(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ブレード用給水装置
(51)【国際特許分類】
E01C 23/09 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
E01C23/09 A
(21)【出願番号】P 2024506456
(86)(22)【出願日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 JP2023036506
【審査請求日】2024-02-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175386
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107375
【氏名又は名称】武田 明広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 禎久
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康太
(72)【発明者】
【氏名】藁科 智也
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6120197(JP,B1)
【文献】特開2022-062420(JP,A)
【文献】特開2002-256515(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111005298(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 23/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードシャフトに固定されたブレードを回転させて対象物の切断又は切削を行う装置に適用され、ブレードに冷却水を供給するブレード用給水装置であって、
ブレードシャフトの外周面の外側を取り囲み、ブレードシャフトの外周面との間に円環状の圧力室を形成する加圧ケースを有し、
インペラが、圧力室内において、ブレードシャフトの外周面に対して固定され、又は、ブレードシャフトと一体的に形成され、
圧力室内の半径方向内側の領域が、圧力室に冷却水を供給する上流側の供給路と連通するように構成され、
圧力室内の半径方向外側の領域が、ブレードに冷却水を供給する下流側の供給路と連通するように構成され、
圧力室内においてインペラが回転することにより、圧力室内の半径方向内側の領域における圧力が低下して、上流側の供給路から圧力室内に冷却水が連続的に流入するとともに、圧力室内の半径方向外側の領域における圧力が上昇して、圧力室内から下流側の供給路へ冷却水が連続的に流出するように構成されていることを特徴とするブレード用給水装置。
【請求項2】
一端が圧力室において開口し、圧力室の内周面の接線方向に延在する接線方向流路が圧力室に接続され、
冷却水が、圧力室内の半径方向外側の領域から、接線方向流路を通って、下流側の供給路へ流出するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレード用給水装置。
【請求項3】
インペラが複数枚の羽根を有し、
各羽根は、回転方向前方側の前端部が、回転方向後方側の後端部よりも、半径方向内側に位置するように形成され、回転時において、回転方向の前方の流体を半径方向外側へ移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレード用給水装置。
【請求項4】
ブレードシャフトが、長手方向へ間隔を置いて配置された二つのベアリングによって回転可能なように支持され、
加圧ケースが、それらのベアリングの間の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレード用給水装置。
【請求項5】
圧力室内に存在し得る空気を逃がすための空気抜き孔が、圧力室内の半径方向内側の領域と上流側の供給路とが連通する位置よりも高い位置に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレード用給水装置。
【請求項6】
ブレードシャフトが貫通する送水室が加圧ケース内に形成され、
接線方向流路を含む接続流路を介して圧力室と送水室とが接続され、
ブレードシャフトの中心軸線に沿って延在する中央水路と、送水室内のブレードシャフトの外周面において一端が開口し、他端が中央水路まで達する第一半径方向水路と、ブレード固定手段の半径方向内側のブレードシャフトの外周面において一端が開口し、他端が中央水路まで達する第二半径方向水路とが、ブレードシャフトの内部に形成され、
ブレード固定手段とブレードとの間、又は、ブレード固定手段の内部に、ブレードシャフトの外周面からブレード固定手段の外周面まで連通するフランジ流路が形成され、
圧力室内においてインペラが回転することによって、圧力室内から流出した冷却水が、接続流路、送水室、第一半径方向水路、中央水路、第二半径方向水路、及び、フランジ流路を通って、ブレードに供給されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のブレード用給水装置。
【請求項7】
ブレードシャフトが貫通する導入室が加圧ケース内に形成され、
導入室が、冷却水を供給する給水タンクと接続されるとともに、圧力室内の半径方向内側の領域と連通するように構成され、給水タンクから供給される冷却水が、導入室から圧力室内の半径方向内側の領域に流入するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブレード用給水装置。
【請求項8】
ブレードシャフトを挿通させる開口部を有する隔壁が、加圧ケース内の圧力室と導入室の間に形成され、
隔壁の開口部の内径が、ブレードシャフトの外径よりも大きい寸法に設定され、開口部とブレードシャフトとの間の隙間によって、圧力室内の半径方向内側の領域と導入室とが連通するように構成されていることを特徴とする、請求項7に記載のブレード用給水装置。
【請求項9】
インペラが複数枚の羽根を有し、
羽根の先端部と隔壁の間隔寸法が、1.5mm以下に設定されていることを特徴とする、請求項7に記載のブレード用給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト舗装、コンクリート、石材、金属材等の切断又は切削に用いられるブレードに冷却水を供給するための装置に関し、特に、道路の補修作業や撤去作業等に用いられるコンクリートカッター(道路のアスファルト舗装面やコンクリート表面を切断又は切削する装置)等のように、ブレードを高速回転させて使用する作業機に対して適用することができるブレード用給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の補修作業や撤去作業等に用いられるコンクリートカッターには、ブレード用給水装置を付帯し、ブレードの左右両面に冷却水を供給できるように構成されたもの(湿式コンクリートカッター等と称される)が知られている。湿式コンクリートカッターは、切削作業時においてブレードのディスク及びチップを冷却することができ、また、粉塵の飛散を防止することができる。
【0003】
従来の湿式コンクリートカッターにおいては、給水方式として、ブレードの近傍位置(例えばブレードカバーの内部)に複数のノズルを配置し、これらのノズルと給水タンクとをホースによって接続し、冷却水をブレードの左右両面に向かってそれぞれ噴射する方式が採用されている。また、ブレードシャフトの内部に水路を設け、ブレードシャフトの一方側の端部と給水タンクとを接続し、冷却水を、当該端部からブレードシャフト内部の水路を介して反対側の端部へ送出し、ブレード及びブレード固定手段の半径方向内側の位置からブレードの両面に供給する方式(例えば特許文献1)なども採用されている。
【0004】
従来の湿式コンクリートカッターにおいては、冷却水を、給水タンクからブレード近傍位置まで、重力によって送出する方式(重力給水方式)が採用されていることが多い。この場合、給水タンクを、ノズルやブレードシャフト内部の水路よりも高い位置に設置する必要がある。尚、重力給水方式が採用されていないコンクリートカッターを使用する場合や、重力による給水を実施できない事情がある場合には、給水ポンプを用意して、切削作業と同時に給水作業を行うという方法が実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6120197号公報
【文献】特開2022-062420号公報
【文献】実開昭55-004114号公報
【文献】実開昭55-004113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
重力給水方式を採用した湿式コンクリートカッターを用いて切削作業を行う場合、給水タンク内の水位の低下に伴って、供給圧力及び流量が低下してしまうという問題がある。例えば、給水タンク内の冷却水の残量が僅かになると、ノズルから冷却水を噴射させるために必要な圧力と流量、或いは、ブレードシャフト内部の水路を介して冷却水を送出し、ブレード及びブレード固定手段の半径方向内側の位置からブレードに供給するために必要な圧力と流量が得られなくなり、冷却水がブレードまで届かないという事態が発生する可能性がある。この場合、ブレードを適切に冷却することができず、ブレードの劣化、短命化の原因となり、また、粉塵の飛散を抑制することができない。
【0007】
このため、冷却水の適正な供給に必要な圧力と流量を維持するために、切削作業と並行して、或いは、切削作業を中断して、給水タンク内へ水を追加補給するための作業が必要となる。
【0008】
また、給水ポンプを使用して、切削作業と同時に給水作業を行う場合、給水ポンプを稼働させるための動力源(電池、商用電源、又は、エンジン発電機等)を別途確保する必要があり、非常に煩わしいほか、余計なコストがかかるという問題がある。更に、コンクリートカッターの操作と、給水ポンプの操作を同時に実行する必要があり、これらを一人の作業員のみで実行することは難しいという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来技術における問題を解決しようとするものであって、給水タンクからブレードへ十分な量の冷却水を連続的に供給でき、切削作業時において、給水作業を確実かつ円滑に実行することができるブレード用給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るブレード用給水装置は、ブレードシャフトに固定されたブレードを回転させて対象物の切断又は切削を行う装置に適用することができるものであり、ブレードシャフトの外周面の外側を取り囲み、ブレードシャフトの外周面との間に円環状の圧力室を形成する加圧ケースを有し、インペラが、圧力室内において、ブレードシャフトの外周面に対して固定され、又は、ブレードシャフトと一体的に形成され、圧力室内の半径方向内側の領域が、圧力室に冷却水を供給する上流側の供給路と連通するように構成され、圧力室内の半径方向外側の領域が、ブレードに冷却水を供給する下流側の供給路と連通するように構成され、圧力室内においてインペラが回転することにより、圧力室内の半径方向内側の領域における圧力が低下して、上流側の供給路から圧力室内に冷却水が連続的に流入するとともに、圧力室内の半径方向外側の領域における圧力が上昇して、圧力室内から下流側の供給路へ冷却水が連続的に流出するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
尚、このブレード用給水装置においては、一端が圧力室において開口し、圧力室の内周面の接線方向に延在する接線方向流路が圧力室に接続され、冷却水が、圧力室内の半径方向外側の領域から、接線方向流路を通って、下流側の供給路へ流出するように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、インペラが複数枚の羽根を有し、各羽根は、回転方向前方側の前端部が、回転方向後方側の後端部よりも、半径方向内側に位置するように形成され、回転時において、回転方向の前方の流体を半径方向外側へ移動させるように構成されていることが好ましい。また、ブレードシャフトが、長手方向へ間隔を置いて配置された二つのベアリングによって回転可能なように支持され、加圧ケースが、それらのベアリングの間の位置に配置されていることが好ましい。
【0013】
更に、圧力室内に存在し得る空気を逃がすための空気抜き孔が、圧力室内の半径方向内側の領域と上流側の供給路とが連通する位置よりも高い位置に形成されていることが好ましい。
【0014】
また、ブレードシャフトが貫通する送水室が加圧ケース内に形成され、接線方向流路を含む接続流路を介して圧力室と送水室とが接続され、ブレードシャフトの中心軸線に沿って延在する中央水路と、送水室内のブレードシャフトの外周面において一端が開口し、他端が中央水路まで達する第一半径方向水路と、ブレード固定手段の半径方向内側のブレードシャフトの外周面において一端が開口し、他端が中央水路まで達する第二半径方向水路とが、ブレードシャフトの内部に形成され、ブレード固定手段とブレードとの間、又は、ブレード固定手段の内部に、ブレードシャフトの外周面からブレード固定手段の外周面まで連通するフランジ流路が形成され、圧力室内においてインペラが回転することによって、圧力室内から流出した冷却水が、接続流路、送水室、第一半径方向水路、中央水路、第二半径方向水路、及び、フランジ流路を通って、ブレードに供給されるように構成されていることが好ましい。
【0015】
更に、ブレードシャフトが貫通する導入室が加圧ケース内に形成され、導入室が、冷却水を供給する給水タンクと接続されるとともに、圧力室内の半径方向内側の領域と連通するように構成され、給水タンクから供給される冷却水が、導入室から圧力室内の半径方向内側の領域に流入するように構成されていることが好ましい。
【0016】
また、ブレードシャフトを挿通させる開口部を有する隔壁が、加圧ケース内の圧力室と導入室の間に形成され、隔壁の開口部の内径が、ブレードシャフトの外径よりも大きい寸法に設定され、開口部とブレードシャフトとの間の隙間によって、圧力室内の半径方向内側の領域と導入室とが連通するように構成されていることが好ましい。
【0017】
更に、インペラが複数枚の羽根を有し、羽根の先端部と隔壁の間隔寸法が、1.5mm以下に設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るブレード用給水装置は、冷却水を重力によって送出する従来の給水装置と比較して、より大きな供給圧力及び流量を得ることができる。また、給水タンク内の水位(水の残量)とは無関係に、十分な量の冷却水を連続的に送出してブレードに供給することができる。また、給水タンクを高い位置に設置する必要はなく、ブレードシャフトよりも低い位置に配置することも可能である。このため、給水タンクの取付位置に関し、設計の自由度が大きくなるという効果を期待できる。
【0019】
更に、ブレードに供給される冷却水の量は、インペラの回転数に比例するため、切削作業時において動力源(エンジン等)の出力を上げて、ブレードシャフト及びインペラを高速で回転させると、大量の(ブレードの冷却及び粉塵の飛散防止のために十分な量の)冷却水が適切に供給され、反対に、アイドリング時には、供給される水量が減少し、自動的に節水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明に係るブレード用給水装置1の水平断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すIII-III線に沿った給水装置1の垂直断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すIV-IV線に沿った加圧ケース4の断面斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1に示すブレードシャフト2の先端部及びブレード固定手段3の拡大断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すブレード固定手段3の外側フランジ32の斜視図である。
【
図8】
図8は、
図2に示す加圧ケース4の他の構成例を示す垂直断面図である。
【
図9】
図9は、
図2に示す加圧ケース4の他の構成例を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に沿って本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るブレード用給水装置1(道路のアスファルト舗装面やコンクリート表面を切断又は切削するコンクリートカッターに適用した例)の水平断面図である。この給水装置1は、図示されるように、基本的には、ブレードシャフト2と、ブレード固定手段3と、加圧ケース4とによって構成されている。尚、
図1には、ブレードシャフト2の中心軸線の高さ位置における各要素の水平断面が示されている。
【0022】
図1に示すように、ブレードシャフト2は、長手方向へ間隔を置いて配置された二つのベアリング5によって、回転可能なように支持されている。ブレードシャフト2は、図示しない原動機(エンジン、電動モータ等)から伝達される駆動力を受けて、高速で回転するように構成されている。
【0023】
ブレードシャフト2の内部には、中心軸線に沿って延在する中央水路21が形成されている。また、ブレードシャフト2の内部には、半径方向に延在する半径方向水路22(第一半径方向水路22a、第二半径方向水路22b)が形成されている。半径方向水路22は、一端がブレードシャフト2の外周面において開口し、他端が中央水路21まで達している。従って、ブレードシャフト2の内部に形成された中央水路21は、半径方向水路22を介してブレードシャフト2の外部空間と連通している。
【0024】
ブレードシャフト2の先端には、ブレード6を固定するための手段(ブレード固定手段3)が取り付けられている。ブレード固定手段3は、基本的には、内側フランジ31と外側フランジ32とによって構成されている。内側フランジ31は、ブレードシャフト2に対して固定されている。一方、外側フランジ32は、内側フランジ31とナット7との間に挟持される構造となっている。そして、
図1に示すように、内側フランジ31と外側フランジ32の間にブレード6を挟み込んだ状態で、ブレードシャフト2の先端にナット7を取り付けて締めつけることにより、ブレードシャフト2に対してブレード6を固定することができる。
【0025】
ブレードシャフト2の中間部(二つのベアリング5の間の位置)には、ブレードシャフト2の外周面の外側を取り囲み、ブレードシャフト2の外周面との間に円環状の小室(圧力室等)を形成する加圧ケース4が配置されている。この加圧ケース4の内部には、断面が円形状の空洞部41が形成されており、ブレードシャフト2は、この空洞部41の中に同軸的に挿通されている。また、ブレードシャフト2には、インペラ8が装着されている。
【0026】
図2は、
図1に示す加圧ケース4の拡大断面図である。図示されているように、加圧ケース4の空洞部41の内部には、隔壁42が形成されている。この隔壁42の中央には、円形の開口部42aが形成されている。この開口部42aの内径は、挿通されるブレードシャフト2の外径寸法よりも大きい寸法に設定されている。本実施形態においては、開口部42aの内径寸法は32mm、ブレードシャフト2の外形寸法は28mmに設定されている。そして、この円形の開口部42aは、ブレードシャフト2と同心であるため、ブレードシャフト2を空洞部41内に挿通すると、開口部42aとブレードシャフト2との間に一定(2mm)の隙間Cが全周的に形成される。
【0027】
空洞部41には、リング状の軸封部材43(第一軸封部材43a、第二軸封部材43b、第三軸封部材43c)が配置されている。これらの軸封部材43は、いずれも接触型であり、内周側のリップ部がブレードシャフト2とそれぞれ接触し、外周部が空洞部41の内周面にそれぞれ密着する状態で取り付けられている。
【0028】
第一軸封部材43aは、空洞部41の一方側の端部(
図2において左側の端部、
図1に示すブレード6側の端部)に装着されている。第二軸封部材43bは、その反対側の端部(
図2において右側の端部)に装着されている。第三軸封部材43cは、第一軸封部材43aと隔壁42の間の位置に装着されている。
【0029】
このように加圧ケース4は、空洞部41の両端の開口部分(空洞部41の内周面とブレードシャフト2の外周面との間)が、第一軸封部材43a及び第二軸封部材43bによって閉鎖されている。そして、軸封部材43a~43c、及び、隔壁42によって、空洞部41内が三つの小室に仕切られる構造となっている。より詳細には、空洞部41は、第二軸封部材43bと隔壁42との間の導入室44と、隔壁42と第三軸封部材43cとの間の圧力室45と、第三軸封部材43cと第一軸封部材43aとの間の送水室46とに仕切られている。
【0030】
図3は、
図2に示すIII-III線に沿った給水装置1の垂直断面図である。また、
図4は、
図3に示すIV-IV線に沿った加圧ケース4の断面斜視図である。これらの図に示すように、加圧ケース4の内部には、接続流路47が形成されている。この接続流路47は、圧力室45と送水室46とを接続して連通させるためのものである。本実施形態においては、接続流路47は、
図4に示すように、主流路47a、接線方向流路47b、及び、連絡流路47cによって構成されている。
【0031】
主流路47aは、空洞部41の半径方向外側において、導入室44の側方(ブレードシャフト2の中心軸線と直交する方向)の位置から、送水室46の側方の位置まで、ブレードシャフト2(
図1~
図3参照)の中心軸線と平行な方向に延在している。
【0032】
接線方向流路47bは、
図3に示すように、空洞部41(圧力室45)の内周面の接線方向に延在し、一端が圧力室45において開口し、他端が主流路47aにおいて開口している。従って、圧力室45と主流路47aは、接線方向流路47bによって連通している。連絡流路47cは、
図4に示すように、一端が主流路47aにおいて開口し、他端が送水室46において開口している。従って、主流路47aと送水室46は、連絡流路47cによって連通している。
【0033】
図4に示すように、加圧ケース4の内部には、導水路48が形成されている。この導水路48は、加圧ケース4の外側から導入室44内に冷却水を導入するためのものである。導水路48は、一端が加圧ケース4の外側面において開口し、他端が導入室44において開口している。導水路48の外側開口部は、ホース又はパイプ等によって給水タンク(図示せず)と接続される。
【0034】
また、
図4に示すように、主流路47aと導入室44との間には、空気抜き孔49が形成されている。この空気抜き孔49は、圧力室45及び接続流路47内に存在し得る空気を導入室44側へ逃がすためのものであり、これにより、給水装置1の始動時等において、圧力室45及び接続流路47内に十分な量の冷却水を流入させることができる。
【0035】
尚、空気抜き孔49は、断面積が、
図2に示す隙間C(隔壁42の開口部42aとブレードシャフト2との間の隙間)、及び、接続流路47の断面積と比較して、はるかに小さく設定されている。
【0036】
図5は、
図1~
図3に示すインペラ8の斜視図である。インペラ8は、基本的には、円筒状(又はリング状)の基部81と、基部81の一方の側面(中心軸線と直交する面)から中心軸線と平行な方向へ突出する複数枚(ここでは四枚)の羽根82とによって構成されている。このインペラ8は、
図3に示すように、圧力室45内において、基部81が、ブレードシャフト2の外周面に対して固定され、ブレードシャフト2とともに所定の方向(
図3及び
図5において反時計回り方向)へ回転するように構成されている。
【0037】
インペラ8の羽根82は、回転時において、羽根82の回転方向の前方の流体を半径方向外側へ移動させる(押し出す)ことができるように構成されている。より詳細には、各羽根82は、
図5に示すように、前端部82a(回転方向前方側の端部)が、後端部82b(回転方向後方側の端部)よりも、半径方向内側に位置するように形成されている。
【0038】
尚、
図2に示すように、インペラ8は、羽根82の軸方向先端部(
図2において右端の部分)が、隔壁42に可能な限り近接した位置となるように配置されている。本実施形態においては、羽根82と隔壁42の間隔寸法は、0.8mmに設定されている(1.5mm以下が好ましい)。
【0039】
ここで、本実施形態に係るブレード用給水装置1の動作態様について説明する。この給水装置1は、図示しない原動機からブレードシャフト2(
図1~
図3参照)に回転駆動力を供給して、ブレードシャフト2及びインペラ8を所定の方向(
図3において反時計回り方向)へ回転させることにより、給水タンク(図示せず)からブレード6の両面へ冷却水を供給するために必要な圧力を生成することができる。
【0040】
この供給圧力は、加圧ケース4内において生成される。但し、加圧ケース4内に十分な量の水が存在していることが必要である。そこで、加圧ケース4内に水が存在していない場合、又は、水量が不十分である場合には、まず、加圧ケース4内に十分な量の水を導入する。具体的には、給水タンク(図示せず)から、導水路48(
図4参照)を介して導入室44へ水を供給する。
【0041】
導入室44と、これに隣接する圧力室45は、隔壁42によって隔てられているが、隔壁42の開口部42aとブレードシャフト2との間には、隙間C(
図2参照)が形成されている。また、
図4に示すように、圧力室45は、接続流路47(主流路47a、接線方向流路47b、及び、連絡流路47c)によって、隣接する送水室46と接続されている。このため、導入室44に十分な量の水を供給すると、水が、隙間Cを通って圧力室45に流入し、更に、接続流路47を通って送水室46に流入する。
【0042】
尚、導入室44内の水位が、隔壁42の開口部42aの最上部42b(
図4参照)よりも高くなったときに、圧力室45、接続流路47、及び、送水室46内の空間のうち、隔壁42の開口部42aの最上部42bよりも上方の空間(以下、単に「圧力室45等の上方空間」と言う)内に存在する空気の逃げ場がない場合、圧力室45及び接続流路47内へ十分な量の水を流入させることが難しくなる。この場合、インペラ8を回転させた際に、エア噛み(エアー・エントレインメント)が生じてしまい、十分な供給圧力及び流量を得ることができない可能性がある。
【0043】
本実施形態においては、上述の通り、接続流路47の主流路47aと導入室44との間に、空気抜き孔49(
図4参照)が形成されており、この空気抜き孔49は、隔壁42の開口部42aの最上部42bよりも十分に高い位置に形成されているため、圧力室45等の上方空間内の空気を導入室44側へ逃がすことができ、圧力室45、接続流路47、及び、送水室46内へ十分な量の水を流入させることができる。その結果、給水装置1の動作時において、エア噛み(エアー・エントレインメント)の問題を好適に回避することができる。
【0044】
加圧ケース4内に十分な量の水が存在している状態、かつ、給水タンク(図示せず)から導入室44への継続的な水の供給が可能な状態で、インペラ8を連続的に回転させると、インペラ8の上流側の圧力が低下し、下流側の圧力が上昇する。その結果、上流側の給水タンクから加圧ケース4内へ水を連続的に流入させることができ、かつ、加圧ケース4から下流側のブレード6へ向かって水を連続的に圧送することができる。
【0045】
より具体的には、インペラ8を回転させると、圧力室45内の水が羽根82(
図3、
図5参照)にかき回されることによって、同方向へ旋回する水流が発生する。旋回する水流には遠心力が作用することになるほか、羽根82の形状(回転方向の前方の流体を半径方向外側へ移動させることができる形状)に基づく作用により、圧力室45内の半径方向外側の領域(圧力室45の内周面に沿った領域)において、圧力が上昇することになる。これとは反対に、圧力室45内の半径方向内側の領域(ブレードシャフト2の外周面に沿った領域)においては、圧力が低下することになる。
【0046】
図3に示すように、圧力室45の内周面には、接線方向流路47bが開口している。この接線方向流路47bは、圧力室45の内周面の接線方向に延在しているため、圧力室45の半径方向外側の領域を旋回する水が、慣性力によって接線方向流路47b内へ連続的に流れ込み、更に、インペラ8の回転によって生成される圧力によって、接線方向流路47bから下流側(主流路47a、連絡流路47c、及び、送水室46等)へ向かって押し出されることになる。
【0047】
一方、圧力室45内の半径方向内側の領域は、隔壁42の開口部42aとブレードシャフト2との間の隙間C(
図2参照)を介して、導入室44(ブレードシャフト2が貫通している)と連通しているため、圧力室45内の半径方向内側の領域における圧力が低下すると、導入室44との間の圧力差により、導入室44から隙間Cを通って圧力室45内へ向かう水流が発生する。
【0048】
尚、インペラ8の羽根82と隔壁42の間隔寸法が大きく設定されている場合、圧力室45内の半径方向外側の領域を旋回する水の一部が、羽根82と隔壁42の間の隙間を通って、半径方向内側の領域へ移動して、インペラ8の回転によって生じる圧力差(圧力室45内の半径方向外側の領域と半径方向内側の領域の間の圧力差、及び、圧力室45内の半径方向内側の領域と導入室44の間の圧力差)が小さくなってしまう可能性がある。
【0049】
本実施形態においては、上述した通り、インペラ8の羽根82と隔壁42の間隔寸法が、極めて小さい値に設定されているため、圧力室45内の半径方向外側の領域から半径方向内側の領域への水の移動を最小限に抑えることができ、インペラ8の回転によって生じる圧力差を好適に維持することができる。
【0050】
このように、本実施形態に係る給水装置1は、圧力室45内においてインペラ8を連続的に回転させることにより、上流側(導入室44等)から圧力室45内へ水を連続的に流入させることができるとともに、圧力室45から下流側(送水室46等)へ向かって水を圧送することができる。
【0051】
圧力室45から押し出された水は、送水室46に流入し、ここからブレードシャフト2の内部に形成された水路を通ってブレード6に供給される。具体的には、
図2に示すように、ブレードシャフト2は、送水室46を貫通するように配置されており、ブレードシャフト2の内部には、中央水路21と、第一半径方向水路22a、及び、第二半径方向水路22b(
図1参照)が形成されている。これらのうち第一半径方向水路22aは、
図2に示すように、一端が送水室46内において開口し、他端が中央水路21まで達している。従って、送水室46に流入した水は、インペラ8の回転によって生成された圧力により、送水室46から第一半径方向水路22a内へ流入する。
【0052】
尚、第一半径方向水路22aは、ブレードシャフト2の内部において半径方向に延在しているため、ブレードシャフト2が回転すると、第一半径方向水路22a内の水には遠心力が作用する。この遠心力は、送水室46から第一半径方向水路22a内へ水を流入させようとする際に(即ち、半径方向外側から内側へ水を移動させようとする際に)抵抗となる。但し、本実施形態の給水装置1においては、適用対象となるコンクリートカッターの通常作業時において、十分に大きな供給圧力を発生させることができ、送水室46から第一半径方向水路22a内へ問題なく水を流入させることができる。
【0053】
例えば、ブレードシャフト2及びインペラ8を、コンクリートカッターの通常作業時の速度(3200~3600rpm)で回転させると、24~28kPaの大きな供給圧力を発生させることができる。このため、第一半径方向水路22a内で作用する遠心力に抗して、送水室46から第一半径方向水路22a内へ問題なく水を流入させることができる。
【0054】
第一半径方向水路22a内に流入した水は、中央水路21を通って、第二半径方向水路22bへと送られ、ここからブレードシャフト2の外側へ流出する。第二半径方向水路22bは、
図6(
図1に示すブレードシャフト2の先端部及びブレード固定手段3の拡大断面図)に示すように、ブレード固定手段3(内側フランジ31、外側フランジ32)、及び、これらによって固定されるブレード6の半径方向内側の位置に形成されている。
【0055】
ブレード固定手段3の外側フランジ32の内側面(ブレード6と接触する側の面)には、
図7(
図6に示すブレード固定手段3の外側フランジ32の斜視図)に示すように、押圧部32a、凹部32b、及び、溝部32cが形成されている。これらのうち、押圧部32aと溝部32cは、外側フランジ32の内側面における半径方向外側の領域に形成され、凹部32bは、半径方向内側の領域(ブレードシャフト2が挿通される貫通孔32dと押圧部32aの間の領域)に形成されている。
【0056】
押圧部32aは、ブレード6の側面に接触し、押圧して、ブレード6を固定する部位であり、中心軸線と直交する同一平面上に位置するように形成されている。一方、凹部32bと溝部32cは、押圧部32aの平面から、外側フランジ32の厚さ方向へ凹んだ形状となっている。従って、外側フランジ32をブレード6の側面に押し付けた場合、押圧部32aのみがブレード6の側面と接触し、凹部32b及び溝部32cが形成されている部位においては、外側フランジ32とブレード6との間に空間(隙間)が形成されることになる。
【0057】
そして、溝部32cは、凹部32bから外側フランジ32の外周面32eまで、半径方向へ放射状に延在するように形成されている。従って、
図6に示すように、ブレードシャフト2にブレード6を装着し、内側フランジ31と外側フランジ32とによってブレード6を挟持して固定すると、外側フランジ32とブレード6との間に、ブレードシャフト2の外周面から、凹部32b、及び、溝部32cを通って、外側フランジ32の外周面32eまで連通する流路(フランジ流路)が形成される。
【0058】
尚、内側フランジ31の内側面にも、
図7に示す押圧部32a、凹部32b、及び、溝部32cと同様の押圧部31a、凹部31b、及び、溝部31cが形成されている(
図6参照)。つまり、内側フランジ31とブレード6との間にも、ブレードシャフト2の外周面から、凹部31b、及び、溝部31cを通って、内側フランジ31の外周面31eまで連通する流路(フランジ流路)が形成される。
【0059】
従って、ブレード固定手段3及びブレード6の半径方向内側の位置でブレードシャフト2から流出した冷却水は、遠心力によって、内側フランジ31及び外側フランジ32の凹部31b,32b、溝部31c,32cを通って半径方向外側へ移動することになり、最終的にブレード6の両面に冷却水が供給される。
【0060】
このように、本実施形態に係る給水装置1は、圧力室45内の半径方向内側の領域が、圧力室45に冷却水を供給する上流側の供給路(導入室44、給水タンク等)と連通するように構成されるとともに、圧力室45内の半径方向外側の領域が、ブレード6に冷却水を供給する下流側の供給路(送水室46、中央水路21等)と連通するように構成され、圧力室45内においてインペラ8を回転させることにより、圧力室45内の半径方向内側の領域における圧力を低下させて、上流側の供給路から圧力室45内に冷却水を連続的に流入させることができ、また、圧力室45内の半径方向外側の領域における圧力を上昇させて、圧力室45内から下流側の供給路へ冷却水を連続的に流出させることができ、その結果、ブレード6の両面に冷却水を適切に供給することができる。
【0061】
本実施形態に係る給水装置1は、冷却水を重力によって送出する従来の給水装置と比較して、より大きな供給圧力及び流量を得ることができる。また、給水タンク内の水位(水の残量)とは無関係に、十分な量の冷却水を連続的に送出してブレード6に供給することができる。また、給水タンクを高い位置に設置する必要はなく、ブレードシャフト2よりも低い位置に配置することも可能である。このため、給水タンクの取付位置に関し、設計の自由度が大きくなるという効果を期待できる。
【0062】
尚、ブレード6に供給される冷却水の量は、インペラ8の回転数に比例する。従って、切削作業時において動力源(エンジン等)の出力を上げて、ブレードシャフト2及びインペラ8を高速で回転させると、大量の(ブレード6の冷却及び粉塵の飛散防止のために十分な量の)冷却水が適切に供給され、反対に、アイドリング時には、供給される水量が減少し、自動的に節水することができる。
【0063】
本実施形態に係る給水装置1は、ブレードシャフト2を駆動させることによって動作するため、専用の動力源を用意する必要がなく、また、給水装置1を動作させた場合に、ブレードシャフト2の動力源(エンジン、電動モータ等)において増加する負荷は極めて小さく、殆ど確認できない程度である。
【0064】
尚、上記実施形態においては、インペラ8は、ブレードシャフト2とは別個に製作され、ブレードシャフト2の外周面に装着されているが、
図5に示すインペラ8の羽根82に相当する要素が、シャフトの外周面の外側に一体的に形成されたものを、ブレードシャフト2として使用することもできる。
【0065】
また、上記実施形態においては、圧力室45等の上方空間内に存在し得る空気を逃がすための空気抜き孔49が、加圧ケース4内の接続流路47と導入室44との間の位置に形成されているが、
図8(加圧ケース4の他の構成例を示す拡大垂直断面図)に示すように、隔壁42の上方の位置(開口部42aの最上部42bよりも高い位置)に、圧力室45と導入室44を連通させる空気抜き孔49を形成してもよい。この場合も、圧力室45等の上方空間内に存在し得る空気を導入室44側へ逃がすことができる。
【0066】
或いは、
図8に示すように、加圧ケース4の外側上面91から圧力室45(又は、接続流路47或いは送水室46)まで貫通する縦孔92を形成し、その上端開口部にホース93(又はパイプ等)の一端を接続し、他端を導入室44(又は、その上流側の要素、例えば、導水路48、或いは、給水タンクと導水路48を接続するホース等)と接続するようにしてもよい。いずれにしても、圧力室45内の半径方向内側の領域と上流側の供給路とが連通する位置(開口部42aの最上部42b)よりも高い位置に、空気抜き孔49又はこれに相当する要素を形成し又は配置することにより、圧力室45等の上方空間内に存在し得る空気を逃がすことができる。
【0067】
又は、
図9に示すように、圧力室45と送水室46を接続する接続流路47のうち、連絡流路47cを、主流路47aの終端部から下方へ向かって延在するように構成するとともに、送水室46の下部(ブレードシャフト2の中心軸線よりも低い位置)において送水室46と連通するように構成することもできる。この場合、切削作業時に動力源(エンジン等)を一旦停止させた場合等において、送水室46から圧力室45へ空気が逆流するという現象、及び、エア噛みの発生を好適に回避することができる。
【0068】
更に、上記実施形態の給水装置1においては、送水室46から、ブレードシャフト2の内部に形成された水路(中央水路21、及び、半径方向水路22)を通って、ブレード6に冷却水が供給されるように構成されているが、ブレード6の外側を覆うように配置されるブレードカバー(図示せず)の内部の位置(好ましくは、ブレードの一方側の面に冷却水を噴射できる位置、及び、ブレードの反対側の面に冷却水を噴射できる位置)にノズルを配置し、これらのノズルと接線方向流路47b(
図3参照)とをホース又はパイプで接続することにより、つまり、ブレードシャフト2の内部ではなく、外部に形成した経路によって、ブレード6に冷却水が供給されるように構成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、ブレードシャフト2の外周面からブレード固定手段3の外周面31e,32eまで連通するフランジ流路(凹部31b,32b、溝部31c,32c)が、内側フランジ31及び外側フランジ32と、ブレード6との間にそれぞれ形成されているが、内側フランジ31及び外側フランジ32の内部にフランジ流路を形成してもよい。
【0070】
尚、上記実施形態の給水装置1は、道路のアスファルト舗装面やコンクリート表面を切断又は切削するコンクリートカッターに適用されているが、本発明の適用対象は、コンクリートカッターには限定されない。つまり、本発明は、ブレードシャフトに固定されたブレードを回転させて対象物の切断又は切削を行う装置であって、ブレードへの冷却水の供給や粉塵の飛散防止が必要又は有効である装置(例えば、金属加工機械等)に対して、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1:給水装置、
2:ブレードシャフト、
3:ブレード固定手段、
4:加圧ケース、
5:ベアリング、
6:ブレード、
7:ナット、
8:インペラ、
21:中央水路、
22:半径方向水路、
22a:第一半径方向水路、
22b:第二半径方向水路、
31:内側フランジ、
31a:押圧部、
31b:凹部、
31c:溝部、
31e:外周面、
32:外側フランジ、
32a:押圧部、
32b:凹部、
32c:溝部、
32d:貫通孔、
32e:外周面、
41:空洞部、
42:隔壁、
42a:開口部、
42b:最上部、
43:軸封部材、
43a:第一軸封部材、
43b:第二軸封部材、
43c:第三軸封部材、
44:導入室、
45:圧力室、
46:送水室、
47:接続流路、
47a:主流路、
47b:接線方向流路、
47c:連絡流路、
48:導水路、
49:空気抜き孔、
81:基部、
82:羽根、
82a:前端部、
82b:後端部、
91:外側上面、
92:縦孔、
93:ホース、
C:隙間
【要約】
給水タンクからブレードへ十分な量の冷却水を連続的に供給でき、切削作業時において、給水作業を確実かつ円滑に実行することができるブレード用給水装置を提供する。
ブレードシャフト2の外周面の外側を取り囲み、圧力室45を形成する加圧ケース4を有し、インペラ8が、圧力室45内において、ブレードシャフト2の外周面に対して固定され、圧力室45内の半径方向内側の領域が、圧力室45に冷却水を供給する上流側の供給路(導入室44、給水タンク等)と連通するように構成され、圧力室45内の半径方向外側の領域が、ブレード6に冷却水を供給する下流側の供給路(送水室46、中央水路21等)と連通するように構成したことを特徴とする。