(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】吸排気弁
(51)【国際特許分類】
F16K 24/00 20060101AFI20240415BHJP
F16K 31/24 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
F16K24/00 T
F16K31/24 A
(21)【出願番号】P 2020083187
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】粟津原 光明
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-176836(JP,A)
【文献】特開2020-056439(JP,A)
【文献】特開平08-338548(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0216741(US,A1)
【文献】中国実用新案第202901493(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 21/00-24/06
31/18-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部に吸排気口に連通する空気孔を備え、底部に立て管に連通する連通口を備える弁室と、
前記弁室内に昇降可能に配置されて前記空気孔を開閉する遊動弁体と、
前記遊動弁体に設けられて前記空気孔に連通する副空気孔と、
前記副空気孔を開閉するための弁機構と、
前記遊動弁体に下方から当接可能な状態で前記弁室内に配置され、前記弁室内の水面の昇降に伴って昇降するフロートと、を備え、
前記弁機構は、前記副空気孔を閉鎖する閉位置と当該副空気孔を開く開位置との間で変位可能な状態で前記遊動弁体に保持された弁体と、前記フロートが前記遊動弁体に当接しているときに前記弁体を前記閉位置に維持し、前記フロートが前記遊動弁体から下方に離間すると前記弁体を前記開位置に移動させるリンク機構と、を有し、
前記遊動弁体は、前記空気孔を閉鎖可能な上面を備える弁本体部を備え、
前記弁本体部は、その内側に区画された弁体収容室と、前記弁体収容室の下方において前記フロートが当接可能な被当接部と、を備え、
前記副空気孔は、前記上面に設けられた上側開口と、前記弁体収容室の側壁面に設けられた下側開口と、前記弁本体部を貫通して前記上側開口と前記下側開口とを接続する空気通路と、を備え、
前記弁体は、前記弁体収容室に収容され前記下側開口を開閉し、
前記フロートと前記遊動弁体とが当接した状態で当該遊動弁体が前記空気孔を閉鎖したときに、前記弁体および前記副空気孔は、前記水面から上方に離間していることを特徴とする吸排気弁。
【請求項2】
前記弁機構は、前記遊動弁体に保持されて前記弁体を前記閉位置に付勢する付勢部材を備え、
前記付勢部材は、前記弁体を前記開位置と前記閉位置との間で変位可能に支持することを特徴とする請求項1に記載の吸排気弁。
【請求項3】
前記遊動弁体は、前記弁体収容室から下方に延びて当該弁体収容室と前記弁室とを連通させる連通孔、を備え、
前記リンク機構は、前記連通孔を介して、前記弁体と前記フロートとを接続することを
特徴とする
請求項1または2に記載の吸排気弁。
【請求項4】
前記リンク機構は、前記弁体から前記側壁面とは反対方向に延びる軸部材と、前記フロートから上方に延びて前記連通孔を介して前記弁体収容室内に突出するリンク部材と、を備え、
前記リンク部材は、上端部分に前記軸部材の前記弁体とは反対側の端部分が接続される接続部を備え、
前記遊動弁体に当接している前記フロートが当該遊動弁体から下方に離間すると、前記リンク部材が前記軸部材の前記弁体とは反対側の端部分を下方に移動させて前記弁体を前記閉位置から前記開位置に変位させることを特徴とする
請求項3に記載の吸排気弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水用の立て管の最頂部に取り付けられる吸排気弁に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルやマンションなどの給水系では給水用の立て管の最頂部に吸排気弁が取り付けられている。吸排気弁は、断水などにより給水圧力が低下した場合に、吸排気口から吸気を行って立て管内の負圧を解消して、各戸の末端の給水用具から立て管へ水が逆流することを防止する。また、吸排気弁は、給水用の立て管内が充水される場合に、吸排気口から排気を行って立て管内の空気を排出する。吸排気弁の吸排気口にはドレン管が接続されており、吸排気口から水が流出する場合に、その水をドレン管に排出する。
【0003】
このような吸排気弁は、特許文献1に記載されている。同文献の吸排気弁は、弁室と、弁室内に昇降可能に配置された遊動弁体と、弁室内において遊動弁体の下方に配置されたフロート弁体と、を備える。弁室は、天井部に吸排気口に連通する空気孔を備え、底部に立て管と連通する連通口を備える。遊動弁体は、空気孔に連通する副空気孔を備える。副空気孔は、遊動弁体を上下方向に貫通する。フロート弁体は、弁室内の水面の昇降に伴って昇降し、遊動弁体に下方から当接可能である。フロート弁体が遊動弁体に当接すると、遊動弁体によって副空気孔が閉鎖される。
【0004】
立て管に充水が行われ、水が吸排気弁に達すると、フロート弁体は水面の上昇とともに浮上する。すると、フロート弁体は、遊動弁体に下方から当接して、遊動弁体を上方に移動させる。遊動弁体が上方に移動する際に、副空気孔は閉鎖されている。その後、弁室内の水面の上昇と、弁室と空気孔との圧力差により、遊動弁体は弁室の天井部に当接して、空気孔を閉鎖する。遊動弁体が空気孔を閉鎖すると、弁室内の水面は所定の高さに維持される。
【0005】
ここで、立て管内の水に混入した空気が弁室内に溜まると、水面が下がる。このような状態となると、遊動弁体による空気孔の閉鎖が維持されたまま、フロート弁体が傾いて副空気孔を開くので、立て管から弁室内に移動した空気は、副空気孔から、空気孔および吸排気口を介して、外部に排出される。また、空気が外部に排出されると、弁室内の水面が上昇する。従って、フロート弁体の姿勢は元に戻り、副空気孔が閉鎖される。このような副空気孔を開閉する動作を繰り返すことにより、吸排気弁は、脈動や腐食などの要因となる空気を立て管の内部から自動的に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
吸排気弁の弁室には、立て管からの水とともに、水に混入した異物が侵入することがある。ここで、弁室に侵入した異物がフロート弁体の上面に付着すると、異物が副空気孔とフロート弁体との間に噛み込まれることがある。このような状態となると、フロート弁体が遊動弁体に当接したときに隙間が形成されるので、副空気孔を閉鎖できなくなるという問題がある。副空気孔を閉鎖できなくなると、立て管内の水の圧力によって弁室内の水位が上昇するので、立て管からの水は、弁室から、副空気孔、空気孔を介して、吸排気口から流れ出す。このような場合には、吸排気弁の内部を洗浄して、異物を除去しなければ、
流れ出す水を止めることができなくなる。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、弁室内への異物に侵入に起因して副空気孔が閉鎖できなくなることを防止或いは抑制できる吸排気弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の吸排気弁は、天井部に吸排気口に連通する空気孔を備え、底部に立て管に連通する連通口を備える弁室と、前記弁室内に昇降可能に配置されて前記空気孔を開閉する遊動弁体と、前記遊動弁体に設けられて前記空気孔に連通する副空気孔と、前記副空気孔を開閉するための弁機構と、前記遊動弁体に下方から当接可能な状態で前記弁室内に配置され、前記弁室内の水面の昇降に伴って昇降するフロートと、を備え、前記弁機構は、前記副空気孔を閉鎖する閉位置と当該副空気孔を開く開位置との間で変位可能な状態で前記遊動弁体に保持された弁体と、前記フロートが前記遊動弁体に当接しているときに前記弁体を前記閉位置に維持し、前記フロートが前記遊動弁体から下方に離間すると前記弁体を前記開位置に移動させるリンク機構と、を有し、前記フロートと前記遊動弁体とが当接した状態で当該遊動弁体が前記空気孔を閉鎖したときに、前記弁体および前記副空気孔は、前記水面から上方に離間していることを特徴とする。
【0010】
本発明の吸排気弁では、遊動弁体に設けられた副空気孔の開閉は、遊動弁体に保持された弁体を備える弁機構によって行われる。また、弁体は、フロートの昇降に連動して弁体を変位させるリンク機構により操作される。従って、水面の昇降に伴って昇降するフロートが、直接、副空気孔を閉鎖することがない。よって、立て管からの水とともに弁室に侵入した異物がフロートに付着した場合でも、弁体による副空気孔の開閉が阻害されることがない。ここで、副空気孔を開閉する弁体は、遊動弁体に保持されているので、遊動弁体とともに昇降する。また、立て管への充水が完了して、フロートと遊動弁体とが当接した状態で遊動弁体が空気孔を閉鎖したときに、弁体および副空気孔は、水面から上方に離間する。従って、異物が水とともに弁室に侵入した場合でも、この異物が弁体および副空気孔に付着することを防止或いは抑制できる。従って、弁体と副空気孔との間に異物を噛み込んでしまい、副空気孔が閉鎖不能となることを防止あるいは抑制できる。
【0011】
また、本発明は、前記遊動弁体は、前記空気孔を閉鎖可能な上面を備える弁本体部を備え、前記弁本体部は、その内側に区画された弁体収容室と、前記弁体収容室の下方において前記フロートが当接可能な被当接部と、を備え、前記副空気孔は、前記上面に設けられた上側開口と、前記弁体収容室の側壁面に設けられた下側開口と、前記弁本体部を貫通して前記上側開口と前記下側開口とを接続する空気通路と、を備え、前記弁体は、前記弁体収容室に収容され前記下側開口を開閉することを特徴とする。このようにすれば、立て管への充水が完了して、フロートと遊動弁体とが当接した状態で遊動弁体が空気孔を閉鎖したときに、弁体収容室が水面およびフロートから上方に離間する。これにより、弁室内の水が弁体収容室に達することを防止あるいは抑制できるので、水とともに弁室に侵入した異物が弁体収容室に侵入して、弁体と副空気孔との間に噛み込まれてしまうことを防止或いは抑制できる。また、副空気孔の下側開口は、弁体収容室の側壁面に設けられている。従って、仮に、弁体と副空気孔の下側開口との間に異物が挟まった場合でも、弁体が変位したときに、異物は弁体収容室の側壁面に沿って下方に落下しやすい。
【0012】
本発明において、前記弁機構は、前記遊動弁体に保持されて前記弁体を前記閉位置に付勢する付勢部材を備え、前記付勢部材は、前記弁体を前記開位置と前記閉位置との間で変位可能に支持するものとすることができる。このようにすれば、弁体により副空気孔を閉鎖した状態を維持することが容易である。また、このようにすれば、弁体を付勢する付勢部材を利用して、弁体を変位可能に支持できる。従って、部品点数を抑制できる。
【0013】
本発明において、前記遊動弁体は、前記弁体収容室から下方に延びて当該弁体収容室と前記弁室とを連通させる連通孔、を備え、前記リンク機構は、前記連通孔を介して、前記弁体と前記フロートとを接続するものとすることができる。このようにすれば、遊動弁体の内側に区画された弁体収容室内に配置される弁体と、遊動弁体の下方に位置するフロートとを、リンク機構によって接続することが容易となる。
【0014】
本発明において、前記リンク機構は、前記弁体から前記側壁面とは反対方向に延びる軸部材と、前記フロートから上方に延びて前記連通孔を介して前記弁体収容室内に突出するリンク部材と、を備え、前記リンク部材は、上端部分に前記軸部材の前記弁体とは反対側の端部分が接続される接続部を備え、前記遊動弁体に当接している前記フロートが当該遊動弁体から下方に離間すると、前記リンク部材が前記軸部材の前記弁体とは反対側の端部分を下方に移動させて前記弁体を前記閉位置から前記開位置に変位させるものとすることができる。このようにすれば、リンク機構が簡易となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の吸排気弁では、水面の昇降に伴って昇降するフロートが、直接、副空気孔を閉鎖することがない。よって、立て管からの水とともに弁室に侵入した異物がフロートに付着した場合でも、弁体による副空気孔の開閉が阻害されることがない。また、副空気孔を開閉する弁体は、遊動弁体に保持されているので、遊動弁体とともに昇降する。さらに、弁室内の水面が上昇してフロートと遊動弁体とが当接した状態で遊動弁体が空気孔を閉鎖したときに、弁体および副空気孔は、水面から上方に離間する。これにより、異物が水とともに弁室に侵入した場合でも、この異物が弁体および副空気孔に付着することを防止或いは抑制できる。従って、弁体と副空気孔との間に異物を噛み込んでしまい、副空気孔が閉鎖不能となることを防止あるいは抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明を適用した吸排気弁の設置状態の説明図である。
【
図3】吸排気弁の断面を斜め上方から見た場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態である吸排気弁を説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した吸排気弁の設置状態の説明図である。
図2は、吸排気弁の縦断面図である。
図3は、吸排気弁の断面を斜め上方から見た場合の断面図である。
図4は、吸排気弁の分解斜視図である。なお、
図3、
図4において、遊動弁体は、切欠かれている。
【0019】
図1に示すように、本例の吸排気弁1は、ビルやマンションなどの建造物の給水用の立て管2の最頂部に取り付けられる。立て管2は、金属製、或いはポリエチレン製である。本例では、立て管2の先端には止水栓3が接続されている。吸排気弁1は、止水栓3を介して立て管2に接続されている。
【0020】
ここで、立て管2の側方には、排水ホッパー5が設けられている。また、吸排気弁1には、ドレン管6に接続されている。ドレン管6は、吸排気弁1から排水ホッパー5の側に向かって側方に延びた後に下方に屈曲する。ドレン管6の下端開口は、上下方向で予め定められた隙間を開けて排水ホッパー5に対向する。以下では、吸排気弁1を、立て管2の
上部に設置した設置姿勢で説明する。また、立て管2の管軸Lに沿った方向を上下方向Xとする。立て管2とドレン管6とが配列されている方向を直交方向Yとする。上下方向Xと直交方向Yとは直交する。
【0021】
(吸排気弁)
図2、
図3、
図4に示すように、吸排気弁1は、止水栓3を介して立て管2に接続されるハウジング部材11と、ハウジング部材11に上方X2から被せられた環状のボンネット部材12と、ボンネット部材12に上方X2から取り付けられた外部排水用カバー13と、を有する。外部排水用カバー13は吸排気口14を備える。吸排気口14には、ドレン管6が接続される。また、吸排気弁1は、ボンネット部材12の内周側に空気孔15を区画する空気孔構成部材16と、空気孔構成部材16をボンネット部材12に固定するキャップ17と、を備える。
【0022】
図4に示すように、ハウジング部材11は、止水栓3が接続される接続管部分21と、接続管部分21の上端部分から外周側に向かって上方X2に延びる環状底部分22と、環状底部分22の外周側の端縁から上方X2に延びる筒状胴部分23と、を備える。筒状胴部分23の上端部分の外周面には雄ねじ23aが設けられている。ボンネット部材12は、筒部25と、筒部25の上端縁から内周側に延びる環状板部26と、環状板部26における径方向の途中から上方X2に突出する環状突部27と、を備える。筒部25の内周面には、筒状胴部分23の雄ねじ23aに螺合する外側雌ねじ25aが設けられている。環状突部27の内周面には内側雌ねじ27aが設けられている。
【0023】
図3に示すように、ボンネット部材12とハウジング部材11とは、ボンネット部材12の外側雌ねじ25aに、ハウジング部材11の雄ねじ23aが捩じ込まれることにより、一体とされる。ボンネット部材12の筒部25とハウジング部材11の筒状胴部分23の間には、Oリング29が挿入されている。
【0024】
図2に示すように、空気孔構成部材16は、筒状の空気孔構成部31と、空気孔構成部31の上端縁から外周側に広がる環状のフランジ部32と、を備える。空気孔構成部31はボンネット部材12(環状板部26)の中心孔に挿入されている。フランジ部32は環状板部26における環状突部27の内周側に位置する。ここで、ボンネット部材12と空気孔構成部材16との間には、パッキン34が挟まれている。
【0025】
図4に示すように、キャップ17は、空気孔構成部材16のフランジ部32に上方X2から当接する環状板部35、環状板部35の外周縁から上方X2に延びる環状壁部36、および、環状壁部36の上端縁から外周側に突出する環状フランジ部37を備える。環状壁部36の外周面には、ボンネット部材12の環状突部27の内側雌ねじ27aと螺合可能な雄ねじ36aが設けられている。
図2に示すように、キャップ17は、環状壁部36が環状突部27の内周側に捩じ込まれ、環状フランジ部37が環状突部27の上端面に当接した状態でボンネット部材12に固定される。これにより、空気孔構成部材16は、ボンネット部材12との間にパッキン34を挟んだ状態で、ボンネット部材12に固定される。
【0026】
パッキン34は、空気孔構成部材16の空気孔構成部31と、ボンネット部材12の環状板部26の内周端との間から下方X1に突出する環状の突出部分を備える。空気孔構成部材16の空気孔構成部31の中心穴は、空気孔15である。パッキン34の突出部分は、空気孔15を包囲する。パッキン34の突出部分は、空気孔15を開閉する遊動弁体61が当接する弁座39である。
【0027】
次に、外部排水用カバー13は、
図4に示すように、ボンネット部材12の環状突部2
7の外周側に位置する筒部41と、筒部41の上方X2で直交方向Yに延びる管部42と、筒部41と管部42との間を接続する流路構成部43と、を備える。外部排水用カバー13は、複数本のねじ45によってボンネット部材12に固定される。筒部41と環状突部27との間には、Oリング46が介在する。管部42の先端は吸排気口14である。外部排水用カバー13がボンネット部材12に固定されると、外部排水用カバー13の内側は、空気孔15と吸排気口14とを連通させる内部流路44となる。内部流路44は、空気孔15から、上方X2に向かって側方に屈曲して、吸排気口14に至る。
【0028】
内部流路44には整流ネット50が収容されている。整流ネット50は、金属製または樹脂製の網状の部材である。整流ネット50は、筒部47と、筒部47の上側を閉鎖する閉鎖部48と、を備える。整流ネット50は、キャップ17の環状板部35に載置される。整流ネット50は、吸排気口14から空気孔15に向かう空気を整流する。これにより、吸排気弁1が吸排気口14から吸気を行う際の吸気量を大きくすることができる。また、整流ネット50は、吸排気口14の側から吸排気弁1の内部に異物や虫が侵入することを防止する。
【0029】
ここで、
図2、
図3に示すように、ハウジング部材11、ボンネット部材12および空気孔構成部材16により囲まれた空間は弁室51である。弁室51は、天井部に、吸排気口14に連通する空気孔15を備える。また、弁室51は、底部に、接続管部分21を介して立て管2に連通する連通口52を備える。
【0030】
図2に示すように、弁室51は、内部にバケット55を備える。
図4に示すように、バケット55は、輪郭形状が円形のバケット底部56と、バケット底部56の外周縁から上方X2に延びるバケット筒部57と、バケット筒部57の上端から外周側に突出するバケットフランジ部58と、を備える。バケット底部56およびバケット筒部57には、複数の開口59が設けられている。従って、水はバケット55の内側に侵入する。
図3に示すように、バケットフランジ部58は、ハウジング部材11とボンネット部材12との間に挟まれている。これにより、バケット55は、弁室51内で固定されている。
【0031】
また、弁室51内には、遊動弁体61、フロート62、およびコイルバネ63が収容されている。
図2、
図3に示すように、遊動弁体61は、バケット55内を昇降可能に配置されている。遊動弁体61は、空気孔15を開閉する。フロート62は、バケット55内に配置され、弁室51内の水面の昇降に伴って昇降する。フロート62は、遊動弁体61に下方X1から当接可能である。コイルバネ63は、バケット55内において、フロート62の外周側に配置されている。コイルバネ63はフロート62を囲んでいる。
【0032】
図4に示すように、フロート62は、下方X1に向かって外径寸法が小さくなる円錐台形状のフロート本体部65と、フロート本体部65から外周側に突出する複数のリブ66と、を備える。各リブ66は、上下方向Xに延びる。また、各リブ66は、フロート本体部65の外周面に等角度間隔で設けられている。各リブ66を上下方向Xと直交する仮想面で切断した断面は、径方向外側に向かって先細りとなる山型である。ここで、各リブ66は、下方X1に向かってフロート本体部65から突出量が大きくなる。これにより、各リブ66の稜線は、フロート本体部65の中心軸線と平行に延びる。
【0033】
図2に示すように、遊動弁体61は、空気孔15を閉鎖可能な上面71aを備える弁本体部71と、弁本体部71の外周縁から下方X1に延びる筒状のスカート部72と、を有する。弁本体部71を上方X2から見た場合の輪郭形状は円形である。弁本体部71には、空気孔15に連通する副空気孔60が設けられている。スカート部72は、円筒形状である。
図3に示すように、スカート部72には、フロート62の上側部分が挿入される。スカート部72の下端には、コイルバネ63の上端が当接する。ここで、コイルバネ63
は、遊動弁体61を弁座39に付勢する。
【0034】
弁本体部71は、内側に区画された弁体収容室74と、弁体収容室74の下方X1においてフロート62が当接可能な被当接部75と、を備える。被当接部75は、円環状である。スカート部72は、被当接部75の外周側の端縁から下方X1に延びる。被当接部75には、フロート62(フロート本体部65)の上面の外周縁部分が下方X1から当接する。
【0035】
図4に示すように、弁体収容室74は、上下方向Xから見た場合に、弁本体部71の中央部分に設けられている。また、弁体収容室74は、弁本体部71にトンネル状に設けられている。弁体収容室74は、弁本体部71の上下方向Xの中央部分において、直交方向Yの一方側の端から他方側に向かって延びる。従って、弁体収容室74の直交方向Yの一方側の端は開口している。弁体収容室74の直交方向Yの他方側の端には、側壁面76が存在する。側壁面76は上下方向Xに延びる。
【0036】
さらに、弁体収容室74は、
図2に示すように、直交方向Yの一方側から他方側に向かって、内径寸法が大きい大径部77と、内径寸法が大径部77をよりも小さい小径部78と、大径部77と小径部78との間で直交方向Yの一方側を向く環状面79と、を備える。側壁面76は、小径部78の直交方向Yの一方側の端を封鎖する。
【0037】
図4に示すように、弁体収容室74は、弁体収容室74の側壁面76から離間する位置から下方X1に延びる連通孔80を備える。
図2、
図3に示すように、連通孔80は、環状の被当接部75の内周側において、弁体収容室74と弁室51とを連通させている。
【0038】
ここで、副空気孔60は、弁本体部71の上面71aに設けられた上側開口82と、弁体収容室74の側壁面76に設けられた下側開口83と、弁本体部71を貫通して上側開口82と下側開口83とを接続する空気通路84と、を備える。空気通路84は、下側開口83から直交方向Yに延びる横通路84aと、上側開口82から下方X1に延びて横通路84aに連通する縦通路84bと、を備える。従って、副空気孔60は、弁体収容室74の側壁面76から直交方向Yの他方側に延びた後に、上方X2に屈曲して、弁本体部71の上面71aに達している。
【0039】
弁体収容室74内には、直交方向Yの一方側から他方側(側壁面76の側)に向かって、止め輪86、バネ受け部材87、コイルバネ88(付勢部材)、および、弁体89が、この順に同軸に配置されている。弁体89は、副空気孔60を開閉するものである。
図4に示すように、バネ受け部材87は、円環状である。止め輪86は、外周側に張り出す複数の突起を備えるCR形止め輪である。止め輪86は、直交方向Yにおける大径部77の途中に取り付けられて、バネ受け部材87を環状面79に当接させる。止め輪86は、バネ受け部材87が直交方向Yの他方側に移動するのを阻止する。コイルバネ88は、バネ受け部材87と弁体89との間に配置されて、弁体89を側壁面76に向かって付勢する。ここで、弁体89は、止め輪86、バネ受け部材87、およびコイルバネ88を介して遊動弁体61に保持されている。従って、弁体89は、遊動弁体61と一体に昇降する。また、弁体89は、コイルバネ88により、側壁面76に対して正対して下側開口83を閉鎖する閉位置89Aと、側壁面76に対して傾斜して下側開口83を開放する開位置89Bとの間で変位可能に支持されている(
図5参照)。
【0040】
図4に示すように、弁体89には、側壁面76とは反対方向に延びる軸部材91が取り付けられている。
図2に示すように、軸部材91は、コイルバネ88、バネ受け部材87、止め輪86を貫通して、連通孔80の上方X2まで延びる。一方、フロート62には、フロート本体部65の外周縁部分から上方X2に延びるリンク部材92が取り付けられて
いる。リンク部材92は、連通孔80を介して、弁体収容室74内に突出する。リンク部材92は、上端部分に軸部材91が接続される接続部93を備える。接続部93は、上下方向Xに延びる長孔93aと、リンク部材92の外周縁から長孔93aの下端部分に連通する切欠き93bと、を備える。軸部材91の端部分は、切欠き部93bを介して、長孔93aに挿入されている。
【0041】
ここで、
図2に示すように、止め輪86、バネ受け部材87、コイルバネ88(付勢部材)、弁体89、軸部材91、およびリンク部材92は、副空気孔60を開閉するための弁機構95を構成する。コイルバネ88は、弁体89を弁体収容室74の側壁面76に向かって付勢する。また、コイルバネ88は、弁体89を、副空気孔60を閉鎖する閉位置89Aと、副空気孔60を開く開位置89Bとの間で変位可能に支持する(後述する
図5参照)。
【0042】
また、軸部材91、およびリンク部材92は、フロート62の昇降に伴って弁体89を閉位置89Aと開位置89Bとの間で変位させるリンク機構96を構成する。リンク機構96は、フロート62が遊動弁体61の被当接部75に当接しているときに、弁体89を閉位置89Aに維持する。また、リンク機構96は、フロート62が遊動弁体61の被当接部75から下方X1に離間すると、弁体89を開位置89Bに移動させる。
【0043】
(吸排気動作)
図5は吸排気弁1による吸排気動作の説明図である。
図5を参照して吸排気弁1による吸排気動作を説明する。
図5(a)は、吸排気弁1が空気を排出している状態である。
図5(b)は、立て管2への充水が完了した後の状態である。
図5(c)は、立て管2の側に負圧が発生した状態である。
【0044】
立て管2への充水が完了する前の状態では、
図5(a)に示すように、遊動弁体61は、コイルバネ63によって、弁座39に付勢されている。従って、遊動弁体61は、空気孔15を閉鎖している。フロート62は、自重によって、バケット55の底部56に載置された状態である。従って、フロート62は、遊動弁体61から下方X1に離間している。
【0045】
フロート62が遊動弁体61から下方X1に離間している状態では、リンク部材92の長孔93aの開口縁が軸部材91の弁体89とは反対側の端部分に上方X2から当接して、軸部材91の弁体89とは反対側の端部分を下方X1に移動させている。これにより、弁体89が側壁面76に対して傾斜する開位置89Bに配置された状態となるので、下側開口83が解放されて、副空気孔60が開く。副空気孔60と空気孔15とは、連通している。
【0046】
立て管2への充水が行われると、立て管2内の空気は、吸排気弁1の弁室51、副空気孔60、空気孔15を介して吸排気口14から外部に排出される。その後、水が吸排気弁1に達すると、弁室51内の水面100の上昇に伴って、フロート62が浮上する。
【0047】
フロート62が遊動弁体61の被当接部75に当接すると、弁機構95の弁体89は閉位置89Aに配置され、副空気孔60を閉鎖する。すなわち、フロート62が遊動弁体61の被当接部75に当接すると、リンク部材92の長孔93aが、副空気孔60の下側開口83と同じ高さに配置される。これにより、弁体89に取り付けられた軸部材91は、直交方向Yを水平に延びた状態で、リンク部材92の長孔93aを貫通する。この結果、弁体89は、側壁面76に正対する閉位置89Aに配置された状態となるので、下側開口83が閉鎖されて、副空気孔60が閉じる。
【0048】
遊動弁体61が空気孔15を閉鎖した状態で副空気孔60が閉鎖されると、弁室51と空気孔15との圧力差により、弁室51内の水面100は、所定の高さに維持される。この状態は、
図5(b)に示す状態であり、充水が完了した状態である。
【0049】
充水が完了した状態では、フロート62は、弁室51内で最も上昇した上昇位置62Aに配置される。上昇位置62Aにあるフロート62の上面と水面100の高さ位置とは略同一である。フロート62が上昇位置62Aに配置されたとき、すなわち、フロート62と遊動弁体61とが当接した状態で遊動弁体61が空気孔15を閉鎖したときに、弁体89は閉位置89Aに位置し、副空気孔60は閉鎖されている。弁体89および副空気孔60は、水面100から上方X2に離間する。
【0050】
その後、立て管2内の水に混入している空気が上昇して弁室51内に溜まると、水面100が下がる。このような状態となると、遊動弁体61が空気孔15を閉状態に維持した状態で、フロート62が上昇位置62Aから下方X1に移動する。すなわち、フロート62は、遊動弁体61の被当接部75から、下方X1に離間する。
【0051】
ここで、遊動弁体61に当接しているフロート62が当該遊動弁体61から下方X1に移動すると、
図5(a)に示すように、フロート62の移動に伴ってリンク部材92が下方X1に移動する。これにより、リンク部材92が軸部材91の弁体89とは反対側の端部分を下方X1に移動させる。この結果、弁体89が側壁面76に対して傾斜する開位置89Bに配置された状態となるので、下側開口83が解放されて、副空気孔60が開く。
【0052】
副空気孔60が開くと、立て管2内の水から弁室51内に移動した空気は、副空気孔60から、空気孔15および吸排気口14を介して、外部に排出される。
【0053】
内部の空気が副空気孔60を介して排出されると、水面100は、
図5(b)に示す位置まで上昇する。従って、フロート62は、上昇位置62Aに戻り、遊動弁体61の被当接部75に当接する。フロート62が被当接部75に当接すると、リンク部材92の長孔93aが副空気孔60の下側開口83と同じ高さに配置されるので、弁体89に取り付けられた軸部材91は、直交方向Yを水平に延びる。これにより、弁体89は、側壁面76に正対する閉位置89Aに配置されて、副空気孔60を閉じる。このような副空気孔60を開閉する動作が繰り返されることにより、吸排気弁1は、脈動や腐食などの要因となる立て管2内の空気を立て管2の内部から自動的に排出する。
【0054】
ここで、断水などにより給水圧力が低下すると、水面100が下降するとともに、立て管2内に負圧が発生する。すると、水面の下降に伴ってフロート62が下降する。また、負圧による吸引力により、遊動弁体61がコイルバネ63の付勢力に抗して下降する。この結果、
図5(c)に示すように、空気孔15が開放されるので、吸排気弁1による吸気が行われ、立て管2内に空気が供給される。従って、負圧により各戸末端の給水用具から立て管2へ水が逆流することを防止できる。
【0055】
(作用効果)
本例の吸排気弁1では、遊動弁体61に設けられた副空気孔60の開閉は、遊動弁体61に保持された弁体89を備える弁機構95によって行われる。また、弁体89は、フロート62の昇降に連動して弁体89を変位させるリンク機構96により操作される。従って、水面100の昇降に伴って昇降するフロート62が、直接、副空気孔60を閉鎖することがない。よって、立て管2からの水とともに弁室51に侵入した異物がフロート62に付着した場合でも、弁体89による副空気孔60の開閉が阻害されることがない。
【0056】
ここで、副空気孔60を開閉する弁体89は、遊動弁体61に保持されているので、遊
動弁体61とともに昇降する。また、充水が完了してフロート62と遊動弁体61とが当接した状態で遊動弁体61が空気孔15を閉鎖したときに、弁体89および副空気孔60は、水面100から上方X2に離間する。従って、異物が水とともに弁室51に侵入した場合でも、この異物が弁体89および副空気孔60に付着することを防止或いは抑制できる。よって、弁体89と副空気孔60との間に異物を噛み込んでしまい、副空気孔60が閉鎖不能となることを防止あるいは抑制できる。
【0057】
また、弁機構95は、遊動弁体61に保持されて弁体89を閉位置89Aに付勢するコイルバネ88を備える。さらに、コイルバネ88は、弁体89を開位置89Bと閉位置89Aとの間で変位可能に支持する。従って、弁体89により副空気孔60を閉鎖した状態を維持することが容易である。また、弁体89を付勢するコイルバネ88利用して、弁体89を変位可能に支持できるので、部品点数を抑制できる。
【0058】
さらに、本例では、遊動弁体61は、空気孔15を閉鎖可能な上面71aを備える弁本体部71と、弁本体部71の内側に区画された弁体収容室74と、弁体収容室74の下方X1においてフロート62が当接可能な被当接部75と、を備える。また、副空気孔60は、弁本体部71の上面71aに設けられた上側開口82と、弁体収容室74の側壁面76に設けられた下側開口83と、弁本体部71を貫通して上側開口82と下側開口83とを接続する空気通路84と、を備える。さらに、弁体89は、弁体収容室74に収容されて、下側開口83を開閉する。従って、充水が完了してフロート62と遊動弁体61とが当接した状態で遊動弁体61が空気孔15を閉鎖したときに、弁体収容室74が水面100およびフロート62から上方X2に離間する。これにより、弁室51内の水が弁体収容室74に達することを防止あるいは抑制できるので、水とともに弁室51に侵入した異物が弁体収容室74に侵入して、弁体89と副空気孔60の下側開口83との間に噛み込まれてしまうことを防止或いは抑制できる。
【0059】
また、副空気孔60の下側開口83は、弁体収容室74の側壁面76に設けられている。従って、仮に、弁体89と副空気孔60の下側開口83との間に異物が挟まった場合でも、弁体89が変位したときに、異物は側壁面76に沿って下方X1に落下しやすい。
【0060】
さらに、遊動弁体61は、弁体収容室74から下方X1に延びて弁体収容室74と弁室51とを連通させる連通孔80を備える。また、リンク機構96は、連通孔80を介して、弁体89とフロート62とを接続している。従って、遊動弁体61の内側に区画された弁体収容室74内に配置される弁体89と、遊動弁体61の下方X1に位置するフロート62とを、リンク機構96により接続することが容易である。
【0061】
また、リンク機構96は、弁体89から側壁面76とは反対方向に延びる軸部材91と、フロート62から上方X2に延びて連通孔80を介して弁体収容室74内に突出するリンク部材92と、を備える。リンク部材92は、上端部分に軸部材91が接続される接続部93を備える。従って、リンク部材92は、遊動弁体61に当接しているフロート62が遊動弁体61から下方X1に離間すると、軸部材91の弁体89とは反対側の端部分を下方X1に移動させて弁体89を閉位置89Aから開位置89Bに変位させる。よって、リンク機構96の構成が簡易である。
【符号の説明】
【0062】
1…吸排気弁、2…立て管、3…止水栓、4…管継手、5…排水ホッパー、6…ドレン管、11…ハウジング部材、12…ボンネット部材、13…外部排水用カバー、14…吸排気口、15…空気孔、16…空気孔構成部材、17…キャップ、21…接続管部分、22…環状底部分、23…筒状胴部分、25…筒部、26…環状板部、27…環状突部、29…Oリング、31…空気孔構成部、32…フランジ部、34…パッキン、35…環状板部
、36…環状壁部、37…環状フランジ部、39…弁座、41…筒部、42…管部、43…流路構成部、44…内部流路、45…ねじ、46…Oリング、47…筒部、48…閉鎖部、50…整流ネット、51…弁室、52…連通口、55…バケット、56…バケット底部、57…バケット筒部、58…バケットフランジ部、59…開口、60…副空気孔、61…遊動弁体、62…フロート、62A…上昇位置、63…コイルバネ、65…フロート本体部、66…リブ、71…弁本体部、71a…上面、72…スカート部、74…弁体収容室、75…被当接部、76…側壁面、77…大径部、78…小径部、79…環状面、80…連通孔、82…上側開口、83…下側開口、84…空気通路、84a…横通路、84b…縦通路、86…止め輪、87…バネ受け部材、88…コイルバネ(付勢部材)、89…弁体、89A…閉位置、89B…開位置、91…軸部材、92…リンク部材、93…接続部、93a…長孔、93b…切欠き、95…弁機構、96…リンク機構、100…水面、X…上下方向、Y…直交方向