(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ゴールドキウイフルーツ組成物ならびにその調製および使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 36/185 20060101AFI20240415BHJP
A23L 21/12 20160101ALI20240415BHJP
A23L 21/15 20160101ALI20240415BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240415BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240415BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240415BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20240415BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
A61K36/185 ZNA
A23L21/12
A23L21/15
A23L33/10
A61K9/08
A61K9/20
A61K9/48
A61P1/10
A61P1/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022017185
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2017547368の分割
【原出願日】2015-11-27
【審査請求日】2022-03-09
(32)【優先日】2014-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(32)【優先日】2015-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】517186455
【氏名又は名称】アナジェニックス アイピー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANAGENIX IP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】アンセル、ジュリエット
(72)【発明者】
【氏名】ブラッチフォード、ポール
【審査官】金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-313822(JP,A)
【文献】特開平3-246296(JP,A)
【文献】Korean J. Plant Res.,2011年,24(1),61-68
【文献】ResearchSpace@Auckland,2010年,69-95
【文献】J Food Sci,2014年,79(8),H1611-1620
【文献】Current Opinion in Microbiology,2013年,16,1-7
【文献】Plant Foods Hum Nutr,2012年,67,200-207
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/185
A23L 21/12
A23L 21/15
A23L 33/10
A61K 9/08
A61K 9/20
A61K 9/48
A61P 1/10
A61P 1/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥ゴールドキウイフルーツから調製される医薬組成物であって、前記乾燥ゴールドキウイフルーツはアクティニディア・キネンシスZesy002キウイフルーツであり、便秘の1つ以上の症状を有する対象者における消化器痛または鼓腸を治療または予防するための医薬組成物。
【請求項2】
腸内投与用、経口投与用、または直腸投与用に調合された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
錠剤、カプセル、液体、ゼリー、分包のうちの1つ以上として調合された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記カプセルがゲルカプセルである、請求項3記載の医薬組成物。
【請求項5】
一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の量で投与するように調合された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の量で投与するように調合された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
一日あたり約2400mgの粉末、またはそれと同価の液体の量で投与するように調合された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
一日あたり約600mgの粉末、またはそれと同価の液体の量で投与するように調合された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
ポリフェノールがさらに添加されている請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
(i) さらなる消化補助剤、
(ii) プロバイオティクス、プレバイオティクス、もしくはシンバイオティクス組成物、または、
(iii) 食物繊維および/または消化酵素
のうちの1つ以上と同時投与するように調合された請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記対象者が腸内毒素症の1つ以上の症状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記対象者が腸不規則性の1つ以上の症状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記対象者がクローン病、潰瘍性結腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、または胃腸がんの1つ以上の症状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記対象者が炎症の1つ以上の症状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記対象者がアレルギー、アトピー、または糖尿病の1つ以上の症状を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願
本出願は2014年11月28日出願のニュージーランド特許出願第702454号、および2015年3月27日出願のニュージーランド特許出願第706405号の利益を主張するもので、各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、ゴールドキウイフルーツ(アクティニディア・キネンシス(Actinidia chinensis))から調製した組成物に関する。また、かかる組成物の調製方法と、胃腸器疾患の治療または予防方法を含む使用方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
胃腸管には、1000を超える種族や系統型から成る、およそ1014個の微生物細胞が存在し、その大部分が結腸に生存している(Rajilic-Stojanovic and de Vosm 2014年、Qin他2010年、Egert他 2006年)。発酵が発生する大腸は代謝が活発で、ヒトの健康に不可欠な、微生物の多様で複雑な関係性によって特徴づけられる(Backhed他 2005年)。これまで、実験のデータにより、結腸の微生物相とそれを宿すヒトが微妙な平衡状態で存在する程度が示されている。この微生物相には、幅広い健康上の利益との関連性が示されており、その例としては免疫機能の改善や成熟、行動の変化、満腹感の抑制、病原の阻害、ミネラルの吸収促進、エネルギーバランスの吸収および維持が挙げられる(Geurts他 2014年、Parnell and Reimer 2012年、Bravo他2011年、Buffie and Pamer 2013年)。
【0004】
この宿主と微生物相の相互依存性はマウスとゼブラフィッシュを用いた研究で示されており、そこでは各々の体内に元から存在していた微生物相を、相手方の無菌個体に移植した。その結果、微生物相は、宿主が本来宿していた微生物相へと戻っていくことが明らかになった(Rawls他 2006年)。食生活や遺伝、加齢、ストレス、生物異体によって微生物のコミュニティ構成のバランスが崩れると、腸内菌共生バランス失調を誘発する可能性があり、疾病にかかりやすい微生物相へと変化する恐れがある。特定の種類の食物を摂取すると結腸の微生物コミュニティに大きな影響が及び、その変化の多くは摂取後24時間以内に観察される(Wu他 2011年、Parkar他 2012年)。
【0005】
ヒトの胃腸菅では、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)が種族として最大多数を占め、健康な成人の結腸における微生物相で、一般的に全体の5%以上を占めているのが確認される(Miquel他 2013年)。フィルミクテス門に属するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイはヒトの大腸に共生する生物で、その抗炎症性が生体内で示されている(Sokol他 2009年、Furet他 2010年)。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの減少は、様々な腸疾患との関連性が繰り返し指摘されており、その例としては過敏腸症候群(IBS)、アトピー、糖尿病、そしてクローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)といった炎症性腸疾患(IBD)が挙げられる(Sokol他 2009年、Furet他 2010年、Rajilic-Stojanovic他2011年、Candela他 2012年、Willing他 2010年)。この様に一貫した観察結果によって、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度低下は望ましくないエンドポイントであることが示されており、したがって、その増殖を選択的に刺激できる治療にはすべて価値があると考えてもいいだろう。
【0006】
フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイがその健康促進効果を促すメカニズムは、硝酸塩の産生と抗炎症作用によると考えられている。Sokolの研究グループによるマウスを使った試験では、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイやフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの上澄みが化学的に誘発された結腸炎の重症度を軽減し、抗炎症作用を有する細胞質分裂の合成を促進し、炎症性サイトカインの産生を緩和することが判明しており、分泌された代謝産物による抗炎症作用の伝達を示唆している(Sokol他 2008年)。更に、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイは、炭水化物の発酵の結果として、大量の硝酸塩に加え、一定量の乳酸塩とギ酸塩を産生する(Duncan他 2002年、Duncan他 2004年)。
【0007】
便秘症は、個人の生活の質に重大な影響を及ぼしうる、広く見られる症状で、その障害は糖尿病や変形性関節症などの重大な慢性症状と比較されている。推計によると、世界の人口の最大20%がこの症状に苦しんでいて、特に影響を受けやすいのが女性と65歳を超えた個人である(Attaluri他 2011年、Udani & Bloom 2013年)。便秘症から生じる合併症には肛門裂傷、直腸脱、宿便などがある。排便時のいきみが痔核に繋がることもある。便秘の後期には、腹腔が膨張、硬化したり、広く痛みやすくなることがある。重症患者では腸閉塞の症状を示すことがあり、その例としては嘔吐や腹腔の痛みを示したり、小腸からの軟便が結腸に大量に滞留した便を迂回して、失禁に繋がることもある。
【0008】
消化管における微生物相のバランスの乱れが腸運動を変えて、便秘に繋がる恐れがあることは広く知られている(Husebye他 2001年、Rhee他2001年)。更に、腸部の慢性便秘症患者には微生物相のバランスの悪化が見られ、その特徴として、有益な細菌の相対的減少や病原性を秘めた細菌や真菌の増加が起きている(Khalif他 2005年)。この様な患者では大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)や腸内細菌の数が大幅に増加している(Khalif他 2005年)。
【0009】
その上、慢性便秘症が長期に渡って進行することで、望ましくない微生物の数の増加や、望ましい微生物の数の減少に繋がる(Khalif他 2005年)。慢性便秘症と診断された子どもの研究では、糞便から腸内菌の共生バランス失調が確認され、クロストリジウム(Clostridium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、および大腸菌の数が大幅に増加していた(Zoppi他 1998年)。ある1つの研究では、便秘患者の糞便中でビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)とラクトバチルス(Lactobacillus)の菌株数の大幅な減少が見つかり、その際の菌数はビフィドバクテリウム属で最大で10倍も少なかった(Chassard他 2012年)。
【0010】
便秘の介入は依然として非常に困難で、多くの個人が現在の治療法や薬剤に不満を示している。その様な介入には、果物・野菜の摂取量の増加、食物繊維(メチルセルロース、こんにゃく、グルコマンナン、オオバコ)の追加摂取、水分摂取と運動の増加に加え、刺激性、浸透性、便を柔らかくする便秘薬を用いた薬理的介入といった、生活様式や食生活の変化が含まれる(Attaluri他 2011年、Leung他2011年、Liu 2011年)。
【0011】
下剤の常用は患者が依存するようになる可能性があるため、禁忌である。浣腸は機械的刺激を与えるものとして使用される。一方、浣腸は直腸内の便には効果があるが、腸管内の便には効果がない。便通を促すと宣伝される市販の薬草および他の天然産物(アロエやダイオウなど(Udani & Bloom 2013年))がますます多くなっている。しかしながら、便秘に対する効能、便秘の緩和をもたらしうるかに関しては事例証拠しか存在しない。
【0012】
対照的に、繊維は消化において重要であることは周知である。可溶性繊維は水分を誘導し消化を遅らせるのを助け、不溶性繊維は便に食物繊維を加え便通を促す。また酵素も大きな食事成分をより小さな扱いやすい大きさに分解し消化を助ける。例えば、アミラーゼは澱粉を単糖に分解し、プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解する。とはいえ、繊維および酵素サプリメントだけでは、結腸通過遅延型の便秘(便が結腸を通過するのを長期に遅延)や排便障害には殆ど効果がない。更に、そういったサプリメントは、ガスの大量発生と不快な膨満感のような副作用をもたらしうる。
【0013】
グリーンキウイフルーツ(例えばアクティニディア・デリシオサ(Actinidia deliciosa)種、ヘイワード種など)は消化において効果のある食品として取り上げられ、いくつかの研究でその効能が論証されている(Stonehouse他 2012年)。現在、グリーンキウイフルーツの便通に対する効果は主にその食物繊維とアクチニジン(酵素)含有量(Chang他 2010年、Rush他 2002年、Stonehouse他 2012年、Drummond & Gearry 2013年)によるものと総意されている。
【0014】
その一方、ゴールドキウイフルーツ(例えばアクティニディア・キネンシス種、ホート(Hort)16A種)は従来便通に関与するものとはされていない(Ferguson 2003年、Rush 2002年)。ゴールドキウイフルーツはグリーンキウイフルーツと比較すると、アクチニジン含有量が少ない、もしくは全くない、また、食物繊維も少ないと指摘されている。キウイフルーツのホート16A品種の免疫力に対する効果が調査されている(Hunter他 2012年、Skinner2012年)。ゴールドキウイフルーツの減弱・減少した便通効果が、特に便通が強まることを望まない子供たちにおいて、自然な免疫力向上を図る理想的な選択肢だと主張される。
【0015】
集団内において消化器疾患が発生した場合、新しい成分、特に天然由来の成分が消化機能の健康維持と回復に必要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【文献】Rajilic-Stojanovic M, de Vos WM.The first 1000 cultured species of the human gastrointestinal microbiota.FEMS Microbiology Reviews.2014; 38: 996-1047.
【文献】Qin JJ, Li RQ, Raes J, Arumugam M, Burgdorf KS, Manichanh C, et al.A human gut microbial gene catalogue established by metagenomic sequencing.Nature.2010; 464: 59-U70.
【文献】Egert M, de Graaf AA, Smidt H, de Vos WM, Venema K. Beyond diversity: functional microbiomics of the human colon. Trends in Microbiology. 2006; 14: 86-91.
【文献】Backhed F, Ley RE, Sonnenburg JL, Peterson DA, Gordon JI. Host-bacterial mutualism in the human intestine. Science. 2005; 307: 1915-20.
【文献】Geurts L, Neyrinck AM, Delzenne NM, Knauf C, Cani PD. Gut microbiota controls adipose tissue expansion, gut barrier and glucose metabolism: novel insights into molecular targets and interventions using prebiotics. Beneficial Microbes. 2014; 5: 3-17.
【文献】Parnell JA, Reimer RA.Prebiotic fibres dose-dependently increase satiety hormones and alter Bacteroidetes and Firmicutes in lean and obese JCR:LA-cp rats.The British Journal of Nutrition.2012; 107: 601-13.
【文献】Bravo JA, Forsythe P, Chew MV, Escaravage E, Savignac HM, Dinan TG, et al. Ingestion of Lactobacillus strain regulates emotional behavior and central GABA receptor expression in a mouse via the vagus nerve. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2011; 108: 16050-5.
【文献】Buffie CG, Pamer EG. Microbiota-mediated colonization resistance against intestinal pathogens. Nature Reviews Immunology. 2013; 13: 790-801.
【文献】Rawls JF, Mahowald MA, Ley RE, Gordon JI.Reciprocal gut microbiota transplants from zebrafish and mice to germ-free recipients reveal host habitat selection.Cell.2006; 127: 423-33.
【文献】Wu GD, Chen J, Hoffmann C, Bittinger K, Chen YY, Keilbaugh SA, et al.Linking long-term dietary patterns with gut microbial enterotypes.Science.2011; 334: 105-8.
【文献】Parkar SG, Rosendale D, Paturi G, Herath TD, Stoklosinski H, Phipps JE, et al.In vitro utilization of gold and green kiwifruit oligosaccharides by human gut microbial populations.Plant Foods for Human Nutrition.2012; 67: 200-7.
【文献】Miquel S, Martin R, Rossi O, Bermudez-Humaran LG, Chatel JM, Sokol H, et al.Faecalibacterium prausnitzii and human intestinal health.Current Opinion in Microbiology.2013; 16: 255-61.
【文献】Sokol H, Seksik P, Furet JP, Firmesse O, Nion-Larmurier I, Beaugerie L, et al.Low counts of Faecalibacterium prausnitzii in colitis microbiota.Inflammatory Bowel Diseases.2009; 15: 1183-9.
【文献】Furet JP, Kong LC, Tap J, Poitou C, Basdevant A, Bouillot JL, et al. Differential adaptation of human gut microbiota to bariatric surgery-induced weight loss: links with metabolic and low-grade inflammation markers. Diabetes. 2010; 59: 3049-57.
【文献】Rajilic-Stojanovic M, Biagi E, Heilig HG, Kajander K, Kekkonen RA, Tims S, et al.Global and deep molecular analysis of microbiota signatures in fecal samples from patients with irritable bowel syndrome.Gastroenterology.2011; 141: 1792-801.
【文献】Candela M, Rampelli S, Turroni S, Severgnini M, Consolandi C, De Bellis G, et al. Unbalance of intestinal microbiota in atopic children. BMC Microbiology. 2012; 12: 95.
【文献】Willing BP, Dicksved J, Halfvarson J, Andersson AF, Lucio M, Zheng Z, et al.A pyrosequencing study in twins shows that gastrointestinal microbial profiles vary with inflammatory bowel disease phenotypes.Gastroenterology.2010; 139: 1844-54 e1.
【文献】Sokol H, Pigneur B, Watterlot L, Lakhdari O, Bermudez-Humaran LG, Gratadoux JJ, et al.Faecalibacterium prausnitzii is an anti-inflammatory commensal bacterium identified by gut microbiota analysis of Crohn disease patients.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2008; 105: 16731-6.
【文献】Duncan SH, Hold GL, Harmsen HJ, Stewart CS, Flint HJ. Growth requirements and fermentation products of Fusobacterium prausnitzii, and a proposal to reclassify it as Faecalibacterium prausnitzii gen. nov., comb. nov. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. 2002; 52: 2141-6.
【文献】Duncan SH, Louis P, Flint HJ. Lactate-utilizing bacteria, isolated from human feces, that produce butyrate as a major fermentation product. Appl. Environ. Microbiol. 2004; 70: 5810-7.
【文献】Attaluri A, Donahoe R, Valestin J, Brown K, Rao SSC 2011. Randomised clinical trial: dried plums (prunes) vs. psyllium for constipation. Alimentary Pharmacology & Therapeutics 33(7): 822-828.
【文献】Udani J, Bloom D. 2013.Effects of kivia powder on Gut health in patients with occasional constipation: a randomized, double-blind, placebo-controlled study.Nutrition Journal 12(1): 78.
【文献】Stonehouse W, Gammon CS, Beck KL, Conlon CA, Von Hurst PR, Kruger R. 2012.Kiwifruit: our daily prescription for health.Canadian Journal of Physiology and Pharmacology 91(6): 442-447.
【文献】Chang C, Lin T, Lu Y, Liu T, Liu J. 2010. Kiwifruit improves bowel function in patients with irritable bowel syndrome with constipation. Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 19(4): 451-457.
【文献】Drummond L, Gearry RB. 2013. Kiwifruit modulation of gastrointestinal motility. Advances in Food and Nutrition Research 68: 219-232.
【文献】Hunter DC, Skinner MA, Wolber FM, Booth CL, Loh JMS, Wohlers M, Stevenson LM, Kruger MC. 2012. Consumption of gold kiwifruit reduces severity and duration of selected upper respiratory tract infection symptoms and increases plasma vitamin C concentration in healthy older adults. British Journal of Nutrition 108: 1235- 1245.
【文献】Skinner MA.2012.Wellness foods based on the health benefits of fruit: gold kiwifruit for immune support and reducing symptoms of colds and influenza.Journal of Food and Drug Analysis 20(1): 261-264.
【発明の概要】
【0017】
一態様において、本発明は、キウイフルーツ組成物の調製方法を含み、該方法は、
a)ゴールド3の品種またはその遺伝的派生品種であるゴールドキウイフルーツを取得することと、
b)キウイフルーツの皮を取り除き、1mm未満の大きさのふるいでピューレ状にすることと、
c)ピューレを乾燥させ、粉末を生成することと、を含む。
【0018】
様々な態様において、
本方法は、ピューレ状にする前にキウイフルーツの種を取り除くことを更に含む。
本方法は、キウイをピューレ状にして、16°~21°のブリックス値を有するピューレを取得することを更に含む。
【0019】
本方法は、キウイフルーツをピューレ状にして、12.5°のブリックス値、20°Cで測定した場合、11.0~13.0の間、または10.0~14.0の間の粘度を有するピューレを取得することを更に含む。
【0020】
本方法は、ピューレを凍結乾燥し、粉砕して粉末を生成することを更に含む。
本方法は、組成物のポリフェノール含有量を高めることを更に含む。
本方法は、組成物にポリフェノールを添加することを更に含む。
【0021】
本方法は、24時間から56時間かけてピューレを乾燥させることを更に含む。
本方法は、40時間から56時間かけてピューレを凍結乾燥させることを更に含む。
もう1つの態様において、本発明は、ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥させたゴールドキウイフルーツから調製された組成物を含む。この粉末は前述の態様のいずれかの方法で生成されうる。
【0022】
様々な態様において、
組成物は腸内投与用に調合される。
組成物は経口投与用に調合される。
【0023】
組成物は錠剤またはカプセルとして調合される。
上記カプセルはゲルカプセルである。
上記錠剤またはカプセルは400mg~800mgの粉末を含むように調合される。
【0024】
上記カプセルは100mg~1000mgの粉末を含むように調合される。
組成物は液体として調合される。
上記液体は投与単位あたり400~800mgの粉末を含む。
【0025】
組成物はゼリーまたは分包として調合される。
組成物は更なる消化補助剤との組み合わせにて調合される。
組成物は、1つ以上のプレバイオティクス、プロバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物との組み合わせにて調合される。
【0026】
組成物は、食物繊維およびまたは消化酵素との配合で調合される。
組成物にポリフェノールが補足される。
もう1つの態様において、本発明は、便秘を治療もしくは予防し、または腸の調整を維持もしくは改善する方法を含み、該方法は、
前述の態様のいずれかの組成物を対象者に投与することにより、対象者の便秘を治療もしくは予防し、または腸の調整を維持もしくは改善することを含む。
【0027】
様々な態様において、
組成物は腸内投与される。
組成物は経口または直腸投与される。
【0028】
組成物は錠剤、カプセル、または液体として投与される。
組成物はゼリーまたは分包として投与される。
上記カプセルはゲルカプセルである。
【0029】
組成物は、一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
組成物は、一日あたり250mg~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
【0030】
組成物は更なる消化補助剤と同時投与される。
組成物は、1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される。
【0031】
組成物は、食物繊維および/または消化酵素と同時投与される。
組成物にポリフェノールが補足される。
もう1つの態様において、本発明は、消化管の微生物叢の不均衡を治療または予防する方法を含み、該方法は、
前述の態様のいずれかの組成物を対象者に投与することにより、対象者の消化管の微生物叢の不均衡を治療または予防することを含む。
【0032】
様々な態様において、
組成物は腸内投与される。
組成物は経口または直腸投与される。
【0033】
組成物は錠剤、カプセル、または液体として投与される。
組成物はゼリーまたは分包として投与される。
上記カプセルはゲルカプセルである。
【0034】
組成物は、一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
組成物は、一日あたり250mg~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
【0035】
組成物は更なる消化補助剤と同時投与される。
組成物は、1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される。
【0036】
組成物は、食物繊維および/または消化酵素と同時投与される。
組成物にポリフェノールが補足される。
もう1つの態様において、更に本発明は、消化管における有益細菌を保持および増量する方法を含み、該方法は、
前述の態様いずれかの組成物を対象者に投与することにより、対象者の消化管における有益細菌を保持または増量することを含む。
【0037】
様々な態様において、
組成物は腸内投与される。
組成物は経口または直腸投与される。
【0038】
組成物は錠剤、カプセル、または液体として投与される。
組成物はゼリーまたは分包として投与される。
上記カプセルはゲルカプセルである。
【0039】
組成物は、一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
組成物は、一日あたり250mg~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
【0040】
組成物は更なる消化補助剤と同時投与される。
組成物は、1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される。
【0041】
組成物は、食物繊維および/または消化酵素と同時投与される。
組成物にポリフェノールが補足される。
有益細菌は、バクテロイデス-プレボテラ-ポルフィロモナス属(Bacteroides-Prevotella-Porphyromonas)の群、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、ラクノスピラ属(Lachnospiraceae)から選択される。
【0042】
有益細菌は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ、クロストリジウム・ココイデス(Clostridium coccoides)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteriodes fragilis)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・オバトス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・セルロシリチクス(Bacteroides cellulosilyticus)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・イヌリノボランス(Roseburia inulinovorans)、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)から選択される。
【0043】
もう1つの態様において、本発明は、消化管におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィを保持または増量する方法を含み、該方法は、
前述の態様のいずれかの組成物を対象者に投与することにより、対象者の消化管におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィを保持または増量することを含む。
【0044】
様々な態様において、
組成物は、腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される。
組成物は、錠剤、カプセル、液体、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される。
【0045】
上記カプセルはゲルカプセルである。
組成物は、一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
【0046】
組成物は、一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
組成物は更なる消化補助剤と同時投与される。
【0047】
組成物は、1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される。
組成物は、食物繊維および/または消化酵素と同時投与される。
【0048】
組成物にポリフェノールが補足される。
対象者は1つ以上の炎症症状を有する。
対象者は、クローン病、潰瘍性結腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、胃腸がん、アレルギー、アトピー、または糖尿病のうちの1つ以上の症状を有する。
【0049】
もう1つの態様において、本発明は、過敏性腸症候群または炎症性腸疾患の治療または予防方法を含み、該方法は、
前述の態様のいずれかの組成物を対象者に投与することにより、対象者における過敏性腸症候群または炎症性腸疾患を治療または予防することを含む。
【0050】
様々な態様において、
組成物は、腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される。
組成物は、錠剤、カプセル、液体、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される。
【0051】
上記カプセルはゲルカプセルである。
組成物は、一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
【0052】
組成物は、一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される。
組成物は更なる消化補助剤と同時投与される。
【0053】
組成物は、1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される。
組成物は、食物繊維および/または消化酵素と同時投与される。
【0054】
組成物にポリフェノールが補足される。
もう1つの態様において、本発明は、以下を目的とした医薬品の調製のための、前述の態様のいずれかの組成物の使用を含む。
【0055】
(i)対象者における便秘の治療もしくは予防、もしくは腸の調整の維持もしくは改善、
(ii)対象者における微生物叢不均衡の治療もしくは予防、
(iii)対象者の消化管における有益細菌の保持もしくは増量、
(iv)対象者の消化管におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィの保持もしくは増量、または
(v)対象者における過敏性腸症候群もしくは炎症性腸疾患の治療もしくは予防。
【0056】
前述の概要では、本発明の特定の実施態様の特徴と技術的利点を幅広く説明した。更なる技術的利点については、本発明の詳細な説明と以下の実施例で説明する。
本発明の特質とされる新しい特徴は、いずれかの添付図および実施例をともなう本発明の詳細な説明により明らかにされるものである。しかし、本明細書に提示された添付図および実施例は発明を例証し、または発明に対する理解を促すもので、発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】消化前後のグリーンキウイフルーツ(ヘイワード種)とゴールドキウイフルーツ(ゴールド3種)粉末のポリフェノール含有量。
【
図2】消化されたゴールドキウイフルーツ(ゴールド3)粉末の水およびジメチルスルホキシド抽出物にさらされるときの菌株の増殖変化。
【
図3】混合発酵モデルを使用した試験管内での短鎖脂肪酸生産に対するゴールドキウイフルーツ(ゴールド3)粉末の効果。
【
図4】試験処置、休薬期間、およびサンプル採取ポイントの概要図。
【
図5A】便秘の参加者にゴールド(ゴールド3)処置を施した後の消化器健康指標の向上。
【
図5B】機能性便秘の参加者にゴールド(ゴールド3)処置を施した後のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィの個体数の変化。
【
図5C】機能性便秘の参加者にゴールド(ゴールド3)処置を施した後のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィの変化を示す定量的PCRデータ(対数変換)。
【
図6】LightCycler(登録商標)480 qPCRデータが示す1グラムあたりの糞便サンプルに対する16S rRNA遺伝子複製数(対数変換が一番上の列、一番下の列は自然データ)と、健常者グループに対して行った各治療の前後での標準誤差(SEM)を表すエラー・バー。
【
図7】LightCycler(登録商標)480 qPCRデータが示す1グラムあたりの糞便サンプルに対する平均16SリボソームRNA遺伝子複製数(対数変換が一番上の列、一番下の列は自然データ)と、機能性便秘のグループに対して行った各治療の前後での標準誤差(SEM)を表すエラー・バー。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の説明では、多数の典型的な設定、パラメーター等が規定される。しかしながら記述された説明は本発明の範囲に対する制限を意図するものではなく、例示的実施形態の説明として提示されていると認識されるべきものである。
【0059】
本明細書に引用されたすべての参考文献(特許と特許出願を含む)は、参照により本明細書に組み込まれる。いかなる参考文献も先行技術を構成するものと認めるものではない。またいかなる参考文献について論じることを通じて、それらの参考文献が、ニュージーランドおよびその他の国において当該技術分野における常識をなすものであると認めるものではない。
【0060】
定義
本明細書の各場合において、本発明の説明、実施形態、実施例における「備える」、「含む」などの用語は、限定的でない発展的なものとして読み取られるべきものである。したがって説明および特許請求の範囲で、その前後関係が明らかに要求しない限り、「備える」、「含む」などの言葉は制限されない包括的な、「含むが、これに限定されるものではない」という意味で解釈されるべきものである。
【0061】
「腸の調整」は、例えば、毎日や毎週など、規則的な便通があることを意味する。便通は人によって異なるが、期待される便通の数は週に少なくとも4回から1日につき少なくとも1回の範囲でありうる。便通の「改善」は、1週につき少なくとも便通1回の増加を意味する。
【0062】
「腸の不規則性」という用語は、便通の規則性が損なわれることを意味する。例えば、次の便通までの期間が長くなる、または1日、もしくは1週間の便通回数が減少することを意味しうる。例えば、1週につき少なくとも便通1回の減少で、腸不規則性が示されうる。
【0063】
本明細書で使用される「便秘」は、以下の便秘の1つ以上の症状を有することを意味する。例えば、排便時のいきみ、硬くコロコロとした便、肛門の閉塞感もしくは詰まるような感覚、不完全な排便の感覚、何らかの補助を必要とする排便、または週に3回以下の排便。
【0064】
「消化補助剤」とは、消化または消化系の他の局面を補助する組成物であり、例えば可溶性および不溶性繊維、消化酵素、プロバイオティクス、プレバイオティック、およびシンバイオティックなどがある。オオバコ、メチルセルロース、グルコマンナン、マグネシウム、亜麻仁、小麦の草、ショウガ、アロエ(例えば、アロエベラ・ジュース)、ダイオウのうちの1つ以上を含む組成物は、消化補助剤として含まれる。
【0065】
「消化酵素」は、胃腸系の機能を補助する酵素である。アクチニジン、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、スクラーゼ、およびセルラーゼが含まれる。
【0066】
「消化管」および「腸」は、ヒトおよびその他の動物の消化器系(すなわち、胃腸系)を意味する。これには、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸などの小腸、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸などの大腸、および直腸が含まれる。「腸」は、腸管と同義語である。
【0067】
消化管の「疾患」は、消化器系(すなわち胃腸系)に影響を及ぼす急性および慢性的な疾病あるいはその他の状態を含む。例えば炎症、便秘、腸不規則性、微生物叢不均衡(例えば有益生物のレベルの減少、有益生物の比率の変化、および/または有害生物のレベルの増加)である。特定の疾患には、炎症性腸疾患と過敏性腸症候群が含まれる。その他の疾患については本明細書で詳述する。
【0068】
「ゴールド3」はゴールドキウイフルーツの特定品種であり、「Zesy002」の名称でも知られ、ZESPRI(登録商標)SUNGOLDキウイとして販売されている。ゴールド3品種に関しては、2009年6月25日にニュージーランド植物品種権出願が出願番号KIW042として提出されている。ゴールド3種のゴールドキウイフルーツの学名は、Actinidia chinensis Planchである。
【0069】
ゴールドキウイフルーツ品種(例えばゴールド3種)の「遺伝的派生種」とは、ゴールドキウイフルーツの親株から得られた後代品種、変種、またはその他の栽培品種を指す。これはゴールドキウイフルーツの親株との遺伝子交雑から得られる後代品種(一代交配種あるいは二代交配種など)を含む。用語「遺伝的派生種」とは、派生した植物、それ自体、またはその果実を指しうる。
【0070】
「炎症」とは、以下の1つ以上により特徴付けられる状態を指す:血管拡張、熱、発赤、痛み、腫れ物、浮腫、病変、亀裂、潰瘍形成、白血球の血管外遊出、および機能喪失。上記炎症には急性および慢性の両方の炎症が含まれる。慢性炎症には、炎症性障害(例えば、自己免疫病気)が含まれる。特に炎症性腸疾患が含まれる。その他の炎症性疾患は、本文書の他の部分で記述される。
【0071】
本明細書で述べたように、用語「凍結乾燥」および「フリーズドライ」は同義語として使用される。「フリーズドライ」あるいは「凍結乾燥」の用語は、高温(すなわち凍結温度より高い温度)の使用を除外するものではない。例えば「凍結乾燥」あるいは「フリーズドライ」手順の二次乾燥の段階で残留水分の除去に高い温度が用いられることがある。
【0072】
本明細書で使用される「微生物叢」とは、ヒトまたその他の動物の消化管内に住んでいる微生物群を指す。同意語は「微小植物」と「微生物群系」である。
「微生物叢不均衡」(「腸内毒素症」とも呼ばれる)は、消化器系の有益な生物の数が減少、有益な生物の1つ以上の比率が変化、および/または消化器系の有害な生物の数が増大した状態である。有益な生物には、例えば乳酸を生成する細菌や酪酸塩を生成する細菌が含まれうる。有益な生物には以下のものが含まれるが、これに制限されるものではない。ビフィドバクテリウム属菌株、バクテロイデス・フラジリスのようなバクテロイデス科(Bacteroidaceae)菌株、そして大腸菌、例えばクロストリジウム・レプタム(Clostridium leptum)の系統発生群の有効な細菌、例えばフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィ。また以下の細菌も含まれる。クロストリジウム・ココイデス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・オバトス、バクテロイデス・セルロシリチクス)、ロゼブリア・インテスチナリス、ロゼブリア・イヌリノボランス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・フラベファシエンス。バクテロイデス-プレボテラ-ポルフィロモナス属、ラクノスピラ属、および乳酸菌(Lactobacilli)の有益な生物も含む。有害な生物には以下のものがありうるがこれに限定されない。ブドウ球菌(Staphylococcus)およびサルモネラ菌株(Salmonella)、また以下の科の構成員があげられる:腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、パスツレラ科(Pasteurellacaea)、ベイヨネラ科(Veillonellaceae)、フソ細菌科(Fusobacteriaceae)。
【0073】
「プレバイオティクス」とは消化器系の有益な生物の数および/または活動を増大させる組成物である。一般的にプレバイオティクスは発酵性組成物を含み、胃腸微生物叢の有益な細菌に好ましい変化(例えば度合、活量、または比率の改善)をもたらす。これは例えば、乳酸を生成する細菌、および/または酪酸塩を生成する細菌を含む。有益な生物の具体例には、ビフィドバクテリウム属菌株、フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)菌株(フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィを含む)、そしてバクテロイデス・フラジリスのようなバクテロイデス属(Bacteroidaceae)菌株。また以下の細菌も含まれる。クロストリジウム・ココイデス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・オバトス、バクテロイデス・セルロシリチクス、ロゼブリア・インテスチナリス、ロゼブリア・イヌリノボランス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・フラベファシエンス。またバクテロイデス-プレボテラ-ポルフィロモナス属のグループ、ラクノスピラ属、乳酸菌、あるいはその他本明細書に記述する生物が挙げられる。
【0074】
「プロバイオティクス」とは、例えば乳酸を生成する細菌および/または酪酸塩を生成する細菌など、腸を含めた消化器系に定着する1つ以上の有益な生物から組成される複合体である。とりわけ有益な生物には、ビフィドバクテリウム属株およびフィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)株(フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィを含む)、またバクテロイデス科菌株、例えばバクテロイデス・フラジリス、ならびにその他本明細書で記載される微生物が挙げられる。
【0075】
「シンバイオティクス」は1つ以上のプロバイオティクス薬剤および1つ以上のプロバイオティクス生物から組成される複合体である。
本明細書で使用するとき、「対象者」は、ヒトあるいはヒト以外の動物、具体的には、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、馬などの哺乳類と、イヌ、ネコ、その他の飼育されたペットなどの家畜でありうる。
【0076】
本明細書で使用する「治療」とは、疾患、例えば疾病またはその他の胃腸系の病状などの消化器疾患等のような疾患を回復、改善、消散させることを意味する。治療により、疾患の1つ以上の症状の回復、改善、消散がもたらされることとなる。
【0077】
本明細書で使用する「予防」は、疾患、例えば疾病またはその他の胃腸系の病状などの消化器疾患等のような疾患の発症を抑止または遅延させることを指す。予防対策によって、疾患の1つ以上の症状が抑止および遅延され、もし疾患が発生した場合には軽減されることになる。
【0078】
ゴールドキウイフルーツおよび関連する生物活性
ゴールド3はZespri(登録商標)によって開発されたゴールドキウイフルーツの新品種であり、シュードモナス・シリンガエ病原型アクチニダエ(Pseudomonas syringae pv actinidiae)(Psa、キウイの木の細菌病)への耐性に強く、ニュージーランドではホート16Aに替わるゴールド種として好まれている。ゴールド3品種のキウイフルーツの栄養組成は先品種と類似しており、グリーンキウイフルーツよりアクチニジンおよび食物繊維含有量が低い(表1)。
【0079】
【0080】
グリーンキウイフルーツの便通効果の主な原因になる成分である繊維およびアクチニジンがゴールドキウイフルーツにおいてはより低値であるため、ゴールドキウイフルーツ由来の生成物は、ヘイワード種のキウイフルーツ由来のものより便通効果が低いと考えられる。
【0081】
驚くべきことに、本発明者により、ゴールド3種のキウイフルーツから抽出された粉末(ゴールド)は、健常人においてヘイワード種のグリーンキウイフルーツから抽出された粉末(ACTAZIN(商標))と同程度に便通を改善することが明らかになった(実施例5、6を参照)。これらの結果から、ゴールド3の粉末に存在するその他のキウイフルーツの生物活性成分が、現在想定されている以上に便通効果の観測結果に影響を及ぼしていると考えられる。従って本組成物は腸の調整の維持もしくは改善および/または便秘の治療もしくは予防に有益である。
【0082】
特定の理論に束縛されるものではないが、ポリフェノールはゴールドキウイフルーツ種、特にゴールド3キウイフルーツの主要な活性成分でありうると仮定される。上述の便通効果の観察結果は、フルーツに含まれる繊維、酵素、プレバイオティクス炭水化物、およびポリフェノールの組み合わせに起因しうると思われる。
【0083】
ポリフェノールは、植物中の天然に存在する化合物であり、1つ以上のフェノール単位の存在により特徴付けられる。ポリフェノールは、有益な細菌の増殖を促し、その細菌によりポリフェノールが血流に吸収される他の生物活性化合物に変換されることにより、胃腸とその他の身体部位に効果をもたらすことで、一定の健康効果が得られるという意見もある(Seeram 2014年; Cardona他2013年)。
【0084】
摂取されたポリフェノールの90%~95%が結腸に蓄積され、結腸のフェノール成分は腸内微生物叢によって低分子量代謝産物に代謝されると推定される。これらの代謝産物は吸収性であり、上述のポリフェノールの健康効果の観察結果を得ることができる(Cardona他 2013年)。
【0085】
本明細書に提示した結果にもとづき、発明者はゴールドキウイフルーツ品種、例えばゴールド3またはその派生品種のポリフェノールはプレバイオティクスとして作用する可能性があると考える。本分野における研究者は、プレバイオティクスを「胃腸の微生物相の組成および/または活動に特定の変化をもたらして、宿主の健康に有利な影響を与える選択的発酵物」と記述している(Gibson他 2010年)。
【0086】
注目すべきことに、ゴールドキウイフルーツはグリーンキウイフルーツよりポリフェノール含有率が高い(例えばDrummond 2013年、本明細書の表5を参照)。更に、本発明者のインビトロ研究では、消化(上部消化管の模擬消化)されたゴールド3のゴールドキウイフルーツの粉末は、消化される以前と比較して異なるポリフェノールプロファイルを有することを示している(実施例2を参照)。しかしながら全体のフェノール類含有量は保持されたままである。グリーンキウイフルーツの粉末も、消化後のポリフェノールプロファイルが異なるが、全体のフェノール類含有量は消化によって低減されてしまう(実施例2を参照)。
【0087】
これにより、本発明者はゴールド3のゴールドキウイフルーツの粉末中に存在するポリフェノールは胃内の消化による影響を受けることがない点で、グリーンキウイフルーツの粉末より優れていると結論する。つまりゴールド3品種などのゴールドキウイフルーツからのポリフェノールは、異種のフェノール類への生体内変化に利用可能であるということである。
【0088】
特定の理論に束縛されるものではないが、ゴールド3のゴールドキウイフルーツはクロロゲン酸、E‐カフェオイル-3-グルコシド、フロリジン、プロシアニジンB2、ケルセチンに富むという独特の特徴があるとされる。これらのフェノール類は「未消化」のまま結腸に運ばれ、腸内微生物叢によって代謝産物(フェノール誘導体)に代謝されると考えられている。次いでこれらの代謝産物は吸収され、その他の代謝経路で相互作用して、通便の促進を含めた健康効果に貢献できるようになりうる。
【0089】
フェニルプロパノイド経路は植物中に見出されるフェノール化合物の大部分を生成することが知られている。フェニルプロパノイドは植物の回復、成長、防御組織(免疫システム)、ならびに植物の有益な微生物および有益な捕食者(栄養システム)との相互作用を制御するものである。従ってゴールド3品種の病虫害抵抗性と同様に、本明細書に記述されたゴールド3由来の粉末が消化に有効であることも、フェノール化合物によるものである可能性がある。
【0090】
また本発明者はゴールド3キウイフルーツの粉末には、プレバイオティクスの特性を持つことが知られている消化抵抗成分が含まれることを示した(実施例4を参照)。これらの成分は腸内細菌の調整を助け、短鎖脂肪酸(SCFAs、実施例4を参照)などの様々な健康効果があるとされる代謝産物の産生を促進する。
【0091】
更に、本発明者は、ゴールド3キウイフルーツの粉末が腸管内菌叢の生成パターンに影響を与えて、有益な細菌を有害な細菌より増加させることを明らかにした(実施例3を参照)。特に本発明者は、ゴールド3キウイフルーツの粉末を投与した便秘患者の糞便サンプルからフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの相対個体数の著しい増加も観察した(実施例7および8を参照)。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを含めた有益細菌のこのような増加は、定量的ポリメラーゼ連鎖反応分析で確認された(実施例9および10を参照)。
【0092】
フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度の低下は消化器疾患、特に胃腸管の炎症状態と関連性があり、これは重要な発見である。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイが低濃度であることは、とりわけ過敏性腸症候群(IBS)および炎症性腸疾患(IBD)、ならびにその他の健康状態と関連性があることが指摘されている。例えばSokol他 2008年、Sartor 2011年を参照されたい。また以下を参照されたい。
【0093】
従ってゴールド3キウイフルーツおよびその派生品種は、以下のための組成物にて使用されうることは明らかである。便秘の治療もしくは予防、腸の調整の維持もしくは改善、微生物叢不均衡の治療もしくは予防、消化管内の有益な細菌の維持もしくは増加、消化管内のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの維持もしくは増加、および/または過敏性腸症候群もしくは炎症性腸疾患の治療もしくは予防。本組成物の更なる使用は本明細書で詳細に記述する。
【0094】
キウイフルーツ組成物の生成方法
本発明は概してゴールドキウイフルーツから調製された組成物に関する。特定の態様では、組成物は、アクティニディア・キネンシスから調製される。ゴールドキウイフルーツのゴールド3(別称G3)品種の利用が望ましい。別の態様では、ゴールドキウイフルーツ品種の1つ以上の派生品種を使用することができる。例えばゴールドキウイフルーツ品種の親株を含む遺伝的交雑による一代および二代交配種を使用することが望ましい可能性がある。あるいは親株から得られた変種またはその他の栽培品種の使用もありうる。
【0095】
本組成物は粉末の形態、例えば凍結乾燥粉末またはその他の適切な剤形で調製されうる。特定の態様では、粉末を錠剤(急速溶解錠剤を含む)またはカプセル(持続放出カプセル含む)に形成することが望ましい場合もある。錠剤は、分割錠、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠、懸濁液を形成するための錠剤であってもよい。カプセルは、一体形成ゲルカプセル化および二体形成ゲルカプセル化によって形成されたゲルカプセルを含むゲルカプセルであってもよい。非ゼラチン・カプセルおよびカプレットも含まれる。本粉末は自由流体形または固形で提供されうる。本組成物は懸濁液または溶液を形成するための粉末、経口顆粒、または経口粉末として提供される。あるいは、更に本組成物は強壮剤、エリキシル剤、リンクタス剤、濃縮液、シロップ、溶剤、懸濁、乳剤、水薬、ピューレ、軟膏、または点滴剤として調合しうる。別の態様では、本組成物はゲルおよびゼリーとして調合しうる。本組成物は、例えば粉末分包、ゲル分包、またはゼリー分包などの分包の形態で提供しうる。またシンストリップを含む、または、食物および飲料に混ぜるカプセル入りの固体を含む、製剤も含まれる。本明細書で以下に記述するとおり、他の調合法も可能である。
【0096】
本発明の組成物は、1つ以上の商業的供給源から得たゴールドキウイフルーツのピューレから調製することができる。ゴールドキウイフルーツのピューレは、種および皮の両方を取り除かれていることが好ましい。またピューレは約1mm以下の大きさのふるいで調製されていることが好ましい。更にピューレは(12.5°Bx、20°Cで計量した場合)、約12.0の、または10.0~14.0、11.0~13.0、11.75~12.25、11.8~12.2、もしくは11.9~12.1の範囲でありうる、または約11.0、約11.25、約11.7、約11.8、約11.9、約12.1、約12.2、約12.3、もしくは約12.5でありうる粘度を有することが更に好ましい。
【0097】
ピューレのpHは、3.2~3.8、3.0~4.0、もしくは3.1~3.9の範囲、または約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、もしくは約4.0でありうる。ある状況においては、ピューレまたは最終組成物のpHをおおよその生理的濃度に調整することが望ましい場合がある。とりわけ、6.0~8.0、6.5~7.5、もしくは6.8~7.2のpH範囲、または約6.5、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、もしくは約7.5のpHを得ることが有益でありうる。
【0098】
特定の態様では、汁の多いゴールドキウイフルーツ・ジュースの生成に適合されうる、ニュージーランド特許第235972号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載された「ソフト・パルピング法」技術を用いて本発明の組成物を調製することができる。
【0099】
最初の準備段階として、ゴールドキウイフルーツの熟成、検査、等級付けおよび/または選別の周知の工程を含みうる前処理作業を行いうる。熟成に関しては、本発明の組成物を生成する際には熟したゴールドキウイフルーツが好ましいが、腐敗もしくは腐りかけの原料は避けることが好ましい。
【0100】
熟成度は当該技術分野で広く知られ使用される方法によって査定可能である。熟成度はゴールドキウイフルーツの採集または加工前に計量することができる。熟成度は、具体的にはブリックス計で測りうる。糖度の範囲が以下のものがゴールドキウイフルーツの熟成を示す。16~21°Bx、14°~23°Bx、もしくは15°~22°Bx、または約14°、約15°、約16°、約17°、約18°、約19°、約20°、約21°、約22°、もしくは約23°Bx。
【0101】
このブリックス値を超えたゴールドキウイフルーツは熟しすぎていたり腐敗している可能性があり、理想の組成物を生成しない可能性がある。理想を下回るブリックス値を有するキウイフルーツは、使用前に人工的に熟すこともできる。貯蔵庫に保管する時間で充分に成熟させることが可能である。例えば、約5°Bxで収穫されたゴールドキウイフルーツを0°Cの冷蔵貯蔵所で4~6週間保管することで、10°Bx以上に熟成させることが可能である。この果実は、冷蔵貯蔵所から除去された後に熟して12°Bx以上に達するであろう。この熟成中にその他の化学的変化も生じ、キウイフルーツは最適な生産物として理想的な範囲値の成熟度が得られる。
【0102】
この過程でゴールドキウイフルーツに滅菌処理を施すことができる。フルーツを1つ以上のローラーブラシを装備したアセンブリに通して、付着した異物を除去しうる。その後、従来の洗浄技術を使いうる。例えば、一連の噴射ノズルを使用してキウイフルーツを洗浄することができる。洗浄補助あるいは滅菌のために、該当地域の法規規制に従った洗浄添加剤を使用してもよい。例えば、塩素洗浄および/またはオゾン浸透水で洗浄後、新鮮な水洗浄ですすぐことができる。
【0103】
滅菌処理されたキウイフルーツは次にホッパーに搬送されうる。キウイフルーツを一個ずつ切断作業の流れに載せるように、ホッパーは先細の漏斗状の形状にすることもできる。切断の流れ作業では水力レーザーまたは類似の切断器を設置する。水力レーザーを使用すると種を損傷させないという長所があるので、種によるパルプの汚染を防ぐことができる。その他回転式円状刃、往復式刃、流体ジェット切断器、振下式ナイフなども適している。
【0104】
切断器はゴールドキウイフルーツを実質的に半分に、例えば長さにそって半分に切断することができる。あるいは切断装置を、キウイフルーツの皮を破ることが可能な柔軟な破砕機に換えてもよい。この方法ではキウイフルーツの細胞の大規模な損傷を引き起こさないことが好ましい。例えば、ゴールドキウイフルーツをローラーの間に通し、皮を破ることができる。具体的には、間隔をあけ、相互に寄るように偏ったローラーの間を通過させてキウイフルーツを破裂させうる。この方法を用いて、フルーツを押しつぶすことで皮を裂くことができる。破裂したキウイフルーツは実質的には損傷を受けておらず、大きな断片に分断させるのが容易である。その他の破裂方法を使用することも可能である。
【0105】
切断作業後、ゴールドキウイフルーツの断片は、果実から皮を取り除くためのプレス作業の流れに移されうる。プレス作業の流れにおいて果肉を取り去る作業あるいは粉砕作業がなされるようにしてもよい。粉砕作業には、従来の果肉取り去り技術に比べ、比較的刺激が少ない優しい取出し法(「ソフト・パルピング」)がある。ソフト・パルピング方法を用いると、フルーツの細胞あるいは成分の大幅な分解や溶解がひきおこされることがない。この過程において種の破損は小規模な割合(概して5~10%以下)に抑えられるのが好ましい。ソフト・パルピングの工程は、化学的および/または酵素溶菌法、加熱法、細胞分解を伴う方法、果実素材の過度な粉砕を伴う機械的技術を対象とするものではない。
【0106】
一実施形態ではキウイフルーツの断片を二つの合流ベルトのプレス器を通して圧搾させることでゴールドキウイフルーツのソフト・パルピングを行う。プレスベルトは滑車のまわりを回転する複数のループでありうる。プレスベルト間の間隔はキウイフルーツが移動する方向にむかって減少させてもよい。上述の方法をとると、キウイフルーツが圧搾作業の流れを移動するに従ってより強い圧力をかけることができる。この方法により、種に大幅な損傷を与えることなくキウイフルーツの果肉を取り出すことが可能である。これは同時に種による果肉の汚染を防止する。
【0107】
プレス作業によって生成された果肉はふるい分け工程に移され、果肉から種が分離されうる。具体的には、機械的軟性ふるい分け技術を使用して種から果肉を分離しうる。例えば、パルプ・フィニッシャーが使用されうる。このフィニッシャーには事前に定めた大きさの開口部を持つ円錐形の網内で回転する羽根車が備えられている。特定の態様において、開口部の大きさは、果実と果汁は通し、網の内部の空洞中に全部とはいわなくともかなりの割合の種を残留させるように考慮して選定される場合もある。
【0108】
特定の態様において、ゴールドキウイフルーツのピューレよりペーストを用いるほうが好ましい場合もある。キウイフルーツのペーストは濃縮物として生成することができる。例えば、果物を数時間熱し、漉し、煮詰め、粘度の高い濃縮物にする。皮を除去した後、あるいは果肉を取出した後、あるいはピューレ化した後、果物に熱を加えうる。果物に徐々に熱を加えた後、混合しながら中温で熱し続けうる。煮詰められたら、ペーストを平らなシートの上に広げるか、または、例えば袋、チューブ、ビン、ボトルもしくはその他の容器などへの梱包作業に移しうる。ペーストはヒトが摂取するに適するよう無菌状態で移動されうる。キウイフルーツのペーストは熟したゴールドキウイフルーツから生成されるのが好ましい。ペーストは果肉を取り出した果実で生成されるのが好ましい。ペーストは滑らかに生成され、以下のような濃縮物を含みうる。約40°Bx、または30°~50°Bx、または35°~45°Bx、または約35°、約36°、約37°、約38°、約39°、または約41°、約42°、約43°、約44°、もしくは約45°Bx。
【0109】
果肉(例えばペーストあるいはピューレの形態の果肉)は、次に冷凍処理されうる。この作業の後、あるいは同時に乾燥作業が行われうる。代替的な実施形態では、果肉は中途で冷凍されずに乾燥され、粉末化される。例えばドラム式乾燥法が用いられうる。ドラム式乾燥法ではピューレあるいはペーストは回転式大容量ドラムによって比較的低温で乾燥され、ドラム乾燥されたシート状の生産物となりうる。特定の態様では、乾燥工程を加速しまたは別様に補助するために添加物を用いる場合もある。例えば、豆澱粉あるいはその他の乾燥補助剤が用いられうる。乾燥された生産物は次に粉砕されて、フレークあるいは粉末の形状に最終加工されうる。有利には、ドラム式乾燥技術は、例えば、フェノール化合物などの主要な成分を保持する乾燥組成物を生成するのに使用することができ、その乾燥組成物は液体を用いて簡単に戻すことが可能である。例えば、ドラム乾燥された製品は冷水可溶性にすることもできる。あるいはベルト乾燥または対流乾燥が用いられることもある。上記の乾燥法は当該技術分野において広く知られ、使用されている。
【0110】
凍結する場合は、鮮度を維持するために生産後できるだけ早く果肉を凍結させることが好ましい。しかしながら、必要に応じて24時間~48時間の時間をかけて凍結することができる。凍結方法は周知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。急速冷凍法を本発明に使用することが特に好ましい。果肉は標準サイズのペール内で冷凍されうる。ペールは作業後、新鮮な果肉を集めるのに使用される。果肉は組成物の作製が必要となるまでは、凍結された状態で(例えば-18度で)保存することができる。
【0111】
凍結した果肉はフリーズドライ、すなわち凍結乾燥させることができる。フリーズドライ方法は周知であり、広く使用されている。フリーズドライ周期はおよそ48時間、または40時間~56時間、12時間~36時間、もしくは36時間~60時間の範囲、または約40時間、約42時間、約44時間、約46時間、約48時間、約50時間、約52時間、もしくは約54時間でありうる。例えば、少なくとも48時間(「やさしいフリーズドライ」)というような、より長い時間のフリーズドライ周期が最大の活性を保持するために使用されることがある。特定の態様において、この工程は、作業中に水の形成を回避し、水分含有量を最小限にするために実施される場合もある。
【0112】
乾燥した製品を得るためには、特定の凍結乾燥工程を用いるのが望ましい可能性がある。例えば、凍結乾燥プログラムが自動乾燥システムの一環として採用されることがある。凍結乾燥工程は、複数の乾燥段階を含むことがある。例えば段階的に温度を上げたり下げたりすることがある。昇華のために一次乾燥設定が使用され、続いて残留水分を除去するために1つ以上の二次乾燥設定が使用される。特定の態様では、凍結乾燥工程での最高温度は70℃を超えない。別の態様では、凍結乾燥工程での温度は-10℃~70℃の範囲である。別の態様では、最大48時間の凍結乾燥を行う場合もある。
【0113】
次に、得られた乾燥生成物を粉砕して粉末にすることができ、次いでこれを適宜使用することができる。粉砕方法は周知であり、当該技術分野で広く使用されている。標準網目サイズを使用して粉末を製造することができる。例えば、US20、US23、US30、US35、US40、US45、またはUS50の網目サイズを使用することができる。粉末用のふるいの大きさは、1.0mm~0.3mm、0.84mm~0.4mm、もしくは0.71mm~0.5mmの範囲、または約0.8mm、約0.71mm、約0.59mm、約0.5mm、約0.47mm、約0.465mm、約0.437mm、約0.4mm、約0.355mm、もしくは約0.3mmでありうる。
【0114】
キウイフルーツ成分の分解を最小限に抑えるために、調製工程は40°C未満の温度で実施されることがある。様々な実施形態において、この工程は、-4°C~40°C、-1°C~10°C、もしくは1°C~6°Cの範囲、またはおよそ0°C、およそ1°C、およそ2°C、およそ3°C、およそ4°C、およそ5°C、もしくはおよそ6°Cの温度で実施される。これらの温度は、果物全体の貯蔵、開封前、および果肉化/ピューレ工程中を含む、全調製工程で維持されることがある。少なくとも果物が剥かれた時点からこれらの温度を維持すると最適な結果が得られる。上記の温度を採用することで果物の酸化は防止され、還元剤の使用も避けられる。特定の状況では、有機認証を得ることが可能である場合もある。
【0115】
上記の加工方法は、ゴールドキウイフルーツ中の活性物質の損傷または影響を防止または少なくとも最小限に抑えるように実施されるのが好ましい。最適な生産方法を確実にするために、得られた組成物を、例えばポリフェノール含有量などその活性を観測することができる。上記組成物は、少なくとも以下のポリフェノール化合物を含むことが予想されうる。クロロゲン酸、E-カフェオイル-3-グルコシド、ネオクロロゲン酸、フロリジン、プロシアニジンB2 およびケルセチン・ラムノシド。カテキン、エピカテキン、E-カフェオイル-4-グルコシド、およびケルセチン・ルチノシドも存在しうる。これらのポリフェノールのレベルを以下に記載する。ポリフェノールの分析法は当該技術分野において周知であり、以下にも記載する。特に、没食子酸当量(GAE)を測定して総ポリフェノール含有量を測定することが可能である。例えば、フォリン・チオカルト法(フォリン・チオカルト試薬、別称フォリンのフェノール試薬またはフォリン・デニス試薬を使用した方法)は、フェノール化合物のインビトロ試験での比色分析のために使用することができる(Singleton他 1999年)。
【0116】
代替的または追加的に、ラクトバチルスおよび/もしくはビフィドバクテリウム属などの有益な微生物の増殖の刺激、または、酢酸塩、酪酸塩および/もしくはプロピオン酸塩などの短鎖脂肪酸の増加度について組成物を検査することができる。これらの増加度および有機酸度を以下に記載する。対応する試験法は周知であり、本明細書においても詳細に記載されている。上記の細菌の増殖の刺激および有機酸酸度の上記活量、および上記ポリフェノール含有量は、例えば、インビトロでの消化分析による組成物の消化後にも依然として存在するのが好ましい。特定の態様では、インビトロ消化分析は、本明細書において本発明者によって記載されたように利用されることができる。その他のインビトロ分析は周知であり、当該技術分野で使用される(Kaur他 2010年を参照)。
【0117】
ある状況では、本発明の組成物を得るために、ゴールドキウイフルーツ品種(例えばゴールド3種)の遺伝的派生品種を使用することが可能である場合がある。そのような派生品種から得られる組成物は、ゴールドキウイフルーツ品種から得られる組成物の1つ以上の特徴を共有することが予想される。典型的な特徴としては、上に記載され、本明細書において詳細に開示されるように、ポリフェノールレベルおよびポリフェノール分析結果、アクチニジンレベル、繊維レベル、ビタミンレベル、有益な微生物の増殖刺激、および有機酸度増強がある。
【0118】
果物そのものに関しては、上記の遺伝的派生品種から得られるキウイフルーツはゴールドキウイフルーツの親種と同様の組成の構造を共有することが予想される。例えば、果物のビタミンC含有量は100mg~150mgでありうる。もしくは90mg~200mg、または80mg~220mgでありうる。もしくは果実100g当り約80mg、約90mg、約100mg、約115mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mgでありうる。果実のアクチニジン含有量は、60FU~110FUでありうる。もしくは70FU~100FU、または80FU~90FUである。または果実100gあたり約60FU、約70FU、約80FU、約90FU、約100FU、約110FU、約120FUでありうる。果実の総ポリフェノール含有量は、250mg~450mg GAEでありうる。もしくは果物100gあたり200mg~800mg GAE、300~600mg GAE、270~430mg GAE、280mg~420mg GAE、290mg~410mg GAE、300mg~400mg GAE、310mg~390mg GAE、または320mg~380mg GAEである。
【0119】
ゴールドキウイフルーツを含む組成物
本発明者は、ゴールド3品種のゴールドキウイフルーツ粉末が、消化器系の健康を維持し、消化器系の問題および/または消化器疾患を治療および予防するのに役立つ有益な成分を含むことを見出した。本発明者は、ゴールド3品種のゴールドキウイフルーツ粉末が、特に腸の調整を改善するのに有効であることを示した。ゴールド3種の粉末は、有害な細菌よりも有益な細菌の増殖を刺激し、特にフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの増加をもたらすのにも有効であった。
【0120】
したがって、本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、炎症、便秘、微生物叢不均衡、過敏性腸症候群、および炎症性腸疾患を含む、消化管の様々な疾患または他の状態を治療または予防するために使用することができる。更に、この組成物は、腸の調整を維持または改善し、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイなどの消化管内の有益な細菌を維持または増加させるために使用することができる。
【0121】
ゴールドキウイフルーツ粉末は、カプセル化、錠剤化することができ、または他の製品に添加または混ぜ込むことができる。上記の錠剤には特に遅延放出製剤、持続放出製剤、および急崩壊錠が包含される。特にゲルカプセル、また分包およびチュアブル錠が包含される。更に、他の有益な薬剤(例えば、1つ以上のプロバイオティクス 、プレバイオティクス、シンバイオティクス、または他の消化補助剤)と本発明の粉末を混合した複合製剤も含まれる。代替の実施形態では、粉末は、例えば、濃縮物、シロップ、懸濁液、もしくは強壮剤などの経口投与のための液体として、または直腸投与のための浣腸用剤として再構成されることがある。肛門坐剤もまた包含される。
【0122】
好ましい態様において、得られた乾燥ゴールドキウイフルーツ粉末はカプセル化され、各カプセルはおよそ500mgもしくはおよそ600mgの乾燥粉末を含み、または50mg~650mg、50mg~850mg、200mg~800mg、300mg~700mg、もしくは550mg~750mgの範囲であり、またはおよそ50mg、およそ100mg、およそ150mg、およそ200mg、およそ250mg、およそ300mg、およそ350mg、およそ400mg、およそ450mg、およそ500mg、およそ550mg、およそ575mg、およそ590mg、およそ610mg、およそ625mg、およそ650mg、およそ675mg、およそ700mg、およそ750mg、およそ800mg、もしくはおよそ850mgである。
【0123】
特定の状況では、ゴールドキウイフルーツのポリフェノールを分離または補強することが望ましい場合がある。特に、ポリフェノールが補強された組成物、フェノール濃縮物、または分離されたフェノールを含む組成物を得るためにゴールドキウイフルーツを使用することが有利でありうる。例えば、ゴールドキウイフルーツの他の成分、例えば、繊維、糖および/またはタンパク質に比較して、その濃度が増加するように、本発明の組成物のポリフェノールを補強することができる。特定の態様において、本発明の組成物は、ゴールドキウイフルーツの他の成分から分離された(例えば、精製された)ポリフェノールを含有することがある。
【0124】
ポリフェノールを増強および抽出する方法は、当該技術分野において周知である(Sun-Waterhouse他2009年、Eidenberger他 2014年を参照)。上記の方法で得られた組成物は、ポリフェノール増強または分離工程なしに調製された組成物と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、または少なくとも10倍の量のポリフェノールを含有することが好ましい。ポリフェノールが増強された組成物、フェノール濃縮物、および分離されたフェノールを含む組成物は、粉末として乾燥され、本発明に従って使用されうる。特定の態様において、このような粉末はカプセル化される場合がある。その際各カプセルは、およそ100mg、およそ150mg、およそ200mg、およそ250mg、およそ300mg、およそ350mg、もしくはおよそ400mgの粉末を含み;または100mg~200mg、100~300mg、もしくは200~400mgの範囲の粉末を含む。
【0125】
剤形は、賦形剤、例えば1つ以上の抗付着剤、結合剤、コーティング剤、崩壊剤、香味料、着色剤、甘味剤、滑沢剤、流動促進剤、流動剤、固結防止剤、吸着剤、または防腐剤を含有する可能性がある。有用な賦形剤には下記が含まれるが、これらに限定されるものではない。ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸;糖類およびその誘導体、例えば二糖類:ショ糖、乳糖;澱粉、微晶質セルロースなどのセルロースまたは変性セルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテルなどの多糖類およびその誘導体;イソマルト、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール類;ゼラチンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどの合成ポリマー;脂肪酸、ワックス、シェラック、プラスチック、および植物繊維、例えばトウモロコシタンパク質ゼイン;ヒドロキシプロピルメチルセルロース;架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、および架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)などの架橋ポリマー;澱粉グリコール酸ナトリウム;二酸化ケイ素、ヒュームドシリカ、タルク、ならびに炭酸マグネシウムが含まれる。
【0126】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、様々な成分、例えば炭水化物、食物繊維、ポリフェノール、およびアクチニジンを含むことが期待される。様々な態様において、25mgの粉末あたり10mg~20mgの炭水化物、0.5mg~5.5mgの食物繊維、0.1mg~0.5mgのGAEポリフェノール、および100AU~500AUのアクチニジンが存在する可能性がある。特定の態様では、25mgの粉末あたりおよそ18mgの炭水化物、およそ3.0mgの食物繊維、およそ0.28mgGAEのポリフェノール、およびおよそ230AUのアクチニジンが存在する場合もある。
【0127】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、活性成分として特定のポリフェノールを含む可能性がある。上記組成物中のポリフェノールは、本明細書中に詳細に記載されるように、組成物の消化後、例えば、インビトロ消化実験後に依然として存在しうる。例えば、消化後、組成物のクロロゲン酸含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも40μg/g、少なくとも45μg/g、少なくとも50μg/g、もしくは少なくとも55μg/gでありうる。または40μg/g~60μg/g、もしくは45μg/g~55μg/gでありうる。上記組成物のE-カフェオイル-3-グルコシド含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも45μg/g、少なくとも50μg/g、少なくとも55μg/g、少なくとも60μg/g、少なくとも65、少なくとも70μg/g、もしくは少なくとも75μg/gでありうる。または40μg/g~80μg/g、もしくは50μg/g~70μg/gでありうる。上記組成物のエピカテキン含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも6μg/g、少なくとも7μg/g、少なくとも8μg/g、少なくとも9μg/g、少なくとも10μg/g、少なくとも11μg/g、少なくとも12μg/g、少なくとも13μg/g、もしくは少なくとも14μg/gでありうる。または8μg/g~12μg/g、もしくは9μg/g~11μg/gでありうる。上記組成物のネオクロロゲン酸含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも15μg/g、少なくとも18μg/g、少なくとも20μg/g、少なくとも22μg/g、少なくとも25μg、少なくとも30μg/g、もしくは少なくとも35μg/gでありうる。または10μg/g~30μg/g、もしくは15μg/g~25μg/gでありうる。
【0128】
更に、消化後、ゴールドキウイフルーツ組成物のフロリジン含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも45μg/g、少なくとも50μg/g、少なくとも55μg/g、少なくとも60μg/g、少なくとも65μg/g、少なくとも70μg/g、もしくは少なくとも75μg/g、または40μg/g~80μg/g、もしくは50μg/g~70μg/gでありうる。プロシアニジンB2含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも15μg/g、少なくとも20μg/g、少なくとも25μg/g、少なくとも30μM、少なくとも35μg/g、少なくとも40μg/g、もしくは少なくとも45μg/g、または20μg/g~40μg/g、もしくは25μg/g~35μg/gでありうる。上記組成物のケルセチン・ラムノシド含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも15μg/g、少なくとも18μg/g、少なくとも20μg/g、少なくとも22μg/g、少なくとも25μg/g、少なくとも30μg/g、もしくは少なくとも35μg/g、または10μg/g~30μg/g、もしくは15μg/g~25μg/gでありうる。
【0129】
また更に、消化後、ゴールドキウイフルーツ組成物のカテキン含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも0.5μg/g、少なくとも1μg/g、少なくとも2μg/g、もしくは少なくとも3μg/g、または1μg/g~4μg/g、もしくは2μg/g~3μg/gでありうる。上記組成物のE-カフェオイル-4-グルコシド含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも3μg/g、少なくとも4μg/g、少なくとも5μg/g、少なくとも6μg/g、少なくとも7μg/g、少なくとも8μg/g、もしくは少なくとも9μg/g、または4μg/g~8μg/g、もしくは5μg/g~7μg/gでありうる。上記組成物のケルセチン・ルチノシド含有量は、乾燥重量に基づいて、少なくとも1μg/g、少なくとも2μg/g、少なくとも3μg/g、少なくとも4μg/g、もしくは少なくとも5μg/g、または1μg/g~5μg/g、もしくは2μg/g~4μg/gでありうる。
【0130】
消化されない場合、本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、100gあたり1000~1200mgGAE、または900~1300mgGAE、または800~1400mgGAEの総ポリフェノール含有量を含む可能性がある。E-カフェオイル-3-グルコシドの含有量は、乾燥重量に基づいて、60μg/g~120μg/g、80μg/g~100μg/g、もしくは90μg/g~110μg/g、または約80μg/g、約90μg/g、約100μg/g、約110μg/g、約115μg/g、もしくは約120μg/gでありうる。エピカテキンの含有量は、乾燥重量に基づいて、20μg/g~60μg/g、もしくは30μg/g~50μg/g、または約20μg/g、約30μg/g、約40μg/g、約45μg/g、約50μg/g、もしくは約60μg/gでありうる。ネオクロロゲン酸の含有量は、乾燥重量に基づいて、20μg/g~60μg/g、もしくは30μg/g~50μg/g、または約20μg/g、約30μg/g、約39μg/g、約40μg/g、約41μg/g、約50μg/g、もしくは約60μg/gでありうる。プロシアニジンB2の含有量は、乾燥重量に基づいて、40μg/g~120μg/g、50μg/g~100μg/g、65μg/g~90μg/g、もしくは60μg/g~80μg/g、または約40μg/g、約50μg/g、約60μg/g、約70μg/g、約75μg/g、約80μg/g、約90μg/g、もしくは約100μg/gでありうる。
【0131】
また本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、繊維を活性成分として含む可能性がある。特定の態様において、全繊維含有量は、乾燥重量に基づいて、12.4%~12.7%ありうる、または乾燥重量に基づいて12.0%~13.0%、もしくは10%~15%、または約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、もしくは約15%でありうる。追加の態様では、可溶性繊維含有量は、乾燥重量に基づいて、3.4%~3.5%、または乾燥重量に基づいて3.0%~4.0%、もしくは3.2%~3.8%ありうる。または約3.0%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、もしくは約4.0%でありうる。更なる態様では、更に不溶性繊維含有量は、乾燥重量に基づいて8.9%~9.3%、または乾燥重量に基づいて8.0%~10.0%、もしくは8.5%~9.5%または約8.0%、約8.5%、約9.0%、約9.5%、もしくは約10.0%でありうる。
【0132】
また本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は中性糖およびウロン酸を含む様々な糖を含む可能性がある。特にペクチン多糖類は、本発明の組成物に含まれる。中性糖に関して、本発明の組成物は、ラムノース、アラビノース、ガラクトース、およびブドウ糖の1つ以上を含む可能性がある。
【0133】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、更にアクチニジン酵素を含む可能性がある。特定の態様において、アクチニジンレベルは、1グラムあたり8,000AU~11,000AU、6,000AU~16,000AU、7,000AU~11,000AU、もしくは8,000AU~10,000AU、または1グラムあたり約8,000AU、約9,000AU、約10,000AU、約11,000AU、もしくは約15,000AUでありうる。アクチニジンレベルを測定するための方法は周知であり、当該技術分野で使用されているものである。例えばDrummond 2013年およびKaur他2010年を参照されたい。例えば、アクチニジンのレベル/活性を決定するために、25℃(すなわち、77°F)でN-α-CBZ-lys-p-ニトロフェノール(Z-lys-pNp; シグマアルドリッチPty Ltd)消化を測定することが可能である(Boland & Hardman 1972年)。組成物についての測定値は、AU/gまたはAU/mgとして表すことができる。あるいは、システインプロテアーゼ活性を評価するために、蛍光分析を用いてアクチニジンレベルを測定することが可能である(Nieuwenhuizen他 2012年、Maddumage 2013年)。特に、蛍光基質Z-FRAMC(ベンジルオキシカルボニル-Phe-Arg-7-アミノ-4-メチルクマリン)、H-D-Ala-Leu-Lys-AMCまたはBz-Arg-AMC(Feinchemikalien AG)を使用する可能性がある。組成物についてのこれらの測定値は、FU/gまたはFU/mgとして表すことができる。
【0134】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、ラクトバチルスまたはビフィドバクテリウム属の構成種のような有益な腸内生物(例えば、有益な細菌)、ならびに本明細書で実証されているように、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを含むクロストリジウム属(Clostridiales)の特定の構成種の増殖を刺激するのに有効であると期待される。他の有益な微生物、例えば、エリシペロトリクス目(Erysipelotrichales)およびバクテロイデス属(Bacteroidales)菌株も増殖の増加を示す可能性がある。クロストリジウム・ココイデス、バクテロイデス・テタイオタミクロン、バクテロイデス・オバトス、バクテロイデス・セルロシリチクス、ロゼブリア・インテスチナリス、ロゼブリア・イヌリノボランス、ルミノコッカス・ブロミイ、およびルミノコッカス・フラベファシエンスを含む有益な生物も含まれる。またバクテロイデス-プレボテラ-ポルフィロモナス属およびラクノスピラ属の有益な微生物、ならびに本明細書に記載の他の微生物も含まれる。
【0135】
本発明の様々な態様において、ゴールドキウイフルーツ組成物(粉末1mlあたり0.3~0.5mgに希釈されうる粉末25mgの場合)は、複数のラクトバチルス株とビフィドバクテリウム株の両方またはどちらか一方の増殖を、例えば100億cfuから開始した場合は少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、または少なくとも110%促進させる可能性がある。特定の態様では、粉末25mgをプロバイオティック微生物10億cfuに与えることで、0%の正規化がされた対照と比較して、増殖率を50%を超えて促進させる可能性がある。このような増加は、本明細書で詳細に記載されるように、組成物の消化、例えば組成物のインビトロ消化後にも依然観察できる可能性がある。例えばサルモネラおよび/またはブドウ球菌といった有害細菌などの有害腸内生物の増殖の付随がないのが好ましい。いくつかのケースにおいては、1つ以上の有害生物の減少につながる可能性がありうる。
【0136】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物はまた、クロストリジウム・レプタム系統群と、特に、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを含むフィーカリバクテリウム株などのクロストリジウム目を含む糞便細菌の増殖を促すものでもよい。ゴールドキウイフルーツ粉末による治療を受けている(例えば便秘性の)対象者におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの相対個体数には少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも150%、もしくは少なくとも200%、または20%~200%、50%~150%、もしくは70%~100%の増加がみられる可能性がある。
【0137】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、短鎖脂肪酸レベルの増加への活性を示す。本発明の特定の態様では、組成物(例えば10mgの粉末)は酢酸塩、酪酸塩、およびプロピオン酸塩のうちの1つ以上のレベルを少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも22%、少なくとも25%、少なくとも28%、または少なくとも30%増加させる可能性がある。このような増加は、本明細書で詳細に記載されるように、組成物の消化、例えばインビトロ消化後にも依然観察できる可能性がある。
【0138】
ゴールドキウイフルーツ組成物の使用方法
上記に述べたように、本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、腸内管全体の健康の支持もしくは改善、および/または消化管の多様な状態の治療もしくは予防のために用いることが可能である。多様な状態とは炎症、便秘、微生物叢の不均衡、過敏性腸症候群、および炎症性腸疾患を含む。加えて、本組成物は、腸の調整を維持または改善し、消化管内の(フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを含む)有益細菌を維持もしくは増加させるのに使用することが可能である。
【0139】
便秘は、腸機能の疾患または構造の問題により引き起こされる可能性があり、便通の減少、不完全で補助が必要な排便、いきみ、硬くコロコロとした便、膨満感、鼓腸、腹痛、下剤への依存といった症状の1つ以上を有しうる。便秘の主な原因は、不十分な水分摂取、食事における不十分な繊維、規則的な食事または習慣の乱れ、活動または運動不足、大量の乳製品の消費、ストレス、痛み等による排便回避行動、下剤または便柔軟剤の過剰使用、甲状腺機能低下症、パーキンソン病または多発性硬化症などの神経学的な病状、カルシウムまたはアルミニウムを含んだ制酸剤、薬物(特に麻薬、抗うつ剤、または鉄分サプリメント)、うつ状態、摂食障害、過敏性腸症候群、妊娠、大腸がん、ならびに腸内の神経および筋肉機能の低下を含む。
【0140】
微生物叢の不均衡の因果関係(有益生物の減少、有益生物の比率の変化、および/または有害生物の増加)微生物叢は複雑であり、完全な解明が待たれる。不均衡は抗生物質などの特定の薬物、消化管の疾患、または食事不足などによって引き起こされる可能性がある。腸内微生物叢の不均衡は、下痢(特に抗生物質に関連した下痢)、軟便、便秘、および/または鼓腸のうちの1つ以上の症状として現れることがある。
【0141】
微生物叢の不均衡は、胃腸系の様々な疾患、および他の疾患と相関関係にある。具体的には、微生物叢の不均衡は炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、壊死性腸炎、腸の炎症、腸管感染症、胃がん、結腸直腸がんを含む発がん、胆石症、内毒素血症、肝硬変などの肝疾患、および肝性脳症を伴う場合がある。
【0142】
消化管内の微生物叢の不均衡は、以下を含む多数の異なる健康状態を伴う。
【0143】
消化管の炎症は、以下を含む様々な状態を伴う可能性がある。萎縮性舌炎、口角炎、口腔顔面肉芽、食道炎、萎縮性胃炎を含む胃炎、幽門狭窄症、大腸炎、回腸炎、クローン病、セリアック病、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、機能障害、亀裂、ならびに、口腔、食道、胃、および腸の潰瘍を含む、特に潰瘍性大腸炎を含む様々な潰瘍。また炎症は、以下を含む細菌、原虫、および/またはウイルス性生物(viral organism)などの有害生物が介在している可能性がある。腸内細菌科、パスツレラ科、ベイヨネラ科、フソバクテリウム科、プロテオ細菌、カンピロバクター、赤痢菌、エルシニア、リステリア菌、サルモネラ、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、ジアルジア、赤痢アメーバ、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、アストロウイルス、および麻疹ウイルス。特定の条件下においては、炎症は傷害、薬剤、または手術によって起こる可能性がある。
【0144】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、胃腸の炎症、便秘、排便不順、微生物叢の不均衡、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、または本明細書に記載するその他の状態を治療または予防するための用途を見出している。例示的な投与量として、組成物は、一日あたり250~2500mg、500~5000mg、1000~4000mg、1500~4500mg、もしくは2000~3000mg、または約250mg、約500mg、約600mg、約800mg、約1000mg、約1200mg、約1500mg、約1700mg、約1800mg、約2000mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、約2500mg、約2600mg、約2700mg、約2800mg、約2900mg、約3000mg、約3200mg、約3500mg、約3600mg、約4000mg、約4200mg、約4800mg、約5000mg、約5400mg、約6000mg、もしくは約6600mgのゴールドキウイフルーツ粉末、または液体形態を使用する場合、同価の投与量でありうる。投与は1日1回、2回、3回としうる。投与は食物とともに、または食前でもよい。適切な投与量および剤形は、当業者により容易に決定されるであろう。
【0145】
本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、腸内投与、経口投与、直腸投与を含む様々な投与経路で使用されうる。経口投与にはタブレット、カプセル、分包、飴、エリキシル剤、シロップ薬、溶液、乳剤、懸濁液、頓服水剤、ピューレ、ペースト、シロップ、ゲル、ゼリー、トニックウォーター、またはその他の既知の手段を用いることができる。腸内投与には十二指腸チューブ、または経鼻胃チューブを含む胃チューブを用いることができる。直腸投与には浣腸、座薬、またはその他の好適な手段を用いることができる。異なる投与手段は、当該技術分野にて既知であり、専門家によって実用化される。本発明の組成物は、特定の投与形態に限定されない。
【0146】
特定の態様において、本発明の組成物は、1つ以上のプロバイオティクス生物と同時投与されてもよい。例えば、ゴールドキウイフルーツ組成物は1つ以上のプロバイオティクス生物との組み合わせ剤形として処方されることも可能である。あるいは、ゴールドキウイフルーツ組成物を1つ以上のプロバイオティクス生物とともに、それぞれ単独剤形として投与することも可能である。プロバイオティクス生物の例には(ただしこれらに限定するものではない)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)(例:GBI-30株、6086株)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)(例:亜種infantis35624株)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)(例:NCFM株、CL1285株)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)(例:St11株、NCC2461株)、ラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)(例:La1株、NCC533株)、ラクトバチルス・LC1株、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)(例:299v株、HEAL 9株)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(例:ATCC55730株、SD2112株、ATCC55730の娘菌株DSM17938のプロテクティス、ATCC PTA 5289とDSM17938あるいはATCC55730との混成プロデンティス、RC-14(登録商標)株)、サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)(例:GR-1(登録商標)株)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)(例:LBC80R株)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、およびビフィズス菌(Lactobacillus bifidus)が挙げられる。プロバイオティクスとして有用でありうるその他の生物には、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイなどのフィーカリバクテリウム属とバクテロイデス・フラジリスなどのバクテロイデス属が挙げられる。
【0147】
別の態様では、本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、1つ以上のプレバイオティクス剤とともに、例えば組み合わせ剤形として、またはそれぞれ単独剤形として同時投与することが可能である。前述の通り、プレバイオティクス剤は非消化性繊維または発酵化合物で構成されており、これらは基質として機能することで消化管上部を通過し腸の大部分に生息する有益生物の増殖および/または活動を促進する。
【0148】
これらの薬は短鎖プレバイオティクス、長鎖プレバイオティクス、またはフルスペクトラムプレバイオティクスでありうる。短鎖プレバイオティクスは糖分子1あたり2~8個の連鎖を持つ。長鎖プレバイオティクスは糖分子1あたり9~60個の連鎖を持つ。フルスペクトラムプレバイオティクスは糖分子1あたり2~60以上の連鎖を持つ。プレバイオティクス剤の例には(ただしこれらに限定するものではない)、オリゴフルクトース、イヌリン、オリゴフルクトース強化イヌリン、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ポリデキストロース、ガラクトオリゴ糖、トランスガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、ラクチュロース、タガトース、および澱粉が挙げられる。
【0149】
本明細書に示す結果に基づき、公開した組成物中に存在するポリフェノールがプレバイオティクス剤として機能しうると考えられる。すなわち本発明の組成物に1つ以上のフェノール化合物を加えて、本発明の組成物中のプレバイオティクスの活動を補助することは有用である可能性がある。化合物の例には(ただしこれらに限定するものではない)、フェノール酸などのフェノール誘導体、リグニンなどのフラボノイド、プロアントシアニジン、アントシアニン、アントシアニジン、イソフラボン、カテキン、タンニン、ケルセチン、ナリンゲニン、およびヘスペリジンが挙げられる。特に以下の1つ以上から抽出されたフェノール化合物が包含される。茶、ココア、ワイン、大豆、フェイジョア、柑橘類、林檎、ブドウ、ベリー、およびキウイフルーツ(特にホート16Aとゴールド3を含むゴールドキウイフルーツ)。ゴールド3のゴールドキウイフルーツからの特定のフェノール類には(ただしこれらに限定するものではない)、カテキン、クロロゲン酸、E-カフェオイル-3-グルコシド、E-カフェオイル-4-グルコシド、エピカテキン、ネオクロロゲン酸、フロリジン、プロシアニジンB1、プロシアニジンB2、ケルセチン・ラムノシド、およびケルセチン・ルチノシドが挙げられる。
【0150】
更なる態様において、本発明の組成物は、1つ以上のシンバイオティクス(プレバイオティクスとプロバイオティクスの組み合わせ)との同時投与も可能である。例えば、ゴールドキウイフルーツ粉末は1つ以上のシンバイオティクスとの組み合わせ剤形として処方されることも可能である。あるいは、ゴールドキウイフルーツ組成物をシンバイオティクスとともに、それぞれ単独剤形として投与することも可能である。例として、ビフィズス菌または乳酸菌は、フラクトオリゴ糖、イヌリン、またはガラクトオリゴ糖と組み合わせることが可能である。特定のシンバイオティクスの組み合わせには(ただしこれらに限定するものではない)、ビフィズス菌とフラクトオリゴ糖、GG株などのラクトバチルス・ラムノサスとイヌリンが挙げられる。
【0151】
更なる態様として、更に本発明の組成物は食物繊維および/または消化酵素と同時投与することが可能である。例えば、ゴールドキウイフルーツ粉末は、食物繊維および/または消化酵素を含む1つ以上の組成物との組み合わせ剤形として処方することが可能である。あるいは、ゴールドキウイフルーツ粉末は、食物繊維および/または消化酵素と、それぞれ単独剤形として投与されるよう処方することも可能である。食物繊維組成物の例には、水溶性および不溶性食物繊維組成物、例えば以下の1つ以上を含む組成物が挙げられる。小麦デキストリン、カルシウム・ポリカルボフィル、サイリウム、イヌリン、メチルセルロース、グルコマンナン、亜麻、亜麻仁、ウィートグラス、アラビアガム、およびカラダイオウ。消化酵素の例には(ただしこれらに限定するものではない)、アクチニジン、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルロース、パンクレアチン、ペプシン、ブロメライン、パパイン、トリプシン、およびキモトリプシンが挙げられる。消化酵素の組み合わせ、例えば、アクチニジン添加または無添加のプロテアーゼ、リパーゼ、およびアミラーゼの組み合わせを使用することも可能である。
【0152】
更に、本発明のゴールドキウイフルーツ組成物は、1つ以上の抗炎症剤および/または抗菌剤との同時投与も可能である。特記すべきは、本発明の組成物は抗生物質による治療中および/または治療後にプレバイオティクスサプリメントとして使用することが可能である。例えば、ゴールドキウイフルーツ粉末は、1つ以上の抗炎症剤/抗菌剤との組み合わせ剤形として処方されることが可能である。あるいは、ゴールドキウイフルーツを、抗炎症剤/抗菌剤とともに、それぞれ単独剤形として投与することも可能である。抗炎症剤/抗菌剤の例には(ただしこれらに限定するものではない)、メサラジン(例:ペンタサ(登録商標))およびスルファサラジン(例:サラゾピリン(登録商標))などのアミノサリチル酸、ブデソニド(例:エントコート(登録商標))および酢酸ヒドロコルチゾン(例:Colifoam(登録商標))などのコルチコステロイドが挙げられ、またアザチオプリン(例:Azasan(登録商標)、Imuran(登録商標))、メルカプトプリン(例:Purinethol(登録商標)、Purixan(商標))、シクロスポリン(例:Gengraf(登録商標)、Neoral(登録商標)、Sandimmune(登録商標))、インフリキシマブ(例:Remicade(登録商標))、アダリムマブ(例:Humira(登録商標))、ゴリムマブ(例:Simponi(登録商標))、メトトレキサート(例:Rheumatrex(商標)、Methoblastin(商標))、ナタリズマブ(例:Tysabri(商標))、ベドリズマブ(Entyvio(商標))、ウステキヌマブ(例:Stelara(登録商標))、ならびにメトロダゾール(例:Flagyl(登録商標))およびシプロフロキサシン(例:Cipro(登録商標)、Ciplox(商標))を含む抗生物質も挙げられる。
【実施例】
【0153】
本明細書に記載する実施例は、本発明の具体的な実施形態を説明する目的で提供されるものであり、本発明を如何様にも限定するものではない。
実施例1:キウイフルーツ粉末の調製
冷凍ゴールドキウイフルーツピューレ(種を除き、冷凍されたゴールドキウイフルーツ還元果汁のピューレ)はニュージーランドのタウランガにある「Kiwifruit Processing Company Ltd」より入手した。ピューレは、Zespri(登録商標)社の出荷基準に適合するよう育成され手作業で選別されたニュージーランドのゴールドキウイフルーツ(アクティニディア・キネンシスG3)100%から作製された。ピューレは、果皮と種を取り除き滑らかで芳醇なピューレを作成するための製造工程によって生産された。
【0154】
冷凍ゴールドキウイフルーツピューレ製品仕様:
色:キウイフルーツゴールド(若干のバラツキあり)。味:成熟したゴールドキウイフルーツの味。テクスチャー:種がなく滑らか。ピューレは、腐敗もしくは発酵した果実、または異物を含まず、また大腸菌は検出することができない。ブリックス値:16~21°。20℃でブリックス値12.5°の場合の粘度はおよそ12.0であるが収獲年により異なりうる。pH値:3.2~3.8。ふるいサイズは1mm未満。製品は使用時まで-18℃以下で冷凍保存される。
【0155】
加えて、冷凍グリーンキウイフルーツピューレ(種を除き、冷凍されたグリーンキウイフルーツ還元果汁のピューレ)はニュージーランドのタウランガにある「Kiwifruit Processing Company Ltd」より入手した。ピューレは、Zespri(登録商標)社の出荷基準に適合するよう育成され手作業で選別されたニュージーランドのグリーンキウイフルーツ(アクティニディア・デリシオサ、ヘイワード種)100%から作製された。ピューレは、果皮と種を取り除き滑らかで芳醇なピューレを作成するための製造工程によって生産された。
【0156】
冷凍グリーンキウイフルーツピューレ製品仕様:
色:キウイフルーツグリーン(若干のバラツキあり)。味:成熟したグリーンキウイフルーツの味。テクスチャー:種がなく滑らか。ピューレは、腐敗もしくは発酵した果実、または異物を含まず、また大腸菌は検出することができない。ブリックス値:13~18°。20℃でブリックス値12.5°の場合の粘度はおよそ12.0であるが収獲年により異なりうる。pH値:3.2~3.8。ふるいサイズは1mm未満。製品は使用時まで-18℃以下で冷凍保存される。
【0157】
キウイフルーツ粉末の取得工程は以下の通りであった。
1)冷凍されたゴールド3種のピューレはニュージーランドのタウランガにある「Kiwifruit Processing Company Ltd」より購買した。
【0158】
2)冷凍ピューレは凍結乾燥(フリーズドライ)された。凍結乾燥工程は、70℃を超えない環境で通常通り約48時間まで行われた。次いで、得られた乾燥材料は、USA粒度20メッシュを通して粉砕されて、流動性のある粉末が製造された。
【0159】
3)グリーンキウイフルーツ粉末も同様の方法で取得した。
実施例2:キウイフルーツ粉末のポリフェノール測定
グリーンキウイフルーツ粉末およびゴールドキウイフルーツ粉末のポリフェノール特性を測定した。凍結乾燥(フリーズドライ)されたグリーン(ヘイワード種)およびゴールド(ゴールド3)のキウイフルーツ粉末は実施例1の方法に従って調製された。
【0160】
キウイフルーツ粉末は、Monro他 2010年に記載されているように、上部消化管模擬環境においてインビトロ消化された。簡便に述べると、水20mLと20%の生理食塩水5mLをpH値2.5のサンプル5gに対して加えた後、ボルテックスを行った。それからペプシン濃度1%の0.05M HCI溶液1mLを加え、次いで220rpmの速度で低速の連続攪拌をしながら37℃で30分間の常温培養を行った。サンプルのpH値は6.5に調整された後に、Sigma Alddrich(登録商標)から得た濃度2.5%の胆汁エキス5mLとパンクレアチン濃度5%の塩化ナトリウム濃度3%の溶液1mLを加えた。
【0161】
サンプルはその後ボルテックスと、220rpmの速度で低速の連続攪拌をしながら37℃で2時間常温培養を施された。消化されたサンプルは透析バッグ(500 Da MWCO、Thermofisher Scientific社より入手)に移され、10mM NaCL、4℃で一晩透析された。その後小腸への吸収を模すため、透析液を交換し更に2℃で2時間透析された。サンプルはその後-80℃で保管され凍結乾燥された。
【0162】
消化前と消化後のグリーンキウイフルーツとゴールドキウイフルーツの凍結乾燥粉末サンプル(100mg)はエタノール/水/ギ酸(80:20:1)5mLで抽出された。抽出された混合物は30分間超音波処理が施された後、一晩保管された。サンプルは微粒子を取り除くために最高速度で遠心分離機にかけられ、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)の前に2倍に希釈された。詳細を下部表2に提供する。
【0163】
【0164】
化合物の濃度は基準規格の検量線を用いて算出された。
図1に示す通り、(上部消化管模擬環境)にて消化されたゴールド3粉末は消化前と比較(
図1)してポリフェノール特性が変化した。しかしながら全体的なフェノール含有量は保持されていた。特に、ゴールド3粉末において消化前には粉末1gあたり269μgのポリフェノール含有量があったのに対し、消化後は粉末1gあたり264μgのフェノール含有量が観察された(
図1:試験したフェノール化合物の総計)。消化後のグリーンキウイフルーツ粉末でもポリフェノール特性の変化がみられたが、消化によって全体量は減少した(
図1)。グリーンキウイフルーツ粉末ではポリフェノール含有量の合計は消化前に粉末1gあたり258μgに対し消化後は1gあたり153μgに減少している(
図1:実験に使用したフェノール化合物の総計)。
【0165】
実施例3:キウイフルーツ粉末の微生物ハイスループット分析
ゴールド3キウイフルーツ粉末はペースト状(ニュージーランド、Cedenco Foods製造)のものに豆澱粉を加え、ドラム乾燥(キウイフルーツ湿重量14.28に対しデンプン1)して得た。5gの粉末サンプルは実施例2の上部消化管模擬環境を使用してインビトロ消化された。
【0166】
消化後の材料は水またはジメチルスルホキシド(DMSO)中で可溶化されて、1mLあたり100mgの均一濃度に調製された。次いでサンプルは、細菌の溶解を防ぐことができるようなジメチルスルホキシド濃度を得るために滅菌脱イオン水で100倍に希釈された。滅菌脱イオン水とジメチルスルホキシドの「抽出物」を微生物ハイスループット分析機に投入し最終的に1mLあたり1.0mgの濃度を得た。
【0167】
研究には大腸菌Nissle1917株、ラクトバチルス・ラムノサスHN001(DR20)株、ビフィドバクテリウム・ラクティスHN019(DR10)株、病原性サルモネラ菌の血清型ネズミチフス菌ATCC1772株と黄色ブドウ球菌ATCC25932株らのプロバイオティクスが使用された。
【0168】
この作業のために、96ウェルマイクロプレートでの増殖を、光学密度(OD)で測定するバイオアッセイ分析を行った。測定方法はRosendale他 2008年で述べられている方法を使用した。増殖の変化(マイナス変化)は効果の規模を表すために計算および使用された。これはODを対照ODのパーセンテージに変換した後、100を減算し、効率的に対照増殖をベースライン値:0に正規化することで計算された。
【0169】
マイクロプレート1あたり細菌1株が使用され、それぞれ1mLあたり0、0.0124、0.037、0.111、0.333mgの四通りの濃度範囲で抽出物が分析された。マイクロプレートには等体積(50μL)の細菌種苗が接種され、ゼロ増殖値を決定するため即時にプレードリーダー(フロースターオプティマ(登録商標))を用いて波長595nmのOD測定が行われた。マイクロプレートは37℃で24時間培養された後、培養菌の増殖を測るためにOD測定を行った。
【0170】
結果として、ゴールド3のゴールド粉末はビフィズス菌と乳酸菌の増殖を補助しつつも、対照に対して、病原性細菌の数に特筆すべき影響を与えることはなかった(
図2)。
実施例4:キウイフルーツ粉末を試験するための混合発酵モデル
ゴールド3キウイフルーツ粉末はペースト状(ニュージーランド、Cedenco Foods製造)のものに豆澱粉を加え、ドラム乾燥(キウイフルーツ湿重量14.28に対しデンプン1)して得た。5gの粉末サンプルは実施例2に従って消化された。消化されたサンプルは水中で可溶化されて1mLあたり10mgの最終濃度に調整された。
【0171】
3人の健康なボランティアから排便直後の糞便サンプルを入手した。消化されたゴールドキウイフルーツ粉末は、1人の糞便提供者からの混合微生物叢を接種された試験管内で培養され、3人の各ボランティアで繰り返した。予備還元され上部に二酸化炭素を充満させた発酵媒体(9mL)が入ったハンゲートチューブにサンプルまたは対照1mLを投入し、10w/v%の糞便懸濁液1mLを接種した。ハンゲートチューブは150rpmの楕円振とうを行いながら37℃で培養された。副次サンプルは定期的(0、5、10、24、48時間)に、ゴム隔膜を通して22ゲージ針の注射器で採取された。これはサンプルが外気に触れるのを防ぐためである。
【0172】
発酵試験管からとりだされたサンプルは、1.5mLのEppendorf tubes(登録商標)に集められ、直ちに13000xgの回転数で5分間遠心分離機にかけられた。細胞や粒子の入っていない上清が新たなEppendorf tubes(登録商標)に集められ、必要時まで-80℃で冷凍保管された。
【0173】
上清は解凍され2エチルブチレートが入った0.01Mリン酸緩衝生理食塩水で1:4の割合で希釈された(最終濃度は5mM)。これは内部基準である。次いで、サンプルは4℃で5分間3000xgの遠心分離にかけられた。上清(0.25mL)を濃塩酸(0.125mL)で酸性化させジエチルエーテル(0.5mL)が加えられた。その後にボルテックスされ、4℃で5分間10000xgの遠心分離にかけられた。上部ジエチルエーテル相が採取され、硫酸マグネシウムで乾燥させ、N-(tert-ブチルジメチルシリル)-N-メチルトリフルオロアセトアミド(tert-ブチルジメチルクロロシラン1%含有)を用いて80℃で20分間熱することで誘導体化した。
【0174】
発酵サンプル中の微生物有機酸代謝物の濃度は下記表3に示す通りガスクロマトグラフィー(GC)を用いて定量化された。
【0175】
【0176】
既知濃度の有機酸標準混合物はサンプルと共に分析され、2エチルブチレート反応に標準化された相対ピーク面積値を用いた検量線作成に使用された。結果は発酵体1mLあたりの有機酸μmolで表される。
【0177】
図3で示す通り、(特に暴露の最初の12時間の後に)ゴールド3の粉末の存在が有機酸産生の増加を促した。この増加が観察されたことは、ゴールドキウイフルーツ粉末中の(炭水化物およびポリフェノールの)非消化発酵化合物は分解され増殖やエネルギー発生基質として使用されたことを示している。これは首尾一貫したプレバイオティクス活動である。
【0178】
実施例5:ゴールドキウイフルーツ粉末の規則性向上を試験するための臨床試験
臨床プロトコル概要
この研究は4種類の異なる療法をそれぞれ4週間(療法間に2週間の休薬期間)を受けた参加者に対し二重盲検クロスオーバー無作為化プラセボ比較試験を行うために設計された。臨床試験の概略図を
図4に示す。
【0179】
臨床試験参加者
新聞、ラジオ広告、コミュニティ、地域医療保険委員会(DHB)、カンタベリー大学(クライストチャーチ、ニュージーランド)、リンカーン大学(リンカーン、ニュージーランド)、ニュースレター、一般診療医の診療室へのポスター掲示、および参加者の既存データベース等を通して二つのグループの被験者を募った。
【0180】
51人のボランティアのなかから29人の総参加者が選ばれた。参加者は二種類のグループに分けられた。グループ1(「健康」):便秘の臨床症状を有さない参加者。グループ2(「機能性便秘」):ローマIII診断基準によってC3の機能性便秘を有するとして分類された参加者。
【0181】
ローマIII診断基準
1. 次のうち2つ以上を含む必要がある。a)排便時の少なくとも25%にいきみがある、b)排便時の少なくとも25%が硬くコロコロとした便である、c)排便時の少なくとも25%に肛門の閉塞感もしくは詰まるような感覚がある、d)排便時の少なくとも25%に不完全な排便の感覚がある、e)排便時の少なくとも25%に何らかの補助を必要とする、f)1週間あたりの排便が3回以下である。
【0182】
2. 下剤を服用しない限り軟便は稀である。
3. 過敏性腸症候群の診断基準を満たしていない。
付加条件として、年齢18~60才、BMI19~30k/m2、空腹時血糖値5.6mmol/L以下であり、期間中参加者は(研究用の代替食品以外は)日常的な食生活や運動を維持することが求められた。またメタムシル(登録商標)、ベネファイバー(登録商標)、およびPhloe(商標)等の高食物繊維のサプリメントやキウイフルーツの摂取は禁止され食生活に影響を及ぼすであろう海外旅行も避けるように勧告された。
【0183】
落選選考基準は、消化器系の疾患(血便、頻繁な下痢、恒常的な腹痛を含む)を持っている者、完全菜食主義、生食主義、または高繊維食主義などを実践したりもしくは食事療法を行っている者、胃不全麻痺や乳糖不耐症を持っている者、体重を落とすための(腹腔鏡下胃緊縛法や胃バイパスなどの)外科手術を受けている者、妊娠している者、臨床的に重大な傷害を腎臓、肝臓、内分泌系、心臓、肺、脾臓、神経、血液または胆管等に保持している者、キウイフルーツに過敏であったりアレルギーを持つ者とした。
【0184】
「健康」グループは便秘の臨床症状を持っていない参加者で構成された。「機能性便秘」(FC)グループは、ローマIII診断基準(Drossman 2006年)に基づいて機能性便秘(C3)を有するものとして選別された。「健康」グループには20人(男性2、女性18)の参加者が選ばれた。平均年齢は38才(23~56才)で平均BMIは23kg/m2(19~29kg/m2)であった。「機能性便秘」グループには9人(男性1、女性8)の参加者が選ばれた。平均年齢は44才(38~54才)で平均BMIは25kg/m2(21~29kg/m2)であった。最下部の表6も参照のこと。
【0185】
「健康」グループは20人中19人の参加者が試験を完了した。女性参加者1人が個人的な事情により試験を辞退した。「機能性便秘」グループは9人の参加者すべてが試験を終えた。どの参加者がどの療法を試験するかを決める順序は、Williamsラテン方格法とコンピュータが無作為に生成した数字を使用し、生物統計学者によって無作為に決定された。分析の完了に伴い、療法の順序決定方法が明らかにされた。迅速承認審査(出願番号12/STH/72/AM01)によるニュージーランドHDECによる倫理審査の承認を受け、オーストラリア・ニュージーランド臨床試験レジストリーに登録済。登録番号ACTRN: 12612001270808。
【0186】
臨床試験方式
療法はAnagenix Limited(ウェリントン、ニュージーランド)製のカプセル600mgを4つ使用し行われた。カプセルは療法に関わる秘匿性を高めるために同一のものが用意された(表4)。
【0187】
【0188】
【0189】
すべての参加者は4つの異なる療法の組み合わせを消費した。プラセボ(緑に着色したイソマルト)(1日あたり2400mg)、ACTAZIN(商標)L(1日あたり600mg)、ACTAZIN(商標)H(1日あたり2400mg)、およびゴールド(1日あたり2400mg)を療法ごとに28日間ずつ行い、各療法の間に2週間の休薬期間を設けた。
【0190】
ACTAZIN(商標)L(低用量、グリーンキウイフルーツ)とACTAZIN(商標)H(高用量、グリーンキウイフルーツ)はヘイワード種のグリーンキウイフルーツ(アクティニディア・デリシオサ)を低温処理したものが処方され、ゴールドはゴールド3種のゴールドキウイフルーツ(アクティニディア・キネンシス)を低温処理したものが処方された。実施例1を参照。
【0191】
開始当初と4週間の各療法期間の終了時に参加者は糞便サンプルの提出を求められた。2週間の休薬期間は排便の習慣を測定パラメーター(微生物生態や微生物代謝)のベースラインに戻すために十分な期間として選択された。
【0192】
開始当初と各療法期間の終了時に参加者は糞便サンプルの提出と共にバーミンガム式IBS症状アンケート(Johnston他 2010年)および過敏性腸症候群に重点を置いた生活の質の向上(Patrick他 1998年)や健康に関連するアンケートへの回答を求められた。
【0193】
ベースラインから試験が終了するまでの各日に、参加者は様々なパラメーターを配布された日誌に記録した。パラメーターは、1.排便回数、2.不完全もしくは補助が必要な排便、3.いきみ、4.ブリストル大便スケールによる便の形態、5.膨満感、6.鼓腸、7.腹痛、8.下剤の使用を含んでいた。
【0194】
データはGenStat(v.16, 2013年, VSNi Ltd., Hemel Hempstead, UK)によって分散分析(ANOVA)された。2つのグループから得られたデータは別々に分析された。各療法期間の結果は完備ブロック計画として分析され、参加者と参加者に療法期間の段階を乗じたものをブロックとし、段階(1、2、3または4)と療法(休薬期間を含む)を因数とした。休薬期間の平均データは統計分析目的のベースラインとして使用された。残留物はANOVAに基づく推測を検証するために調査され、必要なデータは分散の安定化のために対数変換された。
【0195】
「健康」グループに対して、コクランのQ検定を使用したサブグループ事後解析が行われ、被験者たちの各療法への反応が比較された(すなわち前回の休薬期間から週あたりの排便回数が少なくとも1回増加したかなど)。参加者は「反応型」(プラセボを除く療法の少なくとも1つに反応を示した)と「無反応型」に分類された。「反応型」サブグループ(19人の参加者のうち14人(74%))から得られたデータはANOVAを用いて分析された。
【0196】
初期研究の結果は排便回数の大幅な増加であった。
実施例6:規則性を改善するための治療の結果
表6に参加者の統計分類を示す。「健康」グループと「機能性便秘」グループの服薬遵守はそれぞれ98%±9と99%±8であった。
【0197】
【0198】
研究の結果は表7および表8に要約されている。
「健康」グループ(人数=19人)において、療法期間と休薬期間の間で重大な差異が観察された。1日の排便回数:p値=0.002、ブリストル大便スケール:p値=0.036、いきみ:p値=0.044、鼓腸:p値=0.007。ACTAZIN-Hとゴールドの療法を受けている被験者は1日の排便回数(それぞれp値=0.014、p値=0.009)が休薬期間と比較して大幅(週あたりおよそ0.8の排便回数の上昇)に増加した。表7。
【0199】
「反応型」のサブグループ(人数=14)では、ACTAZIN-L、 ACTAZIN-H、およびゴールドを消費した場合に1日の排便回数(それぞれp値=0.005、p値<0.001、p値=0.001)が休薬期間と比較して大幅に増加した。表7。
【0200】
28日間の療法期間は極めて良好に推移し、深刻な副作用などは報告されなかった。被験者の健康状態も、日誌に記録された回答は概ね良好であり、鼓腸の報告があった以外は影響(p値<0.05)は見られなかった。鼓腸は、「健康」グループのACTAZIN-Hの療法を受けている被験者により多く見られた(p値=0.007)。表7。
【0201】
「機能性便秘」グループの被験者(人数=9人)においては、休薬期間と比較して療法による排便回数の大幅な増加は見られなかった。表8。これは被験者の少なさにより、排便回数の統計学的な相違を指摘することが困難であったことによる。しかしながら、機能性便秘グループは総じて消化パラメーターに改善を見られ、便秘によるその他の症状の軽減をみせていた。
【0202】
機能性便秘グループには消化器系健康指標に包括的な改善が見られた。
図5A。機能性便秘参加者9人中8人は、いきみ、残便感、用指的補助排便、膨満感、放屁、下剤の使用、および排便時の痛みの項目において発生した平均的な変化の合計から算出されたところによると、休薬期間と比較して消化器系のパラメーターに改善が見られた。
図5A。各パラメーターの項目へのポイントは参加者の日誌から収集された。
【0203】
症状を持つ患者群において週に1回を超える排便回数の増加があった場合は、臨床的に重要な規模の影響があり(アメリカ食品医薬品局2012年)、軽度の患者の症状や突発的便秘を改善する潜在性を秘めていると考えられる。グリーン(ヘイワード種)とゴールド(ゴールド3種)から得たACTAZIN(商標)とゴールドは健康的な被験者集団にこの度合での影響を立証した。特に、「健康」グループの「反応型」サブグループにおいては、休薬期間と比較すると各週ごとに排便回数がおよそ1.5増加した。
【0204】
要約すると、この研究はACTAZIN(商標)とゴールドが、「健康」グループ被験者の便の形態を変化させずに、便通とその規則性を改善したことを示した。「機能性便秘」グループにおいては、ゴールドが全体的なパラメーターを改善し、便秘の主要な症状であるいきみ、残便感、用指的補助排便、膨満感、放屁、下剤の使用、および排便時の痛みを緩和した。
【0205】
【0206】
【0207】
実施例7:ゴールド3種のゴールドキウイ粉末が結腸内微生物群集に与える影響を評価する臨床試験
概要
実施例5に記載したヒト療法試験を用いて、キウイフルーツ由来のサプリメントが、結腸内微生物構成と代謝に与える影響を確認した。記載したように、この試験では、ACTAZIN(商標)(果肉:緑、アクティニディア・デリシオサ、ヘイワード種)とゴールド(果肉:黄金、アクティニディア・キネンシス、「Zesy002」ゴールド3種)のキウイフルーツ由来サプリメント(Anagenix Ltd製、ウェリントン、ニュージーランド)を食事療法として投与した。これらのカプセルは、キウイフルーツに本来含まれる化合物を保持して処方されるように低温処理されたサプリメントである。調製は上記の実施例1の通りに行われた。
【0208】
ACTAZIN(商標)(2400mg、600mg)とゴールド(2400mg)のキウイフルーツサプリメントに関する研究結果は評価済みである。この研究に参加した19人の「健康」グループと9人の「機能性便秘」グループの参加者たちは、ランダムクロスオーバー法においてすべての治療およびプラセボをそれぞれ4週間ずつ消化し、各療法の間には2週間の休薬期間が設けられた。結腸内の微生物叢変化は16S rRNA遺伝子シーケンスによって決定され、代謝の最終産物はガスクロマトグラフィーによって測定された。
【0209】
「機能性便秘」グループにおいてはゴールド補給の後に3.4%~7.0%(p値=0.024)ものフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの相対個体数の著しい増加が観察された。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの減少はしばしば消化器疾患、特に炎症性疾患の症状を有するものとして現れる。ゴールド補給がフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ個体数を増加させたという発見は、結腸内微生物叢共生バランス失調の治療にあらたな戦略を示したといえる。なぜならフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイは重要な酪酸塩生産者であり抗炎症効果の働きも持っているからである。
【0210】
DNA抽出、ポリメラーゼ連鎖反応、および16S rRNA遺伝子シーケンス
すべての糞便サンプルはドライアイス上でPlant & Food Research社Palmerston North支店に送られ、そこで受容されて-20℃で保管された。250mgの各サンプルが計量され、滅菌されたマイクロチューブに注入された。各サンプルからはMO-BIO PowerSoil(登録商標)DNA Isolation Kit(MO-BIO Laboratories製、カールスバッド、カリフォルニア、USA 12888)を用いてDNAが抽出された。
【0211】
PCRは、16S rRNA 遺伝子の可変領域V3-V4(大腸菌のrRNA遺伝子の341-805の位置)を増幅させるために実行された。この目的で、フォワードプライマーBakt_341F、TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAGCCTACGGGNGGCWGCAG(SEQ ID NO: 1)およびリバースプライマーBakt_805R、GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGAGACAGGACTACHVGGGTATCTAATCC(SEQ ID NO: 2)Herlemann他 2000年; W=A/T, H=A/C/T, V=G/C/A, N=G/A/T/C)を使用した。下線付きで示されているプライマーの配列は、目的のアンプリコン領域を結びつけるために、プライマーの余りはIllumina(登録商標)インデックスアダプターを結びつけるために使用された。
【0212】
各PCRは25μLのHotStarTaq(登録商標)マスターミックス(オーストラリア・メルボルン、キアゲン社)、1μLの鋳型DNAまたはネガティブコントロール(滅菌済H2O)、そして最終濃度が0.1μMのフォワードプライマーとリバースプライマーそれぞれ12μLで構成される、合計50μLの量で行われた。PCRの状態は、最初の95℃、15分の熱変性の次に95℃、30秒で30サイクル、55℃、30秒のアニーリング、72℃、30秒の伸長、そして最後に行われる72℃、5分の伸長ステップを含んでいた。
【0213】
PCR産物はQIAquick purification kit(オーストラリア・メルボルン、キアゲン社)を使用してカラムで精製され、Qubit(登録商標)2.0 fluorometer(ライフテクノロジーズ(商標))を用いて定量化され、ニュージーランド(NZ)のNew Zealand Genomics Ltd(NZGL)、Massey Genome Service(MGS)に送られた。NZGLでは、2回目のPCRステップが実施され、アンプリコンがライブラリQCチェックを受け、希釈および貯蔵された。次に、3回の2 x 250bpのペアエンド(PE)のランの間にライブラリがイルミナ(登録商標) MiSeq装置に装填された。
【0214】
バイオインフォマティクス
イルミナ(登録商標)MiSeqシーケンスデータはソフトウェアを使って解析された(Quantitative Insights into Microbial Ecology(QIIME)ソフトウェアバージョン1.8.0、Caporaso他 2010年)。ペアエンドリードを単一の連続したシーケンスにアセンブルするため、少なくとも40bpのオーバーラップで、350bp~500bpのサイズを用いてPANDASeqが使用された(Masella他 2012年)。推定キメラをシーケンスから除去し、USERCHおよびUCLUSTを用いて97%の特定閾値に基づきリードをOperational Taxonomic Unit(OTU)にクラスタリングした(Edgar 2010年)。高速なサンプルのプロセッシングを行い、系統学的、分類学的評価に十分であるサンプルあたりおよそ15,000リードで正規化するために、総リードのサブサンプルが取り出された(Caporaso他 2011年、Schloss他2012年)。
【0215】
PyNASTを用いてシーケンスのアライメントを行い(Caporaso他 2010年)、Greengenes core reference database (バージョン13_8)を参照した(DeSantis他 2006年)。RDP単純ベイズ分類器を用いて、分類学的評価を行った(Wang他 2007年)。健康なグループとFCグループが別々に分析され、治療後(8つのサンプルのうち少なくとも1つの個体数が1%以上大きい)の各細菌属の平均個体数と治療前の平均値の比較を行うことで、4種類の各治療が微生物のコミュニティ構成に与える影響が特定された。
【0216】
GCによる有機酸の定量化
それぞれの糞便のサンプルの500~1000mg部が清潔なチューブで計量され、1:10の割合でリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈された。内部標準(酪酸エチル)は5mMの最終濃度になるように加えられた。有機酸は先述のように、改良された方法でGCを用いて定量化された(Richardson他 1989年)。
【0217】
水素炎イオン化型検出器を装着し、HP-1カラム(アジレント・テクノロジー、米国カリフォルニア州サンタクララ)を装着した島津製作所ガスクロマトグラフシステム(GC-17A、日本、京都)上で解析が行われた。本装置を操作し、GC Solution Chromatography Data System software(島津製作所、バージョン2.3)を用いてクロマトグラムを得た。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、乳酸、コハク酸、イソ吉草酸、吉草酸、ヘプタン酸、およびヘキサン酸の標準溶液が解析された後、標準曲線が作成された。有機酸の濃度は糞便のμmol/gとして表された。
【0218】
統計分析
stats package(R Studio 2012年)を用いて、R Studioで統計計算を行った。ウィルコクソン符号順位検定は属レベルでの分類間および各処置を行う前と行った後での有機酸の濃度の有意な差異の評価をするために実行された。R Studioのp.adjust内での関数偽発見率(FDR)法を用いた多重比較の修正をした後の0.05未満のP値は有意であると認められた(Benjamini & Hochberg 1995年)。
【0219】
実施例8:細菌群生息数への処置結果
16S rRNA遺伝子シーケンス
糞便のサンプルに由来する細菌のDNAから増幅した16S rRNA遺伝子の可変領域に対し、高スループットシーケンスを行った。この結果リード数が2630万になった。クオリティのフィルタリング、キメラ除去、およびサブサンプリングを行った後、サンプルごとに平均14879配列(最小14139~最大14999)、合計で372万のリード数が得られた。
【0220】
全てのサンプルにわたって、218の種レベルのファイロタイプが97%の配列特定閾値で観察された。健康なグループでは、ゴールドの補給後はクロストリジウム目が5.0%から7.6%(P値=0.042)に顕著に増加した(表9)。FCグループでは、ゴールドの処置後はフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイが3.4%から7.0%(P値=0.024)に顕著に増加して2倍の増加となった一方、ACTAZIN(商標) H処置後は、ドレア属菌が0.9%から1.4%(P値=0.008)へ増加した(表10)。FCグループではプラセボ処置期間後にルミノコッカス属菌が9.9%から5.6%(P値=0.024)に減少した(表10)。
【0221】
FCグループでゴールドを消費した9人の参加者のうち8人にフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの総数の増加が確認され、1人のみにわずかな減少が観察された(
図5B)。健康なグループとFCグループを比較した場合、観察された属の多くはグループ間で大きく異なっており、最も目を引くのはバクテロイデス属菌およびルミノコッカスである。それらは健康なグループでは著しく増加しており、アッカーマンシア属菌はFCグループでは著しく増加していた。
【0222】
有機酸の生産
今回の研究では、乳酸塩、ギ酸塩、およびイソ吉草酸塩は糞便のサンプルから検出されなかった。健康なグループでは、ゴールドの処置後、ヘキサン酸塩の濃度は0.6μmol/gから0.2μmol/g(P値=0.030)に顕著に減少した(表11)。FCグループでは、プラセボの処置後、コハク酸塩の濃度は2.3μmol/gから1.7μmol/g(P値=0.040)に顕著に減少した(表12)。どの処置においても有機酸の濃度に関する特筆すべき変化はなかった。処置の種類によっては13μmol/gに至るほど増加もしくは減少していた酢酸塩を除いては、各処置の実施以前と以後の定量的な差異は概して緩やかであった。
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
討論
キウイフルーツ由来のサプリメントを消費した後に、顕著に個体数が変化する細菌のグループが存在することが確認された。健康なグループではゴールド(Gold3)の補給後、クロストリジウム目は2.6%増加したが、この増加との関連は現在も調査中である。ゴールドキウイフルーツをベースにしたゴールドを4週間補給した後、FCグループのフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの相対個体数は顕著に増加した(3.6%)。
【0228】
特に、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイは酪酸塩の生産者として知られている。酪酸塩は大腸上皮細胞の好ましいエネルギー源であり、炎症を緩和するだけでなく、発がん、病原菌の定着、および酸化ストレスを軽減するという役割を果たしている(Hamer他 2008年、Macfarlane & Macfarlane 2011年)。近年の研究では、酪酸を生産する細菌のクロストリジウム・チロブチリカム(Clostridium tyrobutyricum)の管理により、マウスをデキストラン硫酸ナトリウム誘発性腸炎から保護することができることが示された(Hudcovic他 2012年)。それゆえ、結腸内のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの総量の増加によって酪酸塩の生産が増加し、消化器疾患の症状の緩和につながる可能性がある。
【0229】
ヒトの胃腸管はおよそ1014個の微生物細胞で構成されており(Egert他 2006年)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの個体数は約5%であり(Miquel他 2013年)、これはフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ細胞の濃度がおよそ5兆であると見なすことができ、このことは微生物の活動および代謝に対するかなりの影響を及ぼす。現在の研究が示したのは、5.6%というFCグループにおける全てのサンプルのフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの個体数の合計の割合である(全てのFCグループのサンプルから引き出された平均であり、全ての処置および休薬期間を含む)。一方で、健康なグループでは6.1%という数値が観察されている。ゴールド補給前のFCグループの参加者のサンプルでは、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの個体数は比較的低く、3.4%であった。この数値は、ゴールドによる処置を行った後では2倍の7.0%に増加した。健康なグループでは、7.2%から5.3%への減少が観察された。これはベースラインが既に高いレベルにあったことに起因する可能性がある。このことは他の研究で観察されており、細菌グループのベースライン濃度は、食品による介入に反応して観察される影響の程度に大きな関連がある(Kolida他 2007年、Tuohy他 2001年)。
【0230】
処置後の有機酸の間には、有機酸の構成および本来の濃度の特定のために、代用品として糞便のサンプルの使用に起因する可能性がある、微小な差異が存在した。大腸の有機酸の濃度は末端に行くにつれ低下したが、これは二次発酵、血流への吸収、および/または結腸細胞による有機酸(とりわけ酪酸塩)の利用によるものである(Bach他 2000年)。それゆえ、糞便のサンプルで有機酸の測定をした場合、本来の有機酸の濃度よりも大幅に低くなることがある(Millet他 2010年)。
【0231】
FCグループの参加者の糞便のサンプルでは、酪酸塩がわずかに高かった。これはフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの個体数が増加したことと合致する。今回の研究では、乳酸、ギ酸、およびイソ吉草酸はどちらのグループの糞便のサンプルからも検出されなかった。乳酸は多くの代謝ネットワークで仲介者の働きをしており、一般的な代謝の中で微生物叢の仲間に消費されるため、通常は健康なヒトの糞便のサンプルから高い濃度で検出されることはない(Duncan他 2004年、Belenguer他 2011年)。ギ酸も仲介者のような性質を持っており、メタン、二酸化炭素、および水に変換される場合があり、通常は近位結腸内で発酵の初期段階でしか生産されない(Pryde他 2002年、Huda-Faujan他 2010年)。
【0232】
フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイは代謝能力と発酵という性質を持つ点で強く特徴付けられるが、酸素に敏感な細菌であるため、研究施設での培養は困難である(Duncan他 2002年)。消化器官内での存在数が多く、酪酸を作る性質を持っていながらも、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの消化器の健康状態改善への利用はまだ行われていない。消化器疾患の多くでフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの個体数の減少が見られることを考慮すると、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイをプロバイオティクスとして処方することが可能であり、IBSまたはIBD患者への投与が可能であることが示されている。(Sokol他 2008年、Sartor 2011年)。しかし、この研究は今も続いている。酸素に敏感というフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの性質が、プロバイオティクス組成物の成分としての処方を困難にしている。
【0233】
ゴールドキウイフルーツ由来のサプリメントであるゴールドは、共生菌のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの増加を選択的に刺激する手段となることから、特に炎症性の消化器疾患に有効であると考えられる。結論として、ゴールドはフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを改善し、機能性便秘参加者の腸内異常を改善させた。したがって、Gold3ゴールドキウイフルーツ粉末には、抗炎症作用で微生物叢を健康な状態にして、本来の高い酪酸濃度を取り戻すという利用法がある。
【0234】
実施例9:ヒトの臨床試験における微生物叢のqPCR分析結果
要約
この研究では、ACTAZIN(商標)(2400 mg)およびキウイフルーツのサプリメントであるゴールド(2400 mg)の糞便の細菌濃度に対する影響をヒト介入研究および試験管内での発酵実験の両方において調査した。サンプルの微生物構成におけるキウイフルーツをベースとした介入の影響の測定を目的とした。腸内微生物叢の構成の変化を、過去に得られた既存の16S rRNA遺伝子配列データを補足するリアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって測定した。上記の実施例7および8を参照。
【0235】
リアルタイムqPCRは胃腸菅の微生物の環境の調査に一般的に用いられる方法である。数々の研究で用いられ、微生物の数を定量的に示す結果が得られる。ロシュ社のLightCycler(登録商標)480装置を用いて定量化を行った。細菌の合計数に加え、クロストリジウム・コッコイデス(Clostridium coccoides)のグループ、ラクノスピラ属、バクテロイデス-プレボテラ-ポルフィロモナス属のグループ、ビフィズス菌、乳酸菌、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイといった個々の細菌グループが定量化された。また、上記細菌グループは、過去に試験を行ったラクトバチルスを除き、試験管内での発酵作用を目的として定量化された。
【0236】
機能性便秘グループにおいて、ゴールド補給後にフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度が増加したが、統計的に有意な基準にはわずかに届かなかった。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの減少はしばしば消化器疾患、特に炎症性疾患に関連している。ゴールドの補給によりフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度が増加するという発見は、シーケンスデータにおいて確認された顕著な個体数の増加と一致し、ゴールドの消費によるプレバイオティクな影響を立証するものである。
【0237】
背景
グリーンキウイフルーツは、結腸環境における微生物環境を変化させる作用を含む、消化器の健康を改善する効果が確認されている(Blatchford他 2015年a、Blatchford他2015年b、Parkar他 2012年)。これらの恩恵は難消化性炭水化物(DRC)、ポリフェノール、およびビタミンCの生来のレベルに由来すると考えられる(Chan他 2007年、Ferguson & Ferguson 2003年)。ゴールドキウイフルーツの恩恵は、まだはっきりと確立されていない。この研究では既存のヒトの臨床試験(実施例5で説明されている)のサンプルを用いて行われた実験について詳述する。ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を行い、2種類のキウイフルーツ由来成分、ACTAZIN(商標)(グリーンキウイフルーツ)およびゴールド(Gold3ゴールドキウイフルーツ)の、消化器の健康における役割を調査した。
【0238】
最初の試験で測定されたプライマリーエンドポイントは、便通の頻度、便の形態、およびQOLスコアであった。実施例5および6を参照。セカンダリーエンドポイントは16S rRNA遺伝子シーケンスを用いた短鎖脂肪酸(SCFAs)の測定および糞便の微生物群集の相対個体数の変化の測定等であった。16S rRNA遺伝子配列解析によって、(相対個体数のパーセンテージの形態で)サンプルの微生物環境の全体像が得られたものの、定量的な結果は得られなかった。上記の実施例7および8を参照。
【0239】
それゆえ、今回の試験では、最初の試験で得られた次のDNAサンプルを用いた。ゴールド2400mgの介入前および介入後のサンプル(n=52)、ACTAZIN(商標)2400mgの介入サンプル(n=52)、およびプラセボサンプル(n=52)である。これらのサンプルは選択された細菌グループの濃度をqPCRを用いて測定するために用いられた。qPCRはサンプル内の細菌濃度の定量的測定を提供する。
【0240】
材料および方法
実施例5において詳述されているように、この研究はランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験を行うものであり、参加者に対して4週間に渡って4種類の異なる処置を施し、各処置の間に2週間のウォッシュアウト期間を設けた。下記の表13の通り、処置の内容を分からなくするために、介入では同じ外観の4 x 600 mgのカプセルが処方された。実施例5も参照。記載したように、粉末化された成分は、それぞれニュージーランドのグリーンキウイフルーツおよびゴールドキウイフルーツから調製された。実施例1および5を参照。
【0241】
【0242】
選択細菌は、評価された各7つの細菌グループの代表的な属として用いられた(表14)。特に明記がない限り、全てのアイソレートは一晩、ブチルゴムのストッパーで封印されたハンゲートチューブを用い、37℃の嫌気環境で培養された。特に明記がない限り、全ての培地はオクソイド(オーストラリア・アデレード)製を使用した。
【0243】
ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)(DPC 16)をMRS寒天培地で培養した。ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)(DSM 20082)を、0.05%(w/v)のL-システイン塩酸塩(シグマアルドリッチ)を加えたMRS寒天培地で培養した。ロゼブリア・インテスチナリス(DSM 14610)をルーメン細菌培地(DSMZ Medium 330)で培養した。ラクノスピラ・マルチパリア(Lachnospira multipara)(ATCC 19207)をろ過したルーメン液を加えたRM02培地で培養した(Leahy他 2010年)。バクテロイデス・フラジリス(ATCC 25285)を0.05%(w/v)のL-システイン塩酸塩(シグマアルドリッチ)を加えたウィルキンス?チャルグレン嫌気性培地で2日間培養した。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(DSM 17677)を0.5%(w/v)のイースト抽出物、0.0005%(w/v)のへミン(シグマアルドリッチ)、0.0005%(w/v)のビタミンK(シグマアルドリッチ)、および0.2%のL-システイン塩酸塩(シグマアルドリッチ)を加えたブレインハートインフュージョン(BHI)培地で培養した。大腸菌(Nissle)を37℃の嫌気環境で、トリプチックソイブロス(TSB)を用いて培養した。
【0244】
【0245】
プライマーに対する各標準株の特異性はSnapGene(登録商標)ソフトウェア(www.snapgene.com)を用いてコンピュータ内で評価された。細胞密度はノイバウエル細胞計算盤を用いて測定され、培養菌は必要に応じて1.0 x 108または1.0 x 109細胞/mLになるよう希釈または濃縮された。その後、MO-BIO PowerSoil(登録商標)DNA Isolation Kit(MO-BIO Laboratories、米国カリフォルニア州カールスバッド、#12888)を用いてDNAが抽出された。標準曲線は各グループを代表する細菌株の希釈系列を用いて描かれた。サンプルおよび標準はロシュ社のLightCycler(登録商標)480リアルタイムPCR装置上で絶対定量法により3反復が行われた。二本鎖DNAの増幅を検出するために、ロシュ社のSYBR Green I Masterミックス(04707516001)検出ケミストリーが使用された。総反応容積は20μLであり、その構成は10μLのSyBr Green I Masterミックス、4μLのフォワードプライマー(2.5μMで5倍の濃度)、4μLのリバースプライマー(2.5μMで5倍の濃度)、および2μLのDNAテンプレートまたは滅菌水(NTC)である。
【0246】
各qPCRでは95℃、5分間の1サイクルの実施が行われ、32~40サイクル(95℃、30秒間の熱変性ステップ、表14のアニーリングステップ、そして72℃、1分間の伸長ステップが含まれる)、そして融解曲線サイクル(連続的に蛍光を検出しながら60~95℃、1秒ごとに0.1℃)、その次に40℃で冷却サイクルが行われる。サイクルを呼び出す融解曲線Tmにより、標的生成物と、プライマーダイマーのような非特異的二重螺旋生成物の区別が可能になった。プライマーはPCRグレードウォーター内で2.5μMの濃度まで希釈された。次に、PCR反応液で0.5μMの濃度の溶液を得るために5倍に希釈された。
【0247】
統計の計算は統計パッケージ(R Development Core Team 2008年)を用いてRで行われた。それぞれの処置を行う前と後の有意な差異の評価をするため、ウィルコクソン符号順位検定が実施された。試験管内の発酵に対しては、開始時点と他の時点を比較することにより、有意な差異が測定された。0.05未満のP値は、R Studioのp.adjust内での関数偽発見率(FDR)法を用いた多重比較の修正を行ったあとで、有意であると認められた。
【0248】
実施例10:ヒトの臨床試験における微生物叢のqPCR分析結果
リアルタイム定量的PCRデータの結果は、評価された各細菌グループは時間が経過した後も比較的安定した微生物の性質を持っていることを示す。緩やかな増加または減少が各処置後に観察された。表15では、健康なグループにおける各処置期間の前と処置期間の後の、糞便のサンプルのグラムあたりの計算された平均16S rRNA遺伝子複製数(対数変換)として細菌グループを示すLightCycler(登録商標)480 qPCRのデータおよび標準誤差(SEM)が示されている。表16では、機能性便秘グループにおける各処置期間の前と処置期間の後の、糞便のサンプルのグラムあたりの計算された平均16S rRNA遺伝子複製数(対数変換)として細菌グループを示すLightCycler(登録商標)480 qPCRのデータおよび標準誤差(SEM)が示されている。
【0249】
表15および
図6で示されているように、ゴールド処置を受けた後の健康なグループでは細菌合計数、クロストリジウム・コッコイデス、ラクノスピラ、乳酸菌、ビフィズス菌およびバクテロイデス属-プレボテラ属-ポルフィロモナス属グループでの緩やかな増加が見られた。一方で、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度は変化が見られなかった。ACTAZIN(商標)サプリメントの使用に伴い、細菌合計数、バクテロイデス属-プレボテラ属-ポルフィロモナス属、乳酸菌、ビフィズス菌、およびフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイグループでのわずかな減少が見られた。クロストリジウム・コッコイデスグループでは変化が見られなかった一方で、ラクノスピラグループではわずかな増加が見られた。プラセボ処置の結果、細菌合計数およびバクテロイデス属-プレボテラ属-ポルフィロモナス属の上昇が見られた。クロストリジウム・コッコイデス、ラクノスピラ、乳酸菌、ビフィズス菌、およびフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイグループにおいては、濃度のわずかな減少が見られた。
【0250】
表16および
図7で示されているように、ゴールド処置を受けた後に、機能性便秘グループの細菌合計数、クロストリジウム・コッコイデス、ラクノスピラ、バクテロイデス属-プレボテラ属-ポルフィロモナス属および乳酸菌グループでの緩やかな増加、そしてビフィドバクテリウム属菌のわずかな減少が見られた。最も濃度の上昇が大きかったものはフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイであり、log 7.03から7.45に上昇した。これはほぼ有意水準に達する数値であり(P値=0.0503)、16S rRNA遺伝子配列データ内で報告された同様の増加値と一致する。実数における16S rRNAの遺伝子複製数の上昇は2億3190万であり、これはゴールド処置の後の179%の上昇である。ACTAZIN(商標)処置の後では、全ての細菌グループでの減少が観察された。機能性便秘参加者9人のうち8人において、ゴールド処置の後にフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイのレベルの上昇が観察された。
図5Cを参照。プラセボ処置の結果、変化が見られなかったラクノスピラを除いた全ての細菌グループの濃度の上昇が見られた。
【0251】
【0252】
【0253】
図6および
図7は、健康なグループと機能性便秘グループのそれぞれの細菌濃度データを、対数変換および自然データの形態の両方で図示している。この形態のデータを見ることで、時間が経つにつれて糞便の微生物叢の構成が非常に強固になることが明確に分かる。
【0254】
バクテロイデス属-プレボテラ属-ポルフィロモナス属グループの細菌が、ヒトの結腸群内の主要な分解者における多数の集合体を構成しているということが注目されている。それらは特殊な捕捉メカニズムを使い吸収されなかった炭水化物を利用するという重要な役割を果たしている。これらの中で重要なものは、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・オバトス、およびバクテロイデス・セルロシリチクスといった、セルロース、澱粉、イヌリン、およびキシランの分解者である(Flint他 2008年、Walker他 2008年)。ロゼブリア・インテスチナリス、ルミノコッカス・ブロミイ、およびルミノコッカス・フラベファシエンスも重要な分解者であり、クロストリジウム・コッコイデスグループの仲間である(Kurakawa他 2015年)。
【0255】
クロストリジウム・コッコイデスグループは結腸内で最も大きい細菌のサブグループを構成しており、通常、細菌全体の個体数の25~60%になっている(Hold他 2002年)。そして、酪酸を作る細菌の大きな割合を占めている(Louis & Flint 2002年)。プロバイオティクスな性質を備えていることが証明されている2つの主要な微生物は、ビフィズス菌と乳酸菌である。ビフィズス菌もしばしば健康を増進させる微生物叢の仲間で、酢酸塩を作っていると考えられており、それゆえに宿主の健康に有益な影響を与えうる。乳酸菌は乳酸を生産する共生細菌グループを構成しており、何世紀にもわたり乳製品の生産に利用されてきた他、何百回もの試験を通じて、ラクトバチルスが持つプロバイオティクスの有用性が研究されてきた(Reid 1999年)。
【0256】
4週間にわたりGold3品種のゴールドキウイをベースにしたゴールドを補給した後のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度の上昇は、有意水準(P値=0.0503)にわずかに届かなかった。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイはヒトの胃腸菅における最も数の多い種の1つであり、健康な大人の腸内では微生物叢の割合全体の5%以上を占めることが観察されている(Miquel他 2013年)。フィルミクテス門に属するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイはヒトの大腸に住む共生菌であり、生体内では抗炎症作用を示す(Furet他 2010年、Sokol他 2009年)。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイは炭水化物発酵の結果として酪酸だけでなく乳酸、ギ酸を発生させる(Duncan他 2002年、Duncan他 2004年)。酪酸は大腸上皮細胞の好ましいエネルギー源であり、炎症を緩和するだけでなく、発がん、病原菌の定着、および酸化ストレスを軽減するという役割を果たしている(Hamer他 2008年、Macfarlane & Macfarlane 2011年)。ゴールドは共生細菌のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを選択的に刺激し、それゆえに炎症に関連した消化器疾患に効果があると考えられる。
【0257】
要するに、qPCRのデータにより微生物の相対個体数データが確認され、Gold3品種のゴールドキウイフルーツ由来のサプリメントにより機能性便秘参加者のフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイの濃度が上昇したことが示されている。フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイが大腸内で増殖し、消化器官内で保護的機能/健康に対する利益を持っている酪酸を生成することが知られているように、このことは有益な結果を示している。
【0258】
フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイが酸素に非常に敏感(Rigottier-Gois 2013年)であると仮定すれば、これらの結果は重要なものと考えられ、そしてそれゆえに、プロバイオティクス剤としての処方および保存にとって困難なものと考えられる。それゆえに、本発明におけるゴールドキウイフルーツの組成物は、本発明がなければ調整が難しい、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイのレベルを増加させる効率的かつ効果的な手段を実現する。
【0259】
当業者なら、本文書中の開示および教示によって、不要な実験をすることなく、他の実施形態や変更を利用することが可能である。かかるすべての実施および変更は本発明の一部とみなされる。
【0260】
したがって、実質的に同じ機能を成し遂げる、またはここで説明された実施形態と実質的に同じ結果を獲得する、後の改良、置換と変更の両方またはいずれか一方が、かかる本発明の関連する実施によって有用であることを、当業者なら本開示より容易に理解するであろう。したがって、本発明はその範囲において、ここで開示される手順、製造、物質の組成、化合物、方法、手段と段階の両方またはいずれか一方の改良、置換、および変更を含むことを意図している。
付記1
キウイフルーツ組成物の調製方法であって、
a)ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種のゴールドキウイフルーツを取得することと、
b)前記キウイフルーツの皮を取り除き、1mm未満の大きさのふるいでピューレ状にすることと、
c)前記ピューレを乾燥させ、粉末を生成することと、を含む方法。
付記2
付記1に記載の方法であって、ピューレ状にする前に前記キウイフルーツの種を取り除くことを更に含む方法。
付記3
付記1または付記2に記載の方法であって、前記ピューレを24時間~56時間かけて乾燥させることを更に含む方法。
付記4
付記1~付記3のいずれか1つに記載の方法であって、前記キウイフルーツをピューレ状にして、16°~21°のブリックス値を有するピューレを取得することを更に含む方法。
付記5
付記1~付記4のいずれか1つに記載の方法であって、前記キウイフルーツをピューレ状にして、12.5°のブリックス値、20°Cで測定した場合に11.0~13.0、または10.0~14.0の粘度を有するピューレを取得することを更に含む方法。
付記6
付記1~付記5のいずれか1つに記載の方法であって、前記ピューレを凍結乾燥し、粉砕して粉末を生成することを更に含む調製方法。
付記7
付記1~付記6のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物のポリフェノール含有量を高めることを更に含む方法。
付記8
付記1~付記7のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物にポリフェノールを添加することを更に含む方法。
付記9
付記1~付記8のいずれか1つに記載の方法であって、前記ピューレを40~56時間かけて凍結乾燥することを更に含む方法。
付記10
ゴールド3品種のゴールドキウイフルーツの粉末を含む組成物であって、付記1~付記9のいずれか1つに記載の方法で生成される組成物。
付記11
付記10に記載の組成物であって、腸内投与用に処方された組成物。
付記12
付記10に記載の組成物であって、経口投与用に処方された組成物。
付記13
付記10に記載の組成物であって、錠剤またはカプセルとして処方された組成物。
付記14
付記13に記載の組成物であって、前記カプセルがゲルカプセルである組成物。
付記15
付記13または付記14に記載の組成物であって、前記錠剤またはカプセルが400~800mgの粉末を含むように調合された組成物。
付記16
付記13または付記14に記載の組成物であって、前記錠剤またはカプセルが100~1000mgの粉末を含むように処方された組成物。
付記17
付記10~付記12のいずれか1つに記載の組成物であって、液体として処方された組成物。
付記18
付記17に記載の組成物であって、前記液体が投与単位あたり400~800mgの粉末を含むように処方された組成物。
付記19
付記10~付記12のいずれか1つに記載の組成物であって、ゼリーまたは分包として処方された組成物。
付記20
付記10~付記19のいずれか1つに記載の組成物であって、更なる消化補助剤との組み合わせにて処方された組成物。
付記21
付記10~付記19のいずれか1つに記載の組成物であって、1つ以上のプレバイオティクス、プロバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物との組み合わせにて処方された組成物。
付記22
付記10~付記21のいずれか1つに記載の組成物であって、食物繊維および/または消化酵素との組み合わせにて処方された組成物。
付記23
付記10~付記22のいずれか1つに記載の組成物であって、ポリフェノールが補足された組成物。
付記24
便秘を治療もしくは予防し、または腸の調整を維持もしくは改善する方法であって、
ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥させたゴールドキウイフルーツから調製された組成物を対象者に投与することにより、前記対象者の便秘を治療もしくは予防し、または腸の調整を維持もしくは改善することを含む方法。
付記25
付記24に記載の方法であって、前記組成物が腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される方法。
付記26
付記24または付記25に記載の方法であって、前記組成物が錠剤、カプセル、液体、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される方法。
付記27
付記26に記載の組成物であって、前記カプセルがゲルカプセルである組成物。
付記28
付記24~付記27のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記29
付記24~付記27のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量で投与される方法。
付記30
付記24~付記29のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が更なる消化補助剤と同時投与される方法。
付記31
付記24~付記29のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される方法。
付記32
付記24~付記31のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が食物繊維および/または消化酵素と同時投与される方法。
付記33
付記24~付記32のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物にポリフェノールが補足される方法。
付記34
消化官における微生物叢不均衡を治療または予防する方法であって、
ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥ゴールドキウイフルーツから調製された組成物を対象者に投与することにより、前記対象者における微生物叢不均衡を治療または予防することを含む方法。
付記35
付記34に記載の方法であって、前記組成物が腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される方法。
付記36
付記34または付記35に記載の方法であって、前記組成物が錠剤、カプセル、液状、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される方法。
付記37
付記36に記載の方法であって、前記カプセルがゲルカプセルである方法。
付記38
付記34~付記37のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記39
付記34~付記37のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記40
付記34~付記39のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が更なる消化補助剤と同時投与される方法。
付記41
付記34~付記39のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される方法。
付記42
付記34~付記41のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が食物繊維および/または消化酵素と同時投与される方法。
付記43
付記34~付記42のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物にポリフェノールが補足される方法。
付記44
消化管における有益細菌を維持しまたは増加させる方法であって、
ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥ゴールドキウイフルーツから調製された組成物を対象者に投与することにより、前記対象者の消化管における有益細菌を増加させることを含む方法。
付記45
付記44に記載の方法であって、前記組成物が腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される方法。
付記46
付記44または付記45に記載の方法であって、前記組成物が錠剤、カプセル、液状、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される方法。
付記47
付記46に記載の方法であって、前記カプセルがゲルカプセルである方法。
付記48
付記44~付記47のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記49
付記44~付記47のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記50
付記44~付記49のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が更なる消化補助剤と同時投与される方法。
付記51
付記44~付記49のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される方法。
付記52
付記44~付記51のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が食物繊維および/または消化酵素と同時投与される方法。
付記53
付記44~付記52のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物にポリフェノールが補足される方法。
付記54
付記44~付記53のいずれか1つに記載の方法であって、前記有益細菌がバクテロイデス-プレボテラ-ポルフィロモナス属の群、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、およびラクノスピラ属から選択される方法。
付記55
付記44~53のいずれか1つに記載の方法であって、前記有益細菌がフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)、クロストリジウム・ココイデス(Clostridium coccoides)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteriodes fragilis)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・オバトス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス・セルロシリチクス(Bacteroides cellulosilyticus)、ロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)、ロゼブリア・イヌリノボラン(Roseburia inulinovorans)、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、およびルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)から選択される方法。
付記56
消化管におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィを維持しまたは増加させる方法であって、
ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥ゴールドキウイフルーツから調製された組成物を対象者に投与することにより、前記対象者の消化管におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィを維持しまたは増加させることを含む方法。
付記57
付記56に記載の方法であって、前記組成物が腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される方法。
付記58
付記56または付記57に記載の方法であって、前記組成物が錠剤、カプセル、液状、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される方法。
付記59
付記58に記載の方法であって、前記カプセルがゲルカプセルである方法。
付記60
付記56~付記59のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記61
付記56~付記59のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記62
付記56~付記61のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が更なる消化補助剤と同時投与される方法。
付記63
付記56~付記61のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス組成物と同時投与される方法。
付記64
付記56~付記63のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が食物繊維および/または消化酵素と同時投与される方法。
付記65
付記56~付記64のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物にポリフェノールが補足される方法。
付記66
付記56~65のいずれか1つに記載の方法であって、前記対象者が炎症の1つ以上の症状を有する方法。
付記67
付記56~65のいずれか1つに記載の方法であって、前記対象者がクローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、胃腸がん、アレルギー、アトピー、または糖尿病のうちの1つ以上の症状を有する方法。
付記68
過敏性腸症候群または炎症性腸疾患の治療または予防方法であって、
ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥ゴールドキウイフルーツから調製された組成物を対象者に投与することにより、前記対象者における過敏性腸症候群または炎症性腸疾患を治療または予防することを含む方法。
付記69
付記68に記載の方法であって、前記組成物が腸内投与、経口投与、または直腸投与により投与される方法。
付記70
付記68または付記69に記載の方法であって、前記組成物が錠剤、カプセル、液状、ゼリー、または分包のうちの1つ以上として投与される方法。
付記71
付記70に記載の方法であって、前記カプセルがゲルカプセルである方法。
付記72
付記68~付記71のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり2000~4000mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記73
付記68~付記72のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が一日あたり250~2500mgの粉末、またはそれと同価の液体の投与量にて投与される方法。
付記74
付記68~付記73のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が更なる消化補助剤と同時投与される方法。
付記75
付記68~付記73のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が1つ以上のプロバイオティクス、プレバイオティクス、またはシンバイオティクス組成物と同時投与される方法。
付記76
付記68~付記75のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物が食物繊維および/または消化酵素と同時投与される方法。
付記77
付記68~付記76のいずれか1つに記載の方法であって、前記組成物にポリフェノールが補足される方法。
付記78
(i)対象者における便秘の治療もしくは予防、もしくは腸の調整の維持もしくは改善、
(ii)対象者における微生物叢不均衡の治療もしくは予防、
(iii)対象者の消化管における有益細菌の維持もしくは増加、
(iv)対象者の消化管におけるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィの維持若しくは増加、または
(v)対象者における過敏性腸症候群もしくは炎症性腸疾患の治療もしくは予防を目的とした医薬品の調製のための、ゴールド3品種またはその遺伝的派生品種である乾燥ゴールドキウイフルーツの組成物から調製された組成物の使用。
【0261】
参照
Abdollahi-Roodsaz S, Joosten LA, Koenders MI, Devesa I, Roelofs MF, Radstake TR, Heuvelmans-Jacobs M, Akira S, Nicklin MJ, Ribeiro-Dias F, van den Berg WB 2008. Stimulation of TLR2 and TLR4 differentially skews the balance of T cells in a mouse model of arthritis. Journal of Clinical Investigation 118(1): 205-16.
Abrahamsson TR, Jakobsson HE, Andersson AF, Bjorksten B, Engstrand L, Jenmalm MC 2012. Low diversity of the gut microbiota in infants with atopic eczema. J Allergy Clin Immunol 129(2): 434-40, 440 e1-2.
Adaim A. 2010. Investigating the effect of gold kiwifruit consumption on the incidence and symptoms of upper respiratory tract infections in preschool children: a thesis presented in partial fulfilment of the requirements for the degree of Masters of Sciences in Human Nutrition and Human Health, Massey University, Auckland, New Zealand.
Attaluri A, Donahoe R, Valestin J, Brown K, Rao SSC 2011. Randomised clinical trial: dried plums (prunes) vs. psyllium for constipation. Alimentary Pharmacology & Therapeutics 33(7): 822-828.
Bach Knudsen KE, Jorgensen H, Canibe N. Quantification of the absorption of nutrients derived from carbohydrate assimilation: model experiment with catheterised pigs fed on wheat- or oat-based rolls. The British Journal of Nutrition. 2000; 84: 449-58.
Backhed F, Ley RE, Sonnenburg JL, Peterson DA, Gordon JI. Host-bacterial mutualism in the human intestine. Science. 2005; 307: 1915-20.
Benjamini Y, Hochberg Y. Controlling the false discovery rate - a practical and powerful approach to multiple testing. Journal of the Royal Statistical Society Series B-Methodological. 1995; 57: 289-300.
Belenguer A, Holtrop G, Duncan SH, Anderson SE, Calder AG, Flint HJ, et al. Rates of production and utilization of lactate by microbial communities from the human colon. FEMS Microbiol. Ecol. 2011; 77: 107-19.
Bentley-Hewitt KL, Blatchford PA, Parkar SG, Ansell J, Pernthaner A. Digested and fermented green kiwifruit increases human beta-defensin 1 and 2 production in vitro. Plant Foods for Human Nutrition. 2012; 67: 208-14.
Blatchford P, Bentley-Hewitt KL, Stoklosinski H, McGhie T, Gearry R, Gibson G, Ansell J 2015a. In vitro characterisation of the fermentation profile and prebiotic capacity of gold-fleshed kiwifruit. Benef Microbes pages 1-12. Published online at DOI: http://dx.doi.org/10.3920/BM2015.0006.
Blatchford P, Stoklosinski H, Walton G, Swann J, Gibson G, Gearry R, Ansell J 2015b. Kiwifruit fermentation drives positive gut microbial and metabolic changes irrespective of initial microbiota composition. Bioactive Carbohydrates and Dietary Fibre 6(1): 37-45.
Boland, M.J., Hardman, M.J. 1972. Kinetic studies on the thiol protease from Actinidia chinensis. FEBS Letters, 27(2): 282-284.
Bravo JA, Forsythe P, Chew MV, Escaravage E, Savignac HM, Dinan TG, et al. Ingestion of Lactobacillus strain regulates emotional behavior and central GABA receptor expression in a mouse via the vagus nerve. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2011; 108: 16050-5.
Buffie CG, Pamer EG. Microbiota-mediated colonization resistance against intestinal pathogens. Nature Reviews Immunology. 2013; 13: 790-801.
Candela M, Rampelli S, Turroni S, Severgnini M, Consolandi C, De Bellis G, et al. Unbalance of intestinal microbiota in atopic children. BMC Microbiology. 2012; 12: 95.
Caporaso JG, Bittinger K, Bushman FD, DeSantis TZ, Andersen GL, Knight R. PyNAST: a flexible tool for aligning sequences to a template alignment. Bioinformatics. 2010; 26: 266-7.
Caporaso JG, Kuczynski J, Stombaugh J, Bittinger K, Bushman FD, Costello EK, et al. QIIME allows analysis of high-throughput community sequencing data. Nature Methods. 2010; 7: 335-6.
Caporaso JG, Lauber CL, Walters WA, Berg-Lyons D, Lozupone CA, Turnbaugh PJ, et al. Global patterns of 16S rRNA diversity at a depth of millions of sequences per sample. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2011; 108 Suppl 1: 4516-22.
Cardona F, Andres-Lacueva C, Tulipani S, Tinahones FJ, Queipo-Ortuno MI. 2013. Benefits of polyphenols on gut microbiota and implications in human health. Journal of Nutritional Biochemistry, 24: 1415-1422.
Chan AO, Leung G, Tong T, Wong NY. Increasing dietary fiber intake in terms of kiwifruit improves constipation in Chinese patients. World Journal of Gastroenterology: WJG. 2007; 13: 4771-5.
Chang C, Lin T, Lu Y, Liu T, Liu J. 2010. Kiwifruit improves bowel function in patients with irritable bowel syndrome with constipation. Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 19(4): 451-457.
Chassard, C, Dapoigny, M, Scott, KP, Crouzet, L, Del’homme, C, Marquet, P, Martin, JC, Pickering, G, Ardid, D, Eschalier, A, Dubray, C, Flint, HJ and Bernalier-Donadille, A. 2012. Functional dysbiosis within the gut microbiota of patients with constipated-irritable bowel syndrome. Alimentary Pharmacology & Therapeutics 35: 828-838.
Chen W, Liu F, Ling Z, Tong X, Xiang C 2012. Human intestinal lumen and mucosa-associated microbiota in patients with colorectal cancer. PloS One 7(6): e39743.
DeSantis TZ, Hugenholtz P, Larsen N, Rojas M, Brodie EL, Keller K, et al. Greengenes, a chimera-checked 16S rRNA gene database and workbench compatible with ARB. Appl. Environ. Microbiol. 2006; 72: 5069-72.
de Sousa Moraes LF, Grzeskowiak LM, de Sales Teixeira TF, Gouveia Peluzio Mdo C 2014. Intestinal microbiota and probiotics in celiac disease. Clinical Microbiology Reviews 27(3): 482-9.
de Vos WM, de Vos EA 2012. Role of the intestinal microbiome in health and disease: from correlation to causation. Nutrition Reviews 70 Suppl 1: S45-56.
de Weerth C, Fuentes S, Puylaert P, de Vos WM 2013. Intestinal microbiota of infants with colic: development and specific signatures. Pediatrics 131(2): e550-8.
Desbonnet L, Garrett L, Clarke G, Bienenstock J, Dinan TG 2008. The probiotic Bifidobacteria infantis: An assessment of potential antidepressant properties in the rat. Journal of Psychiatric Research 43(2): 164-74.
Drossman DA. The functional gastrointestinal disorders and the Rome III process. Gastroenterology. 2006; 130: 1377-90.
Drummond L. 2013. The composition and nutritional value of kiwifruit. Advances in Food and Nutrition Research 68: 33-57.
Drummond L, Gearry RB. 2013. Kiwifruit modulation of gastrointestinal motility. Advances in Food and Nutrition Research 68: 219-232.
Duncan SH, Hold GL, Harmsen HJ, Stewart CS, Flint HJ. Growth requirements and fermentation products of Fusobacterium prausnitzii, and a proposal to reclassify it as Faecalibacterium prausnitzii gen. nov., comb. nov. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. 2002; 52: 2141-6.
Duncan SH, Louis P, Flint HJ. Lactate-utilizing bacteria, isolated from human feces, that produce butyrate as a major fermentation product. Appl. Environ. Microbiol. 2004; 70: 5810-7.
Edgar RC. Search and clustering orders of magnitude faster than BLAST. Bioinformatics. 2010; 26: 2460-1.
Egert M, de Graaf AA, Smidt H, de Vos WM, Venema K. Beyond diversity: functional microbiomics of the human colon. Trends in Microbiology. 2006; 14: 86-91.
Eidenberger T, Selg M, Fuerst S, Krennhuber K. 2014. In-vitro inhibition of human lipase PS by polyphenols from kiwi fruit. Journal of Food Research. 3(4): 71-77.
Ferguson AR, Ferguson LR. Are kiwifruit really good for you? In: Huang HW, editor. Proceedings of the Fifth International Symposium on Kiwifruit. 2003. 131-8.
Flint HJ, Bayer EA, Rincon MT, Lamed R, White BA 2008. Polysaccharide utilization by gut bacteria: potential for new insights from genomic analysis. Nat Rev Microbiol 6(2): 121-31.
Fu CJ, Carter JN, Li Y, Porter JH, Kerley MS 2006. Comparison of agar plate and real-time PCR on enumeration of Lactobacillus, Clostridium perfringens and total anaerobic bacteria in dog faeces. Letters in Applied Microbiology 42(5): 490-494.
Fujimoto T, Imaeda H, Takahashi K, Kasumi E, Bamba S, Fujiyama Y, Andoh A 2013. Decreased abundance of Faecalibacterium prausnitzii in the gut microbiota of Crohn's disease. J Gastroenterol Hepatol 28(4): 613-9.
Furet JP, Kong LC, Tap J, Poitou C, Basdevant A, Bouillot JL, et al. Differential adaptation of human gut microbiota to bariatric surgery-induced weight loss: links with metabolic and low-grade inflammation markers. Diabetes. 2010; 59: 3049-57.
Gibson GR, Scott KP, Rastall RA, Tuohy KM, Hotchkiss A, Dubert-Ferrandon A, Gareau M, Murphy EF, Sulnier D, Loh G, MacFarlane S, Delzenne N, Ringel Y, Kozianowski G, Dickmann R, Lenoir-Wijnkoop I, Walker C, Buddington R. 2010. Dietary prebiotics: current status and new definition. Food Science and Technology Bulletin: Functional Foods, 7: 1-19.
Geurts L, Neyrinck AM, Delzenne NM, Knauf C, Cani PD. Gut microbiota controls adipose tissue expansion, gut barrier and glucose metabolism: novel insights into molecular targets and interventions using prebiotics. Beneficial Microbes. 2014; 5: 3-17.
Gostner A, Blaut M, Schaffer V, Kozianowski G, Theis S, Klingeberg M, et al. Effect of isomalt consumption on faecal microflora and colonic metabolism in healthy volunteers. Br. J. Nutr. 2006; 95: 40-50.
Guidance for industry: irritable bowel syndrome - clinical evaluation of drugs for treatment. U.S. Department of Health and Human Services. Food and Drug Administration. Center for Drug Evaluation and Research. http://www.fda.gov/downloads/Drugs/Guidances/UCM205269.pdf
Hamer HM, Jonkers D, Venema K, Vanhoutvin S, Troost FJ, Brummer RJ. Review article: The role of butyrate on colonic function. Aliment. Pharmacol. Ther. 2008; 27: 104-19.
Hazenberg MP, van de Merwe JP, Pena AS, Pennock-Schroder AM, van Lieshout LM. Antibodies to Coprococcus comes in sera of patients with Crohn's disease. Isolation and purification of the agglutinating antigen tested with an ELISA technique. Journal of Clinical & Laboratory Immunology. 1987; 23: 143-8.
Herlemann DPR, Labrenz M, Juergens K, Bertilsson S, Waniek JJ, Andersson AF. Transitions in bacterial communities along the 2000 km salinity gradient of the Baltic Sea. ISME Journal. 2011; 5: 1571-9.
Hold GL, Pryde SE, Russell VJ, Furrie E, Flint HJ 2002. Assessment of microbial diversity in human colonic samples by 16S rDNA sequence analysis. FEMS Microbiol Ecol 39(1): 33-9.
Huda-Faujan N, Abdulamir AS, Fatimah AB, Anas OM, Shuhaimi M, Yazid AM, et al. The impact of the level of the intestinal short chain fatty acids in inflammatory bowel disease patients versus healthy subjects. The Open Biochemistry Journal. 2010; 4: 53-8.
Hudcovic T, Kolinska J, Klepetar J, Stepankova R, Rezanka T, Srutkova D, et al. Protective effect of Clostridium tyrobutyricum in acute dextran sodium sulphate-induced colitis: differential regulation of tumour necrosis factor-alpha and interleukin-18 in BALB/c and severe combined immunodeficiency mice. Clinical and Experimental Immunology. 2012; 167: 356-65.
Husebye E, Hellstrom PM, Sundler F, Chen J, and Midtvedt T. 2001. Influence of microbial species on small intestinal myoelectric activity and transit in germ-free rats. American Journal of Physiology, Gastrointestinal and Liver Physiology 280: G368-G380.
Hunter DC, Skinner MA, Wolber FM, Booth CL, Loh JMS, Wohlers M, Stevenson LM, Kruger MC. 2012. Consumption of gold kiwifruit reduces severity and duration of selected upper respiratory tract infection symptoms and increases plasma vitamin C concentration in healthy older adults. British Journal of Nutrition 108: 1235- 1245.
Jeffery IB, O'Toole PW, Ohman L, Claesson MJ, Deane J, Quigley EM, Simren M 2012.An irritable bowel syndrome subtype defined by species-specific alterations in faecal microbiota.Gut 61(7): 997-1006.
Kalliomaki M, Satokari R, Lahteenoja H, Vahamiko S, Gronlund J, Routi T, Salminen S 2012.Expression of microbiota, Toll-like receptors, and their regulators in the small intestinal mucosa in celiac disease.Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition 54(6): 727-32.
L Kaur, SM Rutherfurd, PJ Moughan, L Drummond, and MJ Boland.2010.Actinidin enhances protein digestion in the small intestine as assessed using an in vitro digestion model, J. Agric.Food Chem.58 (8): 5074-5080.
Khalif IL, Quigley EMM, Konovitch EA and Maximova ID.2005.Alterations in the colonic flora and intestinal permeability and evidence of immune activation in chronic constipation.Digestive and Liver Disease 37: 838-849.
Koeth RA, Wang Z, Levison BS, Buffa JA, Org E, Sheehy BT, Britt EB, Fu X, Wu Y, Li L, Smith JD, DiDonato JA, Chen J, Li H, Wu GD, Lewis JD, Warrier M, Brown JM, Krauss RM, Tang WH, Bushman FD, Lusis AJ, Hazen SL 2013.Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis.Nature Medicine 19(5): 576-85.
Kok RG, DeWaal A, Schut F, Welling GW, Weenk G, Hellingwerf KJ 1996.Specific detection and analysis of a probiotic Bifidobacterium strain in infant feces.Applied and Environmental Microbiology 62(10): 3668-3672.
Kolida S, Gibson GR.2007.Prebiotic capacity of inulin-type fructans.The Journal of Nutrition, 137(11): 2503S-2506S.
Kolida S, Meyer D, Gibson GR.A double-blind placebo-controlled study to establish the bifidogenic dose of inulin in healthy humans.Eur.J. Clin.Nutr.2007; 61: 1189-95.
Koren O, Spor A, Felin J, Fak F, Stombaugh J, Tremaroli V, Behre CJ, Knight R, Fagerberg B, Ley RE, Backhed F 2011.Human oral, gut, and plaque microbiota in patients with atherosclerosis.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108 Suppl 1: 4592-8.
Kurakawa T, Ogata K, Matsuda K, Tsuji H, Kubota H, Takada T, Kado Y, Asahara T, Takahashi T, Nomoto K 2015.Diversity of Intestinal Clostridium coccoides group in the Japanese population, as demonstrated by reverse transcription-quantitative PCR.PLoS One 10(5): e0126226.
Leahy SC, Kelly WJ, Altermann E, Ronimus RS, Yeoman CJ, Pacheco DM, Li D, Kong Z, McTavish S, Sang C, Lambie SC, Janssen PH, Dey D, Attwood GT 2010.The genome sequence of the rumen methanogen Methanobrevibacter ruminantium reveals new possibilities for controlling ruminant methane emissions.PLoS One 5(1).
Lee YK, Menezes JS, Umesaki Y, Mazmanian SK 2011.Proinflammatory T-cell responses to gut microbiota promote experimental autoimmune encephalomyelitis.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108 Suppl 1: 4615-22.
Lepage P, Hasler R, Spehlmann ME, Rehman A, Zvirbliene A, Begun A, Ott S, Kupcinskas L, Dore J, Raedler A, Schreiber S 2011.Twin study indicates loss of interaction between microbiota and mucosa of patients with ulcerative colitis.Gastroenterology 141(1): 227-36.
Leung L, Riutta T, Kotecha J, Rosser W. 2011.Chronic constipation: An evidence-based review.The Journal of the American Board of Family Medicine 24(4): 436-451.
Ley RE, Turnbaugh PJ, Klein S, Gordon JI 2006.Microbial ecology - Human gut microbes associated with obesity.Nature 444(7122): 1022-1023.
Liu LWC.2011.Chronic constipation: current treatment options.Canadian Journal of Gastroenterology 25(Suppl B): 22B-28B.
Louis P, Flint HJ 2009.Diversity, metabolism and microbial ecology of butyrate-producing bacteria from the human large intestine.FEMS Microbiol Lett 294(1): 1-8.
Maccaferri S, Candela M, Turroni S, Centanni M, Severgnini M, Consolandi C, Cavina P, Brigidi P 2012.IBS-associated phylogenetic unbalances of the intestinal microbiota are not reverted by probiotic supplementation.Gut Microbes 3(5): 406-13.
Macfarlane GT, Macfarlane S. Fermentation in the human large intestine: its physiologic consequences and the potential contribution of prebiotics.J. Clin.Gastroenterol.2011; 45 Suppl: S120-7.
R Maddumage, NJ Nieuwenhuizen, SM Bulley, JM Cooney, SA Green, RG Atkinson.2013.Diversity and relative levels of actinidin, kiwellin, and thaumatin-like allergens in 15 varieties of kiwifruit (Actinidia).J. Agric.Food Chem.61: 728-739.
Masella AP, Bartram AK, Truszkowski JM, Brown DG, Neufeld JD.PANDAseq: PAired-eND Assembler for Illumina sequences.BMC Bioinformatics.2012; 13:31.
Matsuki T, Watanabe K, Fujimoto J, Miyamoto Y, Takada T, Matsumoto K, Oyaizu H, Tanaka R 2002.Development of 16S rRNA-gene-targeted group-specific primers for the detection and identification of predominant bacteria in human feces.Appl Environ Microbiol 68(11): 5445-51.
Metcalf AM, Phillips SF, Zinsmeister AR, MacCarty RL, Beart RW, Wolff BG.Simplified assessment of segmental colonic transit.Gastroenterology.1987; 92: 40-7.
Millet S, Van Oeckel MJ, Aluwe M, Delezie E, De Brabander DL.Prediction of in vivo short-chain fatty acid production in hindgut fermenting mammals: problems and pitfalls.Crit.Rev. Food Sci.Nutr.2010; 50:605-19.
Miquel S, Martin R, Rossi O, Bermudez-Humaran LG, Chatel JM, Sokol H, et al.Faecalibacterium prausnitzii and human intestinal health.Current Opinion in Microbiology.2013; 16: 255-61.
Monro JA, Mishra S, Venn B. 2010.Baselines representing blood glucose clearance improve in vitro prediction of the glycaemic impact of customarily consumed food quantities.British Journal of Nutrition, 103(2): 295-305.
Murata Y, Ohmori H, Ichikawa M, Harada A, Agari M, Fukuba H, Yamasaki M, Yasuzawa M, Takemoto M, Ikeda M, Matsumoto N, Tamura T, Sumimoto R, Namba K 2013.Fecal microbiota and fecal characteristics of patients with Parkinson's disease.Journal of Intestinal Microbiology 27(4): 211-215.
Nadkarni MA, Martin FE, Jacques NA, Hunter N 2002.Determination of bacterial load by real-time PCR using a broad-range (universal) probe and primers set.Microbiology-Sgm 148: 257-266.
Neufeld KM, Kang N, Bienenstock J, Foster JA 2011.Reduced anxiety-like behavior and central neurochemical change in germ-free mice.Neurogastroenterology and Motility 23(3): 255-64, e119.
NJ Nieuwenhuizen, R Maddumage, GK Tsang, LG Fraser, JM Cooney, HN De Silva, S Green, KA Richardson, RG Atkinson.2012.Mapping, complementation, and targets of the cysteine protease actinidin in kiwifruit.Plant Physiology 158(1): 376-388.
Parkar SG, Rosendale D, Paturi G, Herath TD, Stoklosinski H, Phipps JE, et al.In vitro utilization of gold and green kiwifruit oligosaccharides by human gut microbial populations.Plant Foods for Human Nutrition.2012; 67: 200-7.
Parnell JA, Reimer RA.Prebiotic fibres dose-dependently increase satiety hormones and alter Bacteroidetes and Firmicutes in lean and obese JCR:LA-cp rats.The British Journal of Nutrition.2012; 107: 601-13.
Paturi G, Butts CA, Bentley-Hewitt KL, Ansell J 2014.Influence of green and gold kiwifruit on indices of large bowel function in healthy rats.J Food Sci 79(8): H1611-20.
Pryde SE, Duncan SH, Hold GL, Stewart CS, Flint HJ.The microbiology of butyrate formation in the human colon.FEMS Microbiology Letters.2002; 217: 133-9.
Qin JJ, Li RQ, Raes J, Arumugam M, Burgdorf KS, Manichanh C, et al.A human gut microbial gene catalogue established by metagenomic sequencing.Nature.2010; 464: 59-U70.
R Development Core Team 2008.R: A language and environment for statistical computing.R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria..
RStudio.RStudio: Integrated development environment for R (Version 0.97.551) Computer software.Boston, MA.http://www.rstudio.org/.2012.
Rajilic-Stojanovic M, Biagi E, Heilig HG, Kajander K, Kekkonen RA, Tims S, et al.Global and deep molecular analysis of microbiota signatures in fecal samples from patients with irritable bowel syndrome.Gastroenterology.2011; 141: 1792-801.
Rajilic-Stojanovic M, de Vos WM.The first 1000 cultured species of the human gastrointestinal microbiota.FEMS Microbiology Reviews.2014; 38: 996-1047.
Ramirez-Farias C, Slezak K, Fuller Z, Duncan A, Holtrop G, Louis P 2009.Effect of inulin on the human gut microbiota: stimulation of Bifidobacterium adolescentis and Faecalibacterium prausnitzii.British Journal of Nutrition 101(4): 541-550.
Rawls JF, Mahowald MA, Ley RE, Gordon JI.Reciprocal gut microbiota transplants from zebrafish and mice to germ-free recipients reveal host habitat selection.Cell.2006; 127: 423-33.
Reid G 1999.The scientific basis for probiotic strains ofLactobacillus.Appl Environ Microbiol 65(9): 3763-6.
Rhee SH, Pothoulakis C, and Mayer EA.2009.Principles and clinical implications of the brain-gut-enteric microbiota axis.Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology 6: 306-314.
Richardson AJ, Calder AG, Stewart CS, Smith A. 1989.Simultaneous determination of volatile and non-volatile acidic fermentation products of anaerobes by capillary gas-chromatography.Lett.Appl.Microbiol.9: 5-8.
Rigottier-Gois L. 2013.Dysbiosis in inflammatory bowel diseases: the oxygen hypothesis.The ISME Journal 7: 1256-1261.
Rinttila T, Kassinen A, Malinen E, Krogius L, Palva A 2004.Development of an extensive set of 16S rDNA-targeted primers for quantification of pathogenic and indigenous bacteria in faecal samples by real-time PCR.Journal of Applied Microbiology 97(6): 1166-1177.
Rosendale DI, Maddox IS, Miles MC, Rodier M, Skinner M, Sutherland J. 2008.High-throughput microbial bioassays to screen potential New Zealand functional food ingredients intended to manage the growth of probiotic and pathogenic gut bacteria.International Journal of Food Science and Technology, 43(12): 2257-2267.
Rumah KR, Linden J, Fischetti VA, Vartanian T 2013.Isolation of Clostridium perfringens type B in an individual at first clinical presentation of multiple sclerosis provides clues for environmental triggers of the disease.PloS One 8(10): e76359.
Rush EC, Patel M, Plank LD, Ferguson LR.2002.Kiwifruit promotes laxation in the elderly.Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition 11(2): 164-168.
Sanchez B, Champomier-Verges MC, Collado Mdel C, Anglade P, Baraige F, Sanz Y, et al.Low-pH adaptation and the acid tolerance response of Bifidobacterium longum biotype longum.Appl.Environ.Microbiol.2007; 73: 6450-9.
Sartor RB.Efficacy of probiotics for the management of inflammatory bowel disease.Gastroenterology & Hepatology.2011; 7: 606-8.
Saulnier DM, Spinler JK, Gibson GR, Versalovic J. Mechanisms of probiosis and prebiosis: considerations for enhanced functional foods.Curr.Opin.Biotechnol.2009; 20: 135-41.
Savino F, Pelle E, Palumeri E, Oggero R, Miniero R 2007.Lactobacillus reuteri (American Type Culture Collection Strain 55730) versus simethicone in the treatment of infantile colic: a prospective randomized study.Pediatrics 119(1): e124-30.
Scheperjans F, Aho V, Pereira PA, Koskinen K, Paulin L, Pekkonen E, Haapaniemi E, Kaakkola S, Eerola-Rautio J, Pohja M, Kinnunen E, Murros K, Auvinen P 2014.Gut microbiota are related to Parkinson's disease and clinical phenotype.Movement Disorders.
Schloss PD, Schubert AM, Zackular JP, Iverson KD, Young VB, Petrosino JF.Stabilization of the murine gut microbiome following weaning.Gut Microbes.2012; 3: 383-93.
Seeram N. Associate Professor of Bioactive Botanical Research Laboratory, University of Rhode Island.Digestive Health Forum, NutraIngredients-USA, 25 September 2014.
Singleton, Vernon L, Orthofer, Rudolf, Lamuela-Raventos, Rosa M. 1999.Analysis of total phenols and other oxidation substrates and antioxidants by means of folin-ciocalteu reagent 299: 152.
Skinner MA.2012.Wellness foods based on the health benefits of fruit: gold kiwifruit for immune support and reducing symptoms of colds and influenza.Journal of Food and Drug Analysis 20(1): 261-264.
Sokol H, Pigneur B, Watterlot L, Lakhdari O, Bermudez-Humaran LG, Gratadoux JJ, et al.Faecalibacterium prausnitzii is an anti-inflammatory commensal bacterium identified by gut microbiota analysis of Crohn disease patients.Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2008; 105: 16731-6.
Sokol H, Seksik P, Furet JP, Firmesse O, Nion-Larmurier I, Beaugerie L, et al.Low counts of Faecalibacterium prausnitzii in colitis microbiota.Inflammatory Bowel Diseases.2009; 15: 1183-9.
Stonehouse W, Gammon CS, Beck KL, Conlon CA, Von Hurst PR, Kruger R. 2012.Kiwifruit: our daily prescription for health.Canadian Journal of Physiology and Pharmacology 91(6): 442-447.
D Sun-Waterhouse, I Wen, R Wibisono, LD Melton, S Wadhwa.2009.Evaluation of the extraction efficiency for polyphenol extracts from by‐products of green kiwifruit juicing.International Journal of Food Science & Technology.44(12): 2644-2652.
Taras D, Simmering R, Collins MD, Lawson PA, Blaut M. Reclassification of Eubacterium formicigenerans Holdeman and Moore 1974 as Dorea formicigenerans gen. nov., comb. nov., and description of Dorea longicatena sp. nov., isolated from human faeces.International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology.2002; 52: 423-8.
Timm D, Willis H, Thomas W, Sanders L, Boileau T, Slavin J. The use of a wireless motility device (SmartPill(R)) for the measurement of gastrointestinal transit time after a dietary fibre intervention.The British Journal of Nutrition.2011; 105: 1337-42.
Tuohy KM, Kolida S, Lustenberger AM, Gibson GR.The prebiotic effects of biscuits containing partially hydrolysed guar gum and fructo-oligosaccharides--a human volunteer study.The British Journal of Nutrition.2001; 86: 341-8.
Turnbaugh PJ, Baeckhed F, Fulton L, Gordon JI 2008.Diet-induced obesity is linked to marked but reversible alterations in the mouse distal gut microbiome.Cell Host & Microbe 3(4): 213-223.
Udani J, Bloom D. 2013.Effects of kivia powder on Gut health in patients with occasional constipation: a randomized, double-blind, placebo-controlled study.Nutrition Journal 12(1): 78.
Vaahtovuo J, Munukka E, Korkeamaki M, Luukkainen R, Toivanen P 2008.Fecal microbiota in early rheumatoid arthritis.Journal of Rheumatology 35(8): 1500-5.
Vogt JA, Pencharz PB, Wolever TMS.L-Rhamnose increases serum propionate in humans.American Journal of Clinical Nutrition.2004; 80: 89-94.
Walker AW, Duncan SH, McWilliam Leitch EC, Child MW, Flint HJ. pH and peptide supply can radically alter bacterial populations and short-chain fatty acid ratios within microbial communities from the human colon.Appl.Environ.Microbiol.2005; 71: 3692-700.
Walker AW, Duncan SH, Harmsen HJ, Holtrop G, Welling GW, Flint HJ 2008.The species composition of the human intestinal microbiota differs between particle-associated and liquid phase communities.Environ Microbiol 10(12): 3275-83.
Walker AW, Ince J, Duncan SH, Webster LM, Holtrop G, Ze X, et al.Dominant and diet-responsive groups of bacteria within the human colonic microbiota.ISME Journal.2011; 5: 220-30.
Wang L, Christophersen CT, Sorich MJ, Gerber JP, Angley MT, Conlon MA 2011.Low relative abundances of the mucolytic bacterium Akkermansia muciniphila and Bifidobacterium spp. in feces of children with autism.Applied and Environmental Microbiology 77(18): 6718-21.
Wang T, Cai G, Qiu Y, Fei N, Zhang M, Pang X, Jia W, Cai S, Zhao L 2012.Structural segregation of gut microbiota between colorectal cancer patients and healthy volunteers.ISME Journal 6(2): 320-9.
Wang Q, Garrity GM, Tiedje JM, Cole JR.Naive Bayesian classifier for rapid assignment of rRNA sequences into the new bacterial taxonomy.Appl.Environ.Microbiol.2007; 73: 5261-7.
Williams BL, Hornig M, Parekh T, Lipkin WI 2012.Application of novel PCR-based methods for detection, quantitation, and phylogenetic characterization of Sutterella species in intestinal biopsy samples from children with autism and gastrointestinal disturbances. mBio 3(1).
Willing BP, Dicksved J, Halfvarson J, Andersson AF, Lucio M, Zheng Z, et al.A pyrosequencing study in twins shows that gastrointestinal microbial profiles vary with inflammatory bowel disease phenotypes.Gastroenterology.2010; 139: 1844-54 e1.
Wong JMW, de Souza R, Kendall CWC, Emam A, Jenkins DJA.Colonic health: Fermentation and short chain fatty acids.Journal of Clinical Gastroenterology.2006; 40: 235-43.
Wu GD, Chen J, Hoffmann C, Bittinger K, Chen YY, Keilbaugh SA, et al.Linking long-term dietary patterns with gut microbial enterotypes.Science.2011; 334: 105-8.
Wu X, Ma C, Han L, Nawaz M, Gao F, Zhang X, Yu P, Zhao C, Li L, Zhou A, Wang J, Moore JE, Millar BC, Xu J 2010.Molecular characterisation of the faecal microbiota in patients with type II diabetes.Current Microbiology 61(1): 69-78.
Ze X, Duncan SH, Louis P, Flint HJ.Ruminococcus bromii is a keystone species for the degradation of resistant starch in the human colon.ISME Journal.2012; 6: 1535-43.
Zoppi G, Cinquetti M, Luciano A, Benini A, Miner A, and Bertazzoni ME.1998.The intestinal ecosystem in chronic functional constipation.Acta Paediatrica 87: 836-841.
【配列表】