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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】シート積載装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20240415BHJP
   B65H 31/38 20060101ALI20240415BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
B65H31/00 Z
B65H31/38
G03G15/00 460
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019220716
(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2020093932
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2018229531
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 守
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-154964(JP,A)
【文献】特開2014-047046(JP,A)
【文献】特開2018-177421(JP,A)
【文献】特開2010-070373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0228965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12-29/24
B65H 29/32
B65H 31/00-31/40
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置によって画像形成されたシートを積載するシート積載装置であって、
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されたシートを載置する第1積載部と、
記第1積載部に載置されたシートを排出する排出
前記排出部により排出されたシートを積載する第2積載部と、
前記排出部により前記第2積載部に向けて排出されているシートの下面に対して送風可能なファンと、
前記ファンを駆動する駆動モータと、
前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記画像形成装置によりシートに形成され画像の画像比率が第1の値である場合はシートに対して送風する風量を、風量0を含む第1の風量とし、前記画像比率が前記第1の値より大きい第2の値である場合はシートに対して送風する風量を前記第1の風量より大きい第2の風量とするように前記駆動モータの回転速度を制御する
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
画像形成装置によって画像形成されたシートを積載するシート積載装置であって、
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されたシート載置する第1積載部と、
記第1積載部に載置されたシートを排出する排出
排出部によるシートの排出方向の上流端が、前記第1積載部の前記排出方向の下流側端部よりも鉛直方向に関して下方に配置され、前記第1積載部から前記排出部により排出されたシートを積載する第2積載部と、
前記第1積載部の前記排出方向の下流側端部及び前記第2積載部の前記排出方向の上流側端部の間に吹出口が設けられ、前記吹出口から前記排出部により前記第2積載部に向けて排出されているシートの下面に向けて送風する送風手段と、
前記送風手段による前記吹出口からの送風方向を変更する風向変更手段と、を備え、
前記風向変更手段は、前記画像形成装置によりシートに形成され画像の画像比率が第1の値である場合は、前記送風手段による前記吹出口からの前記シートへの送風方向を水平方向に対して第1の角度で傾斜した方向とし、前記画像比率が前記第1の値より大きい第2の値である場合は、前記送風手段による前記吹出口からの前記シートへの送風方向を前記水平方向に対して前記第1の角度より大きい第2の角度で傾斜した方向とする、
ことを特徴とするシート積載装置。
【請求項3】
前記排出によるシートの排出方向に直交する幅方向に移動可能であり、前記搬送部によって前記第1積載部に搬送されたシートの前記幅方向の側端に当接して整合する整合部材を備え、
前記制御部は、前記第1積載部に排出されたシートが前記整合部材により前記幅方向に整合された後に送風を開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記排出部により前記第1積載部から前記第2積載部に搬送されるシートの排出方向における上流端が前記排出方向における前記第1積載部の下流側端部に達する前に送風を停止する、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記排出部により前記第1積載部から前記第2積載部に搬送されるシートの排出方向における上流端が前記排出方向における前記第1積載部の下流側端部に達する前に、送風する風量をそれまでの風量よりも小さい風量にする、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載のシート積載装置。
【請求項6】
前記第1積載部に載置された複数のシートからなるシート束に処理を施す処理手段を備え、
前記排出部は、前記処理手段により処理が施されたシート束を前記第1積載部から前記第2積載部に排出する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート積載装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像を形成されたシートを積載する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート積載装置と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されたシートを載置する第1積載部と、
前記第1積載部に載置されたシートを排出する排出部と、
前記排出部により排出されたシートを積載する第2積載部と、
前記排出部により前記第2積載部に向けて排出されているシートの下面に対して送風可能なファンと、
前記ファンを駆動する駆動モータと、
前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記画像形成部によりシートに形成された画像の画像比率が第1の値である場合はシートに対して送風する風量を、風量0を含む第1の風量とし、前記画像比率が前記第1の値より大きい第2の値である場合はシートに対して送風する風量を前記第1の風量より大きい第2の風量とするように前記駆動モータの回転速度を制御する、
ことを特徴とする画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを積載するシート積載装置及びシートに画像を形成する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置でシートに対して印刷処理を行い、印刷されたシートを処理トレイ(第1積載部)に一旦載置して、綴じ処理やシフト排紙処理等の後処理を行い、スタックトレイ(第2積載部)に排出を行う画像形成システムは知られている(例えば、特許文献1)。このような画像形成システムでは近年、画像形成部がインクジェット方式のものも増えており、インクジェット方式で印刷されたシートに対して後処理を施すシステムも知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-16970号公報
【文献】特開2017-132636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2のようにインクジェット方式で画像形成を行うと、画像比率が高い場合(例えば全面ベタ画像を印刷)はシートにおいて他の部材やシートなどに対する摩擦係数が増加してしまう可能性がある。この場合、シートを処理トレイからスタックトレイに排出する際にシート(シート束を形成する際はジョブの最初に処理トレイに排出されるシート)とスタックトレイもしくはスタックトレイ上に既に載置されているシートとの間の摺動性が悪く、正常に排出できずに排出不良を発生する虞がある。このため、従来、シートの画像比率に基づいて排出不良を抑制することが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、シートを処理トレイからスタックトレイに排出する際にシートに形成された画像の画像比率によって摩擦係数が異なる場合でも、シートの画像比率に応じて排出不良を適正に抑制できるシート積載装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート積載装置は、画像形成装置によって画像形成されたシートを積載するシート積載装置であって、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されたシートを載置する第1積載部と、前記第1積載部に載置されたシートを排出する排出、前記排出部により排出されたシートを積載する第2積載部と、前記排出部により前記第2積載部に向けて排出されているシートの下面に対して送風可能なファンと、前記ファンを駆動する駆動モータと、前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成装置によりシートに形成され画像の画像比率が第1の値である場合はシートに対して送風する風量を、風量0を含む第1の風量とし、前記画像比率が前記第1の値より大きい第2の値である場合はシートに対して送風する風量を前記第1の風量より大きい第2の風量とするように前記駆動モータの回転速度を制御することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のシート積載装置は、画像形成装置によって画像形成されたシートを積載するシート積載装置であって、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されたシート載置する第1積載部と、前記第1積載部に載置されたシートを排出する排出、前排出部によるシートの排出方向の上流端が、前記第1積載部の前記排出方向の下流側端部よりも鉛直方向に関して下方に配置され、前記第1積載部から前記排出部により排出されたシートを積載する第2積載部と、前記第1積載部の前記排出方向の下流側端部及び前記第2積載部の前記排出方向の上流側端部の間に吹出口が設けられ、前記吹出口から前記排出部により前記第2積載部に向けて排出されているシートの下面に向けて送風する送風手段と、前記送風手段による前記吹出口からの送風方向を変更する風向変更手段と、を備え、前記風向変更手段は、前記画像形成装置によりシートに形成され画像の画像比率が第1の値である場合は、前記送風手段による前記吹出口からの前記シートへの送風方向を水平方向に対して第1の角度で傾斜した方向とし、前記画像比率が前記第1の値より大きい第2の値である場合は、前記送風手段による前記吹出口からの前記シートへの送風方向を前記水平方向に対して前記第1の角度より大きい第2の角度で傾斜した方向とすることを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成部を備えた画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像を形成されたシートを積載する上記のシート積載装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されたシートを載置する第1積載部と、前記第1積載部に載置されたシートを排出する排出部と、前記排出部により排出されたシートを積載する第2積載部と、前記排出部により前記第2積載部に向けて排出されているシートの下面に対して送風可能なファンと、前記ファンを駆動する駆動モータと、前記駆動モータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成部によりシートに形成された画像の画像比率が第1の値である場合はシートに対して送風する風量を、風量0を含む第1の風量とし、前記画像比率が前記第1の値より大きい第2の値である場合はシートに対して送風する風量を前記第1の風量より大きい第2の風量とするように前記駆動モータの回転速度を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシート積載装置及び画像形成システムによれば、シートを処理トレイからスタックトレイに排出する際にシートに形成された画像の画像比率によって摩擦係数が異なる場合でも、シートの画像比率に応じて排出不良を適正に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る画像形成システムの概略図。
図2】第1の実施形態の後処理ユニットの概略図。
図3】第1の実施形態の制御構成を示すブロック図。
図4】第1の実施形態の後処理ユニットによる束形成処理を説明するための図であり、(a)はシートが排出ローラまで搬送されたとき、(b)はシートが処理トレイに排出されたとき、(c)はシートがシート端規制部材まで移動されたとき、(d)はシート束がスタックトレイに押し出されたとき。
図5】第1の実施形態の後処理ユニットによる送風装置の動作を説明するための図であり、(a)は排出ローラから排出されたシートの先端が処理トレイから突出したとき、(b)はシートの全体が排出ローラから処理トレイに排出されたとき。
図6】第1の実施形態の後処理ユニットによる送風装置の動作を説明するための図であり、(a)は処理トレイに積載されたシート束が綴じ処理されたとき、(b)は綴じ処理されたシート束の全体が束排出部材により処理トレイから排出される直前のとき。
図7】第1の実施形態の送風装置の動作の手順を示すフローチャート。
図8】第2の実施形態の後処理ユニットの送風装置を示す拡大した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1図7を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムの概略構成について、図1を用いて説明する。
【0012】
[画像形成システム]
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の全体構成を概略的に示している。同図に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置101と、これに併設されるシート処理装置102とから構成される。画像形成装置101は、給送ユニット10と、画像形成ユニット20と、画像読取ユニット30とで構成される。シート処理装置102は、中継搬送ユニット60と後処理ユニット70とで構成される。
【0013】
[画像形成装置]
まず、画像形成装置101について説明する。画像形成装置101の給送ユニット10は、画像形成装置101の下部に設けられており、それぞれ異なるサイズの画像形成用シートを収納する複数のカセット機構10a,10b,10c,10d及び大容量カセット10eで構成され、例えば、ユーザなどの操作者が入力部86(図3参照)により指定したサイズのシートを給送経路P1に繰り出す。また、給送ユニット10は、手差しトレイ10fも含む。各カセット機構10a,10b,10c,10dは、装置ハウジング1から着脱可能に設置され、それぞれ内部のシートを1枚ずつ分離する分離機構と、シートを繰り出す給送機構とが内蔵されている。
【0014】
給送経路P1には、大容量カセット10eと、手差しトレイ10fとが接続されている。この大容量カセット10eと手差しトレイ10fとは、装置ハウジング1の一方側の側方(図1における右側)に設けられており、装置ハウジング1には各々に対応するシート供給口(給送開口)16,17が設けられている。大容量カセット10eは、大量に消費するサイズのシートを収納するオプションユニットで構成される。手差しトレイ10fは、分離給送が困難な厚紙シート、コーティングシート、フィルムシートなどの特殊シートを供給可能なように構成される。つまり、本実施形態において用いられるシートには、印刷用の普通紙以外の種々のシート材が含まれる。シート材の例としては、薄紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シートのようなプラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材が挙げられる。
【0015】
給送経路P1には、各カセット機構10a,10b,10c,10d及び大容量カセット10eから給送経路P1a,P1b,P1eを経由して供給されるシートを下流側に給送する搬送ローラ対11と、レジストレーションローラ対12とが設けられている。レジストレーションローラ対12は、給送経路P1の終端部に設けられ、シート先端(搬送方向の下流端)に当接することでシートの斜行を補正した後、画像形成ユニット20へ向けてシートを送り出す。また、手差しトレイ10fから供給されるシートは、給送経路P1fを経由してレジストレーションローラ対12に送られる。
【0016】
なお、各カセット機構10a,10b,10c,10d及び大容量カセット10eにはそれぞれ給送機構の例であるピックアップローラ13と分離機構の例である搬送ローラ対14とが設けられており、これらによってシートを1枚ずつ給送経路P1に供給する。装置ハウジング1内で手差しトレイ10fのシート供給口17の近傍には、搬送ローラ対15が設けられており、ユーザによって手差し供給されたシートをレジストレーションローラ対12に向けて搬送する。
【0017】
画像形成ユニット20は、カセット機構10aの上方で、搬送パスP2上に設けられており、例えばインクジェット方式の印刷ヘッドを有する画像形成部21を備えている。画像形成部21は、搬送パスP2を挟んで搬送ベルト22と対向する位置に設けられている。画像形成部21は、搬送パスP2に沿って搬送ベルト22に支持されて搬送されるシートにインクなどの液体を噴射することにより、シートに液体を付着させて印刷する。本実施形態の画像形成部21は、シートの搬送方向と交差する方向(特に、搬送方向に直交する幅方向)の所定範囲に亘ってインクを同時に噴射可能なラインヘッドで構成されている。
【0018】
なお、本開示の画像形成部はインクジェット方式に限定されることはなく、例えば回転する感光ドラムと、その周囲に配置されたレーザ発光器やLED発光器などの発光器、現像器、クリーナーとを備えた電子写真ユニットとしてもよい。その場合、感光ドラムに発光器で光学的に潜像を形成し、この潜像に現像器を用いてトナーを付着させる。この感光ドラムに画像形成するタイミングに合わせて、搬送パスP2にシートを搬送し、転写チャージャーで感光ドラムから該シート上にトナー像を転写する。転写チャージャーのシート搬送方向下流側に配置されている定着ローラは、シートに転写されたトナー像に対して、ハロゲンヒータ等の熱源が発する熱を加えてトナーを溶融させる。その後、温度低下に伴ってトナーがシートに固着することにより、シートに定着した画像が得られる。
【0019】
画像形成ユニット20によって画像形成処理が施されたシートは、シート反転パスP3か、第1排出部40aに排出するための搬送パスP4か、中継搬送ユニット60に搬送するための搬送パスP5に搬送される。経路切換部23は、シートの搬送先に応じて不図示の切換部材が移動し、シートをシート反転パスP3又は搬送パスP4,P5のいずれかに案内する。
【0020】
シート反転パスP3は、シートの表裏を反転させるための搬送パスで、両面印刷の際に使用したり、片面印刷でも、フェイスダウン(シートの印刷面を下に向けた状態)で後述する後処理ユニット70に搬送したりする場合に用いる。
【0021】
搬送パスP4はシートを第1排出部40aに排出するための搬送パスである。シートを第1排出部40aに排出する場合は、経路切換部23により搬送パスP2から搬送パスP4にシートが受け渡され、シートの印刷面(両面印刷の場合は2回目に印刷した面)が下方を向いたフェイスダウンの状態でシートがシート載置面(載置部)41に排出される。搬送パスP4は、略水平の搬送パスP2から経路切換部23を起点に上方に湾曲(円弧を描くように)しており、湾曲部の終端から装置ハウジング1に設けられたシート排出口24に向かうように形成されている。
【0022】
シートが中継搬送ユニット60に搬送される場合は、経路切換部23による経路の切り替えは行わず、シートは搬送パスP2に沿ってストレートに搬送される。なお、シートを中継搬送ユニット60に搬送する際に、フェイスアップ(シートの印刷面を上に向けた状態)で搬送する場合はシート反転パスP3による反転処理は行わずに、フェイスダウンで搬送する場合はシート反転パスP3を用いてシートの表裏を反転してから搬送する。
【0023】
画像読取ユニット30は、第1排出部40a及び搬送パスP4の上方に設けられており、原稿の画像を読み取る画像読取部33と、給送される原稿を載置する原稿給送トレイ31と、画像読取部33で読取済みの原稿が排出される原稿排出トレイ32とで構成される。画像読取ユニット30は、画像読取部33で読み取った原稿画像を画像データに光電変換して、電気信号として画像形成ユニットへ出力する。なお、原稿を載置するプラテンと、プラテンに沿って往復動するキャリッジと、キャリッジに設けられた画像読取部33とを用いて原稿の画像を読み取ってもよい。
【0024】
[シート処理装置]
次に、シート処理装置102について説明する。シート処理装置102の中継搬送ユニット60は、画像形成ユニット20で画像形成処理されたシートを後処理ユニット70に搬送するためのユニットで、経路切換部61を有している。経路切換部61は、シートを後処理ユニット70の第2積載部としてのスタックトレイ171に排出するための搬送パスP5と、シートを後処理ユニット70のユニットハウジング71上面のシート載置面71aに排出するための搬送パスP6と、で搬送パスを切り替える。搬送パスP5を通過するシートは排出ローラ62によって後処理ユニット70に向けて排出され、搬送パスP6を通過するシートは排出ローラ63によって後処理ユニット70のシート載置面71aに向けて排出される。後処理ユニット70のシート載置面71aは画像形成システム100の第2排出部40bを構成し、スタックトレイ171は画像形成システム100の第3排出部40cを構成する。
【0025】
シート処理装置102のシート排出先をスタックトレイ171とシート載置面71aとのどちらにするかは、シートに対して綴じ処理等の後処理を行うか否かで切り替える。本実施形態では、シート載置面71aに対してシートをストレートに排出するため、シートをフェイスダウンで排出したい場合は第1排出部40aに、フェイスアップで排出したい場合は第2排出部40bに排出するようにモード分けしてもよい。なお、搬送パスP6に設けられた排出ローラ63がシート搬送方向と直交する幅方向に移動可能に構成された場合は、第2排出部40bではシートを幅方向にシフトさせることでジョグ排出をすることができる。
【0026】
後処理ユニット70は、中継搬送ユニット60から受け取ったシートに対して綴じ処理等の後処理を施すユニットである。本実施形態の後処理ユニットは、搬送された複数のシートを部揃え集積してシート束を形成し、そのシート束に対して綴じ処理をするシート綴じ処理機構が搭載されている。
【0027】
なお、本実施形態では、画像形成装置101と後処理ユニット70との間に中継搬送ユニット60が介在する構成を説明するが、後処理ユニット70を画像形成装置101に直接連結してもよい。つまり、後処理ユニット70は、中継搬送ユニット60を組み合わされていない単独のユニットでも処理装置として機能することができる。また、後処理ユニット70は、シートに後処理を施す機能を有するか否かに関わらず、画像形成装置101によって画像を形成されたシートを積載するシート積載装置の例でもある。
【0028】
図2を用いて、シート積載装置としての後処理ユニット70の構成を説明する。後処理ユニット70はユニットハウジング71内に、シート供給口72、搬送パスP5、排出手段としての排出ローラ73、シートを積載可能な第1積載部としての処理トレイ74、シート搬入部材75、処理手段としてのステープル綴じ処理部76、シート端規制部材77、幅整合部材79、搬送手段としての束排出部材78が格納され、シート供給口72の反対側に上下動可能なスタックトレイ171が設けられている。
【0029】
スタックトレイ171は、束排出部材78によるシートの搬送方向の上流端が、処理トレイ74の搬送方向の下流側端部よりも鉛直方向の下方に配置され、処理トレイ74から束排出部材78により搬送されたシートを積載可能である。また、処理トレイ74とスタックトレイ171との間には、送風装置90が設けられている。
【0030】
シート搬入部材75は、パドル75aと、ローレットベルト75bとで構成され、処理トレイ74上のシート後端(排出ローラ73により搬送されるシートの搬送方向の上流端)をシート端規制部材77に突き当てる方向にシートを搬送するための部材である。即ち、中継搬送ユニット60及びシート供給口72を介して画像形成装置101から受け取ったシートは、排出ローラ73により搬送され、処理トレイ74に排出して載置される。この際、パドル75a及びローレットベルト75bにより、排出ローラ73による搬送方向と逆方向にシートを搬送し、シートの端部をシート端規制部材77に突き当てる。シート端規制部材77は、後述する束排出部材78によりシートの排出方向に関して、処理トレイ74の上流端部に位置し、処理トレイ74に載置されたシートの上流端部を規制可能である。パドル75a及びローレットベルト75bはそれぞれシートから離間した退避位置とシートに接触して回転する作動位置との間で移動可能に構成され、作動位置において図2における反時計回り方向に回転することでシートを搬送する。
【0031】
幅整合部材(整合部材)79は、後処理ユニット70におけるシート幅方向(束排出部材78によるシートの排出方向と交差する方向(本実施形態では直交する方向))にそれぞれの移動可能な一対の整合部材で構成され、シート幅方向に関して、処理トレイ74に載置されたシートの端部位置を規制する。幅整合部材79は、シートの側端(シート幅方向の端縁)から離間した退避位置と、シート幅方向に関してシートを整合する際の目標位置(整合位置)に対応する作動位置との間で移動可能に構成される。幅整合部材79は、少なくとも一方の整合部材が、シートの側端に接触しながら退避位置から作動位置に移動することで、処理トレイ74に排出されたシートを整合位置に整合させる。なお、必ずしも両側の整合部材が移動する必要はなく、いずれか一方の整合部材は後処理ユニット70の枠体に対して固定の規制部材で、他方の整合部材のみが移動して固定の規制部材に対してシート幅方向の整合動作を行うようにしてもよい。また、他方の整合部材はシート幅方向の端縁に接触して移動する必要はなく、シート上面に接触してシート幅方向に移動可能な部材や、シート幅方向にシートを搬送するローラ部材を設けることでシート幅整合動作は可能である。
【0032】
ステープル綴じ処理部76は、処理トレイ74上でシート搬送方向及びシート幅方向において整合及び集積されたシート束に対して綴じ処理を行うものである。即ち、ステープル綴じ処理部76は、処理トレイ74に積載された複数のシートからなるシート束SBに処理を施す。ステープル綴じ処理部76はシート幅方向において移動可能に構成され、シート束のコーナ部やシート端規制部材77に接触するシート端縁の所定の位置に綴じ処理を可能である。なお、本実施形態ではステープル針を用いた針綴じ機構を採用しているが、ステープル針を用いない針無し綴じ機構を採用してもよく、あるいは針綴じ機構と針無し綴じ機構とをそれぞれ後処理ユニット70のフロント側(画像形成システム100の正面側、図1の手前側)とリア側(図1の奥側)とにそれぞれ設けて、ユーザの設定に応じて針綴じと針無し綴じとを切り替えるようにしてもよい。
【0033】
束排出部材78は、排出部材駆動部M6(図3)により駆動され、シート束の後端縁を押し出すことで、処理トレイ74上のシート束をスタックトレイ171に搬送し排出する。即ち、束排出部材78は、ステープル綴じ処理部76により処理が施されたシート束SBを処理トレイ74からスタックトレイ171に搬送する。束排出部材78は、シート束が形成されるまでは処理トレイ74の下方に退避しており、処理トレイ74上でシート束が形成された後に(綴じ処理を行う場合は綴じ処理を行った後)、ガイド部材78aに沿って移動することでシート束の後端縁に接触して、シート束をスタックトレイ171に向けて押し出すように構成されている。なお、束排出部材78は、上述のようにステープル処理されたシート束以外に、ステープル処理されていないシート束も排出可能である。
【0034】
図4(a)~(d)は、後処理ユニット70によるステープル綴じ処理の基本的な手順を示している。図4(a)に示すように、シートSは、中継搬送ユニット60から後処理ユニット70に受け渡される。図4(b)に示すように、このシートSは、排出ローラ73によって処理トレイ74に排出され、パドル75a及びローレットベルト75bが作動位置に下降してシートSに順に接触する。図4(c)に示すように、シートSはシート端規制部材77へ向けて移動される。シート端規制部材77に当接して搬送方向の位置を整合されたシートSは、幅整合部材79によってシート幅方向の位置を整合される。このような整合動作が1枚のシートSが排出される度に繰り返され、シート束を形成すべき枚数のシートが整合及び集積された状態になると、ステープル綴じ処理部76がシート束の所定の位置を綴じる。その後、図4(d)に示すように、束排出部材78がシート束SBの後端縁に当接して、シート束SBをスタックトレイ171に押し出す。
【0035】
なお、ここまで記載した排出ローラ73、処理トレイ74、シート搬入部材75、ステープル綴じ処理部76、シート端規制部材77、幅整合部材79、束排出部材78の構成の詳細は、例えば特開2015-16970号公報等に記載されており、針綴じのみならず、針無し綴じやパンチ(穴あけ)、折り処理等のさまざまな後処理ユニットを適用することが可能である。また、綴じ処理を行わずにシートをシート幅方向にシフトしてスタックトレイ171に排出することもでき、これも後処理に含めることができる。シートを幅方向にシフトさせる場合は、幅整合部材79で整合する位置を変更するか、排出ローラ73がシート幅方向にシフトする機構によりシートの排出位置を変更することで達成できる。
【0036】
図1に示すように、本実施形態の後処理ユニット70(及び中継搬送ユニット60)は、画像形成装置101の側方で置台50の上に設置されている。置台50は設置部51と脚部52と開口53とで構成され、画像形成装置101の側方に設けられたフック部材54を開口53に引っかけることで固定する。設置部51は不図示のスライドレールが設けられており、後処理ユニット70は図1の左右方向にスライド移動可能に構成されている。後処理ユニット70(及び中継搬送ユニット60)が画像形成装置101から離間することで、シートが詰まった際のジャム解消処理を行うことができる。
【0037】
後処理ユニット70が設置部51の先端側へ移動した際は、置台50に対して反時計回り方向に力が作用するが、脚部52がフック部材54と画像形成装置101の側面部1cとに支えられるため、置台50が倒れることはない。
【0038】
[排出構成]
本実施形態では、処理されたシートを排出する排出部が複数設けられている。第1排出部40aは、上述した通り、画像形成部21によって画像形成処理されたシートをフェイスダウンでストレート排出するか、シート反転パスP3でシートの表裏を反転してフェイスアップで排出するための排出部である。第1排出部40aは画像形成装置101の所謂胴内排出部であって、装置ハウジング1の立ち面1a、天井面1b及び載置面41で区画された空間で構成される。
【0039】
第2排出部40bは、後処理ユニット70のユニットハウジング上面のシート載置面71aを用いた排出部で、画像形成部21によって画像形成処理されたシートをフェイスアップでストレート排出するか、シート反転パスP3でシートの表裏を反転してフェイスダウンで排出する。つまり、第1排出部40aと第2排出部40bとはユーザの設定によってどちらにも排出可能にされるが、生産性を考えると、フェイスダウンの場合は第1排出部40aへ、フェイスアップの場合は第2排出部40bへ排出することが望ましい。
【0040】
また、画像形成部21による画像形成処理によってシートに付着するインクの量によって(例えば、後述の画像比率に関する情報に基づいて)第1排出部40aに排出するか第2排出部40b排出するかを振り分けることも可能である。例えば、画像比率が低い場合はシートに付着したインクを乾燥させる必要が無いので、上述の通りフェイスダウンの場合は第1排出部40aへ、フェイスアップの場合は第2排出部40bへそのまま排出する。しかし、画像比率が高い場合はシートに付着したインクを乾燥させる必要があるため、一旦シート反転パスP3にシートを搬送して排出までの時間を稼ぐことでシートを乾燥させる。シートをシート反転パスP3で搬送した後は、第1排出部40aへはフェイスアップのシートが排出され、第2排出部40bへはフェイスダウンのシートが排出される。なお、シート反転パスP3にファン等の乾燥部材を設けると、より乾燥効果を高めることができる。
【0041】
第3排出部40cは後処理ユニット70のスタックトレイ171で、後処理ユニット70で後処理されたシートが排出される。このスタックトレイ171は昇降可能に構成されており、シート積載量に応じて昇降する。また、本実施形態の後処理ユニット70はシートを幅方向にシフトさせる機構を有しているため、ステープル綴じ処理をしなくてもスタックトレイ171上でシートを幅方向にシフトさせた状態で排出させることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、画像比率に関する情報に基づいて後処理ユニット70による後述の処理が行われる。しかし、例えば、後処理ユニット70による処理に適した範囲の限度を超えた高い画像比率の画像が形成されたシート(例えば、濃い色の全面ベタ画像等が印刷されたシート)は、第1排出部40aか第2排出部40bに排出されるようにしてもよい。
【0043】
また、後処理ユニット70で後処理を行う場合は、ストレート排出に比べて生産性が落ちてしまう。よって、生産性重視のモードを実行する場合も、第1排出部40aか第2排出部40bに排出するようにしてもよい。
【0044】
[制御構成]
図3は、本実施形態の画像形成システム100の制御構成を示した図である。画像形成装置101とシート処理装置102とはそれぞれ制御CPU81,87を有しており、相互に情報をやりとりすることができる。画像形成装置101の第1制御CPU81は、画像形成制御部82と、第1駆動制御部83と、読取制御部84と、第1信号制御部85とに接続されている。読取制御部84は、画像読取ユニット30の画像読取部33が読み取った画像データを取得し、印刷データとして第1制御CPU81に送る。第1制御CPU81は読取制御部84から受け取った印刷データを画像形成制御部82に送り、画像形成制御部82は画像形成部21を制御して画像形成処理を行う。また、第1制御CPU81は第1信号制御部85に接続された各種センサからの入力情報(シート端部の検知等)に応じて第1駆動制御部83に命令を出し、シートを搬送するローラの搬送駆動モータや切換部材駆動部を制御してシートを搬送する。また、第1制御CPU81は、ユーザからの印刷モード、排出モード、後処理モード等の情報を入力する入力部86と接続されており、入力された情報に応じて各制御部を制御し、またシート処理装置102の第2制御CPU87にモード情報を送信する。
【0045】
入力部86からは「画像形成モード」及び「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードはカラー又はモノクロ印刷、両面又は片面印刷などのモード設定と、シートサイズ、シート種類(シートの坪量、材質等)、プリントアウト部数、拡大又は縮小印刷、などの画像形成条件を設定する。また「後処理モード」は、例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じ処理モード」「エコ綴じ処理モード」「ジョグ仕分けモード」などに設定する。なお、図示のシート処理装置102には「マニュアル綴じモード」が設けられ、このモードは画像形成装置101の第1制御CPU81とは別にオフラインでシート束の綴じ処理動作を実行する。
【0046】
シート処理装置102の第2制御CPU87は後処理ユニット70に設けられており、この第2制御CPU87で後処理ユニット70だけではなく中継搬送ユニット60の動作も制御する。第2制御CPU87は、第2駆動制御部88と第2信号制御部89とに接続されており、第2信号制御部89に接続された各種センサからの入力情報(シート端部の検知等)に応じて第2駆動制御部88に命令を出し、シート処理装置102の動作を制御する。第2駆動制御部88は、第2制御CPU87の命令に基づき、シートを搬送するローラを駆動する搬送駆動モータM1や、中継搬送ユニット60の経路切換部61に配置された切換部材を駆動する切換部材駆動部M2を制御してシートを搬送させる。また、第2駆動制御部88は、ステープル綴じ処理部76を駆動するステープル駆動部M3、幅整合部材79を駆動する幅整合駆動部M4、パドル75a及びローレットベルト75bを駆動する掻込み駆動部M5、束排出部材78を駆動するための排出部材駆動部M6、後述するファン91を駆動するためのファン駆動モータM7とも接続されており、これらの駆動部を制御することで後処理ユニット70に後処理動作を実行させる。
【0047】
また、第1制御CPU81は第2制御CPU87に、後処理モードと、シート枚数情報(束形成枚数)、部数情報及び画像形成するシートのサイズや厚さ等のシート種類情報などのデータを転送する。これに加えて、第1制御CPU81は画像形成処理を終了する都度、ジョブ終了信号を第2制御CPU87に転送する。また、本実施形態では、印刷情報、特にシートの画像比率に関する情報(例えば、インクの吐出量)を第1制御CPU81が第2制御CPU87に転送する。印刷情報は、シートの画像比率に関する情報の他に、画像読取ユニット30で読み取った画像情報、もしくはその画像情報から算出したインク吐出量等が含まれる。
【0048】
ここで、「画像比率(印字率)」とは、シートの画像形成可能な全領域の面積に対して画像が形成される領域の面積の比率である。例えば、シートに対して画像形成部21が画像形成可能な全領域に最大濃度の画像を形成する全面ベタ画像は、画像比率100%である。インクジェット方式の画像形成装置の場合、画像比率が高いと、そのシートに形成する画像に使用するインクの量も多くなる。なお、以下の説明において、画像比率に基づく動作の制御に用いられる画像比率に関する情報の種類は特に限定されない。画像比率に関する情報の例としては、インクジェット方式におけるインクの吐出量を積算したカウント値、電子写真方式において画素毎のドットの有無を指定する信号を積算したカウント値(ビデオカウント値)が挙げられる。
【0049】
ところで、例えば、インクジェット方式で画像形成を行うと、画像比率が高い場合はシートの剛性が低下すると共に重量が増加し、かつ、他の部材やシートなどに対する摩擦係数が増加してしまう可能性がある(画像形成後のシート重量が同じでも、画像比率の高いシートはシートに付着しているインクの量が多いため、摩擦係数が増加する。言い換えると、同じ大きさのシートでも厚紙で画像比率の低いシートと薄紙で画像比率の高いシートとがあり、画像形成後のシート重量が同じでも、薄紙で画像比率が高いシートの方が摩擦係数の増加により排出不良が発生する虞がある。)。このため、画像比率の高いシートについては、シート束を形成して処理トレイ74で後処理を施してからスタックトレイ171に排出する場合に、スタックトレイ171の上面との間、又はスタックトレイ171に既に載置されているシートとの間で大きな摩擦を発生してしまう。また、シート束の重量が大きく、かつ、剛性が低いために、シート束はスタックトレイ171において処理トレイ74のすぐ近くから接することになり、シート束の剛性が高い場合に比べてスタックトレイ171との接触面積が大きくなる。これによっても、シート束とスタックトレイ171の上面との間、又はシート束とスタックトレイ171に既に積載されているシートとの間で大きな摩擦を発生してしまう。画像比率が高いシートでは剛性が小さくなっていることから、摺動抵抗が大きいとシート束を搬送できなくなったり、シート束が上方に湾曲してしまう可能性があり、シート束の排出不良を発生する虞がある。そこで、本実施形態では、画像比率が高い場合は、送風装置90によりシート束をスタックトレイ171から浮かせることで、スタックトレイ171の上面又はスタックトレイ171に積載されているシートとの接触面積を小さくし、シート束の排出不良を抑制するようにしている。
【0050】
[送風装置]
次に、本実施形態の特徴的構成である送風手段としての送風装置90について、詳細に説明する。図2に示すように、送風装置90は、ユニットハウジング71内において、処理トレイ74とスタックトレイ171との間に配置され、ファン91と、ダクト部92と、ノズル部93と、吹出口94とを有している。送風装置90は、処理トレイ74の下流側端部及びスタックトレイ171の上流側端部の間から、搬送方向の下流側に向けて送風可能に設けられている。
【0051】
ファン91は、第2制御CPU87(図3参照)からの指令信号に基づいてファン駆動モータM7(図3参照)により駆動され、ユニットハウジング71内の例えば底部に設けられている。ファン91は、駆動により、ユニットハウジング71の底面に設けられた吸込口71bから空気を吸い込み、上方に向けて設けられたダクト部92に吹き出す。
【0052】
ダクト部92は、鉛直方向を流路として設けられ、下部にはファン91が配置され、上端部にはノズル部93が連続している。本実施形態では、ダクト部92は、下部よりも上部の方がシート搬送方向の上下流方向に関して流路を狭くして形成されている。ノズル部93は、ダクト部92の最上部から、シート搬送方向の下流側を上側にする方向に流路を傾斜して設けられている。ノズル部93は、ユニットハウジング71の処理トレイ74とスタックトレイ171との間に対向する位置で開口し、その開口は吹出口94を形成している。尚、ノズル部93の傾斜角度は適宜設定することができ、本実施形態のように排出側が上向きに傾斜する配置だけでなく、水平な配置や、排出側が下向きに傾斜する配置としてもよい。
【0053】
送風装置90の動作について、図5(a),(b)及び図6(a),(b)を用いて説明する。尚、図5(a)乃至図6(b)では、シートSを見やすくするために幅整合部材79の図示を省略している。図5(a)に示すように、シートSは、中継搬送ユニット60から後処理ユニット70に受け渡され、排出ローラ73によってシートSの先端部が処理トレイ74に達する。
【0054】
そして、図5(b)に示すように、このシートSは、処理トレイ74からスタックトレイ171に亘って載置され、パドル75a及びローレットベルト75bが作動位置に下降してシートSを搬送方向とは逆方向にシート端規制部材77に当接するまで移動させる。パドル75a及びローレットベルト75bでシートSの後端をシート端規制部材77に当接させたら、パドル75a及びローレットベルト75bを上昇して、幅整合部材79でシート幅方向の整合動作を行う。ここで、第2制御CPU87はファン91を駆動させて送風を開始する。
【0055】
その後、排出ローラ73から順次シートが排出され、図6(a)に示すように、シート端規制部材77に当接したシート束SBが形成され、ステープル綴じ処理部76がシート束SBの所定の位置を綴じる。そして、束排出部材78がシート束SBの後端部に当接して、綴じ処理後のシート束SBをスタックトレイ171に押し出す。このとき、ファン91が駆動していることで、スタックトレイ171上のシート束SBはスタックトレイ171(又は既にスタックトレイ171に載置されていたシート)の処理トレイ74に近い側において浮き上がり、シート束SBのスタックトレイ171に対する接触面積を小さくして、摺動抵抗を小さくすることができる。従って、シートを処理トレイ74からスタックトレイ171に排出する際に、摺動性が悪い場合でも排出不良を抑制し、円滑な排出を実現できる。
【0056】
そして、図6(b)に示すように、シート束SBが更に押し出され、シート束SBの搬送方向の上流端が処理トレイ74からスタックトレイ171に移動する直前に、送風装置90は送風を停止する。即ち、送風装置90は、束排出部材78により処理トレイ74からスタックトレイ171に搬送されるシートの上流端が処理トレイ74の前記下流側端部に達する前に、送風を停止する。ここで、シートの上流端が処理トレイ74の下流側端部よりも下流側に移動してからも送風装置90から送風が連続していると、シート束SBの上流端はスタックトレイ171に落下しようとしても送風により吹き上げられるため落下できない可能性がある。これに対し、本実施形態では、送風を停止しているので、シート束SBの上流端はスタックトレイ171に落下することができ、スタックトレイ171に排出される。尚、送風装置90により送風を停止するタイミングとしては、例えば、排出部材駆動部M6により束排出部材78の駆動が開始された時からタイマを使用して所定時間経過後に送風を停止したり、あるいは、シート束SBの後端部が処理トレイ74の所定位置を通過したことを検知可能なセンサを設けて、このセンサによるシート束SBの後端部の通過の検知に基づいて送風を停止するようにできる。但し、送風装置90により送風を停止するタイミングとしては、これらの例には限られないのは勿論である。
【0057】
次に、送風装置90から送風される風量について、詳細に説明する。例えば、画像比率が最高値であるシートからなるシート束に対して適正な風量を送風装置90から常に送風するようにすると、画像比率が低いシートからなるシート束に対しては過剰に大きな風量となり、シート束がスタックトレイ171上で下流側に流されてしまうなど、弊害を発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、送風装置90は、シートに形成された画像の画像比率に基づいて、第2制御CPU87が風量を変更するようにしている。例えば、画像比率の閾値を70%とした場合は、送風装置90は、画像比率が第1の値(例えば、70%未満の値)であるときはシートに送風する風量を第1の風量F1とし、画像比率が第1の値より大きい第2の値(例えば、70%以上の値)であるときはシートに送風する風量を第1の風量F1より大きい第2の風量F2とする。
【0058】
これにより、画像比率が比較的小さい第1の値であるときはシートの摩擦抵抗はそれほど大きくはないので、風量が大きすぎるとシート束SBがスタックトレイ171上で下流側に流されてしまう虞がある。そこで、この場合は、シートに送風する風量を比較的小さい第1の風量F1とし、シート束SBを吹き過ぎない程度に送風して、スタックトレイ171から適量だけ浮き上がらせる。一方、画像比率が比較的大きい第2の値であるときはシートの摩擦抵抗が大きくなるので、風量が小さすぎると浮き上がり量が足りずに摺動抵抗を十分に下げることができない。そこで、この場合は、シートに送風する風量を比較的大きい第2の風量F2とし、シート束SBに十分に送風し、スタックトレイ171から十分に浮き上がらせる。これにより、シート束の重さや摩擦抵抗に応じて適正な風量を送風することができるので、より適正に排出不良を抑制して円滑な排出を実現できる。
【0059】
尚、本実施形態では、送風装置90のダクト部92やノズル部93の形状は変わらないので、風量は風速に相関する。また、風量を変更するためにシートの搬送速度や停止している時間を変えることはしないようにする。即ち、送風時間は一定とする。従って、本実施形態では、第2制御CPU87は、ファン91のファン駆動モータM7の回転速度を変化させることのみで、風量を変化させている。
【0060】
次に、本実施形態の画像形成システム100における画像形成後に送風装置90を用いて送風処理を実行する場合の手順について、図7に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。ここでは、画像形成装置101により画像を形成した複数枚のシートを、シート処理装置102によりシート束として綴じ処理する場合について説明する。画像形成装置101での画像形成後に、画像の形成されたシートが1枚ずつ中継搬送ユニット60から後処理ユニット70に受け渡され(ステップS1)、排出ローラ73によってシートSの先端部が処理トレイ74に達する(図5(a)参照)。シート処理装置102の第2制御CPU87は、画像形成装置101から送られてきたシートの画像比率を取得する(ステップS2)。
【0061】
第2制御CPU87は、画像比率が70%未満であるか否かを判断する(ステップS3)。第2制御CPU87は、画像比率が70%未満であると判断した場合は(ステップS3のYES)、画像比率は小さいと判断し、送風装置90からの風量を第1の風量F1として送風する(ステップS4)。即ち、スタックトレイ171上のシート束SBを下流側に吹き過ぎないように、小さい風量で送風する。そして、第2制御CPU87は、シートをパドル75a及びローレットベルト75bによりシート端規制部材77まで移動させ、次のシートを画像形成装置101から受け渡される(ステップS5)。第2制御CPU87は、受け渡されたシートがシート束を形成する最終シートであるか否かを判断する(ステップS6)。第2制御CPU87は、受け渡されたシートがシート束を形成する最終シートでないと判断した場合は(ステップS6のNO)、第1の風量F1での送風を続行しつつ(ステップS4)、更に次のシートを画像形成装置101から受け渡される(ステップS5)。
【0062】
第2制御CPU87は、受け渡されたシートがシート束を形成する最終シートであると判断した場合は(ステップS6のYES)、ステープル綴じ処理部76により綴じ処理を実行する(ステップS7)。そして、第2制御CPU87は、束排出部材78を駆動して綴じ処理後のシート束を処理トレイ74からスタックトレイ171に向けて排出し(ステップS8)、シート束SBの搬送方向の上流端が処理トレイ74からスタックトレイ171に移動する直前に送風装置90からの送風を停止する(ステップS9)。
【0063】
一方、第2制御CPU87は、画像比率が70%未満でないと判断した場合は(ステップS3のNO)、画像比率は大きいと判断し、送風装置90からの風量を第2の風量F2として送風する(ステップS10)。即ち、スタックトレイ171上のシート束SBを十分に浮き上がらせるように、大きい風量で送風する。そして、第2制御CPU87は、シートをパドル75a及びローレットベルト75bによりシート端規制部材77まで移動させ、次のシートを画像形成装置101から受け渡される(ステップS11)。第2制御CPU87は、受け渡されたシートがシート束を形成する最終シートであるか否かを判断する(ステップS12)。第2制御CPU87は、受け渡されたシートがシート束を形成する最終シートでないと判断した場合は(ステップS12のNO)、第2の風量F2での送風を続行しつつ(ステップS10)、更に次のシートを画像形成装置101から受け渡される(ステップS11)。また、第2制御CPU87は、受け渡されたシートがシート束を形成する最終シートであると判断した場合は(ステップS12のYES)、上述と同様に、綴じ処理以降の処理を実行する(ステップS7~S9)。
【0064】
上述したように本実施形態のシート処理装置102によれば、綴じ処理後のシート束SBをスタックトレイ171に押し出すときに、ファン91が駆動しているので、スタックトレイ171上のシート束SBはスタックトレイ171(又は既にスタックトレイ171に載置されていたシート)の処理トレイ74に近い側において浮き上がり、シート束SBのスタックトレイ171に対する接触面積を小さくして、摺動抵抗を小さくすることができる。従って、シートを処理トレイ74からスタックトレイ171に排出する際に、摺動性が悪い場合でも排出不良を抑制して、円滑な排出を実現できる。
【0065】
また、本実施形態のシート処理装置102によれば、送風装置90は、画像比率が第1の値(例えば、70%未満の値)であるときはシートに送風する風量を第1の風量F1(風量0を含む)とし、画像比率が第1の値より大きい第2の値(例えば、70%以上の値)であるときはシートに送風する風量を第1の風量F1より大きい第2の風量F2とする。これにより、シート束の重さや摩擦抵抗に応じて適正な風量を送風することができるので、より適正に排出不良を抑制できる。即ち、シートを処理トレイ74からスタックトレイ171に排出する際にシートに形成された画像の画像比率によって摩擦係数が異なる場合でも、シートの画像比率に応じて排出不良を適正に抑制できる。
【0066】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態を、図8を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、送風装置90のノズル部93に、送風装置90からの送風方向を変更可能な風向変更手段としての風向変更部95を有する点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0067】
風向変更部95は、フィン96と、フィン96を回転させるための回転軸97と、回転軸97を回転させる不図示の駆動モータを有している。回転軸97は、ノズル部93の略中央部において、搬送方向に直交する幅方向を長手方向として回転可能に設けられている。フィン96は、搬送方向に直交する幅方向を長手方向とする板状で、回転軸97の回転により向きを変えることで、ノズル部93内を流通する空気の流路を上下方向に変更可能に設けられている。駆動モータは、第2制御CPU87により駆動される。
【0068】
本実施形態では、風向変更部95は、シート処理装置102に受け渡されたシートに形成される画像の画像比率が第1の値であるときは、送風装置90によるシートへの送風方向を水平方向に対して第1の角度θ1で傾斜した方向とする(図8中、実線矢印)。また、風向変更部95は、シート処理装置102に受け渡されたシートに形成される画像の画像比率が第1の値より大きい第2の値であるときは、送風装置90によるシートへの送風方向を水平方向に対して第1の角度θ1より大きい第2の角度θ2で傾斜した方向とする(図8中、想像線矢印)。
【0069】
これにより、画像比率が比較的小さい第1の値であるときはシートの摩擦抵抗はそれほど大きくはないので、送風方向の傾斜角度が大きすぎるとシート束SBがスタックトレイ171から浮き上がり過ぎて下流側に流されてしまう虞がある。そこで、この場合は、シートに送風する送風方向の傾斜角度を比較的小さい第1の角度θ1とし、シート束SBを浮き上がり過ぎない程度に送風して、スタックトレイ171から適量だけ浮き上がらせる。一方、画像比率が比較的大きい第2の値であるときはシートの摩擦抵抗が大きくなるので、送風方向の傾斜角度が小さすぎると浮き上がり量が足りずに摺動抵抗を十分に下げることができない。そこで、この場合は、シートに送風する送風方向の傾斜角度を比較的大きい第2の角度θ2とし、シート束SBに十分に送風し、スタックトレイ171から十分に浮き上がらせる。これにより、シート束の重さや摩擦抵抗に応じて適正な送風方向で送風することができるので、より適正に排出不良を抑制して円滑な排出を実現できる。
【0070】
上述したように本実施形態のシート処理装置102によれば、風向変更部95は、シート処理装置102に受け渡されたシートに形成される画像の画像比率が第1の値であるときは、送風装置90によるシートへの送風方向を水平方向に対して第1の角度θ1で傾斜した方向とし(図8中、実線矢印)、シート処理装置102に受け渡されたシートに形成される画像の画像比率が第1の値より大きい第2の値であるときは、送風装置90によるシートへの送風方向を水平方向に対して第1の角度θ1より大きい第2の角度θ2で傾斜した方向とする(図8中、想像線矢印)。これにより、シート束の重さや摩擦抵抗に応じて適正な送風方向で送風することができるので、より適正に排出不良を抑制できる。即ち、シートを処理トレイ74からスタックトレイ171に排出する際にシートに形成された画像の画像比率によって摩擦係数が異なる場合でも、シートの画像比率に応じて排出不良を適正に抑制できる。
【0071】
<他の実施形態>
尚、上述した各実施形態におけるシート処理装置102では、シート束SBの搬送方向の上流端が処理トレイ74からスタックトレイ171に移動する直前に、送風装置90からの送風を停止する場合について説明したが、送風を停止することには限られない。例えば、シート束SBの搬送方向の上流端が処理トレイ74からスタックトレイ171に移動する直前に、送風を停止せずに、送風する風量をそれまでの風量よりも小さい風量にするようにしてもよい。
【0072】
また、上述した各実施形態におけるシート処理装置102では、画像比率は、画像形成装置101の第1制御CPU81からシート処理装置102の第2制御CPU87に送信される場合について説明したが、これには限られない。例えば、画像形成装置101又はシート処理装置102において、画像形成後のシートの画像を読み取るCISなどの画像センサを設け、この画像センサで読み取った値に基づいて画像比率を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、第1制御CPU81が画像比率に関する情報を持っていない場合でも画像比率を取得することができ、あるいは、実際に形成された画像に基づいた画像比率を取得することができる。この画像センサは、シート処理装置102の搬送パスP5上(シート供給口72と排出ローラ73との間)に設けられており、搬送パスP5を搬送されるシートの画像を読み取る。
【0073】
また、上述した各実施形態におけるシート処理装置102では、画像比率の閾値として70%を適用し、画像比率が70%未満であるか否かに基づいて風量を異ならせる場合について説明したが、これには限られない。例えば、閾値は70%に限られず、例えば60%から80%の間の適宜な値であってもよい。あるいは、閾値は1つには限られず、例えば閾値を大小2つ設け、画像比率が、小さい閾値より小さい場合、2つの閾値の間である場合、大きい閾値より大きい場合のように3段階に分けて、それぞれ異なる風量を設定するようにしてもよい。段階数は、4段階以上であってもよく、あるいは無段階に線形的に変化するものとしてもよい。また、上述した各実施形態におけるシート処理装置102では、画像比率が70%未満である場合には小さい第1の風量F1で送風する場合について説明したが、これには限られない。例えば、画像比率が70%未満である場合には送風を停止してもよい。
【0074】
なお、上記実施形態において第2制御CPU87が実行する処理の一部を、画像形成装置101の第1制御CPU81等、第1積載部が搭載された筐体とは別の筐体に搭載されたプロセッサが担うようにしてもよい。特に、画像形成装置101の第1制御CPU81が、画像比率に関する情報に基づいて送風装置90から送風する風量を算出し、その結果を第2制御CPU87に送信し、画像比率に関する情報そのものは第2制御CPU87に送らない形態であってもよい。そのような形態における「シート積載装置」とは、シートを積載するための機械的構成(処理トレイ74、スタックトレイ171等)を備えた装置本体と、この装置本体に電気的に接続され、装置本体を作動させるための制御回路を構成する要素(プロセッサ、記憶装置等)とを備えたものを指す。
【0075】
尚、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0076】
また、スタックトレイ171に排出されるシートが片面印刷か両面印刷かによって送風装置90からの風量を変更してもよい。その場合、同じ画像比率でも片面印刷よりも両面印刷の時の方が送風装置90からの風量を大きくすることが望ましい。また、片面印刷の場合でもスタックトレイ上のシートがフェイスアップで、これから排出するシートがフェイスダウンで排出される場合は、印刷面同士が接触するため、同じ画像比率でも、フェイスダウンやフェイスアップが続く場合に比べて送風装置90の風量を大きくすることが望ましい。
【符号の説明】
【0077】
21…画像形成部、70…後処理ユニット(シート積載装置)、73…排出ローラ(排出手段)、74…処理トレイ(第1積載部)、76…ステープル綴じ処理部(処理手段)、78…束排出部材(搬送手段)、79…幅整合部材(整合部材)、90…送風装置(送風手段)、95…風向変更部(風向変更手段)、100…画像形成システム、101…画像形成装置、171…スタックトレイ(第2積載部)、S…シート。
図1
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図8