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特許7471377自動車用の照射装置のライトモジュールを同時に調節するための調節装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】自動車用の照射装置のライトモジュールを同時に調節するための調節装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/657 20180101AFI20240412BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20240412BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20240412BHJP
【FI】
F21S41/657
F21S41/19
F21W102:13
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022191425
(22)【出願日】2022-11-30
(65)【公開番号】P2023083247
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】21212273.3
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター スタッフェンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】レオポルト プリツル
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0061602(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03616993(EP,A1)
【文献】特開2001-319507(JP,A)
【文献】特開2002-133913(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19709431(DE,A1)
【文献】中国実用新案第207262332(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21W 102/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射装置の第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを同時に調節するための調節装置であって、
前記第1のライトモジュール(10)は、第1の旋回軸線(110)の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュール(20)は、第2の旋回軸線(120)の周りに旋回可能に支持されており、
両方の前記旋回軸線(110、120)は、互いに平行に延在し、
前記調節装置(100)は、
- 前記第1のライトモジュール(10)と連結されているないし前記第1のライトモジュール(10)と連結可能な第1の調節シャフト(1)と、
- 前記第2のライトモジュール(20)と連結されているないし前記第2のライトモジュール(20)と連結可能な第2の調節シャフト(2)とを含み、
前記第1の調節シャフト(1)と前記第2の調節シャフト(2)は、それらのそれぞれの長手軸線(11、21)の周りに回転可能に支持されており、これらの調節シャフト(1、2)は、それぞれ、当該調節シャフト(1、2)の回転時には当該調節シャフト(1、2)がその長手軸線(11、21)の方向で直線的に運動するように支持されており、
前記第1の調節シャフト(1)は、第1の回転要素(3)と相対回転不能に接続されており、それにより前記第1の回転要素(3)の回転時には、前記第1の調節シャフト(1)が前記第1の回転要素(3)の回転方向に回転され、更に
前記第2の調節シャフト(2)は、第2の回転要素(4)と相対回転不能に接続されており、それにより前記第2の回転要素(4)の回転時には、前記第2の調節シャフト()が前記第2の回転要素(4)の回転方向に回転され、更に
第3の回転要素(5)が設けられており、前記第3の回転要素(5)は、前記第3の回転要素(5)の回転時には前記第1の回転要素(3)が回転されるように、前記第1の回転要素(3)と協働し、更に
前記第1の回転要素(3)と前記第2の回転要素(4)は、直接的に互いに係合し、前記第1の回転要素(3)の回転時には前記第2の回転要素(4)が前記第1の回転要素(3)の回転方向とは逆方向に回転されるように協働し、更に
前記第1の調節シャフト(1)と前記第2の調節シャフト(2)は、これらの調節シャフトが前記第3の回転要素(5)の回転によりもたらされる前記第1の回転要素(3)と前記第2の回転要素(4)の回転に基づきそれらのそれぞれの長手軸線(11、12)に沿って互いに反対方向で直線的に運動するように支持されており、更に
前記旋回軸線(110、120)は、両方の前記ライトモジュール(10、20)が同時にそれらのそれぞれの旋回軸線(110、120)の周りで同じ方向に旋回されるように延在すること、
を特徴とする調節装置。
【請求項2】
各前記調節シャフト(1、2)は、連結装置(1a、2a)を介し、直接的にそれぞれの前記ライトモジュール(10、20)に係合するか、又はそれぞれの前記ライトモジュール(10、20)が支持されている支持体(10a、20a)に係合すること、
を特徴とする、請求項1に記載の調節装置。
【請求項3】
両方の前記連結装置(1a、2a)は、両方の前記ライトモジュール(10、20)の間か又は両方の前記旋回軸線(110、120)の間に位置すること、
を特徴とする、請求項2に記載の調節装置。
【請求項4】
前記連結装置(1a、2a)は、それぞれそれらの前記調節シャフト(1、2)の前記長手軸線(11、21)上に位置すること、
を特徴とする、請求項2に記載の調節装置。
【請求項5】
前記連結装置(1a、2a)は、垂直方向で同じ高さに位置し、前記調節シャフト(1、2)の前記長手軸線(11、12)は、水平方向に延在し、それにより前記調節シャフト(1、2)の前記長手軸線(11、12)は、共通の水平面内に位置すること、
を特徴とする、請求項2に記載の調節装置。
【請求項6】
前記調節シャフト(1、2)の前記長手軸線(11、21)は、互いに平行に延在すること、
を特徴とする、請求項1に記載の調節装置。
【請求項7】
前記第3の回転要素(5)は、所定の回転軸線(15)の周りに回転可能であり、前記回転軸線(15)は、取付け位置で、垂直方向に延在し及び/又は前記調節シャフト(1、2)の一方又は両方の前記長手軸線(11、21)に対して直角に延在すること、
を特徴とする、請求項1に記載の調節装置。
【請求項8】
前記第1の回転要素(3)は、前記第1の調節シャフト(1)と、前記第2の回転要素(4)は、前記第2の調節シャフト(2)と、それぞれ、各前記調節シャフト(1、2)がその前記回転要素(3、4)に関してその前記長手軸線(11、21)に沿って自由に運動できるように、連結されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の調節装置。
【請求項9】
自動車用の照射装置であって、
前記照射装置は、第1のライトモジュール(10)と第2のライトモジュール(20)を含み、前記第1のライトモジュール(10)は、第1の旋回軸線(110)の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュール(20)は、第2の旋回軸線(120)の周りに旋回可能に支持されており、両方の前記旋回軸線(110、120)は、互いに平行に延在する構成であり、
両方の前記ライトモジュール(10、20)を同時に調節するために、前記照射装置(1000)は、請求項1~8のいずれか一項に記載の調節装置(100)を有すること、
を特徴とする照射装置。
【請求項10】
両方の前記旋回軸線(110、120)は、前記照射装置(1000)の取付け位置で垂直方向に延在すること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項11】
前記ライトモジュール(10、20)の各前記旋回軸線(110、120)は、前記ライトモジュール(10、20)に割り当てられた前記調節シャフト(1、2)の前記長手軸線(11、21)に対して直角に延在すること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項12】
前記ライトモジュール(10、20)は、照射距離設定ために、取付け位置で水平方向において前記旋回軸線(110、120)に対して横方向に延在する垂直旋回の軸線(130)の周りに旋回可能であること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項13】
連結装置(1a、2a)ないし連結装置(1a、2a)のそれぞれの連結ポイントが、
- 前記垂直旋回の軸線(130)内に位置するか、又は
- 前記垂直旋回の軸線(130)を含む水平面内に位置すること、
を特徴とする、請求項12に記載の照射装置。
【請求項14】
前記照射装置(1000)は、ハウジング(1001)を有し、前記ライトモジュール(10、20)は、前記ハウジング(1001)内に配設され、前記ハウジング(1001)に関して旋回可能に配設されており、更に前記調節装置(100)は、前記第1の回転要素(3)と前記第2の回転要素(4)、及び前記第3の回転要素(5)も、前記ハウジング(1001)に関して位置固定であるが回転可能に配設されているように、前記ハウジング(1001)内に配設されていること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【請求項15】
前記照射装置(1000)は、自動車投光器の構成部品であるか、又は自動車投光器として構成されていること、
を特徴とする、請求項9に記載の照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の記載)
本出願は、2021年12月3日出願の欧州特許出願第21212273.3号(DAS Code: 46F2)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は、引用をもって本明細書に組み込み記載されているものとする。
【0002】
本発明は、照射装置の第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを同時に調節するための調節装置(位置調節装置)に関し、この際、第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、この際、両方の旋回軸線は、互いに平行に延在する。
【0003】
更に本発明は、自動車用の照射装置、特に自動車投光器(例えば自動車前照灯)に関し、該照射装置は、第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを含み、この際、第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、この際、両方の旋回軸線は、互いに平行に延在する。
【背景技術】
【0004】
例えば自動車投光器における照射装置のライトモジュールは、例えばロービーム配光やハイビーム配光などのような配光又は部分配光を生成するために用いられる。
【0005】
これらのライトモジュールでは、これらのライトモジュールをそれらの基本位置に関して垂直方向及び/又は水平方向において設定できることが必要であり、それによりこれらのライトモジュールは、正しい方向に配向されることになる。基本位置のこの設定は、多くの場合は手動で行われる。
【0006】
ライトモジュールの調節のためにこれらのライトモジュールは、例えば、水平軸線の周りに旋回可能であり、この場合にはこれらのライトモジュールを垂直方向において(即ち上方又は下方に)旋回させることができ、それにより照射距離を設定することができ、及び/又は、垂直軸線の周りに旋回可能であり、この場合にはこれらのライトモジュールを水平方向において(即ち左方又は右方に)旋回させることができ、それにより側方の照射方向を設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102018120836号
【文献】米国特許出願公開第2005/002201号
【文献】欧州特許出願公開第3616993号
【文献】欧州特許出願公開第2394850号
【文献】特開平03-138801号
【文献】特開2012-201186号
【文献】米国特許出願公開第2016/159271号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、照射装置の2つのライトモジュールを一緒に調節することのできる調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、冒頭に記載した形式の調節装置において、本発明により調節装置が、
・第1のライトモジュールと連結されている第1の調節シャフト(調節軸)と、
・第2のライトモジュールと連結されている第2の調節シャフト(調節軸)とを含み、
この際、第1の調節シャフトと第2の調節シャフトは、それらのそれぞれの長手軸線の周りに回転可能に支持されており、この際、これらの調節シャフトは、それぞれ、当該調節シャフトの回転時には当該調節シャフトがその長手軸線の方向で直線的に運動するように支持されており、
この際、第1の調節シャフトは、例えば冠歯車として構成されている第1の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより第1の回転要素の回転時には、第1の調節シャフトが第1の回転要素の回転方向に回転され、更にこの際、第2の調節シャフトは、例えば冠歯車として構成されている第2の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより第2の回転要素の回転時には、第2の調節シャフトが第2の回転要素の回転方向に回転され、更にこの際、例えば傘歯車として構成されている第3の回転要素が設けられており、第3の回転要素は、第3の回転要素の回転時には第1の回転要素が回転されるように、第1の回転要素と協働し、更にこの際、第1の回転要素と第2の回転要素は、第1の回転要素の回転時には第2の回転要素が第1の回転要素の回転方向とは逆方向に回転されるように協働し、更にこの際、第1の調節シャフトと第2の調節シャフトは、これらの調節シャフトが第3の回転要素の回転によりもたらされる第1の回転要素と第2の回転要素の回転に基づきそれらのそれぞれの長手軸線に沿って互いに反対方向で直線的に運動するように支持されており、更にこの際、旋回軸線は、両方のライトモジュールが同時にそれらのそれぞれの旋回軸線の周りで同じ方向に旋回されるように延在すること、
により解決される。
【0010】
即ち本発明の第1の視点により、
照射装置の第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを同時に調節するための調節装置であって、
前記第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、
両方の前記旋回軸線は、互いに平行に延在し、
前記調節装置は、
- 前記第1のライトモジュールと連結されているないし前記第1のライトモジュールと連結可能な第1の調節シャフトと、
- 前記第2のライトモジュールと連結されているないし前記第2のライトモジュールと連結可能な第2の調節シャフトとを含み、
前記第1の調節シャフトと前記第2の調節シャフトは、それらのそれぞれの長手軸線の周りに回転可能に支持されており、これらの調節シャフトは、それぞれ、当該調節シャフトの回転時には当該調節シャフトがその長手軸線の方向で直線的に運動するように支持されており、
前記第1の調節シャフトは、第1の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより前記第1の回転要素の回転時には、前記第1の調節シャフトが前記第1の回転要素の回転方向に回転され、更に
前記第2の調節シャフトは、第2の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより前記第2の回転要素の回転時には、前記第2の調節シャフトが前記第2の回転要素の回転方向に回転され、更に
第3の回転要素が設けられており、前記第3の回転要素は、前記第3の回転要素の回転時には前記第1の回転要素が回転されるように、前記第1の回転要素と協働し、更に
前記第1の回転要素と前記第2の回転要素は、前記第1の回転要素の回転時には前記第2の回転要素が前記第1の回転要素の回転方向とは逆方向に回転されるように協働し、更に
前記第1の調節シャフトと前記第2の調節シャフトは、これらの調節シャフトが前記第3の回転要素の回転によりもたらされる前記第1の回転要素と前記第2の回転要素の回転に基づきそれらのそれぞれの長手軸線に沿って互いに反対方向で直線的に運動するように支持されており、更に
前記旋回軸線は、両方の前記ライトモジュールが同時にそれらのそれぞれの旋回軸線の周りで同じ方向に旋回されるように延在すること、
を特徴とする調節装置が提供される。
より詳しくは、前記第1の視点において、
照射装置の第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを同時に調節するための調節装置であって、
前記第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、
両方の前記旋回軸線は、互いに平行に延在し、
前記調節装置は、
- 前記第1のライトモジュールと連結されているないし前記第1のライトモジュールと連結可能な第1の調節シャフトと、
- 前記第2のライトモジュールと連結されているないし前記第2のライトモジュールと連結可能な第2の調節シャフトとを含み、
前記第1の調節シャフトと前記第2の調節シャフトは、それらのそれぞれの長手軸線の周りに回転可能に支持されており、これらの調節シャフトは、それぞれ、当該調節シャフトの回転時には当該調節シャフトがその長手軸線の方向で直線的に運動するように支持されており、
前記第1の調節シャフトは、第1の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより前記第1の回転要素の回転時には、前記第1の調節シャフトが前記第1の回転要素の回転方向に回転され、更に
前記第2の調節シャフトは、第2の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより前記第2の回転要素の回転時には、前記第2の調節シャフトが前記第2の回転要素の回転方向に回転され、更に
第3の回転要素が設けられており、前記第3の回転要素は、前記第3の回転要素の回転時には前記第1の回転要素が回転されるように、前記第1の回転要素と協働し、更に
前記第1の回転要素と前記第2の回転要素は、直接的に互いに係合し、前記第1の回転要素の回転時には前記第2の回転要素が前記第1の回転要素の回転方向とは逆方向に回転されるように協働し、更に
前記第1の調節シャフトと前記第2の調節シャフトは、これらの調節シャフトが前記第3の回転要素の回転によりもたらされる前記第1の回転要素と前記第2の回転要素の回転に基づきそれらのそれぞれの長手軸線に沿って互いに反対方向で直線的に運動するように支持されており、更に
前記旋回軸線は、両方の前記ライトモジュールが同時にそれらのそれぞれの旋回軸線の周りで同じ方向に旋回されるように延在すること、
を特徴とする。
更に本発明の第2の視点により、
自動車用の照射装置であって、
前記照射装置は、第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを含み、前記第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、両方の前記旋回軸線は、互いに平行に延在する構成であり、
両方の前記ライトモジュールを同時に調節するために、前記照射装置は、上記調節装置を有すること、
を特徴とする照射装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により、第3の回転要素は、第1の回転要素を駆動し、また第1の回転要素は、第2の回転要素を逆方向に駆動し、第1の回転要素と第2の回転要素は、それらに割り当てられた調節シャフトを直線的に互いに反対方向に運動させ、それにより両方のライトモジュールは、同じ方向に旋回される。
【0012】
本発明は、特に照射装置の2つのライトモジュールの共通で同時の調節を可能にし、この際、調節装置とライトモジュールは、省スペースで配設可能である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
照射装置の第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを同時に調節するための調節装置であって、
前記第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、
両方の前記旋回軸線は、互いに平行に延在し、
前記調節装置は、
- 前記第1のライトモジュールと連結されているないし前記第1のライトモジュールと連結可能な第1の調節シャフトと、
- 前記第2のライトモジュールと連結されているないし前記第2のライトモジュールと連結可能な第2の調節シャフトとを含み、
前記第1の調節シャフトと前記第2の調節シャフトは、それらのそれぞれの長手軸線の周りに回転可能に支持されており、これらの調節シャフトは、それぞれ、当該調節シャフトの回転時には当該調節シャフトがその長手軸線の方向で直線的に運動するように支持されており、
前記第1の調節シャフトは、例えば冠歯車として構成されている第1の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより前記第1の回転要素の回転時には、前記第1の調節シャフトが前記第1の回転要素の回転方向に回転され、更に
前記第2の調節シャフトは、例えば冠歯車として構成されている第2の回転要素と相対回転不能に接続されており、それにより前記第2の回転要素の回転時には、前記第2の調節シャフトが前記第2の回転要素の回転方向に回転され、更に
例えば傘歯車として構成されている第3の回転要素が設けられており、前記第3の回転要素は、前記第3の回転要素の回転時には前記第1の回転要素が回転されるように、前記第1の回転要素と協働し、更に
前記第1の回転要素と前記第2の回転要素は、前記第1の回転要素の回転時には前記第2の回転要素が前記第1の回転要素の回転方向とは逆方向に回転されるように協働し、更に
前記第1の調節シャフトと前記第2の調節シャフトは、これらの調節シャフトが前記第3の回転要素の回転によりもたらされる前記第1の回転要素と前記第2の回転要素の回転に基づきそれらのそれぞれの長手軸線に沿って互いに反対方向で直線的に運動するように支持されており、更に
前記旋回軸線は、両方の前記ライトモジュールが同時にそれらのそれぞれの旋回軸線の周りで同じ方向に旋回されるように延在すること。
(形態2)
各前記調節シャフトは、連結装置を介し、直接的にそれぞれの前記ライトモジュールに係合するか、又はそれぞれの前記ライトモジュールが支持されている支持体に係合すること、
を特徴とする、形態1に記載の調節装置。
(形態3)
両方の前記連結装置は、特に水平方向に見て、両方の前記ライトモジュールの間か又は両方の前記旋回軸線の間に位置すること、
を特徴とする、形態2に記載の調節装置。
(形態4)
前記連結装置は、それぞれそれらの前記調節シャフトの前記長手軸線上に位置すること、
を特徴とする、形態2又は3に記載の調節装置。
(形態5)
前記連結装置は、垂直方向で同じ高さに位置し、好ましくは、前記調節シャフトの前記長手軸線は、水平方向に延在し、それにより好ましくは、前記調節シャフトの前記長手軸線は、共通の水平面内に位置すること、
を特徴とする、形態2~4のいずれか1つに記載の調節装置。
(形態6)
前記調節シャフトの前記長手軸線は、互いに平行に延在すること、
を特徴とする、形態1~5のいずれか1つに記載の調節装置。
(形態7)
前記第3の回転要素は、所定の回転軸線の周りに回転可能であり、好ましくは、前記回転軸線は、取付け位置で、垂直方向に延在し及び/又は前記調節シャフトの一方又は両方の前記長手軸線に対して直角に延在すること、
を特徴とする、形態1~6のいずれか1つに記載の調節装置。
(形態8)
前記第1の回転要素は、前記第1の調節シャフトと、前記第2の回転要素は、前記第2の調節シャフトと、それぞれ、各前記調節シャフトがその前記回転要素に関してその前記長手軸線に沿って自由に運動できるように、連結されていること、
を特徴とする、形態1~7のいずれか1つに記載の調節装置。
(形態9)
自動車用の照射装置、特に自動車投光器であって、
前記照射装置は、第1のライトモジュールと第2のライトモジュールを含み、前記第1のライトモジュールは、第1の旋回軸線の周りに旋回可能に支持され、前記第2のライトモジュールは、第2の旋回軸線の周りに旋回可能に支持されており、両方の前記旋回軸線は、互いに平行に延在する構成であり、
両方の前記ライトモジュールを同時に調節するために、前記照射装置は、形態1~8のいずれか1つに記載の調節装置を有すること。
(形態10)
両方の前記旋回軸線は、前記照射装置の取付け位置で垂直方向に延在すること、
を特徴とする、形態9に記載の照射装置。
(形態11)
前記ライトモジュールの各前記旋回軸線は、前記ライトモジュールに割り当てられた前記調節シャフトの前記長手軸線に対して直角に延在すること、
を特徴とする、形態9又は10に記載の照射装置。
(形態12)
前記ライトモジュールは、照射距離設定(調節)のために、特に動的な照射距離設定(調節)のために、取付け位置で水平方向において前記旋回軸線に対して横方向に延在する垂直旋回の軸線の周りに旋回可能であること、
を特徴とする、形態9~11のいずれか1つに記載の照射装置。
(形態13)
連結装置ないし連結装置のそれぞれの連結ポイントが、
- 前記垂直旋回の軸線内に位置するか、又は
- 前記垂直旋回の軸線を含む水平面内に位置すること、
を特徴とする、形態12に記載の照射装置。
(形態14)
前記照射装置は、ハウジングを有し、前記ライトモジュールは、前記ハウジング内に配設され、前記ハウジングに関して旋回可能に配設されており、更に前記調節装置は、前記第1の回転要素と前記第2の回転要素、及び好ましくは前記第3の回転要素も、前記ハウジングに関して位置固定であるが回転可能に配設されているように、前記ハウジング内に配設されていること、
を特徴とする、形態9~13のいずれか1つに記載の照射装置。
(形態15)
前記照射装置は、自動車投光器の構成部品であるか、又は自動車投光器として構成されていること、
を特徴とする、形態9~14のいずれか1つに記載の照射装置。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【0014】
好ましくは、各調節シャフトは、連結装置を介し、直接的にそれぞれのライトモジュールに係合するか、又はそれぞれのライトモジュールが支持されている支持体に係合することができる。
【0015】
両方の連結装置は、特に水平方向に見て、両方のライトモジュールの間か又は両方の旋回軸線の間に位置することができる。
【0016】
それによりライトモジュール及び/又はライトモジュールの旋回軸線は、両方の連結装置の外側で側方に位置し、この際、一方のライトモジュールは、両方の連結装置の一方の側(例えば左側又は右側)に位置し、他方のライトモジュールは、両方の連結装置の他方の側(例えば右側又は左側)に位置する。
【0017】
更に、連結装置は、それぞれそれらの調節シャフトの長手軸線上に位置することができる。
【0018】
好ましくは、連結装置は、垂直方向で同じ高さに位置し、この際、好ましくは、調節シャフトの長手軸線は、水平方向に延在し、それにより好ましくは、調節シャフトの長手軸線は、共通の水平面内に位置する。
【0019】
また前記課題は、典型的には自動車内の取付け位置にある調節装置に関する。
【0020】
特に、調節シャフトの長手軸線は、互いに平行に延在することができる。
【0021】
好ましくは、第3の回転要素は、所定の回転軸線の周りに回転可能であり、この際、好ましくは、該回転軸線は、取付け位置で、垂直方向に延在し及び/又は調節シャフトの一方又は両方の長手軸線に対して直角に延在する。
【0022】
特に、第1の回転要素は、第1の調節シャフトと、第2の回転要素は、第2の調節シャフトと、それぞれ、各調節シャフトがその回転要素に関してその長手軸線に沿って自由に運動できるように、連結されていることができる。
【0023】
この際、両方の第1の回転要素、特に冠歯車は、好ましくは、特にハウジングに関し、例えば照射装置のハウジングに対し、所定の固定位置において、即ち非摺動式で、配設されており、回転「だけ」をすることができる。
【0024】
更に前記課題は、自動車用の冒頭に記載した照射装置、特に自動車投光器(例えば自動車前照灯)により解決され、この際、両方のライトモジュールを同時に調節するために、照射装置は、上述した調節装置を有する。
【0025】
特に、両方の旋回軸線は、照射装置の取付け位置で垂直方向に延在することができる。
【0026】
それらの垂直方向の旋回軸線の周りで、ライトモジュールは、水平方向において、即ち左方にないし右方に旋回されることが可能である。
【0027】
更に、ライトモジュールの各旋回軸線は、ライトモジュールに割り当てられた調節シャフトの長手軸線に対して直角に延在することができる。
【0028】
多くの場合、ライトモジュールは、照射距離(Leuchtweiten)設定(ないし調節)のために、特に動的な照射距離設定(調節)のために、取付け位置で水平方向において旋回軸線に対して横方向に延在する垂直(上下方向)旋回の軸線の周りに旋回可能である。
【0029】
この場合、連結装置ないし連結装置のそれぞれの連結ポイントが、
・垂直旋回の軸線内に位置するか、又は
・垂直旋回の軸線を含む水平面内に位置する
と有利であり得る。
【0030】
従って、旋回軸線は、好ましくは、この垂直旋回の軸線に対して直角に延在する。
【0031】
更に、照射装置は、ハウジングを有し、ライトモジュールは、該ハウジング内に配設され、該ハウジングに関して旋回可能に配設されており、更にこの際、調節装置は、第1の回転要素と第2の回転要素、及び好ましくは第3の回転要素も、該ハウジングに関して位置固定であるが回転可能に配設されているように、ハウジング内に配設されている。
【0032】
照射装置は、例えば自動車投光器の構成部品であるか、又は自動車投光器として構成されている。
【0033】
以下、非限定的な図面に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】自動車投光器の形態の本発明による一照射装置を、斜め前方からの概要斜視図として示す図である。
図2】純粋に模式的に図示された本発明による照射装置を前方から見た図である。
図3図1ないし図2の照射装置用の本発明による一調節装置を示す図である。
図4図3の調節装置の一部分を示す図である。
図5図4に図示された調節装置の部分を分解した状態で示す図である。
【実施例
【0035】
図面は、具体的な一例に基づいて本発明を説明するためのものである。しかしライトモジュールの調節機構に関連して以下で述べる内容は、この具体的な関連だけに当てはまるのではなく、普遍的に有効であり、また下記の具体的な実施形態に限定されるものではない。
【0036】
図1は、ここでは自動車投光器(例えば自動車前照灯)の形態の一照射装置(照明装置)1000を、斜め前方からの切断部分図として示している。照射装置1000は、ハウジング1001を含んでいる。
【0037】
ハウジング1001内には、2つのライトモジュール10、20(図面では示唆されてのみ図示、或いは参照符号線によってのみ示唆)が配設されている。この際、両方のライトモジュール10、20は、それぞれ旋回軸線110、120の周りに旋回可能であり、それによりライトモジュール10、20により放出される光束の方向を横方向において(即ち左方ないし右方に)設定(ないし調節)することができる。
【0038】
具体的な一例では、外側のライトモジュール20は、前域配光とハイビームスポットを生成し、内側のライトモジュール10は、非対称ロービーム配光とセグメント化されたハイビーム配光を生成する。
【0039】
この際、具体的な一例では、ライトモジュール10、20は、それぞれ支持体10a、20aに固定的に取り付けられており、支持体10a、20aは、それぞれの旋回軸線110、120の周りに旋回可能である。
【0040】
旋回軸線110、120は、好ましくは平行であり、典型的に旋回軸線110、120は、照射装置の取付け位置で垂直方向に延在し、この際、当業者に明らかであるように、その方向付けから数度のずれが生じていてもよい。基本的にライトモジュールないしそれらの支持体は、直接的に照射装置1000のハウジング1001に関して旋回可能とすることができ、又はそれらは、本実施例におけるように、共通の支持体1002に取り付けられ、この共通の支持体1002に関して旋回可能としてもよい。またこの支持体1002は、水平方向の旋回軸線(垂直旋回の軸線)130の周りに旋回可能とすることができ、それによりライトモジュール10、20は、垂直方向において、即ち上下に、それらの照射距離の設定(ないし調節)のために一緒に旋回されることが可能である。
【0041】
共通の支持体1002の「ゼロ位置」において、垂直方向の旋回軸線は、上述したように例えば垂直方向にあるが、支持体1002の旋回位置において、それらの旋回軸線110、120は、明らかにもはや垂直方向にはなく、このゼロ位置から僅かにそらされている。
【0042】
図1は、ほぼx方向で照射装置1000を斜めに見た図を示しており、この際、x方向は、ほぼ光の主伝播方向の方向であり、それに対して図2は、正にx方向で照射装置1000を見た図を示しており、この際、図2において、照射装置1000は、単に模式的に図示されている。
【0043】
以下、図3図5とともに図2に基づき、本発明の機能形式を詳細に説明する。
【0044】
この際、図3図5は、両方のライトモジュール、即ち第1のライトモジュール10と第2のライトモジュール20を同時に調節するための本発明による調節装置(アジャスティングデバイス)100を詳細に示している。
【0045】
調節装置100は、第1のライトモジュール10と連結されている第1の調節シャフト(調節軸)1と、第2のライトモジュール20と連結されている第2の調節シャフト(調節軸)2とを含んでいる。
【0046】
調節装置100は、図示の例では複数のハウジング要素(ハウジング部分)30、31、32から構成されている調節装置ハウジング40を有する。調節装置100は、この調節装置ハウジング40を介して照射装置1000のハウジング1001と固定的に接続されている。この際、調節装置ハウジング40は、ハウジング要素32を用いてハウジング1001と接続され、例えばねじ固定される。
【0047】
調節装置ハウジング40内には、図3に見られるように、第1の調節シャフト1と第2の調節シャフト2がそれぞれの長手軸線11、21の周りに回転可能に支持されている。更にこれらの調節シャフト1、2は、それぞれ、当該調節シャフト1、2の回転時には当該調節シャフト1、2がその長手軸線11、21の方向で直線的に運動するように支持されている。
【0048】
図3図4に見られるように、対応の支持機構のために、例えば各調節シャフト1、2は、ねじ部分7、8を有し、このねじ部分7、8は、調節装置ハウジング40のハウジング部分32における対向ねじ部分7a、8aと次のように協働する、即ちそれぞれの調節シャフト1、2の回転時には当該調節シャフト1、2が調節装置ハウジング40に関してその長手軸線11、21の方向で、回転方向に応じ、前方に又は後方に、直線的に摺動するように協働する。
【0049】
更に調節装置100は、この実施例では冠歯車(クラウンギヤ)3(図5)として構成されている第1の回転要素を含み、第1の調節シャフト1は、第1の冠歯車3と相対回転不能に接続されており、それにより第1の冠歯車3の回転時には、第1の調節シャフト1が第1の冠歯車3の回転方向に回転される。
【0050】
更に同様に(第2の)冠歯車4として構成されている第2の回転要素が設けられており、第2の回転要素は、同様に第2の調節シャフト2と協働する。
【0051】
両方の冠歯車3、4は、ハウジング部分30、31内に回転可能であるが(長手方向には)摺動不能に支持されている(図5)。更に第1の冠歯車3と第2の冠歯車4は、図示の例では、それぞれスリーブ3b、4bと固定的に接続されているか又はスリーブ3b、4bと一体的に構成されている。調節シャフト1、2は、それぞれこれらのスリーブ3b、4b内に差し込まれ、これらのスリーブ3b、4bに関し、従って冠歯車3、4に関し、スリーブ3b、4b内で長手方向に運動することができ、即ち長手方向に摺動されることが可能である。
【0052】
そのために、図4に例示されているように、調節シャフト1、2と、割り当てられたスリーブ3b、4bとの間には、それぞれ連動装置が設けられ、例えば調節シャフト1、2の長手方向に延在する1つ又は複数の突出部1c、2cが設けられており(即ちスピンドル状部が形成され)、これらの突出部1c、2cは、スリーブ3b、4bにおいて同方向に延在する対応のくぼみ部3c、4c内に係合し、それにより冠歯車3、4の回転時には、従ってスリーブ3b、4bの回転時には、調節シャフト1、2も同時に回転され、しかし同時に長手方向に運動することができる。
【0053】
それらの突出部は、逆の構成として、スリーブの内側に設けられ、くぼみ部が調節シャフトに設けられていることも可能であり、又は、くぼみ部と突出部が調節シャフトに設けられ、対応の突出部とくぼみ部がスリーブに設けられていることも可能である。
【0054】
それらのくぼみ部は、これらに係合する突出部と共同で、好ましくは過回転防止部を構成することもできる。
【0055】
更にこの実施例では傘歯車(ベベルギヤ)5として構成されている第3の回転要素が設けられている。この傘歯車5は、図示の例ではハウジング部分30内に回転可能に支持されている。
【0056】
傘歯車5は、傘歯車5の回転時には第1の冠歯車3が回転されるように、第1の冠歯車3と協働(噛合)する。また第1の冠歯車3と第2の冠歯車4は、第1の冠歯車3の回転時には第2の冠歯車4が第1の冠歯車3の回転方向とは逆方向に回転されるように協働する。
【0057】
そのために、それらの歯車3、4、5は、互いに係合する対応のかみ合い部3a、4a、5aを有し、それにより歯車3、4、5は、上述のように協働する。
【0058】
従って傘歯車5の回転に基づき、両方の冠歯車3、4が同時に且つ互いに逆方向に回転され、それにより調節シャフト1、2は、それぞれの長手軸線11、21に沿って互いに反対方向で直線的に運動する。
【0059】
好ましくは、両方の調節シャフトのためのねじ部/対向ねじ部は、互いに同方向(同じねじの向き)に構成されており、それにより(逆方向に回転する)調節シャフトは、逆方向、即ち異なる方向に、直線的に運動する。
【0060】
両方の調節シャフトのためのねじピッチは、同一にすることができ、それにより調節シャフトは、同じ範囲で直線的に運動する。ライトモジュール10の旋回軸線110に対する第1の調節シャフト1の連結箇所(連結装置)1aの通常間隔(ノーマル間隔)が、第2の旋回軸線120に対する第2の調節シャフト2の連結箇所(連結装置)2aの通常間隔(ノーマル間隔)と同一であると、この場合には、両方のライトモジュールは、同じ角度の大きさで旋回される。
【0061】
しかしまたねじピッチは、変更することもできる。この場合には、通常間隔は、同一である必要はなく、ライトモジュールの旋回を同じ旋回角度(旋回角度の大きさ)で達成するために、ねじピッチと適合させてフレキシブルに選択することができる。
【0062】
説明した関係は、異なる大きさの調節角度を実現するために利用することもできる。
【0063】
冠歯車(クラウンギヤ)は、好ましくは同一の直径を有するが、異なる直径を有することもでき、その際に冠歯車は、異なる回転幅で回転する。
【0064】
典型的には照射装置1000のハウジング1001の内部にある傘歯車5は、外部から、特に手動で、例えばスクリュドライバのような工具を用い、回転ねじのような設定(調節)要素50(図1図3)の回転により回転されることが可能であり、この際、設定要素50は、ハウジング1001から突き出ており、ハウジング1001と面一的に終端するか、又は所定のハウジング開口部を介して容易にアクセス可能である。この際、設定要素50は、具体的な例では回転ロッド51を用いて傘歯車5と接続されている。
【0065】
調節シャフト1、2の(互いに)逆方向の運動時にライトモジュール10、20が同じ方向に旋回されるために、旋回軸線110、120は、それに応じて配設されており、以下、このことについて詳細に説明する。
【0066】
各調節シャフト1、2は、連結装置1a、2aを介し、直接的にそれぞれのライトモジュールと接続されているか、又は図示の例では、ライトモジュール10、20が支持されているそれぞれの支持体10a、20aと接続されている。この際、連結装置1a、2aは、例えば調節シャフト1、2の端部におけるボールヘッド12、22を含み、これらのボールヘッド12、22は、ライトモジュール10、20ないし支持体10a、20aに好ましくは固定的に接続されている対応のボールソケット221、222に係合する。それにより調節シャフトとライトモジュール/キャリアの間の関節接続部が構成される。
【0067】
両方の連結装置1a、2aは、両方のライトモジュール10、20ないしそれらの支持体10a、20a(図2)の間に位置するか、又は特に両方の旋回軸線110、120の間に位置する。
【0068】
それによりライトモジュール及び/又はライトモジュールの旋回軸線は、両方の連結装置の外側で側方に位置し、この際、一方のライトモジュールは、両方の連結装置の一方の側(例えば左側又は右側)に位置し、他方のライトモジュールは、両方の連結装置の他方の側(例えば右側又は左側)に位置する。
【0069】
それにより両方の調節シャフトが(互いに)反対方向に運動しても、両方のライトモジュールが同じ方向に回転されることが保証されている。
【0070】
更に図2図3から見てとれるように、連結装置1a、2aは、それぞれそれらの調節シャフト1、2の長手軸線11、21上に位置することができ、また連結装置1a、2aは、垂直方向(上/下)で同じ高さに位置し、この際、好ましくは、調節シャフト1、2の長手軸線11、21は、水平方向に延在し、それにより好ましくは、調節シャフト1、2の長手軸線11、12は、共通の水平面内に位置する(但し旋回軸線110、120が実際に垂直方向に延在するという条件のもとのことであり、この際、例えば共通の支持体1002がその旋回軸線(水平軸線)130の周りに旋回されている場合には、上述したように垂直方向からそれることがある。)。
【0071】
両方の調節シャフト1、2と、割り当てられた回転要素3、4(スリーブのような対応の部品とともに)と、ねじ部と、対向ねじ部とが、(夫々互いに)同一に構成されていると、構成部品の多種性を減らすことができる。
【0072】
特に、調節シャフト1、2の長手軸線11、21が図示のように互いに平行に延在すると、有利である。
【0073】
傘歯車5は、所定の回転軸線15の周りに回転可能であり、この際、好ましくは、回転軸線15は、取付け位置で、垂直方向に延在し及び/又は調節シャフト1、2の一方又は両方の長手軸線11、21に対して直角に延在する。
【0074】
特に、ライトモジュール10、20の旋回軸線110、120は、ライトモジュール10、20に割り当てられた調節シャフト1、2の長手軸線11、21に対して直角に延在することができる。
【0075】
好ましくは、連結装置1a、2aないし連結装置1a、2aのそれぞれの連結ポイントは、支持体1002の水平方向の垂直(上下)旋回の軸線130内に位置するか、又は垂直(上下)旋回の軸線130を含む水平面内に位置する。
【0076】
説明されて図示された実施形態では、連結要素の係合ポイントは、両方のライトモジュールの間の中央に配設されている。一方の旋回軸線110は、ライトモジュール10(ないしその支持体)を通って延在し、他方の旋回軸線120は、ライトモジュール20(ないしその支持体)の外側縁部に延在する。
【0077】
尚、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、更にその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。即ち本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想に従って当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0078】
1000 照射装置
1001 ハウジング
1002 支持体

10 ライトモジュール
10a 支持体
20 ライトモジュール
20a 支持体
110 旋回軸線
120 旋回軸線
130 垂直(上下)旋回の軸線

100 調節装置
1 第1の調節シャフト
1a 連結箇所/連結装置
1c 突出部
2 第2の調節シャフト
2a 連結箇所/連結装置
2c 突出部
3 第1の回転要素/冠歯車
3a かみ合い部
3b スリーブ
3c くぼみ部
4 第2の回転要素/冠歯車
4a かみ合い部
4b スリーブ
4c くぼみ部
5 第3の回転要素/傘歯車
5a かみ合い部
7 ねじ部分
7a 対向ねじ部分
8 ねじ部分
8a 対向ねじ部分
11 長手軸線
12 ボールヘッド
15 回転軸線
21 長手軸線
22 ボールヘッド
30 ハウジング要素/ハウジング部分
31 ハウジング要素/ハウジング部分
32 ハウジング要素/ハウジング部分
40 調節装置ハウジング
50 設定要素
51 回転ロッド
221 ボールソケット
222 ボールソケット
図1
図2
図3
図4
図5