(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】TREX1のモジュレータ
(51)【国際特許分類】
C07D 413/12 20060101AFI20240412BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20240412BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240412BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240412BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240412BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20240412BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
C07D413/12 CSP
C07D413/14
A61P43/00 111
A61P35/00
A61K31/506
A61K31/5377
A61K31/551
(21)【出願番号】P 2021531909
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(86)【国際出願番号】 US2019064825
(87)【国際公開番号】W WO2020118133
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-05
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513137422
【氏名又は名称】コンステレーション・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONSTELLATION PHARMACEUTICALS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100157923
【氏名又は名称】鶴喰 寿孝
(72)【発明者】
【氏名】ガードバーグ,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ゲーリング,ビクター・エス
(72)【発明者】
【氏名】カンナ,アビナッシュ
(72)【発明者】
【氏名】レベル,ジュリアン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ジョナサン・イー
(72)【発明者】
【氏名】タベラス,ケネディ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】Protein Science,2008年,17(12),2059-2069
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
を有する化合物又はその薬剤的に許容される塩
(式中:
R
1は、水素、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、3~4員シクロアルキル、-OR
f、-SR
f、又は-NR
eR
fである;
R
2は、水素、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、又は3~4員シクロアルキルである;
Xは、結合、NR
3、O、S、又は(C
1-C
4)アルキレンであり、前記(C
1-C
4)アルキレンは、任意選択的に、R
4から選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
3は、水素、(C
1-C
4)アルキル、-C(O)R
d、又は-C(S)R
dである;
R
4は、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、フェニル、-NHC(O)OR
a、-NHC(S)OR
a、-C(O)R
b,-NHC(O)NHR
g、-NHC(S)NHR
g、-NHS(O)
2NHR
g、-C(S)R
b、S(O)
2R
c、S(O)R
c、-C(O)OR
d、-C(S)OR
d、-C(O)NHR
e、-C(S)NHR
e、-NHC(O)R
d、-NHC(S)R
d、-OR
e、-SR
e、-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、又は-NR
eR
fであり、R
4の前記フェニルは、任意選択的に、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、及びハロ(C
1-C
4)アルコキシから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
環Aは、フェニル、5~6員ヘテロアリール、4~7員ヘテロシクリル、又は3~7員シクロアルキルであり、その各々は任意選択的かつ独立して、R
5から選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
5は、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ、フェニル、-NHC(O)OR
a、-NHC(S)OR
a、-C(O)R
b,-NHC(O)NHR
g、-NHC(S)NHR
g、-NHS(O)
2NHR
g、-C(S)R
b、S(O)
2R
c、S(O)R
c、-C(O)OR
d、-C(S)OR
d、-C(O)NR
eR
f、-C(S)NHR
e、-NHC(O)R
d、-NHC(S)R
d、-OR
e、-SR
e、-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、-NR
eR
f、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、R
5の前記フェニルは、任意選択的に、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
5の前記(C
1-C
4)アルキルは、任意選択的に、OR
h、-NR
jR
k、フェニル、及び5~6員ヘテロアリールから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前記4~7員ヘテロシクリル及び4~6員ヘテロアリールは、各々任意選択的かつ独立して、R
mから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、そしてR
5中の(C
1-C
4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前記フェニル及び5~6員ヘテロアリールは、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
g、R
h、R
j、R
k、及びR
mは、各々独立して、水素、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、フェニル、-(C
1-C
4)アルキルフェニル、3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、そしてR
g、R
h、R
j及びR
kの前記4~7員ヘテロシクリルは、さらに任意選択的に、=Oで置換されていてもよい
;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e及びR
fは、各々独立して、水素、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、フェニル、3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、i)R
a、R
b、R
c、R
d、R
e及びR
fの前記(C
1-C
4)アルキルは、任意選択的に、フェニル、-OR
h、-NR
jR
kから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、ii)R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、及びR
fの前記フェニル、4~6員ヘテロアリール、及び4~7員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、そしてiii)R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、及びR
fの前記4~7員ヘテロシクリルは、さらに任意選択的に、=Oで置換されていてもよい)。
【請求項2】
前記化合物が、式II:
【化2】
を有するもの、又はその薬剤的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
2が(C
1-C
4)アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が、式III:
【化3】
を有するもの又はその薬剤的に許容される塩である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
環Aがフェニル、ピリジル、ピラゾリル、シクロプロピル、シクロブチル、アゼチジニル、又はピペリジニルであり、その各々は、任意選択的かつ独立して、1又は2個のR
5で置換されていてもよい、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
環Aがトリアゾリル、ピロリジニル、ジアゼパニル、又はピペラジニルであり、その各々は、任意選択的かつ独立して、1又は2個のR
5で置換されていてもよい、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R
5が、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ、フェニル、-NHC(O)OR
a、-C(O)R
b、S(O)
2R
c、S(O)R
c、-C(O)OR
d、-C(O)NR
eR
f、-NHC(O)R
d、-OR
e、-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、-NR
eR
f、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、R
5の前記フェニルが、任意選択的に、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
5の前記(C
1-C
4)アルキルが、任意選択的に、-OR
h、-NR
jR
k、フェニル、及び5~6員ヘテロアリールから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前記4~6員ヘテロアリール及び4~7員ヘテロシクリルが、各々、任意選択的かつ独立して、R
mから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、そしてR
5中の(C
1-C
4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前記フェニル及び5~6員ヘテロアリールが、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
aが、任意選択的にフェニルで置換されていてもよい(C
1-C
4)アルキルである;
R
bが、(C
1-C
4)アルキル、フェニル、5~6員ヘテロアリール又は4~7員ヘテロシクリルであり、前記(C
1-C
4)アルキルが、任意選択的に、フェニル、-OR
h、及び-NR
jR
kから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前記フェニル、5~6員ヘテロアリール、及び4~7員ヘテロシクリルが、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前記4~7員ヘテロシクリルがさらに、任意選択的に=Oで置換されていてもよい;
各R
cが、独立して、フェニル又は(C
1-C
4)アルキルである;
各R
dが、水素又は(C
1-C
4)アルキルである;
各R
eが、独立して、水素、又は任意選択的にOR
hで置換されていてもよい(C
1-C
4)アルキルである;
各R
fが、独立して、水素、(C
1-C
4)アルキル、フェニル3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、又は5~6員ヘテロシクリルであり、前記フェニル、3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、及び5~6員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、R
gで置換されていてもよい;
各R
gは、独立して、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、又はハロである;
各R
hは、水素、(C
1-C
4)アルキル、又は-(C
1-C
4)アルキルフェニルである;
各R
jが、独立して、水素又は(C
1-C
4)アルキルである;
各R
kは、独立して、水素、(C
1-C
4)アルキル、又は3~4員シクロアルキルである;そして
各R
mが、(C
1-C
4)アルキルである、
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
5が、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、ハロ、フェニル、-NHC(O)OR
a、-C(O)R
b、S(O)
2R
c、-C(O)OR
d、-C(O)NR
eR
f、-NHC(O)R
d、-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、-NR
eR
f、4~6員ヘテロアリール、又は5~6員ヘテロシクリルであり、R
5の前記(C
1-C
4)アルキルが、任意選択的に、-OR
h、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールで置換されていてもよく、前記4~6員ヘテロアリール及び5~6員ヘテロシクリルが、各々、任意選択的かつ独立して、R
mから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
5中の(C
1-C
4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前記フェニル及び5~6員ヘテロアリールが、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
5が、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、ハロ、フェニル、-NHC(O)OR
a、-C(O)R
b、S(O)
2R
c、-C(O)OR
d、-C(O)NR
eR
f、-NHC(O)R
d、又は-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、-NR
eR
f、モルホリニル、ピペラジニル、又はピラゾリルであり、前記モルホリニル、ピペラジニル、及びピラゾリルは、各々任意選択的に、R
mから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
5の前記(C
1-C
4)アルキルが、任意選択的に、-OR
h、フェニル、ピラゾリル、ピリミジニル、又はピリジニルで置換されていてもよく、R
5中の(C
1-C
4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前記フェニル、ピラゾリル、ピリミジニル、及びピリジニルが、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
各R
fが、独立して、水素、(C
1-C
4)アルキル、フェニルピラゾリル、ピリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニルであり、前記フェニルピラゾリル、ピリジニル、テトラヒドロピラニル、及びピペリジニルが、各々、任意選択的かつ独立して、(C
1-C
4)アルキルで置換されていてもよい、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
各R
gが、独立して、(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、又はハロである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
R
bが、(C
1-C
4)アルキル、フェニル、5~6員ヘテロアリール又は4~7員ヘテロシクリルであり、R
bの前記フェニル及び5~6員ヘテロアリールが、各々、任意選択的かつ独立して、ハロ及び(C
1-C
4)アルコキシから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
bの前記4~7員ヘテロシクリルが、任意選択的に、=Oで置換されていてもよく、R
bの前記(C
1-C
4)アルキルが、任意選択的に、フェニル、-OR
h、及び-NR
jR
kから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
各R
kが、独立して、水素又は(C
1-C
4)アルキルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
R
bが(C
1-C
4)アルキル、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジニル、又はピペリジニルであり、R
bの前記フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、及びピリミジニルが、各々、任意選択的かつ独立して、ハロ及び(C
1-C
4)アルコキシから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
bの前記(C
1-C
4)アルキルが、任意選択的に、フェニル、OH、及びNMe
2から選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
bの前記ピペリジニルが、任意選択的に、=Oで置換されていてもよい、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
R
3が水素である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Xが非置換(C
1-C
4)アルキレンである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
R
4が、フェニル又は-NHC(O)OR
aである、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Xが結合又はCH
2である、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬剤的に許容される塩と、薬剤的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項20】
対象におけるTREX1の阻害に応答する疾患を治療する方法
に用いるための、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬剤的に許容される塩、又は請求項19に記載の医薬組成物を含有する医薬組成物であって、
前記方法は、前記対象に対して、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬剤的に許容される塩、又は請求項
19に記載の
医薬組成物の治療上有効な量を投与することを含む、
医薬組成物。
【請求項21】
前記疾患ががんである、請求項20に記載の
医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2018年12月6日に出願された米国特許仮出願第62/776,301号の優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
非自己の自然免疫系認識に関連するがんにとって、そして潜在的な危険性を検出し、それから保護するために、潜在的な免疫療法が必要である。がん細胞は、それらの正常なカウンターパートとは抗原的に異なり、ウイルス感染と同様に、危険シグナルを発出して免疫系に警告する。損傷関連分子パターン(DAMP)及び病原体傷関連分子パターン(PAMP)を含むこれらのシグナルは、自然免疫系をさらに活性化し、結果として、様々な脅威から宿主を保護する(Front.Cell Infect.Microbiol.2012,2,168)。
【0003】
異所的に発現した一本鎖DNA(ssDNA)及び二本鎖DNA(dsDNA)は公知PAMP及び/又はDAMPであり、これらは核酸センサーであるサイクリックGMP-AMPシンターゼ(cGAS)によって認識される(Nature 2011,478,515-518)。サイトゾルDNAを感知すると、cGASは、インターフェロン遺伝子のER膜貫通アダプタータンパク質刺激因子(STING)の強力な第二のメッセンジャー及びアクチベータである環状ジヌクレオチド2’,3’-cGAMPの生成を触媒する(Cell Rep.2013,3,1355-1361)。STING活性化は、TBK1によりIRF3のリン酸化を引き起こし、これは次にI型インターフェロンの産生及びインターフェロン刺激因子(ISG)の活性化;自然免疫の活性化及び適応免疫の開始の前提条件をもたらす。したがって、I型インターフェロンの産生は、自然免疫と適応免疫との間の重要な架け橋となる(Science 2013,341,903-906)。
【0004】
過剰なI型IFNは宿主にとって有害であり得、また自己免疫を誘発し得るので、I型IFNを介した免疫活性化を抑制する負のフィードバックメカニズムが存在する。3プライム修復エキソヌクレアーゼI(TREX1)は、異所的に発現したssDNA及びdsDNAの除去に関与する3’-5’DNAエキソヌクレアーゼであり、したがって、cGAS/STING経路の重要なリプレッサである(PNAS 2015,112,5117-5122)。
【0005】
I型インターフェロン及び下流の炎症誘発性サイトカイン応答は、免疫応答の発生及びそれらの有効性にとって重要である。I型インターフェロンは、樹状細胞及びマクロファージが、抗原を取り込み、処理し、T細胞に対して提示し、交差提示する能力と、CD40、CD80及びCD86などの共刺激分子の上方調節を誘発することによってT細胞を刺激する能力との両方を増強する(J.Exp.Med.2011,208,2005-2016)。I型インターフェロンはまた、それら自身の受容体に結合し、適応免疫に関与する細胞の活性化に寄与するインターフェロン応答性遺伝子を活性化する(EMBO Rep.2015,16,202-212)。
【0006】
治療の観点から、I型インターフェロン及びI型インターフェロン産生を誘導することができる化合物は、ヒトがんの治療で使用することができる(Nat.Rev Immunol.2015,15,405-414)。インターフェロンはヒト腫瘍細胞増殖を直接阻害することができる。さらに、I型インターフェロンは、自然免疫系及び適応免疫系の両方からの細胞の活性化を引き起こすことによって抗腫瘍免疫を増強することができる。重要なことに、PD-1遮断の抗腫瘍活性は、既存の腫瘍内T細胞を必要とする。冷たい腫瘍を熱い腫瘍に変え、それによって自発的な抗腫瘍免疫を誘発することにより、I型IFN誘導療法は、抗PD-1療法に反応する患者のプールを拡大することができ、また抗PD1療法の有効性を増強することができる。
【0007】
強力なI型インターフェロン応答を誘導する現在開発中の療法は、許容可能な治療指数を達成するための局所的又は腫瘍内投与を必要とする。したがって、周辺に治療にアクセス可能な病変のない患者にI型IFN誘導療法の利益を拡大するために、全身送達で毒性の低い新規薬剤が依然として必要とされている。ヒトおよびマウスの遺伝学的研究により、TREX1阻害が全身送達経路に適する可能性があり、したがってTREX1阻害化合物が抗腫瘍療法の展望において重要な役割を果たす可能性があることが示唆される。TREX1は、放射線治療に反応するがん細胞の限定された免疫原性の重要な決定因子である[Trends in Cell Biol.,2017,27(8),543-4;Nature Commun.,2017,8,15618]。TREX1は遺伝子毒性ストレスによって誘発され、神経膠腫および黒色腫細胞の抗がん剤に対する保護に関与する[Biochim.Biophys.Acta,2013,1833,1832-43]。STACT-TREX1療法は、複数のマウスがんモデルにおいて強力な抗腫瘍活性を示す[Glickman et al,Poster P235,33rd Annual Meeting of Society for Immunotherapy of Cancer,Washington DC,Nov.7-11,2018]。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載の実施形態は、概して、TREX1阻害剤に応答する疾患を治療するための薬剤、化合物、組成物、および方法に関する。本発明では、TREX2阻害剤よりも選択的なTREX1阻害剤の合成に成功した。
【0009】
本明細書中で提供するのは、式I:
【化1】
を有する化合物並びにそれらの薬剤的に許容される塩及び組成物であり、式中、A、R
1、R
2及びnは本明細書中で記載する通りである。開示する化合物及び組成物はTREX1を調節し、例えば、がんの治療においてなど、様々な治療用途で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1Aは、CRISPRを使用したB16F10腫瘍細胞におけるTREX1のノックダウン実験の結果を示す。
図1Bは、TREX1が、B16F10腫瘍細胞におけるcGAS/STING経路の活性化を減弱することを示す。
【
図2】
図2は、TREXがサイレンシングされた腫瘍は、親B16F10腫瘍よりも体積が小さかったことを示す。
【
図3】
図3は、TREX1ノックアウトB16F10腫瘍が全免疫細胞において有意な増加を示したことを示す。このことは、腫瘍浸潤CD4及びCD8T細胞の数並びに形質細胞様樹状細胞(pDC)の増加を反映していた。
【
図4】
図4は、ヒトHCT116大腸がん細胞株におけるある特定の本発明の化合物の活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.化合物の概要
第一の実施形態において、式I:
【化2】
の化合物又はその薬剤的に許容される塩が提供され、式中:
R
1は、水素、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、3~4員シクロアルキル、-OR
f、-SR
f、又は-NR
eR
fである;
R
2は、水素、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、又は3~4員シクロアルキルである;
Xは、結合、NR
3、O、S、又は(C
1-C
4)アルキレンであり、前述の(C
1-C
4)アルキレンは、任意選択的に、R
4から選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
3は、水素、(C
1-C
4)アルキル、-C(O)R
d、又は-C(S)R
dである;
R
4は、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、フェニル、-NHC(O)OR
a、-NHC(S)OR
a、-C(O)R
b,-NHC(O)NHR
g、-NHC(S)NHR
g、-NHS(O)
2NHR
g、-C(S)R
b、S(O)
2R
c、S(O)R
c、-C(O)OR
d、-C(S)OR
d、-C(O)NHR
e、-C(S)NHR
e、-NHC(O)R
d、-NHC(S)R
d、-OR
e、-SR
e、-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、又は-NR
eR
fであり、R
4の前述のフェニルは、任意選択的に、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、及びハロ(C
1-C
4)アルコキシから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
環Aは、フェニル、5~6員ヘテロアリール、4~7員ヘテロシクリル、又は3~7員シクロアルキルであり、その各々は任意選択的かつ独立して、R
5から選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
5は、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ、フェニル、-NHC(O)OR
a、-NHC(S)OR
a、-C(O)R
b、-NHC(O)NHR
g、-NHC(S)NHR
g、-NHS(O)
2NHR
g、-C(S)R
b、S(O)
2R
c、S(O)R
c、-C(O)OR
d、-C(S)OR
d、-C(O)NR
eR
f、-C(S)NHR
e、-NHC(O)R
d、-NHC(S)R
d、-OR
e、-SR
e、-O(C
1-C
4)アルキルOR
e、-NR
eR
f、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、R
5の前述のフェニルは、任意選択的に、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R
5の前述の(C
1-C
4)アルキルは、任意選択的に、OR
h、-NR
jR
k、フェニル、及び5~6員ヘテロアリールから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前述の4~7員ヘテロシクリル及び4~6員ヘテロアリールは、各々任意選択的かつ独立して、R
mから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、そしてR
5中の(C
1-C
4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前述のフェニル及び5~6員ヘテロアリールは、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;
R
g、R
h、R
j、R
k、及びR
mは、各々独立して、水素、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、フェニル、-(C
1-C
4)アルキルフェニル、3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、そしてR
g、R
h、R
j及びR
kの前述の4~7員ヘテロシクリルは、さらに任意選択的に、=Oで置換されていてもよい。
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e及びR
fは、各々独立して、水素、ハロ、(C
1-C
4)アルキル、ハロ(C
1-C
4)アルキル、(C
1-C
4)アルコキシ、ハロ(C
1-C
4)アルコキシ、フェニル、3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、i)R
a、R
b、R
c、R
d、R
e及びR
fの前述の(C
1-C
4)アルキルは、任意選択的に、フェニル、-OR
h、-NR
jR
kから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく;ii)R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、及びR
fの前述のフェニル、4~6員ヘテロアリール、及び4~7員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、R
gから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、そしてiii)R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、及びR
fの前述の4~7員ヘテロシクリルは、さらに任意選択的に、=Oで置換されていてもよい。
【0012】
2.定義
複数の結合点を有し得る化学基を記載するために組み合わせて使用する場合、ハイフン(-)は、それが規定される変数の基の結合点を示す。例えば、-NHC(O)ORa及び-NHC(S)ORaは、この基の結合点が窒素原子上に存在することを意味する。
【0013】
「ハロ」及び「ハロゲン」という語は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)、及びヨウ素(ヨード、-I)から選択される原子を指す。
【0014】
「アルキル」という語は、単独又は「ハロアルキル」などのより大きな部分の一部として使用される場合、飽和直鎖又は分岐一価炭化水素ラジカルを意味する。特に指定のない限り、アルキル基は、典型的には、1~4個の炭素原子を有し、すなわち(C1-C4)アルキルである。
【0015】
「アルキレン」という語は、二価飽和炭化水素を指す。
【0016】
「アルコキシ」は、-O-アルキルで表される、酸素連結原子を介して結合したアルキルラジカルを意味する。例えば、「(C1-C4)アルコキシ」には、メトキシ、エトキシ、プロプロキシ(proproxy)、及びブトキシが含まれる。
【0017】
「ハロアルキル」という語には、モノ、ポリ、及びパーハロアルキル基が含まれ、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から独立して選択される。
【0018】
「ハロアルコキシ」は、例えば、限定されるものではないが、-OCHCF2又は-OCF3などの、酸素原子を介して別の部分に結合したハロアルキル基である。
【0019】
単独又はより大きな部分の一部として用いられる「ヘテロアリール」という語は、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む5~6員芳香族ラジカルを指す。ヘテロアリールとしては、例えば、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルなどが挙げられる。指定されている場合、ヘテロアリール基上の任意の置換基は、任意の置換可能な位置上に存在し得ることが理解されるであろう。
【0020】
「ヘテロシクリル」という語は、N、O、及びSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~7員飽和又は部分不飽和複素環を意味する。ヘテロシクリル環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子でそのペンダント基に結合できる。そのような飽和又は部分不飽和複素環式ラジカルの例としては、限定されることなく、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テラヒドロピラニル(terahydropyranyl)、ピロリジニル、ピリジノニル、ピロリドニル、ピペリジニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、モルホリニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、オキセタニル、アゼチジニル及びテトラヒドロピリミジニルが挙げられる。指定されている場合、ヘテロシクリル基上の任意の置換基が任意の置換可能な位置上に存在してもよく、例えば、ヘテロシクリルが結合する位置(例えば、任意選択的に置換されていてもよいヘテロシクリル又は任意選択的に置換されていてもよいヘテロシクリルの場合)が含まれることも理解されるであろう。
【0021】
「シクロアルキル」という語は、特に指定のない限り、3~10個の炭素環原子を有する環状炭化水素を指す。単環式シクロアルキル基としては、限定されることなく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロへキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、及びシクロオクチルが挙げられる。指定されている場合、シクロアルキル又は脂環式基上の任意の置換基は、任意の置換可能な位置に存在していてもよく、例えば、シクロアルキル又は脂環式基が結合する位置が含まれると理解されるであろう。
【0022】
「TREX1」という語は、3プライム修復エキソヌクレアーゼ1又はDNA修復エキソヌクレアーゼ1を指し、これは、ヒトにおいては、TREX1遺伝子によってコード化される酵素である。Mazur DJ,Perrino FW(Aug 1999).“Identification and expression of the TREX1 and TREX2 cDNA sequences encoding mammalian 3’-->5’ exonucleases”.J Biol Chem.274(28):19655-60.doi:10.1074/jbc.274.28.19655.PMID 10391904;Hoss M,Robins P,Naven TJ,Pappin DJ,Sgouros J,Lindahl T(Aug 1999).“A human DNA editing enzyme homologous to the Escherichia coli DnaQ/MutD protein”.EMBO J.18(13):3868-75.doi:10.1093/emboj/18.13.3868.PMC 1171463.PMID10393201。この遺伝子は、ヒト細胞における主要な3’->5’DNAエキソヌクレアーゼをコード化する。このタンパク質は、ヒトDNAポリメラーゼのプルーフリーディング機能を果たし得る非プロセッシブエキソヌクレアーゼである。SET複合体の成分でもあり、グランザイムAで誘導される細胞死の際にニックDNAの3’末端を急速に分解する働きをする。機能的TREX1が欠損した細胞は、慢性DNA損傷チェックポイント活性化と、内因性一本鎖DNA基質の核外蓄積とを示す。TREX1タンパク質は、通常、異常な複製中間体を処理することから生じる一本鎖DNAポリヌクレオチド種に対して作用するようである。TREX1のこの作用は、DNA損傷チェックポイントシグナリングを減弱し、病的免疫活性化を防止する。TREX1は、細胞固有の抗ウイルス監視機能として内因性レトロエレメントの逆転写された一本鎖DNAを代謝し、結果として強力なI型IFN応答をもたらす。TREX1は、細胞質におけるウイルスcDNAを分解することにより、HIV-1がサイトゾルセンシングを逃れるのを助ける。
【0023】
「TREX2」という語は、3プライム修復エキソヌクレアーゼ2を指し、これは、ヒトにおいてはTREX2遺伝子によってコード化される酵素である。この遺伝子は、3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性を有する核タンパク質をコード化する。コード化されたタンパク質は、二本鎖DNA切断修復に関与し、DNAポリメラーゼデルタと相互作用する場合がある。この活性を有する酵素は、DNA複製、修復、及び組換えに関与する。TREX2は、主にケラチノサイトで発現され、UVBで誘導されるDNA損傷に対する表皮応答に寄与する3′-エキソヌクレアーゼである。TREX2の生化学的及び構造的特性はTREX1と類似しているが、同じではない。2つのタンパク質は二量体構造を共有し、インビトロでssDNA及びdsDNA基質をほぼ同じkcat値でプロセッシングすることができる。しかしながら、酵素動力学、構造的ドメイン、及び細胞内分布に関連するいくつかの特徴により、TREX2とTREX1とが区別される。TREX2は、TREX1と比べて、インビトロでDNA基質に対して10倍低い親和性を提示する。TREX1とは対照的に、TREX2には、タンパク質間相互作用を媒介できるCOOH末端ドメインがない。TREX2は、細胞質及び核の両方に局在するが、TREX1は、小胞体で見られ、グランザイムAで誘導される細胞死の際、又はDNA損傷後に核に動員される。
【0024】
「対象」及び「患者」という語は、交換可能に使用することができ、治療を必要とする哺乳動物、例えば、ペット(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)及び実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。典型的には、対象は治療を必要とするヒトである。
【0025】
「阻害(inhibit、inhibition、又はinhibiting)という語は、生物学的活性又は過程の基本的活性における減少を含む。
【0026】
本明細書中で使用する場合、「治療(treatment、treat、及びtreating)」という語は、本明細書中で記載するように、疾患若しくは障害、又はその一つ以上の症状を逆転する、軽減する、その開始を遅らせる、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、治療は、一つ以上の症状が発現した後に施すことができ、すなわち、治療的処置であり得る。他の態様において、治療は、症状の非存在下で施すことができる。例えば、治療は、症状の開始前に(例えば、症状の履歴に照らして、及び/又は特定の生物への曝露、又は他の感受性因子に照らして)感受性個体に施すことができ、すなわち、予防的処置である。治療は、例えば、再発を遅らせるために、症状が解消した後も続けてもよい。
【0027】
「薬剤的に許容される担体」という語は、処方される化合物の薬理活性を損なわない非毒性担体、アジュバント、又はビヒクルを指す。本明細書中で記載する組成物で使用することができる薬剤的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルとしては、限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。
【0028】
薬剤での使用に関して、本明細書中で記載する化合物の塩とは、非毒性の「薬剤的に許容される塩」を指す。薬剤的に許容される塩形態としては、薬剤的に許容される酸性/アニオン性又は塩基性/カチオン性塩が挙げられる。本明細書中で記載する化合物の好適な薬剤的に許容される酸付加塩には、例えば、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、および硫酸)の塩並びに有機酸(例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸)の塩が含まれる。カルボン酸などの酸性基を有する本教示の化合物は、薬剤的に許容される塩基(複数可)と薬剤的に許容される塩を形成することができる。好適な薬剤的に許容される塩基性塩としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム及びカリウム塩)並びにアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム及びカルシウム塩)が挙げられる。第四級アンモニウム基を有する化合物はまた、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、過塩素酸塩などのカウンターアニオンも含む。かかる塩の他の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩及びグルタミン酸などのアミノ酸との塩が挙げられる。
【0029】
「有効量」又は「治療上有効な量」という語は、対象の所望又は有益な生物学的又は医学的応答を誘発する本明細書中で記載する化合物の量、例えば、0.01~100mg/kg体重/日の投与量を指す。
【0030】
3.化合物
第二の実施形態において、式II:
【化3】
の化合物又はその薬剤的に許容される塩が提供され、式中、変数は第一の実施形態において上記の通りである。
【0031】
第三の実施形態において、R2は、式I又はIIの化合物中、(C1-C4)アルキルである。
【0032】
第四の実施形態において、式III:
【化4】
の化合物又はその薬剤的に許容される塩が提供され、式中、変数は、第一、第二、又は第三の実施形態において上記の通りである。
【0033】
第五の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中の環Aは、フェニル、ピリジル、ピラゾリル、シクロプロピル、シクロブチル、アゼチジニル、又はピペリジニルであり、その各々は任意選択的かつ独立して1又は2個のR5で置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三又は第四の実施形態について上記のとおりである。あるいは、第五の実施形態の一部として、式I、II、又はIIIの化合物中の環Aは、トリアゾリル、ピロリジニル、ジアゼパニル、又はピペラジニルであり、その各々は、任意選択的かつ独立して、1又は2個のR5で置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三又は第四の実施形態について上記のとおりである。
【0034】
第六の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のR5は、(C1-C4)アルキル、ハロ(C1-C4)アルキル、ハロ(C1-C4)アルコキシ、ハロ、フェニル、-NHC(O)ORa、-C(O)Rb、S(O)2Rc、S(O)Rc、-C(O)ORd、-C(O)NReRf、-NHC(O)Rd、-ORe、-O(C1-C4)アルキルORe、-NReRf、4~6員ヘテロアリール、又は4~7員ヘテロシクリルであり、R5の前述のフェニルは、任意選択的に、Rgから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R5の前述の(C1-C4)アルキルは、任意選択的に、-ORh、-NRjRk、フェニル、及び5~6員ヘテロアリールから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前述の4~6員ヘテロアリール及び4~7員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、Rmから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、そしてR5中の(C1-C4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前述のフェニル及び5~6員ヘテロアリールは、各々、任意選択的かつ独立して、Rgから選択される1又は2個の基で置換されていてもよい;Raは、任意選択的にフェニルで置換されていてもよい(C1-C4)アルキルである;Rbは、(C1-C4)アルキル、フェニル、5~6員ヘテロアリール又は4~7員ヘテロシクリルであり、前述の(C1-C4)アルキルは、任意選択的に、フェニル、-ORh、及び-NRjRkから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前述のフェニル、5~6員ヘテロアリール、及び4~7員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、Rgから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、前述の4~7員ヘテロシクリルはさらに、任意選択的に=Oで置換されていてもよい;各Rcは、独立して、フェニル又は(C1-C4)アルキルである;各Rdは、水素又は(C1-C4)アルキルである;各Reは、独立して、水素、又は任意選択的にORhで置換されていてもよい(C1-C4)アルキルである;各Rfは、独立して、水素、(C1-C4)アルキル、フェニル3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、又は5~6員ヘテロシクリルであり、前述のフェニル、3~4員シクロアルキル、4~6員ヘテロアリール、及び5~6員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、Rgで置換されていてもよい;各Rgは、独立して、(C1-C4)アルキル、ハロ(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、ハロ(C1-C4)アルコキシ、又はハロである;各Rhは、水素、(C1-C4)アルキル、又は-(C1-C4)アルキルフェニルである;各Rjは、独立して、水素又は(C1-C4)アルキルである;各Rkは、独立して、水素、(C1-C4)アルキル、又は3~4員シクロアルキルである;そして各Rmは(C1-C4)アルキルであり、残りの変数は、第一、第二、第三、第四又は第五の実施形態について上記のとおりである。
【0035】
第七の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のR5は、(C1-C4)アルキル、ハロ(C1-C4)アルキル、ハロ、フェニル、-NHC(O)ORa、-C(O)Rb、S(O)2Rc、-C(O)ORd、-C(O)NReRf、-NHC(O)Rd、-O(C1-C4)アルキルORe、-NReRf、4~6員ヘテロアリール、又は5~6員ヘテロシクリルであり、R5の前述の(C1-C4)アルキルは、任意選択的に、-ORh、フェニル、又は5~6員ヘテロアリールで置換されていてもよく、前述の4~6員ヘテロアリール及び5~6員ヘテロシクリルは、各々、任意選択的かつ独立して、Rmから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R5中の(C1-C4)アルキルについて列挙された任意の置換基の前述のフェニル及び5~6員ヘテロアリールは、各々任意選択的かつ独立して、Rgから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五又は第六の実施形態について上記のとおりである。
【0036】
第八の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のR5は、(C1-C4)アルキル、ハロ(C1-C4)アルキル、ハロ、フェニル、-NHC(O)ORa、-C(O)Rb、S(O)2Rc、-C(O)ORd、-C(O)NReRf、-NHC(O)Rd、又は-O(C1-C4)アルキルORe、-NReRf、モルホリニル、ピペラジニル、又はピラゾリルであり、前述のモルホリニル、ピペラジニル、及びピラゾリルは、各々、任意選択的に、Rmから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、R5の前述の(C1-C4)アルキルは、任意選択的に、-ORh、フェニル、ピラゾリル、ピリミジニル、又はピリジニルで置換されていてもよく、R5中の(C1-C4)アルキルについて列挙した任意の置換基の前述のフェニル、ピラゾリル、ピリミジニル、及びピリジニルは、各々、任意選択的かつ独立して、Rgから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、又は第七の実施形態について上記のとおりである。
【0037】
第九の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中の各Rfは、独立して、水素、(C1-C4)アルキル、フェニルピラゾリル、ピリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニルであり、前述のフェニルピラゾリル、ピリジニル、テトラヒドロピラニル、及びピペリジニルは、各々、任意選択的かつ独立して、(C1-C4)アルキルで置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、又は第八の実施形態について上記のとおりである。
【0038】
第10の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中の各Rgは独立して、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、又はハロであり、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、又は第九の実施形態について上記のとおりである。
【0039】
第11の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のRbは、(C1-C4)アルキル、フェニル、5~6員ヘテロアリール又は4~7員ヘテロシクリルであり、Rbの前述のフェニル及び5~6員ヘテロアリールは、各々、任意選択的かつ独立して、ハロ及び(C1-C4)アルコキシから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、Rbの前述の4~7員ヘテロシクリルは、任意選択的に、=Oで置換されていてもよく、Rbの前述の(C1-C4)アルキルは、任意選択的に、フェニル、-ORh、及び-NRjRkから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、又は第十の実施形態について上記の通りである。
【0040】
第十二の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中の各Rkは、独立して、水素又は(C1-C4)アルキルであり、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、又は第十一の実施形態について上記のとおりである。
【0041】
第十三の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のRbは、(C1-C4)アルキル、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジニル、又はピペリジニルであり、Rbの前述のフェニル、ピリジニル、ピラゾリル、及びピリミジニルは、各々、任意選択的かつ独立して、ハロ及び(C1-C4)アルコキシから選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、Rbの前述の(C1-C4)アルキルは、任意選択的に、フェニル、OH、及びNMe2から選択される1又は2個の基で置換されていてもよく、Rbの前述のピペリジニルは、任意選択的に、=Oで置換されていてもよく、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、又は第十二の実施形態について上記のとおりである。
【0042】
第十四の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のR3は水素であり、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、第十二、又は第十三の実施形態について上記のとおりである。
【0043】
第十五の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のR4は、フェニル又は-NHC(O)ORaであり、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、第十二、第十三、又は第十四の実施形態について上記のとおりである。
【0044】
第十六の実施形態において、式I、II、又はIIIの化合物中のXは、結合又はCH2であり、残りの変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、第十二、又は第十三の実施形態について上記のとおりである
【0045】
1)式I:
【化5】
を有する化合物又はその薬剤的に許容される塩(式中、変数は、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十又は第十一の実施形態について上記の通りである);及び2)薬剤的に許容される担体を含む医薬組成物も提供される。
【0046】
式Iを有する化合物を例示でさらに開示し、これらは本開示に含まれる。その薬剤的に許容される塩並びに中性形態も含まれる。
4.使用、処方及び投与
【0047】
本明細書中で記載する化合物及び組成物は、概して、TREX1の活性を調節するために有用である。いくつかの態様において、本明細書中で記載する化合物及び医薬組成物は活性TREX1を阻害する。
【0048】
いくつかの態様において、本明細書中で記載する化合物及び医薬組成物は、TREX1機能に関連する障害の治療で有用である。したがって、本明細書中で提供するのは、TREX1機能に関連する障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に対して、本明細書中で記載する化合物、若しくはその薬剤的に許容される塩、又は開示された化合物若しくはその薬剤的に許容される塩を含む医薬組成物の治療上有効な量を投与することを含む方法である。TREX1機能に関連する障害の治療用医薬を製造するための、本明細書中で記載する化合物、又はその薬剤的に許容される塩、又は開示された化合物若しくはその薬剤的に許容される塩を含む医薬組成物の使用も提供される。TREX1に関連する障害の治療に使用するための、本明細書中で記載する化合物、若しくはその薬剤的に許容される塩、又は開示された化合物若しくはその薬剤的に許容される塩を含む医薬組成物も提供される。
【0049】
いくつかの態様において、本明細書中で記載する化合物及び医薬組成物は、がんの治療で有用である。
【0050】
いくつかの態様において、本明細書中で記載する化合物及び医薬組成物で治療されるがんは、結腸がん、胃がん、甲状腺がん、肺がん、白血病、膵臓がん、黒色腫、多発性黒色腫、脳がん、CNSがん、腎臓がん、前立腺がん、卵巣がん、白血病、及び乳がんから選択される。
【0051】
いくつかの態様において、本明細書中で記載する化合物及び医薬組成物で治療されるがんは、肺がん、乳がん、膵臓がん、大腸がん、及び黒色腫から選択される。
【0052】
ある特定の態様において、本明細書中で記載する医薬組成物は、そのような組成物を必要とする患者への投与用に処方される。本明細書中で記載する医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸、鼻、頬側、膣、又は移植されたレザバーを介して投与することができる。「非経口」という語は、本明細書中で使用する場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、クモ膜下、肝内、病巣内及び頭蓋内注射又は注入技術を包含する。いくつかの実施形態において、組成物は、経口、腹腔内又は静脈内投与される。本明細書中で記載する医薬組成物の滅菌注射形態は、水性又は油性懸濁液であってよい。これらの懸濁液は、好適な分散又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて当該技術分野で公知の技術にしたがって処方することができる。
【0053】
いくつかの態様では、医薬組成物を経口投与する。
【0054】
任意の特定の患者の具体的な投与量及び治療レジメンは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的健康状態、性別、食事、投与時間、排出率、薬物の組み合わせ、並びに治療する医師の判断及び治療される特定の疾患の重篤度をはじめとする様々な因子に左右される。組成物中の本明細書で記載した化合物の量はまた、医薬組成物中の特定の化合物に左右される。
【0055】
例示
化学合成
以下の代表的実施例は、本開示の説明を助けることを意図し、本発明の範囲を限定することを意図するものではないし、そのように解釈されるべきでもない。
一般的合成スキーム
【化6】
【0056】
2-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド
【化7】
【0057】
ステップ1:3-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチル-2,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボン酸メチルの合成
【化8】
【0058】
SM(5.16g、26.341ミリモル、2当量)、N-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.10g、13.170ミリモル、1.00当量)のH2O(25.00mL)、EtOH(25.00mL)中撹拌溶液に、Na2CO3(0.837g、7.902ミリモル、0.6当量)を数回に分けて室温で添加した。結果として得られた溶液を2時間80℃にて撹拌した。反応混合物が室温に冷却されるまで、ブト-2-イン二酸1,4-ジメチル(2.06g、14.488ミリモル、1.1当量)を滴下した。次いで、反応混合物を0.5時間室温で撹拌した。結果として得られた溶液を3×30mLの酢酸エチルで抽出し、合した有機層を塩水で洗浄し、真空下で濃縮した。残留物は、酢酸エチル/石油エーテル(1:5)を使用したシリカゲルカラムにかけた。この結果、1.3gのA1(収率25%)を明黄色油として得た。ESI-MS m/z=385.0[M+H]+。MW計算値:384.0。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.67(t,J=1.8Hz,1H),7.49(s,2H),3.86(s,3H),3.73(s,3H),3.45(d,J=16.6Hz,1H),3.19(s,3H),3.07(d,J=16.6Hz,1H),2.38(d,J=0.8Hz,3H).
【0059】
以下の中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質とともに使用して合成した。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0060】
ステップ2:2-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチルB1の合成
【化9】
【0061】
100mLの丸底フラスコ中に、3-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2-メチル-2,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-5-カルボン酸メチル(1.00g、2.596ミリモル、1.00当量)、キシレン(20.00mL)を入れた。結果として得られた溶液を5時間145℃にて撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した。固体をろ過により集め、ヘキサンで洗浄した。固体を減圧下で乾燥させた。この結果、210mgの2-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル(収率22%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z=353.0[M+H]+。MW計算値:352.0
【0062】
以下の中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質とともに使用して合成した。
【表2-1】
【表2-2】
【0063】
ステップ3:2-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(実施例1)の合成
【化10】
【0064】
8mLの密封管中に、2-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル(100.00mg、0.283ミリモル、1.00当量)、THF(2.50mL)、1,2-オキサゾール-4-アミン(71.42mg、0.849ミリモル、3.00当量)を入れた。これに続いて、iPrMgClの溶液(2M、0.64mL、4.50当量)を-70℃で撹拌しながら滴下した。結果として得られた溶液を1時間室温で撹拌した。次に、2mLの飽和NH4Cl(水性)の添加によって反応をクエンチした。溶液のpH値をHCl(4M)で3に調節した。結果として得られた溶液を3×5mLのジクロロメタンで抽出し、有機層を合し、真空下で濃縮した。粗生成物をPrep-HPLC(CH3CN/H2O/FA)により精製した。この結果、32.9mgの2-(3-ブロモ-5-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(収率28%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z=405.0[M+H]+。MW計算値:404.0。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 11.82(s,1H),10.95(s,1H),9.31(s,1H),8.87(s,1H),7.68(s,1H),7.62(s,1H),7.48(s,1H),3.30(s,3H),2.39(s,3H).
【0065】
以下の実施例は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質とともに使用して合成した。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0066】
5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-フェニル-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(実施例8)の合成。
【化11】
【0067】
5-ヒドロキシ-1-メチル-6-オキソ-2-フェニル-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル(200mg、0.77ミリモル、1当量)及びイソキサゾール-4-アミン(0.096g、1.15ミリモル、1.5当量)をトルエン(1mL)中に溶解させ、混合物を0℃に冷却した。これに、トルエン中2Mトリメチルアルミニウム(0.768mL、1.53ミリモル、2.0当量)を0℃で滴下した。反応混合物を次いで100℃にて2時間加熱し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液(0.2mL)でクエンチし、これに酢酸エチル(10mL)を添加した。反応混合物を次いで無水Na2SO4上で乾燥させ、ろ過して除去した。固体を酢酸エチルで洗浄し(3×10mL)、そして合した有機層を減圧下で濃縮した。粗生成物を逆相HPLCにより精製して、5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-フェニル-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド、8(25mg、15%)を得た。ESI-MS m/z=313.2[M+H]+。MW計算値:312.29。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 9.13(s,1H),8.78(s,1H),7.42-7.50(m,5H),3.22(s,3H).
【0068】
スキーム:2-クロロ-N-(イソキサゾール-4-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(C)の合成
【化12】
【0069】
ステップ1:2-メトキシ-3-オキソブタン二酸1,4-ジエチル(1)の合成
【化13】
【0070】
窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した1000mLの3口丸底フラスコ中に、エタノール(600.0mL)、ナトリウムエタノレート(31.7g、0.470ミリモル、1.10当量)を入れ、シュウ酸エチル(68.00g、465.6ミリモル、1.10当量)を室温で添加した。これに続いて、2-メトキシ酢酸エチル(50.00g、423.3ミリモル、1.00当量)を室温で撹拌しながら滴下した。結果として得られた溶液を一晩35℃で撹拌した。結果として得られた混合物を真空下で濃縮して、エタノールの大部分を除去した。溶液のpH値を塩化水素(1mol/L)で0℃にて3に調節した。結果として得られた溶液を4x500mLの酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。この結果、90g(粗製)の2-メトキシ-3-オキソブタン二酸1,4-ジエチル(1)を褐色油として得た。
【0071】
ステップ2:2-メトキシ-2-[(4E)-1-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イリデン]酢酸エチル(2)の合成
【化14】
【0072】
2000mLの丸底フラスコ中に、2-メトキシ-3-オキソブタン二酸1,4-ジエチル(1)(90.00g、412.5ミリモル、1.00当量)、メチル尿素(30.60g、412.5ミリモル、1.00当量)、酢酸(1200.0mL)、塩化水素(400.0mL、気体、ジオキサン中4モル)を入れた。結果として得られた溶液を3時間105℃で撹拌した。結果として得られた混合物を真空下で濃縮した。結果として得られた混合物を1×500mLのヘキサンで洗浄した。この結果、90g(粗製)の2-メトキシ-2-[(4E)-1-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イリデン]酢酸エチル(2)を褐色固体として得た。1H NMR(300MHz,クロロホルム-d)δ 8.75(s,1H),7.47(s,0.4H),5.09(s,2H),4.51-4.30(m,3H),3.85(s,1H),3.84(s,3H),3.12(s,3H),3.07(s,1H),2.14(d,J=12.9Hz,1H),1.45-1.42(m,2H),1.42-1.37(m,3H).
【0073】
ステップ3.2-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸(3)の合成
【化15】
【0074】
2000mLの丸底フラスコ中に、2-メトキシ-2-[(4E)-1-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イリデン]酢酸エチル(2)(80.00g、350.6ミリモル、1.00当量)、水酸化カリウム(水中1M)(1400.0mL)を入れた。結果として得られた溶液を3時間105℃で撹拌した。反応混合物を水/氷浴で0℃に冷却した。溶液のpH値を0℃にて塩化水素(12mol/L)で3に調節し、固体をろ過により集め、沈殿を真空中で乾燥させた。この結果、40gの2-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸(3)(収率57%)を白色固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 14.35(s,1H),10.91(s,1H),3.68(s,3H),3.14(s,3H).
【0075】
ステップ4.2-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸エチル(4)の合成
【化16】
【0076】
アルゴンの不活性雰囲気でパージし、維持した1000mLの3口丸底フラスコ中に、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸(3)(20g、0.10ミリモル、1.00当量)、エタノール(400.0mL)を入れた。これに続いて塩化アセチル(117.7g、1.500ミリモル、15.00当量)を0℃で撹拌しながら滴下した。結果として得られた溶液を一晩還流加熱した。反応混合物を水/氷浴で冷却した。固体をろ過により集めた。この結果、16gの2-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸エチル(4)(収率:70%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.08(s,1H),4.32(q,J=7.1Hz,2H),3.70(s,3H),3.15(s,3H),1.31(t,J=7.1Hz,3H).
【0077】
ステップ5.2-クロロ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸エチル(5)の合成
【化17】
【0078】
アルゴンの不活性雰囲気でパージし、維持した1Lの3口丸底フラスコ中に、2-ヒドロキシ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸エチル(4)(16.0g、70.1ミリモル、1.00当量)、ジメチルアニリン(1.20g、98.2ミリモル、1.40当量)、三塩化ホスホリル(320.0mL)を入れた。結果として得られた溶液を一晩100℃で撹拌した。結果として得られた混合物を真空下で濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1/10-1/4)を用いたシリカゲルカラムに残留物をかけた。この結果、13.3gの2-クロロ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸エチル(5)(収率77.0%)を黄色固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 4.32(q,J=7.1Hz,2H),3.84(s,3H),3.54(s,3H),1.30(t,J=7.1Hz,3H).
【0079】
ステップ6.2-クロロ-5-メトキシ-1-メチル-N-(1,2-オキサゾール-4-イル)-6-オキソピリミジン-4-カルボキサミド(6)の合成
【化18】
【0080】
2-クロロ-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソピリミジン-4-カルボン酸エチル(5)(1.00g、4.05ミリモル、1.00当量)及び1,2-オキサゾール-4-アミン(340.9mg、4.050ミリモル、1.00当量)のトルエン(15.0mL)中撹拌溶液に、トリメチルアルミニウム(トルエン中2モル)(4.1mL、8.10ミリモル、2.00当量)を室温にてアルゴン雰囲気下で添加した。結果として得られた溶液を、マイクロ波照射しながら15分間80℃で撹拌した。反応混合物を水/氷で0℃にてクエンチした。結果として得られた溶液を3×40mLの酢酸エチルで抽出し、合した有機層を塩水(1×30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。酢酸エチル/石油エーテル(1/10-1/1)を用いたシリカゲルカラム上に残留物をかけた。この結果、650mgの2-クロロ-5-メトキシ-1-メチル-N-(1,2-オキサゾール-4-イル)-6-オキソピリミジン-4-カルボキサミド(6)(収率 53.0%)を明黄色固体として得た。ESI-MS m/z=285.2[M+H]+。MW計算値:284.2 1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 10.84(s,1H),9.28(s,1H),8.78(s,1H),3.86(s,3H),3.62(s,3H).
【0081】
以下の実施例及び中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質と共に使用して合成した。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0082】
以下の中間体は、上記のものと類似した条件を適切な出発物質と共に使用して合成した。
【表5】
【0083】
2-(3-ブロモ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(実施例15)の合成
【化19】
【0084】
40mLバイアル中に、2-(3-ブロモ-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)フェニル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(300mg、0.531ミリモル、1.0当量)及びTHF(6.0mL)を室温で添加した。上記混合物に、TBAF(1M)/CH3COOH=1:1(1.20mL、2.0当量)を0℃で2分にわたって滴下した。結果として得られた混合物を室温でさらに5時間撹拌した。結果として得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(1×12mL)。水相を酢酸エチルでさらに抽出した(3×10mL)。合した有機層を塩水で洗浄し(2×7mL)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗生成物(300mg)をPrep-HPLC(アセトニトリル/ギ酸/水)により精製して、70mgの2-(3-ブロモ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド15を収率29%で白色固体として得た。ESI-MS m/z=451.0[M+H]+。MW計算値:450.0。1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 11.87(s,1H),10.99(s,1H),9.29(s,1H),8.86(s,1H),7.85(d,J=8.1Hz,1H),7.56(d,J=7.6Hz,1H),7.28(t,J=7.8Hz,1H),4.63(t,J=5.4Hz,1H),4.01-3.97(m,1H),3.76-3.70(m,1H),3.52-3.39(m,2H),3.23(s,3H).
【0085】
以下の実施例及び中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質と共に使用して合成した。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表6-7】
【表6-8】
【表6-9】
【表6-10】
【表6-11】
【表6-12】
【表6-13】
【表6-14】
【0086】
tert-ブチル-3-(5-エトキシ-4-(イソキサゾール-4-イルカルバモイル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(異性体A1)の合成:
【化20】
【0087】
ステップ-1:2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-3-イル)-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸エチル:
【0088】
ジオキサン/水の溶液(4:1、50mL)中2-クロロ-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸エチル(2g、7.67ミリモル)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボン酸tert-ブチル(2.96g、9.59ミリモル)及び炭酸ナトリウム(1.62g、15.34ミリモル)の混合物を20分間、アルゴンガスを用いて脱気した。PdCl2(dppf)(0.561g、0.76ミリモル)を添加し、脱気をさらに10分間続けた。反応混合物を90℃で4時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を水(100mL)中に溶かし、酢酸エチルで抽出した(2×50mL)。合した有機層を塩水(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.57g、82%)を固体として得た。LCMS:計算値408.3;ESI-MS m/z=408.61[M+H]+1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.23-1.31(m,6H),1.43(s,9H),2.25-2.40(m,2H),3.44(s,3H),3.45-3.50(m,2H),4.05-4.10(m,2H),4.16(q,J=7.2Hz,2H),4.31(q,J=7.2Hz,2H),6.26(bs,1H ).
【0089】
ステップ-2:エチル-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-イル)-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキシレート:
【0090】
メタノール:酢酸エチルの溶液(1:3、54mL)中に溶かし、撹拌した2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-3-イル)-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸エチル(2.57g、6.30ミリモル)の混合物に10%Pd/C(0.67g、50%水分を含む)を添加した。反応物を室温にて水素ガス雰囲気下で3.5時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物をセライト床でろ過し、酢酸エチルで洗浄した(2×50mL)。ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.35g、91%)を得た。LCMS:計算値409.3,ESI-MS m/z=410.4[M+H]+
【0091】
ステップ-3:2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-イル)-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸:
【0092】
メタノール:THF:H2O(1:1:1、30mL)の混合物中エチル-2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-イル)-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキシレート(1.9g、4.64ミリモル)の撹拌溶液に、NaOH(0.222g、5.56ミリモル)を室温で添加した。結果として得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応物を真空下で濃縮した。反応混合物を水(10mL)中に溶解させ、1N HCl(pH-6)で酸性化した。生成物をジクロロメタン中10%メタノール(2×30mL)で抽出した。合した有機層を塩水(30mL)で洗浄し、真空下で蒸発させて、粗製の表題化合物(1.67g、94%)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS:計算値381.3;ESI-MS m/z=382.5[M+H]+
【0093】
ステップ-4:tert-ブチル-3-(5-エトキシ-4-(イソキサゾール-4-イルカルバモイル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート:
【0094】
2-(1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-3-イル)-5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸(1.67g、4.37ミリモル)の乾燥DMF(16mL)中撹拌溶液に、HATU(2.49g、6.56ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、DMF(0.5mL)及びDIPEA(1.5mL、8.75ミリモル)中イソキサゾール-4-アミン(0.441g、5.25ミリモル)を室温で添加し、反応混合物を3時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(2×30mL)。合した有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をCombiflashカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(1.67g、85%)をラセミ混合物として得た。純粋なラセミ化合物(1.2g)のキラル分割は、キラル分取HPLCを用いて実施して、それぞれ500mgのエナンチオマーを得た。LCMS:計算値447.3;ESI-MS m/z=448.60[M+H]+ キラルHPLC:CHIRALPAK AD-H;液体CO2中30%メタノール+0.1%DEA。FR-1(異性体-A1):RT=7.66分;FR-2(異性体-A2):RT=8.81分;A1:1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.21-1.25(m,3H),1.41(s,9H),1.46-1.57(m,2H),1.71-1.74(m,2H),2.02-2.04(m,1H),2.76-2.98(m,2H),2.99-3.15(m,1H),3.57(s,3H),3.85-4.15(m,1H),4.10-4.15(m,2H),8.78(s,1H),9.29(s,1H),10.56(s,1H). A2:1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.21-1.29(m,3H),1.41(s,9H),1.46-1.57(m,2H),1.71-1.74(m,2H),2.02-2.04(m,1H),2.78-2.98(m,2H),2.99-3.15(m,1H),3.57(s,3H),3.85-4.15(m,1H),4.10-4.15(m,2H),8.78(s,1H),9.29(s,1H),10.57(s,1H).
【0095】
1-((2-((R)-1-(3,4-ジクロロベンゾイル)ピペリジン-3-イル)-4-(イソキサゾール-4-イルカルバモイル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)オキシ)エチル炭酸エチル(実施例131)の合成
【化21】
【0096】
ステップ-1:(R)-5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド塩酸塩:
【0097】
(R)-3-(5-エトキシ-4-(イソキサゾール-4-イルカルバモイル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(0.20g、0.44ミリモル)のジクロロメタン(1.32mL)とメタノール(0.66mL)との混合物中撹拌溶液に、ジオキサン中4M HCl(1mL)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、40℃まで10分間温めた。反応混合物を濃縮乾固し、メタノールと2回共沸させて、表題化合物(0.17g、99%)を固体として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS:計算値347.3、ESI-MS m/z=348.48[M+H]+
【0098】
ステップ-2:(R)-2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)ピペリジン-3-イル)-5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド:
【0099】
3,4-ジクロロ安息香酸(0.101g、0.53ミリモル)の乾燥DMF(1.7mL)中撹拌溶液に、HATU(0.252g、0.66ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、(R)-5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド塩酸塩(0.170g、0.44ミリモル)及びDIPEA(0.25mL、1.33ミリモル)を室温で添加し、反応混合物を3時間撹拌した。完了したら、反応物を水(15mL)で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合した有機層を冷飽和重炭酸ナトリウム(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(0.21g、89%)を固体として得た。LCMS:計算値519.3,ESI-MS m/z=520.27[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.18-1.32(m,3H),1.55-1.70(m,2H),1.72-1.85(m,2H),2.07-2.10(m,1H),3.15-3.25(m,2H),3.58(s,3H),3.66-3.70(m,1H),4.07-4.12(m,2H),4.47-4.49(m,1H),7.40-7.42(m,1H),7.70-7.73(m,2H),8.74(s,1H,),9.27(s,1H),10.52(s,1H).
【0100】
ステップ-3:(R)-2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)ピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド:
【0101】
(R)-2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)ピペリジン-3-イル)-5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(0.608g、1.16ミリモル)の撹拌溶液をジクロロメタン(36mL)中に溶解させた。結果として得られた溶液を0℃に冷却し、ジクロロメタン中1M BBr3(4.67mL、4.67ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温まで温め、5時間撹拌した。完了したら、反応混合物を濃縮し、ジクロロメタン(2×6mL)と共沸させた。残留物を0℃に冷却し、メタノール(5mL)をゆっくりと添加した。反応混合物を真空下で濃縮乾固させた。残留物をメタノール(2×6mL)と共沸させて、粗化合物を得た。粗化合物をセライト上にロードし、アセトニトリル及び0.1%水中ギ酸を用いて逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、実施例131(0.246g、42%)を得た。LCMS:計算値491.3、ESI-MS m/z=492.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.44-1.62(m,2H),1.80-1.95(m,2H),2.07-2.10(m,1H),3.15-3.25(m,2H),3.57(s,3H),3.60-3.70(m,1H),4.34-4.52(m,1H),7.40-7.42(m,1H),7.70-7.74(m,2H),8.84-8.90(m,1H,),9.30(s,1H),10.42-10.55(m,1H),11.48(s,1H).
【0102】
以下の実施例及び中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質と共に使用して合成した。
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【0103】
2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(実施例130)の合成
【化22】
【0104】
ステップ-1:3-シアノ-3-メチルピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル:
【0105】
3-シアノピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.0g、24ミリモル)の乾燥THF(100mL)中撹拌溶液に、LiHMDS(30.9mL、THF中1M、30.9ミリモル)を-78℃で添加した。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。次いで、MeI(2.22mL、35.7ミリモル)を同じ温度で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を氷冷水の混合物(100mL)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(2×150mL)。合した有機層を塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表題化合物(3.5g、65%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.35(s,3H),1.43(s,9H),1.66-1.70(m,1H),1.78-1.81(m,2H),1.87-2.10(m,1H),2.80(s,2H),3.90-4.20(m,2H).
【0106】
ステップ-2:3-メチルピペリジン-3-カルボニトリルTFA塩。
【0107】
3-シアノ-3-メチルピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(3.5g、15.6ミリモル)のジクロロメタン(70mL)中撹拌溶液に、TFA(12.7mL)を0℃で滴下した。結果として得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗化合物を得た。粗化合物をジエチルエーテルで摩砕して、表題化合物(3.0g、81%)をTFA塩として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.40(s,3H),1.63-1.69(m,2H),1.76-1.81(m,1H),1.91-2.06(m,1H),2.82-2.89(m,1H),3.01-3.09(m,1H),3.19-3.22(m,1H),3.56-3.59(m,1H),9.20(bs,1H).
【0108】
ステップ-3:1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-カルボニトリル。
【0109】
3,4-ジクロロ安息香酸(2.88g、15.1ミリモル)の乾燥DMF(15mL)中撹拌溶液に、HATU(7.18g、18.9ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。DIPEA(7mL、38ミリモル)を滴下し、続いて3-メチルピペリジン-3-カルボニトリルTFA塩(3.0g、12.6ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水(30mL)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した(2×200mL)。合した有機層を塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表題化合物(2.8g、56%)を得た。LCMS:計算値296.3、ESI-MS m/z=297.2[M+H]+。
【0110】
ステップ-4:1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-N-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-3-カルボキシイミドアミド:
【0111】
1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-カルボニトリル(4g、13.5ミリモル)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.80g、40.4ミリモル)のエタノール(100mL)中混合物にトリエチルアミン(5.8mL、40.4ミリモル)に0℃をゆっくりと添加した。結果として得られた反応混合物を70℃で16時間加熱し、次いで濃縮し、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン中10%メタノール(2×150mL)で抽出した。合した有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、表題化合物(5.0g、69%)を固体として得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS:計算値329.3、ESI-MS m/z=330.4[M+H]+。
【0112】
ステップ-5:2-((E)-1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-N’-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-3-カルボキシイミドアミド)マレイン酸ジメチル:
【0113】
1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-N-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-3-カルボキシイミドアミド(5.0g、15ミリモル)のクロロホルム(100mL)中撹拌溶液に、アセチレンジカルボン酸ジメチル(3.32g、23.4ミリモル)を0℃で滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応をTLCによりモニタリングし、次いで濃縮して、粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な表題化合物(2.4g、33%)を固体として得た。LCMS:計算値471.2、ESI-MS m/z=472.3[M+H]+。
【0114】
ステップ-6:2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル。
【0115】
2-((E)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-N’-ヒドロキシピペリジン-3-カルボキシイミドアミド)マレイン酸ジメチル(2.0g、4.2ミリモル)のキシレン(15mL)中溶液をマイクロ波中、160℃で10分間加熱した。反応混合物を濃縮し、ジエチルエーテル及びヘキサンで摩砕して、固体を得た。粗残留物をセライト上にロードし、アセトニトリル及び0.1%水中ギ酸を使用して逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な表題化合物(0.40g、21%)を得た。LCMS:LCMS:計算値439.4、ESI-MS m/z=440.5[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.10(s,2H),1.27(s,3H),1.58-1.75(m,3H),2.00-2.16(m,1H),3.79(s,3H),3.60-3.64(m,1H),4.01(bs,1H),7.26(d,J=8.4,1H),7.54(s,1H),7.67(d,J=2.0Hz,1H),10.36(s,1H),12.40-12.65(m,1H).
【0116】
ステップ-7:2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル。
【0117】
2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチルの混合物(0.200g、0.454ミリモル)をDMSO(50mL)中に溶解させ、0℃に冷却した。これに、マグネシウムメトキシド溶液(1.30mL、0.908ミリモル、メタノール中6~10%)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮して過剰のメタノールを除去した。反応混合物を0℃に冷却し、MeI(0.116mL、1.81ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで10℃に冷却し、1N HClでゆっくりとクエンチした。生成物を酢酸エチルで抽出した(2×200mL)。合した有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残留物をセライト上にロードし、アセトニトリル及び0.1%水中ギ酸を使用して逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な表題化合物(0.20g、97%)を得た。LCMS:計算値453.4、ESI-MS m/z=454.2[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.39(s,3H),1.59(bs,1H),1.75(bs,1H),2.01-2.07(m,2H),3.15-3.25(m,1H),3.32-3.52(m,1H),3.63(s,3H),3.79(s,3H),3.83-3.86(m,1H),3.99-4.02(m,1H),7.30(d,J=8.4Hz,1H),7.55(s,1H),7.69(d,J=2.0Hz,1H),10.32(s,1H).
【0118】
ステップ-8:2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル:
【0119】
2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル(0.20g、0.44ミリモル)のDMF(1mL)中撹拌溶液に、K2CO3(0.121g、0.875ミリモル)を添加し、続いてMeI(0.042mL、0.660ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了した後、水(20mL)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合した有機層を塩水(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表題化合物(0.14g、67%)を得た。LCMS:計算値467.4、ESI-MS m/z=468.3[M+H]+
【0120】
ステップ-9:2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸:
【0121】
メタノール:THF:水の混合物(1:1:1、6mL)中2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸メチル(0.140g、0.298ミリモル)の撹拌溶液に、NaOH(0.014g、0.36ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、氷冷水(10mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。合した水層を1N HClで0℃にて酸性化し、ジクロロメタン中10%メタノール(2×30mL)で抽出した。合した有機層を塩水(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗製の表題化合物(0.130g、96%)を得た。LCMS:計算値455.2、ESI-MS m/z=456.6[M+H]+
【0122】
ステップ-10:2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-N-(イソキサゾール-4-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド。
【0123】
2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸(0.140g、0.308ミリモル)の乾燥DMF(1.4mL)中撹拌溶液に、HATU(0.176g、0.462ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、DIPEA(0.17mL、0.99ミリモル)及びイソキサゾール-4-アミン(0.038g、0.46ミリモル)を室温で添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで水(20mL)で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合した有機層を塩水(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として得られた残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表題化合物(0.135g、84%)を固体として得た。LCMS:計算値519.2、ESI-MS m/z=520.4[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.16-1.19(m,3H),1.19-1.23(m,2H),1.42-1.56(m,2H),3.32-3.52(m,2H)3.62(s,3H),4.01-4.02(m,1H),4.03(s,3H),4.70-4.77(m,1H),7.25-7.27(m,1H),7.59-7.67(m,2H),8.74(s,1H),9.27(s,1H),10.58(bs,1H).Chiral HPLC:CHIRALPAK AD-H;30%(MEOH)in 液体CO2+0.1% DEA:FR-1(異性体-1):RT=9.39;FR-2(異性体-2):RT=14.82.
【0124】
ステップ-11:2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド。
【0125】
ジクロロメタン(2mL)中に溶解させた2-(1-(3,4-ジクロロベンゾイル)-3-メチルピペリジン-3-イル)-N-(イソキサゾール-4-イル)-5-メトキシ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミドFR-1(0.030g、0.057ミリモル)の撹拌溶液を0℃に冷却し、ジクロロメタン中1M BBr3(0.28mL、0.29ミリモル)を滴下した。反応混合物を次いで室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、真空下で濃縮した。メタノール(1mL)を添加し、30分間撹拌し、蒸発させた。残留物をメタノール(2×1mL)と共沸させて、粗化合物(120mg)を得た。粗残留物をセライト上にロードし、アセトニトリル及び0.1%水中ギ酸を使用して逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、実施例130(0.015g、51%)を得た。LCMS:計算値505.2、ESI-MS m/z=506.3[M+H]+。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.35-1.45(m,3H),1.46-1.60(m,2H),1.70-1.80(m,2H),3.15-3.18(m,2H),3.38-3.44(m,2H),3.61(s,3H),7.22-7.24(m,1H),7.59-7.64(m,2H),8.73(s,1H),9.23(s,1H),10.75(bs,1H),11.58(bs,1H).
【0126】
5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(1-フェネチルピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(実施例129)の合成
【化23】
【0127】
ステップ-1:5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド塩酸塩:
【0128】
3-(5-エトキシ-4-(イソキサゾール-4-イルカルバモイル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル[A1の合成から得る](0.35g、0.78ミリモル)のジクロロメタン(3mL)とメタノール(0.5mL)との混合物中撹拌溶液に、ジオキサン中4M HCl(3mL)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、40℃に10分間温めた。反応混合物を濃縮乾固し、メタノールと2回共沸させて、表題化合物を固体(0.290g、97%)として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS:計算値347.5;ESI-MS m/z=348.5[M+H]+
【0129】
ステップ-2:5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(1-フェネチルピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド:
【0130】
5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド塩酸塩(0.050g、0.130ミリモル)のDMF(0.5mL)中撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.055mL、0.391ミリモル)を添加し、室温で30分間撹拌した。(2-ブロモエチル)ベンゼン(0.024g、0.130ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで濃縮した。得られた粗生成物をヘキサン(5mL)で摩砕し、真空下で乾燥して、表題化合物(0.050g)を得た。粗製の表題化合物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS:計算値451.3;ESI-MS m/z=452.4[M+H]+
【0131】
ステップ-3:5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(1-フェネチルピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド:
【0132】
5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(1-フェネチルピペリジン-3-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(0.05g、0.110ミリモル)の混合物をジクロロメタン(1mL)中に溶解させた。結果として得られた溶液を0℃に冷却し、ジクロロメタン中1M BBr3(0.22mL、0.22ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム(0.5mL)を添加し、ジクロロメタン中10%メタノールでさらに希釈した。残留物をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮乾固した。粗残留物をセライト上にロードし、アセトニトリル及び0.1%水中ギ酸を用いて逆相カラムクロマトグラフィーにより精製して、純粋な表題化合物(0.01g、21%)を得た。LCMS:計算値423.4:ESI-MS m/z=424.5[M+H]+
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 1.60-1.80(m,4H),1.85-1.95(m,1H),2.66-2.70(m,2H),2.70-3.02(m,6H),3.48(s,3H),7.18-7.28(m,5H),8.77(s,1H,),9.13(s,1H),10.25(bs,1H),11.50(bs,1H).
【0133】
以下の実施例及び中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質と共に使用して合成した。
【表8】
【0134】
5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(実施例28)の合成
【化24】
【0135】
ステップ-1:
C6(200mg、0.769ミリモル)、ピペリジン(0.76mL、7.69ミリモル)及びDMSOの混合物を110℃で1時間加熱した。反応の進行をTLCによってモニタリングし、C6が消費されたら室温に冷却した。反応混合物を氷水の混合物(25mL)中に注ぎ、15分間よく撹拌した。固体物質をろ過で除去し、水で洗浄し(3×10mL)、真空下でよく乾燥させて、純粋な生成物を固体(172mg、72%)として得た。ESI-MS m/z=310.38[M+H]+ MW計算値:309.371H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 4.00(q,2H),4.26(q,2H),3.38(s,3H),3.04-3.06(m,4H),1.57-1.62(m,6H),1.20-1.30(m,6H).
【0136】
ステップ-2:5-エトキシ-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボン酸エチル(100mg、0.32ミリモル)、イソキサゾール-4-アミン(35.3mg、0.42ミリモル)のトルエン(1mL)中撹拌溶液に、2Mのトルエン中トリメチルアルミニウム(0.6mL、0.64ミリモル)を0℃で添加した。反応混合物を80℃にて30分間マイクロ波照射下で加熱した。反応の完了をTLCにより確認し、反応物を氷冷水の混合物中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水で洗浄した(2×10mL)。合した有機層をNa2SO4上で乾燥させ、真空下で蒸発させて、粗化合物を明褐色として得た(104mg)。粗物質を精製することなく次のステップで使用した。ESI-MS m/z=348.5[M+H]+ MW計算値:347.3
【0137】
ステップ-3:5-エトキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド(100mg、0.28ミリモル)をジクロロメタン(1mL)中に溶解させた。結果として得られた溶液を0℃に冷却し、ジクロロメタン中1M BBr3(0.5mL、0.57ミリモル)を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応をTLC(ジクロロメタン中10%メタノール)によりモニタリングした。完了したら、溶媒を真空下で除去した。氷冷水を残留物に添加し、そして固体をろ過して粗生成物(83mg)を得た。粗生成物をRP-HPLCによりさらに精製して、実施例28、5-ヒドロキシ-N-(イソキサゾール-4-イル)-1-メチル-6-オキソ-2-(ピペリジン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリミジン-4-カルボキサミド生成物(10mg、0.032ミリモル、11%)を得た。ESI-MS m/z=320.3[M+H]+MW計算値:319.3 1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ 11.19(s,1H),10.54(s,1H),9.31(s,1H),8.92(s,1H),3.43(s,3H),3.08(s,4H),1.59-1.67(m,6H).
【0138】
以下の実施例及び中間体は、上記ステップで記載したものと同様の条件を適切な出発物質と共に使用して合成した。
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【表9-5】
【0139】
生化学アッセイ
1.腫瘍細胞におけるTREX1のサイレンシング
サイトゾルDNAのセンシングに際してのcGAS/STING経路の活性化と、それに続くI型IFN産生は、腫瘍細胞及び自然免疫細胞の両方、特に樹状細胞で起こり得る。STINGアゴニストによるI型IFNの活性化に際して免疫介在性拒絶反応を受ける、充分に説明された低温同系腫瘍モデルによって、TREX1がI型IFNの産生を抑制するか否かを評価するために、CRISPRを使用してB16F10腫瘍細胞においてTREX1をノックダウンした(
図1A)。腫瘍細胞のDNAトランスフェクションを介したサイトゾルDNAの蓄積は、親腫瘍細胞と比較してTREX1ノックアウトB16F10細胞によるIFNβ産生の約5倍増加をもたらし、TREX1がB16F10腫瘍細胞におけるcGAS/STING経路の活性化を減弱したことを示す(
図1B)。
2.インビボでのTREX1コンピテント及びTREX1欠損B16F10腫瘍細胞の成長
【0140】
インビボでのTREX1コンピテント及びTREX1欠損B16F10腫瘍細胞の成長を評価した。C57BL/6Jマウスの右脇腹に300,000の親又はTREX1ノックアウトB16F10腫瘍細胞を皮下接種した。腫瘍が測定可能になったときから始めて、研究の残りの期間中、体重を週に2回収集し、腫瘍測定値を週に2~3回収集した。TREX1がサイレンシングされた腫瘍は、親B16F10腫瘍よりも著しく小さい体積を提示した(
図2)。
【0141】
腫瘍は、第19日、研究の終了時に収集し、単細胞浮遊液に消化して、腫瘍浸潤免疫集団のフローサイトメトリー定量化を可能にした。TREX1ノックアウトB16F10腫瘍は、免疫細胞全体で有意な増加を示すことが判明し、これは、腫瘍浸潤CD4及びCD8T細胞の数並びに形質細胞様樹状細胞(pDC)の増加を反映していた(
図3)。pDCは、抗原特異的抗腫瘍免疫応答の誘導において中心的役割を果たすことが知られており、一方、T細胞は、マウス及びヒトにおいて抗腫瘍活性の主なエフェクタであることが知られている。したがって、TREX1が欠損した腫瘍の免疫浸潤における大きな変化は、後者の腫瘍の成長の阻害が、少なくとも部分的に免疫介在性であることを示唆する。
【0142】
TREX1生化学アッセイ
化合物の効力は、反対方向の鎖上にフルオロフォア-クエンチャ―対を有するカスタムdsDNA基質の分解を測定する蛍光アッセイによって評価した。dsDNAの分解により、遊離フルオロフォアが放出され、蛍光シグナルが生じる。具体的には、反応緩衝液(50mM Tris(pH7.4)、150mM NaCl、2mM DTT、0.1mg/mL BSA、0.01%(v/v)Tween-20及び100mM MgCl2)中7.5μLのN末端His-Tevタグ付完全長ヒトTREX1(E.coliで発現され、社内で精製されたもの)を、DMSO中10点用量-応答として様々な濃度の化合物(150nL)をすでに含んでいる384ウェルBlack ProxiPlate Plus(Perkin Elmer)に添加した。これに、反応緩衝液中7.5μLのdsDNA基質(鎖A:5’TEX615/GCT AGG CAG 3’;鎖B:5’CTG CCT AGC/IAbRQSp(Integrated DNA Technologies))を添加した。最終濃度は、1.0%DMSO(v/v)を含む反応緩衝液中、150pM TREX1、60nM dsDNA基質であった。室温で25分後、5μLの停止緩衝液(反応緩衝液+200mM EDTAと同じ)の添加により反応をクエンチした。クエンチされた反応物における最終濃度は、20μLの体積で、112.5pM TREX1、45nM DNA及び50mM EDTAであった。室温で5分のインキュベーション後、レーザー光源のEnvision(Perkin-Elmer)でプレートを読み取り、570nm光で励起した後、615nmの蛍光を測定した。IC50値は、非線形最小二乗4パラメータフィット及びGenedata又はGraphPad Prismのいずれか(GraphPad Software,Inc.)を使用して、停止緩衝液(100%阻害)及び阻害剤なし(0%阻害)対照であらかじめクエンチした対照ウェルと比べて、615nm比で測定された蛍光を比較することによって算出した。
【0143】
TREX2生化学アッセイ
化合物の効力は、反対方向の鎖上にフルオロフォア-クエンチャ―対を有するカスタムdsDNA基質の分解を測定する蛍光アッセイによって評価した。dsDNAの分解により、遊離フルオロフォアが放出され、蛍光シグナルが生じる。具体的には、反応緩衝液(50mM Tris(pH7.4)、150mM NaCl、2mM DTT、0.1mg/mL BSA、0.01%(v/v)Tween-20及び100mM MgCl2中7.5μLのN末端His-Tevタグ付ヒトTREX2(E.coliで発現され、社内で精製された残留M44-A279)を、DMSO中10点用量応答として様々な濃度の化合物(150nL)をすでに含んでいる384ウェルBlack ProxiPlate Plus(Perkin Elmer)に添加した。これに、反応緩衝液中7.5μLのdsDNA基質(鎖A:5’TEX615/GCT AGG CAG 3’;鎖B:5’CTG CCT AGC/IAbRQSp(IDT))を添加した。最終濃度は、1.0%DMSO(v/v)を含む反応緩衝液中、2.5nM TREX2、60nM dsDNA基質であった。室温で25分後、5μLの停止緩衝液(反応緩衝液+200mM EDTAと同じ)の添加により反応をクエンチした。クエンチされた反応混合物における最終濃度は、20μLの体積で、1.875pM TREX2、45nM DNA及び50mM EDTAであった。室温で5分のインキュベーション後、レーザー光源のEnvision(Perkin-Elmer)でプレートを読み取り、570nm光で励起した後、615nmの蛍光を測定した。IC50値は、非線形最小二乗4パラメータフィット及びGenedata又はGraphPad Prismのいずれか(GraphPad Software,Inc.)を使用して、停止緩衝液(100%阻害)及び阻害剤なし(0%阻害)対照であらかじめクエンチした対照ウェルと比べて、615nm比で測定された蛍光を比較することによって算出した。
【0144】
結果を表1に示す。TREX1 IC
50:A=<0.1μM;B=0.1~1μM;C=1~10μM;D=>10μM。TREX2 IC
50:A=<1μM、B=1~10μM、C=10~100μM、D=>100μM。
【表10-1】
【表10-2】
【0145】
HCT116細胞アッセイ
HCT116二重細胞(dual cell)(Invivogen,San Diego,CA,USA)はヒトHCT116大腸がん細胞株由来である。細胞は、SEAP及びルシフェラーゼレポーター遺伝子の安定な組込みについて選択され、この発現は、それぞれ、NF-KB/AP1及びSTAT1/STAT2の5つのタンデム応答エレメントの制御下にある。細胞株を使用して、培地中に分泌されたLuciaルシフェラーゼの活性を測定することにより、I型インターフェロン誘導と、その後のシグナリングをモニタリングした。
【0146】
HCT116細胞を、10%FBS及び25mM Hepes(pH7.2~7.5)を追加した100uLのDMEM中、40,000細胞/ウェルで、96ウェルプレート(複数可)に播種した。一晩沈降させた後、細胞をTREX1iで4時間(最大DMSOフラクションは0.1%であった)で処理した後、1ug/mLのpBR322/BstNI制限消化物(New England Biolabs,Ipswich,MA,USA)をLipofectamine LTX(ThermoFisher,Grand Island,NY,USA)で、製品マニュアルの推奨にしたがってトランスフェクトした。簡単に説明すると、Lipofectamine LTX(0.35uL/ウェル)をOptiMEM(5uL/ウェル)中に希釈した。pBR322/BstNI(100ng/ウェル)をOptiMEM(5uL/ウェル)中に希釈した後、Plus試薬(0.1uL/100ng DNA)を添加した。室温で5分間インキュベーションした後、DNA混合物に、希釈したLipofectamine LTXを滴下して混合した。さらに10分間インキュベーションした後、トランスフェクションミックス(10uL/ウェル)を細胞に添加した。細胞を37℃で48時間維持した後、細胞培地からのLuciaルシフェラーゼ活性をモニタリングした。
【0147】
いくつかの実施形態を説明してきたが、我々の基本的な実施例を変更して、本発明の化合物及び方法を利用する他の実施形態を提供できることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として提示した具体的な実施形態によってではなく、添付の実施形態によって規定されると理解されるであろう。
【0148】
本願全体を通して引用されるすべての文献(参考文献、発行された特許、公開された特許出願、及び同時係属中の特許出願を含む)の内容は、参照によりその全体が本明細書中に明示的に組み込まれる。別段の定めのない限り、本明細書中で使用するすべての科学技術用語は当業者に通常知られている意味である。