(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】蒸発器
(51)【国際特許分類】
F28D 1/047 20060101AFI20240415BHJP
F28F 27/02 20060101ALI20240415BHJP
F28F 1/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
F28D1/047 B
F28F27/02 A
F28F1/00 E
(21)【出願番号】P 2020022558
(22)【出願日】2020-02-13
【審査請求日】2023-01-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100163463
【氏名又は名称】西尾 光彦
(72)【発明者】
【氏名】本間 雅也
(72)【発明者】
【氏名】倉本 哲英
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203536(JP,A)
【文献】特開平03-007863(JP,A)
【文献】特開昭48-052043(JP,A)
【文献】特開2008-151503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D1/047
F28F1/00-1/44,27/02
F25B39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相の作動流体を受け入れる第一部位と、前記第一部位を通過した前記作動流体を受け入れる第二部位と、前記第二部位を通過した前記作動流体を受け入れて外部に導く第三部位とを有する作動流体経路と、
前記作動流体経路における前記作動流体を加熱する熱媒体が通過する熱媒体経路と、を備え、
前記第一部位は、並列に配置された第一流路及び第二流路を含み、
前記第二部位は、前記作動流体を重力方向に沿って導く下降流路を含み、
前記第二部位は、下記(Ia)及び(Ib)の条件を満たす
、
蒸発器。
(Ia)前記第二部位は、前記第一流路の断面積よりも小さい断面積を有する前記下降流路を有し、前記第一流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記第三部位に導く第三流路を含む。
(Ib)前記第二部位は、前記第二流路の断面積よりも小さい断面積を有する前記下降流路を有し、前記第二流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記第三部位に導く第四流路を含む
。
【請求項2】
前記第三部位は、前記第三流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記作動流体経路の外部に向かって導く第五流路と、前記第四流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記作動流体経路の外部に向かって導く第六流路とを含み、
前記第五流路の断面積は、前記第三流路における前記下降流路の断面積よりも大きく、
前記第六流路の断面積は、前記第四流路における前記下降流路の断面積よりも大きい、
請求項1に記載の蒸発器。
【請求項3】
前記作動流体経路は、前記作動流体が前記熱媒体の流れに対して対向流をなす配置を有する、請求項1
又は2に記載の蒸発器。
【請求項4】
前記作動流体経路は、前記第一流路及び前記第二流路に接続された1つのみの入口流路をさらに有する、請求項1から
3のいずれか1項に記載の蒸発器。
【請求項5】
並列に配置された複数の流路を含む第一部位に液相の作動流体を受け入れて前記複数の流路を通過させることと、
前記複数の流路のそれぞれを通過した前記作動流体を、前記複数の流路のそれぞれの断面積よりも小さい断面積を有し、かつ、前記作動流体を重力方向に沿って導く下降流路を含む第二部位に受け入れて前記下降流路を通過させることと、
前記第一部位及び前記第二部位を有する作動流体経路の周囲に熱媒体を供給して前記作動流体を蒸発させることと、
前記下降流路において前記作動流体を気液二相状態で通過させることと、を含む、
蒸発器の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸発器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分岐管を有する熱交換器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、空気調和機の室外熱交換器が記載されている。その室外熱交換器は、フィンと、伝熱管と、接続配管とを備えている。複数段の伝熱管が上下方向に配置されている。接続配管は、伝熱管を互いに接続している。室外熱交換器は、蒸発器として使用した場合に、冷媒が流入する冷媒流入口に近い接続配管にて上下方向に分流を行うT型分岐管を備える。室外熱交換器は、下側接続配管と、上側接続配管とを有する。下側接続配管は、T型分岐管の下側接続口と、T型分岐管よりも高い位置の伝熱管の接続口とを接続する。上側接続配管は、T型分岐管の上側接続口と、T型分岐管よりも低い位置の伝熱管の接続口とを接続する。上側接続配管の管径は、下側接続配管の管径よりも大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、作動流体の流速が低い状態で作動流体が重力方向に流れることによって作動流体の流量がばらつくことを防止する観点から有利な蒸発器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における蒸発器は、
液相の作動流体を受け入れる第一部位と、前記第一部位を通過した前記作動流体を受け入れる第二部位と、前記第二部位を通過した前記作動流体を受け入れて外部に導く第三部位とを有する作動流体経路と、
前記作動流体経路における前記作動流体を加熱する熱媒体が通過する熱媒体経路と、を備え、
前記第一部位は、並列に配置された第一流路及び第二流路を含み、
前記第二部位は、前記作動流体を重力方向に沿って導く下降流路を含み、
前記第二部位は、下記(Ia)及び(Ib)の条件を満たす、又は、下記(II)の条件を満たす。
(Ia)前記第二部位は、前記第一流路の断面積よりも小さい断面積を有する前記下降流路を有し、前記第一流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記第三部位に導く第三流路を含む。
(Ib)前記第二部位は、前記第二流路の断面積よりも小さい断面積を有する前記下降流路を有し、前記第二流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記第三部位に導く第四流路を含む。
(II)前記第二部位は、前記第一流路を通過した前記作動流体及び前記第二流路を通過した前記作動流体を受け入れて前記第三部位に導く単一の流路のみを含む。
【発明の効果】
【0007】
上記の蒸発器は、作動流体の流速が低い状態で作動流体が重力方向に流れることによって作動流体の流量がばらつくことを防止する観点から有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】
図1に示す蒸発器を備えたランキンサイクル装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者らが本開示を想到するに至った当時、蒸発器において流体が流れる流路を複数に分岐させることによって流体の流速を下げて、流体の流れの圧力損失を低減する技術があった。特に、気液二相状態の流体又は気相状態の流体の流速は高く、流体の流れの圧力損失が大きくなりやすいので、通常、そのような状態の流体が流れる流路の断面積を大きくして流体の流速を低くすることが有利であると考えられる。
【0010】
例えば、ランキンサイクルを用いて発電を行う場合、発電出力を高めるために作動流体の圧力損失を低減することが重要である。しかし、蒸発器において、気液二相状態の作動流体が重力方向に流れる場合にその流速が低くなると、気液二相状態の作動流体を押し出す力が小さくなり、作動流体の流量のばらつきが発生するという課題を本発明者らは発見した。本発明者らは、この課題を解決するために本開示の主題を構成するに至った。
【0011】
そこで、本開示は、作動流体の流速が低い状態で作動流体が重力方向に流れることによって作動流体の流量がばらつくことを防止する観点から有利な蒸発器を提供する。
【0012】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
(実施の形態1)
以下、
図1及び
図2を用いて、実施の形態1を説明する。添付の図面においてz軸負方向が重力方向である。x軸、y軸、及びz軸は、互いに直交している。
【0014】
[1-1.構成]
図1及び2に示す通り、蒸発器1aは、作動流体経路10と、熱媒体経路30とを備えている。作動流体経路10は、第一部位11と、第二部位12と、第三部位13とを有する。第一部位11は、液相の作動流体Rを受け入れる。第一部位11は、並列に配置された第一流路11a及び第二流路11bを含んでいる。第二部位12は、第一部位11を通過した作動流体Rを受け入れる。第二部位12は、下降流路12kを含んでいる。下降流路12kは、作動流体Rを重力方向に導く。第三部位13は、第二部位12を通過した作動流体Rを受け入れて蒸発器1aの外部に導く。熱媒体経路30において、作動流体経路10における作動流体Rを加熱する熱媒体Gが通過する。
【0015】
第二部位12は、第三流路12aを含む。第三流路12aは、第一流路11aの断面積よりも小さい断面積を有する下降流路12kを有する。第三流路12aは、第一流路11aを通過した作動流体を受け入れて第三部位13に導く。第二部位12は、第四流路12bを含む。第四流路12bは、第二流路11bの断面積よりも小さい断面積を有する下降流路12kを有する。第四流路12bは、第二流路11bを通過した作動流体を受け入れて第三部位13に導く。
【0016】
第三部位13は、例えば、第五流路13aを含む。第五流路13aは、第三流路12aを通過した作動流体Rを受け入れて作動流体経路10の外部に向かって導く。第五流路13aの断面積は、例えば、第三流路12aにおける下降流路12kの断面積よりも大きい。第三部位13は、例えば、第六流路13bを含む。第六流路13bは、第四流路12bを通過した作動流体Rを受け入れて作動流体経路10の外部に向かって導く。第六流路13bは、例えば、第四流路12bにおける下降流路12kの断面積よりも大きい。
【0017】
作動流体経路10は、例えば、作動流体Rが熱媒体Gの流れに対して対向流をなす配置を有する。例えば、蒸発器1aにおいて、作動流体経路10の入口は、作動流体経路10の出口よりも上方に位置している。一方、熱媒体経路30において熱媒体Gは、z軸正方向に流れる。
【0018】
図2に示す通り、第二部位12は、例えば、第一部位11の下方に位置している。加えて、第三部位13は、例えば、第二部位12の下方に位置している。
【0019】
図1に示す通り、作動流体経路10は、例えば、1つのみの入口流路15をさらに有する。入口流路15は、第一流路11a及び第二流路11bに接続されており、第一流路11a及び第二流路11bに作動流体Rを導く。入口流路15を通過した作動流体Rの流れは2つに分かれて第一流路11a又は第二流路11bに導かれる。蒸発器1aは、例えば分岐管17を有する。入口流路15をなす管と、第一流路11aをなす管と、第二流路11bをなす管とが分岐管17によって接続されている。分岐管17は、例えばY字管である。
【0020】
分岐管17は、実質的に水平な平面に沿って配置されている。これにより、分岐管17の内部を通過した作動流体Rが第一流路11a及び第二流路11bに均等に導かれやすい。
【0021】
図2に示す通り、作動流体経路10は、例えば、1つのみの出口流路16をさらに有する。出口流路16は、第三部位13を通過した作動流体Rを蒸発器1aの外部に導く。例えば、第五流路13aにおける作動流体Rの流れ及び第六流路13bにおける作動流体Rの流れが合流して出口流路16に導かれる。蒸発器1aは、例えばジョイント管18を有する。出口流路16をなす管と、第五流路13aをなす管と、第六流路13bをなす管とがジョイント管18によって接続されている。ジョイント管18は、例えばY字管である。
【0022】
例えば、作動流体経路10において、第一部位11、第二部位12、及び第三部位13によってサーペンタイン流路が形成されている。サーペンタイン流路において、作動流体は、水平方向に沿って流れることと重力方向に沿って流れることとを交互に繰り返す。第一部位11、第二部位12、及び第三部位13をなす管は、例えば、複数の直管及び複数のUベンドを含む。複数の直管は、例えば、y軸に沿って延びている。加えて、複数の直管は、重力方向に複数段をなすように配置されている。Uベンドは、重力方向に隣り合う2つの直管を接続している。一部のUベンドによって下降流路12kが形成されている。複数の直管及び複数のUベンドは、伝熱性を有する。複数の直管及び複数のUベンドの材料は、例えばSUS304等のステンレス鋼である。
【0023】
第一流路11aをなす管の形状及び第二流路11bをなす管の形状は、特定の形状に限定されない。第一流路11aをなす管及び第二流路11bをなす管のそれぞれは、例えば、円管である。第一流路11aをなす管の内径及び第二流路11bをなす管の内径は、特定の値に限定されない。第一流路11aをなす管の内径及び第二流路11bをなす管の内径のそれぞれは、例えば19.1mmである。第一流路11aをなす管の肉厚及び第二流路11bをなす管の肉厚は、特定の値に限定されない。第一流路11aをなす管の肉厚及び第二流路11bをなす管の肉厚は、例えば、1.5mmである。第一流路11aをなす管の内面の形状及び第二流路11bをなす管の内面の形状は特定の形状に限定されない。第一流路11aをなす管の内面及び第二流路11bをなす管の内面のそれぞれは、例えば平滑である。
【0024】
第三流路12aをなす管の形状及び第四流路12bをなす管の形状は、特定の形状に限定されない。第三流路12aをなす管及び第四流路12bをなす管のそれぞれは、例えば、円管である。第三流路12aをなす管の内径は、第三流路12aの下降流路12kが第一流路11aの断面積よりも小さい断面積を有する限り、特定の値に限定されない。第四流路12bをなす管の内径は、第四流路12bの下降流路12kが第二流路11bの断面積よりも小さい断面積を有する限り、特定の値に限定されない。第三流路12aをなす管の内径及び第四流路12bをなす管の内径のそれぞれは、例えば15.9mmである。第三流路12aをなす管の内面の形状及び第四流路12bをなす管の内面の形状は特定の形状に限定されない。第三流路12aをなす管の内面及び第四流路12bをなす管の内面のそれぞれは、例えば平滑である。
【0025】
第五流路13aをなす管の形状及び第六流路13bをなす管の形状は、特定の形状に限定されない。第五流路13aをなす管及び第六流路13bをなす管のそれぞれは、例えば、円管である。第五流路13aをなす管の内径及び第六流路13bをなす管の内径は、特定の値に限定されない。第五流路13aをなす管の内径及び第六流路13bをなす管の内径のそれぞれは、例えば19.1mmである。第五流路13aをなす管の肉厚及び第六流路13bをなす管の肉厚は、特定の値に限定されない。第五流路13aをなす管の肉厚及び第六流路13bをなす管の肉厚のそれぞれは、例えば1.5mmである。第五流路13aをなす管の内面の形状及び第六流路13bをなす管の内面の形状は特定の形状に限定されない。第五流路13aをなす管の内面及び第六流路13bをなす管の内面のそれぞれは、例えば平滑である。
【0026】
第一部位11、第二部位12、及び第三部位13をなす管に含まれるUベンドのピッチは、特定の値に限定されない。Uベンドのピッチは、例えば37.5mmである。
【0027】
図1及び
図2に示す通り、蒸発器1aは、例えばフィン20をさらに備えている。蒸発器1aにおいて、フィン20は、例えば矩形状の板材によって形成されている。フィン20は、例えば平坦な表面を有する。フィン20の厚みは特定の値に限定されない。フィン20の厚みは、例えば0.2mmである。フィン20の材料は、特定の材料に限定されない。フィン20の材料は、例えばSUS304等のステンレス鋼である。
【0028】
蒸発器1aにおいて、例えば、複数のフィン20がy軸に沿って所定の間隔で互いに平行に配置されている。各フィン20の長手方向は、例えば重力方向と一致している。第一部位11、第二部位12、及び第三部位13に含まれる複数の直管は、複数のフィン20に形成された開口に圧入されて複数のフィン20に固定されている。これにより、蒸発器1aの伝熱性能が高くなりやすい。
【0029】
蒸発器1aに供給される作動流体Rは、例えば、ランキンサイクルで使用可能な作動流体である。ランキンサイクルで使用可能な作動流体は、例えば、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)系の作動流体、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系の作動流体、又はイソペンタン等の炭化水素系の作動流体である。
【0030】
熱媒体経路30における熱媒体Gは、例えば、工場から排出される排ガスである。熱媒体Gは、例えば200℃であり、熱媒体経路30における熱媒体Gの流量は、例えば300Nm3/時間である。熱媒体Gは、例えば、N2、O2、CO2、H2O、SO2、及びNO2からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。
【0031】
[1-2.動作]
以上のように構成された蒸発器1aについて、以下その動作、作用を説明する。作動流体Rは、熱媒体Gから熱を吸収しながら作動流体経路10を流れる。液相の作動流体Rは、入口流路15及び分岐管17の内部を通過して2つの流れに分かれ、第一部位11における第一流路11a及び第二流路11bに導かれる。作動流体Rは、例えば、HFO1336mzz(E)である。蒸発器1aにおける作動流体Rの圧力は、例えば1MPa以上2MPa以下である。液相の作動流体Rの温度は、例えば20℃以上100℃以下である。蒸発器1aへの作動流体Rの供給量は、例えば100kg/時間以上400kg/時間である。
【0032】
図2における破線の矢印は、y軸方向における作動流体経路10の両端部において作動流体Rが流れる方向を示す。第一部位11において作動流体は、例えば、液相状態である。第一部位11を通過した作動流体Rは、第二部位12に導かれる。第一流路11aを通過した作動流体Rは第三流路12aに導かれ、第二流路11bを通過した作動流体Rは第四流路12bに導かれる。第二部位12において作動流体Rは、例えば気液二相状態である。このため、第三流路12a及び第四流路12bにおける下降流路12kを気液二相状態の作動流体Rが通過する。下降流路12kにおいて、作動流体Rは重力方向に沿って導かれる。このため、下降流路12kにおいて、気液二相状態の作動流体Rに含まれる気泡に作用する浮力は、作動流体Rの流れ方向と逆方向に働く。第三流路12aにおける下降流路12kは、第一流路11aの断面積よりも小さい断面積を有する。第四流路12bにおける下降流路12kは、第二流路11bの断面積よりも小さい断面積を有する。このため、下降流路12kを流れる作動流体Rの流速が高くなりやすい。これにより、下降流路12kにおいて、作動流体Rの流れにより発生する力は、気液二相状態の作動流体Rに含まれる気泡に作用する浮力よりも大きくなりやすい。その結果、下降流路12kから気泡が押し出されやすく、下降流路12kにおいて気泡の滞留が抑制される。
【0033】
第二部位12を通過した作動流体Rは、第三部位13に導かれる。第三流路12aを通過した作動流体Rは第五流路13aに導かれ、第四流路12bを通過した作動流体Rは第六流路13bに導かれる。第三部位13において、作動流体Rは、例えば気相状態である。第五流路13aの断面積は、第三流路12aにおける下降流路12kの断面積よりも大きく、第六流路13bの断面積は、第四流路12bにおける下降流路12kの断面積よりも大きい。このため、第三部位13において作動流体Rの流速は低下する。その後、気相の作動流体Rは、ジョイント管18及び出口流路16を通過して蒸発器1aの外部に導かれる。気相の作動流体Rの温度は、例えば70℃以上200℃以下である。
【0034】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施形態において、蒸発器1aは、作動流体経路10と、熱媒体経路30とを備えている。作動流体経路10は、第一部位11と、第二部位12と、第三部位13とを有する。第一部位11は、液相の作動流体Rを受け入れる。第一部位11は、並列に配置された第一流路11a及び第二流路11bを含んでいる。第二部位12は、第一部位11を通過した作動流体Rを受け入れる。第二部位12は、下降流路12kを含んでいる。下降流路12kは、作動流体Rを重力方向に導く。第三部位13は、第二部位12を通過した作動流体Rを受け入れて蒸発器1aの外部に導く。熱媒体経路30において、作動流体経路10における作動流体Rを加熱する熱媒体Gが通過する。第二部位12は、第三流路12aを含む。第三流路12aは、第一流路11aの断面積よりも小さい断面積を有する下降流路12kを有する。第三流路12aは、第一流路11aを通過した作動流体を受け入れて第三部位13に導く。第二部位12は、第四流路12bを含む。第四流路12bは、第二流路11bの断面積よりも小さい断面積を有する下降流路12kを有する。第四流路12bは、第二流路11bを通過した作動流体を受け入れて第三部位13に導く。
【0035】
これにより、下降流路12kにおいて、重力方向に沿って導かれる作動流体Rの流速が高くなりやすく、作動流体Rの流れにより発生する力が気液二相状態の作動流体Rの気泡に作用する浮力よりも大きくなりやすい。このため、下降流路12kにおいて、気泡が押し出され、気泡の滞留が抑制される。その結果、第三流路12aの流路抵抗と第四流路12bの流路抵抗との差が小さくなり、作動流体の流速が低い状態で作動流体が重力方向に流れることによって作動流体の流量がばらつくことを防止できる。なお、作動流体の流速が低い状態で作動流体が重力方向に流れる場合、気液二相状態の作動流体に含まれる気泡を押し出す力が小さくなり、気液二相状態の作動流体が流れる流路において気泡が滞留しやすい。これにより、各流路における流路抵抗差が生じ、流路間の流量のばらつきが生じうる。
【0036】
本実施形態のように、第三部位13は、第五流路13aと、第六流路13bとを含んでいてもよい。第五流路13aは、第三流路12aを通過した作動流体Rを受け入れて作動流体経路10の外部に向かって導く。第六流路13bは、第四流路12bを通過した作動流体Rを受け入れて作動流体経路10の外部に向かって導く。第五流路13aの断面積は、第三流路12aにおける下降流路12kの断面積よりも大きくてもよい。第六流路13bの断面積は、第四流路12aにおける下降流路12kの断面積よりも大きくてもよい。
【0037】
これにより、気相状態の作動流体Rの流速が低くなりやすく、第三部位13における気相の作動流体の流れの圧力損失が低くなりやすい。このため、蒸発器における作動流体の流れの圧力損失を低く保ちつつ、作動流体の流量のばらつきを防止できる。
【0038】
本実施形態のように、作動流体経路10は、作動流体Rが熱媒体Gの流れに対して対向流をなす配置を有していてもよい。
【0039】
これにより、作動流体Rが熱媒体Gの流れに対して対向流をなした状態で作動流体Rと熱媒体Gとの間の熱交換が行われる。このため、作動流体Rと熱媒体Gとの間の平均温度差が大きくなり、蒸発器1aが高い熱交換性能を発揮しやすい。このため、蒸発器1aにおける熱交換量を高めつつ、作動流体の流量のばらつきを防止できる。
【0040】
本実施形態のように、作動流体経路10は、第一流路11a及び第二流路11bに接続された1つのみの入口流路15をさらに有していてもよい。
【0041】
これにより、液相の作動流体Rを蒸発器1aに供給するための配管を取り付ける作業を簡素化できる。
【0042】
以上のように、本実施形態において、蒸発器1aは、以下の(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)の事項を含む方法に従って、運転される。
(i)並列に配置された第一流路11a及び第二流路11bを含む第一部位11に液相の作動流体Rを受け入れて第一流路11a及び第二流路11bを通過させる。
(ii)第一流路11a及び第二流路11bのそれぞれを通過した作動流体Rを、下降流路12kを含む第二部位12に受け入れて下降流路12kを通過させる。下降流路12kは、第一流路11a及び第二流路11bのそれぞれの断面積よりも小さい断面積を有し、かつ、作動流体Rを重力方向に沿って導く。
(iii)第一部位11及び第二部位12を有する作動流体経路10の周囲に熱媒体Gを供給して作動流体Rを蒸発させる。
(iv)下降流路12kにおいて作動流体Rを気液二相状態で通過させる。
【0043】
これにより、下降流路12kにおいて、重力方向に沿って導かれる作動流体Rの流速が高くなりやすく、作動流体Rの流れにより発生する力が気液二相状態の作動流体Rの気泡に作用する浮力よりも大きくなりやすい。このため、下降流路12kにおいて、気泡が押し出され、気泡の滞留が抑制される。その結果、第三流路12aの流路抵抗と第四流路12bの流路抵抗との差が小さくなり、作動流体の流速が低い状態で作動流体が重力方向に流れることによって作動流体の流量がばらつくことを防止できる。
【0044】
(実施の形態2)
以下、
図3、
図4、及び
図5を用いて、実施の形態2を説明する。添付の図面においてz軸負方向が重力方向である。x軸、y軸、及びz軸は、互いに直交している。
【0045】
[2-1.構成]
実施の形態2に係る蒸発器1bは、特に説明する部分を除き、蒸発器1aと同様に構成されている。蒸発器1aの構成要素と同一又は対応する蒸発器1bの構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。蒸発器1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、蒸発器1bにも当てはまる。
【0046】
図3及び
図5に示す通り、蒸発器1bにおける第二部位12は、第三流路12a及び第四流路12bを含んでおらず、単一の流路12sのみを含んでいる。流路12sは、第一流路11aを通過した作動流体R及び第二流路11bを通過した作動流体Rを受け入れて第三部位13に導く。
図4に示す通り、第二部位12は、下降流路12kを含んでいる。下降流路12kは、作動流体Rを重力方向に沿って導く。
【0047】
蒸発器1bにおける第三部位13は、例えば、並列に配置された複数の流路13mを含む。第三部位13は、例えば、並列に配置された2つの流路13mを含んでいる。
【0048】
流路12sをなす管の形状は、特定の形状に限定されない。流路12sをなす管は、例えば円管である。流路12sをなす管の内径は特定の値に限定されない。流路12sをなす管の内径は、例えば19.1mmである。流路12sをなす管の内面の形状は特定の形状に限定されない。流路12sをなす管の内面は、例えば平滑である。
【0049】
複数の流路13mのそれぞれをなす管の形状は、特定の形状に限定されない。複数の流路13mのそれぞれをなす管は、例えば円管である。複数の流路13mのそれぞれをなす管の内径は特定の値に限定されない。複数の流路13mのそれぞれをなす管の内径は、例えば19.1mmである。複数の流路13mのそれぞれをなす管の内面の形状は特定の形状に限定されない。複数の流路13mのそれぞれをなす管の内面は、例えば平滑である。
【0050】
[2-2.動作]
以上のように構成された蒸発器1bについて、以下その動作、作用を説明する。
図5における破線の矢印は、y軸方向における作動流体経路10の両端部における作動流体Rが流れる方向を示す。第一部位11において作動流体は、例えば、液相状態である。第一部位11を通過した作動流体Rは第二部位12に導かれる。第一流路11aを通過した作動流体R及び第二流路11bを通過した作動流体Rは、合流して単一の流路12sに導かれる。第二部位12において作動流体Rは、例えば気液二相状態である。第二部位12を通過した作動流体Rの流れは2つに分かれ、2つの流路13mを流れる。
【0051】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、蒸発器1bにおける第二部位12は、単一の流路12sのみを含む。流路12sは、第一流路11aを通過した作動流体R及び第二流路11bを通過した作動流体Rを受け入れて第三部位13に導く。
【0052】
これにより、気液二相状態の作動流体Rは単一の流路12sのみを流れるので、作動流体Rの流量のばらつきが発生することを防止できる。
【0053】
本実施形態のように、第三部位13は、並列に配置された複数の流路13mを含んでいてもよい。
【0054】
これにより、気相状態の作動流体Rの流速が低くなりやすく、第三部位13における気相の作動流体の流れの圧力損失が低くなりやすい。このため、蒸発器1bにおける作動流体の流れの圧力損失を低く保ちつつ、作動流体Rの流量のばらつきを防止できる。
【0055】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1及び実施の形態2を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0056】
例えば、蒸発器1aを用いて、
図6に示すランキンサイクル装置100を提供できる。ランキンサイクル装置100は、蒸発器1aと、ポンプ2と、膨張機3と、凝縮器4とを備えている。ランキンサイクル装置100において、ポンプ2、蒸発器1a、膨張機3、及び凝縮器4が配管9によって接続され作動流体が循環する閉じた回路が形成されている。ランキンサイクル装置100は、例えば、第一流路部材7a及び第二流路部材7bをさらに備えている。第一流路部材7a及び第二流路部材7bのそれぞれは、その内部に熱媒体Gの流路を有する。蒸発器1aは、第一流路部材7aと第二流路部材7bとの間に配置されている。第一流路部材7aを通過した熱媒体Gは、蒸発器1aにおける熱媒体経路30に導かれる。
【0057】
ポンプ2は、作動流体Rを吸い込んで加圧し、加圧した作動流体Rを吐き出す。ポンプ2は、例えば、ギヤポンプ等の容積型のポンプである。
【0058】
膨張機3には蒸発器1aから排出された気相の作動流体Rが供給される。膨張機3において、作動流体Rは膨張して低圧の状態になる。膨張機3は、作動流体Rの膨張に伴い外部に放出されるエネルギーを回転トルクとして動力を生じさせる。例えば、この動力によって発電が行われる。膨張機3は、例えば、スクロール式、レシプロ式、又はロータリー式の流体機械である。
【0059】
凝縮器4は、例えば、空冷式の熱交換器である。凝縮器4は、膨張機3から排出された作動流体Rを外気と熱交換させることによって作動流体Rを冷却して凝縮させ、外気へ熱を放出する。ランキンサイクル装置100は、例えばファン5をさらに備えている。ファン5の作動により、凝縮器4に向かって外気が送られる。凝縮器4は、例えば、フィンチューブ熱交換器である。凝縮器4は水冷式の熱交換器であってもよい。
【0060】
以上のように構成されたランキンサイクル装置100について、以下その動作、作用を説明する。ランキンサイクル装置100は、例えば以下の手順で運転される。まず、ポンプ2を動かしてランキンサイクル装置100の運転を開始させる。ポンプ2は、作動流体Rを吸い込んで加圧し、加圧された作動流体Rを吐き出す。ポンプ2から吐出された作動流体Rは、蒸発器1aに導かれる。蒸発器1aにおいて作動流体Rは、熱媒体Gから熱を受け取り、過熱状態の気相の作動流体Rへと変化する。高温かつ気相の作動流体は、膨張機3へと送られる。膨張機3において、作動流体Rの圧力エネルギーが機械エネルギーに変換され、その機械エネルギーによって発電機が駆動され電力が生成される。なお、
図6において発電機の図示を省略している。膨張機3から吐出された作動流体Rは、凝縮器4に導かれる。作動流体Rは、凝縮器43において外気によって冷却され凝縮する。凝縮した作動流体Rは、ポンプ2によって加圧され、再び蒸発器1aに送られる。
【0061】
以上のように、蒸発器1aは、ランキンサイクル装置100に適用できる。なお、蒸発器1aに代えて蒸発器1bを用いてランキンサイクル装置を提供してもよい。
【0062】
実施の形態1及び2では、フィン20の材料並びに作動流体経路10に含まれる直管及びUベンドの材料の一例として、ステンレス鋼を示した。フィン20の材料並びに作動流体経路10に含まれる直管及びUベンドの材料は、高い熱伝導率を有する材料であればよい。このため、フィン20の材料並びに作動流体経路10に含まれる直管及びUベンドの材料は、ステンレス鋼に限定されない。一方、フィン20の材料並びに作動流体経路10に含まれる直管及びUベンドの材料がステンレス鋼であることにより、これらの部材の耐腐食性を向上させることができ、蒸発器1a又は1bの信頼性及び耐久性を高めることができる。
【0063】
フィン20の材料並びに作動流体経路10に含まれる直管及びUベンドの材料は、アルミニウムであってもよい。この場合、アルミニウムの密度が低いので、蒸発器1a又は1bを軽量化できる。
【0064】
フィン20の材料並びに作動流体経路10に含まれる直管及びUベンドの材料は、銅であってもよい。この場合、銅の熱伝導率が高いので、蒸発器1a又は1bの小型化を図ることができる。
【0065】
実施の形態1及び2では、フィン20の厚みの一例を0.2mmと説明した。フィン20の厚みは、加工時の変形及び亀裂が生じない厚みであればよい。従って、フィン20の厚みは0.2mmに限定されない。フィン20の厚みは、0.1mm以上1mm以下の範囲であってもよい。
【0066】
実施の形態1では、作動流体経路10に含まれるUベンドのピッチの一例を37.5mmと説明した。Uベンドのピッチは、加工時の変形及び亀裂が生じない値であればよい。従って、Uベンドのピッチは37.5mmに限定されない。Uベンドのピッチは、25mm以上100mm以下の範囲であってもよい。
【0067】
実施の形態1及び2において作動流体経路10に含まれる直管とフィン20との間の伝熱性能を高める手段として、フィン20に形成された開口に直管を圧入することを説明した。直管とフィン20との間の伝熱性能を高める手段は、直管とフィン20との密着性を向上させる手段であればよい。従って、直管とフィン20との間の伝熱性能を高める手段は、フィン20に形成された開口に直管を圧入することに限定されない。一方、フィン20に形成された開口に直管を圧入することによれば、直管の材料が硬くても直管とフィン20との密着性を高く保つことができる。
【0068】
直管とフィン20との間の伝熱性能を高める手段は、直管の拡管を伴う手段であってもよい。この場合、直管の拡管により直管とフィン20との密着性を高めることができる。
【0069】
直管とフィン20との間の伝熱性能を高める手段は、直管とフィン20との溶接であってもよい。この場合、直管とフィン20との間に生じる接触熱抵抗を低くできる。
【0070】
実施の形態1及び2では、分岐管17及びジョイント管18の一例として、Y字管を示した。分岐管17及びジョイント管18は、それぞれ、作動流体Rの分岐及び合流を行う機能が備えた部品であればよい。従って、分岐管17及びジョイント管18はY字管に限定されない。一方、分岐管17及びジョイント管18がY字管であると、低コストで作動流体Rの分岐及び合流がなされる流路を形成できる。
【0071】
分岐管17及びジョイント管18のそれぞれは、ディストリビュータ(分流器)であってもよい。この場合、分流性能等の性能を向上させることができる。
【0072】
分岐管17及びジョイント管18のそれぞれは、ヘッダーであってもよい。この場合、作動流体Rの流れの分岐の数及び合流する作動流体Rの流れの数が多い場合でも、作動流体Rの流れの分岐及び合流を行いやすい。
【0073】
実施の形態1及び2では、熱媒体Gの一例として、工場からの排ガスを説明した。熱媒体Gはこれに限定されない。熱媒体Gは、例えば、温泉排熱を有する熱媒体、自動車排熱を有する熱媒体、又はバイオマス燃焼熱を有する熱媒体であってもよい。
【0074】
実施の形態1及び2では、熱媒体Gの温度及び流量の一例を、それぞれ、200℃及び300Nm3/時間と説明した。熱媒体Gの温度及び流量はこれらに限定されない。熱媒体Gの温度は100℃以上600℃以下の範囲であってもよい。熱媒体Gの流量は100Nm3/時間以上2000Nm3/時間以下の範囲であってもよい。
【0075】
実施の形態1では、第一流路11aをなす管の内径及び第二流路11bをなす管の内径のそれぞれの一例を19.1mmと説明した。加えて、第三流路12aをなす管の内径及び第四流路12bをなす管の内径のそれぞれの一例を15.9mmと説明した。さらに、第五流路13aをなす管及び第六流路13bをなす管のそれぞれの一例を19.1mmと説明した。各流路をなす管の内径はこれらの値に限定されない。これらの流路をなす管の内径は、6.4mm以上25.4mm以下の範囲であってもよい。
【0076】
実施の形態2では、第三部位13が並列に配置された複数の流路13mを含む例を示した。蒸発器1bにおいて第三部位13はこの例に限定されない。蒸発器1bにおいて第三部位13は単一の流路として形成されていてもよい。
【0077】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示は、熱媒体の熱によって作動流体を蒸発させる蒸発器に適用可能である。具体的には、工場、温泉、又は自動車等の排熱から熱を回収して電気を生成するランキンサイクル装置、冷凍装置、空調装置、ヒートポンプ装置、又はCHPなどのコジェネレーションシステムにおける蒸発器として本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1a、1b 蒸発器
10 作動流体経路
11 第一部位
11a 第一流路
11b 第二流路
12 第二部位
12a 第三流路
12b 第四流路
12k 下降流路
12s 単一の流路
13 第三部位
13a 第五流路
13b 第六流路
15 入口流路
30 熱媒体経路