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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】車両用のトレーラ装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60D 1/48 20060101AFI20240412BHJP
   B62D 21/05 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
B60D1/48
B62D21/05
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022574235
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 CN2021094888
(87)【国際公開番号】W WO2021249148
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202010513485.X
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522450233
【氏名又は名称】浙江聯控技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIANKONG TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 818 2nd Binhai Road, Hangzhou Bay New District, Ningbo, Zhejiang, China
(73)【特許権者】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang310000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】井 小向
(72)【発明者】
【氏名】肯 特
(72)【発明者】
【氏名】付 涛
(72)【発明者】
【氏名】戴 強
(72)【発明者】
【氏名】梁 健
(72)【発明者】
【氏名】于 澤
(72)【発明者】
【氏名】魏 書浩
(72)【発明者】
【氏名】劉 群
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-231477(JP,A)
【文献】実開昭62-80705(JP,U)
【文献】米国特許第3838872(US,A)
【文献】実開昭62-130906(JP,U)
【文献】実開昭59-51603(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第19805717(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60D 1/01
B60D 1/14
B60D 1/48ー 1/56
B62D 21/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のトレーラ装置であって、
前記車両は車両の縦方向に延在している2つのサイドメンバーと、前記2つのサイドメンバーの一端側に設けられ、車両の横方向に延在しているリアバンパービームと、前記2つのサイドメンバーの間に設けられるリアフロア及びリアフロアクロスメンバーと、を含み、各前記サイドメンバーの前記リアバンパービーム付近の端部と前記リアバンパービームとの間はそれぞれクラッシュボックスを介して接続され、
前記トレーラ装置は、前端部と、当該前端部に接続される後端部と、を含み、
前記前端部は、前記リアフロア及び前記リアフロアクロスメンバーに設けられ、受ける外力が前記リアフロアクロスメンバーに分散するように構成され、
前記後端部は、接続ベースと、前記接続ベースに接続され前記車両の外部に伸びているトレーラフックと、を含み、前記接続ベースは、前記リアバンパービームに設けられ、前記後端部の受ける外力が前記リアバンパービーム及び前記クラッシュボックスを介して前記サイドメンバーに伝達されるように構成されており
前記前端部はU-ビーム、および、2つのL字形ブラケットを含み、
前記U-ビームは、前記リアフロアの裏面に設けられ、対向して位置する第1端部と第2端部とを含み、
前記2つのL字形ブラケットは、全て前記リアフロアの正面に設けられ、
一方の前記L字形ブラケットは、一端が前記U-ビームの前記第1端部に接続され、他端が前記リアフロアクロスメンバーに接続され、
他方の前記L字形ブラケットは、一端が前記U-ビームの前記第2端部に接続され、他端が前記リアフロアクロスメンバーに接続される、
車両用のトレーラ装置。
【請求項2】
前記U-ビームの前記第1端部は少なくとも1つの第1取付孔を有し、前記U-ビームの前記第2端部は少なくとも1つの第2取付孔を有し、各前記L字形ブラケットの一端は少なくとも1つの第3取付孔を有し、
さらに、少なくとも1つの第1ボルトと、少なくとも1つの第2ボルトと、を含み、
前記第1ボルトは、前記第1端部の前記第1取付孔及び一方の前記L字形ブラケットの前記第3取付孔を貫通して、前記U-ビームと前記一方のL字形ブラケットとを接続し、
前記第2ボルトは、前記第2端部の前記第2取付孔及び他方の前記L字形ブラケットの前記第3取付孔を貫通して、前記U-ビームと前記他方のL字形ブラケットとを接続する、
請求項に記載のトレーラ装置。
【請求項3】
各前記L字形ブラケットの他端は、少なくとも1つの第4取付孔を有し、
さらに、少なくとも1つの第3ボルトと、少なくとも1つの第4ボルトと、を含み、
前記第3ボルトは、前記一方のL字形ブラケットの前記第4取付孔及び前記リアフロアクロスメンバーを貫通して、前記一方のL字形ブラケットと前記リアフロアクロスメンバーを接続し、
前記第4ボルトは、前記他方のL字形ブラケットの前記第4取付孔及び前記リアフロアクロスメンバーを貫通して、前記他方のL字形ブラケットと前記リアフロアクロスメンバーを接続する、
請求項に記載のトレーラ装置。
【請求項4】
前記リアフロアクロスメンバーは、クロスメンバー強化板を内部に有し、
前記L字形ブラケットは、前記リアフロアクロスメンバーに接続されるときに前記クロスメンバー強化板を貫通する、
請求項に記載のトレーラ装置。
【請求項5】
前記接続ベースは、前記リアバンパービームの車両内部側に設けられる、
請求項1~のいずれか1項に記載のトレーラ装置。
【請求項6】
前記接続ベースは、前記U-ビームに取り外し可能に接続される、
請求項に記載のトレーラ装置。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載のトレーラ装置を含む車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両部品の技術分野に関し、特に車両用のトレーラ装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両のトレーラ装置は一般的にクロスメンバーが付いており、車両に取り付ける前に、まず、元の車両のリアバンパービームとクラッシュボックスを取り外し、その後、トレーラ装置に付いているクロスメンバーをファスナーで車両のサイドメンバーに接続する必要がある。
【0003】
このような構造はクロスメンバーを備えているため、全体の重量が重く、体積が大きいため、1人で取り付けるのが困難であり、通常は補助具を必要とし、しかも取り付けるのに時間がかかる。また、このトレーラ装置のクロスメンバーと車両のサイドメンバーとの接続は剛性接続であり、潰れてエネルギーを吸収する役割を果たすことができず、衝突を受けた際に衝撃力が直接車体に伝達される。また、元の車両のリアバンパービームとクラッシュボックスを取り外したため、低速衝突の場合の保護作用が失われ、車両の低速衝突の場合の安全性能が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は従来技術におけるトレーラ装置では低速衝突の場合の保護作用が失われ、全体の重量が重いことにより1人で取り付けるのが困難であるという技術的課題を解决することである。
【0005】
本発明のさらなる目的はトレーラ装置のトルク耐性を向上させ、車両の旋回時や路面が凹凸の場合に車体の幅方向のトルクを受けることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特に、本発明は、
車両用のトレーラ装置であって、
前記車両は車両の縦方向に延在している2つのサイドメンバーと、前記2つのサイドメンバーの一端側に設けられ、車両の横方向に延在しているリアバンパービームと、前記2つのサイドメンバーの間に設けられるリアフロア及びリアフロアクロスメンバーと、を含み、各前記サイドメンバーはいずれも前記リアバンパービーム付近の端部と前記リアバンパービームとの間はクラッシュボックスを介して接続され、
前記トレーラ装置は、前端部と、前記前端部に接続される後端部と、を含み、
前記前端部は、前記リアフロア及び前記リアフロアクロスメンバーに設けられ、受ける外力が前記リアフロアクロスメンバーに分散するように構成され、
前記後端部は、接続ベースと、前記接続ベースに接続され前記車両の外部に伸びているトレーラフックと、を含み、前記接続ベースは、前記リアバンパービームに設けられ、前記後端部の受ける外力が前記リアバンパービーム及び前記クラッシュボックスを介して前記サイドメンバーに伝達されるように構成されている、
車両用のトレーラ装置を提供する。
【0007】
好ましくは、前記先端部分はU-ビームを含み、前記U-ビームは前記リアフロアの裏面に設けられる。
【0008】
好ましくは、前記U-ビームは、対向して位置する第1端部と第2端部とを含み、
前記前端部は2つのL字形ブラケットをさらに含み、前記2つのL字形ブラケットは全て前記リアフロアの正面に設けられ、
一方の前記L字形ブラケットは、一端が前記U-ビームの前記第1端部に接続され、他端が前記リアフロアクロスメンバーに接続され、
他方の前記L字形ブラケットは、一端が前記U-ビームの前記第2端部に接続され、他端が前記リアフロアクロスメンバーに接続される。
【0009】
好ましくは、前記U-ビームの前記第1端部は少なくとも1つの第1取付孔を有し、前記U-ビームの前記第2端部は少なくとも1つの第2取付孔を有し、各前記L字形ブラケットの一端は少なくとも1つの第3取付孔を有し、
さらに、前記トレーラ装置は、少なくとも1つの第1ボルトと、少なくとも1つの第2ボルトと、をさらに含み、
前記第1ボルトは、前記第1端部の前記第1取付孔及び一方の前記L字形ブラケットの前記第3取付孔を貫通して、前記U-ビームと前記一方のL字形ブラケットを接続し、
前記第2ボルトは、前記第2端部の前記第2取付孔及び他方の前記L字形ブラケットの前記第3取付孔を貫通して、前記U-ビームと前記他方のL字形ブラケットを接続する。
【0010】
好ましくは、各前記L字形ブラケットの他端は、少なくとも1つの第4取付孔を有し、
前記トレーラ装置は、少なくとも1つの第3ボルトと、少なくとも1つの第4ボルトと、を含み、
前記第3ボルトは、前記一方のL字形ブラケットの前記第4取付孔及び前記リアフロアクロスメンバーを貫通して、前記一方のL字形ブラケットとリアフロアクロスメンバーを接続し、
前記第4ボルトは、前記他方のL字形ブラケットの前記第4取付孔及びリアフロアクロスメンバーを貫通して、前記他方のL字形ブラケットとリアフロアクロスメンバーを接続する。
【0011】
好ましくは、前記リアフロアクロスメンバーは、クロスメンバー強化板を内部に有し、前記L字形ブラケットは前記リアフロアクロスメンバーに接続されるときに前記クロスメンバー強化板を貫通する。
【0012】
好ましくは、前記接続ベースは前記リアバンパービームの裏面に設けられる。
【0013】
好ましくは、前記接続ベースは前記U-ビームに取り外し可能に接続される。
【0014】
特に、本発明は、前述トレーラ装置を含む車両をさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例の態様によれば、トレーラ装置の構造を設計し、トレーラ装置の前端部を車両のリアフロア及びリアフロアクロスメンバーに設け、後端部の接続ベースをリアバンパービームに設けることによって、車両の既存のリアバンパービーム及びクラッシュボックスを保持しつつ、これにより、低速衝突の場合、リアバンパービーム及びクラッシュボックスは変形を通じて衝突エネルギーを吸収することができる。さらに、該トレーラ装置は前端部と後端部だけを有するので、従来技術においてトレーラ装置にクロスメンバーが付いている形態と比べて、全体の重量が大幅に低減し、1人での取り付け操作が可能になる。
【0016】
さらに、U-ビーム及びL字形ブラケットの一端がリアフロアに接続され、L字形ブラケットの他端がクロスメンバー強化板とともにリアフロアクロスメンバーに接続されるので、牽引時に、トレーラフックの受力がU-ビームを介して引張力をリアフロアクロスメンバーに均等に分散させる。これにより、車体の長さ方向における引張力を支えるという目的を達成させる。
【0017】
また、該U-ビームがU字形にされることによって、リアフロアクロスメンバーにおける接続点が車体の幅方向において間隔を空けており、これにより、トレーラ装置のトルク耐性を向上させ、車両の旋回時や路面が凹凸の場合に車体の幅方向のトルクを受けることができる。L字形ブラケットは強化リブやフランジとして機能し、また、クロスメンバー強化板とともに引っ張るときに路面の凹凸により生じた曲げモーメントを受ける。
【0018】
トレーラ装置の後端では、接続ベースがリアバンパービームに接続され、後端の受けた引張力と垂直方向の力がリアバンパービーム及びクラッシュボックスを介してサイドメンバーに伝達され、このように、垂直方向における支持の要件を満たす。該第1取付孔、第2取付孔、第3取付孔及び第4取付孔は本発明の実施例における形態のように構成されることによって、U-ビーム、L字形ブラケットの機能や作用がさらに高まる。
【0019】
以下、図面を参照して本発明の特定実施を詳細に説明するが、これにより、当業者にとって、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの具体的な実施例を限定的ではなく例示的に説明する。図面における同じ符号は同一又は類似の部品又は部分を表す。当業者が理解できるように、これらの図面は必ずしも比例して描かれたものではない。
図1】本発明の一実施例に係る車両用のトレーラ装置の正面の構造概略図を示す。
図2】本発明の一実施例に係る車両用のトレーラ装置の裏面の構造概略図を示す。
図3】本発明の一実施例に係る車両用のトレーラ装置の概略的な分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明の一実施例に係る車両用のトレーラ装置の正面の構造概略図を示す。図2は本発明の一実施例に係る車両用のトレーラ装置の裏面の構造概略図を示す。図3は本発明の一実施例の車両用のトレーラ装置の概略的な分解図を示す。以下でいう「正面」とは、車両が一般的に路面に配置されたときに人眼で見える面である。「裏面」とは「正面」と反対面である。
【0022】
実施例1
図1図3に示すように、該車両は、2本のサイドメンバー1と、2本のサイドメンバー1の端部にそれぞれ設けられる2つのクラッシュボックス2と、クラッシュボックス2を介してサイドメンバー1に接続され、横方向に設けられるリアバンパービーム3と、2本のサイドメンバー1の間に位置するリアフロア4及びリアフロアクロスメンバー5と、を含む。該トレーラ装置は前端部6と、前端部6に接続される後端部7と、を含む。該前端部6は車両のリアフロア4及びリアフロアクロスメンバー5に設けられる。該後端部7は接続ベース71と、接続ベース71に接続されるトレーラフック72と、を含み、接続ベース71はリアバンパービーム3に設けられ、トレーラフック72は接続ベース71に接続された部位から車両の外部へ延びている。該前端部6の受ける外力はリアフロアクロスメンバー5に分散しており、該後端部7の受ける外力はリアバンパービーム3及びクラッシュボックス2を介してサイドメンバー1に伝達される。
【0023】
本発明の実施例の態様によれば、トレーラ装置の構造を設計し、トレーラ装置の前端部6を車両のリアフロア4及びリアフロアクロスメンバー5に設け、後端部7の接続ベース71をリアバンパービーム3に設けることによって、車両の既存のリアバンパービーム3及びクラッシュボックス2を保持する。これによって、低速衝突の場合、リアバンパービーム3及びクラッシュボックス2は変形を通じて衝突エネルギーを吸収することができる。さらに、該トレーラ装置は前端部6と後端部7だけを有するので、従来技術においてトレーラ装置にクロスメンバーが付いている形態と比べて、全体の重量が大幅に低減し、1人での取り付け操作が可能になる。
【0024】
実施例2
該実施例では、図2及び図3に示すように、前端部6はU-ビーム61と、2つのL字形ブラケット62と、を含む。U-ビーム61はリアフロア4の裏面に設けられる。2つのL字形ブラケット62は全てリアフロア4の正面に設けられる。U-ビーム61は対向して位置する第1端部611と第2端部612を有する。一方のL字形ブラケット62は一端がU-ビーム61の第1端部611に接続され、他端がリアフロアクロスメンバー5に接続される。他方のL字形ブラケット62は一端がU-ビーム61の第2端部612に接続され、他端がリアフロアクロスメンバー5に接続される。
【0025】
後端部7の接続ベース71はリアバンパービーム3の裏面に設けられ、また、接続ベース71はU-ビーム61に取り外し可能に接続される。接続ベース71は、接続板711と、ファスナーによって該接続板711に接続される固定フレーム712と、を含む。該接続板711は平板構造として構成されており、リアバンパービーム3の裏面に取り付けられる。該固定フレーム712は全体としてL字形に構成され、その数が2つである。2つの固定フレーム712はそれぞれ平板構造の接続板711の両側に接続され、トレーラフック72の両側に位置する。2つの固定フレーム712はすべてU-ビーム61に接続される。
【0026】
U-ビーム61の第1端部611は2つの第1取付孔613を有し、該U-ビーム61の第2端部612は2つの第2取付孔614を有する。2つの第1取付孔613はU-ビーム61の第1端部611で車体の長手方向に配列され、2つの第2取付孔614はU-ビーム61の第2端部612で車体の長手方向に配列される。各L字形ブラケット62の一端は2つの第3取付孔615を有する。各L字形ブラケット62の他端は2つの第4取付孔616を有する。
【0027】
一方のL字形ブラケット62の2つの第3取付孔615は車体の長手方向に配列され、2つの第1取付孔613に対応している。これにより、2つの第1ボルト8のうちの一方の第1ボルト8は、一方の第1取付孔613及び当該第1取付孔613に対応する第3取付孔615を貫通し、2つの第1ボルト8のうちの他方の第1ボルト8は、他方の第1取付孔613及び当該第1取付孔613に対応する他方の第3取付孔615を貫通し、これにより、U-ビーム61の第1端部611とL字形ブラケット62とを接続する。
【0028】
他方のL字形ブラケット62の2つの第3取付孔615は車体の長手方向に配列され、2つの第2取付孔614に対応している。これにより、2つの第2ボルト9のうちの一方の第2ボルト9は、一方の第2取付孔614及び当該第2取付孔614に対応する第3取付孔615を貫通し、2つの第1ボルト8のうちの他方の第1ボルト8は、他方の第2取付孔614及び当該第2取付孔614に対応する他方の第3取付孔615を貫通し、これによりU-ビーム61の第2端部612と該L字形ブラケット62とを接続する。
【0029】
一方のL字形ブラケット62の2つの第4取付孔616は、車体の幅方向に配列される。2つの第3ボルト10のうちの一方の第3ボルト10は、該2つの第4取付孔616のうちの一方の第4取付孔616及びリアフロアクロスメンバー5を貫通し、他方の第3ボルト10は該L字形ブラケット62の他方の第4取付孔616及びリアフロアクロスメンバー5を貫通し、これにより該L字形ブラケット62とリアフロアクロスメンバー5を接続する。
【0030】
他方のL字形ブラケット62の2つの第4取付孔616は、車体の幅方向に配列される。2つの第4ボルト11のうちの一方の第4ボルト11は、該2つの第4取付孔616のうちの一方の第4取付孔616及びリアフロアクロスメンバー5を貫通し、他方の第4ボルト11は、該L字形ブラケット62の他方の第4取付孔616及びリアフロアクロスメンバー5を貫通し、これにより該L字形ブラケット62とリアフロアクロスメンバー5を接続する。
【0031】
リアフロアクロスメンバー5は、クロスメンバー強化板(図示せず)を内部に有し、L字形ブラケット62は、リアフロアクロスメンバー5に接続されるときにクロスメンバー強化板を貫通する。
【0032】
本発明の実施例によれば、U-ビーム61及びL字形ブラケット62の一端がリアフロア4に接続され、L字形ブラケット62の他端がクロスメンバー強化板とともにリアフロアクロスメンバー5に接続される。このため、牽引時に、トレーラフック72の引張力は、U-ビーム61を介してリアフロアクロスメンバー5に均等に分散され、これにより、車体の前後方向における引張力を支持することができる。
【0033】
また、該U-ビーム61がU字形にされることによって、リアフロアクロスメンバー5における接続点が車体の幅方向において間隔を空けており、これにより、トレーラ装置のトルク耐性を向上させ、車両の旋回時や路面が凹凸の場合に車体の幅方向のトルクを受けることができる。L字形ブラケット62は強化リブやフランジとして機能し、また、クロスメンバー強化板とともに引っ張るときに路面の凹凸により生じた曲げモーメントを受ける。
【0034】
さらに、トレーラ装置の後端では、接続ベース71がリアバンパービーム3に接続され、後端の受けた引張力と垂直方向の力がリアバンパービーム3及びクラッシュボックス2を介してサイドメンバー1に伝達され、垂直方向における支持の要件を満たす。第1取付孔613、第2取付孔614、第3取付孔615及び第4取付孔616は、本発明の実施例における形態のように構成されることによって、U-ビーム61、L字形ブラケット62の機能や作用がさらに高まる。
【0035】
実施例3
実施例3では、実施例2と比べて、第1取付孔613、第2取付孔614、第3取付孔615及び第4取付孔616の数が全て1つ、あるいは、3つ以上であり、該第1ボルト8、第2ボルト9、第3ボルト10及び第4ボルト11の数が、全て1つ、あるいは、3つ以上であり、これらの数が必要に応じて設定され得る点は相違する。
【0036】
特に、本発明は、前述実施例のトレーラ装置を含む車両をさらに提供する。
【0037】
本発明のトレーラ装置は、従来のトレーラ装置と比較して、ドラッグ機能を確保しつつ、本体の重量を低下させ、取り付けやすさを向上させ、取り付けるのにかかる時間を短縮させ、また、車全体の低速衝突性能を確保する。
【0038】
以上より、当業者にとって明らかなように、本明細書において、本発明の複数の例示的な実施例は詳細に示されて説明されたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明の開示内容に基づいて本発明の原理に合致する多くの他の変形や修正を直接決定又は導出することができる。このため、本発明の範囲はこれらの他の変形及び修正をすべてカバーすることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0039】
1-サイドメンバー、2-クラッシュボックス、3-リアバンパービーム、4-リアフロア、5-リアフロアクロスメンバー、6-先端部分、61-U-ビーム、611-第1端部、612-第2端部、613-第1取付孔、614-第2取付孔、615-第3取付孔、616-第4取付孔、62-L字形ブラケット、7-後端部分、71-接続ベース、711-接続板、712-固定フレーム、72-トレーラフック、8-第1ボルト、9-第2ボルト、10-第3ボルト、11-第4ボルト
図1
図2
図3