧力チャンバは、周囲空気に対して減圧下に維持され、各吸着カップは、ローラに固定された支持体上に堅固に装着され、吸着カップを減圧下にあるローラのチャンバと連通させることが可能である内側ダクトが設けられ、上記ダクトには、上記連通を開閉するための制御バルブが設けられている。したがって、連通が開いているとき、ツールの除去位置で、吸着によって卵に係合する、吸着カップ内の減圧が保証される。次いで、連通が閉じられると、ツールの放出位置で、吸着カップはもはや減圧の影響を受けず、これにより、卵を受容トレイに放出することが可能になる。
【0004】
この種のユニットは、直列に連続的に移動するパーツの処理に完全に対応しており、したがって高い処理速度に耐えることが可能であるため、特に有利である。
【0005】
しかしながら、先行技術から既知の上記ユニットには、いくつかの欠点が伴う。実際、コンベアベルトから、不適合として検出された卵を確実かつ効果的に抽出する能力は、ローラによってベルトに関連する除去位置に運ばれるときの、移動する卵のレベルに対する吸着カップの適切な位置決めに基づいている。したがって、ローラを除去位置に回転させる間、吸着カップは、当該吸着カップが対応するバルブを開くためのコマンドによって減圧下に置かれているときに、抽出される卵と吸着によって正しく係合することを可能にするために、コンベアベルト上で吸着カップの反対側にある移動中の卵と同一平面で接触するように、卵のレベルに対して位置決めされなければならない。実際、卵との接触が除去位置において正しく行われていない場合、吸着カップが減圧下に置かれた瞬間に、吸着は卵を除去するのに十分でない。
【0006】
処理済みの卵は非常に多くの場合、異なるサイズであることが見出されている。したがって、移動する卵のレベルは全体的に均一ではなく、これは、効果的な様態で除去を確実にすることを可能にするために、卵のレベルに対する吸着カップの正しい位置決めを管理することが困難にする。移動する卵の均一性が欠如しているというこの問題は、卵が受け取られ、コンベアベルト上で直列に、連続して搬送されるラックの平坦さが欠如していることによっても強調され得る。したがって、コンベアベルトから多少離れた領域において回転するローラの位置が可能な限り最良に調整されても、吸着カップの除去位置への通過は、検出されたすべての不適合卵の正しい抽出を確実にしない。
【0007】
さらに、各吸着カップが、除去位置への通過中に選択的に減圧下に置かれることを確実にするための開閉バルブの使用は、パーツの比較的複雑な配置を必要とする。
【0008】
最後に、これまで見てきたように、卵抽出動作は、ローラによって除去位置に移動された吸着カップが、移動する卵と同一平面で接触する場合に首尾よく完了する。言い換えると、ローラの回転中に除去位置を通過する度に、すべての吸着カップは、卵を把持するように明確に命令されていない吸着カップを含め、卵と接触するように意図されている。移動中の卵と、除去位置に運ばれたすべての吸着カップとのこの系統的な接触は、重大でないとは言えない健康上のリスクを表し得る。
【発明の概要】
【0009】
この文脈において、本発明の目的は、上記の制限のうちの少なくとも1つを有しない選別ユニットを提案することである。
【0010】
この目的のために、上記序言によって与えられた一般的な定義をさらに満たす本発明のユニットは、本質的に、除去位置に運ばれるすべての吸着カップが減圧下にあり、各管状支持スリーブが、上記ローラ上でその軸に従って並進して移動可能であるように装着され、アクチュエータが、上記除去位置において、上記吸着カップが除去される上記パーツと係合するように、上記コンベアベルトの方向における上記管状支持スリーブの移動を選択的に命令することが可能であることを特徴とする。
【0011】
したがって、ローラの回転によって除去位置に運ばれる、減圧下に置かれたすべての吸着カップのうち、実際に不適合と識別された移動するパーツを把持する必要があるもののみが、並進において、その支持スリーブの選択的な命令によって、上記パーツに接触させられ、吸着カップを、コンベアベルトの方向において、ローラに近い位置から、ローラから離れた位置まで半径方向に移動させることが可能になり、その位置において、把持されるパーツと接触することが意図される。
【0012】
言い換えると、従来技術のユニットでは、吸着カップは固定され、それらがローラの回転中に除去位置に運ばれるとき、それらはもはや減圧下にはなく、すべて卵と接触しており、除去は、卵を実際に把持しなければならない吸着カップのみを減圧下に置くことを選択的に命令することによって達成される。対照的に、本発明のユニットでは、吸着カップは移動可能であり、それらがローラの回転中に除去位置に運ばれるとき、それらは卵と接触しておらず、対照的にすべて減圧下にあり、したがって、除去は、その並進的に移動可能な支持スリーブによって提供される吸着カップの半径方向の移動容量によって、卵を実際に把持しなければならない吸着カップのみを卵と接触させることを選択的に命令することによって達成される。これによって、健康の観点において、卵との接触がそれによって、実際には卵の除去を行わなければならない吸着カップのみに限定されて劇的に減少するため、また簡素化の観点においても、吸着カップを減圧下に置くための空気圧回路の管理があまり複雑にならないため、二重の利点がもたらされる。
【0013】
さらに、コンベアベルトの方向における吸着カップの半径方向変位の容量によって、回転ローラに対する並進における支持スリーブの移動可能性の影響下で、上記配置は、顕著に異なる寸法のパーツに対する調整を可能にする。
【0014】
有利には、上記管状支持スリーブは、壁を通過するガイドリングを介して上記ローラの壁の両側に延在する中空管要素から形成され、上記壁の外面から突出するシャンクを備え、上記シャンクは、上記壁の孔内で第1の端部によって装着され、上記中空管要素は、上記中空管要素と上記ガイドリングとの間の相対的な並進運動を可能にする、上記ガイドリングへの摺動接続によって接続される。
【0015】
有利には、上記シャンクの内面は、上記中空管の外面を支持するための2つの円筒形支持突出部を備え、上記突出部は、上記シャンクのそれぞれの端部に配置され、二次チャンバを画定するセットバック円筒内面によって相互接続され、上記シャンクの上記第1の端部の側面に配置された上記円筒形支持突出部には、上記二次チャンバをローラの上記主チャンバと連通させることを意図する複数の長手方向溝が設けられる。
【0016】
有利には、上記中空管要素は、ローラ内に配置された主チャンバ内で優勢な減圧の影響下で、ローラ内部に引き込まれる位置であって、当該位置において、上記開口部が減圧を上記吸着カップに伝達するために上記主チャンバと直接連通する、位置と、上記アクチュエータの作用下でコンベアベルトに向かって展開される位置であって、当該位置において、上記開口部が減圧を上記吸着カップに伝達するために上記二次チャンバと直接連通する、位置との間で移動可能である。
【0017】
有利には、上記シャンクは、その第1の端部にフランジを備え、それによって、シールジョイントを介して、上記孔の周縁部を圧迫することができる。
【0018】
好ましくは、上記アクチュエータは、上記ローラの内部に装着されるシリンダを備え、上記シリンダは、上記ローラの上記壁を通じて上記ローラの外側に向かって上記管状支持スリーブを押すことが可能である。
【0019】
有利には、上記ユニットは、カムを形成し、かつ上記ローラの内部に配置され、かつ上記ローラの回転に対して固定される手段を含み、上記カムは、上記除去位置に到達した後の上記ローラの回転中に、上記管状支持スリーブがカムに行き当たり、上記開口部が少なくとも部分的に、放出位置において外気の中に位置決めされるまで、上記管状支持スリーブを上記ローラの外部に向けて強制的に移動させるようにカム軌道に従うことが可能であるようにプロファイルされる。
【0020】
有利には、それぞれ上記除去位置および放出位置を画定する第1の角度位置および第2の角度位置は、互いに対して少なくとも180°オフセットされる。
【0021】
有利なことに、上記ユニットは、パーツの移動と同期された速度および位相を有する様態で吸着カップの回転をもたらすように、上記ローラに回転速度命令を提供することが可能である制御モジュールを備える。
【0022】
好ましくは、上記ユニットは、家禽卵の処理に好適であり、上記移送装置は、上記移送装置によって上記コンベアベルトから卵を抽出することを目的として、不適合卵を検出するための検卵ステーションの下流に配置される。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として、および添付の図面を参照して与えられる、本発明の特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による、コンベアベルト上で回転するパーツ選別ユニットの概略図である。
図2】除去位置と放出位置との間の、吸着把持ツールを保持するローラの回転の異なる段階における、図1のユニットの移送装置の概略断面図である。コンベアベルトに対して示される吸着カップの除去位置に対応するローラの角度位置にある移送装置の概略断面図であり、ここで、制御される吸着カップと関連付けられた管状支持スリーブが引き込み位置において示されている。
図3】除去位置と放出位置との間の、吸着把持ツールを保持するローラの回転の異なる段階における、図1のユニットの移送装置の概略断面図である。制御される吸着カップに関連付けられた管状支持スリーブのスリーブが、ローラ内に一体化されたアクチュエータの影響下で、ここでは展開位置において示されている、図2と同様の断面図である。
図4】除去位置と放出位置との間の、吸着把持ツールを保持するローラの回転の異なる段階における、図1のユニットの移送装置の概略断面図である。ローラの後続の角度位置にある、上記に示される移送装置の断面図であり、ここで、吸着カップと関連付けられた管状支持スリーブが、ローラ内に一体化されたカムを形成する手段と接触している。
図5】除去位置と放出位置との間の、吸着把持ツールを保持するローラの回転の異なる段階における、図1のユニットの移送装置の概略断面図である。示されている吸着カップの放出位置に対応する角度位置に到達しているローラを示す、上記に例示される移送装置の断面図である。
図6】除去位置と放出位置との間の、吸着把持ツールを保持するローラの回転の異なる段階における、図1のユニットの移送装置の概略断面図である。示されている吸着カップの放出位置に対応する角度位置に到達しているローラを示す、上記に例示される移送装置の断面図である。
図7】壁を通るガイドリングの長手方向の概略断面図および平面図であり、リング内に管状支持スリーブが装着されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明は、本発明の特定の実施形態に対応し、これによれば、移動するパーツを処理するためのユニットは、家禽卵を処理するためのユニットである。したがって、図1を参照すると、処理される卵1は各々、輸送トレイ10のセル11に配置され、そのセルは、一連の相互に平行な行および列に編成されている。様々なトレイが、不適合と識別される卵を抽出するための抽出ステーションまでその長手方向軸に従って移動されるコンベアベルト2を備える運搬ライン上に次々と配置され、抽出ステーションは、運搬ラインの外側の、上記不適合卵を、移動しているコンベアベルトから抽出された卵を収集するためのゾーンに移送することが可能である移送装置3を備える。不適合卵は、検卵ステーション、例えば、移動ライン上で抽出ステーションの上流(卵の移動方向に対して)に配置された粘度検査ステーション(図示せず)において、そのように識別されている。
【0026】
移送装置3は、コンベアベルト2の移動軸に対して横方向の軸を有する、コンベアベルト2の上方に回転可能に装着されるローラ31を備える。したがって、卵は、ローラ31の下方を通過する様態で移動する。ローラ31の端壁は、ローラ31を支持し、かつ2つの端部支持体13間の回転におけるその誘導を確実にするように意図されるベアリング12によって保持される。支持体に対するベアリング12の位置は、下にあるコンベアベルト2に対するローラ31の位置を調整することを可能にする。ローラとベアリングとの接続は、緊密な接続を保証することを可能にするスイベルジョイントによって達成される。壁311によって区切られたローラ31の内部体積は、真空ポンプ(図示せず)の影響下で、周囲空気に対して減圧下に維持されることが意図される、主チャンバと称される内側チャンバ312を画定する。パイプ(図示せず)により、ローラ31の内部と真空ポンプとを接続することができる。スイベルジョイントが、ローラの密閉およびその中で優勢な低圧の保存を保証するために、ローラの端壁を通るその通路の領域内のパイプの周囲に設けられる。
【0027】
ユニットはまた、ローラ30を回転させる駆動手段14と、コンベアベルト2上の卵の移動と同期的な様態でローラの回転を制御することを意図した制御モジュール15と、を備える。
【0028】
ローラ31は、その周縁に、その軸に対して半径方向に配置された複数の把持ツール32を保持する。把持ツール32は、ローラの周縁全体を占める。把持ツール32は、ローラの長手方向に従って延在する相互に平行な行において、ローラの壁311上に配置される。したがって、ローラの回転によって除去位置に運ばれるとき、把持ツールの各行は、実質的にローラの下で垂直方向に、ローラの下で移動する卵の行の反対側に来ることが意図される。ローラの周縁における把持ツールの分布、特に、ツールの2つの行の間の角度ピッチおよび同じ行の2つのツール間の距離ピッチは、卵トレイおよびその卵を受容するセルの幾何学形状に応じて調整される。
【0029】
有利には、ローラの回転速度およびベルトの移動速度がトレイのための把持プロセス中に変化しないように、把持ツールの各行間のピッチがトレイのセルの各行間のピッチと同じであることが可能であり得ることが理解されよう。ローラの回転速度は、新しいトレイの到達に合わせて調整するために任意選択的に変更され、新しいトレイの各行間のピッチが以前と同じである場合、再び一定になる。しかしながら、把持ツールの各行間のピッチがトレイの各行間のピッチと異なる場合、制御モジュールは、ローラの下での卵の列の通過と同期的な様態で、把持ツールの行をローラの下の除去位置に運ぶように、各把持プロセス間でローラの速度を調整することを可能にすることを意図している。ローラに到達するためにトレイが進む残りの距離に従って、制御モジュールは、自動的に計算される時間中にローラの回転を加速または減速させることが可能であり、その結果、第1の列の卵は、除去位置に運ばれたローラ上の把持ツールの列に対して正しく整列される。
【0030】
各把持ツール32には、その遠位端に、減圧下に維持されるローラ31の主チャンバ312と連通することが意図される吸着カップ321が設けられる。より正確には、各吸着カップ321は、ローラ31の壁311の両側に、ローラ31の軸に対して半径方向に延在する管状支持スリーブ322の端部322a上に固定される。言い換えれば、管状支持スリーブ322の他方の端部322bは、ローラ31の壁311に対して吸着カップ321の固定端322aの反対側で、ローラの内部側に位置する。本発明によれば、吸着カップ321の管状支持スリーブ322は、その軸に従って、ローラ31の壁311に作製された孔313を通して並進して移動可能であるように装着される。吸着カップ321の管状支持スリーブ322は、中空管要素によって形成され、中空管要素は、中空管要素の側壁上に配置された開口部322cによって吸着カップ321を減圧下に置くための内側ダクトを画定するために、吸着カップ321の固定端322aの反対側でその端部322bにおいて閉じられ、上記固定端322aにおいて開放され、中空管要素の開放固定端322aに装着された吸着カップ34と、周囲空気に対して減圧下に維持される、ローラ内に配置された主チャンバ312との間の連通を確立することを可能にする。
【0031】
中空管要素322は、好ましくは、特定の所定の長さにわたって、ローラ31の壁311の外面から突出するシャンク331を含む、壁を通るガイドリング33を介して、ローラ31の壁311の両側に延在する。リング33は、固定端と称される第1の端部331aによって、ローラ31の壁311の孔313に装着され、吸着カップ321の管状支持スリーブ322を形成する中空管要素は、中空管要素と上記ガイドリングとの間の相対的な並進運動を可能にする、上記ガイドリング33への摺動接続によって接続される。
【0032】
ガイドリング33のシャンク331は、例えば、その固定端331aの領域内にフランジを含み、当該フランジを介して、それを中に装着しなければならないローラ31の壁311の孔313の内周縁部を圧迫することが可能である。孔313の内周縁部へのフランジの装着は、ローラの密閉およびその中で優勢な低圧の保存を確保するために、シールジョイントによって達成される。
【0033】
図2の視野では、吸着カップ321の管状支持スリーブ322は、ローラ31の内部に配置された主チャンバ312内で優勢な減圧のために、ローラ31内で引き込み位置に示されている。この引き込み位置では、管状支持スリーブ322は、ローラ内で優勢な減圧の影響下で変位され、その結果、吸着カップ321を固定するための端部322aの反対側の端部322bがローラ31の軸に実質的に近くなる。吸着カップを固定するための管状支持スリーブ322の固定端322aは、スリーブの上記引き込み位置において、リング33の自由端331bに対して当接することが可能である。言い換えると、管状支持スリーブ322の引き込み位置では、上記スリーブの大部分は、ローラ31内の主チャンバ312、特に開口部322cが配置されている部分に受容される。したがって、吸着カップ321は、吸着カップ321をローラの内側チャンバ312と連通させる開口部322cによって、減圧下に置かれる。図2に示される管状支持スリーブ32の引き込み位置では、吸着カップ321は、ローラ31の壁311の外面に近づけられる。
【0034】
さらに、吸着カップ把持ツール32は、図2においては除去位置に示されている。上記除去位置は、コンベアベルトに対するローラ31の回転が、吸着カップ把持ツール32を、コンベアベルト2によって画定される平面に対して実質的に垂直になるように、言い換えれば、コンベアベルト2に対して、吸着カップ321が下にあるコンベアベルト2と実質的に反対になるように配向される位置に運ぶときに、画定される。
【0035】
したがって、ローラ31によって保持される吸着カップ把持ツール32が除去位置に到達すると、ローラの回転のために、対応する管状支持スリーブ322は、ローラ内で優勢な減圧のためにローラ内に引き込まれる位置にあり、すべての吸着カップは、開口部322cによって減圧下に置かれ、減圧下で主チャンバ312との連通を確実にする。さらに、管状支持スリーブの引き込み位置のために、ローラの回転によってコンベアベルト2に対して除去位置に運ばれる吸着カップは、ローラ3の壁311の外面に対して近い位置にある。吸着カップ321の上記近い位置は、吸着カップ321が、ローラ31の回転によって除去位置に運ばれるときに、コンベアベルト上で、下方で移動する卵と接触しないように画定される。
【0036】
したがって、吸着による卵の除去およびベルトからのその抽出を可能にするために、不適合であると識別された卵を除去する必要がある吸着カップのみについて、卵と接触するプロセスを選択的に命令することが意図されるが、同じく除去位置に運ばれるが、卵を把持する必要がない他の吸着カップは、卵と接触するように命令されず、卵から距離をおいて、ローラ31の壁に近い位置に保持される。
【0037】
この動作モードは、除去位置に運ばれたすべての吸着カップによる卵との系統的な接触を回避することを可能にし、そのような接触が健康上のリスクを引き起こしやすい限り、特に有利である。
【0038】
除去位置において、不適合であると識別されるローラ上で移動している卵との吸着カップのこの選択的接触の命令は、アクチュエータ34の使用に基づき、これにより、除去位置において、管状支持スリーブ322が、その引き込み位置(図2)からコンベアベルト2の方向において展開位置(図3)に向かって移動するように選択的に命令することが可能になり、これにより、対応する吸着カップ321は、ローラの壁の外面から離れた位置において、不適合であると識別され、除去されなければならない卵と係合する。さらに、この動作モードは、吸着カップ321が卵と接触するまで、その管状支持スリーブに適用される命令によって動かされる限り、卵の抽出を効果的に保証することができ、したがって、移動する卵が様々なサイズであり得る場合を含め、吸着によって良好な係合が保証されるという利点を有する。
【0039】
アクチュエータ34は、ローラの回転によって除去位置に運ばれるときに、ローラの吸着カップの行のそれぞれの管状支持スリーブの動きを各々が選択的に命令することができるように、ローラに対して固定された様態で装着され、かつローラの内部に整列されたシリンダのセットの一部であるシリンダ340を備える。
【0040】
シリンダ340は、不適合と識別される卵と接触させるために除去位置への対応する吸着カップの移動を命令するように作動されると、シリンダのロッド341が、スリーブの管状支持スリーブを形成する中空管の閉端322bに対して接触し、コンベアベルトの方向に上記スリーブを押すように配置される。したがって、管状支持スリーブは、図3に示されるように展開位置をとる。
【0041】
この展開位置では、管状支持スリーブ322は、スリーブの端部322bを押すシリンダロッド341の作用下でコンベアベルトに向かって動かされ、スリーブの端部は、ローラ31の壁311の内面に実質的に近づく。その結果、スリーブの引き込み位置においてガイドリング33の自由端331bに当接していた吸着カップ321の固定端は、シリンダの作用下でスリーブが移動するにつれて半径方向にそこから離れて移動し、したがって、スリーブの固定端322aに装着された吸着カップ321は、依然として減圧下に維持されている、吸着カップによる吸着によって除去することができる卵と接触するまで、ローラの壁311の外面から離れた位置に運ばれる。
【0042】
吸着による卵との係合を可能にするために、吸着カップをコンベアベルトの方向における移動の全過程にわたって減圧下に維持することが不可欠である。
【0043】
吸着カップ321は、開口部322cによって減圧下に置かれ、これによって、吸着カップ321をローラの内側チャンバ312と連通させることが可能になる。図2に示される管状支持スリーブ32の引き込み位置において、開口部322cが、主チャンバ312内に配置され、減圧下で、ローラ31内部に配置されることが分かる。したがって、吸着カップと主チャンバとの間の連通を、スリーブの移動過程の全長にわたって、その引き込み位置からその展開位置まで、開口部322cを介して保持することが好都合である。これは、吸着カップの管状支持スリーブが装着されている壁を通るガイドリング33のシャンク331の特定の構成によって可能になる。
【0044】
図7を参照すると、シャンク331の内面は、それぞれ、リングに装着されたスリーブ322の外面と摺動様態で協働することが意図されているシャンクのそれぞれの端部331aおよび331bに配置される2つの円筒形支持突出部3311および3312を備える。シャンクのそれぞれの端部にある上記2つの円筒形支持突出部は、ローラの内部に配置された主チャンバに接続されることを意図した二次チャンバをスリーブの外面とともに画定するセットバック円筒内面3313によって相互接続される。
【0045】
これを実現するために、図7の平面図に示すように、シャンク331の固定端331aの側面に配置された円筒形支持突出部3311には、複数の長手方向溝3314が設けられており、ガイドリングのシャンクに沿って配置された第2のチャンバをローラ31の内部に配置された主チャンバ312と連通させることができる。
【0046】
したがって、シリンダ34が、ガイドリング33を通して、管状支持スリーブ322を押すように作動されると、スリーブ上に設けられた、吸着カップを減圧下に置くための開口部322cは、ガイドリング33内に配置された二次チャンバ内に配置され、二次チャンバは、ローラ内に配置された主チャンバ312に二次チャンバを接続する長手方向溝3314によって減圧下に置かれる。したがって、管状支持スリーブ322上に設けられた吸着カップ321を減圧下に置くための開口部322cは、減圧が吸着カップに向かって伝達されることを可能にする二次チャンバによって、ガイドリング33を通じたスリーブの移動の全過程において、減圧下にあるローラの主チャンバ312と常に連通している。したがって、吸着カップ312が卵(図示せず)と接触するまで、吸着カップは、スリーブの移動の全過程を通じて減圧下に維持される。
【0047】
したがって、ガイドリング33は、有利には、スリーブの有用な移動過程、すなわち、吸着カップが減圧下に維持されるスリーブの移動過程を増加させることが可能であり、ローラの内部に配置された減圧下の主チャンバをリングの内部に配置された二次チャンバに「拡張する」ことが可能である。
【0048】
図7はまた、ローラ31の壁311の孔313の領域における固定の目的で、ガイドリング33のシャンク331の固定端331aの領域内に半径方向に突出するフランジ3310を示す。
【0049】
次に、除去される卵が吸着によって吸着カップ321内に保持されるため、シリンダ34は、管状支持スリーブ322がその後、ローラ内で優勢な減圧のために、図2に示すように、その後引き込み位置に自然に戻るようにシリンダロッド341を引き込むように制御される。
【0050】
したがって、卵(図示せず)が減圧下における吸着カップの吸着の作用下で剛性的に接続される吸着カップ321は、図4に見られるように、回転を続ける。実質的に除去位置からの8分の1回転の終わりに、吸着カップの管状支持スリーブ322、より正確にはその端部322bは、ローラ31の内部でその側壁311の内面とその回転軸との間に延在するカム35を形成する手段と反対になるように移動される。
【0051】
カム35は、例えば、端壁13の1つに固定することによって、ローラ31に対して固定された様態で装着される。カム35の機能は、ローラの回転中、吸着カップが除去位置に到達した後、吸着カップ321がローラの回転によって、例えば、吸着カップが除去位置に到達した後に約4分の3回転だけオフセットされている放出位置に対応する所与の角度位置に運ばれるときに、吸着カップ321を減圧下に置くために開口部322cが、少なくとも部分的に外気中に置かれるまで、吸着カップ321の管状支持スリーブ322の外側への移動を強制する機能である。この位置では、スリーブの開口部322cが外気中に置かれているため、吸着カップ321はもはや減圧下になく、吸着カップから卵を放出することが可能である。
【0052】
図4図6に示すように、管状支持スリーブ322の端部322bは、カム35上に形成されたランプの第1の端部と接触し、そのプロファイルは、放出位置までローラ31の壁311の内面に向かって収束する。カム35と、ガイドリング33を通って並進して移動可能であるように装着されている管状支持スリーブ322の端部322bとの間の接触の影響下で、ローラ31の回転は、吸着カップ321が放出位置に運ばれるときに到達する、過展開位置と称されるスリーブの位置まで、ガイドリング33を通じてスリーブを外部に向かって移動させる。過展開と称され、図6に見られるこの位置では、スリーブ322は、ローラの回転中にカム35との接触の影響下で強制的に展開され、結果、その開口部322cは、ガイドリング33の外部につながり、したがって、ローラ31の壁311に対してその反対側で、外気中に置かれる。吸着カップの管状支持スリーブ322の開口部322cのこの配置は、吸着カップによる卵の吸着の終わりをもたらす。
【0053】
スリーブ322の過展開位置は、展開位置と対照的に参照される。第1の位置では、吸着カップ321はもはや減圧下にはなく、一方で、吸着カップ321は、第2の位置において依然として減圧下に維持される。事実、スリーブ322の展開位置は、アクチュエータ34の影響下でローラ31の外部に向けて展開されるスリーブ322の位置に対応し、この位置において、吸着カップ321は、除去される卵と接触させるためにローラ31の壁311から離れており、また、この位置において、スリーブ322上に設けられた、吸着カップ321を減圧下に置くための開口部322cは、依然として、吸着カップ321を減圧下に維持するために、ガイドリング33内に配置された減圧下の二次チャンバの内部に維持される。対照的に、スリーブの過展開位置は、カム35の影響下でローラの外部に向かって展開されるスリーブ322の位置に対応し、そのプロファイルは、吸着カップの放出位置に到達するまでスリーブ35の外部に向けての展開を強制することを可能にし、この位置において、吸着カップ321を減圧下に置くための開口部322cは、ガイドリング322の出力において外気中にもたらされる。
【0054】
したがって、ローラの回転によって吸着カップが放出位置に運ばれるときに到達するスリーブ322の過展開位置では、吸着カップ321はもはや減圧下にない。図6に示されるように、有利には、吸着カップ321の放出位置が、除去位置に対して少なくとも180°のローラの回転に対応することが可能であり、この位置において、吸着カップ321は、ローラの下方に実質的に垂直に位置決めされ、結果、卵を単純に重力によって吸着カップから放出することができる。卵は、例えば、不適合であると識別された卵の受容トレイに放出され、受容トレイは、例えば、受容ベルト上に配置されており、受容ベルトは、コンベアベルト2に垂直に、上記コンベアベルトの上方で移動し、ローラの回転によって放出位置に運ばれている、吸着カップの重力の影響によって放出される卵が、受容トレイに落ちるように、ローラに対して位置決めされている。
【0055】
次いで、ローラ31は、その回転サイクルを続け、その間、吸着カップ321は、除去位置に運ばれる。放出位置の後、カム35は、スリーブが図1に示される引き込み位置に戻るまで、ローラ内で優勢な減圧の影響下で、ローラの回転中にローラの内部に向かって管状支持スリーブ322を漸進的に引き込むことを可能にすることが可能である、ローラの内部に向かってセットバックされているプロファイルを有する。管状支持スリーブの上記引き込みの間、スリーブを減圧下に置くための開口部322cは、減圧下でローラの主チャンバ312と再び連通し、これにより、上記減圧が吸着カップ321に伝達されることが可能になり、したがって、吸着カップ321は、ローラの後続の回転サイクル中に、再び除去位置に戻るように命令される準備ができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7