(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】分光フィルタ、イメージセンサ、及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/28 20060101AFI20240412BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240412BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240412BHJP
G02B 5/22 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
G02B5/28
H01L27/146 D
G02B5/20 101
G02B5/20
G02B5/22
(21)【出願番号】P 2022069375
(22)【出願日】2022-04-20
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052535
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0030947
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 孝 哲
(72)【発明者】
【氏名】盧 永 瑾
(72)【発明者】
【氏名】李 在 崇
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0100838(KR,A)
【文献】国際公開第2020/201633(WO,A1)
【文献】中国特許第100463244(CN,C)
【文献】特開2019-114642(JP,A)
【文献】特開2020-194129(JP,A)
【文献】国際公開第2020/149056(WO,A1)
【文献】特表2022-528689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/28
H01L 27/146
G02B 5/20
G02B 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つの第1ユニットフィルタと、
第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つの第2ユニットフィルタと、を含み、
前記第1ユニットフィルタは、
上下に互いに離隔して設けられる複数の第1金属反射層と、
前記複数の第1金属反射層間に設けられる少なくとも1つの第1キャビティと、を含み、
前記第2ユニットフィルタは、
上下に互いに離隔して設けられる第2金属反射層及びブラッグ反射層と、
前記第2金属反射層と前記ブラッグ反射層との間に設けられる少なくとも1つの第2キャビティと、を含む、分光フィルタ。
【請求項2】
前記第1波長領域の中心波長は、前記第2波長領域の中心波長よりも短い、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項3】
前記第1金属反射層は、Al、Ag、Au、Ti、WまたはTiNを含み、前記第2金属反射層
は、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNを含む、請求項2に記載の分光フィルタ。
【請求項4】
前記第2金属反射層は、poly-Siをさらに含む、請求項2に記載の分光フィルタ。
【請求項5】
前記第1及び第2金属反射層は、10nm~80nmの厚さを有する、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項6】
前記ブラッグ反射層は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層と少なくとも1つの第2物質層とが交互に積層された構造を有する、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1ユニットフィルタは、互いに異なる中心波長を有する複数の第1ユニットフィルタを含む第1フィルタアレイを構成し、前記少なくとも1つの第2ユニットフィルタは、互いに異なる中心波長を有する複数の第2ユニットフィルタを含む第2フィルタアレイを構成する、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項8】
前記第1ユニットフィルタの中心波長は、前記第1キャビティの厚さまたは有効屈折率を変化させることで調節され、前記第2ユニットフィルタの中心波長は、前記第2キャビティの厚さまたは有効屈折率を変化させることで調節される、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項9】
前記第1ユニットフィルタは、前記第1キャビティの下部及び上部に設けられる第1及び第2誘電体層をさらに含み、前記第2ユニットフィルタは、前記第2キャビティの下部及び上部に設けられる第3及び第4誘電体層をさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項10】
前記第1、第2、第3及び第4誘電体層それぞれは、単層または複層構造を有する、請求項9に記載の分光フィルタ。
【請求項11】
前記第1及び第2誘電体層それぞれの厚さまたは有効屈折率は、前記第1ユニットフィルタの中心波長によって調節され、前記第3及び第4誘電体層それぞれの厚さまたは有効屈折率は、前記第2ユニットフィルタの中心波長によって調節される、請求項9に記載の分光フィルタ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタに設けられる複数のマイクロレンズをさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタと同一平面上に配置されるカラーフィルタをさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタに設けられて特定波長帯域のみを透過させる追加フィルタをさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項15】
前記追加フィルタは、カラーフィルタまたは、広域フィルタを含む、請求項14に記載の分光フィルタ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタのうち、一部には、短波長吸収フィルタが設けられ、他の一部には長波長遮断フィルタが設けられる、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の前記分光フィルタと、
前記分光フィルタを透過した光を受光する画素アレイと、を含む、イメージセンサ。
【請求項18】
前記画素アレイは、複数の画素を含み、前記各画素は、駆動回路が内部に設けられた配線層、及び前記配線層に設けられるフォトダイオードを含む、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含む、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
請求項
17に記載のイメージセンサを含む電子装置。
【請求項21】
前記電子装置は、モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、スマートタブレット、デジタルカメラ、カムコーダ、ノート型パソコン、テレビ、スマートテレビ、スマート冷蔵庫、保安カメラ、ロボットまたは医療用カメラを含む、請求項20に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光フィルタ、イメージセンサ、及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイメージセンサは、波長帯域を赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3区間のみに分類したが、背景照明分析や対象体の認識性能の向上のためには、波長帯域をさらに多くの区間に分ける分光フィルタを備えたイメージセンサの開発が必要である。しかし、従来の分光フィルタは、体積が大きく、複雑な光学素子部品で構成された専用カメラ用として使用され、半導体チップ上に分光フィルタを集積したイメージセンサのモジュール技術は、まだ研究開発段階にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、分光フィルタとそれを含むイメージセンサ及び電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面において、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つの第1ユニットフィルタと、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つの第2ユニットフィルタと、を含み、前記第1ユニットフィルタは、上下に互いに離隔して設けられる複数の第1金属反射層と、前記複数の第1金属反射層間に設けられる少なくとも1つの第1キャビティと、を含み、前記第2ユニットフィルタは、上下に互いに離隔して設けられる第2金属反射層及びブラッグ反射層と、前記第2金属反射層と前記ブラッグ反射層との間に設けられる少なくとも1つの第2キャビティと、を含む分光フィルタが提供される。
【0005】
前記第1波長領域の中心波長は、前記第2波長領域の中心波長よりも短い。その場合、前記第1金属反射層は、Al、Ag、Au、Ti、WまたはTiNを含み、前記第2金属反射層は、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNを含む。前記第2金属反射層は、poly-Siをさらに含んでもよい。
【0006】
前記第1及び第2金属反射層は、10nm~80nmの厚さを有する。
【0007】
前記ブラッグ反射層は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層と少なくとも1つの第2物質層とが交互に積層された構造を有することができる。
【0008】
前記少なくとも1つの第1ユニットフィルタは、互いに異なる中心波長を有する複数の第1ユニットフィルタを含む第1フィルタアレイを構成し、前記少なくとも1つの第2ユニットフィルタは、互いに異なる中心波長を有する複数の第2ユニットフィルタを含む第2フィルタアレイを構成することができる。
【0009】
前記第1ユニットフィルタの中心波長は、前記第1キャビティの厚さまたは有効屈折率を変化させることで調節され、前記第2ユニットフィルタの中心波長は、前記第2キャビティの厚さまたは有効屈折率を変化させることで調節されうる。
【0010】
前記第1ユニットフィルタは、前記第1キャビティの下部及び上部に設けられる第1及び第2誘電体層をさらに含み、前記第2ユニットフィルタは、前記第2キャビティの下部及び上部に設けられる第3及び第4誘電体層をさらに含んでもよい。
【0011】
前記第1、第2、第3及び第4誘電体層それぞれは、単層または複層構造を有することができる。
【0012】
前記第1及び第2誘電体層それぞれの厚さまたは有効屈折率は、前記第1ユニットフィルタの中心波長によって調節され、前記第3及び第4誘電体層それぞれの厚さまたは有効屈折率は、前記第2ユニットフィルタの中心波長によって調節されうる。
【0013】
前記分光フィルタは、前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタに設けられる複数のマイクロレンズをさらに含んでもよい。
【0014】
前記分光フィルタは、前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタと同一平面上に配置されるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0015】
前記分光フィルタは、前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタに設けられ、特定波長帯域のみを透過させる追加フィルタをさらに含んでもよい。前記追加フィルタは、カラーフィルタまたは、広域フィルタを含むことができる。
【0016】
前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタのうち、一部には、短波長吸収フィルタが設けられ、他の一部には、長波長遮断フィルタが設けられうる。
【0017】
他の側面において、分光フィルタと、前記分光フィルタを透過した光を受光する画素アレイと、を含み、前記分光フィルタは、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つの第1ユニットフィルタと、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つの第2ユニットフィルタと、を含み、前記第1ユニットフィルタは、上下に互いに離隔して設けられる複数の第1金属反射層と、前記複数の第1金属反射層間に設けられる少なくとも1つの第1キャビティと、を含み、前記第2ユニットフィルタは、上下に互いに離隔して設けられる第2金属反射層及びブラッグ反射層と、前記第2金属反射層と前記ブラッグ反射層との間に設けられる少なくとも1つの第2キャビティと、を含むイメージセンサが提供される。
【0018】
前記画素アレイは、複数の画素を含み、前記各画素は、駆動回路が内部に設けられた配線層及び前記配線層に設けられるフォトダイオードを含む。
【0019】
前記第1波長領域の中心波長は、前記第2波長領域の中心波長よりも短い。
【0020】
前記ブラッグ反射層は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層と少なくとも1つの第2物質層とが交互に積層された構造を有する。
【0021】
前記少なくとも1つの第1ユニットフィルタは、互いに異なる中心波長を有する複数の第1ユニットフィルタを含む第1フィルタアレイを構成し、前記少なくとも1つの第2ユニットフィルタは、互いに異なる中心波長を有する複数の第2ユニットフィルタを含む第2フィルタアレイを構成することができる。
【0022】
前記第1ユニットフィルタの中心波長は、前記第1キャビティの厚さまたは有効屈折率を変化させることで調節され、前記第2ユニットフィルタの中心波長は、前記第2キャビティの厚さまたは有効屈折率を変化させることで調節されうる。
【0023】
前記第1ユニットフィルタは、前記第1キャビティの下部及び上部に設けられる第1及び第2誘電体層をさらに含み、前記第2ユニットフィルタは、前記第2キャビティの下部及び上部に設けられる第3及び第4誘電体層をさらに含んでもよい。
【0024】
前記第1及び第2誘電体層それぞれの厚さまたは有効屈折率は、前記第1ユニットフィルタの中心波長によって調節され、前記第3及び第4誘電体層それぞれの厚さまたは有効屈折率は、前記第2ユニットフィルタの中心波長によって調節されうる。
【0025】
前記分光フィルタは、前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタに設けられる複数のマイクロレンズをさらに含んでもよい。
【0026】
前記分光フィルタは、前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタと同一平面上に配置されるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0027】
前記分光フィルタは、前記少なくとも1つの第1及び第2ユニットフィルタに設けられて特定波長帯域のみを透過させる追加フィルタをさらに含んでもよい。
【0028】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含んでもよい。
【0029】
上述したイメージセンサを含む電子装置が提供される。
【0030】
前記電子装置は、モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、スマートタブレット、デジタルカメラ、カムコーダ、ノート型パソコン、テレビ、スマートテレビ、スマート冷蔵庫、保安カメラ、ロボットまたは医療用カメラを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】例示的な実施例によるイメージセンサの断面を概略的に示す図面である。
【
図2】例示的な実施例による分光フィルタを示す断面図である。
【
図3A】Cu反射層の間にTiO
2キャビティが設けられたユニットフィルタを示す図面である。
【
図3B】
図3Aに図示された構造の上部及び下部にそれぞれTiO
2誘電体層が設けられたユニットフィルタを示す図面である。
【
図4】
図3Aに図示されたユニットフィルタ及び
図3Bに図示されたユニットフィルタに対する透過スペクトルを示す図面である。
【
図5】他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図6】
図5に図示された分光フィルタの透過スペクトルを示す図面である。
【
図7】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図8】
図7に図示された分光フィルタの透過スペクトルを示す図面である。
【
図9】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図10】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図11】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図12】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図13】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図14】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図15】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図16】
図15に図示された分光フィルタの透過スペクトルを示す図面である。
【
図17】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図18A】キャビティの下部及び上部の両方にCu金属層が設けられたフィルタ構造示す図面である。
【
図18B】キャビティの下部及び上部の両方にCu金属層が設けられたフィルタ構造の透過スペクトルを示す図面である。
【
図19A】キャビティの下部及び上部の両方にSi/SiO
2ブラッグ反射層が設けられたフィルタ構造を示す図面である。
【
図19B】キャビティの下部及び上部の両方にSi/SiO
2ブラッグ反射層が設けられたフィルタ構造の透過スペクトルを示す図面である。
【
図20A】キャビティの下部にCu反射層が設けられ、キャビティの上部にSi/SiO
2ブラッグ反射層が設けられたフィルタ構造を示す図面である。
【
図20B】キャビティの下部にCu反射層が設けられ、キャビティの上部にSi/SiO
2ブラッグ反射層が設けられたフィルタ構造の透過スペクトルを示す図面である。
【
図21】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図22】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図23】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図24】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図25】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図26】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図27】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図28】
図27に図示された追加フィルタで使用されうる広域フィルタの一例を示す図面である。
【
図29】
図27に図示された追加フィルタで使用されうる広域フィルタの他の例を示す図面である。
【
図30】さらに他の例示的な実施例による分光フィルタを概略的に示す断面図である。
【
図31】例示的な実施例によるイメージセンサのブロック図である。
【
図32】
図31のイメージセンサに適用されうる分光フィルタの例示的な平面図である。
【
図33】
図31のイメージセンサに適用されうる分光フィルタの他の例示的な平面図である。
【
図34】
図31のイメージセンサに適用されうる分光フィルタのさらに他の例示的な平面図である。
【
図35】例示的な実施例によるイメージセンサを含む電子装置を概略的に示すブロック図である。
【
図36】
図35のカメラモジュールを概略的に示すブロック図である。
【
図37】(a)ないし(e)は、例示的な実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の多様な例を示す図面である。
【
図38】(a)ないし(e)は、例示的な実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の多様な例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
「前記」の用語及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものである。方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、反対の記載がなければ、そのような段階は、適当な順序で行われ、必ずしも記載順序に限定されるものではない。
【0033】
また、明細書に記載の「...部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって具現される。
【0034】
図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであって、実際の装置では、代替可能であるか、あるいは追加されうる多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結としても示される。
【0035】
全ての例または例示的な用語の使用は、単に技術的思想を詳細に説明するためのものであって、請求範囲によって技術的範囲が決定されるのであり、そのような例または例示的な用語によって範囲が限定されるものではない。
【0036】
図1は、例示的な実施例によるイメージセンサ1000の断面を概略的に示す図面である。
図1に図示されたイメージセンサ1000は、例えば、CMOS(complementary metal Oxide semiconductor)イメージセンサまたはCCD(charge coupled device)イメージセンサを含む。
【0037】
図1を参照すれば、イメージセンサ1000は、画素アレイ65と、該画素アレイ上に設けられる共振器構造体80を含む。ここで、画素アレイ65は、2次元的に配列される複数の画素を含み、共振器構造体80は、複数の画素に対応するように設けられる複数の共振器を含む。
図1には、画素アレイ65が4個の画素を含み、共振器構造体80が4個の共振器を含む場合が例示的に図示されている。
【0038】
画素アレイ65の各画素は、光電変換素子であるフォトダイオード(photodiode)62と、該フォトダイオード62を駆動させるための駆動回路52を含む。フォトダイオード62は、半導体基板61に埋め込まれるように設けられる。半導体基板61は、例えば、シリコン基板が使用されうる。しかし、それに限定されるものではない。半導体基板61の下面には、配線層(wiring layer)51が設けられ、該配線層51の内部に、例えば、MOSFETのような駆動回路52が設けられうる。
【0039】
半導体基板61の上部には、複数の共振器を含む共振器構造体80が設けられている。各共振器は、所望の特定波長領域の光を透過させるように設けられる。各共振器は、互いに離隔して設けられる第1及び第2反射層81、82と、第1反射層81と第2反射層82との間に設けられるキャビティ83a、83b、83c、83dを含んでもよい。第1及び第2反射層それぞれは、例えば、金属反射層またはブラッグ反射層を含むことができる。各キャビティ83a、83b、83c、83dは、所望の特定波長領域の光を共振させるように設けられうる。
【0040】
半導体基板61の上面と共振器構造体80との間には、第1機能層71が設けられうる。第1機能層71は、例えば、共振器構造体80を透過してフォトダイオード62側に入射される光の透過度を向上させる役割を行うことができる。そのために、第1機能層71は、屈折率が調節された誘電体層または誘電体パターンを含む。
【0041】
共振器構造体80の上面には、第2機能層72が設けられうる。第2機能層72は、例えば、共振器構造体80側に入射される光の透過度を向上させる役割を行うことができる。そのために、第2機能層72は、屈折率が調節された誘電体層または誘電体パターンを含む。第2機能層72の上面には、第3機能層90がさらに設けられうる。第3機能層90は、例えば、反射防止層(antireflection layer)、集束レンズ、カラーフィルタ、短波長吸収フィルタまたは長波長遮断フィルタなどを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0042】
前述した第1、第2及び第3機能層71、72、90のうち、少なくとも1つは、共振器構造体80と共に、後述する分光フィルタを構成することができる。以下、例示的な実施例による分光フィルタを具体的に説明する。
【0043】
図2は、例示的な実施例による分光フィルタの断面図を示す図面である。
【0044】
図2を参照すれば、分光フィルタ1100は、2次元形態に配列される複数のユニットフィルタを含む。
図2には、6個のユニットフィルタ111、112、113、121、122、123の断面が例示的に図示されている。
【0045】
分光フィルタ1100は、平面上に配置される第1及び第2フィルタアレイ110、120を含む。第1及び第2フィルタアレイ110、120は、実質的に同一平面上に配置されうるが、必ずしもそれに限定されるものではない。第1フィルタアレイ110は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。ここで、第1波長領域は、例えば、約250nm~600nmの範囲を含む。しかし、それは、ただの例示であり、それ以外にも、第1波長領域は、設計条件によって多様な波長範囲を有することができる。
図2には、第1フィルタアレイ110が第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113を含む場合が例示的に図示されている。
【0046】
第2フィルタアレイ120は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。第2波長領域は、第1波長領域よりも長い波長領域にもなる。例えば、第2波長領域は、約600nm~1100nmの範囲を含む。しかし、それは、ただの例示であり、それ以外にも、第2波長領域は、設計条件によって多様な波長範囲を有することができる。
図2には、第2フィルタアレイ120が第4、第5及び第6ユニットフィルタ121、122、123を含む場合が例示的に図示されている。
【0047】
図2には、第1及び第2フィルタアレイ110、120がそれぞれ3個のユニットフィルタ111、112、113121、122、123を含む場合が図示されているが、それは、例示的なものであって、第1及び第2フィルタアレイ110、120それぞれを構成するユニットフィルタの個数は、多様に変形されうる。
【0048】
第1フィルタアレイ110を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113それぞれは、第1波長領域内の特定中心波長を透過させることで、互いに離隔して設けられた2層の第1金属反射層131、132の間にキャビティ141、142、143が設けられたファブリペロー(Fabry-Perot)構造を有する。
【0049】
光が第1金属反射層131、132を透過してキャビティ141、142、143に入射されれば、この光は、第1金属反射層131、132の間でキャビティ141、142、143の内部を往復し、その過程で補強干渉と相殺干渉とを起こす。そして、補強干渉条件を満足する特定中心波長を有する光がユニットフィルタ111、112、113の外部に出射される。ここで、第1金属反射層131、132の反射帯域及びキャビティ141、142、143の特性によって、ユニットフィルタ111、112、113を通過する光の波長帯域及び中心波長が決定されうる。
【0050】
第1金属反射層131、132は、第1波長領域の光を反射させうる第1金属を含む。例えば、第1金属は、Al、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含んでもよい。しかし、それに限定されるものではない。そのような第1金属反射層131、132は、数十nm程度の厚さに設けられうるが、それは、単に例示的なものである。例えば、第1金属反射層131、132は、約10nm~80nm程度の厚さを有する。具体的な例として、第1金属反射層131、132は、約10nm~30nm程度の厚さを有することができる。
【0051】
第1金属反射層131、132の間に設けられるキャビティ141、142、143は、共振層として所定の屈折率を有する誘電物質を含む。例えば、キャビティ141、142、143は、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物を含んでもよい。しかし、それらに限定されるものではない。
【0052】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113は、第1波長領域内で互いに異なる中心波長を有する。そのために、第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113は、互いに異なる厚さの第1、第2及び第3キャビティ141、142、143を含んでもよい。
図2には、第2キャビティ142が第1キャビティ141よりも厚く、第3キャビティ143が第2キャビティ142よりも厚い場合が例示的に図示されている。その場合、第1、第2及び第3ユニットフィルタ111、112、113のうち、第3ユニットフィルタ113が最も長い中心波長を有し、第1ユニットフィルタ111が最も短い中心波長を有する。また、キャビティの厚さによって、一部ユニットフィルタは、複数個の中心波長を有することもできる。
【0053】
第2フィルタアレイ120を構成する第4、第5、及び第6ユニットフィルタ121、122、123それぞれは、第2波長領域内の特定中心波長を透過させることで、互いに離隔して設けられた2層の第2金属反射層151、152の間にキャビティ161、162、163が設けられたファブリペロー構造を有する。ここで、第2金属反射層151.152の反射帯域及びキャビティ161、162、163の特性によってユニットフィルタ121、122、123を通過する光の波長帯域及び中心波長が決定されうる。
【0054】
第2金属反射層151、152は、第2波長領域の光を反射させうる第2金属を含む。例えば、第2金属は、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含む。しかし、それらに限定されるものではない。第2金属反射層151、152は、第2金属以外にpoly-Siをさらに含んでもよい。そのような第2金属反射層は、数十nm程度の厚さに設けられうるが、それは、単に例示的なものである。例えば、第2金属反射層151、152は、約10nm~80nm程度の厚さを有する。具体的な例として、第2金属反射層151、152は、約40nm~50nm程度の厚さを有することができる。
【0055】
第2金属反射層151、152をなす第2金属は、前述した第1金属反射層131、132をなす第1金属とは異なる金属でもある。例えば、第1金属反射層131、132がAlを含む場合、第2金属反射層151、152は、Cuを含む。また、例えば、第1金属反射層131、132がAlを含む場合、第2金属反射層151、152は、Agを含む。また、例えば、第1金属反射層131、132がAgを含む場合、第2金属反射層151、152は、Cuを含んでもよい。
【0056】
第2金属反射層151、152の間に設けられるキャビティ161、162、163は、共振層として所定の屈折率を有する誘電物質を含む。例えば、キャビティ161、162、163は、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物を含んでもよい。
【0057】
第2金属反射層151、152の間に設けられるキャビティ161、162、163は、第1金属反射層131、132の間に設けられるキャビティ141、142、143と同一物質を含む。その場合、第2金属反射層151、152の間に設けられるキャビティ161、162、163の厚さが第1金属反射層131、132の間に設けられるキャビティ141、142、143の厚さと異なりうる。一方、第2金属反射層151、152の間に設けられるキャビティ161、162、163は、第1金属反射層131、132の間に設けられるキャビティ141、142、143と異なる物質を含んでもよい。
【0058】
第4、第5、及び第6ユニットフィルタ121、122、123は、第2波長領域内で互いに異なる中心波長を有する。そのために、第4、第5及び第6ユニットフィルタ121、122、123は、互いに異なる厚さの第4、第5及び第6キャビティ161、162、163を含んでもよい。
図2には、第5キャビティ162が第4キャビティ161よりも厚く、第6キャビティ163が第5キャビティ162よりも厚い場合が例示的に図示されている。その場合、第4、第5及び第6ユニットフィルタ121、122、123のうち、第6ユニットフィルタ123が最も長い中心波長を有し、第4ユニットフィルタ121が最も短い中心波長を有する。また、キャビティの厚さによって、一部ユニットフィルタは、複数個の中心波長を有する。
【0059】
前述したように、第1金属反射層131、132の間にキャビティ141、142、143が設けられた第1フィルタアレイ110と第2金属反射層151、152との間にキャビティ161、162、163が設けられた第2フィルタアレイ120を平面上に配置することで、第1波長領域と第2波長領域とを含む広域(例えば、紫外線から近赤外線までの波長範囲)の特性を有する分光フィルタを具現することができる。
【0060】
図3Aは、Cu反射層の間にTiO
2キャビティが設けられたユニットフィルタ11を示す図である。そして、
図3Bは、
図3Aに図示された構造の上部及び下部にそれぞれTiO
2誘電体層が設けられたユニットフィルタ21を示す図面である。
【0061】
図4は、
図3Aに図示されたユニットフィルタ11及び
図3Bに図示されたユニットフィルタ21に対する透過スペクトルを示す図面である。
図4において、「A」は、
図3Aに図示されたユニットフィルタ11の透過スペクトルを示す図面であり、「B」は、
図3Bに図示されたユニットフィルタ21の透過スペクトルを示す図面である。
図4を参照すれば、
図3Bに図示されたユニットフィルタ21が
図3Aに図示されたユニットフィルタ11に比べて高い透過度を有していることが判る。
【0062】
このように、Cu反射層の間にTiO2キャビティが設けられた構造の上下部にそれぞれTiO2誘電体層をさらに設けることで透過率が向上したユニットフィルタ21を具現することができる。ここで、TiO2誘電体層の厚さは、ユニットフィルタ21の中心波長によって調節されうる。
【0063】
図5は、他の例示的な実施例による分光フィルタ1200を概略的に示す断面図である。
【0064】
図5を参照すれば、第1フィルタアレイ210は、第1波長領域の中心波長を有する第1、第2及び第3ユニットフィルタ211、212、213を含んでもよい。そして、第2フィルタアレイ220は、第2波長領域の中心波長を有する第4、第5及び第6ユニットフィルタ221、222、223を含んでもよい。
【0065】
第1フィルタアレイ210を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ211、212、213それぞれは、互いに離隔された2層の第1金属反射層131、132と、第1金属反射層131、132の間に設けられるキャビティ141、142、143と、キャビティ141、142、143の下部及び上部にそれぞれ設けられる第1及び第2誘電体層171、172を含む。第1、第2及び第3ユニットフィルタ211、212、213は、第1波長領域内で互いに異なる中心波長を有するように互いに異なる厚さの第1、第2及び第3キャビティ141、142、143を含んでもよい。第1金属反射層131、132と、第1、第2及び第3キャビティ141、142、143については、前述した。
【0066】
第1誘電体層171は、第1金属層131の下部に設けられ、第2誘電体層172は、第1金属層132の上部に設けられうる。ここで、第1及び第2誘電体層171、172は、第1、第2及び第3ユニットフィルタ211、212、213の透過率を向上させるためのものである。このような第1及び第2誘電体層171、172は、単層(single layer)構造を有する。第1及び第2誘電体層171、172それぞれは、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物(hafnium Oxide)、シリコン酸化物または高屈折ポリマー(high index polymer)などを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0067】
第1及び第2誘電体層171、172の厚さは、第1、第2及び第3ユニットフィルタ211、212、213の中心波長によって変化されうる。
図5には、ユニットフィルタ211、212、213の中心波長が長くなることにより、第1及び第2誘電体層171、172の厚さが厚くなる場合が例示的に図示されている。第1及び第2誘電体層171、172それぞれの厚さは、約10nm~20μmになるが、それに限定されない。
【0068】
第2フィルタアレイ220を構成する第4、第5及び第6ユニットフィルタ221、222、223それぞれは、互いに離隔された2個の第2金属反射層151、152と、第2金属反射層151、152の間に設けられるキャビティ161、162、163と、キャビティ161、162、163の下部及び上部にそれぞれ設けられる第3及び第4誘電体層181、182を含む。第4、第5及び第6ユニットフィルタ221、222、223は、第2波長領域内で互いに異なる中心波長を有するように互いに異なる厚さの第4、第5及び第6キャビティ161、162、163を含んでもよい。第2金属反射層151、152と、第4、第5及び第6キャビティ161、162、163については、前述した。
【0069】
第3誘電体層181は、第2金属層151の下部に設けられ、第4誘電体層182は、第2金属層152の上部に設けられうる。ここで、第3及び第4誘電体層181、182は、第4、第5及び第6ユニットフィルタ221、222、223の透過率を向上させるためのものである。第3及び第4誘電体層181、182は、単層構造を有することができる。第3及び第4誘電体層181、182それぞれは、前述した第1及び第2誘電体層171、172と同様に、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それに限定されるものではない。
【0070】
第3及び第4誘電体層181、182の厚さは、第4、第5及び第6ユニットフィルタ221、222、223の中心波長によって変化されうる。
図5には、ユニットフィルタ221、222、223の中心波長が長くなることにより、第3及び第4誘電体層181、182の厚さが厚くなる場合が例示的に図示されている。第3及び第4誘電体層181、182それぞれの厚さは、約10nm~20μm程度になるが、それに限定されない。
【0071】
図6は、
図5に図示された分光フィルタ1200の透過スペクトルを示す図面である。ここで、第1金属反射層131、132及び第2金属反射層151、152は、それぞれAl、Cuで形成し、キャビティ141、142、143、161、162、163は、TiO
2で形成した。そして、第1、第2、第3及び第4誘電体層171、172、181、182はいずれもTiO
2で形成した。
図6において、「C1」は、第1フィルタアレイ210の透過スペクトルを示すものであり、「C2」は、第2フィルタアレイ220の透過スペクトルを示すものである。
【0072】
図7は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1300を概略的に示す断面図である。
【0073】
図7を参照すれば、第1フィルタアレイ310は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含む。そして、第2フィルタアレイ320は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含みうる。
【0074】
図7には、便宜上、第1フィルタアレイ310が1つのユニットフィルタ(第1ユニットフィルタ315)を含み、第2フィルタアレイ320が1つのユニットフィルタ(第2ユニットフィルタ325)を含む場合が例示的に図示されている。第1及び第2フィルタアレイ310、320それぞれが複数のユニットフィルタを含む場合には、複数のユニットフィルタは、互いに異なる厚さのキャビティを含んでもよい。
【0075】
第1フィルタアレイ310を構成する第1ユニットフィルタ315は、互いに離隔された2層の第1金属反射層131、132と、第1金属反射層131、132の間に設けられる第1キャビティ145と、第1キャビティ145の下部及び上部にそれぞれ設けられる第1及び第2誘電体層371、372を含む。
【0076】
第1誘電体層371は、第1金属層131の下部に設けられ、第2誘電体層372は、第1金属層132の上部に設けられうる。第1及び第2誘電体層371、372は、それぞれチタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0077】
第1誘電体層371は、単層構造を有する。しかし、それに限定されるものではなく、第1誘電体層371は、多層(multi-layer)構造を有してもよい。第2誘電体層372は、多層構造を有する。例えば、第2誘電体層372は、互いに異なる第1及び第2物質層372a、372bが互いに積層された構造を有することができる。ここで、第2誘電体層372を構成する物質層の厚さ及び層数は、第1ユニットフィルタ315の中心波長によって調節されうる。第2誘電体層372は、互いに異なる3層以上の物質層を含んでもよい。
【0078】
第2フィルタアレイ320を構成する第2ユニットフィルタ325は、互いに離隔された2層の第2金属反射層151、152と、第2金属反射層151、152の間に設けられる第2キャビティ165と、第2キャビティ165の下部及び上部にそれぞれ設けられる第3及び第4誘電体層381、382を含む。
【0079】
第3誘電体層381は、第2金属層151の下部に設けられ、第4誘電体層382は、第2金属層152の上部に設けられうる。第3及び第4誘電体層381、382は、第1及び第2誘電体層371、372と同様に、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0080】
第3誘電体層381は、単層構造または多層構造を有する。第4誘電体層382は、多層構造を有する。例えば、第4誘電体層382は、互いに異なる第1及び第2物質層382a、382bが互いに積層された構造を有することができる。ここで、第4誘電体層382を構成する物質層の厚さ及び層数は、第2ユニットフィルタ325の中心波長によって調節されうる。第4誘電体層382は、互いに異なる3層以上の物質層を含んでもよい。
【0081】
図8は、
図7に図示された分光フィルタ1300の透過スペクトルを示す図面である。
図8には、
図7に図示された分光フィルタ1300において第1フィルタアレイ310が互いに異なる中心波長を有する7個のユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ320が互いに異なる中心波長を有する9個のユニットフィルタを含む場合の透過スペクトルが図示されている。
【0082】
第1金属反射層131、132及び第2金属反射層151、152は、それぞれAl、Cuで形成し、キャビティ145、165は、TiO
2とSiNの多層膜で形成した。そして、第1及び第3誘電体層371、381は、それぞれSiNで形成し、第2及び第4誘電体層372、382は、それぞれTiO
2とSiNの多層膜で形成した。
図8において、「D1」は、第1フィルタアレイ310の透過スペクトルを示すものであり、「D2」は、第2フィルタアレイ320の透過スペクトルを示すものである。
図8を参照すれば、分光フィルタ1300が広域特性及び高い透過率を具現可能であることが分かる。
【0083】
図9は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1400を概略的に示す断面図である。
図9には、便宜上、第1フィルタアレイ410が1つのユニットフィルタ(第1ユニットフィルタ415)を含み、第2フィルタアレイ420が1つのユニットフィルタ(第2ユニットフィルタ425)を含む場合が例示的に図示されている。
【0084】
第1フィルタアレイ410を構成する第1ユニットフィルタ415は、互いに離隔された3層の第1金属反射層431、432、433と、第1金属反射層431、432、433の間に設けられる2個の第1キャビティ441、442を含む。
【0085】
第1金属反射層431、432、433は、第1波長領域の光を反射させうる第1金属を含んでもよい。第1キャビティ441、442は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物のような誘電物質を含んでもよい。
【0086】
第2フィルタアレイ420を構成する第2ユニットフィルタ425は、互いに離隔された3層の第2金属反射層451、452、453と、第2金属反射層451、452、453の間に設けられる2個の第2キャビティ461、462を含む。
【0087】
第2金属反射層451、452、453は、第2波長領域の光を吸収することができる第2金属を含んでもよい。第2キャビティ461、462は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物のような誘電物質を含んでもよい。
【0088】
以上、第1及び第2ユニットフィルタ415、425それぞれが2個のキャビティ441、442、461、462を含む場合が説明されたが、第1及び第2ユニットフィルタ415、425それぞれが3個以上のキャビティを含んでもよい。また、以上では、第1及び第2ユニットフィルタ415、425がいずれもマルチキャビティ構造を有する場合が説明されたが、第1及び第2ユニットフィルタ415、425のうち、1つは、シングルキャビティ構造を有し、他の1つは、マルチキャビティ構造を有してもよい。
【0089】
図10は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1500を概略的に示す断面図である。
図10には、便宜上、第1フィルタアレイ510が1つのユニットフィルタ(第1ユニットフィルタ515)を含み、第2フィルタアレイ520が1つのユニットフィルタ(第2ユニットフィルタ525)を含む場合が例示的に図示されている。
【0090】
図10を参照すれば、第1フィルタアレイ510を構成する第1ユニットフィルタ515は、互いに離隔された3層の第1金属反射層431、432、433と、第1金属反射層431、432、433の間に設けられる2個の第1キャビティ441、442と、第1キャビティ441、442の下部及び上部に設けられる第1及び第2誘電体層571、572を含む。第1金属反射層431、432、433及び第1キャビティ441、442については、前述した。
【0091】
第1誘電体層571は、第1金属反射層431の下部に設けられ、第2誘電体層572は、第1金属反射層433の上部に設けられうる。ここで、第1及び第2誘電体層571、572は、透過率を向上させるためのものであって、単層または多層構造を有する。第1及び第2誘電体層571、572は、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0092】
第2フィルタアレイ520を構成する第2ユニットフィルタ525は、互いに離隔された3層の第2金属反射層451、452、453と、第2金属反射層451、452、453の間に設けられる2個の第2キャビティ461、462と、第2キャビティ461、462の下部及び上部に設けられる第3及び第4誘電体層581、582を含む。第2金属反射層451、452、453及び第2キャビティ461、462については、前述した。
【0093】
第3誘電体層581は、第2金属反射層451の下部に設けられ、第4誘電体層582は、第2金属反射層453の上部に設けられうる。ここで、第3及び第4誘電体層581、582は、単層または多層構造を有し、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0094】
図11は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1600を概略的に示す断面図である。
【0095】
図11を参照すれば、第1フィルタアレイ610は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ620は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図11には、第1フィルタアレイ610が第1、第2及び第3ユニットフィルタ611、612、613を含み、第2フィルタアレイ620が第4、第5及び第6ユニットフィルタ621、622、623を含む場合が例示的に図示されている。
【0096】
第1フィルタアレイ610を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ611、612、613それぞれは、互いに離隔して設けられた2層の第1金属反射層631、632と該第1金属反射層631、632の間に設けられるキャビティ641、642、643を含む。第1金属反射層631、632については、前述したので、それについての説明は省略する。
【0097】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ611、612、613は、第1波長領域内で互いに異なる中心波長を有することができる。このために、第1、第2及び第3ユニットフィルタ611、612、613は、互いに異なる有効屈折率(effective refractive index)を有する第1、第2及び第3キャビティ641、642、643を含んでもよい。第1、第2及び第3キャビティ641、642、643それぞれは、第1物質層と、第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。
【0098】
図11には、第1、第2及び第3キャビティ641、642、643それぞれが第1物質層と、第1物質層内部に第1金属反射層631に垂直に互いに並んで配置される複数の第2物質層を含む場合が例示的に図示されている。
図11には、第2物質層がMESA構造を有する場合が例示的に図示されている。しかし、それに限定されず、第2物質層は、例えば、ダマシン(Damascene)工程を通じて上下の第1金属反射層631と連結されるように形成されうる。ここで、第1及び第2物質層それぞれは、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物などを含んでもよい。具体例として、第1物質層は、シリコン酸化物を含み、第2物質層はチタン酸化物を含む。
【0099】
第1、第2及び第3キャビティ641、642、643は、第2物質層の幅を調節することで、有効屈折率を変化させうる。
図11には、第2物質層が第1キャビティ641から第3キャビティ643に行くほど広幅を有するように設けられた場合が例示的に図示されている。その場合、第1、第2及び第3キャビティ641、642、643のうち、第3キャビティ643が最大の有効屈折率を有し、第1キャビティ641は、最も小さな有効屈折率を有することができる。第1、第2及び第3ユニットフィルタ611、612、613のうち、第3ユニットフィルタ613が最も長い中心波長を有し、第1ユニットフィルタ611が最も短い中心波長を有することができる。また、キャビティの厚さまたは有効屈折率によって一部ユニットフィルタは、複数個の中心波長を有することもできる。
【0100】
以上では、複数の第2物質層が第1金属反射層631に垂直に配列される場合が説明されたが、それに限定されず、複数の第2物質層は、第1金属反射層631に並んで配列されうる。
【0101】
第2フィルタアレイ620を構成する第4、第5及び第6ユニットフィルタ621、622、623それぞれは、互いに離隔して設けられた2層の第2金属反射層651、652と該第2金属反射層651、652との間に設けられるキャビティ661、662、663を含む。第2金属反射層651、652については、前述したので、それについての説明は省略する。
【0102】
第4、第5及び第6ユニットフィルタ621、622、623は、第2波長領域内で互いに異なる中心波長を有することができる。このために、第4、第5及び第6ユニットフィルタ621、622、623は、互いに異なる有効屈折率を有する第4、第5及び第6キャビティ661、662、663を含んでもよい。第4、第5及び第6キャビティ661、662、663それぞれは、第1物質層と、第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層とを含む。
【0103】
図11には、第4、第5及び第6キャビティ661、662、663それぞれが第1物質層と、第1物質層内部に第2金属反射層651に垂直に互いに並んで配置される複数の第2物質層とを含む場合が例示的に図示されている。ここで、第1及び第2物質層それぞれは、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物などを含んでもよい。
【0104】
第4、第5及び第6キャビティ661、662、663は、第2物質層の幅を調節することで、有効屈折率を変化させうる。
図11には、第2物質層が第4キャビティ661から第6キャビティ663に行くほど広幅を有するように設けられた場合が例示的に図示されている。その場合、第4、第5及び第6キャビティ661、662、663のうち、第6キャビティ663が最大の有効屈折率を有し、第4キャビティ661は、最も小さな有効屈折率を有する。第4、第5及び第6ユニットフィルタ621、622、623のうち、第6ユニットフィルタ623が最も長い中心波長を有し、第4ユニットフィルタ621が最も短い中心波長を有する。また、キャビティの厚さまたは有効屈折率によって一部ユニットフィルタは、複数個の中心波長を有しうる。
【0105】
以上、第1フィルタアレイ610及び第2フィルタアレイ620がいずれもシングルキャビティ構造を有する場合が例示的に説明された。しかし、第1フィルタアレイ610及び第2フィルタアレイ620がいずれもマルチキャビティ構造を有してもよい。また、第1フィルタアレイ610及び第2フィルタアレイ620のうち、1つは、シングルキャビティ構造を有し、他の1つは、マルチキャビティ構造を有してもよい。
【0106】
図12は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1700を概略的に示す断面図である。
図12に図示された分光フィルタ1700は、キャビティがエッチング停止層(etch stop layer)をさらに含むことを除いては、
図11に図示された分光フィルタ1600と同一である。
【0107】
第1フィルタアレイ710を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ711、712、713は、互いに異なる有効屈折率を有する第1、第2及び第3キャビティ741、742、743を含んでもよい。ここで、第1、第2及び第3キャビティ741、742、743それぞれは、第1金属反射層631に設けられるエッチング停止層740aと、エッチング停止層740aに設けられる第1物質層と、第1物質層の内部に配置される少なくとも1層の第2物質層を含んでもよい。ここで、エッチング停止層740aは、キャビティ形成のためのパターニング工程をさらに容易にする役割を行うことができる。そのようなエッチング停止層740aは、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物、またはハフニウム酸化物などを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。エッチング停止層740aは、キャビティ741、742、743を構成する誘電物質よりもエッチング速度が2倍以上(例えば、5倍以上)低い物質を含んでもよい。具体例として、キャビティ741、742、743がシリコン酸化物を含む場合、エッチング停止層740aは、ハフニウム酸化物を含んでもよい。
【0108】
第2フィルタアレイ720を構成する第4、第5及び第6ユニットフィルタ721、722、723は、互いに異なる有効屈折率を有する第4、第5及び第6キャビティ761、762、763を含んでもよい。ここで、第4、第5及び第6キャビティ761、762、763それぞれは、第2金属反射層651、652に設けられるエッチング停止層760aと、エッチング停止層760aに設けられる第1物質層と、第1物質層の内部に配置される少なくとも1層の第2物質層を含んでもよい。
【0109】
図13は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1800を概略的に示す断面図である。
図13に図示された分光フィルタ1800は、第1フィルタアレイ810の下部及び上部に第1及び第2誘電体層871、872が設けられ、第2フィルタアレイ820の下部及び上部に第3及び第4誘電体層881、882が設けられたことを除いては、
図12に図示された分光フィルタ1700と同一である。
【0110】
図13を参照すれば、第1フィルタアレイ810を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ811、812、813は、それぞれ互いに離隔された2層の第1金属反射層631、632と、第1金属反射層631、632の間に設けられるキャビティ841、842、843と、キャビティ841、842、843の下部及び上部にそれぞれ設けられる第1及び第2誘電体層871、872を含む。第1、第2及び第3ユニットフィルタ811、812、813は、第1波長領域内で互いに異なる中心波長を有するように互いに異なる有効屈折率を有する第1、第2及び第3キャビティ841、842、843を含んでもよい。
【0111】
第1誘電体層871は、第1金属層631の下部に設けられ、第2誘電体層872は、第1金属層632の上部に設けられうる。ここで、第1及び第2誘電体層871、872は、第1、第2及び第3ユニットフィルタ811、812、813の透過率を向上させるためのものである。
【0112】
第1及び第2誘電体層871、872それぞれは、第1物質層と第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。第1及び第2物質層は、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1、第2及び第3ユニットフィルタ811、812、813の中心波長によって第2物質層の幅を変化させることで、第1及び第2誘電体層871、872の有効屈折率を調節することができる。第1及び第2誘電体層871、872は、それぞれエッチング停止層をさらに含んでもよい。
【0113】
第2フィルタアレイ820を構成する第4、第5及び第6ユニットフィルタ821、822、823は、それぞれ互いに離隔された2層の第2金属反射層651、652と、第2金属反射層651、652の間に設けられるキャビティ861、862、863と、キャビティ861、862、863の下部及び上部にそれぞれ設けられる第3及び第4誘電体層881、882を含む。第4、第5及び第6ユニットフィルタ821、822、823は、第2波長領域内で互いに異なる中心波長を有するように互いに異なる有効屈折率を有する第4、第5及び第6キャビティ861、862、863を含んでもよい。
【0114】
第3誘電体層881は、第2金属層651の下部に設けられ、第4誘電体層822は、第2金属層652の上部に設けられうる。第3及び第4誘電体層881、882それぞれは、第1物質層と第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。ここで、第4、第5及び第6ユニットフィルタ821、822、823の中心波長によって第2物質層の幅を変化させることで、第3及び第4誘電体層881、882の有効屈折率を調節することができる。第3及び第4誘電体層881、882は、それぞれエッチング停止層をさらに含んでもよい。
【0115】
図14は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ1900を概略的に示す断面図である。
【0116】
図14を参照すれば、第1フィルタアレイ910は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ920は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図14には、第1フィルタアレイ910が第1、第2及び第3ユニットフィルタ911、912、913を含み、第2フィルタアレイ920が第4、第5及び第6ユニットフィルタ921、922、923を含む場合が例示的に図示されている。
【0117】
第1波長領域は、第2波長領域よりも短い波長領域にもなる。例えば、第1波長領域は、約250nm~600nmの範囲を含み、第2波長領域は、約600nm~1100nmの範囲を含む。しかし、それは、単に例示的なものであって、設計条件によって第1及び第2波長領域は、多様に変形されうる。代替的に(alternatively)、第1波長領域が第2波長領域よりも長い波長領域にもなる。
【0118】
第1フィルタアレイ910を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ911、912、913それぞれは、第1波長領域内の特定中心波長を透過させるものであり、互いに離隔して設けられた2個の金属反射層931、932の間にキャビティ941、942、943が設けられたファブリペロー構造を有することができる。
【0119】
光が金属反射層931、932を透過してキャビティ941、942、943に入射されれば、その光は、金属反射層931、932の間でキャビティ941、942、943内部を往復し、その過程で補強干渉と相殺干渉とを起こす。そして、補強干渉条件を満足する特定中心波長を有する光がユニットフィルタ911、912、913の外部に出射される。ここで、金属反射層931、932の反射帯域及びキャビティ941、942、943の特性によってユニットフィルタ911、912、913を通過する光の波長帯域及び中心波長が決定されうる。
【0120】
金属反射層931、932は、第1波長領域の光を反射させうる所定金属を含んでもよい。第1波長領域が第2波長領域よりも短い波長領域の場合に金属反射層931、932は、例えば、Al、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含んでもよい。一方、第1波長領域が第2波長領域より長い波長領域の場合に金属反射層931、932は、例えば、Cu、Ag、AuまたはTiN、Ti、Wなどを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。金属反射層931、932は、poly-Siをさらに含んでもよい。そのような金属反射層931、932は、数十nm程度の厚さに設けられうるが、それに限定されない。例えば、金属反射層931、932は、約10nm~80nm程度の厚さを有することができる。
【0121】
金属反射層931、932の間に設けられるキャビティ941、942、943は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1、第2及び第3ユニットフィルタ911、912、913は、第1波長領域内で互いに異なる中心波長を有することができる。そのために、第1、第2及び第3ユニットフィルタ911、912、913は、互いに異なる厚さの第1、第2及び第3キャビティ941、942、943を含んでもよい。一方、図示されていないが、第1、第2及び第3ユニットフィルタ911、912、913が互いに異なる有効屈折率を有するキャビティを含むことで、互いに異なる中心波長を有することもできる。
【0122】
第2フィルタアレイ920を構成する第4、第5及び第6ユニットフィルタ921、922、923それぞれは、第2波長領域内の特定中心波長を透過させるものであり、互いに離隔して設けられた2層のブラッグ反射層951、952の間にキャビティ961、962、963が設けられたファブリペロー構造を有することができる。
【0123】
光がブラッグ反射層951、952を透過してキャビティ961、962、963に入射されれば、その光は、ブラッグ反射層951、952の間でキャビティ961、962、963内部を往復し、その過程で補強干渉と相殺干渉とを起こす。そして、補強干渉条件を満足する特定中心波長を有する光がユニットフィルタ921、922、923の外部に出射される。ここで、ブラッグ反射層951、952の反射帯域及びキャビティ961、962、963の特性によってユニットフィルタ911、912、913を通過する光の波長帯域及び中心波長が決定されうる。
【0124】
ブラッグ反射層951、952は、分散ブラッグ反射器(DBR;Distributed Bragg Reflector)にもなる。ブラッグ反射層951、952は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層951a、952aと少なくとも1つの第2物質層951b、952bが互いに積層された構造を有する。第1物質層951a、952aまたは第2物質層951b、952bは、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0125】
ブラッグ反射層951、952を構成する第1及び第2物質層951a、952a、951b、952bのうち、いずれか1つが、例えば、第1波長領域の光(例えば、短波長の光)を吸収することができる物質(例えば、シリコンなど)を含む場合には、第1領域の光が第4、第5及び第6ユニットフィルタ921、922、923を透過することを防止することができる。
【0126】
ブラッグ反射層951、952の間に設けられるキャビティ961、962、963は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0127】
第4、第5及び第6ユニットフィルタ921、922、923は、第2波長領域内で互いに異なる中心波長を有する。そのために、第4、第5及び第6ユニットフィルタ921、922、923は、互いに異なる厚さの第4、第5及び第6キャビティ961、962、963を含んでもよい。一方、図示されていないが、第4、第5及び第6ユニットフィルタ921、922、923が互いに異なる有効屈折率を有するキャビティを含むことで、互いに異なる中心波長を有しうる。
【0128】
前述したように、金属反射層931、932の間にキャビティ941、942、943が設けられた第1フィルタアレイ910とブラッグ反射層951、952との間にキャビティ961、962、963が設けられた第2フィルタアレイ920を平面上に配置することで、第1波長領域と第2波長領域を含む広域の特性を有する分光フィルタを具現することができる。
【0129】
図15は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ2000を概略的に示す断面図である。
図15には、便宜上、第1フィルタアレイ1010が1つのユニットフィルタ(第1ユニットフィルタ1015)を含み、第2フィルタアレイ1020が1つのユニットフィルタ(第2ユニットフィルタ1025)を含む場合が例示的に図示されている。
【0130】
図15を参照すれば、第1フィルタアレイ1010を構成する第1ユニットフィルタ1015は、互いに離隔された2層の金属反射層1031、1032と、該金属反射層1031、1032の間に設けられる第1キャビティ1045を含む。金属反射層1031、1032及び第1キャビティ1045については、前述した。
【0131】
第2フィルタアレイ1020を構成する第2ユニットフィルタ1025は、マルチキャビティ構造を有している。具体的には、第2ユニットフィルタ1025は、互いに離隔された3層のブラッグ反射層1051、1052、1053と、該ブラッグ反射層1051、1052、1053の間に設けられる2個の第2キャビティ1061、1062を含む。ブラッグ反射層1051、1052、1053及び第2キャビティ1061、1062については、前述した。各ブラッグ反射層1051、1052、1053を構成する第1及び第2物質層の層数は、多様に変形されうる。
図15には、第2ユニットフィルタ1025が2個のキャビティ1061、1062を含む場合が説明されたが、それに限定されず、第2ユニットフィルタ1025は、3個以上のキャビティを含んでもよい。
【0132】
図16は、
図15に図示された分光フィルタ2000の透過スペクトルを示す図面である。
図16には、
図15に図示された分光フィルタ2000で第1フィルタアレイ1010が互いに異なる中心波長を有する4個のユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ1020が互いに異なる中心波長を有する4個のユニットフィルタを含む場合の透過スペクトルが図示されている。
【0133】
第1フィルタアレイ1010において金属反射層1031、1032は、Alで形成し、キャビティ1045は、TiO
2とSiNの多層膜で形成した。そして、第2フィルタアレイ1020でブラッグ反射層1051、1052、1053は、Si及びSiO
2で形成し、キャビティ1061、1062は、SiO
2で形成した。
図16において、「S1」は、第1フィルタアレイ1010の透過スペクトルを示すものであり、「S2」は、第2フィルタアレイ1020の透過スペクトルを示すものである。
【0134】
以上では、第1ユニットフィルタ1015がシングルキャビティ構造を有し、第2ユニットフィルタ1025がマルチキャビティ構造を有する場合が説明された。しかし、第1ユニットフィルタ1015がマルチキャビティ構造を有し、第2ユニットフィルタ1025がシングルキャビティ構造を有してもよい。また、第1及び第2ユニットフィルタ1015、1025がいずれもマルチキャビティ構造を有してもよい。
【0135】
図17は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ7100を概略的に示す断面図である。
【0136】
図17を参照すれば、第1フィルタアレイ1710は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ1720は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図17には、第1フィルタアレイ1710が第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713を含み、第2フィルタアレイ1720が第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723を含む場合が例示的に図示されている。
【0137】
第1波長領域は、第2波長領域よりも短い波長領域にもなる。例えば、第1波長領域は、約250nm~600nm範囲の短波長領域になり、第2波長領域は、約600nm~1100nm範囲の長波長領域にもなる。しかし、それは、単に例示的なものであって、設計条件によって第1及び第2波長領域は、多様に変形されうる。
【0138】
第1フィルタアレイ1710を構成する第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713それぞれは、第1波長領域内の特定中心波長を透過させるものであり、互いに離隔して設けられた2層の第1金属反射層1131、1132の間にキャビティ1141、1142、1143が設けられたファブリペロー構造を有することができる。第1金属反射層1131、1132の反射帯域及びキャビティ1141、1142、1143の特性によって第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713を通過する光の波長帯域及び中心波長が決定されうる。
【0139】
第1金属反射層1131、1132は、第1波長領域の光を反射させうる所定金属を含んでもよい。第1波長領域が短波長領域であり、第2波長領域が長波長領域である場合、第1金属反射層1131、1132は、例えば、Al、Ag、Au、Ti、W、またはTiNなどを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。そのような第1金属反射層1131、1132は、数十nm程度の厚さに設けられうるが、それに限定されない。例えば、第1金属反射層1131、1132は、約10nm~80nm程度の厚さを有することができる。
【0140】
第1金属反射層1131、1132の間に設けられるキャビティ1141、1142、1143は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713は、第1波長領域内で互いに異なる中心波長を有することができる。そのために第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713は、互いに異なる厚さの第1、第2及び第3キャビティ1141、1142、1143を含んでもよい。
【0141】
第1、第2及び第3キャビティ1141、1142、1143それぞれの下部には、第1誘電体層1171がさらに設けられ、第1、第2及び第3キャビティ1141、1142、1143それぞれの上部には、第2誘電体層1172がさらに設けられうる。第1及び第2誘電体層1171、1172は、第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713の透過率を向上させるためのものである。そのような第1及び第2誘電体層1171、1172それぞれは、単層(single layer)または多層(multi layer)構造を有することができる。第1及び第2誘電体層1171、1172それぞれは、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物(hafnium Oxide)、シリコン酸化物または高屈折ポリマー(high index polymer)などを含んでもよい。しかし、これは、単に例示的なものである。
【0142】
第1及び第2誘電体層1171、1172の厚さは、第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713の中心波長によって変化されうる。
図17には、第1、第2及び第3ユニットフィルタ1711、1712、1713の中心波長が長くなることにより、第1及び第2誘電体層1171、1172の厚さが厚くなる場合が例示的に図示されている。第1及び第2誘電体層1171、1172それぞれの厚さは、約10nm~20μmになりうるが、それに限定されない。
【0143】
第2フィルタアレイ1720を構成する第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723それぞれは、第2波長領域内の特定中心波長を透過させることで、互いに離隔された第2金属反射層1151とブラッグ反射層1152の間にキャビティ1161、1162、1163が設けられたファブリペロー構造を有することができる。第2金属反射層1151は、キャビティ1161、1162、1163の下部に設けられ、ブラッグ反射層1152は、キャビティ1161、1162、1163の上部に設けられうる。第2金属反射層1151及びブラッグ反射層1152の反射帯域と、キャビティ1161、1162、1163の特性によって第1、第2及び第3ユニットフィルタ1721、1722、1723を通過する光の波長帯域及び中心波長が決定されうる。
【0144】
第1波長領域が短波長領域であり、第2波長領域が長波長領域である場合、第2金属反射層1151は、例えば、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。第2金属反射層1151は、poly-Siをさらに含んでもよい。そのような第2金属反射層1151は、数十nm程度の厚さに設けられうるが、それに限定されない。例えば、第2金属反射層1151は、約10nm~80nmの厚さを有してもよい。
【0145】
ブラッグ反射層1152は、分散ブラッグ反射器(DBR)にもなる。ブラッグ反射層1152は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層1152aと少なくとも1つの第2物質層1152bが互いに積層された構造を有することができる。第1物質層1152aまたは第2物質層1152bは、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。具体例として、第1物質層1152aは、シリコン酸化物を含み、第2物質層1152bは、シリコンを含んでもよい。
【0146】
ブラッグ反射層1152を構成する第1及び第2物質層1152a、1152bのうち、いずれか1つが、例えば、第1波長領域の光(例えば、短波長の光)を吸収することができる物質(例えば、シリコンなど)を含む場合には、第1領域の光が第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723を透過することを防止することができる。
【0147】
第2金属反射層1151とブラッグ反射層1152との間に設けられるキャビティ1161、1162、1163は、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物またはチタン酸化物を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0148】
第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723は、第2波長領域内で互いに異なる中心波長を有することができる。そのために第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723は、互いに異なる厚さの第4、第5及び第6キャビティ1161、1162、1163を含んでもよい。
【0149】
各第2金属反射層1151の下部には、第3誘電体層1181がさらに設けられ、各ブラッグ反射層1152の上部には、第4誘電体層1182がさらに設けられうる。ここで、第3及び第4誘電体層1181、1182は、第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723の透過率を向上させるためのものである。第3及び第4誘電体層1181、1182は、単層構造または多層構造を有することができる。第3及び第4誘電体層1181、1182それぞれは、前述した第1及び第2誘電体層1171、1172と同様に、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。
【0150】
第3及び第4誘電体層1181、1182の厚さは、第4、第5及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723の中心波長によって変化されうる。
図17には、第4、第5及び第6ユニットフィルタ221、222、223の中心波長が長くなることにより、第3及び第4誘電体層1181、1182の厚さが厚くなる場合が例示的に図示されている。第3及び第4誘電体層1181、1182それぞれの厚さは、約10nm~20μmにもなるが、それに限定されない。
【0151】
本実施例では、第2フィルタアレイ1720を構成する第4、第5、及び第6ユニットフィルタ1721、1722、1723それぞれが互いに離隔された第2金属反射層1151とブラッグ反射層1152との間にキャビティ1161、1162、1163が設けられた構造を有することで、第2波長領域の光に対する透過率をさらに向上させうる。
【0152】
図18Aは、キャビティ1160の下部及び上部にいずれもCu金属層が設けられたフィルタ構造(「Cu-Cu構造」)を示す図面であり、
図18Bは、
図18Aに図示された「Cu-Cu構造」の透過スペクトルを示す図面である。
図18Aにおいて、下部誘電体層は、SiN/SiO
2多層(multi-layer)で形成し、上部誘電体層は、TiO
2層で形成した。そして、キャビティ1160は、SiN層で形成した。
【0153】
図19Aは、キャビティ1160の下部及び上部にいずれもSi/SiO
2ブラッグ反射層(DBR)が設けられたフィルタ構造(「Si/SiO
2 DBR-Si/SiO
2 DBR構造」)を示す図面であり、
図19Bは、
図19Aに図示された「Si/SiO
2 DBR-Si/SiO
2 DBR構造」の透過スペクトルを示す図面である。
図19Aにおいて、下部誘電体層は、SiN/SiO
2多層で形成し、上部誘電体層は、SiO
2層で形成した。そして、キャビティ1160は、SiN層で形成した。
【0154】
そして、
図20Aは、キャビティ1160の下部にCu金属層が設けられ、キャビティ1160の上部にSi/SiO
2ブラッグ反射層(DBR)が設けられたフィルタ構造(「Cu-Si/SiO
2 DBR構造」)を示す図面であり、
図20Bは、
図20Aに図示されたCu-Si/SiO
2 DBR構造」の透過スペクトルを示す図面である。
【0155】
図20Aにおいて、下部誘電体層は、SiN/SiO
2多層で形成し、上部誘電体層は、SiO
2層で形成した。そして、キャビティ1160は、SiN層で形成した。
図18A、
図19A及び
図20Aに図示されたフィルタ構造は、いずれも約930nmの中心波長を有している。
【0156】
図18B、
図19B、及び
図20Bを参照すれば、
図20Aに図示された「Cu-Si/SiO
2 DBR構造」は、
図18Aに図示された「Cu-Cu構造」に比べて透過率が向上したことが分かる。また、
図20Aに図示された「Cu-Si/SiO
2 DBR構造」は、
図19Aに図示された「Si/SiO
2 DBR-Si/SiO
2 DBR構造」に比べて透過ピーク(peak)の半値幅が
図18Aに図示された「Cu-Cu構造」と同様に一定に保持されることが分かる。
【0157】
以上では、第1フィルタアレイ1710及び第2フィルタアレイ1720がいずれもシングルキャビティ構造を有する場合が例示的に説明された。しかし、第1フィルタアレイ1710及び第2フィルタアレイ1720がいずれもマルチキャビティ構造を有してもよい。また、第1フィルタアレイ1710及び第2フィルタアレイ1720のうち、1つは、シングルキャビティ構造を有し、他の1つは、マルチキャビティ構造を有してもよい。
【0158】
図21は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ7200を概略的に示す断面図である。
【0159】
図21を参照すれば、第1フィルタアレイ2710は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ2720は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図21には、第1フィルタアレイ2710が第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713を含み、第2フィルタアレイ2720が第4、第5及び第6ユニットフィルタ2721、2722、2723を含む場合が例示的に図示されている。
【0160】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713それぞれは、互いに離隔して設けられた2層の第1金属反射層2131、2132の間にキャビティ2141、2142、2143が設けられたファブリペロー構造を有することができる。第1金属反射層2131、2132及びキャビティ2141、2142、2143は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。
【0161】
第1、第2、及び第3キャビティ2141、2142、2143それぞれの下部には、第1誘電体層2171がさらに設けられ、第1、第2及び第3キャビティ2141、2142、2143それぞれの上部には、第2誘電体層2172がさらに設けられうる。第1及び第2誘電体層2171、2172は、第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713の透過率を向上させるためのものである。
【0162】
第1誘電体層2171は、第1物質層と、該第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。第1及び第2物質層は、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長によって第2物質層の幅を変化させることで、第1誘電体層2171の有効屈折率を調節することができる。ここで、第1誘電体層2171は、エッチング停止層をさらに含んでもよい。
【0163】
第1、第2及び第3キャビティ2141、2142、2143それぞれの上部に設けられる第2誘電体層2172は、
図17に図示されたものと同一である。すなわち、第2誘電体層2172の厚さは、第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長によって変化されうる。
図21には、第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長が長くなることにより、第2誘電体層2172の厚さが厚くなる場合が例示的に図示されている。
【0164】
図示されていないが、第2誘電体層2172は、第1誘電体層2171と類似した構造を有してもよい。その場合、第2誘電体層2172は、第1物質層と、該第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。ここで、第1、第2及び第3ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長によって第2物質層の幅を変化させることで、第2誘電体層2172の有効屈折率を調節することができる。
【0165】
第4、第5、及び第6ユニットフィルタ2721、2722、2723それぞれは、互いに離隔された第2金属層2151とブラッグ反射層2152との間にキャビティ2161、2162、2163が設けられたファブリペロー構造を有することができる。ブラッグ反射層2152は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層2152aと、少なくとも1つの第2物質層2152bが互いに積層された構造を有することができる。第2金属反射層2151、キャビティ2161、2162、2163及びブラッグ反射層2152は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。
【0166】
各第2金属層2151の下部には、第3誘電体層2181がさらに設けられ、各ブラッグ反射層2152の上部には、第4誘電体層2182がさらに設けられうる。ここで、第3及び第4誘電体層2181、2182は、第4、第5及び第6ユニットフィルタ2721、2722、2723の透過率を向上させるためのものである。
【0167】
第3誘電体層2181は、第1物質層と、該第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。第1及び第2物質層は、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。第4、第5及び第6ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長によって第2物質層の幅を変化させることで、第3誘電体層2181の有効屈折率を調節することができる。ここで、第3誘電体層2181は、エッチング停止層をさらに含んでもよい。
【0168】
第4、第5及び第6キャビティ2161、2162、2163それぞれの上部に設けられる第4誘電体層2182は、
図17に図示されたものと同一である。すなわち、第4誘電体層2182の厚さは、第4、第5及び第6ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長によって変化されうる。
図21には、第4、第5及び第6ユニットフィルタ2711、2712、2713の中心波長が長くなることにより、第4誘電体層2182の厚さが厚くなる場合が例示的に図示されている。
【0169】
図示されていないが、第4誘電体層2182は、第3誘電体層2181と類似した構造を有してもよい。その場合、第4誘電体層2182は、第1物質層と、該第1物質層内部に配置されるものであり、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。ここで、第4、第5及び第6ユニットフィルタ2721、2722、2723の中心波長によって第2物質層の幅を変化させることで、第4誘電体層2182の有効屈折率を調節することができる。
【0170】
図22は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ7300を概略的に示す断面図である。
【0171】
図22を参照すれば、第1フィルタアレイ3710は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ3720は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図22には、第1フィルタアレイ3710が第1、第2及び第3ユニットフィルタ3711、3712、3713を含み、第2フィルタアレイ3720が第4、第5及び第6ユニットフィルタ3721、3722、3723を含む場合が例示的に図示されている。
【0172】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ3711、3712、3713それぞれは、互いに離隔して設けられた2層の第1金属反射層3131、3132の間にキャビティ3141、3142、3143が設けられたファブリペロー構造を有することができる。第1金属反射層3131、3132は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。
【0173】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ3711、3712、3713は、互いに異なる有効屈折率(effective refractive index)を有する第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143を含んでもよい。第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143それぞれは、第1物質層と、第1物質層内部に配置されることで、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。ここで、第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143それぞれは、エッチング停止層をさらに含んでもよい。
【0174】
図22には、第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143それぞれが第1物質層と、第1物質層内部に互いに並んで配置される複数の第2物質層を含む場合が例示的に図示されている。ここで、第1及び第2物質層それぞれは、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物などを含んでもよい。具体例として、第1物質層は、シリコン酸化物を含み、第2物質層はチタン酸化物を含んでもよい。
【0175】
第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143は、第2物質層の幅を調節することで、有効屈折率を変化させうる。例えば、第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143のうち、第3キャビティ3143が最大の有効屈折率を有し、第1キャビティ3141は、最も小さな有効屈折率を有することができる。その場合、第1、第2及び第3ユニットフィルタ3711、3712、3713のうち、第3ユニットフィルタ3713が最も長い中心波長を有し、第1ユニットフィルタ3711が最も短い中心波長を有することができる。
【0176】
第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143それぞれの下部には、第1誘電体層3171がさらに設けられ、第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143それぞれの上部には、第2誘電体層3172がさらに設けられうる。ここで、第1及び第2誘電体層3171、3172は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。一方、第1及び/または第2誘電体層3171、3172は、
図21に図示された第1誘電体層2171と類似した構造を有しうる。
【0177】
第4、第5及び第6ユニットフィルタ3721、3722、3723それぞれは、互いに離隔して設けられた第2金属反射層3151とブラッグ反射層3152との間にキャビティ3161、3162、3163が設けられたファブリペロー構造を有することができる。ブラッグ反射層3152は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層1352aと少なくとも1つの第2物質層3152bが互いに積層された構造を有することができる。第2金属反射層3151及びブラッグ反射層3152は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。
【0178】
第4、第5及び第6ユニットフィルタ3721、3722、3723は、互いに異なる有効屈折率を有する第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163を含んでもよい。第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163それぞれは、第1物質層と、第1物質層内部に配置されることで、第1物質層と異なる屈折率を有する少なくとも1つの第2物質層を含んでもよい。
【0179】
図22には、第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163それぞれが、第1物質層と、第1物質層内部に互いに並んで配置される複数の第2物質層とを含む場合が例示的に図示されている。ここで、第1及び第2物質層それぞれは、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物などを含んでもよい。具体例として、第1物質層は、シリコン酸化物を含み、第2物質層はチタン酸化物を含んでもよい。
【0180】
第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163は、第2物質層の幅を調節することで、有効屈折率を変化させうる。例えば、第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163のうち、第6キャビティ3163が最大の有効屈折率を有し、第4キャビティ3161は、最も小さな有効屈折率を有する。その場合、第4、第5及び第6ユニットフィルタ3721、3722、3723のうち、第6ユニットフィルタ3722が最も長い中心波長を有し、第4ユニットフィルタ3721が最も短い中心波長を有することができる。
【0181】
第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163それぞれの下部には、第3誘電体層3181がさらに設けられ、第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163それぞれの上部には、第4誘電体層3182がさらに設けられうる。ここで、第3及び第4誘電体層3181、3182は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。一方、第3及び/または第4誘電体層3181、3182それぞれは、
図21に図示された第3誘電体層2181と類似した構造を有してもよい。
【0182】
図23は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ7400を概略的に示す断面図である。
【0183】
図23を参照すれば、第1フィルタアレイ4710は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ4720は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図23には、第1フィルタアレイ4710が第1、第2及び第3ユニットフィルタ4711、4712、4713を含み、第2フィルタアレイ4720が第4、第5及び第6ユニットフィルタ4721、4722、4723を含む場合が例示的に図示されている。
【0184】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ4711、4712、4713それぞれは、互いに離隔して設けられた2層の第1金属反射層4131、4132の間にキャビティ4141、4142、4143が設けられたファブリペロー構造を有することができる。第1、第2及び第3キャビティ4141、4142、4143の下部及び上部には、第1及び第2誘電体層4171、4172がさらに設けられうる。第1金属反射層4131、4132、第1、第2及び第3キャビティ4141、4142、4143、第1及び第2誘電体層4171、4172は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。一方、第1、第2及び第3キャビティ4141、4142、4143は、
図22に図示された第1、第2及び第3キャビティ3141、3142、3143と類似した構造を有し、第1及び/または第2誘電体層4171、4172は、
図21に図示された第1誘電体層2171と類似した構造を有することができる。
【0185】
第4、第5及び第6ユニットフィルタ4721、4722、4723それぞれは、互いに離隔されたブラッグ反射層4151と第2金属層4152との間にキャビティ4161、4162、4163が設けられたファブリペロー構造を有することができる。第4、第5及び第6キャビティ4161、4162、4163の下部及び上部には、第3及び第4誘電体層4181、4182がさらに設けられうる。第4、第5及び第6キャビティ4161、4162、4163、第3及び第4誘電体層4181、4182は、
図17に図示されたものと同一なので、それについての説明は省略する。一方、第4、第5及び第6キャビティ4161、4162、4163は、
図22に図示された第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163と類似した構造を有し、第3及び/または、第4誘電体層4181、4182は、
図21に図示された第3誘電体層2181と類似した構造を有してもよい。
【0186】
ブラッグ反射層4151は、第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163の下部に設けられうる。ブラッグ反射層4151は、分散ブラッグ反射器(DBR)にもなる。ブラッグ反射層4151は、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層4151aと少なくとも1つの第2物質層4151bとが互いに積層された構造を有する。第1物質層4151aまたは第2物質層4151bは、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物または、シリコンを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。具体例として、第1物質層4151aは、シリコン酸化物を含み、第2物質層4151bは、シリコンを含みうる。
【0187】
ブラッグ反射層4151を構成する第1及び第2物質層4151a、4151bのうち、いずれか1つが、例えば、第1波長領域の光(例えば、短波長の光)を吸収することができる物質(例えば、シリコンなど)を含む場合には、第1領域の光が第4、第5及び第6ユニットフィルタ4721、4722、4723を透過することを防止することができる。
【0188】
第2金属反射層1151は、第4、第5及び第6キャビティ3161、3162、3163の上部に設けられうる。第1波長領域が短波長領域であり、第2波長領域が長波長領域である場合、第2金属反射層4152は、例えば、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含んでもよいが、それは、単に例示的なものである。第2金属反射層4152は、poly-Siをさらに含んでもよい。
【0189】
図24は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ7500を概略的に示す断面図である。
【0190】
図24を参照すれば、第1フィルタアレイ5710は、第1波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含み、第2フィルタアレイ5720は、第2波長領域の中心波長を有する少なくとも1つのユニットフィルタを含んでもよい。
図24には、第1フィルタアレイ5710が第1、第2及び第3ユニットフィルタ5711、5712、5713を含み、第2フィルタアレイ5720が第4、第5及び第6ユニットフィルタ5721、5722、5723を含む場合が例示的に図示されている。
【0191】
第1、第2及び第3ユニットフィルタ5711、5712、5713それぞれは、互いに離隔された第1金属反射層5131と第1ブラッグ反射層5132との間に第1、第2及び第3キャビティ5141、5142、5143が設けられたファブリペロー構造を有することができる。そして、第4、第5及び第6ユニットフィルタ5721、5722、5723それぞれは、互いに離隔された第2金属反射層5151と第2ブラッグ反射層5152との間に第4、第5及び第6キャビティ5161、5162、5163が設けられたファブリペロー構造を有することができる。
【0192】
第1波長領域が短波長領域であり、第2波長領域が長波長領域である場合には、第1金属反射層5131は、例えば、例えば、Al、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含み、第2金属反射層5151は、例えば、Cu、Ag、Au、Ti、WまたはTiNなどを含んでもよい。第2金属反射層4152は、poly-Siをさらに含んでもよい。
【0193】
第1及び第2ブラッグ反射層5132、5152それぞれは、互いに異なる屈折率を有する少なくとも1つの第1物質層5132a、5152aと少なくとも1つの第2物質層5132b、5152bが互いに積層された構造を有することができる。第1物質層5132a、5152aまたは第2物質層5132b、5152bは、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物またはシリコンを含んでもよい。しかし、それは、単に例示的なものである。
【0194】
第1、第2及び第3キャビティ5141、5142、5143は、互いに異なる厚さを有するように設けられうる。また、第1、第2及び第3キャビティ5141、5142、5143は、
図24に図示されたように互いに異なる有効屈折率を有するようにも設けられる。第4、第5及び第6キャビティ5161、5162、5163は、互いに異なる厚さを有するようにも設けられる。また、第4、第5及び第6キャビティ5161、5162、5163は、
図24に図示されたように互いに異なる有効屈折率を有するようにも設けられる。
【0195】
第1、第2及び第3キャビティ5141、5142、5143の下部及び上部には、第1及び第2誘電体層5181、5182がさらに設けられうる。第1及び第2誘電体層5181、5182は、
図17に図示されたものと同一である。一方、第1及び/または第2誘電体層5181、5182は、
図21に図示された第1誘電体層2181と類似した構造を有してもよい。
【0196】
第4、第5及び第6キャビティ5161、5162、5163の下部及び上部には、第3及び第4誘電体層5181、5182がさらに設けられうる。第3及び第4誘電体層5181、5182は、
図17に図示されたものと同一である。一方、第3及び/または第4誘電体層5181、5182は、
図21に図示された第3誘電体層2181と類似した構造を有してもよい。
【0197】
以上では、第1、第2及び第3キャビティ5141、5142、5143の下部及び上部にそれぞれ第1金属層5131及び第1ブラッグ反射層5132が設けられ、第4、第5及び第6キャビティ5161、5162、5163の下部及び上部にそれぞれ第2金属層5151及び第2ブラッグ反射層5152が設けられた場合が説明された。しかし、それに限定されず、第1、第2及び第3キャビティ5141、5142、5143の下部及び上部にそれぞれ第1ブラッグ反射層5132及び第1金属反射層5131が設けられ、第4、第5及び第6キャビティ5161、5162、5163の下部及び上部にそれぞれ第2ブラッグ反射層5152及び第2金属反射層5151が設けられうる。
【0198】
図25は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ2100を概略的に示す断面図である。
【0199】
図25を参照すれば、分光フィルタ2100は、第1及び第2フィルタアレイ1110、1120と、第1及び第2フィルタアレイ1110、1120に設けられるマイクロレンズアレイ1150を含む。第1フィルタアレイ1110は、第1波長領域の中心波長を有する第1、第2及び第3ユニットフィルタ1111、1112、1113を含み、第2フィルタアレイ1120は、第2波長領域の中心波長を有する第4、第5及び第6ユニットフィルタ1121、1122、1123を含んでもよい。
【0200】
第1フィルタアレイ1110は、前述した第1フィルタアレイ110~1010、1710~5710のうち、いずれか1つになり、第2フィルタアレイ1120は、前述した第2フィルタアレイ120~1020、1720~5720のうち、いずれか1つにもなる。第1及び第2フィルタアレイ1110、1120についての説明は省略する。
【0201】
第1及び第2フィルタアレイ1110、1120の上部には、複数のマイクロレンズ1150aを含むマイクロレンズアレイ1150が設けられうる。マイクロレンズ1150aは、外部の光を対応するユニットフィルタ1111、1112、1113、1121、1122、1123に集束させて入射させる役割を行うことができる。
【0202】
図25には、マイクロレンズ1150aがユニットフィルタ1111、1112、1113、1121、1122、1123に一対一対応するように設けられた場合が例示的に図示されている。しかし、それは、単に例示的なものであり、1つのマイクロレンズ1150aに対応して複数のユニットフィルタ1111、1112、1113、1121、1122、1123が設けられてもよい。
【0203】
図26は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ2200を概略的に示す断面図である。
【0204】
図26を参照すれば、分光フィルタ2200は、第1及び第2フィルタアレイ1210、1220と、カラーフィルタアレイ1230を含む。ここで、第1及び第2フィルタアレイ1210、1220とカラーフィルタアレイ1230は、実質的に同一平面上に設けられうる。
【0205】
第1フィルタアレイ1210は、第1波長領域の中心波長を有する第1、第2及び第3ユニットフィルタ1211、1212、1213を含み、第2フィルタアレイ1220は、第2波長領域の中心波長を有する第4、第5及び第6ユニットフィルタ1221、1222、1223を含んでもよい。第1フィルタアレイ1210は、前述した第1フィルタアレイ110~1010、1710~5710のうち、いずれか1つになり、第2フィルタアレイ1220は、前述した第2フィルタアレイ120~1020、1720~5720のうち、いずれか1つにもなる。第1及び第2フィルタアレイ1210、1220についての説明は省略する。
【0206】
カラーフィルタアレイ1230は、例えば、赤色カラーフィルタ1231、緑色カラーフィルタ1232及び青色カラーフィルタ1233を含んでもよい。ここで、赤色カラーフィルタ1231は、約600nm~700nmの波長帯域を有する赤色光を透過させ、緑色カラーフィルタ1232は、約500nm~600nmの波長帯域を有する緑色光を透過させ、青色カラーフィルタ1233は、約400nm~500nmの波長帯域を有する青色光を透過させうる。このような赤色、緑色及び青色カラーフィルタ1231、1232、1233では、例えば、液晶表示装置または有機発光表示装置のようなカラーディスプレイ装置に通常適用されるカラーフィルタが使用されうる。第1及び第2フィルタアレイ1210、1220及びカラーフィルタアレイ1230の上部には、複数のマイクロレンズ1250aを含むマイクロレンズアレイ1250がさらに設けられうる。
【0207】
本実施例によれば、第1及び第2フィルタアレイ1210、1220を用いてユニットフィルタ1211、1212、1213、1221、1222、1223の中心波長に係わる情報が得られるだけではなく、カラーフィルタアレイ1230を用いて赤色、緑色及び青色光の波長に係わる情報もさらに得られる。
【0208】
図27は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ2300を概略的に示す断面図である。
【0209】
図27を参照すれば、分光フィルタ2300は、第1及び第2フィルタアレイ1310、1320と、第1及び第2フィルタアレイ1310、1320に設けられる追加フィルタアレイ2500を含む。第1フィルタアレイ1310は、第1波長領域の中心波長を有する第1、第2及び第3ユニットフィルタ1311、1312、1313を含み、第2フィルタアレイ1320は、第2波長領域の中心波長を有する第4、第5及び第6ユニットフィルタ1321、1322、1323を含んでもよい。
【0210】
第1フィルタアレイ1310は、前述した第1フィルタアレイ110~1010、1710~5710のうち、いずれか1つになり、第2フィルタアレイ1320は、前述した第2フィルタアレイ120~1020、1720~5720のうち、いずれか1つにもなる。第1及び第2フィルタアレイ1310、1320についての説明は省略する。
【0211】
追加フィルタアレイ2500は、複数の追加フィルタ2501、2502、2503を含んでもよい。
図27には、第1追加フィルタ2501が第1及び第2ユニットフィルタ1311、1312に対応して設けられ、第2追加フィルタ2502が第3及び第4ユニットフィルタ1313、1321に対応して設けられ、第3追加フィルタ2503が第5及び第6ユニットフィルタ1322、1323に対応して設けられた場合が図示されている。しかし、これは、単に例示的なものであって、第1、第2及び第3追加フィルタ2501、2502、2503それぞれは、1つのユニットフィルタ1311、1312、1313、1321、1322、1323に対応するように設けられるか、または、3個以上のユニットフィルタ1311、1312、1313、1321、1322、1323に対応するようにも設けられる。
【0212】
第1、第2及び第3追加フィルタ2501、2502、2503それぞれは、対応するユニットフィルタ1311、1312、1313、1321、1322、1323が所望しない波長帯域の光を遮断する役割を行うことができる。例えば、第1及び第2ユニットフィルタ1311、1312が約400nm~500nmの波長帯域の中心波長を有する場合には、第1追加フィルタ2501は、青色光を透過させる青色フィルタにもなる。また、第3及び第4ユニットフィルタ1313、1321が約500nm~600nmの波長帯域の中心波長を有する場合には、第2追加フィルタ2502は、緑色光を透過させる緑色フィルタにもなる。そして、第5及び第6ユニットフィルタ1322、1323が約600nm~700nmの波長帯域の中心波長を有する場合には、第3追加フィルタ2503は、赤色光を透過させる赤色フィルタにもなる。
【0213】
追加フィルタアレイ2500は、カラーフィルタアレイにもなる。その場合、第1、第2及び第3追加フィルタ2501、2502、2503は、それぞれ青色、緑色及び赤色カラーフィルタにもなる。そのような青色、緑色及び赤色カラーフィルタとしては、例えば、液晶表示装置または有機発光表示装置のようなカラーディスプレイ装置に通常適用されるカラーフィルタが使用されうる。
【0214】
追加フィルタアレイ2500は、広域フィルタアレイにもなる。その場合、第1、第2及び第3追加フィルタ2501、2502、2503は、第1、第2及び第3広域フィルタにもなる。ここで、広域フィルタそれぞれは、例えば、マルチキャビティ(multi-cavity)構造または金属ミラー構造を有することができる。
【0215】
図28は、
図27に図示された追加フィルタ2501、2502、2503で使用されうる広域フィルタ2510の例示を示す図面である。
【0216】
図28を参照すれば、広域フィルタ2510は、互いに離隔して配置される複数の反射層2513、2514、2515と、該反射層2513、2514、2515の間に設けられる複数のキャビティ2511、2512とを含んでもよい。
図28には、3層の反射層2513、2514、2515と2個のキャビティ2511、2512が例示的に図示されているが、反射層2513、2514、2515及びキャビティ2511、2512の個数は、多様に変形されうる。
【0217】
反射層2513、2514、2515それぞれは、分散ブラッグ反射器(DBR)にもなる。そのような反射層2513、2514、2515それぞれは、互いに異なる屈折率を有する複数の物質層が互いに積層された構造を有することができる。そして、キャビティ2511、2512それぞれは、所定の屈折率を有する物質を含むか、または互いに異なる屈折率を有する2以上の物質を含んでもよい。
【0218】
図29は、
図27に図示された追加フィルタ2501、2502、2503で使用されうる広域フィルタ2520の他の例を示す図面である。
【0219】
図29を参照すれば、広域フィルタ2520は、互いに離隔して配置される2層の金属ミラー層2522、2523と、該金属ミラー層2522、2523の間に設けられるキャビティ2521を含んでもよい。
【0220】
図30は、さらに他の例示的な実施例による分光フィルタ3000を概略的に示す断面図である。
【0221】
図30を参照すれば、分光フィルタ3000は、第1及び第2フィルタアレイ1410、1420と、第1及び第2フィルタアレイ1410、1420に設けられる短波長吸収フィルタ1610及び長波長遮断フィルタ1620を含む。
【0222】
第1フィルタアレイ1410は、第1波長領域の中心波長を有する第1、第2及び第3ユニットフィルタ1411、1412、1413を含み、第2フィルタアレイ1420は、第2波長領域の中心波長を有する第4、第5及び第6ユニットフィルタ1421、1422、1423を含んでもよい。
【0223】
第1フィルタアレイ1410は、前述した第1フィルタアレイ110~1010のうち、いずれか1つになり、第2フィルタアレイ1420は、前述した第2フィルタアレイ120~1020のうち、いずれか1つにもなる。第1及び第2フィルタアレイ1410、1420についての説明は省略する。
【0224】
短波長吸収フィルタ1610は、ユニットフィルタ1411、1412、1413、1421、1422、1423のうち、一部1411、1413、1422に設けられ、長波長遮断フィルタ1620は、ユニットフィルタ1411、1412、1413、1421、1422、1423のうち、他の一部1412、1421、1423に設けられうる。
図30には、短波長吸収フィルタ1610及び長波長遮断フィルタ1620それぞれが1つのユニットフィルタ1411、1412、1413、1421、1422、1423に対応するように設けられる場合が図示されているが、それに限定されず、短波長吸収フィルタ1610及び長波長遮断フィルタ1620それぞれは、2以上のユニットフィルタ1411、1412、1413、1421、1422、1423に対応するようにも設けられる。
【0225】
短波長吸収フィルタ1610は、例えば、可視光のような短波長の光を遮断する役割を行うことができる。そのような短波長吸収フィルタ1610は、例えば、可視光を吸収することができる物質であるシリコンをユニットフィルタ1411、1412、1413、1421、1422、1423の一部1411、1413、1422に蒸着することで作製されうる。短波長吸収フィルタ1610が設けられたユニットフィルタ1411、1413、1422は、可視光より波長が長い近赤外線(NIR;Near Infrared)を透過させうる。
【0226】
長波長遮断フィルタ1620は、例えば、近赤外線のような長波長の光を遮断する役割を行うことができる。そのような長波長遮断フィルタ1620は、近赤外線遮断フィルタを含んでもよい。長波長遮断フィルタ1620が設けられたユニットフィルタ1412、1421、1423は、近赤外線よりも波長が短い可視光を透過させうる。
【0227】
本実施例によれば、短波長吸収フィルタ1610及び長波長遮断フィルタ1620を第1及び第2フィルタアレイ1410、1420に設けることで、可視光帯域から近赤外線帯域まで具現可能な広域特性を有する分光フィルタ3000を作製することができる。
【0228】
図31は、例示的な実施例によるイメージセンサ1000の概略的なブロック図である。
【0229】
図31を参照すれば、イメージセンサ1000は、分光フィルタ9100、画素アレイ4100、タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020、及び出力回路4030を含んでもよい。分光フィルタ9100は、互いに異なる波長領域の光を透過させるものであり、2次元配列される複数のユニットフィルタを含む。画素アレイ4100は、複数のユニットフィルタを透過した互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含む。具体的に、画素アレイ4100は、複数のロウとカラムに沿って2次元配列された画素を含む。ロウデコーダ4020は、タイミングコントローラ4010から出力されたロウアドレス信号に応答して画素アレイ4100のロウを1つ選択する。出力回路4030は、選択されたロウに沿って配列された複数の画素からカラム単位で光感知信号を出力する。このために、出力回路4030は、カラムデコーダとアナログ-デジタル変換器(ADC;analog to digital converter)を含んでもよい。例えば、出力回路4030は、カラムデコーダと画素アレイ4100との間でカラム別にそれぞれ配置された複数のADC、またはカラムデコーダの出力端に配置された1つのADCを含んでもよい。タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020、及び出力回路4030は、1つのチップまたはそれぞれ別個のチップによって具現される。出力回路4030を通じて出力された映像信号を処理するためのプロセッサがタイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020、及び出力回路4030と共に1つのチップによっても具現される。画素アレイ1100は、互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含み、ここで、画素の配列は、多様な方式によって具現されうる。
【0230】
図32は、
図31のイメージセンサ1000に適用されうる分光フィルタ9100の例示的な平面図である。
【0231】
図32を参照すれば、分光フィルタ9100は、2次元形態に配列される複数のフィルタグループ9110を含んでもよい。ここで、各フィルタグループ9110は、4×4アレイ状に配列される16個のユニットフィルタF1~F16を含んでもよい。
【0232】
第1及び第2ユニットフィルタF1、F2は、紫外線領域の中心波長UV1、UV2を有し、第3ないし第5ユニットフィルタF3~F5は、青色光領域の中心波長B1~B3を有することができる。第6ないし第11ユニットフィルタF6~F11は、緑色光領域の中心波長G1~G6を有し、第12ないし第14ユニットフィルタF12~F14は、赤色光領域の中心波長R1~R3を有することができる。そして、第15及び第16ユニットフィルタF15、F16は、近赤外線領域の中心波長NIR1、NIR2を有することができる。
【0233】
図33は、
図31のイメージセンサに適用されうる分光フィルタ9100の他の例示的な平面図である。
図33には、便宜上1つのフィルタグループ9120に係わる平面図が図示されている。
【0234】
図33を参照すれば、各フィルタグループ9120は、3×3アレイ状に配列される9個のユニットフィルタF1~F9を含む。ここで、第1及び第2ユニットフィルタF1、F2は、紫外線領域の中心波長UV1、UV2を有し、第4、第5及び第7ユニットフィルタF4、F5、F7は、青色光領域の中心波長B1~B3を有する。第3及び第6ユニットフィルタF3、F6は、緑色光領域の中心波長G1、G2を有し、第8及び第9ユニットフィルタF8、F9は、赤色光領域の中心波長R1、R2を有することができる。
【0235】
図34は、
図31のイメージセンサに適用されうる分光フィルタ9100のさらに他の例示的な平面図である。
図34には、便宜上、1つのフィルタグループ9130に係わる平面図が図示されている。
【0236】
図34を参照すれば、各フィルタグループ9130は、5×5アレイ状に配列される25個のユニットフィルタF1~F25を含んでもよい。ここで、第1ないし第3ユニットフィルタF1~F3は、紫外線領域の中心波長UV1~UV3を有し、第6、第7、第8、第11及び第12ユニットフィルタF6、F7、F8、F11、F12は、青色光領域の中心波長B1~B5を有する。第4、第5及び第9ユニットフィルタF4、F5、F9は、緑色光領域の中心波長G1~G3を有し、第10、第13、第14、第15、第18及び第19ユニットフィルタF10、F13、F14、F15、F18、F19は、赤色光領域の中心波長R1~R6を有する。そして、第20、第23、第24及び第25ユニットフィルタF20、F23、F24、F25は、近赤外線領域の中心波長NIR1~NIR4を有する。
【0237】
上述した分光フィルタを含むイメージセンサ1000は、多様な高性能光学装置または高性能電子装置に採用されうる。そのような電子装置は、例えば、スマートフォン(smart phone)、携帯電話、ハンドフォン、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ(laptop)、PC、多様なポータブル機器、家電製品、保安カメラ、医療用カメラ、自動車、事物インターネット(IoT;InternetOf Things)機器、その他モバイルまたは非モバイルコンピューティング装置でもあるが、それらに制限されない。
【0238】
電子装置は、イメージセンサ1000以外にも、イメージセンサを制御するプロセッサ、例えば、アプリケーションプロセッサ(AP: Application Processor)をさらに含み、プロセッサを通じて運用体制または応用プログラムを駆動して多数のハードウェアまたはソフトウェア構成要素を制御し、各種データ処理及び演算を遂行することができる。プロセッサは、GPU(Graphic Processing Unit)及び/またはイメージ信号プロセッサ(Image Signal Processor)をさらに含んでもよい。プロセッサにイメージ信号プロセッサが含まれる場合、イメージセンサによって獲得されたイメージ(または映像)をプロセッサを用いて保存及び/または出力することができる。
【0239】
図35は、イメージセンサ1000を含む電子装置ED01の一例を示すブロック図である。
図35を参照すれば、ネットワーク環境ED00において電子装置ED01は、第1ネットワークED98(近距離無線通信ネットワークなど)を介して他の電子装置ED02と通信するか、または第2ネットワークED99(遠距離無線通信ネットワークなど)を通じてさらに他の電子装置ED04及び/または、サーバED08と通信することができる。電子装置ED01は、サーバED08を介して電子装置ED04と通信することができる。電子装置ED01は、プロセッサED20、メモリED30、入力装置ED50、音響出力装置ED55、表示装置ED60、オーディオモジュールED70、センサモジュールED76、インターフェースED77、ハプティックモジュールED79、カメラモジュールED80、電力管理モジュールED88、バッテリED89、通信モジュールED90、加入者識別モジュールED96、及び/またはアンテナモジュールED97を含んでもよい。電子装置ED01には、該構成要素のうち、一部(表示装置ED60など)が省略されるか、他の構成要素が追加されうる。該構成要素のうち、一部は、1つの統合された回路によって具現されうる。例えば、センサモジュールED76(指紋センサ、虹彩センサ、照度センサなど)は、表示装置ED60(ディスプレイなど)に埋め込まれて具現されうる。また、イメージセンサ1000に分光機能が含まれる場合、センサモジュールの一部機能(カラーセンサ、照度センサ)が別途のセンサモジュールではないイメージセンサ1000自体で具現されうる。
【0240】
プロセッサED20は、ソフトウェア(プログラムED40など)を実行し、プロセッサED20に連結された電子装置ED01のうち、1つまたは複数個の他の構成要素(ハードウェア、ソフトウェア構成要素など)を制御し、多様なデータ処理または演算を行うことができる。データ処理または演算の一部として、プロセッサED20は、他の構成要素(センサモジュールED76、通信モジュールED90など)から受信された命令及び/またはデータを揮発性メモリED32にロードし、揮発性メモリED32に保存された命令及び/またはデータを処理し、結果データを不揮発性メモリED34に保存することができる。プロセッサED20は、メインプロセッサED21(中央処理装置、アプリケーションプロセッサなど)及びそれと独立して、または共に運用可能な補助プロセッサED23(グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサハブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)を含んでもよい。補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21よりも電力を少なく使用し、特化された機能を行うことができる。
【0241】
補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21がインアクティブ状態(スリープ状態)である間に、メインプロセッサED21の代わりに、またはメインプロセッサED21がアクティブ状態(アプリケーション実行状態)である間に、メインプロセッサED21と共に、電子装置ED01の構成要素のうち、一部構成要素(表示装置ED60、センサモジュールED76、通信モジュールED90など)に係わる機能及び/または状態を制御することができる。補助プロセッサED23(イメージシグナルプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)は、機能的に関連した他の構成要素(カメラモジュールED80、通信モジュールED90など)の一部としても具現される。
【0242】
メモリED30は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20、センサモジュールED76など)が必要とする多様なデータを保存することができる。データは、例えば、ソフトウェア(プログラムED40など)、及びそれに係わる命令に対する入力データ及び/または出力データを含んでもよい。メモリED30は、揮発性メモリED32及び/または不揮発性メモリED34を含んでもよい。不揮発性メモリED34は、電子装置ED01内に固設された内蔵メモリED36と脱着可能な外装メモリED38とを含んでもよい。
【0243】
プログラムED40は、メモリED30にソフトウェアとして保存され、運用体制ED42、ミドルウェアED44及び/またはアプリケーションED46を含んでもよい。
【0244】
入力装置ED50は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20など)に使用される命令及び/またはデータを電子装置ED01の外部(ユーザなど)から受信することができる。入力装置ED50は、マイク、マウス、キーボード、及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含んでもよい。
【0245】
音響出力装置ED55は、音響信号を電子装置ED01の外部に出力することができる。音響出力装置ED55は、スピーカ及び/またはレシーバを含んでもよい。スピーカは、マルチメディア再生または録音再生のように一般的な用途で使用され、レシーバは、着信電話を受信するために使用されうる。レシーバは、スピーカの一部に結合されているか、または独立した別途の装置によっても具現される。
【0246】
表示装置ED60は、電子装置ED01の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置ED60は、ディスプレイ、ホログラム装置、またはプロジェクタ及び当該装置を制御するための制御回路を含んでもよい。表示装置ED60は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(Touch Circuitry)、及び/またはタッチによって発生する力の強度を測定するように設定されたセンサ回路(圧力センサなど)を含んでもよい。
【0247】
オーディオモジュールED70は、音を電気信号に変換させるか、逆に、電気信号を音に変換させうる。オーディオモジュールED70は、入力装置ED50を通じて音を獲得するか、音響出力装置ED55、及び/または電子装置ED01と直接または、無線で連結された他の電子装置(電子装置ED02など)のスピーカ及び/またはヘッドホーンを通じて音を出力することができる。
【0248】
センサモジュールED76は、電子装置ED01の作動状態(電力、温度など)、または外部の環境状態(ユーザ状態など)を感知し、感知された状態に対応する電気信号及び/またはデータ値を生成することができる。センサモジュールED76は、ジェスチャーセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、マグネチックセンサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、IR(Infrared)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ、及び/または照度センサを含んでもよい。
【0249】
インターフェースED77は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と直接または、無線で連結されるために使用されうる1つまたは複数の指定されたプロトコルを支援することができる。インターフェースED77は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、SDカードインターフェース、及び/またはオーディオインターフェースを含んでもよい。
【0250】
連結端子ED78は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と物理的に連結されうるコネクタを含んでもよい。連結端子ED78は、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ、及び/またはオーディオコネクタ(ヘッドホーンコネクタなど)を含む。
【0251】
ハプティックモジュールED79は、電気的信号をユーザが触覚または運動感覚を通じて認知することができる機械的な刺激(振動、動きなど)または、電気的な刺激に変換することができる。ハプティックモジュールED79は、モータ、圧電素子、及び/または電気刺激装置を含んでもよい。
【0252】
カメラモジュールED80は、静止映像及び動画を撮影することができる。カメラモジュールED80は、1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリー、
図31のイメージセンサ1000、イメージシグナルプロセッサ、及び/またはフラッシュを含んでもよい。カメラモジュールED80に含まれたレンズアセンブリーは、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。
【0253】
電力管理モジュールED88は、電子装置ED01に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールED88は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部として具現されうる。
【0254】
バッテリED89は、電子装置ED01の構成要素に電力を供給することができる。バッテリED89は、使い捨て1次電池、再充電可能な2次電池及び/または燃料電池を含んでもよい。
【0255】
通信モジュールED90は、電子装置ED01と他の電子装置(電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)との直接(有線)通信チャネル及び/または、無線通信チャネルの樹立、及び樹立された通信チャネルを介した通信遂行を支援することができる。通信モジュールED90は、プロセッサED20(アプリケーションプロセッサなど)と独立して運用され、直接通信及び/または、無線通信を支援する1つまたは複数のコミュニケーションプロセッサを含んでもよい。通信モジュールED90は、無線通信モジュールED92(セルラ通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite Systemなど)通信モジュール)及び/または有線通信モジュールED94)(LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなど)を含んでもよい。これら通信モジュールのうち、該当する通信モジュールは、第1ネットワークED98(ブルートゥース、WiFi DirectまたはIrDA(Infrared Data Association)のような近距離通信ネットワーク)または第2ネットワークED99(セルラネットワーク、インターネット、またはコンピュータネットワーク(LAN、WANなど)のような遠距離通信ネットワーク)を介して他の電子装置と通信することができる。そのような多種の通信モジュールは、1つの構成要素(単一チップなど)に統合されるか、または互いに別途の複数の構成要素(複数チップ)によって具現されうる。無線通信モジュールED92は、加入者識別モジュールED96に保存された加入者情報(国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を用いて第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワーク内で電子装置ED01を確認及び認証することができる。
【0256】
アンテナモジュールED97は、信号及び/または電力を外部(他の電子装置など)に送信するか、外部から受信することができる。アンテナは、基板(PCBなど)上に形成された導電性パターンからなる放射体を含む。アンテナモジュールED97は、1つまたは複数のアンテナを含む。複数のアンテナが含まれた場合、通信モジュールED90によって複数のアンテナのうち、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワークで使用される通信方式に適したアンテナが選択されうる。選択されたアンテナを介して通信モジュールED90と他の電子装置との間に信号及び/または電力が送信されるか、受信されうる。アンテナ以外に他の部品(RFICなど)がアンテナモジュールED97の一部に含まれうる。
【0257】
構成要素のうち一部は、周辺機器間通信方式(バス、GPIO(General Purpose Input and Output), SPI(Serial Peripheral Interface), MIPI(Mobile Industry Processor Interface)など)を介して互いに連結されて信号(命令、データなど)を相互交換することができる。
【0258】
命令またはデータは、第2ネットワークED99に連結されたサーバED08を介して電子装置ED01と外部の電子装置ED04との間において送信または受信されうる。他の電子装置ED02、ED04は、電子装置ED01と同一であるか、または他の種類の装置でありうる。電子装置ED01で実行される動作の全部または一部は、他の電子装置ED02、ED04、ED08のうち、1つまたは複数の装置で実行されうる。例えば、電子装置ED01がある機能やサービスを遂行せねばならないとき、機能またはサービスを自体的に実行させる代わりに、1つまたは複数の他の電子装置に、その機能またはそのサービスの一部または全体の遂行を要請することができる。要請を受信した1つまたは複数の他の電子装置は、要請に係わる追加機能またはサービスを行い、その実行の結果を電子装置ED01に伝達することができる。そのために、クラウドコンピューティング、分散コンピューティング、及び/またはクライアント-サーバコンピューティング技術が用いられうる。
【0259】
図36は、
図35のカメラモジュールED80を例示するブロック図である。
図36を参照すれば、カメラモジュールED80は、レンズアセンブリーCM10、フラッシュCM20、イメージセンサ1000(
図31のイメージセンサ1000など)、イメージスタビライザーCM40、メモリCM50(バッファメモリなど)、及び/またはイメージシグナルプロセッサCM60を含んでもよい。レンズアセンブリーCM10は、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。カメラモジュールED80は、複数のレンズアセンブリーCM10を含み、そのような場合、カメラモジュールED80は、デュアルカメラ、360°カメラ、または球形カメラ(Spherical Camera)にもなる。複数のレンズアセンブリーCM10のうち、一部は、同じレンズ属性(画角、焦点距離、自動焦点、Fナンバー(F Number)、光学ズームなど)を有するか、または他のレンズ属性を有することができる。レンズアセンブリーCM10は、広角レンズまたは望遠レンズを含んでもよい。
【0260】
フラッシュCM20は、被写体から放出または反射される光を強化するために使用される光を放出することができる。フラッシュCM20は、1つまたは複数の発光ダイオード(RGB(Red-Green-Blue) LED, White LED, Infrared LED, Ultraviolet LEDなど)、及び/またはXenon Lampを含んでもよい。イメージセンサ1000は、
図1で説明したイメージセンサでもあり、被写体から放出または反射されてレンズアセンブリーCM10を介して伝達された光を電気的な信号に変換することで、被写体に対応するイメージを獲得することができる。イメージセンサ1000は、RGBセンサ、BW(Black and White)センサ、IRセンサ、またはUVセンサのように属性の異なるイメージセンサのうち、選択された1つまたは複数のセンサを含んでもよい。イメージセンサ1000に含まれたそれぞれのセンサは、CCD(Charged Coupled Device)センサ及び/またはCMOS(complementary metal Oxide semiconductor)センサによっても具現される。
【0261】
イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80またはそれを含む電子装置CM01の動きに反応して、レンズアセンブリーCM10に含まれた1つまたは複数個のレンズまたはイメージセンサ1000を特定の方向に動かすか、イメージセンサ1000の動作特性を制御(リードアウト(Read-Out)タイミングの調整など)して動きによる否定的な影響が補償されるようにすることができる。イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80の内部または外部に配置されたジャイロセンサ(図示せず)または加速度センサ(図示せず)を用いてカメラモジュールED80または電子装置ED01の動きを感知することができる。イメージスタビライザーCM40は、光学式によっても具現される。
【0262】
メモリCM50は、イメージセンサ1000を通じて獲得されたイメージの一部または全体データを次のイメージ処理作業のために保存することができる。例えば、複数のイメージが高速に獲得される場合、獲得された原本データ(Bayer-Patternedデータ、高解像度データなど)は、メモリCM50に保存し、低解像度イメージのみをディスプレイした後、選択された(ユーザ選択など)イメージの原本データをイメージシグナルプロセッサCM60に伝達させるのに使用されうる。メモリCM50は、電子装置ED01のメモリED30に統合されているか、または独立して運用される別途のメモリで構成されうる。
【0263】
イメージシグナルプロセッサCM60は、イメージセンサ1000を通じて獲得されたイメージまたはメモリCM50に保存されたイメージデータに対してイメージ処理を遂行することができる。イメージ処理は、デプスマップ(Depth Map)生成、3次元モデリング、パノラマ生成、特徴点抽出、イメージ合成、及び/またはイメージ補償(ノイズ減少、解像度調整、明るさ調整、ブラーリング(Blurring)、シャープニング(Sharpening)、ソフトニング(Softening)など)を含んでもよい。イメージシグナルプロセッサCM60は、カメラモジュールED80に含まれた構成要素(イメージセンサ1000など)に対する制御(露出時間制御、またはリードアウトタイミング制御など)を遂行することができる。イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、追加処理のためにメモリCM50に再び保存されるか、カメラモジュールED80の外部構成要素(メモリED30、表示装置ED60、電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)に提供されうる。イメージシグナルプロセッサCM60は、プロセッサED20に統合されるか、プロセッサED20と独立して運用される別途のプロセッサで構成されうる。イメージシグナルプロセッサCM60がプロセッサED20と別途のプロセッサで構成された場合、イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、プロセッサED20によってさらなるイメージ処理を経た後、表示装置ED60を通じて表示されうる。
【0264】
電子装置ED01は、それぞれ異なる属性または機能を有する複数のカメラモジュールED80を含んでもよい。そのような場合、複数のカメラモジュールED80のうち、1つは、広角カメラであり、他の1つは、望遠カメラでもある。同様に、複数のカメラモジュールED80のうち、1つは、前面カメラであり、他の1つは、背面カメラである。
【0265】
実施例によるイメージセンサ1000は、
図37(a)に図示されたモバイルフォンまたはスマートフォン5100m、
図37(b)に図示されたタブレットまたはスマートタブレット5200、
図37(c)に図示されたデジタルカメラまたはカムコーダ5300、
図37(d)に図示されたノート型パソコン5400に、または
図37(e)に図示されたテレビまたはスマートテレビ5500などに適用されうる。例えば、スマートフォン5100mまたはスマートタブレット5200は、高解像度イメージセンサがそれぞれ搭載された複数の高解像度カメラを含む。高解像度カメラを用いて映像内の被写体のデプス情報を抽出するか、映像のアウトフォーカシングを調節するか、映像内の被写体を自動識別することができる。
【0266】
また、イメージセンサ1000は、
図38(a)に図示されたスマート冷蔵庫5600、
図38(b)に図示された保安カメラ5700、
図38(c)に図示されたロボット5800、
図38(d)に図示された医療用カメラ5900などに適用されうる。例えば、スマート冷蔵庫5600は、イメージセンサを用いて冷蔵庫内にある飲食物を自動認識し、特定飲食物の存否、入庫または出庫した飲食物の種類などをスマートフォンを通じてユーザに知らせることができる。保安カメラ5700は、超高解像度映像を提供し、高い感度を用いて暗い環境でも映像内の事物または人を認識可能にしうる。ロボット5800は、人が直接接近することができない災害または産業現場で投入されて高解像度映像を提供することができる。医療用カメラ5900は、診断または手術のための高解像度映像を提供し、視野を動的に調節することができる。
【0267】
また、イメージセンサ1000は、
図38(e)に図示されたように車両6000に適用されうる。車両6000は、多様な位置に配置された複数の車両用カメラ6010、6020、6030、6040を含み、それぞれの車両用カメラ6010、6020、6030、6040は、実施例によるイメージセンサを含んでもよい。車両6000は、複数の車両用カメラ6010、6020、6030、6040を用いて車両6000内部または周辺に係わる多様な情報を運転者に提供し、映像内の事物または人を自動的に認識して自律走行に必要な情報を提供することができる。
【0268】
例示的な実施例によれば、第1金属反射層を用いたユニットフィルタと第2金属反射層を用いたユニットフィルタとを平面上に配置することで、広域特性を有する分光フィルタを具現することができる。他の例示的な実施例によれば、金属反射層を用いたユニットフィルタとブラッグ反射層を用いたユニットフィルタとを平面上に配置することで、広域特性を有する分光フィルタを具現することができる。さらに他の例示的な実施例によれば、第1金属反射層を用いたユニットフィルタと第2金属反射層及びブラッグ反射層を用いたユニットフィルタとを平面上に配置することで、透過率が向上した分光フィルタを具現することができる。さらに他の例示的な実施例によれば、以上の分光フィルタを含むイメージセンサが提供され、イメージセンサを含む電子装置が提供されうる。
【0269】
上述した分光フィルタを備えるイメージセンサ及びそれを含む電子装置が、たとえ図面に図示された実施例に基づいて説明されたとしても、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それらから、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるということを理解するであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本願発明の技術的範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、権利範囲に含まれていると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0270】
1171、1172 第1及び第2誘電体層
1181、1182 第3及び第4誘電体層
1710 第1フィルタアレイ
1720 第2フィルタアレイ
1711、1712、1713、1721、1722、1723 第1ないし第6ユニットフィルタ
1131、1132 第1金属反射層
1141、1142、1143、1161、1162、1163 キャビティ
1151 第2金属反射層
1152 ブラッグ反射層
1152a、1152b 第1及び第2物質層
7100 分光フィルタ