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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】車両用通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/50 20220101AFI20240415BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20240415BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20240415BHJP
【FI】
H04L67/50
B60R16/023 P
H04L67/12
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021164639
(22)【出願日】2021-10-06
(65)【公開番号】P2023055346
(43)【公開日】2023-04-18
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100121027
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】荒木 道樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 恵
(72)【発明者】
【氏名】長島 孝介
(72)【発明者】
【氏名】八城 美穂
(72)【発明者】
【氏名】大塚 芳文
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-192561(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204232(WO,A1)
【文献】特開2017-063381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/50
B60R 16/023
H04L 67/12
H04W 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持する携帯端末装置と、
電子制御装置から送信されるデータを受信し、その受信した前記データを前記携帯端末装置を介して無線通信により車両の外部に送信可能な車載機と、
前記車載機から前記携帯端末装置を介して送信されたデータに基づいて所定の車両関連情報を生成し、生成した前記所定の車両関連情報を外部に送信可能な外部装置と、
を備え、
前記所定の車両関連情報は複数あり、
前記携帯端末装置は、前記ユーザを特定する認証情報とともに、当該ユーザが必要としている前記所定の車両関連情報の種類を特定する情報の要求信号を前記外部装置に送信し、
前記外部装置は、前記携帯端末装置から送信される当該携帯端末装置のユーザを特定する認証情報と、当該ユーザが必要としている前記所定の車両関連情報の種類を特定する情報とを紐づけて記憶し、前記携帯端末装置から前記要求信号を受信すると、当該携帯端末装置のユーザの前記認証情報に紐づけて記憶している前記所定の車両関連情報の種類を特定する情報を前記携帯端末装置を介して前記車載機に送信し、
前記車載機は、前記外部装置から送信された前記所定の車両関連情報の種類を特定する情報を受信した場合に、前記電子制御装置から受信したデータの中から当該所定の車両関連情報の種類に対応するデータを選定して送信する
ことを特徴とする車両用通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のデータを無線通信により外部装置に送信するとともに、当該データに基づいた情報を通信により外部に提供する車両用通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行データを車載装置から外部のサーバに送信することで、当該車両の走行データを収集するシステムがある。例えば、特許文献1に記載のシステムは、車載装置がアクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、車両の進行方向、イグニッションスイッチの状態、GPS(Global Positioning System)衛星が送信したGPS信号に基づいた車両の現在位置などの走行データを蓄積するとともに、該走行データを外部のサーバに送信する。また、車載装置は、走行データから生成されたデータを外部のサーバから受信し、当該生成データに基づいて、車両が走行している道路が常用道であるか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-191802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の走行データの通信システムでは、主としてナビゲーションシステムに利用されるが、ナビゲーションに限らず、外部のサーバに蓄積された車両データを利用し、車両のユーザなどに様々な情報を提供することで、ユーザの満足度を高めたいという要望がある。しかしながら、この場合は、外部のサーバとの間の通信量が増大してしまう。
【0005】
本発明は、上記した課題を鑑みてなされたものであり、外部に送信した車両データに基づいて、ユーザに所望の情報を提供するとともに、当該情報の提供に伴う通信量の増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明にかかる車両用通信システムは、ユーザが所持する携帯端末装置と、電子制御装置から送信されるデータを受信し、その受信した前記データを前記携帯端末装置を介して無線通信により車両の外部に送信可能な車載機と、前記車載機から前記携帯端末装置を介して送信されたデータに基づいて所定の車両関連情報を生成し、生成した前記所定の車両関連情報を外部に送信可能な外部装置と、を備え、前記所定の車両関連情報は複数あり、前記携帯端末装置は、前記ユーザを特定する認証情報とともに、当該ユーザが必要としている前記所定の車両関連情報の種類を特定する情報の要求信号を前記外部装置に送信し、前記外部装置は、前記携帯端末装置から送信される当該携帯端末装置のユーザを特定する認証情報と、当該ユーザが必要としている前記所定の車両関連情報の種類を特定する情報とを紐づけて記憶し、前記携帯端末装置から前記要求信号を受信すると、当該要求信号に紐づけて記憶している当該ユーザが必要とする前記所定の車両関連情報の種類に関する情報を前記携帯端末装置を介して前記車載機に送信し、前記車載機は、前記外部装置から送信された前記所定の車両関連情報の種類に関する情報を受信した場合に、前記電子制御装置から受信したデータの中から当該所定の車両関連情報の種類に対応するデータを選定して送信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
発明によれば、外部装置が外部に所定の車両関連情報を送信可能に構成されているため、ユーザに対して、所定の車両関連情報を提供することができる。また、車載機が外部装置にデータを送信する場合は、外部装置が携帯端末装置に送信する所定の車両関連情報に対応するデータを選定して送信するため、外部装置へのデータ通信量を抑制できるとともに、外部装置のデータ保存量の削減を図ることができる。また、所定の車両関連情報が複数ある中で、当該ユーザが必要としている所定の車両関連情報の種類に関する情報を当該ユーザの認証情報と紐づけて外部装置により記憶しておき、ユーザが所持する携帯端末装置から送信された要求信号を外部装置が受信すると、当該携帯端末装置のユーザの認証情報に紐づけて記憶している所定の車両関連情報の種類を特定する情報を、外部装置から携帯端末装置を介して車載機に送信し、車載機は、外部装置から送信された所定の車両関連情報の種類を特定する情報を受信した場合、電子制御装置から受信したデータの中から当該所定の車両関連情報の種類に対応するデータを選定して送信するため、同じ車両であっても異なるユーザ(例えばユーザA、ユーザB)ごとに個別に必要とする車両関連情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る車両用通信システムの概略構成図である。
図2】ユーザに提供されるサービスの種別と、必要なデータとの関係を示す図である。
図3】本実施形態の通信システムにおけるデータの送信態様の具体例を示す図である。
図4】本実施形態のデータアップロード処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態にかかる車両用通信システムについて、図1図4を参照して説明する。なお、図1は本発明の一実施形態の車両用通信システムの構成図、図2はサービス種別と必要なデータとの関係を示す図、図3は車両用通信システムのデータの送信例を示す図、図4はデータアップロード処理の一例を示すフローチャートである。
【0012】
(車両の電気的構成)
本発明の一実施形態にかかる車両用通信システムは、車両1から取得した各種データに基づいて各種の情報を生成してユーザに提供する無線通信システムであり、車両1に搭載された車載機2と、車両1の各種制御を行う複数のECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5:本発明の「電子制御装置」に相当)と、携帯端末装置7と、外部サーバ8(本発明の「外部装置」に相当)とを備える。
【0013】
車両1は、エンジンを駆動源とする自動車である。エンジンの動力は、変速機を介して、左右の駆動輪に伝達される。変速機は、無段変速機であってもよいし、有段式の自動変速機であってもよいし、手動変速機であってもよい。また、電気モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド車であってもよい。
【0014】
各ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)は、いずれもマイコンを含む構成であり、各種制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムや必要なデータを記憶するメモリなどが内蔵されている。また、各ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)および車載機2は、バス6に接続されて互いにCAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
【0015】
各ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)の例としては、例えば、車両1のドアやウィンカー等の車載電装品の動作の制御を行うボディECU、ステレオカメラなどの前方認識手段(車両周囲の物標を認識する外界認識手段)からの映像に基づいて、障害物(物標)との距離や相対速度の算出や、当該障害物との衝突可能性を判断するカメラECU、エンジンの出力制御を行うエンジンECU、ブレーキ制御を行うVSC-ECU、エンジンのスロットル開閉度や燃料インジェクタによる燃料の噴射量の制御を行うEFI-ECUなどが挙げられる。
【0016】
なお、各種ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)は、その制御に用いる車速センサ、アクセル開度センサ、操舵角センサからの各情報を、CAN通信を介して取得可能に構成されている。
【0017】
車載機2は、各種ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)から種々のデータを取得して、これらのデータの中から特定のデータ(複数のデータ)携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信するとともに、外部サーバ8から送信された情報を携帯端末装置7を介して受信可能に構成されており、CPU2aと、メモリ2bと、送受信回路2cとを備える。
【0018】
CPU2aは、各種制御プログラムを実行するとともに、送受信回路2cから携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信するデータの選定を行う。また、メモリ2bは、CPU2aが実行する制御プログラムを記憶するROM部と、後述するユーザが所望するサービスの種類を記憶したり、各ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)から取得したデータを一時的に記憶するRAM部とを備える。
【0019】
車載機2から携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信するデータ(アップロードデータ)としては、例えば、イグニッションスイッチがOFFに切り替えられたときの車両1の位置を示すデータ、ガソリン残量データ、エンジン水温データ、バッテリ残量データ、バッテリ残量がアイドリングストップの許可条件を満たすのに要した時間、外気温データ、車両1のドアのロック状態を示すデータ、ワイパーの状態(ハイスピードまたはロースピードなど)、車速データ、時刻データ、故障データ、アクセルペダルの操作状態、ブレーキペダルの操作状態、各種スイッチのON/OFF状態、解析用データなどがある。なお、これらのデータは一例であり、ユーザに提供するサービス情報に応じて必要なデータが送信される。
【0020】
また、車載機2から携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信するデータは、その種類に応じて一定周期(例えば90秒周期)で送信されるものと、所定の条件が成立したときにその都度送信されるものとがある。
【0021】
車載機2は、例えば、車両1に搭載される、いわゆるディスプレイオーディオやナビゲーション装置などを用いることができる。ここで、車載機2(CPU2a)が各ECU(ECU_A3,ECU_B4,ECU_C5)から各種データを取得する機能と、当該データを携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信する機能が、本発明の「通信手段」に相当する。
【0022】
携帯端末装置7は、例えば、スマートフォンなどの通信機能有する携帯端末であり、例えば、外部サーバ8とはモバイルデータ通信(携帯電話網)またはWiFi通信などで接続する。また、車載機2とは、例えば、Bluetooth(登録商標)などの短距離無線通信により通信を行う。なお、携帯端末装置7と車載機2とをUSBなどによる有線接続により通信を行うようにしてもよい。
【0023】
外部サーバ8は、車載機2からのデータに基づいて、ユーザに対して所定のサービスを提供するものであり、CPU8aとメモリ8bと送受信回路8cとを備える。CPU8aは、車載機2からのデータに基づいて各種サービス情報(本発明の「車両関連情報」に相当)を生成したり、生成した各種サービス情報のユーザへの送信制御を行う。メモリ8bは、CPU8aの制御プログラムなどを記憶するROM部と、車載機2からのデータを記憶したり、生成したサービス情報を一時的に記憶するRAM部とを有する。
【0024】
CPU8aは、車載機2(携帯端末装置7)から送信された各種データのうち、必要なデータを加工して、サービス情報を生成する。例えば、サービス情報としては、車両1の駐車位置情報や、燃費情報、車両故障に関する情報、エンジンオイル交換時期の到来情報、メーカが利用する車両1の各種センサの検知状態などのビッグデータなど、種々のサービス情報がある。なお、これらの情報は一例であり、ユーザが所望する種々のサービス情報を生成するようにしてもよい。また、CPU8aは、ユーザの携帯端末装置7からの要求信号を受信したときにサービス情報を生成するが、必要なデータを受信したときに生成して、生成したサービス情報をメモリ8bに記憶するようにしてもよい。
【0025】
また、CPU8aは、ユーザが所持する携帯端末装置7からの要求信号を受信した場合は、生成したサービス情報を送受信回路8cから携帯端末装置7に送信する。なお、サービス情報の送信タイミングについては、携帯端末装置7からの要求信号を受信した場合のほか、例えば、定期的に携帯端末装置7に送信するようにしてもよい。また、受信したサービス情報を携帯端末装置7から車載機2に送信するようにしてもよい。
【0026】
メモリ8bは、車載機2(携帯端末装置7)からアップロードされた各種データを記憶する。また、メモリ8bには、ユーザを特定可能な認証情報と、当該ユーザが所望するサービスの種類とを紐づけて記憶する。なお、ユーザが所望するサービス情報の種類は、ユーザの携帯端末装置7の操作により変更可能であり、その場合CPU8aは、当該ユーザに紐づけて記憶されているサービス情報の書き換えを行う。
【0027】
(データアップロード処理)
次に、車載機2から外部サーバ8へのデータアップロード処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
まず、車載機2のCPU2aは、携帯端末装置7(スマートフォンなどの携帯通信端末)を検知できたか否かを判定する(ステップS1)。ユーザが携帯端末装置7を所持していない場合は、CPU2aは携帯端末装置7を検知せず(ステップS1でNO)、この場合は処理を終了する。
【0029】
一方、ユーザが携帯端末装置7を所持している場合は、車載機2とのペアリングが行われることから、CPU2aは携帯端末装置7を検知する(ステップS1でYES)。CPU2aは、携帯端末装置7を検知した場合(ステップS1でYES)、ユーザが登録しているサービスの種類を特定可能な情報の要求信号を、携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信する。携帯端末装置7からは、ユーザを特定可能な認証情報とともに当該要求信号を外部サーバ8に送信する。
【0030】
サービスの種類を特定可能な情報の要求信号を受信した外部サーバ8のCPU8aは、併せて送信されたユーザの認証情報に紐づけてメモリ8bに記憶しているサービス種別情報(当該ユーザが登録しているサービス情報の種類を特定可能な情報)を、携帯端末装置7を介して車載機2に送信し、車載機2が当該情報を受信する(ステップS2)。
【0031】
車載機2のCPU2aは、サービス種別情報を受信した場合、各ECU(ECU_A3、ECU_B4、ECU_C5)から取得した各種データの中からユーザが登録(販売会社などに予め申し込み)しているサービスの種別に必要なデータを選定した上で、当該データを外部サーバ8への送信用のデータに加工(生成)し(ステップS3)、当該生成したデータを携帯端末装置7を介して外部サーバ8にアップロードし(ステップS4)、処理を終了する。
【0032】
(データ送信態様の具体例)
次に、この実施形態の車両用通信システムのデータ送信態様の具体例について、ユーザが所望するサービス情報の種類に応じて個別に説明する。
【0033】
例えば、図2に示すように、ユーザに提供するサービス情報としてサービスa、b、c、dがあり、サービスaの情報を提供するのに必要なデータがデータ1~5であり、サービスbの情報を提供するのに必要なデータがデータ1、10~13であり、サービスcの情報を提供するのに必要なデータがデータ2、6、データ14~17であり、サービスdの情報を提供するのに必要なデータがデータ5~9、18~20であったとする。
【0034】
ここで、ユーザAが必要なサービス情報として、サービスaとサービスbが外部サーバ8に登録している場合について図3(a)を参照して説明する。
【0035】
この場合、例えばユーザAが所持する携帯端末装置7と車載機2とのペアリングが終了すると、携帯端末装置7から外部サーバ8に、当該ユーザAを特定する認証情報とともに、ユーザAが必要としているサービス情報の種類を特定する情報の要求信号を送信する。外部サーバ8は、当該要求信号を受信すると、ユーザAの携帯端末装置7に向けて、メモリ8bにユーザAの認証情報と紐づけて記憶されているサービス情報の種類に関する情報を車載機2(携帯端末装置7)に送信する。
【0036】
車載機2のCPU2aは、ユーザAが必要としているサービス情報に関する情報を受信した場合は、サービスaに必要なデータ1~5と、サービスbに必要なデータ10~13のみを、周期的またはその都度、携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信する。
【0037】
外部サーバ8のCPU8aは、車載機2(携帯端末装置7)から送信されたデータ1~5(サービスa)と、データ10~13(サービスb)とをメモリ8bに記憶させ、携帯端末装置7からの要求信号を受信したときに、メモリ8bに記憶させたデータ(データ1~5、10~13)に基づいてサービスaとサービスbを生成し、ユーザAの携帯端末装置7に送信する。
【0038】
次に、ユーザBが必要なサービス情報として、サービスa~dが外部サーバ8に登録している場合について図3(b)を参照して説明する。
【0039】
この場合、例えば、ユーザBが所持する携帯端末装置7と車載機2とのペアリングが終了すると、携帯端末装置7から外部サーバ8に、当該ユーザBを特定する認証情報とともに、ユーザBが必要としているサービス情報の種類を特定する情報の要求信号を送信する。外部サーバ8は、当該要求信号を受信すると、ユーザBの携帯端末装置7に向けて、メモリ8bにユーザBの認証情報と紐づけて記憶されているサービス情報の種類に関する情報を車載機2(携帯端末装置7)に送信する。
【0040】
車載機2のCPU2aは、ユーザBが必要としているサービス情報に関する情報を受信した場合は、サービスaに必要なデータ1~5と、サービスbに必要なデータ10~13、サービスcに必要なデータ2、6およびデータ14~17、サービスdに必要なデータ5~9およびデータ18~20、すなわちデータ1~20を周期的またはその都度、携帯端末装置7を介して外部サーバ8に送信する。
【0041】
外部サーバ8のCPU8aは、車載機2(携帯端末装置7)から送信されたデータ1~20(サービスa~d)をメモリ8bに記憶させ、携帯端末装置7からの要求信号を受信したときに、メモリ8bに記憶させたデータ(データ1~20)に基づいてサービスaとサービスbを生成し、ユーザBの携帯端末装置7に送信する。
【0042】
したがって、上記した実施形態によれば、車載機2から外部サーバ8に車両1に関するデータを送信することにより、当該データに基づいてユーザが所望する種々のサービス情報を提供することができる。
【0043】
また、車載機2から外部サーバ8に送信するデータは、車載機2が各ECU(ECU_A3、ECU_B4、ECU_C5)から取得する多種のデータの中から、ユーザが所望するサービス情報を生成するのに必要なデータを選定して送信するため、サービス情報を提供するのに要するデータ通信量を抑制することができる。特に携帯端末装置7がスマートフォンの場合は、データ通信量が抑制されることで通信料金を抑えることができるため、サービス情報の提供を利用しやすい。
【0044】
また、外部サーバ8もデータの記憶量を抑制することができるため、外部サーバ8のメモリ8bの容量の削減を図ることができる。
【0045】
また、車載機2のCPU2aは、データを外部サーバ8にアップロードする前に、外部サーバ8からユーザが所望するサービス情報を受信するため、ユーザが所望するサービスの種別に変更があった場合でも、サービス情報の提供に不必要なデータをアップロードすることがなく、データ送信に関してサービス情報の種別の変更に適切に対応することができる。
【0046】
また、車載機2から外部サーバ8へのデータ送信を、携帯端末装置7を介して行うため、車載機2が通信機能を持っていなくてもよく、車載機2のコストの削減を図ることができる。
【0047】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0048】
例えば、上記した実施形態では、車載機2が携帯端末装置7を介して外部サーバ8とデータの送受信を行うようにしたが、通信の機能を有する車載機を用いて外部サーバ8と直接データの送受信を行うようにしてもよい。また、上記した実施形態では、外部装置として、外部サーバ8を採用したが、これに限られず、他の車両の情報処理装置などの外部の移動物体であってもよい。また、上記した実施形態では、外部サーバ8は、サービス情報の種類に関する情報を車載機2に送信するようにしているが、車外にいるユーザの携帯端末装置7に送信するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは車両1に乗車してなくてもサービス情報の種類に関する情報を認識することができる。
【0049】
また、上記した実施形態では、外部サーバ8に送信するデータを各ECU(ECU_A3、ECU_B4、ECU_C5)から取得するようにしたが、各ECU(ECU_A3、ECU_B4、ECU_C5)を介さずに車載機2が直接取得するデータがあってもよい。
【0050】
また、上記した実施形態は、ガソリン車に限らず、電気自動車、ハイブリッド車、自動運転車にも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
2:車載機(通信手段)
3~5:ECU_A,ECU_B,ECU_C(電子制御装置)
7:携帯端末装置(通信手段)
8:外部サーバ
図1
図2
図3
図4