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特許7471474マルチコアファイバインタリーバ、光ファイバ増幅器、伝送システム、および伝送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】マルチコアファイバインタリーバ、光ファイバ増幅器、伝送システム、および伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240412BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240412BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
H01S3/10 D
G02B6/26
G02B6/02 461
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022581324
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2021096273
(87)【国際公開番号】W WO2022001518
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】202010621709.9
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 文斗
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-335673(JP,A)
【文献】特開平10-210014(JP,A)
【文献】特開2003-032196(JP,A)
【文献】特開2004-288702(JP,A)
【文献】国際公開第2013/157245(WO,A1)
【文献】特開平05-129685(JP,A)
【文献】特開2014-116466(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090598(WO,A1)
【文献】特開2014-236210(JP,A)
【文献】特表2018-508997(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0086199(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/245-6/25
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
G02B 6/46-6/54
H01L 29/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチコアファイバインタリーバであって、
前記マルチコアファイバインタリーバの外部の第1のマルチコアファイバ、第2のマルチコアファイバ、第3のマルチコアファイバ、および第4のマルチコアファイバに結合されるようにそれぞれ適応された第1のポート、第2のポート、第3のポート、および第4のポートを備え、
前記第1のポートの前記第1のマルチコアファイバの複数の第1のコアの第1のサブセットは、前記第2のポートの前記第2のマルチコアファイバの複数の第2のコアの第1のサブセットに結合され、
前記第3のポートの前記第3のマルチコアファイバの複数の第3のコアの第1のサブセットは、前記第4のポートの前記第4のマルチコアファイバの複数の第4のコアの第1のサブセットに結合され、
前記第4のポートの前記第4のマルチコアファイバの前記複数の第4のコアの第2のサブセットは、前記第2のポートの前記第2のマルチコアファイバの前記複数の第2のコアの第2のサブセットに結合され、
前記第3のポートの前記第3のマルチコアファイバの前記複数の第3のコアの第2のサブセットは、前記第1のポートの前記第1のマルチコアファイバの前記複数の第1のコアの第2のサブセットに結合され、
前記マルチコアファイバの前記第1のサブセットは、同じ数量のコアを含み、前記マルチコアファイバの前記第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む、マルチコアファイバインタリーバ。
【請求項2】
前記マルチコアファイバの前記第1のサブセットに含まれるコアの前記数量は、前記マルチコアファイバの前記第2のサブセットに含まれるコアの前記数量と等しい請求項1に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項3】
同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアと第2のサブセットのコアとは、交互の位置に位置する請求項1または2に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項4】
同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアは、互いに隣接せず、前記同じマルチコアファイバの第2のサブセットのコアは、互いに隣接しない請求項1または2に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項5】
前記同じマルチコアファイバの前記第1のサブセットのコアの数量と前記第2のサブセットのコアの数量の合計は、前記同じマルチコアファイバに含まれるコアの総数量以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項6】
前記複数の第1のコアの前記第1のサブセットは、前記第1のポートでファンアウトされ、前記第2のポートでファンアウトされる前記複数の第2のコアの前記第1のサブセットに、直接、または第1の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合され、
前記複数の第3のコアの前記第1のサブセットは、前記第3のポートでファンアウトされ、前記第4のポートでファンアウトされる前記複数の第4のコアの前記第1のサブセットに、直接、または第2の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合され、
前記複数の第1のコアの前記第2のサブセットは、前記第1のポートでファンアウトされ、前記第3のポートでファンアウトされる前記複数の第3のコアの前記第2のサブセットに、直接、または第3の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合され、
前記複数の第4のコアの前記第2のサブセットは、前記第4のポートでファンアウトされ、前記第2のポートでファンアウトされる前記複数の第2のコアの前記第2のサブセットに、直接、または第4の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合される請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項7】
前記第1のマルチコアファイバと、前記第2のマルチコアファイバと、前記第3のマルチコアファイバと、前記第4のマルチコアファイバとは、同じ数量のコアを含み、前記コアの数量は、2から30の範囲である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項8】
第5のポートであって、前記第1のマルチコアファイバの前記複数の第1のコアの第3のサブセットが、前記第5のポートを用いて前記マルチコアファイバインタリーバから外部に結合されるように適応される、第5のポート、および
第6のポートであって、前記第4のマルチコアファイバの前記複数の第4のコアの第3のサブセットが、前記第6のポートを用いて前記マルチコアファイバインタリーバから外部に結合されるように適応される、第6のポート
のうちの少なくとも1つをさらに備える請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマルチコアファイバインタリーバ。
【請求項9】
マルチコアファイバ増幅器であって、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のマルチコアファイバインタリーバと、
前記第2のポートと前記第3のポートの間に結合された利得媒質とを備え、
前記第1のポートおよび前記第4のポートは、前記マルチコアファイバ増幅器の第1の入出力ポートおよび第2の入出力ポートとしてそれぞれ使用されるように適応され、
光信号は、前記マルチコアファイバ増幅器の前記第1の入出力ポートと前記第2の入出力ポートの間の双方向伝送に適応され、前記利得媒質によって行われる利得増幅に適応される、マルチコアファイバ増幅器。
【請求項10】
前記第2のポートと前記利得媒質の間に結合された、第1のポンプレーザからポンプ光を受光するように構成された第1のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサをさらに備える請求項9に記載のマルチコアファイバ増幅器。
【請求項11】
前記利得媒質と前記第3のポートの間に結合された、前記第1のポンプレーザから入来する残余ポンプ光を外部に結合するように構成された第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサをさらに備える請求項10に記載のマルチコアファイバ増幅器。
【請求項12】
前記第3のポートと前記利得媒質の間に結合された、前記第3のポートから前記利得媒質に反射される光を単方向に分離するように構成された第1の光アイソレータをさらに備える請求項9乃至11のいずれか一項に記載のマルチコアファイバ増幅器。
【請求項13】
第1のプローブ/カプラおよび/または第2のプローブ/カプラをさらに備え、
前記第1のプローブ/カプラは、前記第2のポートと前記利得媒質の間に結合されて、前記第2のポートから出力される光を検出し、
前記第2のプローブ/カプラは、前記第3のポートと前記利得媒質の間に結合されて、前記第3のポートに結合される光を検出する請求項9乃至12のいずれか一項に記載のマルチコアファイバ増幅器。
【請求項14】
前記マルチコアファイバインタリーバは、前記複数の第1のコアの第3のサブセットを外部に結合するように適応された第5のポートと、前記複数の第4のコアの第3のサブセットを外部に結合するように適応された第6のポートとを備え、前記第5のポートおよび前記第6のポートは、前記マルチコアファイバ増幅器の第1の補助通信ポートおよび第2の補助通信ポートとして使用されるように適応される請求項9乃至13のいずれか一項に記載のマルチコアファイバ増幅器。
【請求項15】
少なくとも1つの光増幅器サイトであって、各光増幅器サイトは、請求項9乃至14のいずれか一項に記載のマルチコアファイバ増幅器を備える、光増幅器サイトと、
第1の光学端末サイトおよび第2の光学端末サイトであって、前記光増幅器サイトは、単一のファイバを用いて、前記第1の光学端末サイトと前記第2の光学端末サイトの間に直列に配置され、光学信号が、前記少なくとも1つの光増幅器サイトを用いて、マルチコアファイバ増幅器の前記第1の光学端末サイトと前記第2の光学端末サイトの間の双方向伝送に適応される、第1の光学端末サイトおよび第2の光学端末サイトとを備えるシングルファイバ双方向伝送システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの光増幅器サイトは、複数の光増幅器サイトを含み、前記複数の光増幅器サイトは、単一のファイバを用いて直列に接続される請求項15に記載のシングルファイバ双方向伝送システム。
【請求項17】
第1のマルチコアファイバの複数の第1のコアの第1のサブセットを第2のマルチコアファイバの複数の第2のコアの第1のサブセットに結合するステップと、
第3のマルチコアファイバの複数の第3のコアの第1のサブセットを第4のマルチコアファイバの複数の第4のコアの第1のサブセットに結合するステップと、
前記複数の第1のコアの第2のサブセットを前記複数の第3のコアの第2のサブセットに結合するステップと、
前記複数の第4のコアの第2のサブセットを前記複数の第2のコアの第2のサブセットに結合するステップとを含み、
前記マルチコアファイバの前記第1のサブセットは、同じ数量のコアを含み、前記マルチコアファイバの前記第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む、マルチコアファイバインタリーブ方法。
【請求項18】
前記複数の第2のコアの第1のサブセットを、利得媒質を用いて前記複数の第3のコアの第1のサブセットに結合するステップと、
前記複数の第2のコアの第2のサブセットを、前記利得媒質を用いて前記複数の第3のコアの第2のサブセットに結合するステップとをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
マルチコアファイバに適用可能な光増幅方法であって、
第1のマルチコアファイバの第1のサブセットを用いて第1の光信号を受光するステップと、
前記第1の光信号を第2のマルチコアファイバの第1のサブセットに伝送するステップと、
前記第2のマルチコアファイバの前記第1のサブセットから入来する前記第1の光信号を、利得媒質を用いて第3のマルチコアファイバの第1のサブセットに伝送するステップと
幅された前記第1の光信号を第4のマルチコアファイバの第1のサブセットに伝送するステップと
幅された前記第1の光信号を、前記第4のマルチコアファイバの前記第1のサブセットを用いて出力するステップとを含み、
前記マルチコアファイバの前記第1のサブセットは、同じ数量のコアを含む、光増幅方法。
【請求項20】
前記第4のマルチコアファイバの第2のサブセットを用いて第2の光信号を受光するステップであって、前記第2の光信号の伝送方向は、前記第1の光信号の伝送方向の反対である、ステップと、
前記第2の光信号を第2のマルチコアファイバの第2のサブセットに伝送するステップと、
前記第2のマルチコアファイバの前記第2のサブセットから入来する前記第2の光信号を、前記利得媒質を用いて第3のマルチコアファイバの第2のサブセットに伝送するステップと
幅された前記第2の光信号を第1のマルチコアファイバの第2のサブセットに伝送するステップと
幅された前記第2の光信号を、前記第1のマルチコアファイバの前記第2のサブセットを用いて出力するステップとを含み、
前記マルチコアファイバの前記第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む請求項19に記載の光増幅方法。
【請求項21】
前記第1のマルチコアファイバの第3のサブセットを用いて、補助通信信号として使用される第3の光信号を受信するステップであって、前記第1のマルチコアファイバの前記第3のサブセットは、前記第1のマルチコアファイバの前記第1のサブセットもしくは前記第2のサブセットと交差しない、ステップ、および/または
前記第4のマルチコアファイバの第3のサブセットを用いて、補助通信信号として使用される第4の光信号を受信するステップであって、前記第4のマルチコアファイバの前記第3のサブセットは、前記第4のマルチコアファイバの前記第1のサブセットもしくは前記第2のサブセットと交差しない、ステップ
をさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第1の光信号を第1の光学端末サイトから光増幅器サイトに伝送するステップと
幅された前記第1の光信号を前記光増幅器サイトから第2の光学端末サイトに伝送するステップとを含み、
前記光増幅器サイトは、単一のファイバを用いて、前記第1の光学端末サイトと前記第2の光学端末サイトの間に直列に配置され、前記光増幅器サイトは、請求項9乃至14のいずれか一項に記載のマルチコアファイバ増幅器を備える、シングルファイバ双方向伝送方法。
【請求項23】
第2の光信号を前記第2の光学端末サイトから前記光増幅器サイトに伝送するステップと
幅された前記第2の光信号を前記光増幅器サイトから第2の光学端末サイトに伝送するステップとをさらに含む請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、ファイバの分野に関し、さらに詳細には、マルチコアファイバインタリーバ、マルチコアファイバ増幅器、シングルファイバ双方向伝送システム、およびマルチコアファイバ伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2020年6月30日に中国国家知識産権局に出願された「MULTI-CORE FIBER INTERLEAVER,OPTICAL FIBER AMPLIFIER,TRANSMISSION SYSTEM,AND TRANSMISSION METHOD」と題する中国特許出願第202010621709.9号の優先権を主張するものである。
【0003】
ファイバ通信システム技術および製品の発展とともに、1本のファイバの容量はシャノン限界に近くなり、容量の継続的な増大においてボトルネックが発生する。一部のデータ信号は、空間分割多重化(SDM)によって、マルチコアファイバのコア、数モードファイバのモード、またはその2つを組み合わせることによって得られる数モードマルチコアファイバに多重化されるので、空間チャネルのダイバーシチが利用され、それにより光通信のチャネル容量が増大する。空間領域およびモード領域は、空間分割多重化技術の方向の2つの分岐と考えられる。モード領域の方向の点では、ファイバを設計して製造することは比較的容易であるが、受信端における多入力多出力(MIMO)受信機回路/チップの実装の複雑さは、リンク上で使用される様々な光学構成要素およびモードのばらつきにより極めて高く、関係するモード分割多重化構成要素は、まだ十分に発達していない。マルチコアファイバによって代表される空間領域の空間分割多重化の方向は、ますます評価されており、徐々に成熟した産業に進歩している。空間領域およびモード領域は、理論上は一緒にも使用され得る。ただし、この2つの技術的分岐の全ての問題が解決される必要があり、したがって、技術的な実装は最も複雑である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、少なくともマルチコアファイバインタリーバ、マルチコアファイバインタリーバに基づく光ファイバ増幅器、マルチコアファイバ伝送システム、および対応する方法を提供するものとして意図されている。本開示のマルチコアファイバインタリーバ、光ファイバ増幅器、およびマルチコアファイバ伝送システムは、シングルファイバ双方向伝送を実施して、将来のファイバ伝送システムが直面する1本のファイバの容量の増大という技術的問題を克服することができる。
【0005】
本開示の第1の態様は、マルチコアファイバインタリーバを提供する。マルチコアファイバインタリーバは、第1のポート、第2のポート、第3のポート、および第4のポートを含むことがある。第1のポート、第2のポート、第3のポート、および第4のポートは、マルチコアファイバインタリーバの外部の第1のマルチコアファイバ、第2のマルチコアファイバ、第3のマルチコアファイバ、および第4のマルチコアファイバに結合されるようにそれぞれ適応される。第1のポートの第1のマルチコアファイバの複数の第1のコアの第1のサブセットは、第2のポートの第2のマルチコアファイバの複数の第2のコアの第1のサブセットに結合される。第3のポートの第3のマルチコアファイバ複数の第3のコアの第1のサブセットは、第4のポートの第4のマルチコアファイバの複数の第4のコアの第1のサブセットに結合される。第4のポートの第4のマルチコアファイバの複数の第4のコアの第2のサブセットは、第2のポートの第2のマルチコアファイバの複数の第2のコアの第2のサブセットに結合される。第3のポートの第3のマルチコアファイバの複数の第3のコアの第2のサブセットは、第1のポートの第1のマルチコアファイバの複数の第1のコアの第2のサブセットに結合される。マルチコアファイバの第1のサブセットは、同じ数量のコアを含み、マルチコアファイバの第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む。
【0006】
本開示のマルチコアファイバインタリーバにより、単一のマルチコアファイバ増幅器の双方向伝送が可能になることを理解されたい。さらに、本開示のマルチコアファイバインタリーバは、単純な構造を有し、製造が容易である。
【0007】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバの第1のサブセットに含まれるコアの数量は、マルチコアファイバの第2のサブセットに含まれるコアの数量と等しいこともある。これは、アップリンク伝送およびダウンリンク伝送が、同じ数量の通信チャネルを用いて実施されることが可能であるということである。
【0008】
いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアと第2のサブセットのコアとは、交互の位置に位置することがある、または同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアもしくは第2のサブセットのコアは、互いに隣接しない。このようにして、同方向伝送のための隣接するコア間のクロストークが低減されることが可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアの数量と第2のサブセットのコアの数量の合計は、同じマルチコアファイバに含まれるコアの総数量に等しい、または総数量未満であることがある。同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアの数量と第2のサブセットのコアの数量の合計が、同じマルチコアファイバに含まれるコアの総数量未満であるときには、その同じマルチコアファイバは、第1のサブセットおよび第2のサブセット以外の第3のサブセットのコアを含むことができるので、補助通信信号が伝送されることが可能である。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数の第1のコアの第1のサブセットは、第1のポートでファンアウトされることがあり、第2のポートでファンアウトされる複数の第2のコアの第1のサブセットに、直接、または第1の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合されることがある。複数の第3のコアの第1のサブセットは、第3のポートでファンアウトされることがあり、第4のポートでファンアウトされる複数の第4のコアの第1のサブセットに、直接、または第2の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合されることがある。複数の第1のコアの第2のサブセットは、第1のポートでファンアウトされ、第3のポートでファンアウトされる複数の第3のコアの第2のサブセットに、直接、または第3の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合される。複数の第4のコアの第2のサブセットは、第4のポートでファンアウトされ、第2のポートでファンアウトされる複数の第2のコアの第2のサブセットに、直接、または第4の補助インタリーブ構成要素を用いて、結合される。このように、ポートにおけるコア間のインタリーブが簡単に実施されることが可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の補助インタリーブ構成要素、第2の補助インタリーブ構成要素、第3の補助インタリーブ構成要素、および第4の補助インタリーブ構成要素は、シングルコアファイバ、空間導波路チップ、および空間光路構造を含む一群から選択されることがある。これらの実施形態では、この複数の補助インタリーブ構成要素は、インタリーブ動作の柔軟性および自由度を提供することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のマルチコアファイバと第4のマルチコアファイバとは、同じ数量のコアを含むことがあり、第2のマルチコアファイバと第3のマルチコアファイバとは、同じ数量のコアを含むことがある。これらの実施形態では、第1のマルチコアファイバおよび第4のマルチコアファイバは、第2のマルチコアファイバおよび第3のマルチコアファイバとは異なる数量のコアを含むことがあり、例えば、追加の数量のコアは、補助通信チャネルとして使用されることもある。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1のマルチコアファイバと、第2のマルチコアファイバと、第3のマルチコアファイバと、第4のマルチコアファイバとは、同じ数量のコアを含むことがあり、コアの数量は、2から30の範囲である。これらの実施形態では、マルチコアファイバインタリーバは、広範な適用範囲を有することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバインタリーバは、第5のポートあって、第1のマルチコアファイバの複数の第1のコアの第3のサブセットが、その第5のポートを用いてマルチコアファイバインタリーバから外部に結合されるように適応される、第5のポート、および第6のポートであって、第4のマルチコアファイバの複数の第4のコアの第3のサブセットが、その第6のポートを用いてマルチコアファイバインタリーバから外部に結合されるように適応される、第6のポートのうちの少なくとも1つをさらに含むことがある。このようにして、第1のマルチコアファイバおよび第4のマルチコアファイバの第3のサブセットのコアは、補助通信チャネルを実装するために使用されることが可能である。
【0015】
本開示の第2の態様は、マルチコアファイバ増幅器を提供する。この増幅器は、第1の態様によるマルチコアファイバインタリーバと、利得媒質とを含むことがある。利得媒質は、第2のポートと第3のポートの間に結合される。第1のポートおよび第4のポートは、マルチコアファイバ増幅器の第1の入出力ポートおよび第2の入出力ポートとしてそれぞれ使用されるように適応される。光信号は、マルチコアファイバ増幅器の第1の入出力ポートと第2の入出力ポートの間の双方向伝送に適応され、利得媒質によって行われる利得増幅に適応される。
【0016】
本開示のマルチコアファイバ増幅器は、単一のマルチコアファイバ増幅器の双方向伝送を実施して、シングルファイバのファイバ伝送システムを確立することができることを理解されたい。
【0017】
いくつかの実施形態では、利得媒質は、ドープされたマルチコアファイバを含むことがある。このようにして、マルチコアファイバから外部に結合される光信号の利得増幅が、好都合に実施されることが可能である。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ増幅器は、第1のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサをさらに含むことがある。第1のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサは、第2のポートと利得媒質の間に結合され、第1のポンプレーザからポンプ光を受光するように構成される。これらの実施形態では、第2のポートから外部に結合される光信号の利得増が、好都合に実施されることが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ増幅器は、第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサをさらに含むことがある。第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサは、利得媒質と第3のポートの間に結合され、第1のポンプレーザから入来する残余ポンプ光を外部に結合するように構成される。これにより、残余ポンプ光の悪影響を回避することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ増幅器は、第1の光アイソレータをさらに含むことがある。第1の光アイソレータは、第3のポートと利得媒質の間に結合され、第3のポートから利得媒質に伝送される光を単方向に分離するように構成される。これらの実施形態では、利得媒質の性能指標への反射光の影響が回避されることが可能である。
【0021】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ増幅器は、第2の光アイソレータをさらに含むことがある。第2の光アイソレータは、第2のポートと利得媒質の間に結合され、利得媒質から第2のポートに伝送される光を単方向に分離するように構成される。このようにして、利得媒質によって生成される逆ASE雑音光が入力端から漏れることが防止されることが可能である。
【0022】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ増幅器は、第1のプローブ/カプラおよび/または第2のプローブ/カプラをさらに含むことがある。第1のプローブ/カプラは、第2のポートと利得媒質の間に結合されて、第2のポートから出力される光を検出する。第2のプローブ/カプラは、第3のポートと利得媒質の間に結合されて、第3のポートに結合される光を検出する。このようにして、入力光および増幅された出力光の検出が、好都合に実施されることが可能である。
【0023】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバ増幅器は、利得平坦化フィルタをさらに含むことがある。利得平坦化フィルタは、利得媒質と第3のポートの間に結合される。これらの実施形態では、利得平坦化フィルタは、信号が基本的に一貫するように、増幅器の利得媒質の波長に関係する利得を基本的に等化するのを助ける。
【0024】
いくつかの実施形態では、マルチコアファイバインタリーバは、複数の第1のコアの第3のサブセットを外部に結合するように適応された第5のポートと、複数の第4のコアの第3のサブセットを外部に結合するように適応された第6のポートとを含むことがある。第5のポートおよび第6のポートは、マルチコアファイバ増幅器の第1の補助通信ポートおよび第2の補助通信ポートとして使用されるように適応される。これらの実施形態では、第1の補助通信ポートおよび第2の補助通信ポートから結合される光信号は、例えば別の関係するネットワーク要素デバイス(例えば下流側ネットワーク要素デバイス)を制御する、またはこれと通信するために使用されることがある。
【0025】
本開示の第3の態様は、シングルファイバ双方向伝送システムを提供する。このシステムは、光増幅器サイトを含むことがある。光増幅器サイトは、第2の態様のいずれか一つによるマルチコアファイバ増幅器と、第1の光学端末サイトと、第2の光学端末サイトとを含む。光増幅器サイトは、単一のファイバを用いて、第1の光学端末サイトと第2の光学端末サイトの間に直列に配置される。光信号は、光増幅器サイトを用いて第1の光学端末サイトと第2の光学端末サイトの間の双方向伝送に適応される。
【0026】
本開示のマルチコアファイバ増幅器により、本開示のファイバ双方向伝送システムは、単一のファイバを用いて光信号の双方向伝送を有利に実施することができることを理解されたい。さらに、シングルファイバ伝送が用いられるので、アップリンクおよびダウンリンクの待ち時間が一貫することが保証されるので、従来の技術のデュアルファイバのファイバ接続によって生じる一貫性のない双方向待ち時間の問題が回避される。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の光学端末サイトおよび第2の光学端末サイトは、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、および光トランスポンダユニットのうちの少なくとも1つをそれぞれ含むことがある。これらの実施形態では、光学端末サイトは、光信号を送信および受信することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数の光増幅器サイトがあることがあり、複数の光増幅器サイトは、単一のファイバを用いて直列に接続され、各光増幅器サイトは、単一のマルチコアファイバ増幅器を含む。これらの光増幅器サイトは、光信号の幹線増幅を実施することができる。
【0029】
本開示の第4の態様は、マルチコアファイバインタリーブ方法を提供する。この方法は、第1のマルチコアファイバの複数の第1のコアの第1のサブセットを第2のマルチコアファイバの複数の第2のコアの第1のサブセットに結合することと、第3のマルチコアファイバの複数の第3のコアの第1のサブセットを第4のマルチコアファイバの複数の第4のコアの第1のサブセットに結合することと、複数の第1のコアの第2のサブセットを複数の第3のコアの第2のサブセットに結合することと、複数の第4のコアの第2のサブセットを複数の第2のコアの第2のサブセットに結合することとを含む。マルチコアファイバの第1のサブセットは、同じ数量のコアを含み、マルチコアファイバの第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む。このようにして、複数のマルチコアファイバのインタリーブが実施されることが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、この方法は、複数の第2のコアの第1のサブセットを、利得媒質を用いて複数の第3のコアの第1のサブセットに結合することと、複数の第2のコアの第2のサブセットを、利得媒質を用いて複数の第3のコアの第2のサブセットに結合することとをさらに含む。これらの実施形態では、利得媒質により、利得媒質を用いた入力光の利得増幅が実施されることが可能である。
【0031】
本開示の第5の態様は、マルチコアファイバに適用可能な光増幅方法を提供する。この光増幅方法は、第1のマルチコアファイバの第1のサブセットを用いて第1の光信号を受光することと、第1の光信号を第2のマルチコアファイバの第1のサブセットに伝送することと、第2のマルチコアファイバの第1のサブセットから入来する第1の光信号を、利得媒質を用いて第3のマルチコアファイバの第1のサブセットに伝送することと、増幅された第1の光信号を第4のマルチコアファイバの第1のサブセットに伝送することと、増幅された第1の光信号を、第4のマルチコアファイバの第1のサブセットを用いて出力することとを含む。マルチコアファイバの第1のサブセットは、同じ数量のコアを含む。このインタリーブ方式では、第1のマルチコアファイバから第4のマルチコアファイバへの光信号の利得増幅が実施されることが可能である。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、第4のマルチコアファイバの第2のサブセットを用いて第2の光信号を受光することであって、第2の光信号の伝送方向は、第1の光信号の伝送方向の反対である、ことと、第2の光信号を第2のマルチコアファイバの第2のサブセットに伝送することと、第2のマルチコアファイバの第2のサブセットから入来する第2の光信号を、利得媒質を用いて第3のマルチコアファイバの第2のサブセットに伝送することと、増幅された第2の光信号を第1のマルチコアファイバの第2のサブセットに伝送することと、増幅された第2の光信号を、第1のマルチコアファイバの第2のサブセットを用いて出力することとをさらに含むことがある。マルチコアファイバの第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む。このインタリーブ方式では、第4のマルチコアファイバから第1のマルチコアファイバへの光信号の利得増幅がさらに実施されることが可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、この方法は、第1のマルチコアファイバの第3のサブセットを用いて、補助通信信号として使用される第3の光信号を受信することであって、第1のマルチコアファイバの第3のサブセットは、第1のマルチコアファイバの第1のサブセットもしくは第2のサブセットと交差しない、こと、および/または第4のマルチコアファイバの第3のサブセットを用いて、補助通信信号として使用される第4の光信号を受信することをさらに含むことがある。第4のマルチコアファイバの第3のサブセットは、第4のマルチコアファイバの第1のサブセットもしくは第2のサブセットと交差しない。これらの実施形態では、第1のマルチコアファイバの第3のサブセットおよび第4のマルチアファイバの第3のサブセットは、補助光通信信号の伝送を実施することができる。
【0034】
本開示の第6の態様は、シングルファイバ双方向伝送方法を提供する。この方法は、第1の光信号を第1の光学端末サイトから光増幅器サイトに伝送することと、増幅された第1の光信号を光増幅器サイトから第2の光学端末サイトに伝送することとを含むことがある。光増幅器サイトは、単一のファイバを用いて、第1の光学端末サイトと第2の光学端末サイトの間に直列に配置され、光増幅器サイトは、第2の態様のいずれか1つによるマルチコアファイバ増幅器を含む。この方法によれば、本開示のマルチコアファイバ増幅器により、光信号は、単一のファイバを用いて第1の方向に伝送されることが可能である。
【0035】
いくつかの実施形態では、この方法は、第2の光信号を第2の光学端末サイトから光増幅器サイトに伝送することと、増幅された第2の光信号を光増幅器サイトから第2の光学端末サイトに伝送することとをさらに含むことがある。このようにして、光信号は、単一のファイバを用いて第1の方向とは反対の第2の方向に伝送されることが可能である。
【0036】
この概要に記載される内容は、本開示の実施形態の主要もしくは重要な特徴を限定する、または本開示の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。本開示の実施形態の他の特徴は、以下の説明を用いれば容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
添付の図面および以下の詳細な説明を参照すれば、本開示の実施形態の上記その他の特徴、利点、および態様は、さらに明らかになるであろう。添付の図面では、同じ、または同様の参照番号は、同じ、または同様の要素を指している。
【0038】
図1】従来の第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器の構造を示す概略図である。
図2】従来の第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器の構造を示す概略図である。
図3】従来のマルチコアファイバ増幅器のファイバ通信システムへの適用を示す概略図である。
図4】本開示の第1の実施形態によるマルチコアファイバ増幅器の構造を示す概略図である。
図5】本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバ増幅器で使用されるマルチコアファイバインタリーバの第1の例のインタリーブを示す概略図である。
図6a】本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバインタリーバの第2の例のインタリーブを示す概略図である。
図6b図6aに示されるマルチコアファイバインタリーバの第2の例のインタリーブを別の方式で示す概略図である。
図7図6bに示されるマルチコアファイバインタリーバの変形例のインタリーブをコアファンアウト方式で示す概略図である。
図8図4に示されるマルチコアファイバ増幅器の例示的な実施形態の第1の変形を示す概略図である。
図9図4に示されるマルチコアファイバ増幅器の例示的な実施形態の第2の変形を示す概略図である。
図10】本開示の例示的な実施形態によるファイバ通信システムのマルチコアファイバ増幅器の適用を示す図である。
図11】本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバインタリーブ方法を示す概略流れ図である。
図12】本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバに適用可能な光増幅方法を示す概略流れ図である。
図13】本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバに適用可能なシングルファイバ双方向伝送方法を示す概略流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
【表1】
【0040】
以下、添付の図面を参照して、本開示の実施形態についてさらに詳細に説明する。本開示のいくつかの実施形態が添付の図面に示されているが、本開示は様々な形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、これらの実施形態は、本開示のより徹底的かつ完全な理解のために提供されたものであることを理解されたい。添付の図面および本開示の実施形態は、単に例を説明するために用いられているものであり、本開示の保護範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。
【0041】
ファイバ通信分野では、マルチコアファイバが、空間領域の空間分割多重化の代表として技術者にますます評価されている。マルチコアファイバ増幅器は、ファイバ通信システムを構成するための中核的な構成要素である。マルチコアファイバ増幅器は、ファイバの長距離通信伝送を実施するために、マルチコアファイバによって伝送される光に対して利得増幅を実行するのに適している。本明細書におけるマルチコアファイバは、同じクラッド内に複数のコアを備えるファイバであり、リボンファイバ(Ribbon fiber)とは異なることに、本明細書では留意されたい。リボンファイバは、特殊な材料(例えば接着剤)を用いて複数のファイバを結合することによって得られるファイバのグループ(またはリボン)であり、ファイバ束/ケーブルとも呼ばれる。さらに、状況が矛盾しないときには、本明細書におけるマルチコアファイバは、2つ以上のコアを含む任意のマルチコアファイバであり得、限定されるわけではないが、4個のコア、6個のコア、7個のコア、12個のコア、13個のコア、または19個のコアなどを含むマルチコアファイバを含む。
【0042】
図1は、従来の第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’の構造を示す概略図である。第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器の原理は、マルチコアファイバの複数のコアが最初に複数のシングルモードシングルコアファイバに逆多重化され、次いで、ポンプ光と信号光とがそれらのシングルモードシングルコアファイバ上で多重化され、その後にコアマルチプレクサを用いてマルチコアファイバに多重化され、最後に、多重化されたポンプ光と信号光がドープされたマルチコアファイバに入射して増幅されるというものであることを理解されたい。
【0043】
具体的には、図1に示されるように、従来のマルチコアファイバ増幅器10’は、マルチコアファイバ入力端11’およびマルチコアファイバ出力端12’を含むことがあり、マルチコアファイバ入力端11’およびマルチコアファイバ出力端12’は、入力ファイバとして使用される第1のマルチコアファイバ21’および出力ファイバとして使用される第2のマルチコアファイバ22’にそれぞれ結合されるように適応される。第1のマルチコアファイバ21’および第2のマルチコアファイバ22’は、空間分割多重化が実行される複数の信号を伝送するように別個に適応されることがある。
【0044】
第1のマルチコアファイバ21’は、マルチコアファイバ入力端11’においてマルチコアファイバファンアウトデバイス13’に接続され、マルチコアファイバファンアウトデバイス13’は、第1のマルチコアファイバ21’を複数のシングルコアファイバ23’-1、…、および23’-nとしてファンアウトする。
【0045】
ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ14’-1、…、および14’-nは、複数のシングルコアファイバ23’-1、…、および23’-nにそれぞれ接続されることがあり、ポンプレーザ18’-1、…、および18’-nからシングルコアファイバを用いて出力されるポンプ光と、複数のシングルコアファイバ23’-1、…、および23’-n中の信号光とをそれぞれ結合するように適応されることがある。ポンプ光は、後続のドープされたマルチコアファイバ16’中の利得媒質(例えばエルビウムドープイオン)がポンプ光を吸収することができるようにして、信号光を増幅するために使用される。
【0046】
ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ14’-1、…、および14’-nをドープされたマルチコアファイバ16’に結合するために、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ14’-1、…、および14’-nは、まずマルチコアファイバファンインデバイス15’に結合され、次いで、マルチコアファイバファンインデバイス15’が、ドープされたマルチコアファイバ16’に結合され、光の利得増幅を実施する。
【0047】
ドープされたマルチコアファイバ16’は、光アイソレータ17’を用いてマルチコアファイバ出力端12’に結合されることがある。光アイソレータ17’は、光を単方向に構成要素を通過させて、増幅器の出力端によって反射される光の影響を分離し得る。
【0048】
マルチコアファイバ増幅器10’の信号の流れは、以下のように要約される。
【0049】
上流側の伝送ファイバまたは伝送デバイスから入来する信号光は、第1のマルチコアファイバ21’を用いて入力端11’から入力され、次いで、マルチコアファイバファンアウトデバイス13’、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ14’-1、…、および14’-n、ならびにマルチコアファイバファンインデバイス15’を順に通過して、ドープされたマルチコアファイバ16’に入射して増幅される。次いで、増幅された光は、光アイソレータ17’を通過し、第2のマルチコアファイバ22’を用いて出力端12’から出力されて、下流側の伝送ファイバまたは伝送デバイスに入射し、それによって受光される。さらに、複数のポンプ光源18’-1、…、および18’-nから出力されたポンプ光が、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ14’-1、…、および14’-nならびにマルチコアファイバファンインデバイス15’を通過してドープされたマルチコアファイバ16’に入射して吸収されることがある。
【0050】
ただし、第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’は、以下の欠点を有する。すなわち、第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’は、複数の信号光線が同じ方向に伝送されるファイバ通信システムしかサポートすることができないということである。さらに、伝送デバイスがSISO方式で受信を行う場合には、コア間の信号を結合するクロストークを回避するように、マルチコアファイバが設計され、マルチコアファイバのコア間の距離が十分に大きい必要があることがある。これは、同じ方向の場合のファイバ内のコアの最大数量が制限されるということである。さらに、1本のファイバの容量を追及するためにコア間の距離が短縮されることが可能であるが、伝送デバイスはMIMO方式で受信を行う必要がある場合には、コアの数量が大きくなることは、より大きなMIMOマトリクスが必要になるということである。その結果として、構成要素、アルゴリズム、およびチップの複雑さは、MIMOマトリクスの規模と共に指数関数的に増大し、電力消費、待ち時間、集積度などの側面における不利をもたらす。
【0051】
図2は、従来の第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’の構造を示す概略図である。第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’の原理は、ポンプ光と信号とがマルチコアのポンプおよび信号の波長分割多重化に基づいて結合され、次いで空間的コアマルチプレクサを用いて多重化されてドープファイバに入射して増幅される技術的解決策であることを理解されたい。
【0052】
具体的には、図2に示されるように、マルチコアファイバ増幅器30’は、マルチコアファイバ入力端31’およびマルチコアファイバ出力端32’を含むことがあり、マルチコアファイバ入力端31’およびマルチコアファイバ出力端32’は、入力ファイバとして使用される第1のマルチコアファイバ37’および出力ファイバとして使用される第2のマルチコアファイバ38’にそれぞれ結合されるように適応される。第1のマルチコアファイバ37’および第2のマルチコアファイバ38’は、空間分割多重化が実行される複数の信号を伝送するように別個に適応される。
【0053】
ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ33’は、第1のマルチコアファイバ37’に直接結合されることがあり、シングルコアファイバを用いてポンプレーザ34’から出力されるポンプ光を受光し、第1のマルチコアファイバ37’内の複数の信号光線とシングルコアファイバ内のポンプ光とを結合して多重化する、またはポンプ光と信号光とを逆多重化するように適応されることがある。
【0054】
マルチコアファイバ増幅器30’は、ドープされたデュアルクラッドマルチコアファイバ35’をさらに含み、ドープされたデュアルクラッドマルチコアファイバ35’は、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ33’の出力端に結合される。ドープされたデュアルクラッドマルチコアファイバ35’のコアは、内側クラッドによって覆われている。これらのコアは、ドープイオン(例えばエルビウムドープイオン)を提供し、ドープイオンは、ポンプ光を吸収し、次いで入力信号光を増幅することができる。内側クラッドは、マルチモードポンプ光を結合して伝送するように構成され、ポンプ光は、内側クラッド内のコアを通過するときにドープイオンによって吸収される。
【0055】
マルチコアファイバ光アイソレータ36’は、ドープされたデュアルクラッドマルチコアファイバ35’に結合され、光の単方向通過構成要素として、マルチコアファイバ光アイソレータ36’は、増幅器の出力端によって反射される光の影響を分離するように構成されることがある。
【0056】
マルチコアファイバ増幅器30’の信号の流れは、以下の通りである。
【0057】
伝送ファイバまたは伝送デバイスから入来する信号光は、第1のマルチコアファイバ37’を用いて入力端31’から入力され、次いで、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ33’を通過して、ドープされたデュアルクラッドファイバ35’に入射して増幅される。次いで、増幅された光は、光アイソレータ36’を通過し、第2のマルチコアファイバ38’を用いて出力端32’から出力されて、下流側の伝送ファイバまたは伝送デバイスに入射し、それによって受光される。さらに、ポンプレーザ34’から出力されたポンプ光が、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ33’のポンプ入力端から入力されることがあり、次いで、ドープされたデュアルクラッドファイバ35’の内側クラッドに入射して伝送されることがある。ドープされたデュアルクラッドファイバ35’のコアを通過するときに、ポンプ光は、ドープイオンによって吸収されることが可能である。
【0058】
ただし、第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’は、以下の欠点を有する。すなわち、第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’と同様に、第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’は、複数の信号光線が同じ方向に伝送されるファイバ通信システムしかサポートすることができないということである。さらに、同様に、伝送デバイスがSISO方式で受信を行う場合には、コア間の信号を結合するクロストークを回避するように、制御によってマルチコアファイバのコア間の距離が十分に大きい必要があることがある。これは、コアの最大数量が制限されるということである。さらに、伝送デバイスがMIMO方式で受信を行う場合には、より大きなMIMOマトリクスが必要になり、構成要素およびチップの複雑さ、電力消費、待ち時間、集積度などの側面における不利を生じる。
【0059】
第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’および第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’によってサポートされるファイバ通信システムをより明確に理解するために、図3は、従来のマルチコアファイバ増幅器のファイバ通信システム40’への適用を示す概略図である。
【0060】
図3に示されるように、ファイバ通信システム40’は、第1の光学端末サイト41’と、第2の光学端末サイト42’と、第1の光学端末サイト41’と第2の光学端末サイト42’の間に位置する少なくとも1つの光増幅器サイト43’とを含むことがある。光増幅器サイト43’は、第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’および第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’のうちのいずれかのタイプの光増幅器(OA)を含むことがある。第1の光学端末サイト41’および第2の光学端末サイト42’はそれぞれ、マルチプレクサ(MUX)、デマルチプレクサ(DMUX)、ファイバファンイン/ファンアウトデバイス(FI/FO)、光トランスポンダユニット(OTU)、および第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’または第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’などの光増幅器(OA)などを含むことがある。
【0061】
第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器10’または第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器30’は、光信号の同方向伝送しかサポートすることができないことを理解されたい。したがって、ファイバ通信システム40’の双方向伝送を実施するためには、アップリンクおよびダウンリンクに使用される2本のファイバ45’および46’が敷設される必要があり、それぞれの光ファイバ増幅器は、リンク上でファイバ45’および46’のために使用される。換言すれば、初期動作中に実際に搬送されるサービスの数量が小さいときでも、2セットの光増幅器デバイスが東西方向に必要となる。その結果として、システムの初期投資が増大する。
【0062】
本開示は、ファイバ通信システムの構築コストが大幅に削減されることが可能になるようにファイバ通信システムにおいて2セットの光増幅器デバイスを使用することを回避するために、双方向伝送をサポートすることができるマルチコアファイバ増幅器を提供するためのものである。
【0063】
図4は、本開示の第1の実施形態による双方向伝送をサポートすることができるマルチコアファイバ増幅器50の構造を示す概略図である。
【0064】
図4に示されるように、マルチコアファイバ増幅器50は、第1の入出力ポート51と、第2の入出力ポート52とを含むことがある。第1の入出力ポート51は、第1のマルチコア伝送ファイバ53に接続されて信号光を受光/出力することがあり、第2の入出力ポート52は、例えば、第2のマルチコア伝送ファイバ54に接続された信号光を出力/受光することがある。
【0065】
マルチコアファイバ増幅器50によって光信号の双方向伝送をサポートする機能を実施するために、マルチコアファイバ増幅器50は、具体的には、マルチコアファイバインタリーバ10を含む。マルチコアファイバ増幅器50の双方向伝送は、まさにマルチコアファイバインタリーバ10によって可能になることを理解されたい。
【0066】
マルチコアファイバインタリーバ10は、第1のポート11、第2のポート12、第3のポート13、および第4のポート14を含むことがあり、第1のポート11、第2のポート12、第3のポート13、および第4のポート14は、第1のマルチコアファイバ21、第2のマルチコアファイバ22、第3のマルチコアファイバ23、および第4のマルチコアファイバ24にそれぞれ結合されることがある。第1のポート1は、前述の第1の入出力ポート51として使用されることがあり、第4のポート4は、前述の第2の入出力ポート52として使用されることがある。第1のマルチコアファイバ21は、そのままマルチコアファイバ増幅器50の前述の第1のマルチコア伝送ファイバ53として使用されることがあり、第4のマルチコアファイバ24は、そのままマルチコアファイバ増幅器50の前述の第2のマルチコア伝送ファイバ54として使用されることがある。さらに、第2のポート2は、利得媒質61を用いて第3のポート3に接続される必要がある。例えば、利得媒質61は、利得増幅によって得られるマルチコアファイバ増幅器の光出力を実現するために、利得媒質61を通過する光信号を増幅することができる。
【0067】
マルチコアファイバインタリーバ10は、以下の設計概念を有する。すなわち、第1のポート1に結合された第1のマルチコアファイバ21の複数のコアの第1のサブセットは、インタリーブによって、第2のポート12に結合された第2のマルチコアファイバ2の複数のコアの第1のサブセットに結合され、第4のポート4に結合された第4のマルチコアファイバ24の複数のコアの第1のサブセットは、第3のポート13に結合された第3のマルチコアファイバ23の複数のコアの第1のサブセットに結合される。さらに、第1のマルチコアファイバ21の複数のコアの第2のサブセットは、第3のポート13に結合された第3のマルチコアファイバ23の複数のコアの第2のサブセットに結合され、第4のポート4に結合された第4のマルチコアファイバ24の複数のコアの第2のサブセットは、第2のポート12に結合された第2のマルチコアファイバ22の第2のサブセットに結合される。マルチコアファイバの第1のサブセットは、同じ数量(例えば第1の数量)のコアを含み、マルチコアファイバの第2のサブセットは、同じ数量(例えば第2の数量)のコアを含む。シングルファイバ光ファイバ増幅器および後続のシングルファイバ伝送システムは、マルチコアファイバインタリーバを用いて実装されることが可能であることを理解されたい。
【0068】
マルチコアファイバインタリーバ10の設計概念をより明確に理解するために、以下、2コアファイバ、6コアファイバ、および7コアファイバのみを例に用いて、マルチコアファイバインタリーバ10のインタリーブ構造について詳細に説明する。本開示のマルチコアファイバインタリーバ10は、以下に示される2コアファイバ、6コアファイバ、および7コアファイバのインタリーブ例に限定されず、任意の数量のコアを含むマルチコアファイバに適用可能である、換言すれば、2つ以上のコアを有するファイバに適用可能であることを理解されたい。
【0069】
図5は、例として2コアファイバを用いるマルチコアファイバインタリーバ10のインタリーブを示す概略図である。図5に示されるように、2コアファイバの場合には、第1のマルチコアファイバ21は、第1のポート11に結合され、第2のマルチコアファイバ22は、第2のポート12に結合され、第3のマルチコアファイバ23は、第3のポート13に結合され、第4のマルチコアファイバ24は、第4のポート14に結合される。例えば、第1のマルチコアファイバ21は、2つのコア21-1および21-2を含むことがあり、第2のマルチコアファイバ22は、2つのコア22-1および22-2を含むことがあり、第3のマルチコアファイバ23は、2つのコア23-1および23-2を含むことがあり、第4のマルチコアファイバ24は、2つのコア24-1および24-2を含むことがある。
【0070】
2コアファイバの例では、例えば、インタリーブは、以下のように実施されることがある。すなわち、第1のマルチコアファイバ21の2つのコアのうちのコア21-1(第1のマルチコアファイバ21の複数のコアの第1のサブセットとして使用される)は、第2のマルチコアファイバ22のコア22-1(第2のマルチコアファイバ22の複数のコアの第1のサブセットとして使用される)に結合され、第4のマルチコアファイバ24のコア24-1(第4のマルチコアファイバ24の複数のコアの第1のサブセットとして使用される)は、第3のマルチコアファイバ23のコア23-1(第3のマルチコアファイバ23の複数のコアの第1のサブセットとして使用される)に結合される。さらに、第1のマルチコアファイバ21のコア21-2(第1のマルチコアファイバ21の複数のコアの第2のサブセットとして使用される)は、第3のマルチコアファイバ23のコア23-2(第3のマルチコアファイバ23の複数のコアの第2のサブセットとして使用される)に結合され、第4のマルチコアファイバ24のコア24-2(第4のマルチコアファイバ24の複数のコアの第2のサブセットとして使用される)は、第2のマルチコアファイバ22のコア22-2(第2のマルチコアファイバ22の複数のコアの第2のサブセットとして使用される)に結合される。
【0071】
2コアファイバインタリーバがマルチコアファイバインタリーバ10として使用されるときには、図4のマルチコアファイバ増幅器50は、さらに以下のように配置されることがある。すなわち、第2のマルチコアファイバ22のコア22-1(すなわち第2のマルチコアファイバ22の第1のサブセット)は、マルチコアファイバインタリーバ10の外部の利得媒質61を用いて第3のマルチコアファイバ23のコア23-1(すなわち第3のマルチコアファイバ23の第1のサブセット)に接続される。さらに、第2のマルチコアファイバ22のコア22-2(すなわち第2のマルチコアファイバ22の第2のサブセット)は、マルチコアファイバインタリーバ10の外部の利得媒質61を用いて第3のマルチコアファイバ23のコア23-2(すなわち第3のマルチコアファイバ23の第2のサブセット)に接続される。
【0072】
第1のポート21が入力ポートとして使用され、第4のポート24が出力ポートとして使用され、第1のマルチコアファイバのコア21-1が信号入力コアとして使用されるときには、光信号の流れは、以下の第1の光伝送経路に沿って伝送されることがある。すなわち、第1のポート11に位置するコア21-1→第2のポート12に位置するコア22-1→インタリーバ0の外部に位置する利得媒質61→第3のポート13に位置するコア23-1→第4のポート14に位置するコア24-1という経路に沿って伝送されることがある。
【0073】
これに対して、第1のポート21が出力ポートとして使用され、第4のポート24が入力ポートとして使用され、第4のマルチコアファイバのコア24-2が信号入力コアとして使用されるときには、光信号の流れは、以下の第2の光伝送経路に沿って伝送されることがある。すなわち、第4のポート14に位置するコア24-2→第2のポート12に位置するコア22-2→インタリーバ0の外部に位置する利得媒質61→第3のポート13に位置するコア23-2→第1のポート11に位置するコア21-2という経路に沿って伝送されることがある。
【0074】
以上の説明から、第1の光伝送経路と第2の光伝送経路とは、マルチコアファイバインタリーバおよび利得媒質の全体の外部から見ると反対向きであるが、光信号は、内部の視点では利得媒質内の同じ経路に沿って進行して利得増幅されることが分かる。さらに、同じマルチコアファイバに限定された第1のサブセットと第2のサブセットとが互いに交差せず、したがって第1の光伝送経路に沿った伝送および第2の光伝送経路に沿った伝送のために異なるコアが使用されるので、第1の光伝送経路および第2の光伝送経路に沿った光信号伝送は同時に実行され得ることを理解されたい。
【0075】
異なるポートにおいてコア間のインタリーブを実施するために、いくつかの実施形態では、対応するコアが、各ポートで直接ファンアウトされることがあり、異なるポートのコアどうしが、直接結合される(例えば溶接される)ことがある。例えば、複数の第1のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば21-1)は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば22-1)に直接結合されることがある。さらに、複数の第3のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば23-1)は、第3のポート13でファンアウトされることがあり、第4のポート14でファンアウトされる、複数の第4のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば24-1)に直接結合されることがある。さらに、複数の第1のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば21-2)は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、第3のポート13でファンアウトされる、複数の第3のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば23-2)に直接結合されることがある。さらに、複数の第4のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば24-2)は、第4のポート14でファンアウトされることがあり、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば22-2)に直接結合されることがある。この直接結合方式では、インタリーブが相対的に単純になる。
【0076】
いくつかの実施形態では、全てのポートの対応するコアが、補助インタリーブ構成要素を用いて結合されることがある。例えば、複数の第1のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば21-1)は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、次いで、第1の補助インタリーブ構成要素を用いて、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば22-1)に結合されることがある。さらに、複数の第3のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば23-1)は、第3のポート13でファンアウトされることがあり、次いで、第2の補助インタリーブ構成要素を用いて、第4のポート14でファンアウトされる、複数の第4のコアの第1のサブセットとして使用されるコア(例えば24-1)に結合されることがある。さらに、複数の第1のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば21-2)は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、次いで、第3の補助インタリーブ構成要素を用いて、第3のポート13でファンアウトされる、複数の第3のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば23-2)に結合されることがある。さらに、複数の第4のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば24-2)は、第4のポート14でファンアウトされることがあり、次いで、第4の補助インタリーブ構成要素を用いて、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第2のサブセットとして使用されるコア(例えば22-2)に結合されることがある。例えば、第1の補助インタリーブ構成要素、第2の補助インタリーブ構成要素、第3の補助インタリーブ構成要素、および第4の補助インタリーブ構成要素は、シングルコアファイバ、空間導波路チップ、および空間光路構造を含む一群から選択されることがある。同様に、これらの実施形態では、第1の補助インタリーブ構成要素、第2の補助インタリーブ構成要素、第3の補助インタリーブ構成要素、および第4の補助インタリーブ構成要素は、様々な空間的条件または周囲条件下でインタリーブが実施されることが可能となるように、複数のポートでコアのインタリーブの解決策候補を提供するために使用される。
【0077】
例えば、空間導波路チップの例では、インタリーバ10の第1のポート11、第2のポート12、第3のポート13、および第4のポート14は、空間導波路チップの第1のポート、第2のポート、第3のポート、および第4のポートにそれぞれ結合されることがあり、次いで、それらのポートの対応するコアが空間導波路チップ上の導波路構造を用いてインタリーブされて、コアインタリーブ動作が単純化されることがある。
【0078】
例えば、空間光路構造の例では、空間光路構造は、ファイバコリメータ、および反射器を含むことがある。例えば、第1のファイバコリメータ、第2のファイバコリメータ、第3のファイバコリメータ、および第4のファイバコリメータが、第1のポート11、第2のポート12、第3のポート13、および第4のポート14にそれぞれ配置されることがあり、次いで、ポートのコアコリメータから外部に結合される光が、反射器を用いて別の対応するポートのファイバコリメータに反射されて、光がその別のポートのコアに入射することにより、コアインタリーブを実施する。空間光路構造を用いてコアインタリーブを実施することにより、コアインタリーブの応用シナリオを拡大し、コアインタリーブ動作の自由度を向上させることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、あるいは、ポートのコアインタリーブは、ポートにおいてコアを直接結合すること、シングルコアファイバを使用すること、空間導波路チップを使用すること、および空間光路構造を使用することの任意の組合せによって実施されることもある。このようにして、コアインタリーブの自由度がさらに改善されることが可能であることを理解されたい。
【0080】
以上、2コアファイバを例として用いて、マルチコアファイバインタリーバ10のインタリーブ原理および実装について詳細に説明した。以下では、6コアファイバ、を別の例として用いて、マルチコアファイバインタリーバ10のインタリーブ原理および実装について説明する。図6aは、別の例として6コアファイバを用いるマルチコアファイバインタリーバのインタリーブを示す概略図であり、図6bは、図6aに示されるマルチコアファイバインタリーバのインタリーブをコアファンアウト方式で示す概略図である。
【0081】
図6aおよび図6bに示されるように、6コアファイバの例では、第1のポート11に結合される第1のマルチコアファイバ21は、6個のコア21-1、21-2、21-3、21-4、21-5、および21-6を含み、第2のポート12に結合される第2のマルチコアファイバ22は、6個のコア22-1、22-2、22-3、22-4、22-5、および22-6を含み、第3のポート13に結合される第3のマルチコアファイバ23は、6個のコア23-1、23-2、23-3、23-4、23-5、および23-6を含み、第4のポート14に結合される第4のマルチコアファイバ24は、個のコア24-1、24-2、24-3、24-4、24-5、および24-6を含む。
【0082】
6コアファイバの例では、6コアファイバのインタリーブは、例えば以下のように実施されることがある。すなわち、第1のマルチコアファイバ21の6個のコアのうちの3つのコア(例えばコア21-1、21-3、および21-5)が、第1のサブセットとして使用され、第1のサブセットは、第2のマルチコアファイバ2の6個のコアの第1のサブセット(例えばコア22-1、22-3、および22-5)に結合される。第4のマルチコアファイバ24の6個のコアのうちの3つのコア(例えばコア24-1、24-3、および24-5)が、第1のサブセットとして使用され、第1のサブセットは、第3のマルチコアファイバ23の6個のコアの第1のサブセット(例えばコア23-1、23-3、および23-5)に結合される。さらに、第1のマルチコアファイバ21の6個のコアのうちの他の3つのコア(例えばコア21-2、21-4、および21-6)が、第2のサブセットとして使用され、第2のサブセットは、第3のマルチコアファイバ23の6個のコアの第2のサブセット(例えばコア23-2、23-4、および23-6)に結合される。第4のマルチコアファイバ24の6個のコアのうちの第2のサブセット(例えばコア24-2、24-4、および24-6)は、第2のマルチコアファイバ22の第2のサブセット(例えばコア22-2、22-4、および22-6)に結合される。
【0083】
6コアファイバインタリーバがマルチコアファイバインタリーバ10として使用されるときには、図4のマルチコアファイバ増幅器50は、さらに以下のように配置されることがある。すなわち、第2のマルチコアファイバ2の第1のサブセット(例えばコア22-1、22-3、および22-5)は、マルチコアファイバインタリーバ10の外部の利得媒質61を用いて第3のマルチコアファイバ23の第1のサブセット(例えばコア23-1、23-3、および23-5)に接続され、第2のマルチコアファイバ2の第2のサブセット(例えばコア22-2、22-4、および22-6)は、マルチコアファイバインタリーバ10の外部の利得媒質61を用いて第3のマルチコアファイバ23の第2のサブセット(例えばコア23-2、23-4、および23-6)に接続される。
【0084】
第1のポート21が入力ポートとして使用され、第4のポート24が出力ポートとして使用され、第1のマルチコアファイバのコア2-1、2-3、および2-5が信号入力コアとして使用されるときには、光信号の流れは、以下の第1の光伝送経路に沿って伝送されることがある。すなわち、第1のポート11に位置するコア2-1、2-3、および2-5→第2のポート12に位置するコア22-1、22-3、および22-5→インタリーバ0の外部に位置する利得媒質61→第3のポート13に位置するコア23-1、23-3、および23-5→第4のポート14に位置するコア24-1、2、および2という経路に沿って伝送されることがある。
【0085】
これに対して、第1のポート21が出力ポートとして使用され、第4のポート24が入力ポートとして使用され、第4のマルチコアファイバのコア24-2、24-4、および24-6が信号入力コアとして使用されるときには、光信号の流れは、以下の第2の光伝送経路に沿って伝送されることがある。すなわち、第4のポート14に位置するコア24-2、24-4、および24-6→第2のポート12に位置するコア22-2、22-4、および22-6→インタリーバ0の外部に位置する利得媒質61→第3のポート13に位置するコア23-2、23-4、および23-6→第1のポート11に位置するコア21-2、21-4、および21-6という経路に沿って伝送されることがある。以上の説明から、第1の光伝送経路と第2の光伝送経路とは反対向きであり、光信号は、利得媒質を用いて行われる利得増幅を受けることが分かる。さらに、同じマルチコアファイバに限定された第1のサブセットと第2のサブセットとが互いに交差せず、したがって第1の光伝送経路および第2の光伝送経路について異なるコアが使用されるので、第1の光伝送経路および第2の光伝送経路に沿った光信号伝送は同時に実行され得ることを理解されたい。
【0086】
異なるポートにおいてコア間のインタリーブを実施するために、上記の2コアファイバと同様に、いくつかの実施形態では、対応するコアが、各ポートで直接ファンアウトされることがあり、異なるポートのコアどうしが、直接結合される(例えば溶接される)ことがある。例えば、複数の第1のコアの第1のサブセットとして使用されるコア21-1、21-3、および21-5は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第1のサブセットとして使用されるコア22-1、22-3、および22-5に直接結合されることがある。さらに、複数の第3のコアの第1のサブセットとして使用されるコア23-1、23-3、および23-5は、第3のポート13でファンアウトされることがあり、第4のポート14でファンアウトされる、複数の第4のコアの第1のサブセットとして使用されるコア24-1、24-3、および24-5に直接結合されることがある。さらに、複数の第1のコアの第2のサブセットとして使用されるコア21-2、21-4、および21-6は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、第3のポート13でファンアウトされる、複数の第3のコアの第2のサブセットとして使用されるコア23-2、23-4、および23-6に直接結合されることがある。さらに、複数の第4のコアの第2のサブセットとして使用されるコア24-2、24-4、および24-6は、第4のポート14でファンアウトされることがあり、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第2のサブセットとして使用されるコア22-2、22-4、および22-6に直接結合されることがある。この直接結合方式により、インタリーブが相対的に単純になる。
【0087】
いくつかの実施形態では、全てのポートの対応するコアが、補助インタリーブ構成要素を用いて結合されることがある。例えば、複数の第1のコアの第1のサブセットとして使用されるコア21-1、21-3、および21-5は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、次いで、第1の補助インタリーブ構成要素を用いて、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第1のサブセットとして使用されるコア22-1、22-3、および22-5に結合されることがある。さらに、複数の第3のコアの第1のサブセットとして使用されるコア23-1、23-3、および23-5は、第3のポート13でファンアウトされることがあり、次いで、第2の補助インタリーブ構成要素を用いて、第4のポート14でファンアウトされる、複数の第4のコアの第1のサブセットとして使用されるコア24-1、24-3、および24-5に結合されることがある。さらに、複数の第1のコアの第2のサブセットとして使用されるコア21-2、21-4、および21-6は、第1のポート11でファンアウトされることがあり、次いで、第3の補助インタリーブ構成要素を用いて、第3のポート13でファンアウトされる、複数の第3のコアの第2のサブセットとして使用されるコア23-2、23-4、および23-6に結合されることがある。さらに、複数の第4のコアの第2のサブセットとして使用されるコア24-2、24-4、および24-6)は、第4のポート14でファンアウトされることがあり、次いで、第4の補助インタリーブ構成要素を用いて、第2のポート12でファンアウトされる、複数の第2のコアの第2のサブセットとして使用されるコア22-2、22-4、および22-6に結合されることがある。同様に、例えば、第1の補助インタリーブ構成要素、第2の補助インタリーブ構成要素、第3の補助インタリーブ構成要素、および第4の補助インタリーブ構成要素は、シングルコアファイバ、空間導波路チップ、および空間光路構造を含む一群から選択されることがある。空間導波路チップおよび空間光路構造は、2コアファイバについて上述したのと同様の結合方式で接続されることがある。
【0088】
これらの実施形態では、第1の補助インタリーブ構成要素、第2の補助インタリーブ構成要素、第3の補助インタリーブ構成要素、および第4の補助インタリーブ構成要素は、様々な空間的条件または周囲条件下でインタリーブが実施されることが可能となるように、複数のポートでコアのインタリーブの解決策候補を提供するために使用されることを理解されたい。
【0089】
さらに、同様に、いくつかの実施形態では、あるいは、ポートのコアインタリーブは、ポートにおいてコアを直接結合すること、シングルコアファイバを使用すること、空間導波路チップを使用すること、および空間光路構造を使用することの任意の組合せによって実施されることもある。このようにして、コアインタリーブの自由度がさらに改善されることが可能であることを理解されたい。
【0090】
上述の2コアファイバおよび6コアファイバの例では、同じマルチコアファイバの第1のサブセットに含まれるコアの数量(例えば第1の数量と呼ばれる)と第2のサブセットに含まれるコアの数量(例えば第2の数量と呼ばれる)とが同じである、すなわち、第1のサブセットおよび第2のサブセットがそれぞれ1つまたは3つのコアを含み、第1のサブセットおよび第2のサブセットに含まれるコアの数量の合計が、同一のコアに含まれるコアの総数量、すなわち2または6に等しい。ただし、2コアファイバ、6コアファイバ、および第1のサブセットおよび第2のサブセットに含まれるコアの選択された数量は、単なる例に過ぎず、本開示の範囲に対するいかなる制限にもならないことを理解されたい。別の実施形態では、マルチコアファイバに含まれるコアの総数量、ならびに第1のサブセットおよび第2のサブセットのそれぞれに含まれるコアの数量は、適用要件に基づいて調節または変更され得る。
【0091】
例えば、いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアの数量と第2のサブセットのコアの数量の合計は、そのマルチコアファイバに含まれるコアの総数量未満であることも、または総数量に等しいこともある。さらに、いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバ内で、第1のサブセットに含まれるコアの数量(例えば第1の数量)は、第2のサブセットのコアの数量(例えば第2の数量)と等しいことも、または等しくないこともある(例えば第2のサブセットのコアの数量より大きいことも小さいこともある)。例えば、6コアファイバの例では、第1のサブセットに含まれるコアの数量が4であり、第2のサブセットに含まれるコアの数量が2であることがある。別の例では、6コアファイバの例において、第1のサブセットに含まれるコアの数量が3であり、第2のサブセットに含まれるコアの数量が2であり、それらの数量の合計がコアの総数量6より小さいこともある。第1のサブセットおよび第2のサブセットのコアの数量が前述のように選択されるので、ファイバのインタリーブの自由度がさらに改善されることが可能であり、様々な方向の光通信の容量の要件が満たされることが可能であることを理解されたい。
【0092】
別の例では、いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバは、第1のサブセットおよび第2のサブセットに加えて第3のサブセットをさらに含むこともあり、第3のサブセットに含まれるコアが、補助通信チャネルとして使用されることもある。
【0093】
第3のサブセットについてインタリーブがどのように実行されるのかをさらに明確に示すために、図7は、図6bに示されるマルチコアファイバインタリーバの変形例のインタリーブをコアファンアウト方式で示す概略図である。図7に示されるように、第1のポート11および第4のポート14にそれぞれ結合される第1のマルチコアファイバ21および第4のマルチコアファイバ24は、それぞれ7個のコアを含み、第2のポート12および第3のポート13にそれぞれ結合された第2のマルチコアファイバ22および第3のマルチコアファイバ23は、それぞれ6個のコアを含む。
【0094】
この例示的な実施形態では、第1のマルチコアファイバ21、第2のマルチコアファイバ22、第3のマルチコアファイバ23、および第4のマルチコアファイバ24のそれぞれの6個のコアは、図6aおよび図6bに示されるのと同じ方式でインタリーブされ得るので、本明細書では詳細について再度説明することはしない。これに加えて、第1のマルチコアファイバ21の第7のコア21-7および第4のマルチコアファイバ24の第7のコアが、第3のサブセットとして、それぞれマルチコアファイバインタリーバ10の第5のポート15および第6のポート16から外部に結合されることがある。第1のマルチコアファイバ21の第7のコア21-7および第4のマルチコアファイバ24の第7のコアは、直接、または補助インタリーブ構成要素を用いて、外部に結合され得る。さらに、マルチコアファイバインタリーバ10の第5のポート15および第6のポート16は、光ファイバ増幅器50の第3のポート5および第4のポート5図9参照)として使用されることがある。
【0095】
第3のサブセット、または第5のポート15および第6のポート16は、マルチコアファイバの補助通信チャネルとして使用されることがある。例えば、第3のサブセットのコアは、上流側/下流側受信機(例えば光トランスポンダユニット)などの上流側/下流側ネットワーク要素を制御するために、補助制御信号を伝送するために使用されることがある。第3のサブセット、または第5のポート15および第6のポート16は、あるいは、マルチコアファイバの障害の検出チャネルとして使用されることもある。例えば、第3のサブセットのコアは、マルチコアファイバの障害点を検出するために、光信号を検出するためのOTDRのサウンディングチャネルとして使用されることもある。
【0096】
以上、7コアファイバを例として用いて第3のサブセットのコアの機能について説明したが、7コアファイバは単なる例に過ぎず、第3のサブセットは、別の数量のコアを含むマルチコアファイバ(例えば3コアファイバまたは6コアファイバ)にもまた適用され得ることを理解されたい。さらに、第1のマルチコアファイバ21および第4のマルチコアファイバ24が第3のサブセットのコアを含むことがあるだけでなく、第2のマルチコアファイバ22および第3のマルチコアファイバ23も、制御信号または障害検出のための補助通信チャネルとして使用される第3のサブセットのコアを含むことがある。さらに、第3のサブセットは、複数のコアを含むこともあり、第3のサブセットのコアの数量は、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0097】
以上、2コアファイバ、6コアファイバ、および7コアファイバを例として用いて、マルチコアファイバインタリーバのインタリーブ原理について説明した。上述のコアの数量の例は、本開示のマルチコアファイバインタリーバの適用についていかなる制限にもならないことを理解されたい。本開示のマルチコアファイバインタリーバは、少なくとも2つのコアを有する任意のマルチコアファイバに適用され得、第1のサブセットが同じ数量(すなわち第1の数量)のコアを含み、第2のサブセットが同じ数量(すなわち第2の数量)のコアを含んでいれば、第1のマルチコアファイバ、第2のマルチコアファイバ、第3のマルチコアファイバ、および第4のマルチコアファイバに含まれるコアの総数量は異なることもある。
【0098】
いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバに限定された第1のサブセットと第2のサブセットとは、互いに交差しない。したがって、双方向伝送を実行するために異なるコアがマルチコアファイバ増幅器によって使用されるので、通信回路の設計は単純化される。ただし、これは必須ではない。いくつかの他の実施形態では、同じマルチコアファイバに限定された第1のサブセットと第2のサブセットとが互いに交差する可能性もある。これは、交差に含まれるコアが、アップリンク用のコアおよびダウンリンク用のコアの両方として使用されるということである。この交差設計では通信回路の設計が複雑になるが、この設計は、コアの数量が制限されているいくつかの特殊なシナリオに適用されることがある。
【0099】
アップリンクまたはダウンリンク用の複数のコア間の光信号のクロストークを低減するために、いくつかの実施形態では、同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアまたは第2のサブセットのコアは、互いに隣接しない。これにより、第1のサブセットまたは第2のサブセットのコア間の距離が増大するので、同じ方向の光信号のクロストークが低減され得る。
【0100】
他の実施形態では、同じマルチコアファイバの第1のサブセットのコアと第2のサブセットのコアとが、交互に位置する。こうして、第1のサブセットおよび第2のサブセットの選択を簡潔にすることができ、同じマルチコアファイバの第1のサブセットまたは第2のサブセットのコア間の距離が補償されることも可能になるので、同じ方向の光信号のクロストークが低減される。
【0101】
再度図3を参照すると、上述のように、利得媒質61は、第2のポート12と第3のポート13の間に配置されて、利得媒質61を通過する光信号を増幅するので、利得増幅によって得られるマルチコアファイバ増幅器の光出力が実現される。いくつかの実施形態では、利得媒質は、例えば、Er、Nd、またはYbなどの希土類元素イオンであることがある。利得媒質は、第2のポート22から出力される光信号に対して利得増幅を実施するために使用される。いくつかの実施形態では、利得媒質61は、ドープされたマルチコアファイバとして実装されることがある。エルビウムイオンなどの希土類元素イオンをマルチコアファイバにドープして、ドープされたマルチコアファイバを実装することもある。ドープされたマルチコアファイバの構造及び機能は、当技術分野において周知であり、詳細は本明細書では説明しない。
【0102】
利得媒質61の利得増幅をより良好に実施するために、従来の第1のタイプのマルチコアファイバ増幅器および従来の第2のタイプのマルチコアファイバ増幅器と同様に、いくつかの実施形態では、利得媒質61と第2のポート22の間にポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ62が設けられることがあり、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ62は、ポンプ光を第2のポート22を用いて出力される信号光に結合し、次いで、結合されたポンプ光および信号光を、例えばドープされたマルチコアファイバとして実装される利得媒質61に提供することがある。利得媒質61は、ポンプ光を吸収することによって、入力信号光を増幅することがある。いくつかの実施形態では、ポンプ光は、シングルコアファイバを用いて、ポンプレーザ63によってポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ62に提供されることがある。このようにして、ポンプ光は、簡単に提供されることが可能である。
【0103】
いくつかの実施形態では、第1の光アイソレータ64が設けられることがあり、第1の光アイソレータ64は、利得媒質61と第3のポート13の間に配置されることがあるので、光信号は、構成要素を単方向に通過する。これにより、反射光が利得媒質(例えばエルビウムドープファイバ)に入射して、増幅器の利得および雑音指数などの重要な性能指標に影響を及ぼすことを防止する。
【0104】
図4に示されるマルチコアファイバ増幅器の例示的な実施形態は、実際には最も単純な機能を備えたマルチコアファイバ増幅器の設計を提供することを理解されたい。したがって、当業者なら、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、図4の例示的な実施形態にいくつかの修正および変更を加え得る。
【0105】
図8は、図4に示されるマルチコアファイバ増幅器の例示的な実施形態の第1の変形を示す概略図である。図8に示されるように、図4の例示的な実施形態と比較すると、この変形実施形態では、マルチコアファイバ増幅器50は、マルチコアファイバインタリーバ10、第1のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ62、ポンプレーザ63、および第1の光アイソレータ64に加えて、別の光学機能ユニットを含むことがある。
【0106】
いくつかの実施形態では、光学機能ユニットは、第2の光アイソレータ65を含むことがある。第2の光アイソレータ65は、利得媒質61と第2のポート12の間に配置されることがあり、特に、ポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ6と第2のポートの間に配置されることがあるので、光信号は、構成要素を単方向に通過する。これにより、利得媒質61(またはエルビウムドープマルチコアファイバ)によって生成される逆ASE雑音光が入力端から漏れることを防止する。
【0107】
いくつかの実施形態では、光学機能ユニットは、第1のプローブ/カプラ68、および/または第2のプローブ/カプラ69を含むことがある。第1のプローブ/カプラ68および第2のプローブ/カプラ69は、マルチコアファイバの各コアの光パワーのわずかな部分をプローブアレイの検出のために結合するために使用される。特に、第1のプローブ/カプラ68は、第2のポート12と利得媒質61の間に配置されて、第2のポート12から出力される光信号の強さを検出することがあり、第2のプローブ/カプラ69は、利得媒質61と第3のポート13の間に配置されて、利得増幅によって得られる光信号の強さを検出することがある。
【0108】
さらに別の実施形態では、第1のプローブ/カプラ68は、カプラ1およびプローブアレイ1を含むことがある。カプラ1は、第2のポート12に結合された第2のマルチコアファイバ22に接続され、プローブアレイ1は、マルチコアファイバを用いて、カプラ1から外部に結合される信号光を検出する。第2のプローブ/カプラ69は、カプラ2およびプローブアレイ2を含むことがある。カプラ2は、第3のポート13に結合された第3のマルチコアファイバ23に接続され、プローブアレイ2は、マルチコアファイバを用いて、利得増幅によって得られる、カプラ2から外部に結合される信号光を検出する。増幅されない信号は、カプラ1から外部に結合され、通常は比較的低いパワーを有する。したがって、カプラ1は、通常は、5%など、わずかに大きな結合比率を使用する。増幅された信号は、カプラ2から外部に結合され、通常は、比較的高いパワーを有する。したがって、カプラ2は、1%など、比較的小さな結合比率を使用する。
【0109】
いくつかの実施形態では、光学機能ユニットは、利得平坦化フィルタ70をさらに含むことがある。利得平坦化フィルタ70は、第3のポート13と利得媒質61の間に結合され、特に、第1の光アイソレータ64と第3のポート13の間に結合されて、信号が基本的に一貫するように、増幅器の利得媒質の波長に関係する利得を等化することがある。
【0110】
いくつかの実施形態では、光学機能ユニットは、第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ66をさらに含むことがある。第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ66は、第3のポート13と利得媒質61の間に配置されることがあり、特に、利得平坦化フィルタ70および/または第2のプローブ/カプラ69と利得媒質61の間に配置されて、結合によって、利得媒質(例えばエルビウムドープファイバ)の吸収後に得られる残余ポンプ光を出力することがある。本明細書では第1のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ62および第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ66が使用されることがあるが、これら2つは異なる機能を有することに留意されたい。第1のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ62は、前進ポンプ構造を形成して、利得媒質(例えばエルビウムドープファイバ)の入力側で十分なポンプパワーを提供し、高い反転および比較的低い雑音指数を実現する。第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ66は、残余ポンプ光を外部に結合するためのみに使用される。ただし、以上の配置は必須ではない。別の実施形態では、光増幅器の雑音指数についてのシステムの要件が低いときには、ポンプレーザは、利得媒質(例えばエルビウムドープファイバ)の出力側で第2のポンプ/信号用波長分割マルチプレクサ66に接続されて、後進ポンプ構造を形成することもある。後進ポンプ構造は、比較的高いポンプパワー変換効率、およびポンプパワー消費の低減という利点を有する。さらに、他の実施形態では、ポンプレーザのグループが追加されて2方向ポンプ構造を形成して、雑音指数とパワー変換効率のバランスをとることもあるが、コストが増加することがある。
【0111】
他の実施形態では、マルチコアファイバ増幅器のコア間のクロストークを低減するために、マルチコアファイバ増幅器で使用されるファイバおよび利得媒質(例えばドープファイバ)は、導波路設計を使用して、隣接するコア間のクロストークを低減することができる。例えば、クロストークの影響を低減するために、特殊な屈折率分布設計またはコアピッチ設計が使用される。
【0112】
図9は、図4に示されるマルチコアファイバ増幅器の例示的な実施形態の第2の変形を示す概略図である。図に示される第1の変形の例示的な実施形態と比較すると、図9に示されるマルチコアファイバ増幅器は、図7に示されるマルチコアファイバインタリーバを使用する。マルチコアファイバインタリーバは、6個のポート、すなわち第1のポート11、第2のポート12、第3のポート13、第4のポート14、第5のポート15、および第6のポート1を有する。第1のポート11は、光ファイバ増幅器50の第1の入出力ポート51として使用されることがあり、第2のポート12は、光ファイバ増幅器50の第2の入出力ポート52として使用されることがあり、第5のポート15は、光ファイバ増幅器50の第1の補助通信ポート55として使用されることがあり、第6のポート16は、光ファイバ増幅器50の第2の補助通信ポート56として使用されることがある。第1の補助通信ポート55および第2の補助通信ポート56は、OTDRを用いてファイバ障害点を検出し、かつ/または上流側/下流側ネットワーク要素を制御するための光信号を提供するために、補助通信チャネルを提供するように構成されることがある。
【0113】
以下、本開示におけるマルチコアファイバ増幅器50の信号の流れを簡単に説明する。第1の入出力ポート51および第2の入出力ポート52のそれぞれは、信号入力ポートまたは信号出力ポートとして使用されることがあることを理解されたい。したがって、本開示におけるマルチコアファイバ増幅器は、光信号の双方向伝送を実施することができる。
【0114】
具体的には、第1の入出力ポート51に結合された第1のマルチコアファイバ21の第1のサブセットが入力光信号を受信するときには、マルチコアファイバインタリーバ10のインタリーブがあるので、光信号は、マルチコアファイバ増幅器0の利得媒質61によって増幅され、その後、第2の入出力ポート52に結合された第4のマルチコアファイバ24の第1のサブセットから外部に結合され、それにより第1の入出力ポート51から第2の入出力ポート52までの光信号の光伝送を実施する。第2の入出力ポート52に結合された第4のマルチコアファイバ24の第2のサブセットが入力光信号を受信するときには、マルチコアファイバインタリーバ10のインタリーブがあるので、光信号は、マルチコアファイバ増幅器0の利得媒質61によって増幅され、その後、第1の入出力ポート51に結合された第1のマルチコアファイバ21の第2のサブセットから外部に結合され、それにより第2の入出力ポート52から第1の入出力ポート51までの光信号の光伝送を実施する。
【0115】
図9に示されるマルチコアファイバ増幅器が第1の補助通信ポート55および第2の補助通信ポート56を有するときには、第1の補助通信ポート55は、第1の入出力ポート51に結合された第1のマルチコアファイバ21の第3のサブセットから光信号を受信するように構成されることがあり、第2の補助通信ポート56は、第2の入出力ポート52に結合された第4のマルチコアファイバ24の第3のサブセットから光信号を受信するように構成されることがある。第1の補助通信ポート55および第2の補助通信ポート56によって受信される光信号は、光の強度を検出するために使用され、かつ/または上流側/下流側ネットワーク要素を制御ための光信号として使用されることがある。
【0116】
以上、本開示のマルチコアファイバ増幅器の例示的な実施形態および変形形態について、詳細に説明した。本開示のマルチコアファイバ増幅器は、従来の第1のタイプの光ファイバ増幅器および第2のタイプの光ファイバ増幅器に優る以下の利点を有することを理解されたい。
・第1のタイプの光ファイバ増幅器と比較して、各コアが、別個のポンプレーザおよびポンプ/信号用波長分割マルチプレクサを備える必要がないので、集積度が改善され、コストが低減される。
・第1のタイプの光ファイバ増幅器および第2のタイプの光ファイバ増幅器と比較して、シングルファイバ単方向増幅器が、シングルファイバ双方向増幅器に改良される。コアインタリーバ以外の構成要素は追加されないが、シングルファイバ双方向伝送の以下の利点が利用される。
a.光トランスポンダユニット(OTU)の複雑さが軽減される。マルチコア単方向伝送では、通常は、クロストークを回避するために、MIMO技術が受信に使用される必要がある。しかし、本開示の隣接しない(または交互の)コアの双方向伝送技術は、コア間のクロストークを大幅に低減し、OTUの技術的な複雑さの要件が低減されるので、全体的なシングルビット伝送コストが削減される。
b.ネットワーク展開の集積度が改善される。1つの増幅器が双方向の信号増幅をサポートし、回線および光増幅器が半分に削減される。
c.シングルファイバ双方向伝送が実行される。技術的には、双方向信号は、比較的一貫した待ち時間を維持することができ、また、クロック同期機能の複雑さが低減されることが可能である、またはクロック同期の精度が改善されることが可能である。
・第1の補助通信ポート55および第2の補助通信ポート56を備えた実施形態では、2つの補助通信ポートは、上流側サイトと下流側サイトの間に結合される補助チャネルとして使用されることがあり、これらの補助チャネルは、例えば、伝送デバイス管理ネットワーク内の各サイトのネットワーク要素のDCN通信チャネルとして使用されることがある。したがって、本開示のマルチコアファイバ増幅器は、より幅広い適用シナリオを有する。例えば、補助通信チャネルは、地上ケーブルシステムの光増幅器サイトを管理するために使用されることがある。
【0117】
以下、図10を参照して、本開示のマルチコアファイバ増幅器のファイバ通信システム100への例示的な適用について説明する。
【0118】
図10に示されるように、少なくとも1つの光増幅器サイト90が、第1の光学端末サイト80と第2の光学端末サイト81の間に配置されることがあり、光増幅器サイト90は、本開示のマルチコアファイバ増幅器50を含むことがある。例えば、第1の光学端末サイト80または第2の光学端末サイト81は、光トランスポンダユニットと、マルチプレクサまたはデマルチプレクサとのうちの少なくとも1つを含むことがある。本明細書における第1の光学端末サイト80または第2の光学端末サイト81の例は、限定にならないことを理解されたい。別の実施形態では、第1の光学端末サイト80または第2の光学端末サイト81は、あるいは、別の光通信ユニットを含むこともあり、例えば本開示の光ファイバ増幅器50を含むこともある。
【0119】
上述のように、本開示のマルチコアファイバ増幅器50は、双方向伝送に適応されており、したがって、光増幅器サイト90も、双方向伝送に適応されている。この双方向伝送の特徴により、本開示の光増幅器サイト90は、単一のファイバを用いて第1の光学端末サイト80と第2の光学端末サイト81の間に直列に配置されることが可能である。
【0120】
本明細書における「単一のファイバを用いて」は、伝送方向に対して直交する、長手方向に無限に延びる平面に、ファイバが一本だけあることを意味することに留意されたい。
【0121】
いくつかの実施形態では、この少なくとも1つの光増幅器サイト90は、複数の光増幅器サイト90を含むことがある。この複数の光増幅器サイト90もまた、単一のファイバを用いて直列に接続され得、次いで、第1の光学端末サイト80と第2の光学端末サイト81の間に結合され得る。
【0122】
アップリンク用とダウンリンク用に2本のファイバを使用する図3に示される従来のファイバ通信システム40’と比較して、本開示のファイバ通信システム100は、1本のファイバのみを用いることによって、展開による双方向伝送システムを実装することができる。さらに、本開示では、各光増幅器サイト90につき、マルチコアファイバ増幅器がただ1つだけ配置されることがある。したがって、伝送容量が小さいときには、本開示のファイバ通信システムは、技術展開コスト(例えば設置されるデバイスの数量およびリースされるファイバの数量)および動作コスト(例えば電力消費)を低減する。
【0123】
さらに、本開示のファイバ通信システムでは、双方向に伝送される信号が単一のファイバを用いて伝送されるので、アップリンクおよびダウンリンクの待ち時間が一貫するので、従来の技術における一貫性のない双方向待ち時間の問題がうまく解消されることが保証される。
【0124】
さらに、第1のサブセットまたは第2のサブセットの複数のコアが隣接しない(例えば第1のサブセットのコアと第2のサブセットのコアが交互に挿入される)実施形態では、同方向伝送コア間の距離が増大するので、それらのコア間のクロストークが効果的に低減されることが可能である。交互のコアで反対方向の伝送が行われるときには結合係数がかなり低いことがあるので、本開示で伝送ファイバとして使用されるマルチコアファイバは、近似的に結合のないファイバとみなされ得るので、受信機は、MIMO受信技術を使用する必要がないことがある。したがって、受信機の複雑さが大幅に低減され、クロストークのコストが無視されることが可能である。
【0125】
以下、図11から図13を参照して、方法の手順を例として用いて、本開示におけるマルチコアファイバインタリーブ方法、マルチコアファイバの光増幅方法、およびシングルファイバ双方向伝送方法について簡単に説明する。
【0126】
マルチコアファイバインタリーバ、マルチコアファイバ増幅器、およびシングルファイバ双方向伝送システムの上述の実施形態は、互いに矛盾することなく、以下のマルチコアファイバインタリーブ方法、マルチコアファイバの光増幅方法、またはシングルファイバ双方向伝送方法に適用され得ることを理解されたい。
【0127】
図11は、本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバインタリーブ方法を示す概略流れ図である。
【0128】
図11に示されるように、ブロック110で、第1のマルチコアファイバ21の複数の第1のコアの第1のサブセット(例えばコア21-1、21-3、および21-5)が、第2のマルチコアファイバ22の複数の第2のコアの第1のサブセット(例えばコア22-1、22-3、および22-5)に結合される。
【0129】
ブロック111で、第3のマルチコアファイバ23の複数の第3のコアの第1のサブセット(例えばコア23-1、23-3、および23-5)が、第4のマルチコアファイバ24の複数の第4のコアの第1のサブセット(例えばコア24-1、24-3、および24-5)に結合される。
【0130】
ブロック112で、複数の第1のコアの第2のサブセット(例えばコア21-2、21-4、および21-6)が、複数の第3のコアの第2のサブセット(例えばコア23-2、23-4、および23-6)に結合される。
【0131】
ブロック113で、複数の第4のコアの第2のサブセット(例えばコア24-2、24-4、および24-6)が、複数の第2のコアの第2のサブセット(例えばコア22-2、22-4、および22-6)に結合される。マルチコアファイバの第1のサブセットは、同じ数量のコアを含み、マルチコアファイバの第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む。
【0132】
上述のインタリーブ方法によれば、インタリーブは、第1のマルチコアファイバ21と、第2のマルチコアファイバ22と、第3のマルチコアファイバ23と、第4のマルチコアファイバ24との間で実施されることが可能である。
【0133】
いくつかの追加の実施形態では、上述のインタリーブ方法は、利得媒質ともまた関連付けられることがある。例えば、ブロック114で、複数の第2のコアの第1のサブセット(例えばコア22-1、22-3、および22-5)が、利得媒質61を用いて複数の第3のコアの第1のサブセット(例えばコア23-1、23-3、および23-5)に結合される。ブロック115で、複数の第2のコアの第2のサブセット(例えばコア22-2、22-4、および22-6)が、利得媒質61を用いて複数の第3のコアの第2のサブセット(例えばコア23-2、23-4、および23-6)に結合される。
【0134】
ブロック114およびブロック115のインタリーブ動作を実行することにより、第1のサブセットおよび第2のサブセットの両方のコアが、さらに利得媒質と関連付けられることが可能になるので、入力光信号の利得増幅が実施されることが可能である。
【0135】
以上、本開示のマルチコアインタリーブファイバインタリーブ方法について簡単に説明した。いくつかの実施形態では、このマルチコアファイバインタリーブ方法が、そのまま前述のマルチコアファイバインタリーバを製造する/組み立てるために使用され、したがって構成要素または製品として使用されるファイバインタリーバの製造を実施することもあることを理解されたい。他の実施形態では、このマルチコアファイバインタリーブ方法は、そのままマルチコアファイバ増幅器を製造する/組み立てるために使用され、したがって製品として使用されるマルチコアファイバ増幅器を実装することもあり、ファイバインタリーバをパッケージングする動作が省略されることが可能である。さらに、本開示のマルチコアファイバインタリーブ方法は、機械によって自動的に完了されることもあるし、手動で完了される、例えばマルチコアインタリーバを製造する工場の作業員によって完了されることもある。
【0136】
図12は、本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバに適用可能な光増幅方法を示す概略流れ図である。
【0137】
図12に示されるように、ブロック120で、第1の光信号が、第1のマルチコアファイバ21の第1のサブセット(例えばコア21-1、21-3、および21-5)を用いて受信される。
【0138】
ブロック121で、第1の光信号が、第2のマルチコアファイバ22の第1のサブセット(例えばコア22-1、22-3、および22-5)に伝送される。
【0139】
ブロック122で、第2のマルチコアファイバ22の第1のサブセット(例えばコア22-1、22-3、および22-5)から入来する第1の光信号が、利得媒質61を用いて、第3のマルチコアファイバ23の第1のサブセット(例えばコア23-1、23-3、および23-5)に伝送される。
【0140】
ブロック123で、増幅された第1の光信号が、第4のマルチコアファイバ24の第1のサブセット(例えばコア24-1、24-3、および24-5)に伝送される。
【0141】
ブロック124で、第1の光信号が、第4のマルチコアファイバ24の第1のサブセット(例えばコア24-1、24-3、および24-5)を用いて出力される。マルチコアファイバの第1のサブセットは、同じ数量のコアを含む。
【0142】
さらに、本開示のさらに別の実施形態では、上述の光増幅方法は、以下の動作をさらに含むことがある。すなわち、
第4のマルチコアファイバ24の第2のサブセット(例えばコア24-2、24-4、および24-6)を用いて第2の光信号を受信する動作であって、第2の光信号の伝送方向は、第1の光信号の伝送方向の反対である、動作、および次いで第2の光信号を第2のマルチコアファイバ(22)の第2のサブセット(例えばコア22-2、22-4、および22-6)に伝送する動作と、
第2のマルチコアファイバ(22)の第2のサブセット(例えばコア22-2、22-4、および22-6)から入来する第2の光信号を、利得媒質61を用いて、第3のマルチコアファイバ23の第2のサブセット(例えばコア23-2、23-4、および23-6)に伝送する動作と、
増幅された第2の光信号を第1のマルチコアファイバ21の第2のサブセット(例えばコア21-2、21-4、および21-6)に伝送する動作と、
第2の光信号を第1のマルチコアファイバ21の第2のサブセット(例えばコア21-2、21-4、および21-6)を用いて出力する動作であって、マルチコアファイバの第2のサブセットは、同じ数量のコアを含む、動作と、をさらに含むことがある。
【0143】
図13は、本開示の例示的な実施形態によるマルチコアファイバに適用可能なシングルファイバ双方向伝送方法を示す概略流れ図である。
【0144】
ブロック130で、第1の光学端末サイト80が、第1の光信号を光増幅器サイト90に伝送する。
【0145】
ブロック131で、光増幅器サイト90が、増幅された第1の光信号を第2の光学端末サイト81に伝送する。光増幅器サイト90は、単一のファイバを用いて第1の光学端末サイト80と第2の光学端末サイト81の間に直列に配置されることがあり、上記のマルチコアファイバ増幅器50を含む。
【0146】
さらに別の実施形態では、このシングルファイバ双方向伝送方法は、以下の動作をさらに含むことがある。すなわち、
第2の光学端末サイト81により、第2の光信号を光増幅器サイト90に伝送し、光増幅器サイト90により、増幅された第2の光信号を第の光学端末サイト80に伝送する動作をさらに含むことがある。
【0147】
添付の図面および上記の説明で本発明について詳細に説明したが、この説明は、例示的なものであるとみなされる、または例であって、限定するためのものではないとみなされるものとする。本発明は、開示される実施形態に限定されない。請求される発明を実施するときには、当業者は、添付の図面、本開示、および添付の特許請求の範囲を調査することによって、開示される実施形態の他の変形形態を理解し、実施することができる。
【0148】
特許請求の範囲において、「備える」という用語は、他の要素を排除せず、不定冠詞「one」または「a」は、「複数」を排除しない。単一の要素またはその他のユニットが、特許請求の範囲に記載される複数の品目の機能を実施することもある。いくつかの特徴が異なる実施形態または従属請求項にしか記載されていなくても、そのことは、それらの特徴が組み合わせて有利に使用されることが不可能であるということを意味するものではない。本願の趣旨および範囲を逸脱することなく、本願の保護範囲は、実施形態または従属請求項に記載される特徴の任意の可能な組合せをカバーする。
【0149】
特許請求の範囲における任意の参照番号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13