(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】制御装置、撮像装置、制御方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G02B 7/28 20210101AFI20240415BHJP
G02B 7/34 20210101ALI20240415BHJP
G02B 7/36 20210101ALI20240415BHJP
G03B 5/08 20210101ALI20240415BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20240415BHJP
H04N 23/67 20230101ALI20240415BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G02B7/34
G02B7/36
G03B5/08
G03B13/36
H04N23/67
(21)【出願番号】P 2019204902
(22)【出願日】2019-11-12
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】木村 啓昭
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-088436(JP,A)
【文献】特開2019-153918(JP,A)
【文献】特開平04-191830(JP,A)
【文献】特開2014-056002(JP,A)
【文献】特開2017-102228(JP,A)
【文献】特開2003-075716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28-7/40
G03B 5/08
G03B 13/36
H04N 23/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学系の光軸と直交する面に対する撮像素子のあおり角度を制御するあおり制御手段と、
前記撮像素子からの信号に基づいて位相差検出方式により像ずれ量を算出し、前記像ずれ量と変換係数とに基づいてデフォーカス量を算出する算出手段と、
前記デフォーカス量に基づいてフォーカス駆動量を算出する駆動量算出手段と、
前記フォーカス駆動量に基づいてフォーカス制御を行うフォーカス制御手段と、
フォーカス位置を含む光学情報を取得する取得手段と、を有し、
前記算出手段は、
前記光学情報および前記あおり角度に基づいて、前記信号の補正量
および前記変換係
数を変更し、
前記補正量および前記変換係数は、前記フォーカス位置、像高、および前記あおり角度に応じて異なり、
前記あおり制御手段は、前記算出手段によって算出された撮像画像内における
、互いに異なる2つの移動被写体のそれぞれに対応する2つの領域のデフォーカス量および前記撮像画像内における回転軸に対応する位置から前記2つの領域までの距離に基づいて、
前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記あおり角度を決定
し、
前記フォーカス制御手段は、前記2つの領域の前記デフォーカス量および前記2つの領域までの前記距離に基づいて、前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記フォーカス制御を行うことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記補正量に関するデータを記憶する記憶手段を更に有することを特徴とする請求項
1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記あおり角度が第1のあおり角度である場合、前記補正量は第1の補正量であり、
前記あおり角度が前記第1のあおり角度よりも大きい第2のあおり角度である場合、前記補正量は前記第1の補正量よりも大きい第2の補正量であることを特徴とする請求項1
または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記変換係数に関するデータを記憶する記憶手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記あおり角度が第3のあおり角度である場合、前記変換係数は第1の変換係数であり、
前記あおり角度が前記第3のあおり角度よりも大きい第4のあおり角度である場合、前記変換係数は前記第1の変換係数よりも小さい第2の変換係数であることを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記補正量に基づいて、焦点検出方式を変更することを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記算出手段は、
前記補正量が所定の補正量よりも小さい場合、前記位相差検出方式で前記デフォーカス量を算出し、
前記補正量が前記所定の補正量よりも大きい場合、コントラスト検出方式で前記デフォーカス量を算出することを特徴とする請求項
6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記フォーカス制御手段は、フォーカスレンズを駆動することにより前記フォーカス制御を行い、
前記あおり制御手段は、前記撮像素子を駆動することにより前記あおり制御を行うことを特徴とする請求項
1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記フォーカス制御手段および前記あおり制御手段は、前記フォーカスレンズおよび前記撮像素子を同時に駆動することを特徴とする請求項
8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記補正量は、シェーディング補正係数に相当することを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
撮像素子と、
請求項1乃至1
0のいずれか一項に記載の制御装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
撮像光学系の光軸と直交する面に対する撮像素子のあおり角度を制御するステップと、
前記撮像素子からの信号に基づいて位相差検出方式により像ずれ量を算出し、前記像ずれ量と変換係数とに基づいてデフォーカス量を算出するステップと、
前記デフォーカス量に基づいてフォーカス駆動量を算出するステップと、
前記フォーカス駆動量に基づいてフォーカス制御を行うステップと、
フォーカス位置を含む光学情報を取得するステップと、を有し、
前記デフォーカス量を算出するステップにおいて、
前記光学情報および前記あおり角度に基づいて、前記信号の補正量
および前記変換係
数を変更し、
前記補正量および前記変換係数は、前記フォーカス位置、像高、および前記あおり角度に応じて異なり、
前記あおり角度を制御するステップにおいて、前記デフォーカス量を算出するステップによって算出された撮像画像内における
、互いに異なる2つの移動被写体のそれぞれに対応する2つの領域のデフォーカス量および前記撮像画像内における回転軸に対応する位置から前記2つの領域までの距離に基づいて、
前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記あおり角度を決定
し、
前記フォーカス制御を行うステップにおいて、前記2つの領域の前記デフォーカス量および前記2つの領域までの前記距離に基づいて、前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記フォーカス制御を行うことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
請求項1
2に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカス制御およびあおり制御を行う制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズと撮像素子とを相対的に傾けることで被写界深度を広げるシャインプルーフの定理と呼ばれる技術が知られている。特許文献1には、コントラスト評価値が最大となるようにフォーカス位置を制御する処理を被写体ごとに実行し、複数の被写体に合焦するようにフォーカス位置とあおり制御量を決定する方法が開示されている。特許文献2には、フォーカス位置を一端から他端まで駆動させ、被写体ごとにコントラスト評価値が最大となるようにフォーカス位置を記憶する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-75716号公報
【文献】特開2001-116980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された方法では、コントラストAFを用いてフォーカス制御を行うため、時間を要し、実際にフォーカスレンズや撮像素子を移動させてあおり角とフォーカス位置を求めるため、不用意な動作が入り、品位が低下する。
【0005】
このような課題を解決するため、位相差AFを用いてフォーカス制御を行う方法が考えられる。しかし、撮像素子をあおった状態で位相差AFを行った場合、ハンチングする可能性があり、高速かつ高精度にフォーカス制御を行うことは難しい。
そこで本発明は、撮像面をあおった状態でも、高速かつ高精度にフォーカス制御を行うことが可能な制御装置、撮像装置、制御方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての制御装置は、撮像光学系の光軸と直交する面に対する撮像素子のあおり角度を制御するあおり制御手段と、前記撮像素子からの信号に基づいて位相差検出方式により像ずれ量を算出し、前記像ずれ量と変換係数とに基づいてデフォーカス量を算出する算出手段と、前記デフォーカス量に基づいてフォーカス駆動量を算出する駆動量算出手段と、前記フォーカス駆動量に基づいてフォーカス制御を行うフォーカス制御手段と、フォーカス位置を含む光学情報を取得する取得手段とを有し、前記算出手段は、前記光学情報および前記あおり角度に基づいて、前記信号の補正量および前記変換係数を変更し、前記補正量および前記変換係数は、前記フォーカス位置、像高、および前記あおり角度に応じて異なり、前記あおり制御手段は、前記算出手段によって算出された撮像画像内における、互いに異なる2つの移動被写体のそれぞれに対応する2つの領域のデフォーカス量および前記撮像画像内における回転軸に対応する位置から前記2つの領域までの距離に基づいて、前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記あおり角度を決定し、前記フォーカス制御手段は、前記2つの領域の前記デフォーカス量および前記2つの領域までの前記距離に基づいて、前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記フォーカス制御を行う。
【0007】
本発明の他の側面としての撮像装置は、撮像素子と前記制御装置とを有する。
【0008】
本発明の他の側面としての制御方法は、撮像光学系の光軸と直交する面に対する撮像素子のあおり角度を制御するステップと、前記撮像素子からの信号に基づいて位相差検出方式により像ずれ量を算出し、前記像ずれ量と変換係数とに基づいてデフォーカス量を算出するステップと、前記デフォーカス量に基づいてフォーカス駆動量を算出するステップと、前記フォーカス駆動量に基づいてフォーカス制御を行うステップと、フォーカス位置を含む光学情報を取得するステップとを有し、前記デフォーカス量を算出するステップにおいて、前記光学情報および前記あおり角度に基づいて、前記信号の補正量および前記変換係数を変更し、前記補正量および前記変換係数は、前記フォーカス位置、像高、および前記あおり角度に応じて異なり、前記あおり角度を制御するステップにおいて、前記デフォーカス量を算出するステップによって算出された撮像画像内における、互いに異なる2つの移動被写体のそれぞれに対応する2つの領域のデフォーカス量および前記撮像画像内における回転軸に対応する位置から前記2つの領域までの距離に基づいて、前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記あおり角度を決定し、前記フォーカス制御を行うステップにおいて、前記2つの領域の前記デフォーカス量および前記2つの領域までの前記距離に基づいて、前記2つの移動被写体に同時に合焦させるように前記フォーカス制御を行う。
【0009】
本発明の他の側面としてのプログラムは、コンピュータに前記制御方法を実行させる。
【0010】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像面をあおった状態でも、高速かつ高精度にフォーカス制御を行うことが可能な制御装置、撮像装置、制御方法、および、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】各実施形態における撮像装置のブロック図である。
【
図2】各実施形態における撮像素子の画素構成図である。
【
図3】各実施形態におけるビットずれ量の算出の説明図である。
【
図4】各実施形態における変換係数の算出の説明図である。
【
図5】各実施形態におけるあおり制御の説明図である。
【
図6】各実施形態におけるフォーカス制御およびあおり制御の説明図である。
【
図7】第1の実施形態における制御方法のフローチャートである。
【
図8】各実施形態におけるシェーディング補正の説明図である。
【
図9】各実施形態におけるシェーディング補正係数に関するデータテーブルである。
【
図10】各実施形態における変換係数の補正の説明図である。
【
図11】各実施形態における変換係数に関するデータテーブルである。
【
図12】第2の実施形態における制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
(全体構成)
まず、
図1を参照して、本実施形態における撮像装置について説明する。
図1は、撮像装置(制御装置)100のブロック図である。ズームレンズ101は、光軸方向に移動して焦点距離を変更する。フォーカスレンズ102は、光軸方向に移動してピントの制御(フォーカス制御)を行う。絞りユニット103は、光量を調整する。本実施形態において、ズームレンズ101、フォーカスレンズ102、および、絞りユニット103により撮像光学系が構成される。
【0015】
撮像光学系を通過した光は、バンドパスフィルタ(BPF)104およびカラーフィルタ105を介して、撮像素子106に受光される。バンドパスフィルタ104は、撮像光学系の光路に対して進退可能であってもよい。撮像素子106は、CMOSセンサなどを有し、撮像光学系を介して形成された光学像(被写体像)を光電変換する。AGC107は、撮像素子106から出力されたアナログ電気信号(撮像信号)に対してゲイン調整を行う。AD変換器108は、アナログ電気信号をデジタル信号(デジタル撮像信号)に変換する。カメラ信号処理部109は、デジタル撮像信号に対して各種の画像処理を行い、映像信号を生成する。映像信号は、通信部110を介して、撮像装置100に有線または無線通信により接続された監視モニタ装置111に出力される。また、通信部110は、外部装置からのコマンドを受けて撮像装置100の制御部(あおり/フォーカス制御部)115にコマンドなどの制御信号を出力する。
【0016】
測距情報算出部(算出手段)112は、対象となる被写体領域ごとにカメラ信号処理部109からRGBの画素値または輝度値を受け取り、位相差による距離情報を取得する。被写体判定部113は、カメラ信号処理部109からの結果を受けて、撮影画面内において被写体を検出する。被写体判定部113は、ユーザからの指定または予め設定された被写体、例えば人物や車の判定も行うことが可能である。
【0017】
あおり/フォーカス駆動量算出部(駆動量制御手段)114は、測距情報算出部112からの測距情報と被写体判定部113からの被写体情報を取得する。また、あおり/フォーカス駆動量算出部114は、測距情報および被写体情報と、制御部115からのあおり角度およびフォーカス位置とに基づいて、シーンに応じた適切な(最適な)あおり角度およびフォーカス位置を算出する。
【0018】
制御部115は、あおり/フォーカス駆動量算出部114により算出されたあおり角度およびフォーカス位置に基づいて、あおり角度およびフォーカス位置を制御する。制御部115は、通信部110からの指示に従って、オートフォーカス(AF)やマニュアルフォーカス(MF)でのフォーカス制御、ズーム制御、および、絞り制御を行う。また制御部115は、撮像素子駆動部116、絞り駆動部117、フォーカス駆動部118、および、ズーム駆動部119から現在の位置を受け取り、あおり/フォーカス駆動量算出部114に現在の位置を出力する。また制御部115は、あおり/フォーカス駆動量算出部114で算出されたあおり角度およびフォーカス位置を、撮像素子駆動部(あおり制御手段)116およびフォーカス駆動部(フォーカス制御手段)118にそれぞれ指示する。
【0019】
撮像素子駆動部116は、制御部115から指示されたあおり角度に基づいて、撮像素子106を傾け、あおり角度を制御する。通常、撮像素子106を傾ける回転軸は、撮影画面の中心に位置し、回転軸を中心に撮像素子106は傾くが、これに限定されるものではない。絞り駆動部117は、制御部115から伝達された絞りの設定値に基づいて、絞りユニット103の位置を制御する。フォーカス駆動部118は、制御部115から指示されたフォーカスの設定位置に基づいて(デフォーカス量に基づいて)、フォーカスレンズ102の位置を制御する(フォーカス制御を行う)。ズーム駆動部119は、制御部115から伝達されたズームの設定値に基づいてズームレンズ101の位置を制御する。
【0020】
測距情報算出部112は、カメラ信号処理部109により得られる焦点検出用データを用いて、位相差検出方式で測距情報算出処理を行う。より具体的には、カメラ信号処理部109は、撮像光学系の一対の瞳領域を通過する光束で形成される一対の像データを焦点検出用データとして生成し、測距情報算出部112は一対の像データのずれ量に基づいてデフォーカス量を検出する。このように測距情報算出部112は、専用のAFセンサを用いず、撮像素子106の出力に基づく撮像面位相差検出方式により測距(焦点検出)を行う。なお、測距情報算出部112の撮像面位相差検出方式による測距情報算出動作の詳細については、後述する。また測距情報算出部112は、特定周波数のコントラストに係る評価値(コントラスト評価値)を取得し、元のフォーカス位置とコントラスト評価値がピークとなるフォーカス位置との差分に基づいてデフォーカス量を算出してもよい。
【0021】
メモリ(記憶手段)120は、制御部115が実行するプログラムに関するデータを記憶しているとともに、後述のようなシェーディング補正係数に関するデータや変換係数に関するデータを記憶している。
【0022】
(撮像面位相差検出方式による測距情報算出動作)
次に、
図2を参照して、撮像素子106の画素構成について説明する。
図2は、撮像素子106の画素構成図である。撮像素子106は、全ての画素201のそれぞれが光電変換部201a、201bの2つにX方向に分割されている。また撮像素子106は、個々の光電変換部の光電変換信号(光電変換部201aまたは光電変換部201bの一方)と、2つの光電変換部201a、201bの光電変換信号の和とがそれぞれ独立して読み出し可能である。また、2つの光電変換部201a、201bの光電変換信号の和から一方の光電変換部(光電変換部201aまたは光電変換部201b)の光電変換信号を減じることで、他方の光電変換部の光電変換信号に相当する信号を得ることができる。個々の光電変換部における光電変換信号は、位相差AFのための焦点検出用データとして用いられる。また、2つの光電変換信号の和は、通常の撮影画像データとして用いられる。
【0023】
このように生成された光電変換部201aの光電変換信号に相当する信号(A像)と光電変換部201bの光電変換信号に相当する信号(B像)との相対的な像ずれ量を相関演算により算出する。これにより、一対の像信号の相関度であるビットずれ量[bit]を算出することができる。ビットずれ量に変換係数を乗ずることで、所定領域のデフォーカス量[mm]に変換することができる。
【0024】
本実施形態では、各画素201から一方の光電変換部の出力信号と全光電変換部の出力信号の和を撮像素子106から読み出すものとする。例えば、光電変換部201aの出力信号と、光電変換部201a、201bの出力信号の和とが読み出される場合、光電変換部201bの出力信号は、光電変換部201a、201bの出力信号の和から光電変換部201aの出力を減じることで取得することができる。これにより、A像とB像の両方を得ることができ、撮像面位相差検出方式での測距(焦点検出)を実現することができる。また、光電変換部201a、201bの出力信号の和は、一般的には、出力画像の1画素(出力画素)を形成する。なお、このような撮像素子は公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、撮像面位相差検出方式による測距情報算出動作について説明する。以下の測距情報算出動作は、測距情報算出部112が主体となって実行される。
【0026】
まず、測距情報算出部112は、焦点検出位置を設定する。続いて測距情報算出部112は、焦点検出用データを読み出す。測距情報算出部112で設定された焦点検出位置内の画素からの読み出した信号を用いることで、A像およびB像のそれぞれの信号を生成する。続いて、測距情報算出部112は、A像とB像の相対的な像ずれ量を相関演算により求めることで、ビットずれ量P[bit]を取得する。
【0027】
ここで、
図3を参照して、相関演算方法の一例を説明する。
図3は、相関演算方法(ビットずれ量の算出)の説明図である。
図3において、縦軸は信号値、ヨコ軸はビット(位置)をそれぞれ示す。撮像素子106の画素(焦点検出画素)からA像とB像の信号が読み出されたとする。カメラ信号処理部109は、まず、ノイズの低減のため、A像とB像のそれぞれに対してデジタルフィルタ処理を行う。
図3(a)は、フィルタ処理後の波形を示す。
【0028】
測距情報算出部112は、
図3(a)~
図3(d)に示されるように、A像信号とB像信号のいずれか、またはA像信号とB像信号の両方をビットシフトしながらそのときの相関量CORを算出する。このときの相関量CORは、A像とB像とを重ねたときの面積、A像の面積からB像の面積を減算した値、または、相関度を表す計算値などであるが、これらに限定されるものではない。以下、相関量CORが、A像とB像とを重ねたときの面積である場合について説明する。A像とB像とが一致した場合、A像とB像との重なりが大きくなるため、最も相関が高く、相関量CORは大きくなる。ここでは、相関量CORが最大値をとるときのシフト量[bit]がビットずれ量P[bit]となる。
【0029】
続いて、ビットずれ量Pに乗じて、デフォーカス量DEFを求めるための値である変換係数Kを取得する。ここで、
図4を参照して、変換係数Kの算出について説明する。
図4は、変換係数Kの算出の説明図である。
図4において、Z方向軸は、撮像光学系の光軸方向を示し、Z=0は撮像素子106の面(撮像面)を示す。Zepは、射出瞳距離を示す。Z=Zep上のA像、B像の焦点検出光束の光量分布である瞳強度分布PI_A、瞳強度分布PI_Bは、光電変換部201a、201bのそれぞれから出力された信号(焦点検出用信号)を射出瞳面上に投影した投影像である。
【0030】
図4中のPI_A、PI_Bは、一次元の瞳強度分布を示す。瞳強度分布PI_A、PI_Bの重心間隔を基線長BLとする。このとき、射出瞳距離Zepと基線長BLとの比で、A像とB像のビットずれ量P[bit]に対する光軸方向の変化量[mm]を求めることができる。従って、変換係数Kは、以下の式(1)のように表すことができる。
【0031】
【0032】
次に、測距情報算出部112は、以下の式(2)により、デフォーカス量DEF[mm]を算出する。
【0033】
【0034】
焦点検出位置で合焦させる場合、あおり/フォーカス駆動量算出部114は、デフォーカス量DEFに基づいて、以下の式(3)によりフォーカスレンズ102の駆動量M[lensmm]を算出する。そして制御部115は、フォーカス駆動部118を制御してフォーカスレンズ102を駆動する。
【0035】
【0036】
式(3)において、FSはデフォーカス量DEF[mm]をレンズ駆動量[lensmm]に変換する敏感度である。制御部115は、レンズ駆動量Mを設定し、フォーカス駆動部118が設定された値に光軸方向にフォーカスレンズ102を駆動させるようにことで、焦点検出位置でピントの合った画像を得る。
【0037】
このように、あおり/フォーカス駆動量算出部114は、撮像面位相差検出方式で得られた測距情報に基づいてデフォーカス量DEFを算出し、デフォーカス量DEFに基づいてフォーカス駆動量とあおり角を算出する。しかし、撮像素子106をあおった状態では、正しいデフォーカス量DEFを取得することができず、適正なフォーカス駆動量とあおり角を算出することができない。そこで本実施形態の撮像装置100は、以下のようにあおり制御を行う。
【0038】
(あおり制御の説明)
図5を参照して、あおり制御について説明する。
図4は、あおり制御の説明図である。
図5(a)は、光学系(撮像光学系)と撮像素子106とが平行である状態を示している。フォーカス距離Lにピントが合っており、ピント面は光学系および撮像素子106のそれぞれと平行である。
図5(b)は、
図5(a)の状態から撮像素子106を撮像素子回転軸を中心に回転させ、あおり制御を行った状態を示している。あおり制御を行うと、シャインプルーフの原理に基づいて、ピント面も撮像素子回転軸に対応したピント面回転軸を中心に回転する。このため、ある平面に関して近距離から遠距離まで全ての被写体にピントを合わせることが可能となる。
【0039】
シャインプルーフの原理は、光学系の主面と撮像素子106の撮像面とがある1つの直線で交わるとき、ピント面も同じ直線上で交わるという原理である。あおり角bは、焦点距離f、フォーカス距離L、および、俯角aを用いて、シャインプルーフの原理より、以下の式(4)で算出される。
【0040】
【0041】
図5(c)は、被写体Xおよび被写体Yが存在するシーンを示している。この場合、
図5(c)に示されるように、被写体X、Yの顔にピントが合うようなピント面に制御するのが望ましい。このため、あおり制御のみではなく、フォーカス制御を行うことが必要である。また、被写体ごとに最適なピント面(すなわち、最適なあおり角度およびフォーカス位置)は異なっており、ユーザが手動で調整するのは困難である。
【0042】
そこで、
図6を参照して、被写体に応じて最適なあおり角度およびフォーカス位置を算出する一例を説明する。
図6は、あおり制御およびフォーカス制御の説明図である。対象とする被写体として、
図5(c)と同様に、被写体Xおよび被写体Yが存在する。
【0043】
現在のあおり角度とフォーカスレンズ102の位置が
図6の上部の位置関係になっている。xは被写体Xに対してピントを合わせるために必要なピント面上での補正量、yは被写体Yに対してピントを合わせるために必要なピント面上での補正量である。また、撮像素子106上でのあおり軸から被写体までの距離を、被写体Xに対してk1[um]、被写体Yに対してk2[um]とする。ここで、被写体X、Yに同時に合焦させるためのあおり角度をα[°]とし、ピント面上でのフォーカス補正量をβとすると、以下の式(5)、(6)が成立する。
【0044】
【0045】
式(5)、(6)の連立方程式を解くと、あおり角度αおよびフォーカス補正量βはそれぞれ、以下の式(7)、(8)のように表される。
【0046】
【0047】
ピント制御量は、簡易的には、フォーカス補正量βをフォーカスレンズ102の敏感度FSで除算することで算出することができる。一方、ピント制御量を正確に算出するには、敏感度FSに応じた高次方程式や多項式を解くことで可能となる。ただし本実施形態は、これに限定されるものではなく、他の方法で算出してもよい。
【0048】
(第1の実施形態)
次に、
図7を参照して、第1の実施形態における制御方法(あおり角に応じたフォーカス・あおり角補正処理)について説明する。
図7は、本実施形態における制御方法のフローチャートである。
図7の各ステップは、主に、通信部110、測距情報算出部112、あおり/フォーカス駆動量算出部114、または、制御部115により実行される。
【0049】
まずステップS701において、通信部110は、制御部115に測距命令を送る。続いてステップS702において、制御部115は、あおり/フォーカス駆動量算出部114に測距命令を送り、測距を開始する。なお、ステップS702~S707におけるデフォーカス量の算出については、2点の焦点検出位置に関して行うが、説明を簡略化するため、1か所の焦点検出位置での測距算出を説明する。
【0050】
続いてステップS703において、測距情報算出部112は、撮像素子106から、焦点検出位置に関するA像信号とB像信号を取得する。なお焦点検出位置は、被写体判定部113で被写体が存在する位置と判定された位置、または、予め設定された位置のいずれでもよい。続いてステップS704において、測距情報算出部112は、A像信号とB像信号のそれぞれに対してシェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。撮像面位相差検出方式での測距では、A像信号とB像信号との相関に基づいて、デフォーカス量を算出する。
【0051】
ケラレによるシェーディングが生じると、A像信号とB像信号との相関(信号の一致度)が低下する場合がある。このため、撮像面位相差検出方式での測距では、A像信号とB像信号との相関(信号の一致度)を改善し、焦点検出性能を良好とするため、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行うことが望ましい。
【0052】
ここで、
図8を参照して、A像信号とB像信号のシェーディング補正について説明する。
図8はシェーディング補正の説明図であり、
図8(a)、(b)は撮像光学系の断面図を示す。撮像光学系は、前レンズ801、絞り802、後レンズ803を有し、前レンズ801、絞り802、後レンズ803は、各位置での光線の光径を示す。焦点検出位置が撮像素子106の中心cの場合、A像の瞳部分領域とB像の瞳部分領域により、射出瞳は略均等に瞳分割される。
【0053】
一方、
図8(b)に示されるように、撮像素子106があおられて、かつ焦点検出位置hが撮像素子106の周辺像高の場合、撮像光学系のケラレによって光量が制限され、射出瞳が不均一に分割される。このため、A像信号とB像信号の強度に差が生まれてバランスが悪くなるシェーディングという現象が発生する。
【0054】
続いて、
図7のステップS704において、測距情報算出部112は、シェーディング補正処理(光学補正処理)を行う。まず、焦点検出位置の像高、撮像光学系の光学情報、または、撮像素子106のあおり角の少なくとも1つに基づいて、A像信号の第1のシェーディング補正係数と、B像信号の第2のシェーディング補正係数(第1の補正量および第2の補正量)を決定する。光学情報は、例えば制御部115により取得される。この場合、制御部115は、光学情報を取得する取得手段である。
【0055】
シェーディング補正係数に関するデータは、
図9に示されるようなテーブルでメモリ120に保持されている。ただし本発明は、これに限定されるものではなく、計算により求めてもよい。
図9は、シェーディング補正係数に関するデータテーブルである。
図9では、フォーカス位置、焦点検出位置の像高、および、あおり角に基づいてシェーディング補正係数を決定しているが、
図9は一例に過ぎず、テーブルの作成方法は他の方法でもよい。あおり角が大きい場合、ケラレの影響が強くなるため、シェーディング補正係数(補正量)は大きくなる。すなわち、あおり角度が第1のあおり角度である場合、補正量は第1の補正量であり、あおり角度が第1のあおり角度よりも大きい第2のあおり角度である場合、補正量は第1の補正量よりも大きい第2の補正量である。
【0056】
続いて、測距情報算出部112は、A像のシェーディング補正係数(第1のシェーディング補正係数)をA像信号に、B像のシェーディング補正係数(第2のシェーディング補正係数)をB像信号にそれぞれ乗算する。そして、A像信号とB像信号の強度が同様になるようにし、シェーディング補正処理(光学補正処理)を終了する。本実施形態において、撮像光学系の光学情報は、フォーカス位置、ズーム位置、または、絞り値(F値)の少なくとも1つであるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
続いて、
図7のステップS705において、測距情報算出部112は、A像信号とB像信号の相関量に基づいて、ビットずれ量Pを算出する。続いてステップS706において、測距情報算出部112は、撮像光学系の光学情報および撮像素子106のあおり角に基づいて、変換係数Kを算出する。
【0058】
図10は、変換係数Kの補正の説明図であり、撮像素子106の中心位置cにおける画素(焦点検出画素)201のA像の瞳部分領域とB像の瞳部分領域による射出瞳1001を示す。
図10(a)は撮像素子106をあおっていない状態、
図10(b)は撮像素子106をあおった状態をそれぞれ示す。
図10(b)は、
図10(a)に比べて、撮像素子106をあおったことにより、射出瞳1001の形状が変化する。射出瞳1001の形状変化によりA像信号とB像信号の強度は同様である。しかし、撮像素子106をあおった状態では、あおっていない状態と比較して、光の重心位置が変化し、同じデフォーカス量でもビットずれ量Pが変化する。これは、撮像素子106を傾けたことにより、基線長が疑似的に長くなるためである。このような現象より、正確なデフォーカス量が算出することができなくなるため、撮像素子106のあおり角に応じて変換係数Kを変更することが望ましい。
【0059】
図11は、変換係数Kに関するデータテーブルである。変換係数Kに関するデータは、
図11に示されるようなテーブルでメモリ120に保持されている。ただし本発明は、これに限定されるものではなく、計算により求めてもよい。
図11では、フォーカス位置、焦点検出位置の像高、および、あおり角に基づいて変換係数Kを決定しているが、
図11は一例に過ぎず、テーブルの作成方法は他の方法でもよい。
【0060】
変換係数Kを計算で求める場合、変換係数Kは、あおり角αを用いて、以下の式(9)で表すことができる。
【0061】
【0062】
ただし、式(9)は変換係数Kの算出の一例に過ぎず、他の方法を用いて変換係数Kを算出してもよい。あおり角αが大きい場合、式(9)で表されるように、変換係数Kは小さくなる。すなわち、あおり角度が第3のあおり角度である場合、変換係数は第1の変換係数であり、あおり角度が第3のあおり角度よりも大きい第4のあおり角度である場合、変換係数は第1の変換係数よりも小さい第2の変換係数である。
【0063】
続いて、
図7のステップS707において、測距情報算出部112は、ビットずれ量Pおよび変換係数Kに基づいて、デフォーカス量DEFを算出する。続いてステップS708において、測距情報算出部112は、ステップS702~S707を実行し、算出した2点の測距位置(焦点検出位置)でのデフォーカス量DEF1、DEF2がa値以内(所定の範囲内)であるか否かを判定する。ここで、a値は被写界深度である±Fδとしてもよい。ステップS708にてデフォーカス量DEF1、DEF2がa値以内でない場合、ステップS709へ進む。
【0064】
ステップS709において、あおり/フォーカス駆動量算出部114は、測距情報算出部112により算出されたデフォーカス量DEF1、DEF2に基づいて、フォーカス駆動量dと、あおり角駆動量θとを算出する。続いてステップS710において、制御部115は、ステップS708にてあおり/フォーカス駆動量算出部114が算出したフォーカス駆動量dおよびあおり角駆動量θに応じて、フォーカス駆動部118および撮像素子駆動部116をそれぞれ制御する。そして、ステップS702に戻り、制御部115は測距を実施する。なお、ステップS710からステップS702に戻るタイミングは、フォーカスおよびあおり駆動後、または、フォーカスおよびあおり駆動中のいずれでもよい。フォーカスおよびあおり駆動中にはコントラスト値などを取得していない。このため、フォーカスレンズ102を駆動するフォーカス駆動部118および撮像素子106を駆動する撮像素子駆動部116は、フォーカスレンズ102および撮像素子106を同時に駆動させることができる。このため、従来よりも高速なフォーカス制御およびあおり角補正が可能となる。
【0065】
ステップS708にてデフォーカス量DEF1、DEF2がa値以内である場合、制御部115は、ピントが合っていると判定し、本フロー(フォーカス・あおり角補正制御プログラム)を終了する。
【0066】
本実施形態によれば、撮像面をあおった状態でも、撮像面位相差検出方式で測距を高精度に行い、あおり角およびフォーカス位置の算出の高速化し、精度および品位を向上させることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、
図12を参照して、第2の実施形態における制御方法(あおり角に応じたフォーカス・あおり角補正処理)について説明する。
図12は、本実施形態における制御方法のフローチャートである。
図12の各ステップは、主に、通信部110、測距情報算出部112、あおり/フォーカス駆動量算出部114、または、制御部115により実行される。
【0068】
本実施形態は、補正量に基づいて測距方式(焦点検出方式)を変更する点(
図12中にステップS1205、S1212が挿入されている)で、第1の実施形態(
図7)と異なる。本実施形態における他の構成および方法は、第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0069】
ステップS1204において、測距情報算出部112は、シェーディング補正の際に補正量(シェーディング補正係数)を決定する。続いてステップS1205において、測距情報算出部112は、補正量がq値以内(所定の補正量よりも小さい)か否かを判定する。撮像素子106のあおり角が大きく、焦点検出位置が高像高の場合、A像信号とB像信号の強度のバランスが悪く、またはケラレの影響で強度が低いと、補正量が大きくなり過ぎ、正確に補正を行うことができない可能性がある。正確な補正を行うことができない場合、測距の精度が低下し、正確なフォーカス位置やあおり角を算出することができない。このため本実施形態では、ステップS1205において、補正量がq値以内ではない場合(補正量が所定の補正量よりも大きい場合)、ステップS1212において、測距方式(焦点検出方式)を変更する。すなわちステップS1212では、測距情報算出部112は、位相差検出方式に代えて、従来と同様のコントラスト検出方式によりデフォーカス量DEF1、DEF2を算出する。
【0070】
このように本実施形態において、測距情報算出部112は、補正量が所定の補正量よりも小さい場合、位相差検出方式でデフォーカス量を算出し、補正量が所定の補正量よりも大きい場合、コントラスト検出方式でデフォーカス量を算出する。
【0071】
本実施形態によれば、位相差検出方式の測距と、コントラスト検出方式の測距とを組み合わせて実施する。これにより、従来のコントラスト検出方式のみで測距を行う場合と比較して、補正量がq値以下のときまで位相差検出方式の測距を行うため、従来よりも早くフォーカス、あおり角の補正が可能となる。また、あおり角が大きく、焦点検出位置が高像高の場合でも適正なフォーカス、あおり角の補正が可能である。
【0072】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0073】
このように各実施形態において、制御装置(撮像装置100)は、撮像素子106からの信号に基づいて位相差検出方式により像ずれ量を算出し、像ずれ量と変換係数とに基づいてデフォーカス量を算出する算出手段(測距情報算出部112)を有する。算出手段は、光学情報およびあおり角度に基づいて、信号の補正量または変換係数の少なくとも1つを変更する。
【0074】
各実施形態によれば、撮像面をあおった状態でも、測距を精度良く行い、高速化、高精度、高品位なあおり角の角度、フォーカス位置の補正制御を行うことができる。このため各実施形態によれば、撮像面をあおった状態でも、高速かつ高精度にフォーカス制御を行うことが可能な制御装置、撮像装置、制御方法、および、プログラムを提供することができる。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
100 撮像装置(制御装置)
112 測距情報算出部(算出手段)
115 制御部(取得手段)
116 撮像素子駆動部(あおり制御手段)