(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】料金処理システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240415BHJP
【FI】
G07B15/00 P
G07B15/00 510
(21)【出願番号】P 2019211522
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓倉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 茂
(72)【発明者】
【氏名】中谷 博司
(72)【発明者】
【氏名】松山 拓紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】出来 康造
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-101580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行料金を算出する中央装置、前記中央装置により通行料金を算出するための料金算出通信に対応する第1の入口処理装置、及び前記料金算出通信に対応する第1の出口処理装置を備える料金処理システムであって、
前記第1の入口処理装置は、
第1の入口レーンを通行する第1の車両の第1の車載器から第1の車両識別情報を受信し、前記第1の車載器に対して入口フラグ情報を含む第1の入口識別情報を送信する第1の入口車両通信部と、
前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の入口識別情報を含む第1の入場記録を送信する入口中央通信部と、を備え、
前記第1の出口処理装置は、
第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の車両識別情報及び前記第1の
入口処理装置の
前記第1の
入口識別情報を受信する第1の出口車両通信部と、
第1の出口車両通信部で受信した前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及
び第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から中央算出通行料金を受信する
第1の出口中央通信部と、
を備え、
前記中央装置は、
前記第1の入口処理装置から前記第1の入場記録を受信し、前記第1の出口処理装置から前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口識別情報を受信し、前記第1の出口処理装置に対して前記中央算出通行料金を送信する入出口通信部と、
前記第1の入口識別情報及び前記第1の出口識別情報から定まる第1の通行区間と中央料金テーブルとに基づき、前記中央算出通行料金を算出する中央料金算出部と、
を備える料金処理システム。
【請求項2】
前記第1の出口処理装置の前記
第1の出口中央通信部は、
前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれると判定された後に、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、
請求項1記載の料金処理システム。
【請求項3】
前記料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報を受信すると、前記第2の車載器に対して前記入口フラグ情報を含まない第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第2の車載器から
受信した前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部を備える、
請求項2記載の料金処理システム。
【請求項4】
前記料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の出口処理装置を備え、
前記第2の出口処理装置は、
第2の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信する第2の出口車両通信部と、
前記第1の車載器から
受信した前記第1の入口識別情報及び前記第2の出口処理装置の第2の出口識別情報から定まる第3の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第2の出口料金算出部と、を備える、
請求項2記載の料金処理システム。
【請求項5】
前記中央装置は、出場通知を受信する前記入出口通信部と、前記出場通知を記憶する記憶部を、更に備え、
前記第1の出口処理装置は、
前記第1の出口車両通信部が、前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないときに、前記第2の車載器に対して前記出口算出通行料金を送信し、
前記
第1の出口中央通信部が、前記第1の出口車両通信部が前記出口算出通行料金の送信を行った後に、前記中央装置へ前記出場通知を送信する、
請求項3記載の料金処理システム。
【請求項6】
前記第1の出口処理装置の前記
第1の出口中央通信部は、
前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否か判定される前に
、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、
請求項1記載の料金処理システム。
【請求項7】
前記料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報を受信し、前記第2の車載器に対して前記入口フラグ情報が含まれない前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、
前記判定部により前記第
2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否か判定される前に、前記中央装置に対して前記第
2の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する前記
第1の出口中央通信部と、
前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第2の車載器から
受信した前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部と、を備える、
請求項6記載の料金処理システム。
【請求項8】
前記第1の出口処理装置の前記判定部は、
前記第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から受信した前記第1の入口識別情報に、前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定し、前記入口フラグ情報が含まれている場合は、前記入口フラグ情報の書き込み時刻と前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻とが同じか否かを判定する、
請求項1記載の料金処理システム。
【請求項9】
前記第1の出口処理装置の前記
第1の出口中央通信部は、
前記判定部が前記入口フラグ情報の書き込み時刻と前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻とが同じであると判定された後に、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、
請求項8記載の料金処理システム。
【請求項10】
前記料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報を受信し、前記第2の車載器に対して前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第2の車載器から
受信した前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部を備える、
請求項8記載の料金処理システム。
【請求項11】
前記料金処理システムは、さらに、
前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置と、
前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の出口処理装置とを備え、
前記第2の出口処理装置は、第2の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信する第2の出口車両通信部と、前記第1の車載器から
受信した前記第1の入口識別情報及び前記第2の出口処理装置の第2の出口識別情報から定まる
第3の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第2の出口料金算出部と、を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信し、前記第1の車載器に対して
前記入口フラグ情報を含まない前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第1の車載器から
受信した前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部を備える、
請求項8記載の料金処理システム。
【請求項12】
前記第1の出口処理装置の前記
第1の出口中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれる、かつ、前記入口フラグ情報の書き込み時刻と前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻とが同じであると判定される前に、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、
請求項8記載の料金処理システム。
【請求項13】
前記料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報を受信し、前記第2の車載器に対して前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、
前記
第1の出口中央通信部で、前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否か、かつ、前記入口フラグ情報の書き込み時刻と前記第2の車両が前記第2の入口レーンを通行した時刻とが同じであるか否か判定される前に、前記中央装置に対して前記第2の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信し、
前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された後に、前記第2の車載器から送信される前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部を、更に備える、
請求項8記載の料金処理システム。
【請求項14】
前記第1の出口処理装置
の前記判定部は、前記第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から
受信した前記第1の入口識別情報に、前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定
し、
前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれている場合は、前記入口フラグ情報の書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じか否かを判定する、
請求項1記載の料金処理システム。
【請求項15】
前記第1の出口処理装置の前記
第1の出口中央通信部は、
前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれる、かつ、前記入口フラグ情報の書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じであると判定された後に、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、
請求項14記載の料金処理システム。
【請求項16】
前記料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報を受信し、前記第2の車載器に対して前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第2の車載器から送信される前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部を備える、
請求項14記載の料金処理システム。
【請求項17】
前記料金処理システムは、さらに、
前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置と、
前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の出口処理装置と
を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信し、前記第1の車載器に対して前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第2の出口処理装置は、
第2の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信する第2の出口車両通信部
を備え、
前記第1の出口処理装置は、
前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第1の車載器から
受信した前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部を備える、
請求項14記載の料金処理システム。
【請求項18】
前記第1の出口処理装置の前記
第1の出口中央通信部は、
前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否か、かつ、前記入口フラグ情報の書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じであるか否か判定される前に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、
請求項14記載の料金処理システム。
【請求項19】
前記料金処理システムは、さらに、
前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置と、
前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の出口処理装置と
を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信し、前記第1の車載器に対して前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第2の出口処理装置は、
第2の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報を受信する第2の出口車両通信部
を備え、
前記第1の出口処理装置は、
前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否か、かつ、前記入口フラグ情報の書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じであるか否か判定される前に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する
第1の出口中央通信部と、
前記判定部により前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないと判定された
場合に、前記第1の車載器から
受信した前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する
第1の出口料金算出部と、を備える、
請求項14記載の料金処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路で広く普及しているETC(Electronic Toll Collection、登録商標)システムでは、入口料金所の入口処理装置は、入口レーンを通行する車両の車載器と無線通信し、また、出口料金所の出口処理装置は、入口レーンを経て出口レーンを通行する車両の車載器と無線通信する。このように、各料金所での無線通信により、入口及び出口にて車両を停止させずにノンストップでの料金収受を実現している。
【0003】
例えば、入口処理装置は、車両の車載器からETCカードのカード識別情報及び車載器の車載器識別情報を含む車両識別情報を受信し、また、車載器に対して入口処理装置に記憶される入口識別情報を送信する。車載器は、入口識別情報を受信しETCカードに書き込む。また、出口処理装置は、車両の車載器から車両識別情報及び入口識別情報等を受信し、入口識別情報及び出口処理装置に記憶される出口識別情報から通行区間を判定し、出口処理装置に記憶される料金テーブル及び通行区間に基づき通行料金を計算し、計算した通行料金を車載器へ送信したり、また、路側表示器に表示したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-101580号公報
【文献】特開2018-97507号公報
【文献】特開2018-67036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各出口処理装置で通行料金を計算する場合、事前に、中央装置から各出口処理装置に対して料金テーブルを配信する必要があり、定期的な料金テーブルの更新も必要になる。また、時間帯に応じた通行料金を適用する場合には時間帯別の料金テーブルが必要になり、また、通行経路等に応じた通行料金を提供する場合には通行経路別の料金テーブルが必要になるなど、中央装置から各出口処理装置に対して配信する情報量の増大も懸念される。このような料金テーブルの配信等に関する負荷を軽減するために、中央装置により通行料金を計算する仕組みが要望されている。
【0006】
しかしながら、中央装置で通行料金を計算する仕組みを実現するためには、入口処理装置、経路装置、および、出口処理装置として新たな機能を備えたものを用意する必要があり、膨大な数の装置を同時に更新することは困難である。したがって、全ての装置の更新が完了するまでの間は、入口処理装置、経路装置、および、出口処理装置の機能に応じた通行料金の計算などの処理を行う必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、中央装置による通行料金算出を実現するための料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態による料金処理システムは、通行料金を算出する中央装置、前記中央装置により通行料金を算出するための料金算出通信に対応する第1の入口処理装置、及び前記料金算出通信に対応する第1の出口処理装置を備える料金処理システムであって、前記第1の入口処理装置は、第1の入口レーンを通行する第1の車両の第1の車載器から第1の車両識別情報を受信し、前記第1の車載器に対して入口フラグ情報を含む第1の入口識別情報を送信する第1の入口車両通信部と、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の入口識別情報を含む第1の入場記録を送信する入口中央通信部と、を備え、前記第1の出口処理装置は、第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の車両識別情報及び前記第1の入口処理装置の第1の入口識別情報を受信する第1の出口車両通信部と、第1の出口車両通信部で受信した前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定する判定部と、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から中央算出通行料金を受信する第1の出口中央通信部と、を備え、前記中央装置は、前記第1の入口処理装置から前記第1の入場記録を受信し、前記第1の出口処理装置から前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口識別情報を受信し、前記第1の出口処理装置に対して前記中央算出通行料金を送信する入出口通信部と、前記第1の入口識別情報及び前記第1の出口識別情報から定まる第1の通行区間と中央料金テーブルとに基づき、前記中央算出通行料金を算出する中央料金算出部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態の料金処理システムの一構成例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の
実施例1-1の構成例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の
実施例1-1の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図4】
図4は、第1実施形態の
実施例1-2の構成例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の
実施例1-2の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、第1実施形態の
実施例1-3の構成例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の
実施例1-3の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8】
図8は、第1実施形態の
実施例1-4の構成例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の
実施例1-4の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、第1実施形態の
実施例1-5の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】
図11は、第1実施形態の
実施例1-6の構成例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態の
実施例1-6の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】
図13は、第1実施形態の
実施例1-7の構成例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態の
実施例1-7の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、第1実施形態の
実施例1-8の構成例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態の
実施例1-8の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図17】
図17は、第1実施形態の
実施例1-9の構成例を説明するための図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態の
実施例1-9の構成例を説明するための図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態の
実施例1-9の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図20】
図20は、第1実施形態の
実施例1-10の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図21】
図21は、第1実施形態の
実施例1-11の構成例を説明するための図である。
【
図22】
図22は、第1実施形態の
実施例1-11の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図23】
図23は、第1実施形態の
実施例1-12の構成例を説明するための図である。
【
図24】
図24は、第1実施形態の
実施例1-12の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図25】
図25は、第1実施形態の
実施例1-13の構成例を説明するための図である。
【
図26】
図26は、第1実施形態の
実施例1-13の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図27】
図27は、第1実施形態の
実施例1-14の構成例を説明するための図である。
【
図28】
図28は、第1実施形態の
実施例1-14の構成例を説明するための図である。
【
図29】
図29は、第1実施形態の
実施例1-14の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図30】
図30は、第1実施形態の
実施例1-15の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図31】
図31は、第1実施形態の
実施例1-16の構成例を説明するための図である。
【
図32】
図32は、第1実施形態の
実施例1-16の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図33】
図33は、第2実施形態の料金処理システムにおける特定領域の一例について説明するための図である。
【
図34】
図34は、第2実施形態の
実施例2-1の構成例を説明するための図である。
【
図35】
図35は、第2実施形態の
実施例2-1の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図36】
図36は、第2実施形態の
実施例2-2の構成例を説明するための図である。
【
図37】
図37は、第2実施形態の
実施例2-2の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図38】
図38は、第2実施形態の
実施例2-3の構成例を説明するための図である。
【
図39】
図39は、第2実施形態の
実施例2-3の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図40】
図40は、第2実施形態の
実施例2-4の構成例を説明するための図である。
【
図41】
図41は、第2実施形態の
実施例2-4の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図42】
図42は、第2実施形態の
実施例2-5の構成例を説明するための図である。
【
図43】
図43は、第2実施形態の
実施例2-5の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図44】
図44は、第2実施形態の
実施例2-6の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、複数の実施形態の料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、一実施形態の料金処理システムの一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の料金処理システムは、中央装置1と、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aと、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bと、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aと、
出口計算対応の第2出口処理装置3Bと、
中央計算対応の第1経路装置4Aと、
中央計算対応の第2経路装置4Bと、を備え得る。
【0011】
中央装置1は、機器通信部11、制御部12、及び記憶部13を備える。
機器通信部11(入出口通信部、受信部、及び送信部に相当)は、限られた時間内に中央算出通行料金を取得するためのリアルタイム通信(以下、料金算出通信と称する)に対応する通信インタフェースであり、第1入口処理装置2A、第1出口処理装置3A、及び第1経路装置4Aと通信し、各種情報を送受信する。料金算出通信は、高速通信であり、第1入口処理装置2Aからの入場記録等をリアルタイムに受信し、また、第1出口処理装置3Aからの出場記録等をリアルタイムに受信し、第1出口処理装置3Aに対して中央算出通行料金をリアルタイムに送信する。
【0012】
なお、機器通信部11は、第2入口処理装置2B、第2出口処理装置3B、及び、第2経路装置4Bとも通信可能である。
例えば、第2入口処理装置2B、第2出口処理装置3B、及び、第2経路装置4Bから送信されるバッチ処理データを定期的に受信する。バッチ処理データは、入場履歴情報、通過履歴情報、又は出場履歴情報を含む。入場履歴情報は、車両識別情報、入口識別情報、及び入場日時等を含む。通過履歴情報は、車両識別情報、経路識別情報、及び、通過日時等を含む。出場履歴情報は、車両識別情報、出口識別情報、及び出場日時等を含む。
【0013】
制御部12(中央料金算出部に相当)は、中央算出通行料金の計算等のデータ処理を司る制御部である。制御部12は、CPU(central processing unit)等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して中央装置1を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部12は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。
【0014】
記憶部13は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部13の記憶媒体は、制御部12のCPUが実行するプログラムを記憶する。さらに、記憶部13の記憶装置は、中央料金テーブルの一例である基本料金テーブルと変動料金テーブルを記憶する。
【0015】
基本料金テーブルは、入口と出口とに応じた通行料金(基本料金)を示す情報を格納する。例えば、基本料金テーブルは、道路網全体における各入口と各出口との組み合わせに対して同一発着で同一料金となるような基本料金を示す情報を格納する。
変動料金テーブルは、経路と通過時間などの条件に応じて変動させる課金額(変動額、割引額)を示す情報を格納する。例えば、変動料金テーブルは、各経路の混雑状況又は混雑予想に応じて各経路に適用される変動額が格納される。なお、各経路の混雑状況又は混雑予測を、各第1経路装置4Aから収集される情報から判定するようにしても良いし、外部のサーバから取得するようにしても良いし、接続するターミナル端末から手動で入力するようにしても良い。
【0016】
また、記憶部13の記憶装置は、第1入口処理装置2Aから送信される入場記録を記憶し、第1経路装置4Aから送信される通過記録(流入通知および流出通知を含み得る)を記憶し、第1出口処理装置3Aから送信される出場記録を記憶する。
入場記録は、車両識別情報及び入口情報を含み、入口情報は、少なくとも入口識別情報を含み、加えて入場日時を含むようにしてもよい。
通過記録は、車両識別情報及び通過情報を含み、通過情報は、少なくとも経路識別情報を含み、加えて通過日時を含むようにしてもよい。
出場記録は、車両識別情報及び出場情報を含み、出場情報は、少なくとも出口識別情報を含み、加えて出場日時を含むようにしてもよい。さらに、出場記録は、入場記録の一部又は全部を含んでもよい。また、出場記録は、通過情報の一部または全部を含んでもよい。
【0017】
次に、第1入口処理装置2Aについて説明する。第1入口処理装置2Aは、上位通信部21A、制御部22A、発進制御器23A、路側表示器24A、車両通信部25A、及び記憶部26Aを備える。例えば、第1入口処理装置2Aは、第1の入口レーンを通行する車両の車載器5との無線通信により入口処理を実行する。
【0018】
上位通信部21A(入口中央通信部に相当)は、料金算出通信に対応する通信インタフェースであり、例えば、車両の通行に対応して取得される入場記録を即座に中央装置1へ送信する。なお、上位通信部21Aは、無線通信で中央装置1と通信するものであっても良いし、通信回線を介して中央装置1と通信するものであっても良い。
【0019】
制御部22Aは、第1入口処理装置2A全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部22Aは、CPU、メモリおよびインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して入口処理装置2Aを構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、および、設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0020】
発進制御器23Aは、車両の有料道路への入場を制御する。発進制御器23Aは、入口料金所のレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御器23Aは、車両を一旦停止させる場合あるいは車両の通行(入場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両の通行を阻止する。また、発進制御器23Aは、車両の通行(入場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両の通過を許可する。なお、料金所での渋滞緩和を優先して、発進制御器23Aに発進バーを設けないようにしても良い。
【0021】
路側表示器24Aは、入口料金所を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。路側表示器24Aは、入口料金所のレーンを通行する車両に向けて設置される。
【0022】
車両通信部25A(第1の入口車両通信部に相当)は、車両の車載器5との無線通信に対応する通信インタフェースである。車両通信部25Aは、入口料金所において第1入口処理装置2Aに接近する車両(入場しようとする車両)の車載器5と無線通信する。車両通信部25Aは、車載器5から車両識別情報を受信し、車両識別情報と車両の入場日時を出力する。なお、入場日時は、車両通信部25Aと車両の車載器5との通信日時に相当する。
【0023】
記憶部26Aは、第1入口処理装置2A又は第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口を示す入口識別情報を記憶する。この入口識別情報は、中央算出通行料金又は出口算出通行料金を算出する上で通行区間の起点を示す。また、記憶部26Aは、車載器5との無線通信で取得される車両識別情報と入場日時を記憶する。
【0024】
次に、第2入口処理装置2Bについて説明する。第2入口処理装置2Bの説明では、第1入口処理装置2Aとの違いを中心に説明し、実質的に同一部分の説明は適宜省略する。
第2入口処理装置2Bは、制御部22B、発進制御器23B、路側表示器24B、車両通信部25B、及び記憶部26Bを備える。例えば、第2入口処理装置2Bは、第2の入口レーンを通行する車両の車載器5との無線通信により入口処理を実行する。
【0025】
上位通信部21Bは、中央装置1と通信する通信インタフェースであり、例えば、中央装置1に対して、入場履歴情報等を含むバッチ処理データを定期的に送信する。また、上位通信部21Bは、料金算出通信に非対応である。なお、上位通信部21Bは、無線通信で中央装置1と通信するものであっても良いし、通信回線を介して中央装置1と通信するものであっても良い。
【0026】
制御部22Bは、第2入口処理装置2B全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部22Bは、CPU、メモリおよびインタフェースなどを有する。発進制御器23Bは、車両の有料道路への入場を制御する。
路側表示器24Bは、入口料金所を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。
車両通信部25Bは、車両の車載器5と無線通信するインタフェースである。車両通信部25Bは、入口料金所において入口処理装置2Bに接近する車両(入場しようとする車両)の車載器5と無線通信する。車両通信部25Bは、車載器5から車両識別情報を受信し、車両識別情報と車両の入場日時を出力する。
記憶部26Bは、入口処理装置2B又は入口処理装置2Bに対応する第2の入口を示す入口識別情報を記憶する。また、記憶部26Bは、車載器5との無線通信で取得される車両識別情報と入場日時を記憶する。
【0027】
次に、第1経路装置4Aについて説明する。経路装置4Aは、上位通信部41A、制御部42A、車両通信部45A、及び記憶部46Aを備える。
上位通信部41A(経路中央通信部に相当)は、料金算出通信に対応した通信インタフェースであり、例えば、車両の通行に対応して取得される通過記録を即座に中央装置1へ送信する。
また、第1経路装置4Aは、例えば、予め設定された特定の領域の境界に設置され得る。この場合、上位通信部41Aは、第1経路装置4Aが設置された場所を通行する車両を、特定の領域に流入する又は特定の領域から流出するものであるとして、流入通知又は流出通知を含む通過記録を中央装置1へ送信する。流入通知は、車両が特定の領域に流入した日時を含んでもよく、流出通知は車両が特定の領域から流出した日時を含んでいてもよい。なお、上位通信部41Aは、無線通信で中央装置1と通信するものであっても良いし、通信回線を介して中央装置1と通信するものであっても良い。
【0028】
制御部42A(経路判定部に相当)は、経路装置4全体の制御及びデータ処理などを行う制御ユニットである。制御部42Aは、CPU、メモリおよびインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して第1経路装置4Aを構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、および、設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0029】
車両通信部45A(経路車両通信部に相当)は、車両の車載器5との無線通信に対応する通信インタフェースである。車両通信部45Aは、第1経路装置4Aを設置した場所を通行する車両の車載器5と無線通信する。車両通信部45Aは、車載器5から車両識別情報を受信し、車両識別情報と車両の通過日時を出力する。通過日時は、車両通信部45Aと車両の車載器5との通信日時に相当する。
記憶部46Aは、中央算出通行料金を取得する上で通行経路を示す経路識別情報を記憶し、また、車載器5との無線通信で取得される車両識別情報と通過日時を記憶する。
【0030】
次に、第2経路装置4Bについて説明する。第2経路装置4Bの説明では、第1経路装置4Aとの違いを中心に説明し、実質的に同一部分の説明は適宜省略する。
第2経路装置4Bは、上位通信部41B、制御部42B、車両通信部45B、及び記憶部46Bを備える。例えば、第2経路装置4Bは、第2経路装置4Bを設置した場所を通行する車両の車載器5との無線通信により処理を実行する。
【0031】
上位通信部41Bは、中央装置1と通信する通信インタフェースであり、例えば、中央装置1に対して、通過履歴情報等を含むバッチ処理データを定期的に送信する。また、上位通信部41Bは、料金算出通信に非対応である。なお、上位通信部41Bは、無線通信で中央装置1と通信するものであっても良いし、通信回線を介して中央装置1と通信するものであっても良い。
【0032】
制御部42Bは、第2経路装置4B全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部42Bは、CPU、メモリおよびインタフェースなどを有する。
【0033】
車両通信部45Bは、車両の車載器5と無線通信するインタフェースである。車両通信部45Bは、経路装置4Bを設置した場所を通行する車両の車載器5と無線通信する。車両通信部45Bは、車載器5から車両識別情報を受信し、車両識別情報と車両の通過日時を出力する。
記憶部46Bは、車載器5との無線通信で取得される車両識別情報と通過日時を記憶する。
【0034】
次に第1出口処理装置3Aについて説明する。第1出口処理装置3Aの説明では、第1入口処理装置2Aとの違いを中心に説明し、実質的に同一部分の説明は適宜省略する。
第1出口処理装置3Aは、上位通信部31A、制御部32A、発進制御器33A、路側表示器34A、車両通信部35A、及び記憶部36Aを備える。例えば、出口処理装置3Aは、第1の出口レーンを通行する車両の車載器5との無線通信により出口処理を実行する。
【0035】
上位通信部31A(出口中央通信部に相当)は、料金算出通信に対応する通信インタフェースであり、例えば、車両の通行に対応して取得される出場記録を中央装置1へ送信し、中央装置1から通行料金を受信する。出場記録を中央装置1へ送信するタイミング等については後に詳しく説明する。また、なお、上位通信部31Aは、無線通信で中央装置1と通信するものであっても良いし、通信回線を介して中央装置1と通信するものであっても良い。
【0036】
制御部32A(判定部、出口料金算出部に相当)は、第1出口処理装置3A全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部32Aは、CPU、メモリおよびインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して第1出口処理装置3Aを構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、および、設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0037】
発進制御器33Aは、車両の有料道路への入場を制御する。
路側表示器34Aは、出口料金所を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。
車両通信部35Aは、車両の車載器5との無線通信に対応する通信インタフェースである。車両通信部35Aは、出口料金所において第1出口処理装置3Aに接近する車両(出場しようとする車両)の車載器5と無線通信する。車両通信部35A(出口車両通信部に相当)は、車載器5から車両識別情報及び入場情報を受信し、車両識別情報、入場情報、及び出場日時を出力する。出場日時は、車両通信部35Aと車両の車載器5との通信日時に相当する。
【0038】
記憶部36Aは、第1出口処理装置3A又は第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口を示す出口識別情報を記憶する。この出口識別情報は、中央算出通行料金又は出口算出通行料金を算出する上で通行区間の終点を示す。また、記憶部36Aは、車載器5との無線通信で取得される車両識別情報、入場情報、及び出場日時を記憶する。さらに、記憶部36Aは、基本料金テーブルを記憶する。基本料金テーブルは、入口と出口とに応じた出口算出通行料金(基本料金)を示す情報を格納する。なお、出口は、記憶部36Aに記憶される出口識別情報により特定される。
【0039】
次に、第2出口処理装置3Bについて説明する。第2出口処理装置3Bの説明では、出口処理装置3Aとの違いを中心に説明し、実質的に同一部分の説明は適宜省略する。
第2出口処理装置3Bは、制御部32B、発進制御器33B、路側表示器34B、車両通信部35B、及び記憶部36Bを備える。例えば、第2出口処理装置3Bは、第2の出口レーンを通行する車両の車載器5との無線通信により出口処理を実行する。
【0040】
上位通信部31Bは、中央装置1と通信する通信インタフェースであり、例えば、中央装置1に対して、出場履歴情報等を含むバッチ処理データを定期的に送信する。また、上位通信部31Bは、料金算出通信に非対応である。なお、上位通信部31Bは、無線通信で中央装置1と通信するものであっても良いし、通信回線を介して中央装置1と通信するものであっても良い。
【0041】
制御部32Bは、第2出口処理装置3B全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部32Bは、CPU、メモリおよびインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して第2出口処理装置3Bを構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、および、設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
発進制御器33Bは、車両の有料道路への入場を制御する。
路側表示器34Bは、出口料金所を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。
【0042】
車両通信部35Bは、車両の車載器5との無線通信に対応する通信インタフェースである。車両通信部35Bは、出口料金所において第2出口処理装置3Bに接近する車両(出場しようとする車両)の車載器5と無線通信する。車両通信部35Bは、車載器5から車両識別情報及び入場情報を受信し、車両識別情報、入場情報、及び出場日時を出力する。
【0043】
記憶部36Bは、第2出口処理装置3B又は第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口を示す出口識別情報を記憶する。また、記憶部36Bは、車載器5との無線通信で取得される車両識別情報、入場情報、及び出場日時を記憶する。さらに、記憶部36Bは、出口料金テーブルの一例である基本料金テーブルを記憶する。基本料金テーブルは、入口と出口とに応じた出口算出通行料金(基本料金)を示す情報を格納する。なお、出口は、記憶部36Bに記憶される出口識別情報により特定される。
【0044】
車載器5は、機器通信部51、制御部52、記憶部53、及びカード処理部54を備える。
機器通信部51は、各料金所機器と無線通信する通信インタフェースであり、入口処理装置に対して、車載器識別情報及びカード識別情報を含む車両識別情報を送信し、入口処理装置から入口情報を受信する。また、機器通信部51は、出口処理装置に対して、車両識別情報及び入口情報を送信し、出口処理装置から出口情報及び中央算出通行料金又は出口算出通行料金を受信する。
【0045】
本実施形態では、車両識別情報が、車載器識別情報及びカード識別情報を含むことを想定するが、中央算出通行料金又は出口算出通行料金の課金対象を特定することができれば、これに限定されるものではない。例えば、車両識別情報が、少なくともカード識別情報を含めば、中央算出通行料金又は出口算出通行料金を課金することができる。また、車載器識別情報は、車両のナンバープレート情報を含むことができるので、車載器識別情報に基づき車両の車種を判別することができるので、車種に応じた課金を採用する場合には、車載器識別情報を必要とする。
【0046】
制御部52は、料金所機器との通信制御を司り、また、中央算出通行料金又は出口算出通行料金を決済するためのIC(integrated circuit)カードの一種であるETCカードの処理を司る制御部である。制御部52は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインタフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェースなどを介して車載器5を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部52は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。
【0047】
記憶部53は、車載器識別情報を記憶する。また、記憶部53は、制御部52のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0048】
カード処理部54は、ETCカードを受け入れ、入口処理装置へ送信するカード識別情報をETCカードから読み出し、入口処理装置から送信される入口情報をETCカードへ書き込む。また、カード処理部54は、出口処理装置へ送信するカード識別情報及び入口情報をETCカードから読み出し、出口処理装置から送信される出口情報をETCカードへ書き込む。
【0049】
<第1実施形態>
次に、第1実施形態の料金処理システムにおける、入口処理装置、経路装置、および、出口処理装置の機能に応じた出口料金処理方法の複数の例(実施例1-1~実施例1-16)について、図面を参照して説明する。
第1実施形態の料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法では、ETCカードに入口フラグを書き込み得る領域を設けることにより、車両が通行した入口レーンに対応する入口処理装置の機能を識別し、出口料金処理を行うものである。
【0050】
(実施例1-1)
まず、実施例1-1について説明する。
【0051】
図2は、第1実施形態の実施例1-1の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の
出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、
図2では、以下の説明に必要なETCカードに書き込まれる情報のみを示しており、ETCカードには他の情報を書き込むことも可能である。
【0052】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図3は、第1実施形態の実施例1-1の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図3において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S501)。
【0053】
第1入口処理装置2Aの車両通信部25Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S201)、入口フラグ情報、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S202)。なお、入口フラグ情報は、第1入口処理装置2Aが、中央装置1との料金算出通信に対応可能な機能を備えるものであることを示す情報である。
【0054】
車載器5の機器通信部51は入口情報を受信する(S502)と、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口フラグ情報に基づく入口フラグ「T」と、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。なお、入口フラグの値は「T」に限定されるものではなく、T以外の文字、数字、記号、又はこれらの組み合わせであっても構わない。
【0055】
また、入口処理装置2Aの上位通信部21Aは、車両識別情報及び入口情報を含む入場記録を中央装置1へ送信する(S203)。
中央装置1の機器通信部11は、入場記録を受信する(S101)と、記憶部13は、入場記録を記憶する。
なお、S202の送信とS203の送信とは独立した送信処理であり、S202の送信とS203の送信との順序は特に限定されるものではなく、S202の送信とS203の送信とのどちらか一方が先に行われても良いし、同時でも良い。
【0056】
第1の入口レーンを経た車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行すると、経路装置4Bは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。
つまり、車載器5の機器通信部51は、車両識別情報を送信する(S503)。
経路装置4Bの車両通信部45Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S401)と、経路識別情報及び通行日時を含む経路情報を送信する(S402)。
車載器5の機器通信部51は経路情報を受信し(S504)、カード処理部54は、ETCカードに経路情報を書き込む。
【0057】
第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、車載器5の機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S505)と、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S301)。
【0058】
第1出口処理装置3Aの制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S302)。入口フラグが「T」であるときに、上位通信部31Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を、中央装置1へ送信する(S303)。
【0059】
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S102)、記憶部13は、出場記録を記憶する。
制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S103)。
なお、
図2に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する通過記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された入場記録及び出場記録と、経路識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S104)。
【0060】
第1出口処理装置3Aの上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信し(S304)、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S303)。また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。
車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S506)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0061】
以上により、第1入口処理装置2Aによる入口処理を受けた車載器5が、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合、第1の入口レーンを通行する際にETCカードに入口フラグ「T」を書き込むことにより、中央算出通行料金を受け取ることができる。
【0062】
なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグは、車両が第1の出口レーンを通行した後にクリアされる(S507)。なお、入口フラグのクリア(S507)は、S505の送信とS506の受信との間に行われても構わないし、S506の処理の一環で行っても構わない。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグの記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0063】
図2および
図3に示す
実施例
1-1では、ETCカードに入口フラグを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認して、中央装置1に通行料金を問合せる方式を採用している。この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値により、第1の出口レーンを通行する車両が第1の入口レーンを通行したか否かを判断することができ、中央装置1に通行料金の問い合わせを行うことができる。
【0064】
(実施例1-2)
次に、実施例1-2について説明する。
【0065】
図4は、第1実施形態の実施例1-2の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。なお、以下の説明において、
図2および
図3を用いて既に説明した事項については適宜説明を省略する。
【0066】
車両が、第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンを通行すると、第2入口処理装置2Bは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図5は、第1実施形態の実施例1-2の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図5において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S511)。
【0067】
第2入口処理装置2Bの車両通信部25Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S211)、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S212)。
【0068】
車載器5の機器通信部51は入口情報を受信し(S512)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。すなわち、この例では、機器通信部51は入口フラグ情報を受信しないため、ETCカードの入口フラグの領域には「T」が書き込まれず、入口フラグは空の状態である。
【0069】
第2の入口レーンを経た車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行する際のS513、S411、S412、及び、S514の処理は、上述の
図3に示すS503、S401、S402、S504と同様である。すなわち、車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行することにより、カード処理部54により、ETCカードに経路情報を書き込まれる。
【0070】
第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
つまり、車載器5の機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S515)。
これに対して、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報及び入口情報を受信する(S311)。
【0071】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S312)。入口フラグが「T」ではないときに、制御部32Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S313)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信する(S314)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0072】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信する(S516)と、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグは、書き込み内容にかかわらず、車両が第1の出口レーンを通行した後にクリアされる(S517)。なお、入口フラグのクリア(S517)は、S515の送信とS516の受信との間に行われても構わないし、S516の処理の一環で行っても構わない。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグの記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0073】
以上により、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bによる入口処理を受けた車載器5は、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合には、第2の入口レーンを通行する際にETCカードに入口フラグ「T」は書き込まれないため、第1の出口レーンを通行する際には第1出口処理装置3Aは中央装置1へ通行料金を問い合わせることなく、出口算出通行料金を受け取る。
つまり、
図4および
図5に示す
実施例
1-2では、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値が空であることにより、第1の出口レーンを通行する車両が第1入口処理装置2Aの第1の入口レーンを通行していないと判断することができる。この場合、中央装置1には車両の入場記録がないため、中央装置1にて車両の通行料金を正しく算出することができない。したがって、第1出口処理装置3Aは、中央装置1に通行料金の問い合わせを行うことなく、基本料金テーブルに基づき通行料金を算出することができる。
【0074】
(実施例1-3)
次に、実施例1-3について説明する。
【0075】
図6は、第1実施形態の実施例1-3の構成例を説明するための図である。
ここでは、車両が、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
出口計算対応の第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
図7は、第1実施形態の実施例1-3の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
なお、
図7に示すS521-S524の処理は、
実施例1-1の図3に示すS501-S504と同様であって、第2出口処理装置3Aに対応する第2の出口レーンを車両が通行する際の処理が、上述の
図2および
図3に示す例と異なっている。
【0076】
すなわち、第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通行すると、第2出口処理装置3Bは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
図7において、
車載器5の機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信
する(S525)
と、第2出口処理装置3Bの車両通信部35Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報及び入口情報を受信する(S321)。
【0077】
制御部32Bは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出し(S322)、車両通信部35Bは、出口算出通行料金を送信する(S323)。また、路側表示器34Bは、中央算出通行料金を表示する。
【0078】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S526)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。
なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグは、書き込み内容にかかわらず、車両が第2の出口レーンを通行した後にクリアされる(S527)。
なお、入口フラグのクリア(S527)は、S525の送信とS526の受信との間に行われても構わないし、S526の処理の一環で行っても構わない。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグの記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0079】
以上により、第1入口処理装置2Aによる入口処理を受けた車載器5は、第2出口処理装置3Bによる出口処理を受ける場合には、第1の入口レーンを通行する際にETCカードに入口フラグ「T」が書き込まれるが、第2の出口レーンを通行する際には第2出口処理装置3Bにより中央装置1へ通行料金を問い合わせすることなく、出口算出通行料金を受け取る。つまり、
図6および
図7に示す例は、車両が、中央装置1に通行料金を問い合わせる機能を備えていない第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンから出場する例である。このような場合であっても、第2出口処理装置3Bは、車載器5から受信した情報を用いて、通行区間と基本料金テーブルとに基づいて通行料金を算出することができる。
【0080】
(実施例1-4)
次に実施例1-4について、説明する。
【0081】
図8は、第1実施形態の実施例1-4の構成例を説明するための図である。
ここでは、車両が、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、ここでは、通行料金を算出する処理は、上述の
図4および
図5を用いて説明した
実施例
1-2と同様である。
【0082】
例えば、車両が出口計算対応の第2入口処理装置2B、出口計算対応の第2経路装置4B、および、中央計算対応の第1出口処理装置3Aを通過した状態では、中央装置1は、車両が出場した状態であるか否か判断することができず、次に、中央装置1が当該車両について中央算出通行料金を算出するときに、誤った料金を算出してしまう可能性がある。
【0083】
図9は、第1実施形態の実施例1-4の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
そこで、
図9においては、車両通信部35Aが、出口算出通行料金の送信(S334)を行った後に、上位通信部31Aが中央装置1へ出場通知を送信する(S335)。
中央装置1の機器通信部11は
、出場通知を受信し(S131)、記憶部13は、出場記録を記憶する。
【0084】
つまり、
図8および
図9に示す例は、車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンから出場し、次に中央装置1が当該車両について中央算出通行料金を算出するときに、既に出場している経路の情報が用いられることはなく、正しい通行料金を算出することが可能となる。
【0085】
(実施例1-5)
次に実施例1-5について、説明する。
【0086】
ここでは、車両が、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、この例において車両が走行する経路に配置される機器の組み合わせは
実施例1-1の図2と同様である
。このため、
実施例1-5では、図2と
図10とを参照して、出口料金処理方法の例を説明する。
図10は、第1実施形態の実施例1-5の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図10に
おいて、S541-S341の処理は、
実施例1-1の図3に示すS501-S301と同様であ
る。しかしながら、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを車両が通行する際の処理が、上述の
図3に示す例と異なっている。
【0087】
すなわち、第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
【0088】
図10において、
車載器5の機器通信部51は、車両識別情報を送信
する(S545)
と、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S341)。
【0089】
上位通信部31Aは、車両識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S342)。
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S142)、記憶部13は、出場記録を記憶する。
制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定
する。そして、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S143)。
なお、
図2に示す
実施例
1-1では、記憶部13には車両識別情報に対応する通過記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された入場記録及び出場記録と、経路識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S144)。
【0090】
中央装置1が通行料金を算出している間に、車載器5の機器通信部51は、入口識別情報を含む入口情報および経路識別情報を送信する(S546)と、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される入口情報および経路識別情報を受信する(S343)。
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認し(S344)、入口フラグの値に応じて、中央算出通行料金を用いるか出口算出通行料金を算出するかを判断する。
【0091】
その後、上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信し(S345)、入口フラグが「T」であるため、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S346)。
また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S547)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0092】
以上により、第1入口処理装置2Aによる入口処理を受けた車載器5が、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合、第1の入口レーンを通行する際にETCカードに入口フラグ「T」を書き込むことにより、中央算出通行料金を受け取ることができる。
【0093】
上記のように、
図10に示す例では、第1出口処理装置3Aにて入口識別情報および経路識別情報を受信し、入口フラグが「T」であるか否かを判断し終わるのを待たずに、中央装置1にて通行料金の計算を開始することが可能であり、第1の出口レーン通過時における出口処理に要する時間を短縮することが可能である。
【0094】
(実施例1-6)
次に、実施例1-6について説明する。
【0095】
図11は、第1実施形態の実施例1-6の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口処理対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0096】
図12は、第1実施形態の実施例1-6の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図12に示すS551-S351の処理は、
実施例1-2の図5に示すS511-S311と同様であ
る。しかしながら、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを車両が通行する際の処理が、上述の
図5に示す例と異なっている。
【0097】
第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
図12において、
車載器5の機器通信部51は、車両識別情報を送信
する(S555)
と、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S351)。
【0098】
上位通信部31Aは、車両識別情報出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を
、中央装置1へ送信する(S352)。
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S151)、記憶部13は、出場記録を記憶する。
制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S152)。なお、
図11に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する入場記録および通過記録が記憶されていないため、制御部12は、通行料金を正確に算出することができない。
機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S153)。
【0099】
中央装置1が通行料金を算出している間に、機器通信部51は、入口識別情報を含む入口情報と経路識別情報とを送信する(S556)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される入口情報と経路識別情報とを受信する(S353)。
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認し(S354)、入口フラグの値に応じて、中央算出通行料金を用いるか出口算出通行料金を算出するかを判断する。
【0100】
その後、上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信する(S355)。ここでは、入口フラグが空であるため、制御部32Aは中央算出通行料金を利用せず、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定する。そして、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S356)。そして、車両通信部35Bは、出口算出通行料金を送信する(S357)。
また、路側表示器34Bは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S557)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0101】
なお、制御部32Aは、入口フラグが空であることを確認した後に、上位通信部31Aが中央算出通行料金を受信することを待たずに、出口算出通行料金の算出を開始してもよい。
【0102】
以上により、第2入口処理装置2Bによる入口処理を受けた車載器5が、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合、第1出口処理装置3Aにて入口識別情報および経路識別情報を受信し、入口フラグが「T」であるか否かを判断し終わるのを待たずに、中央装置1にて通行料金の計算を開始することが可能であり、第1の出口レーン通過時における出口処理に要する時間を短縮することが可能である。
【0103】
(実施例1-7)
次に、実施例1-7について説明する。
【0104】
図13は、第1実施形態の実施例1-7の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0105】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、第1入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図14は、第1実施形態の実施例1-7の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図14において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S561)。
【0106】
第1入口処理装置2Aの車両通信部25Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S261)、入口フラグ情報、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S262)。
【0107】
機器通信部51は入口情報を受信し(S562)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口フラグ情報に基づく入口フラグ「T」と、入口フラグの書き込み時刻と、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。なお、入口フラグの書き込み時刻は、ETCカードの所定の領域に入口フラグ「T」が書き込まれる時刻であって、車両の入場時刻と略等しい時刻である。
【0108】
また、第1入口処理装置2Aの上位通信部21Aは、車両識別情報及び入口情報を含む入場記録を中央装置1へ送信する(S263)。
中央装置1の機器通信部11は、入場記録を受信し(S161)、記憶部13は、入場記録を記憶する。なお、S262の送信とS263の送信とは独立した送信処理であり、S262の送信とS263の送信との順序は特に限定されるものではなく、S262の送信とS263の送信とのどちらか一方が先に行われても良いし、同時でも良い。
【0109】
第1の入口レーンを経た車両が、第2経路装置4Bに対応する所定経路を通行すると、第2経路装置4Bは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報を送信する(S563)。
そして、第2経路装置4Bの車両通信部45Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S461)。
そして、経路識別情報及び通行日時を含む経路情報を送信する(S462)。
機器通信部51は経路情報を受信し(S564)、カード処理部54は、ETCカードに経路情報を書き込む。
【0110】
第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S565)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S361)。
【0111】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S362)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認する(S363)。なお、制御部32Aが上記S362とS363とを行う順序は逆であってもよく、制御部32AはS362とS363とを同時に行っても構わない。
ここでは、入口フラグが「T」であり、かつ、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じであるときに、上位通信部31Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S364)。なお、制御部32Aは、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じか否か判断するときには、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻との差が所定の閾値以下であるときに、同じ時刻であると判断することができる。
【0112】
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S162)、記憶部13は、出場記録を記憶する。
制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S163)。
なお、
図13に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する通過記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された入場記録及び出場記録と、経路識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S164)。
【0113】
上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信する(S365)。
そして、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S366)。また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。
車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S566)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグは、車両が第1の出口レーンを通行した後に(例えばS565の送信の後に、若しくは、S565の送信処理の一環にて)クリアされてもよい。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグの記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0114】
図13および
図14に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み時刻とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値、入口フラグの書き込み時刻、及び、入場時刻により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場した際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0115】
(実施例1-8)
次に実施例1-8について説明する。
【0116】
図15は、第1実施形態の実施例1-8の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、以下の説明において、
図13および
図14を用いて既に説明した事項については適宜説明を省略する。
【0117】
車両が、第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンを通行すると、第2入口処理装置2Bは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図16は、第1実施形態の実施例1-8の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図16において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S571)。
【0118】
第2入口処理装置2Bの車両通信部25Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S271)、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S272)。
【0119】
機器通信部51は入口情報を受信し(S572)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。すなわち、この例では、機器通信部51は入口フラグ情報を受信しないため、ETCカードの入口フラグの領域には「T」が書き込まれず、入口フラグは空の状態である(若しくは更新されない状態である)。また、ETCカードに入口フラグが書き込まれないため、入口フラグの書き込み時刻の領域も空である(若しくは更新されない状態である)。
【0120】
第2の入口レーンを経た車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行する際のS573、S471、S472、及び、S574の処理は、上述の
図14に示すS563、S461、S462、S564と同様である。
すなわち、車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行することにより、カード処理部54により、ETCカードに経路情報を書き込まれる。
【0121】
第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信し(S575)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報及び入口情報を受信する(S371)。
【0122】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S372)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認する(S373)。入口フラグが「T」ではなく、かつ、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じでないときに、制御部32Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S374)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信する(S375)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0123】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S576)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグは、書き込み内容にかかわらず、車両が第1の出口レーンを通行した後に(例えばS575の送信の後に、若しくは、S575の送信処理の一環にて)クリアされてもよい。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグの記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0124】
図15および
図16に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み時刻とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値、入口フラグの書き込み時刻、及び、入場時刻により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場する際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0125】
(実施例1-9)
次に、実施例1-9ついて、説明する。
【0126】
図17と図18は、第1実施形態の実施例1-9の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
出口計算対応の第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通過した後、更に、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0127】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、第1入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
【0128】
このとき、機器通信部51は第1入口処理装置2Aから入口情報を受信しカード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。すなわち、ETCカードに、入口フラグ情報に基づく入口フラグ「T」と、入口フラグの書き込み時刻と、入口情報「IC:C」と、入場時刻と、が書き込まれる。
【0129】
第1の入口レーンおよび所定経路を経た車両が、第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通過して出場すると、ETCカードには、既に出場した経路に対する入口フラグ「T」と入口フラグの書き込み時刻とが書き込まれた状態となる。
【0130】
その後、車両が、第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンを通行すると、第2入口処理装置2Bは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図19は、第1実施形態の実施例1-9の動作例を説明するためのタイミングチャートである。なお、図19に示す処理は、車両が図18に示す経路を走行したときの料金処理システムの処理の一例を示すものである。
図19において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S581)。
【0131】
第2入口処理装置2Bの車両通信部25Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S281)、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S282)。
【0132】
機器通信部51は入口情報を受信し(S582)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。すなわち、この例では、機器通信部51は入口フラグ情報を受信しないため、ETCカードの入口フラグの領域には「T」および入口フラグの書き込み時刻が書き込まれず、入口フラグの書き込み領域は更新されない状態である。また、ETCカードに入口フラグが書き込まれないため、入口フラグの書き込み時刻の書き込み領域も更新されない状態である。
【0133】
第2の入口レーンを経た車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行する際のS583、S481、S482、及び、S584の処理は、上述の
図14に示すS563、S461、S462、S564と同様である。すなわち、車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行することにより、カード処理部54により、ETCカードに経路情報を書き込まれる。
【0134】
第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信し(S585)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報及び入口情報を受信する(S381)。
【0135】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S382)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認する(S383)。
入口フラグが「T」であって、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じでないときに、制御部32Aは、中央算出通行料金を利用せず、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S384)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信し(S385)、上位通信部31Aが中央装置1へ出場通知を送信する(S386)。
中央装置1の機器通信部11は出場通知を受信し(S181)、記憶部13は、出場記録を記憶する。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0136】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S586)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。
【0137】
図17乃至
図19に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み時刻とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、車両が出口レーンから出場する際に入口フラグの値がクリアされない場合であっても、入口フラグの値、入口フラグの書き込み時刻、及び、入場時刻により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場する際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0138】
(実施例1-10)
次に、実施例1-10について、説明する。
【0139】
ここでは、車両が、
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、この例において車両が走行する経路に配置される機器の組み合わせは
、実施例1-10の図13と同様であるため、
図13と
図20とを参照して、出口料金処理方法の例を説明する。
図20は、第1実施形態の実施例1-10の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図20に示すS591-S391の処理は、
図14に示すS561-S361と同様であって、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを車両が通行する際の処理が、上述の
図14に示す例と異なっている。
【0140】
すなわち、第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
【0141】
図20において、機器通信部51は、車両識別情報を送信
する(S595)
。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S391)。
【0142】
上位通信部31Aは、車両識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S392)。
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S192)、記憶部13は、出場記録を記憶する。制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。
制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S193)。
なお、
図13に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する通過記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された入場記録及び出場記録と、経路識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。
機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S194)。
【0143】
中央装置1が通行料金を算出している間に、制御部32Aは、入口識別情報を含む入口情報と経路識別情報とを送信し(S596)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される入口情報と経路識別情報とを受信する(S393)。
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S394)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じであるか否かを確認する(S395)。制御部32Aは、入口フラグが「T」であって、かつ、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じであることから、中央算出通行料金を通行料金として用いると判断する。
【0144】
その後、上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信し(S396)、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S397)。
また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S597)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0145】
上記のように、
図20に示す例では、第1出口処理装置3Aにて入口識別情報および経路識別情報を受信し、入口フラグが「T」であるか否か、および、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じであるか否かを判断し終わるのを待たずに、中央装置1にて通行料金の計算を開始することが可能であり、第1の出口レーン通過時における出口処理に要する時間を短縮することが可能である。
【0146】
(実施例1-11)
次に、実施例1-11ついて、説明する。
【0147】
図21は、第1実施形態の実施例1-11の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、以下の説明において、
実施例1-8の図15および
図16を用いて既に説明した事項については適宜説明を省略する。
【0148】
図22は、第1実施形態の実施例1-11の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図22に示すS5101-S3101の処理は、
実施例1-8の図16に示すS571-S371の処理と同様であ
る。しかしながら、車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行する際の処理が、上述の
実施例1-8の図15および
図16に示す例と異なっている。
【0149】
すなわち、第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報を送信する(S5105)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S3101)。
【0150】
上位通信部31Aは、車両識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3102)。
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S1101)、記憶部13は、出場記録を記憶する。制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。
制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1102)。
機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1103)。なお、
図21に示す経路については、記憶部13には車両識別情報に対応する入場記録および通過記録が記憶されていないため、制御部12により算出された中央算出通行料金は正しい値ではない。
【0151】
中央装置1が通行料金を算出している間に、機器通信部51は、入口識別情報を含む入口情報と経路識別情報とを送信する(S5106)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される入口情報と経路識別情報とを受信する(S3103)。
制御部32Aは、中央装置1が通行料金を算出している間に、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3104)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じであるか否かを確認する(S3105)。
【0152】
その後、上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信する(S3106)。入口フラグが「T」ではあるものの、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とが同じでないときに、制御部32Aは中央算出通行利用せず、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3107)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信する(S3108)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0153】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5107)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグは、書き込み内容にかかわらず、車両が第1の出口レーンを通行した後に(例えばS5106の送信の後に、若しくは、S5106の送信処理の一環にて)クリアされてもよい。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグの記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0154】
図21および
図22に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み時刻とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み時刻と入場時刻とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値、入口フラグの書き込み時刻、及び、入場時刻により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場する際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0155】
(実施例1-12)
次に、実施例1-12について、説明する。
【0156】
図23は、第1実施形態の実施例1-12の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
中央計算方式の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0157】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、第1入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図24は、第1実施形態の実施例1-12の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図24において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S5111)。
【0158】
第1入口処理装置2Aの車両通信部25Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S2111)、入口フラグ情報、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S2112)。
【0159】
機器通信部51は入口情報を受信し(S5112)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口フラグ情報に基づく入口フラグ「T」と、書き込み入口情報「IC:A」と、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。なお、書き込み入口情報は、ETCカードの所定の領域に入口フラグ「T」と同時に書き込まれた入口情報と同一である。
【0160】
また、入口処理装置2Aの上位通信部21Aは、車両識別情報及び入口情報を含む入場記録を中央装置1へ送信する(S2113)。中央装置1の機器通信部11は、入場記録を受信し(S1111)、記憶部13は、入場記録を記憶する。
なお、S2112の送信とS2113の送信とは独立した送信処理であり、S2112の送信とS2113の送信との順序は特に限定されるものではなく、S2112の送信とS2113の送信とのどちらか一方が先に行われても良いし、同時でも良い。
【0161】
第1の入口レーンを経た車両が、第2経路装置4Bに対応する所定経路を通行すると、第2経路装置4Bは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報を送信する(S5113)。
そして、第2経路装置4Bの車両通信部45Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S4111)、経路識別情報及び通行日時を含む経路情報を送信する(S4112)。
機器通信部51は経路情報を受信し(S5114)、カード処理部54は、ETCカードに経路情報を書き込む。
【0162】
第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S5115)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S3111)。
【0163】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3112)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認する(S3113)。なお、制御部32Aが上記S3112とS3113とを行う順序は逆であってもよく、制御部32AはS3112とS3113とを同時に行っても構わない。
入口フラグが「T」であり、かつ、入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じであるときに、上位通信部31Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3114)。
【0164】
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S1112)、記憶部13は、出場記録を記憶する。制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。
制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1113)。なお、
図23に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する通過記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された入場記録及び出場記録と、経路識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。
機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1114)。
【0165】
上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信する(S3115)。
そして、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S3116)。また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S5116)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグ、書き込み時刻、および、書き込み入口情報は、車両が第1の出口レーンを通行した後に(例えばS5115の送信の後に、若しくは、S5115の送信処理の一環にて)クリアされてもよい。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグ、書き込み時刻、および、書き込み入口情報の記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0166】
図23および
図24に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み入口情報とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値、入口フラグの書き込み入口、及び、入場入口により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場した際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0167】
(実施例1-13)
次に、実施例1-13について、説明する。
【0168】
図25は、第1実施形態の実施例1-13の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算対応の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、以下の説明において、
実施例1-8の図15および
図16を用いて既に説明した事項については
、適宜説明を省略する。
【0169】
車両が、第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンを通行すると、第2入口処理装置2Bは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図26は、第1実施形態の実施例1-13の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図26において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S5121)。
【0170】
第2入口処理装置2Bの車両通信部25Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S2121)、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S2122)。
【0171】
機器通信部51は入口情報を受信し(S5122)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口フラグ情報に基づく入口フラグと、書き込み入口情報とは空の状態(若しくは更新されない状態)であり、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。
【0172】
第2の入口レーンを経た車両が、経路装置4Bに対応する所定経路を通行し、第1の出口レーンを通過する際のS5123-S3123の処理は、上述の
図24に示すS5113-S3113と同様である。
【0173】
第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S5125)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報及び入口情報を受信する(S3121)。
【0174】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3122)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認する(S3123)。入口フラグが「T」ではなく、かつ、入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じでないときに、制御部32Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3124)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信する(S3125)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0175】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5126)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグと入口フラグの書き込み入口とは、書き込み内容にかかわらず、車両が第1の出口レーンを通行した後に(例えばS5125の送信後に、若しくは、S5125の送信処理の一環として)クリアされてもよい。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグと入口フラグの書き込み入口との記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0176】
図25および
図26に示す
実施例
1-13では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み入口とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値、入口フラグの書き込み入口、及び、入場入口により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場する際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0177】
(実施例1-14)
次に、実施例1-14について、説明する。
【0178】
図27、及び図28は、第1実施形態の実施例1-14の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
中央計算方式の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
出口計算方式の第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通過した後、更に、
出口計算方式の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算方式第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0179】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し、入口処理を実行する。
【0180】
このとき、機器通信部51は第1入口処理装置2Aから入口情報を受信すると、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。すなわち、ETCカードに、入口フラグ情報に基づく入口フラグ「T」と、入口フラグの書き込み入口「IC:A」と、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。
【0181】
第1の入口レーンおよび所定経路を経た車両が、第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通過して出場すると、ETCカードには、既に出場した経路についての入口フラグ「T」と入口フラグの書き込み入口とが書き込まれた状態となる。
【0182】
その後、車両が、第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンを通行すると、第2入口処理装置2Bは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図29は、第1実施形態の実施例1-14の動作例を説明するためのタイミングチャートである。なお、図29に示す処理は、車両が図28に示す経路を走行したときの料金処理システムの処理の一例を示すものである。
図29において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S5131)。
【0183】
第2入口処理装置2Bの車両通信部25Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S2131)、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S2132)。
【0184】
機器通信部51は入口情報を受信し(S5132)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口情報「IC:C」と、入場時刻と、が書き込まれる。すなわち、この例では、機器通信部51は入口フラグ情報を受信しないため、ETCカードの入口フラグの領域には「T」が書き込まれず、入口フラグの書き込み領域は更新されない状態である。また、ETCカードに入口フラグが書き込まれないため、入口フラグの書き込み入口の書き込み領域も更新されない状態である。
【0185】
第2の入口レーンを経た車両が、経路装置4Bに対応する所定経路および第1の出口レーンを通行する際のS5133-S3131の処理は、上述の
図24に示すS5113-S3113と同様である。
【0186】
第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信し(S5135)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報及び入口情報を受信する(S3131)。
【0187】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3132)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認する(S3133)。入口フラグが「T」であるものの、入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じでないときに、制御部32Aは、中央算出通行料金を利用せず、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3134)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信し(S3135)、上位通信部31Aが中央装置1へ出場通知を送信する(S3136)。
中央装置1の機器通信部11は出場通知を受信し(S1131)、記憶部13は、出場記録を記憶する。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0188】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5136)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。
【0189】
図27乃至
図29に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み入口とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、車両が出口レーンから出場する際に入口フラグの値がクリアされない場合であっても、入口フラグの値、入口フラグの書き込み入口、及び、入場入口により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場する際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0190】
(実施例1-15)
次に、実施例1-15について、説明する。
【0191】
ここでは、車両が、
中央計算方式の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、この例において車両が走行する経路に配置される機器の組み合わせは
、実施例1-12の図23と同様であるため、
図23と
図30とを参照して、出口料金処理方法の例を説明する。
図30は、第1実施形態の実施例1-15の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図30に示すS5141-S3141の処理は、
実施例1-12の図24に示すS5111-S3111と同様であ
る。しかしながら、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを車両が通行する際の処理が、上述の
図24に示す例と異なっている。
【0192】
すなわち、第1の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
【0193】
図30において、機器通信部51は、車両識別情報を送信し(S5145)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S3141)。
【0194】
上位通信部31Aは、車両識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3142)。
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S1142)、記憶部13は、出場記録を記憶する。制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。
制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1143)。
なお、
図23に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する通過記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された入場記録及び出場記録と、経路識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1144)。
【0195】
中央装置1が通行料金を算出している間に、機器通信部51は、入口識別情報を含む入入口情報と経路識別情報とを送信し(S5146)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される入口情報と経路識別情報とを受信する(S3143)。
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3144)。
また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じであるか否かを確認する(S3145)。制御部32Aは、入口フラグが「T」であって、かつ、入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じであることから、中央算出通行料金を通行料金として用いると判断する。
【0196】
その後、上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信し(S3146)、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S3147)。
また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S5147)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0197】
上記のように、
図30に示す例では、第1出口処理装置3Aにて入口識別情報および経路識別情報を受信し、入口フラグが「T」であるか否か、および、入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じであるか否かを判断し終わるのを待たずに、中央装置1にて通行料金の計算を開始することが可能であ
る。このため、第1の出口レーン通過時における出口処理に要する時間を短縮することが可能である。
【0198】
(実施例
1-16)
次に、図1-16について、説明する。
【0199】
図31は、第1実施形態の実施例1-16の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、例えば
図27に示すように、
中央計算方式の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
出口計算方式の第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通過した後、更に
図31に示すように、
出口計算方式の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーン、
出口計算対応の第2経路装置4Bに対応する所定経路、および、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通過したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0200】
図32は、第1実施形態の実施例1-16の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図32に示すS5151-S3151の処理は、
実施例1-14の図29に示すS5131-S3131の処理と同様であ
る。しかしながら、車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行する際の処理が、上述の
図29に示す例と異なっている。
【0201】
すなわち、第2の入口レーンと所定経路を経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し
、出口処理を実行する。
図32において、機器通信部51は、車両識別情報を送信し(S5155)、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S3151)。
【0202】
上位通信部31Aは、車両識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3152)。中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S1151)、記憶部13は、出場記録を記憶する。制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。
つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1152)。
機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1153)。なお、
図31に示す経路については、記憶部13には車両識別情報に対応する入場記録および通過記録が記憶されていないため、制御部12により算出された中央算出通行料金は正しい値ではない。
【0203】
中央装置1が通行料金を算出している間に、機器通信部51は、入口識別情報を含む入口情報と経路識別情報とを送信する(S5156)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される入口情報と経路識別情報とを受信する(S3153)。
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3154)。また、制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じであるか否かを確認する(S3155)。
【0204】
その後、上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信する(S3156)。入口フラグが「T」ではあるものの、入口フラグの書き込み入口と入場入口とが同じでないときに、制御部32Aは中央算出通行利用せず、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3157)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信する(S3158)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0205】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5157)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。なお、ETCカードの書き込まれた入口フラグと入口フラグの書き込み入口とは、書き込み内容にかかわらず、車両が第1の出口レーンを通行した後に(例えばS5155の送信後に、若しくは、S5155の送信処理の一環として)クリアされてもよい。ETCカードへの各種データの書き込み時に、入口フラグと入口フラグの書き込み入口の記憶領域についても空値で上書きされ得る。
【0206】
図31および
図32に示す例では、ETCカードに入口フラグと入口フラグの書き込み入口とを書き込む領域を設け、第1出口処理装置3Aにて入口フラグの値を確認するとともに、入口フラグの書き込み入口と入場入口とを確認し、入口フラグが対象の通行経路に入場した際に書き込まれたものか否かを確認可能としている。
この方式によれば、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値、入口フラグの書き込み入口、及び、入場入口により、第1の出口レーンを通行する車両が対象の通行経路に入場する際に第1の入口レーンを通行したか否かをより確実に判断することができ、正しい通行料金を車載器5へ送信することができる。
【0207】
上記のように、本実施形態によれば、中央装置による通行料金算出を実現するための料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法を提供することができる。
なお、上述の実施形態において、第1出口処理装置3Aは、事前に配布された料金を備え、入口フラグを参照して事前に配布された料金の値を利用するか否かを判断して、中央算出通行料金に相当する出口算出通行料金を算出可能としても構わない。その場合であっても上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0208】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の料金処理システムの構成例は、
図1に示すブロック図と同様である。
図33は、第2実施形態の料金処理システムにおける特定領域の一例について説明するための図である。
【0209】
本実施形態の料金処理システムでは、有料道路を含む道路網に設置された第1経路装置4Aに対応するゲートにより、道路網を特定領域Aに区切り、特定領域A内を通行する車両について中央装置1による通行料金の算出を可能としたものである。すなわち、特定領域A内に設置される入口処理装置は全て第1入口処理装置2Aであり、特定領域A内に設置される出口処理装置は全て第1出口処理装置3Aである。
【0210】
以下に、上記特定領域Aを設けたときに、特定領域A内の第1の入口ゲートから入場した車両が、特定領域Aから流出した後に第2の出口ゲートから出場する場合や、特定領域A外の第2の入口ゲートから入場した車両が、特定領域Aに流入し、特定領域A内の第1の出口ゲートから出場する場合における、出口料金処理方法の複数の例(実施例2-1~実施例2-6)について説明する。
【0211】
(実施例2-1)
次に、実施例2-1について、説明する。
【0212】
図34は、第2実施形態の実施例2-1の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、特定領域A内の
中央計算対応の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンから入場し、
中央計算対応の第1経路装置4Aに対応するゲートを通過して特定領域Aから流出した後に、
中央計算対応の第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンから出場したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0213】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図35は、第2実施形態の実施例2-1の動作例を説明するためのタイミングチャートである。図35に示すS5161-S1161の処理は、
実施例1-1の図3に示すS501-S101の処理と同様である。
【0214】
第1の入口レーンを経た車両が、第1経路装置4Aに対応するゲートより特定領域Aから流出すると、第1経路装置4Aは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。
図35において、機器通信部51は、車両識別情報と入口識別情報とを送信
する(S5163)
。
そして、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報と入口識別情報とを受信する(S4161)。
【0215】
第1経路装置4Aの制御部42Aは、受信した入口識別情報に基づいて、車両が特定領域Aに流入するか流出するかを判断し、特定領域Aから流出する車両であると判断したときに、車両通信部45Aが入口フラグクリア指令を送信する(S4162)。
機器通信部51は入口フラグクリア指令を受信し(S5164)、カード処理部54は、ETCカードの入口フラグをクリアする。なお、このときに、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、経路識別情報を送信することが可能であり、機器通信部51は経路識別情報を受信し、カード処理部54がETCカードに経路識別情報を書き込むことができる。
【0216】
その後、第1経路装置4Aの上位通信部41Aは、車両識別情報、経路識別情報、および、流出日時を含む流出通知を含む通過記録を送信する(S4163)。
そして、中央装置1の機器通信部11は、流出通知を含む通過記録を受信し(S1162)、記憶部13は、流出記録を記憶する。記憶部13において、車両識別情報と流出記録とが紐づけられた状態で記憶されることにより、中央装置1は当該車両が特定領域Aから出場したものとして処理することができる。
【0217】
第1の入口レーンと第1経路装置4Aに対応するゲートとを経た車両が、第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通行すると、第2出口処理装置3Bは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。
つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S5165)。
そして、第2出口処理装置3Bの車両通信部35Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S3161)。
【0218】
制御部32Bは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3162)。
車両通信部35Bは、出口算出通行料金を送信する(S3163)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0219】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5166)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。
【0220】
図34および
図35に示す
実施例
2-1では、ETCカードに入口処理装置の機能を識別するための入口フラグを書き込む領域を設け、車両が特定領域Aから流出する際に、入口フラグをクリアにするとともに、中央装置1において車両が特定領域Aから出場した状態としている。
このことにより、車両のETCカードに記録された情報と、中央装置1の記憶部13に記憶された車両を管理するための情報との整合性を保つことができ、車両の通行料金の算出を正確に行うことが可能となる。
【0221】
(実施例2-2)
次に、実施例2-2について説明する。
【0222】
図36は、第2実施形態の実施例2-2の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算方式の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンから入場し、
中央計算方式の第1経路装置4Aに対応するゲートから特定領域Aに流入し、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンから出場するときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0223】
車両が、第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンを通行すると、第2入口処理装置2Bは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図37は、第2実施形態の実施例2-2の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図37において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S5171)。
【0224】
第2入口処理装置2Bの車両通信部25Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S2171)。
そして、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S2172)。
【0225】
機器通信部51は入口情報を受信し(S5172)、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。すなわち、この例では、機器通信部51は入口フラグ情報を受信しないため、ETCカードの入口フラグの領域には「T」が書き込まれず、入口フラグは空の状態である。
【0226】
第2の入口レーンを経た車両が、第1経路装置4Aに対応するゲートより特定領域Aに流入すると、第1経路装置4Aは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報と入口識別情報とを送信する(S5173)。
そして、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報と入口識別情報とを受信する(S4171)。
【0227】
第1経路装置4Aの制御部42Aは、受信した入口識別情報に基づいて、車両が特定領域Aに流入するか流出するかを判断する。第1経路装置4Aの上位通信部41Aは、制御部42Aでの判断に基づいて、車両識別情報および経路識別情報とともに、流出日時を含む流出通知又は流入日時を含む流入通知を含む通過記録を送信する(S4192)。
中央装置1の機器通信部11は、上位通信部41Aから通過記録を受信する(S1171)。
また、制御部42Aが特定領域Aへ流入する車両であると判断したときには、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、経路識別情報を送信することが可能であり、機器通信部51は経路識別情報を受信し、カード処理部54がETCカードに経路識別情報を書き込むことができる。
【0228】
第2の入口レーンと第1経路装置4Aに対応するゲートとを経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S5174)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S3171)。
【0229】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3172)。入口フラグが「T」ではないときに、制御部32Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3173)。
車両通信部35Aは、出口算出通行料金を送信する(S3174)。
また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5175)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。
【0230】
以上により、第2入口処理装置2Bによる入口処理を受けた車載器5は、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合には、第2の入口レーンを通行する際にETCカードに入口フラグ「T」は書き込まれないため、第1の出口レーンを通行する際には第1出口処理装置3Aは中央装置1へ通行料金を問い合わせることなく、出口算出通行料金を受け取る。
つまり、
図36および
図37に示す例では、第1出口処理装置3Aは、入口フラグの値が空であることにより、第1の出口レーンを通行する車両が第1入口処理装置2Aの第1の入口レーンを通行していないと判断することができる。この場合、中央装置1には車両が特定領域Aに入場した記録はないため、第1経路装置4Aにより入口フラグをクリアする必要はなく、車両に対応するECTカードに記憶された情報と中央装置1の記憶部13に記憶された車両を管理するための情報との整合性を保つことができ、車両の通行料金の算出を正確に行うことが可能となる。
【0231】
(実施例2-3)
次に、実施例2-3について、説明する。
【0232】
図38は、第2実施形態の実施例2-3の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算方式の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンから入場し、
中央計算方式の第1経路装置4Aに対応するゲートから特定領域Aに流入し、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンから出場するときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0233】
図39は、第2実施形態の実施例2-3の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図39に示すS5181-S5182の入口処理は、
図37に示すS5171-S5172と同様である。
第2の入口レーンを経た車両が、第1経路装置4Aに対応するゲートより特定領域Aに流入すると、第1経路装置4Aは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。
図39において、機器通信部51は、車両識別情報と入口識別情報とを送信
する(S5183)
。
そして、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報と入口識別情報とを受信する(S4181)。
【0234】
第1経路装置4Aの制御部42Aは、受信した入口識別情報に基づいて、車両が特定領域Aに流入するか流出するかを判断する。特定領域Aへ流入する車両であると判断したときには、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、入口フラグ指令を送信する(S4182)。
そして、機器通信部51は入口フラグを受信する(S5184)と、カード処理部54がETCカードに入口フラグ「T」を書き込む。なお、このときに第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、経路識別情報を送信することが可能であり、機器通信部51は経路識別情報を受信し、カード処理部54がETCカードに経路識別情報を書き込むことができる。
【0235】
その後、第1経路装置4Aの上位通信部41Aは、車両識別情報、入口識別情報、経路特定情報及び流入日時を含む流入通知を含む通過記録を送信する(S4183)。
そして、中央装置1の機器通信部11は流入通知を含む通過記録を受信し(S1181)、記憶部13が車両識別情報と紐づけて入口識別情報および経路特定情報を記憶する。
【0236】
第2の入口レーンと第1経路装置4Aに対応するゲートとを経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S5185)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S3181)。
【0237】
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3182)。入口フラグが「T」であるとき、上位通信部31Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3183)。
【0238】
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信
する(S1182)
と、記憶部13は、出場記録を記憶する。制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1183)。
なお、
図38に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する入場記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された出場記録及び経路記録と、入口識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1184)。
【0239】
上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信し(S3184)、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S3183)。
また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S5186)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0240】
以上により、第2入口処理装置2Bによる入口処理を受けた車載器5が、特定領域Aに流入し、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合、特定領域Aに流入する際にETCカードに入口フラグ「T」を書き込むことにより、中央算出通行料金を受け取ることができる。
【0241】
図38および
図39に示す例では、ETCカードに入口フラグを書き込む領域を設け、特定領域Aに流入する際にETCカードに入口フラグを書き込むとともに、第1経路装置4Aから中央装置1へ流入通知を行うことにより、車両に対応するECTカードに記憶された情報と中央装置1の記憶部13に記憶された車両を管理するための情報との整合性を保つことができ、車両の通行料金の算出を正確に行うことが可能となる。
【0242】
(実施例2-4)
次に、実施例2-4について、説明する。
【0243】
図40は、第2実施形態の実施例2-4の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、特定領域A内の
中央計算方式の第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンから入場し、
中央計算方式の第1経路装置4Aに対応するゲートを通過して特定領域Aから流出した後に、
出口計算方式の第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンから出場したときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0244】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図41は、第2実施形態の実施例2-4の動作例を説明するためのタイミングチャートである。図41に示すS5191-S1191の処理では、ETCカードに入口フラグを書き込む領域を設けない点において
図3に示すS501-S101の処理と相違している。
【0245】
車両が、第1入口処理装置2Aに対応する第1の入口レーンを通行すると、第1入口処理装置2Aは、車両の車載器5と通信し入口処理を実行する。
図41において、車載器5の機器通信部51は、カード識別情報及び車載器識別情報を含む車両識別情報を送信する(S5191)。
【0246】
第1入口処理装置2Aの車両通信部25Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信し(S2191)、入口識別情報及び入場日時を含む入口情報を送信する(S2192)。
【0247】
機器通信部51は入口情報を受信する(S5192)と、カード処理部54は、ETCカードに入口情報を書き込む。このとき、ETCカードに、入口情報「IC:A」と、入場時刻と、が書き込まれる。
【0248】
また、入口処理装置2Aの上位通信部21Aは、車両識別情報及び入口情報を含む入場記録を中央装置1へ送信する(S2193)。中央装置1の機器通信部11は、入場記録を受信し(S1191)、記憶部13は、入場記録を記憶する。
なお、S2192の送信とS2193の送信とは独立した送信処理であり、S2192の送信とS2193の送信との順序は特に限定されるものではなく、S2192の送信とS2193の送信とのどちらか一方が先に行われても良いし、同時でも良い。
【0249】
第1の入口レーンを経た車両が、第1経路装置4Aに対応するゲートより特定領域Aから流出すると、第1経路装置4Aは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報と入口識別情報とを送信する(S5193)。
そして、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報と入口識別情報とを受信する(S4191)。
【0250】
第1経路装置4Aの制御部42Aは、受信した入口識別情報に基づいて、車両が特定領域Aに流入するか流出するかを判断し、特定領域Aから流出する車両であると判断したときに、第1経路装置4Aの上位通信部41Aは、車両識別情報、経路識別情報、および、流出日時を含む流出通知を含む通過記録を送信する(S4192)。
中央装置1の機器通信部11は、流出通知を含む通過記録を受信する(S1192)と、記憶部13は、流出通知を含む通過記録を記憶する。記憶部13において、車両識別情報と流出記録とが紐づけられた状態で記憶されることにより、中央装置1は当該車両が特定領域Aから出場したものとして処理することができる。
【0251】
第1の入口レーンと第1経路装置4Aに対応するゲートとを経た車両が、第2出口処理装置3Bに対応する第2の出口レーンを通行すると、第2出口処理装置3Bは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を送信する(S5194)。
そして、第2出口処理装置3Bの車両通信部35Bは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S3191)。
【0252】
制御部32Bは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び入口情報を用いて、通行区間を判定し、通行区間と基本料金テーブルとに基づき、出口算出通行料金を算出する(S3192)。
車両通信部35Bは、出口算出通行料金を送信する(S3193)。また、路側表示器34Aは、出口算出通行料金を表示する。
【0253】
車載器5の機器通信部51は、出口算出通行料金を受信し(S5195)、記憶部53は、出口算出通行料金を記憶する。
【0254】
図40および
図41に示す例では、車両が特定領域Aから流出する際に第1経路装置4Aから中央装置1へ流出通知を含む通過記録を送信し、中央装置1において車両が特定領域Aから出場した状態としている。
このことにより、車両のETCカードに記録された情報と、中央装置1の記憶部13に記憶された車両を管理するための情報との整合性を保つことができ、車両の通行料金の算出を正確に行うことが可能となる。
【0255】
(実施例2-5)
次に、実施例2-5について、説明する。
【0256】
図42は、第2実施形態の実施例2-5の構成例を説明するための図である。
この例では、車両が、
出口計算方式の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンから入場し、
中央計算方式の第1経路装置4Aに対応するゲートから特定領域Aに流入し、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンから出場するときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
【0257】
図43は、第2実施形態の実施例2-5の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図43に示すS5201-S5202の入口処理は、
実施例2-2の図37に示すS5171-S5172と同様である。
第2の入口レーンを経た車両が、第1経路装置4Aに対応するゲートより特定領域Aに流入すると、第1経路装置4Aは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。
図43において、機器通信部51は、車両識別情報と入口識別情報とを送信
する(S5203)
。
これを受信した、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報と入口識別情報とを受信する(S4201)。
【0258】
第1経路装置4Aの制御部42Aは、受信した入口識別情報に基づいて、車両が特定領域Aに流入するか流出するかを判断する。特定領域Aへ流入する車両であると判断したときには、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、経路識別情報を送信することが可能であり、機器通信部51は経路識別情報を受信し、カード処理部54がETCカードに経路識別情報を書き込むことができる。
【0259】
その後、第1経路装置4Aの上位通信部41Aは、車両識別情報、入口識別情報、経路特定情報及び流入日時を含む流入通知を含む通過記録を送信する(S4203)。
そして、中央装置1の機器通信部11は流入通知を含む通過記録を受信し(S1201)、記憶部13が車両識別情報と紐づけて入口識別情報(入場記録)および経路特定情報(通過記録)を記憶することができる。
【0260】
第2の入口レーンと第1経路装置4Aに対応するゲートとを経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報、経路識別情報、及び入口識別情報を送信する(S5204)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報、経路識別情報、及び入口情報を受信する(S3201)。
【0261】
制御部32Aの上位通信部31Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3202)。
【0262】
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信する(S1202)と、記憶部13は、出場記録を記憶する。
制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1203)。
機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1204)。
【0263】
上位通信部31Aは、中央装置1からの中央算出通行料金を受信し(S3203)、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S3204)。
また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S5205)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0264】
以上により、第2入口処理装置2Bによる入口処理を受けた車載器5が、特定領域Aに流入し、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合、特定領域Aに流入する際に第1経路装置4Aから中央装置1へ流入通知を行うことにより、中央算出通行料金を受け取ることができる。
【0265】
図42および
図43に示す例では、車両が特定領域Aへ流入する際に第1経路装置4Aから中央装置1へ流入通知を含む通過記録を送信し、中央装置1において車両が特定領域Aへ入場した状態としている。
このことにより、車両のETCカードに記録された情報と、中央装置1の記憶部13に記憶された車両を管理するための情報との整合性を保つことができ、車両の通行料金の算出を正確に行うことが可能となる。
【0266】
すなわち、本実施形態によれば、中央装置による通行料金算出を実現するための料金処理システム、出口処理装置、中央装置、及び出口料金処理方法を提供することができる。
なお、上記第2実施形態において、特定領域A内に設置される機器の機能が全て更新されるまでに所定の時間を要する可能性がある。このため、例えば、特定領域A内に設置される機器において新たな機能の利用が開始される利用開始日時を、予め設定したプログラムを搭載し、その利用開始日以降にならなければ新たな機能を備えた機器として動作しないよう構成されてもよい。上記プログラムを備えることにより、特定領域A内に設置した機器の機能を同時に更新することが可能となる。
【0267】
(実施例
2-6)
次に、実施例2-6ついて、説明する。
この例では、車両が、
出口計算対応の第2入口処理装置2Bに対応する第2の入口レーンから入場し、
中央計算方式の第1経路装置4Aに対応するゲートから特定領域Aに流入し、
中央計算方式の第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンから出場するときの、出口料金処理方法の一例について説明する。
なお、この例において車両が走行する経路に配置される機器の組み合わせは図38と同様であるため、図38と図44とを参照して、出口料金処理方法の例を説明する。
【0268】
図44は、第2実施形態の実施例2-6の動作例を説明するためのタイミングチャートである。
図44に示すS5211-S5212の入口処理は、
図37に示すS5171-S5172と同様である。
第2の入口レーンを経た車両が、第1経路装置4Aに対応するゲートより特定領域Aに流入すると、第1経路装置4Aは、車両の車載器5と通信し経路処理を実行する。
図44において、機器通信部51は、車両識別情報と入口識別情報とを送信
する(S5213)
。
そして、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報と入口識別情報とを受信する(S4211)。
【0269】
第1経路装置4Aの制御部42Aは、受信した入口識別情報に基づいて、車両が特定領域Aに流入するか流出するかを判断する。特定領域Aへ流入する車両であると判断したときには、第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、入口フラグ指令を送信する(S4212)。
機器通信部51は入口フラグを受信する(S5214)と、カード処理部54がETCカードに入口フラグ「T」を書き込む。なお、このときに第1経路装置4Aの車両通信部45Aは、経路識別情報を送信することが可能であり、機器通信部51は経路識別情報を受信し、カード処理部54がETCカードに経路識別情報を書き込むことができる。
【0270】
その後、第1経路装置4Aの上位通信部41Aは、車両識別情報、入口識別情報、経路特定情報及び流入日時を含む流入通知を含む通過記録を送信する(S4213)。
そして、中央装置1の機器通信部11は流入通知を含む通過記録を受信し(S1211)、記憶部13が車両識別情報と紐づけて入口識別情報および経路特定情報を記憶する。
【0271】
第2の入口レーンと第1経路装置4Aに対応するゲートとを経た車両が、第1出口処理装置3Aに対応する第1の出口レーンを通行すると、第1出口処理装置3Aは、車両の車載器5と通信し出口処理を実行する。つまり、機器通信部51は、車両識別情報を送信する(S5215)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から送信される車両識別情報を受信する(S3211)。
【0272】
第1出口処理装置3Aの上位通信部31Aは、車両識別情報、経路識別情報、出口識別情報、及び出場日時を含む出場記録を中央装置1へ送信する(S3212)。
中央装置1の機器通信部11は、出場記録を受信し(S1212)、記憶部13は、出場記録を記憶する。
制御部12は、出場記録に含まれる車両識別情報に基づき、この出場記録に対応する入場記録及び通過記録を選択し得る。つまり、制御部12は、同一の車両識別情報を含む入場記録、通過記録、及び出場記録を選択する。制御部12は、選択された入場記録、通過記録、及び出場記録に基づき、通行区間、通行経路、及び通行日時を判定し、通行区間、通行経路、及び通行日時と、基本料金テーブル及び変動料金テーブルとに基づき、中央算出通行料金を算出する(S1213)。
なお、
図38に示す例では、記憶部13には車両識別情報に対応する入場記録が記憶されていないため、制御部12は、選択された出場記録及び経路記録と、入口識別情報とに基づき、中央算出通行料金を算出する。機器通信部11は、中央算出通行料金を第1出口処理装置3Aに送信する(S1214)。
【0273】
中央装置1が通行料金を算出している間に、機器通信部51は、入口識別情報を含む入口情報と、経路識別情報とを送信する(S5216)。
そして、第1出口処理装置3Aの車両通信部35Aは、機器通信部51から入口情報と経路識別情報とを受信する(S3213)。
制御部32Aは、受信した入口情報に含まれる入口フラグが「T」であるか否かを確認する(S3214)。入口フラグが「T」であるとき、制御部32Aは通行料金を演算すしない。
上位通信部31Aは、中央装置1から受信した中央算出通行料金を受信する(S3215)。
そして、車両通信部35Aは、中央算出通行料金を送信する(S3216)。また、路側表示器34Aは、中央算出通行料金を表示する。
車載器5の機器通信部51は、中央算出通行料金を受信し(S5217)、記憶部53は、中央算出通行料金を記憶する。
【0274】
以上により、第2入口処理装置2Bによる入口処理を受けた車載器5が、特定領域Aに流入し、第1出口処理装置3Aによる出口処理を受ける場合、特定領域Aに流入する際にETCカードに入口フラグ「T」を書き込むことにより、中央算出通行料金を受け取ることができる。
【0275】
図38および
図44に示す
実施例
2-6では、ETCカードに入口フラグを書き込む領域を設け、特定領域Aに流入する際にETCカードに入口フラグを書き込むとともに、第1経路装置4Aから中央装置1へ流入通知を行うことにより、車両に対応するECTカードに記憶された情報と中央装置1の記憶部13に記憶された車両を管理するための情報との整合性を保つことができ、車両の通行料金の算出を正確に行うことが可能となる。
また、
図44に示す例では、第1出口処理装置3Aにて入口識別情報および経路識別情報を受信し、入口フラグが「T」であるか否かを判断し終わるのを待たずに、中央装置1にて通行料金の計算を開始することが可能であり、第1の出口レーン通過時における出口処理に要する時間を短縮することが可能である。
【0276】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 通行料金を算出する中央装置、前記中央装置により通行料金を算出するための料金算出通信に対応する第1の入口処理装置、及び前記料金算出通信に対応する第1の出口処理装置を備える料金処理システムであって、
前記第1の入口処理装置は、
第1の入口レーンを通行する第1の車両の第1の車載器から第1の車両識別情報を受信し、前記第1の車載器に対して入口フラグ情報を含む第1の入口識別情報を送信する第1の入口車両通信部と、
前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の入口識別情報を含む第1の入場記録を送信する第1の中央通信部と、を備え、
前記第1の出口処理装置は、
第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるときに前記第1の車載器に対して前記中央装置で算出される中央算出通行料金を送信する第1の出口車両通信部と、
前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の第1の出口識別情報を送信し前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する第2の中央通信部と、を備え、
前記中央装置は、
前記第1の入口処理装置から前記第1の入場記録を受信し、前記第1の出口処理装置から前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口識別情報を受信し、前記第1の出口処理装置に対して前記中央算出通行料金を送信する入出口通信部と、
前記第1の入口識別情報及び前記第1の出口識別情報から定まる第1の通行区間と中央料金テーブルとに基づき、前記中央算出通行料金を算出する中央料金算出部と、を備える料金処理システム。
[C2] C1記載の料金処理システムは、さらに、前記中央装置により通行料金を算出するための前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置を備え、
前記第2の入口処理装置は、第2の入口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報を受信し、前記第2の車載器に対して前記第2の入口処理装置の第2の入口識別情報を送信する第2の入口車両通信部を備え、
前記第1の出口処理装置は、前記第2の車載器から送信される前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき出口算出通行料金を算出する出口料金算出部を備え、
前記第1の出口車両通信部は、前記第1の出口レーンを通行する前記第2の車両の前記第2の車載器から前記第2の車両識別情報及び前記第2の入口識別情報を受信し、前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないときに前記第2の車載器に対して前記出口算出通行料金を送信する、C1記載の料金処理システム。
[C3] 前記第2の中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれると判定された後に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、C1又はC2記載の料金処理システム。
[C4] 前記第2の中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるか否か判定される前に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、C1又はC2記載の料金処理システム。
[C5] 前記第1の車載器から送信される前記第1の入口識別情報に、前記入口フラグ情報と、前記入口フラグの書き込み時刻と、前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻と、が含まれているときに、
前記判定部は、前記第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の入口識別情報に、前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定するとともに、前記入口フラグの書き込み時刻と前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻とが同じか否かを判定する、C1乃至C4のいずれか1項記載の料金処理システム。
[C6] 前記第2の中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれる、かつ、前記入口フラグの書き込み時刻と前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻とが同じであると判定された後に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、C5記載の料金処理システム。
[C7] 前記第2の中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれ、かつ、前記入口フラグの書き込み時刻と前記第1の車両が前記第1の入口レーンを通行した時刻とが同じであると判定される前に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、C5記載の料金処理システム。
[C8] 前記第1の車載器から送信される前記第1の入口識別情報に、前記入口フラグ情報と、前記入口フラグの書き込み入口と、前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報と、が含まれているときに、
前記判定部は、前記第1の出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の入口識別情報に、前記入口フラグ情報が含まれるか否かを判定するとともに、前記入口フラグの書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じか否かを判定する、C1乃至C4のいずれか1項記載の料金処理システム。
[C9] 前記第2の中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれる、かつ、前記入口フラグの書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じであると判定された後に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の前記第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、C8記載の料金処理システム。
[C10] 前記第2の中央通信部は、前記判定部により前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれ、かつ、前記入口フラグの書き込み入口と前記第1の車両が通行した前記第1の入口レーンに対応する入口情報とが同じであると判定される前に前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び前記第1の出口処理装置の第1の出口識別情報を送信し、前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する、C8記載の料金処理システム。
[C11] C1乃至C10のいずれか1項記載の料金処理システムは、さらに、経路装置を備え、
前記経路装置は、
前記第1の入口レーンを経て所定経路を通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から前記第1の車両識別情報および前記第1の入口識別情報を受信し、前記第1の車両が予め設定された特定領域から流出するときに、前記第1の車載器へ入口フラグクリア指令を送信する経路車両通信部と、
前記所定経路を通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の入口識別情報に基づいて、前記第1の車両が前記特定領域から流出するか否かを判定する第2の判定部と、
前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び経路識別情報を含む通過記録を送信する第3の中央通信部と、を備え、
前記第3の中央通信部は、前記第1の車両が予め設定された特定領域から流出するときに流出通知を含む通過記録を前記中央装置に対して送信する、C1乃至C10の何れか1項記載の料金処理システム。
[C12] C2の料金処理システムは、さらに、経路装置を備え、
前記経路装置は、
前記第2の入口レーンを経て所定経路を通行する前記第2の車両の前記第2の車載器から前記第2の車両識別情報および前記第2の入口識別情報を受信し、前記第2の車両が予め設定された特定領域へ流入するときに、前記第2の車載器へ入口フラグ指令を送信する経路車両通信部と、
前記所定経路を通行する前記第2の車両の前記第2の車載器から送信される前記第2の入口識別情報に基づいて、前記第2の車両が前記特定領域へ流入するか否かを判定する第3の判定部と、
前記中央装置に対して前記第2の車両識別情報及び経路識別情報を含む通過記録を送信する第4の中央通信部と、を備え、
前記第4の中央通信部は、前記第2の車両が予め設定された特定領域へ流入するときに、流入通知を含む通過記録を前記中央装置に対して送信する、C2記載の料金処理システム。
[C13] 中央装置により通行料金を算出するための料金算出通信に対応し、
第1の入口レーンを経て第1の出口レーンを通行する第1の車両の第1の車載器から送信される第1の入口識別情報に入口フラグ情報が含まれるか否かを判定する判定部と、 前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるときに前記第1の車載器に対して前記中央装置で算出される中央算出通行料金を送信する出口車両通信部と、
前記中央装置に対して第1の出口識別情報及び前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される第1の車両識別情報を送信し前記中央装置から前記中央算出通行料金を受信する中央通信部と、を備える出口処理装置。
[C14] さらに、出口算出通行料金を算出する出口料金算出部を備え、
前記出口車両通信部は、前記料金算出通信に非対応の第2の入口処理装置の第2の入口レーンを経て前記第1の出口レーンを通行する第2の車両の第2の車載器から第2の車両識別情報及び第2の入口識別情報を受信し、前記第2の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれないときに前記第2の車載器に対して前記出口料金算出部で算出される出口算出通行料金を送信し、
前記出口料金算出部は、前記第2の入口識別情報及び前記第1の出口識別情報から定まる第2の通行区間と出口料金テーブルとに基づき前記出口算出通行料金を算出する、C13の出口処理装置。
[C15] 入口レーンを通行する第1の車両の第1の車載器から送信される第1の車両識別情報を受信する入口処理装置から送信される前記第1の車両識別情報及び第1の入口識別情報を受信し、前記入口レーンを経て出口レーンを通行する前記第1の車両の前記第1の車載器から送信される前記第1の車両識別情報を受信する出口処理装置から送信される前記第1の車両識別情報及び出口識別情報を受信する識別情報通信部と、
前記第1の入口識別情報及び前記出口識別情報から定まる第1の通行区間と中央料金テーブルとに基づき中央算出通行料金を算出する中央料金算出部と、
前記出口処理装置から前記第1の車載器へ送信するための前記中央算出通行料金を前記出口処理装置へ送信する通行料金通信部と、
を備える中央装置。
[C16] 中央装置により通行料金を算出するための料金算出通信に対応し、
第1の入口レーンを経て第1の出口レーンを通行する第1の車両の第1の車載器から、第1の車両識別情報と第1の入口識別情報とを受信し、
前記第1の入口識別情報に入口フラグ情報が含まれるか否かを判定し、
前記第1の入口識別情報に前記入口フラグ情報が含まれるときに、前記中央装置に対して前記第1の車両識別情報及び第1の出口処理装置の第1の出口識別情報を送信し前記中央装置から中央算出通行料金を受信し、
前記第1の車載器に対して前記中央装置で算出される前記中央算出通行料金を送信する、出口料金処理方法。
【符号の説明】
【0277】
1…中央装置、11…機器通信部、12…制御部、13…記憶部、2A…第1入口処理装置、2B…第2入口処理装置、21A、21B…上位通信部、22A、22B…制御部、23A、23B…発進制御器、24A、24B…路側表示器、25A、25B…車両通信部、26A、26B…記憶部、3A…第1出口処理装置、3A…第1出口処理装置、3B…第2出口処理装置、31A、31B…上位通信部、32A、32B…制御部、33A、33B…発進制御器、34A、34B…路側表示器、35A、35B…車両通信部、36A、36B…記憶部、4A…第1経路装置、4B…第2経路装置、41A、41B…上位通信部、42A、42B…制御部、45A、45B…車両通信部、45B…車両通信部、46A、46B…記憶部、5…車載器、51…機器通信部、52…制御部、53…記憶部、54…カード処理部。