(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】パルプベールの番線分離方法
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
B65B69/00 102
(21)【出願番号】P 2023166669
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2020185293の分割
【原出願日】2020-11-05
【審査請求日】2023-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000202235
【氏名又は名称】相川鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】津布久 宏彰
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-123331(JP,A)
【文献】特許第6570096(JP,B1)
【文献】特開2007-176602(JP,A)
【文献】特開昭60-172630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプベールから番線を分離するパルプベールの番線分離方法であって、
前記番線は、
正面視、時計回りに前記パルプベールの
上面、右側面、底面、左側面の周囲を第1の角部、第2の角部、第3の角部、第4の角部を介して結束され、
前記第1の角部は、前記上面と前記右側面がなす角部であり、前記第2の角部は、前記右側面と前記底面がなす角部であり、前記第3の角部は、前記底面と前記左側面がなす角部であり、前記第4の角部は、前記左側面と前記上面がなす角部であり、
前記上面の前記番線を2点で把持し、把持した2点の間の前記番線を切断し、切断された一方の前記番線と、切断された他方の前記番線とをそれぞれ把持して、切断された一方の前記番線と切断された他方の前記番線とが離間する方向へ移動させて、切断された一方の前記番線が前記第1の角部から、切断された他方の前記番線が前記第4の角部から引き剥がされ、切断された一方の前記番線、切断された他方の前記番線の内、いずれかの前記番線の
み把持を解除し、解除後、切断された前記番線を巻き取り、前記番線を前記パルプベールから分離する
ことを特徴とするパルプベールの番線分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルプベールの番線分離方法に係り、特に、番線を切断後、切断した番線をパルプベールから引き剥がし、その後、切断した番線を巻き取るようにしたパルプベールの番線分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本件発明者は、先に、パルプベールの開梱方法(例えば、特許文献参照)を開示した。
このパルプベールの開梱方法は、パルプベールを梱包していた番線を切断し、切断後、切断した番線をパルプベールから引き剥がすことなく、切断した番線を巻き取るようにして、番線をパルプベールから分離するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、パルプベールは、一般的に輸入品が多く使用されており、工場でパルプの開梱を行うまでに多くの日数を費やしているため、パルプベールが多くの湿気を吸って膨張したり、輸送時の運搬等により、パルプベールを梱包していた番線がパルプベールの角部に食い込んでいる場合がある。
かかる場合にあっては、番線を切断後、切断した番線を巻き取ると、モーターの過負荷により装置が停止し、作業ができないという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、上記問題点を除去するようにしたパルプベールの番線分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のパルプベールの番線分離方法は、パルプベールから番線を分離するパルプベールの番線分離方法であって、前記番線は、正面視、時計回りに前記パルプベールの上面、右側面、底面、左側面の周囲を第1の角部、第2の角部、第3の角部、第4の角部を介して結束され、前記第1の角部は、前記上面と前記右側面がなす角部であり、前記第2の角部は、前記右側面と前記底面がなす角部であり、前記第3の角部は、前記底面と前記左側面がなす角部であり、前記第4の角部は、前記左側面と前記上面がなす角部であり、前記上面の前記番線を2点で把持し、把持した2点の間の前記番線を切断し、切断された一方の前記番線と、切断された他方の前記番線とをそれぞれ把持して、切断された一方の前記番線と切断された他方の前記番線とが離間する方向へ移動させて、切断された一方の前記番線が前記第1の角部から、切断された他方の前記番線が前記第4の角部から引き剥がされ、切断された一方の前記番線、切断された他方の前記番線の内、いずれかの前記番線のみ把持を解除し、解除後、切断された前記番線を巻き取り、前記番線を前記パルプベールから分離するものである。
【発明の効果】
【0007】
番線を切断し、そのまま巻き取ると、番線がパルプベールの角部に食い込んで、巻き取られない不具合を生じるが、請求項1記載のパルプベールの番線分離方法によれば、番線を2点で把持し、把持した2点の間の前記番線を切断し、切断された一方の前記番線と、切断された他方の前記番線とをそれぞれ把持して、切断された一方の前記番線と切断された他方の前記番線とが離間する方向へ移動させて、切断された一方の前記番線が第1の角部から、切断された他方の前記番線が第4の角部から引き剥がされ、切断された一方の前記番線、切断された他方の前記番線の内、いずれかの前記番線の把持を解除し、解除後、切断された前記番線を巻き取るようしたため、前記不具合が生じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本願発明の一実施例のパルプベールの番線分離方法における開梱されるパルプベールがコンベヤに載置された状態の概略的斜視図である。
【
図3】
図3(a)は、
図1のロボットに搭載されるパルプベールの番線を保持するクランプと、このクランプの外方に設けられた巻き取りガイドの概略的図であり、
図3(b)は、
図3(a)の番線が保持され、番線が巻き取りガイドに巻き取られた状態の概略的図である。
【
図4】
図4は、
図1のロボットに搭載されるパルプベールの番線を切断するカッターの概略的図である。
【
図7】
図7は、
図5の一部を拡大して示す概略的一部拡大平面図である。
【
図8】
図8は、
図6の一部を拡大して示す概略的一部拡大正面図である。
【
図9】
図9(a)は、
図5のパルプベールの概略的平面図であり、
図9(b)は、
図9(a)の第1の番線を切断するためのカッター、クランプの位置を示す概略的平面図であり、
図9(c)は、
図9(b)の第1の番線を切断した状態を示す概略的平面図であり、
図9(d)は、
図9(c)の第1の番線を第1の角部から引き剥がした状態を示す概略的平面図であり、
図9(e)は、
図9(d)の第1の番線及び第1の番線の上に位置する番線を除去した後、第2の番線を切断するためのカッター、クランプの位置を示す概略的平面図であり、
図9(f)は、
図9(e)の第2の番線を切断した状態を示す概略的平面図であり、
図9(g)は、
図9(f)の第2の番線を第1’の角部から引き剥がした状態を示す概略的平面図であり、
図9(h)は、
図9(g)の第2の番線及び第2の番線の左に位置する番線を除去した後のパルプベールの概略的平面図である。
【
図15】
図15は、
図14の巻き取った第1の番線を巻き取りガイドから分離した状態の概略的正面図である。
【
図16】
図16は、
図1乃至
図15記載の実施例と異なる他の実施例のパルプベールの番線分離方法を示すもので、
図16(a)は、番線を2点で把持した状態の概略的正面図であり、
図16(b)は、
図16(a)で把持した2点の間の番線を切断し、切断された一方の前記番線と、切断された他方の前記番線とをそれぞれ把持して、切断された一方の前記番線と切断された他方の前記番線とが離間する方向へ移動させた状態を示す概略的正面図であり、
図16(c)は、切断された一方の前記番線が第1の角部から、切断された他方の前記番線が第4の角部から引き剥がされ、切断された一方の前記番線、切断された一方の前記番線の内、いずれかの前記番線の把持を解除し、解除後、切断された前記番線を巻き取りを示す概略的正面図である。
【
図17】
図17は、
図16記載の実施例と異なる他の実施例のパルプベールの番線分離方法における開梱されるパルプベールがコンベヤに載置された状態の概略的平面図である。
【
図21】
図21(a)は、
図17のパルプベールの概略的平面図であり、
図21(b)は、第1の番線を切断するためのカッター、クランプの位置を示す概略的平面図であり、
図21(c)は、
図21(b)の第1、第2の番線を切断した状態を示す概略的平面図であり、
図21(d)は、
図21(c)の第1の番線を第1の角部から、第2の番線を第1’の角部から、それぞれ引き剥がした状態を示す概略的平面図であり、
図21(e)は、
図21(d)の第1の番線及び第1の番線の上に位置する番線を除去した後、第2の番線を切断するためのカッター、クランプの位置を示す概略的平面図であり、
図21(f)は、
図21(e)の第2の番線を切断した状態を示す概略的平面図であり、
図21(g)は、
図21(a)の第1の番線の上に位置する第1’の番線を第1の角度から、
図21(a)の第2の番線の上の第2’の番線を第1’の角部から、それぞれ引き剥がした状態を示す概略的平面図であり、
図21(h)は、
図21(g)の第1’の番線及び第2’の番線を除去した後のパルプベールの概略的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施例のパルプベールの番線分離方法を図面(
図1乃至
図21)を参照して説明する。
【0010】
(
図1乃至
図15)
図1に示す1は、番線で梱包されたパルプベールで、パルプベール1は、搬送面2に載置されている。搬送面2は、例えば、ローラコンベヤである。
【0011】
パルプベールの番線分離装置Sは、パルプベールから番線を分離する装置で、例えば、複数の関節を有し、三次元空間を自在に移動可能な多軸ロボットアーム先端に設けられた本体3に、クランプ4、巻き取りガイド5、カッター6が取り付けられている。
なお、本体3、クランプ4、巻き取りガイド5、カッター6は、制御部100により制御される。
【0012】
図2において、番線11は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1の角部R1、第2の角部R2、第3の角部R3(
図14、
図15参照)、第4の角部R4を介して結束されている。
そして、本体3に取り付けられた画像センサ(図示せず)の検知により、パルプベール1が搬送面2の所定の位置に達すると、停止し、制御部100により本体3を
図5に示す右下の位置に移動する。
【0013】
本体3が
図5に示す右下の位置(例えば、第1の角部R1の近傍の位置)において、制御部100によりアームが降下する。そうすると、ロボットアームの先端に取り付けられたクランプ4、巻き取りガイド5、カッター6も降下する。クランプ4が番線11を把持し、持ち上げ[
図3(a)(b)]、クランプ4に隣接するカッター6で番線11を切断する。つまり、第1の角部R1の近傍の番線11を切断する[
図9(c)、
図11]。切断された一方の番線11を把持して、第1の角部R1に当接する番線11を第1の角部R1、第2の角部R2から引き剥がすように移動させ[
図9(c)(d)、
図11、
図12、
図13]、移動後、切断された番線11を巻き取り(
図14)、番線11をパルプベール1から分離する(
図14)。
巻き取りは、クランプ4の外側に位置する巻き取りガイド5を回転させて行い、番線11を巻き取りガイド5の外周に巻き付けていく。
また、巻き取りガイド5の外周に巻き付けられた番線11は、巻き取りガイド5を上昇させ、巻き取りガイド5の上にあるストッパー8に当接させて、分離させる。
【0014】
番線を切断し、そのままま巻き取ると、番線がパルプベールの角部に食い込んで、巻き取られない不具合を生じるが、上述したパルプベールの番線分離方法によれば、第1の角部R1の近傍の番線11を切断し、切断された一方の番線11を把持して、第1の角部R1、第2の角部R2に当接する番線11を第1の角部R1、第2の角部R2から引き剥がすように移動させ、移動後、切断された番線11を巻き取るため、前記不具合が生じるのを防ぐことができる。
パルプベール1から番線11を分離した後、
図5に示す番線11の上にある番線11’も、番線11と同様にして、パルプベール1から番線11’を分離する。この状態が
図9(c)である。
【0015】
なお、上述した実施例においては、切断された一方の番線11を把持して、第1の角部R1、第2の角部R2に当接する番線11を第1の角部R1、第2の角部R2から引き剥がすように移動させたが、本願発明は、これに限らず、切断された一方の番線11を把持して、第1の角部R1に当接する番線11を第1の角部R1から引き剥がすように移動させても良い。
つまり、このパルプベールの番線分離方法は、番線11で梱包されたパルプベール1から番線11を分離するパルプベール1の番線分離方法であって、番線11は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1の角部R1、第2の角部R2、第3の角部R3、第4の角部R4を介して結束され、第1の角部R1の近傍の番線11を切断し、切断された一方の番線11を把持して、 第1の角部R1に当接する番線11を第1の角部R1から引き剥がすように移動させ、移動後、切断された番線11を巻き取り、番線11をパルプベール1から分離するようにしても良い。
なお、上述同様、番線を切断し、そのままま巻き取ると、番線がパルプベールか角部に食い込んで、巻き取られない不具合を生じるが、このパルプベールの番線分離方法によれば、第1の角部R1の近傍の番線を切断し、切断された一方の番線11を把持して、 第1の角部R1に当接する番線11を第1の角部R1から引き剥がすように移動させ、移動後、切断された番線11を巻き取るようしたため、前記不具合が生じるのを防ぐことができる。
【0016】
(
図16)
また、上述した実施例は、番線11を一点で把持したが、
図16に示すように、2点で支持するようにしても良い。
即ち、番線11で梱包されたパルプベール1から番線11を分離するパルプベールの番線分離方法であって、番線11は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1の角部R1、第2の角部R2、第3の角部R3、第4の角部R4を介して結束されている点は、上述した実施例と同様である。
図16(a)に示すように、番線11を2点で把持し、把持した2点の間の番線11を切断し、切断された一方の番線11と、切断された他方の番線11とをそれぞれ把持して、切断された一方の番線11と切断された他方の番線11とが離間する方向へ移動させて、
図16(b)に示すように、 切断された一方の番線11が第1の角部R1から、切断された他方の番線11が第4の角部R4から引き剥がされ、
図16(c)に示すように、切断された一方の番線11、切断された一方の番線11の内、いずれかの番線11の把持を解除し、解除後、切断された番線11を巻き取り、番線11をパルプベール1から分離するものである。
番線を切断し、そのままま巻き取ると、番線がパルプベールか角部に食い込んで、巻き取られない不具合を生じるが、この実施例のパルプベールの番線分離方法によれば、番線11を2点で把持し、把持した2点の間の番線11を切断し、切断された一方の番線11と、切断された他方の番線11とをそれぞれ把持して、 切断された一方の番線11と切断された他方の番線11とが離間する方向へ移動させて、 切断された一方の番線11が第1の角部R1から、切断された他方の番線11が第4の角部R4から引き剥がされ、切断された一方の番線11、切断された一方の番線11の内、いずれかの番線11の把持を解除し、解除後、切断された番線11を巻き取るようしたため、前記不具合が生じるのを防ぐことができる。
なお、「番線11を2点で把持し、把持した2点の間の番線11を切断し」は、具体的には、2点把持は、例えば、「
図3記載のクランプ4、巻き取りガイド5と、
図3記載のクランプ4」で行い、切断は、
図4記載のカッター6で行い、巻き取りガイド5に巻き取った番線11は、「
図3記載のクランプ4、巻き取りガイド5と、
図3記載のクランプ4」の巻き取りガイド5を上昇させて
図17記載のストッパー8に当接させて行うことができる。
【0017】
(
図17乃至
図21)
また、上述した実施例は、番線11を切断したが、
図17乃至
図21に示すように、複数の番線11、12を切断するようにしても良い。
即ち、番線は、第1の番線11と、この第1の番線11に直交するように設けられた第2の番線12を有し、第1の番線11は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1の角部R1、第2の角部R2、第3の角部R3、第4の角部R4を介して結束され、第2の番線12は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1’の角部R’1、第2’の角部(図示せず)、第3’の角部(図示せず)、第4’の角部R’4を介して結束されている。
図21(a)に示すように、第1の番線11と第2の番線12が交差する部位がAであり、このA近傍の第1の番線11、第2の番線12を切断する。つまり、
図17に示すように、第1の番線11に沿うようにクランプ4、4’、クランプ4’に隣接するカッター6が、第2の番線12に沿うようにクランプ4”、4”’、クランプ4”’に隣接するカッター6’が、それぞれ設けられ、第1の番線11、第2の番線12を切断する。つまり、
図17に示すように、第1の番線11をクランプ4、4’で把持し、カッター6で第1の番線11を、第2の番線12をクランプ4”、4”’で把持し、カッター6’で第2の番線12を、それぞれ切断する[
図21(c)]。
切断された一方の第1、第2の番線11、12を把持し、切断された一方の第1の番線11が第1の角部R1、第2の角部R2から、切断された一方の第2の番線12が第1’の角部R’1、第2’の角部R’2から離間するように移動させる[
図21(d)]。 移動後、切断された第1、第2の番線11、12を巻き取り、第1、第2の番線11,12をパルプベール1から分離する。
巻き取りは、クランプ4、4’4”、4”’の内側に位置する巻き取りガイド5を回転させて行い、第1、第2の番線11、12を巻き取りガイド5の外周に巻き付けていく。
また、巻き取りガイド5の外周に巻き付けられた第1、第2の番線11、12は、巻き取りガイド5を上昇させ、巻き取りガイド5の上にあるストッパー8(
図14参照)に当接させて、分離させる。
なお、上述の移動は、
図21(c)(d)に示すように、平面視、パルプベール1の四つの角B、C、D、Eの内、第1の番線11と第2の番線12が交差する部位Aに近い角Bに向かう方向に移動し、その後、下方に移動するのが良い。移動距離を少なくできる分、迅速にパルプベール1の番線11、12を分離させることができる。
また、番線を切断し、そのままま巻き取ると、番線がパルプベールか角部に食い込んで、巻き取られない不具合を生じるが、この実施例のパルプベールの番線分離方法によれば、A近傍の第1の番線11、第2の番線12を切断し、切断された一方の第1、第2の番線11,12を把持し、切断された一方の第1の番線11が第1の角部R1、第2の角部R2から、切断された一方の第2の番線12が第1’の角部R’1、第2’の角部(図示せず)から離間するように移動させ、移動後、切断された第1、第2の番線11、12を巻き取るようしたため、前記不具合が生じるのを防ぐと共に、第1、第2の番線11、12を同時にパルプベール1から分離することができる。
【0018】
パルプベール1から番線11、12を分離した後、
図21(a)に示す第1の番線11の上にある番線11’、第2の番線12の左にある番線12’も、第1の番線11と同様にして、パルプベール1から番線11’、12’を分離する。この状態が
図21(h)である。
つまり、平面視、番線11’と番線12’が交差する部位がA’であり、このA’近傍の番線11’、番線12’を切断し、切断された一方の番線11’、12’を把持し、切断された一方の番線11’が第4の角部R4から、切断された一方の番線12’が第4’の角部R’4から、それぞれ離間するように移動させ、移動後、切断された番線11’、12’を巻き取り、番線11’、12’をパルプベール1から分離するものである。
【0019】
なお、上述した実施例においては、A近傍の第1の番線11、第2の番線12を切断し、切断された一方の第1、第2の番線11,12を把持し、切断された一方の第1の番線11が第1の角部R1、第2の角部R2から、切断された一方の第2の番線12が第1’の角部R’1、第2’の角部R’2から離間するように移動させたが、本願発明は、これに限らず、切断された一方の第1、第2の番線11、12を把持し、切断された一方の第1の番線11が第1の角部R1から、切断された一方の第2の番線12が第1’の角部R’1から離間するように移動させても良い。
つまり、このパルプベールの番線分離方法は、番線11、12で梱包されたパルプベール1から番線11、12を分離するパルプベールの番線分離方法であって、前記番線は、第1の番線11と、この第1の番線11に直交するように設けられた第2の番線12を有し、第1の番線11は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1の角部R1、第2の角部R2、第3の角部R3、第4の角部R4を介して結束され、第2の番線12は、時計回りにパルプベール1の周囲を第1’の角部R’1、第2’の角部R’2、第3’の角部R’3、第4’の角部R’4を介して結束され、平面視、第1の番線11と第2の番線12が交差する部位がAであり、このA近傍の第1の番線11、第2の番線12を切断し、切断された一方の第1、第2の番線11,12を把持し、切断された一方の第1の番線11が第1の角部R1から、切断された一方の第2の番線12が第1’の角部R’1から離間するように移動させ、移動後、切断された第1、第2の番線11、12を巻き取り、第1、第2の番線11、12をパルプベール1から分離するするようにしても良い。
なお、上述同様、番線を切断し、そのままま巻き取ると、番線がパルプベールか角部に食い込んで、巻き取られない不具合を生じるが、この実施例のパルプベールの番線分離方法によれば、A近傍の第1の番線11、第2の番線12を切断し、切断された一方の第1、第2の番線11、12を把持し、切断された一方の第1の番線11が第1の角部R1から、切断された一方の第2の番線12が第1’の角部R’1から離間するように移動させ、移動後、切断された第1、第2の番線11、12を巻き取るようしたため、前記不具合が生じるのを防ぐと共に、第1、第2の番線11、12を同時にパルプベール1から分離することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 パルプベール
11 番線
R1 第1の角部
R2 第2の角部
R3 第3の角部
R4 第4の角部