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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】車両搭載型衝突減衰器
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/26 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
B60R19/26
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022563219
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 US2021029561
(87)【国際公開番号】W WO2021222356
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】63/018,970
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510130631
【氏名又は名称】トラフィックス デバイシィズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TrafFix Devices,Inc.
【住所又は居所原語表記】160 Avenida La Pata San Clemente CA 92673(United States of America)
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】マウス、ジェフリー ビー
(72)【発明者】
【氏名】セルヴィアス、ライアン
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/175105(WO,A1)
【文献】特開2016-175482(JP,A)
【文献】米国特許第07438337(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載するための衝突衝撃減衰器であって、
少なくとも1つのエネルギー吸収モジュールを含むカートリッジ部と、
前記車両に前記カートリッジ部を装着するためのバックアップフレームを有するバックアップシステムであって、前記バックアップシステムの下半部に配置されているピボット軸を中心に展開方向と収容方向との間で前記カートリッジ部を枢動させるように構成するアクチュエータを含み、前記バックアップシステムは一端に接触面を有するロックアウトフレーム部材を更に含み、前記ロックアウトフレーム部材は、前記接触面が前記バックアップフレームの一部分に接合する展開方向と、前記接触面が前記バックアップフレームに接合しない収納方向との間で作動可能であるバックアップシステムと、を備え
前記ロックアウトフレーム部材は展開方向にある場合は水平になり、収納方向にある場合は垂直になることを特徴とする衝突衝撃減衰器。
【請求項2】
前記カートリッジ部は展開方向にある場合は水平になり、収納方向にある場合は垂直になることを特徴とする請求項1に記載の衝突衝撃減衰器。
【請求項3】
車両に搭載するための衝突衝撃減衰器であって、
少なくとも1つのエネルギー吸収モジュールを含むカートリッジ部と、
前記車両に前記カートリッジ部を装着するためのバックアップフレームを有するバックアップシステムであって、前記バックアップシステムの下半部に配置されているピボット軸を中心に展開方向と収容方向との間で前記カートリッジ部を枢動させるように構成するアクチュエータを含み、前記バックアップシステムは一端に接触面を有するロックアウトフレーム部材を更に含み、前記ロックアウトフレーム部材は、前記接触面が前記バックアップフレームの一部分に接合する展開方向と、前記接触面が前記バックアップフレームに接合しない収納方向との間で作動可能であるバックアップシステムと、を備え、
前記バックアップフレームは、前記カートリッジ部が展開方向にある場合の垂直方向と、前記カートリッジ部が収納方向にある場合の水平配置との間で枢動することを特徴とする衝突衝撃減衰器。
【請求項4】
前記ロックアウトフレーム部材の接触面が接触する前記バックアップフレームの部分は、前記ピボット軸の上に位置することを特徴とする請求項1に記載の衝突衝撃減衰器。
【請求項5】
車両に搭載するための衝突衝撃減衰器であって、
少なくとも1つのエネルギー吸収モジュールを含むカートリッジ部と、
前記車両に前記カートリッジ部を装着するためのバックアップフレームを有するバックアップシステムであって、前記バックアップシステムの下半部に配置されているピボット軸を中心に展開方向と収容方向との間で前記カートリッジ部を枢動させるように構成するアクチュエータを含み、前記バックアップシステムは一端に接触面を有するロックアウトフレーム部材を更に含み、前記ロックアウトフレーム部材は、前記接触面が前記バックアップフレームの一部分に接合する展開方向と、前記接触面が前記バックアップフレームに接合しない収納方向との間で作動可能であるバックアップシステムと、を備え、
前記ロックアウトフレーム部材の接触面は前記バックアップフレームとの接合を最適化するために調節可能であることを特徴とする衝突衝撃減衰器。
【請求項6】
前記ロックアウトフレーム部材の接触面は調節可能なボルト頭部を備えていることを特徴とする請求項に記載の衝突衝撃減衰器。
【請求項7】
車両に搭載するための衝突衝撃減衰器であって、
少なくとも1つのエネルギー吸収モジュールを含むカートリッジ部と、
前記車両に前記カートリッジ部を装着するためのバックアップフレームを有するバックアップシステムであって、前記バックアップシステムの下半部に配置されているピボット軸を中心に展開方向と収容方向との間で前記カートリッジ部を枢動させるように構成するアクチュエータを含み、前記バックアップシステムは一端に接触面を有するロックアウトフレーム部材を更に含み、前記ロックアウトフレーム部材は、前記接触面が前記バックアップフレームの一部分に接合する展開方向と、前記接触面が前記バックアップフレームに接合しない収納方向との間で作動可能であるバックアップシステムと、
前記バックアップフレームの第二部分に接合するための第二接触面を有している第二ロックアウトフレーム部材と、を備えていることを特徴とする衝突衝撃減衰器。
【請求項8】
車両に搭載するための衝突衝撃減衰器であって、
少なくとも1つのエネルギー吸収モジュールを含むカートリッジ部と、
前記車両に前記カートリッジ部を装着するためのバックアップフレームを有するバックアップシステムであって、前記バックアップシステムの下半部に配置されているピボット軸を中心に展開方向と収容方向との間で前記カートリッジ部を枢動させるように構成するアクチュエータを含み、前記バックアップシステムは一端に接触面を有するロックアウトフレーム部材を更に含み、前記ロックアウトフレーム部材は、前記接触面が前記バックアップフレームの一部分に接合する展開方向と、前記接触面が前記バックアップフレームに接合しない収納方向との間で作動可能であるバックアップシステムと、を備え、
前記ロックアウトフレーム部材の接触面が接触する前記バックアップフレームの部分は、前記バックアップフレームの上半分に位置することを特徴とする衝突衝撃減衰器。
【請求項9】
ホスト車両の後部に配置する衝突衝撃減衰器の配置方法であって、
衝突衝撃減衰器のカートリッジ部をホスト車両に連結するようにバックアップフレームを水平方向から垂直方向に枢動させ、且つ前記カートリッジ部を収納方向から展開方向に同時に枢動させ、前記カートリッジ部は前記ホスト車両の前記後部に水平に延伸し、前記バックアップフレーム及び前記カートリッジ部は前記バックアップフレームの下半部に沿って設置されているピボット軸を中心に枢動させるステップと、
ックアウトフレーム部材の一端にある接触面を前記バックアップフレームの一部分に接合させるようにロックアウトフレーム部材を収納方向から展開方向に移動させるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記バックアップフレームを枢動させるステップは、前記ロックアウトフレーム部材を移動させるステップの前に実行することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記バックアップフレームの前記一部分への接合を最適化するために前記接触面の位置を調節するステップを更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記調節するステップは、前記ロックアウトフレーム部材の長さを延長または短縮するようにボルト頭部を螺接することで実行することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ロックアウトフレーム部材を移動させるステップは、第二ロックアウトフレーム部材の一端にある第二接触面を前記バックアップフレームの第二部分に接合させるように第二ロックアウトフレーム部材を移動させるステップを更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロックアウトフレーム部材を移動させるステップは、前記ロックアウトフレーム部材を垂直になる収納位置から水平になる展開位置まで枢動させるステップを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記ロックアウトフレーム部材の前記接触面が接触する前記バックアップフレームの部分は、前記ピボット軸の上に位置することを特徴とする請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に事故車両と停車中または低速走行中の車両との衝突事故のエネルギーを吸収し、両車両の乗員の傷害を最小限に抑えるための減衰器に関する。より詳しくは、車両搭載型衝突減衰器に関する。このような衝突減衰器は同一出願人による米国特許第6,581,992号明細書の「トラック搭載型減衰器」が開示されている。また、米国特許第7,438,337号明細書の「車両衝突減衰器」が開示されている。これら開示された明細書はその全体を参照することにより本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本出願人は「SCORPION」という商標登録が成された上述の特許に係る減衰器を大量に販売しており、常に進展する政府の衝突試験基準を満たし、それを上回るように、且つ、様々な道路工事用途に適合するように製品の開発を続けている。本明細書に記載し請求する本発明は、空間とロードクリアランスが限られた大都市及び都市部での使用に更に適合した優れた製品にするための改良が加えられている。以下に記載するシステムはあらゆる適切な用途に適用可能である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、追加の特徴及び利点と共に、添付図面と併せて以下の説明を参照することで最良の理解が得られる。
【0004】
本発明の一態様は、車両に搭載するための衝突衝撃減衰器であって、少なくとも1つのエネルギー吸収モジュールを含むカートリッジ部と、前記カートリッジ部を前記車両に装着するためのバックアップフレームを有するバックアップシステムと、を含んで構成する。前記バックアップシステムは、前記バックアップシステムの下半部に配置されているピボット軸を中心に展開方向と収容方向との間で前記カートリッジ部を枢動させるように構成されているアクチュエーターを備える。前記バックアップシステムは一端に接触面を有している革新的なロックアウトフレーム部材を更に備える。前記ロックアウトフレーム部材は、前記接触面が前記バックアップフレームの一部分に接合している展開方向と、前記接触面が前記バックアップフレームに接合しない収納方向との間で作動可能である。
【0005】
図示する実施形態において、前記カートリッジ部は展開方向にある場合は水平になり、収納方向にある場合は垂直になる。前記ロックアウトフレーム部材は展開方向にある場合は水平になり、収納方向にある場合は垂直になる。前記バックアップフレームは、前記カートリッジ部が展開方向にある場合の垂直方向と、前記カートリッジ部が収納方向にある場合の水平方向との間で枢動する。
【0006】
前記ロックアウトフレーム部材の接触面が接触する前記バックアップフレームの部分は前記ピボット軸の上に位置する。この配置により、車両の衝突事故時に衝撃力を受けて前記ピボット軸を中心に横転しないように前記バックアップフレームを補強する。図示する実施形態において、前記ピボット軸は衝撃を受けた車両によって生じた力が消除される位置の下方に位置し、前記バックアップフレームと前記ロックアウトフレーム部材との接触による接合は衝撃力が消除される位置の上方に位置する。
【0007】
前記ロックアウトフレーム部材の接触面は、前記バックアップフレームとの接合を最適化するために調節可能である。例えば、前記ロックアウトフレーム部材の接触面は、前記ロックアウトフレーム部材の長さを延長または短縮するように螺接するための調節可能なボルト頭部を備えている。
【0008】
図示する実施形態に係る第二ロックアウトフレーム部材は、前記バックアップフレームの第二部分に接合するための第二接触面を有する。第二ロックアウトフレーム部材が第二接触面を有することにより、前記バックアップフレームの幅に渡ってより均等な補強を可能にする。ロックアウトフレーム部材の数量は環境及び動作条件の違いに応じて最適化できる。上述したように、前記ロックアウトフレーム部材の接触面が接触する前記バックアップフレームの部分は、前記バックアップフレームの上半部に位置する。
【0009】
本発明の他の態様において、前述の衝突衝撃減衰器は、ホスト車両の後部に配置する。衝突衝撃減衰器を配置させるときは、前記衝突衝撃減衰器のカートリッジ部を前記ホスト車両に連結するようにバックアップフレームを水平方向から垂直方向に枢動させ、且つ前記カートリッジ部を収納方向から展開方向に同期で枢動させる。前記カートリッジ部は前記ホスト車両の前記後部の後方に水平に延伸する。前記バックアップフレーム及びカートリッジ部を枢動させるときは、前記バックアップフレームの下半部に沿って設置するピボット軸を中心とする。。前記ロックアウトフレーム部材の一端にある接触面を前記バックアップフレームの一部分に接合させるように収納方向から展開方向にロックアウトフレーム部材を移動させる。
【0010】
前述の方法において、前記バックアップフレームを枢動させるステップは、前記ロックアウトフレーム部材を移動させるステップの前に実行する。前記バックアップフレームの前記一部分への接合を最適化するために前記接触面の位置を調節するステップを更に含み、このステップは前記ロックアウトフレーム部材の長さを延長または短縮するようにボルト頭部を螺接することで実行する。
【0011】
前記ロックアウトフレーム部材を移動させるステップは、前記第二ロックアウトフレーム部材の一端にある第二接触面を前記バックアップフレームの第二部分に接合させるように第二ロックアウトフレーム部材を移動させるステップを更に含む。
【0012】
前記ロックアウトフレーム部材を移動させるステップは、前記ロックアウトフレーム部材を垂直になる収納方向から水平になる展開方向まで枢動させるステップを含む。上述したように、前記バックアップフレームの前記一部分は前記ピボット軸の上方に位置する前記ロックアウトフレーム部材の前記接触面に接合する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る車両搭載型衝突減衰器を装備したトラック等の車両を示す側面図である。
図2図1に係る前記車両搭載型衝突減衰器を示す斜視図である。
図3図2の衝突減衰器を示す上面図である。
図4図2及び図3の衝突減衰器を示す側面図である。
図5】車両に衝突減衰器を固定するために前記バックアップシステムから取り外された衝突減衰器を示す斜視図である。
図6図2乃至図6の衝突減衰器が直立に保管または輸送方向にある状態を示す背面図である。
図7図6の衝突減衰器が又直立に保管または輸送方向にある状態を示す側面図である。
図8図6及び図7の衝突減衰器が水平配置方向にある状態を示す側面図である。
図9】本発明の衝突減衰器システムに使用する図5のバックアップシステムのような例示的な実施形態に係るボトムピボット減衰器搭載システムまたはバックアップシステムを示す等角図である。
図10】展開方向にある図9のバックアップシステムを示す概略図である。
図11】収納方向にある図9及び図10のバックアップシステムを示す概略図である。
図12図9の逆方向から見た図9乃至図11のバックアップシステムを示す概略等角図である。
図13】ロックアウトフレームの接触面の詳細な断面図を含む図9乃至図12のバックアップシステムを上から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照する。図面において類似する部材には類似する符号を以て標示する。図1は車両搭載型衝突減衰器10を示し、本発明の原理に基づいて構成され、車両またはトラック12の後部14に装着する。図1に示す前記衝突減衰器10は水平配置方向にあり、図8にも同様のケースを示す。図6及び図7に示す前記衝突減衰器10は直立に保管または輸送方向にある。
【0015】
図2乃至図8は例示的な衝突減衰器10の詳細な構造を図示する。前記衝突減衰器10は同一出願人による米国特許第6,581,992号明細書(‘992号特許)に開示される内容との多くの類似点があるが、よりコンパクトに設計されている。特に、密集し、道路の空間が限られ、ターンする半径を狭くする必要があるか少なくともそれが好ましい大都市や都市部での応用に好適である。より詳しくは、‘992号特許の前記衝突減衰器はストラット部116及びカートリッジ部118を含んで構成する。例えば、図10の‘992号特許では、本発明の前記衝突減衰器10がカートリッジ部16のみを備える。これは前記減衰器10の長さを8ftまで短縮していることを意味し、開示されている前記衝突減衰器の他のバージョンの13ftとは反対である。例えば、‘992号特許の前記衝突減衰器10は7000~7500lb(約3200~3500kg)の小型のホスト車両12に使用し、より小さなホスト車両を50MPH(80KPH)まで保護できる。
【0016】
図6乃至図8は水平になる展開方向(図8参照)及び垂直になる保管方向(図6及び図7参照)にある前記衝突減衰器10を図示する。前記車両の方向に対し前記カートリッジ部の角度が約90度上昇する(単一の90度折り畳み)。アクチュエーターは、前記カートリッジ部16及び組み合わせられる部材を展開方向と保管方向との間で枢動させるように、前記バックアップシステム26の一部として提供する。
【0017】
前記カートリッジ部16は垂直に間隔を空けている1組の湾曲部材18を備え、好適な実施形態において、4 1/2inの直径を有しているアルミ管を備えているが、適合する同様の性質を有している他の材料、サイズ、及び構成も使用可能である。前記カートリッジ部16にはエネルギー吸収モジュール20、22、及び24を搭載する。これらのモジュールは、好適な実施形態において、環境的に密封したアルミ容器内に配置するアルミ製ハニカム材料を含むように構成する。前記アルミ製ハニカム材料は、モジュール22及び24内に1inのセル、及びモジュール20内に1/2inのセルを備えていてもよい。必要に応じて代替の材料及びセルのサイズは選択可能である。前記ハニカム材料は組み立てた構成の中央部に穿設されている間隔を空けた穴を備え、前記ハニカムに閉じ込められた空気を通気させるために用いて、前記衝突減衰器10にオンセット力が付勢された際に安定性を高める。
【0018】
前記衝突減衰器10は前記車両12の前記後端14に配置されているバックアップシステム26に装着する。好適な実施形態において、前記バックアップシステム26は鋼鉄のような剛性材料で構成するが、類似する他の材料で製造してもよい。
【0019】
図5に示す如く、第一タイプのバックアップシステム26は前記カートリッジ部16と共に使用する。第一タイプの前記バックアップシステム26は「低ピボット」バックアップシステムであり、図10乃至図14と併せて詳しく後述する。前記システムは、例えば、‘992号特許に開示するものと相似する「高ピボット」バックアップシステムと共に使用してもよい。
【0020】
本発明の低ピボットバックアップシステム26の利点は、図5及び図9乃至図13に示す如く、システム10の垂直高さを、図7及び図9に示すように、10ft未満にすることができる。高ピボットバックアップシステムでは、前記システム10の保管垂直高さが11ft超である。加えて、本出願人は、本発明の低ピボットバックアップシステムが、前記衝突減衰器10の下で衝突車両のアンダーライドを抑制するよう動作するという利点を見出した。これが抑制されなければ前記衝突車両の乗員にとって特に危険である。
【0021】
前記低ピボットバックアップシステム26について、図9乃至図13を特に参照し、より詳細に図示する。前記バックアップシステム26は、前記衝突減衰器10に装着するためのバックアップフレーム28と、トラック/車両12に装着するためのトラックサイドフレーム30と、アンダーライド防止ロックアウトフレーム部材32と、を含んで構成する。図10には展開方向にある前記バックアップシステム26を図示し、図11には収納方向にある前記バックアップシステム26を図示する。
【0022】
動作において、前記衝突減衰器10を図11に示す前記収納方向から図10に示す前記展開方向に配置する。配置すると、アクチュエーターシステム42により前記バックアップシステム26の前記バックアップフレーム28が図11に示す前記水平方向から図10に示す前記垂直方向に移動し、図11に矢印で示すように前記ピボット軸34を中心に枢動する。一旦前記バックアップフレーム28が直立すると、図11に第二の矢印で示す枢動ジョイント40を中心に、前記アンダーライド防止ロックアウトフレーム部材32が図11に示す収納垂直方向から図10に示す前記水平方向に作動する。前記ロックアウトフレーム部材32が展開水平方向にある場合、前記各フレーム部材32の端部にあるボルト頭部38が前記バックアップフレーム28に接合し、図10に矢印で示すように、衝突車両の力に対する抵抗力を提供する。前記ボルト頭部は、ボルトと螺接することで、接合を最適化するように調節可能である。前記ロックアウトフレームアーム32は、前記ピボットポイント34の直上に前記バックアップフレームとの2つの接点を提供する。
【0023】
前記衝突減衰器に衝突した車両の力は、通常前記搭載システムの前記ピボット軸上から幾らかの距離「D」(図10参照)を置いた位置にある。前記ロックアウトフレームがない場合、前記ピボット軸を中心に角加速度が発生し、前記バックアップフレーム及びシステムが回転してしまう。この回転により前記減衰器の衝突面を持ち上げ、前記衝突車両がアンダーライドを起こす可能性がある。前記ロックアウトフレーム32はこの回転を発生させないようにするための抵抗力を提供する。
【0024】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得る。
【符号の説明】
【0025】
10 衝突減衰器
10 システムの垂直高さ
116 ストラット部
118 カートリッジ部
12 トラック車両
14 後部
14 後端
16 カートリッジ部
18 湾曲部材
20 エネルギー吸収モジュール
22 エネルギー吸収モジュール
24 エネルギー吸収モジュール
26 バックアップシステム
28 バックアップフレーム
30 トラックサイドフレーム
32 ロックアウトフレーム部材
32 アンダーライド防止ロックアウトフレーム部材
34 ピボット軸
38 ボルト頭部
40 枢動ジョイント
42 アクチュエーターシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13