(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム及びゲーム実行方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20240415BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240415BHJP
A63F 13/35 20140101ALN20240415BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/58
A63F13/35
(21)【出願番号】P 2019003477
(22)【出願日】2019-01-11
(62)【分割の表示】P 2017067264の分割
【原出願日】2017-03-30
【審査請求日】2019-01-11
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹沢 悠一
(72)【発明者】
【氏名】石川 岳
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 崇宏
(72)【発明者】
【氏名】荒張 拓紀
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】松田 直也
【審判官】門 良成
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-87215(JP,A)
【文献】特開2018-166880(JP,A)
【文献】The Imperial City Prison - 帝都監獄,The Elder Scrolls Online 攻略 wiki[online],2015年11月24日,[2019年12月 6日検索],インターネット<URL:https://seesaawiki.jp/teso/d/The%20Imperial%20City%20Prison%A1%A1-%20%C4%EB%C5%D4%B4%C6%B9%F6>
【文献】狙うはスマートフォン市場のLoLポジション。新作MOBA「WORLD WAR TITAN FRONT LINE」のメディア先行体験会をレポート,4Gamer.net[online],2014年6月26日,[2020年 7月29日検索],インターネット<URL:https://www.4gamer.net/games/249/G024994/20140625126/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行され、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームプログラムであって、
サーバ装置を、
所定の敵オブジェクトが所定の領域に位置してからの経過時間について所定の条件を満たすと、所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第1動作制御手段、
所定の味方オブジェクトが所定の領域に位置してからの経過時間について所定の条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第2動作制御手段、
所定の味方オブジェクト又は所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段
として機能させ
、
前記所定の領域が、ゲームフィールド上の領域である、ゲームプログラム。
【請求項2】
クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行され、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームプログラムであって、
サーバ装置を、
所定の敵オブジェクトが所定の領域に位置してからの時間についての条件を満たすと、所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第1動作制御手段(ゲーム開始時に所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御手段を除く)、
所定の味方オブジェクトが所定の領域に位置してからの時間についての条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第2動作制御手段(ゲーム開始時に所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御手段を除く)、
所定の味方オブジェクト又は所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段
として機能させ
、
前記所定の領域が、ゲームフィールド上の領域である、ゲームプログラム。
【請求項3】
前記所定の敵オブジェクトが、コンピュータにより制御されるノンプレイヤキャラクタであり、
第2動作制御手段が、前記所定の敵オブジェクトが所定の領域へ移動するよう制御する、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所定の領域が、ゲームフィールドの中央である、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクト及び敵オブジェクトが体力値を有し、
プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクト及び敵オブジェクトは攻撃を受けると体力値が減少し、体力値が所定値以下になると動作不能となる、請求項1~4のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項6】
クライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームシステムであって、
所定の敵オブジェクトが所定の領域に位置してからの経過時間について所定の条件を満たすと、所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第1動作制御手段と、
所定の味方オブジェクトが所定の領域に位置してからの経過時間について所定の条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第2動作制御手段と、
所定の味方オブジェクト又は所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段と
を備え
、
前記所定の領域が、ゲームフィールド上の領域である、ゲームシステム。
【請求項7】
クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行され、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームシステムであって、
所定の敵オブジェクトが所定の領域に位置してからの時間についての条件を満たすと、所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第1動作制御手段(ゲーム開始時に所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御手段を除く)と、
所定の味方オブジェクトが所定の領域に位置してからの時間についての条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第2動作制御手段(ゲーム開始時に所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御手段を除く)と、
所定の味方オブジェクト又は所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段と
を備え
、
前記所定の領域が、ゲームフィールド上の領域である、ゲームシステム。
【請求項8】
クライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームシステムにおいて、実行されるゲーム実行方法であって、
所定の敵オブジェクトが所定の領域に位置してからの経過時間について所定の条件を満たすと、所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第1動作制御ステップと、
所定の味方オブジェクトが所定の領域に位置してからの経過時間について所定の条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第2動作制御ステップと、
所定の味方オブジェクト又は所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定するステップと
を有
し、
前記所定の領域が、ゲームフィールド上の領域である、ゲーム実行方法。
【請求項9】
クライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームシステムにおいて、実行されるゲーム実行方法であって、
所定の敵オブジェクトが所定の領域に位置してからの時間についての条件を満たすと、所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第1動作制御ステップ(ゲーム開始時に所定の味方オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御ステップを除く)と、
所定の味方オブジェクトが所定の領域に位置してからの時間についての条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する第2動作制御ステップ(ゲーム開始時に所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御ステップを除く)と、
所定の味方オブジェクト又は所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定ステップと
を有し
、
前記所定の領域が、ゲームフィールド上の領域である、ゲーム実行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームプログラム、ゲームシステム及びゲーム実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤがキャラクタを操作してゲームフィールドを移動させ、敵キャラクタを倒しながら、敵ボスキャラクタを倒すことを最終目的とするスタイルのゲームがある。
【0003】
このようなゲームにおいて、プレイヤの目線である仮想カメラの位置を中心として、敵キャラクタが攻撃してくるか否かを判定する領域を定めるものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたゲームでは、敵キャラクタを倒すためには、プレイヤが敵キャラクタに近づかなければならず、また近づくルートに敵が配置される等決まった状況に陥ることが多く、プレイヤが飽きてしまうことがあった。また、特許文献1に記載されたゲームでは、他のプレイヤと連携して敵キャラクタを倒すことは想定されていなかった。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、ゲームの戦略性が高く、かつ趣向性の高いゲームプログラム及びゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲームプログラムは、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行され、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームプログラムであって、サーバ装置を、時間についての条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御手段、所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段として機能させる、ゲームプログラムである。
【0008】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲームシステムは、クライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームシステムであって、時間についての条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御する動作制御手段と、所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段とを備える、ゲームシステムである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明に係るゲーム実行方法は、クライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備え、プレイヤのクライアント装置への操作により行動するオブジェクトと、複数の敵オブジェクトとが対戦する対戦ゲームに関するゲームシステムにおいて、実行されるゲーム実行方法であって、時間についての条件を満たすと、所定の敵オブジェクトが所定の動作を行うように制御するステップと、所定の敵オブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定するステップとを有する、ゲーム実行方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の各実施の形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム実行画面の例を表す図である。
【
図9】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行途中のゲーム実行画面である。
【
図10】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームフィールド全体を俯瞰する模式図である。
【
図11】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【
図12】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図13】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートである。
【
図14】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【
図16】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、コンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【
図18】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、各実施の形態における効果に関する記載は、本発明の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。また、以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同である。
【0013】
[第一の実施の形態]
まず、本発明の第一の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第一の実施の形態として、プレイヤにより操作されるクライアント装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される対戦ゲームに関するゲームプログラムを例示して説明をする。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、検知部101、第一動作制御部102、及び勝敗決定部103を少なくとも備える。
【0015】
検知部101は、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知する機能を有する。第一動作制御部102は、検知部101によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する機能を有する。勝敗決定部103は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する機能を有する。
【0016】
次に、本発明の第一の実施の形態におけるプログラム(ゲームプログラム)実行処理について説明する。
図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0017】
サーバ装置1は、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する(ステップS1)。ステップS1において、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、サーバ装置1は、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する(ステップS2)。サーバ装置1は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定し(ステップS3)、終了する。
【0018】
第一の実施の形態の一側面として、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うようにすることで、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0019】
第一の実施の形態において、「クライアント装置」とは、例えば、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA等をいい、表示画面にタッチパネルセンサを備える携帯型端末、又は、店舗に設置される業務用ゲーム装置でもよい。「サーバ装置」とは、例えば、クライアント装置からの要求に応じて処理を実行する装置をいう。「ゲーム」とは、例えば、サーバ装置及び/又はクライアント装置においてプログラムを起動して実行するコンピュータゲームをいい、ゲーム内容のジャンルは問わない。
【0020】
第一の実施の形態において、「対戦ゲーム」とは、例えば、コンピュータ装置においてプログラムを起動して実行するコンピュータゲームのうち他の人間又はコンピュータプログラムにより制御されたプレイヤと対戦するものをいい、ゲーム内容のジャンルは問わない。「オブジェクト」とは、例えば、ゲーム空間内に存在するものであって、より具体的には、プレイヤの操作にしたがって行動するキャラクタ、コンピュータにより制御されるキャラクタ、あるいは、ゲームで利用されるアイテム等が挙げられる。
【0021】
第一の実施の形態において、「所定の領域」とは、例えば、ゲームフィールドの一部を構成する要素であって、大きさ、形状は問わない。「所定の動作」とは、例えば、オブジェクトの移動、行動等であって、オブジェクトの全体、又は一部の動きをいう。「オブジェクトの状態」とは、例えば、プレイヤの操作に基づいて変化し得る、オブジェクトが有するパラメータ、外観、色相等の状態をいう。
【0022】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第二の実施の形態として、プレイヤにより操作されるクライアント装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される対戦ゲームに関するゲームプログラムを例示して説明をする。
【0023】
第二の実施の形態におけるサーバ装置の構成は、
図1のブロック図に示されるものを、必要な範囲で採用することができる。さらに、プログラム実行処理のフローは、
図2のフローチャートに示されるものと同じ構成を採用することができる。
【0024】
第二の実施の形態において、所定のオブジェクトは少なくとも一つの敵オブジェクトであり、第一動作制御部102は、検知部101によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、敵オブジェクトが所定の領域へ移動するよう制御する機能を有する。
【0025】
第二の実施の形態の一側面として、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、敵オブジェクトを所定の領域へ移動させることで、敵オブジェクトを意図的に誘導することができ、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0026】
第二の実施の形態において、「クライアント装置」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、及び「オブジェクトの状態」とは、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容とを必要な範囲で採用できる。
【0027】
第二の実施の形態において、「敵オブジェクト」とは、例えば、対戦ゲームにおいてプレイヤが対戦する敵のオブジェクトをいう。
【0028】
[第三の実施の形態]
次に、本発明の第三の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第三の実施の形態として、プレイヤにより操作されるクライアント装置と通信により接続可能なサーバ装置において実行される対戦ゲームに関するゲームプログラムを例示して説明をする。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、検知部201、第一動作制御部202、減少可能化切替部203、及び勝敗決定部204を少なくとも備える。
【0030】
検知部201は、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知する機能を有する。第一動作制御部202は、検知部201によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、敵オブジェクトが、所定の動作を行うように制御する機能を有する。減少可能化切替部203は、検知部201により、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知した場合に、敵オブジェクトを攻撃することにより該敵オブジェクトに設定された所定のパラメータを減少させることができない状態から、該所定のパラメータを減少させることができる状態に切り替える機能を有する。勝敗決定部204は、該敵オブジェクトの所定のパラメータに応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する機能を有する。
【0031】
次に、本発明の第三の実施の形態におけるプログラム(ゲームプログラム)実行処理について説明する。
図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0032】
サーバ装置1は、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する(ステップS11)。ステップS11において、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、サーバ装置1は、敵オブジェクトが、所定の動作を行うように制御する(ステップS12)。また、ステップS11において、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、サーバ装置1は、敵オブジェクトを攻撃することにより該敵オブジェクトに設定された所定のパラメータを減少させることができない状態から、該所定のパラメータを減少させることができる状態に切り替える(ステップS13)。サーバ装置1は、該敵オブジェクトの所定のパラメータに応じて、対戦ゲームの勝敗を決定し(ステップS14)、終了する。
【0033】
第三の実施の形態の一側面として、検知部201により、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知した場合に、敵オブジェクトを攻撃することにより該敵オブジェクトに設定された所定のパラメータを減少させることができない状態から、該所定のパラメータを減少させることができる状態に切り替えることにより、オブジェクトを所定の領域に位置させることの重要性を高め、ゲームの戦略性を高めることができるとともに趣向性を高めることができる。
【0034】
第三の実施の形態において、「クライアント装置」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、及び「オブジェクトの状態」とは、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0035】
第三の実施の形態において、「敵オブジェクト」とは、第二の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0036】
第三の実施の形態において、「パラメータ」とは、例えば、オブジェクトの属性を表す文字、数値、記号、あるいはこれらを組み合わせた情報をいう。
【0037】
[第四の実施の形態]
次に、本発明の第四の実施の形態の概要について説明する。以下では、本発明の第四の実施の形態として、入力装置を有するクライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において対戦ゲームを実行するためのゲームプログラムを例示して説明をする。
【0038】
図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、システムの構成を示すブロック図である。図示するように、システムは、サーバ装置1と、通信ネットワーク2と、複数のユーザ(ユーザA、B・・・Z)によって操作される複数のクライアント装置3(クライアント装置3a、3b・・・3z)とから構成される。サーバ装置1は、通信ネットワーク2を介してクライアント装置3と接続されている。なお、サーバ装置1とクライアント装置3とは常時接続していなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0039】
図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13及び通信インタフェース14を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0040】
制御部11は、CPUやROMから構成され、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置1の制御を行う。また、制御部11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、クライアント装置3から受信した要求情報をもとに、プログラム実行処理を行う。通信インタフェース14は、無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介してデータを受信することが可能である。通信インタフェース14を介して受信したデータは、RAM12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
【0041】
図7は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の構成を示すブロック図である。クライアント装置3は、制御部31、RAM(Random Access Memory)32、ストレージ部33、サウンド処理部34、グラフィックス処理部35、DVD/CD-ROMドライブ36、通信インタフェース37、及び、インタフェース部38を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0042】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)から構成される。制御部31は、ストレージ部33や記録媒体44に格納されたプログラムを実行し、クライアント装置3の制御を行う。また、制御部31は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM32は、制御部31のワークエリアである。ストレージ部33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。
【0043】
DVD/CD-ROMドライブ36は、DVD-ROMやCD-ROMなどのプログラムが格納された記録媒体44を装着することが可能である。記録媒体44には、例えばプログラム及びデータが記憶されている。DVD/CD-ROMドライブ36により、プログラム及びデータが記録媒体44から読み出され、RAM32にロードされる。
【0044】
制御部31は、プログラム及びデータをRAM32から読み出して処理を行う。制御部31は、RAM32にロードされたプログラム及びデータを処理することで、サウンド出力の指示をサウンド処理部34に出力し、描画命令をグラフィックス処理部35に出力する。
【0045】
サウンド処理部34は、スピーカであるサウンド出力装置41に接続されている。制御部31がサウンド出力の指示をサウンド処理部34に出力すると、サウンド処理部34はサウンド出力装置41にサウンド信号を出力する。
【0046】
グラフィックス処理部35は表示装置42に接続されている。表示装置42は表示画面43を有している。制御部31が描画命令をグラフィックス処理部35に出力すると、グラフィックス処理部35は、フレームメモリ(フレームバッファ)39に画像を展開し、表示画面43上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。グラフィックス処理部35は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行する。画像の1フレーム時間は、例えば30分の1秒である。グラフィックス処理部35は、制御部31だけで行ってきた描画に関する演算処理の一部を受け持ち、システム全体の負荷を分散させる役割を有する。
【0047】
インタフェース部38には入力部40(例えば、マウスやキーボード等)が接続され得る。ユーザによる入力部40からの入力情報はRAM32に格納され、制御部31は入力情報をもとに各種の演算処理を実行する。あるいは、インタフェース部38に記憶媒体読取装置を接続し、メモリ等からプログラム及びデータ等を読み込むことも可能である。また、タッチパネルを備えた表示装置42を入力部40とすることもできる。
【0048】
通信インタフェース37は無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介して他のクライアント装置との間で情報の送受信を行うことが可能である。
【0049】
[ゲーム概要]
第四の実施の形態では、一例として、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと、対戦相手である敵キャラクタとがゲームフィールド上で対戦する対戦ゲームであって、2つのチームに分かれ、リアルタイムに進行する時間に対応しつつ、味方プレイヤと協力しながら敵チームの本拠地を破壊して勝利を目指すスタイルのゲームである、いわゆるマルチプレイヤオンラインバトルアリーナ(MOBA)型ゲームを挙げる。対戦相手は他のプレイヤが操作するものであってもよいし、コンピュータにより制御されるものであってもよい。対戦ゲームの勝利条件は、例えば、対戦相手の敵ボスキャラクタを倒すことである。他に、倒した敵の数に応じたポイント制だったり、相手ボスキャラクタの体力値を減らした量に基づいてプレイヤの勝利を決めるものとしてもよい。対戦ゲームが終了となるゲーム終了条件は、例えば、勝利条件を満たしたか、あるいは、ゲーム開始から所定の時間が経過することである。
【0050】
次に、本発明の第四の実施の形態におけるゲームの画面について説明する。
図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム実行画面の例を表す図である。
【0051】
クライアント装置3の表示画面43には、ゲーム画面901が表示される。ゲーム画面901の画面には、残時間902、プレイヤボスキャラクタ体力値ゲージ903、敵ボスキャラクタ体力値ゲージ904、プレイヤキャラクタ911、味方ノンプレイヤキャラクタ(NPC)912a及び912b、敵プレイヤキャラクタ914、敵ノンプレイヤキャラクタ(NPC)915a及び915b、敵ボスキャラクタ917、特殊エリア921、ステータスウィンドウ931a、931b及び931c、並びに、エリアマップ941が表示され得る。
【0052】
残時間902は、対戦ゲームを継続可能な時間を表すものであり、例えば、秒数で表示される。プレイヤボスキャラクタ体力値ゲージ903、敵ボスキャラクタ体力値ゲージ904は、それぞれのボスキャラクタの体力値を示す。棒状のゲージで表示されているが、形状はこれに限定されない。また、本実施の形態では、プレイヤボスキャラクタ体力値ゲージ903、敵ボスキャラクタ体力値ゲージ904は、体力値を表示するものであるが、体力値以外の耐久度やエネルギー値であっても良い。さらに、所定のクエストをクリアして、達成度が100%に到達すると勝利となるようなゲームにおける、積算される達成度を表示するものでも良い。
【0053】
プレイヤキャラクタ911は、プレイヤにより操作されるキャラクタである。味方NPC912a及び912bは、コンピュータにより制御されるキャラクタであり、プレイヤキャラクタ911と一つのチームを構成する。味方NPC912a及び912bはコンピュータにより制御されるが、プレイヤにより指示を行うこともできる。例えば、プレイヤが特殊エリア921へ行くように指示を出すと、味方NPC912a及び912bは、特殊エリア921へ向けて移動するように、コンピュータにより制御される。
【0054】
敵プレイヤキャラクタ914は、対戦相手により操作されるキャラクタである。対戦相手は、他のプレイヤであっても、コンピュータであっても良い。敵NPC915a及び915bは、対戦相手の敵プレイヤキャラクタ914と一つのチームを構成する。
【0055】
敵ボスキャラクタ917は、コンピュータにより制御される。敵ボスキャラクタ917は、ゲーム開始時にはプレイヤキャラクタ911から離れた場所に位置し、かつ、敵プレイヤキャラクタ913、敵NPC914a及び914b、あるいは拠点のオブジェクト等に守られるように位置していて、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bが近づかないと攻撃することができない。敵ボスキャラクタ917は、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bから攻撃を受けると体力値が減少し、敵ボスキャラクタ体力値ゲージ904の値が所定値以下となるとプレイヤの勝利が確定する。
【0056】
図9は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行途中のゲーム実行画面である。プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bが、特殊エリア921に位置すると、敵ボスキャラクタ917は、特殊エリア921に向かって移動を開始する。敵ボスキャラクタ917は、移動中に、新たな敵増援キャラクタ919a、919b及び919c等を発生させるものとしてもよい。プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bが特殊エリア921に位置していて、敵ボスキャラクタ917が、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bから攻撃を受けた場合に、敵ボスキャラクタ917の体力値を大幅に減少させるようにしてもよい。なお、本実施の形態では、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a及び912bが特殊エリア921に位置した場合に、敵ボスキャラクタ917の状態を変化させたが、例えば、プレイヤキャラクタ911の持ち物やアイテムを特殊エリア921に位置させることで、敵ボスキャラクタ917の状態を変化させてもよい。なお、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bが、特殊エリア921に位置してから所定時間が経過することを条件として、敵ボスキャラクタ917に所定の動作を取らせるようにしてもよい。
【0057】
プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a及び912b、敵プレイヤキャラクタ913、敵NPC914a及び914b、敵増援キャラクタ919a、919b及び919cは、各々体力値を有するものとしてもよい。各キャラクタは、体力値が所定値以下となると、一定時間動作不能状態となる。
【0058】
各キャラクタは、攻撃手段を有しており、ゲームフィールド上の他のキャラクタやアイテム、オブジェクトなどに対して攻撃をすることができる。本実施の形態では、キャラクタが攻撃を受けた場合、攻撃を受けたキャラクタの体力値が減少するが、キャラクタのパーツが破損するようにしてもよい。また、アイテムやオブジェクトが攻撃を受けた場合には、これらが破壊されてもよい。
【0059】
味方NPC912a及び912bは、プレイヤに対して、それぞれの戦闘状況や体力情報などを報告する。報告は、プレイヤに対してそれぞれのキャラクタごとに異なった音声でなされるものでもよいし、画面に文字や記号を表示して伝えるものでもよい。
【0060】
特殊エリア921は、特殊な効果を発生させる領域であり、例えばゲームフィールド上で、地面から一段上がったエリア、窪地、敵勢力の拠点等が挙げられるが、明確に区切られた領域でなくても良い。
【0061】
ステータスウィンドウ931a、931b及び931cのそれぞれには、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a及び912bの体力値を示す体力値ゲージとキャラクタの顔が表示される。なお、例では体力値ゲージが表示されるが、各キャラクタのその他のステータス、例えば損傷の度合いを示すゲージが表示されてもよい。
【0062】
エリアマップ941には、ゲームフィールド全体の模式図が表示される。
図10は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームフィールド全体を俯瞰する模式図である。エリアマップ941には、ゲームフィールドにおける、特殊エリア921、プレイヤ側体力値回復領域922a及び922b、敵側体力値回復領域923a及び923b、各キャラクタを表す記号が表示されている。白丸記号1001はプレイヤキャラクタを、黒丸記号1002a及び1002bは味方NPCをそれぞれ表す。大きな白丸記号は、プレイヤボスキャラクタ1003を表す。三角記号1004a、1004b及び1004cは、それぞれ敵プレイヤキャラクタ又は敵NPCを表し、大きな三角記号1005は、敵ボスキャラクタを表す。なお、対応するキャラクタが移動すると、各キャラクタを表す記号は、エリアマップ941の中の対応する位置を移動するように表示される。
【0063】
プレイヤボスキャラクタ1003は、
図8には図示しないが、ゲームフィールド上に存在している。敵プレイヤキャラクタ913、敵NPC914a及び914b、並びに、敵増援キャラクタ919a、919b及び919cが特殊エリア921に位置した場合に、敵ボスキャラクタと同様の動作を行う。すなわち、プレイヤボスキャラクタ1003が特殊エリア921に向かって移動する。また、プレイヤボスキャラクタ1003が敵プレイヤキャラクタ913、敵NPC914a及び914b、並びに、敵増援キャラクタ919a、919b及び919cから攻撃されると、プレイヤボスキャラクタ1003の体力値が大幅に減少する状態となる。あるいは、図示しないが、プレイヤボスキャラクタ1003は、プレイヤ増援キャラクタをゲームフィールド上に発生させる。なお、プレイヤボスキャラクタ1003の体力値がゼロになると、プレイヤの敗北が確定する。
【0064】
プレイヤ側体力値回復領域922a及び922bは、ゲームフィールド内に設けられた、一定の領域であり、プレイヤキャラクタ911、味方NPC912a又は912bが位置すると、プレイヤ側体力値回復領域922a又は922bに位置するキャラクタの体力値が回復する。また、敵側体力値回復領域923a及び923bも一定の領域であり、敵プレイヤキャラクタ913、敵NPC914a若しくは914b又は敵増援キャラクタ919a、919b若しくは919cが入ると、入ったキャラクタの体力値が回復する。なお、第四の実施の形態では体力値が回復するが、その他のステータスが回復するものであってもよい。例えば、キャラクタの損傷度を示すパラメータが、回復するものであってもよいし、装備を新しくして防御力を高めるものであってもよい。味方NPC912a及び912b、敵NPC914a及び914b、並びに、敵増援キャラクタ919a、919b及び919c等の登場する数は、適宜変更可能である。
【0065】
[プログラム実行処理]
次に、本発明の第四の実施の形態における、プログラム実行処理について説明する。
図11は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。なお、プログラム実行処理は、例えばグラフィックス処理部35により描画される1フレーム単位毎に実行されるものとしてもよい。また、ゲームフィールド上に存在する、プレイヤボスキャラクタ1003及び敵ボスキャラクタ917以外のキャラクタに対して、並行して処理が行われる。
【0066】
ゲームが開始されると、プレイヤは、クライアント装置3に対して、移動または攻撃の操作指示を入力する(ステップS101)。クライアント装置3は、入力された操作指示をサーバ装置1へ送信する(ステップS102)。
【0067】
サーバ装置1は、クライアント装置3からの操作指示を受信する(ステップS103)。サーバ装置1は、受信した操作指示を判定し、操作の種類に応じて、異なる処理を行う(ステップS104)。
【0068】
サーバ装置1は、受信した操作指示が移動の場合(ステップS104にて1:移動)には、プレイヤの操作するプレイヤキャラクタ911を移動させる。サーバ装置1は、プレイヤキャラクタ911が特殊エリア921に位置するか否か判定する(ステップS105)。サーバ装置1は、プレイヤキャラクタ911が特殊エリア921に位置する場合(ステップS105にてYES)には、特殊フラグをONにする(ステップS106)。サーバ装置1は、敵ボスキャラクタ917を特殊エリア921に向けて移動させる(ステップS107)。サーバ装置1は、ゲームフィールド上に敵増援キャラクタ919a、919b及び919c等、適宜の数を発生させる(ステップS108)。
【0069】
特殊エリア921に位置しない場合(ステップS105にてNO)には、サーバ装置1は、特殊フラグをOFFにする(ステップS109)。そして、サーバ装置1は、プレイヤキャラクタ911がプレイヤ側体力値回復領域922a又は922bに位置するか否か判定する(ステップS110)。プレイヤキャラクタ911がプレイヤ側体力値回復領域922a又は922bに位置する場合(ステップS110でYES)には、サーバ装置1は、プレイヤキャラクタ911の体力値を回復させる(ステップS111)。
【0070】
受信した操作指示が攻撃の場合(ステップS104にて2:攻撃)には、サーバ装置1は、プレイヤの攻撃がゲームフィールド上のオブジェクトに当たったか否かの判定をする(ステップS112)。当たった場合(ステップS112にてYES)には、サーバ装置1は、当たった対象が敵側キャラクタか否かの判定をする(ステップS113)。なお、本実施の形態における敵側キャラクタは、敵ボスキャラクタ917、敵プレイヤキャラクタ914、敵NPC915a若しくは915b又は敵増援キャラクタ919a、919b若しくは919cのいずれかをいう。
【0071】
敵側キャラクタでない場合(ステップS113にてNO)には、サーバ装置1は、所定の効果を発生させる(ステップS114)。所定の効果とは、例えば、ゲームフィールド上の障害物やアイテムである場合には、その障害物やアイテムを破壊する。また、当たった対象が味方NPC912a又は912bである場合には、味方NPC912a又は912bの体力値を通常よりも少なく減少させ、或いは不意を突かれたとして通常よりも多く減少させてもよいし、当たらないように設定してもよい。
【0072】
当たった対象が敵側キャラクタの場合(ステップS113にてYES)には、サーバ装置1は、特殊フラグがONか否かの判定をする(ステップS115)。特殊フラグがOFFの場合(ステップS115にてNO)には、サーバ装置1は、プレイヤの攻撃が当たった敵側キャラクタの体力値を減少させる(ステップS116)。特殊フラグがONの場合(ステップS115にてYES)には、サーバ装置1は、プレイヤの攻撃が当たった敵側キャラクタに対して、通常の攻撃よりも大幅な打撃を与える特殊攻撃を行い、体力値を大幅に減少させる(ステップS117)。なお、体力値を大幅に減少させるのは、敵ボスキャラクタ917に対して当たった場合のみに限定してもよい。
【0073】
ステップS110にてNOの場合、ステップS112でNOの場合にはステップS118の処理へ進む。
【0074】
次に、サーバ装置1は勝利条件を満たすか否かの判定をする(ステップS118)。勝利条件を満たす場合(ステップS118にてYES)には、サーバ装置1は、プレイヤの勝利を確定し、ゲームを終了する。勝利条件とは、例えば、敵ボスキャラクタ917の体力値がゼロになった場合である。勝利条件を満たさない場合(ステップS118にてNO)には、サーバ装置1は終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS119)。終了条件を満たす場合(ステップS119にてYES)には、サーバ装置1はゲームを終了する。終了条件とは、プレイヤボスキャラクタ1003の体力値がゼロになった場合や、対戦時間がゼロになった場合である。プレイヤボスキャラクタ1003の体力値がゼロになった場合には、プレイヤの敗北が確定し、ゲーム終了となる。対戦時間がゼロになった場合には、例えば、プレイヤボスキャラクタ1003の体力値と、敵ボスキャラクタ917の体力値を比較し、体力値が多い側の勝利と決定し、ゲーム終了となる。
【0075】
終了条件を満たさない場合(ステップS119にてNO)には、サーバ装置1は、ステップS101からステップS119までの処理を、フレーム毎にゲームが終了するまで繰り返し行う。処理負荷が高い場合には、分散して演算を行うようにしてもよい。
【0076】
また、サーバ装置1は、ゲーム上に存在するプレイヤボスキャラクタ1003及び敵ボスキャラクタ917以外のキャラクタに対して、ステップS101からステップS119までの処理を行う。そのため、プレイヤからの入力が無くともゲームは進行し、終了し得る。
【0077】
第四の実施の形態の一側面として、オブジェクトがゲームフィールド内で特殊エリアに位置することを検知した場合に、敵ボスキャラクタが移動してきてプレイヤから攻撃しやすくなるものの、敵オブジェクトがゲームフィールド上に新たに発生することから、プレイヤは特殊エリアに位置させるか否かを戦略的に判断する必要が生じ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0078】
第四の実施の形態の一側面として、オブジェクトが攻撃を受けるとその体力値が減少し、体力値が所定値以下になると不利となるため、体力値を所定値以下にしないように操作する動機付けとすることができる。
【0079】
第四の実施の形態の一側面として、ゲームフィールド内に体力値回復領域が設けられ、オブジェクトの体力を回復させることにより、プレイヤはプレイヤキャラクタの体力値の残りに応じて、敵を攻撃することと、プレイヤキャラクタの体力を回復することのいずれかを選択することができ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0080】
第四の実施の形態の一側面として、対戦ゲームが、プレイヤにより操作されるオブジェクトを含む味方チームと、味方チームの対戦相手となる敵チームとの間で行うものとすることで、チームメンバーと協力して対戦することができ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0081】
第四の実施の形態の一側面として、味方チームのオブジェクトのうち、コンピュータにより制御されるオブジェクトに対して所定の動作を行うように指示することにより、プレイヤが操作するオブジェクト以外のオブジェクトを利用してゲームを進行させることができ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0082】
第四の実施の形態の一側面として、コンピュータにより制御されるオブジェクトを介してゲームの進行状況に関する情報をプレイヤが知覚できることにより、プレイヤが確認できるゲームフィールドの範囲が広がり、戦況やゲーム展開を把握しやすくなるため、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0083】
第四の実施の形態の一側面として、コンピュータにより制御されるオブジェクトに関連付けられたキャラクタに応じて、異なる態様でゲームの進行状況に関する情報が出力されることにより、いずれのオブジェクトからもたらされた情報かを把握しやすくなり、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0084】
第四の実施の形態において、「クライアント装置」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、及び「オブジェクトの状態」とは、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0085】
第四の実施の形態において、「敵オブジェクト」とは、第二の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0086】
第四の実施の形態において、「パラメータ」とは、第三の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0087】
第四の実施の形態において、「ゲームの進行状況に関する情報」とは、例えば、コンピュータにより制御されるオブジェクトによる攻撃の成否に関する情報や、敵オブジェクトから受けたダメージに関する情報等をいう。第四の実施の形態において、「異なる態様」とは、例えば、キャラクタごとに異なる音声、容姿、外観、色相、書体、レイアウト等が異なることをいう。
【0088】
[第五の実施の形態]
次に、本発明の第五の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第五の実施の形態として、プレイヤにより操作されるクライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備えるゲームシステムを例示して説明する。
【0089】
図12は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。ゲームシステム4は、検知部301、第一動作制御部302、及び勝敗決定部303を少なくとも備える。
【0090】
検知部301は、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知する機能を有する。第一動作制御部302は、検知部301によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する機能を有する。勝敗決定部303は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する機能を有する。
【0091】
次に、本発明の第五の実施の形態における実行処理について説明する。
図13は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、実行処理のフローチャートである。
【0092】
ゲームシステム4は、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する(ステップS21)。ステップS21において、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、ゲームシステム4は、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する(ステップS22)。ゲームシステム4は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定し(ステップS23)、終了する。
【0093】
第五の実施の形態の一側面として、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うようにすることで、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0094】
第五の実施の形態において、「クライアント装置」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、「所定の動作」、及び「オブジェクトの状態」は、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0095】
[第六の実施の形態]
本発明の第六の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第六の実施の形態として、プレイヤにより操作され、且つ、サーバ装置と通信接続が可能なクライアント装置において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0096】
図14は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の構成を示すブロック図である。クライアント装置3は、検知部401、第一動作制御部402、及び勝敗決定部403を少なくとも備える。
【0097】
検知部401は、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知する機能を有する。第一動作制御部402は、検知部401によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する機能を有する。勝敗決定部403は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する機能を有する。
【0098】
次に、本発明の第六の実施の形態におけるプログラム(ゲームプログラム)実行処理について説明する。
図15は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0099】
クライアント装置3は、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する(ステップS31)。ステップS31において、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、クライアント装置3は、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する(ステップS32)。クライアント装置3は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定し(ステップS33)、終了する。
【0100】
第六の実施の形態の一側面として、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うようにすることで、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0101】
第六の実施の形態において、「クライアント装置」、「サーバ装置」、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、「所定の動作」、及び「オブジェクトの状態」は、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0102】
[第七の実施の形態]
本発明の第七の実施の形態の概要について説明をする。以下では、第七の実施の形態として、入力装置を有するコンピュータ装置において実行されるゲームプログラムを例示して説明をする。
【0103】
図16は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、コンピュータ装置の構成を示すブロック図である。コンピュータ装置5は、検知部501、第一動作制御部502、及び勝敗決定部503を少なくとも備える。
【0104】
検知部501は、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知する機能を有する。第一動作制御部502は、検知部501によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する機能を有する。勝敗決定部503は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する機能を有する。
【0105】
次に、本発明の第七の実施の形態におけるプログラム(ゲームプログラム)実行処理について説明する。
図17は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。
【0106】
コンピュータ装置5は、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する(ステップS41)。ステップS41において、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、コンピュータ装置5は、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する(ステップS42)。コンピュータ装置5は、所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定し(ステップS43)、終了する。
【0107】
第七の実施の形態の一側面として、オブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うようにすることで、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0108】
第七の実施の形態において、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、「所定の動作」、及び「オブジェクトの状態」は、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0109】
第七の実施の形態において、「コンピュータ装置」とは、例えば、デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA等をいい、表示画面にタッチパネルセンサを備える携帯型端末、又は、店舗に設置される業務用ゲーム装置でもよい。
【0110】
[第八の実施の形態]
次に、本発明の第八の実施の形態の概要について説明する。以下では、本発明の第八の実施の形態として、入力装置を有するコンピュータ装置において対戦ゲームを実行するためのゲームプログラムを例示して説明をする。コンピュータ装置の構成は、
図7に示されるものを、必要な範囲で採用することができる。
【0111】
対戦ゲームは、第四の実施の形態に記載された、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと、対戦相手である敵キャラクタとがゲームフィールド上で対戦する対戦ゲームであって、2つのチームに分かれ、リアルタイムに進行する時間に対応しつつ、味方プレイヤと協力しながら敵チームの本拠地を破壊して勝利を目指すスタイルのゲームである、いわゆるマルチプレイヤオンラインバトルアリーナ(MOBA)型ゲームを挙げる。対戦相手は他のプレイヤが操作するものであってもよいし、コンピュータにより制御されるものであってもよい。対戦ゲームの勝利条件は、例えば、対戦相手の敵ボスを倒すことである。他に、倒した敵の数に応じたポイント制だったり、相手ボスキャラクタの体力値を減らした量に基づいてプレイヤの勝利を決めるものとしてもよい。対戦ゲームが終了となるゲーム終了条件は、例えば、勝利条件を満たしたか、あるいは、ゲーム開始から所定の時間が経過することである。
【0112】
本発明の第八の実施の形態におけるゲーム実行画面は、
図8、
図9及び
図10に記載された内容を必要な範囲で採用できる。また、オブジェクトは、第四の実施の形態に記載された内容を必要な範囲で採用できる。
【0113】
次に、本発明の第八の実施の形態における、プログラム実行処理について説明する。
図18は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、プログラム実行処理のフローチャートである。なお、プログラム実行処理は、例えばグラフィックス処理部35により描画される1フレーム単位毎に実行されるものとしてもよい。また、ゲームフィールド上に存在する、プレイヤボスキャラクタ1003及び敵ボスキャラクタ917以外のキャラクタに対して、並行して処理が行われる。
【0114】
ゲームが開始されると、プレイヤは、コンピュータ装置5に対して、移動または攻撃の操作指示を入力する(ステップS201)。コンピュータ装置5は、入力された操作指示を判定し、操作の種類に応じて、異なる処理を行う(ステップS202)。
【0115】
コンピュータ装置5は、入力された操作指示が移動の場合(ステップS202にて1:移動)には、プレイヤの操作するプレイヤキャラクタ911を移動させる。コンピュータ装置5は、プレイヤキャラクタ911が特殊エリア921に位置するか否か判定する(ステップS203)。コンピュータ装置5は、プレイヤキャラクタ911が特殊エリア921に位置する場合(ステップS203にてYES)には、特殊フラグをONにする(ステップS204)。コンピュータ装置5は、敵ボスキャラクタ917を特殊エリア921に向けて移動させる(ステップS205)。コンピュータ装置5は、ゲームフィールド上に敵増援キャラクタ919a、919b及び919c等、適宜の数を発生させる(ステップS206)。
【0116】
特殊エリア921に位置しない場合(ステップS203にてNO)には、コンピュータ装置5は、特殊フラグをOFFにする(ステップS207)。そして、コンピュータ装置5は、プレイヤキャラクタ911がプレイヤ側体力値回復領域922a又は922bに位置するか否か判定する(ステップS208)。プレイヤキャラクタ911がプレイヤ側体力値回復領域922a又は922bに位置する場合(ステップS208でYES)には、コンピュータ装置5は、プレイヤキャラクタ911の体力値を回復させる(ステップS209)。
【0117】
入力された操作指示が攻撃の場合(ステップS202にて2:攻撃)には、コンピュータ装置5は、プレイヤの攻撃がゲームフィールド上のオブジェクトに当たったか否かの判定をする(ステップS210)。当たった場合(ステップS210にてYES)には、コンピュータ装置5は、当たった対象が敵側キャラクタか否かの判定をする(ステップS211)。なお、本実施の形態における敵側キャラクタは、敵ボスキャラクタ917、敵プレイヤキャラクタ914、敵NPC915a若しくは915b又は敵増援キャラクタ919a、919b若しくは919cのいずれかをいう。
【0118】
敵側キャラクタでない場合(ステップS211にてNO)には、コンピュータ装置5は、所定の効果を発生させる(ステップS212)。所定の効果とは、例えば、ゲームフィールド上の障害物やアイテムである場合には、その障害物やアイテムを破壊する。また、当たった対象が味方NPC912a又は912bである場合には、味方NPC912a又は912bの体力値を通常よりも少なく減少させ、或いは不意を突かれたとして通常よりも多く減少させてもよいし、当たらないように設定してもよい。
【0119】
当たった対象が敵側キャラクタの場合(ステップS211にてYES)には、コンピュータ装置5は、特殊フラグがONか否かの判定をする(ステップS213)。特殊フラグがOFFの場合(ステップS213にてNO)には、コンピュータ装置5は、プレイヤの攻撃が当たった敵側キャラクタの体力値を減少させる(ステップS214)。特殊フラグがONの場合(ステップS213にてYES)には、コンピュータ装置5は、プレイヤの攻撃が当たった敵側キャラクタに対して、通常の攻撃よりも大幅な打撃を与える特殊攻撃を行い、体力値を大幅に減少させる(ステップS215)。なお、体力値を大幅に減少させるのは、敵ボスキャラクタ917に対して当たった場合のみに限定してもよい。
【0120】
ステップS208にてNOの場合、ステップS210でNOの場合にはステップS216の処理へ進む。
【0121】
次に、コンピュータ装置5は、勝利条件を満たすか否かの判定をする(ステップS216)。勝利条件を満たす場合(ステップS216にてYES)には、コンピュータ装置5は、プレイヤの勝利を確定し、ゲームを終了する。勝利条件とは、例えば、敵ボスキャラクタ917の体力値がゼロになった場合である。勝利条件を満たさない場合(ステップS216にてNO)には、コンピュータ装置5は終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS217)。終了条件を満たす場合(ステップS217にてYES)には、コンピュータ装置5はゲームを終了する。終了条件とは、プレイヤボスキャラクタ1003の体力値がゼロになった場合や、対戦時間がゼロになった場合である。プレイヤボスキャラクタ1003の体力値がゼロになった場合には、プレイヤの敗北が確定し、ゲーム終了となる。対戦時間がゼロになった場合には、例えば、プレイヤボスキャラクタ1003の体力値と、敵ボスキャラクタ917の体力値を比較し、体力値が多い側の勝利と決定し、ゲーム終了となる。
【0122】
終了条件を満たさない場合(ステップS217にてNO)には、コンピュータ装置5は、ステップS201からステップS217までの処理を、フレーム毎にゲームが終了するまで繰り返し行う。
【0123】
また、コンピュータ装置5は、ゲーム上に存在するプレイヤボスキャラクタ1003、及び、敵ボスキャラクタ917以外のキャラクタに対して、ステップS201からステップS217までの処理を行う。そのため、プレイヤからの入力が無くともゲームは進行し、終了し得る。
【0124】
第八の実施の形態の一側面として、オブジェクトがゲームフィールド内で特殊エリアに位置することを検知した場合に、敵ボスキャラクタが移動してきてプレイヤから攻撃しやすくなるものの、敵オブジェクトがゲームフィールド上に新たに発生することから、プレイヤは特殊エリアに位置させるか否かを戦略的に判断する必要が生じ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0125】
第八の実施の形態の一側面として、オブジェクトが攻撃を受けるとその体力値が減少し、体力値が所定値以下になると不利となるため、体力値を所定値以下にしないように操作する動機付けとすることができる。
【0126】
第八の実施の形態の一側面として、ゲームフィールド内に体力値回復領域が設けられ、オブジェクトの体力を回復させることにより、プレイヤはプレイヤキャラクタの体力値の残りに応じて、敵を攻撃することと、プレイヤキャラクタの体力を回復することのいずれかを選択することができ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0127】
第八の実施の形態の一側面として、対戦ゲームが、プレイヤにより操作されるオブジェクトを含む味方チームと、味方チームの対戦相手となる敵チームとの間で行うものとすることで、チームメンバーと協力して対戦することができ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0128】
第八の実施の形態の一側面として、味方チームのオブジェクトのうち、コンピュータにより制御されるオブジェクトに対して所定の動作を行うように指示することにより、プレイヤが操作するオブジェクト以外のオブジェクトを利用してゲームを進行させることができ、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0129】
第八の実施の形態の一側面として、コンピュータにより制御されるオブジェクトを介してゲームの進行状況に関する情報をプレイヤが知覚できることにより、プレイヤが確認できるゲームフィールドの範囲が広がり、戦況やゲーム展開を把握しやすくなるため、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0130】
第八の実施の形態の一側面として、コンピュータにより制御されるオブジェクトに関連付けられたキャラクタに応じて、異なる態様でゲームの進行状況に関する情報が出力されることにより、いずれのオブジェクトからもたらされた情報かを把握しやすくなり、ゲームの戦略性を高めるとともに趣向性を高めることができる。
【0131】
第八の実施の形態において、「ゲーム」、「対戦ゲーム」、「オブジェクト」、「所定の領域」、及び「オブジェクトの状態」とは、それぞれ第一の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0132】
第八の実施の形態において、「敵オブジェクト」とは、第二の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0133】
第八の実施の形態において、「パラメータ」とは、第三の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0134】
第八の実施の形態において、「ゲームの進行状況に関する情報」及び「異なる態様」とは、第四の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0135】
第八の実施の形態において、「コンピュータ装置」とは、第七の実施の形態において記載した内容を必要な範囲で採用できる。
【0136】
[付記]
上で述べた実施の形態の説明は、下記の発明を、発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
【0137】
[1] 入力装置を有するクライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行される対戦ゲームに関するゲームプログラムであって、
サーバ装置を、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段
として機能させる、ゲームプログラム。
【0138】
[2] 所定のオブジェクトが少なくとも1つの敵オブジェクトであり、
第一動作制御手段が、検知手段により、オブジェクトがゲームフィールド内の所定の領域に位置することを検知すると、該敵オブジェクトが所定の領域へ移動するよう制御する、
[1]に記載のゲームプログラム。
【0139】
[3] 所定のオブジェクトが少なくとも1つの敵オブジェクトであり、
オブジェクトが所定のパラメータを有するものであって、
サーバ装置を、
検知手段により、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知した場合に、該敵オブジェクトを攻撃することにより該敵オブジェクトに設定された所定のパラメータを減少させることができない状態から、該所定のパラメータを減少させることができる状態に切り替える、減少可能化切替手段、
として機能させ、
勝敗決定手段が、該敵オブジェクトの所定のパラメータに応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する、
[1]又は[2]に記載のゲームプログラム。
【0140】
[4] サーバ装置を、
検知手段により、オブジェクトがゲームフィールド内の所定の領域に位置することを検知すると、敵オブジェクトをゲームフィールド上に新たに発生させる敵オブジェクト発生手段
として機能させる、[1]~[3]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0141】
[5] オブジェクトが体力値を有し、
オブジェクトは攻撃を受けると体力値が減少し、体力値が所定値以下になると動作不能となる、[1]~[4]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0142】
[6] ゲームフィールド内には、オブジェクトの体力値を回復するための、体力値回復領域が設けられており、
サーバ装置を、
オブジェクトが体力値回復領域に位置する場合に、オブジェクトの減少した体力値を回復する回復手段
として機能させる、[5]に記載のゲームプログラム。
【0143】
[7] 対戦ゲームは、プレイヤにより操作されるオブジェクトを含む味方チームと、味方チームの対戦相手となる敵チームとの間で行うものであり、
味方チームは、プレイヤにより操作されるオブジェクト、他のプレイヤにより操作されるオブジェクト及び/又はコンピュータにより制御されるオブジェクトにより構成される、[1]~[6]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0144】
[8] サーバ装置を、
プレイヤの操作指示により、コンピュータにより制御される味方チームのオブジェクトに対して所定の動作を行うように指示する指示手段、
指示にしたがって、コンピュータにより制御されるオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第二動作制御手段
として機能させる、[7]に記載のゲームプログラム。
【0145】
[9] サーバ装置を、
コンピュータにより制御されるオブジェクトによるゲームの進行状況に関する情報を出力する出力手段
として機能させる、[7]又は[8]に記載のゲームプログラム。
【0146】
[10] サーバ装置を、
オブジェクトとキャラクタを関連付けるキャラクタ関連付手段
として機能させ、
出力手段が、コンピュータにより制御されるオブジェクトに関連付けられたキャラクタに応じて、異なる態様で、該オブジェクトによるゲームの進行状況に関する情報を出力する、
[7]~[9]のいずれかに記載のゲームプログラム。
【0147】
[11] 入力装置を有するクライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置であって、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段と、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段と、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段と
を備える、サーバ装置。
【0148】
[12] 入力装置を有するクライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段と、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段と、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段とを備える、ゲームシステム。
【0149】
[13] 入力装置を有し、且つ、サーバ装置と通信接続が可能なクライアント装置において実行されるゲームプログラムであって、
クライアント装置を、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段、
として機能させる、ゲームプログラム。
【0150】
[14] 入力装置を有し、且つ、サーバ装置と通信接続が可能なクライアント装置であって、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段と、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段と、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段とを備える、クライアント装置。
【0151】
[15] 入力装置を有するクライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行されるゲーム進行方法であって、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知ステップと、
検知ステップによりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御ステップ、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定ステップとを有する、ゲーム進行方法。
【0152】
[16] 入力装置を有するクライアント装置と、クライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備えるゲームシステムにおいて実行されるゲーム進行方法であって、
クライアント装置又はサーバ装置により、オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知ステップと、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御ステップと、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定ステップとを有する、ゲーム進行方法。
【0153】
[17] 入力装置を有するコンピュータ装置において実行されるゲームプログラムであって、
コンピュータ装置を、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段
として機能させる、ゲームプログラム。
【0154】
[18] 入力装置を有するコンピュータ装置であって、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知手段と、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御手段と、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定手段と
を備える、コンピュータ装置。
【0155】
[19] 入力装置を有するコンピュータ装置において実行されるゲーム進行方法であって、
オブジェクトがゲームフィールド内で所定の領域に位置することを検知する検知ステップと、
検知手段によりオブジェクトが所定の領域に位置することを検知すると、所定のオブジェクトが所定の動作を行うように制御する第一動作制御ステップと、
所定のオブジェクトの状態に応じて、対戦ゲームの勝敗を決定する勝敗決定ステップとを有する、ゲーム進行方法。
【符号の説明】
【0156】
1 サーバ装置
2 通信ネットワーク
3 クライアント装置
4 ゲームシステム
5 コンピュータ装置
11 制御部
12 RAM
13 ストレージ部
14 通信インタフェース
31 制御部
32 RAM
33 ストレージ部
34 サウンド処理部
35 グラフィックス処理部
36 CD-ROMドライブ
37 通信インタフェース
38 インタフェース部
40 入力部
41 サウンド出力装置
42 表示装置
43 表示画面
44 記録媒体