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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】オーバーキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/10 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
B65D43/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020143907
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022039082
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】川西 正人
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-011123(JP,A)
【文献】登録実用新案第3036762(JP,U)
【文献】特開2016-101946(JP,A)
【文献】特開2018-020820(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109051281(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を備えた容器本体と、前記容器本体に装着されて前記口部を覆うオーバーキャップと、を有するオーバーキャップ付き容器であって、
前記オーバーキャップの周壁の下端に設けられた波形状の合わせ面と、
前記容器本体に設けられ、前記合わせ面に対応した波形状に形成されて前記合わせ面に当接する当接面と、
前記容器本体の外周面及び前記オーバーキャップの内周面の何れか一方に設けられた係止用突起と、
前記容器本体の外周面及び前記オーバーキャップの内周面の何れか他方に設けられ、前記係止用突起にアンダーカット係合して前記オーバーキャップを前記容器本体に保持する係止用リブと、を有し、
前記係止用リブが、下側に向けて凸の円弧状となる湾曲部と、それぞれ前記湾曲部の上方側を向く端部に一体に連なる一対の側辺部とを有して前記係止用突起を囲うU字状部分を有する形状であることを特徴とするオーバーキャップ付き容器。
【請求項2】
それぞれ前記容器本体の外周面及び前記オーバーキャップの内周面の何れか他方に、互いに前記係止用突起を内側に配置可能な間隔を空けて前記湾曲部に連なるとともに、前記オーバーキャップの軸線方向に沿って前記湾曲部に対して一対の前記側辺部とは反対側に向けて延びる一対のガイドリブが設けられている、請求項1に記載のオーバーキャップ付き容器。
【請求項3】
前記容器本体が、上端に前記口部が設けられた小径部と、前記小径部の下端に前記当接面を介して連なる前記小径部よりも大径の大径部とを有する、請求項1または2に記載のオーバーキャップ付き容器。
【請求項4】
前記口部に、内容物を吐出する吐出具が装着され、
前記オーバーキャップが前記吐出具を覆っている、請求項1~3の何れか1項に記載のオーバーキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口部を備えた容器本体と、容器本体に装着されて口部を覆うオーバーキャップと、を有するオーバーキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば化粧液等の内容物を収容する容器は、内容物を収納する容器本体の口部に、ノズルヘッドの押し下げによりポンプを作動させてノズルヘッドに設けられた吐出口から内容物を吐出することができるポンプ付きの吐出具や、口部を開閉可能なキャップ等が装着されて使用されるのが一般的である。
【0003】
このような容器として、従来、持ち運びの際などに吐出具が誤操作されるなどして内容物が漏出することを防止するために、容器本体に口部を覆うオーバーキャップを着脱自在に装着した構成のオーバーキャップ付き容器が知られている。
【0004】
例えば特許文献1には、口部に吐出具が装着された容器本体に、口部及び吐出具を覆うオーバーキャップが装着されるとともに、容器本体の外周面に設けた係止用突起に、オーバーキャップの内周面に設けた係止用リブをアンダーカット係合させてオーバーキャップを容器本体に保持するようにした構成のオーバーキャップ付き容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-011123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来のオーバーキャップ付き容器では、その外観を統一感のあるものとしてデザイン性を高めるために、オーバーキャップを容器本体に装着した状態において、オーバーキャップの周壁の下端に設けた合わせ面を容器本体に設けた当接面に全周に亘って当接させる構成としている。
【0007】
ここで、上記従来のオーバーキャップ付き容器では、合わせ面及び当接面は、それぞれオーバーキャップの軸線に垂直な平面に沿った真っ直ぐな形状となっているが、よりデザイン性を高めるために、合わせ面及び当接面を波形状とすることが考えられる。
【0008】
しかし、合わせ面及び当接面を波形状とした場合では、オーバーキャップを容器本体に装着する際、合わせ面の波形状が当接面の波形状に対して周方向にずれて、係止用リブが係止用突起にアンダーカット係合し難くなるという問題点があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、オーバーキャップの合わせ面及び容器本体の当接面が波形状であっても係止用リブを係止用突起に良好にアンダーカット係合させることが可能なオーバーキャップ付き容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のオーバーキャップ付き容器は、口部を備えた容器本体と、前記容器本体に装着されて前記口部を覆うオーバーキャップと、を有するオーバーキャップ付き容器であって、前記オーバーキャップの周壁の下端に設けられた波形状の合わせ面と、前記容器本体に設けられ、前記合わせ面に対応した波形状に形成されて前記合わせ面に当接する当接面と、前記容器本体の外周面及び前記オーバーキャップの内周面の何れか一方に設けられた係止用突起と、前記容器本体の外周面及び前記オーバーキャップの内周面の何れか他方に設けられ、前記係止用突起にアンダーカット係合して前記オーバーキャップを前記容器本体に保持する係止用リブと、を有し、前記係止用リブが、下側に向けて凸の円弧状となる湾曲部と、それぞれ前記湾曲部の上方側を向く端部に一体に連なる一対の側辺部とを有して前記係止用突起を囲うU字状部分を有する形状であることを特徴とする。
【0011】
本発明のオーバーキャップ付き容器は、上記構成において、それぞれ前記容器本体の外周面及び前記オーバーキャップの内周面の何れか他方に、互いに前記係止用突起を内側に配置可能な間隔を空けて前記湾曲部に連なるとともに、前記オーバーキャップの軸線方向に沿って前記湾曲部に対して一対の前記側辺部とは反対側に向けて延びる一対のガイドリブが設けられているのが好ましい。
【0012】
本発明のオーバーキャップ付き容器は、上記構成において、前記容器本体が、上端に前記口部が設けられた小径部と、前記小径部の下端に前記当接面を介して連なる前記小径部よりも大径の大径部とを有するのが好ましい。
【0013】
本発明のオーバーキャップ付き容器は、上記構成において、前記口部に、内容物を吐出する吐出具が装着され、前記オーバーキャップが前記吐出具を覆っているのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オーバーキャップの合わせ面及び容器本体の当接面が波形状であっても係止用リブを係止用突起に良好にアンダーカット係合させることが可能なオーバーキャップ付き容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態に係るオーバーキャップ付き容器の半断面図である。
図2図1に示すオーバーキャップの半断面図である。
図3図2におけるA-A線に沿う断面図である。
図4図2に示す係止用リブの拡大図である。
図5】係止用突起と係止用リブとの係合部分の拡大断面図である。
図6】係止用リブが係止用突起に周方向にずれた位置から係合する様子を示す説明図である。
図7】変形例の係止用リブの拡大図である。
図8】変形例の係止用リブが係止用突起に係合する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施の形態に係るオーバーキャップ付き容器1の構成について詳細に例示説明する。
【0017】
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、図1に示すようオーバーキャップ付き容器1を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、径方向は、オーバーキャップ付き容器1の軸線Oに直交する方向を意味するものとする。
【0018】
オーバーキャップ付き容器1は、例えば化粧液等の液状の内容物を収容する用途に用いることができるものであり、図1に示すように、容器本体10、吐出具としてのポンプ付きキャップ20及びオーバーキャップ30を有している。
【0019】
容器本体10は、合成樹脂製のブロー成形品であり、円筒状の口部11と、口部11の下端に一体に連なる有底円筒状の胴部12とを備えたボトル形状となっている。口部11の外周面には、ポンプ付きキャップ20を装着するための雄ねじ11aが一体に設けられている。
【0020】
胴部12は、上端に口部11が設けられた小径部12aと、小径部12aの下端に段差状の当接面12bを介して連なる大径部12cとを有している。大径部12cは小径部12aよりも大径となっており、小径部12aと大径部12cとの間の段差面部分が当接面12bとなっている。
【0021】
本実施の形態では、容器本体10は、小径部12a及び大径部12cの内側に、口部11に一体に連なるとともに内部が内容物の収納空間Sとなる内袋体13が配置された二重容器に構成されている。口部11と小径部12aとの間には外気導入孔14が設けられており、容器本体10は、収納空間Sに収納された内容物が減少すると、小径部12aと大径部12cの形状を維持しつつ内袋体13のみを減容変形させて内容物を外気と置換することなく吐出することができるようになっている。
【0022】
容器本体10は、上記構成の二重容器に限らず、口部11を有していれば、他の構成のものとすることもできる。
【0023】
吐出具としてのポンプ付きキャップ20は、装着筒部21が雄ねじ11aにねじ結合することで口部11に装着されている。装着筒部21と口部11の上端との間にはポンプ機構部22が保持されており、ポンプ機構部22から上方に突出して設けられたステム23の上端にはノズルヘッド24が取り付けられている。ノズルヘッド24は径方向外側に向けて突出する横向きのノズル24aを備えており、ノズル24aはステム23を介してポンプ機構部22に接続されている。ノズルヘッド24は押下げ操作可能となっており、ノズルヘッド24が押下げ操作されると、ポンプ機構部22が作動して、収納空間Sに収納されている内容物がノズル24aから外部に吐出される。
【0024】
なお、口部11に装着される吐出具は、上記構成のポンプ付きキャップ20に限らず、種々の構成のものを用いることができる。
【0025】
オーバーキャップ30は、容器本体10に着脱自在に装着されるものであり、容器本体10に装着されて口部11を覆っている。本実施の形態では、口部11にポンプ付きキャップ20が装着されているので、容器本体10に装着されたオーバーキャップ30は、口部11とともにポンプ付きキャップ20をも覆うように構成されている。不使用時に、容器本体10にオーバーキャップ30を装着することで、オーバーキャップ付き容器1を持ち運ぶ際などに、ノズルヘッド24が誤って押下げ操作されて内容物が漏出することを防止することができる。一方、容器本体10からオーバーキャップ30を取り外すことで、ノズルヘッド24を外部に露出させて内容物を吐出させることができる。
【0026】
図1図2に示すように、オーバーキャップ30は、例えばABS樹脂などの合成樹脂製の射出成型品となっており、円筒状の周壁31と、周壁31の上端を閉塞する平らな頂壁32とを有する有頂円筒状となっている。周壁31の下端は、容器本体10の当接面12bに対応した形状に形成されている。オーバーキャップ30は、容器本体10の小径部12aの外側に嵌め合わされ、周壁31の下端に設けられた合わせ面33が全周に亘って当接面12bに当接するように容器本体10に装着される。
【0027】
容器本体10に装着されたオーバーキャップ30の周壁31の外周面は、大径部12cの外周面に段差を有することなく連なるようになっている。これにより、オーバーキャップ30が容器本体10に装着されたときにおけるオーバーキャップ30と容器本体10との一体感を高めて、オーバーキャップ付き容器1の美観を高めることができる。
【0028】
容器本体10の当接面12b及びオーバーキャップ30の合わせ面33は、それぞれ波形状となっている。すなわち、容器本体10の当接面12bは、軸線Oに垂直な平面ではなく、それぞれ上方に向けて凸となる湾曲した山形状部分と、山形状部分とは上下反対の形状となる谷形状部分とが周方向に交互に設けられた波形状となっており、オーバーキャップ30の合わせ面33はこの波形状の当接面12bに対応した波形状となっている。オーバーキャップ30は、合わせ面33の山形状部分が当接面12bの谷形状部分に当接し、合わせ面33の谷形状部分が当接面12bの山形状部分に当接するように、容器本体10に対して所定の周方向位置に位置決めされて容器本体10に装着される。
【0029】
オーバーキャップ30の周壁31の内周面には、係止用リブ40が一体に設けられている。図3に示すように、本実施の形態では、周壁31の内周面に、軸線Oを中心とした周方向に等間隔に並べて4つの係止用リブ40が設けられている。4つの係止用リブ40は互いに同一の形状である。4つの係止用リブ40は、それぞれ周壁31の下端の波形状を形成する4つの谷形状部分(上方に向けて凹む部分)の上方に設けられている。
【0030】
図4に示すように、係止用リブ40は、下側に向けて凸の円弧状となる湾曲部41と、それぞれ湾曲部41の上方側を向く端部に一体に連なる一対の側辺部42とを有するU字状部分を有する形状となっている。図示する場合は、係止用リブ40はU字状である。周壁31の内周面の下端側には、内径が拡大して肉厚が薄くなる薄肉部31aが設けられており、係止用リブ40は薄肉部31aに、薄肉部31aの内周面から径方向内側に向けて突出するリブ状に設けられている。係止用リブ40の、延在方向に垂直な断面形状は、係止用リブ40の内側と外側との間で緩やかに突出高さが変化するように湾曲する山形形状となっている。
【0031】
一方、図1に示すように、容器本体10の小径部12aの外周面には、係止用突起50が一体に設けられている。本実施の形態では、小径部12aの外周面には、4つの係止用リブ40に対応して、軸線Oを中心とした周方向に等間隔に並ぶ4つの係止用突起50が設けられている。それぞれの係止用突起50は、小径部12aの外周面から径方向外側に向けて突出する円形で中心位置において最も突出高さが高くなるように湾曲した略半球形状となっている。4つの係止用突起50は、それぞれ小径部12aの当接面12bの波形状を形成する4つの山形状部分(上方に向けて突出する部分)の上方に設けられている。
【0032】
図4図5に示すように、合わせ面33が全周に亘って当接面12bに当接するようにオーバーキャップ30が容器本体10に装着されると、4つの係止用リブ40が、それぞれ対応する係止用突起50にその下方側に係止されるようにアンダーカット係合する。これにより、オーバーキャップ30は容器本体10に装着された状態に保持される。係止用リブ40が係止用突起50にアンダーカット係合した状態において、係止用突起50は係止用リブ40に囲われて係止用リブ40のU字形状の内側に配置されている。
【0033】
オーバーキャップ30を容器本体10に対して上方に引き上げると、周壁31が拡径するように弾性変形することで、それぞれの係止用リブ40は対応する係止用突起50を乗り越え、これにより係止用リブ40の係止用突起50に対するアンダーカット係合が解除され、オーバーキャップ30は容器本体10から取り外し可能な状態となる。反対に、容器本体10から取り外されているオーバーキャップ30を容器本体10に差し込んで装着すると、周壁31が拡径するように弾性変形することで、それぞれの係止用リブ40は対応する係止用突起50を乗り越えて当該係止用突起50にアンダーカット係合し、オーバーキャップ30は容器本体10に保持された状態となる。
【0034】
ここで、本実施の形態のオーバーキャップ付き容器1では、オーバーキャップ30の合わせ面33及び容器本体10の当接面12bは波形状となっているので、オーバーキャップ30を容器本体10に装着する際、合わせ面33の波形状が当接面12bの波形状に対して周方向にずれる場合がある。この場合、軸線Oを中心とした周方向に回転させながらオーバーキャップ30を容器本体10に装着する必要があり、これにより容器本体10に設けられた係止用突起50は、係止用リブ40に対して相対的に斜め上方に回転しながら係止用突起50を乗り越えることになる。これに対して、本実施の形態のオーバーキャップ付き容器1では、係止用リブ40はU字形状部分を有する形状となっているので、図6に示すように、係止用突起50は、係止用リブ40の湾曲部41を当該湾曲部41の延在方向に垂直な方向から乗り越えることができる。したがって、オーバーキャップ30を容器本体10に装着する際、合わせ面33の波形状が当接面12bの波形状に対して周方向にずれ、これにより軸線Oを中心とした周方向に回転させながらオーバーキャップ30を容器本体10に装着する場合であっても、オーバーキャップ30を容器本体10に対して軸線Oを中心とした周方向に回転させて、最終的に合わせ面33の波形状が当接面12bの波形状に揃う段階で係止用突起50が係止用リブ40の湾曲部41を当該湾曲部41の延在方向に垂直な方向から容易に乗り越えることができるようにして、係止用リブ40を係止用突起50に確実にアンダーカット係合させることができる。係止用リブ40は左右対称の形状となっているので、合わせ面33の波形状が当接面12bの波形状に対して周方向の左右の何れの側にずれても、係止用突起50は係止用リブ40の湾曲部41を当該湾曲部41の延在方向に垂直な方向から容易に乗り越えることができ、これにより係止用リブ40を係止用突起50に確実にアンダーカット係合させて、オーバーキャップ30を容器本体10に対して周方向にずれを生じさせることなく合わせ面33の波形状と当接面12bの波形状とが一致する状態で容器本体10に装着することができる。
【0035】
このように、本実施の形態のオーバーキャップ付き容器1によれば、係止用リブ40を、係止用突起50を囲うU字状部分を有する形状に形成するようにしたので、オーバーキャップ30の合わせ面33及び容器本体10の当接面12bが波形状であるオーバーキャップ付き容器1において、オーバーキャップ30を容器本体10に装着する際、合わせ面33の波形状が当接面12bの波形状に対して周方向にずれても、係止用リブ40を係止用突起50に良好にアンダーカット係合させることができる。
【0036】
図7図8に変形例として示すように、オーバーキャップ30は、互いに係止用突起50を内側に配置可能な間隔を空けて係止用リブ40の一対の側辺部42の下端に連なるとともに、オーバーキャップ30の軸線Oの方向に沿って係止用リブ40に対して係止用突起50とは反対側に向けて延びる一対のガイドリブ43を備えた構成とすることもできる。
【0037】
この変形例の構成によれば、オーバーキャップ30を容器本体10に装着する際、合わせ面33の波形状が当接面12bの波形状に対して周方向にずれた場合であっても、図8に示すように、合わせ面33が当接面12bに当接する前に軸線Oを中心とした周方向にオーバーキャップ30を容器本体10に対して回転させることで、ガイドリブ43の間に係止用突起50を嵌合させて、容器本体10に対してオーバーキャップ30を合わせ面33の波形状と当接面12bの波形状とが一致する周方向位置に位置決めすることができる。したがって、ガイドリブ43の間に係止用突起50を嵌合させた後、オーバーキャップ30を軸線Oの沿って真っすぐに下方に押し込むことで、オーバーキャップ30を容器本体10に対して周方向にずれを生じさせることなく容器本体10に対して合わせ面33の波形状と当接面12bの波形状とが一致する状態で容器本体10に装着することができる。
【0038】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0039】
例えば、前記実施の形態においては、オーバーキャップ付き容器1に収納する内容物は、化粧液に限らず、種々の内容物であってもよい。
【0040】
また、前記実施の形態においては、容器本体10の外周面に係止用突起50を設け、オーバーキャップ30の内周面に係止用リブ40を設けるようにしているが、容器本体10の外周面に係止用リブを設け、オーバーキャップ30の内周面に係止用突起を設けるようにしてもよい。この場合であっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0041】
さらに、前記実施の形態においては、係止用リブ40を周壁31の下端の波形状を形成する4つの谷形状部分の上方に設けるとともに、係止用突起50を小径部12aの当接面12bの波形状を形成する4つの山形状部分の上方に設けるようにしているが、係止用リブ40を周壁31の下端の波形状を形成する4つの山形状部分の上方に設けるとともに、係止用突起50を小径部12aの当接面12bの波形状を形成する4つの谷形状部分の上方に設けるようにしてもよい。
【0042】
さらに、係止用リブ40は、U字状部分を有する形状であれば、例えばU字状部分の上方側が閉じた環状の形状であってもよい。
【0043】
さらに、係止用リブ40及び係止用突起50は、少なくとも1つずつ設けられていれば、その個数は種々変更可能である。
【0044】
さらに、合わせ面33及び当接面12bの波形状も、山形状部分と谷形状部分とが周方向に交互に設けられた形状であれば、その形状は種々変更可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 オーバーキャップ付き容器
10 容器本体
11 口部
11a 雄ねじ
12 胴部
12a 小径部
12b 当接面
12c 大径部
13 内袋体
14 外気導入孔
20 ポンプ付きキャップ
21 装着筒部
22 ポンプ機構部
23 ステム
24 ノズルヘッド
24a ノズル
30 オーバーキャップ
31 周壁
31a 薄肉部
31b 本体部分
32 頂壁
33 合わせ面
40 係止用リブ
41 湾曲部
42 側辺部
43 ガイドリブ
50 係止用突起
O 軸線
S 収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8