IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーピージー  テクノロジーズ、 エルエルシーの特許一覧

特許7471396ツェネック表面波発射のための異方性構成パラメータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】ツェネック表面波発射のための異方性構成パラメータ
(51)【国際特許分類】
   H01P 5/08 20060101AFI20240412BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H01P5/08 G
H01Q1/38
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2022515136
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 US2020063930
(87)【国際公開番号】W WO2021119077
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-12-07
(31)【優先権主張番号】16/708,048
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518080156
【氏名又は名称】シーピージー テクノロジーズ、 エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】CPG TECHNOLOGIES, LLC
【住所又は居所原語表記】1130 Dale Acres Road, Italy, Texas 76651, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ビュフォード ランダル
(72)【発明者】
【氏名】リリー, ジェームズ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ティンリン, ベンジャミン ジェイ.
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-528111(JP,A)
【文献】特開2006-245926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/00- 3/20
H01P 5/00- 11/00
H01Q 1/00- 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導表面波装置であって、
発射トランスデューサまたは受信トランスデューサと、
前記発射トランスデューサまたは前記受信トランスデューサの少なくとも一部の周りおよび地上媒体の上方に分配される異方性構成パラメータ(ACP)素子のアレイと、を含み、ACP素子の前記アレイは、
前記地上媒体の上方に配された第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上の線形のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方のある高さに水平レイヤを形成している、誘導表面波装置。
【請求項2】
ACP素子の前記アレイは、相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上の線形のシリーズのそれぞれがρ方向に直線的に配向された円筒形のアレイである、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項3】
ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方の前記高さに分配されるRRAAD素子の前記水平レイヤの上方に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の前記水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の前記第2の水平レイヤを含み、RRAAD素子の前記第2の水平レイヤは、
前記水平レイヤ内の前記第1の複数のRRAAD素子の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含み、前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項4】
ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含み、前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子および前記第2の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方の前記高さで前記水平レイヤを形成している、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項5】
前記第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上の線形のシリーズのRRAAD素子および前記第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズのRRAAD素子は、画定された距離だけそのシリーズの隣接する素子から分離される、請求項4に記載の誘導表面波装置。
【請求項6】
ACP素子の前記アレイは、前記第1の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上の線形のシリーズをx方向に直線的に配向し、前記第2の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズを前記x方向に実質的に垂線なy方向に直線的に配向した、矩形アレイである、請求項4に記載の誘導表面波装置。
【請求項7】
前記発射トランスデューサは、周波数(f)の電磁場でACP素子の前記アレイを励起し、それによって、前記電磁場を前記地上媒体のツェネック表面波モードに実質的にモード整合するように構成される、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項8】
前記受信トランスデューサは、ACP素子の前記アレイを介して周波数(f)で前記地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波と結合するように構成され、ACP素子の前記アレイは、前記受信トランスデューサの周りに前記ツェネック表面波からの電磁エネルギを集中させるように構成される、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項9】
ACP素子の前記アレイの個々のRRAAD素子は、並列に接続されたキャパシタおよび抵抗を含み、前記キャパシタおよび前記抵抗は、1つ以上の集中定数素子コンポネントを含む、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項10】
ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を含み、前記複数のVLAAD素子は、前記水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項11】
前記発射トランスデューサまたは前記受信トランスデューサの周りに分配される水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを含み、HAAMP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む、請求項1に記載の誘導表面波装置。
【請求項12】
方法であって、
複数の異方性構成パラメータ(ACP)素子を発射トランスデューサまたは受信トランスデューサの少なくとも一部の周りに提供することと、
地上媒体の上方で前記複数のACP素子のアレイを構成することと、を含み、ACP素子の前記アレイを構成することは、
第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を前記地上媒体の上方に配することを含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上の線形のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方のある高さに水平レイヤを形成している、方法。
【請求項13】
前記発射トランスデューサによって生成された電磁場でACP素子の前記アレイを励起し、ACP素子の前記アレイが、周波数(f)で前記電磁場を前記地上媒体のツェネック表面波モードに実質的にモード整合するように構成されていることと、
前記発射トランスデューサからのエネルギを、ACP素子の前記アレイを介して前記地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波に結合することと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
周波数(f)で前記地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波からの電磁エネルギを、ACP素子の前記アレイを介して集中させることと、
前記ツェネック表面波から前記集中された電磁エネルギから、前記受信トランスデューサを介して電力を抽出することと、
前記抽出された電力の少なくとも一部を負荷に供給することと、をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ACP素子の前記アレイは、相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上の線形のシリーズのそれぞれがρ方向に直線的に配向された円筒形のアレイである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ACP素子の前記アレイを構成することは、前記地上媒体の上方の前記高さに分配されるRRAAD素子の前記水平レイヤの上方に、RRAAD素子の前記水平レイヤに実質的に平行な第2の水平レイヤに第2の複数のRRAAD素子を配することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ACP素子の前記アレイは、前記第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上の線形のシリーズをx方向に直線的に配向し、第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズを前記x方向に実質的に垂線なy方向に直線的に配向した、矩形アレイである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
ACP素子の前記アレイを構成することは、前記発射トランスデューサまたは前記受信トランスデューサの周りに分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を配することを含み、前記複数のVLAAD素子は、前記地上媒体の上方に配され、前記複数のVLAAD素子は、前記水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを、前記発射トランスデューサまたは前記受信トランスデューサの周りに構成することをさらにみ、HAAMP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
誘導表面波システムであって、
発射トランスデューサの少なくとも一部の周りおよび地上媒体の上方に分配される異方性構成パラメータ(ACP)素子のアレイであって、ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上の線形のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方のある高さで水平レイヤを形成し、ここで、周波数(f)で前記発射トランスデューサによって生成された電磁場でのACP素子の前記アレイの励起は、前記電磁場を前記地上媒体のツェネック表面波モードに実質的にモード整合する、ACP素子の前記アレイと、
前記発射トランスデューサから前記地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波からの電磁エネルギから電力を抽出するように構成された受信トランスデューサと、を含む、誘導表面波システム。
【請求項23】
ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体より上方の前記高さに分配されるRRAAD素子の前記水平レイヤの上方に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の前記水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の前記第2の水平レイヤを含み、RRAAD素子の前記第2の水平レイヤは、前記水平レイヤ内の前記第1の複数のRRAAD素子よりも上方に配される第2の複数のRRAAD素子を含む、請求項22に記載の誘導表面波システム。
【請求項24】
ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含み、前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子および前記第2の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方の前記高さで前記水平レイヤを形成している、請求項22に記載の誘導表面波システム。
【請求項25】
ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を含み、前記複数のVLAAD素子は、前記水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、請求項22に記載の誘導表面波システム。
【請求項26】
前記発射トランスデューサの周りに分配される水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを含み、HAAMP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む、請求項22に記載の誘導表面波システム。
【請求項27】
前記受信トランスデューサの周りの前記地上媒体の上方に分配されるACP素子の第2のアレイを含み、ACP素子の前記第2のアレイは、前記受信トランスデューサの周りに前記ツェネック表面波からの電磁エネルギを集中させるように構成され、前記受信トランスデューサは、前記ツェネック表面波から前記集中された電磁エネルギから電力を抽出する、請求項22に記載の誘導表面波システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヨナタン・ツェネックは、1907年にツェネック表面波(ZWS)の特性の基本理論を最初に発表した。マクスウェルの場の方程式から導かれる波動方程式に対するツェネックの解は、理論数学において、そのような波動の特性と挙動を、指向性の伝播定数と、種々の電気的および磁気的ベクトル場成分間のインピーダンスの関係と、によって正確に記述する。用語“ツェネック表面波”(ZSW)は、電磁エネルギが、地球と空気となどの損失のある誘電体と無損失の誘電体との間の界面によって、点から点へと、界面に沿って導かれる、波動伝播の固有のモードを指す。電気エネルギの従来の電力線送達は、タワーからタワーまたはポールからポールにまたがる伝送線ワイヤによって誘導される電磁波を介して達成される。放射された電気エネルギは、ラジオ、テレビ、携帯電話などに使われているように、誘導されず、移動するにつれてあらゆる方向に広がり、地球や他の物体の表面に遭遇すると、反射し、複数の方向に屈折する。
【0002】
ZSWは、導体誘導波とアンテナから発射され伝播する波との間のドメインに存在する。具体的には、ZSWは、表面との複素ブリュースター入射角を含む伝播特性を持つ波が地球に衝突するたびに、地球の表面に誘導される電流密度を利用する。よく知られたブリュースター効果は、道路の平面に横たわる水の池、または、鏡から反射が来るように見えるような角度で光が高速道路に当たるときに見られる。ZSWに必要なブリュースター角の“複素の”特徴は、ツェネック表面波を構成する場の成分間に存在する位相関係を指す。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、ツェネック表面波(ZSW)、または、他のタイプの表面波を発射または受信するために使用されうる異方性構成パラメータ(ACP)素子を含むシステム、方法および装置に関する。特に、1つの態様では、誘導表面波装置は、発射構造または受信構造と、発射構造または受信構造の周りの地上媒体の上方に分配される異方性構成パラメータ(ACP)素子のアレイと、を含み、ACP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含み、第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、第1の複数のRRAAD素子は、地上媒体の上方のある高さに水平レイヤを形成している。1つ以上の態様において、ACP素子のアレイは、相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのそれぞれがρ方向に直線的に配向された円筒形のアレイでありうる。
【0004】
種々の態様において、ACP素子のアレイは、地上媒体の上方のある高さに分配されるRRAAD素子の水平レイヤの上方に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の第2の水平レイヤを含みうる。RRAAD素子の第2の水平レイヤは、水平レイヤ内の第1の複数のRRAAD素子の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含みうり、第2の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。ACP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含みうり、第2の複数のRRAAD素子は、第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、第1の複数のRRAAD素子および第2の複数のRRAAD素子は、地上媒体の上方のある高さで水平レイヤを形成している。第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのRRAAD素子および第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのRRAAD素子は、画定された距離だけそのシリーズの隣接する素子から分離されうる。ACP素子のアレイは、第1の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズをx方向に直線的に配向し、第2の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズをx方向に実質的に垂線なy方向に直線的に配向した、矩形アレイでありうる。
【0005】
いくつかの態様において、発射構造は、周波数(f)の電磁場でACP素子のアレイを励起し、それによって、電磁場を地上媒体のツェネック表面波モードに実質的にモード整合するように構成されうる。受信構造は、ACP素子のアレイを介して周波数(f)で地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波と結合するように構成されうり、ACP素子のアレイは、受信構造の周りにツェネック表面波からの電磁エネルギを集中させるように構成される。ACP素子のアレイの個々のRRAAD素子は、並列に接続されたキャパシタおよび抵抗を含みうり、キャパシタおよび抵抗は、1つ以上の集中定数素子コンポネントを含む。ACP素子のアレイは、地上媒体の上方に分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を含みうり、複数のVLAAD素子は、地上媒体の上方に配され、複数のVLAAD素子は、水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。誘導表面波装置は、発射構造または受信構造の周りに分配される水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを含みうり、HAAMP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む。
【0006】
別の態様において、方法は、複数の異方性構成パラメータ(ACP)素子を発射構造または受信構造の周りに提供することと、地上媒体の上方で複数のACP素子のアレイを構成することと、を含み、ACP素子のアレイを構成することは、第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を地上媒体の上方に配することを含み、第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、第1の複数のRRAAD素子は、地上媒体の上方のある高さに水平レイヤを形成している。1つ以上の態様において、方法は、発射構造によって生成された電磁場でACP素子のアレイを励起し、ACP素子のアレイが、周波数(f)で電磁場を地上媒体のツェネック表面波モードに実質的にモード整合するように構成されていることと、発射構造からのエネルギを、ACP素子のアレイを介して地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波に結合することと、を含みうる。方法は、周波数(f)で地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波からの電磁エネルギを、ACP素子のアレイを介して集中させることと、ツェネック表面波から集中された電磁エネルギから、受信構造を介して電力を抽出することと、抽出された電力の少なくとも一部を負荷に供給することと、を含みうる。
【0007】
種々の態様において、ACP素子のアレイは、相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのそれぞれがρ方向に直線的に配向された円筒形のアレイでありうる。ACP素子のアレイを構成することは、地上媒体の上方のある高さに分配されるRRAAD素子の水平レイヤの上方に、RRAAD素子の水平レイヤに実質的に平行な第2の水平レイヤに第2の複数のRRAAD素子を配することを含みうる。第2の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含みうる。第2の複数のRRAAD素子は、第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含みうる。ACP素子のアレイは、第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズをx方向に直線的に配向し、第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズをx方向に実質的に垂線なy方向に直線的に配向した、矩形アレイでありうる。
【0008】
いくつかの態様において、ACP素子のアレイを構成することは、発射構造または受信構造の周りに分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を配することを含みうり、複数のVLAAD素子は、地上媒体の上方に配され、複数のVLAAD素子は、水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。方法は、水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを、発射構造または受信構造の周りに構成することを含みうり、HAAMP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む。
【0009】
別の態様において、誘導表面波システムは、発射構造の周りの地上媒体の上方に分配される異方性構成パラメータ(ACP)素子のアレイであって、ACP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含み、第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、第1の複数のRRAAD素子は、地上媒体の上方のある高さで水平レイヤを形成し、ここで、周波数(f)で発射構造によって生成された電磁場でのACP素子のアレイの励起は、電磁場を地上媒体のツェネック表面波モードに実質的にモード整合する、ACP素子のアレイと、発射構造から地上媒体に沿って伝播するツェネック表面波からの電磁エネルギから電力を抽出するように構成された受信構造と、を含む。1つ以上の態様において、誘導表面波システムは、受信構造の周りの地上媒体の上方に分配されるACP素子の第2のアレイを含みうり、ACP素子の第2のアレイは、受信構造の周りにツェネック表面波からの電磁エネルギを集中させるように構成されるように構成され、受信構造は、ツェネック表面波から集中された電磁エネルギから電力を抽出する。
【0010】
種々の態様において、ACP素子のアレイは、地上媒体より上方のある高さに分配されるRRAAD素子の水平レイヤの上方に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の第2の水平レイヤを含みうり、RRAAD素子の第2の水平レイヤは、水平レイヤ内の第1の複数のRRAAD素子よりも上方に配される第2の複数のRRAAD素子を含む。ACP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含みうり、第2の複数のRRAAD素子は、第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、第1の複数のRRAAD素子および第2の複数のRRAAD素子は、地上媒体の上方のある高さで水平レイヤを形成している。ACP素子のアレイは、地上媒体の上方に分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を含みうり、複数のVLAAD素子は、地上媒体の上方に配され、複数のVLAAD素子は、水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。いくつかの態様において、誘導表面波システムは、発射構造の周りに分配される水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを含みうり、HAAMP素子のアレイは、地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む。
【0011】
本開示の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討することによって、当業者には明らか、または、明らかになるであろう。そのような追加のシステム、方法、特徴および利点のすべては、本明細書内に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の請求項によって保護されることが意図される。加えて、記載された実施形態の任意選択的および好ましい特徴および修正のすべては、本明細書で教示される開示のすべての態様において使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴、ならびに、記載された実施形態の任意選択的および好ましい特徴および修正のすべては、互いに組み合わせ可能であり、交換可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照することによって、よりよく理解されうる。図面中のコンポネントは、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本開示の原理を明確に示すことに重点を置いている。さらに、図面において、同様の参照番号は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。
【0013】
図1図1は、本開示の種々の実施形態による、ツェネック表面波(ZSW)の伝送に使用される2つの領域を有する伝播界面を示す。
【0014】
図2A図2Aは、本開示の種々の実施形態による、垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子および半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含む異方性構成パラメータ(ACP)素子の例を示す。
【0015】
図2B図2Bは、本開示の種々の実施形態による、水平人工異方透磁性(HAAMP)素子の例を含む、図2AのACP素子の例を示す。
【0016】
図3A】、
図3B】、
図3C図3A~3Cは、本開示の種々の実施形態による、異方性構成パラメータ導出および実装形態の幾何学的形状の例を示す。
【0017】
図4図4は、本開示の種々の実施形態による、分散されたアレイ素子の円筒座標系の記述を描写する異方性構成パラメータ(ACP)素子の半径方向の配置を示す。
【0018】
図5図5は、本開示の種々の実施形態による、半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含むACP素子の直交座標配置を示す。
【0019】
図6A】、
図6B図6A~6Bは、本開示の種々の実施形態による、素子の奇数および偶数の行および列の場合のACP素子の選択されるx-yグリッド配置をそれぞれ示す。
【0020】
図6C図6Cは、本開示の種々の実施形態による、ACP素子の3次元直交座標配置を示す。
【0021】
図7図7は、本開示の種々の実施形態による、HAAMP素子などのACP素子の2次元円筒座標配置を示す。
【0022】
図8A】、
図8B図8Aおよび8Bは、本開示の種々の実施形態による、RRAAD素子の抵抗値を変化させる効果を示す、表面波の位相と振幅の測定値との、導電率選択設定(シグマインデックス)に対するプロットである。
【0023】
図9図9Aおよび9Bは、本開示の種々の実施形態による、従来の受信機によるモノポールアンテナを使用する単純な受信構造と、ACP素子(VLAADおよびHAAMP)を使用して受信構造の周りに信号を集中させる受信構造と、のシミュレーション結果の比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書の開示は、ツェネック表面波(ZSW)、または、他のタイプの表面波を発射または受信するために使用されうる異方性構成パラメータ(ACP)システムを形成するためのACP素子に関連する種々の例である。ZSWは、本開示の文脈において、放射なしで、例えば、空気と地球となどの2つの媒体間の急峻な界面によって誘導され、束縛される表面波である。界面自体は、損失のある誘電体、無損失の誘電体、または、その両方の組み合わせ(例えば、空気と、地上媒体または地球と、の複素電気特性)などの境界媒体の電気特性の間に見られる不連続性の観点から定義されうる。他の表面波の例は、一般に異方性誘電体と等方性誘電体との間の界面を伝播するDyakonov波、または、低損失誘電体の薄層でコーティングされた金属表面を伝播するSommerfeld-Goubau波を含むが、これらに限定されない。これらの表面波は、放射せずに表面を伝播するが、その違いは、界面を構成する物質の特性にある(例えば、一方の媒体が無損失材料であり、他方の媒体が損失性の誘電体である)。次に、図面に示されるような実施形態の説明を詳細に参照し、ここで、同様の参照番号は、いくつかの図全体にわたって同様の部分を示す。
【0025】
ZSWの第1の場の成分は、円筒形ZSW発射構造を取り囲む時間変化する横方向磁場である。マクスウェルの方程式によれば、典型的にはシンボルHφによって示される。この時間変化する磁場は、磁場に垂直なあらゆる場所に時間変化する電場を生成する。2つの電場が生成される。Eと呼ばれる1つの場は、界面(例えば、地球)の表面に対して垂直な方向を指す。Eρで示されるはるかに小さな第2の場は、ZSWの半径方向の進行方向を指す。界面(または誘導)の表面(例えば、地球の表面)に沿って点から点へ移動する電力は、EおよびHφによって運ばれる。Eρは、Eよりはるかに小さくても、正しいEρを確立することは、ZSWを発射するために重要である。ZSWを発射するためのEρが得られると、波のエネルギは、表面から離れて空間に放射されるのではなく、(例えば、地球の)誘導表面の輪郭に従う。
【0026】
ZSWを支持することができる誘導表面に沿ってエネルギ伝達が可能である。損失のある、および/または、無損失の誘電体界面は、ZSWを支持するために使用されうり、界面の幾何学的形状(矩形状、球形状、円盤形状などかどうか)に関わらず、定在波は、その特定の誘導表面上で得られる効率的な電力伝達のために確立される。グローバルスケールでの効率的な電力伝送のために、ZSWは完全に世界をまたぐことができる。グローバルなカバーを得るために、ZSWの周波数は、低キロヘルツ(kHz)周波数レンジ、典型的には10kHz以下である。この低い周波数は、波が地球の表面に沿って進むときに受ける減衰の量によって駆動される。より高い周波数では、減衰係数は非常に大きくなりうり、受信機によって捕捉されないZSWに投入されたエネルギのすべてが地球によって吸収される。より低い周波数では、地球内の熱に起因して失われるエネルギの量の非常に少ないグローバルな定在波が確立されうり、受信機または受信構造は、必要が生じたときおよび必要が生じた場所で、定在波からエネルギを抽出することができる。誘電体界面の導電率および誘電率の値が、周囲のデザインではなく設計者が特定することができるデザインされた誘導表面の場合、減衰量は、誘導表面のデザインによって低減または最小化されうる。
【0027】
ZSWのための発射構造は、アンテナではなく、むしろ、地球または他の適切な損失のある、および/または、無損失の界面と接触し、そのすぐ上にある例えば空気などの誘導表面にエネルギ源を接続する結合プローブである。結合プローブのサイズは動作周波数に依存するが、アンテナが同じレベルの電力を自由空間で同じ効率で伝送するようにデザインされていれば、均等放射アンテナよりはるかに小さくなるであろう。このようなアンテナから放射されるエネルギは、さらにすべての方向に分散され、大部分は、地球上に位置する受信機による捕捉のために利用できないであろう。小さなサイズ、制御された分散、低減衰、および、効率的な動作は、エネルギ、および/または、情報を地球のような損失のある誘電体の表面(または、実効近接内)で、ある点から別の点へ移動させる広範囲の用途にとって魅力的なものにする、ZSWシステムのすべての特徴である。ACP構造が使用される場合、放射アンテナまたは結合プローブのサイズは、アンテナまたは結合プローブの性能を保持しながら、さらに小さくすることができる。
【0028】
入射波が領域2と領域1と(例えば、空気と地球と)の間の境界に出会う、図1に示すような境界条件を考えることから始める。放射がないという条件は、入射波の反射が起こらないことを意味し、すなわち、境界の表面での反射係数はゼロである、Γ=0。ZSWは、地球に入射する垂直偏波の横方向磁波(TM波)の反射係数がゼロ(または実質的にゼロ)のときに得られうる。ここでは絶対数が示されているが、記載された値にほぼ等しい数は所望の効果を提供するのに十分でありうることを理解されたい。
【0029】
ZSWの伝播特性は、入射平面波を考慮することによって導くことができる。入射波は、入射場の伝播定数ベクトル(γ)と、境界面に対する法線(z)とによって定義される、入射面に存在する電場(E)を含む。加えて、磁場(H)は、入射面(Eに垂直)の外に延び、波面が不均質な平面波である場合、横方向磁波(TM波)を提供する。伝播定数ベクトルと法線との間の角度が、入射角(θ)または入射の角度である。伝播定数ベクトルの長さ(または大きさ)は、媒体の特性によって制御される。例えば、境界のない空気中では、γ=γ=jω√(με)となり、固有インピーダンスは、η=√(μ/ε)で与えられ、ここで、ωは、周波数をfとして2πfに等しく、μは自由空間の透磁率、εは自由空間の誘電率である。ZSWのような誘導波では、例えば、空気と地球との間の界面に誘導境界が存在するため、伝播定数とインピーダンスとが修正される。ZSWはΓTM_s=0であるため、反射波はなく、透過波は屈折角(θ)または屈折の角度で、境界表面の下を伝播する。この条件を得るために、領域2における入射波の性質は、波が不均一な特性を有するようなものである。このような波は、垂直(z)方向の電場と位相がずれている水平方向(ρ)の電場の成分を有する。
【0030】
領域1が地球の場合、μ=μ、ε=ε(ε-jσ/ωε)であり、ここでεは比誘電率、σは地球の導電率である。エネルギ蓄積部を表す実部と、エネルギ損失部を表す虚部と、を含む、κ=ε-jσ/ωεを定義する。したがって、地球では、非拘束波動伝播定数の値はγ=γκ1/2であり、地球の固有インピーダンスは、η=η/κ1/2である。
【0031】
電気的に異質の材料の間の界面に入射する波の電場と磁場とに課される条件は、2つの基本的な関係で表されうる。第1に、電場ベクトルおよび磁場ベクトルの両方の接線成分は、界面における2つの媒体のそれぞれにおいて常に等しい。この境界条件は、EとHとに対するマクスウェルのカール方程式の積分形から導出され、ここで、Eは電場ベクトルであり、Hは磁場ベクトルである。
【0032】
第2の基本的な関係は、図1に示すように、界面に平行な方向の複素波動伝播定数のベクトル投影値が、境界の両側で正確に一致する(すなわち、γt2=γt1)ということであり、ここで、γt2=γsinθ、γt1=γsinθである。この第2の条件は、すべての位置、すべての時間において、場整合境界条件が満たされているという事実の結果である。この関係を満たすには、どちらの媒体でも境界と平行に進む伝播成分を持つ波は、同じ位相速度で進み、位置の関数として全く同じように振幅が減衰する。いかなるタイプのすべての波は、常に、これらの2つの基本的な制約に従う。
【0033】
ZSWを得るために、領域1および領域2の固有インピーダンスの垂直投影は同じである。換言すると、Hに垂直かつ境界表面に平行な電界Eの射影(すなわち、ρ方向を向いている電界の部分、Eρ)は、表面インピーダンスηを形成する。領域2において、η=ηcosθ。領域1において、η=ηcosθ。したがって、反射係数は、次のように表わせうる:
【数1】
ZSWを得るために、ΓTM_s=0(または、実質的にゼロ)とする。境界でのベクトル投影をγt2=γt1とすると、γsinθ=γsinθとなる。この等式を用い、空気と地球との投影インピーダンスをκ=ε-jσ/ωεとすると、次の関係が得られる:
【数2】
【数3】
入射角(θ)と屈折角(θ)との和が、90度(θ+θ=90°)であることに注意されたい。例えば、地球の固有インピーダンスηの投影は複素数であるため、ΓTM_s=0を得るために、固有インピーダンスηの投影も複素数になる。したがって、θ=θi real-jθi imaginaryと、θ=θr real+jθr imaginaryと、がある。虚数成分は等しく(θi imaginary=θr imaginary)、逆符号であり、実数成分の和は、90度(θi real+θr real=90°)である。
【0034】
円筒座標で記述された波について考える。例えば、空気および地球のEρの値を得るためには、Hφが知られている場合、Hφを、各媒体におけるインピーダンス、すなわち、境界に垂直な方向のインピーダンスの余弦投影によって乗算して、以下を得る
【数4】
【数5】
ここで、ηは真空の固有インピーダンスである。EρとHφとは、境界を越えて連続的(すなわち、等しい)ため、この結果は満足される。
【0035】
同様の手順で、角度の正弦に従って投影を行うと、境界の両側のEzの値が得られる:
【数6】
この関係は、また、電束密度Dzが境界を越えて連続しているという代替的な表現であるという点で、満足のいく結果である。領域2の場は、例えば、空気の複素ブリュースター角の値に支配されているのに対し、領域1の場は、例えば、地球のその値の補数に支配されていることに注意されたい。領域1および/または領域2に異なる材料が存在する場合、材料の特性は、方程式(4)~(6b)の項に影響を与える。
【0036】
円筒形ZSWについて、上述した波動インピーダンスの値には、さらなる見解がある。EρとHφとの場成分について、EρとHφとの両方に対する波動方程式の解は、ρ方向に同じハンケル関数依存性を持ち、±z方向には同じ複素指数依存性を持っている。その結果、ツェネック表面波の場の垂直伝播成分の波動インピーダンスは、半径方向または垂直方向の位置に依存しない。水平方向の伝播を構成する場の成分の波動インピーダンスは、ハンケル関数の微分とその未微分値との比によって制御されるため、ρ方向の原点からの距離の関数になる。方程式(6a)および方程式(6b)によって与えられる関係は、ハンケル関数とそのρに関する導関数の大引数の漸近値に対するものである。
【0037】
境界整合関係は、z方向およびρ方向に異方性として記述されうる領域2(例えば、空気)における場の挙動および波動伝播定数に制約を課す。換言すると、複素波動インピーダンスとこれら2方向の伝播定数とは異なる。一度、表面波が発射されると、誘導表面(例えば、地球)に生成される電流密度は、これらの異方性の波の誘導条件が満たすことを保証し続ける。領域1(例えば、地球)におけるこれらの電流は、複素ブリュースター角で界面に衝突する領域2(例えば、空気)において後方進行波を連続的に発射するアパーチャを形成すると考えることができる。しかしながら、発射構造は、発射構造に印加される電磁エネルギによって適切な電流密度が生成されるように、領域2(例えば、空気)の波動成分の間に、この異方的なインピーダンス関係を作成しうる。換言すると、インピーダンスおよび伝播定数の投影は、領域1(例えば、地球)に効果的にモード整合するように発射構造によって領域2(例えば、空気)に“人工的に”作成され、ZSWを作成する。
【0038】
この異方性インピーダンス条件は、領域2(例えば、空気)に異方性構成パラメータ(ACP)を作成することによって得られうる。インピーダンス条件を“人工的に”調整(または、合成)するために、分極可能なコンポネントが、境界の表面の上方に導入されうり、入射角θを制御する。これらのACP素子は、所望の条件を得るために、図2Aに示されるように、境界表面に垂直方向(z)および/または境界表面に沿ったまたは平行な水平方向(ρ)に導入されうる。垂直配向ACP素子を用いて、誘電率は、境界表面に垂直な垂直方向(z)で変えられうり、ρ方向のインピーダンスとρ方向の伝播定数とに影響を与える。水平配向ACP素子を用いて、z方向のインピーダンスおよびz方向の伝播定数とは、影響を及ぼされうる。垂直および/または水平方向(zおよび/またはρ)に配向されたACP素子を調整することによって、入射角θは、変えられうる。垂直および水平配向ACP素子の組合せを制御することによって、垂直および水平方向(zおよびρ)の伝播定数を独立に制御することができる。図2Aの例では、垂直配向ACP素子が、垂直無損失人工異方誘電性のためのVLAADとして識別され、水平配向ACP素子は、半径方向抵抗性人工異方誘電性のためのRRAADとして識別される。いくつかの用途では、特に、VLAAD素子が領域1(例えば、地球)の比誘電率よりも高い比誘電率を有するように選択される場合、RRAAD素子も、無損失であってもよい。
【0039】
図2Bに示されるように、ρ方向の伝播定数をさらに修正し、ρ方向インピーダンスを領域2(例えば、空気)の固有インピーダンスに整合させるために、追加の水平φ方向磁場エネルギ貯蔵素子が使用されうる。これらの素子は、磁場強度と相互作用し、磁場から結合したエネルギを貯蔵するため、それらは、φ方向の実効透磁率を増加させうる。したがって、それらは、水平人工異方透磁性(HAAMP)素子として識別される。
【0040】
ACPは、従来の電気部品、自然の異方性材料、または、ACPのボリューム内でzおよびρ方向に観察される波動インピーダンスが明らかに異なるように幾何学的に配された他の設計された異方性材料(例えば、バルク異方性効果をもたらすように配された等方性材料)を使用して製造されうる。HAAMP素子は、φ方向のみに所望の効果を与えるように、集中定数素子の電気コンポネント(または、自然に、または、設計された異方性材料)を使用して同様に構成されうる。ACPは、また、“人工的”(又は合成された)誘電率および導電率の素子を実現する他の方法を利用することもできる。例えば、マトリクス内の導電性インクルージョン(例えば、プリント回路構成)またはバルク誘電体が、所望の異方性を提供するように構成されうる。これらの実装形態は、集中定数素子の使用が実現可能でない可能性がある、より高い周波数の用途において有益でありうる。領域2(例えば、空気)の異方性のボリューム内にz方向の所望の波動インピーダンス特性を生成するために、分極可能なコンポネントは、長尺のワイヤ、ロッド、または、プレートによって製造された単位セルを含み、ρ方向に配されうる。これらの分極可能なコンポネントは、伝播波の波長よりもはるかに短く(例えば、0.25λ未満、0.1λ未満、または、それよりもより短い)、周期的(またはおそらく疎な)アレイに分散されてグリッド状構造を形成するセルを形成する、集中定数または分布定数の抵抗素子および容量素子に直列に接続されうる。このような分極分布特性を有するグリッド状構造は、単位セルのそれぞれの分極率によって複素誘電率の値が支配される均質な誘電材料として電気的に振る舞うことになる。ツェネック表面波(ZSW)を効果的に発射するために、人工的に生成された(または合成された)誘電率値(ρ方向)の実部が、領域1(例えば、地球)の表面有効誘電率の局所値に対応するように(または等しく)調整され、損失特性を生成する人工的に生成された誘電率値の虚部が、領域1(例えば、地球)の有効損失特性の局所値に対応する(または、等しい)ように調整される。
【0041】
集中定数素子が、ある方向に配向されたワイヤに沿って直列に配置される場合、その集中定数素子は、ワイヤに平行な電場が存在するときに、それを横切って配置された電圧のみを有することになる。3本のワイヤを互いに直交して配置し、これらのワイヤに沿って集中定数コンポネントを平行に配置することによって、集中定数コンポネントに接続されたワイヤによってまたがられた空間において、所与の領域に対して有効なR、LおよびCを確立することが可能である。空間内のこの領域が波長に対して小さい(例えば、0.25λ未満、0.1λ未満、または、それより小さい)場合、R、LおよびCの特性は、その小さいボリュームについてεおよびσに等しい。直列の集中定数コンポネントを持つ直交ワイヤを用いることによって得られる重要な利点は、異なるεおよびσを各方向に合成できることである。電場に結合する直列接続されたワイヤと共にインダクタンスを使用する場合、インダクタンスは、負の値を有する実効電気誘電率を生成する。相互接続ワイヤ自体は、実効インダクタンス特性および/またはワイヤ間の相互キャパシタンスを有しうり、これは、RRAAD素子またはVLAAD素子のデザインにおいて補償することができる。
【0042】
円筒構造の場合、有限の高さ(Δz)の円筒のセクションである領域、例えば、図3Aに例示されているような、角度(Δφ)を有するくさびのセクションを考える。ここで、図3Aに示される斜線のボリュームを単位セルとして考える。下限において、このボリュームは、寸法Δρ×Δz×dφの辺を有する直方体として表すことができ、ここで、dφ=ρΔφである。図3Aの単位セル内に異方性の誘電率を有する“人工的な”誘電体(AD)は、図3Bに示されるように、ワイヤおよび集中定数素子(例えば、キャパシタ)を配置することによって得られうる。図3Bに示される配置では、3方向(C、Cρ、Cφ)のそれぞれに、キャパシタが示されている。
【0043】
ここで、[εrx、εry、εrz]によって与えられる誘電率ε および[σ、σ、σ]によって与えられる導電率σを有する異方性均質誘電体で満たされた、寸法Δx×Δy×Δzを有する、図3Bの矩形単位セルを考える。図3Cに示されるように、均質誘電体は、例えば、図3Cに示されるワイヤ、キャパシタおよび抵抗の組合せをボリューム内に配置することによって、ADに置き換えられうる。キャパシタおよび抵抗の種々の組み合わせが、ADを提供するために使用されうるが、図3Cには、説明および明確化のために、並列の抵抗/キャパシタ(RおよびC)を有する1組のワイヤのみが示されている。並列のRおよびCを有する同様のワイヤのセットが、図3Bに示される他の配向(xおよびz)のために配されうる。抵抗およびキャパシタは、可変で制御可能でありうる。例えば、抵抗およびキャパシタは、ACP特性の調整を可能にするためにスイッチングされるかまたは選択可能な素子でありうる。天然に存在する異方性材料、または、例えば、バルク異方性効果を生成するように配された等方性材料のような設計された異方性材料もまた、所望の効果を生成するために使用されうる。単位セルの特性は、以下のように記述されうる。
【0044】
プレート間に比誘電率εの材料を有し、同じプレート面積Aおよびプレート間隔dの平行プレートキャパシタの場合、静電容量は次式で与えられる:
【数7】
長さaの辺を持つ空間の立方体を選択して合成誘電率を与えた場合、この式は次のようになる:
【数8】
この誘電率は、指向性があり、キャパシタに取り付けられたワイヤに平行なE場だけが、このキャパシタの影響を受けることに注意されたい。特定の方向の単一周波数で負の誘電率を得するために、インダクタが、リアクタンス(容量性リアクタンスの符号が反対)を得するために使用されうることに注意されたい。
【0045】
導電率の関係を導くために、抵抗率ρ、長さl、面積Aの抵抗を考える。この抵抗器の抵抗は、次式を用いて計算することができる:
【数9】
前の計算と同じ辺長aの立方体が使用される場合、この式は次のようになる:
【数10】
ここでも、この導電率(σ)は、抵抗に接続されたワイヤに平行な場(または場成分)によってのみ影響を受けることになる。
【0046】
同様のプロセスに従って、所望の異方性の透磁率を生成することが可能になる。“人工的な”透磁率セルは、関心のあるゾーン内の磁場と相互作用するように構造化されうる。磁場との相互作用は、導体の長さではなく、導体(例えば、インダクタ)のループによって得られうる。ループは、ループのエリアが磁場に対して垂直(または、実質的に垂直)であるように配され、磁場はZSWの場合、場Hφである。
【0047】
“人工的な”透磁率素子は、磁場から取り出されるエネルギを貯蔵する。このエネルギ貯蔵プロセスは、発射構造の周りのφ方向の閉路に沿って集中定数素子のインダクタをアレイ化することによって得られうる。インダクタまたは断面積Aを有する導体のNターンループは、閉ループ導体素子のアレイを形成するように配されうる。いくつかの実装形態において、エネルギ貯蔵素子は、ループのエリアがHφに対して垂直(または、実質的に垂直)になるように、発射構造の周りにアレイ化された閉ループ導体素子の回路を完成させるために使用される、集中定数素子のキャパシタを含みうる。これらの素子に対する式の導出は、ここでは示されていないが、それらは、導電率と誘電率とを導出するために使用されるプロセスの適用によって決定されうる。その結果、“人工的な”透磁率μを得るために得られるインダクタンスの式は、次のようになる:
【数11】
実効インダクタンス素子を生成するために使用されるNターンループの回路を完成させうる集中定数素子のキャパシタCの値は、次のように与えられる:
【数12】
単位セルの面積Aおよび間隔dは、方程式(7)~(10)に対して上述したACP素子について選択された値と同じである。他のセル面積および間隔も可能であり、集中定数素子コンポネントに対して異なる値を生じる。ACPセルの場合について、セルが長さaの辺を持つ空間の立方体であれば、Cは、次のようになる:
【数13】
負の値は、考慮された集中定数素子タイプの共振条件よりも上または下の動作を選択することによって得られうる。
【0048】
上に提示した直列のR、LおよびC値に基づくμ、εおよびσの関係は、直交座標系を仮定し、さらに離散化ボリューム(または、単位セル)を立方体とすることによって、プロセスを簡単化したものである。他の矩形の離散化ボリュームが使用されうり、それに応じてR、LおよびCの導出が更新される。単位セルが立方体であるように選択される場合、そのセル内のHAAMP素子は、xおよびy方向の2つの直交ループからなる。ZSWにはHφ成分しかないため、磁場は、所望の効果に応じて2つのループと相互作用する。直交座標に対するR、LおよびCの計算に使用されるのと同じプロセスが、必要に応じて他の座標系に適用されうる。
【0049】
ここで、入射波にエネルギを伝送することができる、主に垂直電流を有する発射構造(例えば、スタブアンテナ、負荷モノポール、または、他の適切な高電流プローブ構造、または、トランスデューサ)を考える。発射構造から境界に沿ったZSWの制御されない進行ゾーンに遷移するゾーンにおいて、エネルギ源によって発射構造に伝送されるエネルギは、局所的に貯蔵された部分と、回路素子損失部分と、移動部分と、を含む。回路素子損失部分は、種々の発射プローブのコンポネント内で熱に変換されるエネルギおよびρ方向の分極可能な素子内で生成される熱のエネルギのすべてを含む。移動部分は、地球内で熱として失われる小さな一部と、ZSWの特性による表面に沿って伝播する大きな一部と、を含むエネルギである。
【0050】
図4に示されるように、ρ方向ACP素子403の最も実際的な配置は、それらを電流構造(発射構造)406から外側に向かって半径方向に延びるように整列させ、発射構造の垂直中心に原点を有する円筒座標系に従ってφ方向に均一な角度でそれらを移動させることである。この円筒配置の下では、個々のACP素子403の分極特性は、単位ボリューム当たりの平均のρ方向の分極が一定に保たれるように、半径方向距離の増加とともに値は増加する。他の実装形態では、φ方向の辺の長さは半径が増加することにつれて短くすることができる。この場合、ACPシステムは、半径が増加することにつれて、各シェルがφ方向により多くのセグメントを有する円筒シェル内に配置されうる。
【0051】
半径方向距離の増加に伴う分極特性は、種々の方法で増加させることができる。例えば、RRAAD素子を含むACP素子403の集中定数素子のエネルギ貯蔵キャパシタ間の半径方向の間隔が図4に示されるように一定(例えば、波長の1/10未満)に保たれる場合、キャパシタのサイズは、電流構造(発射構造)406からの距離に比例して増加されうる。他の実装形態では、キャパシタ値が一定に保持される場合、キャパシタ間の間隔は、プローブからの半径が増加することにつれて増加されうる。エネルギ損失コンダクタンスを得るための修正は、同じ挙動を示す。領域1(例えば、地球)内の材料の導電特性に整合するために使用されるため、分極可能なコンポネントに使用される集中定数素子の抵抗は、コンダクタンスの特性の逆数に従って利用されることに注意されたい。
【0052】
ρ方向ACP素子403は、ZSWの垂直方向に伝播する成分に対する波動インピーダンスが界面の上方のある高さまで延びるように、垂直方向(z)に積層されてもよい。ACP素子(例えば、RRAAD素子)403のレイヤは、その垂直の範囲に沿って発射構造から良好な結合を保証するのに十分な高さまで垂直に積層されうる。
【0053】
異なる発射構造の構成が、ZSWモードへの伝播波の結合に利用されうる。ρ方向ACP素子の垂直方向の広がりは、各発射構造のサイズおよび形状および発射特性に適合するように調整されうる。ρ方向ACP素子の配置の半径方向の広がりは、発射構造の大きさおよび形状およびに発射特性にも依存する。ACP素子のアレイの全体的なサイズは、発射構造から結合されるエネルギのできるだけ多くを取り込むことと、例えば、発射構造の周囲の利用可能なスペースに適合し、および/または、アレイのコストを所定の限度内に維持するなどのアレイのサイズ制限と、の間のトレードオフによって支配されることになる。
【0054】
ZSWは電場のφ方向成分を有さないため、領域2(例えば、空気)の投影インピーダンス成分が領域1(例えば、地球)のそれと一致するように、所望の異方性の誘電率特性を生成するために、ACP素子(例えば、RRAAD素子)の矩形アレイを使用することが可能である。RRAAD素子のx-yグリッドは、電場のEρ成分に対して、放射状に向けられたアレイと同じ効果を得ることができ、RRAAD素子自体は、発射構造からの距離によって変化する必要はない。図5は、x-y面内にグリッドパターンで分配されたRRAAD素子を含むACP素子403のアレイを有するネットワークトポロジの例を示す。集中定数コンポネントの値の全ては、グリッド実装のために等しくすることができる。x-yグリッドの欠点は、より多くのエネルギ貯蔵集中定数素子およびエネルギ損失集中定数素子のコンポネントが使用されることである。
【0055】
図5から分かるように、アレイの各単位セル503は、電気的に接続されていないx方向およびy方向のRRAAD素子(抵抗およびキャパシタ)を含み、これらは独立した分極を提供する。この素子の組合せの二重分極は、x配向およびy配向のRRAAD素子が半径方向RRAAD素子と等価であるように、EおよびEに等しく影響を与えうる。二重分極RRAAD素子は、水平配向ACP素子403のアレイを提供するために、1つ以上のレイヤに分配されうる。図6Aは、x-y交差点に位置する二重分極RRAAD素子を有する11×11グリッドのワイヤの単一レイヤの例を示す。アレイ内のセルの間隔は、励起周波数における波長(λ)の分数に基づきうる。例えば、アレイの間隔の寸法は、Δx=Δy=λ/10であってもよく、または、RRAAD素子間の間隔が、≦λ/10であってもよい。図6Aの例では、アレイは、λ×λの全体の寸法を有するACP素子403の電気的に矩形なACPレイヤを提供する。発射構造についてのすべての方向でACP整合を提供するために、中央のRRAAD素子(丸で囲まれる)および4本の接続ワイヤがアレイの中央603から取り外され、発射構造に置き換えられてもよい。図6Aのアレイは、同様に、受信構造について分配させることができる。アレイの周囲に沿ったRRAAD素子は、接続ワイヤのx方向およびy方向に基づいて、1つの分極(場方向)のみに影響を与える。角のRRAAD素子は、各方向に1本のみのワイヤに接続されているため、図のように取り外すことができる。
【0056】
図6Bは、x-y交差点に位置する二重分極RRAAD素子を有する10×10グリッドのワイヤの単一レイヤの別の例を示す。アレイ内の単位セル503の間隔は、励起周波数における波長(λ)の分数に基づきうる。例えば、アレイの間隔の寸法は、Δx=Δy=λ/10であってもよく、または、RRAAD素子間の間隔が、≦λ/10であってもよい。半分の長さのワイヤ(例えば、Δx/2=Δy/2=λ/20)が、最も外側の二重分極RRAAD素子のそれぞれから延びている。図6Aにおけるように、図6Bのアレイの構成は、λ×λの全体の寸法を有するACP素子403の電気的に矩形なACPレイヤを提供するが、RRAAD素子の数を100個に減少させる。発射構造についてのすべての方向でACP整合を提供するために、発射構造がアレイの中心603(丸で囲まれる)に配されてもよい。図6Bのアレイは、同様に、受信構造について分配させることができる。
【0057】
図6Cに示されるようなACPを形成するために、図6Aおよび図6Bの例のようなACP素子403を含む複数のACPレイヤ606が、垂直に積層されうる。レイヤ606間の間隔(Δz)は、励起周波数の波長(λ)の分数に基づきうる。その間隔は、底のレイヤが地球の表面からΔz/2だけ(または、その実効近接内で)上方に配される、均一なものでありうる。例えば、ACPレイヤ606間の間隔は、アレイの間隔寸法(Δx、Δy)と同じであってもよいし、その分数であってもよい。例えば、垂直方向の間隔は、Δz=Δx/4=Δy/4=λ/40であってもよい。垂直方向の間隔は、領域1の誘電率(εr,1)に基づくグリッド波長(λ)によって決定してもよい。例えば、Δz=λ/10であり、ここで、εr, earth=16の場合、λ=λ/4である。他の垂直間隔(Δz)も、また、使用されうる。
【0058】
ρ方向の波動インピーダンスは、z方向の波動インピーダンスを修正するために使用されるρ方向RRAAD素子によって大きく影響されない。ρ方向の波動インピーダンスは、ZSWの効果的な発射のためのエネルギ損失特性を必要としない。最も単純な状況では、ACP素子が垂直方向(z)に配される必要はなく、波動インピーダンスが領域2(例えば、空気)の電気的特性によって制御されうる。
【0059】
垂直ACP素子 いくつかの実装では、例えば動作周波数が低下した場合、低損失導体を介して直列配置で接続された集中定数素子のキャパシタなどの純粋なエネルギ貯蔵素子を導入し、ρ方向の波のインピーダンスを下げるように作用する垂直配置またはz方向VLAAD素子を形成し、それによって発射構造のすぐ近くで半径方向の伝播定数の値が増加することが望ましいとされうる。半径方向の伝播定数の増加は、ZSWの波長が短くなる原因になりうり、それによって、ρ方向RRAAD素子の配置に使用される半径方向の範囲が減少させうる。
【0060】
半径方向の伝播定数を増加させることによって、発射構造は、半径方向の位相速度の低減(または遅波)構造となる。その結果、半径方向に延びるACP構造の上方の垂直(法線)方向の領域2(例えば、空気)における伝播定数は、純粋な実数になり、これは波をz方向にエバネセントにすることを強制する。換言すると、電流構造(発射構造)から垂直方向への放射が排除される。電流構造の上のゾーン内の場の成分の性質は、領域1(例えば、地球)の表面に沿って伝播する純ツェネック波の場特性と全く類似している(または、一致している)。高い類似性を持つ場特性を有することは、所望のZSWへの発射構造のエネルギのモード整合において重要なファクタである。
【0061】
z方向VLAAD素子を配置することは、ACPの円筒の半径を適切に選択することによって、円筒ゾーン内部のρ方向の波動インピーダンスを、領域2(例えば、空気)の波動インピーダンスに整合させることを可能にする。上述のように、ρ方向の波動インピーダンスは、波のE場およびH場を記述するハンケル関数の特性に従ってρの値とともに変化する。z方向VLAAD素子は、漸近インピーダンス値がより短い物理的距離にわたって得られるように、ρ方向におけるハンケル関数の挙動の圧縮を生成するが、ρの小さな値に対するインピーダンスは、依然として領域2(例えば、空気)のインピーダンスに非常に近く、インピーダンス整合素子を使用しなくてもよい。
【0062】
しかしながら、漸近インピーダンス値(例えば、大引数の漸近線)は、自由空間のそれよりも低くなりうり、したがって、ρのより大きな値に対する整合は、適切でありうる。例えば、内部セグメントおよび空気の幾何学的平均であるインピーダンス値を有するz方向ACP素子の第2の半径方向セグメントが、整合のために、かつ、半径方向の範囲を1/4波長に等しくするために使用されうる。
【0063】
水平人工異方透磁性(HAAMP)素子 インピーダンス整合および発射プローブの周りに遅波ゾーンを生成するための別の方法は、誘導素子がHφと相互作用してZSWに与えられる実効透磁率を増加させるように、φ方向にHAAMP素子を使用することである。HAAMP誘導素子の全体的な影響は、VLAAD素子と同様の波の位相速度の減少であるが、ρ方向インピーダンスを同時に増加させる。誘導的素子を用いた透磁率の値とVLAAD素子を用いた誘電率とを適切に選択することで、増強された遅波挙動を得ながら、インピーダンスは、自由空間値に実質的に整合されうる。
【0064】
先に議論したように、HAAMP素子は、ρ方向の伝播定数を修正し、ρ方向のインピーダンスを領域2(例えば、空気)の固有インピーダンスに整合させるために、発射構造の周りに配され、または、アレイ化されうる。図7は、発射構造706の周りに分配され、水平φ方向磁場に整列されたHAAMP素子703の例を示す。HAAMP素子703のアレイは、発射構造706から半径方向の距離に配されたHAAMP素子703の1つ以上のグループを含みうる。HAAMP素子703は、閉ループの導体素子を形成するように接続された導体のループ(例えば、集中定数素子のインダクタ)を含みうる。導体のループ(または、インダクタ)は、HAAMPアレイによって提供される実効透磁率を制御または調整するために切り替えることができるタップを含みうる。いくつかの実装形態において、導体(または、インダクタ)は、調整または修正を提供するために変更または切り替えることができるキャパシタに結合されうる。HAAMP素子703は、円筒形のシステムとして分配されて示されているが、RRAADシステムと同様に、独立して制御されるx配向およびy配向HAAMP素子を有する矩形システムで実装されてもよい。
【0065】
50MHzの周波数での検証のために、図6Aおよび6Cに示されるようなRRAAD素子の積層アレイを用いて、ACPシステムは実装された。RRAAD素子は、図6Aに示されるように、発射構造の周りに分配された5レイヤのRRAAD要素を含む積層アレイ内に配された。RRAAD素子は、相互接続されたプリント回路基板(PCB)を含み、x配向およびy配向のRおよびC集中定数素子は、PCBの反対側に配される。x配向およびy配向の分極素子は、同じPCB上に存在しうるが、分極素子は電気的に接続されない。矩形グリッドを形成するために、そのレイヤの隣り合うPCB間にワイヤが接続された。
【0066】
各RRAAD回路モジュールは、集中定数抵抗素子と集中定数キャパシタ素子を並列接続して構成された2つの独立して制御可能な回路を有する制御基板とインピーダンス基板とを含む。抵抗値およびコンデンサ値の選択可能な範囲は、128(7ビット)ステップで約8mS/mから165mS/mまでの“人工的な”導電率、および、8(3ビット)ステップで4から45までの“人工的な”比誘電率を与えるように選択された。この実験のために、シグマインデックス値を0~110の範囲に制約し、約8~63.2mS/mのシグマの範囲を与えた。導電率値を生成するために抵抗が使用されているため、シグマインデックス値およびパラメータ値は非線形である。したがって、導電率ステップは、抵抗性ステップと逆の関係にある。
【0067】
RRAADモジュールは、長さ約20インチの中実16ゲージ絶縁錫めっき銅ワイヤを用いて、矩形グリッド内で相互接続された。回路設計と制御とを簡単化するために、円筒配置ではなく矩形グリッド配置を選択した。円筒配置の場合、コンポネントの値または間隔は、発射構造からの距離の関数として変化する。制御入力は、50MHzの波のエネルギからDCおよび低周波の制御信号を分離するためのRF誘導チョークを有する電源接続ラインを介して、基板に通信された。モジュールは、PCラップトップ上で実行されるプログラムを介して制御された。
【0068】
試験は50MHzの励起で行われ、データは数時間にわたって収集された。図8Aは、サンプルポイント位相トレンド線806に対するEρとHφとの間の測定された位相角803の例を示すプロットである。収集されたデータは、RRAAD素子がEρコンポネントのインピーダンスと位相とに影響することを確認した。シグマインデックス値809は、アレイ内のRRAAD素子の実効導電率を調整する抵抗値を選択するためにACP素子制御基板に送られるバイナリコードである。最も低い導電率は、チャートの左側である。これらのプロットに使用された誘電率値は、比誘電率値が15に近似するように設定された単一の設定点での値であった。第1データポイント812は、ACP基板がディスエーブルされている場合を表す。ディスエーブル状態を示唆するために、シグマインデックス値812として-20の値が使用された。ディスエーブルモードでは、抵抗素子およびキャパシタ素子は、連結ワイヤから切り離される。例えば、R素子およびC素子への接続が切断(または、開放)されうり、または、素子は電気的に分離されうる。いくつかの実装形態において、R素子およびC素子は、短絡されうる。
【0069】
図8Bは、ACP試験ゾーンから約0.9マイルに配置されたFIMR(場強度測定/リモート)アレイによって収集された規格化場強度読取値の例を示すグラフを示す。図8Bに示されるプロットは、4つの配置位置(ポイントA~D)に対するものである。データは、プロット(A~D)の一般的な特性における相関を明確に示しており、これは、“人工的な”導電率バリエーションの変化に対する共通の応答性を示している。シグマインデックスのポイント903の始めと終わりの線分は、RRAAD素子がディスエーブルされたポイントを特定する。最初のFIMRデータポイントは、実験の終わりに繰り返された“ディスエーブル”設定ポイントとは異なることが分かる。これは、想定されたシステム状態に対応しない最初のポイントのデータに起因すると考えられる。
【0070】
発射構造から約1波長であった1つの位相計測ポイントにおいて、ループアンテナが、波のHφ成分のサンプリングに使用され、回動可能なバイコニカルダイポールが、電場の半径方向成分および垂直成分に結合した。ベクトル電圧計(VVM)を用いて、Hφに対する電界のEとEρの相対的な大きさと位相とを測定した。アンテナからVVMへの接続は、同軸ケーブルへの電流の誘導を最小にするように、発射構造を中心としたグランドに沿って近似円弧状に配された位相整合ケーブルで行われた。円形配置は、Eφが0であるため、電場への結合を最小にした。
【0071】
この配置によって、波の垂直投影(z方向)インピーダンスη、および、EとEρとの間の位相差を含む波のチルト角を測定することができた。空気(または、領域2)中の波のチルト角の値は、ZSWの地球(または、領域1)中の複素ブリュースター角の実数部に等しいことを想起されたい。
【0072】
50MHzで、15mS/mのσ、15のεの場合、波のチルト角は、約13.882度であり、EとEρの位相差は、約9.887度と計算される。この波の傾きに対する垂直投影インピーダンスは、約90.475+j14.836オームと計算された。
【0073】
位相計測ポイントは、発射構造から約1波長であったため、与えられたεおよびσについて約6mでの波のρ投影インピーダンスは、純粋なZSWについて約362.476+j25.688であると決定することができる。位相計測ポイントが、約5波長(または30m)に移動された場合、ρ投影波動インピーダンスはηにほぼ等しくなり、EはHφとほぼ同相になる。1つの波長ポイントで測定されたEに対するEρの大きさは、垂直投影インピーダンスの大きさの大まかな推定値、および、それを抵抗成分および誘導成分に分解するために使用されるEとEρとの間の位相測定値を得るためにスケーリングされてもよい。EとHφとの間の位相角は、約13度と測定された。
【0074】
とHφとの間の測定された位相差に基づいて、発射構造の配置のために計算されたρ投影インピーダンスηρの推定値は、約361+j80オームであることが求められた。垂直投影インピーダンスηは、EおよびEρの大きさの値の比をとり、それに応じてインピーダンス値をスケーリングすることによって求めることができる。2つの電場の間のスケールファクタは、約6.8と決定した。大きさに基づく波のチルト角は、1/6.8のアークタンジェント、つまり、約8.3度である。電場間の測定された位相角は、約27度(40-13)であった。これらのデータに対して、垂直方向のインピーダンスは、約48+j24オームと推定された。明らかに、データは選択された土壌パラメータについてZSW発射で推定された表面インピーダンス値との差を示しており、得られた半径方向のデータがその事実を裏付けている。
【0075】
測定は、波のチルトを良好に推定することを可能にする。φ方向磁場に対する電場成分の位相および振幅の測定は比較的簡単なため、EとEρのスケールファクタおよび位相差は、容易に決定される。予測された13.882の値に対して測定された8.3度の波のチルトは、土壌の特性が選択された値とは全く異なることを示すように思われる。また、波のチルト特性は、波動インピーダンスと同様に、発射プローブからの距離によって変化することに注意されたい。このようなバリエーションがあっても、最初の試験結果は非常に有望である。
【0076】
通常、フリスの伝達方程式に従って送信機から受信機へ伝送される電力を計算する。フリスの方程式を用いて、電力密度は、仮定された等方性放射点源から1/4πrで減衰することを仮定する。円筒状の表面波について、等方性の垂直線が発射源であると仮定し、放射について行われるように、ワット/mではなく、ワット/メートルで電力密度を表すことができる。無限線源を仮定することによって、受信プローブに対する利得関数として受信機の実効幅のみを考慮することが可能である。
【0077】
球面波との類似に従えば、受信素子の実効幅は、受信素子利得Gのλ/2π倍になる。より正式な表記では、受信電力の式は、
【数14】
ここで、Pは受信電力、Pは発射プローブ構造による送信電力、Gは発射プローブの利得、Gは受信構造の利得、λはほぼc/fの波長、Rは発射プローブから受信機までの距離である。ハンケル関数について、正確な波長は距離の関数として変化するが、c/fは我々の目的のために良好な推定値を与えるであろう。
【0078】
式(14)とフリスの伝達式とを比較すると、次のようになる
【数15】
【0079】
円筒波発射プローブおよび円筒波受信機に対する利得は、アンテナの利得とは異なって計算される。ZSWはそのような円筒波であり、φ方向に波の集束がない場合、発射プローブまたは受信機の利得は1に等しい。送信電力の値は、利用可能な信号電源電力Pを不整合反射および抵抗損失によって補正することによって求められる。σ値およびε値が既知である場合、ZSWの減衰を考慮するために、方程式(14)に損失係数項を含めることもできる。
【0080】
受信構造 電力伝送アプリケーションのために、円筒伝播波から最大電力が抽出できるように、受信構造がZSWモードに効率的に結合されうる。ACP構造は、物理的受信構造の実効電気的寸法を増加させることによって、結合効率の改善を提供する。進行ZSW、または、グローバルなZSWの場合、定在波が、受信機ACP分極可能素子と相互作用すると、エネルギの波長は減少し、分極可能素子の上方の伝播定数は、発射プローブ構造と類似の方法で変更される。受信構造の上方では、領域2(例えば、空気)の波は、特性上エバネセントであり、波におけるエネルギは、ACPゾーンに集中することになる。
【0081】
グローバルな定在波(または、任意の定在表面波)のための受信構造は、受信構造からの反射がそれ自体ZSWとなるように、発射構造の特性と逆の特性を有することが非常に有益である。そうでないない場合、反射されたエネルギは放射によって失われる。
【0082】
図9Aおよび9Bは、受信構造の周りに利用可能な電磁力を集中させるためにACP素子を使用する受信構造に対する、従来の受信機によるモノポールアンテナを使用する単純な受信構造についての電力密度シミュレーション結果の例を示す。シミュレーションは高解像度のグラデーションを生成しうるが、図9Aおよび9Bに提供される表現は、明確化および再現性のために限定された数のグラデーションを示すように単純化されている。図9Aに見られるように、電磁エネルギの放射源(または、発射構造)1103は、左側にモデル化され、右側に進行する波を生成する。従来のモノポール受信機1106は、3波長の距離に配置される。受信機(または、受信構造)1106は、進行波に結合して、波からエネルギを抽出する。進行エネルギは、受信構造の周りに現れ、その右側に続いていることが分かる。
【0083】
図9Bにおいて、VLAAD素子およびHAAMP素子を含むACP素子が、受信構造1106の周りに配置され、遅波ゾーンを生成する。VLAAD素子とHAAMP素子とのACPシステムによって生成された実効εおよび実効μは、等しい値に設定される。この単純な例において、それらは10の値に設定され、進行波によって見られるインピーダンスは、自由空間のそれに等しく、一方、位相速度は10分の1に減少する。図9Bから分かるように、場強度は、受信構造1106の周りのゾーンに集中し、受信構造1106の上方および右側の場は、波からエネルギが抽出されたことを示すように、大きく減衰される。
【0084】
上述のように、ACPシステムの素子のいずれも、特定の装置の条件に従って個別に制御することができる。これは、ACPシステムが、発射ゾーンまたは受信ゾーン内またはその近くで、周囲の媒体の干渉構造または他の特性の動的挙動または不均一な分布を有することを可能にする。素子の制御は、自動フィードバックネットワークの一部として達成されうり、所望の波動特性の測定は、選択されたポイントで測定されうり、そのような測定は、いかなる条件に遭遇しても所望の性能結果を与えるために、ACP素子を調整するために使用される。当業者であれば、異方性制御調整は、本発明の特徴から逸脱することなく、構成が様々な方向に等しい値をとる条件を含むことができることを理解するのであろう。
【0085】
VLAAD素子およびHAAMP素子が用いられて半径方向の誘電率および透磁率を増加させるときはいつでも、それは、ρ方向に進行するエネルギのための遅波伝播領域を生成する。ACP素子の上方の領域では、半径方向(ρ)方向の伝播定数は、ACP遅波伝播定数に一致しなければならない。この境界条件は、さらに、垂直方向(z)の伝播定数が、z方向のエバネッセント特性の生成に対応する、純粋な実数になることを必要とする。ACP素子の上方の場は、半径方向に伝播するが、zでの位相の変化なしに減衰するだけである。ACP素子(例えば、VLAAD素子およびHAAMP素子)の上方のゾーンには制限がないため、その効果は、無限垂直電源素子に近似する特性を有するゆっくり伝播する円筒波を生成することである。Hill and Waitによる“Excitation of Zenneck Surface Wave by a Vertical Aperture”(Radio Science、Volume 13,Number 6,pages 969-977,November-December 1978)のような多くの理論的研究は、ZSWを生成するために必要とされる条件を同定した。本開示は、これらの理論的研究を満たすことができる電源構造(発射構造)を提示する。
【0086】
本開示の態様は、ツェネック表面波、または、他のタイプの表面波を発射または受信するために使用されうるACPシステムを形成するためのACP素子に関する。1つの態様において、特に、ACPシステムは、境界媒体(例えば、損失のある誘電体、地上媒体または地球)の上方(または、実効近接内)に分配されるACP素子のアレイを含む。ACP素子のアレイは、境界媒体の上方(または、実効近接内)に配された第1の複数のRRAAD素子を含みうり、第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、第1の複数のRRAAD素子は、境界媒体の上方のある高さで(または、ある距離だけ離れて)水平レイヤを形成する。ACP素子のアレイは、相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのそれぞれがρ方向に直線的に配向された円筒形のアレイでありうる。1つ以上の態様において、ACP素子のアレイは、境界媒体(例えば、損失のある誘電体、地上媒体または地球)の上方のある高さ(または、実効近傍内)に分配されたRRAAD素子の水平レイヤの上方に(または、ある距離だけ離れて)配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の第2の水平レイヤを備えうる。RRAAD素子の第2の水平レイヤは、水平レイヤ内の第1の複数のRRAAD素子の上方に(または、ある距離だけ離れて)配された第2の複数のRRAAD素子を含みうり、第2の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。
【0087】
種々の態様では、ACP素子のアレイは、境界媒体の上方(または、実効近接内)に配された第2の複数のRRAAD素子を含みうり、第2の複数のRRAAD要素は、第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。第1の複数のRRAAD素子および第2の複数のRRAAD素子は、境界媒体の上方のある高さで(または、ある距離だけ離れて)水平レイヤを形成しうる。第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズの個々のRRAAD素子のシリーズは、第1の方向に延びるワイヤによって直列に結合された複数のRRAAD素子を含みうり、および/または、第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズの個々のRRAAD素子シリーズは、第2の方向に延びるワイヤによって直列に結合された複数のRRAAD素子を含みうる。第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズおよび第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのRRAAD素子は、画定された距離だけそのシリーズの隣接する素子から分離されうる。画定された距離は、ACPシステムに印加される電磁励起の波長(λ)の分数でありうる。画定された距離は、λ/10以下でありうる。RRAAD素子の矩形アレイの全体の寸法は、λ×λでありうる。境界媒体の上方の水平レイヤの高さ(または、境界媒体からの距離)は、波長(λ)の分数でありうる。
【0088】
いくつかの態様において、ACP素子のアレイは、第1の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズをx方向に直線的に配向し、第2の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズをx方向に実質的に垂線なy方向に直線的に配向した、矩形アレイでありうる。RRAAD素子の矩形アレイは、矩形アレイの角にRRAAD素子を含まなくてもよい。第1の複数のRRAAD素子の個々のRRAAD素子は、第2の複数のRRAAD素子の対応する個々のRRAAD素子と並置されうる。第1の複数のRRAAD素子の個々のRRAAD素子および第2の複数のRRAAD素子の対応する個々のRRAAD素子は、共通の基板に実装されうる。第1の複数のRRAAD素子の個々のRRAAD素子は、プリント回路基板(PCB)の第1の側に取り付けられた第1のキャパシタおよび第1の抵抗を含みうり、第2の複数のRRAAD素子の対応する個々のRRAAD素子は、PCBの第1の側または第2の側に取り付けられた第2のキャパシタおよび第2の抵抗を含みうる。
【0089】
1つ以上の態様において、ACP素子のアレイは、境界媒体(例えば、損失のある誘電体、地上媒体または地球)の上方のある高さに(または、ある距離だけ離れて)分配されるRRAAD素子の水平レイヤの上方(または、実効近接内)に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の第2の水平レイヤを備えうる。RRAAD素子の第2の水平レイヤは、水平レイヤ内の第1の複数のRRAAD素子の上方に(または、ある距離だけ離れて)配された第3の複数のRRAAD素子と、水平レイヤ内の第2の複数のRRAAD素子の上方に(または、ある距離だけ離れて)配された第4の複数のRRAAD素子と、を含みうり、第3の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる1つ以上の相互接続されたRRAAD素子のシリーズを含み、第4の複数のRRAAD素子は、第2の方向に延びる1つ以上の相互接続されたRRAAD素子のシリーズを含む。第3の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのRRAAD素子の各シリーズは、第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズの対応するRRAAD素子のシリーズと実質的に整列させられうり、第4の複数のRRAAD素子の相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのRRAAD素子の各シリーズは、第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズの対応するRRAAD素子のシリーズと実質的に整列させられうる。RRAAD素子の第2の水平レイヤは、ACPシステムに印加される電磁励起の波長(λ)の分数だけ、RRAAD素子の水平レイヤから分離されうる。RRAAD素子の第2水平レイヤと、水平レイヤまたはRRAAD素子と、の間の分離は、RRAAD素子の水平レイヤの当該高さの約2倍でありうる。
【0090】
種々の態様において、ACP素子のアレイは、周波数(f)の電磁場でACPシステムを励起するように構成された発射構造の周りに分配させることができる。ACP素子のアレイは、発射構造の一方の側の周りに分配させられうる。ACP素子のアレイの個々のRRAAD素子は、並列に接続されたキャパシタおよび抵抗を含みうり、キャパシタおよび抵抗は、1つ以上の集中定数素子コンポネントを含む。キャパシタは可変容量を含みうり、抵抗は可変抵抗を含みうり、または、その両方を含みうる。ACP素子のアレイは、境界媒体(例えば、損失のある誘電体、地上媒体または地球)の上方(または、実効近接内)に分配される複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を含みうり、複数のVLAAD素子は、境界媒体の上方に(または、ある距離だけ離れて)配され、複数のVLAAD素子は、水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む。複数のVLAAD素子の個々のVLAAD素子は、1つ以上の集中定数素子コンポネントを含むキャパシタを含みうる。キャパシタは、可変容量を含みうる。相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズの個々のVLAAD素子は、ACPシステムに印加される電磁励起の波長(λ)の分数だけ、隣り合うVLAAD素子から分離されうる。
【0091】
1つ以上の態様において、ACPシステムは、境界媒体(例えば、損失のある誘電体、地上媒体または地球)の上方(または、実効近接内)に分配されるHAAMP素子のアレイを含みうり、HAAMP素子のアレイは、境界媒体の上方に(または、ある距離だけ離れて)配される複数のHAAMP素子を含む。HAAMP素子のアレイの個々のHAAMP素子は、インダクタまたは導体のループを含みうり、インダクタは、集中定数素子コンポネントを含む。インダクタまたは導体のループは、キャパシタに結合されうる。HAAMP素子のアレイは、複数のHAAMP素子がφ方向に配向された円筒形アレイでありうる。HAAMP素子のアレイは、媒体1(例えば、地上媒体)の上方で第2の方向に配された第1の複数のHAAMP素子と、媒体1(例えば、地上媒体)の上方で第3の方向であって第2の方向に実質的に垂直な第3の方向に配された第3の複数のHAAMP素子と、を含む矩形アレイであってもよい。第1の方向は、第2の方向と実質的に同じでありうる。
【0092】
本開示のさらなる例示的な実施形態は以下を含む:
【0093】
例1.異方性構成パラメータ(ACP)システムであって、
地上媒体の上方に分配されたACP素子のアレイであって、ACP素子の前記アレイは、
前記地上媒体の上方に配された第1の複数の半径方向抵抗性人工異方誘電性(RRAAD)素子を含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方のある高さで水平レイヤを形成する、ACP素子の前記アレイを含むACPシステム。
【0094】
例2.ACP素子の前記アレイは、相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズのそれぞれがρ方向に直線的に配向された円筒形のアレイである、例1のACPシステム。
【0095】
例3.ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方の前記高さに分配されるRRAAD素子の前記水平レイヤの上方に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の前記水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の前記第2の水平レイヤを含み、RRAAD素子の前記第2の水平レイヤは、
前記水平レイヤ内の前記第1の複数のRRAAD素子の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含み、前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズを含む、例1のACPシステム。
【0096】
例4.ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された第2の複数のRRAAD素子を含み、前記第2の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に対して第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、前記第1の複数のRRAAD素子および前記第2の複数のRRAAD素子は、前記地上媒体の上方の前記高さで前記水平レイヤを形成している、例1のACPシステム。
【0097】
例5.前記第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズの個々のRRAAD素子のシリーズは、前記第1の方向に延びるワイヤによって直列に結合された複数のRRAAD素子を含み、前記第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズの個々のRRAAD素子のシリーズは、前記第2の方向に延びるワイヤによって直列に結合された複数のRRAAD素子を含む、例4のACPシステム。
【0098】
例6.前記第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズのRRAAD素子および前記第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズのRRAAD素子は、画定された距離だけそのシリーズの隣接する素子から分離される、例4のACPシステム。
【0099】
例7.前記画定された距離は、前記ACPシステムに印加される電磁励起の波長(λ)の分数である、例6のACPシステム。
【0100】
例8.前記画定された距離は、λ/10以下である、例7のACPシステム。
【0101】
例9.RRAAD素子の前記矩形セルの全体の寸法は、λ×λである、例7のACPシステム。
【0102】
例10.前記地上媒体の上方の前記水平レイヤの前記高さは、前記波長(λ)の分数である、例7のACPシステム。
【0103】
例11.ACP素子の前記アレイは、前記第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズをx方向に直線的に配向し、前記第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズを前記x方向に実質的に垂線なy方向に直線的に配向した、矩形アレイである、例4のACPシステム。
【0104】
例12.RRAAD素子の前記矩形アレイは、前記矩形アレイの角にRRAAD素子を含まない、例11のACPシステム。
【0105】
例13.前記第1の複数のRRAAD素子の各個々のRRAAD素子は、前記第2の複数のRRAAD素子の対応する個々のRRAAD素子と並置される、例11のACPシステム。
【0106】
例14.前記第1の複数のRRAAD素子の前記個々のRRAAD素子および前記第2の複数のRRAAD素子の前記対応する個々のRRAAD素子は、共通の基板に実装される、例13のACPシステム。
【0107】
例15.前記第1の複数のRRAAD素子の前記個々のRRAAD素子は、プリント回路基板(PCB)の第1の側に取り付けられた第1のキャパシタおよび第1の抵抗を含み、前記第2の複数のRRAAD素子の前記対応する個々のRRAAD素子は、前記PCBの第2の側に取り付けられた第2のキャパシタおよび第2の抵抗を含む、例14のACPシステム。
【0108】
例16.ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方の前記高さに分配されるRRAAD素子の前記水平レイヤの上方に配された第2の水平レイヤであって、RRAAD素子の前記水平レイヤに実質的に平行なRRAAD素子の前記第2の水平レイヤを含み、前記RRAAD素子の第2の水平レイヤは、
前記水平レイヤ内の前記第1の複数のRRAAD素子の上方に配された第3の複数のRRAAD素子と、前記水平レイヤ内の前記第2の複数のRRAAD素子の上方に配された第4の複数のRRAAD素子と、を含み、前記第3の複数のRRAAD素子は、前記第1の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含み、前記第4の複数のRRAAD素子は、前記第2の方向に延びる相互接続されたRRAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、例4のACPシステム。
【0109】
例17.前記第3の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズのRRAAD素子の各シリーズは、前記第1の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズの対応するRRAAD素子のシリーズと実質的に整列し、前記第4の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズのRRAAD素子の各シリーズは、前記第2の複数のRRAAD素子のうち相互接続されたRRAAD素子の前記1つ以上のシリーズの対応するRRAAD素子のシリーズと実質的に整列する、例16のACPシステム。
【0110】
例18.RRAAD素子の前記第2の水平レイヤは、前記ACPシステムに印加される電磁励起の波長(λ)の分数だけ、RRAAD素子の前記水平レイヤから分離される、例16のACPシステム。
【0111】
例19.RRAAD素子の前記第2水平レイヤと、前記水平レイヤまたはRRAAD素子と、の間の前記分離は、RRAAD素子の前記水平レイヤの前記高さの約2倍である、例18のACPシステム。
【0112】
例20.ACP素子の前記アレイは、周波数(f)の電磁場で前記ACPシステムを励起するように構成された発射構造の周りに分配される、例1のACPシステム。
【0113】
例21.ACP素子の前記アレイは、発射構造の一方の側の周りに分配される、例20のACPシステム。
【0114】
例22.ACP素子の前記アレイの個々のRRAAD素子は、並列に接続されたキャパシタおよび抵抗を含み、前記キャパシタおよび前記抵抗は、1つ以上の集中定数素子コンポネントを含む、例1のACPシステム。
【0115】
例23.前記キャパシタは可変容量を含み、前記抵抗は可変抵抗を含み、または、その両方を含む、例22のACPシステム。
【0116】
例24.ACP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に分配された複数の垂直無損失人工異方誘電性(VLAAD)素子を含み、前記複数のVLAAD素子は、前記地上媒体の上方に配され、複数のVLAAD素子は、前記水平レイヤに実質的に垂直な第2の方向に延びる相互接続されたVLAAD素子の1つ以上のシリーズを含む、例1のACPシステム。
【0117】
例25.前記複数のVLAAD素子の個々のVLAAD素子は、1つ以上の集中定数素子コンポネントを含むキャパシタを含む、例24のACPシステム。
【0118】
例26.前記キャパシタは可変容量を含む、例25のACPシステム。
【0119】
例27.相互接続されたVLAAD素子の前記1つ以上のシリーズの個々のVLAAD素子は、ACPシステムに印加される電磁励起の波長(λ)の分数だけ、隣り合うVLAAD素子から分離される、例24のACPシステム。
【0120】
例28.前記地上媒体の上方に分配された水平人工異方透磁性(HAAMP)素子のアレイを含み、HAAMP素子の前記アレイは、前記地上媒体の上方に配された複数のHAAMP素子を含む、例1のACPシステム。
【0121】
例29.HAAMP素子の前記アレイの個々のHAAMP素子は、インダクタまたは導体のループを含み、前記インダクタは、集中定数素子コンポネントを含む、例28のACPシステム。
【0122】
例30.前記インダクタまたは前記導体の前記ループは、キャパシタに結合される、例29のACPシステム。
【0123】
例31.HAAMP素子の前記アレイは、前記複数のHAAMP素子がφ方向に配向された円筒形アレイである、例28のACPシステム。
【0124】
例32.HAAMP素子の前記アレイは、矩形アレイであり、
前記地上媒体の上方で第2の方向に配された第1の複数のHAAMP素子と、前記地上媒体の上方で第3の方向であって前記第2の方向に実質的に垂直な第3の方向に配された第2の複数のHAAMP素子と、を含む、例28のACPシステム。
【0125】
例33.前記第1の方向は、前記第2の方向と実質的に同じである、例32のACPシステム。
【0126】
本開示全体にわたる実施形態は、本開示の原理の理解を容易にするために提供される実装の例にすぎないことが強調されるべきである。本開示の全体的な原理から実質的に逸脱することなく、上述の態様または実施形態に対して多くの変形および修正が行われてもよい。これらの変更および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されており、以下の請求項によって保護される。加えて、記載された態様または実施形態の任意選択的および好ましい特徴および修正のすべては、本明細書で教示される開示のすべての態様において使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴、ならびに、記載された態様または実施形態の任意選択的および好ましい特徴および修正のすべては、互いに組み合わせ可能であり、交換可能である。
【0127】
”実質的に”という用語は、意図する目的に悪影響を与えない記述用語からの逸脱を可能にすることを意味する。記述された用語は、たとえその用語がその用語によって実質的に明示的に修正されていなくても、その用語によって実質的に修正されると暗黙的に理解される。
【0128】
ここで、比率、濃度、量および他の数値データは、範囲フォーマットで表されうることに注意されたい。そのような範囲フォーマットは便宜および簡潔さのために使用され、したがって、範囲の限界として明示的に列挙された数値だけでなく、各数値およびサブ範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値またはサブ範囲も含むように、柔軟な方法で解釈されるべきであることを理解されたい。例示のために、”約0.1%~約5%”の濃度範囲は、約0.1wt%~約5wt%の明示的に記載された濃度だけでなく、個々の濃度(例えば、1%、2%、3%および4%)および指示された範囲内のサブ範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%および4.4%)も含むと解釈されるべきである。用語”約”は、数値の有効数字による従来の丸めを含むことができる。加えて、”約’x’~’y’”という語句は、”約’x’~約’y’”を含む。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9