(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】光学センサ及び/又は電磁センサを使用してクレーン状態を判定するためのシステム
(51)【国際特許分類】
B66C 13/00 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
B66C13/00 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019202089
(22)【出願日】2019-11-07
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051082
【氏名又は名称】マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】スクーンメイカー, スティーヴン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】オズワルド, マシュー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェリー, メリサ
(72)【発明者】
【氏名】シュニットカー, フランク シー.
(72)【発明者】
【氏名】ルディ, ジョン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク, ジャレッド
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-157188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0174542(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06;19/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又はそれ以上の地面係合要素を有する下部構造と、
該下部構造へ接続され、ブームを有する上部構造と、
クレーン状態を判定するためのシステムであって、
該下部構造の長さ又は該ブームの少なくとも一部分に沿って視線を有するように配置され、光伝達を検出してセンサ情報を出力するように構成されたセンサ組立体
であって、該ブーム上に配置されてレーザービームを発するように構成された送信器と、該ブーム上に配置されて該レーザービームを検出するように構成された光センサのアレイを有する受信器とを備え、該ブームが垂直方向に撓んだときに該レーザービームが該受信器に対して垂直方向に動き、該ブームが水平方向に撓んだときに該レーザービームが水平方向に動くようにされており、該センサ情報が該光センサのアレイの光センサによる該レーザービームの検出に関する情報と該レーザービームを検出した光センサに関する情報とを含んでいる、センサ組立体、及び、
該センサ情報を受信し、該センサ情報に基づいて該クレーン状態を判定するように構成され
、該センサ情報に基づいて該受信器上の該レーザービームの位置を判定するようにされたコンピュータ、を備え、
判定される該クレーン状態は、垂直方向ブーム撓み
及び横方向ブーム撓み
を含む、
システムと、
を備え、
該クレーン状態を判定するための該システムは、1つ又はそれ以上のクレーン構成要素に動作可能に接続されており、該1つ又はそれ以上のクレーン構成要素の動作が該判定されたクレーン状態に基づいて制御されるようにされた、クレーン。
【請求項2】
該送信器は、垂直平面内に複数のレーザービームを発する、請求項
1に記載のクレーン。
【請求項3】
該送信器は、該レーザービームを垂直平面又は水平平面内で1つ又はそれ以上のビームへ回折するように構成された回折デバイス、を更に備えている、請求項
1に記載のクレーン。
【請求項4】
該送信器は、垂直平面内で或る角度範囲を通して動くように該ブーム上に回転可能に取り付けられている、請求項
1に記載のクレーン。
【請求項5】
該送信器の角度位置はモーターによって変えられることができる、請求項
4に記載のクレーン。
【請求項6】
該モーターは、該コンピュータへ動作可能に接続されていて、該コンピュータによって計算される予測垂直方向撓みに基づいて該送信器の該角度位置を変えるように構成されている、請求項
5に記載のクレーン。
【請求項7】
該センサ組立体は、該ブームの側面上に、該ブームの下面上に、
又は該ブームの上面上
に配置されている、請求項1に記載のクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]以下の説明は、クレーン状態を判定するためのシステムに関し、具体的には、光学センサ及び/又は電磁センサを使用してクレーン状態を判定するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]既知のクレーンは、下部構造(lower works)へ動作可能に接続されたブームを含んでいる。例えば、移動式クレーンは移動式キャリアへ接続された伸縮式ブームを含んでおり、クローラークレーンはクローラー式キャリアへ接続された格子ブームを含んでおり、タワークレーンはタワー(マストとも呼ばれる)へ接続された一般的にジブと呼ばれるブームを含んでいるであろう。既知のクレーンは、更に、ブームから垂下されているロープを巻き取ったり巻き戻したりするように構成された1つ又はそれ以上のホイストを含んでいる。ロープは、典型的には、1つ又はそれ以上のシーブ周りに所望のリービングで延びている。ロープの自由端へは、フックブロックの様な吊上器具が固定されている。フックブロックは、クレーンによって吊り上げられる物体に係合するように構成されている。
【0003】
[0003]既知のクレーンは、様々な運動を遂行することができる。例えば、ブームは、旋回運動(即ち、左振り及び右振り)、吊上運動(即ち、ブーム先端の起こし及びブーム先端の倒し)、ジブ運動(ブーム全体の上げ及びブーム全体の下げ)、及び伸縮運動(即ち、伸縮区分の入れ及び伸縮区分の出し)、又はそれらの組合せ、に適するように構成されているだろう。吊上器具は、ホイストへ接続された1つ又はそれ以上のロープの巻き取り及び巻き戻しに呼応してブームに対し垂直方向に動くように構成されている。タワークレーンの様な一部のクレーンでは、吊上器具は、ブームに沿って動くように構成されており、例えばタワークレーンブーム(ときにジブと呼ばれる)に沿って可動であるトロリーを介して動くように構成されている。
【0004】
[0004]様々なクレーン構成要素の状況を含め、クレーンの状態を監視するのが望ましい。現在、クレーン構成要素の状況は、近接センサ、ロードセル、RFIDセンサ、などを含む複数のセンサから受信される情報を処理することによって監視されることもある。監視され得る状況は、旋回角度、ブーム(タワークレーンのラフィングジブを含む)の吊上角度、ブーム長さ、巻き戻しロープ長さ、吊上器具とブーム(ブーム先端)又はタワークレーントロリーの自由端との間の距離を含む。
【0005】
[0005]他の既知のシステムは、様々なクレーン構成要素の状況を判定するため及び監視するために光学的対象認識技法を使用している。例えば、米国特許出願公開第2017/0217737号、同第2018/0141787号、同第2018/0141788号、同第2018/0141789号、及び同第2018/0143011号は、対象がキャプチャー画像内に検出され、そして検出された対象の分析に基づいてクレーン構成要素の状況又は状態が判定されるという様々なシステムを開示している。例えば、米国特許出願公開第2018/0143011号では、検出される対象はクレーンキャリア又は上部構造であり、検出された対象の分析に基づいてブームの旋回角度又は吊上角度が求められるようになっている。
【0006】
[0006]しかしながら、上記システムでは、判定され得るクレーン状態の数及び型式が物理的制約によって、例えばブームのどちらかの端からの視認性又は離れて設置されているベースクレーン又はタワークレーンのベース構造からの視認性によって、制限されることもある。
【0007】
[0007]ジブシステムの、荷重平面に対して横断方向の変形を検出するためのセンサユニットを有する別の既知のクレーンが、ここに参考文献として援用される米国特許出願公開第2018/0044149号(「米国‘149号」)に開示されている。しかしながら、米国‘149号のセンサユニットは、ジブシステムの変形に影響を及ぼすための調節ユニットをアクティブにするのに、既定位置へのジブシステムの運動を検出している。つまり、米国‘149号のセンサユニットは、ジブシステムの変形を、或る変形範囲を通して計測していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2017/0217737号
【文献】米国特許出願公開第2018/0141787号
【文献】米国特許出願公開第2018/0141788号
【文献】米国特許出願公開第2018/0141789号
【文献】米国特許出願公開第2018/0143011号
【文献】米国特許出願公開第2018/0044149号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0008]したがって、多様なクレーン状態を、物理的計測に関係付けられる基準点又はブームやタワーの様な細長いクレーン構成要素の長さに沿って取られるキャプチャー画像に基づいて判定するためのシステムを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0009]1つの態様によれば、クレーンが、1つ又はそれ以上の地面係合要素を有する下部構造(lower works)と、下部構造へ接続され、ブームを有する上部構造(upper works)と、現場クレーン状態を判定するためのシステムと、を含んでいる。システムは、ブーム又は下部構造の長さの少なくとも一部分に沿って視線を有するように配置されたセンサ組立体を含んでおり、センサ組立体は、電磁放射線例えば光伝達を検出し、同電磁放射線に関係するセンサ情報を出力するように構成されている。システムは、更に、センサ情報を受信し、センサ情報に基づいてクレーン状態を判定するように構成されたコンピュータを含んでいる。判定されるクレーン状態は、垂直方向ブーム撓み、横方向ブーム撓み、ブーム長さ、ブーム区分長さ、ブーム区分の数、ブーム区分の型式、ブームアタッチメント設置状況及び位置、ブームアタッチメント長さ、ブームアタッチメントオフセット、アンチ・ツー・ブロック(ATB)構成要素状態、クレーンのATB状態、リービング構成、最適リービング構成、保持ピン設置状態、シーブ回転、ブームピックポイント、可撓性部材状況、ペンダントロープ長さ、クレーン構成要素の正しい位置決め、吊綱の数、可撓性部材の数、所望又は期待される構築との構築差、トロリー位置、タワークレーンマスト捩じれ、ブーム捩じれ、揺れ、随行(trailing)ブーム監視、ジブ索具モード、及び可撓性部材速度のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
[0010]1つの実施形態では、センサ組立体は、レーザービームを発するように構成された送信器と、レーザービームを検出するように構成された光センサのアレイを有する受信器と、を含んでいてもよい。センサ情報は、光センサのアレイの光センサによるレーザービームの検出に関する情報を含んでもよい。センサ情報は、レーザービームを検出している光センサに関する情報を含んでもよい。コンピュータが受信器上のレーザービームの位置を判定するようになっていてもよい。判定されるクレーン状態は、横方向ブーム撓みと垂直方向ブーム撓みの少なくとも一方であってもよい。1つの実施形態では、送信器は、所望に応じて実質的に垂直平面又は水平平面内に複数のレーザービームを発するようになっていてもよい。1つの実施形態では、送信器は、更に、レーザービームを所望に応じて垂直平面又は水平平面内で1つ又はそれ以上のビームへ回折するように構成された1つ又はそれ以上のプリズムの様な回折デバイスを含んでいてもよい。1つの実施形態では、送信器は、所望に応じて垂直平面又は水平平面内で或る角度範囲を通して動くためにブーム上に回転可能に取り付けられていてもよい。1つの実施形態では、送信器の角度位置は、モーターによって変えられることができる。また、1つの実施形態では、回折デバイスの位置が、例えばモーターによって、調節されてもよい。1つの実施形態では、回折デバイスは、回転させられる及び/又は直線的に動かされるようになっていてもよい。
【0012】
[0011]1つの実施形態では、センサ組立体は画像キャプチャーデバイスであり、コンピュータは、センサ情報に基づいて、画像キャプチャーデバイスの視野を表現するキャプチャー画像を生成するように構成されていてもよい。システムは、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の対象を検出するように構成されていてもよい。1つ又はそれ以上の検出される対象は、クレーン構成要素、クレーン構成要素上のマーカー、及び水平線のうちの少なくとも1つを含んでもよい。クレーン構成要素は、ブーム、ブーム先端、シーブ、可撓性部材、吊上器具、ATB構成要素、ブームアタッチメント、マスト、ブーム区分、格子ブームコード、随行ブームドリー、停止ブロック、サポートペンダント、及びトロリーのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0013】
[0012]システムは、キャプチャー画像を分析してキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上のパラメータを求めるように構成されていてもよい。キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上のパラメータは、検出される対象の、位置、相対位置、位置の変化、基準点からの距離、向き、延在方向、大きさ、形状、寸法、色、及びパターンのうちの少なくとも1つを含んでもよい。システムは、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の求められたパラメータを分析して、実際のパラメータ、検出された対象の本体、及びクレーン状態のうちの少なくとも1つを判定するように構成されていてもよい。
【0014】
[0013]1つの実施形態では、システムは、キャプチャー画像を分析して、実際のパラメータ、検出された対象の本体、及びクレーン状態のうちの少なくとも1つを判定するように構成されていてもよい。1つの実施形態では、画像キャプチャーデバイスは、デジタルカメラであってもよい。1つの実施形態では、画像キャプチャーデバイスは、LiDAR組立体であってもよい。センサ情報は、視野内の対象のLiDAR組立体からの距離に関する情報を含んでもよい。
【0015】
[0014]1つの実施形態では、センサ組立体は、ブームの側面上に、ブームの下面上に、ブームの上面上に、下部構造上のブーム下面に沿った視野を有する位置に、又はタワークレーンマスト上に配置されることができる。1つの実施形態では、クレーン状態を判定するためのシステムは1つ又はそれ以上のクレーン構成要素へ動作可能に接続されていて、1つ又はそれ以上のクレーン構成要素の動作が判定されたクレーン状態に基づいて制御されるようになっていてもよい。
【0016】
[0015]1つの実施形態では、クレーン状態を判定するためのシステムは、更に、ディスプレイデバイスを含んでいてもよい。キャプチャー画像はディスプレイデバイス上に表示されてもよい。
【0017】
[0016]別の態様によれば、現場クレーン状態を判定するための方法が、細長いクレーン構成要素の長さに沿った画像をキャプチャーする段階と、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の対象を検出する段階と、1つ又はそれ以上の検出された対象を分析してキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上のパラメータを求める段階と、キャプチャー画像内の求められたパラメータに基づいてキャプチャー画像を分析して、キャプチャー画像内の求められたパラメータに対応する実際のパラメータと検出された対象の本体のうちの1つ又はそれ以上を判定する段階と、を含んでいる。方法は、更に、求められたパラメータの分析に基づいてクレーン状態を判定する段階を含んでもよい。
【0018】
[0017]開示の他の目的、特徴、及び利点は、次に続く説明を添付図面と関連付けて考察することから明らかになるものであり、図面中、同様の符号は同様の部分、要素、構成要素、段階、及びプロセスを表す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】[0018]或る実施形態による、クレーン状態を判定するためのシステムを有するクレーンの斜視図である。
【
図2】[0019]或る実施形態による、
図1のクレーンのブームへ接続されたセンサ組立体受信器を示している拡大斜視図である。
【
図3】[0020]或る実施形態による、
図2の受信器の光センサレイアレイの平面図である。
【
図4】[0021]或る実施形態による、クレーン上の
図2の受信器の斜視図である。
【
図5】[0022]或る実施形態による、垂直方向に撓んだブーム及びブーム上に設置されたセンサ組立体の側面図を表現している略図である。
【
図6】[0023]別の実施形態による、クレーン状態を判定するためのシステムを有するクレーンの斜視図である。
【
図7】[0024]或る実施形態による、
図6のクレーンのブームへ接続されたセンサ組立体受信器を示している拡大斜視図である。
【
図8】[0025]別の実施形態による、クレーン状態を判定するためのシステムを有するクレーンの斜視図である。
【
図9】[0026]或る実施形態による、
図8のクレーンのブームへ接続されたセンサ組立体受信器を示している拡大斜視図である。
【
図10】[0027]或る実施形態による、ブームが実質的に撓んでいない画像を表現している略図である。
【
図11】[0028]或る実施形態による、ブームが垂直方向に撓んでいる画像を表現している略図である。
【
図12】[0029]或る実施形態による、ブームが垂直方向及び水平方向に撓んでいる画像を表現している略図である。
【
図13】[0030]或る実施形態による、ブームが伸ばされている画像を表現している略図である。
【
図14】[0031]或る実施形態による、ブームが縮められている画像を表現している略図である。
【
図15】[0032]或る実施形態による、ブームが伸ばされていてアンチ・ツー・ブロック構成要素を含んでいる画像を表現している略図である。
【
図16】[0033]或る実施形態による、ブームが縮められていてアンチ・ツー・ブロック構成要素を含んでいる画像を表現している略図である。
【
図17】[0034]或る実施形態による、正しいリービングが提供されている画像を表現している略図である。
【
図18】[0035]或る実施形態による、不正なリービングが提供されている画像を表現している略図である。
【
図19】[0036]或る実施形態による、ブームアタッチメントがブームに隣接して示されている画像を表現している略図である。
【
図20】[0037]或る実施形態による、格子ブームが提供されている画像を表現している略図である。
【
図21】[0038]或る実施形態による、格子ブームが提供されている別の画像を表現している略図である。
【
図22】[0039]或る実施形態による、
図21の格子ブームが提供されている別の画像を表現している略図である。
【
図23】[0040]或る実施形態による、タワークレーンジブが提供されているキャプチャー画像の一例である。
【
図24】[0041]或る実施形態による、クレーン状態を判定するためのシステムを示しているブロック線図である。
【
図25】[0042]或る実施形態による、クレーン状態を判定するための方法を示しているブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0043]本開示は様々な形態での具現化の余地があるとはいえ、図面には1つ又はそれ以上の実施形態が示されており以下ではそれら実施形態を説明してゆくが、ついては本開示は単に例示と見なされるべきであって本開示を説明され又は描かれている何れかの特定の実施形態に限定しようとするものではないことを理解しておきたい。
【0021】
[0044]
図1は、或る実施形態による、クレーン状態を判定するためのシステム110を有するクレーン10の斜視図である。クレーン10は、下部構造12及び下部構造12上に取り付けられた上部構造14を含んでいる。上部構造14は、下部構造12へ取り付けられている回転台(図示せず)及び回転台と共に下部構造に対して回転するように回転台へ取り付けられているブーム16を含んでいる。更に、回転台上には操作者運転室18が取り付けられていてもよい。
【0022】
[0045]
図24は、クレーン状態を判定するためのシステム110の或る例を示しているブロック線図である。システム110は、コンピュータ112と、コンピュータ112へ動作可能に接続されている1つ又はそれ以上のセンサ組立体114、414、514を含んでいてもよい。コンピュータ112は、
図1に概略的に示されている様に、例えば操作者運転室18内に取り付けられていてもよいが、それに限定されない。例えば、コンピュータ112は、互いに動作可能に及び/又は通信可能に接続された複数の構成要素をクレーン10上の異なる場所に分散させるか又はクレーン10から遠隔に配置させるかして備えていてもよいし又はそれらの組合せを備えていてもよい。コンピュータ112は、プログラム命令を記憶するように構成されたメモリと、コンピュータ112の動作を制御するためにプログラム命令を実行するように構成されたマイクロプロセッサの様なプロセッサと、を含んでいる。メモリは、単一ユニットであってもよいし、又は動作可能に例えばプロセッサへ接続された複数のユニットを含んでいてもよい。同様に、コンピュータ112は、互いへ動作可能に接続された複数のコンピュータを含んでいてもよい。
【0023】
[0046]システム110は、更に、例えば、システム110の様々な構成要素及び/又は外部構成要素の間の、例えば通信ネットワークを介した通信を許容するように構成された通信デバイス116を含んでいてもよい。システム110は、更に、視覚的ディスプレイデバイス118を含んでいてもよい。更に、入力/出力(I/O)デバイス120が提供されていて、それを用いて操作者が情報をシステム110へ入力し及び/又はシステム110が情報を出力するようになっていてもよい。1つの実施形態では、I/Oデバイス120は、例えばタッチスクリーンディスプレイとして、視覚的ディスプレイデバイス118と一体化されていてもよい。上述のものに限定されるわけではないがシステム110の様々な構成要素は、バス121上で互いへ動作可能に接続されていてもよい。
【0024】
[0047]1つ又はそれ以上のセンサ組立体114、414、514は、当該1つ又はそれ以上のセンサ組立体114、414、514によって検出された情報が、コンピュータ112によって受信され、記憶されているプログラム命令にしたがいプロセッサによって処理されるように、動作可能にコンピュータ112へ接続されている。1つの実施形態では、1つ又はそれ以上のセンサ組立体114、414、514は、ブーム16の少なくとも一部分に沿って視線を有するように配置されている。
【0025】
[0048]再び
図1及び
図2を参照して、1つの実施形態では、センサ組立体114は送信器122及び受信器124を含むことができる。1つの実施形態では、送信器122は電磁放射線を発するように構成されている。例えば、送信器122は、少なくとも1つのレーザービーム126を発するように構成されたレーザーを含んでいてもよい。
【0026】
[0049]受信器124は、その表面に入射するレーザービーム126を検出するように構成されていてもよい。1つの実施形態では、受信器124は、全体的には板の形をしていて、光ダイオードや光依存性抵抗器などの様な光センサ128のアレイを含んでいてもよい。1つの実施形態では、個々の光センサ128の位置は、既知であり、例えばメモリに記憶されていてもよい。
図3は、或る実施形態による光センサ128の配列を示している平面図である。
【0027】
[0050]1つの実施形態では、送信器122と受信器124はブーム16の長さ方向「L」に沿って離間されていてもよい。1つの実施形態では、送信器122及び受信器124はブーム16の横方向の側面に配置されていてもよい。1つの実施形態では、ブーム16は伸縮式ブームであってもよいが、それに限定されない。1つの実施形態では、送信器122はブーム先端22又はブーム先端22付近に配置され、受信器124はブーム16の異なる伸縮区分上に配置されていてもよい。
【0028】
[0051]システム110は、センサ組立体114から受信されたセンサ情報に基づいて、少なくとも1つのクレーン状態を判定するように構成されている。判定されるクレーン状態は、例えば横方向ブーム撓み(水平方向ブーム撓みとも呼ばれる)であり、及び/又は幾つかの実施形態では垂直方向ブーム撓みであり得る。1つの実施形態では、システム110は、その様なクレーン状態が存在しているかどうかを判定することができ、及び/又はクレーン状態の程度の計測値又は推定値を求めることができる。
【0029】
[0052]例えば、1つの実施形態では、ブーム16が(横方向と垂直方向の両方向に)撓んでいない状況にあれば、レーザービーム126は、受信器124の表面上で初期位置に入射し、光センサ128により検出されることができる。ブーム16が水平方向か又は垂直方向のどちらかに撓むにつれ、受信器124上のレーザービーム126の位置は変化する。例えば、ブーム16が水平方向に撓むにつれレーザービーム126は水平方向に(即ち、横断方向に、又はブームの幅方向に)動くことになる。同様に、ブーム16が垂直方向に撓むにつれレーザービーム126は垂直方向に(即ち、ブームの高さ方向に)動くことになる。幾つかの実施形態では、ブームが水平方向か又は垂直方向のどちらかに閾値限界を超えて撓めば、レーザービーム126は、受信器124からオフセットされている位置へ、即ち受信器に入射しない位置へ動く。このため、1つの実施形態では、受信器124は、その様な閾値撓みに対応する寸法であってもよい。
【0030】
[0053]したがって、1つの実施形態では、センサ情報は、レーザービーム126が受信器に入射しているかどうかを指し示し、また随意的にはどの光センサ128がレーザービーム126を検出したかを指し示すことができる。メモリに記憶されている光センサ128の位置を用いて、システム110は受信器124上のレーザービーム126の位置を判定することができる。システム110は、受信器124上のレーザービーム126の位置の変化に基づいて、横方向ブーム撓みが起こっているかどうかを判定することができる。1つの実施形態では、スケールファクタが、例えば較正を介して既知であり、メモリに記憶されていてもよい。そうすると、システム110は、受信器124上のレーザービーム126の位置の検出された変化とスケールファクタに基づいて、横方向撓みの程度を計算することができる。
【0031】
[0054]1つの実施形態では、以上に指摘されている様に、ブーム16の横方向撓みが閾値量を超えている場合、レーザービーム126は受信器124からオフセットされた位置へ動く。ゆえに、レーザービーム126は、その様な状況では受信器124の表面上に検出されない。1つの実施形態では、センサ組立体114は、レーザービーム126が検出されないことを指し示すセンサ情報を提供することができる。別の実施形態では、センサ組立体114はセンサ情報を提供しておらず、システム110は、センサ情報が例えば既定の時間長さを経ても受信されないことに応えて、横方向ブーム撓みは閾値限界を超えていると判定するようになっていてもよい。
【0032】
[0055]別の実施形態では、センサ組立体114は、レーザービーム126が、ブーム16が撓んでいない状況にある場合には受信器124へ入射せず、閾値限界を超えるブーム撓みに呼応して受信器124に入射してしまうように構成されていてもよい。
【0033】
[0056]
図4を参照して、1つの実施形態では、複数のレーザービーム126が、受信器124に入射し、1つ又はそれ以上の光センサ128によって検出されることになる。異なるレーザービーム126は、例えばブーム16に沿って異なる長さに配置された送信器122から発せられるようになっていてもよい。
【0034】
[0057]
図5は、或る実施形態による、垂直方向に撓んだ状況にあるブーム16の一例を示している。幾つかの実施形態では、ブーム16のその様な垂直方向撓みは、レーザービーム126を垂直方向に受信器124からオフセットさせてしまい、その結果、光検出器128によって検出されなくなる可能性がある。
【0035】
[0058]
図6は、クレーン状態を判定するためのシステム110を有するクレーン10の或る実施例であって、センサ組立体114が別の実施形態の送信器222を含んでいる実施例を示している。送信器222は、レーザービーム126の方向に実質的に垂直平面内に延びる複数のレーザービーム126を発するように構成されている。
図7は、複数のレーザービーム126が全体的にそこへ向けて方向決めされる受信器124の拡大図である。
図6及び
図7に示されている様に、送信器22を介し、少なくとも1つのレーザービーム126は、横方向撓みが既定閾値内にあるときには垂直方向ブーム撓みの範囲を通して引き続き受信器124上へ入射するはずであり、光センサ128によって検出可能である。ブーム16の水平方向撓みが既定範囲を超えているとき、レーザービーム126は受信器124から水平方向にオフセットされるはずであり、その結果レーザービーム126は光センサ128によって検出されなくなる。
【0036】
[0059]
図8は、クレーン状態を判定するためのシステム110を有するクレーン10の実施例であって、センサ組立体114が別の実施形態の送信器322を含んでいる実施例を示している。1つの実施形態によれば、送信器322は、レーザービーム126を所望に応じて垂直平面又は水平平面内で実質的に受信器124に向かって延びる線に沿って回折するように構成された1つ又はそれ以上のプリズム又は回折格子の様な、回折デバイス(図示せず)を含んでいてもよい。つまり、レーザービーム126は、受信器124に入射する方向に延びるよう、回折デバイスによって回折されるようになっていてもよい。例えば、レーザービーム126は、水平方向撓みが既定範囲内にあるときは受信器124上へ入射してしまうように実質的に垂直平面内で回折されてもよい。その様な実施形態では、水平方向撓みを計測することができる。1つの実施形態では、レーザービーム126は、垂直方向撓みが既定範囲内にあるときは受信器124上へ入射するように実質的に水平平面内で回折されてもよい。その様な実施形態では、垂直方向撓みを計測することができる。1つの実施形態では、回折デバイスは、レーザービーム126を、実質的に、所望に応じて垂直平面又は水平平面内に延びる複数のレーザービームへ既知のやり方で分割してもよい。
【0037】
[0060]1つの実施形態では、回折デバイスを調節してレーザービーム126を所望に応じて垂直平面及び/又は水平平面内で或る角度範囲を通して方向決めさせることによって走査動作が遂行されてもよい。
図9は、複数のレーザービーム126が全体としてそこに向けて方向決めされる受信器124の拡大図である。システム110は、レーザービーム126が以上に詳述されるやり方で光検出器128によって検出されるかどうかを指し示すセンサ情報に基づいて、水平方向ブーム撓みを判定することができる。水平方向か又は垂直方向か又はそれら両方向の既知の回折並びに受信器124上のレーザービーム126の位置を用いて、水平方向撓みか又は垂直方向撓みか又はそれら両方向の撓みが判定され得る。1つの実施形態では、回折デバイスは、例えばクレーンの揺らぎ、震え、振動などを理由に、レーザービーム126を複数ビームへ分割してもよい。その場合、回折された単数又は複数のレーザービーム126は、基準点の線に沿って及び/又は受信器124上に位置を定められた光センサ128のアレイ上に検出されることになる。
【0038】
[0061]別の実施形態では、送信器122は、走査動作を遂行するようにブーム16上に回転可能に取り付けられていてもよい。例えば、送信器122は、モーターによって、垂直平面内で或る角度範囲を通して回転されるようになっていてもよい。したがって、レーザービーム126は、横方向ブーム撓みが既定閾値内にあるときは、走査動作の少なくとも一部分の間は受信器124に入射し、光センサ128によって検出されるはずである。1つの実施形態では、クレーンの定格容量制限器(RCL)が、ブーム16の垂直方向撓みを予測するべく計算を遂行するようになっていてもよい。送信器122は、ブーム16上に回転可能に取り付けられ、システム110及び/又はRCLへ動作可能に接続されていてもよい。水平方向撓みが既定限度内にあるときはレーザービーム126が垂直方向ブーム撓みの或る範囲を通して受信器124上へ入射したままとなるように、システム110又はRCLは、予測された垂直方向ブーム撓みに基づいてモーター(図示せず)を制御して送信器の角度位置を調節させることができる。
【0039】
[0062]再び
図24を参照して、1つの実施形態では、システム110は、例えば光線の様な電磁放射線、を検出するように構成された画像センサを組み入れているデジタルカメラの様な画像キャプチャーデバイスの形態をしているセンサ組立体414を含むことができる。画像センサからの情報は、例えばコンピュータ112によって、画像キャプチャーデバイスの視野内の画像を作成するために及びキャプチャーするために使用されることができる。適切なカメラは、限定するわけではないが、視野内の画像をキャプチャーするように構成された広角カメラ、ステレオカメラ、電送カメラ、ズームカメラ、ビデオカメラ、及び類似の既知のカメラを含む。
【0040】
[0063]代替的又は追加的に、システム110は、LiDAR組立体として形成されたセンサ組立体514を含んでいてもよい。技術的に理解されている様に、LiDAR組立体514は、測量動作を遂行するように構成されていて、1つ又はそれ以上のレーザービームの様な電磁放射線を、例えばパルスビームとして、発するように構成された送信器と、反射されたレーザービーム(即ち、送信器から発せられた1つ又はそれ以上のレーザービームの反射)を受信するように構成された光センサの様なセンサを含む受信器と、を含んでいる。そして、LiDAR組立体514は、受信された反射レーザービームを指し示すセンサ情報をコンピュータ112へ提供するようになっていてもよい。すると、コンピュータ112は、LiDAR組立体514のキャプチャーされた視野の3次元画像、即ちキャプチャー画像、を生成することができる。1つの実施形態では、コンピュータ112とLiDAR組立体514は一体化されていてもよい。
【0041】
[0064]以上の実施形態では、システム110は、センサ組立体114、414、514のうちの何れか1つ、センサ組立体の様々な組合せ(例えば、組立体のうちの何れか2つ)、又はセンサ組立体114、414、514の全て、を含んでいてもよい。1つの実施形態では、同じ型式の複数のセンサ組立体が、同じく提供されることもできる。したがって、幾つかの実施形態では、多数の及び/又は異なるセンサ組立体が、センサ情報をコンピュータ112へ提供することができる。
【0042】
[0065]システム110は、当業者によって理解される様に1つ又はそれ以上の既知の適切な対象検出アルゴリズムを使用してキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の対象を検出するように構成されている。その様な既知のアルゴリズムは、例えば、エッジ検出、明度コントラスト、画素密度、ブロブ検出、動き検出、などに関係があるだろう。対象検出アルゴリズムは、特徴ベースであってもよいし又は既知の深層学習技法を組み入れていてもよい。検出される対象は、例えば、クレーン構成要素、クレーンによって吊り上げられている荷重、クレーンに隣接する作業現場障害物、及び水平線を含んでもよい。
【0043】
[0066]検出され得るクレーン構成要素は、限定するわけではないが、ブーム16、ブーム16から垂下されている可撓性部材24(
図10及び
図11)、可撓性部材24がその周りに延びるシーブ26(
図17-
図19)、アンチ・ツー・ブロック(「ATB」)検出構成要素28、30、32(
図15及び
図16)、吊上器具34(
図10及び
図11)、タワークレーンマスト(タワーとも呼ばれる)(図示せず)、タワークレーントロリー746(
図21及び
図22)、随行ブームドリー(図示せず)、ジブ延長部の様なブームアタッチメント38(
図19)、サポートペンダント(図示せず)、及び何れかのクレーン構成要素上のマーカー(図示せず)を含む。
【0044】
[0067]検出されるブーム16は、伸縮式ブーム、格子ブーム(
図20-
図22の616)、又はタワークレーンジブ(
図23の716)の何れであってもよい。加えて、伸縮区分又は格子区分を含むブーム16の個々の区分が検出されてもよい。更に、格子ブーム又はジブ区分の個々のコードが検出されてもよい。同様にブーム16上にブーム先端22が検出されてもよい。更に、ブーム16上に停止ブロック(マウストラップとも呼ばれる)(図示せず)が検出されてもよい。
【0045】
[0068]可撓性部材24は、例えば、ロープ又はケーブルであってもよい。キャプチャー画像の解像度にも依るが、ストランド及び/又はワイヤの様な可撓性部材24の個々の構成要素も同様に検出されることができる。検出され得るATB構成要素は、例えば、ATBスイッチ28、ATBウエイト30、ATBフラッグ(図示せず)、及びATBチェーン32を含む。検出される吊上器具34は、例えば、フックブロック又はヘッドエイクボール(headache ball)であってもよい。マーカー(図示せず)は、例えば、特定の色又は被覆、形状、又はパターン、例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、又はキャプチャー画像内に検出されキャプチャー画像を分析することによって認識され得る他のパターンであってもよい。概して、ブーム16又はタワークレーンマストに沿って配置されているか、又はブーム16又はタワークレーンマストへ接続されているか、又はブーム16又はタワークレーンマストと一体に形成されている他のクレーン構成要素を含む他の対象も同様に検出され得るものと想定される。
【0046】
[0069]1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像及び/又は検出された対象を分析して、キャプチャー画像内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めるように構成されている。その様なパラメータは、例えば、キャプチャー画像内の検出された対象の位置、一連のキャプチャー画像内での検出された対象の時間に関する位置の変化、キャプチャー画像内の検出された対象と基準点の間の距離を含む1つ又はそれ以上の検出された対象の相対位置、キャプチャー画像内の検出された対象の1つ又はそれ以上の寸法、キャプチャー画像内の検出された対象の向き、キャプチャー画像内の検出された対象の延在方向、及び/又はキャプチャー画像内の検出された対象の大きさ、形状、色、又はパターンを含んでもよい。
【0047】
[0070]キャプチャー画像内のパラメータは、例えばキャプチャー画像内の画素を計えることによって又はキャプチャー画像の物理的大きさが既知のときに取られる計測値によって、求められてもよい。1つの実施形態では、基準点は、例えば、中心点、垂直方向中線、水平方向中線、キャプチャー画像の境界線、検出される対象の初期位置、既定閾値位置、キャプチャー画像内の別の検出される対象、又は何れかの他の適切な基準点又は基準線であってもよい。基準点は、メモリに記憶されていてもよく、及び/又はキャプチャー画像内に提供されてもよい。基準点の位置は既知であり、同様にメモリに記憶されていてもよい。1つの実施形態では、クレーン状態は、キャプチャー画像内の求められたパラメータに基づいて判定されることができる。
【0048】
[0071]システム110は、更に、例えばキャプチャー画像内の求められたパラメータを分析することによってキャプチャー画像を分析して、検出された対象の及び/又はキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の実際のパラメータ、検出された対象の本体、及び/又はクレーン状態を得るように構成されている。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内の検出された対象のパラメータの1つ又はそれ以上を、メモリに記憶されている1つ又はそれ以上の記憶画像内の既知の対応する対象の1つ又はそれ以上の既知の対応するパラメータと比較することを含む画像/パラメータ比較技法によって、キャプチャー画像を分析するようになっていてもよい。1つの実施形態では、1つ又はそれ以上の記憶画像内の対応する対象の、実際のパラメータ、クレーン状態、及び/又はクレーン構成要素本体は既知であり、追加情報として記憶画像と共に記憶されていてもよい。記憶画像は、更に、既知のクレーン構成要素の予想される位置又は位置の変化を含む予想クレーン状態を表現していてもよい。
【0049】
[0072]例えば、1つの実施形態では、キャプチャー画像内の検出されたクレーン構成要素は、追加情報に基づいて、限定するわけではないが、ブーム先端、可撓性部材、ブーム区分、などの様な、既知のクレーン構成要素に対応しているとして識別され得る。識別は、例えば、キャプチャー画像内の検出された対象の大きさ、形状、又は特定の寸法の様な、検出された対象のパラメータに基づいていてもよい。1つの実施形態では、システム110は、検出された対象の数を数えるように構成されており、したがって、検出された対象で特定のクレーン構成要素に対応しているとして識別済みの検出された対象の数を数えることができる。
【0050】
[0073]1つの実施形態では、キャプチャー画像内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータが、記憶画像内の対応する対象の1つ又はそれ以上の対応するパラメータに一致するか又は実質的に一致すると判明したとき、記憶画像と関連付けて記憶されている追加情報がキャプチャー画像内の検出された対象と関連付けられてもよい。実際のパラメータとは、例えば、クレーン作業環境における実際の計測値、実際の寸法、実際の位置、実際の距離、などを指すとしてもよい。このやり方で、実際のパラメータが求められてもよい。
【0051】
[0074]1つの実施形態では、キャプチャー画像及びその中に検出される1つ又はそれ以上の対象は1つ又はそれ以上の記憶画像に比較されるようになっており、一方を他方の上にスーパーインポーズすることによって、及び検出された対象のパラメータ、例えば大きさ、形状、寸法を、記憶画像内の対応する対象のそれと比較することによって、記憶画像と比較されることができる。
【0052】
[0075]1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内の検出された対象のパラメータの1つ又はそれ以上へスケールファクタを適用して実際のパラメータを計算することを含むスケールファクタ技法を使用することによって、キャプチャー画像を分析してもよい。スケールファクタは、例えば、検出される対象の実際のパラメータが既知であって実際のパラメータとキャプチャー画像内のパラメータの間の比を求めることのできる較正プロセスによって、求められてもよい。スケールファクタはメモリに記憶されてもよい。
【0053】
[0076]1つの実施形態では、較正プロセスで得られた実際のパラメータが、キャプチャー画像からの対応するパラメータと共にメモリ内の表に記憶されてもよい。その様な実施形態では、スケールファクタを適用する段階は、キャプチャー画像内の検出された対象のパラメータを表中でルックアップして検出された対象の実際のパラメータを求める段階を含む。1つの実施形態では、実際のパラメータは、キャプチャー画像内のパラメータとスケールファクタとに基づく計算によって求められてもよい。
【0054】
[0077]センサ組立体がLiDAR組立体514であるシステム110の或る実施形態では、システム110は、検出された対象の1つ又はそれ以上の実際のパラメータを、LiDAR組立体514から受信されるセンサ情報、例えばLiDAR測量動作において得られるセンサ情報、に基づいて求めてもよい。これは、ここではLiDAR情報技法と呼ばれることもある。例えば、送信器522のレーザービーム126の発射と受信器524での反射レーザービームの受信の間の時間に基づいて、LiDAR組立体514から検出された対象までの距離が求められてもよい。この情報に加え、発せられたレーザービーム126の向き又は角度の様な他の既知の情報を用いて、システム110は三角関数及び/又は幾何関数に基づく様々な計算を行って、例えば、検出された対象の、基準点(LiDAR組立体514の様な)に対する実際の位置、検出された対象と基準点又は他の検出された対象との間の実際の距離、及び他の関連する適切な計測値を求めることもできる。
【0055】
[0078]システム110は、1つ又はそれ以上の検出された対象に基づいてクレーン状態を判定するように構成されている。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された対象及び検出された対象のパラメータの1つ又はそれ以上に基づいてクレーン状態を判定することができる。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された対象、キャプチャー画像内の検出された対象のパラメータの1つ又はそれ以上、及びキャプチャー画像の及び/又はキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された対象の分析に基づいて、クレーン状態を判定することができる。
【0056】
[0079]幾つかの実施形態では、クレーン状態と1つ又はそれ以上の実際のパラメータは同一物であってもよい。幾つかの実施形態では、クレーン状態とキャプチャー画像内の検出される対象の1つ又はそれ以上のパラメータは同一物であってもよく、即ち、クレーン状態は、キャプチャー画像内の検出される対象のパラメータ、例えば検出される対象の、基準点又は他の検出される対象に対する位置又は距離、であってもよいということである。
【0057】
[0080]ここでの実施形態によれば、クレーン状態は、例えば、垂直方向ブーム撓み、横(又は水平)方向ブーム撓み、ブーム長さ、ブーム区分長さ、ブーム区分の数、ブーム区分の型式、ブームアタッチメント設置状況及び位置(例えば、収納されている、伸ばされている、非設されていない)、ブームアタッチメント長さ、ブームアタッチメントオフセット、ATB構成要素の設置、正しい位置決め、状況、相対的位置決めを含むATB構成要素状態、クレーンのATB状態、掛け回される可撓性部材ラインの数を含むリービング構成、最適リービング構成、保持ピン設置状態、シーブ回転、伸縮ピックポイント、可撓性部材状況、ペンダントロープ長さ、クレーン構成要素の正しい位置決め、吊綱の数、可撓性部材の数、所望又は期待される構築との構築差、トロリー位置、タワークレーンマスト撓み、タワークレーンマスト捩じれ、ブーム捩じれ、荷重揺れ、随行ブーム監視、ジブ索具モード、及び可撓性部材速度を含んでもよい。
【0058】
[0081]
図10-
図22は、システム110によって判定され得るクレーン状態の様々な例を示している。しかしながら、これらの例は網羅的ではなく、図に示されていない又は以下の実施例に特定的に識別されていない他のクレーン状況もまた同様に、ここに説明されているキャプチャー画像内の対象の検出に基づいて判定され得ることが認識されるだろう。
【0059】
[0082]
図10は、例えばコンピュータ112によって、センサ組立体414又はセンサ組立体514からのセンサ情報に基づいて生成されるキャプチャー画像600の表現である。つまり、キャプチャー画像600は、カメラの様な画像キャプチャーデバイスからの光学画像又はLiDAR組立体514からのLiDAR画像であり得る。或る実施形態によれば、システム110は、キャプチャー画像内に、ブーム先端22の様な1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。1つの実施形態では、システム110は、既知の基準位置での水平方向基準線40及び垂直方向基準線42をスーパーインポーズしてもよいし又はメモリに記憶していてもよい。
【0060】
[0083]1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像及び/又は検出された対象を分析して、キャプチャー画像600内のブーム先端22の垂直方向位置及び/又はブーム先端22の、水平方向中線40の様な基準点からの距離の様な、ブーム先端22の1つ又はそれ以上のパラメータを求めることができる。システム110は、キャプチャー画像600を、例えば上で求められたキャプチャー画像内のパラメータを、ここに説明されている画像/パラメータ比較、スケールファクタ、及び/又はLiDAR情報技法の何れかを使用して分析してもよい。1つの実施形態では、ブーム先端22の垂直方向位置の変化又はブーム先端22の既知の撓んでいない垂直方向位置からの垂直方向距離の変化について実際のパラメータが求められ、こうして垂直方向撓みクレーン状態を判定することができる。
【0061】
[0084]
図11は、ブーム16が垂直方向に撓んでいるキャプチャー画像600の別の表現である。ブーム先端22の垂直方向撓みは、
図10に関して上述されているやり方で判定されることができる。1つの実施形態では、例えば、垂直方向撓みは、ブーム先端22の、初期の撓んでいない位置(
図10のD1)から撓んだ位置(
図11のD2)までの、水平方向中線40からの垂直方向距離の変化として、求めることができる。
【0062】
[0085]一部の事例では、キャプチャー画像600内の検出された対象のパラメータが記憶画像内の対応する対象のパラメータに一致しないこともあるだろう。1つの実施形態では、システム110は、対応する対象が検出された対象のパラメータ値に最も近いパラメータ値を有している記憶画像についての追加情報を検索し、対応する実際のパラメータを識別し、検出された対象の実際のパラメータを求める又は推定するべく補間してもよい。
【0063】
[0086]
図12は、ブーム16が水平方向(又は横方向)に撓んでいるキャプチャー画像600の表現である。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像600内にブーム先端22の様な対象を検出し、ブーム先端22の水平方向位置又は位置の変化及び/又はブーム先端22の垂直方向基準線42の様な基準点からの距離の様な、検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めることができる。システム110は、キャプチャー画像600を及び/又はブーム先端22の様な検出された対象を、ここに説明されている画像/パラメータ比較、スケールファクタ、又はLiDAR情報技法の何れかを使用して分析し、クレーン状態としてのブーム16の水平方向撓みを判定することができる。垂直方向及び水平方向ブーム撓み並びに以下に説明されている他のクレーン状態も同じキャプチャー画像600から判定され得ることが理解される。
【0064】
[0087]
図13は、ブーム16が伸ばされたキャプチャー画像600の表現であり、
図14は、ブーム16が縮められたキャプチャー画像600の表現である。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像600内にブーム先端22の様な1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、ブーム先端22の高さ「h」、幅「w」、及び/又は対角線「d」の様、なキャプチャー画像内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。1つの実施形態では、キャプチャー画像600内の検出された対象のパラメータは、ブーム16が伸びるにつれて値が減少し、ブーム16が縮むにつれ値が増加する。システム110は、キャプチャー画像600を及び/又はブーム先端22の様な検出された対象を、上記の画像/パラメータ比較、スケールファクタ、又はLiDAR情報技法の何れかを使用し分析して、クレーン状態としてのブーム長さを判定することができる。1つの実施形態では、ブーム長さは、1つ又はそれ以上の求められたパラメータのそれぞれについての上記のやり方で求められてもよい。次いで、ブーム長さは単一のブーム長さ値を現出させるべく平均されてもよい。しかしながら、本開示は、その様な技法に限定されず、幾つかの実施形態では1つのパラメータのみを使用してブーム長さが求められてもよい。
【0065】
[0088]1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内のブーム16の、ブーム区分の端を含めた1つ又はそれ以上のブーム区分を検出するようになっていてもよい。次いで、システム110は、ここに説明されている技法の何れかの1つ又はそれ以上を使用してブーム区分の長さを求める。
【0066】
[0089]
図15は、ブーム16が伸ばされた位置にあってATB状況が監視され得るキャプチャー画像600の表現であり、
図16は、ブーム16が縮められた位置にあってATB状況が監視され得るキャプチャー画像600の表現である。システム110は、キャプチャー画像600内に、限定するわけではないがATBスイッチ28、ATBウエイト30、ATBフラッグ(図示せず)、及びATBチェーン32を含む様々なATB構成要素の様な1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、様々なATB構成要素28、30、32の位置、基準点に対する位置、大きさ、形状、色、パターン、寸法などの様な、検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。
【0067】
[0090]1つの実施形態では、システム110は、先述の画像/パラメータの比較、スケールファクタ、及び/又はLiDAR情報技法の何れかを適宜使用して、キャプチャー画像600を及び/又は様々な構成要素28、30、32を分析することができる。したがって、1つの実施形態では、システム110は、検出された対象を識別することによって、どのATB構成要素が設置されているか、ATBが正しく位置決めされていて正しい寸法(例えば、正しい長さ)であるかどうか、及びATB構成要素が望ましくない動作状況にある(例えば絡まっている)かどうかを、クレーン状態として判定することができる。
【0068】
[0091]1つの実施形態では、システム110は、クレーンのATB状態を判定してもよい。例えば、システム110は、キャプチャー画像600内に、吊上器具34及びブーム先端22の様な1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、検出された吊上器具34とブーム先端22の位置、それらの間の距離、又はそれらの間の距離の変化の様な、キャプチャー画像600内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像600内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータに基づいて、クレーン状態としてのATB状況を判定してもよい。代替的又は追加的に、システム110は、先述の画像/パラメータ比較、スケールファクタ、又はLiDAR情報技法の何れかを使用したキャプチャー画像600の及び/又は検出された対象の分析に基づいて、クレーン状態としてのATB状況を判定してもよい。
【0069】
[0092]
図17は、諸実施形態による、正しいリービングが提供されているキャプチャー画像600の表現であり、
図18は、不正なリービングが提供されているキャプチャー画像600の表現である。システム110は、キャプチャー画像600内に、可撓性部材24(可撓性部材24の個々のラインを含む)とブーム先端22及び/又は吊上器具34の1つ又はそれ以上のシーブ26の様な、1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、可撓性部材24とシーブ26の位置、相対位置、形状、及び/又は大きさの様な、キャプチャー画像600内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。
【0070】
[0093]システム110は、先述の画像/パラメータ比較、スケールファクタ、又はLiDAR情報技法の何れかを使用して、キャプチャー画像110を及び/又は可撓性部材24とシーブ26の様な検出された対象を分析してもよい。システム110は、分析から、可撓性部材24の個々のラインとシーブ26を識別し、数えることができる。その結果、システム110は、クレーン状態としての、掛け回されているライン24の数を求めることができる。
【0071】
[0094]システム110は、更に、検出されたリービングが最適リービングであるかどうかを判定することもできる。例えば、システム110は、可撓性部材24の所与の数のラインのための最適リービング構成の画像又は実際のパラメータを記憶していてもよい。検出されたラインの数が上記のやり方で求められ、検出されたライン24とシーブ26の相対位置を含む、キャプチャー画像600内の様々なパラメータが上記のやり方で求められたら、システム110は、キャプチャー画像600内の検出されたリービングがメモリに記憶されている最適リービングに対応しているどうかを判定してもよい。その結果、システム110は、クレーン状態を、最適リービングを有している又は非最適リービングを有していると判定することができる。同様のやり方で、システム110はライン24が正しく掛け回されているかどうかを判定してもよい。
【0072】
[0095]システム110は、更に、保持ピンの様なリービングの様々な構成要素がキャプチャー画像内に存在しているかどうかを、例えば、検出された対象を以上に詳述されている様に特定の構成要素に対応しているとして識別し、検出された対象(且つ識別された対象)をメモリに記憶されている予測対象の対応リストに比較することによって判定することもできる。代替的又は追加的に、識別される予測対象をその中に有している記憶画像がキャプチャー画像600に比較されて、予測対象がキャプチャー画像内に存在しているかどうかが判定されてもよい。システム110は、更に、検出された対象が正しく位置決めされているかどうかを同様のやり方で判定してもよい。
【0073】
[0096]システム110は、クレーン状態をシーブ26の状態であるとして、例えばロックされているか又は回っているかで、判定してもよい。例えば、システム110は、現在のキャプチャー画像600を先のキャプチャー画像600と比較して、時間に関するシーブ26の位置の変化を判定することによって、検出されたシーブ26を分析してもよい。1つの実施形態では、シーブ26は、その上に、キャプチャー画像600内に検出され得る1つ又はそれ以上のマーカー(図示せず)を有していてもよい。システム110は、マーカーの位置がシーブ回転を示唆するやり方で変化したかどうかを判定するようになっていてもよい。代替的又は追加的に、検出されるマーカーは、マーカーと関連付けられる追加情報がメモリに記憶されている既知のマーカーに対応しているとして識別されるようになっていてもよい。追加情報は、回転位置情報を含んでもよい。シーブ26の異なる回転位置を指し示す追加情報を有する異なるマーカーがシーブ26上に含まれていてもよい。同様のやり方で、システム110は、シーブ26の回転速度を求め、ひいてはシーブ26上の可撓性部材24の速度を求めてもよい。
【0074】
[0097]
図19は、或る実施形態による、ブーム16の一端が位置決めされているキャプチャー画像600の表現である。1つの実施形態では、システム110は、ブーム先端22及びブームアタッチメント38の様な1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、ブーム先端22及び/又はブームアタッチメント38の位置、相対位置、形状、大きさ、寸法、などの様な、キャプチャー画像600内の検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像600を及び/又はキャプチャー画像600内の検出された対象を、上記の画像/パラメータ比較、スケールファクタ、又はLiDAR情報技法の何れかを使用して分析してもよい。分析から、システム110は、検出された対象を特定のクレーン構成要素に対応しているとして識別することができる。その結果、システム110は、キャプチャー画像600内にブームアタッチメント38が検出されているかどうかを判定することができる。こうして、システム110は、クレーン状態として、ブームアタッチメント38が設置されているかどうかを判定することができる。加えて、システム110は、ブームアタッチメント38が設置されている場合にブームアッタチメント38がブーム16と並んでその収納された位置にある(
図19に図示)か又はブーム先端22にて伸ばされた位置にあるかどうかを、キャプチャー画像600の分析に基づいて判定することができる。また更に、システム110は、分析に基づいて、ブームアタッチメント38の長さ及び/又はオフセットを判定してもよい。
【0075】
[0098]システム110は、
図10から
図19に示されているキャプチャー画像600から同様に他のクレーン状態を判定することもできる。例えば、以上に詳述されている様にシステム110はキャプチャー画像600内に可撓性部材24を検出することができる。1つの実施形態では、システム110は更に可撓性部材24の個々のストランド又はワイヤを検出するようになっていてもよい。システム110は、キャプチャー画像内の検出された可撓性部材24及び/又はワイヤ又はストランドの、位置、相対位置、形状、及び/又は大きさの様な1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像600及び/又は検出された対象を、上記の技法のうちの何れかを使用して分析し、分析に基づいて、可撓性部材の型式及び可撓性部材24の(摩耗及び/又は損傷状況の様な)状況を判定することもできる。
【0076】
[0099]1つの実施形態では、システム110は、使用されるピックポイント及びホイストを判定してもよい。例えば、システム110は、キャプチャー画像600内に、ブーム先端22、補助ブーム(図示せず)、及び可撓性部材24を検出することができる。システム110は、更に、1つ又はそれ以上のシーブ26を検出することもできるだろう。システム110は、検出された対象の位置、相対位置、大きさ、形状、などの様な、検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像600を及び/又は検出された対象を分析して、可撓性部材24が動いているかどうかを判定してもよい。その様な分析は、可撓性部材24の位置が時間に関して変化したかどうかを判定するための、先のキャプチャー画像との比較を含んでいてもよい。1つの実施形態では、可撓性部材24は、キャプチャー画像600内に検出され得るマーカーを含んでおり、検出されるマーカーの位置が、可撓性部材が動いているかどうかを判定するのに使用されてもよい。次いで、システム110は、動いている可撓性部材が主要ブーム(ブーム先端22)から延びているのか補助ブームから延びているのかを、それぞれの相対位置に基づいて判定してもよい。加えて、可撓性部材24の運動が検出されたら、システム110は、どのホイストが運動を推進しているのかを、外部センサ又は制御システムの情報に基づき、可撓性部材24の運動中に動作しているホイストを識別することによって判定することができる。
【0077】
[0100]上記の実施形態では、クレーン状態は、システム110によって、伸縮式ブーム、格子ブーム、又はタワークレーンジブの何れかとして実装されているブーム16について判定されてもよい。加えて、システム110は、上記の状態を含むクレーン状態を、格子ブーム又はタワークレーンジブの様な一部の特定のブーム型式に固有である対象の検出に基づいて判定することもできる。
【0078】
[0101]
図20は、ブーム16が、例えばクローラークレーン又はデリッククレーンに典型的に設置されている型式の格子ブーム616であるキャプチャー画像の表現である。
図21及び
図22は、諸実施形態による、ブーム16が格子ブーム616であるキャプチャー画像600の他の表現である。
図20-
図22を参照して、システム110は、キャプチャー画像600内に、格子ブーム616、格子ブーム区分644、格子コード646、格子ブーム先端622、などの様な、1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。格子ブーム616のブーム先端622は、実質的に、ペンダントロープ(図示せず)による垂直方向撓みに逆らって保持され得る。しかしながら、それでも格子ブーム616はその長さに沿った中間部分が垂直方向に撓むこともある。システム110は、格子ブーム616のその様な垂直方向撓みを、以上に詳述されている画像/パラメータ比較、スケールファクタ、及び/又はLiDAR情報技法の何れかにしたがってキャプチャー画像600を及び/又は検出された対象を分析することによって判定することができる。
【0079】
[0102]1つの実施形態では、システム110は、1つ又はそれ以上の検出された格子コード646のベクトルを求めることができる。ベクトルは、概して、格子コード646が延びている向き又は方向に対応している。システム110は、ここに説明されている画像/パラメータ比較、スケールファクタ、及び/又はLiDAR情報技法の何れかにしたがってベクトルを分析して、格子ブーム616の垂直方向撓みを判定してもよい。1つの実施形態では、システム110は、ベクトルの分析に基づいて、格子ブーム616の垂直方向撓みを判定することができる。例えば、ベクトルが互いに実質的に平行である場合、システム110は、格子ブーム616は実質的に撓んでいないと判定することができる。逆に、1つ又はそれ以上のベクトルが互いに対して角度をなしている場合、システム110は、格子ブーム616は垂直方向に撓んでいると判定することができる。システム110は、更に、ベクトル間の角度に基づいて垂直方向撓みを計測することもできるだろう。
【0080】
[0103]1つの実施形態では、システム110は、格子ブーム616の垂直方向撓みに関して以上に説明されているやり方と同様のやり方で格子ブーム616の横方向撓みを判定してもよい。代替的又は追加的に、システム110は、格子ブーム616の横方向撓みを、捉画像600内に検出されるサポートペンダントに基づいて判定してもよい。例えば、図面には示されていないが、センサ組立体414及び/又はセンサ組立体514は、サポートペンダントが視野内にキャプチャーされるようにして、クレーン10上に配置されていてもよい。システム110は、キャプチャー画像内に1つ又はそれ以上のサポートペンダントを検出し、キャプチャー画像内での検出されたサポートペンダントの、位置、位置の変化、相対位置、形状、大きさ、などの様な1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像を及び/又は検出されたサポートペンダントを、上記技法の何れかにしたがって分析してもよい。その結果、システム110は、例えば形状の変化又は位置の変化に基づいて、サポートペンダントで張力が減少したかどうかを検出することができる。サポートペンダントの張力の減少は、格子ブーム616の横方向撓みと関連付けられる。ゆえに、システム110はこのやり方で格子ブーム横方向撓みというクレーン状態を判定することができる。
【0081】
[0104]システム110は、更に、格子ブーム616に関係する様々な他のクレーン状態を、同様に、上記の画像/パラメータ比較、スケールファクタ、及び/又はLiDAR情報技法の何れかによる分析に基づいて判定するように構成されることができる。例えば、システム110は、検出されたペンダントロープの長さ、追加の吊上用可撓性部材が設置されているかどうか、他のクレーン構成要素及び/又はアタッチメントが設置されているかどうか、適正なクレーン構造、吊網の数、及び適正なクレーン構成要素位置決め、を判定することもできる。
【0082】
[0105]
図23は、諸実施形態による、ブーム16がタワークレーンジブ716であるキャプチャー画像600の表現である。1つの実施形態では、タワークレーンジブは、可撓性部材、吊上器具、及び荷重を水平方向に移動させるためにトロリーが沿って動くことのできる、実質的に水平方向に延びるジブであってもよい。タワークレーンジブは、垂直平面内の角度(即ち吊上角度)の或る範囲を通して変位可能であるラフィングジブを指すとしてもよい。1つの実施形態では、センサ組立体は、ジブ716の下面の長さに沿って視線を有するように配置されていてもよい。システム110は、キャプチャー画像600内に、ジブ716、ジブ716に沿って動くことのできるトロリー746、及びジブ先端722の様な、1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、検出されたトロリー746の、大きさ、位置、位置の変化、及び/又1つ又はそれ以上の寸法の様な、検出された対象の1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像600を及び/又はトロリー746の様な1つ又はそれ以上の検出された対象を、ここに説明されている諸技法の何れかにしたがって分析してもよい。こうして、システム110はクレーン状態としてのトロリー746の位置を判定することができる。
【0083】
[0106]システム110は、上記実施形態で垂直方向撓みが判定されるのと同じやり方でタワークレーンジブ716の垂直方向撓みを判定することができる。代替的又は追加的に、システム110は、キャプチャー画像600内に水平線(図示せず)を検出し、キャプチャー画像600内での、位置、位置の変化、及び/又はジブ先端722の様な基準点からの距離を判定してもよい。キャプチャー画像600及び/又は検出された水平線(及び随意的にはジブ先端722)は、上記技法の何れかにしたがって分析されてもよい。システム110は分析に基づいてクレーン状態としてのジブ716の垂直方向撓みを判定することができる。
【0084】
[0107]システム110は、更に、実質的に上記実施形態で説明されているやり方でタワークレーンのATB状態を判定してもよい。しかしながら、タワークレーン環境では、システム110は、キャプチャー画像内に、ブーム先端22又はブーム先端22のシーブではなくトロリー746又はトロリー746上のシーブを検出することになる、ということが理解される。
【0085】
[0108]1つの実施形態では、センサ組立体414、514は、タワークレーンでは垂直方向に伸びるマスト(図示せず)として実装されている下部構造の長さに沿って視線を有するようにタワークレーン上に配置されることができる。技術的に理解されている様に、タワークレーンジブ416はマスト上に支持されていてマストから伸びる。システム110は、タワークレーンのタワーマスト撓みを判定することができる。1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内にマスト又はマスト端の様な1つ又はそれ以上の対象を検出し、キャプチャー画像内の検出された対象の、位置、位置の変化、基準点からの距離、大きさ、形状、向き、などの様な1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像を及び/又はマスト端の様な検出された対象を、上記技法の何れかにしたがって分析してもよい。このやり方で、システム110は、クレーン状態としての、マスト撓み、マスト高さ、及び/又はマスト捩じれを判定することができる。1つの実施形態では、捩じれは、マストの変位、例えばマストの長手方向軸周りの回転変位、を指すとしてもよい。同様の技法を使用して、伸縮式ブーム、格子ブーム、及び/又はタワークレーンブーム即ちタワークレーンジブ、を含むブームの捩じれも同じく判定されることができる。
【0086】
[0109]代替的又は追加的に、システム110は、キャプチャー画像600内に水平線を検出し、キャプチャー画像内の水平線の、位置、位置の変化、及び/又は基準点からの距離の様な1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像を及び/又は水平線の様な検出された対象を、上記技法の何れかにしたがって分析し、分析に基づいて、クレーン状態としてのマスト撓みを判定することができる。
【0087】
[0110]更に、幾つかの実施形態では、システム110は、前/後方向の撓みと左右方向の撓みの両方を判定することができる。1つの実施形態では、ジブ716を含むタワークレーンの上部構造14は、水平線を検出するために360度旋回することができる。360度旋回動作で得られる画像は、将来のクレーン状態を例えば画像/パラメータ比較技法を使用して判定するための基礎として記憶され、参照されることができる。キャプチャー画像と記憶画像での水平線のレベル(即ち位置)の差が、水平線の予測位置をキャプチャー画像内の水平線の位置と比較することによって分類されてもよい。センサ組立体414、514は、クレーンに関して水平に取り付けられるものとする。
【0088】
[0111]システム110が、キャプチャー画像内の検出された水平線の位置は、セットアップされ及び較正されたものとしての水平線の位置と一致しないと判定した場合、システム110は、360度旋回動作中に幾らかの量の撓みがあったと判断することができる。次いで、位置のこの差が補償され、真の水平レベルが設定され記憶されることになる。続いて、システム110は、タワーの絶対撓みを求めてもよい。360度旋回動作は、或る特定の環境に限定されるというものではないが、周囲の建物がセンサ組立体の視野内にあって、それが幾つかの旋回角度にて水平線への視線を遮る可能性があるときに水平線の位置を求めるには適している。タワークレーンの様々な撓みは、吊上動作又は風や日光の様な環境的原因に起因することもある、ということを認識しておきたい。
【0089】
[0112]伸縮式ブーム、格子ブーム、又はタワークレーンジブの何れかとして実装されているブーム16を有するクレーン10を含むクレーン10全般に関して、システム110は、更に、吊上器具34の高さ、吊上器具34の水平方向位置、及び吊上器具34の揺れ状況を判定してもよい。例えば、システム110は、キャプチャー画像600内に吊上器具34及びブーム先端22の様な1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、キャプチャー画像600内の検出された対象の、位置、位置の変化、及び/又は吊上器具34とブーム先端22の間の距離を含む基準点からの距離の様な1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。キャプチャー画像600及び/又は検出された対象は、上記技法の何れかにしたがって分析されてもよい。
【0090】
[0113]したがって、ブーム先端高さが従来のクレーン監視方法を介して既知であるなら、吊上器具34の高さを、例えば検出された吊上器具34とブーム先端22の間の距離に基づいて求めることができる。1つの実施形態では、上述の、ブーム16の求められた垂直方向撓みは、従来式に求められたブーム先端高さを調節するのに使用されてもよい。加えて、吊上器具34の水平方向位置が、例えば検出された吊上器具34と垂直方向基準線42の間の水平方向距離に基づいて求められてもよい。垂直方向基準線42は、1つの実施形態では、ブーム16の水平方向位置を表現している。
【0091】
[0114]更に、システム110は、吊上器具34の水平方向位置及び/又は吊上器具の水平方向位置の変化に基づいて揺れ状況を判定してもよい。1つの実施形態では、システム110は、1つ又はそれ以上のクレーン構成要素へ動作可能に接続されていて、揺れ状況を判定したことに応えて、1つ又はそれ以上のクレーン構成要素を制御して、揺れ状況がそれ以上検出されなくなるまで補正運動を取らせるようにするか、又は揺れ状況を生じさせ得るクレーン運動を実質的に阻止するようにしてもよい。
【0092】
[0115]システム110は、例えばクレーン10の輸送中の随行ブーム状態を判定するように構成されることができる。例えば、システム110は、ブーム16、ブーム先端22、及び/又は、存在する場合には随行ブームドリー(図示せず)の様な、1つ又はそれ以上の対象を検出することができる。システム110は、キャプチャー画像を及び/又は検出された対象を分析し、随行ブームドリーがキャプチャー画像内に存在しているかどうかをパラメータ及び上述の技法に基づいて判定してもよい。例えば、システム110は、キャプチャー画像600内の検出された対象を、検出された対象の大きさ又は形状に基づいて随行ブームドリーに対応しているとして識別することができる。1つの実施形態では、システム110は、メモリに記憶されている随行ブームドリーの既知のパラメータに対応するパラメータを有しているキャプチャー画像内の対象を探すことによって、キャプチャー画像600を分析してもよい。
【0093】
[0116]1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内のブーム16と随行ブームドリーの相対位置を求め、キャプチャー画像600及び/又は検出された対象の分析に基づいて、ブーム16と随行ブームドリーが輸送のために適正に位置決めされているかどうかを判定してもよい。1つの実施形態では、操作者が随行ブームを監視することができるように、随行ブーム状況がキャプチャーされている単数又は複数のキャプチャー画像又は映像がディスプレイデバイス118上に映し出されてもよい。
【0094】
[0117]システム110は、更に、クレーン10のジブ索具モードを判定してもよい。例えば、システム110は、キャプチャー画像600内にブーム16上の停止ブロック(マウストラップとも呼ばれる、図示せず)を検出し、キャプチャー画像内で、検出された停止ブロックの、位置、位置の変化、相対位置、大きさ、又は形状の様な1つ又はそれ以上のパラメータを求めてもよい。システム110は、キャプチャー画像600を及び/又は検出された停止ブロックを分析し、例えばブーム16に沿った停止ブロックの位置を求めてもよい。停止ブロックの位置とジブ索具モードの間の関係は既知であり、メモリに記憶されていてもよい。その結果、システム110はジブ索具モードを判定することができる。
【0095】
[0118]以上に論じられている様に、システム110によってキャプチャー画像内に検出され得る対象の1つは、クレーン構成要素上に配置されているか又は付着されているマーカー(図示せず)である。1つの実施形態では、システム110は、マーカーを、上記の画像/パラメータ比較、スケールファクタ、及び/又はLiDAR情報技法の何れかにしたがって分析してもよい。例えば、システム110は、検出されたマーカーを、メモリに記憶されている1つ又はそれ以上のマーカーと比較し、記憶されているマーカーが検出されたマーカーに一致すると判明したときには記憶されているマーカーに関連付けられている追加情報を検索するようになっていてもよい。追加情報は、例えば、特定のクレーン構成要素の本体、構成要素の仕様、などを含んでもよい。こうして、1つの実施形態では、キャプチャー画像内のクレーン構成要素が、キャプチャー画像内の当該クレーン構成要素上に検出されたマーカーの分析に基づいて、特定のクレーン構成要素であるとして識別されることができる。
【0096】
[0119]以上の実施形態では、キャプチャー画像600はメモリに記憶され、上述の対象を検出する段階、パラメータを求める段階、分析する段階、及び判定する段階の諸段階は、システム110によってメモリ内で行われてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像が表示されるディスプレイデバイス118を含んでいるか又はディスプレイデバイス118へ動作可能に接続されていてもよい。
【0097】
[0120]1つの実施形態では、システム110は、キャプチャー画像内に1つ又はそれ以上のブーム区分を検出し、検出されたブーム区分の数を数えることができる。1つの実施形態では、システム110は、検出されたブーム区分が既知のブーム区分に対応しているとして識別し、更にブーム区分の型式を識別してもよい。システム110は、これらの動作を、ここに説明されている技法のうちの何れかを適宜使用して遂行することができる。
【0098】
[0121]幾つかの実施形態では、判定されたクレーン状態は、例えば、定格容量制限器(RCL)を含んでいるクレーン制御システムへ出力されてもよい。例えば、システム110によって求められた実際のパラメータが、RCLを含んでいるクレーン制御システムへ提供され、クレーンの運動又は機能が、少なくとも一部には実際のパラメータに基づいて、制御される(運動を制限することを含む)ようになっていてもよい。つまり、クレーン制御システムは、クレーン構成要素の1つ又はそれ以上へ動作可能に接続されていて、クレーン構成要素の動作をクレーン状態に基づいて制御することができるわけである。例えば、望ましくないクレーン状態を一層悪くするか又は維持することになってしまう運動を防止するべく1つ又はそれ以上のクレーン構成要素が制御されることになる。追加的に、クレーン構成要素は、望ましくないクレーン状態から脱するように制御されてもよい。また、クレーン構成要素は、望ましくないクレーン状態へ陥る運動を防止するように制御されてもよい。1つの実施形態では、クレーン制御システムは、クレーン状態を、例えばディスプレイデバイス118上に又は何れかの他の視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的指示器上に出力してもよい。1つの実施形態では、判定されたクレーン状態に基づいて、注意喚起又は警報が出力されてもよい。1つの実施形態では、クレーン制御システムとシステム110は単一システムとして一体化されていてもよい。
【0099】
[0122]
図25は、或る実施形態による、クレーン状態を判定する方法S800を示すブロック線図である。方法は、概して、S810にて、ブーム又はマストの様な細長いクレーン構成要素の長さに沿った画像をキャプチャーする段階を含んでいる。S820にて、方法は、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の対象を検出する段階を含んでいる。S830にて、方法は、キャプチャー画像を及び/又は1つ又はそれ以上の検出された対象を分析して、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上のパラメータを求める段階を含んでいる。1つの実施形態ではS910にて示されている様に、方法は、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の求められたパラメータに基づいてクレーン状態を判定する段階を含んでいてもよい。1つの実施形態では、方法は、S840にて、キャプチャー画像を及び/又はキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された対象を、キャプチャー画像内の求められたパラメータに基づいて分析する段階を含んでいる。1つの実施形態では、方法は、S920にて、キャプチャー画像内のパラメータの分析に基づいてクレーン状態を判定する。1つの実施形態では、S850にて、方法は、キャプチャー画像内で求められたパラメータに及び/又は検出された対象のパラメータに対応している実際のパラメータか又は検出された対象の本体のうちの1つ又はそれ以上を判定する段階を含んでおり、S930にて、求められたパラメータの分析に基づいて、例えば実際のパラメータ又は検出された対象の本体に基づいて、クレーン状態を判定する段階を含んでいる。1つの実施形態では、先に判定されたクレーン状態に基づいて、追加のクレーン状態が判定されてもよい。方法S800は、システム110によって、例えばプロセッサに係るメモリに記憶されたプログラム命令の実行に応えて、遂行されてもよい。
【0100】
[0123]幾つかの実施形態では、システム110は、上述のセンサ組立体114、414、514の1つを含んでいて、クレーン状態を、一部にはセンサ組立体からの情報に基づいて判定することができる。クレーン状態を判定するうえで、システム110は、センサ組立体414、514をもう1つか又はそれ以上含み、他のセンサ組立体114、414、514の何れかを、又は当業者には自明の何れかの既知のセンサ組立体を、補完する、バックアップする、又は検証するようにしてもよい。
【0101】
[0124]以上の実施形態では、1つの実施形態からの様々な特徴は、適宜、異なる実施形態に実施されてもよく、異なる実施形態の他の特徴と共に使用されてもよく、又は異なる実施形態の他の特徴と置き換えられてもよい。例えば、1つの実施形態での検出される様々なパラメータ又は対象は、明示的にしかるべく記述されていなくても他の実施形態で判定され又は検出されることもできるだろう。加えて、幾つかの実施形態では、上述の諸段階の幾つかは組み合わされてもよく又は随意的には省略されてもよい。例えば、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上のパラメータを求める段階はキャプチャー画像を分析する段階と組み合わされてもよい。
【0102】
[0125]ここに参照される全ての特許は、本開示の本文中に明確に示されていようがいまいが、これによりここにその全体を参考文献として援用する。
【0103】
[0126]本開示では、原文の冠詞「a」又は「an」の対訳である「一」、「或る」という語は単数形及び複数形のどちらも含むものと捉えられたい。逆に、複数項目への何らかの言及は、該当する場合には、単数形を含むものとする。
【0104】
[0127]上記からは、本発明の新規性のある概念の真髄及び範囲から逸脱することなく数多くの修正型及び変形型が達成され得るということが観取されるであろう。例示されている特定の実施形態に関しては何らの限定も意図されず、また推察されてもならない、ということを理解されたい。本開示は、付随の特許請求の範囲によって、当該特許請求の範囲の範囲内に入る全てのその様な修正型を網羅することが意図されている。
【符号の説明】
【0105】
10 クレーン
12 下部構造
14 上部構造
16 ブーム
18 操作者運転室
22 ブーム先端
24 可撓性部材、ライン
26 シーブ
28 ATBスイッチ
30 ATBウエイト
32 ATBチェーン
34 吊上器具
38 ブームアタッチメント
40 水平方向基準線
42 垂直方向基準線
110 クレーン状態を判定するためのシステム
112 コンピュータ
114 センサ組立体
116 通信デバイス
118 視覚的ディスプレイデバイス
120 I/Oデバイス
121 バス
122 送信器
124 受信器
126 レーザービーム
128 光センサ
222 送信器
322 送信器
414 センサ組立体
514 センサ組立体、LiDAR組立体
522 送信器
524 受信器
600 キャプチャー画像
616 格子ブーム
622 格子ブーム先端
644 格子ブーム区分
646 格子コード
716 タワークレーンジブ
722 ジブ先端
746 タワークレーントロリー
L ブームの長さ方向
D1 初期の撓んでいない位置
D2 撓んだ位置
h ブーム先端の高さ
w ブーム先端の幅
d ブーム先端の対角線
S800 クレーン状態を判定する方法
S810 クレーン構成要素の長さに沿った画像をキャプチャーする
S820 キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の対象を検出する
S830 キャプチャー画像を及び/又は1つ又はそれ以上の検出された対象を分析して、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上のパラメータを求める
S840 キャプチャー画像を及び/又はキャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された対象を、キャプチャー画像内の求められたパラメータに基づいて分析する
S850 キャプチャー画像内で求められたパラメータに及び/又は検出された対象のパラメータに対応している実際のパラメータか又は検出された対象の本体のうちの1つ又はそれ以上を判定する
S910 キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の求められたパラメータに基づいてクレーン状態を判定する
S920 キャプチャー画像内のパラメータの分析に基づいてクレーン状態を判定する
S930 求められたパラメータの分析に基づいて、例えば実際のパラメータ又は検出された対象の本体に基づいて、クレーン状態を判定する