(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】端末制御方法、端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240415BHJP
【FI】
G07B15/00 H
(21)【出願番号】P 2020029264
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 和久
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/026866(WO,A1)
【文献】特開2009-053765(JP,A)
【文献】特開2019-159915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、外部装置と無線通信を行う無線モジュールと、を備える端末を制御する端末制御方法であって、
前記外部装置に読み取らせるコードを前記表示部に表示し、
前記コードを前記表示部に表示させると、前記無線モジュールへの電力供給を停止することにより、前記無線モジュールを用いた無線通信による前記外部装置へのデータ送信を不可にする、
端末制御方法。
【請求項2】
前記コードの表示を終了した後、前記データ送信を許可にする、
請求項
1に記載の端末制御方法。
【請求項3】
前記コードは、二次元コードである、
請求項1
または2に記載の端末制御方法。
【請求項4】
前記コードは、乗車券情報をエンコードして得られたコードである、
請求項1乃至
3の何れか1項に記載の端末制御方法。
【請求項5】
前記データ送信によって送信されるデータは、ストアードフェア情報である、
請求項1乃至
4の何れか1項に記載の端末制御方法。
【請求項6】
画像を表示する表示部と、
外部装置と無線通信を行う無線モジュールと、
前記外部装置に読み取らせるコードを前記表示部に表示し、
前記コードを前記表示部に表示させると、前記無線モジュールへの電力供給を停止することにより、前記無線モジュールを用いた無線通信による前記外部装置へのデータ送信を不可にする、
プロセッサと、
を備える端末。
【請求項7】
表示部と、外部装置と無線通信を行う無線モジュールと、を備える端末のプロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
前記外部装置に読み取らせるコードを前記表示部に表示する機能と、
前記コードを前記表示部に表示させると、前記無線モジュールへの電力供給を停止することにより、前記無線モジュールを用いた無線通信による前記外部装置へのデータ送信を不可にする機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端末制御方法、端末及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
改札機など、媒体からデータを取得する読取装置(外部装置)には、コードを読み取る機能とNFC(Near Field Communication)などの無線通信によってデータを取得する機能とを有するものがある。そのような読取装置は、コードを表示した端末が読取装置に翳されても、コードを読み取らずに端末からNFCなどの無線通信でデータを取得しようとする場合がある。
【0003】
そのため、従来、端末は、コードを表示している場合であっても外部装置に無線通信でデータを送信してしまうという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、表示したコードを外部装置に読み取らせることができる端末制御方法、端末及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、表示部と、外部装置と無線通信を行う無線モジュールと、を備える端末を制御する端末制御方法であって、前記外部装置に読み取らせるコードを前記表示部に表示し、前記コードを前記表示部に表示させると、前記無線モジュールを用いた無線通信による前記外部装置へのデータ送信を不可にする、端末制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る改札機の例を示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る改札機の例を示す上面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るカメラなどの配置例を示す上面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るカメラなどの配置例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る改札機の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る端末の外観を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る端末の構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態では、読取装置として改札機(外部装置)を例示する。改札機は、ユーザが所持する端末からデータを取得する。改札機は、端末が表示するコードを読み取ることでデータを取得する。また、改札機は、NFCなどの無線通信で端末からデータを取得する。
【0009】
改札機は、端末から取得したデータに基づいて改札処理を行う。たとえば、改札機は、駅構内への入出場処理を行う。なお、改札機は、港、空港又はテーマパークなどに設置されるものであってもよい。
【0010】
図1は、実施形態に係る改札機1の例を示す側面図である。また、
図2は、改札機1の例を示す上面図である。たとえば、改札機1は、改札口において所定の領域に入場するユーザ又は所定の領域から出場するユーザの通行を制御する。また、改札機1は、ユーザが所持する端末2からデータを取得する。
【0011】
図1が示すように、改札機1は、ドア12を備える。ドア12は、改札機1を通過するユーザを制御する。ドア12は、改札機1が形成する通行路側に設けられる。ドア12は、後述する制御部11からの信号に基づいて、開閉する。
【0012】
ここでは、ドア12は、ドア12a及びドア12bから構成される。
ドア12aは、ユーザが通行する方向において改札機1の一端に設けられる。また、ドア12aは、上下方向において改札機1の中腹に設けられる。ドア12aは、所定の方向(ここでは、
図1において右方向)から進入するユーザの進行を制御する。
【0013】
ドア12bは、ユーザが通行する方向においてドア12aに対向する他端に設けられる。ドア12bは、所定の方向(ここでは、
図1におい左方向)から進入するユーザの進行を制御する。
【0014】
また、改札機1の上面には、カメラ13、ライト14及びリーダライタ16が設けられる。カメラ13は、ユーザが通行する方向において上面の一端に設けられる。
図2が示すように、カメラ13及びライト14と重なるようにリーダライタ16が設けられる。
【0015】
また、改札機1の上面には、後述する磁気券処理部17の投入口17aが設けられる。投入口17aは、上面の一端に設けられる。即ち、投入口17aは、カメラ13よりもユーザが進行する方向(ここでは、
図2において左方向)において手前に設けられる。
【0016】
図3は、カメラ13などの配置例を示す上面図である。また、
図4は、カメラ13などの配置例を示す断面図である。
【0017】
図3が示すように、カメラ13の周囲には、ライト14が設けられる。ライト14は、リング状に形成される。ライト14は、カメラ13を囲うように設けられる。
【0018】
また、カメラ13、ライト14を含む所定の領域には、リーダライタ16が備えるアンテナ16aが設けられる。アンテナ16aは、通信領域18に翳されるICチップと通信可能な大きさに形成される。
【0019】
図4が示すように、カメラ13、ライト14及びアンテナ16aは、所定の角度に形成される。たとえば、カメラ13、ライト14及びアンテナ16aは、通路に進入するユーザに向くように所定の角度に形成される。
【0020】
カメラ13及びライト14は、アンテナ16aよりも下部に設けられる。即ち、カメラ13及びライト14は、アンテナ16aよりも改札機1の内部に設けられる。また、アンテナ16aが設けられる領域は、カメラ13が撮影する光又はライト14が照射する光を透過する素材から形成される。
【0021】
また、カメラ13は、通信領域18に少なくとも一部重なる撮影領域に存在する端末2が表示するコードを撮影する。即ち、カメラ13は、通信領域18に翳された端末2からコードを撮影する場合がある。また、撮影領域は、通信領域18に含まれるものであってもよい。
【0022】
次に、改札機1の制御系の構成例について説明する。
図5は、改札機1の制御系の構成例を示すブロック図である。
図5が示すように、改札機1は、制御部11、ドア12、カメラ13、ライト14リーダライタ16及び磁気券処理部17などを備える。制御部11と、ドア12、カメラ13、ライト14、リーダライタ16及び磁気券処理部17とは、データバス及び所定のインターフェースなどを通じて互いに接続する。
【0023】
なお、改札機1は、
図5が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、改札機1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0024】
制御部11は、改札機1全体の動作を制御する。たとえば、制御部11は、種々のデータに基づいて決済処理を行う。たとえば、制御部11は、決済処理に関連して入出場処理を行う。制御部11は、ドア12を開閉しユーザの通行を制御する。制御部11は、たとえば、プロセッサ、RAM、ROM及びNVMなどから構成される。また、制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、制御部11は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0025】
ドア12については、前述の通りである。
【0026】
カメラ13は、ユーザが翳す端末2が表示するコードを撮影する。
また、カメラ13は、紙、樹脂又はシートなど発光しない媒体のコードを撮影するものであってもよい。
カメラ13は、撮影した画像を制御部11に送信する。
たとえば、カメラ13は、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどである。
【0027】
コードは、所定のデータをエンコードして得られたコードである。たとえば、コードは、乗車券、特急券、寝台券、企画切符若しくはチケットレスサービスなど交通機関を利用するための乗車券情報又はユーザを特定する特定情報などを所定のアルゴリズムでエンコードして得られるコードである。
【0028】
たとえば、コードは、二次元コード(たとえば、QRコード(登録商標))である。なお、コードは、一次元コードであってもよい。コードの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0029】
ライト14は、ユーザが翳す媒体(紙媒体など)を照らすためのライトである。たとえば、ライト14は、カメラ13が向く方向と同一の方向に光を照射する。たとえば、ライト14は、LED(Light Emitting Diode)などから構成される。
【0030】
リーダライタ16は、端末2と非接触でデータを送受信するためのインターフェースである。リーダライタ16は、端末2から無線で所定のデータを読み取る。リーダライタ16は、読み取ったデータを制御部11に送信する。
【0031】
たとえば、リーダライタ16は、制御部11からの制御に基づいてコマンドを端末2に送信する。また、リーダライタ16は、端末2からのレスポンスを制御部11に送信する。
【0032】
リーダライタ16は、端末2との無線通信を行うためのアンテナ16a及び通信制御部などにより構成される。
【0033】
また、リーダライタ16は、ICチップとデータを送受信するものであってもよい。たとえば、リーダライタ16は、ICチップに対する電源供給、クロック供給、リセット制御及びデータの送受信などを行う。
【0034】
このような機能によってリーダライタ16は、制御部11による制御に基づいてICチップに対する電源供給、ICチップの活性化(起動)、クロック供給、リセット制御、種々のコマンドの送信及び送信したコマンドに対する応答(レスポンス)の受信などを行なう。
【0035】
たとえば、リーダライタ16は、NFC通信をサポートする。なお、リーダライタ16がサポートする通信規格は、特定の構成に限定されるものではない。
【0036】
磁気券処理部17は、磁気券からデータを読み取り、又は、磁気券にデータを書き込む。たとえば、磁気券処理部17は、磁気定期券又は切符に記録されている磁気情報を読み取り、又は、磁気定期券又は切符に磁気情報を書き込む。磁気券処理部17は、投入口17aから磁気券の投入を受け付ける。
【0037】
なお、投入口17aは、シャッタなど備えてもよい。磁気券処理部17は、制御部11からの制御に従って投入口17aのシャッタを開閉し、投入口17aへの磁気券の投入を制御する。
【0038】
次に、端末2について説明する。
図6は、端末2の外観を示す。
図7は、端末2の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0039】
図6が示すように、端末2は、矩形に形成される。端末2は、一面(表面)に操作部26及び表示部27を備える。また、端末2は、他面(裏面)に無線モジュール28を備える。たとえば、無線モジュール28は、端末2の筐体の内部に形成される。
【0040】
図7が示すように、端末2は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、操作部26、表示部27及び無線モジュール28などを備える。
【0041】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、操作部26、表示部27及び無線モジュール28と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
【0042】
なお、端末2は、
図7が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、端末2から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0043】
プロセッサ21は、端末2全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0044】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0045】
ROM22は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラム及び制御データは、端末2の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0046】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0047】
NVM24は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM24は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、端末2の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0048】
通信部25は、ネットワークに接続するためのインターフェースである。たとえば、通信部25は、セルラーネットワークに接続するためのインターフェースである。また、通信部25は、LAN(Local Area Network)接続をサポートするものであってもよい。
【0049】
操作部26は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部26は、入力された操作を示す信号をプロセッサ21へ送信する。ここでは、操作部26は、タッチパネルから構成される。
【0050】
表示部27は、プロセッサ21からの画像データを表示する。たとえば、表示部27は、液晶モニタから構成される。ここでは、表示部27は、操作部26と一体的に形成される。
【0051】
無線モジュール28は、改札機1のリーダライタ16とデータを送受信するためのインターフェースである。無線モジュール28は、リーダライタ16からのデータをプロセッサ21に送信する。また、無線モジュール28は、プロセッサ21からの制御に従って所定のデータをリーダライタ16に送信する。
【0052】
たとえば、無線モジュール28は、リーダライタ16からのコマンドをプロセッサ21に送信する。また、無線モジュール28は、プロセッサ21からの制御に従ってレスポンスをリーダライタに送信する。
【0053】
たとえば、無線モジュール28は、アンテナ及び通信制御部などにより構成される。アンテナは、リーダライタ16からの電波を受信する。通信制御部は、アンテナで受信した電波の信号を復調しプロセッサ21へ送信する。また、通信制御部は、プロセッサ21からの信号を変調しアンテナへ供給する。
【0054】
たとえば、無線モジュール28は、NFC通信をサポートする。なお、無線モジュール28がサポートする通信規格は、特定の構成に限定されるものではない。
【0055】
たとえば、端末2は、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC又はウェアラブル端末などである。端末2の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0056】
次に、制御部11が実現する機能について説明する。
また、制御部11は、カメラ13を用いて端末2からコードを読み取る機能を有する。
【0057】
たとえば、制御部11は、カメラ13を用いて、ユーザが翳す端末2が表示するコードを含む画像を撮影する。制御部11は、画像からコードを特定する。制御部11は、特定したコードをデコードする。制御部11は、コードをデコードすることで所定のデータを取得する。
【0058】
また、制御部11は、紙媒体などに印刷されたコードを読み取るものであってもよい。
また、制御部11は、コードを読み取る際にライト14を点灯させてもよい。
【0059】
また、制御部11は、リーダライタ16を通じて無線通信で端末2からデータを読み取る機能を有する。
【0060】
たとえば、制御部11は、リーダライタ16を通じてポーリング信号を送信する。制御部11は、リーダライタ16を通じてポーリング信号に対するレスポンスを取得すると、端末2を認識する。制御部11は、リーダライタ16を通じて、端末2に対して、所定のデータを取得するためのコマンドを送信する。制御部11は、リーダライタ16を通じて、端末2から所定のデータを含むレスポンスを受信する。
【0061】
なお、制御部11は、リーダライタ16を通じてICカードなどのICチップからデータを読み取るものであってもよい。
【0062】
制御部11は、コードを読み取る機能と、無線通信でデータを読み取る機能とを、同時に実現する。たとえば、制御部11は、コードの検知がポーリング信号へのレスポンスの受信よりも先行する場合には、コードを読み取る。また、制御部11は、ポーリング信号へのレスポンスの受信がコードの検知よりも先行する場合には、無線通信でデータを読み取る。
【0063】
また、制御部11は、コードから得られたデータ又は無線通信によって得られたデータなどに基づいて決済処理を行う機能を有する。
【0064】
たとえば、制御部11は、コードから得られたデータ又は無線通信によって得られたデータに基づいて、所定の領域に入場するための入場料金を決済する。たとえば、制御部11は、コードから得られたデータ又は無線通信によって得られたデータに紐付くクレジットカード情報を用いて入場料金を決済する。また、制御部11は、コードから得られたデータ又は無線通信によって得られたデータに基づいてアカウントにチャージされた金額から入場料金を決済する。
【0065】
また、制御部11は、所定の領域から退場するための料金を決済してもよい。たとえば、制御部11は、入場駅から出場駅までの乗車料金などを決済してもよい。
【0066】
また、制御部11は、決済処理が完了すると、決済処理の結果に基づいてユーザの入出場を制御する。即ち、制御部11は、所定の領域(たとえば、駅構内)への入場又は所定の領域からの出場を制御する。
【0067】
次に、端末2が実現する機能について説明する。端末2が実現する機能は、プロセッサ21がROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0068】
まず、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じて、無線通信で改札機1にデータを送信する機能を有する。即ち、プロセッサ21は、無線モジュール28を用いた無線通信によるデータ送信によって、データを改札機1に送信する。
【0069】
たとえば、NVM24は、予め改札機1に送信するデータを格納する。たとえば、NVM24は、乗車券、特急券、寝台券、企画切符若しくはチケットレスサービスなど交通機関を利用するための乗車券情報、チャージされた金額を示すストアードフェア情報又はユーザを特定する特定情報などを格納する。なお、改札機1に送信するデータは、特定の構成に限定されるものではない。また、改札機1に送信するデータは、適宜更新されるものであってもよい。
【0070】
プロセッサ21は、無線モジュール28に対して電力を供給し無線モジュール28を活性化する。無線モジュール28を活性化すると、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じて、改札機1からポーリング信号を受信したか判定する。
【0071】
ポーリング信号を受信したと判定すると、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じて、ポーリング信号に対するレスポンスを改札機1に送信する。レスポンスを改札機1に送信すると、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じて、所定のデータを取得するためコマンドを受信する。
【0072】
コマンドを受信すると、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じて、所定のデータを含むレスポンスを改札機1に送信する。たとえば、プロセッサ21は、コマンドに従って、乗車券情報、ストアードフェア情報又は特定情報などを含むレスポンスを改札機1に送信する。
【0073】
また、プロセッサ21は、所定のデータをエンコードして得られたコードを表示部27に表示する機能を有する。
【0074】
プロセッサ21は、予め所定のデータを取得する。たとえば、ユーザは、端末2を通じて所定のサイト又はアプリなどで乗車券を購入する。プロセッサ21は、ユーザが購入した乗車券を示す乗車券情報を所定のデータとして取得する。
【0075】
また、プロセッサ21は、ユーザから操作部26などを通じて入力された特定情報を所定のデータとして取得する。
なお、所定のデータは、特定の構成に限定されるものではない。
【0076】
プロセッサ21は、ユーザから操作部26などを通じて、コードを表示する操作の入力を受け付ける。当該操作を受け付けると、プロセッサ21は、所定のデータを所定のアルゴリズムに従ってエンコードしコードを生成する。コードを取得すると、プロセッサ21は、コードを表示部27に表示する。
【0077】
なお、プロセッサ21は、当該操作の入力前にコードを生成してもよい。また、プロセッサ21は、外部サーバなどからコードを取得するものであってもよい。
【0078】
また、プロセッサ21は、コードを表示部27に表示すると、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにする機能を有する。即ち、プロセッサ21は、コードを表示部27に表示すると、無線モジュール28を用いた無線通信でのデータ送信を不可にする。
【0079】
たとえば、プロセッサ21は、コードを表示部27に表示すると、無線モジュール28を通じて改札機1のリーダライタ16から受信した信号に対して応答しない。たとえば、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じてリーダライタ16から受信したポーリング信号に対して応答しない。
【0080】
また、プロセッサ21は、無線モジュール28への電力供給を停止し無線モジュール28を不活化してもよい。
無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにする方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0081】
また、プロセッサ21は、コードの表示を終了した後に、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオンにする。即ち、プロセッサ21は、コードの表示を終了した後に、無線モジュール28を用いた無線通信でのデータ送信を許可にする。
【0082】
たとえば、プロセッサ21は、操作部26などを通じてコードの表示を終了する操作の入力を受け付ける。当該操作の入力を受け付けると、プロセッサ21は、コードの表示を終了する。
【0083】
コードの表示を終了すると、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオンにする。たとえば、プロセッサ21は、無線モジュール28を通じて改札機1のリーダライタ16から受信したデータに対して応答する。また、プロセッサ21は、無線モジュール28への電力供給を再開してもよい。
【0084】
次に、端末2の動作例について説明する。
図8は、端末2の動作例について説明するためのフローチャートである。ここでは、ユーザは、端末2を起動したものとする。
【0085】
まず、プロセッサ21は、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオンにする(S11)。無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオンにすると、プロセッサ21は、操作部26を通じて、改札機1に読み取らせるためのコードを表示する操作の入力を受け付けたか判定する(S12)。
【0086】
コードを表示する操作の入力を受け付けていないと判定すると(S12、NO)、プロセッサ21は、S12に戻る。
【0087】
コードを表示する操作の入力を受け付けたと判定すると(S12、YES)、プロセッサ21は、コードを表示部27に表示する(S13)。コードを表示部27に表示すると、プロセッサ21は、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにする(S14)。
【0088】
無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにすると、プロセッサ21は、操作部26を通じて、コードの表示を終了する操作の入力を受け付けたか判定する(S15)。
【0089】
コードの表示を終了する操作の入力を受け付けていないと判定すると(S15、NO)、プロセッサ21は、S15に戻る。
【0090】
コードの表示を終了する操作の入力を受け付けたと判定すると(S15、YES)、プロセッサ21は、コードの表示を終了する(S16)。コードの表示を終了すると、プロセッサ21は、S11に戻る。
【0091】
なお、プロセッサ21は、所定の操作の入力を受け付けた場合に、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにしてもよい。たとえば、プロセッサ21は、コードを表示する操作の入力を受け付けた後に、当該機能をオフにするか否かの操作の入力を受け付ける。プロセッサ21は、当該機能をオフにする操作の入力を受けた場合に、当該機能をオフにする。
【0092】
また、プロセッサ21は、コードの内容に基づいて、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにしてもよい。たとえば、コードが示すデータが無線モジュール28を用いた無線通信で送信するデータと同時に用いるものである場合、プロセッサ21は、コードを表示しても、無線モジュール28を用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにしなくともよい。
【0093】
また、コードを読み取る機能と、無線通信でデータを読み取る機能とは、異なる読取装置によって実現されるものであってもよい。
また、読取装置は、商品を決済するものであってもよい。たとえば、読取装置は、コード決済とNFC通信での決済とを実現するものであってもよい。
【0094】
以上のように構成された端末は、読取装置に読み取らせるためのコードを表示すると、無線モジュールを用いた無線通信でデータを送信する機能をオフにする。その結果、端末は、ユーザがコードを表示させてコードを読み取らせようとしている場合に無線モジュールを用いた無線通信でデータを送信してしまうことを防止することができる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1…改札機、2…端末、11…制御部、12…ドア、12a…ドア、12b…ドア、13…カメラ、14…ライト、16…リーダライタ、16a…アンテナ、17…磁気券処理部、17a…投入口、18…通信領域、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…NVM、25…通信部、26…操作部、27…表示部、28…無線モジュール。