(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
G03G21/16 119
G03G21/16 142
(21)【出願番号】P 2019234671
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】橋本 佳典
(72)【発明者】
【氏名】宮川 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】吉村 明
(72)【発明者】
【氏名】藤中 宏美
(72)【発明者】
【氏名】松岡 功
(72)【発明者】
【氏名】帆足 滋
(72)【発明者】
【氏名】来摩 智哉
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-347724(JP,A)
【文献】特開2014-174254(JP,A)
【文献】特開2016-112698(JP,A)
【文献】特開2014-106485(JP,A)
【文献】特開2008-310232(JP,A)
【文献】特開平07-271264(JP,A)
【文献】特開2010-204354(JP,A)
【文献】特開2014-109587(JP,A)
【文献】特開2006-047717(JP,A)
【文献】特開2018-136365(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0059589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムへ光を照射し、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光ユニットと、
前記静電潜像を現像し、前記感光ドラムに現像剤像を形成する現像部材と、
前記現像剤像を前記感光ドラムから記録材に転写する転写部材と、
前記露光ユニットを支持するスキャナフレームと、
前記転写部材を支持する転写フレームと、
を備える画像形成装置であって、
前記感光ドラムを備えたカートリッジと、
前記カートリッジの第一挿抜ガイドを有し、前記感光ドラムの軸線方向において、前記カートリッジの一方の端部を支持する第一側板と、
前記カートリッジの第二挿抜ガイドを有し、前記軸線方向において、前記カートリッジの他方の端部を支持する第二側板と、
を有し、
前記スキャナフレームは、前記転写フレームを支持する第一面と、前記第一面と交差する方向へ延びる第二面と、
前記第二面の他端に繋がった支持部と、を有し、
前記第二面には開口が形成されており、前記露光ユニットの一部は前記開口から突出
し、
前記第一側板は前記スキャナフレームの一端に、前記第二側板は前記スキャナフレームの他端に固定されており、
前記第一面の他端と、前記第二面の他端と、に接続されたスキャナ補強板を有し、
前記スキャナ補強板は、前記支持部に固定される第一固定部と、前記第一固定部に一端が繋がる斜面部と、前記斜面部の他端に繋がる第二固定部と、を有し、前記スキャナ補強板の前記第一固定部を前記スキャナフレームの前記支持部に固定し、前記スキャナ補強板の前記第二固定部を前記スキャナフレームの前記第一面に締結することにより、前記スキャナフレームに固定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記露光ユニットが光を照射する方向は、前記第一面と交差することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第一側板及び前記第二側板は、それぞれ第一ボスを有し、前記スキャナフレームの前記第一面に設けられた第一穴にそれぞれ前記第一ボスを挿し込むことにより位置決めされることを特徴とする請求項
1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第一側板の前記第一挿抜ガイドと、前記第二側板の前記第二挿抜ガイドと、で挿入がガイドされた前記カートリッジは、前記転写フレームに突き当たり、位置が決められることを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第一面は、前記第一側板、前記第二側板を支持し、
前記第二面は、前記露光ユニットを支持することを特徴とする請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スキャナ補強板は、前記軸線方向の一方は前記第一側板に固定され、前記軸線方向の他方は前記第二側板に固定されていることを特徴とする請求項
1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記スキャナ補強板は、前記露光ユニットから出射された光を前記感光ドラムに照射可能とする開口を有し、
前記露光ユニットは、前記開口に支持されていることを特徴とする請求項
1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記スキャナフレームは、前記軸線方向において、一方の端部から一方へ突出する第一突出部と、他方の端部から他方へ突出する第二突出部と、を有し、
前記第一突出部は、前記第一側板に設けられた穴に挿入され、前記スキャナフレームに対して前記第一側板が位置決めされ、
前記第二突出部は、前記第二側板に設けられた穴に挿入され、前記スキャナフレームに対して前記第二側板が位置決めされることを特徴とする請求項
1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第一面は前記第一面から上方へ突出した突出部を有し、
前記露光ユニットは、前記突出部に支持されることを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成プロセスを用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機等の画像形成装置において、関係する複数の構成部品をモジュール化し、製品の仕様に応じて、モジュールを任意に組み合わせてフレキシブルな製品構成を可能とした画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような画像形成装置では、製品の印刷速度等の仕様に応じた複数の機能部品をモジュールとして用意し、画像形成装置の装置フレームに対して、同一インタフェースで自在に装着可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、装置フレームに対してモジュール(機能部品)を装着した構成においては、構成部品同士は装置フレームを介して装着されるため、構成部品間の位置精度が低下することがある。例えば、2つのモジュールのそれぞれがローラを有する場合、2つのローラ間に介在する部品が増えることによりローラ間の位置ずれにつながり、2つのローラ間のアライメントが崩れることがある。これにより、記録材の搬送性能や印刷精度が低下するおそれが生じる。
【0005】
また、従来の装置フレーム構成においては、装置フレームは、画像形成装置本体サイズと同等の大きさを有し、これにより画像形成装置本体の剛性を保っている。そのため、画像形成装置本体の剛性を確保するためには、装置フレーム全体の強度を上げる必要がある。すなわち、画像形成装置が設置された際に画像形成装置本体が捻じれた状態となり、画像形成部が変形して印刷精度が低下しないようにするには、コストをかけて装置フレーム全体の剛性を確保する必要がある。このように、モジュールを組み合わせて構成する画像形成装置では、モジュール間のより高精度な位置精度を確保しつつ、低コストで本体剛性を確保することが望まれている。
【0006】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、画像形成モジュールにおける位置ずれの発生を防止し、剛性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
【0008】
(1)感光ドラムと、前記感光ドラムへ光を照射し、前記感光ドラムに静電潜像を形成する露光ユニットと、前記静電潜像を現像し、前記感光ドラムに現像剤像を形成する現像部材と、前記現像剤像を前記感光ドラムから記録材に転写する転写部材と、前記露光ユニットを支持するスキャナフレームと、前記転写部材を支持する転写フレームと、を備える画像形成装置であって、前記感光ドラムを備えたカートリッジと、前記カートリッジの第一挿抜ガイドを有し、前記感光ドラムの軸線方向において、前記カートリッジの一方の端部を支持する第一側板と、前記カートリッジの第二挿抜ガイドを有し、前記軸線方向において、前記カートリッジの他方の端部を支持する第二側板と、を有し、前記スキャナフレームは、前記転写フレームを支持する第一面と、前記第一面と交差する方向へ延びる第二面と、前記第二面の他端に繋がった支持部と、を有し、前記第二面には開口が形成されており、前記露光ユニットの一部は前記開口から突出し、前記第一側板は前記スキャナフレームの一端に、前記第二側板は前記スキャナフレームの他端に固定されており、前記第一面の他端と、前記第二面の他端と、に接続されたスキャナ補強板を有し、前記スキャナ補強板は、前記支持部に固定される第一固定部と、前記第一固定部に一端が繋がる斜面部と、前記斜面部の他端に繋がる第二固定部と、を有し、前記スキャナ補強板の前記第一固定部を前記スキャナフレームの前記支持部に固定し、前記スキャナ補強板の前記第二固定部を前記スキャナフレームの前記第一面に締結することにより、前記スキャナフレームに固定されることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成モジュールにおける位置ずれの発生を防止し、剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施例1に係る画像形成装置を機能モジュールに分割した断面図
【
図3】実施例1に係る画像形成装置を機能モジュールに分割した斜視図
【
図4】実施例1に係る画像形成モジュールの構成を示す図
【
図6】実施例1に係る画像形成モジュールの部品組付け構成を示す図
【
図7】実施例1に係る画像形成モジュールと給紙モジュールの斜視図
【
図8】実施例1に係る画像形成モジュールと定着モジュールの斜視図
【
図9】実施例1の変形例1に係る画像形成モジュールの構成を示す図
【
図10】実施例1の変形例2に係る画像形成モジュールの構成を示す図
【
図11】実施例1の変形例3に係る画像形成モジュールの構成を示す図
【
図12】実施例1の変形例3に係る画像形成モジュールの斜視図
【
図13】実施例1の変形例4に係る画像形成モジュールの構成を示す斜視図
【
図14】実施例1の変形例4の一形態に係る画像形成モジュールの斜視図
【
図15】実施例1の変形例4の一形態に係る画像形成モジュールの構成を示す図
【
図16】実施例2に係る画像形成モジュールの構成を示す斜視図
【
図17】実施例2の変形例に係る画像形成モジュールの構成を示す斜視図
【
図18】実施例3に係る画像形成モジュールの構成を示す図
【
図19】実施例3に係る画像形成モジュールの部品組付け構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[画像形成装置の構成]
図1は、画像形成装置100の構成を示す概略断面図である。先ず、画像形成装置100の構成及び画像形成動作について説明する。画像形成装置100は、記録材(記録紙)であるシートSを給送する給送部と、シートS上にトナー像(現像剤像)を形成するプロセスカートリッジ(以下、カートリッジ)102等からなる画像形成部と、シートS上のトナー像を定着する定着器と、を有する。
【0013】
カートリッジ102は、回転自在とされた像担持体である感光ドラム101、感光ドラム101を帯電する帯電ローラ103、感光ドラム101上に形成された静電潜像をトナー(現像剤)で現像する現像ローラ105を有している。感光ドラム101は、駆動モータ(不図示)及び駆動伝達部(不図示)により、感光ドラム101の回転軸の一方の端部から駆動伝達され、図中矢印方向(時計回り方向)に回転駆動される。
【0014】
感光ドラム101は、表面に有機光導電体層を塗布されており、帯電ローラ103に帯電バイアスを印加することにより、感光ドラム101の表面が一様な電位に帯電される。表面が一様な電位に帯電された感光ドラム101は、露光手段である露光ユニット50で画像情報に応じたレーザ光104が照射される。レーザ光104は、感光ドラム101上を走査し、感光ドラム101上に静電潜像を形成する。そして、感光ドラム101上に形成された静電潜像は、現像ローラ105によってトナーで現像され、トナー像として可視化される。
【0015】
一方、給送部は、給送ローラ121、分離ローラ122、給送トレイ123等で構成され、給送トレイ123には記録材であるシートSが積載されている。シートSは、駆動モータ(不図示)及び駆動伝達部(不図示)により駆動される給送ローラ121により給送されると共に、分離ローラ122の摩擦力により1枚のシートSのみが搬送ローラ対131によって給送される。そして、シートSは、搬送ローラ対131によって、感光ドラム101と転写ローラ(転写部材)132とが当接する転写ニップ部へと搬送される。転写ニップ部では、転写ローラ132に所定の転写バイアスが印加されることにより、感光ドラム101上に形成されたトナー像がシートSに転写される。
【0016】
トナー像が転写されたシートSは、その後、未定着のトナー像をシートSに定着させる定着処理を行うため、定着器へと搬送される。定着器では、シートSは、定着ローラ対133(加圧ローラと可撓性スリーブ)によって挟持搬送され、加熱・加圧処理により、トナー像がシートS上に溶融固着される。定着ローラ対133により搬送されたシートSは、排出ローラ対134へと搬送され、排出トレイ150上に排出され、積載されることで画像形成が終了する。なお、シートSに両面印刷を行う場合には、定着器により片面にトナー像が定着されたシートSは、もう一方の片面に印刷を行うため、排出ローラ対134によって、両面搬送ローラ135が設けられた両面搬送路へと搬送される。両面搬送路に搬送されたシートSは、両面搬送ローラ135により、再度、転写ニップ部に搬送されて、もう一方の面に感光ドラム101上に形成されたトナー像が転写される。そして、シートSは、再度、定着器に搬送されて、未定着のトナー像が加熱・加圧処理によりシートSに定着された後、排出ローラ対134へと搬送され、排出トレイ150上に排出され、積載されることで画像形成が終了する。
【実施例1】
【0017】
[モジュール積層フレーム]
次に、本実施例のモジュール積層フレームについて、図を用いて説明する。
図1に示す画像形成装置100は、機能別に構成されたモジュールを組み合わせて装着することにより、画像形成装置100が構成されている。
図2は、
図1に示す画像形成装置100が備えた機能モジュール各々の断面図である。
図3は、
図1に示す画像形成装置100のうち、両面搬送モジュール75を除いた各機能モジュールを示した斜視図である。なお以下の説明では、画像形成装置100における排出ローラ対134からのシートSの排出方向において、上流側を「後」、下流側を「前」としている。また画像形成装置100を「前」から「後」へ見たとき、感光ドラム101の軸線方向において、右側を「右」、左側を「左」とし、鉛直上方を「上」、鉛直下方を「下」としている。
図2、
図3に示すように、
図1に示す画像形成装置100は、大きく6つの機能モジュール、つまり画像形成モジュール10、給紙モジュール60、定着モジュール70、両面搬送モジュール75、駆動モジュール80、電装モジュール90から構成されている。
【0018】
画像形成モジュール10は、シートSへの画像形成を行うカートリッジ102、露光ユニット50、スキャナフレーム11、スキャナ補強板12、右側板20、左側板30、図示しない転写部材132を支持する転写フレーム40等で構成されている。画像形成モジュール10の詳細については後述する。給紙モジュール60は、画像形成モジュール10にシートSを給送する給送ローラ121、分離ローラ122、給送トレイ123等で構成されている。定着モジュール70は、シートSにトナー像を定着させ、トナー像が定着したシートSを搬送する定着ローラ対133、排出ローラ対134等から構成されている。両面搬送モジュール75は、排出ローラ対134により搬送されたシートSを画像形成モジュール10へと搬送する両面搬送ローラ135、両面搬送路等から構成されている。駆動モジュール80は、上述した感光ドラム101や給送ローラ121等を駆動する駆動モータ(不図示)及び駆動伝達部(不図示)等で構成されている。電装モジュール90は、画像形成装置100を制御する制御部(不図示)や電源装置(不図示)等で構成されている。
【0019】
本実施例の画像形成装置100は、必要な機能モジュールを装着し、積み重ねたモジュール積層フレームにより構成されている。このようなモジュール積層フレームにおいては、上述した機能モジュールを複数用意し、製品の仕様に応じて必要な機能モジュールを装着することにより、多様な製品ラインナップに対応することができる。
【0020】
[画像形成モジュールの構成]
続いて、本実施例の画像形成モジュール10について、
図4~
図6を用いて説明する。ここで、
図4は、本実施例の画像形成モジュール10の図であり、(a)は左上方向から見たときの斜視図、(b)は、右上方向から見たときの斜視図、そして(c)は断面図である。
図5は、画像形成モジュール10を構成する部品を示す分解図であり、
図6は、画像形成モジュール10の構成部品の取付けを説明する拡大図である。
図4~
図6に示すように、本実施例の画像形成モジュール10は、露光ユニット50、スキャナフレーム11、スキャナ補強板12、右側板20、左側板30、転写フレーム40で構成されている。
【0021】
図5に示すようにスキャナフレーム11は、画像形成モジュール10を構成する複数の部品が設置される第一面11sと、第一面11sに一端が繋った、第一面11sと交差する第二面11eと、第二面11eの他端に繋がった支持部11tと、を有する。本実施例では、第一面11sを水平方向に延びる面とし、第二面11eを第一面11sと直交する鉛直方向に延びる面とし、支持部11tを第二面11eと交差し、スキャナ補強板12から離れる方向へ延びた面とした。一方、スキャナ補強板12は、スキャナフレーム11の支持部11tと重なるように配置されている。スキャナ補強板12は、支持部11tに固定される第一固定部12t、カートリッジ102の挿抜方向に延びた斜面部12g、スキャナフレーム11の第一面11sに固定される第二固定部12sを有する。スキャナ補強板12は、スキャナフレーム11の第一面11sに一端、またスキャナフレーム11の第二面11e(支持部11t)に他端、がそれぞれ接続され、スキャナフレーム11とスキャナ補強板12とで断面三角形の構造体が形成される。なお、ここでは支持部11tがスキャナフレーム11の第二面11eにスキャナ補強板12を接続可能とするための部分であることから、支持部11tを第二面11eの一部として、スキャナ補強板12は第二面11eに他端が接続されるとして説明を行っている。スキャナフレーム11とスキャナ補強板12は、支持部11tと第一固定部12tが、また第一面11sと第二固定部12sが図示しないねじで固定されている。なお、この固定はねじによるものに限らず、加締めや接着剤を用いた固定であってもよい。
【0022】
露光ユニット50は、スキャナフレーム11とスキャナ補強板12で囲われた空間に少なくとも一部が進入した状態で固定されている。このとき、露光ユニット50から出射されるレーザ光は、スキャナ補強板12の斜面部12gに設けられた開口部12hを介して感光ドラム101に照射可能とされている。また本実施例では、第二面11eに貫通穴11e1が設けられており、露光ユニット50の一部が第二面11eの貫通穴11e1から画像形成モジュール10の前側に突出するように構成されている。
【0023】
ここで露光ユニット50は、2つのスキャナステイ50aを介してスキャナフレーム11の第一面11sに固定されている。スキャナステイ50aには位置決め部であるボス50b(
図4(c))が設けられており、スキャナフレーム11の第一面11sに設けられた穴に挿入された状態でスキャナステイ50aは第一面11sに固定されている。これにより露光ユニット50は、第一面11sひいてはスキャナフレーム11に対して位置決めされ、所定の配置とすることができる。
【0024】
また右側板20(第一側板)と左側板30(第二側板)は、スキャナフレーム11の第一面11sに固定され、それぞれ画像形成モジュール10の右側面、左側面を構成する。そして右側板20と左側板30は、それぞれ画像形成モジュール10に着脱可能なカートリッジ102の着脱を行う際にカートリッジ102をガイドする挿抜ガイド部20g、挿抜ガイド部30gを有している。つまり、画像形成モジュール10のカートリッジ102は、右側板20の挿抜ガイド部20gと左側板30の挿抜ガイド部30gで感光ドラム101の両端(一方の端部と他方の端部)がガイドされるようにして画像形成装置100に対して着脱可能とされている。
【0025】
図6は、画像形成モジュール10の構成部品の取付けを説明する図である。
図6の左側の図は、
図4(a)、
図4(b)に示す画像形成モジュール10を右下方向から見たときの斜視図であり、右側の図は、左側の円で囲まれた部分を拡大した斜視図である。右側板20はボス20a、20bを有している。スキャナフレーム11の第一面11sに右側板20を鉛直上方に重畳させ、第一面11sに設けられたボス穴11a、11bに右側板20のボス20a、20bを挿し込むことで、スキャナフレーム11に対する右側板20の位置決めを行う(
図6)。この状態でスキャナフレーム11の第一面11sに設けられた取付穴11hを介して右側板20の取付穴(不図示)にねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム11の第一面11sに右側板20が固定(ねじ締結)されている。また左側板30についても、右側板20と同様にボス30a、30bを有している。スキャナフレーム11の第一面11sに左側板30を鉛直上方に重畳させ、第一面11sに設けられたボス穴にボス30a、30bを挿し込むことで、スキャナフレーム11に対する左側板30の位置決めを行う。この状態でスキャナフレーム11の第一面11sに設けられた取付穴を介して左側板30の取付穴(不図示)にねじ(ビス)が取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム11の第一面11sに左側板30が固定(ねじ締結)されている。
【0026】
さらに右側板20は取付穴20c、20dを有し、左側板30は取付穴30c、30dを有している。一方、スキャナ補強板12は、右側板20に固定するための取付穴12c、12dが設けられた右側面部12a(第一締結面)と、左側板30に固定するための取付穴12e、12fが設けられた左側面部12b(第二締結面)を有している。
【0027】
右側板20は、右側板20に設けられた取付穴20c、20dを介してスキャナ補強板12の右側面部12aの取付穴12c、12dにねじが取り付けられる。このようにして、スキャナ補強板12に右側板20が固定(ねじ締結)されている。同様に左側板30は、左側板30に設けられた取付穴30c、30dを介してスキャナ補強板12の左側面部12bの取付穴12e、12fにねじが取り付けられる。このようにして、スキャナ補強板12に左側面部12bが固定(ねじ締結)されている。
【0028】
なお本実施例の右側板20、左側板30は樹脂製である。右側板20、左側板30を樹脂で成型することにより、カートリッジ102の挿抜ガイド部20g、30gや、駆動モジュール80、電装モジュール90等の必要な機能モジュールの取付部などの複雑な形状を容易に形成することができる。
【0029】
また転写フレーム40は、スキャナフレーム11の第一面11sに対して鉛直上方に配置され、第一面11sに設けられた取付穴11iを介して転写フレーム40の取付穴(不図示)にねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム11に転写フレーム40が固定(ねじ締結)される。更に転写フレーム40は、右側板20、左側板30の取付穴(不図示)を介して、転写フレーム40に設けられた取付穴にねじが取り付けられる。このようにして、転写フレーム40に右側板20及び左側板30が固定(ねじ締結)される。転写フレーム40はV字形状の位置決め部40c(
図4(b))を備え、カートリッジ102が画像形成装置100に装着された際には位置決め部40cに感光ドラム101の両端が当接し、感光ドラム101ひいてはカートリッジ102が位置決めされる。この他、本実施例では転写フレーム40は、樹脂で構成され、シートSの搬送方向において、感光ドラム101の上流側、及び下流側の用紙搬送ガイドを有している。
【0030】
そしてスキャナフレーム11に固定された転写フレーム40には、転写フレーム40の下方に給紙モジュール60が固定されている。
図7は、画像形成モジュール10を構成する転写フレーム40への給紙モジュール60の装着を説明する斜視図である。
図7(a)は、転写フレーム40に給紙モジュール60を装着した状態を左上方向から見たときの斜視図である。
図7(b)は、給紙モジュール60の転写フレーム40への装着を説明する分解斜視図である。給紙モジュール60は、転写フレーム40に設けたボス穴40aに給紙モジュール60のボス60aを挿し込むことにより転写フレーム40に対して位置決めされた状態で、図示しないねじで転写フレーム40に固定(ねじ締結)されている。
【0031】
さらにスキャナフレーム11に固定された転写フレーム40には、転写フレーム40の上方に定着モジュール70が固定されている。
図8は、画像形成モジュール10を構成する転写フレーム40への定着モジュール70の装着を説明する斜視図である。
図8(a)は、転写フレーム40に定着モジュール70を装着した状態を右上方向から見たときの斜視図である。
図8(b)は、定着モジュール70の転写フレーム40への装着を説明する分解斜視図である。定着モジュール70は、転写フレーム40に設けたボス40bを定着モジュール70のボス穴70aに挿し込むことにより転写フレーム40に対して位置決めされた状態で、図示しないねじで転写フレーム40に固定(ねじ締結)されている。
【0032】
以上のように画像形成モジュール10は、スキャナフレーム11にスキャナ補強板12、露光ユニット50、右側板20、左側板30、転写フレーム40を固定し、転写フレーム40に給紙モジュール60及び定着モジュール70を固定した構成としている。より詳細には、スキャナフレーム11の第一面11sに対して鉛直上方から、露光ユニット50、スキャナ補強板12、右側板20、左側板30、転写フレーム40を載せるように設置している。したがって、画像形成モジュール10を構成する各部品は、設置される第一面11sを基準面として画像形成モジュール10本体の高さ方向(鉛直方向)の位置決めを行うことができる。
【0033】
また本実施例では、右側板20、左側板30、転写フレーム40、スキャナ補強板12、露光ユニット50を、画像形成モジュール10の基準面を構成する1つの部品であるスキャナフレーム11上に設置する。これにより、各構成部品の位置ずれを最小限に抑えることができる外、スキャナフレーム11ひいては露光ユニット50を備えた画像形成モジュール10を基準として各部品が組付けられた構成とすることができる。この結果、露光ユニット50から出射されるレーザ光の感光ドラム101上のレーザ照射位置のずれを最小限に抑え、印刷精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0034】
さらに露光ユニット50を保持するスキャナフレーム11は、スキャナ補強板12が組み合わせられ、外力によって変形し難い構成とすべく堅牢な構成とされている。このスキャナ補強板12とで堅牢な構成とされたスキャナフレーム11に、右側板20、左側板30、転写フレーム40を固定することで、変形することで画像形成に不具合が生じる箇所のみを補強することができる。これにより、フレームの捻じれや歪みによる露光ユニット50から出射されるレーザ光のレーザ照射位置のずれを低コストで最小限に抑え、印刷精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0035】
また給紙モジュール60及び定着モジュール70を転写フレーム40に位置決めして固定した構成としつつ、転写フレーム40の位置決め部40cで感光ドラム101ひいてはカートリッジ102が位置決めされた構成としている。これにより、感光ドラム101に対するシートSの搬送方向の上流側、下流側のローラの位置ずれを最小限に抑えて安定した用紙搬送を実現することができ、印字精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0036】
以上説明したように、本実施例によれば、画像形成モジュールにおける位置ずれの発生を防止し、剛性を確保することができる。
【0037】
なお本実施例では、1つの部品で構成されたスキャナフレーム11を用いたが、これに限らない。例えば
図9に示すように2つの部品で構成した変形例に係る構成としてもよい。この場合、画像形成モジュール10の各部品の設置面を構成する第一面11sに対応する第一部材11Sと、画像形成モジュール10の前面に配置される第二面11eに対応する第二部材11Eと、を有する構成としている。本変形例では第一部材11Sは、第一面11sに対して交差する方向に曲げられ、複数の取付穴を有する固定面11s1を有する。一方で第二部材11Eは、第二面11eと、第二面11eの他端に繋がった支持部11tと、を有する。そして固定面11s1の取付穴を介して第二部材11Eの第二面11eの一端に図示しないねじが取り付けられる。このようにして、第一部材11Sと第二部材11Eが固定(ねじ締結)された構成としている。このようにして第一部材11Sと第二部材11Eとで実施例1のスキャナフレーム11に対応する構成を形成したものとしてもよい。
【0038】
また実施例1では、露光ユニット50は、2つのスキャナステイ50aを介してスキャナフレーム11の第一面11sに固定されている。しかしながら、これに限らず、
図10に示す変形例2のように露光ユニット51をスキャナフレーム11の第一面11sに直接固定した構成としてもよい。本変形例について、
図10を用いて説明する。
図10(a)は本実施例の画像形成モジュール10を左上方向から見たときの斜視図であり、
図10(b)は画像形成モジュール10の断面図であり、
図10(c)は画像形成モジュール10を構成する部品を左上方向から見たときの分解斜視図である。本変形例では露光ユニット51は、露光ユニット51の筐体の右側板20、左側板30に対向する側面部が鉛直下方に突出した取付部51aを有している。更に取付部51aにボス51bが設けられ、スキャナフレーム11の第一面11sに設けられた穴にボス51bが挿入された状態で露光ユニット51が第一面11sに固定される。このようにして露光ユニット50は、第一面11sひいてはスキャナフレーム11に対して位置決めされ、所定の配置とするものであってもよい。
【0039】
さらには
図11及び
図12に示す変形例3のようにスキャナステイ50aの代わりに、露光ユニット50が固定される第一面11jをスキャナフレーム11の第一面11sに設けた構成としてもよい。本変形例について、
図11及び
図12を用いて説明する。
図11(a)は本実施例の画像形成モジュール10を左下方向から見たときの斜視図であり、
図11(b)は画像形成モジュール10の断面図であり、
図11(c)は画像形成モジュール10を構成する部品を左上方向から見たときの分解斜視図である。
図12は、スキャナフレーム11の形状を示す斜視図である。本変形例では、スキャナフレーム11の第一面11sにおいて、スキャナフレーム11とスキャナ補強板12で囲われた空間の内部、つまり鉛直上方へ突出するようにして形成した第一面11jを備えた構成とする。そしてスキャナステイ50aのボス50cがスキャナフレーム11の第一面11jに設けられた穴11kに挿入された状態とする。そして、スキャナフレーム11の第一面11jに設けられた穴11mを介して露光ユニット50に図示しないねじを取り付け、露光ユニット50のスキャナステイ50aを第一面11jに固定(ねじ締結)する。このようにして露光ユニット50を第一面11jひいてはスキャナフレーム11に対して位置決めし、所定の配置としてもよい。
【0040】
さらには実施例1では、スキャナステイ50aを介して露光ユニット50をスキャナフレーム11の第一面11sに設置した構成としていたが、これに限らない。例えば
図13に示す変形例4のように、露光ユニット52をスキャナフレーム11の第二面11eに固定した構成としてもよい。本変形例について、
図13を用いて説明する。
図13(a)は本実施例の画像形成モジュール10を左上方向から見たときの斜視図であり、
図13(b)は画像形成モジュール10の断面図であり、
図13(c)は画像形成モジュール10を構成する部品を左上方向から見たときの分解斜視図である。
【0041】
本変形例では、露光ユニット52がスキャナフレーム11の装置前面の第二面11eに設置、固定される。露光ユニット52は、
図13(c)に示すように、画像情報に応じたレーザ光を照射する露光手段である露光部52bと、露光部52bをスキャナフレーム11の第二面11eに設置、固定するための固定部52aと、を有している。そして固定部52aは、第二面11eに締結するための取付穴52c、52dを有している。本変形例では、スキャナフレーム11の第二面11eに設けられた取付穴11c、11dを介して露光ユニット52の取付穴11c、11dにねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム11の第二面11eに露光ユニット52が固定(ねじ締結)された構成としてもよい。
【0042】
なお変形例4では
図14に示すように露光ユニット52をより安定してスキャナフレーム11に固定するため、露光ユニット52の固定部52aのスキャナフレーム11の第二面11eに対向する面にボス52e、52fが設けてもよい。このボス52e、52fは、取付穴52c、52dの上部に設けたものの、近傍に設けてもよい。この場合にあっては、露光ユニット52の固定部52aに設けられたボス52e、52fをスキャナフレーム11の第二面11eに設けられたボス穴11f、11gに挿し込むことで、スキャナフレーム11に対する露光ユニット52の位置決めを行う。そしてこの状態でスキャナフレーム11の第二面11eに設けられた取付穴11c、11dを介して露光ユニット52の取付穴52c、52dにねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム11の第二面11eに露光ユニット52が固定(ねじ締結)される。これにより、スキャナフレーム11に対して露光ユニット52の取付位置精度を高めることができる。
【0043】
さらに変形例4では
図15に示すように、露光ユニット52が更に安定して設置されるように、露光ユニット52のレーザ光を出射する先端部をスキャナ補強板12で支持した構成としてもよい。
図15(a)は本実施例の画像形成モジュール10の断面図であり、
図15(b)は画像形成モジュール10を構成する部品を左上方向から見たときの分解斜視図である。
図15(c)は、スキャナフレーム11、スキャナ補強板12、及び露光ユニット52の形状を示す斜視図である。この構成では、感光ドラム101にレーザ光を出射する出射口が設けられた露光ユニット52の一端がスキャナ補強板12の開口部12hに進入した状態とされ、露光ユニット52の一端の底面52gが開口部12hの下端12iに支持された構成としている。これにより露光ユニット52の一端において、開口部12hの下端12iが露光ユニット52の荷重を支え、上下方向(鉛直方向)の位置が所定の位置となるようにすることができる。この結果、スキャナフレーム11に対して露光ユニット52の取付位置精度を高めることができる。なお
図15に示すように、上下方向(鉛直方向)において、露光ユニット52の一端は部分的に厚さが薄い構成とされ、スキャナ補強板12の開口部12hの幅を大きくすることなく、露光ユニット52の一端が開口部12hに進入可能としてもよい。
図15に係る構成では、露光ユニット52の一端において、下方を切り欠いた構成としたが、これに限らず出射口を含む露光ユニット52の一端が開口部12hに進入可能な構成であればよく、上方を切り欠いた構成としてもよい。
【実施例2】
【0044】
実施例1では、スキャナフレームとスキャナ補強板が別部品で構成された実施例について説明した。しかしながら、これに限らない。実施例2では、スキャナフレームとスキャナ補強板が一体化された部品で構成された実施例について説明する。
【0045】
[画像形成モジュールの構成]
本実施例について、
図16を用いて説明する。
図16(a)は本実施例の画像形成モジュール10を左上方向から見たときの斜視図であり、
図16(b)は画像形成モジュール10を構成する部品を左上方向から見たときの分解斜視図である。また、
図16(c)は画像形成モジュール10を構成する部品を右上方向から見たときの分解斜視図である。なお、
図16における画像形成モジュール10の構成は、後述するスキャナフレーム13を除き、実施例1の
図4と同様であり、同じ構成には同じ符号を用いて説明することにより説明を省略する。
【0046】
本実施例では、実施例1では別部品で構成されるスキャナフレーム11とスキャナ補強板12を、一体化された1つの部品であるスキャナフレーム13としている。すなわち、スキャナフレーム13は、実施例1のスキャナフレーム11と同様に、露光ユニット50、右側板20、左側板30、転写フレーム40が設置される第一面13sと、カートリッジ102の挿抜方向の斜面部13gと、を有している。更にスキャナフレーム13は、実施例1のスキャナ補強板12と同様に、右側板20を固定するための取付穴13c、13dが設けられた右側面部13aと、左側板30を固定するための取付穴13e、13fが設けられた左側面部13bと、を有している。なお、スキャナフレーム13は、スキャナフレーム11とスキャナ補強板12を一体化した部品であるため、スキャナフレーム11とスキャナ補強板12に設けられていた支持部11t、第一固定部12t(
図5)は有していない。
【0047】
本実施例では、
図16(b)、(c)に示すように、実施例1同様、スキャナフレーム13の第一面13sに右側板20を鉛直上方に重畳させ、第一面13sに設けられたボス穴に右側板20のボス20a、20bを挿し込む。このようにして、スキャナフレーム13に対する右側板20の位置決めを行う。この状態で右側板20は、右側板20に設けられた取付穴20c、20dを介してスキャナフレーム13の右側面部13aに設けられた取付穴13c、13dに図示しないねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム13に右側板20が固定(ねじ締結)される。同様にスキャナフレーム13の第一面13sに左側板30を鉛直上方に重畳させ、第一面13sに設けられたボス穴にボス30a、30bを挿し込むことで、スキャナフレーム13に対する左側板30の位置決めを行う。この状態で左側板30は、左側板30に設けられた取付穴30c、30dを介してスキャナフレーム13の左側面部13bに設けられた取付穴13e、13fに図示しないねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム13に左側板30が固定(ねじ締結)される。このように右側板20と左側板30は、実施例1のスキャナ補強板12の代わりにスキャナフレーム13の右側面部13a、左側面部13bと締結されている点のみが実施例1とは異なっている。
【0048】
つまり本実施例のスキャナフレーム13への右側板20と左側板30の取付方法は、右側板20と左側板30に対する左右方向からの締結方法のみが実施例1とは異なっている。したがって実施例1同様、第一面13sに設けられたボス穴に右側板20のボス20a、20bを挿し込む。このようにしてスキャナフレーム13に対する右側板20の位置決めした状態で図示しないねじが第一面11sに設けられた取付穴を介して右側板20の取付穴(不図示)に取り付けられている。さらに第一面13sに設けられたボス穴にボス30a、30bを挿し込む。このようにしてスキャナフレーム13に対する左側板30の位置決めした状態で図示しないねじが第一面11sに設けられた取付穴を介して左側板30の取付穴(不図示)に設けられた取付穴13e、13fに取り付けられている。このようにして、実施例1同様、スキャナフレーム13に右側板20と左側板30が固定(ねじ締結)された構成とすることができる。
【0049】
以上説明したように、右側板20、左側板30、転写フレーム40、露光ユニット50を第一面13sに対して鉛直上方に乗せるように設置している。したがって、画像形成モジュール10を構成する各部品は、設置される第一面13sを基準面として画像形成モジュール10本体の高さ方向(鉛直方向)の位置決めを行うことができ、各構成部品の位置ずれを最小限に抑えることができる。また本実施例では、右側板20、左側板30、転写フレーム40、露光ユニット50を、画像形成モジュール10の基準面を構成する1つの部品であるスキャナフレーム13上に設置する。これにより、各構成部品の位置ずれを最小限に抑えることができる外、スキャナフレーム13ひいては露光ユニット50を備えた画像形成モジュール10を基準として各部品が組付けられた構成とすることができる。この結果、露光ユニット50から出射されるレーザ光の感光ドラム101上のレーザ照射位置のずれを最小限に抑え、印刷精度の高い画像形成装置を実現することができる。さらに露光ユニット50を保持するスキャナフレーム13は、実施例1のスキャナ補強板12に対応する斜面部13gが組み合わされ、外力によって変形し難い構成とすべく堅牢な構成とされている。この斜面部13gとで堅牢な構成とされたスキャナフレーム13に、右側板20、左側板30、転写フレーム40を固定することで、変形することで画像形成に不具合が生じる箇所のみを補強することができる。これにより、フレームの捻じれや歪みによって生じる、露光ユニット50から出射されるレーザ光のレーザ照射位置のずれを最小限に抑え、印刷精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施例によれば、画像形成モジュールにおける位置ずれの発生を防止し、剛性を確保することができる。
【0051】
なお
図17に示すようにスキャナフレーム13に、右側板20、左側板30との締結部を増やすために、鉛直方向に延びた曲げ形状を追加した変形例としてもよい。この変形例ではスキャナフレーム13は、第一面13sに繋がり、左右の端部から後方向へ突出した右側面部13hと左側面部13iとを有する。それぞれ右側面部13hは右側板20と締結するための取付穴13j、13kを備え、左側面部13iは左側板30と締結するための取付穴13l、13mを備えている。そして図示しないねじが右側板20の取付穴20c、20dを介して右側面部13aに設けられた取付穴13c、13dだけでなく、右側面部13hの取付穴13j、13kを介して右側板20に設けられた取付穴20e、20fに取り付けられた構成とする。これによりスキャナフレーム13と右側板20は、より強固に固定(ねじ締結)することができる。同様に図示しないねじが左側板30の取付穴30c、30dを介して左側面部13bに設けられた取付穴13e、13fに、また左側面部13iの取付穴13l、13mを介して右側板30に設けられた取付穴30e、30fに取り付けられた構成とする。これによりスキャナフレーム13と左側板30は、より強固に固定(ねじ締結)することができる。このように変形例に係る構成では、実施例2と同様の効果を得ることができる外、スキャナフレーム13の第一面13sから後方向へ突出した右側面部13hと左側面部13iを有することで第一面13sひいてはスキャナフレーム13の変形をより抑制できる。さらには右側面部13hを用いてスキャナフレーム13と右側板20を、また左側面部13iを用いてスキャナフレーム13と左側板30を、固定した構成とすることで、スキャナフレーム13に対して右側板20、左側板30の位置がずれることを抑制できる。
【実施例3】
【0052】
実施例1や実施例2では右側板20は、右側板20の底面に設けられたボス20a、20bをスキャナフレーム11の第一面11sに設けられた穴11a、11bに挿し込むことで、スキャナフレーム11に対して位置決めされている。また左側板30も、同様にスキャナフレーム11に対して位置決めされている。しかしながら、これに限らず、実施例1の右側板20の底面に設けられていたボス20a、20bが設けられておらず、スキャナフレーム18の第一面18sにボス20a、20bが挿入されるボス穴が設けられていない構成としてもよい。同様に、実施例1の左側板30の底面に設けられていたボス30a、30bが設けられておらず、スキャナフレーム18の第一面18sにボス30a、30bが挿入されるボス穴が設けられない構成としてもよい。実施例3では、スキャナフレームに設けられた突出部を、右側板、左側板に設けられた穴に挿し込むことにより位置決めする実施例について説明する。
【0053】
[画像形成モジュールの構成]
本実施例について、
図18及び
図19を用いて説明する。
図18(a)は、本実施例の画像形成モジュール10を左上方向から見たときの斜視図であり、
図18(b)は、本実施例の画像形成モジュール10を右上方向から見たときの斜視図である。また、
図18(c)は、画像形成モジュール10を構成する部品を左上方向から見たときの分解斜視図である。
図19(a)は、
図18に示す右側板21、左側板31、及びスキャナフレーム18の形状を示す斜視図である。
図19(b)は、本実施例の画像形成モジュール10を右側面から見たときの右側板21とスキャナフレーム18の組付状態を説明する斜視図である。また、
図19(c)は、
図19(b)の円で囲まれた部分を拡大した斜視図である。なお、本実施例における画像形成モジュール10は、右側板21、左側板31、及びスキャナフレーム18を除き、実施例1と同様である。本実施例では、実施例1と同じ構成には同じ符号を用いて説明することにより説明を省略する。
【0054】
スキャナフレーム18は、実施例1同様、画像形成モジュール10を構成する複数の部品が設置される面である第一面18sと、第一面18sに一端が繋った、第一面18sと交差する第二面18eと、第二面18eの他端に繋がった支持部18tと、を有する。本実施例では、第一面18sを水平方向に延びる面とし、第二面18eを第一面18sと直交する鉛直方向に延びる面とし、支持部18tを第二面18eと交差し、スキャナ補強板12から離れる方向へ延びた面とした。スキャナ補強板12は、スキャナフレーム11の第一面18sに一端、またスキャナフレーム18の第二面18e(支持部18t)に他端、がそれぞれ接続され、スキャナフレーム11とスキャナ補強板12とで断面三角形の構造体が形成される。スキャナフレーム18とスキャナ補強板12は、支持部18tと第一固定部12tが、また第一面18sと第二固定部12sが図示しないねじで固定されている。
【0055】
そして本実施例に係るスキャナフレーム18は、第一面18s及び第二面18eにおいて、右の端部から右へ突出した3つの突出部18n(第一突出部)と、左の端部から左へ突出した3つの突出部18p(第二突出部)と、を有している。より具体的には突出部18nは、スキャナフレーム18の右の端部に、第一面18sと繋がり、第一面18sの延在方向へ延びるものが2つ、第二面18eと繋がり、第二面18eの延在方向へ延びるものが1つ、設けられている。一方、突出部18pは、スキャナフレーム18の左の端部にそれぞれ、第一面18sと繋がり、第一面18sの延在方向へ延びるものが2つ、第二面18eと繋がり、第二面18eの延在方向へ延びるものが1つ、設けられている。
【0056】
またスキャナフレーム18は、第一面18s及び第二面18eにおいて、右側の端部が折り曲げられた、ねじ穴を有する3つの締結面18q(第3締結面)と、左側の端部が折り曲げられた、ねじ穴を有する3つの締結面18r(第4締結面)と、を有している。より具体的には締結面18qは、スキャナフレーム18の右の端部に、第一面18sと繋がり、第一面18sと交差する方向へ延びるものが2つ、第二面18eと繋がり、第二面18eの延在方向へ延びるものが1つ、設けられている。一方、締結面18pは、スキャナフレーム18の左の端部に、第一面18sと繋がり、第一面18sと交差する方向へ延びるものが2つ、第二面18eと繋がり、第二面18eと交差する方向へ延びるものが1つ、設けられている。
【0057】
そして右側板21は、位置決め部としての穴21nを3つ有し、スキャナフレーム18の右の端部から右側へ突出する3つの突出部18nを穴21nに挿し込むことで、スキャナフレーム18に対する右側板21の位置決めを行う。この状態でスキャナフレーム18に設けられた締結面18qを右側板21に重ね合わせるようにして、右側板21の取付穴(不図示)を介して締結面18qのねじ穴にねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム18に右側板21が固定(ねじ締結)される。同様に左側板31も位置決め部としての穴31nを3つ有し、スキャナフレーム18の左の端部から左側へ突出する3つの突出部18pを穴31nに挿し込むことで、スキャナフレーム18に対する左側板31の位置決めを行う。この状態でスキャナフレーム18に設けられた締結面18rを左側板31に重ね合わせるようにして、左側板31の取付穴(不図示)を介して締結面18rのねじ穴にねじが取り付けられる。このようにして、スキャナフレーム18に左側板31が固定(ねじ締結)される。
【0058】
なお、スキャナフレーム18の右側板21、左側板31との突出部18n、18p、締結面18q、18rを除いた部分の構成は、実施例1と同様であり、ここでの説明は省略する。例えば転写フレーム40が第一面18sへ固定され、転写フレーム40に右側板21及び左側板31が固定(ねじ締結)された構成や2つのスキャナステイ50aで露光ユニット50がスキャナフレーム18へ固定された構成は、実施例1と同様である。なお、上述した実施例では、締結をネジ(ビス)により行っているが、ねじによる固定に限定するものはない。例えば、ねじの代わりにリベットで固定してもよいし、スポット溶接により固定してもよい。
【0059】
以上のように画像形成モジュール10は、スキャナフレーム18にスキャナ補強板12、露光ユニット50、右側板21、左側板31、転写フレーム40を固定し、転写フレーム40に給紙モジュール60及び定着モジュール70を固定した構成としている。したがって、画像形成モジュール10を構成する各部品は、スキャナフレーム18を基準として位置決めを行うことができる。これにより、各構成部品の位置ずれを最小限に抑えることができる外、スキャナフレーム18ひいては露光ユニット50を備えた画像形成モジュール10を基準として各部品が組付けられた構成とすることができる。特に本実施例では、スキャナフレーム18に設けられた突出部18nを右側板21に設けられた穴21nに、また突出部18pを左側板31に設けられた穴31nに挿し込むことにより位置決めを行う。これにより、スキャナフレーム18に対して右側板21及び左側板31の位置ずれを最小限に抑えるとともに、右側板21及び左側板31を安定的に固定することができる。この結果、露光ユニット50から出射されるレーザ光の感光ドラム101上のレーザ照射位置のずれを最小限に抑え、印刷精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0060】
さらに露光ユニット50を保持するスキャナフレーム18は、スキャナ補強板12が組み合わされ、外力によって変形し難い構成とすべく堅牢な構成とされている。このスキャナ補強板12とで堅牢な構成とされたスキャナフレーム18に、右側板21、左側板31、転写フレーム40を固定することで、変形することで画像形成に不具合が生じる箇所のみを補強することができる。これにより、フレームの捻じれや歪みによる露光ユニット50から出射されるレーザ光のレーザ照射位置のずれを低コストで最小限に抑え、印刷精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0061】
また給紙モジュール60及び定着モジュール70を転写フレーム40に位置決めして固定した構成としつつ、転写フレーム40の位置決め部40cで感光ドラム101ひいてはカートリッジ102が位置決めされた構成としている。これにより、感光ドラム101に対するシートSの搬送方向の上流側、下流側のローラの位置ずれを最小限に抑えて安定した用紙搬送を実現することができ、印字精度の高い画像形成装置を実現することができる。
【0062】
以上説明したように、本実施例によれば、画像形成モジュールにおける位置ずれの発生を防止し、剛性を確保することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 画像形成モジュール
11 スキャナフレーム
50 露光ユニット
60 給紙モジュール
70 定着モジュール
101 感光ドラム