(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】自動搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240415BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
B65G1/00 501D
B66F9/24 A
(21)【出願番号】P 2022500637
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 CN2020102781
(87)【国際公開番号】W WO2021047289
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】201910855116.6
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519232057
【氏名又は名称】霊動科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LINGDONG TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C4, Beijing Shangde Intelligent Manufacturing Industrial Park,No.10 Jiancaicheg East Road, Xisanqi, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】韓 亮
(72)【発明者】
【氏名】徐 国棟
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-162122(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0357270(US,A1)
【文献】米国特許第09102055(US,B1)
【文献】特表2022-538458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/137
B66F 9/24
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動搬送システムであって、
目標領域、目標荷物及び輸送目的地を含む指令情報を提供するための制御センタと、
前記制御センタに電気的に接続された自己ガイド輸送機器と、を
含み、
前記自動搬送システムは、
前記自己ガイド輸送機器が前記指令情報に従って前記目標領域内に進入するように制御するステップと、
前記自己ガイド輸送機器が前記目標領域内で画像をキャプチャするように制御するステップと、
前記画像が荷物を含むか否かを判断するステップと、
前記画像が前記荷物を含む場合、前記荷物が前記目標荷物であるか否かを判断
し、前記画像が前記荷物を含んでいない場合、前記自己ガイド輸送機器が前記目標領域内で画像をキャプチャするように制御する前記ステップに戻り、前記目標領域内において前記目標荷物を探し続けるステップと、
前記荷物が前記目標荷物である場合、前記自己ガイド輸送機器が前記荷物を前記輸送目的地に引き取るように制御
し、前記荷物が前記目標荷物でない場合、前記自己ガイド輸送機器が前記目標領域内で画像をキャプチャするように制御する前記ステップに戻り、前記目標領域内において前記目標荷物を探し続けるステップと、を実行するように構成されている、ことを特徴とする自動搬送システム。
【請求項2】
前記自己ガイド輸送機器は、
前記自己ガイド輸送機器の移動を駆動するための駆動モジュールと、
前記荷物を引き取るための荷物保持モジュールと、
前記画像をキャプチャするための撮像モジュールと、
前記制御センタ、前記駆動モジュール、前記荷物保持モジュール及び前記撮像モジュールに電気的に接続された処理ユニットと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項3】
前記画像が前記荷物を含む場合、前記自動搬送システムは、
前記荷物が前記目標領域内にあるか否かを判断するステップを実行するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項4】
前記指令情報は前記目標荷物の必要数量をさらに含み、前記画像が複数の前記荷物を積み重ねて形成された荷物堆を含み、前記荷物が前記目標荷物である場合、前記自動搬送システムはさらに、
前記荷物堆における前記荷物の数量を計算するステップと、
前記荷物堆における前記荷物の前記数量が前記目標荷物の前記必要数量以上であるか否かを判断するステップと、
前記荷物堆における前記荷物の前記数量が前記目標荷物の前記必要数量以上である場合、前記自己ガイド輸送機器が前記荷物堆の前記荷物を前記輸送目的地に引き取るように制御するステップと、を実行するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項5】
前記荷物堆における前記荷物の前記数量が前記目標荷物の前記必要数量よりも少ない場合、前記自動搬送システムはさらに、
前記自己ガイド輸送機器が前記目標領域を一周したか否かを判断するステップと、
前記自己ガイド輸送機器が前記目標領域を一周した場合、前記自己ガイド輸送機器が前記荷物堆の前記荷物を前記輸送目的地に引き取るように制御するするステップと、を実行するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の自動搬送システム。
【請求項6】
前記自己ガイド輸送機器がまだ前記目標領域を一周していない場合、前記自己ガイド輸送機器が前記荷物堆の前記荷物を引き取らないように制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の自動搬送システム。
【請求項7】
前記自動搬送システムはさらに、
前記自己ガイド輸送機器が前記目標領域内で別の荷物堆に移動するように制御するステップであって、前記別の荷物堆は複数の前記荷物を積み重ねて形成され、前記荷物は前記目標荷物であるステップと、
前記自己ガイド輸送機器が前記別の荷物堆の前記荷物を前記輸送目的地に引き取るように制御するステップと、
前記自己ガイド輸送機器によって引き取られた前記荷物の前記数量を統計して、引き取り数量の合計を取得するステップと、
前記引き取り数量の合計が前記目標荷物の前記必要数量以上であるか否かを判断するステップと、
前記引き取り数量の合計が前記目標荷物の前記必要数量以上である場合、前記自己ガイド輸送機器が終了命令を執行するように制御するステップと、を実行するように構成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の自動搬送システム。
【請求項8】
前記荷物堆における前記荷物の前記数量の計算は、前記荷物堆の総体積及び前記荷物の体積に基づいて計算して取得される、ことを特徴とする請求項4に記載の自動搬送システム。
【請求項9】
前記荷物堆における前記荷物の前記数量の計算は、前記荷物堆における前記荷物間の隙間に基づいて計算して取得される、ことを特徴とする請求項4に記載の自動搬送システム。
【請求項10】
前記荷物は識別パターンを含み、前記荷物堆における前記荷物の前記数量の計算は、前記識別パターンの数量に基づいて計算して取得される、ことを特徴とする請求項4に記載の自動搬送システム。
【請求項11】
前記自己ガイド輸送機器は自己ガイドフォークリフトであり、前記自動搬送システムはさらに、
前記荷物堆がパレット上に置かれているか否かを判断するステップを実行するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の自動搬送システム。
【請求項12】
前記自動搬送システムはさらに、
前記自己ガイド輸送機器の初期位置情報を取得するステップと、
前記初期位置情報及び前記目標領域に基づいて計算して取得されるパス情報を取得するステップと、を実行するように構成されており、
前記自己ガイド輸送機器が前記指令情報に従って前記目標領域に進入するように制御することは、前記自己ガイド輸送機器が前記パス情報に基づいて前記目標領域に進入するように制御することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項13】
前記制御センタはユーザーインタフェースを含み、前記ユーザーインタフェースはマップを含み、ユーザーは、前記マップで前記目標領域を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項14】
前記自動搬送システムはさらに、
前記制御センタを介して、前記自己ガイド輸送機器が前記指令情報を受信するように指定するステップを実行するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【請求項15】
前記自己ガイド輸送機器と前記目標領域との間の最短距離に基づいて、前記自己ガイド輸送機器が前記指令情報を受信するように指定する、ことを特徴とする請求項14に記載の自動搬送システム。
【請求項16】
前記指令情報は、前記目標領域内のすべての前記目標荷物を適用される、ことを特徴とする請求項1に記載の自動搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送システムに関し、特に自動搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人的コストを節約し、管理効率を向上させるために、現在の倉庫保管システムは自動化に向けて開発されているとともに、自動搬送システムの台頭にもつながっている。自己ガイドフォークリフトを例にとると、倉庫保管システムの制御センタは、自己ガイドフォークリフト及び搬送対象荷物(以下、目標荷物という)の初期位置及び目的位置を指定することができるので、指定された自己ガイドフォークリフトは、無人操作の状況で自動的に初期位置に移動し、初期位置に配置された目標荷物を目的位置に搬送して、搬送タスクを完了する。
【0003】
現在の自動搬送システムの配置により、前述の初期位置及び目的位置はいずれも正確な位置にのみ指定できる。例えば、ユーザーは、ユーザーインタフェースを介して制御センタの倉庫マップ上のある定点を指定するか、又は定点の座標を手動で入力することができる。しかしながら、倉庫担当者が誤って目標荷物を歪めて戻したり、誤って目標荷物と衝突したりして、目標荷物が正しい位置から外れると、自己ガイドフォークリフトは目標荷物を見つけることができず、搬送タスクを完了できなくなる。目的位置が定点のみである場合、目的位置に他の荷物がすでに置かれて荷降ろしができない場合や、複数の自己ガイドフォークリフトが荷降ろしのために順番を待つ必要がある場合がある。また、初期位置及び目的位置はいずれも定点のみであるため、目標荷物が異なる位置に保管される場合、ユーザーは、すべての目標荷物の搬送を完了するために、ユーザーインタフェースを介して、自己ガイドフォークリフト、初期位置及び目的位置を手動で何度も指定する必要があり、これは非常に不便である。
【発明の概要】
【0004】
本発明に係る一実施形態は、自動搬送システムを提供する。自動搬送システムは、制御センタ及び自己ガイド輸送機器を含む。制御センタは、目標領域、目標荷物及び輸送目的地を含む指令情報を提供するために使用される。自己ガイド輸送機器は、制御センタに電気的に接続される。自動搬送システムは、自己ガイド輸送機器が指令情報に従って目標領域に進入するように制御するステップと、自己ガイド輸送機器が目標領域内で画像をキャプチャするように制御するステップと、画像が荷物を含むか否かを判断するステップと、画像が荷物を含む場合、荷物が目標荷物であるか否かを判断するステップと、荷物が目標荷物である場合、自己ガイド輸送機器が荷物を輸送目的地に引き取るように制御するステップと、を実行するために配置する。
【0005】
従来技術と比較して、本発明の目標領域は、定点ではなく領域であり、目標荷物が正確な位置から外れて搬送タスクの失敗を引き起こすのを防止することができ、それにより、ユーザーは、目標領域内の異なる配置点での目標荷物に対して1つずつ指令を出すのではなく、単一の指令を目標領域内のすべての目標荷物に適用することが容易になる。本発明の輸送目的地も、定点ではなく領域であり得る。これにより、定点に荷物が既に置かれて荷降ろしができない状況、又は複数の自己ガイド輸送機器が荷降ろしのために順番を待つ必要がある状況を回避することができる。従って、本発明の自動搬送システムは、搬送タスクの成功率、搬送効率、及びユーザーの使用利便性を改善するのに有益である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に係る自動搬送システムの機能ブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る自己ガイド輸送機器の斜視図である。
【
図3】本発明の別の実施形態に係る自己ガイド輸送機器の斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る自動搬送システム配置が荷物を引き取るステップのフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る荷物のバーコードの模式図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る荷物のラベルの模式図である。
【
図8】本発明の別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図9】本発明のまた別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図10】本発明のまた別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図11】本発明のさらに別の実施形態に係る自動搬送システムが荷物を引き取るステップの一部のフローチャートである。
【
図12】
図11の実施形態のステップの別の部分のフローチャートである。
【
図13】本発明のまた別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る荷物堆の模式図である。
【
図16】本発明のまた別の実施形態の自動搬送システムが荷物を引き取るステップのフローチャートである。
【
図17】本発明のまた別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図18】本発明のまた別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【
図19】本発明のまた別の実施形態に係るユーザーインタフェースの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の前述及び他の技術的内容、特徴及び効果は、図面と併せた好ましい実施形態の詳細な説明において明確に示されるであろう。なお、以下の実施形態で言及される方向用語、例えば、上、下、左、右、前又は後などは、図面を参照するための方向に過ぎない。従って、使用される方向の用語は、本発明を限定するためのものではなく、例示のためのものである。また、以下の実施形態では、同じ又は類似の素子は、同じ又は類似の符号を使用する。
【0008】
本発明では、電気的な接続は、素子間で電気信号、磁気信号、及び指令信号などの電気エネルギー又はデータを直接、間接、有線又は無線で伝送することができることを意味する。
【0009】
図1を参照されたい。自動搬送システムは、制御センタ40及び自己ガイド輸送機器10を含む。制御センタ40は指令情報を提供するために使用される。指令情報は、目標領域、目標荷物及び輸送目的地を含む。詳しくは、制御センタ40は、遠隔制御センタであり得る。遠隔制御センタは、制御センタ40が自己ガイド輸送機器10に配置されていないことを意味する。例えば、制御センタ40はオフィスに配置され得、自己ガイド輸送機器10は倉庫に配置され得、オフィスと倉庫は異なる空間に位置する。制御センタ40は、管理ユニット41、ユーザーインタフェース42を含み得、好ましくは、第1通信モジュール43及び第1記憶モジュール44を含み得る。管理ユニット41は、ユーザーインタフェース42、第1通信モジュール43及び第1記憶モジュール44に電気的に接続される。
【0010】
制御センタ40は、サーバー(Server)やコンピューターであり得る。管理ユニット41は、倉庫管理システム(Warehouse Management System, WMS)であり得る。ユーザーインタフェース42は、ユーザーが情報を入力し、それを管理ユニット41に送信するために使用される。これにより、ユーザーは、制御センタ40を介して自己ガイド輸送機器10を制御することができる。好ましくは、制御センタ40は、ユーザーインタフェース42を表示するためのディスプレイ(図示せず)を含み得、ディスプレイは、タッチスクリーンを含み得る。制御センタ40は、マウス及びキーボードなどの入力機器(図示せず)をさらに含み得る。これにより、ユーザーは、タッチスクリーン及び/又は入力機器を介して、ユーザーインタフェース42で情報を入力することができる。第1通信モジュール43は、Wi-Fi無線伝送モジュールであり得るが、これに限定されない。第1記憶モジュール44は、例えば、自己ガイド輸送機器10の作業場所(例えば、倉庫)のマップ情報、荷物保管情報、荷物情報などのデータを記憶するために使用され得る。第1記憶モジュール44は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、又はそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。ユーザーインタフェース42については、
図5、
図8~
図10、
図13及び
図17~
図19の関連する説明を参照されたい。
【0011】
自己ガイド輸送機器10は、制御センタ40に電気的に接続され、これにより、制御センタ40によって提供された指令情報を受信する。詳しくは、自己ガイド輸送機器10は、処理ユニット11、撮像モジュール12、駆動モジュール14及び荷物保持モジュール15を含み得る。処理ユニット11は、撮像モジュール12、駆動モジュール14及び荷物保持モジュール15に電気的に接続される。処理ユニット11は計算能力を持つ。処理ユニット11は、中央処理ユニット(Central Processing Unit, CPU)又はグラフィック処理ユニット(Graphics Processing Unit, GPU)であり得るが、これらに限定されない。撮像モジュール12は、画像をキャプチャするために、例えば、自己ガイド輸送機器10の周囲環境の画像をキャプチャして、自己ガイド輸送機器10が位置する作業場所の環境情報を取得するために使用される。撮像モジュール12は、2次元撮像モジュール又は3次元撮像モジュールであり得る。2次元撮像モジュールはカメラであり得る。3次元撮像モジュールは、2つのカメラの組み合わせ、又は1つのカメラと1つのプロジェクターの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。撮像モジュール12が2次元撮像モジュールである場合、自己ガイド輸送機器10は、好ましくは、第1距離センサ13を含み得る。第1距離センサ13は、処理ユニット11に電気的に接続される。第1距離センサ13は、自己ガイド輸送機器10と周囲の物体との間の距離を感知するために使用される。第1距離センサ13は、レーザーレーダー(LiDAR)であり得るが、これに限定されない。撮像モジュール12が3次元撮像モジュールである場合、3次元撮像モジュールによって取得された画像から、自己ガイド輸送機器10と周囲の物体との間の距離を直接計算することができる。
【0012】
駆動モジュール14は、自己ガイド輸送機器10の移動を駆動するために使用される。荷物保持モジュール15は、荷物を引き取るために使用される。荷物の形状及び特性に基づいて、荷物を引き取るのに適している荷物保持モジュール15を選択することができる。自己ガイド輸送機器10は、好ましくは、第2通信モジュール18を含み得る。処理ユニット11は、第2通信モジュール18を介して制御センタ40に電気的に接続される。第2通信モジュール18は、Wi-Fi無線伝送モジュールであり得るが、これに限定されない。自己ガイド輸送機器10は、好ましくは、第2記憶モジュール16を含み得る。第2記憶モジュール16は処理ユニット11に電気的に接続される。第2記憶モジュール16は、例えば、自己ガイド輸送機器10の作業場所(例えば、倉庫)のマップ情報、荷物保管情報、荷物情報、自己ガイド輸送機器10の位置決め情報、自己ガイド輸送機器10のナビゲーション情報などのデータを記憶するために使用され得る。第2記憶モジュール16は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、又はそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。自己ガイド輸送機器10は給電モジュール17を含み得る。給電モジュール17は、自己ガイド輸送機器10に必要とされる電力を供給するために使用される。例えば、給電モジュール17は、処理ユニット11、撮像モジュール12、第1距離センサ13、駆動モジュール14、荷物保持モジュール15、第2記憶モジュール16及び第2通信モジュール18に電気的に接続されて、前述の素子に必要とされる電力を供給することができる。給電モジュール17は、プラグ又は電池であり得る。自己ガイド輸送機器10は、好ましくは、第2距離センサ(図示せず)を含み得る。第2距離センサは、処理ユニット11に電気的に接続され得る。これにより、自己ガイド輸送機器10に障害物回避機能をさらに提供することができる。第2距離センサは、光電式センサ(Photoelectric Sensor)であり得るが、これに限定されない。
【0013】
以下、制御センタ40を遠隔制御センタとして説明するが、本発明はこれに限定されない。制御センタ40は、自己ガイド輸送機器10に配置し処理ユニット11に電気的に接続することもできる。この場合、
図1の第1通信モジュール43と第2通信モジュール18は省略可能であり、第1記憶モジュール44と第2記憶モジュール16のうちの一方のみを保留することがきる。
【0014】
図2を参照されたい。本実施形態では、自己ガイド輸送機器20は自己ガイドフォークリフトである。自己ガイド輸送機器20は、フォークリフト100、処理ユニット(図示せず)、撮像モジュール215、第1距離センサ220及び支承構造280を含む。支承構造280は、キャリア281及び取り付け部品282を含む。取り付け部品282は、キャリア281に接続され、フォークリフト100に着脱可能に取り付けられる。処理ユニットはキャリア281の内部に配置され、撮像モジュール215はキャリア281の下方に配置され、第1距離センサ220はキャリア281の上方に配置される。フォークリフト100は、駆動モジュール(符号なし)、荷物保持モジュール120及び給電モジュール(図示せず)を含む。駆動モジュールは、モーター(図示せず)及び複数のホイール131、132、133を含み得る。モーターは、フォークリフト100内に配置され、1つ又は複数のホイール131、132、133に電気的に接続されて前記ホイールを駆動する。荷物保持モジュール120は2つのフォーク120aであり、給電モジュールはフォークリフト100内に配置される。フォークリフト100は、市販の製品であり得るため、フォークリフト100に関する他の詳細はここで繰り返さない。自己ガイド輸送機器20の素子の詳細については、前述の自己ガイド輸送機器10における同名の素子を参照することができる。
【0015】
図3を参照されたい。本実施形態では、自己ガイド輸送機器30は自己ガイドマニピュレーターである。自己ガイド輸送機器30は、キャリア31、処理ユニット(図示せず)、撮像モジュール32、第1距離センサ33、駆動モジュール(符号なし)、荷物保持モジュール34及び給電モジュール(図示せず)を含む。処理ユニットは、キャリア31内に配置される。撮像モジュール32及び第1距離センサ33は、キャリア31の上方に配置される。駆動モジュールは、モーター(図示せず)及び複数のホイール35を含み得る。モーターは、キャリア31内に配置され、1つ又は複数のホイール35に電気的に接続されて前記ホイール35を駆動する。荷物保持モジュール34は、ロボットアーム34a及び荷物保持部34bを含む。ロボットアーム34aは、6軸ロボットアームであり得る。荷物保持部34bは、吸盤であり得、吸引により荷物を引き取る。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、実際のニーズに応じてロボットアーム34a及び荷物保持部34bの種類を選択することができる。例えば、荷物保持部34bは、挟み爪であり得、挟み方式によって荷物を引き取る。給電モジュールは、キャリア31内に配置される。自己ガイド輸送機器30の素子の詳細については、前述の自己ガイド輸送機器10における同名の素子を参照することができる。
【0016】
図4を参照されたい。自動搬送システムは、以下のステップを実行するために配置する。ステップ410は、自己ガイド輸送機器10が指令情報に従って目標領域に進入するように制御する。ステップ420は、自己ガイド輸送機器10が目標領域内で画像をキャプチャするように制御する。ステップ430は、画像が荷物を含むか否かを判断する。画像が荷物を含んでいない場合、ステップ420に戻り、目標領域内において目標荷物を探し続ける。画像が荷物を含む場合、ステップ440に進み、荷物が目標荷物であるか否かを判断する。荷物が目標荷物ではない場合、ステップ420に戻り、目標領域内において目標荷物を探し続ける。荷物が目標荷物である場合、ステップ450に進む。自己ガイド輸送機器10が荷物を輸送目的地に引き取るように制御する。以下、
図5を参照しながら、ステップ410~ステップ450について詳細に説明する。
【0017】
図5は、本発明の一実施形態に係るユーザーインタフェース600aの模式図である。ユーザーインタフェース600aは、制御センタ40のユーザーインタフェース42の例であり得る。ユーザーインタフェース600aは、マップ610aと入力インタフェース620aを含む。マップ610aは、棚パターン611aと荷物パターン612aを含む。マップ610aは、自己ガイド輸送機器10の作業場所のマップであり得る。ここで、例えば、作業場所が倉庫である場合、マップ610aにおける棚パターン611aの位置は、倉庫内の棚の位置に対応し、マップ610aにおける荷物パターン612aの位置は原則として、倉庫内の荷物の位置に対応する。しかしながら、倉庫担当者の誤った配置により、又は衝突により荷物が本来の位置からずれたために、マップ610aにおける荷物パターン612aの位置は、倉庫内の荷物の実際の位置と一致しない可能性がある。また、本実施形態では、倉庫内の荷物はパレット上に置かれるように事前設定されているため、入力インタフェース620aの目標荷物のオプションは、「空のパレット」、「荷物積載パレット(無限定品物)」及び「荷物積載パレット(限定品物)」を含む。「荷物積載パレット(限定品物)」を選択すると、ドロップダウンメニューからさらに荷物の種類を選択することができる。ここで、ユーザーは「荷物積載パレット(限定品物)」を選択し、荷物を荷物AAAとして選択する。AAAは、荷物の番号又は製品名であり得る。
【0018】
図5では、ユーザーはマップ610aにおいて目標領域630aを選択する。ここで、ユーザーは、マップ610aにおいて目標領域630aをマウスで選択する。ユーザーが目標領域630aの選択を終了すると、管理ユニット41は、目標領域630aの4つの頂点の座標及び形成された領域を記録する。ユーザーはさらに、マップ610aにおいて輸送目的地(図示せず)を選択することができる。輸送目的地は、領域又は定点であり得る。輸送目的地が領域である場合、輸送目的地の選択方法は、目標領域630aと同じにすることができる。輸送目的地が定点である場合、ユーザーは、マップ610aにおいて所望の定点を輸送目的地としてマウスで直接クリックして選択することができる。管理ユニット41は、輸送目的地の4つの頂点の座標及びそられによって形成された領域又は前記定点の座標を記録する。
【0019】
次に、管理ユニット41は、目標領域630a、目標荷物及び輸送目的地に関連する情報を含む指令情報を自己ガイド輸送機器10に送信する。処理ユニット11は、指令情報を受信した後、指令情報に従って、駆動モジュール14が自己ガイド輸送機器10を駆動して目標領域630aに進入させるように制御する(ステップ410)。処理ユニット11は、目標領域630aにおいて、自己ガイド輸送機器10の移動を制御するとともに、撮像モジュール12により画像をキャプチャし(ステップ420)、画像が荷物を含むか否かをリアルタイムで判断し続ける(ステップ430)。画像が荷物を含む場合、処理ユニット11は、画像のみから、又は画像と第1距離センサ13によって収集されたデータとを併せて、荷物と自己ガイド輸送機器10との間の距離を計算し、自己ガイド輸送機器10が荷物の前方に移動するように制御し、荷物が目標荷物であるか否かを判断する(ステップ440)。荷物が目標荷物である場合、処理ユニット11は、自己ガイド輸送機器10の荷物保持モジュール15が荷物を引き取るように制御する。次いで、処理ユニット11は、駆動モジュール14が自己ガイド輸送機器10を駆動して輸送目的地に前進させるように制御し、荷物保持モジュール15が荷物を輸送目的地に置くように制御する。
【0020】
画像が荷物を含むか否かを判断するために、画像比較の方法を採用することができる。本実施形態を例にとると、目標荷物が「荷物積載パレット(限定品物)」であるため、指令情報は、パレット画像情報をさらに含み得る。あるいは、処理ユニット11は、指令情報に従って、第1記憶モジュール44又は第2記憶モジュール16からパレット画像情報を読み取り、撮像モジュール12によってキャプチャされた画像をパレット画像情報と比較することができる。画像にパレット画像情報にマッチングする内容がある場合、画像に荷物があると判断される。他の実施形態では、荷物がパレット上に置かれるように制限されていない場合、指令情報は荷物画像情報をさらに含むことができる。あるいは、処理ユニット11は、指令情報に従って、第1記憶モジュール44又は第2記憶モジュール16から荷物画像情報を読み取り、次いで、撮像モジュール12によってキャプチャされた画像を荷物画像情報と比較することができる。例えば、荷物がすべてダンボール箱内に置かれている場合、荷物画像情報はダンボール箱の画像情報であり得る。あるいは、荷物画像情報は、倉庫内のすべての荷物の画像情報又は荷物のバーコードの特徴情報であり得る。
図6を参照されたい。本実施形態では、荷物のバーコード710は2次元バーコードである。バーコード710は、コーナーに配置された特徴情報711、712、713を含む。画像が特徴情報711、712、713のパターンを含み、その配置関係を満たしている場合、画像は荷物を含むと判定できる。
【0021】
荷物が目標荷物であるか否かを判断するために、画像比較の方法を使用することもできる。例えば、指令情報は荷物AAAのバーコード情報を含み得る。倉庫内のパレット、棚、又は荷物が梱包されたダンボール箱上には、積載された荷物のバーコードが配置される。処理ユニット11は、撮像モジュール12によってキャプチャされたバーコード画像を荷物AAAのバーコード情報と比較することができる。あるいは、処理ユニット11は、バーコード情報に基づいて、第1記憶モジュール44又は第2記憶モジュール16から荷物AAAに関連する特徴情報を読み取り、次いで、撮像モジュール12によってキャプチャされた画像を荷物AAAの特徴情報と比較することができる。
図7を参照されたい。
図7は、本発明の一実施形態に係る荷物AAAのラベル720の模式図である。ラベル720は、荷物AAAが積載されたダンボール箱の外側に貼り付けられる。特徴情報は、ラベル720のパターン、例えば、パターン721、722、723であり得る。撮像モジュール12によってキャプチャされた画像がパターン721、722、723を含む場合、荷物が荷物AAAであると判断することができる。
【0022】
他の実施形態では、画像が荷物を含むと判断すると(ステップ430)、荷物が目標領域630a内にあるか否かをさらに判断することができる。荷物が目標領域630a内にある場合、ステップ440に進み、荷物が目標領域630a内にない場合、ステップ420に戻る。これにより、搬送タスクを実行する自動搬送システムの精度を向上させることができる。
【0023】
他の実施形態では、ステップ450が完了した後、処理ユニット11は、処理結果情報を制御センタ40に送信することができる。処理結果情報は、引き取られた荷物の種類、数量、及び引き取り前と引き取り後の荷物の正確な配置位置を含み得る。これにより、制御センタ40に記憶されているデータが更新される。
【0024】
図8では、ユーザーインタフェース600bは、マップ610b及び入力インタフェース620bを含み、マップ610bは、棚パターン611b及び荷物パターン612bを含む。ユーザーインタフェース600bは、タッチスクリーンにより表示され、ユーザーは、手640を使用してマップ610bで目標領域630bを直接選択する。
【0025】
図9では、ユーザーインタフェース600cは、マップ610c及び入力インタフェース620cを含み、マップ610cは、棚パターン611c及び荷物パターン612cを含む。ユーザーは、手(図示せず)又はマウス(図示せず)を使用して、マップ610cで点Oを直接クリックして選択し、所望の半径Rを引くことができる。ユーザーは、入力インタフェース620cの半径指定のフィールドに半径Rのサイズを入力することもできる。例えば、ここで、半径R=10mを例にすると、半径Rが10mの円形の目標領域630cが取得される。
【0026】
図10では、ユーザーインタフェース600dは、マップ610d及び入力インタフェース620dを含み、マップ610dは、棚パターン611d及び荷物パターン612dを含む。マップ610dは、領域631d、領域632d及び領域633dに事前に分割される。ユーザーは、手(図示せず)又はマウス(図示せず)を使用して、マップ610dで1つの領域を目標領域として直接クリックして選択するか、あるいは、入力インタフェース620dの領域指定のフィールドに領域名称(ここで、B、即ち、領域632dを例とする)を入力することができる。また、領域631d、領域632d及び領域633dのサイズと境界を調整することができる。
図8~
図10の他の詳細は、
図5と同じであり得、ここでは繰り返さない。
【0027】
図11及び
図12を参照されたい。
図11はフローチャートAであり、
図12はフローチャートBである。
図11と
図12は、指令情報が目標荷物の必要数量をさらに含み、且つ画像が複数の荷物を積み重ねて形成された荷物堆を含む場合に適用される。ステップ410~ステップ440については、上記を参照されたい。
【0028】
荷物が目標荷物であると判断すると、ステップ441に進み、荷物堆における荷物の数量を計算する。ステップ442は、荷物堆における荷物の数量が目標荷物の必要数量以上であるか否かを判断する。荷物堆における荷物の数量が目標荷物の必要数量以上であると判断すると、ステップ450に進み、自己ガイド輸送機器10が荷物堆の荷物を輸送目的地に引き取るように制御する。このとき、自動搬送システムは搬送タスクを完了する。荷物堆における荷物の数量が目標荷物の必要数量以上ではないと判断すると、ステップ443に進み、自己ガイド輸送機器10が目標領域を一周したか否かを判断する。自己ガイド輸送機器10が目標領域を一周していないと判断すると、自己ガイド輸送機器10が荷物堆の荷物を引き取らないように制御し、且つステップ420に戻る。これにより、十分な数量の別の目標荷物の荷物堆を見つけることが優先される。自己ガイド輸送機器10が目標領域を一周した判断すると、目標領域内のすべての目標荷物の荷物堆の数量がいずれも必要数量より少ないことが意味される。このとき、異なる目標荷物の荷物堆から必要な目標荷物を取得する必要がある。そのため、ステップ444に進み、自己ガイド輸送機器10が荷物堆の荷物を輸送目的地に引き取るように制御する。次に、ステップ445に進み、自己ガイド輸送機器10が目標領域内において別の荷物堆に移動するように制御する。別の荷物堆は、複数の目標荷物を積み重ねることによって形成される(別の荷物堆を見つける方法はステップ420~440を介することができる)。ステップ446に進み、自己ガイド輸送機器10が別の荷物堆の荷物を輸送目的地に引き取るように制御する。ステップ447に進み、自己ガイド輸送機器によって引き取られた荷物の数量を統計して、引き取られた数量の合計を取得し、即ち、ステップ444の後に自己ガイド輸送機器10によって引き取られた荷物の数量を合算する。ステップ448に進み、引き取られた数量の合計が目標荷物の必要数量以上であるか否かを判断する。引き取られた数量の合計が目標荷物の必要数量以上でないと判断すると、まだ必要数量に達していないことが意味される。ステップ445に戻る。引き取られた数量の合計が目標荷物の必要数量以上であると判断すると、自動搬送システムが搬送タスクを完了したことが意味される。ステップ460に進み、自己ガイド輸送機器10が終了指令を実行するように制御する。以下、
図13及び
図15を参照しながら、ステップ441~ステップ448について詳細に説明する。
【0029】
図13では、ユーザーインタフェース600hは、マップ610h及び入力インタフェース620hを含み、マップ610hは、棚パターン611h及び荷物パターン612hを含む。ユーザーは、マップ610hで目標領域630hを選択する。
図5と比較して、ユーザーは、ドロップダウンメニューを介して数量(即ち、必要数量)をさらに選択又は入力することができる。ここで、数量が30であることを例とする。
図14を参照されたい。荷物堆700は、荷物730を積み重ねて形成され、パレット770上に置かれる。パレット770は穴771を含む。自己ガイド輸送機器10が目標領域で荷物堆700を見つけ、荷物730が目標荷物、即ち、荷物AAAであると判断すると(ステップ440)、処理ユニット11は、荷物堆700における荷物730の数量を計算する(ステップ441)。荷物堆700における荷物730の数量は、荷物堆700の総体積及び荷物730の体積に基づいて計算して取得することができる。詳しくは、指令情報は荷物AAAの体積を含み得る。又は、指令情報は荷物AAAのバーコード情報を含み得る。処理ユニット11は、バーコード情報に基づいて、第1記憶モジュール44又は第2記憶モジュール16から荷物AAAの体積を読み取り、画像のみから、又は画像と第1距離センサ13によって収集されたデータを併せて、荷物堆700の長さL、幅W、高さHを計算し、次に、荷物堆700の体積(ここでは、体積がL×W×Hに等しい)を計算し、その後、荷物堆700の体積を荷物AAAの体積で割って、荷物堆700における荷物730の数量を取得することができる。
【0030】
他の実施形態では、荷物堆700における荷物730の数量は、荷物堆700における荷物730間の隙間に基づいて計算して取得することもできる。詳しくは、指令情報は隙間画像情報を含み得る。
図15を参照されたい。
図15は、荷物堆700の表面の1つの画像750である。処理ユニット11は、画像750を隙間画像情報と比較し、画像750で隙間画像752を定義し、隙間画像752に基づいて画像750を複数のブロック751に分割する。各ブロック751は、1つの荷物730と見なすことができる。これにより、ブロック751の数量を計算することによって、荷物堆700のこの表面での荷物730の数量を取得することができる。次に、自己ガイド輸送機器10は、荷物堆700の別の側に移動して別の表面の画像をキャプチャし、荷物堆700の前記別の表面での荷物730の数量を取得し、さらに、荷物堆700における荷物730の総数量を推算することができる。
【0031】
他の実施形態では、荷物730がラベル720などの識別パターンを含む場合、荷物堆700における荷物730の数量は、識別パターンの数量に基づいて計算して取得することもできる。
【0032】
荷物堆700における荷物730の数量を計算する上述の方法は、単独で使用することもでき、計算の精度を向上させるためにそれらのうちの2つ又は3つを同時に使用することもできる。
【0033】
上述の実施形態では、目標荷物は「荷物積載パレット(限定品物)」である。自己ガイド輸送機器20(即ち、自己ガイドフォークリフト)を搬送機器として使用する場合、自己ガイド輸送機器20は、フォーク120aによってパレット770の穴771に挿入され、一回のフォーク作業によりパレット770上のすべての荷物730を搬送することができる。荷物730を吸引で引き取る方法(自己ガイド輸送機器30など)と比較して、搬送効率を向上させるのに有益である。他の実施形態では、自動搬送システムが自己ガイド輸送機器20を搬送機器として使用し、指令情報が目標荷物をパレット770上に置くように制限しない場合、荷物が目標荷物であると判断すると、自動搬送システムはさらに以下のステップを実行するために配置することができる。荷物堆700がパレット770上に置かれているか否かを判断する。荷物堆700がパレット770上に置かれていると判断すると、
図4のステップ450又は
図11のステップ441などの後続のステップに進む。荷物堆700がパレット770上に置かれていないと判断すると、判断結果を制御センタ40に報告し、後続のステップを実行するために、制御センタ40によって他の自己ガイド輸送機器(例えば、自己ガイド輸送機器30)を割り当てる。
【0034】
図16を参照されたい。
図4と比較して、
図16は、ステップ400及びステップ405をさらに含み、ステップ410をステップ415に置き換えた。
【0035】
ステップ400は、自己ガイド輸送機器10の初期位置情報を取得する。ステップ405は、初期位置情報及び目標領域に基づいて計算して取得されたパス情報を取得する。ステップ415は、自己ガイド輸送機器10が指令情報及びパス情報従って目標領域に進入するように制御する。ステップ420~ステップ450については、上記を参照されたい。以下、
図17を参照しながら、ステップ400~ステップ415について詳細に説明する。
【0036】
図17では、ユーザーインタフェース600eは、マップ610e及び入力インタフェース620eを含み、マップ610eは、棚パターン611e及び荷物パターン612eを含む。まず、自己ガイド輸送機器10の初期位置情報を取得するために、処理ユニット11によって位置を決めることができる。例えば、倉庫の棚には、そのアドレス情報に対応するバーコードパターンが配置され得る。処理ユニット11は、撮像モジュール12を介して、棚バーコードパターンを含む画像を取得し、第1記憶モジュール44又は第2記憶モジュール16からバーコードパターンに関連するデータを読み取って棚のアドレス情報を取得し、次いで、自己ガイド輸送機器10と棚との間の距離を計算することで、自己ガイド輸送機器10の初期位置情報を計算して取得することができる。処理ユニット11は、自己ガイド輸送機器10の初期位置情報を管理ユニット41に送信し、マップ610eで自己ガイド輸送機器10の位置を表示することができる。ユーザーは、ユーザーインタフェース600eを介して、目標領域630e、目標荷物及び輸送目的地を設定することができる。管理ユニット41は、初期位置情報及び目標領域630eに基づいて、
図17の第1パスL1と第2パスL2など、自己ガイド輸送機器10の異なるパスを計画することができる。次に、管理ユニット41は、第1パスL1のパス情報及び第2パスL2のパス情報(ナビゲーション情報と見なすことができる)を処理ユニット11に送信する。処理ユニット11は、パス情報に基づいて、目標領域630eに進入する最短パス(ここでは、第1パスL1)を選択することができる。他の実施形態では、パス情報は、処理ユニット11によって計算して取得することもできる。まず、処理ユニット11は、自己ガイド輸送機器10の初期位置情報を計算して取得する。制御センタ40は、指令情報を処理ユニット11に送信する。処理ユニット11は、初期位置情報及び指令情報における目標領域630eに基づいて、パス情報を計算する。
【0037】
図18を参照されたい。ユーザーインタフェース600fは、マップ610f及び入力インタフェース620fを含み、マップ610fは、棚パターン611f及び荷物パターン612fを含む。ユーザーは、入力インタフェース620fで「前記目標領域内のすべての目標荷物に適用する」オプションを選択することができる。このとき、処理ユニット11は、自己ガイド輸送機器10が目標領域630f内の荷物AAAが積載されたすべてのパレットを輸送目的地に搬送するように制御する。これにより、ユーザーは、指令情報を一度だけ提供すれば、目標領域630f内のすべての目標荷物に適用することができる。これは、搬送効率及びユーザーの操作利便性を改善するのに有益である。詳しくは、処理ユニット11は、自己ガイド輸送機器10が検査パスL3に従って移動するように制御する。検査パスL3は、目標領域630f内のすべての目標荷物を輸送目的地に搬送することを保証するために、目標領域630f内のすべての通路を通過するように、例えば、左から右に、下から上に目標領域630f内のすべての通路を順番に通過するように配置される。
【0038】
図19を参照されたい。ユーザーインタフェース600gは、マップ610g及び入力インタフェース620gを含み、マップ610gは、棚パターン611g及び荷物パターン612gを含む。倉庫は、自己ガイド輸送機器10a、10b、10cを含む。管理ユニット41は、自己ガイド輸送機器10a、10b、10cの初期位置情報及び目標領域630gに基づいて、自己ガイド輸送機器10aと目標領域630gとの間の最短距離L4、自己ガイド輸送機器10bと目標領域630gとの間の最短距離L5、自己ガイド輸送機器10cと目標領域630gとの間の最短距離L6をそれぞれ計算することができる。ユーザーは、最短距離L4、L5、L6に基づいて、ユーザーインタフェース600gを介して、自己ガイド輸送機器10a、10b、10cの一部又は全部が搬送タスクを実行するために目標領域630gに進入するように割り当てることができる。本発明の一実施形態によれば、指令情報を受信して搬送タスクを実行するための、所定の距離範囲内の最短距離L4、L5、L6を有する自己ガイド輸送機器を選択するができる。例えば、ユーザーは、6m以下であるように所定の距離範囲を選択することができる。最短距離L4が5m、最短距離L5が7m、最短距離L6が2mである場合、管理ユニット41は、搬送タスクを実行するために自己ガイド輸送機器10a、10cを指定する。本発明の別の実施形態によれば、指令情報を受信して搬送タスクを実行するための、目標領域630gに最も近い自己ガイド輸送機器を選択することができる。
図19を例にとると、最短距離L6が最短距離L4、L5よりも短いため、管理ユニット41は、搬送タスクを実行するために自己ガイド輸送機器10cを指定する。言い換えれば、作業場所が複数の自己ガイド輸送機器10a、10b、10cを含む場合、制御センタ40は、指令情報を受信するための特定の自己ガイド輸送機器を指定することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。制御センタ40は、搬送タスクを実行するために自己ガイド輸送機器10a、10b、10cをランダムに割り当てることができる。
【0039】
上記の実施形態では、ステップにおける判断又は計算に関与する主体が処理ユニット11である場合(ステップ430、440など)、これは単なる例であり、実際の応用では、処理ユニット11は、画像を制御センタ40に送信して、制御センタ40によって判断することができる。
【0040】
従来技術と比較して、本発明の目標領域は、定点ではなく領域であり、目標荷物が正確な位置から外れて搬送タスクの失敗を引き起こすのを防止することができ、それにより、ユーザーは、目標領域内の異なる配置点での目標荷物に対して1つずつ指令を出すのではなく、単一の指令を目標領域内のすべての目標荷物に適用することが容易になる。本発明の輸送目的地も、定点ではなく領域であり得る。これにより、定点に荷物が既に置かれて荷降ろしができない状況、又は複数の自己ガイド輸送機器が荷降ろしのために順番を待つ必要がある状況を回避することができる。従って、本発明の自動搬送システムは、搬送タスクの成功率、搬送効率、及びユーザーの使用利便性を改善するのに有益である。
【0041】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定するためのものではない。当業者にとって、本発明は、様々な修正や変更を有することができる。本発明の趣旨と原理内で行われるすべての修正、同等置換、改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0042】
10、10a、10b、10c、20、30:自己ガイド輸送機器
11:処理ユニット
12、32、215:撮像モジュール
13、33、220:第1距離センサ
14:駆動モジュール
15、34、120:荷物保持モジュール
16:第2記憶モジュール
17:給電モジュール
18:第2通信モジュール
31、281:キャリア
34a:ロボットアーム
34b:荷物保持部
35、131、132、133:ホイール
40:制御センタ
41:管理ユニット
42:ユーザーインタフェース
43:第1通信モジュール
44:第1記憶モジュール
100:フォークリフト
120a:フォーク
280:支承構造
282:取り付け部品
400、405、410、415、420、430、440、450:ステップ
441、442、443、444、445、446、447、448:ステップ
600a、600b、600c、600d、600e、600f、600g、600h:ユーザーインタフェース
610a、610b、610c、610d、610e、610f、610g、610h:マップ
611a、611b、611c、611d、611e、611f、611g、611h:棚パターン
612a、612b、612c、612d、612e、612f、612g、612h:荷物パターン
620a、620b、620c、620d、620e、620f、620g、620h:入力インタフェース
630a、630b、630c、630e、630f、630g、630h:目標領域
631d、632d、633d:領域
640:手
700:荷物堆
710:バーコード
711、712、713:特徴情報
720:ラベル
721、722、723:パターン
730:荷物
750:画像
751:ブロック
752:隙間画像
770:パレット
771:穴
O:点
R:半径
H:高さ
L:長さ
W:幅
L1:第1パス
L2:第2パス
L3:検査パス
L4、L5、L6:最短距離