(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】グリコーゲンシンターゼキナーゼ3型β阻害剤による特発性肺線維症の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/407 20060101AFI20240415BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240415BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
A61K31/407
A61P11/00
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2021514939
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 US2019032639
(87)【国際公開番号】W WO2019222483
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-14
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520046395
【氏名又は名称】アクチュエイト セラピューティクス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】タッカー、トリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】アイデル、スティーブン
【審査官】新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/077138(WO,A1)
【文献】特表2009-508947(JP,A)
【文献】特表2014-503598(JP,A)
【文献】特表2015-535233(JP,A)
【文献】特表2016-527275(JP,A)
【文献】THE JOURNAL OF PHARMACOLOGY AND EXPERIMENTAL THERAPEUTICS,2010年,Vol.332, No.3,pp.785-794
【文献】The American Journal of Pathology,2017年,Vol.187, No.11,pp.2461-2472
【文献】British Journal of Pharmacology,2013年,Vol.169,pp.590-603
【文献】Acta Pharmaceutica Sinica B,2013年,Vol.3, No.4,pp.226-233
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 11/00
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物対象における特発性肺線維症(IPF)を治療するための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
(i)有効量の
9-ING-41
またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物と、
(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤と
を有する、医薬組成物。
【請求項2】
請求項
1記載の医薬組成物において、前記哺乳動物対象はヒトである
、医薬組成物。
【請求項3】
請求項
1また
は2のいずれか1つに記載の医薬組成物において
、前記医薬組成物は吸入により投与されるものである
、医薬組成物。
【請求項4】
肺筋線維芽細胞の線維性肺(FL)線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害するための医薬組成物、またはそれを必要とする哺乳動物対象においてFL線維芽細胞の増殖を低減するための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、
(i)抗線維化有効量の
9-ING-41
またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物と、
(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤と
を有する、医薬組成物。
【請求項5】
請求項
4記載の医薬組成物において、前記哺乳動物対象はヒトである
、医薬組成物。
【請求項6】
請求項
4または5のいずれか1つに記載の医薬組成物において
、前記医薬組成物が、吸入を介して前記哺乳動物対象に投与される
、医薬組成物。
【請求項7】
哺乳動物対象における特発性肺線維症(IPF)の治療のための医薬組成物であって、
(i)抗線維化有効量の
9-ING-41
またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物と、
(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤と
を有する、医薬組成物。
【請求項8】
吸入による投与のために処方された、請求項
7記載の医薬組成物。
【請求項9】
請求項
7または8のいずれか1つに記載の医薬組成物において、前記組成物は、
(i)GSK-3βを阻害し、
(ii)肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、および、
(ii)前記FL線維芽細胞の増殖を減少させる、
医薬組成物。
【請求項10】
請求項
9記載の医薬組成物において、前記組成物は、9-ING-41、または、その薬学的に許容される塩または溶媒和物を有する、医薬組成物。
【請求項11】
請求項7、または8~10のいずれか1つに記載の医薬組成物において、前記化合物は吸入によって投与される、医薬組成物。
【請求項12】
請求項
10~
11のいずれか1つに記載の医薬組成物において、前記哺乳動物対象はヒトである、医薬組成物。
【請求項13】
それを必要とする対象におけるIPFの治療のための薬剤の製造のための、請求項
7または8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
請求項
13記載の医薬組成物において、前記組成物は、
(i)GSK-3βを阻害し、
(ii)肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、および、
(ii)前記FL線維芽細胞の増殖を減少させる、
医薬組成物。
【請求項15】
請求項
13または
14のいずれか1つに記載の医薬組成物において、前記組成物は、9-ING-41、または、その薬学的に許容される塩または溶媒和物を有する、医薬組成物。
【請求項16】
請求項
13~
15のいずれか1つに記載の医薬組成物において、前記化合物は吸入によって投与される、医薬組成物。
【請求項17】
請求項
13~
16のいずれか1つに記載の医薬組成物において、前記哺乳動物対象はヒトである、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2018年5月17日に出願された米国仮出願第62/672,864号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、国立衛生研究所によって授与された政府の支援(NIH HL130133)によってなされた。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有している。
【背景技術】
【0003】
生化学および医学の分野における本発明は、インビボで線維性肺リモデリングを阻害し、それによって特発性肺線維症(IPF)を治療するために、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3、形態β(GSK3β)阻害剤、最も好ましくは9-ING-41を使用するための方法および組成物に関する。
【0004】
特発性肺線維症(IPF)は、よく理解されていない進行性で致命的な肺疾患であり、肺移植以外の治療法はほとんどない。肺線維症に対して現在利用可能な治療法は、治癒的であることが知られておらず、疾患の進行を遅らせるだけである。生存期間の中央値(MST)は診断後3年である(診断後5年の生存期間の中央値は20%未満である)。間質性肺疾患のほとんどの形態および他の形態の肺線維症は、線維性病変、肺胞構造の進行性の歪みが発生し、過剰な細胞外マトリックス(ECM)沈着を伴う線維性または瘢痕組織との置換を特徴とし、進行性呼吸困難および肺機能の喪失をもたらす。
【0005】
GSK-3βはセリン/スレオニンキナーゼであり、2つのGSK-3アイソフォーム(αおよびβ)の1つである。GSK-3βは、転写因子を含む多様な標的リストの機能を調節することができる。GSK-3βはまた、多くの炎症性メディエーターの転写活性に影響を与える多くのシグナル伝達経路を調節する。
【0006】
現在の治療法は疾患の進行を遅らせるだけなので、IPFによる死亡率を大幅に逆転させたり、死亡率を低下させたり、治癒させたりする可能性のあるより優れた治療法と同様に、より効果的な新しい標的の特定が必要である。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(非特許文献)
(非特許文献1) BOREN,J et al. Inhibition of Glycogen Synthase Kinase 3beta Blocks Mesomesenchymal Transition and Attenuates Streptococcus pneumoniae Mediated Pleural Injury in Mice. The American Journal of Pathology,Vol.187,No.11,November 2017,pages 2461-2471; abstract; page 2461,second column,first paragraph; page 2462,second column,first paragraph; page 2464,first column,fourth paragraph; page 2467,second column,second paragraph; page 2468,first column,first paragraph; page 2470,second column,second paragraph
(非特許文献2) IVANOVA,V et al.Inhalation Treatment of Pulmonary Fibrosis by Liposomal Prostaglandin E2.European Journal of Pharmaceutical Biopharmacology,Vol.84,No.2,June 2013,pages 335-344; abstract; page 2,first paragraph; page 8,second paragraph
(非特許文献3) PAL,K et al.Inhibition of GSK-3 Induces Differentiation and Impaired Glucose Metabolism in Renal Cancer.Molecular Cancer Therapeutics,Vol.13,No.2,10 December 2013,pages 285-296;page 288,figure 1A
【発明の概要】
【0007】
本開示は、胸膜線維症および肺線維症の両方の治療に関するものである。好ましい実施形態では、これらの方法は、高用量でさえ十分に許容される9-ING-41の投与を介して達成される。それはまた、胸膜線維症、および本明細書に記載されるように、肺線維症のマウスモデルにおける瘢痕形成を制限する。胸膜線維症に関連する瘢痕および組織再編成の治療のための効果的な治療法はなく、肺線維症に利用可能な既存のアプローチは、単にその進行を遅らせるだけであり、治癒的ではない。9-ING-41は、インビボでの線維性肺リモデリングを軽減し、肺線維症の効果的な治療の緊急の必要性に対処する。
【0008】
現在、肺線維症を逆転させる効果的な治療法はない。本発明は、この重要な隔たりに対処し、線維性肺(「FL」)線維芽細胞(または筋線維芽細胞)を標的にしてIPFを効果的に治療するための新規化合物および方法を提供する。
【0009】
本発明は、IPFへの進行において筋線維芽細胞の拡大に寄与する住宅性胸膜中皮細胞(PMC)の中皮間質移行(MesoMT)を阻害する方法に関する。
【0010】
本発明は、それを必要とする哺乳動物対象に、有効量の式I
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を投与することにより、哺乳動物対象における特発性肺線維症(IPF)を治療する方法に関するものであり、式中、
Xは独立して-H、ハロ、5,6-メチレンジオキシ、-CN、-OMe、-OH、-OBn、-CF
3、-CH
2OH、-CH2OMe、-CH
2CH
2CO
2H、または-CH
2CH
2CO
2Etであり、
R
1は-H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、または-NH
2で置換された低級アルキルであり、
R
2は-H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、または-NH
2で置換された低級アルキルである。
Yは独立して-H、ハロ、-OMe、-OH、-OBn、-CF
3、-CH
2OH、-CH
2OMe、-NO
2、-CN、または-C=CH
2である。
【0011】
本発明はまた、それを必要とする哺乳動物対象に、i)有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物、および、ii)薬学的に許容される担体または賦形剤を有する医薬組成物を投与することにより、哺乳動物対象におけるIPFを治療する方法に関する。
【0012】
本発明はまた、肺線維症、最も好ましくはヒトにおけるIPFを特徴とする疾患または状態を有するまたは発症する哺乳動物対象を治療するための方法であって、対象に上記のような有効量の医薬組成物を投与する工程を有する方法に関する。化合物または組成物は、好ましくは、インビトロまたはインビボアッセイとして、9-ING-41の生物学的または生化学的活性の少なくとも20%を有する9-ING-41またはその類似体を有する。最も好ましい化合物は9-ING-41である。
【0013】
哺乳動物対象においてIPFを治療する方法の好ましい実施形態では、式Iの化合物は、9-ING-41またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物である。
【0014】
哺乳動物対象においてPFを治療する方法の好ましい実施形態では、哺乳動物対象はヒトである。
【0015】
哺乳動物対象においてIPFを治療する方法の好ましい実施形態では、投与は吸入によるものである。
【0016】
肺筋線維芽細胞の線維性肺(FL)線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、FL線維芽細胞の増殖を低減するための方法も提供され、前記方法は、それを必要とする哺乳動物対象において筋線維芽細胞およびFL線維芽細胞を、抗線維化有効量の式Iの化合物、または、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される賦形剤または担体を有する医薬組成物に接触させる工程を有する。
【0017】
肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、FL線維芽細胞の増殖を低減するための方法の好ましい実施形態では、化合物または式Iは、好ましくは9-ING-41またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物である。
【0018】
肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、FL線維芽細胞の増殖を低減するための方法の好ましい実施形態では、哺乳動物対象はヒトである。
【0019】
肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、FL線維芽細胞の増殖を低減するための方法の好ましい実施形態では、接触は吸入によるものである。
【0020】
本発明はまた、(i)抗線維化有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物、および(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤を有する医薬組成物を提供する。
【0021】
好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物中の式Iは9-ING-41である。
【0022】
好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物は、吸入による投与のために処方される。
【0023】
別の実施形態では、本発明は、哺乳動物対象においてIPFを治療するための上記組成物の使用に関するものであり、ここで、有効量の前記組成物は、IPFを有する哺乳動物対象に投与される。
【0024】
好ましい実施形態において、組成物は、GSK3βを阻害し、そして肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、そして前記FL線維芽細胞の増殖を減少させる。
【0025】
好ましい実施形態では、組成物は、有効量の9-ING-41またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を有する。
【0026】
好ましい実施形態では、哺乳動物対象はヒトである。
【0027】
好ましい実施形態では、組成物は吸入によって投与される。
【0028】
別の実施形態は、それを必要とする哺乳動物対象、好ましくはヒトにおけるIPFの治療のための薬剤の製造のための上記のような組成物の使用に関する。
【0029】
好ましい実施形態において、組成物は、GSK3β活性を阻害し、そして肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、そして前記FL線維芽細胞の増殖を減少させる。
【0030】
この使用において、化合物は、好ましくは、9-ING-41またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物である。上記の使用において、薬剤の製造は、IPFの治療のためにヒトへの吸入による投与のためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1A-Bは、9-ING-41によるGSK-3β阻害が肺線維症を軽減したことを示すグラフである。C57Bl/6Jマウスにブレオマイシン硫酸塩(0.8U/kg)を気管内投与した。14日後、マウスをDMSO(ビヒクル)またはGSK-3β阻害剤9-ING-41(30mg/kg)のいずれかで、次の14日間透析腹腔内注射により治療した。28日の時間経過が完了すると、Scireq flexiventを使用して肺コンプライアンス(
図1A)が決定された。肺のレンディションもゲートCTスキャンによって収集され、肺気量を決定するために使用された(
図1B)。
【
図2】
図2A-2Bは、DMSOビヒクル(
図2B)および9-ING-41処理(
図2A)マウスの肺組織切片(5μm)を示している。切片を免疫染色して、共焦点顕微鏡でコラーゲン沈着(灰色で表示)を視覚化した。実線の矢印は、コラーゲン-1の沈着が増加している領域を示している。画像は30フィールド/スライド/状態を表している。n=6匹のマウス。
【
図3】
図3は、肺線維症を誘発するために気管内に投与されたTGF-βアデノウイルスのマウスの肺コンプライアンスを示すグラフである。7日後、マウスは次の7日間、9-ING-41(30mg/kg)の腹腔内注射を毎日受けた。14日の時間経過の完了時に、肺コンプライアンスが決定された。データは平均±SEMとして表される。n=6マウス/状態。*は、対照GFP-アデノウイルスおよびDMSO処理と比較した、マンホイットニーU検定によるp<0.05の統計的有意性を示す。$は、GFPアデノウイルス9-ING-41処理と比較してp<0.05を示す。
【
図4】
図4A-4Bは、TGF-βアデノウイルスが肺線維症を誘発したマウスの肺組織切片を示している。マウスをDMSO(
図4A)または9-ING-41(
図4B)で処理した(
図3の説明を参照)。損傷およびコラーゲンの領域を示すために、切片を三色染色した。実線の矢印は、損傷の領域とコラーゲン沈着の増加を示している。画像は30フィールド/スライド/状態を表している。n=6匹のマウス。
【
図5】
図5A-5Fは、ビヒクル(
図5A-5C)および9-ING-41処置(
図5D-5F)マウスからの肺組織切片(5μm)を示している。肺の構造とコラーゲン沈着の変化を検出するために、切片を脱パラフィンし、三色染色した(青色染色)。画像は20倍で撮影され、30フィールド/スライド/マウス、n=6動物/治療を表している。線維性病巣は黄色の実線の矢印で示されている。
【
図6】
図6A-6Bは、コラーゲン1(Col-1)沈着について免疫染色され、40倍で共焦点顕微鏡法によって画像化された、ビヒクル(
図6B)および9-ING-41処置(
図6A)マウスからの肺切片を示す。実線の矢印は、損傷した肺内のコラーゲン沈着の領域を示している。これらのデータは、9-ING-41によるGSK-3β阻害が線維性肺損傷におけるコラーゲン沈着を減少させたことを示している。
【
図7】
図7A-7Bは、筋線維芽細胞分化のマーカーであるα-SMAについて免疫染色されたビヒクル(
図7B)および9-ING-41処置(
図7A)マウスからの肺切片を示す。画像は40倍の共焦点顕微鏡で撮影された。実線の矢印は、コラーゲンα-SMA発現の領域を示している。画像は30フィールド/マウスおよびn=3マウス/治療を表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
GSK-3β阻害剤としての9-ING-41
本発明の方法において有用な化合物には、参照によりその全体が組み込まれる、米国特許第8,207,216号(Kozikowskiら)に記載されている9-ING-41が含まれる。
【0033】
また、本発明において有用なのは、GSK-3β阻害の特性を共有する、より広い属のベンゾフラン-3-イル-(インドール-3-イル)マレイミドファミリーである。このような化合物は、式I
【化2】
に含まれ、式中、
Xは独立して-H、ハロ、5,6-メチレンジオキシ、-CN、-OMe、-OH、-OBn、-CF
3、-CH
2OH、-CH2OMe、-CH
2CH
2CO
2H、または-CH
2CH
2CO
2Etであり、
R
1は-H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、または-NH
2で置換された低級アルキルであり、
R
2は-H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、または-NH
2で置換された低級アルキルである。
Yは独立して-H、ハロ、-OMe、-OH、-OBn、-CF
3、-CH
2OH、-CH
2OMe、-NO
2、-CN、または-C=CH
2である。
【0034】
式Iの化合物において、Xは、独立して、-H、ハロ、5,6-メチレンジオキシ、-CN、-OMe、-OH、-OBn、-CF3、-CH2OH、-CH2OMe、-CH2CH2CO2H、または-CH2CH2CO2Etである。置換基Xは、独立して、式Iのインドール環の位置4、5、6、または7のうちの1つまたは複数に存在し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、XはHである。
【0036】
他の実施形態では、Xはハロ(すなわち、-F、-Cl、-Br、-I)である。いくつかの実施形態では、Xは5-Fである。他の実施形態では、Xは5-Brである。他の実施形態では、Xは5-Iである。
【0037】
いくつかの実施形態では、Xは5-F、6-Clである。他の実施形態では、Xは5,7-ジブロモである。
【0038】
いくつかの実施形態では、Xは5,6-メチレンジオキシである。
【0039】
いくつかの実施形態では、Xは-CNである。
【0040】
いくつかの実施形態では、Xは-OMe(すなわち、-O-CH3)である。
【0041】
いくつかの実施形態では、Xは-OHである。
【0042】
いくつかの実施形態では、Xは-OBn(すなわち、-O-ベンジル)である。
【0043】
いくつかの実施形態では、Xは-CF3である。
【0044】
いくつかの実施形態では、Xは-CH2OHである。
【0045】
いくつかの実施形態では、Xは-CH2OMeである。
【0046】
いくつかの実施形態では、Xは-CH2CH2CO2Hである。
【0047】
いくつかの実施形態では、Xは-CH2CH2CO2Etである。
【0048】
式Iの化合物において、R1は、H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、または-NH2で置換された低級アルキルである。
【0049】
いくつかの実施形態では、R1はHである。
【0050】
他の実施形態では、R1は低級アルキルである。本明細書で使用される場合、低級アルキルは、飽和した直鎖または分岐炭化水素基を指す。低級アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどが含まれる。いくつかの実施形態において、R1は、-CH3(すなわち、メチル)である。
【0051】
他の実施形態では、R1は、ヒドロキシで置換された低級アルキルである。
【0052】
他の実施形態では、R1は、-NH2で置換された低級アルキルである。
【0053】
式Iの化合物において、R2は、-H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、または-NH2で置換された低級アルキルである。
【0054】
いくつかの実施形態では、R2はHである。
【0055】
他の実施形態では、R2は低級アルキルである。いくつかの実施形態において、R2は、-CH3(すなわち、メチル)である。
【0056】
他の実施形態では、R2は、ヒドロキシで置換された低級アルキルである。
【0057】
他の実施形態では、R2は、-NH2で置換された低級アルキルである。
【0058】
式Iの化合物において、Yは、独立して、-H、ハロ、-OMe、-OH、-OBn、-CF3、-CH2OH、-CH2OMe、-NO2、-CN、または-C=CH2である。置換基Yは、独立して、式Iのベンゾフラン環の1つ以上の位置4、5、6、または7に存在し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、YはHである。
【0060】
他の実施形態では、Yはハロ(すなわち、-F、-Cl、-Br、-I)である。いくつかの実施形態では、Yは5-Fである。他の実施形態では、Yは5-Brである。他の実施形態では、Yは5-Iである。
【0061】
いくつかの実施形態では、Yは-CNである。
【0062】
いくつかの実施形態では、Yは-OMe(すなわち、-O-CH3)である。いくつかの実施形態では、Yは7-OCH3である。
【0063】
いくつかの実施形態では、Yは-OHである。
【0064】
いくつかの実施形態では、Yは-OBn(すなわち、-O-ベンジル)である。
【0065】
いくつかの実施形態では、Yは-CF3である。
【0066】
いくつかの実施形態では、Yは-CH2OHである。いくつかの実施形態では、Yは6-CH2OHである。
【0067】
いくつかの実施形態では、Yは-CH2OMeである。
【0068】
いくつかの実施形態では、Yは-C=CH2である。
【0069】
いくつかの実施形態では、Yは-NO2である。
【0070】
式Iの化合物のいくつかの実施形態では、Xは好ましくは5,6-メチレンジオキシ(9-ING-41の置換基)である。
【0071】
いくつかの実施形態において、R1は、H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、-NH2で置換された低級アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチルである;
いくつかの実施形態において、R2は、H、低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、-NH2で置換された低級アルキルからなる群から選択され、好ましくはHである;
いくつかの実施形態において、Yは、5-または6-ハロ基、5-または6-NO2、-CN、および-C=CH2、基からなる群から選択される。Yは好ましくは5-フッ素(5-F)である。
【0072】
式Iの化合物のいくつかの実施形態では、Xは5,6-メチレンジオキシであり、R
1は-CH
3であり、R
2はHであり、および、Yは5-Fである。この実施形態は9-ING-41であり、これは以下の式IIに示される構造を有する。
【化3】
【0073】
式Iにおいて9-ING-41とは異なる置換基を有する上記の化合物は、それらの類似体と見なされる。
【0074】
式Iの化合物を合成する一般的な方法は当技術分野で知られており、そのいくつかは上記の「216特許」に記載されている。
【0075】
組成物のインビトロ試験
本発明の化合物は、その生物学的活性、例えば抗線維化活性、酵素GSK3βを阻害する能力、および/または増殖およびコラーゲン産生性線維芽細胞/筋線維芽細胞を阻害する能力、または線維化性肺線維芽細胞を阻害する能力について、本明細書に記載および/または例示された方法またはアッセイ、または当技術分野で周知の他の方法のいずれか1つを使用して試験される。
【0076】
組成物のインビボ試験
BLMまたは構成的に活性なTGF-βアデノウイルスベクター(実施例VIを参照)で処置された動物、好ましくはマウスの肺線維症を阻害する化合物の能力は、化合物の機能的/薬剤的活性を評価するための好ましい試験である。同じタイプの活動を測定する当技術分野で知られている他の試験も使用することができる。
【0077】
肺の損傷および線維症を予防または治療する方法
本明細書に記載の化合物および組成物は、酵素GSK3βを阻害し、インビトロまたはインビボでコラーゲン産生線維芽細胞/筋線維芽細胞の増殖を阻害し、肺線維症/IPFを治療する方法で使用される。
【0078】
医薬および治療的組成物およびそれらの投与
本発明の医薬組成物に使用することができる化合物には、上記の化合物、好ましくは9-ING-41、ならびにそれらの類似体、およびこれらの化合物の薬学的に許容される塩または溶媒和物が含まれる。「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、適切な非毒性有機または無機酸または有機または無機塩基から形成される従来の酸付加塩または塩基付加塩を指す。サンプルの酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸に由来するもの、およびp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸などの有機酸に由来するものが含まれる。
【0079】
サンプルの塩基付加塩には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、および第四級アンモニウム水酸化物、例えば、テトラメチルアンモニウム水酸化物に由来するものが含まれる。医薬化合物(すなわち、薬物)の塩への化学修飾は、化合物の改善された物理的および化学的安定性、吸湿性、流動性および溶解性を得るために医薬品化学者によく知られている技術である。例えば、H. Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995)の、例えばpp. 196および1456-1457を参照。
【0080】
上記のように、本発明の化合物は、酵素GSK3βを阻害する能力を有し、肺線維症の治療に利用される。
【0081】
本発明の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩または溶媒和物は、カプセル、含浸ウエハー、錠剤、または好ましくは注射可能な調製物などの便利な剤形に組み込むことができる。固体または液体の薬学的に許容される担体を使用することができる。薬学的に許容される担体、賦形剤などの「薬学的に許容される」とは、特定の化合物が投与される対象に対して薬理学的に許容され、実質的に無毒であることを意味する。
【0082】
固形担体には、デンプン、乳糖、硫酸カルシウム二水和物、テラアルバ、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が含まれる。液体担体には、シロップ、落花生油、オリーブ油、生理食塩水、水、デキストロース、グリセロールなどが含まれる。同様に、担体または希釈剤は、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートなどの任意の徐放性材料を、単独でまたはワックスと共に含み得る。 液体担体が使用される場合、調製物は、シロップ、エリキシル、乳濁液、ソフトゼラチンカプセル、アンプルなどの無菌の注射可能な液体(例えば、溶液)、または水性または非水性の液体懸濁液の形態であり得る。そのような医薬組成物の要約は、例えば、Gennaro, AR, Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins Publishers; 21st Ed, 2005 (または最新版)に見いだされる。
【0083】
医薬調製物は、混合、造粒、圧縮などの工程を含む医薬品化学の従来の技術に従って作られ、錠剤形態のために必要な場合、または経口、非経口、局所、経皮、経膣、膣内、陰茎内、鼻腔内、気管支内、頭蓋内、眼内、耳内および直腸投与のための所望の製品を与えるために、必要に応じて、成分を混合、充填、および溶解する。医薬組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤などのような少量の非毒性の補助物質を含み得る。
【0084】
本発明の医薬組成物は、多数の動物の属および種のいずれかの治療に使用することができ、ヒトまたは獣医学の実践においても同様に適用可能である。したがって、医薬組成物は、鳥類、より好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを含む家畜および商業動物の治療に使用することができる。
【0085】
本発明の組成物は、経口(orally)、経口(perorally)、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、経膣、直腸、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な投与経路によって対象に投与することができる。
【0086】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、経口(orally)、経口(perorally)に、吸入、皮下、筋肉内、または静脈内に投与される。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は経口(orally)投与される。
【0088】
他の実施形態では、本発明の組成物は経口(perorally)投与される。
【0089】
他の実施形態では、本発明の組成物は、吸入によって投与される。
【0090】
他の実施形態では、本発明の組成物は皮下投与される。
【0091】
他の実施形態では、本発明の組成物は筋肉内投与される。
【0092】
他の実施形態では、本発明の組成物は静脈内投与される。
【0093】
「全身投与」という用語は、対象の循環系への化合物の導入をもたらすか、そうでなければ静脈内(i.v.)注射または注入などの体全体へのその化合物の拡散を可能にする方法での治療化合物の投与を指す。「局部的」投与は、肺への点滴注入または吸入、好ましい経路、または胸膜内、腹腔内、髄腔内、硬膜下、または特定の器官などの、特定の、いくらかより限定された解剖学的空間への投与を指す。他の例には、肺への点滴注入または吸入、気管支内、耳内または眼内などに対応する1つの経路である鼻腔内が含まれる。
「局所投与」という用語は、皮下(s.c.)注射、筋肉内(i.m.)注射などの限定された、または制限された解剖学的空間への組成物または薬物の投与を指す。当技術分野の熟練者であれば、局所投与または局部的投与は、しばしば循環系への組成物の進入をもたらすので、s.c.またはi.m.もまた全身投与のための経路であることを理解するであろう。点滴可能、注射可能または注入可能な調製物は、溶液または懸濁液、注射または注入前の液体中の溶液または懸濁液に適した固体形態、または乳濁液のいずれかとして、従来の形態で調製することができる。好ましい局部的投与経路は肺への投与であるが、医薬組成物は、肺への点滴注入または吸入とは別に、またはそれと同時に、全身的または局所的または経皮的に投与され得る。
【0094】
本発明の組成物のための他の薬学的に許容される担体は、リポソーム、脂質層に付着した水性同心層からなる小体に分散してまたは様々に存在する活性ポリペプチドが含まれる医薬組成物である。活性化合物は、好ましくは、水層および脂質層、内側または外側、あるいはいずれにせよ、一般にリポソーム懸濁液として知られている不均一系に存在する。疎水性層、または脂質層は、一般に、レシチン、スフィンゴミエリンなどのリン脂質、コレステロールなどのステロイド、ジセチルホスフェート、ステアリルアミン、ホスファチジン酸などの多かれ少なかれイオン性の表面活性物質、および/または疎水性の他の物質からなるが、これに限定されるものではない。当業者は、本発明のリポソーム製剤の他の適切な実施形態を理解するであろう。
【0095】
投与される治療用量は、当業者に知られているか、または容易に確認できるように、治療的に有効な量である。用量はまた、レシピエントの年齢、健康、および体重、同時治療の種類、もしあれば、治療の頻度、および望まれる効果の性質に依存する。
【0096】
治療法
本発明の方法は、それを必要とする対象においてIPFとも呼ばれる肺線維症を治療するために使用され得る。「治療する」という用語は、少なくとも以下を含むように広く定義される:再発までの頻度および/または時間、または治療または予防されている疾患または状態の症状の重症度を含む、発生または再発を阻害すること、軽減すること、改善すること、予防すること、軽減すること。これは、上皮細胞死の阻害、線維芽細胞の増殖の阻害、IPFに関連する、またはIPFの原因であるとして本明細書に開示される他の生物学的または生化学的メカニズムのいずれかの結果として起こり得る。
【0097】
ベンゾフラン-3-イル-(インドール-3-イル)マレイミドGSK3β阻害剤(すなわち、式Iの化合物)、最も好ましくは、9-ING-41またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物は、好ましくは、上述のように医薬組成物として投与される。
【0098】
化合物の用量は、好ましくは、有効量の9-ING-41を有する医薬投薬単位を含む。投薬単位形態は、哺乳動物対象のための単位投薬として適した物理的に別個の単位を指す。各単位は、必要な医薬担体と関連して、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活物質を含む。本発明の投薬単位形態の仕様は、(a)活物質の固有の特性および達成されるべき特定の治療効果、および(b)個々の対象の治療および感受性のためにそのような活性化合物を配合する技術に固有の制限によって決定され、かつ直接依存する。
【0099】
「有効量」とは、インビボで局所濃度または定常状態濃度を達成するのに十分な量を意味し、これにより、疾患の関連するパラメーターの測定可能な減少がもたらされる。
【0100】
「抗線維化有効量」とは、肺筋線維芽細胞の線維性肺(FL)線維芽細胞への増殖および/または分化、またはFL線維芽細胞の増殖を阻害または低減するのに十分な量を意味する。
【0101】
投与される活性化合物の量は、選択された化合物(例えば、9-ING-41)、正確な疾患または状態、投与経路、レシピエントの健康および体重、もしあれば他の同時治療の存在、治療の頻度、所望の効果の性質、および熟練した当業者の判断に依存する。
【0102】
対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはそれから生じるIPFに罹患している、または感受性のあるヒトを治療するために1日1回与えられる好ましい単回用量は、約0.2mg/kg~約250mg/kgの間(例えば、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、または250mg/kgの活性化合物)、約0.2mg/kg~約10mg/kgの間;約0.5mg/kg~約5mg/kgの間;約1mg/kgから約3mg/kgの間、好ましくは、例えば吸入を介して、約10mg/kg~約50mg/kgの間である。そのような用量は、約3日から1週間以上のどこにでも毎日投与することができる。当技術分野でよく理解されているように、用量を下方に調整する必要があるかもしれないが、慢性投与も可能である。しかしながら、個々の治療レジメンの変数の数が多く、これらの好ましい値からのかなりの逸脱が予想されるため、前述の範囲は示唆的である。
【0103】
例えば、以下に記載される実験のいくつかで使用された浸透圧ポンプなどのポンプシステムによる連続投与の場合、約1~2週間の時間経過の総投与量は、好ましくは1mg/kg~1g/kgの範囲(例えば、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、または1000mg/kg)であり、好ましくは20~300mg/kg、より好ましくは50~200mg/kgである。そのような連続投与レジメンの後、活性化合物の総濃度は、好ましくは、約0.5~約50μMの範囲(例えば、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50μM)であり、好ましくは約1~約10μMである。
【0104】
インビトロでのGSK-3βを阻害するか、または筋線維芽細胞および線維性肺線維芽細胞の増殖を防止するための活性化合物の有効濃度は、約0.5μM~約100μMの範囲(例えば、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100μM)であり、より好ましくは約2μM~約20μMである。有効濃度、用量、および最適な用量範囲は、本明細書に記載の方法を使用してインビトロで決定することができる。
【0105】
本発明の方法において、化合物または組成物は、経口(orally)、経口(perorally)、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、膣、直腸、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な投与経路によって対象に投与され得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、化合物または組成物は、経口的(orally)に、経口的(perorally)に、吸入により、皮下に、筋肉内に、または静脈内に投与される。
【0107】
いくつかの実施形態では、化合物または組成物は経口(orally)投与される。
【0108】
他の実施形態では、化合物または組成物は経口(perorally)投与される。
【0109】
他の実施形態では、化合物または組成物は吸入によって投与される。
【0110】
他の実施形態では、化合物または組成物は皮下投与される。
【0111】
他の実施形態では、化合物または組成物は筋肉内投与される。
【0112】
他の実施形態では、化合物または組成物は静脈内投与される。
【0113】
本発明を一般的に説明したので、同じことが、例示として提供され、特定されない限り、本発明を限定することを意図しない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれている。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において十分に機能するために発明者によって発見された技術を表し、したがって、その実施のための好ましい様式を構成すると見なすことができることを当業者は理解すべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでも本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または同様の結果を得ることができることを理解すべきである。
【0114】
実施例I
材料と方法および2つの肺線維症モデル
すべての動物実験は、タイラーにあるテキサス大学ヘルスサイエンスセンターの施設内動物管理使用委員会によって承認された。C57BL/6マウス(10~12週齢、≒20g(ジャクソン研究所、Bar Harbor MEから))を、最初に腹腔内(IP)注射によりキシラジン/ケタミンで麻酔した。次に、(Sisson TH et al., Am J Pathol 2015, 185:969-860)に従って、いくつかの変更を加えて肺損傷を開始した。ブレオマイシン硫酸塩(Teva、0.8単位/kg)を、気管内カニューレを介して気管内投与した。動物は、呼吸困難、有意な体重減少または瀕死状態の兆候について毎日監視された。対照群は同じ条件下で通常の生理食塩水を受けた。
【0115】
損傷の開始から14日後に治療を開始した。GSK-3β阻害剤の試験のために、30mg/kgでの9-ING-41(Auctuation Therapatics,Ft.Worts,TXから提供)、または40μlの容量でのビヒクル対照ジメチルスルホキシド/DMSOでの処置を、IP注射によって毎日、最大14日投与した。
【0116】
28日間の時間経過の完了時に、マウスは、エラスタンスとコンプライアンスを含む呼吸機能の変化についてflexivent(Tucker T et al., Am J Respir Cell Mol Biol 2019 (doi: 10.1165/rcmb.2018-0121OC. 印刷前のEpub); Kamata H et al., Sci Rep 2017, 7:4556; Boren J et al., supra; Tucker TA et al., 2014, supra; Tucker TA et al., Clin Transl Med 5: 17, 2016)によって評価された。手短に言えば、マウスをケタミン/キシラジン混合物で麻酔した。麻酔をかけたマウスは、声帯を通して気管に滅菌した20ゲージの静脈内カニューレを挿入することによって挿管され、呼吸機能検査中にイソフルランを使用して麻酔下に維持された。測定は、flexiVentシステム(SCIREQ、Tempe AZ)を使用して実行された。「スナップショット摂動法」は、メーカーの仕様に従って、肺コンプライアンスを決定するために使用された。28日目に、マウスを安楽死させ、肺をまとめて採取した。肺形態計測は、上記の参考文献に記載されているように、5μmの肺組織切片の三色染色によって決定された。すべての組織切片を最初に脱パラフィンし、クエン酸緩衝液を使用して95℃で20分間抗原を回収した。組織分析、コラーゲン沈着および局在化は、最初に三色染色によって評価された。免疫蛍光法を使用してα-SMA(MAB1420、R&D)を視覚化し、次に共焦点顕微鏡法を使用して免疫蛍光法とマーカーの共局在を視覚化した。説明したように、LSM 510 Meta共焦点システム(Carl Zeiss)を40倍で使用して、視野から0.4μmのz軸増分で画像を取得した。
【0117】
2番目のモデルでは、肺線維症は、構成的に活性なTGF-βアデノウイルスベクター(Mackinnon AC et al., Am J Respir Crit Care Med 2012, 185:537-46によって報告されたC223S/C225S変異を有するAd-TGF-β)にいくつかの変更を加えたものを気管内注入して開始された。簡単に説明すると、3×108pfuのAd-TGF-βまたはeGFPアデノウイルスコントロールベクター(Ad-eGFP)を40μlの容量で気管内投与した。次に、14日間の時間経過が完了するまでマウスを毎日監視した。GSK-3β阻害研究では、マウスはアデノウイルスベクターの投与の7日後に毎日9-ING-41治療を受けた。時間経過の終わりに、肺機能検査とCTスキャンが説明されているように実行された(Tucker T et al., 2019, supra; Kamata H et al., 2017, supra; Boren J et al., 2017, supra; Tucker TA et al., 2016, supra)。
【0118】
動物実験のすべての統計分析は、マンホイットニーU検定を使用して実行された。(スチューデントのt検定は、インビトロ研究に使用された)。0.05未満のp値は有意であると見なされた。
【0119】
実施例II
9-ING-41は、ブレオマイシンを介した肺機能と肺容積の減少を改善する。
図1と
図2に示すように、9-ING-41によるGSK-3β阻害は肺線維症を軽減した。ブレオマイシン硫酸塩(0.8U/kg)を気管内投与し、14日後にC57Bl/6Jマウスを、DMSO(ビヒクル)またはGSK-3β阻害剤9-ING-41(30mg/kg)で処理した。薬物は、腹腔内(ip)注射により、40μlの容量で最大14日間送達された。28日間の時間経過の完了時に、Scireqflexiventを使用して肺コンプライアンスを決定した。肺のレンディションもゲートCTスキャンによって収集された。次に、これらの表現を使用して肺気量を決定した。9-ING-41治療は、肺コンプライアンス(p=0.04)と容量(p=0.026)の減少を大幅に改善した。
【0120】
実施例III
9-ING-41治療は、ブレオマイシン誘発性肺線維症におけるコラーゲン沈着をブロックする:三色染色
肺組織切片(5μm)は、ビヒクルから調製し、9-ING-41で処理した。肺の構造とコラーゲン沈着の変化を検出するために、切片を脱パラフィンし、三色染色した(三色画像は示していない)。画像は20倍で撮影され、30フィールド/スライド/マウス、n=6動物/治療を表している。
【0121】
ブレオマイシン誘発性肺線維症と一致する線維性病巣が、損傷した肺全体に見られた。マトリックス沈着の領域は、肺全体に容易かつ均一に存在していた。9-ING-41で治療されたマウスも、損傷領域を示した。しかしながら、これらの領域は、ビヒクルで処理された動物に見られるものと比較して、数が少なく、小さかった。さらに、線維性病変内のコラーゲン沈着は、一般に、DMSOで処理された対照(
図2B)と比較して、9-ING-41で処理されたマウス(
図2A)で減少した。また、
図5A-5Fも参照されたい。
【0122】
実施例IV
9-ING-41治療は肺線維症におけるコラーゲン沈着をブロックする:コラーゲン画像化
ビヒクルおよび9-ING-41処置マウスからの肺切片を、筋線維芽細胞分化のマーカーであるα-SMAについて免疫染色した。画像(
図6Aおよび6B)は、40倍の共焦点顕微鏡で撮影された。9-ING-41処理は、ビヒクル処理対照(DMSO)と比較した場合、9-ING-41処理マウスのα-SMA発現を減少させた。実線の矢印は、コラーゲンα-SMA発現の領域を示している。画像は、30フィールド/マウスおよびn=3マウス/治療を表している。
【0123】
ビヒクルおよび9-ING-41処置マウスからの肺切片をコラーゲン1沈着について免疫染色し、40倍の共焦点顕微鏡法によって画像化した。9-ING-41は、ブレオマイシン損傷肺におけるコラーゲン1沈着の減少を、ビヒクル(DMSO)で処理した対照と比較した。これらの結果は、9-ING-41によるGSK-3β阻害が、線維性肺損傷におけるコラーゲン沈着を減少させることを示した。
【0124】
実施例V
9-ING-41は、MesoMTのマーカーを減らすように見える:α-SMA
ビヒクルおよび9-ING-41処置マウスからの肺切片を、筋線維芽細胞分化のマーカーであるα-SMAについて免疫染色した。画像(
図7Aおよび7B)は、40倍の共焦点顕微鏡で撮影された。実線の矢印は、コラーゲンα-SMA発現の領域を示している。画像は30フィールド/マウスおよびn=3マウス/治療を表している。9-ING-41治療は、ビヒクル治療対照と比較した場合、薬物治療マウスにおけるα-SMA発現を減少させた。
【0125】
実施例VI
9-ING-41は、TGF-β-アデノウイルス誘発性の肺損傷を改善する
肺線維症は、構成的に活性なTGF-βアデノウイルスベクター(Mackinnon AC et al., Am J Respir Crit Care Med 2012, 185:537-46によって報告されたC223S/C225S変異を有するAd-TGF-β)にいくつかの変更を加えたものを気管内注入して開始された。簡単に説明すると、Ad-TGF-βまたはeGFPアデノウイルスコントロールベクター(Ad-eGFP)の3×108プラーク形成ユニット(pfu)を40μlの容量で気管内投与した。次に、14日間の時間経過が完了するまでマウスを毎日監視した。GSK-3β阻害研究では、マウスはアデノウイルスベクターの投与の7日後に毎日9-ING-41治療を受けた。時間経過の終わりに、肺機能検査とCTスキャンが説明されているように実行された(Tucker T et al., 2019, supra; Kamata H et al., 2017, supra; Boren J et al., 2017, supra; Tucker TA et al., 2016, supra)。
【0126】
結果を
図3に示す。9-ING-41で治療したマウスは、さまざまなビヒクルで治療した対照または偽のベクターで治療した対照と比較して、肺コンプライアンスが大幅に改善したことを示した。
図4A/4Bは、DMSOで処理した対照と比較して、9-ING-41で処理したマウスの損傷領域が減少し、コラーゲン沈着が増加したことを示している。
【0127】
IPFは、筋線維芽細胞の存在の増加と、それに続くコラーゲンやフィブロネクチンなどの細胞外マトリックス(ECM)タンパク質の沈着の増加を特徴としている。IPFの現在のモデルでは、ブレオマイシン硫酸塩およびTGF-βアデノウイルスは、堅牢で一貫した傷害をもたらす方法である気管内カニューレ挿入によって導入された(したがって、統計的に有意な結果を得るために必要な動物が少なくなる)。
【0128】
ブレオマイシンおよびTGF-βアデノウイルスを介した線維症は、肺の瘢痕化、正常な肺構造の喪失、および肺機能障害に寄与するコラーゲンおよび他のECMマトリックスタンパク質を含む線維性病巣の存在によって特徴づけられた。さらに、これらの線維性病巣はまた、増加する数の筋線維芽細胞を含み、これは、増加したECM沈着の主要な原因であると考えられている。
【0129】
好ましいGSK-3β阻害化合物である9-ING-41 IPFの有効性を評価するために、肺の構造と機能の変化が検出された時点で介入が行われた。予備研究に基づいて、ブレオマイシン損傷研究には14日間、TGF-βアデノウイルス研究には7日間が選択された。時間経過(それぞれ28日および14日)の完了までに、両方のモデルの9-ING-41処置マウスは、肺機能の改善を示しただけでなく、肺気量の増加も示した。
【0130】
上記で議論および例示された組織病理学的分析に基づいて、本発明者らは、瘢痕の減少と組み合わせた線維性病巣の数の減少が、9-ING-41治療の結果として肺機能の回復に寄与すると結論付けた。共焦点顕微鏡分析はさらに、9-ING-41処置マウスに見られる線維性病巣は、ビヒクル処置対照動物よりも数が少なく、小さく、そして著しく少ないコラーゲンを含むことを示した。肺線維症の2つの独立したモデルにおけるこれらの同様の所見は、9-ING-41治療がIPFの結果を有意に改善したことを示している。さらに、この効果は、少なくとも部分的には線維芽細胞-筋線維芽細胞の分化の減弱に起因すると考えられていた。現在の結果は、9-ING-41によるGSK-3βの阻害がIPFの新しい治療法であることを示している。
【0131】
これらは、GSK-3βシグナル伝達経路が筋線維芽細胞の分化の誘導に重要であることを実証した最初の研究である。これらの研究は、GSK-3βの治療標的が肺線維症の進行を弱めることも示していり。この効果は、ヒトの対象でも発生すると予想される。この研究は、GSK-3βの治療標的がインビボでの線維性肺リモデリングを軽減するため、線維芽細胞-筋線維芽細胞の分化と肺線維症の結果を制御するためにGSK-3βシグナル伝達経路を標的とするための基礎を提供する。9-ING-41によって大幅に改善されたコンプライアンスと量は、特にマウスモデルでのIPFの治療におけるその有効性の重要な指標であり、ヒトIPF患者でも発生すると予想される。
【0132】
上記で引用された参考文献は、具体的に組み込まれているかどうかにかかわらず、すべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
本発明は完全に説明されているので、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、また過度の実験なしに、同じことが広範囲の同等のパラメーター、濃度、および条件内で実行できることを理解するであろう。
【0134】
本開示はまた、以下の態様を包含する:
【0135】
態様1. (i)酵素グリコーゲンシンターゼキナーゼ3、形態β(GSK3β)を阻害するベンゾフラン-3-イル-(インドール3-イル)マレイミド化合物であって、インビトロまたはインビボアッセイで9-ING-41の生物学的または生化学的活性の少なくとも20%を有する化合物と、
(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤と
を有する注射または肺点滴注入用に処方される抗線維性医薬組成物。
【0136】
態様2. 態様1の医薬組成物において、前記化合物は、化学式が
【化4】
である9-ING-41であるか、または、インビトロまたはインビボアッセイで9-ING-41の生物学的または生化学的活性の少なくとも20%を有する9-ING-41の類似体である、医薬組成物。
【0137】
態様3. 態様2の医薬組成物において、前記化合物は、9-ING-41である、医薬組成物。
【0138】
態様4. 肺点滴注入用に処方された態様1~3のいずれかの医薬組成物。
【0139】
態様5. 肺筋線維芽細胞の線維性肺(FL)線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、前記FL線維芽細胞の増殖を低減するための方法であって、前記筋線維芽細胞およびFL線維芽細胞に、有効なGSK3β阻害量の態様1~4のいずれかの化合物または組成物を提供する工程を有する、方法。
【0140】
態様6. 態様5の方法において、前記化合物は、9-ING-41、またはその類似体である、方法。
【0141】
態様7. 態様6の方法において、前記化合物は、9-ING-41である、方法。
【0142】
態様8. 態様7の方法において、前記組成物は肺点滴注入用に処方されたものである、方法。
【0143】
態様9. 態様5~8のいずれかの方法において、前記提供する工程は、インビボである、方法。
【0144】
態様10. 態様9の方法において、前記提供する工程は、肺点滴注入によるものである、方法。
【0145】
態様11. 態様9または10の方法において、前記提供する工程は、ヒトに対するものである、方法。
【0146】
態様12. 特発性肺線維症(IPF)を特徴とする疾患または状態を有するまたは発症している哺乳動物対象を治療するための方法であって、態様1~4のいずれかの有効量の医薬組成物を対象に投与する工程を有する、方法。
【0147】
態様13. 態様12の方法において、前記化合物または組成物が、9-ING-41、または、インビトロまたはインビボアッセイで9-ING-41の生物学的または生化学的活性の少なくとも20%を有する9-ING-41の類似体を有する、方法。
【0148】
態様14. 態様13の方法において、前記化合物は、9-ING-41である、方法。
【0149】
態様15. 態様12~14のいずれか1つの方法において、前記対象はヒトである、方法。
【0150】
態様16. 哺乳動物対象におけるIPFを治療するための態様1~4のいずれかの組成物の使用において、前記化合物は、GSK3βを阻害し、肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、前記FL線維芽細胞の増殖を減少させるものであり、有効量の前記組成物が、IPFを有する対象に投与される、使用。
【0151】
態様17. 態様16記載の使用において、前記化合物は、9-ING-41またはその類似体である、使用。
【0152】
態様18. 態様17記載の使用において、前記化合物は、9-ING-41である、使用。
【0153】
態様19. 態様16~18のいずれかに記載の使用において、前記組成物が肺点滴注入によって投与される、使用。
【0154】
態様20. それを必要とする対象におけるIPFの治療のための薬剤の製造のための態様1~4に記載の組成物の使用であって、前記化合物は、GSK3β活性を阻害し、肺筋線維芽細胞のFL線維芽細胞への増殖および/または分化を阻害し、前記FL線維芽細胞の増殖を減少させるものである、使用。
【0155】
態様21. 態様20記載の使用において、前記化合物は、9-ING-41、または、インビトロまたはインビボアッセイで9-ING-41の生物学的または生化学的活性の少なくとも20%を有する9-ING-41の類似体である、使用。
【0156】
態様22. 態様21記載の使用において、前記化合物は、9-ING-41である、使用。
【0157】
態様23. IPFの治療における肺点滴注入用の薬剤の製造のための態様20~22のいずれかに記載の使用。
【0158】
態様24. 態様20~24のいずれかに記載の使用において、対象がヒトである、使用。