(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】廃棄物処理装置
(51)【国際特許分類】
B09B 3/40 20220101AFI20240415BHJP
F23G 5/44 20060101ALI20240415BHJP
F23H 3/02 20060101ALI20240415BHJP
F23L 1/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
B09B3/40
F23G5/44 C
F23H3/02 A
F23L1/00 D
(21)【出願番号】P 2023104573
(22)【出願日】2023-06-26
【審査請求日】2023-06-26
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】523244576
【氏名又は名称】エス・ユー・テクノス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591107230
【氏名又は名称】株式会社デンケン
(73)【特許権者】
【識別番号】517066467
【氏名又は名称】株式会社ZERO MOZ JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】繁永 進
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝義
(72)【発明者】
【氏名】岩下 智明
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-020674(JP,A)
【文献】特開2021-116999(JP,A)
【文献】国際公開第2007/116598(WO,A1)
【文献】特開平05-097559(JP,A)
【文献】中国実用新案第214536193(CN,U)
【文献】特開昭56-020919(JP,A)
【文献】特開平07-315508(JP,A)
【文献】特開平09-077579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
F23G 5/00- 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に設けられ、廃棄物が投入される投入空間が形成された投入部と、
前記投入部から投入された廃棄物を処理する処理室が形成された処理部と、を備え、
前記投入部が、外側に設けられた外扉と、
前記処理室の上方に設けられ閉じた状態で前記外扉から投入された廃棄物を受ける両開きの内扉と、
前記外扉と前記内扉とを連結するリンク部と、
上端が下端よりも前面側に位置するように前傾して設けられ、前記投入空間を形成するための前面板と、を有し、
前記外扉が開くと前記内扉が閉じ、前記外扉が閉じると前記内扉が開く廃棄物処理装置であって、
前記内扉が、それぞれ下方へと開く一対の第1の受け部材及び第2の受け部材
と、
閉じた前記第1の受け部材及び前記第2の受け部材との間に生じる隙間を塞ぐための塞ぎ板と、を有し、
前記第2の受け部材の幅が、前記第1の受け部材の幅よりも小さく、
平面視して、前記第1の受け部材が、前記第2の受け部材よりも前面側に位置し、
該第2の受け部材よりも面積が広く、第1の回転軸の回りに回転して開き、
前記第2の受け部材が、前記第1の回転軸と間隔を開けて延びる第2の回転軸の回りに回転して開く廃棄物処理装置。
【請求項2】
請求項
1記載の廃棄物処理装置において、
前記リンク部が、一端部が前記外扉に回転可能に設けられ、他端部が前記第1の受け部材に回転可能に設けられた第1の連結部材と、
一端部が前記外扉に回転可能に設けられ、他端部が前記第2の受け部材に回転可能に設けられた第2の連結部材と、を有する廃棄物処理装置。
【請求項3】
請求項
2記載の廃棄物処理装置において、
前記第1の連結部材の一端部が、前記第2の連結部材の一端部の内側に配置されている廃棄物処理装置。
【請求項4】
請求項
2又は
3記載の廃棄物処理装置において、
前記処理部が、側面から延び内部に空気を供給する複数のエア供給管を有し、
前記複数のエア供給管が、それぞれ、先端側が低くなるように傾斜して設けられている廃棄物処理装置。
【請求項5】
請求項
4記載の廃棄物処理装置において、
前記複数のエア供給管が、該エア供給管の先端側から見て千鳥配置されている廃棄物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、悪臭などを含む排気ガスを効率よく処理でき、また、廃棄物を投入する開口部を介して、燃焼室内の排ガスの流出や外気の燃焼室内への流入を簡便な構造で効果的に抑制する有機物低温分解装置が記載されている。
【0003】
この有機物低温分解装置は、有機物を含む廃棄物を400℃以下の温度で熱分解処理を行う装置であって、熱分解炉から排出される排煙を導入する排煙トラップ手段と、該排煙トラップ手段から排出される排煙を導入し、排煙をバーナーで800℃~1000℃の範囲の温度に加熱して排気する排煙燃焼手段を備える。熱分解炉は、廃棄物を炉内に投入するための開口部を塞ぐ二重扉を備え、外側扉と内側扉との間には、該開口部を塞ぐ耐熱性シートが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、400℃以下の温度で熱分解処理を行う廃棄物処理装置は、一般的な焼却炉と比較してより長い処理時間を要する。そのため、一度により多くの廃棄物を処理できることが好ましい。
本発明は、一度により多くの廃棄物を処理できる廃棄物処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、前面側に設けられ、廃棄物が投入される投入空間が形成された投入部と、前記投入部から投入された廃棄物を処理する処理室が形成された処理部と、を備え、前記投入部が、外側に設けられた外扉と、前記処理室の上方に設けられ閉じた状態で前記外扉から投入された廃棄物を受ける両開きの内扉と、前記外扉と前記内扉とを連結するリンク部と、上端が下端よりも前面側に位置するように前傾して設けられ、前記投入空間を形成するための前面板と、を有し、前記外扉が開くと前記内扉が閉じ、前記外扉が閉じると前記内扉が開く廃棄物処理装置であって、前記内扉が、それぞれ下方へと開く一対の第1の受け部材及び第2の受け部材と、閉じた前記第1の受け部材及び前記第2の受け部材との間に生じる隙間を塞ぐための塞ぎ板と、を有し、前記第2の受け部材の幅が、前記第1の受け部材の幅よりも小さく、平面視して、前記第1の受け部材が、前記第2の受け部材よりも前面側に位置し、該第2の受け部材よりも面積が広く、第1の回転軸の回りに回転して開き、前記第2の受け部材が、前記第1の回転軸と間隔を開けて延びる第2の回転軸の回りに回転して開く廃棄物処理装置である。
【0007】
【0008】
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の廃棄物処理装置において、前記リンク部が、一端部が前記外扉に回転可能に設けられ、他端部が前記第1の受け部材に回転可能に設けられた第1の連結部材と、一端部が前記外扉に回転可能に設けられ、他端部が前記第2の受け部材に回転可能に設けられた第2の連結部材と、を有する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の廃棄物処理装置において、前記第1の連結部材の一端部が、前記第2の連結部材の一端部の内側に配置されている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3記載の廃棄物処理装置において、前記処理部が、側面から延び内部に空気を供給する複数のエア供給管を有し、前記複数のエア供給管が、それぞれ、先端側が低くなるように傾斜して設けられている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の廃棄物処理装置において、前記複数のエア供給管が、該エア供給管の先端側から見て千鳥配置されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一度により多くの廃棄物を処理できる廃棄物処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る廃棄物処理装置が備える投入部及び処理部を前面側から見た説明図であって、
図2のA-B-C-D線で切断した断面を示す説明図である。
【
図2】同廃棄物処理装置が備える投入部及び処理部の側断面を示す説明図である。
【
図3】
図2のZ-Z矢視図であって、同廃棄物処理装置が備える投入部の内扉の説明図である。
【
図4】(A)~(C)は、同廃棄物処理装置が備える投入部の動作を示す図であって、(B)は、外扉が(A)の状態から5度閉じる方向に回転した状態であり、(C)は、外扉が(B)の状態から5度閉じる方向に回転した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
本発明の一実施の形態に係る廃棄物処理装置10は、
図1及び
図2に示すように、投入部20、エア供給部30及び処理部40を備え、処理部40にて、投入部20から投入された廃棄物に含まれる有機物を分解して処理できる。
【0017】
投入部20は、
図2に示すように、廃棄物処理装置10の前後方向中央部よりも前面側に設けられ、処理する廃棄物が投入される投入空間Seが形成されている。投入空間Seは、少なくとも前後左右の各側面が側面板202a(
図1参照)、側面板202b、前面板206(
図2参照)及び背面板208により囲われて形成された空間である。前面板206は、上端が下端よりも前面側に位置するように前傾して設けられている。
【0018】
投入空間Seの上側には、廃棄物が投入される投入口210が形成されている。この投入口210は、廃棄物処理装置10の上部の前面側に位置し、前端側が後端側よりも低くなるように傾斜して設けられている。
従って、投入口210が後方に設けられている場合と比較して、使用者が廃棄物をより投入しやすくなる。
【0019】
投入部20は、外扉22、内扉24及びリンク部26を有している。
外扉22は、前面側から見て左右方向が長手となる矩形状の扉であり、投入口を塞ぐことができる。外扉22は、長手方向に延びる回転軸を有するヒンジ221を介して開く片開きの扉であり、閉じた状態から上方に開くことができる。
【0020】
内扉24は、投入空間Seの下側に位置し、外扉22の内側かつ処理部40の上方に設けられており、内扉24が開くことによってのみ、投入空間Seは処理部40へと通じることとなる。
内扉24は、それぞれ前後方向に配置され下方へと開く一対の第1の受け部材241及び第2の受け部材242を有し、両開きの扉として構成されている。
【0021】
第1の受け部材241は、
図3に示すように、前面側に配置され左右方向が長手となる矩形状の板状部材であり、上面は平滑な面となっている。第1の受け部材241は、長手方向(左右方向)に延びる回転軸AX241a(第1の回転軸の一例)の回りに回転して開くことができる。
【0022】
第2の受け部材242は、第1の受け部材241よりも背面側に配置され左右方向が長手となる矩形状の板状部材であり、上面は平滑な面となっている。第2の受け部材242は、回転軸AX241aと間隔を開けて長手方向に延びる回転軸AX242a(第2の回転軸の一例)の回りに回転して開くことができる。
第2の受け部材242の幅(回転軸AX242aが延びる方向と直交する方向の寸法)L2は、第1の受け部材241の幅(回転軸AX241aが延びる方向と直交する方向の寸法)L1よりも小さくなるように設定されている。
第1の受け部材241及び第2の受け部材242は、閉じた状態において外扉22から投入された廃棄物を受ける受けとして機能する。
【0023】
第1の受け部材241の第2の受け部材242の側となる先端部には、閉じた第1の受け部材241と第2の受け部材242との間に生じる隙間gを塞ぐための塞ぎ板243が設けられている。塞ぎ板243は、閉じた状態における第1の受け部材241の下面に固定されている。
【0024】
リンク部26は、第1の連結部材261a、261b及び第2の連結部材262a、262bを有し、外扉22と内扉24とを連結できる。
第1の連結部材261a、261bは、それぞれ回転軸AX241aが延びる方向に間隔を空けて配置された棒状の部材である。第1の連結部材261a、261bの一端部は外扉22に設けられた回転軸AX222の回りに回転可能に設けられ、他端部は第1の受け部材241に回転可能に設けられている。更に詳細には、この他端部は、第2の受け部材242の側に配置された回転軸AX241bの回りに回転可能に設けられている。回転軸AX241bは、回転軸AX241aと間隔を空けて延びる軸である。
【0025】
第2の連結部材262a、262bは、それぞれ回転軸AX242aが延びる方向に間隔を空けて配置された棒状の部材である。第2の連結部材262a、262bの一端部は外扉22に設けられた回転軸AX222の回りに回転可能に設けられ、他端部は第2の受け部材242に回転可能に設けられている。更に詳細には、この一端部は、第1の連結部材261a、261bの一端部の中央寄りとなる内側に設けられ、他端部は、第1の受け部材241の側に配置された回転軸AX242b回りに回転可能に設けられている。回転軸AX242bは、回転軸AX242aと間隔を空けて延びる軸である。
従って、外扉22と内扉24とによって二重扉が構成されており、外扉22が開くと内扉24が閉じ、外扉22が閉じると内扉24が開くように動作する。
【0026】
エア供給部30には、
図1に示すように、左右下部にそれぞれ、内部が隔壁412a、422aにより仕切られて形成されたエア溜まりS1aと、隔壁412b、422bにより仕切られて形成されたエア溜まりS1bと、が設けられている。エア溜まりS1a及びエア溜まりS1bには、それぞれ、エア導入管302a及びエア導入管302bを介して外部から導入されたエアが溜まる。エア溜まりS1a及びエア溜まりS1bの形状は、それぞれ、台形状の底面を有し前後方向に延びる角柱状となっている。エア溜まりS1a、S1bに溜まったエアは、処理部40に供給される。
なお、エア導入管302a、302bから導入されるエアは、磁気発生装置(不図示)により予め設定された強さの磁界が形成された空間(不図示)を通過し、ファン(不図示)により送出されたエアであることが好ましい。
【0027】
処理部40は、投入部20から投入された廃棄物を受ける受け部材402を有し、受け部材402に載った廃棄物を処理する処理室が形成されている。
【0028】
受け部材402は、処理対象となる廃棄物の大きさよりも目の細かい格子が形成され、前後方向が長手となる板状の金属部材である。受け部材402は、前面側からみて左右中央部にて支持部材404に支持され、着脱することが容易となっている。
【0029】
処理室は、受け部材402を境として上部処理室41と下部処理室42とに分けられる。
上部処理室41は、投入部20から投入された廃棄物が溜まる室であり、前後方向が長手となる空間S2aを形成している。上部処理室41は、隔壁412aを介してエア溜まりS1aと隣接するとともに、隔壁412bを介してエア溜まりS1bと隣接している。
上部処理室41の背面側には、上部処理室41の温度を計測するための温度計414が設けられている。
【0030】
下部処理室42は、上部処理室41の下側に位置し、断面が矩形状の前後方向に延びる角柱状の空間S2bを形成している。下部処理室42は、隔壁422aを介してエア溜まりS1aと隣接するとともに、隔壁422bを介してエア溜まりS1bと隣接している。
下部処理室42の背面側の中央部には、廃棄物に着火するためのバーナー424の火口が設けられている。
【0031】
処理部40は、更に、複数の上部エア供給管416a、416b及び下部エア供給管426a、426bを有している。
上部エア供給管416a及び上部エア供給管416bは、それぞれ隔壁412a及び隔壁412bを貫通し、エア供給管の先端側から見て千鳥配置されている。各上部エア供給管416a、416bは、それぞれエア溜まりS1a及びエア溜まりS1bに繋がっており、主として上部処理室41に対し、廃棄物に含まれる有機物の分解に必要なエアを供給できる。また、各上部エア供給管416a、416bは、先端側(上部処理室41の側)が低くなるように傾斜して設けられている。
【0032】
下部エア供給管426a及び下部エア供給管426bは、それぞれ隔壁422a及び隔壁422bを貫通するように配置されている。各下部エア供給管426a、426bは、それぞれエア溜まりS1a及びエア溜まりS1bに繋がっており、主として下部処理室42に対し、廃棄物に含まれる有機物の分解に必要なエアを供給できる。また、各下部エア供給管426a、426bは、先端側(下部処理室42の側)が低くなるように傾斜して設けられている。
なお、各上部エア供給管416a、416b及び各下部エア供給管426a、426bが傾斜して設けられていることにより、廃棄物が管の内部に入り込んでしまう可能性が低減される。
処理部40の前面側には、処理済みの廃棄物を取り除くための開口部が形成され、この開口部を塞ぐための片開きの前面扉406(
図2参照)が設けられている。
【0033】
次に、廃棄物処理装置10による廃棄物の処理動作について説明する。
廃棄物処理装置10の投入部20から廃棄物が投入される。外扉22の上面には、図示しないアイボルトが設けられており、このアイボルトにかけられたチェーンが引き上げられることによって外扉22が開かれる。チェーンは、使用者が操作する巻き上げ機(不図示)によって巻き上げられる。
【0034】
外扉22が開くと、第1の連結部材261a、261b及び第2の連結部材262a、262bが、それぞれ、第1の受け部材241及び第2の受け部材242を引き上げるので、第1の受け部材241及び第2の受け部材242が、それぞれ、回転軸AX241a及び回転軸AX242a回りに回転して閉じ、廃棄物の受けが形成される。
【0035】
外扉22から処理対象となる廃棄物が投入されると、廃棄部は、内扉24の上に載る。使用者によって巻き上げ機が操作され、チェーンが降ろされると外扉22が閉じられる。
外扉22が閉じると、第1の連結部材261a、261b及び第2の連結部材262a、262bが、それぞれ、第1の受け部材241及び第2の受け部材242を押し下げるので、第1の受け部材241及び第2の受け部材242が、それぞれ、回転軸AX241a及び回転軸AX242a回りに回転して開き、廃棄物が投入空間Seから下方の上部処理室41へと落下し、受け部材402に載る。
【0036】
ここで、
図2に示すように、内扉24が両開きとなるように第1の受け部材241及び第2の受け部材242により構成されているため、片開きにより構成されている同一サイズの内扉と比較して、第1の受け部材241及び第2の受け部材242の下方への可動範囲(内扉24が開いた状態における塞ぎ板243の先端から、閉じた状態における第1の受け部材241の最下端の位置までの高さ方向の距離H1)が小さくなり、上部処理室41に投入される廃棄物が、受け部材402の上面からの高さH2まで積み上げられる。
すなわち、一度により多くの廃棄物が処理される。
【0037】
また、第1の受け部材241は、
図3に示すように、第2の受け部材242と比較して広い面積を有するため、第2の受け部材242よりもより多くの廃棄物が載る傾向にあり、
図4(A)~(C)に示すように、第1の受け部材241及び第2の受け部材242が徐々に開くにつれ、第1の受け部材241に載った廃棄物が、傾斜した前面板206及び第1の受け部材241に沿って後方に向かって滑り落ち(矢印参照)、上部処理室41の中央部に集積されやすくなる。
従って、投入口210が廃棄物処理装置10の前面側に設けられているにも関わらず、廃棄物が上部処理室41の前面側に偏って集積されてしまうことが抑制されている。
【0038】
受け部材402に載った廃棄物は、バーナー424により着火される。
着火後、エア溜まりS1a、S1bから上部エア供給管416a、416b及び下部エア供給管426a、426bを介してエアが供給される。エアの流量は抑制された状態で供給される。
【0039】
廃棄物は、酸素が低減された状態で加熱され熱分解される。なお、前述の磁気発生装置(不図示)とファン(不図示)との間にエアの流量調整バルブであるボールバルブ(不図示)が設けられている。このボールバルブによって処理部40に供給される空気量が調整されることにより、分解時の加熱温度の範囲が、400℃以下となるように維持される。
【0040】
なお、廃棄物が加熱されている間、更に廃棄物を投入するために外扉22を開いた場合であっても、内扉24が閉じるため、外部に漏れ出る臭気の量が低減される。
また、外扉22が閉じている状態においては、内扉24の第1の受け部材241が開き前面側に位置しているため(
図2の二点鎖線参照)、前面側への放射熱を遮る遮熱板として機能する。
【0041】
熱分解の際に発生する排ガスは、適切に処理された上で大気へと放出される。
処理完了後、有機物が熱分解された廃棄物は、前面扉406から取り除かれる。
【0042】
以上説明したように、廃棄物処理装置10によれば、内扉24が両開きとなっているので、一度により多くの廃棄物が処理される。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0044】
10 廃棄物処理装置
20 投入部
22 外扉
24 内扉
26 リンク部
30 エア供給部
40 処理部
41 上部処理室
42 下部処理室
202a、202b 側面板
206 前面板
208 背面板
210 投入口
221 ヒンジ
241 第1の受け部材
242 第2の受け部材
243 塞ぎ板
261a、261b 第1の連結部材
262a、262b 第2の連結部材
302a、302b エア導入管
402 受け部材
404 支持部材
406 前面扉
412a、412b 隔壁
414 温度計
416a、416b 上部エア供給管
422a、422b 隔壁
424 バーナー
426a、426b 下部エア供給管
AX222 回転軸
AX241a、AX241b 回転軸
AX242a、AX242b 回転軸
g 隙間
S1a、S1b エア溜まり
S2a、S2b 空間
Se 投入空間
【要約】
【課題】一度により多くの廃棄物を処理できる廃棄物処理装置を提供する。
【解決手段】廃棄物処理装置10は、廃棄物が投入される投入部20と、投入部20から投入された廃棄物を処理する処理室が形成された処理部40と、を備え、投入部20が、外側に設けられた外扉22と、処理部40の上方に設けられ、開いた状態で処理室へと通じ、閉じた状態で外扉22から投入された廃棄物を受ける内扉24と、外扉22と内扉24とを連結するリンク部26と、を有し、外扉22が開くと内扉24が閉じ、外扉22が閉じると内扉24が開く。
【選択図】
図1