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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
A63F5/04 620
A63F5/04 651
A63F5/04 653
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020098685
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021191371
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-153894(JP,A)
【文献】特開2014-161349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1遊技状態と、遊技者に有利な第2遊技状態と、当該第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態の第1期間において、第1確率で当選する第1抽選を実行可能な第1抽選手段と、
前記第1抽選で当選した場合に制御される期間である前記第1遊技状態の第2期間において、第2確率で当選する第2抽選を実行可能な第2抽選手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記第1期間よりも前の期間である前記第1遊技状態の第3期間において、前記第1確率及び前記第2確率を変更可能な変更手段と、
を備え、
前記第1抽選手段は、
前記変更手段により前記第1確率が変更された場合、変更後の確率で当選する前記第1抽選を実行可能であり、
前記第2抽選手段は、
前記変更手段により前記第2確率が変更された場合、変更後の確率で当選する前記第2抽選を実行可能であり、
前記遊技状態制御手段は、
前記第1抽選で当選した場合、前記第2期間に制御可能であり、
前記第1抽選で当選しない場合、前記第3遊技状態に制御可能であり、
前記第2抽選で当選した場合、前記第2遊技状態に制御可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1遊技状態において、特定役が当選した場合、特定操作態様に関する特定情報を報知可能な報知手段を備え、
前記第1遊技状態は、
前記第3期間よりも前の期間である第4期間を含み、
前記報知手段は、
前記第4期間よりも前記第1期間及び前記第2期間の方が、前記特定役の当選した場合において、低確率で特定操作態様に関する特定情報を報知可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記変更手段は、
前記第1確率を第3確率に変更可能であり、
前記第2確率を前記第3確率よりも低い第4確率に変更可能である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記変更手段は、
前記第2確率を第3確率に変更可能であり、
前記第1確率を前記第3確率よりも低い第4確率に変更可能である
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記第3確率は、
100%を含む確率である
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記第1確率は、
前記第2確率と同一確率であり、
前記第1抽選手段は、
前記変更手段により前記第1確率が変更されない場合、当該第1確率で当選する前記第1抽選を実行可能であり、
前記第2抽選手段は、
前記変更手段により前記第2確率が変更されない場合、当該第2確率で当選する前記第2抽選を実行可能である
ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記第1遊技状態は、
前記第3期間よりも前の期間である第4期間を含み、
前記第4期間において、特別役が当選した場合、前記第2遊技状態に移行させるかを判定可能な判定手段と、
前記判定手段により前記第2遊技状態に移行すると判定された場合、前記第2遊技状態に制御するための権利を付与可能な付与手段と、
を備えることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に画像表示装置を備えて、画像表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-146377公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、第1遊技状態と、遊技者に有利な第2遊技状態と、当該第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段と、前記第1遊技状態の第1期間において、第1確率で当選する第1抽選を実行可能な第1抽選手段と、前記第1抽選で当選した場合に制御される期間である前記第1遊技状態の第2期間において、第2確率で当選する第2抽選を実行可能な第2抽選手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、前記第1期間よりも前の期間である前記第1遊技状態の第3期間において、前記第1確率及び前記第2確率を変更可能な変更手段と、を備え、前記第1抽選手段は、前記変更手段により前記第1確率が変更された場合、変更後の確率で当選する前記第1抽選を実行可能であり、前記第2抽選手段は、前記変更手段により前記第2確率が変更された場合、変更後の確率で当選する前記第2抽選を実行可能であり、前記遊技状態制御手段は、前記第1抽選で当選した場合、前記第2期間に制御可能であり、前記第1抽選で当選しない場合、前記第3遊技状態に制御可能であり、前記第2抽選で当選した場合、前記第2遊技状態に制御可能である構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】遊技機の遊技の流れを説明するための図である。
図4】遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容を説明するためのタイミングチャートである。
図5】抽選ゲーム期間における対戦抽選の当選確率を示す図表である。
図6】疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序を示す図表である。
図7】メイン表示器で表示されるゲーム内容選択演出、および連続演出を示す図である。
図8】AT状態中の抽選ゲーム期間における各選択内容に対する対戦抽選の種類および順序を示す図表である。
図9】変形例におけるメイン表示器で表示されるゲーム内容選択演出、および連続演出を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を前方から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、第1表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、第2表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
なお、サブ表示器17は、表示窓6(リール4)の左側に設けてもよい。また、サブ表示器17をタッチパネル式の表示器で構成するようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、AT状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0027】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0028】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態や、後述する疑似ボーナス状態の移行抽選処理、AT状態中の継続抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0029】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段(決定手段)を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0030】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0032】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0033】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0034】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、決定手段、抽選態様変更手段、演出制御手段が構成される。
【0035】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0036】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0037】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0038】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0039】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0040】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
【0041】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0042】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0043】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0044】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0045】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0046】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0047】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0048】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役およびチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
【0049】
また、主制御装置10および副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8およびナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
【0050】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0051】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0052】
また、弱スイカ役および強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役および強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0053】
また、リプレイ役およびチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役およびチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0054】
また、各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0055】
[遊技機における遊技の流れ]
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、図3を参照して説明する。
図3は、実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0056】
図3に示すように、実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0057】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分され、さらに、AT状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態によって区分けされる。
遊技者にとって有利な遊技状態に対する当選状態には、後述するように通常確率状態と高確率状態とが設定されている。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間であって、通常遊技状態において疑似ボーナス状態が通常確率状態における抽選確率での抽選により遊技可能な区間が含まれる。
なお、通常区間においては、疑似ボーナス状態に当選しないような抽選制御を行うようにしてもよい。
また、通常区間において、疑似ボーナス状態の抽選確率を高確率状態よりもさらに高めた超高確率状態としてもよく、例えば、通常区間において、所定のレア役に当選した場合には必ず疑似ボーナス状態に当選するようにしてもよい。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
【0058】
有利区間は、CZ状態、CZ状態の前兆状態、疑似ボーナス状態、疑似ボーナス状態の通常確率状態および高確率状態、疑似ボーナス状態の前兆状態、AT状態において遊技可能な区間が含まれる。主制御装置10は、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。
なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態等の実際に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間にのみ点灯するようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態の高確率状態中においては有利区間ランプ13を点灯しないようにしてもよい。
【0059】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0060】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0061】
次に、主制御装置10および副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、および移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0062】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
また、演出は、後述する前兆演出(疑似ボーナス前兆演出又は疑似ボーナスガセ前兆演出)、連続演出等が例示され、メイン表示器8およびサブ表示器17での画像(動画)、スピーカ9からの効果音、ランプ11での発光等による、特典の付与に対する報知や、特典が付与される前の事前報知等からなり、遊技者に対して特典の付与に対する期待感を高めるものである。
【0063】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0064】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印a)
通常遊技状態においては、決定手段としての主制御装置10による特典を付与するか否かの決定結果が、予め定められた特別の決定結果となったことに基づき、特別遊技状態として疑似ボーナス状態を付与するものとなっている。
【0065】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0066】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、所定の特典を付与するか否かの決定は、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定してもよいし、前回の疑似ボーナス状態、あるいはAT状態の終了後に実行されたゲーム数が所定数となった場合に、疑似ボーナス状態への移行を決定するようにしてもよいし、役の抽選に応じてポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった場合に疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、主にチャンス役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0067】
疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の疑似ボーナス前兆演出がメイン表示器8において実行される。
すなわち、副制御装置20は、決定手段としての主制御装置10が、疑似ボーナス状態を発生することを事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態を発生する前の所定期間において、事前演出としての疑似ボーナス前兆演出を実行させる制御を行うのである。
【0068】
また、疑似ボーナス状態への移行抽選の当選から疑似ボーナス前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、疑似ボーナス前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しても、直ぐには疑似ボーナス状態へは移行せず、待機期間と、疑似ボーナス前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0069】
疑似ボーナス前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、疑似ボーナス前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、詳細は後述するが、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0070】
また、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の疑似ボーナスガセ前兆演出がメイン表示器8において実行される。
なお、疑似ボーナスガセ前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
すなわち、副制御装置20は、決定手段としての主制御装置10が第1の特典を付与することを事前に決定していない場合における所定条件の成立(50%、100%の確率条件の成立)に基づき、所定期間において、外れ事前演出としての疑似ボーナスガセ前兆演出を実行させる制御を行うのである。
【0071】
また、疑似ボーナスガセ前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役の当選から疑似ボーナスガセ前兆演出が実行されるまでの間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
疑似ボーナス前兆演出と疑似ボーナスガセ前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0072】
また、待機期間中のゲームにおいては、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。例えば、ゲーム毎に出現する所定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が異なるものとなったり、背景を変化させたり等の演出(所謂煽り演出)が行われる。
【0073】
また、疑似ボーナス前兆演出および疑似ボーナスガセ前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームから数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0074】
連続演出は、ゲーム毎に主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り返す演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた主人公キャラクタがダメージを負った場合には、そのダメージは次ゲームに持ち越すように演出(例えば、ダメージの量を示すメーターを変化させる演出)が実行される。
また、予め決定されている疑似ボーナス状態の移行の有無により、各ゲームにおける主人公キャラクタと敵キャラクタの攻防の状態が設定されていて、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも主人公キャラクタが攻撃を行うゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0075】
そして、疑似ボーナス状態に当選していた場合(疑似ボーナス前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に当選していなかった場合(疑似ボーナスガセ前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
なお、連続演出ではなく、疑似ボーナス前兆演出および疑似ボーナスガセ前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0076】
また、疑似ボーナス前兆演出および疑似ボーナスガセ前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させるようにしてもよい。また、疑似ボーナスガセ前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。また、疑似ボーナス前兆演出および疑似ボーナスガセ前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0077】
また、通常遊技状態においては、疑似ボーナス状態への当選確率状態が異なる通常確率状態、高確率状態を有している。疑似ボーナス状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0078】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役当選時の50%の確率で設定されている。
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
【0079】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、弱チェリー役や強チェリー役当選時に所定の確率でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0080】
なお、通常遊技状態において、主制御装置10および副制御装置20により、CZ状態の当選確率状態を変更可能にしてもよい。また、当選確率状態に対する報知制御を行ってもよい。報知制御を行う場合には、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、メイン表示器8の表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行うようにしてもよい。
【0081】
また、CZ状態への移行抽選に当選した場合でも、直ぐにはCZ状態へは移行させずに、所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)の遅延期間の経過の後に、CZ状態へ移行させるようにしている。
また、CZ状態の遅延期間中は、前述した疑似ボーナス状態の待機期間と同様に、メイン表示器8での演出内容をその他の状態と異ならせるような制御が行われる。例えば、ゲーム毎に出現する所定のキャラクタの出現率が高まったり、キャラクタのセリフ画像の配色が異なるものとなったり、背景を変化させたり等の演出(所謂煽り演出)が行われる。
そして、遅延期間が終了することとなるゲームの終了時に、CZ状態に移行することがメイン表示器8において報知される。
【0082】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるためにCZ状態の遅延期間中に、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態の連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
【0083】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、上記遅延期間と同様に所定の所定ゲーム数(例えば、3~5ゲーム)間、メイン表示器8での演出内容がその他の状態と異ならせるような演出(所謂煽り演出)の制御が行われる。
したがって、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、CZ状態への移行の有無にかかわらず、遊技者の期待感が所定期間高められるのである。
【0084】
なお、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、2ゲーム)のCZ状態のガセ連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とガセ連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
例えば、CZ状態の連続演出(ガセ連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(ガセ連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0085】
また、CZ状態の遅延期間中に、前兆演出(疑似ボーナス前兆演出又は疑似ボーナスガセ前兆演出)と同様のCZ状態の前兆演出(CZ前兆演出又はCZガセ前兆演出)をメイン表示器8において実行するようにしてもよいし、CZ状態の前兆演出(CZ前兆演出又はCZガセ前兆演出)の後に連続演出又はガセ連続演出を実行するようにしてもよい。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の遅延期間は、複数ゲームが実行される期間であれば何れでもよく、乱数の抽出に基づき複数のゲーム数から何れか1つのゲーム数を決定してもよいし、固定のゲーム数で決定してもよい。
【0086】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(図3の矢印g)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0087】
本実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様の前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0088】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、疑似ボーナスガセ前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0089】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも、各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0090】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいて、チャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0091】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
【0092】
なお、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0093】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出がメイン表示器8で表示される。CZ演出においては、例えば、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出として主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利して疑似ボーナス状態へ移行することが報知される。
【0094】
また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、疑似ボーナス状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されていく。
また、CZ演出における対戦演出前の準備演出中においても、主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が各ゲームを通して連続して実行されることから、準備演出中も複数のゲームに亘る(跨る)一連の演出となる。
【0095】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印d)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中における規定数のゲームの実行後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北して疑似ボーナス状態へ移行しないことが報知される。
【0096】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0097】
(疑似ボーナス状態)
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、AT状態と同様に押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(例えば、18ゲーム~20ゲーム)継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
したがって、疑似ボーナス状態は、当該スロットマシン1における主に遊技者が多数のメダルを獲得可能なAT状態を発生させるか否かを決定する遊技状態にもなっている。
なお、疑似ボーナス状態中においては、押し順ベル役に当選した場合の所定の確率(例えば、60%)で押し順ナビを実行することで、AT状態中よりも押し順ナビの頻度を低めるようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態が継続する期間は、実行されたゲーム数で規定する以外に、押し順ナビが実行される回数、払い出されたメダル数(払出枚数)、メダルの払い出しにより実際に増加したメダル数(純増枚数)等により規定するようにしてもよい。
【0098】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を逆回転させた後、リール4において特定の図柄組合せ(「7、7、7」)を一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われて、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
【0099】
リール演出が行われるリール演出期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、リール演出期間の終了時には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様となっているが、見た目上は、所謂ビッグボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0100】
また、リール演出期間が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、後述するようにリール演出に対応する演出画像が表示されるようになっている。
【0101】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(図3の矢印f)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲーム(1~3ゲーム)においてAT状態の移行抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、最長で疑似ボーナス状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間おける各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合に、特定条件(第1特定条件)が成立したものと判定されてAT状態の移行が決定され、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
【0102】
すなわち、決定手段としての主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典(AT状態の移行)を付与するか否かを決定可能であって、複数のゲームにおける所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特定条件(第1特定条件)を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態の終盤に実行される所定数のゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行うようにしているが、疑似ボーナス状態の終了後に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間を設けて、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態に移行するか否かのゲームを実行するようにしてもよい。
【0103】
また、抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、その当選確率が常に一定ではなく、所定条件により変化したり、各ゲーム間で異なる確率になったり等、抽選態様を変更可能となっている。
例えば、抽選ゲーム期間中の3ゲームにおける対戦抽選の当選確率が全て50%で各ゲームの対戦抽選が実行される場合もあれば、最初のゲームでは対戦抽選の当選確率が25%で、2番目のゲームでは50%で、3番目のゲームでは100%で各ゲームの対戦抽選が実行される場合もある。ただし、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率は、どの抽選態様となっても同一とすることが好ましい。
なお、疑似ボーナス状態からAT状態に移行するトータルの確率を、抽選態様に応じて異なるように設定してもよい。また、この場合に、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、トータルの確率が高い抽選態様においてAT状態に当選した場合よりも、遊技者に有利となるような特典を付与するようにしてもよい。例えば、トータルの確率が低い抽選態様においてAT状態に当選した場合には、AT状態の継続権利を複数記憶(ストック)したり、継続回数を多くしたAT状態(上位AT状態)を発生させたりしてもよい。
また、詳細は後述するが、上記抽選態様の変更は、遊技者の操作に基づき実行されるものとなっていて、遊技者の好みに応じて抽選態様を選択可能となっている。
【0104】
また、上記抽選ゲーム期間中においては、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
疑似ボーナス状態中の連続演出は、前述した疑似ボーナス前兆演出(あるいは、疑似ボーナスガセ前兆演出)中に実行される連続演出とは演出内容が異なっていて、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっている。
すなわち、疑似ボーナス前兆演出(あるいは、疑似ボーナスガセ前兆演出)中に実行される連続演出では、主人公キャラクタが敵キャラクタと3ゲームに亘ってそのまま対戦し、最終ゲームにおいて対戦結果が導出されるような内容となっているが、疑似ボーナス状態中の連続演出では、各ゲームにおける対戦抽選に応じて、ゲーム毎に対戦結果が導出されるような内容で対戦演出が実行される。
また、各ゲームにおける対戦演出では、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行されるので、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場可能となっている。
【0105】
例えば、連続演出中の1ゲーム目のゲームにおいて対戦抽選が25%で当選する場合には味方キャラクタAが登場し、2ゲーム目のゲームにおいて対戦抽選が50%で当選する場合には味方キャラクタBが登場し、3ゲーム目のゲームにおいて対戦抽選が100%で当選する場合には味方キャラクタC(例えば、主人公キャラクタ)が登場するものとなっている。
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。その結果、全てのゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、味方側のキャラクタが全て勝利するものとなり、最終的にAT状態の移行が報知されることとなる。
【0106】
また、抽選ゲーム期間中における各ゲームの抽選態様は、遊技者の操作に基づき変更可能となっている。
すなわち、各ゲームにおける対戦抽選の当選確率や、それら各対戦抽選の実行順を、遊技者による、例えば、操作手段としてのベットボタン2aの操作に基づき変更可能となっている。
【0107】
遊技者による抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様の変更は、疑似ボーナス状態における抽選ゲーム期間に移行する1ゲーム前のゲーム内容選択ゲーム中に実行されるゲーム内容選択処理中に可能となっていて、当該ゲームにおいては、上記抽選態様の選択に対応したゲーム内容選択演出がメイン表示器8において実行されるようになっている。
ゲーム内容選択演出では、例えば、ゲーム内容選択ゲームの実行中に、メイン表示器8において、抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様を選択可能な演出画像が表示され、当該演出画像に応じて遊技者の任意による抽選態様の選択が行われると、当該選択された抽選態様が、その後の抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様として設定されるのである。
したがって、遊技者の操作によるゲームの抽選態様の選択に応じて、抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様が変更されることとなるのである。
【0108】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0109】
一方、疑似ボーナス状態の抽選ゲーム期間中においては、上記した遊技者の操作により選択されたゲームの抽選態様に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。
また、疑似ボーナス状態における残ゲーム数はメイン表示器8に表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算される。
【0110】
なお、本実施形態においては、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選を行う期間を、疑似ボーナス状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態の移行する条件である特定条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が全て当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や2回の当選によりAT状態に移行することを決定してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(疑似ボーナス状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典としてAT状態に移行させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0111】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特定の図柄組合せ(例えば、「7、7、7」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特定の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0112】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態に移行する権利を付与するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に移行する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1ゲーム分、2ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
【0113】
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
当選演出は、メイン表示器8において、所定のキャラクタの現出とともに当選したレア役を報知可能なアイテム(例えば、スイカアイテム)を表示したり、所定のキャラクタの現出とともにAT状態の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選したレア役の種類やAT状態の移行抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間におけるレア役当選時にAT状態に移行する権利が付与された場合には、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選の如何に関わらず必ず全勝するような連続演出を行うようにすることが好ましい。
また、抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0114】
また、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
ボタン演出は、例えば、対戦演出が実行されるゲームの終了時に、先ず、メイン表示器8に演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2dが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像をメイン表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0115】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印b)
疑似ボーナス状態において、特定条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選が全て当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、1回でも対戦抽選が非当選となると特定条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となった時点で疑似ボーナス状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0116】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、疑似ボーナス状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである18ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合には、疑似ボーナス状態の継続期間は18ゲームとなるが、最後のゲームである20ゲーム目に初めて非当選となった場合には、継続期間が20ゲームとなる。
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的に疑似ボーナス状態において特定条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選が非当選とならずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0117】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0118】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0119】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、30ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理されて、残ゲーム数がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。
そして、AT状態において残ゲーム数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0120】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、AT状態中の、残ゲーム数、一連のAT状態中に獲得したメダルの総数、AT状態中に実行された総ゲーム数が、メイン表示器8に表示される。
【0121】
また、AT状態では、当該AT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においてAT状態の継続抽選処理を行う。
本実施形態においては、AT状態の継続抽選処理は、最長でAT状態の最後の3ゲームの間に設定された抽選ゲーム期間に跨って実行され、抽選ゲーム期間おける各ゲームで実行される対戦抽選の結果態様によりAT状態を継続させるか否かが決定される。
そして、抽選ゲーム期間おける各ゲームでの対戦抽選の結果が2回当選となった場合に、特定条件(第2特定条件)が成立したものと判定されてAT状態の継続が決定され、実行中のAT状態の終了後に新たなAT状態が開始することとなる。
すなわち、決定手段としての主制御装置10は、所定期間としての抽選ゲーム期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典(AT状態の継続)を付与するか否かを決定可能であって、複数のゲームにおける所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特定条件(第2特定条件)を満たした場合に、所定の特典を付与することを決定可能に構成されているのである。
【0122】
また、新たなAT状態においても、AT状態の初期移行時と同様にAT状態自体の継続が管理され、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されると当該AT状態が終了することとなるが、この新たなAT状態の最後に実行される所定数のゲーム(2~3ゲーム)においても、初期移行時と同様にAT状態の継続抽選処理が行われる。
したがって、各AT状態中の継続抽選処理における特定条件の成立により、AT状態が繰り返して実行されることとなるのである。
【0123】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選は、疑似ボーナス状態中と同様に、その当選確率が常に一定ではなく、所定条件により変化したり、各ゲーム間で異なる確率になったり等、抽選態様を変更可能となっている。
また、上記抽選態様の変更は、疑似ボーナス状態中と同様に、遊技者の操作に基づき実行されるものとなっていて、遊技者の好みに応じて選択可能となっている。
【0124】
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態における抽選ゲーム期間中においても、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、メイン表示器8においてキャラクタによる連続演出が実行される。
AT状態中の連続演出に関しても、疑似ボーナス状態中と同様に、ゲーム毎に対戦演出が完結するような内容となっていて、ゲーム毎に設定される当選確率に基づき対戦演出が実行され、ゲーム毎に敵キャラクタと対戦する味方側のキャラクタ(主人公キャラクタを含む)が、上記当選確率に対応して異なる種類で登場することとなる。
【0125】
そして、各ゲームにおける対戦抽選が当選していた場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に勝利し、対戦抽選が当選していなかった場合には、登場した味方側のキャラクタが当該ゲームの終了時に敗北するような演出が、ゲーム毎に完結的に行われる。
ただし、AT状態中の継続抽選処理においては、疑似ボーナス状態中の移行抽選処理とは条件の一部が異なるものに設定されていて、疑似ボーナス状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果が全て当選となった場合にAT状態への移行が確定するものとなっていることに対して、AT状態中においては、3ゲームにおける対戦抽選の結果のうち、2ゲームが当選となった場合に次回のAT状態の継続が確定するものとなっている。
【0126】
したがって、AT状態の継続条件は、AT状態の突入条件である移行条件よりも難易度が低くなり、例えば、1ゲーム目と2ゲーム目の対戦抽選で当選となった場合には、その時点で次回のAT状態の継続が確定し、かりに3ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合でも、当該ゲームでの対戦演出が負けとなる結果の導出後、最終的にAT状態の継続が報知されて新たなAT状態に移行することとなる。
【0127】
また、本実施形態においては、AT状態中の抽選ゲーム期間に実行される各ゲームでの対戦抽選の結果が全て当選となった場合には、次回のAT状態の継続権利の付与の他、次々回のAT状態の継続権利を付与するようにしている。
すなわち、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、2回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与として次回のAT状態の継続権利が付与されるが、3回の当選結果が導出された場合には、上記所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利が記憶保持(ストック)されるのである。
【0128】
なお、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合には、無条件でAT状態が継続することとなるので、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでは、前述したような対戦演出を行わずに、継続することが確定していることを報知可能な演出画像をメイン表示器8において実行することが好ましい。
【0129】
また、AT状態の継続権利が記憶保持(ストック)されている場合でも、無条件でAT状態を確定させるのではなく、次回のAT状態において通常の継続抽選処理を行い、特定条件が非成立となった場合に限りAT状態の継続権利の記憶保持情報を用いてAT状態を継続させるようにしてもよい。
したがって、この場合には、次回のAT状態中の抽選ゲーム期間中のゲームでも対戦抽選を行い、このとき特定条件が成立した場合には、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いずに次回以降に使用を保留した状態でAT状態が継続することとなる。
さらに、3回の当選結果の導出により付与されるAT状態の継続権利を、主制御装置10により複数記憶保持可能(ストック可能)として、例えば、3回の当選結果の導出が連続した場合には、2つの継続権利を加算記憶可能としてもよい。
この場合、AT状態の継続権利の記憶保持情報を用いたAT状態の継続が行われた場合には、その都度継続権利の記憶保持情報が減算されることとなる。
【0130】
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態中の抽選ゲーム期間中における各ゲームの抽選態様は、遊技者の操作に基づき変更可能となっている。
すなわち、各ゲームにおける対戦抽選の当選確率や、それら各対戦抽選の実行順を、遊技者による、例えば、操作手段としてのベットボタン2aの操作に基づき変更できることとなる。
【0131】
遊技者による抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様の変更は、疑似ボーナス状態と同様に、抽選ゲーム期間に移行する1ゲーム前のゲーム内容選択ゲーム中に実行されるゲーム内容選択処理中に可能となっていて、当該ゲームにおいて、抽選ゲーム期間中における抽選態様の変更に対応したゲーム内容選択演出がメイン表示器8において実行され、ゲーム内容選択演出や遊技者によるゲーム内容の選択も疑似ボーナス状態中と同様に実行される。
したがって、遊技者の操作によるゲームの抽選態様の選択に応じて、AT状態中の抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様が変更されることとなる。
【0132】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するAT状態中の演出がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。AT状態中の演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0133】
一方、AT状態の抽選ゲーム期間中においては、上記した遊技者の操作により選択されたゲームの抽選態様に応じて、対戦演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、AT状態の継続に対する期待感に変化を与えるようになっている。
【0134】
なお、本実施形態においては、AT状態におけるAT状態の継続抽選を行う期間を、AT状態の最後の3ゲームに設定するようにしているが、連続する複数のゲームにおいて移行抽選を行うものであれば何れでもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、AT状態が継続する条件である特定条件は、複数のゲームにおける対戦抽選が2回当選した場合に設定しているが、その他の条件でもよく、例えば、1回や3回の当選によりAT状態が継続することを決定してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に1回でも非当選となった場合には、その時点で抽選ゲーム期間(AT状態)を終了するようにしているが、各ゲームでの抽選結果に関わらず抽選ゲーム期間での3ゲーム全てを実行するようにしてもよい。また、この場合に、全てのゲームの対戦抽選で非当選となった場合には、特別な特典として次回のAT状態に継続させるようにしてもよい。ただし、この場合、100%の確率で対戦抽選に当選となるゲームが実行されないことが条件となる。
【0135】
また、AT状態中における次回のAT状態の継続抽選は、上記した抽選ゲーム期間中以外に実行してもよく、例えば、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態が継続するようにしてもよい。
【0136】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、所定の確率(例えば、10%)でその時点でAT状態が継続する権利を付与するようにしてもよい。
また、AT状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間においてレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態に継続する権利を付与するのではなく、所定の確率(例えば、20%)で、抽選ゲーム期間における所定ゲーム分(1~3ゲーム分)の対戦抽選に当選する権利を、その時点で付与するようにしても良い。
この場合には、レア役の当選時に、メイン表示器8において、1ゲームで完結する当選演出を実行することが好ましい。
また、疑似ボーナス状態中と同様に、AT状態の抽選ゲーム期間中の期間における各ゲームの対戦演出中に、ボタン演出を実行してもよい。
【0137】
また、AT状態中に、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、AT状態のゲーム数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合に、当選契機となったレア役に対応して予め定められた数のゲーム数を、当該実行中のAT状態の残ゲーム数に上乗せ(加算)してもよい。
【0138】
また、AT状態中において、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、上記上乗せ抽選の他に、特定期間(例えば、10ゲーム)ゲーム数が上乗せされる確率をその他の状態よりも高めた上乗せ特化ゾーンを発生可能としてもよい。
上乗せ特化ゾーンは、特定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で発生し、上乗せ特化ゾーン中においては、当選確率の低いレア役の他、例えば、リプレイ役以外の全ての役を上乗せの契機役とし、所定の特典として多数のゲーム数が付与(上乗せ)される可能性が高められるようにした状態である。
【0139】
また、上乗せ特化ゾーン中において、所定の役(例えば、レア役)に当選した場合の所定確率(例えば、15%)で、AT状態を継続するための権利を付与(ストック)するようにしてもよい。また、AT状態を継続するための権利を上記条件の成立毎に複数付与(ストック)するようにしてもよい。
この場合、AT状態を継続するための権利数(ストック数)が残っている状態では、AT状態中の継続抽選処理において無条件で特定条件が成立することとなる。
また、AT状態中における所定の条件の成立に基づき、AT状態を一時的に中断して、疑似ボーナス状態を発生するようにしてもよい。
【0140】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間における対戦抽選において、3回の当選結果が導出された場合には、所定の特典の付与の他、別の特典の付与として次々回のAT状態についても継続するように継続権利を記憶保持(ストック)するようにしているが、別の特典の付与として、その時点で実行されているAT状態や次回のAT状態における残ゲーム数に所定数(例えば、20回)のゲーム数を上乗せするようにしてもよいし、別の特典の付与として、前述した上乗せ特化ゾーンをその時点で実行されているAT状態の終了後に実行するようにしてもよい。
また、AT状態中の抽選ゲーム期間において、対戦抽選とは別個に引分抽選を実行し、対戦抽選に非当選となり、かつ引分抽選に当選した場合には、その回の対戦抽選を無効とし、新たな対戦抽選を行うゲームを抽選ゲーム期間に追加実行してもよい。
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選に全て当選となった場合には、抽選ゲーム期間を延長して、対戦抽選に非当選となるまで抽選ゲーム期間を終了させないようにしてもよい。この場合、延長されたゲームの対戦抽選で当選となった場合には、AT状態の継続権利をその都度付与するようにしてもよい。
【0141】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印h)
AT状態において、特定条件が成立せずに次回のAT状態への継続権利が付与されなかった場合、すなわち、AT状態における抽選ゲーム期間中の各ゲームの対戦抽選において、2回の当選結果が導出されなかった場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
本実施形態においては、抽選ゲーム期間中のゲームにおいて、対戦抽選が非当選となる結果が2回導出されると特定条件の非成立が確定することとなるので、抽選ゲーム期間中の何れかのゲームにおいて対戦抽選が非当選となる結果が2回導出された時点でAT状態の終了条件が成立し、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行するものとしている。
【0142】
したがって、抽選ゲーム期間中におけるゲームの対戦抽選の結果に応じて、実行中のAT状態の継続期間が変化することとなる。
例えば、抽選ゲーム期間中の最初のゲームである28ゲーム目の対戦抽選が非当選となり、さらに、2回のゲームである29ゲーム目の対戦抽選も非当選となった場合には、AT状態の継続期間は29ゲームとなるが、この2回目のゲームの対戦抽選が当選となり、最後のゲームである30ゲーム目に非当選となった場合には、継続期間が30ゲームとなる。
また、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ナビは行われるので、最終的にAT状態における継続抽選処理において特定条件が成立しなかった場合でも、対戦抽選の非当選が2回導出されずに抽選ゲーム期間が継続するほど、メダルを獲得する機会が増え、その分遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中のゲームにおいても押し順ベル役に対する押し順ナビを行うようにしているが、抽選ゲーム期間中のゲームにおいては、押し順ナビを行わないか、あるいは、所定の確率(例えば、50%)でのみ押し順ナビを行うようにしてもよい。
【0143】
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、AT状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0144】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態(エンディング期間)中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0145】
[遊技状態の遷移、およびメイン表示器での表示内容]
次に、図4のタイミングチャートを参照して、主制御装置10および副制御装置20の制御により実現する遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容について説明する。
図4は、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態に移行し、その後最終的にAT状態に移行するまでのメイン表示器8での表示内容を示している。
具体的には、主制御装置10の制御により、既に所定の役(例えば、チャンス役)の当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行が決定されている状態において、ゲームの進行により遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行し、その後、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間において特定条件が成立して遊技状態がAT状態へ移行した場合の、メイン表示器8において表示される演出内容(演出画像)を示している。
【0146】
本実施形態では、各種特典の抽選、各種遊技状態の変更(変更時点も含む)に関わる制御は主制御装置10が行い、当該制御に関する制御情報を主制御装置10からの副制御装置20に送信して、副制御装置20が対応する演出画像に関わる制御を行うようにしている。
なお、遊技状態の変更に直接関係しない演出(例えば、疑似ボーナスガセ前兆演出等)の開始時点や実行期間は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20で制御してもよいし、主制御装置10からの制御情報の受信なしで副制御装置20独自で制御してもよい。ただし、演出の契機となる制御情報(例えば、レア役の当選情報等)は受信する必要がある。
【0147】
図4に示すように、疑似ボーナス状態への移行抽選の結果、既に疑似ボーナス状態への移行が決定されている状態において、前述した待機期間と、疑似ボーナス前兆演出が実行される期間が経過した時点(図4の3ゲーム目:タイミングt0)で遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
疑似ボーナス状態に移行する直前には、図示のように、メイン表示器8において疑似ボーナス前兆演出が実行され、疑似ボーナス状態の移行により、疑似ボーナス前兆演出が終了するとともに、登場する各キャラクタの紹介画像等からなる疑似ボーナス状態中の演出が開始される。
【0148】
なお、図4の例では、決定手段としての主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合を示しているが、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合には、チャンス役の当選によりメイン表示器8においては疑似ボーナスガセ前兆演出が実行される。
【0149】
疑似ボーナス前兆演出は、所定数のゲームの間行われるが、最終ゲームの直前の3ゲームに亘っては、疑似ボーナス前兆演出中の連続演出が実行され、メイン表示器8において主人公キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出により連続演出が実行される。
そして、前兆演出の最終ゲームのゲーム終了後(図4の2ゲーム目)に、何れかのキャラクタが勝利することにより疑似ボーナス状態の当否を報知するような演出が実行されるが、図4に示す例では、疑似ボーナス状態に当選しているので、最終ゲーム終了から所定時間(例えば、2秒)経過後から次ゲームが開始されるまでの間においては、連続演出の結果画像として、主人公キャラクタが勝利する画像ととともに、例えば、「勝利」の文字情報や、「ボーナス確定」の文字情報が表示される。
【0150】
疑似ボーナス状態は、所定期間継続することとなるが、疑似ボーナス状態が開始されてから所定数(例えば、16回)のゲームが実行されると、メイン表示器8における疑似ボーナス状態中の演出画像の表示が終了する。
【0151】
疑似ボーナス状態中の最後の3ゲーム間は、前述したようにAT状態の移行抽選処理が実行される抽選ゲーム期間となっているが、その直前のゲーム(図4の19ゲーム目:タイミングt1)はゲーム内容選択ゲームとして設定されていて、このゲーム内容選択ゲームの実行中にゲーム内容選択処理が行われる。
ゲーム内容選択処理は、主制御装置10により実行されるものであり、ゲーム内容選択ゲームの実行中におけるベットボタン2aの操作により、遊技者の所望するゲームの抽選態様であるゲーム内容を選択する処理が実行される。
遊技者が選択可能なゲーム内容は、抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦抽選の種類と、対戦抽選が実行される順序とが夫々規定された複数種類(例えば、3種類)が設けられ、遊技者が所望するゲーム内容を選択することで、その後の抽選ゲーム期間におけるゲームの抽選態様が決定されることとなる。
【0152】
そして、ゲーム内容選択処理に対応して実行されるメイン表示器8でのゲーム内容選択演出では、抽選ゲーム期間中におけるゲーム内容を選択するための演出画像が表示され、遊技者によるベットボタン2aの操作により所定の演出画像の選択操作により、選択された演出画像に対応するゲーム内容が、その後の抽選ゲーム期間中におけるゲームの抽選態様として設定される。
ゲーム内容選択演出の詳細については後述する。
【0153】
ゲーム内容選択ゲームの終了後の次ゲーム(図4の20ゲーム目:タイミングt2)が開始すると、AT状態の移行抽選処理が実行される抽選ゲーム期間に移行する。
疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間は、前述したように、各ゲームにおいて対戦演出が実行される連続演出がメイン表示器8において実行される。
抽選ゲーム期間は、1~3ゲームの間実行され、所定のゲームにおける対戦抽選が非当選となった時点で疑似ボーナス状態が終了して通常遊技状態に移行する一方、各ゲームにおける対戦抽選が全て当選した場合にはAT状態の移行権利が付与されることとなる。したがって、抽選ゲーム期間は、最大で3ゲーム間実行され、3ゲーム目の対戦抽選で初めて非当選となった場合、あるいはAT状態の移行する場合には、3ゲーム間抽選ゲーム期間が継続することとなる。
図4の例では、AT状態の移行権利が付与された場合を示しているので、抽選ゲーム期間が3ゲーム間実行される(図4の23ゲーム目:タイミングt3)まで継続することとなる。
【0154】
疑似ボーナス状態の終了時にAT状態の移行権利が付与されていた場合には、抽選ゲーム期間の最終ゲームである疑似ボーナス状態の最終ゲームの次ゲームから、遊技状態がAT状態に移行することとなり、次ゲームの開始時点(図4の23ゲーム目:タイミングt3)からメイン表示器8においてAT状態中の演出が実行される。
以上のように、ゲームの実行に応じて、遊技状態の遷移、およびメイン表示器での演出表示が行われる。
【0155】
[抽選ゲーム期間における対戦抽選の当選確率]
次に、図5を参照して、疑似ボーナス状態およびAT状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム毎に実行される対戦抽選の当選確率について説明する。
抽選ゲーム期間における対戦抽選は、前述したように、決定手段としての主制御装置10の制御により実行され、当該対戦抽選の結果態様に基づき、AT状態の移行や継続が決定されることとなる。
【0156】
前述したように、疑似ボーナス状態およびAT状態中の抽選ゲーム期間においては、ゲーム毎に1ゲームで完結する対戦演出が実行されることとなるが、主制御装置10では、対戦演出に対応して抽選ゲーム期間のゲーム毎に個別に設定された当選確率で対戦抽選を実行するものとなっている。
具体的には、各対戦演出に対応して、味方キャラクタAが登場する「味方キャラクタA」ゲーム、味方キャラクタBが登場する「味方キャラクタB」ゲーム、味方キャラクタCが登場する「味方キャラクタC」ゲームの何れかで抽選ゲーム期間における各ゲームを実行し、各ゲームに対応して設定されている当選確率で対戦抽選を行うものとなっている。
【0157】
図5は、抽選ゲーム期間中の各ゲームにおける対戦抽選の当選確率を示している。
図5に示すように、抽選ゲーム期間において、「味方キャラクタA」ゲームが実行される場合には、対戦抽選の当選確率は25%に設定され、「味方キャラクタB」ゲームが実行される場合には、対戦抽選の当選確率は50%に設定され、「味方キャラクタC」ゲームが実行される場合には、対戦抽選の当選確率は100%に設定されている。
したがって、「味方キャラクタA」ゲーム→「味方キャラクタB」ゲーム→「味方キャラクタC」ゲームの順に当選確率が高くなり、「味方キャラクタC」ゲームが実行された場合には、対戦抽選の当選が確定し、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0158】
以上のような当選確率で抽選ゲーム期間における対戦抽選が行われるので、抽選ゲーム期間におけるゲームが各々異なる当選確率で実行可能となり、より多彩なゲーム態様を形成でき、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
なお、抽選ゲーム期間中の各ゲームにおける対戦抽選の当選確率は、上記した当選確率以外でもよいし、また、当選確率のパターンは3パターン以外でもよい。
また、対戦抽選の当選確率を、そのときのゲームの役の抽選結果に応じて変化させてもよい。例えば、「味方キャラクタA」ゲームにおいて、押し順ベル役やリプレイ役に当選していた場合には、対戦抽選の当選確率を25%とするが、レア役に当選していた場合には、50%の当選確率に高めるようにしてもよい。さらに、当選したレア役の種類に応じて当選確率を高める割合を変化させるようにしてもよい。
【0159】
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選の当選確率は、疑似ボーナス状態中とAT状態中とで同じものに設定しているが、疑似ボーナス状態中とAT状態中とで異なる当選確率で実行するようにしてもよい。
以上のように、抽選ゲーム期間における対戦抽選の当選確率が設定される。
【0160】
[疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序]
次に、図6を参照して、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序について説明する。
前述したように、対戦抽選は当選確率の異なる3つのものに分類されているが、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容は、実行される対戦抽選の種類と、実行順序により規定され、ゲーム内容はゲーム内容選択ゲーム中における遊技者の選択操作に基づき主制御装置10の制御により決定され、この決定結果に基づき、各ゲームにおける対戦抽選が行われるとともに、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦演出が実行されることとなる。
【0161】
本実施形態においては、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容として、3ゲームにおける対戦抽選の種類および順序が予め設定されている3種類のグループ化されたゲーム内容が選択肢として設けられていて、その3種類にグループ化されたゲーム内容の何れかを遊技者が選択可能となっている。
そして、遊技者により3種類にグループ化されたゲーム内容の何れかを選択することで、抽選期間における抽選態様である対戦抽選の種類および順序が変更されることとなる。
【0162】
遊技者の操作により選択可能なゲーム内容(抽選態様)としては、図6に示すように、抽選ゲーム期間の1ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲームが実行されるゲーム内容である「安定」と、1ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲームが実行されるゲーム内容である「勝負」と、1ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲームが実行されるゲーム内容である「無難」と、が設定されている。
【0163】
主制御装置10では、図6に対応する疑似ボーナス状態中の抽選テーブルが予め設けられていて、当該抽選テーブルを用いて、抽選ゲーム期間の1ゲーム前のゲーム内容選択ゲーム中におけるベットボタン2aから入力信号に基づき上記ゲーム内容を選択することで、その時点で実行されている疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦抽選の種類と順序を決定するようにしている。
すなわち、抽選ゲーム期間におけるゲーム内容である対戦抽選の種類および順序により、抽選ゲーム期間における抽選態様が形成されることとなるが、主制御装置10は、操作手段としてのベットボタン2aの操作に基づき、抽選ゲーム期間で実行される複数のゲームにおける抽選態様を変更可能な抽選態様変更手段を構成するのである。
【0164】
したがって、操作手段としてのベットボタン2aの操作に基づき、遊技者が所望するゲーム内容を選択することが可能となり、例えば、遊技者がゲーム内容として「勝負」を選択した場合には、1ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲームである対戦抽選の当選確率が25%に設定されたゲームが実行され、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲームである対戦抽選の当選確率が50%に設定されたゲームが実行され、3ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲームである対戦抽選の当選確率が100%に設定されたゲームが実行されることとなる。
すなわち、決定手段としての主制御装置10は、遊技者の操作により変更された抽選態様に基づいて、抽選ゲーム期間中の複数のゲームにおける各ゲームの抽選を実行可能としているのである。
【0165】
ただし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間においては、1回でも対戦抽選に非当選となった時点で疑似ボーナス状態が終了することとなるので、3ゲーム分の対戦抽選の種類および順序が予め決定されたとしても、全ての対戦抽選が行われるものでもない。
また、ゲーム内容選択ゲーム中においては既にベット数が設定された後であるので、上記ゲーム内容を選択するためのベットボタン2aからの入力信号は、ベット数の設定とは無関係となりゲームの進行には影響を与えない。
なお、ゲーム内容選択演出を、ゲーム内容選択ゲームの1ゲーム前のゲーム終了時に開始することで、ゲーム内容選択ゲームにおいてベット数を設定するためのベットボタン2aからの入力信号を利用してゲーム内容を設定するようにしてもよい。
【0166】
また、疑似ボーナス状態中のゲーム内容選択ゲーム中においては、メイン表示器8において、上記遊技者の操作に基づくゲーム内容選択演出が行われる。
ゲーム内容選択演出についての詳細は後述する。
【0167】
上記のようにゲーム内容の選択が行われることから、ゲーム内容として「安定」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における全てのゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行されることとなる。
したがって、ゲーム内容として「安定」を選択した場合には、全てのゲームにおいて、「味方キャラクタA」ゲームが実行される場合に比べ当選確率が高くなり、さらに、「味方キャラクタC」ゲームが実行される場合に比べ当選確率が低くなることから、相対的に安定した確率でAT状態に移行するような対戦抽選が行われることとなる。
また、抽選ゲーム期間に関しても、「味方キャラクタA」ゲームが含まれる場合に比べ長くなる可能性が高くなり、さらに、「味方キャラクタC」ゲームが含まれる場合に比べ短くなる可能性が高くなることから、相対的に安定したゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0168】
また、ゲーム内容として「勝負」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、相対的に低位の当選確率(25%)である「味方キャラクタA」ゲームで実行され、2ゲーム目のゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行され、3ゲーム目のゲームが、相対的に高位の当選確率(100%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行されることとなる。
【0169】
したがって、ゲーム内容として「勝負」を選択した場合には、抽選ゲーム期間でのゲームが進むにつれ、徐々に当選確率が高くなるように対戦抽選が行われて、最終的には必ず当選となるような対戦抽選が行われるようになり、初期段階のゲームで対戦抽選に非当選となる可能性は高いが、初期段階のゲームで対戦抽選に当選しさえすれば、高い確率でAT状態に移行するような対戦抽選が行われることとなる。
また、抽選ゲーム期間に関しては、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、相対的に低位の当選確率(25%)である「味方キャラクタA」ゲームで実行されることから、他のゲーム内容(例えば、「安定」)を選択した場合に比べ短くなる可能性が高くなり、相対的に少ないゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0170】
また、ゲーム内容として「無難」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、相対的に高位の当選確率(100%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行され、2ゲーム目のゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行され、3ゲーム目のゲームが、相対的に低位の当選確率(25%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行されることとなる。
【0171】
したがって、ゲーム内容として「無難」を選択した場合には、最初に必ず当選となるような対戦抽選が行われた後、徐々に当選確率が低くなるように対戦抽選が行われるようになり、初期段階において直ぐに対戦抽選が非当選とならずに、AT状態に移行する可能性が終期段階まで継続するような対戦抽選が行われることとなる。
また、抽選ゲーム期間に関しては、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、必ず当選となる「味方キャラクタC」ゲームで実行されることから、他のゲーム内容(例えば、「勝負」)を選択した場合に比べ長くなる可能性が高くなり、相対的に多いゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0172】
以上のように、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序が設定されていることから、抽選ゲーム期間中のゲームの進行に応じた対戦抽選の当選難易度や、抽選ゲーム期間の長短を、ゲーム内容ごとに特徴付けることが可能となるのである。
【0173】
例えば、「勝負」を選択した場合には、抽選ゲーム期間の初期段階で対戦抽選が非当選となり、抽選ゲーム期間が短くなって、その分メダルを獲得する機会が減ってしまうといったリスクを伴うが、初期段階の対戦抽選に当選しさえすれば、高い確率でAT状態に移行するものとなるのである。
それに対して、「無難」を選択した場合には、抽選ゲーム期間の初期段階では対戦抽選が当選となり、抽選ゲーム期間が長くなって、その分一定のメダルを獲得する機会を確実に得ることができるが、終期段階の対戦抽選で非当選となってAT状態に移行する可能性が低くなるのである。
また、「安定」を選択した場合には、対戦抽選の当選確率や抽選ゲーム期間の長短に対して、「勝負」と「無難」との中間の期待値で抽選ゲーム期間のゲームが実行されるものとなる。
【0174】
したがって、遊技者が任意にゲーム内容を選択することで、遊技者の好みや、その時点で獲得しているメダルの量、あるいは当日の調子等に応じたゲーム内容で抽選ゲーム期間のゲームを実行することが可能となり、遊技者の遊技に対する満足感を高めるとともに、AT状態の移行に対する期待感や遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0175】
また、遊技者により3種類にグループ化されたゲーム内容の何れかが選択されることで、抽選期間における抽選態様である対戦抽選の種類および順序が変更されるので、遊技者は抽選期間における抽選態様を簡単に選択することが可能となり、選択間違い等を防止することが可能となるのである。
【0176】
なお、抽選ゲーム期間における対戦抽選の当選確率は、各ゲーム内容における特徴が上記したものとなり、さらに、各ゲーム内容において最終的にAT状態に移行する確率がほぼ等しくなっていれば、上記した確率以外でもよく、例えば、上記例では、「勝負」を選択した場合の1ゲーム目の当選確率と、「無難」を選択した場合の3ゲーム目の当選確率を同一に設定しているが、「無難」を選択した場合の3ゲーム目よりも、「勝負」を選択した場合の1ゲーム目の方の当選確率を高くするようにしてもよい。
【0177】
また、抽選ゲーム期間におけるゲーム数は3ゲーム以外でもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、本実施形態では、抽選ゲーム期間において1ゲーム毎に対戦抽選を行い、対戦抽選に対応する対戦演出を1ゲームで完結するように実行しているが、対戦抽選は1ゲーム毎で行わずに、所定数のゲームを挟んで実行するようにしてもよい。
【0178】
例えば、抽選ゲーム期間における最大実行可能ゲーム数を9ゲームとし、1ゲーム目、4ゲーム目、7ゲーム目に対戦抽選を実行し、各対戦抽選に対応する対戦演出を1~3ゲーム間、4~6ゲーム間、7~9ゲーム間に跨った連続演出として実行し、各対戦抽選の結果を3ゲーム目、6ゲーム目、9ゲーム目に導出するようにしてもよい。
この場合には、例えば、途中の対戦抽選で非当選となった場合と最大ゲーム数まで実行した場合とで抽選ゲーム期間の長短の差異がより顕著となるので、ゲーム内容の選択がより重要となり、遊技者がよりゲーム内容を選択し甲斐のある遊技性を実現することが可能となる。
以上のように、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序が設定される。
【0179】
[メイン表示器で表示されるゲーム内容選択演出、および連続演出]
次に、図7を参照して、主制御装置10からの制御信号に基づく副制御装置20の制御によりメイン表示器8で実行されるゲーム内容選択演出、および連続演出について説明する。
【0180】
図7は、前述した疑似ボーナス状態中におけるゲーム内容選択ゲーム、および抽選ゲーム期間中のゲームにおいてメイン表示器8で実行される演出画像を示している。
具体的には、抽選ゲーム期間の直前のゲーム内容選択ゲーム中に実行されるゲーム内容選択演出と、その後の抽選ゲーム期間において実行される連続演出との間においてメイン表示器8で表示される演出画像を示している。
なお、図7では、抽選ゲーム期間におけるAT状態の移行抽選処理において特定条件が成立した場合を示している。
【0181】
まず、図7(a)は、疑似ボーナス状態中においてゲーム内容選択ゲームが実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図7(a)に示すように、ゲーム内容選択ゲームが実行されると、メイン表示器8の画面主要部において、第1選択画像20aと、第2選択画像20bと、第3選択画像20cとが略三角形の頂点となるようにゲーム内容選択ゲームの初期画像が表示される。
【0182】
また、メイン表示器8の画面上部には、一側方(左側方)に疑似ボーナス状態における残りゲーム数を示す残りゲーム数画像30aと、他側方(右側方)に疑似ボーナス状態中におけるメダルの獲得枚数(純増枚数)を示す獲得枚数画像30bとが表示される。
図7(a)は、ゲーム内容選択ゲーム中を示しているので、残りゲーム数画像30aとして残りゲーム数が4回であることを示す「4G」の情報が表示されていて、また、獲得枚数画像30bとして今回の疑似ボーナス状態中のメダルの獲得枚数が56枚であることを示す「56枚」の情報が表示されている。
また、メイン表示器8の画面下部には、ゲーム内容選択ゲームにおいて当選した押し順ベル役に対応する押し順ナビ画像31が表示され、当該ゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させるための押し順(「2→1→3」)が報知されている。
【0183】
各選択画像は、ゲーム内容を示す文字情報および味方側のキャラクタの登場順を示す情報(キャラクタのアルファベットのみ)と、その文字情報を囲む略円形の囲い枠とから構成されていて、第1選択画像20aは、「安定」および「BBB」の情報を含み、前述した抽選ゲーム期間におけるゲーム内容の選択肢としての「安定」に対応し、同様に、第2選択画像20bは、「勝負」および「ABC」の情報を含んでゲーム内容の選択肢としての「勝負」に対応し、第3選択画像20cは、「無難」および「CBA」の情報を含んでゲーム内容の選択肢としての「無難」に対応している。
【0184】
また、ゲーム内容選択ゲームの初期画像では、第1選択画像20aの囲い枠が、他の選択画像よりも太線となっていて、初期状態において第1選択画像20aが選択されていることを報知している。
そして、この状態からゲーム内容選択ゲームが終了するまでは、ゲーム内容の選択が可能なり、主制御装置10により、遊技者の操作手段の操作に基づくゲーム内容選択処理が行われる。
【0185】
ゲーム内容選択処理が行われると、主制御装置10は、所定時間(例えば、1秒)ごとに選択しているゲーム内容を順次切り替えるような処理を行う。
例えば、初期状態においては「安定」を選択しているが、所定時間が経過すると選択しているゲーム内容を「安定」から「勝負」に切り替え、さらに所定時間が経過すると選択しているゲーム内容を「勝負」から「無難」に切り替え、所定時間が経過すると選択しているゲーム内容を「無難」から再度「安定」に切り替えるような処理を繰り返して行う。
【0186】
また、ゲーム内容の順次切替処理が行われると、主制御装置10からの制御情報を受信に基づき副制御装置20は、ゲーム内容の順次切替処理に対応してメイン表示器8における選択画像の選択報知を順次切り替える表示を行う。
したがって、初期状態においては、図7(a)に示すような第1選択画像20aの囲い枠のみが太線となって、第1選択画像20aが選択報知されている状態となっているが、所定時間経過後には、第2選択画像20bの囲い枠のみが太線となって、第2選択画像20bが選択報知されている状態に切り替えられ、次の所定時間経過後には、第3選択画像20cの囲い枠のみが太線となって、第3選択画像20cが選択報知されている状態に切り替えられ、さらに所定時間経過後には、第1選択画像20aの囲い枠のみが太線となって、第1選択画像20aが選択報知されている状態に切り替えられるような表示が繰り返して行われるのである。
【0187】
そして、ゲーム内容の順次切替処理が行われている状態で、ベットボタン2aからの入力信号が発生すると、主制御装置10は、その時点で選択されているゲーム内容を、今回の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容として決定する処理を行う。
したがって、遊技者はゲーム内容の順次切替処理が行われている状態において、所望の選択画像が選択報知された時点でベットボタン2aを操作することで、所望のゲーム内容の選択を行うことが可能となるのである。
なお、ゲーム内容の順次切替処理は、ベットボタン2aの操作が無いとゲーム内容選択ゲームの次のゲームが開始するまで継続して実行され、次のゲームでのベット数を入力するためのベットボタン2aの操作により、その時点で選択報知されているゲーム内容が、今回の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容として決定される。
【0188】
図7(b)は、ゲーム内容選択ゲームの終了後のメイン表示器8での表示であって、第2選択画像20bが選択報知されている状態において、遊技者がベットボタン2aを操作した場合、すなわち、ゲーム内容として「勝負」を選択した場合を示している。
図7(b)に示すように、遊技者の操作によりゲーム内容として「勝負」が選択された場合には、第1選択画像20aおよび第3選択画像20cが消去されるとともに、第2選択画像20bの拡大画像である第4選択画像20dが、メイン表示器8の画面主要部に表示され、ゲーム内容として「勝負」が選択されたことが報知される。
【0189】
また、メイン表示器8の画面左下には、ゲーム内容として「勝負」の選択に対応して、抽選ゲーム期間における味方キャラクタの登場順を報知する登場順画像33が表示される。
前述の図6で説明したように、ゲーム内容として「勝負」が選択されると、その選択に応じて対戦抽選の種類と順序が決定されることとなり、「勝負」に対応するように、その後の抽選ゲーム期間での対戦演出において、味方キャラクタA→味方キャラクタB→味方キャラクタCの順に登場することを示す「ABC」の情報が登場順画像33として事前に表示される。
【0190】
上記図7(a)から(b)に示すように、遊技者の操作により対戦抽選の種類と順序から形成される抽選態様が変更され、この抽選態様の変更に関連した演出がメイン表示器8において実行されるのである。
すなわち、副制御装置20は、抽選ゲーム期間中の複数のゲームにおける抽選態様の変更に関連した演出を実行させることが可能な演出制御手段を構成するのである。
【0191】
また、登場順画像33により抽選ゲーム期間における抽選態様が事前報知され、遊技者の操作によるゲーム内容の選択により抽選態様が変更されると、その変更されたゲーム内容に応じて登場順画像33における報知態様が変更されることとなる。
すなわち、演出制御手段としての副制御装置20は、抽選ゲーム期間中の複数のゲームにおける各ゲームの抽選態様を事前報知可能であり、抽選態様の変更に基づいて、複数のゲームの事前報知態様を変更可能としているのである。
なお、図7(b)は、ゲーム内容選択ゲームの終了後を示しているので、押し順ベル役の入賞により獲得枚数画像30bが「64枚」の情報に変化している。
【0192】
次に、図7(c)は、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
抽選ゲーム期間でのゲーム内容として「勝負」が選択されると、前述したように、主制御装置10の制御により、1ゲーム目には「味方キャラクタA」ゲーム、すなわち、対戦抽選の当選確率が25%であるゲームが実行されることとなる。
【0193】
図7(c)に示すように、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが実行されると、メイン表示器8の画面右側に、対戦演出での対戦相手である敵キャラクタ画像22が表示される一方、画面左側に、今回の対戦演出で登場する味方側のキャラクタが表示される。
今回は「味方キャラクタA」ゲームであるので、味方側のキャラクタとして、味方キャラクタA画像21aが表示されることとなる。
【0194】
また、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームに移行しているので、残りゲーム数画像30aが「3G」の情報に変化し、また、今回のゲームでのベット数の入力分獲得枚数が減少しているので、獲得枚数画像30bが「61枚」の情報に変化することとなる。
また、メイン表示器8の画面下部には、押し順ナビ画像31が表示され、当該ゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させるための押し順(「1→3→2」)が報知される。
また、登場順画像33として、味方側のキャラクタの登場順を示す「ABC」の情報が継続して表示される。
【0195】
そして、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲーム開始時に、主制御装置10により「味方キャラクタA」ゲームに対応して当選確率が25%である対戦抽選が実行され、対戦抽選に対応する対戦演出が、当該ゲーム実行中において表示されることとなる。
対戦演出は、1ゲームで完結するものとなっているので、対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に敗北して対戦抽選が非当選であったことを報知する演出画像(動画)がゲーム開始から終了までの間に表示され、対戦抽選が当選であった場合には、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に勝利して対戦抽選が当選であったことを報知する演出画像(動画)がゲーム開始から終了までの間に表示されることとなる。
【0196】
また、図7(c)では、抽選ゲーム期間における1ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合を示しているので、図示は省略するが、ゲーム終了時に味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像が表示されることとなる。
味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像は、対戦抽選が当選であったことを1ゲームで報知するものであれば何れでもよく、例えば、各リール4の停止に応じて味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に攻撃を与えて、最終的に敵キャラクタ画像22が倒れる演出画像でもよいし、所定のリール4の停止に応じて敵キャラクタ画像22が味方キャラクタA画像21aに攻撃を与えるが、最後のリール4の停止時に味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に攻撃を与えて、最終的に敵キャラクタ画像22が倒れる演出画像でもよい。
【0197】
なお、対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示されて、対戦抽選が非当選であったこと、およびAT状態に移行しないことがゲーム終了時に報知されて、今回のゲームで疑似ボーナス状態が終了することとなる。
したがって、この場合には、抽選ゲーム期間における2ゲーム目と3ゲーム目のゲームが実行されなくなるので、その分、抽選ゲーム期間が短くなり押し順ナビが実行されるゲーム数が少なくなるのである。
【0198】
次に、図7(d)は、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
抽選ゲーム期間での1ゲーム目のゲームにおける対戦抽選が当選となると、抽選ゲーム期間の2ゲーム目のゲームに継続することとなるが、抽選ゲーム期間でのゲーム内容として「勝負」が選択されていると、主制御装置10の制御により、2ゲーム目には「味方キャラクタB」ゲーム、すなわち、対戦抽選の当選確率が50%であるゲームが実行されることとなる。
【0199】
図7(d)に示すように、抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲームが実行されると、メイン表示器8の画面右側に、対戦演出での対戦相手である敵キャラクタ画像22が再度表示される一方、画面左側に、今回の対戦演出で登場する味方側のキャラクタが表示される。
今回は「味方キャラクタB」ゲームであるので、味方側のキャラクタとして、味方キャラクタB画像21bが表示されることとなる。
なお、2ゲーム目の対戦演出での対戦相手は、1ゲーム目と同様に敵キャラクタ画像22が表示されるようになっているが、ゲーム毎に敵側のキャラクタを変更するようにしてもよい。
【0200】
また、抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲームに移行すると、残りゲーム数画像30aが「2G」の情報に変化し、また、前回のゲームでの押し順ベル役の入賞分の獲得枚数の増加と、今回のゲームでのベット数の入力分の獲得枚数の減少とにより、獲得枚数画像30bが「66枚」の情報に変化することとなる。
また、図7(d)では、2ゲーム目のゲームにおいて、リプレイ役に当選した場合を示しているので、押し順ナビ画像31は表示されない。
また、登場順画像33として、味方側のキャラクタの登場順を示す「ABC」の情報が継続して表示されるが、抽選ゲーム期間における1ゲーム目の対戦抽選に当選しているので1ゲーム目の対戦抽選に対応する「A」の画像に丸画像が追加表示され、既に1ゲーム目の対戦抽選に当選していることが履歴情報として報知される。
【0201】
また、図7(d)では、抽選ゲーム期間における2ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合を示しているので、図示は省略するが、1ゲーム目と同様に、2ゲーム目のゲーム終了時に味方キャラクタB画像21bが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像が表示され、対戦抽選が当選であったことが報知されることとなる。
【0202】
なお、2ゲーム目のゲームでの対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタB画像21bが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示されて、対戦抽選が非当選であったこと、およびAT状態に移行しないことがゲーム終了時に報知されて、2ゲーム目のゲームで疑似ボーナス状態が終了することとなる。
したがって、この場合には、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームが実行されなくなるので、その分、抽選ゲーム期間が短くなり押し順ナビが実行されるゲーム数が少なくなるのである。
【0203】
次に、図7(e)は、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
抽選ゲーム期間での2ゲーム目のゲームにおける対戦抽選が当選となると、抽選ゲーム期間の3ゲーム目のゲームに継続することとなるが、抽選ゲーム期間でのゲーム内容として「勝負」が選択されていると、主制御装置10の制御により、3ゲーム目には「味方キャラクタC」ゲーム、すなわち、対戦抽選の当選確率が100%であるゲームが実行されることとなる。
【0204】
図7(e)に示すように、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームが実行されると、メイン表示器8の画面右側に、対戦演出での対戦相手である敵キャラクタ画像22が再度表示される一方、画面左側に、今回の対戦演出で登場する味方側のキャラクタが表示される。
今回は「味方キャラクタC」ゲームであるので、味方側のキャラクタとして、味方キャラクタC画像21cが表示されることとなる。
なお、3ゲーム目のゲームでの対戦抽選が当選となった場合には、AT状態に移行することとなるので、1ゲーム目と2ゲーム目とは異なる敵側のキャラクタを登場させることで、勝利すればAT状態に移行することを報知するようにしてもよい。
【0205】
また、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームに移行すると、残りゲーム数画像30aが「1G」の情報に変化し、また、前回のゲームがリプレイ役の当選であったので、獲得枚数画像30bが「66枚」の情報のまま表示される。
また、メイン表示器8の画面下部には、押し順ナビ画像31が表示され、当該ゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させるための押し順(「3→2→1」)が報知される。
また、登場順画像33として、味方側のキャラクタの登場順を示す「ABC」の情報が継続して表示されるが、抽選ゲーム期間における1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に当選しているので、1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に対応する「A」および「B」の画像の両方に丸画像が追加表示され、既に1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に当選していることが履歴情報として報知される。
【0206】
また、図7(e)では、抽選ゲーム期間における3ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合を示しているので、図示は省略するが、1ゲーム目および2ゲーム目と同様に、3ゲーム目のゲーム終了時に味方キャラクタC画像21cが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像が表示され、対戦抽選が当選であったことが報知されることとなる。
そして、3ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合には、AT状態に移行することとなるので、味方キャラクタC画像21cが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像を表示した所定時間(例えば、2秒)経過後に、例えば、主人公キャラクタと「AT突入」等の文字情報からなる、AT状態に移行することを報知する画像が表示される。
【0207】
なお、3ゲーム目のゲームでの対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタC画像21cが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示されて、対戦抽選が非当選であったこと、およびAT状態に移行しないことがゲーム終了時に報知されて、3ゲーム目のゲーム終了により疑似ボーナス状態が終了することとなる。
したがって、この場合には、抽選ゲーム期間はAT状態に移行する場合と同様となり、押し順ナビが実行されるゲーム数も同様となるのである。
【0208】
以上のように、疑似ボーナス状態中におけるゲーム内容選択ゲームに対応する演出が実行されることから、遊技者は好みのゲーム内容を確実に選択することが可能となり、遊技者が所望するゲーム内容とは異なるゲーム内容を選択してしまうといった事態を未然に防止でき、遊技者が安心して抽選ゲーム期間でのゲームを実行することが可能となるのである。
また、抽選ゲーム期間においては、遊技者が選択したゲーム内容に応じた味方側のキャラクタがゲーム毎に登場して対戦演出が実行されるので、各ゲームでの対戦抽選確率を把握した状態で対戦演出を楽しめるようになり、ゲーム毎に変化する期待感や安心感を効率よく高められるような演出を実行することが可能となるのである。
【0209】
また、登場順画像33の表示により、抽選ゲーム期間中における各ゲームの抽選態様を事前報知され、遊技者の操作による抽選態様の変更に基づいて、複数のゲームの事前報知態様が変更されるので、遊技者は、自身の操作により変更された抽選ゲーム期間における対戦抽選の種類および順序を事前に把握することが可能となり、遊技者に対して何ら不信感を与えず安心して遊技を実行させることが可能となるのである。
【0210】
なお、本実施形態では、対戦抽選の結果をキャラクタによる対戦演出で実行するようにしているが、対戦抽選の結果を遊技者に報知できれば対戦演出以外で報知してもよく、例えば、主人公キャラクタが宝箱を開ける演出画像を表示し、宝箱の中の宝の有無により対戦抽選の結果を報知するようにしてもよいし、主人公キャラクタがサッカーでのシュートを行い、ゴールの有無により対戦抽選の結果を報知するようにしてもよい。
【0211】
また、ベットボタン2aの操作によりその時点で選択されている選択画像をゲーム内容として決定するようにしているが、ベットボタン2aの操作後に、再度ベットボタン2aを操作すると、選択画像が順次切り替わる表示を再度開始することにより、一度ベットボタン2aを操作した場合でも、再度のベットボタン2aの操作により、ゲーム内容の選択をやり直せるようにしてもよい。
【0212】
また、ゲーム内容選択ゲームにおける演出は上記したもの以外でもよく、例えば、選択可能なゲーム内容として、まず最初に第1選択画像20aと第2選択画像20bと第3選択画像20cとを表示し、所定時間の経過ではなく、遊技者によるベットボタン2aの操作毎に選択されている選択画像を順次切り替えるようにして、次ゲームのスタートレバー3の操作により、その時点で選択されている選択画像をゲーム内容として決定するようにしてもよい。
また、ゲーム内容を選択するための操作手段は、主制御装置10で入力を監視できればベットボタン2a以外でもよい。
【0213】
また、対戦演出が実行されている場合に、両キャラクタの勝敗期待度の途中情報を報知するメーター画像を表示するようにしてもよい。
また、実行されたゲーム内容の数やその結果を履歴情報として記憶するとともに、当該履歴情報を遊技者による操作手段の操作に基づき表示できる機能を設けるようにして、ゲーム内容を選択する際の参考情報として、ゲーム内容ごとに過去のAT状態の移行率を確認できるようにしてもよい。
【0214】
また、対戦抽選の結果を報知するゲームの終了時に、ボタン演出を併用して、遊技者による演出ボタン2dの操作に基づき、対戦抽選の結果を報知するようにしてもよい。
また、対戦演出はメイン表示器8において実行するようにしているが、メイン表示器8とサブ表示器17で実行するようにしてもよいし、サブ表示器17のみで実行するようにしてもよい。
【0215】
また、疑似ボーナス状態中における抽選ゲーム期間以外でのゲームで所定のレア役(例えば、チェリー役)の当選に基づきAT状態の移行権利を予め付与するようにした場合に、通常では登場しない味方側のキャラクタを登場させるようにして、AT状態への移行が確定していることをゲーム開始時に報知するようにしてもよい。また、この場合に、通常では登場しない味方側のキャラクタではなく、複数のキャラクタ(例えば、キャラクタAとキャラクタB)を同時に登場させるようにしてもよい。
以上のように、メイン表示器8でのゲーム内容選択演出、および連続演出が実行される。
【0216】
[AT状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序]
次に、図8を参照して、AT状態中の抽選ゲーム期間における各ゲーム内容に対する対戦抽選の種類および順序について説明する。
本実施形態においては、AT状態は、押し順ナビを伴うゲームが所定回数(例えば、最大30回)実行されるまで継続することとなるが、その終盤の3ゲーム間には疑似ボーナス状態と同様に抽選ゲーム期間が設定され、この抽選ゲーム期間において特定条件が成立した場合にAT状態の継続権利が付与されることとなる。
【0217】
ただし、AT状態の継続条件(第2特定条件)は、AT状態の移行条件とは異なり、抽選ゲーム期間での対戦抽選が2回当選した場合に付与されるものとなっていて、AT状態の移行条件(第1特定条件)よりも難易度が低くなっている。
したがって、抽選ゲーム期間での対戦抽選が1回非当選となった場合でも、その時点ではAT状態は終了しないこととなり、最低でも2回の対戦抽選が実行されることとなるので、AT状態の継続期間は29ゲームか30ゲームとなっている。
【0218】
例えば、抽選ゲーム期間の1ゲーム目の対戦抽選が非当選となった場合でも、2ゲーム目のゲームが実行され、2ゲーム目の対戦抽選も非当選となった場合にAT状態の継続権利が付与されないものと決定されて、この場合には29ゲームでAT状態が終了して次ゲームから通常遊技状態に移行することとなる。
また、抽選ゲーム期間の1ゲーム目の対戦抽選が非当選となり、2ゲーム目の対戦抽選が当選となった場合には、3ゲーム目の対戦抽選の結果如何にかかわらず、AT状態は最大継続回数である30ゲームまで継続することとなる。
【0219】
さらに、AT状態中の抽選ゲーム期間においては、全てのゲームにおいて対戦抽選が当選となった場合には、AT状態の継続権利の付与の他に、次々回のAT状態の継続権利が付与されるものとなっている。
したがって、抽選ゲーム期間の1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選が共に当選となった場合には、その時点で次回のAT状態が継続することが決定され、3ゲーム目の対戦抽選は、次々回のAT状態の継続権利を付与するか否かの抽選として実行されるのである。
【0220】
本実施形態においては、AT状態の継続条件(第2特定条件)は、上記したようにAT状態の移行条件(第1特定条件)と異なっていることから、抽選ゲーム期間で選択可能なゲーム内容の選択肢も疑似ボーナス状態における抽選ゲーム間とは異なるように設定されている。
具体的には、抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦抽選の種類は、疑似ボーナス状態中と同様に設定、すなわち、当選確率が25%で設定された「味方キャラクタA」ゲーム、当選確率が50%で設定された「味方キャラクタB」ゲーム、当選確率が100%で設定された「味方キャラクタC」ゲームの何れかが実行されるように設定されているが、ゲーム内容の選択肢として「大勝負」が追加され、さらにゲーム内容の「勝負」における対戦抽選の種類と順序が、疑似ボーナス状態中とは異なるものに設定されている。
【0221】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容は、疑似ボーナス状態中と同様に、抽選ゲーム期間の直前ゲームであるゲーム内容選択ゲーム中における主制御装置10でのゲーム内容選択処理により、遊技者の操作に基づき決定され、当該決定結果に基づき、各ゲームにおける対戦抽選が行われるとともに、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦演出が実行されることとなる。
したがって、疑似ボーナス状態中に選択されるゲーム内容とは別個に、AT状態中においても抽選ゲーム期間でのゲーム内容(抽選態様)を選択可能となっている。
【0222】
すなわち、抽選ゲーム期間における特定条件の成立に対して、疑似ボーナス状態中においては特典としてAT状態の移行権利が付与され、AT状態中においてはAT状態の移行権利とは異なる特典として次回のAT状態の継続権利が付与されることとなるが、抽選態様変更手段としての主制御装置10は、これら付与される特典の種類に応じて抽選ゲーム期間でのゲーム内容(抽選態様)を別個に選択して変更可能としているのである。
【0223】
また、AT状態の継続条件(第2特定条件)は、AT状態の移行条件(第1特定条件)とは異なっているので、言い換えれば、抽選態様変更手段としての主制御装置10は、これら特定条件の種類に応じて抽選ゲーム期間でのゲーム内容(抽選態様)を別個に選択して変更可能としているのである。
【0224】
図8は、AT状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容である対戦抽選の種類および順序を示している。
本実施形態においては、AT状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容として、3ゲームの対戦抽選の種類および順序が予め設定されている4種類のグループ化されたゲーム内容が選択肢として設けられていて、その4種類のゲーム内容の何れかを遊技者が選択可能となっている。
【0225】
遊技者の操作により選択可能なゲーム内容(選択肢)としては、図8に示すように、抽選ゲーム期間の1ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲームが実行されるゲーム内容である「安定」と、1ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲームが実行されるゲーム内容である「勝負」と、1ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲームが実行されるゲーム内容である「無難」と、1ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲーム、2ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲーム、3ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲームが実行されるゲーム内容である「大勝負」と、が設定されている。
【0226】
主制御装置10では、図8に対応するAT状態中の抽選テーブルが予め設けられていて、当該抽選テーブルを用いて、抽選ゲーム期間の1ゲーム前のゲーム内容選択ゲーム中におけるベットボタン2aから入力信号に基づき上記ゲーム内容を選択することで、その時点で実行されているAT状態中の抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦抽選の種類と順序を決定するようにしている。
【0227】
したがって、操作手段としてのベットボタン2aの操作に基づき、遊技者が所望するゲーム内容を選択することが可能となり、例えば、遊技者がゲーム内容として「勝負」を選択した場合には、1ゲーム目に「味方キャラクタA」ゲームである対戦抽選の当選確率が25%に設定されたゲームが実行され、2ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲームである対戦抽選の当選確率が100%に設定されたゲームが実行され、3ゲーム目に「味方キャラクタB」ゲームである対戦抽選の当選確率が50%に設定されたゲームが実行されることとなる。
【0228】
ただし、AT状態中の抽選ゲーム期間においては、2回の対戦抽選に非当選となった時点でAT状態が終了することとなるので、3ゲーム分の対戦抽選の種類が予め決定されたとしても、全ての対戦抽選が行われるものでもない。
なお、ゲーム内容選択ゲーム中においては既にベット数が設定された後であるので、上記ゲーム内容を選択するためのベットボタン2aからの入力信号は、ベット数の設定とは無関係となる。
【0229】
また、抽選ゲーム期間の1ゲーム前のゲーム内容選択ゲーム中においては、メイン表示器8において、上記遊技者の操作に基づくゲーム内容選択演出が行われる。
ゲーム内容選択演出に関しては、図7で説明したものと同様の手順で行われることとなるので、ここでの説明は省略する。ただし、AT状態中のゲーム内容は、疑似ボーナス状態中のゲーム内容よりも選択可能なゲーム内容の数が多くなっているので、ゲーム内容としての「安定」、「勝負」、「無難」、「大勝負」の4種類の選択画像が表示され、これら4種類のゲーム内容から何れかを選択することとなる。
【0230】
上記のようにゲーム内容の選択が行われることから、ゲーム内容として「安定」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における全てのゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行されることとなる。
したがって、ゲーム内容として「安定」を選択した場合には、全てのゲームにおいて、「味方キャラクタA」ゲームが実行される場合に比べ当選確率が高くなり、さらに、「味方キャラクタC」ゲームが実行される場合に比べ当選確率が低くなることから、相対的に安定した確率でAT状態の継続、および別の特典が付与されるような対戦抽選が行われることとなる。
また、抽選ゲーム期間に関しても、「味方キャラクタA」ゲームが含まれる場合に比べ長くなる可能性が高くなり、さらに、「味方キャラクタC」ゲームが含まれる場合に比べ短くなる可能性が高くなることから、相対的に安定したゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0231】
また、ゲーム内容として「勝負」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、相対的に低位の当選確率(25%)である「味方キャラクタA」ゲームで実行され、2ゲーム目のゲームが、相対的に高位の当選確率(100%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行され、3ゲーム目のゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行されることとなる。
【0232】
したがって、ゲーム内容として「勝負」を選択した場合には、1ゲーム目では当選確率が最も低い対戦抽選が行われ、2ゲーム目では必ず当選となるような対戦抽選が行われるようになり、1ゲーム目の対戦抽選に非当選となる可能性は高いが、1ゲーム目の対戦抽選に当選しさえすれば、対戦抽選の2回の当選が確定して必ずAT状態が継続するような対戦抽選が行われることとなる。
また、抽選ゲーム期間に関しては、1ゲーム目の対戦抽選で非当選となった場合でも必ず3ゲーム目のゲームが実行されることとなり、他のゲーム内容(例えば、「安定」)を選択した場合に比べ長くなる可能性が高くなり、相対的に多いゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0233】
また、ゲーム内容として「無難」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、相対的に高位の当選確率(100%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行され、2ゲーム目のゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行され、3ゲーム目のゲームが、相対的に低位の当選確率(25%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行されることとなる。
【0234】
したがって、ゲーム内容として「無難」を選択した場合には、最初に必ず当選となるような対戦抽選が行われた後、徐々に当選確率が低くなるように対戦抽選が行われるようになり、初期段階において直ぐに対戦抽選が非当選とならずに、AT状態が継続する可能性が初期段階以降に継続するような対戦抽選が行われることとなる。ただし、2ゲーム目の対戦抽選に当選した場合でも、3ゲーム目の対戦抽選が非当選となり別の特典が付与される可能性は低くなる。
また、抽選ゲーム期間に関しては、2ゲーム目の対戦抽選で非当選となった場合でも必ず3ゲーム目のゲームが実行されることとなり、他のゲーム内容(例えば、「安定」)を選択した場合に比べ長くなる可能性が高くなり、相対的に多いゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0235】
また、ゲーム内容として「大勝負」を選択した場合には、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが、相対的に低位の当選確率(25%)である「味方キャラクタA」ゲームで実行され、2ゲーム目のゲームが、相対的に中位の当選確率(50%)である「味方キャラクタB」ゲームで実行され、3ゲーム目のゲームが、相対的に高位の当選確率(100%)である「味方キャラクタC」ゲームで実行されることとなる。
【0236】
したがって、ゲーム内容として「大勝負」を選択した場合には、最初に最も当選確率の低い対戦抽選が行われた後、徐々に当選確率が高くなるように対戦抽選が行われて、最終的に必ず当選となる対戦抽選が行われるようになり、1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に当選しさえすれば、AT状態の継続の他、必ず別の特典(次々回のAT状態の継続権利)が付与されるような対戦抽選が行われることとなる。
また、抽選ゲーム期間に関しては、他のゲーム内容に比べ、抽選ゲーム期間における1ゲーム目および2ゲーム目には、必ず当選となる「味方キャラクタC」ゲームが実行されないことから、他のゲーム内容(例えば、「無難」)を選択した場合に比べ短くなる可能性が高くなり、相対的に少ないゲーム数分の抽選ゲーム期間となる。
【0237】
以上のように、AT状態中の抽選ゲーム期間における各選択内容に対する対戦抽選の種類および順序が設定されていていることから、抽選ゲーム期間中のゲームの進行に応じた対戦抽選の当選難易度や、抽選ゲーム期間の長短、さらには別の特典の付与に対する期待度を、ゲーム内容ごとに特徴付けることが可能となるのである。
【0238】
例えば、「大勝負」を選択した場合には、1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選が共に非当選となり、抽選ゲーム期間が短くなって、その分メダルを獲得する機会が減ってしまうといったリスクを伴うが、1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に当選しさえすれば、次回のAT状態の継続権利他、別の特典として次々回のAT状態の継続権利も付与されることとなり、所謂一発逆転の意味合いのあるゲーム内容となる。
また、「勝負」を選択した場合には、「大勝負」を選択した場合に比べ抽選ゲーム期間が短くなるリスクはなくなるが、次々回のAT状態の継続権利の付与に対する期待度が低下することとなる。
【0239】
それに対して、「無難」を選択した場合には、必ず3ゲーム目までの継続により抽選ゲーム期間が長くなって、その分一定のメダルを獲得する機会を確実に得ることができるが、終盤の対戦抽選で非当選となってAT状態の継続や別の特典が付与される可能性が低くなるのである。特に、別の特典が付与される可能性が他のゲーム内容を選択した場合よりも低くなるのである。
また、「安定」を選択した場合には、AT状態の継続や別の特典の付与に対して、全てのゲームにおいて期待度に偏りのない対戦抽選が実行されるものとなる。
【0240】
したがって、遊技者が任意にゲーム内容を選択することで、遊技者の好みや、その時点で獲得しているメダルの量、あるいは当日の調子等に応じたゲーム内容で抽選ゲーム期間のゲームを実行することが可能となり、遊技者の遊技に対する満足感を高めるとともに、AT状態の継続や別の特典の付与に対する期待感や遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0241】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容の選択は、疑似ボーナス状態中の抽選期間におけるゲーム内容の選択とは別個に実行され、遊技者の操作によりゲーム内容の選択により、AT状態中の抽選ゲーム期間におけるゲーム内容が別個に変更することとなる。
したがって、遊技者は、付与される特典の種類や特典が付与されることとなる特定条件の種類に応じて個別にゲーム内容を変更すること可能となり、種々変化する遊技状況に応じて逐一ゲーム内容を変更することができ、極めて遊技者が満足するような遊技内容を実現することが可能となるのである。
【0242】
なお、本実施形態においては、抽選ゲーム期間における全ての対戦抽選に当選した場合に、全てのゲーム内容において同じ特典を付与するようにしているが、ゲーム内容に応じて異なる特典を付与するようにしてもよい。例えば、「大勝負」を選択した場合には、他のゲーム内容では次々回のAT状態の継続権利が付与されるのに対して、さらにその次のAT状態の継続権利も付与することで、他のゲーム内容よりも特典を大きくしてリスクに見合った特典を付与するようにしてもよい。
【0243】
また、抽選ゲーム期間における対戦抽選の当選確率は、各ゲーム内容における特徴が上記したものとなっていれば、上記した確率以外でもよく、例えば、上記例では、「勝負」を選択した場合の1ゲーム目の当選確率と、「無難」を選択した場合の3ゲーム目の当選確率を同一に設定しているが、「無難」を選択した場合の3ゲーム目よりも、「勝負」を選択した場合の1ゲーム目の方の当選確率を高くするようにしてもよい。
【0244】
また、AT状態中の抽選ゲーム期間における各対戦抽選を、疑似ボーナス状態中と同じ当選確率で制御するようにしているが、AT状態中と疑似ボーナス状態中とで異なる当選確率の対戦抽選を行うようにしてもよい。例えば、AT状態中では、疑似ボーナス状態では設定されていない当選確率が10%の対戦抽選が行われる「味方キャラクタD」ゲームを何れかのゲーム内容に追加してもよいし、「味方キャラクタA」ゲームと入れ替えてもよい。
【0245】
また、抽選ゲーム期間におけるゲーム数は3ゲーム以外でもよく、例えば、4ゲームや5ゲーム等でもよい。
また、本実施形態では、抽選ゲーム期間において1ゲーム毎に対戦抽選を行い、対戦抽選に対応する対戦演出を1ゲームで完結するように実行しているが、対戦抽選は1ゲーム毎で行わずに、所定数のゲームを挟んで実行するようにしてもよい。
【0246】
例えば、抽選ゲーム期間における最大実行可能ゲーム数を9ゲームとし、1ゲーム目、4ゲーム目、7ゲーム目に対戦抽選を実行し、各対戦抽選に対応する対戦演出を1~3ゲーム間、4~6ゲーム間、7~9ゲーム間に跨った連続演出として実行し、各対戦抽選の結果を3ゲーム目、6ゲーム目、9ゲーム目に導出するようにしてもよい。
この場合には、例えば、途中の対戦抽選で非当選となった場合と最大ゲーム数まで実行した場合とで抽選ゲーム期間の長短の差異がより顕著になるので、ゲーム内容の選択がより重要となり、遊技者がよりゲーム内容を選択し甲斐のある遊技性を実現することが可能となる。
以上のように、AT状態中の抽選ゲーム期間における各選択内容に対する対戦抽選の種類および順序が設定される。
【0247】
<変形例>
次に、ゲーム内容選択演出、および連続演出における変形例として、疑似ボーナス状態およびAT状態中におけるゲーム内容選択ゲーム、および抽選ゲーム期間中のゲームにおいてメイン表示器8で実行される演出について説明する。
前述の実施形態においては、疑似ボーナス状態中およびAT状態中の抽選ゲーム期間でのゲーム内容を決定する際には、予め対戦抽選がグループ化されている複数種のゲーム内容のうちから何れかを遊技者が選択するようにしているが、変形例においては、抽選ゲーム期間における1ゲーム毎に対戦抽選の種類を遊技者が選択可能としている。
【0248】
具体的には、主制御装置10は、抽選ゲーム期間の直前のゲームであるゲーム内容選択ゲーム中において回転中の各リール4a~4cに対応して、抽選ゲーム期間での各ゲームの対戦抽選の種類を設定し、回転中の各リール4a~4cを実際に停止される際の停止順に応じて各ゲームでの対戦抽選の種類を決定するようにしている。
【0249】
例えば、左リール4aに「味方キャラクタA」ゲーム、中リール4bに「味方キャラクタB」ゲーム、右リール4cに「味方キャラクタC」ゲームが予め設定し、遊技者がゲーム内容選択ゲームにおいて、左リール4a→中リール4b→右リール4cの順にリール4を実際に停止させた場合には、抽選ゲーム期間でのゲーム内容が、「味方キャラクタA」ゲーム→「味方キャラクタB」ゲーム→「味方キャラクタC」ゲームの順に実行され、右リール4c→中リール4b→左リール4aの順にリール4を停止させた場合には、抽選ゲーム期間でのゲーム内容が、「味方キャラクタC」ゲーム→「味方キャラクタB」ゲーム→「味方キャラクタA」ゲームの順に実行されるのである。
【0250】
したがって、本変形例においては、ゲーム内容選択ゲーム中における操作手段としての各停止ボタン5a~5cにおける実際の操作順序により、遊技者が抽選ゲーム期間におけるゲーム毎に対戦抽選の種類を任意に選択できるのである。
すなわち、抽選態様変更手段としての主制御装置10は、停止操作手段としての停止ボタン5におけるゲームの進行に関わる停止操作に基づき、複数のゲームにおける抽選態様を変更可能としているのである。
【0251】
なお、変形例においては、遊技者の停止ボタン5の操作によるゲーム内容の選択を阻害しないように、ゲーム内容選択ゲーム中においては押し順ベル役に対応する押し順ナビは禁止するようにしている。
また、前述した実施形態では、疑似ボーナス状態中とAT状態中とで抽選ゲーム期間でのゲーム内容の選択肢を異ならせていたが、変形例においては、ゲーム内容の選択手順や制御を同様にしている。
【0252】
また、変形例においてゲーム内容を選択する際には、主制御装置10の制御により、選択期間に所定の時間制限が設けられていて、ゲーム内容選択ゲームの開始から所定時間(例えば、10秒)以内にリール4の全てを停止させなければ、遊技者によるリール4の停止操作に基づくゲーム内容の選択は無効となり、デフォルト設定されているゲーム内容が設定されることとなる。
なお、デフォルト設定においては、抽選ゲーム期間における対戦抽選が全て「味方キャラクタB」ゲームで実行されるものとなっているので、前述した実施形態での「安定」に対応するゲーム内容を希望する遊技者は、制限時間が経過するまで停止操作を待てばよいこととなる。
【0253】
[変形例におけるメイン表示器で表示されるゲーム内容選択演出、および連続演出]
図9は、AT状態中におけるゲーム内容選択ゲームと抽選ゲーム期間中のゲームにおいてメイン表示器8で実行される演出画像を示している。
具体的には、抽選ゲーム期間の直前のゲーム内容選択ゲーム中に実行されるゲーム内容選択演出と、その後の抽選ゲーム期間において実行される連続演出との間においてメイン表示器8で表示される演出画像を示している。
なお、図9では、抽選ゲーム期間の例として、AT状態中の抽選ゲーム期間を示しているが、疑似ボーナス状態中においても同様の演出画像が表示される。また、図9では、AT状態の継続抽選処理において特定条件が成立した場合を示している。
【0254】
まず、図9(a)は、AT状態においてゲーム内容選択ゲームが実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図9(a)に示すように、ゲーム内容選択ゲームの実行によりリール4が回転すると、メイン表示器8の画面主要部において、味方キャラクタA選択画像23aと、味方キャラクタB選択画像23bと、味方キャラクタC選択画像23cとが、横方向に配設されていてリール4に対応して横方向に並んで表示される。
【0255】
この味方側のキャラクタの選択画像の各々は、回転中の各リール4a~4cに対応していて、左リール4aが味方キャラクタA選択画像23a、中リール4bが味方キャラクタB選択画像23b、右リール4cが味方キャラクタC選択画像23cに各々対応している。
そして、各リール4a~4cを実際に停止させた際の停止順序に応じて、対応する味方側のキャラクタの選択画像の登場順(対戦順)が設定されることで、抽選ゲーム期間における各ゲームの対戦抽選の種類と順序が決定されることとなる。
【0256】
また、メイン表示器8の画面上部には、各リール4a~4cを停止させることにより、その停止順序により味方側のキャラクタの登場順(対戦順)、すなわち、抽選ゲーム期間における対戦抽選の順序を選択することを促す、「リールを止めて対戦順を選択してください」の文字情報からなる指示画像32aが表示される。
また、指示画像32aの下部には、上記した対戦抽選の順序の選択に対する制限時間の経過を報知する、横方向に延在した矩形状のメーター画像32bが表示される。
メーター画像32bは、ゲーム内容選択ゲームの開始時には内部が全て黒塗りとなっているが、時間経過とともに黒塗りの部分が右から左方向に向けて減少し、最終的に黒塗りの部分が無くなることで制限時間に到達したことを報知するものとなっている。
【0257】
また、メイン表示器8の画面上部一側方(左側方)には、AT状態における残りゲーム数を示す残りゲーム数画像30aと、他側方(右側方)にAT状態中におけるメダルの獲得枚数(純増枚数)を示す獲得枚数画像30bとが表示される。
図9(a)は、ゲーム内容選択ゲーム中を示しているので、残りゲーム数画像30aとして残りゲーム数が4回であることを示す「4G」の情報が表示されていて、また、獲得枚数画像30bとしてAT状態中のメダルの獲得枚数が160枚であることを示す「160枚」の情報が表示されている。
なお、AT状態中のメダルの獲得枚数は、今回のAT状態の発生契機となった疑似ボーナス状態中におけるメダルの獲得枚数と合算したものが表示される。
【0258】
そして、遊技者は、図9(a)に示す画像が表示された状態でゲーム内容選択ゲームを実行することとなるが、このとき遊技者がリール4を停止させるための停止ボタン5a~5cを任意に停止操作した操作順序が、抽選ゲーム期間における味方側のキャラクタの登場順、すなわち抽選ゲーム期間における対戦抽選の順序(ゲーム内容)となるのである。
【0259】
例えば、遊技者が最初に中リール4bを停止させるために中停止ボタン5bを操作し、2番目に右リール4cを停止させるために右停止ボタン5cを操作し、最後に左リール4aを停止させるために左停止ボタン5aを操作した場合には、味方側のキャラクタの登場順が、味方キャラクタB→味方キャラクタC→味方キャラクタAとなり、抽選ゲーム期間において、1ゲーム目に当選確率が50%で設定された「味方キャラクタB」ゲーム、2ゲーム目に当選確率が100%で設定された「味方キャラクタC」ゲーム、3ゲーム目に当選確率が25%で設定された「味方キャラクタA」ゲームが実行されるゲーム内容が設定されることとなる。
【0260】
なお、本変形例においては、ゲーム内容選択ゲームの開始時に、味方キャラクタA選択画像23aと、味方キャラクタB選択画像23bと、味方キャラクタC選択画像23cとを表示して、対戦抽選の種類を夫々1つずつ選択可能としているが、所定の選択画像を同じものにして、2あるいは3の対戦抽選を同じもので選択可能としてもよい。
具体的には、抽選ゲーム期間以外で実行されるゲームや、ゲーム内容選択ゲームにおいて、所定のレア役に当選した等の所定条件の成立に基づき、所定の選択画像を、通常よりも遊技者に有利な選択画像に変更するようにしてもよい。例えば、ゲーム内容選択ゲームにおいて所定のレア役に当選した場合に、遊技者に最も有利な味方キャラクタC選択画像23cを2つ、あるいは3つにして、「味方キャラクタC」ゲームが複数回実行されるようにしてもよい。
【0261】
次に、図9(b)は、上記した順序で遊技者が停止ボタン5を操作して、リール4の全てを停止させてゲームを終了したときのメイン表示器8における演出画像を示している。
図9(b)に示すように、遊技者が中停止ボタン5b→右停止ボタン5c→左停止ボタン5aの順に操作手段を操作した場合には、各味方側のキャラクタの選択画像の上部に登場順が設定されたことを示す登場順設定画像32cが表示される。
【0262】
すなわち、味方キャラクタB選択画像23bの上部には1番目に登場(対戦)することを示す「1」の数値情報が表示され、味方キャラクタC選択画像23cの上部には2番目に登場することを示す「2」の数値情報が表示され、味方キャラクタA選択画像23aの上部には3番目に登場することを示す「3」の数値情報が表示されることとなる。
なお、本変形例においては、ゲーム内容選択ゲームでは押し順ナビは実行されないものとなっているが、図9(b)では、ゲーム内容選択ゲームにおいてリプレイ役に当選した場合を例示しているので、獲得枚数画像30bは変化せずに「160枚」の情報となっている。
【0263】
次に、図9(c)は、AT状態中の抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
ゲーム内容選択ゲームにおいて中リール4bが最初に停止するような停止操作が行われると、主制御装置10の制御により、抽選ゲーム期間の1ゲーム目には「味方キャラクタB」ゲーム、すなわち、対戦抽選の当選確率が50%であるゲームが実行されることとなる。
【0264】
図9(c)に示すように、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームが実行されると、メイン表示器8の画面右側に、対戦演出での対戦相手である敵キャラクタ画像22が表示される一方、画面左側に、今回の対戦演出で登場する味方側のキャラクタが表示される。
今回は「味方キャラクタB」ゲームであるので、味方側のキャラクタとして、味方キャラクタB画像21bが表示されることとなる。
【0265】
また、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲームに移行しているので、残りゲーム数画像30aが「3G」の情報に変化し、また、今回のゲームでのベット数の入力分獲得枚数が減少しているので、獲得枚数画像30bが「157枚」の情報に変化することとなる。
また、メイン表示器8の画面下部には、押し順ナビ画像31が表示され、当該ゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させるための押し順(「3→2→1」)が報知される。
また、登場順画像33として、登場順設定画像32cに対応した味方側のキャラクタの登場順を示す「BCA」の情報が表示される。
【0266】
そして、抽選ゲーム期間における1ゲーム目のゲーム開始時に、主制御装置10により「味方キャラクタB」ゲームに対応して当選確率が50%である対戦抽選が実行され、対戦抽選に対応する対戦演出が、当該ゲーム実行中において表示されることとなる。
対戦演出は、1ゲームで完結するものとなっているので、対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタB画像21bが敵キャラクタ画像22に敗北して対戦抽選が非当選であったことを報知する演出画像(動画)がゲーム開始から終了までの間に表示され、対戦抽選が当選であった場合には、味方キャラクタB画像21bが敵キャラクタ画像22に勝利して対戦抽選が当選であったことを報知する演出画像(動画)がゲーム開始から終了までの間に表示されることとなる。
【0267】
図9(c)では、抽選ゲーム期間における1ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合を示しているので、図示は省略するが、ゲーム終了時に味方キャラクタB画像21bが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像が表示されることとなる。
なお、AT状態においては対戦抽選に2回非当選とならない限りAT状態は継続することとなるので、1ゲーム目の対戦抽選がかりに非当選であった場合でも、今回のゲームでAT状態は終了せずに抽選ゲーム期間は継続することとなる。
【0268】
次に、図9(d)は、AT状態中の抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
ゲーム内容選択ゲームにおいて2番目に右リール4cが停止するような停止操作が行われると、主制御装置10の制御により、抽選ゲーム期間の2ゲーム目には「味方キャラクタC」ゲーム、すなわち、対戦抽選の当選確率が100%であるゲームが実行されることとなる。
【0269】
図9(d)に示すように、抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲームが実行されると、メイン表示器8の画面右側に、対戦演出での対戦相手である敵キャラクタ画像22が再度表示される一方、画面左側に、今回の対戦演出で登場する味方側のキャラクタが表示される。
今回は「味方キャラクタC」ゲームであるので、味方側のキャラクタとして、味方キャラクタC画像21cが表示されることとなる。
なお、2ゲーム目の対戦演出での対戦相手は、1ゲーム目と同様に敵キャラクタ画像22が表示されるようになっているが、ゲーム毎に敵側のキャラクタを変更するようにしてもよい。
【0270】
また、抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲームに移行しているので、残りゲーム数画像30aが「2G」の情報に変化し、また、前回のゲームでの押し順ベル役の入賞分の獲得枚数の増加と、今回のゲームでのベット数の入力分の獲得枚数の減少とにより、獲得枚数画像30bが「162枚」の情報に変化することとなる。
【0271】
また、メイン表示器8の画面下部には、押し順ナビ画像31が表示され、当該ゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させるための押し順(「1→2→3」)が報知される。
また、登場順画像33として、味方側のキャラクタの登場順を示す「BCA」の情報が継続して表示されるが、抽選ゲーム期間における1ゲーム目の対戦抽選に当選しているので1ゲーム目の対戦抽選に対応する「B」の画像に丸画像が追加表示され、既に1ゲーム目の対戦抽選に当選していることが履歴情報として報知される。
【0272】
そして、抽選ゲーム期間における2ゲーム目のゲームが実行されることとなるが、図9(d)では、抽選ゲーム期間における2ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合を示しているので、図示は省略するが、1ゲーム目と同様に、2ゲーム目のゲーム終了時に味方キャラクタC画像21cが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像が表示され、対戦抽選が当選であったことが報知されることとなる。
【0273】
なお、2ゲーム目に「味方キャラクタC」ゲーム以外のゲームが実行されて、2ゲーム目の対戦抽選が非当選であった場合には、味方側のキャラクタが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示されて、対戦抽選が非当選であったことがゲーム終了時に報知される。
このとき、1ゲーム目の対戦抽選が非当選であった場合には、味方側のキャラクタが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示された所定時間(例えば、2秒)経過後に、次回のAT状態に継続しないことを報知する画像が表示され、2ゲーム目のゲームで今回のAT状態が終了することとなる。
【0274】
したがって、この場合には、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームが実行されなくなるので、その分、抽選ゲーム期間が短くなり押し順ナビが実行されるゲーム数が少なくなるのである。
なお、1ゲーム目と2ゲーム目の両方の対戦抽選に当選した場合には、その時点で次回のAT状態に継続することとなるので、2ゲーム目のゲームが終了した時点で、「継続確定」の文字情報の表示や特定の効果音を出力してもよい。
【0275】
次に、図9(e)は、AT状態中の抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
ゲーム内容選択ゲームにおいて3番目に左リール4aが停止するような停止操作が行われると、主制御装置10の制御により、抽選ゲーム期間の3ゲーム目には「味方キャラクタA」ゲーム、すなわち、対戦抽選の当選確率が25%であるゲームが実行されることとなる。
【0276】
そして、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームが実行されることとなるが、図9(e)に示すように、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームが実行されると、メイン表示器8の画面右側に、対戦演出での対戦相手である敵キャラクタ画像22が再度表示される一方、画面左側に、今回の対戦演出で登場する味方側のキャラクタが表示される。
今回は「味方キャラクタA」ゲームであるので、味方側のキャラクタとして、味方キャラクタA画像21aが表示されることとなる。
なお、3ゲーム目のゲームでの対戦抽選が当選となった場合には、AT状態に移行することとなるので、1ゲーム目と2ゲーム目とは異なる敵側のキャラクタを登場させることで、勝利すればAT状態に移行することを報知するようにしてもよい。
【0277】
また、抽選ゲーム期間における3ゲーム目のゲームに移行しているので、残りゲーム数画像30aが「1G」の情報に変化し、また、前回のゲームでの押し順ベル役の入賞分の獲得枚数の増加と、今回のゲームでのベット数の入力分の獲得枚数の減少とにより、獲得枚数画像30bが「167枚」の情報に変化することとなる。
また、メイン表示器8の画面下部には、押し順ナビ画像31が表示され、当該ゲームにおいて当選した押し順ベル役を入賞させるための押し順(「1→3→2」)が報知される。
【0278】
また、登場順画像33として、味方側のキャラクタの登場順を示す「BCA」の情報が継続して表示されるが、抽選ゲーム期間における1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に当選しているので、1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に対応する「B」および「C」の画像の両方に丸画像が追加表示され、既に1ゲーム目および2ゲーム目の対戦抽選に当選していることが履歴情報として報知される。
【0279】
また、図9(e)では、抽選ゲーム期間における3ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合を示しているので、図示は省略するが、1ゲーム目および2ゲーム目と同様に、3ゲーム目のゲーム終了時に味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像が表示され、対戦抽選が当選であったことが報知されることとなる。
そして、3ゲーム目の対戦抽選が当選であった場合には、次回のAT状態が継続することとなるので、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に勝利する演出画像を表示した所定時間(例えば、2秒)経過後に、例えば、主人公キャラクタと「AT継続」等の文字情報からなる、AT状態が継続することを報知する画像が表示される。
【0280】
さらに、抽選ゲーム期間における全てのゲームの対戦抽選が当選であった場合には、上記のAT状態が継続することを報知する画像に加えて、次々回のAT状態も継続することを報知する画像として、例えば、「AT継続」の画像の横に「プラス1」の文字情報が表示される。
なお、抽選ゲーム期間における全てのゲームの対戦抽選が当選であった場合には、次回および次々回のAT状態が継続することを遊技者が認識できるものであれば何れでもよく、例えば、主人公キャラクタとは別のキャラクタを表示させたり、「大勝利」の文字情報を表示させたりしてもよいし、効果音を変更してもよい。
【0281】
また、かりに3ゲーム目のゲームでの対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示されて、対戦抽選が非当選であったことがゲーム終了時に報知される。
ただし、既に1ゲーム目と2ゲーム目の対戦抽選に当選してAT状態の継続権利が付与されている場合には、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像を表示した所定時間(例えば、2秒)経過後に、AT状態が継続することを報知する画像が表示されることとなる。
【0282】
なお、抽選ゲーム期間の1ゲーム目あるいは2ゲーム目の何れか一方のゲームの対戦抽選が非当選の状態で、3ゲーム目の対戦抽選が非当選であった場合には、味方キャラクタA画像21aが敵キャラクタ画像22に敗北する演出画像が表示された所定時間(例えば、2秒)経過後に、次回のAT状態に継続しないことを報知する画像が表示され、今回のAT状態が終了することとなる。
したがって、この場合には、抽選ゲーム期間は次回のAT状態に継続する場合と同様となり、押し順ナビが実行されるゲーム数も同様となるのである。
【0283】
以上のように、本変形例においては、疑似ボーナス状態中およびAT状態中での抽選ゲーム期間におけるゲーム毎に対戦抽選を選択することができるので、その分ゲーム内容が多彩化することとなり、多数の遊技者が満足するようなゲーム内容を実行することが可能となるのである。
特に、疑似ボーナス状態中とAT状態中とでは、特典が付与される条件が異なっているので、特典の付与条件に応じて対戦抽選の選択態様を細かく変更することも可能であるので、より遊技者が満足する選択態様を提供することが可能となるのである。
また、リール4の停止操作を利用して対戦抽選を選択するようにしているので、ゲームの進行に影響を与えず効率よく対戦抽選を選択することが可能となるのである。
【0284】
また、ゲーム内容選択ゲームに対応してメイン表示器8において演出が実行されることから、遊技者は好みの対戦抽選を確実に選択することが可能となり、遊技者が所望する対戦抽選とは異なる対戦抽選を選択してしまうといった事態を未然に防止でき、遊技者が安心して抽選ゲーム期間でのゲームを実行することが可能となるのである。
また、抽選ゲーム期間においては、遊技者が選択した対戦抽選に応じた味方側のキャラクタがゲーム毎に登場して対戦演出が実行されるので、各ゲームでの対戦抽選確率を把握した状態で対戦演出を楽しめるようになり、ゲーム毎に変化する期待感や安心感を効率よく高められるような演出を実行することが可能となるのである。
【0285】
なお、本変形例は、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選処理、およびAT状態における次回のAT状態の継続抽選処理の両方に適用させているが、何れか一方に適用させるようにしてよい。すなわち、何れか一方に本変形例を適用させて、他方には、前述した予めグループされたゲーム内容を選択するものを適用させてもよい。
【0286】
また、実行されたゲーム内容(対戦抽選の種類と順序)の数やその結果を履歴情報として記憶するとともに、当該履歴情報を遊技者による操作手段の操作に基づき表示できる機能を設けるようにして、各対戦抽選を選択する際の参考情報として、ゲーム内容ごとに過去のAT状態の移行率や継続率を確認できるようにしてもよい。
また、対戦抽選の結果を報知するゲームの終了時に、ボタン演出を併用して、遊技者による演出ボタン2dの操作に基づき、対戦抽選の結果を報知するようにしてもよい。
また、対戦演出はメイン表示器8において実行するようにしているが、メイン表示器8とサブ表示器17で実行するようにしてもよいし、サブ表示器17のみで実行するようにしてもよい。
【0287】
また、疑似ボーナス状態中およびAT状態中における抽選ゲーム期間以外でのゲームで所定のレア役(例えば、チェリー役)の当選に基づきAT状態の移行権利や継続権利を予め付与するようにした場合に、通常では登場しない味方側のキャラクタを選択可能にして、AT状態への移行や継続が確定していることをゲーム内容選択ゲームあるいは抽選ゲーム期間の最初のゲーム開始時に報知するようにしてもよい。また、この場合に、通常では登場しない味方側のキャラクタではなく、複数のキャラクタ(例えば、キャラクタAとキャラクタB)を同時に登場させるようにしてもよい。
以上のように、変形例におけるメイン表示器8でのゲーム内容選択演出、および連続演出が実行される。
【0288】
以上説明したように、本発明においては、遊技者による操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームに関連した演出を実行するようにした遊技機(スロットマシン1)において、所定期間における複数のゲームの実行に関連して所定の特典を付与するか否かを決定可能であって、前記複数のゲームにおける前記所定の特典の付与に関わる抽選結果が、予め定められている特定条件を満たした場合に、前記所定の特典を付与することを決定可能な決定手段(主制御装置10)と、遊技者が操作可能な操作手段(ベットボタン2a、停止ボタン5)と、前記操作手段の操作に基づき、前記複数のゲームにおける抽選態様を変更可能な抽選態様変更手段(主制御装置10)と、を備え、前記決定手段は、前記抽選態様変更手段により変更された抽選態様に基づいて、前記複数のゲームにおける各ゲームの抽選を実行可能な構成としている。
【0289】
ここで、決定手段、抽選態様変更手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、所定期間は、所定数のゲームが実行される期間、所定時間等が例示される。
また、所定の特典としては、AT状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、高確率状態等の遊技者が有利となるものであれば何れでもよい。
【0290】
また、演出は、液晶表示器、LED表示器、EL表示器等の複数の情報を表示する表示手段で実行されるものでもよいし、スピーカや、ランプ等の発光手段で実行されるものでもよい。
また、抽選態様は、抽選確率、抽選の順序等で形成される抽選の態様であり、抽選態様を変更とは、これら抽選確率を変更するものでもよし、抽選の順序を変更するものでもよい。
【0291】
したがって、遊技者が任意に複数のゲームにおける抽選態様を選択することで、複数のゲームの実行毎に抽選態様を変更することが可能となり、遊技者の好みに合った抽選態様に変更した上で、複数のゲームが実行されることとなるので、遊技者の遊技に対する満足感を高めるとともに、所定の特典の付与に対する期待感や遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0292】
また、前記複数のゲームにおける抽選態様の変更に関連した演出を実行させることが可能な演出制御手段(副制御装置20)を備えた構成とした。
ここで、演出制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0293】
したがって、複数のゲームにおける抽選態様の変更に関連した演出が実行されることから、遊技者は好みのゲーム内容を確実に選択することが可能となり、遊技者が所望するゲーム内容とは異なるゲーム内容を選択してしまうといった事態を未然に防止でき、遊技者が安心して複数のゲームを実行することが可能となる。
【0294】
また、前記演出制御手段は、前記複数のゲームにおける各ゲームの抽選態様を事前報知可能であり、前記抽選態様変更手段による抽選態様の変更に基づいて、前記複数のゲームの事前報知態様を変更可能な構成としている。
したがって、遊技者の操作により抽選態様が変更されると、複数のゲームの事前報知態様が変更されるので、遊技者は、自身の操作により変更された抽選態様を事前に把握することが可能となり、遊技者に対して何ら不信感を与えず安心して遊技を実行させることが可能となる。
【0295】
また、前記抽選態様変更手段は、前記複数のゲームにおける抽選態様が予め定められている複数のグループからいずれかを選択することで、前記複数のゲームにおける抽選態様を変更可能な構成としている。
したがって、遊技者は予め抽選態様が定められている複数のグループのいずれかを選択するだけで、複数のゲームにおける抽選態様が好みの態様に変更されるので、遊技者は複数のゲームにおける抽選態様を簡単に選択することが可能となり、選択間違い等を防止することが可能となる。
【0296】
また、前記操作手段は、前記ゲームの進行に関わる操作を実行可能な停止操作手段(停止ボタン5)を含み、前記抽選態様変更手段は、前記停止操作手段における前記ゲームの進行に関わる停止操作に基づき、前記複数のゲームにおける抽選態様を変更可能な構成としている。
したがって、停止操作手段におけるゲームの進行に関わる停止操作を利用して抽選態様を選択するようにしているので、ゲームの進行に影響を与えず効率よく抽選態様を選択することが可能となり、また、より詳細に抽選態様を選択することができ、多数の遊技者が満足するような抽選態様を実現することが可能となる。
【0297】
また、前記所定の特典は、付与される特典が異なる複数種類で設定され、前記抽選態様変更手段は、前記複数のゲームにおける抽選態様を、前記所定の特典の種類に応じて別個に変更可能な構成としている。
したがって、付与される特典の種類に応じて、遊技者は個別に抽選態様を変更すること可能となり、付与される特典の大きさと自身の勝敗状況等を照らし合わせて、逐一ゲーム内容を変更することができ、極めて遊技者が満足するような遊技内容を実現することが可能となる。
【0298】
また、前記特定条件は、前記複数のゲームにおける抽選結果が異なる複数種類で設定され、前記抽選態様変更手段は、前記複数のゲームにおける抽選態様を、前記特定条件の種類に応じて別個に変更可能な構成としている。
したがって、特定条件の種類に応じて、遊技者は個別に抽選態様を変更することが可能となり、特定条件の成立難易度と自身の勝敗状況等を照らし合わせて、逐一ゲーム内容を変更することができ、極めて遊技者が満足するような遊技内容を実現することが可能となる。
【0299】
一方、特許文献1には、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機における表示装置での情報表示では、興趣性の向上として十分ではなく、報知機能としても不十分なものであった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0300】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の他にボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
【0301】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしているが、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしてもよい。
【0302】
また、本実施形態では、操作手段としてベットボタン2aあるいは停止ボタン5を例示しているが、遊技者の操作により入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、スタートレバー3でもよい。
【0303】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、ゲーム内容選択演出や連続演出が表示された場合に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、ゲーム内容選択演出や連続演出が表示された場合に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0304】
また、表示手段として、メイン表示器8およびサブ表示器17以外の表示器を別個設けるようにしてもよく、ゲーム内容選択演出や連続演出等の実行箇所として、各々の表示手段を選択可能としてもよい。
【0305】
また、対戦抽選の当選確率が同一で、画像態様が異なる味方側のキャラクタを設けてもよい。例えば、「安定」を選択した場合に、全て50%の当選確率であるが、味方側のキャラクタを異なるキャラクタで登場させてもよい。
また、対戦抽選の当選確率の種類を味方側のキャラクタの種類により報知しているが、敵キャラクタを複数種類で設定し、敵キャラクタの種類により対戦抽選の当選確率の種類を報知してもよい。
【0306】
また、疑似ボーナス状態中(あるいはAT状態中)に所定のレア役に当選した場合に抽選を行い、あるいは疑似ボーナス状態の開始時(あるいはAT状態開始時)に所定の抽選を行い、当該抽選に当選した場合に、内部的に抽選ゲーム期間の対戦抽選の全て(あるいは2回)を事前に当選したものと決定するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態中(あるいはAT状態中)に所定のレア役に当選した場合、あるいは疑似ボーナス状態開始時(あるいはAT状態開始時)に所定の抽選を行い、当該抽選に基づき、登場する味方側のキャラクタを変化させるようにしてもよい。例えば、疑似ボーナス状態中(あるいはAT状態中)に強チェリー役の当選に基づき、本来登場予定であった味方キャラクタBを味方キャラクタCに変更してもよい。
【0307】
また、AT状態中の抽選ゲーム間における対戦抽選が全て当選や、2回当選した場合の所定確率で、別の特典として上乗せ特化ゾーンを発生させるようにしてもよい。
また、抽選ゲーム期間のゲーム数や、AT状態の移行(あるいは継続)の条件となる対戦抽選の当選回数を、所定条件の成立により変更可能にしてもよい。このようにすれば、種々の状況に応じて味方側のキャラクタの登場順(対戦順)の組合せの重要性が変化することとなるので、ゲーム内容の選択がより重要となるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となる。
【0308】
また、通常遊技状態中において疑似ボーナス状態に連続して非当選となったゲーム数が所定数(例えば、1000回)となった場合に、強制的に疑似ボーナス状態を発生させる機能(所謂天井機能)を設け、この場合に、通常よりも遊技者に有利なゲーム内容で抽選ゲーム期間を実行可能としてもよい。
【0309】
また、前述の実施形態では、抽選手段(決定手段)などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0310】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0311】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9