(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】業務分析プログラム、業務分析装置及び業務分析システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240415BHJP
【FI】
G06Q10/0639
(21)【出願番号】P 2020004544
(22)【出願日】2020-01-15
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】514155522
【氏名又は名称】フェアユース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】足立 洋介
(72)【発明者】
【氏名】戚 意強
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-304758(JP,A)
【文献】特開2014-178907(JP,A)
【文献】特開2014-52931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザにより作業がなされた時間を作業時間とし、前記作業に用いられたアプリケーションごとに算出された前記作業時間をアプリケーション作業時間とし、前記アプリケーションが実行されることにより表示され、前記作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された前記作業時間をアクティブウィンドウ作業時間として、あらかじめ決められた長さを有する設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を含む前記設定時間帯における前記作業時間を算出する作業算出手段と、
前記作業算出手段による前記設定時間帯における前記作業時間の算出に基づいて、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業表を作成する表作成手段と、
前記作業算出手段による前記設定時間帯における前記作業時間の算出に基づいて、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業グラフを作成するグラフ作成手段と、
前記作業グラフ及び前記作業表のうち、少なくとも一方を表示する表示制御手段とを備え、
前記設定時間帯を複数並べたものを全体時間帯として、
前記作業算出手段は前記全体時間帯における前記作業時間を基準として、前記設定時間帯における前記作業時間の割合を作業時間割合として算出し、
前記作業表及び前記作業グラフの少なくとも一方には、前記作業時間割合の情報が含まれる
ことを特徴とする業務分析プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の業務分析プログラムであって、
前記作業算出手段は、前記アクティブウィンドウに示された、ファイル名、ウェブサイトの名称及びウェブサイトのアドレスの少なくとも1つごとに前記アクティブウィンドウ作業時間を算出し、
前記表作成手段は、前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間を表した前記作業表を作成し、
前記グラフ作成手段は、前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間を表した前記作業グラフを作成する、業務分析プログラム。
【請求項3】
請求項1
又は請求項
2に記載の業務分析プログラムであって、
単位時間当たりの作業量を作業濃度とし、前記アプリケーションごとの前記作業濃度をアプリケーション濃度とし、前記アクティブウィンドウごとの前記作業濃度をアクティブウィンドウ濃度として、前記アプリケーション濃度及び前記アクティブウィンドウ濃度の少なくとも一方を含む前記作業濃度を算出する濃度算出手段として更に機能させる、業務分析プログラム。
【請求項4】
請求項
3に記載の業務分析プログラムであって、
前記設定時間帯を複数並べたものを全体時間帯として、
前記濃度算出手段は、複数の前記設定時間帯それぞれにおける前記作業濃度の値があらかじめ決められた条件である検出条件を満たすものを異常値として検出するように構成された、業務分析プログラム。
【請求項5】
請求項
4に記載の業務分析プログラムであって、
前記検出条件は、前記作業濃度の値が前記全体時間帯における前記作業濃度の分布の中央から離れている度合いがあらかじめ決められた閾値よりも大きいことである、業務分析プログラム。
【請求項6】
請求項
4に記載の業務分析プログラムであって、
前記検出条件は、操作により変更可能な設定値よりも前記作業濃度の値が大きいことである、業務分析プログラム。
【請求項7】
請求項
3から請求項
6までのいずれか1項に記載の業務分析プログラムであって、
前記グラフ作成手段は、前記作業濃度を表したグラフを作成する、業務分析プログラム。
【請求項8】
ユーザにより作業がなされた時間を作業時間とし、前記作業に用いられたアプリケーションごとに算出された前記作業時間をアプリケーション作業時間とし、前記アプリケーションが実行されることにより表示され、前記作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された前記作業時間をアクティブウィンドウ作業時間として、あらかじめ決められた長さを有する設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を含む前記設定時間帯における前記作業時間を算出するように構成された作業算出部と、
前記作業算出部による前記設定時間帯における前記作業時間の算出に基づいて、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業表を作成するように構成された表作成部と、
前記作業算出部による前記設定時間帯における前記作業時間の算出に基づいて、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業グラフを作成するように構成されたグラフ作成部と、
前記作業グラフ及び前記作業表のうち、少なくとも一方を表示するように構成された表示制御部と、を備え、
前記設定時間帯を複数並べたものを全体時間帯として、
前記作業算出
部は前記全体時間帯における前記作業時間を基準として、前記設定時間帯における前記作業時間の割合を作業時間割合として算出し、
前記作業表及び前記作業グラフの少なくとも一方には、前記作業時間割合の情報が含まれる
ことを特徴とする業務分析装置。
【請求項9】
複数の装置を含む業務分析システムであって、
ユーザにより作業がなされた時間を作業時間とし、前記作業に用いられたアプリケーションごとに算出された前記作業時間をアプリケーション作業時間とし、前記アプリケーションが実行されることにより表示され、前記作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された前記作業時間をアクティブウィンドウ作業時間として、あらかじめ決められた長さを有する設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を含む前記設定時間帯における前記作業時間を算出するように構成された作業算出部と、
前記作業算出部による前記設定時間帯における前記作業時間の算出に基づいて、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業表を作成するように構成された表作成部と、
前記作業算出部による前記設定時間帯における前記作業時間の算出に基づいて、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業グラフを作成するように構成されたグラフ作成部と、
前記作業グラフ及び前記作業表のうち、少なくとも一方を表示するように構成された表示制御部と、を備え、
前記設定時間帯を複数並べたものを全体時間帯として、
前記作業算出
部は前記全体時間帯における前記作業時間を基準として、前記設定時間帯における前記作業時間の割合を作業時間割合として算出し、
前記作業表及び前記作業グラフの少なくとも一方には、前記作業時間割合の情報が含まれる
ことを特徴とする業務分析システム。
【請求項10】
請求項
9に記載の業務分析システムであって、
前記複数の装置は、少なくとも1つの装置である対象装置を含み、
前記作業算出部は、前記対象装置において、前記設定時間帯における前記アプリケーション作業時間及び前記設定時間帯における前記アクティブウィンドウ作業時間の少なくとも一方を算出するように構成された、業務分析システム。
【請求項11】
請求項
10に記載の業務分析システムであって、
単位時間当たりの作業量を作業濃度とし、前記アプリケーションごとの前記作業濃度をアプリケーション濃度とし、前記アクティブウィンドウごとの前記作業濃度をアクティブウィンドウ濃度として、前記アプリケーション濃度及び前記アクティブウィンドウ濃度の少なくとも一方を含む前記作業濃度を算出するように構成された濃度算出部を更に備える業務分析システム。
【請求項12】
請求項
11に記載の業務分析システムであって、
前記濃度算出部は、前記対象装置における、前記作業濃度の値があらかじめ決められた条件である検出条件を満たすものを異常値として検出するように構成された、業務分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、業務分析プログラム及び業務分析プログラムを有する業務分析装置並びに業務分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業の内容や、作業にかかった時間、作業の日時を操作履歴として記録する装置が記載されている。
このような操作履歴を記録したものは、記録後にユーザが参照できるように記録されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置に記録される操作履歴は、単に時系列に沿って行われた作業が記載されているにすぎず、作業後にユーザ等が操作履歴を参照しても操作履歴に対応する作業の内容を具体的に認識することが困難であった。また、作業の内容を具体的に記録しようとすると、ユーザ等が記録を行う手間がかかる。さらに、具体的に作業の内容を細分化して単純に表示した場合、ユーザが短時間で複数の操作を切り替えて行う場合には、作業の個数が多くなる。このため、記録を見返したユーザは、時間ごとに細かく分解された当該作業内容を認識することが困難になる。
【0005】
本開示の一つの局面は、作業記録を見返して具体的に作業記録に記載された内容を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、業務分析プログラムであって、ユーザにより作業がなされた時間を作業時間とし、作業に用いられたアプリケーションごとに算出された作業時間をアプリケーション作業時間とし、アプリケーションが実行されることにより表示され、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された作業時間をアクティブウィンドウ作業時間として、あらかじめ決められた長さを有する設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を含む設定時間帯における作業時間を算出する作業算出手段と、作業算出手段による設定時間帯における作業時間の算出に基づいて、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業表を作成する表作成手段と、作業算出手段による設定時間帯における作業時間の算出に基づいて、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業グラフを作成するグラフ作成手段と、作業グラフ及び作業表のうち、少なくとも一方を表示する表示制御手段と、してコンピュータを機能させる。
【0007】
このような構成によれば、業務分析プログラムが備える表示制御手段により作業表及び作業グラフが表示される。当該作業表及び作業グラフに表された作業時間は、設定時間帯において、アプリケーションごとに算出されたアプリケーション作業時間及びアクティブウィンドウごとに算出されたアクティブウィンドウ作業時間の少なくとも一方が算出される。よって、表示された作業表及び作業グラフにより具体的な作業内容が把握しやすくなる。
【0008】
本開示の一態様では、作業算出手段は、アクティブウィンドウに示された、ファイル名、ウェブサイトの名称及びウェブサイトのアドレスの少なくとも1つごとにアクティブウィンドウ作業時間を算出してもよい。表作成手段は、設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間を表した作業表を作成してもよい。グラフ作成手段は、設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間を表した作業グラフを作成してもよい。
【0009】
このような構成によれば、アクティブウィンドウが示したファイル名、ウェブサイトの名称及びウェブサイトのアドレスのうちの少なくとも1つごとに設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間が算出される。このため、アクティブウィンドウが示すアクティブウィンドウが示したファイル名、ウェブサイトの名称及びウェブサイトのアドレスのうちの少なくとも1つごとの設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間を作業表及び作業グラフに表すことができ、より具体的に作業内容を把握しやすくなる。
【0010】
本開示の一態様は、設定時間帯を複数並べたものを全体時間帯として、全体時間帯における作業時間を基準として、設定時間帯における作業時間の割合を作業時間割合として算出する作業算出手段をさらに備えてもよい。作業表及び作業グラフの少なくとも一方には、作業時間割合の情報が含まれてもよい。
【0011】
このような構成によれば、作業時間割合は、全体時間帯における作業時間に対する設定時間帯における作業時間の割合を表すため、全体時間帯のうち、いずれの設定時間帯において、作業時間をどの程度の割合を費やしたかを評価することができる。
【0012】
本開示の一態様は、単位時間当たりの作業量を作業濃度とし、アプリケーションごとの作業濃度をアプリケーション濃度とし、アクティブウィンドウごとの作業濃度をアクティブウィンドウ濃度として、アプリケーション濃度及びアクティブウィンドウ濃度の少なくとも一方を含む作業濃度を算出する濃度算出手段として更に機能させてもよい。
【0013】
このような構成によれば、作業濃度を用いて単位時間当たりの作業量を評価することができる。
本開示の一態様では、設定時間帯を複数並べたものを全体時間帯として、濃度算出手段は、複数の設定時間帯それぞれにおける作業濃度の値があらかじめ決められた条件である検出条件を満たすものを異常値として検出するように構成されてもよい。
【0014】
このような構成によれば、作業濃度の値があらかじめ決められた条件を満たす場合に異常値として検出することにより、当該異常値となった作業濃度が表す単位時間当たりの作業量を評価することができる。
【0015】
本開示の一態様では、検出条件は、作業濃度の値が全体時間帯における作業濃度の分布の中央から離れている度合いがあらかじめ決められた閾値よりも大きいことであってもよい。
【0016】
このような構成によれば、作業濃度の値があらかじめ決められた閾値より大きい異常値を検出することにより、単位時間当たりの作業量を評価することができる。
本開示の一態様では、検出条件は、操作により変更可能な設定値よりも作業濃度の値が大きいことであってもよい。
【0017】
このような構成によれば、異常値として検出するか否かを設定により変更することができる。
本開示の一態様では、グラフ作成手段は、作業濃度を表したグラフを作成してもよい。
【0018】
このような構成によれば、作業濃度を表したグラフにより作業濃度を評価することができる。
本開示の一態様は、業務分析装置であって、作業算出部と、表作成部と、グラフ作成部と、表示制御部と、を備える。作業算出部は、ユーザにより作業がなされた時間を作業時間とし、作業に用いられたアプリケーションごとに算出された作業時間をアプリケーション作業時間とし、アプリケーションが実行されることにより表示され、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された作業時間をアクティブウィンドウ作業時間として、あらかじめ決められた長さを有する設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を含む設定時間帯における作業時間を算出するように構成される。表作成部は、作業算出部による設定時間帯における作業時間の算出に基づいて、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業表を作成するように構成される。グラフ作成部は、作業算出部による設定時間帯における作業時間の算出に基づいて、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業グラフを作成するように構成される。表示制御部は、作業グラフ及び作業表のうち、少なくとも一方を表示するように構成される。
【0019】
このような構成によれば、業務分析装置が備える表示制御部により作業表及び作業グラフが表示される。当該作業表及び作業グラフに表された作業時間は、設定時間帯において、アプリケーションごとに算出されたアプリケーション作業時間及びアクティブウィンドウごとに算出されたアクティブウィンドウ作業時間の少なくとも一方が算出される。よって、表示された作業表及び作業グラフにより具体的な作業内容が把握しやすくなる。
【0020】
本開示の一態様は、複数の装置を含む業務分析システムであって、作業算出部と、表作成部と、グラフ作成部と、表示制御部と、を備える。作業算出部は、ユーザにより作業がなされた時間を作業時間とし、作業に用いられたアプリケーションごとに算出された作業時間をアプリケーション作業時間とし、アプリケーションが実行されることにより表示され、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された作業時間をアクティブウィンドウ作業時間として、あらかじめ決められた長さを有する設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を含む設定時間帯における作業時間を算出するように構成される。表作成部は、作業算出部による設定時間帯における作業時間の算出に基づいて、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業表を作成するように構成される。グラフ作成部は、作業算出部による設定時間帯における作業時間の算出に基づいて、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間のうち、少なくとも一方を表した作業グラフを作成するように構成される。表示制御部は、作業グラフ及び作業表のうち、少なくとも一方を表示するように構成される。
【0021】
このような構成によれば、業務分析システムが備える表示制御部により作業表及び作業グラフが表示される。当該作業表及び作業グラフに表された作業時間は、設定時間帯において、アプリケーションごとに算出されたアプリケーション作業時間及びアクティブウィンドウごとに算出されたアクティブウィンドウ作業時間の少なくとも一方が算出される。よって、表示された作業表及び作業グラフにより具体的な作業内容が把握しやすくなる。
【0022】
本開示の一態様では、複数の装置は、少なくとも1つの装置である対象装置を含んでもよい。作業算出部は、対象装置において、設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及び設定時間帯におけるアクティブウィンドウ作業時間の少なくとも一方を算出するように構成されてもよい。
【0023】
このような構成によれば、業務分析システムが備える対象装置における設定時間帯におけるアプリケーション作業時間及びアクティブウィンドウ作業時間の少なくとも一方を算出することができる。
【0024】
本開示の一態様は、単位時間当たりの作業量を作業濃度とし、アプリケーションごとの作業濃度をアプリケーション濃度とし、アクティブウィンドウごとの作業濃度をアクティブウィンドウ濃度として、アプリケーション濃度及びアクティブウィンドウ濃度の少なくとも一方を含む作業濃度を算出するように構成された濃度算出部を更に備えてもよい。
【0025】
このような構成によれば、対象装置において、アプリケーションごとに単位時間当たりの作業量をアプリケーション濃度として、アクティブウィンドウごとに単位時間当たりの作業量をアクティブウィンドウ濃度として、アプリケーション濃度及びアクティブウィンドウ濃度の少なくとも一方を算出することができる。これにより、算出された対象装置におけるアプリケーション濃度及びアクティブウィンドウ濃度の少なくとも一方に基づいて、単位時間当たりの作業量を評価することができる。
【0026】
本開示の一態様では、濃度算出部は、対象装置における、作業濃度の値があらかじめ決められた条件である検出条件を満たすものを異常値として検出するように構成されてもよい。
【0027】
このような構成によれば、検出状件を満たす異常値を検出することにより、対象装置における作業濃度を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態における業務分析システムの構成を表した図である。
【
図2】表作成部により作成される日報形式の作業表の一例を表した図である。
【
図3】表作成部により作成される週報形式の作業表の一例を表した図である。
【
図4】グラフ作成部により作成された時系列に沿った1時間あたりの作業時間の推移を表したグラフの一例を表した図である。
【
図5】グラフ作成部により作成された時系列に沿った1時間あたりの作業濃度の推移を表したグラフの一例を表した図である。
【
図6】グラフ作成部により作成されたファイルやウェブページなどのアクティブウィンドウごとの作業濃度の標準化係数を表したグラフの一例を表した図である。
【
図7】作業取得処理を表したフローチャートである。
【
図8】表示制御処理を表したフローチャートである。
【
図9】第2実施形態における業務分析システムの構成を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
第1実施形態の業務分析システム1はPC100を用いたユーザの業務の内容を分析する業務分析を行うために用いられる。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の業務分析システム1は、パーソナルコンピュータ100(以下、PC100と表記する)、マウス200、キーボード300、表示装置400及び処理部10を備える例に適用して説明する。
【0031】
PC100は、一般的に用いられるパーソナルコンピュータである。PC100は、アプリケーションを実行し、実行したアプリケーションを用いて、ファイルの作成、編集又は閲覧、ウェブサイトの閲覧及びウェブサイトへの入力などの作業を行うために用いられる。なお、PC100は、一般的に用いられるパーソナルコンピュータに限定されるものではなく、例えば、作業に用いられるものであるなど、業務分析を行う対象となり得るものであればよい。なお、
図1において、PC100は1つ図示しているが、業務分析システム1が備えるPC100の数は1つに限定されるものではなく、複数備えられてもよい。
【0032】
マウス200、キーボード300及び表示装置400は、いわゆるPC100の周辺機器であり、PC100と接続可能に構成される。なお、PC100とマウス200、キーボード300及び表示装置400との接続は、有線による接続であってもよく、無線通信による接続であってもよい。
図1では、PC100の数が1つであり、PC100の数に対応して、マウス200、キーボード300及び表示装置400も1つずつ図示しているが、マウス200、キーボード300及び表示装置400の数は、それぞれ1つずつに限定されるものではなく、1つのPC100に対して複数のマウス200、キーボード300、表示装置400を備える構成であってもよい。
【0033】
マウス200及びキーボード300はそれぞれ、一般的にPC100を用いて作業するユーザが、PC100に対する入力操作を行うために用いるものである。
マウス200は、一般的なマウスと同様、ボタンを押下するクリック操作や、机などの表面を摺動させる操作を行うことにより、PC100に対する入力を行うことができるものが用いられてもよい。
【0034】
キーボード300は、一般的なキーボードと同様、備えられた複数のキーを押下することによりPC100に対する入力を行うことができるものが用いられてもよい。
表示装置400は、PC100からの出力信号を入力し、PC100からの出力信号に応じて、表示を行う。表示装置400は、いわゆる汎用のディスプレイである。なお、表示装置400は汎用のディスプレイに限定されるものではなく、PC100から出力される出力信号に応じて表示を行うことができればよい。表示装置400は、例えば、壁やスクリーンなどに画面を表示させる投影装置であってもよい。
【0035】
処理部10は、機能的な構成として、作業取得部110と、作業集計部115と、作業記録部120と、作業算出部125と、表作成部130と、グラフ作成部135と、表示制御部140とを備える。処理部10は、業務分析プログラムが実行されることにより各機能的な構成として処理を行う。処理部10は、1つのPCにより構成されていてもよく、複数のサーバを含んでいてもよい。また、処理部10による処理は、処理部10に接続されたPCによる操作に基づいて実行されてもよい。また、
図1では、PC100と処理部10とは、別々に図示したが、PC100と処理部10とが一体となる構成であってもよい。PC100と処理部10とが別体である場合には、PC100と処理部10との間が通信により接続されるものであってもよいし、PC100と処理部10とが一体となって構成される場合には、内部で種々の情報の伝達がなされてもよい。
【0036】
また、マウス200又はキーボード300を用いたPC100の操作により、処理部10が備える機能的構成に対応した機能が実行されてもよい。処理部10とPC100との間で実行した結果などのデータの送受信が行われてもよい。
【0037】
さらに、処理部10の備える機能的構成である、作業取得部110と、作業集計部115と、作業記録部120と、作業算出部125と、表作成部130と、グラフ作成部135と、表示制御部140の一部又は全部は、処理部10と接続されるPC100が機能的構成として備えていてもよい。例えば、作業取得部110及び作業集計部115の機能は、PC100が有し、それ以外の機能的構成を処理部10が有していてもよい。この場合、作業取得部110及び作業集計部115での処理結果が通信により処理部10に送信される構成であってもよい。
【0038】
作業取得部110は、ログ情報を取得する。ここでいうログ情報は、PC100において実行されたアプリケーションの情報、表示されたアクティブウィンドウの情報、マウス200及びキーボード300を用いた入力操作の情報などを、時系列に沿って表した作業に関する情報である。ログ情報は、PC100に、いわゆるシステムログとして記録された情報であってもよい。なお、ログ情報は、記録された情報に限定されるものではない。
【0039】
アプリケーションの情報には、例えば、アプリケーションのタイトルなどアプリケーションそれぞれを識別可能な情報が含まれてもよい。さらに、アプリケーションの情報には、アプリケーションの実行を開始した時刻及び終了した時刻が含まれてもよい。
【0040】
アプリケーションのタイトルは、ログ情報から取得するものに限定されるものではなく、例えば、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルから取得されてもよい。すなわち、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルに対応するアプリケーションのタイトルが取得されてもよい。
【0041】
ここでいうアクティブウィンドウとは、ユーザからの入力を受け付け、ユーザの操作対象となるウィンドウである。ここでいうウィンドウとは、表示装置400の表示画面の一部に表示される領域をいう。また、アクティブウィンドウは、複数のウィンドウが重なって表示されている場合に、最も手前に表示されているウィンドウであってもよい。
【0042】
また、ログ情報に含まれる表示されたアクティブウィンドウの情報としては、アクティブウィンドウの表示を開始した時刻と終了した時刻が含まれてもよい。
複数のウィンドウを表示した状態で、当該複数のウィンドウからアクティブウィンドウの選択を切り替えた場合、それぞれのウィンドウに対応するアプリケーションが異なる場合、当該アクティブウィンドウの切り替えに応じて、作業に用いられているアクティブウィンドウ及びそのアクティブウィンドウに対応したアプリケーションが切り替えられていると判定されてもよい。
【0043】
ログ情報に含まれる表示されたアクティブウィンドウの情報としては、例えば、アクティブウィンドウが表しているファイルの名称や、アクティブウィンドウがウェブサイトを表示している場合には、そのウェブサイトの名称やURL等が含まれる。ここでいうURLとは、Uniform Resource Locatorの略称である。
【0044】
アクティブウィンドウの情報は、例えば、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルから取得されてもよい。ウィンドウタイトルとは、各ウィンドウを指し示すタイトルをいう。ただし、アクティブウィンドウの情報は上記ファイルの名称、ウェブサイトの名称、URLに限定されるものではなく、アクティブウィンドウに対応した情報であればよい。
【0045】
また、ログ情報に含まれる、マウス200及びキーボード300を用いた操作の情報をそれぞれ、以下ではマウス操作ログ及びキーボード操作ログとも表記する。
ここで、マウス操作ログには、時系列に沿って行われたクリック操作及び移動操作に関する情報が含まれてもよい。
【0046】
具体的には、マウス操作ログには、時系列に沿って、マウス200が位置する座標の情報、マウス200により行われたクリック操作により入力された情報が含まれてもよい。また、マウス操作ログは、マウスのクリック操作又は移動操作が行われるごとに、順に連続する操作ログ番号を設定して、設定された操作ログ番号それぞれに対応したクリック操作又は移動操作が記録されてもよい。マウス操作ログは、例えば、1クリックごと(クリック操作が1回行われるごと)及び、あらかじめ決められた閾値以上の移動量の移動操作が行われるごとに、1つずつ操作ログ番号が設定されてもよい。
【0047】
また、操作ログ番号に対応したクリック操作の情報は例えば、右クリックと左クリックがそれぞれ区別された情報であってもよく、右クリックと左クリックが区別されず、単にクリック操作が行われたか否かを表した情報であってもよい。
【0048】
また、操作ログ番号に対応した移動操作の情報は、例えば、マウス200が位置する横方向の座標を表したx座標及び縦方向の座標を表したy座標により、対応する操作の情報が含まれてもよい。なお、ここでいう縦方向とは、例えば、マウス200を摺動させる操作をする際の手前と奥とを結んだ方向に対応する向きを表し、横方向とは、例えば、縦方向と直交する向きであって、マウス200を操作する際に摺動させる際の左右方向に対応する向きを表してもよい。また、移動操作の記録は、例えば、あらかじめ決められた位置を初期位置として、初期位置を基準として相対的な位置の変化を記録してもよい。
【0049】
なお、マウス200を用いた移動は、所定の移動量ごとに、操作ログ番号を更新して記録されてもよい。すなわち、移動量が大きい場合、言い換えると、所定の移動量を複数回超える場合には、マウス操作ログは、所定の移動量を超えるごとに移動操作に対応して、複数回操作ログ番号を更新して記録されてもよい。ここで、所定の移動量とは、マウス200を移動させた際に表示装置400に表示されるマウスポインタの軌跡と対応してもよい。すなわち、マウス200を移動操作した際に、表示装置400では、そのマウス200の動きに対応して表示装置400の画面上を表示されたマウスポインタが移動する。ここで、マウス200の移動操作に伴い、表示装置400の画面上において移動するマウスポインタの軌跡においてマウスポインタが表示された回数に対応する値をマウスの移動数とも表記する。また、マウスポインタの移動が行われない場合には、例えば、マウスの移動数は加算されてなくてもよい。
【0050】
そして、マウス操作ログにおいて、操作ログ番号の数、すなわち、記録されたマウス
操作の個数を、マウスストローク数としてもよい。言い換えると、マウスストローク数は、マウスのクリック数と移動数との合計であってもよい。
【0051】
一方、マウスストローク数は、マウスのクリック数と移動数との合計に限定されるものではない、例えば、マウスストローク数は、マウスのクリック数と移動数とは、区別されて算出されてもよい。また、マウスストローク数は、マウスのクリック数又は移動数に係数を乗算することにより算出されてもよい。
【0052】
キーボード操作ログには、キーボード300を用いた入力操作であるキーボード操作が記録される。ここで、キーボード操作には、キーボード300を打鍵(ストローク)する操作が含まれる。また、キーボード操作ログは、キーボード300の打鍵操作が行われるごとに、順に連続する操作ログ番号を設定して、設定された操作ログ番号それぞれに対応した打鍵操作が記録されてもよい。キーボード操作ログは、例えば、打鍵が行われるごとに、1つずつ操作ログ番号が設定されてもよい。なお、キーボード操作ログは、打鍵が行われるごとに1つずつ操作ログ番号が設定されるものに限定されるものではない。例えば、いわゆるショートカットキーの入力など、2つ以上のキーを同時に入力する場合には、当該同時に入力される操作を1つの操作ログ番号に対応した操作として記録されてもよい。ショートカットキーの入力であるか否かは、例えば、いわゆるコントロールキー、シフトキーやファンクションキーなどの特定のキーが入力された状態で他のキーが入力された場合に、ショートカットキーの入力であると判定されてもよい。
【0053】
操作ログ番号に対応した打鍵操作の記録は、例えば、打鍵によりキー入力されたキーの内容が区別なく記録されてもよいし、キー入力されたキーの内容がそれぞれ区別されて記録されてもよい。
【0054】
作業集計部115は、作業取得部110により取得されたログ情報の集計を行う。すなわち、ここでいうログ情報の集計には、実行されたアプリケーションごとに、そのアプリケーションが実行されている状態で、行われた作業の集計が含まれる。さらに、ログ情報の集計には、アクティブウィンドウごとに、そのアクティブウィンドウが表示されている状態で、行われた作業の集計が含まれる。集計は、対象となるものをそれぞれ合算することにより行われる。なお、以下では集計されたログ情報を作業情報とも表記する。ログ情報の集計には、具体的には、マウス200のクリック数及びマウスストローク数の集計、キーボード300のキーストローク数の集計、作業時間の集計が含まれてもよい。
【0055】
作業時間とは、ユーザが作業を行った時間である。なお、作業時間は、ユーザにより入力操作などが行われていない時間を除外して算出されてもよい。すなわち、マウス200及びキーボード300のいずれか一方により操作がされている間の時間が作業時間として算出されてもよい。また、作業を行うためのアプリケーションのいずれかが実行されている間の時間を作業時間として算出してもよい。ここでいう作業を行うためのアプリケーションには、例えば、メモリ消費量の監視など、PC100の状態を制御や監視などするためのアプリケーションが除かれてもよい。
【0056】
作業記録部120は、作業集計部115により集計された作業情報を記録する。作業記録部120による作業情報の記録は、PC100などが備えるメモリに記録されるものであってもよく、PC100と接続されるサーバに記録されるものであってもよい。
【0057】
作業算出部125は、作業記録部120により記録された作業情報に基づいて、全体時間帯及び各設定時間帯における、作業時間、作業濃度、作業時間割合及び標準化係数を算出する。
【0058】
ここで、作業集計部115では、ログ情報に基づくアプリケーションごとの集計及びアクティブウィンドウごとの集計を行うのに対して、作業算出部125では、設定時間帯及び全体時間帯における、アプリケーションごとの算出及びアクティブウィンドウごとの算出が行われる。
【0059】
なお、作業算出部125が作業集計部115としての処理の一部を行ってもよく、作業集計部115が作業算出部125の処理の一部を行ってもよい。
また、作業算出部125は、設定時間帯及び全体時間帯ごとに算出されたデータに基づく作業時間、作業濃度、標準化係数及び作業時間割合を算出する。
【0060】
ここでいう設定時間帯とは、所定の長さを有する時間帯を表したものである。また、設定時間帯の長さは全体時間帯の長さに応じて変更されてもよい。全体時間帯は、設定時間帯以上のあらかじめ決められた長さを有するものである。また、全体時間帯の長さは、設定時間帯の長さを整数倍した長さであってもよい。
【0061】
具体的には、例えば、全体時間帯の長さが8時間である場合には、設定時間帯の長さは1時間や2時間であってもよい。また、全体時間帯の長さが1週間である場合には、設定時間帯の長さは1日であってもよい。
【0062】
設定時間帯及び全体時間帯は、ユーザなどにより変更可能に設定されてもよい。また、設定時間帯及び全体時間帯は、別々に設定されてもよい。また、設定時間帯の長さが設定された場合に、全体時間帯の長さが設定時間帯の長さに対応して設定されてもよい。反対に、全体時間帯の長さが設定された場合に、設定時間帯の長さが設定時間帯の長さに対応して設定されてもよい。
【0063】
作業算出部125は、全体時間帯及び各設定時間帯における作業時間として、時間帯作業時間と、アプリケーション作業時間と、ファイル作業時間と、ウェブ作業時間と、をそれぞれ算出する。
【0064】
ここでいう時間帯作業時間は、全体時間帯及び各設定時間帯において、算出される作業時間である。すなわち、時間帯作業時間は、全体時間帯におけるユーザの作業時間を合算した値及び各設定時間帯におけるユーザの作業時間を合算した値である。
【0065】
また、ここでいうアプリケーション作業時間は、全体時間帯及び各設定時間帯において、ユーザが作業に用いているアプリケーションごとに算出される作業時間である。
例えば、全体時間帯及び同じ設定時間帯において、複数回同じアプリケーションを使用した場合、複数回それぞれの作業時間を合算した作業時間がアプリケーション作業時間として、算出される。
【0066】
ここでいうファイル作業時間は、全体時間帯及び各設定時間帯において、ユーザが作業に用いているファイルごとの作業時間をいう。全体時間帯及び同じ設定時間帯において、複数回同じファイルを使用した場合、複数回それぞれの作業時間を合算した作業時間がファイル作業時間として算出される。ユーザが作業に用いているファイルのファイル名は、例えば、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルから取得されてもよい。
【0067】
ここでいうウェブ作業時間は、全体時間帯及び各設定時間帯において、ユーザがウェブブラウザを用いて、ウェブページを閲覧等している場合に、当該ウェブページごとの作業時間をいう。全体時間帯及び同じ設定時間帯において、複数回同じウェブページを閲覧した場合、複数回それぞれの作業時間を合算した作業時間がウェブ作業時間として算出される。また、ウェブ作業時間は、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルに含まれるURLを用いて、同じURLを有するウェブページが同一のウェブページであると判定されてもよい。また、ウェブ作業時間は、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルに含まれるウェブタイトルを用いて、同じウェブタイトルを有するウェブページが同一のウェブページであると判定されてもよい。また、ウェブページのURL又はウェブページのタイトルは、ウェブブラウザ及びこれと連携する機器又はネットワーク上のシステムから取得されてもよい。なお、アクティブウィンドウがウェブページを表示したものであるかファイルを表示したものであるかは、当該アクティブウィンドウの表示に用いているアプリケーションがウェブブラウザであるかに基づいて判定されてもよい。また、アクティブウィンドウがウェブページを表示したものであるかファイルを表示したものであるかを判定する構成を有していなくてもよい。
【0068】
なお、ファイル作業時間及びウェブ作業時間のように、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された作業時間を、以下では、アクティブウィンドウ作業時間とも表記する。
【0069】
作業算出部125は、全体時間帯及び各設定時間帯における作業濃度を算出する。作業濃度とは、単位時間当たりのユーザが行った作業の作業量が多いほど大きくなる指標である。ここで単位時間とは、例えば、1秒間などの時間であってもよい。なお、単位時間は1秒間に限定されるものではなく、時間当たりの作業量を評価できるものであればよい。
【0070】
作業濃度は、正規化後の値を単位時間で除算することにより算出される。作業濃度は、例えば、正規化後のマウスストローク数を単位時間で除算したものであってもよい。
ここでいう正規化は例えば、下記(1)式で表される。
【0071】
【0072】
ここで、max及びminは、それぞれ、正規化後の最大値及び最小値であり定数である。例えば、maxには100、minには1が設定されてもよい。正規化後の最大値及び最小値は、ユーザ等により設定が変更可能であるように構成されてもよい。また、xmaxは、例えば正規化前のマウスストローク数の最大値をいう。また、xminは、例えば正規化前のマウスストローク数の最小値をいう。なお、xmax及びxminは、正規化前のマウスストローク数の最大値及び最小値に限定されるものではない。
【0073】
ここで、正規化後のマウスストローク数は、下記(2)式のように表してもよい。
【0074】
【0075】
なお、作業濃度は、正規化後のマウスストローク数を単位時間で除算したものに限定されるものではない。例えば、正規化後のマウスクリック数又は正規化後のキーボードストローク数を単位時間で除算したものであってもよく、正規化後のマウスストローク数及び正規化後のキーボードストローク数の合計を単位時間で除算したものであってもよい。
【0076】
また、下記(3)式に示すように正規化後のマウスクリック数は、正規化後のマウスストローク数で代用してもよい。
【0077】
【0078】
ここで、(3)式中のαは、マウスのストローク数に対するマウスのクリック数の割合である。αは0より大きく1以下の値が用いられてもよい。αはあらかじめ設定された値であってもよい。
【0079】
(3)式によれば、正規化後クリック数と正規化後ストローク数とは式変形により同じ値となる。このため、正規化後クリック数と正規化後ストローク数とは同じ値を用いて評価してもよい。
【0080】
ここで、作業算出部125は、設定時間帯、アプリケーション、ファイル又はウェブページごとの作業濃度をそれぞれ、時間帯濃度、アプリケーション濃度、ファイル濃度、ウェブページ濃度として算出する。具体的には、例えば、アプリケーションごとの作業時間を正規化し、単位時間で除算することにより、アプリケーション濃度が求められる。なお、正規化の際に用いられる各パラメータの最大値及び最小値は、同じアプリケーションが実行された場合の最大値、最小値が用いられてもよい。また、同じアプリケーションが用いられた場合に限定されず、異なるアプリケーションが用いられた場合のパラメータの最大値及び最小値が用いられてもよい。
【0081】
なお、ファイル濃度及びウェブ濃度のように、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された作業濃度を、以下では、アクティブウィンドウ濃度とも表記する。
また、アプリケーション濃度の算出と同様の手法で、時間帯濃度、ファイル濃度及びウェブページ濃度が算出されてもよい。
【0082】
作業算出部125は、全体時間帯及び各設定時間帯における作業濃度の標準化係数を算出する。作業濃度の標準化係数とは、作業濃度の分布の中での平均からの乖離度合いを表す。
【0083】
ここで標準化係数は、下記(4)式を用いて算出される。
【0084】
【0085】
作業算出部125は、設定時間帯、アプリケーション、ファイル及びウェブページごとの標準化係数をそれぞれ、時間帯標準化係数、アプリケーション標準化係数、ファイル標準化係数及びウェブページ標準化係数として、算出する。
【0086】
なお、ファイル標準化係数及びウェブページ標準化係数のように、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された標準化係数を、以下では、アクティブウィンドウ標準化係数とも表記する。
【0087】
時間帯標準化係数、アプリケーション標準化係数、ファイル標準化係数及びウェブページ標準化係数の算出は、時間帯濃度、アプリケーション濃度、ファイル濃度及びウェブページ濃度を、(4)式に当てはめることにより算出される。
【0088】
作業算出部125は、全体時間帯及び各設定時間帯における作業時間割合を算出する。作業時間割合は、全体時間帯の作業時間を基準とする各設定時間帯の作業時間の割合をいう。なお、全体時間帯における作業時間割合の算出は省略されてもよい。
【0089】
作業算出部125は、設定時間帯、アプリケーション、ファイル又はウェブページごとの作業時間割合をそれぞれ、時間帯割合と、アプリケーション割合と、ファイル割合と、ウェブページ割合として、算出する。
【0090】
時間帯割合は、全体時間帯における作業時間を基準とした、各設定時間帯での作業時間の割合をいう。例えば、全体時間帯における作業時間が1時間であり、ある設定時間帯での作業時間が15分だった場合、25%が時間帯割合として算出される。
【0091】
アプリケーション割合は、アプリケーションごとの作業時間割合である。具体的には、アプリケーション割合は、全体時間帯において、そのアプリケーションを用いた作業時間に対して、各時間帯におけるそのアプリケーションを用いた作業時間の割合を表す。例えば、全体時間帯が8時間に設定され、ユーザは8時間のうち、特定のアプリケーションを1時間用いて作業したとして、9:00から10:00までの間に30分、11:00から12:00までの間に15分、13:00から14:00までの間に15分用いて作業したとすると、9:00から10:00までの間のアプリケーション割合は50%、11:00から12:00までの間のアプリケーション割合は25%、13:00から14:00までの間のアプリケーション割合は25%と算出される。
【0092】
ファイル割合は、ファイルごとの作業時間割合である。具体的には、ファイル割合は、全体時間帯において、そのファイルを用いた作業時間に対して、各時間帯におけるそのファイルを用いた作業時間の割合を表す。例えば、全体時間帯が8時間に設定され、ユーザは8時間のうち、特定のファイルを1時間用いて作業したとして、9:00から10:00までの間に45分、11:00から12:00までの間に15分、それぞれ作業したとすると、9:00から10:00までの間のファイル割合は75%、11:00から12:00までの間のファイル割合は25%と算出される。
【0093】
ウェブページ割合は、ウェブページごとの作業時間割合である。具体的には、ウェブページ割合は、全体時間帯において、そのウェブページを用いた作業時間に対して、各時間帯におけるそのウェブページを用いた作業時間の割合を表す。例えば、全体時間帯が8時間に設定され、ユーザは8時間のうち、特定のウェブページを1時間用いて作業したとして、9:00から10:00までの間に15分、11:00から12:00までの間に45分、それぞれ作業したとすると、9:00から10:00までの間のウェブページ割合は25%、11:00から12:00までの間のウェブページ割合は75%と算出される。
【0094】
なお、ファイル割合及びウェブページ割合のように、作業に用いられるアクティブウィンドウごとに算出された作業時間割合を、以下では、アクティブウィンドウ割合とも表記する。
【0095】
表作成部130は、作業濃度、作業時間及び作業時間割合を表した、
図2及び
図3に示すような作業表を作成する。
図2に示す作業表は、全体時間帯として8時間を表した日報形式の作業表の例である。
図3に示す作業表は、全体時間帯として1週間を表した週報形式の作業表の例である。なお、日報形式の作業表の全体時間帯は8時間に限定されるものではなく、週報形式の作業表の全体時間帯は1週間に限定されるものではない。例えば、日報形式は、全体時間帯として24時間が設定されてもよく、週報形式は、全体時間帯として営業日などである週5日間が設定されてもよい。
【0096】
図2及び
図3に示すように作業表は、各列がそれぞれ、作業内容、作業濃度、作業時間、作業時間割合の項目に対応する。なお、列の項目の順番は、
図2及び
図3に示した、このような順番に限定されるものではない。
【0097】
作業内容の列には、設定時間帯の情報、アプリケーション名の情報、ファイル名の情報、ウェブページ名の情報が含まれる。そして、作業濃度、作業時間及び作業時間割合の列には、作業内容の列に含まれる設定時間帯、アプリケーション名、ファイル名、ウェブページ名の項目に対応した、各情報が表示される。
【0098】
作業表の行は、まず、あらかじめ決められた設定時間を表した設定時間帯欄Tmごとの情報に区切られる。設定時間帯欄Tmごとに区切られた範囲において、作業内容の列が設定時間帯を表した行には例えば、設定時間帯に対応する、時間帯作業時間、時間帯濃度及び時間帯割合が表示される。なお、日ごとの作業表における休憩時間や、週ごとの作業表における休日など、あらかじめ作業が行われない期間がある場合には、当該期間を除いて作業表が作成されてもよい。
【0099】
設定時間帯欄Tmで区切られた範囲は、次に、アプリケーションごとにアプリケーション欄Apで区切られる。作業内容の列がアプリケーションを表した行には、当該アプリケーションに対応する、アプリケーション作業時間、アプリケーション濃度及びアプリケーション割合が表示される。すなわち、設定時間帯欄Tmが表す設定時間で区切られた範囲の中で、実行したアプリケーションごとの情報が表示される。
【0100】
アプリケーション欄Apで区切られた範囲は、さらに、アクティブウィンドウごとにアクティブウィンドウ欄Awで区切られる。
さらに、アクティブウィンドウ欄Awにおいて、作業内容の列がファイルを表した行には、ファイル作業時間、ファイル濃度及びファイル割合が表示される。また、アクティブウィンドウ欄Awにおいて、作業内容の列がウェブページを表した行には、ウェブページ作業時間、ウェブページ濃度及びウェブページ割合が表示される。
【0101】
すなわち、設定時間帯欄Tmが表す設定時間帯において、アプリケーション欄Apが表すアプリケーションを用いて行った作業のうち、さらにアクティブウィンドウ欄Awで区切られたアクティブウィンドウに対応した情報が表示される。
【0102】
なお、
図2及び
図3に示すように、設定時間帯欄Tm、アプリケーション欄Ap及びアクティブウィンドウ欄Awはそれぞれ、表示態様がそれぞれ異なるように設定されてもよい。例えば、区別しやすいように強調表示されてもよい。また、設定時間帯欄Tm、アプリケーション欄Ap及びアクティブウィンドウ欄Awは表示される文字のフォントや作業表の背景の塗りつぶしの色などの表示態様が、それぞれ異なるように設定されてもよい。また、それぞれの表示態様は、それぞれの欄に表示される値の大きさによって変更されてもよい。例えば、あらかじめ決められた値以上のものが赤字などで強調表示されてもよく、各値の標準化係数があらかじめ決められた値以上である場合に、赤字などで強調表示されてもよい。
【0103】
また、表の1行目には、各セルに並び替えボタンAが配置され、マウス200を用いたクリック操作などにより、そのセルに対応した列の数値が昇順又は降順に並び替えられるように構成されてもよい。なお、表の1行目に配置されるボタンとしては並び替えボタンAに限定されるものではなく、データの絞り込みを行うソートボタンなどの各種機能を有するボタンであってもよい。また、並び替えボタンAが配置される位置は表の1行目に限定されるものではなく、種々変更されてもよい。
【0104】
グラフ作成部135は、作業情報に基づいて算出された情報のグラフを作成する。
図4に示すグラフは、1時間ごとの作業時間を表したグラフの一例である。また
図5に示すグラフは、1時間ごとの作業濃度を表したグラフの一例である。ここでいう1時間ごとの作業時間とは、アプリケーションごとに区別される。すなわち、例えば7:00-8:00のデータは7:00から8:00までに作業に用いられた各アプリケーションの作業時間を積算した積算縦棒グラフで表される。積算縦棒グラフは、各アプリケーションが区別できるような表示態様で積算された棒グラフである。具体的には、積算棒グラフは、アプリケーションの種類ごとに塗りつぶしの色等の表示態様が異なるように表された棒グラフであり、各棒の長さが作業時間のデータに対応して表される。なお、
図4及び
図5では1時間ごとのデータが表されるが、時系列に沿ったデータであれば1時間ごとのデータに限定されるものではなく、例えば2時間ごとであってもよい。また、各データの区切り方は、設定される全体時間帯に応じて変更されるものであってもよく、何時間ごとのデータとするかが直接設定されてもよい。
【0105】
図6は、アクティブウィンドウごとの作業濃度の標準化係数を表した棒グラフである。この作業濃度の標準化係数を表したグラフは、設定時間帯ごとに作成され、アクティブウィンドウに対応した同じファイル又はウェブページが表示された際の全体時間帯の作業濃度を基準とした、設定時間帯におけるアクティブウィンドウに対応した同じファイル又はウェブページの作業濃度の標準化係数が表示される。なお、標準化係数グラフの棒部分は、各ファイル又はウェブページに対応したアプリケーションの種類に応じて色やテクスチャーが異なるように表示されてもよい。
【0106】
表示制御部140は、表示装置400に対する表示を制御する。具体的には、
図4から
図6までに示したような表作成部130及びグラフ作成部135で作成された作業表及び作業グラフの表示を行う。表示制御部140により表示される作業表及び作業グラフは、マウス200及びキーボード300などを用いたユーザの入力操作により表示内容が切り替えられるように構成されてもよい。また、表示される作業表と作業グラフとを同時に表示する場合、表示される作業表と作業グラフとの内容は互いに対応するものであることが好ましい。
【0107】
[1-2.処理]
<作業取得処理>
次に、処理部10が作業取得部110、作業集計部115及び作業記録部120として実行する作業取得処理について
図7のフローチャートを用いて説明する。なお、作業取得処理の開始は種々のタイミングで行われてもよい。例えば、作業取得処理に対応したソフトウェアが実行された際に開始されてもよい。また、PC100において、作業に用いているアクティブウィンドウが変更された際に開始されてもよい。また、PC100及び処理部10の電源がオンになった際に開始されてもよい。
【0108】
PC100と処理部10とが別体として構成されている場合には、PC100から処理部10に作業取得処理に対応したソフトウェアを実行するように操作された際に通信などにより処理部10がその操作を取得し、開始されてもよい。また、PC100において、作業に用いているアクティブウィンドウが変更された際に処理部10にその情報が送信され、処理部10がその情報を受けて開始してもよい。また、PC100から電源がオンになったとの情報を処理部10に送信し、開始されてもよい。
【0109】
作業取得部110、作業集計部115及び作業記録部120として実行する作業取得処理は、PC100と処理部10とが一体となって構成されている場合には、PC100及び処理部10の内部での処理により実現されてもよい。
【0110】
また、作業取得部110、作業集計部115及び作業記録部120をPC100が機能的構成として備える場合には、PC100が実行するものであってもよい。
S110で、作業取得部110は、PC100から変更されたアクティブウィンドウの作業に関する情報を取得する。すなわち、例えば、ある1つのウィンドウAwAから別の1つのウィンドウAwBにアクティブウィンドウが切り替わった場合、アクティブウィンドウとして表示されていたウィンドウAwAを閉じた場合などにアクティブウィンドウであったウィンドウAwAの作業に関する情報を取得する。
【0111】
S120で、作業集計部115は、S110で取得した作業に関する情報を集計する。
S130で、作業記録部120は、S120で集計された情報を作業情報として記録し、作業取得処理を終了する。
【0112】
<表示制御処理>
次に処理部10が作業算出部125、表作成部130、グラフ作成部135及び表示制御部140として実行する表示制御処理について
図8のフローチャートを用いて説明する。なお、表示制御処理は、例えば、あらかじめ決められたソフトウェア上で、作業算出部125による算出、表作成部130による表の作成及びグラフ作成部135によるグラフの作成を行うようユーザにより操作されたタイミングで開始されてもよい。なお、表示制御処理が開始されるタイミングは、ユーザにより操作されたタイミングに限定されるものではなく、例えば、作業取得処理が開始されてから一定の時間経過したタイミングで実行されてもよく、あらかじめ決められた時刻に実行されてもよい。またあらかじめ決められた時刻は、7:00や8:00等の正時になった際に実行されてもよい。
【0113】
作業算出部125、表作成部130、グラフ作成部135及び表示制御部140として実行する表示制御処理は、PC100と処理部10とが一体となって構成されている場合には、PC100及び処理部10の内部での処理により実現されてもよい。
【0114】
また、作業算出部125、表作成部130、グラフ作成部135及び表示制御部140として実行する表示制御処理をPC100が機能的構成として備える場合には、PC100が実行するものであってもよい。
【0115】
S210で、作業算出部125は、表示する対象となる対象情報を表した選択情報を取得する。選択情報は、例えば、ユーザに対象情報を選択する入力を行うようにユーザに促し、その入力された情報を選択情報として取得してもよい。選択情報の例としては、作業時間、作業濃度、作業時間割合及び標準化係数を表した作業表、作業グラフのうち、いずれを表示するかを表した情報であってもよい。また、選択情報には、全体時間帯及び複数の設定時間帯のうち、いずれの設定時間帯の情報を表示するかを表した情報が含まれてもよい。さらに、選択情報には、作業表、作業グラフのそれぞれが複数存在する場合には、そのいずれを表示するかの選択を表した情報を含んでいてもよい。また、選択情報には、ユーザなどにより設定された設定時間帯の長さの情報が含まれてもよい。
【0116】
S220で、作業算出部125は、S210で取得された選択情報に対応する作業情報を、作業取得処理のS130において記録された作業情報から読み出す。ここで読み出される選択情報に対応する作業情報とは、対象情報そのものに加え、対象情報を算出するために必要な情報が含まれてもよい。すなわち、対象情報が作業情報として既に集計されている情報である場合には、作業情報そのものを読み出してもよく、対象情報が既に集計されている作業情報を用いて算出された情報である場合には、その算出に必要な情報が読み出されてもよい。
【0117】
S230で、作業算出部125は、S210で取得された選択情報及びS220で読み出された作業情報に基づいて、選択情報に対応した、全体時間帯及び各設定時間帯における、作業時間、作業濃度、作業時間割合及び標準化係数を、対象情報として算出する。
【0118】
S240で、表作成部130は、S230で算出された対象情報に対応した作業表を作成する。
S250で、グラフ作成部135は、S230で算出された対象情報に対応した作業グラフを作成する。
【0119】
S260で、表示制御部140は、S210で取得した選択情報に対応した対象情報を表すS240で作成された作業表及びS250で作成された作業グラフを表示装置400に表示する。なお、表示される作業表と作業グラフとは、対応した内容を表すものであることが好ましい。また、作業表及び作業グラフの両方を表示させるものに限定されるものではなく、作業表及び作業グラフの一方を表示させるものであってもよい。
【0120】
<処理全体の説明>
作業取得部110、作業集計部115、作業記録部120、作業算出部125、表作成部130、グラフ作成部135及び表示制御部140が、各処理を実行することによる処理部10が行う処理の全体の流れについて説明する。
【0121】
まず、ユーザは、PC100を用いて作業を行う。この際、作業に用いられるアプリケーションが実行され、ウィンドウが表示される。ここでは、アプリケーションが実行されることにより、アクティブウィンドウがウィンドウAwA、ウィンドウAwB、ウィンドウAwCの順に切り替わった例に適用して説明する。
【0122】
処理部10は、アクティブウィンドウとして、ウィンドウAwAの表示が終了した時点、言い換えると、アクティブウィンドウがウィンドウAwAでなくなった時点で、当該ウィンドウAwAを用いた作業に関する作業取得処理Paを実行する。同様に、アクティブウィンドウがウィンドウAwBでなくなった時点及びアクティブウィンドウがウィンドウAwCでなくなった時点でそれぞれ、作業取得処理Pb及び作業取得処理Pcを実行する。
【0123】
処理部10はあらかじめ決められたタイミングである算出タイミングで、作業濃度及び標準化係数を算出する。ここでいう、算出タイミングとは、あらかじめ決められた周期で繰り返し設定されてもよい。例えば、算出タイミングは、作業濃度及び標準化係数が算出可能なパラメータが揃うタイミングに設定されてもよい。また、算出タイミングは、処理部10と接続されたPCにおいてユーザにより作業濃度及び標準化係数の算出を行うように操作されたタイミングに設定されてもよい。また、この場合、算出するよう操作されたタイミングにおいて算出に必要なパラメータがユーザにより設定されてもよい。さらに、算出タイミングは、設定時間帯と同じ周期に設定され、設定時間帯の境界のタイミングで実行されるようにしてもよい。
【0124】
そして、処理部10は、作業濃度及び標準化係数を算出すると、それぞれ、作業表の作成、作業グラフの作成、作成された作業表及び作業グラフの表示を行う。
処理部10が行う作業濃度及び標準化係数の算出と、作業表及び作業グラフの作成と、作成された作業表及び作業グラフの表示とは、ユーザが作業表及び作業グラフを表示するよう操作が行われたタイミングで実行されてもよい。
【0125】
なお、処理部10が各処理を実行する例を示したが、処理部10が行う各処理の一部又は全部をPC100が実行してもよい。
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0126】
(1)上記第1実施形態によれば、作成される作業表は、
図4及び
図5に示すように設定時間帯ごとに分割され、それぞれの設定時間帯において、作業に用いられたアプリケーション、作業に用いられたファイル又はウェブページに対応するアクティブウィンドウが表示される。
【0127】
これにより、各設定時間帯において、作業に用いられたアプリケーション、作業に用いられたファイル又はウェブページに対応するアクティブウィンドウが把握しやすい。
(2)上記第1実施形態によれば、作成される作業表において、作業に用いられたアプリケーションごとの作業時間であるアプリケーション作業時間及び設定時間帯における作業に用いられるファイル又はウェブページを表したアクティブウィンドウごとの作業時間であるアクティブウィンドウ作業時間が設定時間帯ごとに区切られて表示される。このため、各設定時間帯におけるアプリケーションごとの作業時間であるアプリケーション作業時間及びアクティブウィンドウごとの作業時間であるアクティブウィンドウ作業時間を把握することができる。
【0128】
(3)また、上記第1実施形態によれば、作成される作業表において、設定時間帯における作業に用いられたアプリケーションごとの単位時間当たりの作業量であるアプリケーション作業濃度及び設定時間帯における作業に用いられたアクティブウィンドウごとの単位時間当たりの作業量であるアクティブウィンドウ作業濃度が表示される。このため、設定時間帯における、アプリケーションを用いた作業の行った単位時間当たりの作業量及びアクティブウィンドウごとの単位時間当たりの作業量を把握することができる。
【0129】
(4)上記第1実施形態によれば、
図5に示すように設定時間帯ごとに作業濃度がグラフとして表示することができる。このため、各設定時間帯における作業濃度の大きさを確認することができる。これにより各時間帯における単位時間当たりの作業量を評価することができる。
【0130】
(5)上記第1実施形態によれば、
図6に示すように作業濃度の標準化係数のグラフが表示される。この作業濃度の標準化係数グラフは、設定時間帯ごとに作成され、同じファイル又はウェブページが表示された際の全体時間帯の作業濃度を基準とした、設定時間帯におけるファイル又はウェブページの作業濃度の標準化係数が表示される。作業濃度の標準化係数は、全体時間帯の作業濃度の分布の中心に対する乖離度合いを示す。このため、設定時間帯における作業濃度が、全体時間帯の作業濃度に対して乖離している度合いを評価することができる。
【0131】
(6)上記第1実施形態によれば、ウィンドウタイトルからファイル名又はウェブページ名を取得し、PC100のシステムファイルからアプリケーション名を取得する。このため、PC100のユーザが細かく記録を取る必要がなく、作業の記録を取ることができる。
【0132】
(7)上記第1実施形態によれば、表示制御処理において、対応した情報の表示において作業表及び作業表に対応した作業グラフが表示される。これにより、ユーザは、作業時間及び作業濃度などの数値データとその数値データを元にしたグラフを参照することにより、作業内容が具体的にイメージしやすくなる。
【0133】
[1-4.第1実施形態の変形例]
(1)上記第1実施形態では、PC100への入力インターフェースとして、マウス200及びキーボード300が用いられる。しかし、PC100への入力インターフェースはこのようなインターフェースに限定されるものではなく、PC100への入力を行うことができるものであればよい。さらに入力インターフェースとしては、作業の量に応じて、操作量が増加するものであることが好ましい。
【0134】
入力インターフェースには、例えば、PC100に接続され、数字の入力などに用いられるテンキーが含まれてもよい。
(2)また、マウス200、キーボード300及び表示装置400など、PC100に接続される周辺機器にPC100に入出力がなされる。しかし、PC100に対する入出力は、マウス200、キーボード300及び表示装置400を用いた入出力に限定されるものではない。例えば、マウス200のような一般的なマウスの代わりに、タッチパネルやタッチパッドが用いられてもよい。
【0135】
また、PC100に対して入出力を行う周辺機器は、PC100と接続されるものに限定されるものではなく、PC100と一体となって用いられる入出力インターフェースであってもよい。すなわち、PC100と一体となって用いられる入力インターフェースとしては、例えば、PC100と一体に構成されるタッチパネルやタッチパッドが用いられてもよい。また、PC100と一体となって用いられる出力インターフェースとしては、例えば、PC100と一体に構成される表示画面であってもよい。
【0136】
さらに、タッチパネルやタッチパッドを用いた構成である場合、タッチパネルやタッチパッドを用いたタップ操作やフリック操作などのタッチ操作を取得してもよい。すなわち、タッチ操作に基づいて、マウスストローク数に相当するタッチストローク数が算出されてもよい。タッチストローク数は、マウスストローク数の代わりに算出されてもよく、タッチストローク数がマウスストローク数に加えて算出される構成であってもよい。
【0137】
(3)上記第1実施形態では、
図4に示すようなグラフは、積算縦棒グラフであるが、作業時間を表したグラフは、積算縦棒グラフに限定されるものではない。例えば、縦棒グラフや横棒グラフでもよく、折れ線グラフであってもよく種々の表示態様により表示されてもよい。
【0138】
また、上記第1実施形態では、作業に用いられたアプリケーションごとに区別されて表示された。しかしながら、作業時間を表したグラフは、アプリケーションごとに区別されて表示されるものに限定されるものではない。例えば、作業時間を表したグラフは、アプリケーションごとに区別することなく表示してもよい。また、作業時間を表したグラフは、アクティブウィンドウごとに区別して表示されてもよい。
【0139】
(4)上記第1実施形態では、ファイル名又はウェブページ名の取得は、ウィンドウタイトルを取得することにより行われる。しかし、ファイル名又はウェブページ名の取得は、ウィンドウタイトルとして取得されたものをすべて取得しなくてもよい。例えば、ウィンドウタイトルが作業を伴わないアプリケーションやファイル又はウェブページを表したものである場合には、取得しなくてもよい。作業を伴わないウィンドウタイトルとは、例えば、「処理しています」、「アップロード中」「ダウンロード中」などといった、PC100の内部の処理の進捗状況を示すものをいう。このように作業を伴わないウィンドウタイトルがあらかじめ取得されないようにすることにより、当該作業を伴わないアプリケーション、ファイル又はウェブページの作業情報が作業表及び作業グラフに表示されることを抑制することができる。
【0140】
また、ウィンドウタイトルが取得されていても、アプリケーション名が取得されていないものをファイル名又はウェブページ名として取得しないように構成されてもよい。さらに、キーボードやマウスのストローク数が0のウィンドウのウィンドウタイトルはファイル名又はウェブページ名として取得しないように構成されてもよい。また、作業時間があらかじめ決められた時間以下のウィンドウのウィンドウタイトルをファイル名又はウェブページ名として取得しなくてもよい。
【0141】
このように、作業を伴わないアプリケーション、ファイル又はウェブページが表示されることが抑制されることにより、作業を伴うアプリケーション、ファイル又はウェブページが表示され、作業の振り返りのしやすさを向上させることができる。
【0142】
(5)上記実施形態では、作業濃度の算出において、マウスストローク数及びキーボードストローク数は、ファイル、ウェブページ又はアプリケーションの種類ごとに区別せず算出した。しかし、マウスストローク数及びキーボードストローク数は、ファイル、ウェブページ又はアプリケーションの種類ごとに対応した係数を掛け合わせて作業濃度を算出してもよい。ここで、ファイル、ウェブページ又はアプリケーションの種類ごとに対応した係数は、そのファイル、ウェブページ又はアプリケーションを用いて操作する入力装置の種類に応じて変更してもよい。
【0143】
(6)上記実施形態では、処理部10に、機能的構成として、作業取得部110、作業集計部115、作業記録部120、作業算出部125、表作成部130、グラフ作成部135及び表示制御部140が含まれる。しかし、処理部10の機能的構成として、上記のすべてが含まれる必要はない。処理部10とは別に備えられたサーバなどが一部又は全部の機能的構成を有してもよい。仮にサーバが一部又は全部の機能的構成を有する場合、複数のPCが当該サーバを共有するように構成されていてもよい。
【0144】
(7)上記実施形態では、ログ情報にマウス操作ログ及びキーボード操作ログが含まれると記載したが、マウス操作ログとキーボード操作ログとは区別されて記録されてもよい。
また、アプリケーション及びアクティブウィンドウを表したログ情報も区別されて記録されてもよい。
【0145】
また、マウス操作及びキーボード操作が行われるごとにログが記録されるものに限定されるものではない。この場合、操作が行われるごとに記録されなくてもよく、例えば、あらかじめ決められた時間で周期的に記録されてもよい。なお、記録される時間周期の長さは、操作の内容を検出できる程度の長さであれば、特に限定されるものではない。あらかじめ決められた時間で周期的に操作が記録される場合、マウスクリック数、マウスストローク数及びキーボードストローク数は、記録された当該記録されたログのうち、当該記録に対応する操作を取得して集計してもよい。
【0146】
(8)上記第1実施形態では、作業表及び作業グラフにおいて、ファイル名、ウェブページ名及びアプリケーション名を表示するとしたが、このような構成に限定されるものではない。ファイル名、ウェブページ名及びアプリケーション名を置き換えて表示するようにしてもよい。
【0147】
また、作業の内容についてはウィンドウタイトル名から判定したが、ウィンドウタイトルのタイトル名に限定されるものではない。例えば、システムログから実行しているファイル等の拡張子を取得し、取得された拡張子から作業を行っている内容を判定してもよい。
【0148】
(9)上記第1実施形態では、業務分析システム1が備えるPC100は、一般的に用いられるパーソナルコンピュータであるとしたが、業務分析システム1が備える装置はパーソナルコンピュータに限定されるものではない。業務分析システム1が備える装置としては、例えば、いわゆるタブレットやスマートフォンなどであってもよい。
【0149】
(10)上記第1実施形態では、作業濃度の標準化係数が算出される。ここで、作業濃度の標準化係数の値が閾値以上のものを異常値として検出されてもよい。作業濃度の標準化係数は、全体時間帯での作業濃度の分布の中心からの乖離度合いを表すため、異常値が検出されることにより、作業濃度の評価を行うことができる。具体的には、全体時間帯での作業濃度を基準として、閾値以上に乖離した各設定時間帯における作業濃度を抽出することにより、全体時間帯での作業に比べて、作業濃度が著しく高いか低いかを判定することができる。
【0150】
(11)また、異常値を検出するための閾値は、当該業務分析プログラムを実行するユーザによって変更可能に設定された設定値であってもよい。
(12)さらに、異常値の検出は、作業濃度の標準化係数の値が閾値以上であるとの条件に限定されるものではない。種々分布の中心からの乖離度合いが大きいものを異常値として検出してもよい。
【0151】
(13)また、標準化係数を表したグラフにおいて、異常値となる条件を満たすデータは強調表示されてもよい。これにより、異常値を表すことが視覚的に認識しやすくなる。
(14)上記第1実施形態では、標準化係数は、作業濃度の標準化係数を算出する。しかし、標準化係数を算出するものは、作業濃度に限定されるものではない。具体的には作業時間の標準化係数が求められてもよい。ここで、標準化係数が算出される指標は、分布の平均より外れているか否かを判定することによりユーザの振り返りに有用であるものが好ましい。また、標準化係数が算出される指標は平均より高い場合に良い評価が得られる指標であってもよく、平均より低い場合に良い評価が得られる指標であってもよい。
【0152】
(15)上記第1実施形態では、作業表において、作業濃度、作業時間及び作業時間割合が表示されるが、作業表に表示される内容は、これらの情報に限定されるものではない。作業表に表示される内容には、例えば、標準化係数の情報が含まれてもよい。同様に作業グラフにおいて作業時間割合が表示されてもよい。
【0153】
(16)上記第1実施形態において、作業濃度は、正規化後の値を単位時間で除算することにより算出される。しかし、作業濃度は、正規化後の値を単位時間で除算するものに限定されない。例えば、正規化を行わず、マウスストローク数、キーボードストローク数又はそれらの合計を単位時間で除算することにより算出されてもよい。
【0154】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
第2実施形態の業務分析システム2は複数のPC100の業務分析を行うために用いられる。
【0155】
第2実施形態の業務分析システム2は、
図9に示すように、複数のPC100が処理部10とネットワークで接続された例に適用して説明する。なお、複数のPC100は、それぞれが第1実施形態と同様にマウス200、キーボード300及び表示装置400が接続可能に構成される。なお、
図9において、複数のPC100それぞれに接続された、マウス200、キーボード300及び表示装置400の記載は省略する。また、以下では、複数のPC100を区別する場合には、複数のPC100をPC100a、PC100b、PC100c及びPC100dというようにそれぞれ表記する。なお、本実施形態では、複数のPC100のうち、PC100aを用いて、PC100a及び他のPC100であるPC100b、PC100c及びPC100dの作業情報に基づいて業務分析を行う例に適用して説明する。なお、PC100aのユーザを、以下ではマネージャとも表記する。なお、
図9では、業務分析システム2に含まれるPC100の数は4つであるが、PC100の数は4つに限定されるものではなく、4つより多くてもよく、4つ未満でもよい。
【0156】
処理部10の基本的な構成は第1実施形態の処理部10と同様である。
第2実施形態の作業算出部125は、処理部10とネットワークで接続されたPC100a、PC100b、PC100c及びPC100dのうち、少なくとも1つのPC100の作業情報を取得する。作業算出部125による作業情報の取得は、取得する作業情報を記録したPC100による操作により送信された情報を作業算出部125が受信することにより取得するように構成されてもよく、作業情報を記録したPC100を操作することにより作業情報が取得されてもよい。また、少なくとも1つのPC100が属するグループがあらかじめ設定され、設定されたグループを選択することにより当該グループに属するPC100の作業情報を取得してもよい。また、作業情報の取得は処理部10と接続された同一のネットワークに接続されたPC100の全てから取得するものであってもよい。
【0157】
また、作業算出部125は、表示する対象となる対象情報を表した選択情報を取得する。ここで、選択情報は、第1実施形態に記載の選択情報と同一であってもよい。また、選択情報には、さらに処理部10とネットワークで接続されたPC100a、PC100b、PC100c及びPC100dの対象情報を表したものが含まれてもよい。
【0158】
作業算出部125は、対象情報を算出する。作業算出部125は、例えば、複数のPC100のうちの少なくとも1つのPC100における作業情報を母集団として、対象装置の作業濃度及び標準化係数を算出する。なお、母集団は、マネージャなどにより設定可能に構成されてもよい。また、母集団はあらかじめ各PC100が配置される部署と対応してグループ分けがなされてもよい。PC100の作業濃度及び標準化係数の算出は、第1実施形態のものと同様であるが、第2実施形態では、複数のPC100の作業情報を用いてもよい。
【0159】
表作成部130は、作業算出部125での算出結果に基づいて、作業表を作成する。ここで作成される作業表は、第1実施形態の
図2及び
図3に表した作業表と同様のものであるが、第2実施形態では、対象情報及び母集団の情報は、複数のPC100a、PC100b、PC100c及びPC100dのものを含んで算出してもよい。
【0160】
グラフ作成部135は、作業算出部125での算出結果に基づいて、作業グラフを作成する。ここで作成される作業グラフは、第1実施形態の
図4から
図6までに表した作業グラフと同様のものであるが、対象情報及び母集団の情報が、1つのPC100のものであるか複数のPC100a、PC100b、PC100c及びPC100dのものを含み得るかが異なる。例えば、第1実施形態のファイルごとの標準化係数を表した棒グラフは、PC100における作業情報に基づいて算出された標準化係数の棒グラフであるのに対して、第2実施形態のファイルごとの標準化係数を表した棒グラフは、複数のPC100a、PC100b、PC100c及びPC100dの作業情報に基づいて算出された標準化係数を表したものであってもよい。
【0161】
表示制御部140は、表作成部130及びグラフ作成部135により作成された作業表及び作業グラフに加え、表作成部130及びグラフ作成部135により作成された作業表及び作業グラフを表示装置400に表示させる制御を行う。表示制御部140は、表作成部130及びグラフ作成部135により作成された作業表及び作業グラフに加え、表作成部130及びグラフ作成部135により作成された作業表及び作業グラフのいずれを表示させるかを切替可能に構成されてもよい。切替作業は、マネージャによる入力操作により切り替えられてもよい。
【0162】
[2-2.作用]
<作業取得処理>
処理部10が実行する処理の開始タイミングは、第1実施形態と同様であってもよい。また、第1実施形態では、PC100が1つである例を主として示したが、PC100を複数備える場合において、複数のPC100のいずれかにより処理部10による処理を開始するように操作された場合に処理が開始されてもよい。
【0163】
業務分析システム2が備える処理部10は、それぞれ作業取得処理を実施する。すなわち、業務分析システム2が備える処理部10は、それぞれで作業情報の取得、集計及び記録を行う。第2実施形態における業務分析システム2が備える処理部10が実行する作業取得処理は、取得する対象となるPC100の数が複数であってもよい点で異なるが、第1実施形態における業務分析システム1が備える処理部10が実行する作業取得処置と同様であるため説明を省略する。
【0164】
<表示制御処理>
第2実施形態における表示制御処理は、基本的には、第1実施形態の表示制御処理と同様であるため、
図8に示すフローチャートを用いて説明し、第1実施形態との相違点について特に説明する。
【0165】
表示制御処理は、例えば、処理部10がPC100のユーザの一人であるマネージャから表示制御処理を行う操作を取得した際に開始される。なお、表示制御処理は、マネージャが表示制御処理を行う操作がなされた際に、当該操作を処理部10が取得した際に開始されるものに限定されるものではない。例えば、作業取得処理が開始されてから一定の時間経過したタイミングで実行されてもよく、あらかじめ決められた時刻に実行されてもよい。またあらかじめ決められた時刻は、7:00や8:00等の正時になった際に実行されてもよい。
【0166】
S210で、作業算出部125は、表示する対象となる対象情報に対応した選択情報を取得する。選択情報は、マネージャによる操作により作業算出部125が取得してもよい。また、選択情報には、処理部10とネットワークで接続された複数のPC100の選択が含まれてもよい。さらに、選択情報には、母集団とする少なくとも1つのPC100の情報が含まれてもよい。また、選択情報には、全体時間帯及び複数の設定時間帯のうち、いずれの設定時間帯の情報を表示するかの選択が含まれてもよい。さらに、対象情報は、対象装置の作業情報そのものではなく、作業情報に基づいて算出される作業濃度、作業時間割合及び標準化係数を含んでいてもよい。
【0167】
S220で、作業算出部125は、S210で取得された選択情報に対応する作業情報を、作業取得処理のS130において記録された作業情報から取得する。例えば、選択情報が表すPC100bが対象装置である場合、PC100bの作業情報が取得されてもよい。なお、PC100bなどの対象装置の作業情報の取得は、各PC100に記録されたものを読み出すものに限定されるものではなく、送受信などの方法により処理部10に取得されてもよい。
【0168】
S230で、作業算出部125は、S210で取得した全体時間帯の情報及びS220で読み出された作業情報に基づいて、全体時間帯及び各設定時間帯における、作業時間、作業濃度、作業時間割合及び標準化係数を算出する。なお、作業算出部125は、作業時間、作業濃度及び標準化係数の全てを算出しなくてもよい。作業算出部125は、例えば、設定時間帯におけるPC100bの作業時間割合を算出してもよい。
【0169】
S240で、表作成部130は、S230で算出された全体時間帯及び各設定時間帯における、作業時間、作業濃度、作業時間割合及び標準化係数に基づいてS210で取得された選択情報に対応した対象情報を表す作業表を作成する。
【0170】
S250で、グラフ作成部135は、S230で算出された全体時間帯及び各設定時間帯における、作業時間、作業濃度、作業時間割合及び標準化係数に基づいてS210で取得された選択情報に対応した対象情報を表す作業グラフを作成する。
【0171】
S260で、表示制御部140は、S240で作成された作業表及びS250で作成された取得した作業グラフを表示装置400に表示する。なお、表示される作業表と作業グラフとは、対応した内容を表すものであることが好ましい。また、作業表及び作業グラフの両方を表示させるものに限定されるものではなく、作業表及び作業グラフの一方を表示させるものであってもよい。
【0172】
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
【0173】
(1)上記第2実施形態によれば、複数のPC100の作業濃度を母集団として、作業濃度の標準化係数を求めることにより平均に対するばらつきの大きさ、言い換えれば、PC100のユーザの、母集団の中で作業濃度が平均に近いか否かを判定することができる。これにより例えば、以下のように活用することができる。すなわち、標準化係数が大きい場合には、母集団の平均よりも大きく外れていることとなる。このため、平均に近いか否かを判定することができる。また、複数のPC100をまとめたグループを対象にして、その複数のPC100をまとめたグループを含む全体と比較した場合には、そのグループごとの標準化係数が大きいか否かを判定することにより、そのグループごとの特性を判定することができる。これにより、例えば、対象となるグループの作業濃度の標準化係数が大きい場合、全体の平均から外れていると判定することができる。
【0174】
[2-4.第2実施形態の変形例]
(1)上記第2実施形態では、処理部10により、同じネットワーク上のPC100a、PC100b、PC100c、PC100dの作業情報に基づく、作業時間、作業濃度、作業割合が算出される。しかし、作業時間、作業濃度、作業割合の算出は、処理部10が行うものに限定されるものではなく、各PC100a、PC100b、PC100c、PC100dでそれぞれ算出できる場合については各PC100で算出の上、処理部10が算出された当該作業時間、作業濃度及び作業割合を取得するものであってもよい。
【0175】
(2)PC100a、PC100b、PC100c、PC100dそれぞれがPC100と同様の機能的構成を有しなくてもよい。例えば、PC100aが、PC100と同じ機能的構成を有し、他のPC100b、PC100c、PC100dがPC100の機能的構成の一部を有していてもよい。
【0176】
(3)また、PC100の構成の一部又は全部を、サーバが有し、当該サーバと、各PC100がネットワークで接続されてもよい。例えば、作業自体は各PC100で実行され、サーバが作業取得処理及び表示制御処理を行い、各PC100の作業に関する情報の取得、作業情報の集計、作業表及び作業グラフの作成及び各PC100が備える表示装置400への表示制御を行ってもよい。
【0177】
(4)上記第2実施形態において、異常値を検出するための閾値は、当該業務分析プログラムを実行するユーザによって変更可能に設定された設定値であってもよい。ここで、第2実施形態では、設定値の変更は、ユーザによるものに限定されるものではなく、PC100aを操作するマネージャによるものであってもよい。
【0178】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0179】
(1)本開示に記載のPC、業務分析システム及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のPC、業務分析システム及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載のPC、業務分析システム及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記録されてもよい。PC、業務分析システムに含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0180】
(2)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0181】
(3)上述したPC、業務分析システムの他、当該PC、業務分析システムを構成要素とするシステム、当該PC、業務分析システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、業務分析方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0182】
なお、実施形態における作業算出部125が特許請求の範囲における作業算出手段、作業算出部、濃度算出手段及び濃度算出部の一例に相当し、実施形態における表作成部130が特許請求の範囲における表作成手段及び表作成部の一例に相当し、実施形態におけるグラフ作成部135が特許請求の範囲におけるグラフ作成手段及びグラフ作成部としての構成に相当し、実施形態における表示制御部140が特許請求の範囲における表示制御手段及び表示制御部としての構成に相当する。
【符号の説明】
【0183】
1,2…業務分析システム、10…処理部、100,100a,100b,100c,100d…パーソナルコンピュータ(PC)、110…作業取得部、115…作業集計部、120…作業記録部、125…作業算出部、130…表作成部、135…グラフ作成部、140…表示制御部、200…マウス、300…キーボード、400…表示装置、A…並び替えボタン、Ap…アプリケーション欄、Aw…アクティブウィンドウ欄、AwA,AwB,AwC…ウィンドウ、Pa,Pb,Pc…作業取得処理、Tm…設定時間帯欄。