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特許7471352信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240412BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H01L23/12 J
H01L23/12 N
H01L23/36 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022125067
(22)【出願日】2022-08-04
(65)【公開番号】P2023065298
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202111258931.8
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】洪 業傑
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-528845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0084596(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0072384(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法であって、
対向する第1側と第2側を有する基板を提供し、かつ前記基板の第2側の表面に仮支持面を加工するステップであって、前記基板にはパッケージ室、第2内層信号回路層及び第1金属柱が設けられ、前記パッケージ室は、前記基板の対向する第1側と第2側を貫通し、前記第2内層信号回路層の一部又は全部が前記基板の第1側の表面に設けられ、前記第1金属柱の第1端と前記第2内層信号回路層とが電気的に接続され、前記第1金属柱の第2端が前記基板の第2側の表面から露出され、前記仮支持面が前記パッケージ室をカバーするステップと、
パッケージ対象であるチップを前記パッケージ室に貼り付けて、かつ前記第2内層信号回路層にワイヤボンディングするステップであって、前記チップの能動面は、前記基板の第1側に向けて、前記チップの受動面と前記仮支持面とが接続されるステップと、
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工し、かつ第2絶縁媒体材料によりパッケージングされてパッケージ層を形成するステップであって、前記第1導通金属柱と前記第2内層信号回路層とが接続されるステップと、
前記仮支持面を除去し、かつ前記基板の第2側の表面に第2内層信号回路層を加工するステップであって、前記第2内層信号回路層が第2内層信号回路と熱伝導用金属面を含み、前記第2内層信号回路と前記第1金属柱とが接続され、前記熱伝導用金属面と前記チップの受動面とが接続されるステップと、
前記熱伝導用金属面に熱伝導用金属柱を加工し、かつ積層して圧合して隔離層を形成するステップと、
前記パッケージ層の表面に外層信号回路層を加工し、及び前記隔離層の表面に放熱用金属面を加工するステップであって、前記外層信号回路層と前記第1導通金属柱とが接続され、前記放熱用金属面と前記熱伝導用金属柱とが接続されるステップとを含む、ことを特徴とする信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項2】
前記第2内層信号回路層は、複数層の回路層を含み、そのうちの一層の前記回路層が前記基板の第1側の表面に設けられ、残りの前記回路層が前記基板に嵌め込まれ、複数層の前記回路層同士が金属柱により接続される、
或いは、前記第2内層信号回路層は、単一層の回路層を含み、単一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項3】
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記第1導通金属柱を前記基板の第1側の、前記第2内層信号回路層の対応する位置に貼り付けるステップと、
半田により前記第1導通金属柱と前記第2内層信号回路層とを溶接するステップとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項4】
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記基板の第1側に、前記第1導通金属柱に適合する窓が設けられた感光性遮蔽膜を加工するステップと、
前記基板を電気めっきして前記窓に前記第1導通金属柱を形成するステップと、
前記感光性遮蔽膜を除去するステップとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項5】
対向する第1側と第2側を有する基板を提供し、かつ前記基板の第2側の表面に仮支持面を加工するステップであって、前記基板には、パッケージ室と第2内層信号回路層とが設けられ、前記パッケージ室は、前記基板の対向する第1側と第2側を貫通し、前記第2内層信号回路層の一部又は全部が前記基板の第1側の表面に設けられ、前記第2内層信号回路層と前記基板の第2側の表面との間には隔離層が設けられ、前記仮支持面が前記パッケージ室をカバーするステップと、
パッケージ対象であるチップを前記パッケージ室に貼り付けてかつ前記第2内層信号回路層にワイヤボンディングするステップであって、前記チップの能動面が前記基板の第1側に向けて、前記チップの受動面と前記仮支持面とが接続されるステップと、
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工し、かつ第2絶縁媒体材料によりパッケージングされてパッケージ層を形成するステップであって、前記第1導通金属柱と前記第2内層信号回路層とが接続されるステップと、
前記仮支持面を除去するステップと、
前記パッケージ層の表面に外層信号回路層を加工し、及び前記隔離層の表面に放熱用金属面を加工するステップであって、前記外層信号回路層と前記第1導通金属柱とが接続され、前記放熱用金属面と前記チップの受動面とが接続されるステップとを含む、ことを特徴とする信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項6】
前記第2内層信号回路層は、複数層の回路層を含み、そのうちの一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられ、残りの前記回路層は、前記基板に嵌め込まれ、複数層の前記回路層同士は、金属柱により接続される、
或いは、前記第2内層信号回路層は、単一層の回路層を含み、単一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられる、ことを特徴とする請求項に記載の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記第1導通金属柱を前記基板の第1側の、前記第2内層信号回路層の対応する位置に貼り付けるステップと、
半田により前記第1導通金属柱と前記第2内層信号回路層とを溶接する、ことを特徴とする請求項に記載の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記基板の第1側に、前記第1導通金属柱に適合する窓が設けられた感光性遮蔽膜を加工するステップと、
前記基板を電気めっきすることにより前記窓に前記第1導通金属柱を形成するステップと、
前記感光性遮蔽膜を除去するステップとを含む、ことを特徴とする請求項に記載の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの技術分野に関し、特に信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展及び進歩に伴って、電子製品は、軽薄短小の方向へ進んで、電子製品のパッケージ構造が高度集積化、小型化の方向へ発展することを促進した。それと同時に、電子製品の機能要求は、ますます強くなり、パッケージ体にパッケージングされるチップの演算量は、ますます大きくなる。それにより、パッケージ体の単位面積当たりの熱流束は、迅速に漸進的増加する。発生した熱を迅速に放熱できないと、電子素子が昇温し続けてデバイスの運転速度、性能を低下させ、かつ電子製品の信頼性も大きく影響を受ける。従って、より高密度の集積・パッケージングを如何にして実現し、パッケージ体の放熱問題を如何にして解決するかというのは、現在のパッケージの技術分野において非常に重要な課題である。
【0003】
既存のパッケージ技術における従来のワイヤボンディングパッケージ方法は、チップなどの素子を基板表面に予め固定し、そして、ワイヤボンディングする方式で素子と基板との電気接続を実現し、最後にパッケージ材料(Molding)でパッケージする。しかしながら、この方法は、以下の欠陥が存在する。
(1)チップが基板表面に貼り合せられてワイヤボンディングするのは、パッケージ体積を増大し、高密度集積、小型化の発展要求を満足することができない。
(2)チップがパッケージングされた後に、一方の面がパッケージ材料であり、他方がボンディングパッドによりPCBに溶接され、チップの放熱効果が悪く、チップの裏面には放熱用銅面を設置しても、パッケージ構造により放熱用銅面の空間が制限され、チップが発生中の放熱問題を確実に改善することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも先行技術における技術的問題のうちの1つを解決することを目的としている。そのために、本発明は、高密度集積及び信号層と放熱層とが分離されることを実現し、放熱効果を大幅に向上させる信号層と放熱層とが分離されるTMV(Through Molding Via、モールド貫通ビア)パッケージ構造及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1形態によれば、本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造は、対向する第1側と第2側を有する絶縁媒体材料体であって、前記絶縁媒体材料体の第1側に隔離層が設けられる絶縁媒体材料体と、前記絶縁媒体材料体内に設けられる内層信号回路層と、前記絶縁媒体材料体の第2側の表面に設けられ、かつTMV構造により前記内層信号回路層に接続される外層信号回路と、前記絶縁媒体材料体の第1側の表面に設けられ、前記隔離層を介して前記内層信号回路層と隔てられる放熱用金属面と、対向する能動面と受動面を有するチップであって、前記チップは前記絶縁媒体材料体に嵌め込まれ、前記チップの能動面が前記内層信号回路層に電気的に接続され、前記チップの受動面が前記放熱用金属面に熱伝導的に接続されるチップと、を含む。
【0006】
本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造は、少なくとも、以下の有益な効果を有する。
【0007】
チップが絶縁媒体材料体に嵌め込むことにより、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすく、放熱用金属面と内層信号回路層とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記チップの受動面は、前記放熱用金属面に直接的に接続される、或いは、前記チップの受動面と前記放熱用金属面との間には熱伝導用金属が接続されている。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記熱伝導用金属は、熱伝導用金属面と熱伝導用金属柱とを含み、前記熱伝導用金属面の第1側が前記チップの受動面に接続され、前記熱伝導用金属面の第2側が前記熱伝導用金属柱により前記放熱用金属面に接続される。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記内層信号回路層の数は、複数層であり、隣接する前記内層信号回路層同士は、第2導通金属柱により接続される。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記TMV構造は、第1導通金属柱であり、前記第1導通金属柱と前記内層信号回路層とは、直接的に接続される、或いは、前記第1導通金属柱と前記内層信号回路層との間は、半田が接続されている。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記絶縁媒体材料体は、順に積層される複数層の絶縁層を含み、前記絶縁媒体材料体の第1側に位置する前記絶縁層は、前記隔離層とされる。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記絶縁媒体材料体は、さらに、パッケージ層を含み、複数層の前記絶縁層には、前記チップを収容するためのパッケージ室が設けられ、前記パッケージ層は、隣接する前記絶縁層をカバーし、かつ前記パッケージ室に充填されて、前記チップの外側を被覆する。
【0014】
第2形態によれば、本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法は、
対向する第1側と第2側を有する基板を提供し、かつ前記基板の第2側の表面に仮支持面を加工するステップであって、前記基板にはパッケージ室、第1内層信号回路層及び第1金属柱が設けられ、前記パッケージ室は、前記基板の対向する第1側と第2側を貫通し、前記第1内層信号回路層の一部又は全部が前記基板の第1側の表面に設けられ、前記第1金属柱の第1端と前記第1内層信号回路層とが電気的に接続され、前記第1金属柱の第2端が前記基板の第2側の表面から露出され、前記仮支持面が前記パッケージ室をカバーするステップと、
パッケージ対象であるチップを前記パッケージ室に貼り付けて、かつ前記第1内層信号回路層にワイヤボンディングするステップであって、前記チップの能動面は、前記基板の第1側に向けて、前記チップの受動面と前記仮支持面とが接続されるステップと、
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工し、かつ第2絶縁媒体材料によりパッケージングされてパッケージ層を形成するステップであって、前記第1導通金属柱と前記第1内層信号回路層とが接続されるステップと、
前記仮支持面を除去し、かつ前記基板の第2側の表面に第2内層信号回路層を加工するステップであって、前記第2内層信号回路層が第2内層信号回路と熱伝導用金属面を含み、前記第2内層信号回路と前記第1金属柱とが接続され、前記熱伝導用金属面と前記チップの受動面とが接続されるステップと、
前記熱伝導用金属面に熱伝導用金属柱を加工し、積層して圧合して隔離層を形成するステップと、
前記パッケージ層の表面に外層信号回路層を加工し、及び前記隔離層の表面に放熱用金属面を加工するステップであって、前記外層信号回路層と前記第1導通金属柱とが接続され、前記放熱用金属面と前記熱伝導用金属柱とが接続されるステップと、を含む。
【0015】
本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法によれば、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0016】
チップを基板のパッケージ室に貼り付けて、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすく、放熱用金属面と第2内層信号回路層とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記第1内層信号回路層は、複数層の回路層を含み、そのうちの一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられ、残りの前記回路層は、前記基板に嵌め込まれ、複数層の前記回路層同士は、金属柱により接続される、
或いは、前記第1内層信号回路層は、単一層の回路層を含み、単一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられる。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記第1導通金属柱を前記基板の第1側の、前記第1内層信号回路層の対応する位置に貼り付けるステップと、
半田により前記第1導通金属柱と前記第1内層信号回路層とを溶接するステップとを含む。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記基板の第1側に、前記第1導通金属柱に適合する窓が設けられた感光性遮蔽膜を加工するステップと、
前記基板を電気めっきして前記窓に前記第1導通金属柱を形成するステップと、
前記感光性遮蔽膜を除去するステップとを含む。
【0020】
第3形態によれば、本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法は、
対向する第1側と第2側を有する基板を提供し、かつ前記基板の第2側の表面に仮支持面を加工するステップであって、前記基板には、パッケージ室と第1内層信号回路層とが設けられ、前記パッケージ室は、前記基板の対向する第1側と第2側を貫通し、前記第1内層信号回路層の一部又は全部は前記基板の第1側の表面に設けられ、前記第1内層信号回路層と前記基板の第2側の表面との間には隔離層が設けられ、前記仮支持面は前記パッケージ室をカバーするステップと、
パッケージ対象であるチップを前記パッケージ室に貼り付けてかつ前記第1内層信号回路層にワイヤボンディングするステップであって、前記チップの能動面が前記基板の第1側に向けて、前記チップの受動面と前記仮支持面とが接続されるステップと、
前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工し、かつ第2絶縁媒体材料によりパッケージングされてパッケージ層を形成するステップであって、前記第1導通金属柱と前記第1内層信号回路層とが接続されるステップと、
前記仮支持面を除去するステップと、
前記パッケージ層の表面に外層信号回路層を加工し、及び前記隔離層の表面に放熱用金属面を加工するステップであって、前記外層信号回路層と前記第1導通金属柱とが接続され、前記放熱用金属面と前記チップの受動面とが接続されるステップとを含む。
【0021】
本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法によれば、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0022】
チップを基板のパッケージ室に貼り付けて、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすく、放熱用金属面と第2内層信号回路層とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記第1内層信号回路層は、複数層の回路層を含み、そのうちの一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられ、残りの前記回路層は、前記基板に嵌め込まれ、複数層の前記回路層同士は、金属柱により接続される、
或いは、前記第1内層信号回路層は、単一層の回路層を含み、単一層の前記回路層は、前記基板の第1側の表面に設けられる。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記第1導通金属柱を前記基板の第1側の、前記第1内層信号回路層の対応する位置に貼り付けるステップと、
半田により前記第1導通金属柱と前記第1内層信号回路層とを溶接するステップとを含む。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態によれば、前記基板の第1側に第1導通金属柱を加工する前記ステップは、
前記基板の第1側に、前記第1導通金属柱に適合する窓が設けられた感光性遮蔽膜を加工するステップと、
前記基板を電気めっきして前記窓に前記第1導通金属柱を形成するステップと、
前記感光性遮蔽膜を除去するステップとを含む。
【0026】
第4形態によれば、本発明の実施形態に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造は、上記の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法により製造される。
【0027】
本発明の付加な形態、及び利点は、以下の説明に示され、その一部は、以下の説明により、明らかになり、或いは本発明の実践により了解される。
本発明の上記及び/又は付加な形態、及び利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施の形態の説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態1に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の第1断面模式図である。
図2】本発明の実施形態1に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の第2断面模式図である。
図3】本発明の実施形態2に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の第1断面模式図である。
図4】本発明の実施形態2に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の第2断面模式図である。
図5】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図6】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図7】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図8】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図9】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図10】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図11】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図12】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図13】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図14】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図15】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図16】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図17】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図18】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図19】本発明の実施形態4に係る基板の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図20】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図21】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図22】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図23】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図24】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図25】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図26】本発明の実施形態5に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図27】本発明の実施形態6に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図28】本発明の実施形態6に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図29】本発明の実施形態6に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図30】本発明の実施形態6に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図31】本発明の実施形態6に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
図32】本発明の実施形態6に係る信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法の中間過程の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明し、上記実施形態の例示は、図面に示され、いつも、同じ又は類似する符号は、同じ又は類似する素子や、同じ又は類似する機能を有する素子を示す。以下、図面を参照しながら説明する実施形態は、例示的なものであり、本発明を制限するものではなく、本発明を解釈するものである。
【0030】
本発明の説明では、「幾つか」とは、1つ又は複数を意味し、「複数」とは、2つ以上を意味し、「よりも大きい」、「よりも小さい」、「超える」とは、もとの数を含まないと理解すべきである。「以上」、「以下」、「以内」などとは、もとの数を含むと理解すべきである。「第1」、「第2」などは、相対的重要性を示し又は暗示し、示される技術的特徴の数を示し、或いは示される技術的特徴の前後関係を示すのではなく、技術的特徴を区分するためのものである。
【0031】
本発明の説明では、特に断りのない限り、「設置」、「接続」、「電気的に接続される」、「熱伝導的に接続される」などの用語は、広義的に理解すべきであり、当業者は、技術案の具体的な内容を結び合わせて上記用語の本発明における具体的な意味を特定することができる。
【0032】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態は、絶縁媒体材料体100と、内層信号回路層150と、外層信号回路層160と、放熱用金属面170と、チップ180とを含む、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造を開示する。
【0033】
図1は、絶縁媒体材料体100のその厚さ方向における断面模式構成を示す。本実施形態に係る絶縁媒体材料体100は、対向する第1側と第2側を有し、絶縁媒体材料体100は、順に積層される複数層の絶縁層を含み、絶縁層は、第1絶縁媒体材料を塗装し或いは積層してなる。複数層の絶縁層は、第1絶縁層、第2絶縁層、...、第N絶縁層を含む(ただし、Nは1よりも大きい整数である)。第N絶縁層、第1絶縁層、第2絶縁層、...、第N-1絶縁層は、絶縁媒体材料体100の第1側から第2側に順に積層されている。本実施形態に係る絶縁媒体材料体100の数は、3層であり、即ち、複数層の絶縁層は、第1絶縁層111、第2絶縁層112及び第3絶縁層113を含み、第3絶縁層113が絶縁媒体材料体100の第1側に位置し、隔離層とされる。複数層の第1絶縁媒体材料は、パッケージ室101が設けられ、パッケージ室101は、チップ180を収容する。絶縁媒体材料体100は、さらに、パッケージ層120を含み、パッケージ層120が隣接する絶縁層をカバーし、即ち、第N-1絶縁層をカバーし、かつパッケージ室101に充填して、チップ180の外側を被覆する。パッケージ層120は、第2絶縁媒体材料がパッケージングされてなり、チップ180をパッケージ室101にパッケージする。このようにして、チップ180を絶縁媒体材料体100に嵌め込み、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすい。
【0034】
内層信号回路層150は、絶縁媒体材料体100内に設けられ、外層信号回路層160は、絶縁媒体材料体100の第2側の表面に設けられ、かつTMV構造により内層信号回路層150に接続される。内層信号回路層150は、第1内層信号回路層と第2内層信号回路層153を含む。第1内層信号回路層の数は、複数層であり、複数層の第1内層信号回路層は、第1回路層、第2回路層、...、第M回路層を含む(ただし、Mは1よりも大きい整数である)。第2内層信号回路層153、第1回路層、第2回路層、...、第M回路層は、絶縁媒体材料体100の第1側から第2側へ順に層分けて配置される。本実施形態に係る第1内層信号回路層の数は、2層であり、即ち、複数層の第1内層信号回路層は、第1回路層151と第2回路層152を含む。第2内層信号回路層153と第1回路層151との間は、第1金属柱131により接続され、第1回路層151と第2回路層152との間は、第2金属柱133により接続され、このように類推する。第1金属柱131、第2金属柱133などの導電構造は、異なる回路層同士が電気的に接続される第2導通金属柱とされることができ、即ち、隣接する内層信号回路層150同士は、第2導通金属柱により接続される。本実施形態では、TMV構造は、従来のビアホール(Via hole)を採用してもよく、第1導通金属柱140を採用してもよい。従来のTMV構造では、ビアホールは、レーザーと電気めっきの方式により形成され、パッケージ層120内に信号を伝送することができ、それにより外層信号回路層160と内層信号回路層150との信号伝送を実現するが、ビアホールの上下孔径の差が比較的大きく、中実の導電構造を形成しにくく、かつ孔壁が粗い。TMV構造の導電性能を改善するために、TMV構造は、金属柱構造、即ち、第1導通金属柱140を採用する。本実施形態に係る第1導通金属柱140と第2導通金属柱とは、共に中実の銅柱であり、上下の孔径が略一致し、かつ表面が滑らかである。従来のビアホールと比べて、中実の銅柱における信号の損失がより小さく、信号伝送の遅延がより短く、より良好な導電性を有する。本実施形態に係る第1導通金属柱140は、銅柱法又は金属柱を貼り付ける方式により加工される。図1に示すように、第1導通金属柱140が銅柱法により加工される場合に、第1導通金属柱140と内層信号回路層150とは、直接的に接続される。図2に示すように、第1導通金属柱140が金属柱を貼り付ける方式により加工される場合に、第1導通金属柱140と内層信号回路層150との間は、半田141が接続されている。重複の説明を回避するために、第1導通金属柱140の具体的な加工方法は、実施形態5を参照する。
【0035】
放熱用金属面170は、絶縁媒体材料体100の第1側の表面に設けられ、放熱用金属面170は、隔離層を介して内層信号回路層150と隔てられる。チップ180は、対向する能動面と受動面を有し、チップ180は、絶縁媒体材料体100に嵌め込まれ、その能動面が内層信号回路層150に電気的に接続され、その受動面が放熱用金属面170に熱伝導的に接続される。使用する場合には、外層信号回路層160は、PCBに溶接され、このようにして、絶縁媒体材料体100の第1側及び第2側の表面の配線面積を十分に利用して、放熱用金属面170の面積を増大しやすい。なお、チップ180の能動面は、信号ピンを有し、チップ180の信号ピンと内層信号回路層150とはワイヤボンディングの方式で電気的に接続される。チップ180の受動面と放熱用金属面170との間は、熱伝導用金属が接続されている。チップ180が作動する過程において発生する熱は、熱伝導用金属を介して放熱用金属面170に伝達する。放熱用金属面170は、絶縁媒体材料体100の第1側の表面をカバーする銅シートであり、より大きな放熱面積を有し、チップ180の放熱効率を向上させることができる。かつ、放熱用金属面170と内層信号回路層150が隔離層を介して隔てることで、信号層と放熱層とを分離させることができ、それにより信号層と放熱層とが分離されることを実現し、信号層と放熱層とが同一層になって放熱面積を制限することを回避し、放熱効果を大幅に向上させる。本実施形態では、熱伝導用金属は、熱伝導用金属面532と熱伝導用金属柱533を含み、熱伝導用金属面532の第1側がチップ180の受動面に接続され、熱伝導用金属面532の第2側が熱伝導用金属柱533により放熱用金属面170に接続される。熱伝導用金属面532は、面積が異なるチップ180に適用し、かつチップ180が発生する熱を伝達し、熱伝導用金属柱533は、熱伝導用金属面532の熱を放熱用金属面170に伝達することができる。また、熱伝導用金属柱533の厚さは、異なる隔離層の厚さに応じて適応的に調整されることができ、熱伝導用金属面532の厚さ制限を解決することができる。
【0036】
(実施形態2)
図3に示すように、本実施形態は、絶縁媒体材料体100と、内層信号回路層150と、外層信号回路層160と、放熱用金属面170と、チップ180とを含む、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造を開示する。
【0037】
図3は、絶縁媒体材料体100のその厚さ方向の断面の模式構成を示す。絶縁媒体材料体100は、対向する第1側と第2側を有し、絶縁媒体材料体100は、複数層の絶縁層を含み、絶縁層は、第1絶縁媒体材料を塗装し或いは積層してなる。複数層の絶縁層層は、第1絶縁層、第2絶縁層、...、第L絶縁層を含み、ただし、Lが1以上の整数である。第1絶縁層、第2絶縁層、...、第L絶縁層は、絶縁媒体材料体100の第1側から第2側に順に積層されている。本実施形態に係る絶縁層の数は、2層であり、即ち、複数層の絶縁層は、第1絶縁層111と第2絶縁層112を含み、第1絶縁層111が絶縁媒体材料体100の第1側に位置し、かつ隔離層とされる。複数層の絶縁層は、パッケージ室101が設けられ、パッケージ室101は、チップ180を収容する。絶縁媒体材料体100は、さらに、パッケージ層120を含み、パッケージ層120が隣接する絶縁層をカバーし、即ち、第L絶縁層にカバーし、かつパッケージ室101に充填して、チップ180の外側を被覆する。パッケージ層120は、第2絶縁媒体材料がパッケージングされてなり、パッケージ層120は、チップ180をパッケージ室101にパッケージする。このようにして、チップ180を絶縁媒体材料体100に嵌め込み、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすい。
【0038】
内層信号回路層150は、絶縁媒体材料体100内に設けられ、外層信号回路層160は、絶縁媒体材料体100の第2側の表面に設けられ、かつTMV構造により内層信号回路層150に接続される。本実施形態では、内層信号回路層150は、第1内層信号回路層を含み、第1内層信号回路層の数は、複数層である。複数層の第1内層信号回路層は、第1回路層、第2回路層、...、第M回路層を含む(ただし、Mは1以上の整数である)。第1回路層、第2回路層、...、第M回路層は、絶縁媒体材料体100の第1側から第2側へ順に層分けて配置される。本実施形態に係る第1内層信号回路層の数は、2層であり、即ち、複数層の第1内層信号回路層は、第1回路層151と第2回路層152とを含む。第1回路層151と第2回路層152との間は、第2金属柱133により接続され、第2回路層152と第3回路層(図示せず)との間は、第3金属柱(図示せず)により接続され、このように類推する。第2金属柱133、第3金属柱などの導電構造は、異なる回路層間に電気的に接続される第2導通金属柱とされることができ、即ち、隣接する内層信号回路層150の間は、第2導通金属柱により接続される。なお、本実施形態に係るTMV構造は、実施形態1と同じであり、本実施形態において説明を省略する。本実施形態に係る第1導通金属柱140と第2導通金属柱とは、共に中実の銅柱であり、上下の孔径が略一致し、かつ表面が滑らかである。従来のビアホールと比べて、中実の銅柱における信号の損失がより小さく、信号伝送の遅延がより短く、より良好な導電性を有する。本実施形態に係る第1導通金属柱140は、銅柱法又は金属柱を貼り付ける方式により加工されることができる。図3に示すように、第1導通金属柱140が銅柱法により加工される場合に、第1導通金属柱140と内層信号回路層150との間は、直接的に接続される。図4に示すように、第1導通金属柱140が金属柱を貼り付ける方式により加工される場合に、第1導通金属柱140と内層信号回路層150との間は、半田141が接続されている。重複の説明を回避するために、第1導通金属柱140の具体的な加工方法は、実施形態5を参照する。
【0039】
放熱用金属面170は、絶縁媒体材料体100の第1側の表面に設けられ、放熱用金属面170は、隔離層を介して内層信号回路層150と隔てられる。チップ180は、対向する能動面と受動面を有し、チップ180は、絶縁媒体材料体100に嵌め込まれ、その能動面が内層信号回路層150に電気的に接続され、その受動面が放熱用金属面170に熱伝導的に接続される。使用する場合には、外層信号回路層160は、PCBに溶接され、このようにして、絶縁媒体材料体100の第1側及び第2側の表面の配線面積を十分に利用して、放熱用金属面170の面積を増大しやすい。なお、チップ180の能動面は、信号ピンを有し、チップ180の信号ピンと内層信号回路層150とはワイヤボンディングの方式で電気的に接続される。チップ180の受動面と放熱用金属面170とは直接的に接触され、チップ180が作動する過程において発生する熱は、熱伝導用金属を介して放熱用金属面170に伝達する。放熱用金属面170は、絶縁媒体材料体100の第1側の表面をカバーする銅シートであり、より大きな放熱面積を有して、チップ180の放熱効率を向上させることができる。かつ、放熱用金属面170と内層信号回路層150が隔離層を介して隔てることで、信号層と放熱層とを分離させることができ、それにより信号層と放熱層とが分離されることを実現し、信号層と放熱層とが同一層になって放熱面積を制限することを回避し、放熱効果を大幅に向上させる。なお、本実施形態が関しない内容は、実施形態1を参照してもよい。
【0040】
(実施形態3)
本実施形態は、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造(図示せず)を開示し、絶縁媒体材料体100と、内層信号回路層150と、外層信号回路層160と、放熱用金属面170と、チップ180とを含む。本実施形態に係る絶縁媒体材料体100は、絶縁層とパッケージ層120を含み、絶縁層が単一層又は複数層の構造であり、内層信号回路層150が単一層の構造であり(図示せず)、内層信号回路層150が絶縁層に設けられかつパッケージ層との境界に位置している点が、実施形態2と異なる。
【0041】
(実施形態4)
本実施形態は、基板の製造方法を提供し、ステップS010~S090を含み、以下、各ステップを詳しく説明する。
【0042】
S010:図5に示すように、支持板010を提供する。支持板010は、コア層011、第1金属層012、第2金属層013、エッチングストップ層014及び第1金属シード層015を含む。第1金属層012と第2金属層013は、銅層を選択することができ、両者は、物理方式で結び合わせられ、分離することもできる。第1金属層012と第2金属層013とが分離された後に、エッチング処理を行う必要がある。エッチングストップ層014は、基板の回路及び金属柱を保護して、過度にエッチングすることを防止することができる。エッチングストップ層014は、ニッケル層を選択することができ、第1金属シード層015は、銅層を選択して後続の電気めっきの導通基礎とされる。
【0043】
S020:図6に示すように、支持板010に第1フォトレジスト021を付加し、第1フォトレジスト021に窓を開けて電気めっきし、第1金属柱層が得られる。本実施形態に係る第1金属柱層は、銅柱法により加工され、第1フォトレジスト021は、膜を貼り付けて、或いは塗装する方式により加工される。第1フォトレジスト021が窓を開ける方式は、露光と顕像であってもよい。実際の応用要求に応じて、第1金属柱層は、第1金属柱131と第1犠牲金属柱132を含むことができ、或いは、第1金属柱層は、第1犠牲金属柱132を含むが、第1金属柱131を省略する。図7には、第1フォトレジスト021の窓構成の上面図が示される。なお、本実施形態に係る第1金属柱層は、銅柱層であり、第1フォトレジスト021における窓位置211の形状は、第1金属柱131及び第1犠牲金属柱132に適合する。
【0044】
S030:図7図8及び図9に示すように、第1フォトレジスト021を除去し、かつ第1絶縁媒体材料を付加して、第1絶縁層111を形成する。また、第1絶縁媒体材料は、純粋な樹脂であってもよく、樹脂とガラス繊維を含有する有機絶縁媒体材料であってもよい。第1絶縁媒体材料は、塗装や、圧合などの方式により第1金属柱層に付加されて第1絶縁層111を形成することができる。
【0045】
S040:図9図10及び図11に示すように、第1絶縁層111を薄化処理した後に、第1絶縁層111に第2フォトレジスト022を付加し、かつ第2フォトレジスト022に窓を開けて電気めっきして、第1回路層151が得られる。ステップS020に適応し、第1回路層151は、第1導通回路511と第1犠牲回路512とを含み、第1犠牲回路512と第1犠牲金属柱132とが接続されてもよく、或いは、第1回路層151は、第1犠牲回路512を含むが、第1導通回路511を省略する。なお、第1金属柱131が設けられている場合には、第1導通回路511は、第1金属柱131に接続されてもよい。
【0046】
S050:図12及び図13に示すように、第1回路層151に第3フォトレジスト023を付加し、かつ第3フォトレジスト023に窓を開けて電気めっきして、第2金属柱層が得られる。第1金属柱層に対応し、第2金属柱層は、第2金属柱133と第2犠牲金属柱134を含む、或いは、第2金属柱層は、第2犠牲金属柱134を含むが、第2金属柱133を省略する。
【0047】
S060:図13及び図14に示すように、第3フォトレジスト023を除去し、かつ第1絶縁媒体材料を付加して第2絶縁層112を形成する。
【0048】
S070:基板の層数が生産資料の要求を満足するまでステップS030~S060を繰り返す。なお、犠牲回路は、次の層の犠牲金属柱の加工位置合わせを便利にするためのものであり、最後層の回路層が相応する層の犠牲回路を省略してもよい。例えば、図15に示すように、第2回路層152が最後層の回路層である場合に、第2回路層152は、第2導通回路を含むが、第2犠牲回路を省略する。
【0049】
S080:図15図16及び図17に示すように、支持板010を分離した後に、犠牲回路と犠牲金属柱をエッチングしてパッケージ室101を形成する。なお、エッチング過程に、第4フォトレジスト024を付加してエッチングする必要がない部分を保護してもよい。
【0050】
S090:第4フォトレジスト024を除去した後に、基板が得られる。なお、実際の応用要求に応じて、基板には第1金属柱131を設置してもよく(図18に示される)、或いは第1金属柱131を省略してもよい(図19に示される)。
【0051】
(実施形態5)
本実施形態は、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法を開示し、ステップS110~ステップS160を含み、以下、各ステップを詳しく説明する。
【0052】
S110:図20に示すように、基板を提供する。基板は、対向する第1側と第2側を有し、基板の第2側の表面に仮支持面030を加工する。
【0053】
基板の製造方法は、実施形態4を参照してもよい。実施形態4の製造方法によれば、基板は、第1絶縁層、第2絶縁層、...、第N-1絶縁層を含む(ただし、Nは1よりも大きい整数である)。本実施形態では、基板にはパッケージ室101、第1内層信号回路層及び第1金属柱131が設けられ、パッケージ室101は、基板の対向する第1側と第2側を貫通し、第1内層信号回路層の一部又は全部が基板の第1側の表面に設けられ、第1金属柱131の第1端と第1内層信号回路層とが電気的に接続され、第1金属柱131の第2端が基板の第2側の表面から露出され、仮支持面030がパッケージ室101をカバーする。なお、第1内層信号回路層は、第1回路層、第2回路層、...、第M回路層を含み(ただし、Mは1以上の整数である)、第1回路層と第1金属柱131とが接続され、第2回路層と第1回路層との間が第2金属柱133により接続され、このように類推する。第M回路層と第M-1回路層との間が第M金属柱により接続され、第1金属柱131、第2金属柱133、...、第M金属柱などの導電構造は、異なる回路層同士が電気的に接続される第2導通金属柱とされることができ、即ち、第1内層信号回路層は、複数層の回路層を含み、そのうちの一層の回路層は、基板の第1側の表面に設けられ、残りの回路層は、基板に嵌め込まれ、複数層の回路層同士は、金属柱により接続される。或いは、第1内層信号回路層は、単一層の回路層を含み、単一層の回路層は、基板の第1側の表面に設けられる。説明の便宜のために、本実施形態に係る第1内層信号回路層は、第1回路層151と第2回路層152を含む。
【0054】
本実施形態では、仮支持面030の加工方法は、粘着テープを貼り付け或いは粘着シートを貼り付けることにより加工され、仮支持面030は、チップ180を貼り付けるために支持作用として発揮し、かつチップ180を、後続のパッケージが終了した後に受動面から露出させることができる。
【0055】
S120:パッケージ対象であるチップ180をパッケージ室101に貼り付けて、かつ第1内層信号回路層にワイヤボンディングする。チップ180の能動面は、基板の第1側に向けて、チップ180の受動面が仮支持面030に接続される。なお、チップ180にワイヤボンディングする第1内層信号回路層は、基板の最も外側の回路層、即ち第M回路層である。
【0056】
S130:図20図21及び図22に示すように、基板の第1側に第1導通金属柱140を加工し、かつ第2絶縁媒体材料によりパッケージングされてパッケージ層120を形成する。第1導通金属柱140と第1内層信号回路層とは接続される。
【0057】
第1導通金属柱140は、第1内層信号回路層と外層信号回路層160との間の信号伝送構造とされる。第1導通金属柱140は、金属柱を貼り付ける、或いは銅柱法により加工されることができ、それにより第1導通金属柱140の両端の孔径を略一致させることができ、かつ表面が滑らかである。従来のビアホールと比べて、中実の銅柱における信号の損失がより小さく、信号伝送の遅延がより短く、より良好な導電性を有する。第2絶縁媒体材料は、チップ180をパッケージングし、チップ180を保護し、及び後続の外層信号回路層160に対して製造キャリヤを提供することができる。
【0058】
S140:図22及び図23に示すように、仮支持面030を除去し、かつ基板の第2側の表面に第2内層信号回路層153を加工する。第2内層信号回路層153は、第2内層信号回路531と熱伝導用金属面532を含み、第2内層信号回路531と第1金属柱131とが接続され、熱伝導用金属面532とチップ180の受動面とが接続される。
【0059】
基板の第2側の表面に第2内層信号回路層153を加工することは、異なるパッケージ設計の回路層数の要求を満足することができ、パッケージ体の縦方向空間を十分に利用し、高密度の集積を実現することができる。熱伝導用金属面532は、チップ180が発生する熱を伝達することに用いられる。
【0060】
S150:図23及び図24に示すように、熱伝導用金属面532に熱伝導用金属柱533を加工し、かつ積層して圧合して隔離層を形成する。
【0061】
熱伝導用金属柱533は、銅柱法により加工されることができ、即ち、フォトレジストを付加し、フォトレジストに窓を開けて電気めっきして加工される。熱伝導用金属柱533を加工した後に、熱伝導用金属柱533に第1絶縁媒体材料を積層して圧合し、第1絶縁媒体材料が成形した後に、第N絶縁層が得られる。第N絶縁層は、信号層と放熱層とを隔てる隔離層とされるように構成されることができる。
【0062】
S160:図24及び図25に示すように、パッケージ層120の表面に外層信号回路層160を加工し、及び隔離層の表面に放熱用金属面170を加工する。外層信号回路層160と第1導通金属柱140とが接続され、放熱用金属面170と熱伝導用金属柱533とが接続される。
【0063】
なお、ステップS130では、第2絶縁媒体材料のパッケージ高さは、第1導通金属柱140よりも大きいので、外層信号回路層160を加工する前にパッケージ層120を薄化処理する必要がある。使用する場合に、外層信号回路層160は、PCBに溶接されてもよく、それにより放熱用金属面170が隔離層の表面をカバーし、より大きな放熱面積を有し、放熱効率が向上しやすい。かつ、放熱用金属面170と内層信号回路、外層信号回路層160とが隔てられ、それにより、信号層と放熱層とが分離されることを実現し、信号層と放熱層とが同一層になって放熱面積を制限することを回避し、放熱効果を大幅に向上させる。
【0064】
従って、本実施形態は、チップ180を基板のパッケージ室101に貼り付けて、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすく、放熱用金属面170と第2内層信号回路層とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。
【0065】
本実施形態は、第1導通金属柱140の2種の加工方法を提供し、そのうち、第1種の加工方法は、以下の通りである。
【0066】
図25に示すように、ステップS130では、基板の第1側に第1導通金属柱140を加工するステップは、以下のステップを含む。
【0067】
S131a:第1導通金属柱140を基板の第1側の、第1内層信号回路層の対応する位置に貼り付ける。
【0068】
S131b:半田141により第1導通金属柱140と第1内層信号回路層とを溶接する。
【0069】
貼付け方式により第1導通金属柱140を加工することにより、第1金属柱131は、規則的な形状及び滑らかな表面を有し、導電性能が向上しやすい。
【0070】
第2種の加工方法は、以下の通りである。
【0071】
図26に示すように、ステップS130では、基板の第1側に第1導通金属柱140を加工するステップは、以下のステップを含む。
【0072】
S132a:基板の第1側に感光性遮蔽膜を加工し、感光性遮蔽膜には、第1導通金属柱140に適合する窓を設置する。なお、感光性遮蔽膜の作用とフォトレジストの作用とは同じであり、いずれも、電気めっきし又はエッチングする必要がない金属位置を保護するということである。
【0073】
S132b:基板を電気めっきし、窓に第1導通金属柱140を形成する。
【0074】
S132c:感光性遮蔽膜を除去する。
【0075】
従来のビアホールと比べて、銅柱法は、中実の銅柱を加工することができ、中実の銅柱における信号の損失がより小さく、信号伝送の遅延がより短く、より良好な導電性を有する。
【0076】
また、本実施形態は、さらに、上記の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法により製造される、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造を開示する。チップ180は、基板に嵌め込まれ、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすい。放熱用金属面170と内層信号回路層150とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。第1導通金属柱140の両端のサイズは、略一致し、かつ表面が滑らかであり、信号の損失がより小さく、伝送遅延がより短く、より良好な導電性を有する。
【0077】
(実施形態6)
本実施形態は、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法を開示し、前記製造方法は、以下のステップを含む。
【0078】
S210:図27に示すように、基板を提供する。基板は、対向する第1側と第2側を有し、基板の第2側の表面に仮支持面030を加工し、基板にはパッケージ室101と第1内層信号回路層とが設けられ、パッケージ室101は、基板の対向する第1側と第2側を貫通し、第1内層信号回路層の一部又は全部が基板の第1側の表面に設けられ、第1内層信号回路層と基板の第2側の表面との間には隔離層が設けられ、仮支持面030がパッケージ室101をカバーする。
【0079】
図20及び図27に示すように、本実施形態に係る第1内層信号回路層は、単一層又は複数層の構造であってもよく、即ち、第1内層信号回路層は、複数層の回路層を含み、そのうちの一層の回路層は、基板の第1側の表面に設けられ、残りの回路層は、基板に嵌め込まれ、複数層の回路層同士は、金属柱により接続される、或いは、第1内層信号回路層は、単一層の回路層を含み、単一層の回路層は、基板の第1側の表面に設けられるという点は、実施形態5と同じである。
【0080】
本実施形態に係る基板は、第1金属柱131を省略するという点が、実施形態5と異なり、基板の製造方法は、実施形態4を参照してもよい。基板は、第1絶縁層、第2絶縁層、...、第L絶縁層を含み、ただし、Lが1以上の整数である。本実施形態に係る絶縁層の数は、2層であり、即ち、基板は、第1絶縁層111と第2絶縁層112を含み、第1絶縁層111は、信号層と放熱層とを隔てるための隔離層とされる。
【0081】
S220:パッケージ対象であるチップ180をパッケージ室101に貼り付けてかつ第1内層信号回路層にワイヤボンディングする。チップ180の能動面は、基板の第1側に向けて、チップ180の受動面と仮支持面030とは接続される。
【0082】
S230:図28及び図29に示すように、基板の第1側に第1導通金属柱140を加工し、かつ第2絶縁媒体材料によりパッケージングされてパッケージ層120を形成する。第1導通金属柱140と第1内層信号回路層とは接続される。
【0083】
S240:図29及び図30に示すように、仮支持面030を除去する。
【0084】
S250:図30及び図31に示すように、パッケージ層120の表面に外層信号回路層160を加工し、及び隔離層の表面に放熱用金属面170を加工する。外層信号回路層160と第1導通金属柱140とは接続され、放熱用金属面170とチップ180の受動面とは接続される。図25及び図31に示すように、本実施形態は、熱伝導用金属構造、即ち、熱伝導用金属面532と熱伝導用金属柱533を省略するという点が、実施形態5と異なる。
【0085】
チップ180を基板のパッケージ室101に貼り付けて、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすく、放熱用金属面170と第1内層信号回路層とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。なお、本実施形態が関しない内容は、実施形態5を参照してもよい。
【0086】
図31及び図32に示すように、本実施形態に係る第1導通金属柱140が同様に2種の方法により加工されることができるという点は、実施形態5と同じであり、本実施形態において説明を省略する。
【0087】
また、本実施形態は、さらに、上記の信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造の製造方法により製造される、信号層と放熱層とが分離されるTMVパッケージ構造を開示する。チップ180は、基板に嵌め込まれ、より高密度の集積・パッケージングを実現しやすく、放熱用金属面170と内層信号回路層150とが隔離層を介して隔てられ、信号層と放熱層とが分離され、放熱効果を大幅に向上させることができる。第1導通金属柱140は、両端のサイズが略一致し、且つ表面が滑らかであり、信号の損失がより小さく、伝送遅延がより短く、より良好な導電性を有する。
【0088】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳しく説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、当業者が有する知識範囲内であれば、本発明の要旨を逸脱しない前提で各種の変更を行うことができる。
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