(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、および在庫管理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240415BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20240415BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2020028747
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 サヤカ
(72)【発明者】
【氏名】梁瀬 蓉平
(72)【発明者】
【氏名】成田 雅弘
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-146413(JP,A)
【文献】特開2004-307095(JP,A)
【文献】特開2005-11083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G06Q 10/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の所定エリアが有する外部との間の第1出入口と、売り場との間の第2出入口との各々に設けられる、物品に付された無線タグから当該物品に関する情報を読み取る無線タグ読取装置から、当該無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報を取得する物品情報取得部と、
前記無線タグ読取装置に対する前記物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、
前記所定エリアに対する前記第1出入口を介した物品の入出荷と、前記所定エリアに対する前記第2出入口を介した物品の入出荷とを判断する判断部と、
前記物品情報取得部が取得した物品に関する情報と当該物品に関する前記判断部の判断結果とを関連付けて記憶する記憶制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
店舗の所定エリアが有する外部との間の第1出入口と、売り場との間の第2出入口との各々に設けられる、物品に付された無線タグから当該物品に関する情報を読み取る無線タグ読取装置から、当該無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報を取得する物品情報取得部と、
前記無線タグ読取装置に対する前記物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、
前記所定エリアに対する前記第1出入口を介した物品の入出荷と、前記所定エリアに対する前記第2出入口を介した物品の入出荷とを判断する判断部と、
前記物品情報取得部が取得した物品に関する情報と当該物品に関する前記判断部の判断結果とに基づいて、前記所定エリア内の在庫を管理する在庫管理データベースを更新する更新部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
情報処理装置をコンピュータによって制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
店舗の所定エリアが有する外部との間の第1出入口と、売り場との間の第2出入口との各々に設けられる、物品に付された無線タグから当該物品に関する情報を読み取る無線タグ読取装置から、当該無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報を取得する物品情報取得部と、
前記無線タグ読取装置に対する前記物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、
前記所定エリアに対する前記第1出入口を介した物品の入出荷と、前記所定エリアに対する前記第2出入口を介した物品の入出荷とを判断する判断部と、
前記物品情報取得部が取得した物品に関する情報と当該物品に関する前記判断部の判断結果とを関連付けて記憶する記憶制御部と、
として機能させるプログラム。
【請求項4】
情報処理装置をコンピュータによって制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
店舗の所定エリアが有する外部との間の第1出入口と、売り場との間の第2出入口との各々に設けられる、物品に付された無線タグから当該物品に関する情報を読み取る無線タグ読取装置から、当該無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報を取得する物品情報取得部と、
前記無線タグ読取装置に対する前記物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、
前記所定エリアに対する前記第1出入口を介した物品の入出荷と、前記所定エリアに対する前記第2出入口を介した物品の入出荷とを判断する判断部と、
前記物品情報取得部が取得した物品に関する情報と当該物品に関する前記判断部の判断結果とに基づいて、前記所定エリア内の在庫を管理する在庫管理データベースを更新する更新部と、
として機能させるプログラム。
【請求項5】
店舗の所定エリアが有する外部との間の第1出入口と、売り場との間の第2出入口との各々に設けられるとともに、物品に付された無線タグから当該物品に関する情報を読み取る無線タグ読取装置と、
前記所定エリア内の物品の在庫を管理する在庫管理データベースを備えた在庫管理装置と、
を備えた在庫管理システムであって、
前記無線タグ読取装置に対する前記物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、
前記所定エリアに対する前記第1出入口を介した物品の入出荷と、前記所定エリアに対する前記第2出入口を介した物品の入出荷とを判断する判断部と、
前記無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報、および前記判断部の判断結果に基づいて、前記在庫管理データベースを更新する更新部と、
を備えたことを特徴とする在庫管理システム。
【請求項6】
店舗における商品保管場所と外部との間に位置する出入口に設けられるとともに、商品に付された無線タグから当該商品の情報を読み取る第1無線タグ読取装置と、
前記商品保管場所と売り場との間に位置する出入口に設けられるとともに、商品に付された無線タグから当該商品の情報を読み取る第2無線タグ読取装置と、
前記商品保管場所内の商品の在庫を管理する第1在庫管理データベース、および前記売り場内の商品の在庫を管理する第2在庫管理データベースを備えた在庫管理装置と、
を備えた在庫管理システムであって、
前記第1無線タグ読取装置に対する前記商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、前記商品保管場所に対する商品の入出荷を判断する第1判断部と、
前記第2無線タグ読取装置に対する前記商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、前記売り場に対する商品の入出荷を判断する第2判断部と、
前記第1無線タグ読取装置が読み取った商品に関する情報、前記第1判断部の判断結果、前記第2無線タグ読取装置が読み取った商品に関する情報、および前記第2判断部の判断結果に基づいて、前記第1在庫管理データベースを更新する第1更新部と、
前記第2無線タグ読取装置が読み取った商品に関する情報、前記第2判断部の判断結果、および前記売り場における商品の売上情報に基づいて、前記第2在庫管理データベースを更新する第2更新部と、
を備えたことを特徴とする在庫管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、プログラム、および在庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)技術を、物品や商品の在庫管理に活用することが行われている。一例として、店舗のバックヤードと売り場との間にRFIDタグ(以下、無線タグともいう)から情報を読み取るアンテナゲートを設け、売り場に運ばれた商品を把握する売場在庫管理システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
詳細には、上記売場在庫管理システムは、バックヤードから売り場に商品が運ばれる際に、アンテナゲートによって商品に付された無線タグから商品情報を読み取ることにより、売り場に運ばれて増えた商品を認識する。また、上記売場在庫管理システムは、POSシステムから売られた商品の情報を得ることで売り場から減った商品を認識する。このように、上記売場在庫管理システムは、アンテナゲートとPOSシステムからの情報に基づいて、売り場内にある商品の在庫管理を行う。
【0004】
しかしながら、従来技術においては、商品が売られたことで売り場から商品が減ったことは認識できるが、売り場からバックヤードに商品が戻された場合には認識できない。したがって、このような場合、別途何等かの管理が必要になることから、容易に在庫管理を行えることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、容易に在庫管理を行うことが可能な情報処理装置、プログラム、および在庫管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、店舗の所定エリアが有する外部との間の第1出入口と、売り場との間の第2出入口との各々に設けられる、物品に付された無線タグから当該物品に関する情報を読み取る無線タグ読取装置から、当該無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報を取得する物品情報取得部と、前記無線タグ読取装置に対する前記物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、前記所定エリアに対する前記第1出入口を介した物品の入出荷と、前記所定エリアに対する前記第2出入口を介した物品の入出荷とを判断する判断部と、前記物品情報取得部が取得した物品に関する情報と当該物品に関する前記判断部の判断結果とを関連付けて記憶する記憶制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の在庫管理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の在庫管理システムの使用形態を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のゲートリーダのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態のゲートリーダの記憶部に記憶される入出荷情報テーブルのデータ構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態のゲートリーダの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態のサーバの記憶部に記憶される在庫管理データベースのデータ構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態のゲートリーダにおける情報処理装置部の処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2の実施形態の在庫管理システムを示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の在庫管理システムの使用形態を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態のサーバの記憶部に記憶される第1在庫管理データベースのデータ構成を示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態のサーバの記憶部に記憶される第2在庫管理データベースのデータ構成を示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態の在庫管理システム全体の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図17】
図17は、第2の実施形態のサーバにおける制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の在庫管理システムについて、
図1~
図9を参照して説明する。
図1は、在庫管理システムの概要を示す図である。在庫管理システム1は、ゲートリーダ10とサーバ20等を備える。なお、詳細は後述するが、本実施形態においては、ゲートリーダ10は、無線タグ読取装置の機能と情報処理装置の機能とを備えている。したがって、ゲートリーダ10は、無線タグ読取装置および情報処理装置の一例である。また、サーバ20は在庫管理装置の一例である。ゲートリーダ10とサーバ20とは、ネットワークを介して接続されている。なお、本実施形態の情報処理装置は、物品を商品とし、衣料品の店舗における商品保管室の在庫を管理する在庫管理装置に適用したものとして説明するが、これに限らない。例えば、情報処理装置は、物品を部品とし、工場等における部品管理室の在庫を管理する部品管理システム等にも適用できる。
【0009】
図2は、在庫管理システムの使用形態を模式的に示す図である。店舗のいわゆるバックヤードに設けられる商品保管室2は、売り場に陳列される前の多数の商品を保管する。保管される商品は、商品の種類毎に収納棚3に収納されている。商品保管室2は、所定エリアの一例であり、出入口4を備えている。店員等は、出入口4を通過することで、商品保管室2への入退が可能となっている。
【0010】
出入口4は、その両側に位置して一対のゲートリーダ10を備える。ゲートリーダ10は、出入口4を通過する商品に付された無線タグのタグ情報を読み取る無線タグ読取装置として機能する。また、ゲートリーダ10は、表示部5とアンテナ6(
図3参照)とを備える。表示部5は、出入口4の上方に配設され、例えば、商品の商品保管室2への入出荷状況を表示する。アンテナ6は、ゲートリーダ10を通過する商品に付された無線タグと電波を送受信する。アンテナ6による電波の送受信範囲は、ゲートリーダ10間付近までであり、商品保管室2に保管された商品に付された無線タグとは電波の送受信は行うことはない。また、アンテナ6は、直線状に配置される複数のアンテナ素子を備えており、どのアンテナ素子が無線タグに反応するかを検知することで、無線タグの移動方向を認識することができる。無線タグの移動方向を認識可能なこの種の無線タグ読取装置はすでに広く知られているので、詳細な説明は割愛する。
【0011】
上述したとおり、出入口4を介して商品保管室2への入退がなされるため、仕入先等から商品保管室2に入荷される商品、および、商品保管室2から売り場や他店舗または店外に出荷される商品は、ゲートリーダ10を通過する。ゲートリーダ10は、無線タグの移動方向を認識することで、無線タグが付された商品が商品保管室2内に運び込まれた(入荷)か、商品保管室2外に運び出された(出荷)か、を判断する。なお、本実施形態では、商品の移動方向を検知する構成として、無線タグの移動方向を検知する機能を備えたゲートリーダ10を採用したが、これに限らない。例えば、商品保管室2の内外に、出入口4周辺に位置する人感センサーをそれぞれ設け、それぞれの人感センサーが検知した順序によって商品を運搬する人の移動を検知し、検知した移動情報とゲートリーダ10が読み取る無線タグのタグ情報とによって商品の移動を検知してもよい。
【0012】
次に、ゲートリーダ10のハードウェア構成について、
図3を参照して説明する。ゲートリーダ10は、制御部100、メモリ部110、コントローラ120、通信I/F(Interface)130等を備えている。制御部100、メモリ部110、コントローラ120、通信I/F130はバス140を介して互いに接続されている。
【0013】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103を備えている。CPU101、ROM102、RAM103は、互いにバス140を介して接続されている。CPU101は、ゲートリーダ10全体を制御する。ROM102は、CPU101の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用され、ROM102やメモリ部110に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部100は、CPU101がROM102やメモリ部110に記憶されRAM103に展開された制御プログラムに従って動作することによって、ゲートリーダ10の各種制御処理を実行する。
【0014】
メモリ部110は、制御プログラム部111、入出荷情報部112を備える。制御プログラム部111は、各種制御プログラムを記憶する。入出荷情報部112は、
図4に示す入出荷管理テーブルを記憶するエリアである。入出荷管理テーブルは、商品コード1121、商品名1122、個品コード1123、判断結果1124、店舗コード1125、ゲートNo1126、通過時間1127を関連付けて記憶する。
【0015】
商品コード1121には、ゲートリーダ10を通過した商品の商品コードが記憶される。商品コードは、商品の種類を特定する情報で、商品の色、サイズも特定される。商品名1122には、ゲートリーダ10を通過した商品の名称が記憶される。商品名は、商品コード毎に定められている。個品コード1123には、ゲートリーダ10を通過した商品そのもの(個品)を特定する個品コードが記憶される。判断結果1124には、ゲートリーダ10を通過した商品が商品保管室2に入荷されたのか、商品保管室2から出荷されたのか、の判断結果が記憶される。この判断は、ゲートリーダ10の制御部で判断される。店舗コード1125には、ゲートリーダ10を通過した商品を保管する店舗を示す店舗コードが記憶される。ゲートNo1126には、ゲートリーダ10を特定するゲートNoが記憶される。通過時間1127には、ゲートリーダ10が商品に付された無線タグからタグ情報を読み取った時間が記憶される。
【0016】
図3に戻って、コントローラ120は、表示部5およびアンテナ6に接続されている。これにより、制御部100は、コントローラ120を介して、表示部5やアンテナ6とデータの送受信が可能となっている。通信I/F130は、サーバ20と接続されている。これにより、制御部100は、サーバ20とデータの送受信が可能となっている。
【0017】
次に、ゲートリーダ10の制御部100の機能構成について、
図5を参照して説明する。制御部100は、CPU101がROM102やメモリ部110に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、物品情報読取部1001、方向情報読取部1002、表示制御部1003、物品情報取得部1004、方向情報取得部1005、入出荷判断部1006、記憶制御部1007、出力部1008、として機能する。なお、上記各機能構成はハードウェアで実現してもよい。物品情報読取部1001、方向情報読取部1002、および、表示制御部1003は、無線タグ読取装置の機能を有する無線タグ読取装置部1100を構成する。また、物品情報取得部1004、方向情報取得部1005、入出荷判断部1006、記憶制御部1007、および、出力部1008は、情報処理装置の機能を有する情報処理装置部1200を構成する。
【0018】
物品情報読取部1001は、アンテナ6から電波情報が入力されて、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る。商品情報は、商品コード、商品名、個品コードなどを含む。方向情報読取部1002は、アンテナ6から電波情報が入力されて、ゲートリーダ10に対する無線タグが付された商品の通過方向を読み取る。通過方向は、商品保管室2の外から中に向かう方向、または、商品保管室2の中から外に向かう方向のいずれかである。表示制御部1003は、表示部5に、例えば、商品の商品保管室2への入出荷状況を表示させる。
【0019】
物品情報取得部1004は、無線タグ読取装置を通過する物品に付された無線タグから当該無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報を取得する。具体的には、物品情報取得部1004は、ゲートリーダ10を通過する商品に付された無線タグから、無線タグ読取装置部1100の物品情報読取部1001が読み取った商品情報を取得する。方向情報取得部1005は、無線タグ読取装置部1100の方向情報読取部1002が無線タグから読み取った商品の通過方向を取得する。
【0020】
入出荷判断部1006は、判断部を構成するもので、無線タグ読取装置に対する物品の通過方向を示す方向情報に基づいて、所定エリアに対する物品の入出荷を判断する。具体的には、入出荷判断部1006は、方向情報取得部1005が取得した方向情報に基づいて、商品保管室2に対する商品の入荷または出荷を判断する。入出荷判断部1006は、商品の通過方向が、商品保管室2の外から中に向かう方向である場合に入荷と判断し、商品保管室2の中から外に向かう方向である場合に出荷と判断する。
【0021】
記憶制御部1007は、物品情報取得部が取得した物品に関する情報と当該物品に関する判断部の判断結果とを関連付けて記憶する。具体的には、記憶制御部1007は、物品情報取得部1004が取得した商品情報と、この商品情報に係る商品が入荷されたか出荷されたかを判断した入出荷判断部1006の判断結果と、を関連付けて記憶する。より詳細には、記憶制御部1007は、物品情報取得部1004が取得した商品情報と、入出荷判断部1006による判断結果と、をメモリ部110の入出荷情報部112に記憶された入出荷管理テーブルに書き込む。出力部1008は、入出荷管理テーブルに記憶された情報をサーバ20に出力する。
【0022】
次に、サーバ20のハードウェア構成について、
図6を参照して説明する。サーバ20は、制御部200、メモリ部210、通信I/F(Interface)220等を備えている。制御部200、メモリ部210、通信I/F220は、バス230を介して互いに接続されている。
【0023】
制御部200は、CPU201、ROM202、RAM203を備えている。CPU201、ROM202、RAM203は、互いにバス230を介して接続されている。CPU201は、サーバ20全体を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202やメモリ部210に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部200は、CPU201がROM202やメモリ部210に記憶されRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ20の各種制御処理を実行する。
【0024】
メモリ部210は、HDD(Hard Disk Drive)などからなり、制御プログラム部211、在庫管理DB部212を備える。制御プログラム部211は、各種制御プログラムを記憶する。在庫管理DB部212は、複数の店舗における商品の在庫状況を管理する在庫管理データベースを記憶する。在庫管理データベースは、
図7に示すように、店舗コード2121、商品コード2122、商品名2123、在庫数2124、個品コード2125、入荷日時2126を関連付けて記憶する。
【0025】
店舗コード2121には、サーバ20に対して入出荷管理テーブルに記憶された情報を送信したゲートリーダ10が設けられる店舗を特定する店舗コードが記憶される。商品コード2122、商品名2123には、サーバ20がゲートリーダ10から受信した商品コード、商品名がそれぞれ記憶される。在庫数2124には、サーバ20がゲートリーダ10から受信した商品コード、個品コードに基づいて算出した商品コード毎の在庫数が記憶される。個品コード2125には、サーバ20がゲートリーダ10から受信した個品コードが記憶される。入荷日時2126は、個品コードで特定される商品が商品保管室2に入荷された日時が記憶される。入荷日時は、サーバ20がゲートリーダ10から受信した通過日時および判断結果に基づいて定められる。
【0026】
図6に戻り、通信I/F220は、ゲートリーダ10に接続されている。これにより、制御部200は、ゲートリーダ10とデータの送受信が可能となっている。
【0027】
次に、サーバ20の機能構成について、
図8を参照して説明する。制御部200は、CPU201がROM202やメモリ部210に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入出荷情報受信部2001、更新部2002、として機能する。なお、上記各機能構成はハードウェアで実現してもよい。また、サーバ20は、複数のコンピュータによって構成してもよい。
【0028】
入出荷情報受信部2001は、ゲートリーダ10から、入出荷管理テーブルに記憶される情報を受信する。更新部2002は、無線タグ読取装置が読み取った物品に関する情報、および判断部の判断結果に基づいて、在庫管理データベースを更新する。具体的には、更新部2002は、入出荷情報受信部2001が受信した商品コード、商品名、個品コードなどの商品に関する情報、およびゲートリーダ10の入出荷判断部1006の判断結果に基づいて、在庫データベースを更新する。
【0029】
上記各構成に基づく在庫管理システム1において、ゲートリーダ10の情報処理装置部1200が行う処理について、
図9を参照して説明する。制御部100は、物品情報取得部1004が無線タグ読取装置部1100から物品情報を取得したか否かを判断する(S1)。言い換えると、制御部100は、ゲートリーダ10を通過する商品があるか否かを判断する。制御部100は、物品情報取得部1004が商品情報を取得していないと(S1のN)、S1の処理に戻り、商品情報を取得していると(S1のY)、方向情報取得部1005が無線タグ読取装置部1100から方向情報を取得したか否かを判断する(S2)。
【0030】
方向情報取得部1005が方向情報を取得していないと(S2のN)、制御部100は、S1の処理に戻り、方向情報を取得していると(S2のY)、入出荷判断部1006は、入出荷判断を行う(S3)。方向情報取得部1005が取得した方向情報が、商品の通過方向が商品保管室2の外から中に向かう方向であることを示す情報の場合、入出荷判断部1006は、入荷と判断する。方向情報取得部1005が取得した方向情報が、商品の通過方向が商品保管室2の中から外に向かう方向であることを示す情報の場合、入出荷判断部1006は、出荷と判断する。
【0031】
続いて記憶制御部1007は、入出荷判断部1006による入出荷判断情報と商品情報とを関連付けて記憶する(S4)。本実施形態においては、記憶制御部1007は、
図4に示す入出荷管理テーブルの各項目に関するデータを書込む。そして、出力部1008は、入出荷管理テーブルに記憶される情報をサーバ20に出力する(S5)。上記処理によって、サーバ20は、ゲートリーダ10を通過した商品の入出荷状況を認識することができる。
【0032】
以上説明したとおり、本実施形態の情報処理装置によれば、ゲートリーダ10を通過する商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、商品の入出荷を判断し、この判断結果とゲートリーダ10が読み取った商品情報を関連付けて記憶する。すなわち、情報処理装置部1200は、無線タグ読取装置部1100から情報を取得することで、ゲートリーダ10を通過する商品が商品保管室2に入荷されるものなのか、出荷されるものなのか示す入出荷管理テーブルを作成できる。このため、在庫管理を行うにあたって必要な情報を容易に作成することができ、結果として、在庫管理を容易に行うことが可能な在庫管理システムを提供することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、情報処理装置部1200の機能をゲートリーダ10に持たせて、ゲートリーダ10を情報処理装置としたが、情報処理装置部1200の機能をサーバ20に持たせてサーバ20を情報処理装置としてもよい。この場合、情報処理装置は、入出荷判断部1006の判断結果と物品情報取得部1004が取得した商品情報とを関連付けて記憶しなくともよい。すなわち、サーバ20を情報処理装置とする場合には、サーバ20は、入出荷判断部1006の判断結果と物品情報取得部1004が取得した商品情報に基づいて、在庫管理データベースを更新するようにしてもよい。言い換えると、サーバ20に入出荷判断部1006の判断結果と物品情報取得部1004が取得した商品情報に基づいて、在庫管理データベースを更新する更新部を設けてもよい。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、
図10~
図17を参照して説明する。第2の実施形態の在庫管理システムは、バックヤードの商品保管場所と店頭の売り場とを含む店舗全体の在庫を管理する在庫管理システムである。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一部号を付し、その説明を省略する。
【0035】
図10は、在庫管理システムの概要を示す図である。在庫管理システム1は、第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40、POS端末50、複数のウェアラブル端末60、サーバ70等を備える。第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40、POS端末50、複数のウェアラブル端末60、サーバ70はネットワークを介して互いに接続されている。なお、詳細は後述するが、本実施形態においては、サーバ70は、情報処理装置の機能と在庫管理装置の機能とを備えている。したがって、サーバ70は、情報処理装置および在庫管理装置の一例である。また、第1ゲートリーダ30は、第1無線タグ読取装置の一例であり、第2ゲートリーダ40は、第2無線タグ読取装置の一例である。
【0036】
図11は、在庫管理システムの使用形態を模式的に示す図である。店舗は、商品保管室11と売り場12とに区画形成されている。商品保管場所である商品保管室11は、売り場に陳列される前の多数の商品を保管する。保管される商品は、商品の種類毎に収納棚13に収納されている。商品保管室11は、外部への出入口14、売り場12への出入口15を備えている。出入口14は、その両側に位置して一対の第1ゲートリーダ30を備える。第1ゲートリーダ30の構成は、第1の実施形態におけるゲートリーダ10と同様であり、表示部16を備える。出入口15は、その両側に位置して一対の第2ゲートリーダ40を備える。第2ゲートリーダ40の構成は、第1の実施形態におけるゲートリーダ10、第1ゲートリーダ30と同様であり、表示部17を備える。
【0037】
売り場12は、図示はしていないが、多数の商品を陳列する陳列棚や顧客が会計を行うPOS端末50などが設置されている。また、売り場12は、顧客が出入りするための出入口(図示せず)も設けられている。売り場12には、複数の店員が存在し、各店員はウォッチ式のウェアラブル端末60を装着している。
【0038】
上記店舗においては、店舗に搬入される商品は、出入口14から商品保管室11に入荷される。商品保管室11内の商品は、出入口15から売り場12へ出荷され、または、出入口14から店外へ出荷される。売り場12に入荷された商品は、顧客に購入されて店舗外へ出荷され、または、出入口15から商品保管室11に出荷される。
【0039】
次に、サーバ70のハードウェア構成について、
図12を参照して説明する。サーバ70は、制御部700、メモリ部710、通信I/F720、730、740、750等を備えている。制御部700、メモリ部710、通信I/F720、730、740、750は、バス760を介して互いに接続されている。
【0040】
制御部700は、CPU701、ROM702、RAM703を備えている。CPU701、ROM702、RAM703は、互いにバス760を介して接続されている。CPU701は、サーバ70全体を制御する。ROM702は、CPU701の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用され、ROM702やメモリ部710に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部700は、CPU701がROM702やメモリ部710に記憶されRAM703に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ70の各種制御処理を実行する。
【0041】
メモリ部710は、HDD(Hard Disk Drive)などからなり、制御プログラム部711、第1在庫管理DB部712、第2在庫管理DB部713、在庫閾値部714を備える。制御プログラム部711は、各種制御プログラムを記憶する。第1在庫管理DB部712は、商品保管室11における商品の在庫状況を管理する第1在庫管理データベースを記憶する。第2在庫管理DB部713は、売り場12における商品の在庫状況を管理する第2在庫管理データベースを記憶する。なお、第1在庫管理データベースと第2在庫管理データベースとを、1つのデータベースで構成してもよい。在庫閾値部714は、商品保管室11内における商品の在庫数の閾値(以下、第1閾値という)、および売り場12内における商品の在庫数の閾値(以下、第2閾値ともいう)を記憶する。第1閾値および第2閾値は、商品ごとに設定される。詳細は後述するが、在庫管理システム1は、商品保管室11内の商品数が第1閾値を下回ると、店員に当該商品の発注を促す。また、在庫管理システム1は、売り場12内の商品数が第2閾値を下回ると、店員に当該商品の品出しを促す。
【0042】
第1在庫管理データベース、第2在庫管理データベース、在庫閾値の内容について、
図13、
図14を参照して説明する。
図13は、第1在庫管理データベースのデータ構成を示す図である。第1在庫管理データベースは、店舗コード7121、商品コード7122、商品名7123、在庫数7124、在庫閾値7125、個品コード7126、入荷日時7127、戻り入荷日時7128を関連付けて記憶する。
【0043】
店舗コード7121には、サーバ70に対して情報を送信した第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40が設けられる店舗を特定する店舗コードが記憶される。商品コード7122、商品名7123には、サーバ70が第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40から受信した商品コード、商品名がそれぞれ記憶される。在庫数7124には、サーバ70が第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40から受信した商品コード、個品コードに基づいて算出した商品コード毎の在庫数が記憶される。在庫閾値7125には、商品毎に設定された第1閾値が記憶される。個品コード7126には、サーバ70が第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40から受信した個品コードが記憶される。入荷日時2127は、個品コードで特定される商品が外部から商品保管室11に入荷された日時が記憶される。戻り入荷日時は、個品コードで特定される商品が売り場12から商品保管室11に入荷された日時が記憶される。なお、第1在庫管理データベースは、商品が商品保管室11から出荷されると、当該商品に関するデータがクリアされるため、入荷日時7127と戻り入荷日時7128とのいずれかに日時が記憶される。
【0044】
図14は、第2在庫管理データベースのデータ構成を示す図である。第2在庫管理データベースは、店舗コード7131、商品コード7132、商品名7133、在庫数7134、在庫閾値7135、個品コード7136、入荷日時7137、を関連付けて記憶する。
【0045】
店舗コード7131には、第2ゲートリーダ40が設けられる店舗を特定する店舗コードが記憶される。商品コード7132、商品名7133には、サーバ70が第2ゲートリーダ40から受信した商品コード、商品名がそれぞれ記憶される。在庫数7134には、サーバ70が第2ゲートリーダ40、POS端末50から受信した商品コード、個品コードに基づいて算出した商品コード毎の在庫数が記憶される。在庫閾値7135には、商品毎に設定された第2閾値が記憶される。個品コード7136には、サーバ70が第2ゲートリーダ40から受信した個品コードが記憶される。入荷日時2127は、個品コードで特定される商品が商品保管室11に入荷された日時が記憶される。
【0046】
上述のとおり、第1在庫管理データベースには第1閾値が記憶され、第2在庫管理データベースには、第2閾値が記憶される。したがって、メモリ部710の第1在庫管理DB部712および第2在庫管理DB部713は、在庫閾値部714を兼用する。
【0047】
図12に戻って、通信I/F720は、第1ゲートリーダ30と接続される。通信I/F730は、第2ゲートリーダ40と接続される。通信I/F740は、POS端末50と接続される。通信I/F750は、ウェアラブル端末60と接続される。これにより、制御部700は、第1ゲートリーダ30、第2ゲートリーダ40、POS端末50、ウェアラブル端末60とデータの送受信が可能となっている。
【0048】
次に、サーバ70の制御部700の機能構成について、
図15を参照して説明する。制御部700は、CPU701がROM702やメモリ部710に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、第1物品情報取得部7001、第1方向情報取得部7002、第1入出荷判断部7003、第2物品情報取得部7004、第2方向情報取得部7005、第2入出荷判断部7006、売上情報取得部7007、第1更新部7008、第1通知判定部7009、第2更新部7010、第2通知判定部7011、出力部7012、として機能する。なお、上記各機能構成はハードウェアで実現してもよい。また、サーバ70は、複数のコンピュータで構成してもよい。第1物品情報取得部7001、第1方向情報取得部7002、第1入出荷判断部7003、第2物品情報取得部7004、第2方向情報取得部7005、第2入出荷判断部7006、および、売上情報取得部7007は、情報処理装置の機能を有する情報処理装置部7100を構成する。また、第1更新部7008、第1通知判定部7009、第2更新部7010、第2通知判定部7011、および、出力部7012は、在庫管理装置の機能を有する在庫管理装置部7200を構成する。
【0049】
第1物品情報取得部7001は、第1ゲートリーダ30から、第1ゲートリーダ30が読み取った商品情報を取得する。第1方向情報取得部7002は、第1ゲートリーダ30から、第1ゲートリーダ30が読み取った商品の通過方向を示す方向情報を取得する。第1判断部である第1入出荷判断部7003は、第1無線タグ読取装置に対する商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、商品保管場所に対する商品の入出荷を判断する。具体的には、第1入出荷判断部7003は、第1方向情報取得部7002が取得した方向情報に基づいて、商品保管室11に対する商品の入荷または出荷を判断する。
【0050】
第2物品情報取得部7004は、第2ゲートリーダ40から、第2ゲートリーダ40が読み取った商品情報を取得する。第2方向情報取得部7005は、第2ゲートリーダ40から、第2ゲートリーダ40が読み取った商品の通過方向を示す方向情報を取得する。第2判断部である第2入出荷判断部7006は、第2無線タグ読取装置に対する商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、売り場に対する商品の入出荷を判断する。具体的には、第2入出荷判断部7006は、第2方向情報取得部7005が取得した方向情報に基づいて、売り場12に対する商品の入荷または出荷を判断する。
【0051】
売上情報取得部7007は、POS端末50から商品の売上情報を取得する。売上情報は、顧客が購入した商品の商品コード、個品コードを含む。売上情報取得部7007は、POS端末50で会計処理が行われる都度、POS端末50から売上情報を受信する。
【0052】
第1更新部7008は、第1無線タグ読取装置が読み取った商品に関する情報、第1判断部の判断結果、第2無線タグ読取装置が読み取った商品に関する情報、および第2判断部の判断結果に基づいて、第1在庫管理データベースを更新する。言い換えると、第1更新部7008は、第1ゲートリーダ30の出力に応じて認識する商品の入出荷状況と、第2ゲートリーダ40の出力に応じて認識する商品の入出荷状況と、に基づいて、第1在庫管理データベースを更新する。第1通知判定部7009は、商品保管室11内の商品の在庫数が第1在庫管理データベースに記憶される在庫閾値(第1閾値)を下回るか否かを判断して、ウェアラブル端末60への通知の要否を判断する。
【0053】
第2更新部7010は、第2無線タグ読取装置が読み取った商品に関する情報、第2判断部の判断結果、および売り場における売上情報に基づいて、第2在庫管理データベースを更新する。言い換えると、第2更新部7010は、第2ゲートリーダ40の出力に応じて認識する商品の入出荷状況と、POS端末50の売上情報と、に基づいて、第2在庫管理データベースを更新する。第2通知判定部7011は、売り場12内の商品の在庫数が第2在庫管理データベースに記憶される在庫閾値を下回るか否かを判断して、ウェアラブル端末60への通知の要否を判断する。
【0054】
出力部7012は、商品保管室11内の商品の在庫数が在庫管理データベースに記憶される第1閾値を下回ると、ウェアラブル端末60に発注要請通知を出力する。すなわち、商品保管室11内の商品を補充する必要が生じた場合に、出力部7012は、ウェアラブル端末60に発注要請通知を出力して、店員に商品の発注を促す。発注要請通知の内容は、発注すべき商品の商品名、個数を含む。また、出力部7012は、売り場12内の商品の在庫数が第2在庫管理データベースに記憶される第2閾値を下回ると、ウェアラブル端末60に品出し要請通知を出力する。すなわち、売り場12内の商品を補充する必要が生じた場合に、出力部7012は、ウェアラブル端末60に品出し要請通知を出力して、店員に商品保管室11から売り場12への商品の品出しを促す。品出し要請通知の内容は、品出しすべき商品の商品名、個数、商品保管室11における当該商品の収納位置、売り場における当該商品の陳列位置を含む。
【0055】
次に、上記各構成に基づき、商品が店舗に搬入されてから顧客に販売されるまでの流れに沿う在庫管理システム1の全体の流れについて、
図16のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0056】
商品が出入口14から商品保管室11に運び込まれると、第1ゲートリーダ30は、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取る(S1)。第1ゲートリーダ30は、読み取ったタグ情報に含まれる商品情報、タグを読み取ることで認識するタグの通過方向を示す方向情報、を含む情報をサーバ70に出力する。具体的には、第1ゲートリーダ30は、第1在庫管理データベースに記憶される各種情報をサーバ70に送信する(S2)。サーバ70は、受信した方向情報に基づいて、第1入出荷判断部7003が入出荷判断を行う(S3)。入出荷判断とは、タグ情報を読み込んだ商品が入荷されたか、出荷されたかを判断するものである。続いて、サーバ70は、第1ゲートリーダ30から受信した商品情報やS3で判断された入出荷情報に基づいて、第1更新部7008が第1在庫管理データベースを更新する(S4)。サーバ70は、第1通知判定部7009が第1在庫データベースの在庫数と在庫閾値とを比較して、仕入要請通知を出力する必要があるか否か判断する(S5)。サーバ70は、第1通知判定部7009が必要であると判断した場合、出力部7012が仕入要請通知をウェアラブル端末60に出力する(S6)。
【0057】
商品保管室11に入荷された商品が出入口15から売り場12に運び込まれると、第2ゲートリーダ40は、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取る(S7)。第2ゲートリーダ40は、第1ゲートリーダ30がS2で送付したと同じ情報をサーバ70に送信する(S8)。サーバ70は、受信した方向情報に基づいて、第2入出荷判断部7006が入出荷判断を行う(S9)。サーバ70は、第2ゲートリーダ40から受信した商品情報やS8で判断された入出荷情報に基づいて、第1更新部7008が第1在庫管理データベースを更新する(S10)とともに、第2更新部7010が第2在庫管理データベースを更新する(S11)。この場合、商品が商品保管室11から売り場12に移動したので、第1在庫管理データベースおよび第2在庫管理データベースが更新される。
【0058】
サーバ70は、第1通知判定部7009および第2通知判定部7011が、仕入要請通知や品出し要請通知を出力する必要があるか否か判断する(S12)。この判断は、第1在庫管理データベースの在庫数と在庫閾値との比較、および、第2在庫管理データベースの在庫数と在庫閾値との比較、によってなされる。サーバ70は、出力部7012が必要に応じて、ウェアラブル端末60に仕入要請通知、品出し要請通知を出力する(S13)。
【0059】
売り場の商品が顧客によって購入されると、POS端末50は、売上処理を行う(S14)。売上処理は、購入する商品の情報を商品に付された無線タグから読み取って登録する商品登録処理を含む。POS端末50は、売上処理に基づく売上情報をサーバ70に送信する(S15)。売上情報には、購入された商品の商品コード、個品コードを含む。POS端末50から売上情報を受信したサーバ70は、第2更新部7010が第2在庫管理データベースを更新する(S16)。すなわち、商品が顧客により購入されて在庫が減ったため、第2更新部7010は、購入された商品にかかる情報を第2在庫管理データベースからクリアする。続いて、サーバ70は、第2通知判定部7011が品出し要請通知を出力する必要があるか否か判断する(S17)。サーバ70は、必要に応じて、出力部7012がウェアラブル端末60に品出し要請通知を出力する(S18)。この場合、商品保管室11内の商品に変動がないので、サーバ70は、第1通知判定部による判定処理は行わない。
【0060】
次に、商品が移動することに伴ってサーバ70の制御部700が行う処理について、
図17のフローチャートを用いて説明する。制御部700は、第1物品情報取得部7001が第1ゲートリーダ30から商品情報を取得したか否かを判断し(S21)、取得したと判断すると(S21のY)、第1方向情報取得部7002が第1ゲートリーダ30から方向情報を受信したか否か判断する(S22)。制御部700は、方向情報を取得していないと判断すると(S22のN)、S21の処理に戻る。方向情報を取得すると(S22のY)、第1入出荷判断部7003は、入出荷判断を行う(S23)。
【0061】
第1更新部7008は、第1物品情報取得部7001が取得した商品情報と第1入出荷判断部7003の判断結果とに基づいて第1在庫管理データベースを更新する(S24)。次いで、在庫数データが更新された商品について、第1通知判定部7009が在庫数と第1閾値とを比較する(S25)。第1在庫管理データベースが更新される度に全ての商品について在庫数と第1閾値とを比較するのではなく、在庫数データが更新された商品についてのみ上記比較を行うことで、第1通知判定部7009の処理を迅速に行うことができる。この点は、後述する第2通知判定部7011の処理も同様である。そして、誤って必要数以上に他の店舗に出荷してしまった場合など、商品保管室11の在庫数が第1閾値を下回ると(S25のY)、出力部7012は、店員が身に着けたウェアラブル端末60に仕入要請通知を出力して(S26)処理を終了する。S25において、商品の在庫数が第1閾値以上の場合(S25のN)、制御部700は、S26の処理をスキップして処理を終了する。
【0062】
また、商品が第1ゲートリーダ30を通過しておらず、S21において、第1物品情報取得部7001が商品情報を取得していない場合(S21のN)、制御部700は、第2物品情報取得部7004が商品情報を取得したか否かを判断する(S27)。制御部700は、商品情報を取得したと判断すると(S27のY)、第2方向情報取得部7005が方向情報を取得したか否か判断する(S28)。制御部700は、方向情報を取得していないと判断すると(S28のN)、S21の処理に戻る。方向情報を取得すると(S28のY)、第2入出荷判断部7006は、入出荷判断を行う(S29)。
【0063】
第1更新部7008は、第2物品情報取得部7004が取得した商品情報と第2入出荷判断部7006の判断結果とに基づいて第1在庫管理データベースを更新する(S30)。次いで、在庫数データが更新された商品について、第1通知判定部7009が在庫数と第1閾値とを比較する(S31)。商品保管室11内の商品が売り場に多く品出しされた場合など、商品保管室11内の在庫数が第1閾値を下回ると(S31のY)、出力部7012は、店員が身に着けたウェアラブル端末60に仕入要請通知を出力する(S32)。
【0064】
第2更新部7010は、第2物品情報取得部7004が取得した商品情報と第2入出荷判断部7006の判断結果とに基づいて第2在庫管理データベースを更新する(S33)。S31において、商品保管室11内の在庫数が第1閾値以上であると(S31のN)、制御部700は、S32の処理をスキップしてS33の処理に移行する。次いで、在庫数データが更新された商品について、第2通知判定部7011が在庫数と第2閾値とを比較する(S34)。売り場12内の商品が商品保管室11に多く戻された場合など、売り場12内の在庫数が第2閾値を下回ると(S34のY)、出力部7012は、店員が身に着けたウェアラブル端末60に品出し要請通知を出力して(S35)処理を終了する。S34において、売り場12内の在庫数が第2閾値以上であれば(S34のN)、制御部700は、S35の処理をスキップして処理を終了する。
【0065】
また、商品が第1ゲートリーダ30および第2ゲートリーダ40を通過しておらず、S27において、第2物品情報取得部7004が商品情報を取得していない場合(S27のN)、制御部700は、売上情報取得部7007がPOS端末50から売上情報を取得したか否か判断する(S36)。売上情報を受信しないと(S36のN)、制御部700は、S21の処理に戻り、売上情報を受信すると(S36のY)、S33の処理に移行する。以上の処理によって、店舗内の在庫管理が行われる。
【0066】
以上説明したとおり、本実施形態の在庫管理システムによれば、第1ゲートリーダ30を通過する商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、出入口14から商品保管室11に対する商品の入出荷を判断する。また、第2ゲートリーダ40を通過する商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、出入口15から商品保管室11に対する商品の入出荷を判断する。したがって、商品保管室11内の在庫管理を容易に、かつタイムリーに行うことができる。
【0067】
加えて、本実施形態の在庫管理システムによれば、第2ゲートリーダ40を通過する商品の通過方向を示す方向情報に基づいて、出入口15から売り場12に対する商品の入出荷を判断する。また、POS端末50の売上情報に基づいて、購入された商品を把握する。したがって、売り場12内の在庫管理も容易に、かつタイムリーに行うことができる。
【0068】
このように、本実施形態の在庫管理システム1によれば、店舗全体の在庫管理を行うことができるばかりでなく、商品保管室11と売り場12とを区別して在庫管理を行うことができる。また、本実施形態の在庫管理システムによれば、商品保管室11から店外に出荷された商品を把握することができ、店舗間を移動中の商品など店舗にはない在庫(以下、空中在庫ともいう)をタイムリーに把握することができる。したがって、例えば、複数店舗を管理する管理部門は、空中在庫をどの店舗に入荷させるべきかなどの判断を迅速かつタイムリーに行うことができる。
【0069】
なお、本実施形態においては、第1物品情報取得部7001が取得した商品情報と、第1入出荷判断部7003による判断結果とに基づいて、第1在庫管理データベースを更新するという、情報処理装置部7100の機能をサーバ70が備えている。しかしながら、この情報処理装置部7100の機能を第1ゲートリーダ30に持たせて、第1ゲートリーダを情報処理装置としてもよい。同様に、第2物品情報取得部7004が取得した商品情報と、第2入出荷判断部7006の判断結果とに基づいて第2在庫管理データベースを更新する情報処理装置部7100の機能を、第2ゲートリーダ40に持たせて第2ゲートリーダ40を情報処理装置としてもよい。
【0070】
なお、上記各実施形態において、各装置で用いられる制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、本実施形態の情報処理装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1 在庫管理システム
10 ゲートリーダ(無線タグ読取装置、情報処理装置)
20 サーバ(在庫管理装置)
30 第1ゲートリーダ(第1無線タグ読取装置)
40 第2ゲートリーダ(第2無線タグ読取装置)
70 サーバ(情報処理装置、在庫管理装置)
1004 物品情報取得部
1006 入出荷判断部(判断部)
1007 記憶制御部
7001 第1物品情報取得部
7003 第1入出荷判断部
7004 第2物品情報取得部
7006 第2入出荷判断部
7008 第1更新部
7010 第2更新部
【0073】