(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】凝固を伴う把持具ツール
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
A61B18/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020073963
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2023-02-17
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】イェフダ・アルガウィ
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】イリヤ・シットニツキー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-261943(JP,A)
【文献】特表2011-523874(JP,A)
【文献】特表2012-513249(JP,A)
【文献】特開2000-107197(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0148729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
医療器具であって、
把持具ヘッドであって、第1及び第2の相補的把持顎部と、前記第1及び第2の把持顎部のそれぞれの遠位部分上に配設された第1及び第2の導電性表面であって、前記把持具ヘッド内で互いに電気的に絶縁されている、第1及び第2の導電性表面と、を含む、把持具ヘッドと、
前記第1及び第2の導電性表面を生体の身体部分の組織と接触させるように前記把持顎部を閉じるように構成されたアクチュエータと、
前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の
距離に応答して、少なくとも1つの近接信号を出力するように構成された近接センサと、を含む、医療器具と、
前記少なくとも1つの近接信号に応答して前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記
距離を感知し、感知された前記
距離が所与の閾
値未満であるときに、前記把持顎部の前記第1の導電性表面と前記第2の導電性表面との間に電流を印加するように結合された処理回路と、を備え
ており、
前記近接センサは、前記把持具ヘッド上に配設され、前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記距離が前記所与の閾値未満であるときに互いに相互接触するように構成された2つの電気接点を含み、
前記電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して前記把持具ヘッドに接続されている、システム。
【請求項2】
前記把持具ヘッドが、前記把持具ヘッドの位置を示す位置信号を提供するように構成された少なくとも1つの位置追跡トランスデューサを含み、前記処理回路が、前記位置信号に応答して前記把持具ヘッドの位置を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記近接センサが、前記把持具ヘッド内に配設され、前記少なくとも1つの近接信号に含まれる、前記第1及び第2の把持顎部のそれぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を提供するように構成された2つの位置追跡トランスデューサを含み、前記処理回路が、前記それぞれの位置信号に応答して前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記
距離を計算するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
灌注ポンプを更に備え、前記医療器具が、前記灌注ポンプに連結された灌注管を含み、前記灌注ポンプが、前記灌注管内に流体を圧送して前記組織を冷却するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記把持具ヘッドが、前記第1及び第2の把持顎部を含む2つの細長い部材と、前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の角運動を可能にするように前記2つの細長い部材を接続しているピンと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電気接点は、前記2つの細長い部材の2つの対向する側部上に
それぞれ配設され
ている、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電気接点のそれぞれが、それぞれの
前記バネを介して前記細長い部材に接続されている、請求項
6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月18日に出願されたGovariらの米国特許仮出願第62/835,916号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、医療用ツールに関し、具体的には、非限定的に、把持具ツールに関する。
【背景技術】
【0003】
把持具は、組織を把持し、除去及び/又は切断するために医療用途に使用されてもよく、これは一般的に、大量の出血をもたらす。外科的処置における凝固は、出血組織に電流を印加することによって行うことができる。
【0004】
例として、Rydellの米国特許第5,810,809号は、手術部位において止血を行うための電気焼灼電極を含む組織を創面切除するための関節鏡器具について記載している。創面切除器具用の駆動モータは、器具のハンドルから離れて配置され、例え関節鏡手術が生理食塩水下で行われたとしても、駆動モータ及び関連する電源からハンドルを電気的に絶縁する準備がされている。
【0005】
Edwardsらの米国特許第8,702,702号は、組織に係合するために機械的(回転)運動及び吸引を使用し、組織を気化させるのに十分な切断エネルギーも印加する機械的切断デバイスが記載されている。回転及び吸引は、組織に係合する(内側ブレード及び外側ブレードの切断窓が位置合わせされるときに組織を切断窓に吸い込む)ために使用され、次いで、切断部材(複数可)は、切断部材が相対的に回転する際に切断部材(複数可)が組織を電気的に切断するように切断部材に印加された電気的切断信号を有することによって、電極(複数可)として機能する。電気的切断信号は、組織の切断が完了するまで、窓が位置合わせされたときのみ印加される。切断信号は、好ましくは、切断窓が位置ずれした後に停止される。切断窓が位置ずれしている間、デバイスが電気焼灼デバイスとして機能するように、凝固信号を切断部材に供給することができる。
【0006】
Schmitzらの米国特許出願公開第2014/0148729号は、脳腫瘍の少なくとも一部を除去する方法を記載しており、まず、組織除去デバイスの遠位端部に配設された前向き組織カッターを脳腫瘍に接触させることを含み得る。この組織除去デバイスは、約10mm以下の直径を有するシャフトを含むことができ、いくつかの実施形態では、この組織カッターはシャフトの直径を超えて横方向に延出しない。次に、この方法は、組織カッターを用いて脳腫瘍から組織を切断することを含み得る。次いで、この方法は、組織除去デバイスの遠位端部からデバイスの近位端部へ向かう方向に、シャフトのチャネルを通して、切断された組織を移動させることを含んでもよい。
【0007】
Keseらの欧州特許第0913126号には、把持面が標準的な外科用鋏の形状内に含まれる、一体化した双極電気外科切断器具と把持器具の開腹手術及び内視鏡版が記載されている。この固有の配置は、標準的な鋏の感触を有するが、外科医が組織及び血管の切断及び把持の両方を行いながら焼灼することを可能にし、したがってこの器具を血管の接合を行うのによく適したものにしている鋏と把持具の組み合わせをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態によれば、医療システムであって、医療器具であって、把持具ヘッドであって、第1及び第2の相補的把持顎部と、第1及び第2の把持顎部のそれぞれの遠位部分上に配設された第1及び第2の導電性表面であって、把持具ヘッド内で互いに電気的に絶縁されている、第1及び第2の導電性表面と、を含む、把持具ヘッドと、第1及び第2の導電性表面を生体の身体部分の組織と接触させるように把持顎部を閉じるように構成されたアクチュエータと、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位に応答して、少なくとも1つの近接信号を出力するように構成された近接センサと、を含む医療器具と、少なくとも1つの近接信号に応答して第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位を感知し、感知された変位が所与の閾値変位未満であるときに、把持顎部の第1の導電性表面と第2の導電性表面との間に電流を印加するように結合された処理回路と、を含む医療システムが提供される。
【0009】
更に、本開示の実施形態によれば、近接センサは、把持具ヘッド上に配設され、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位が所与の閾値変位未満であるときに互いに相互接触するように構成された2つの電気接点を含む。
【0010】
また更に、本開示の実施形態によれば、電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して把持具ヘッドに接続される。
【0011】
加えて、本開示の実施形態によれば、把持具ヘッドは、把持具ヘッドの位置を示す位置信号を提供するように構成された少なくとも1つの位置追跡トランスデューサを含み、処理回路は、位置信号に応答して把持具ヘッドの位置を計算するように構成されている。
【0012】
更に、本開示の実施形態によれば、近接センサは、把持具ヘッド内に配設され、少なくとも1つの近接信号に含まれ、第1及び第2の把持顎部のそれぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を提供するように構成された2つの位置追跡トランスデューサを含み、処理回路は、それぞれの位置信号に応答して第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位を計算するように構成されている。
【0013】
更に、本開示の実施形態によれば、システムは、灌注ポンプを備え、医療器具が、灌注ポンプに結合された灌注管を含み、灌注ポンプが、灌注管内に流体を圧送して組織を冷却するように構成されている。
【0014】
また更に、本開示の実施形態によれば、把持具ヘッドは、第1及び第2の把持顎部を含む2つの細長い部材と、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の角運動を可能にするように2つの細長い部材を接続するピンと、を含む。
【0015】
加えて、本開示の実施形態によれば、近接センサは、2つの細長い部材の2つの対向する側部に配設され、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位が所与の閾値変位未満であるときに互いに相互接触するように構成された2つの電気接点を含む。
【0016】
更に、本開示の実施形態によれば、電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して細長い部材に接続される。
【0017】
また、本開示の別の実施形態によれば、医療方法であって、医療器具の把持具ヘッドの第1及び第2の把持顎部のそれぞれの遠位部分上に配設された第1及び第2の導電性表面を、生体の身体部分の組織と接触させるように、第1及び第2の把持顎部を閉じることであって、第1及び第2の導電性表面が、把持具ヘッド内で互いに電気的に絶縁されている、閉じることと、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位に応答して、少なくとも1つの近接信号を出力することと、少なくとも1つの近接信号に応答して、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位を感知することと、感知された変位が所与の閾値変位未満であるときに、把持顎部の第1の導電性表面と第2の導電性表面との間に電流を印加することと、を含む、医療方法が提供される。
【0018】
更に、本開示の実施形態によれば、方法は、第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位が所与の閾値変位未満であるときに、2つの電気接点が互いに相互接触することを更に含む。
【0019】
また更に、本開示の実施形態によれば、電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して把持具ヘッドに接続される。
【0020】
加えて、本開示の実施形態によれば、方法は、把持具ヘッドの位置を示す位置信号を提供することと、位置信号に応答して把持具ヘッドの位置を計算することと、を含む。
【0021】
更に、本開示の実施形態によれば、方法は、把持具ヘッド内に配設された2つの位置追跡トランスデューサが、少なくとも1つの近接信号に含まれる、第1及び第2の把持顎部のそれぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を提供することと、それぞれの位置信号に応答して第1の把持顎部と第2の把持顎部との間の変位を計算すること、を含む。
【0022】
更に、本開示の実施形態によれば、方法は、組織を冷却するために、医療器具の灌注管に流体を圧送することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から理解されよう。
【
図1】本発明の実施形態による、医療処置システムの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態による、医療処置システムで使用される磁場放射アセンブリの概略図である。
【
図3】本発明の実施形態による、医療器具の概略図である。
【
図4】
図3の医療器具の遠位端部の様々な概略図である。
【
図5】
図3の医療器具の遠位端部の様々な概略図である。
【
図6】
図3の医療器具の遠位端部の様々な概略図である。
【
図7】本発明の第1の代替実施形態による、把持具ヘッドの概略図である。
【
図8】本発明の第2の代替実施形態による、把持具ヘッドの概略図である。
【
図9】
図1のシステムの動作方法における例示的な工程を含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
概論
上述のように、把持具は、組織を把持し、除去及び/又は切断するために医療用途に使用されてもよく、これは一般的に、大量の出血をもたらす。外科的処置における凝固は、出血組織に電流を印加することによって実行され得る。
【0025】
医療器具で凝固を行うことは、医療器具の幾何学的構造及び機械的構造によって複雑となる場合がある。例えば、医療器具が多くの導電性表面を含む場合、金属表面によって引き起こされる固有の短絡により、電流を印加することが制限される場合がある。
【0026】
本発明の実施形態は、組織を把持し、把持されている組織に応じて、把持された組織に電流を自動的に印加し、それによって組織が出血する可能性が高い時点で凝固を行う医療器具を備えるシステムを含む。電流は、医療器具の把持具ヘッドの相補的把持顎部間の変位を感知することに基づいて、組織を把持することに応答して自動的に印加される。電流を自動的に印加することにより、組織が把持されるたびに医師が凝固を行うことを防止し、また、医師が目前の他のタスクに集中することを可能にする。
【0027】
把持顎部は、電流を組織に印加するための導電性表面を含む。導電性表面は、処理回路に電気的に接続されているが、導電性表面は、把持具ヘッド内で互いに電気的に絶縁されている。この電気的絶縁は、把持具ヘッドの少なくとも一部又は把持顎部の少なくとも一部を、生体適合性プラスチックなどの絶縁材料から形成することによって実装されてもよい。いくつかの実施形態では、把持具ヘッド及び又は把持顎部は、生体適合性プラスチックなどの絶縁材料でコーティングされた導電性材料から形成されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、把持具ヘッドは、把持顎部を含む2つの細長い部材と、把持顎部間の角運動を可能にする2つの細長い部材を接続するピンと、を備える。
【0029】
医療器具は、導電性表面を生体の身体部分の組織と接触させるように把持顎部を閉じるためのアクチュエータを含む。
【0030】
把持具ヘッドはまた、把持具ヘッドの位置を示す位置信号を提供する少なくとも1つの位置追跡トランスデューサを含む。処理回路は、位置信号に応答して把持具ヘッドの位置を計算する。身体部分内の把持具ヘッドの表現は、計算された位置に基づいて、表示画面にレンダリングされてもよい。次いで、医師は、把持具ヘッドのレンダリングされた表現に従って、身体部分内の把持具ヘッドを操縦してもよい。
【0031】
把持具ヘッドは、把持顎部間の変位に応答して1つ又は2つ以上の近接信号を出力する近接センサを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、近接センサは、把持具ヘッド上に配設された2つの電気接点を含む。電気接点は、把持顎部間の変位が所与の閾値変位未満であるときに互いに相互接触し、例えば、約2mm又は1~4mmの範囲である。電気接点は、それぞれのバネを介して把持具ヘッドに接続されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、近接センサは、2つの細長い部材の2つの対向する側部に配設された2つの電気接点を含む。把持顎部間の変位が所与の閾値変位未満であるとき、電気接点は互いに相互接触する。電気接点は、それぞれのバネを介して細長い部材に接続されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、近接センサは、把持具ヘッド内に配設された2つの位置追跡トランスデューサを含む。位置追跡トランスデューサは、把持顎部の位置を示す位置信号を提供する。処理回路は、位置信号に応答して把持顎部間の変位を計算する。
【0035】
処理回路は、近接信号(複数可)に応答して把持顎部間の変位を感知するように結合される。変位を検知することは、相互接触する2つの電気的接点に基づいてもよい。あるいは、変位を感知することは、把持顎部間の変位を計算することによって実行されてもよい。
【0036】
処理回路は、感知された変位が所与の閾値変位未満であるときに、把持顎部の導電性表面間に電流を印加する。処理回路は、相互接触する2つの電気接点の結果として導電性表面間に電流を印加し、それによって電流の流れをもたらす回路を閉じることができる。あるいは、処理回路は、計算された変位が所与の閾値変位未満であることに応答して電流を印加してもよい。
【0037】
システムはまた、医療器具内に配設された灌注ポンプ及び灌注管を含んでもよい。灌注管は、灌注ポンプに結合されている。灌注ポンプは、流体を灌注管にポンプ圧送して、印加された電流によって加熱された組織を冷却する。
【0038】
システムの説明
ここで図面を参照すると、本発明の実施形態による、医療処置システム20の概略図である
図1と、システム20で使用される磁場放射アセンブリ位置パッド24の概略図である
図2と、が参照される。医療処置システム20は、典型的には、患者22の鼻洞又は別の身体部位(脳など)の侵襲的及び/又は治験的処置中に使用される。
【0039】
処置のために、磁場放射アセンブリ24は、例えば、患者が座っている(又は横たわっている)椅子25(又はベッド)にアセンブリ24を固定することによって、患者22の頭部の後ろ及び/又は周りに配置されてもよい。描かれている例の磁場放射アセンブリ24は、馬蹄形のフレームに固定された5つの磁場放射器26を備え、フレームは磁場放射器26が患者22の頭部を囲むように患者22の下又は周りに配置される。あるいは、より少数の又はより多数の放射器26が、様々な異なる構成で使用されてもよい。磁場放射器26は、磁場放射アセンブリ24に近接し、患者22の頭部を含む身体部分が位置する領域30にそれぞれの周波数で交流磁場を放射するように構成されている。
【0040】
交流磁場は、位置追跡トランスデューサ32及び位置追跡トランスデューサ36内に信号を誘導する。位置追跡トランスデューサ32は、医療器具28の位置を追跡するために医療器具28上に配設されて示されている。位置追跡トランスデューサ36は、患者22の位置を追跡して(例えば、患者22の頭部を追跡して)磁場放射アセンブリ24に対する患者の動きを補正するために、患者22上に(例えば、患者22の額又は任意の他の適切な身体部位上)に配設して示されている。ほんの一例として、医療器具28は、身体部位に挿入するためのプローブ、内視鏡、及び/又はENTツール、吸引ツール、マイクロデブリーダ、シェーバ、及び/又は把持具などの外科用ツールのうちの任意の1つ又は2つ以上を含んでもよい。
【0041】
医療器具28の遠位端部の位置及び患者22の位置は、追跡サブシステムを使用して追跡されてもよく、追跡サブシステムは、遠位端部及び位置追跡トランスデューサ36にそれぞれ取り付けられた位置追跡トランスデューサ32の位置及び配向座標を追跡する。位置追跡トランスデューサ32、36は、トランスデューサ32、36の位置を示す信号をそれぞれ出力するように構成されている。信号は、医療器具28の遠位端部の位置及び患者22の位置を経時的に追跡するために、処理回路38上で動作する追跡サブシステムによって処理される。追跡サブシステムが磁気追跡サブシステムである実施形態では、位置追跡トランスデューサ32及び/又は位置追跡トランスデューサ36は、少なくとも1つのコイル、典型的には2つ又は3つの直交して配置されたコイルを含む。他の実施形態では、追跡サブシステムは、医療器具28の少なくとも1つの電極(位置追跡トランスデューサ32に含まれる)によって放出された信号に基づいて、医療器具28の位置を追跡するために、複数の頭部表面電極(例えば、位置追跡トランスデューサ36の複数のインスタンス)を使用した電気ベースの追跡サブシステムであってもよい。追跡サブシステムは、例えば、位置追跡トランスデューサ32が少なくとも1つの超音波トランスデューサを含む超音波ベースの追跡システムであるが、これらに限定されない、任意の適切な位置追跡サブシステムを使用して実装され得る。追跡サブシステムを使用して、医師54は、以下により詳細に記載される身体部分内で医療器具28の遠位端部を前進させる。
【0042】
いくつかの実施形態では、医療器具28は、医療器具28を操作するように構成されたロボットアーム40に取り付けられて保持されている。ロボットアーム40は、ロボットアーム40の動きを制御し、医療器具28を操作するように構成された複数のロボット関節を含む。他の実施形態では、医療器具28は、医師54によって保持及び操作される。
【0043】
以下により詳細に記載されるように、位置追跡トランスデューサ32は医療器具28に取り付けられ、位置追跡トランスデューサ32の位置及び配向の決定により、患者22の身体部分(生体)に可逆的に挿入することができる医療器具28の遠位端部34(又は他の位置)の位置及び配向を追跡することが可能になる。
【0044】
同様に、位置追跡トランスデューサ36の位置及び配向の決定により、患者22の部分(例えば、頭部)の位置及び配向を追跡することが可能になる。位置追跡トランスデューサ36は、患者22の額に配設されるものとして
図1に示されている。位置追跡トランスデューサ36は、患者22の位置/動きを追跡するために、患者22の他の適切な身体部位に配設されてもよい。
【0045】
患者に挿入されたエンティティを追跡するための磁界放射器26などの磁場放射器を使用するシステムは、Govariらの米国特許公開第2016/0007842号に記載されている。加えて、Biosense Webster(33 Technology Drive、Irvine、CA 92618 USA)によって製造されたCarto(登録商標)システムは、磁場によって照射された領域内のコイルの位置及び配向を見つけるために、本明細書に記載されるものと同様の追跡システムを使用する。
【0046】
ロボットアーム40は、一般に、それ自体のロボット座標系を有する。ロボット座標系は磁場放射器26の磁気座標系と位置合わせされ、又はその逆であってもよい。ロボット座標系と磁気座標系との位置合わせは、例えば、ロボットアーム40、又はロボットアーム40に取り付けられた医療器具28を、磁場放射器26に既知の1つ又は2つ以上の位置に、例えば、磁場放射アセンブリ24上の位置に、又は位置追跡トランスデューサ36に、又は患者22上の1つ又は2つ以上の他の既知の位置に、移動させることによって実行することができる。ロボット座標系と磁気座標系との位置合わせが実行されると、ロボットアーム40を正しく操作するために、磁気座標系の位置をロボット座標系に変換することができる。
【0047】
放射器26を含むシステム20の要素は、1つ又は2つ以上のメモリと通信する処理ユニットを備える処理回路38により制御することができる。典型的には、これらの要素はケーブルによって処理回路38に接続されてよく、例えば、放射器26はケーブル58を介して処理回路38に接続されてもよい。あるいは又は加えて、これらの要素は、処理回路38に無線で結合されてもよい。処理回路38は、キーパッド、及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを典型的に備える動作制御装置51を備えるコンソール50内に取り付けられてもよい。コンソール50はまた、医療器具28の近位端部52などの医療処置システム20の他の要素にも接続する。医師54は、動作制御装置51を使用して、処置を実行しながら処理回路38と相互作用し、処理回路38は、システム20によって生成された結果をディスプレイ56上に提示することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、医療処置を実行する前に、患者22のCT画像が取得される。CT画像は、処理回路38によって、その後の検索のためにメモリ(図示せず)内に記憶される。
図1では、ディスプレイ56は、医師54が身体部位内の医療器具28を誘導するための補助として使用できる以前のCTスキャン(又は他の適切なスキャン)の様々なビュー59を表示して示されている。表示画面56はまた、医療器具28のカメラ(図示せず)によって捕捉された画像61も示す。CT画像は、医療器具28がディスプレイ56上のCT画像と共に表示され得るように、磁気座標系と位置合わせされ得る。
【0049】
実際には、処理回路38のこれらの機能の一部又は全てを、単一の物理的コンポーネント内に組み込むか、又はあるいは複数の物理的コンポーネントを使用して具現化することが可能である。これらの物理的構成要素は、ハードワイヤードデバイス又はプログラマブルデバイス、あるいはこれら2つの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、処理回路の機能の少なくともいくつかは、適切なソフトウェアの制御下でプログラム可能なプロセッサによって実行されてもよい。このソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子的形態でデバイスにダウンロードされてもよい。あるいは又は更に、このソフトウェアは、光学的メモリ、磁気的メモリ、又は電子的メモリなどの有形の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されていてもよい。
【0050】
システム20はまた、コンソール50内に配設された灌注ポンプ64を含んでもよい。灌注ポンプ64について、
図3~
図6を参照してより詳細に説明する。
【0051】
ここで、
図3~
図6を参照する。
図3は、本発明の実施形態による、医療器具28の概略図である。
図4~
図6は、
図3の医療器具28の遠位端部34の様々な概略図である。
【0052】
医療器具28は、相補的把持顎部66(図面において個別にラベル付けされた66-1及び66-2)と、把持顎部66のそれぞれの遠位部分上に配設された導電性表面70(個別にラベル付けされた70-1及び70-2)と、を有する把持具ヘッド68を含み、導電性表面70-1が把持顎部66-1上に配設され、導電性表面70-2が把持顎部66-2上に配設される。把持顎部66は、1つ又は2つ以上の切断縁部(図示せず)を任意選択的に含んでもよい。導電性表面70は、例えば、限定するものではないが、白金イリジウムなどの任意の好適な導電性材料から形成されてもよい。切断縁部は、任意の好適な材料、例えば、限定するものではないが、ステンレス鋼から形成されてもよい。把持具ヘッド68の寸法は、ミリメートルのオーダーである。
【0053】
導電性表面70は、把持されている組織に電流を印加する把持顎部66上の領域を提供する。導電性表面70は、把持具ヘッド68内で互いに電気的に絶縁されている。この電気的絶縁は、把持具ヘッド68の少なくとも一部又は把持顎部66の少なくとも一部を、生体適合性プラスチックなどの絶縁材料から形成することによって実施されてもよい。いくつかの実施形態では、把持具ヘッド68及び/又は把持顎部66は、生体適合性プラスチックなどの絶縁材料でコーティングされた導電性材料から形成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、把持具ヘッド68は、2つの細長い部材72を備え、細長い部材72のそれぞれは、把持顎部66のうちの1つを含む。把持具ヘッド68はまた、把持顎部66-1と把持顎部66-2との間の角運動を可能にするために、2つの細長い部材72を接続するピン74を含む。細長い部材72は、把持顎部66上に配設された導電性表面70が互いに電気的に絶縁されるように、絶縁材料から少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0055】
医療器具28はまた、導電性表面70-1及び導電性表面70-2を生体の身体部分の組織と接触させるように把持顎部66を閉じるように構成されたアクチュエータ76も含む。
図3では、把持具ヘッド68の細長い部材72のうちの1つの近位端部に接続されているワイヤ80を有するプルハンドル78を含むアクチュエータ76が示されており、プルハンドル78を引くと、把持顎部66が閉じる。アクチュエータ76は、任意の好適な手動要素(例えば、限定するものではないが、把持具ヘッド68にワイヤ又はロッドで接続された鋏動作を有するハンドル)及び/又は自動要素(例えば、限定するものではないが、把持顎部66の開閉を制御するために1つ又は2つ以上のモータ及び歯車を使用すること)を備えてもよい。
【0056】
把持具ヘッド68は、把持具ヘッド68の位置を示す位置信号を提供するように構成された少なくとも1つの位置追跡トランスデューサ32を含む。いくつかの実施形態では、把持具ヘッド68は、2つの位置追跡トランスデューサ32を含み、1つの位置追跡トランスデューサ32が各細長い部材72にある。位置追跡トランスデューサ32は、ワイヤ88を介して処理回路38に接続される。細長い部材72のそれぞれに位置追跡トランスデューサ32のうちの1つを配設することで、細長い部材72のそれぞれ及び把持顎部66のそれぞれの位置に関する位置データを提供する。処理回路38は、位置信号(複数可)に応答して把持具ヘッド68の位置を計算するように構成されている。位置追跡トランスデューサ32の各々は、2つ又は3つの直交して配置されたコイル又は好適に配置された電極を含んでもよい。身体部分内の把持具ヘッド68を含む医療器具28の表現は、計算された位置に基づいてディスプレイ56にレンダリングされてもよい。次いで、医師54は、把持具ヘッド68を含む医療器具28のレンダリングされた表現に従って、身体部分内の把持具ヘッド68を操縦してもよい。
【0057】
把持具ヘッド68は、把持顎部66-1と把持顎部66-2との間の変位に応答して1つ又は2つ以上の近接信号を出力するように構成された近接センサ82を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、近接センサ82は、2つの細長い部材72の2つの対向する側部上の把持具ヘッド68上に配設された2つの電気接点84を含む。電気接点84は、ワイヤ88を介して処理回路38に接続される。電気接点84は、把持顎部66-1と把持顎部66-2との間の変位が所与の閾値変位未満であるとき、互いに相互接触するように構成されている。相互接触が行われると、回路が完成し、信号(すなわち、近接信号)が処理回路38によって感知される。変位は、距離として、又は角変位として測定することができる。電気接点84のそれぞれは、それぞれのバネ86を介して把持具ヘッド68の細長い部材72に接続される。バネ86によって、把持顎部66が所与の閾値変位よりも更に更に閉鎖されることが可能となり、並びに、アクチュエータ76が把持顎部66の閉鎖を解放するときに、把持顎部66を開放する復元力を提供することを可能にする。
【0059】
いくつかの実施形態では、近接センサ82は、把持具ヘッド68内に配設された2つの位置追跡トランスデューサ32を備える。近接センサ82の位置追跡トランスデューサ32は、把持顎部66-1及び把持顎部66-2のそれぞれの位置を示すそれぞれの位置信号に対応する近接信号を提供するように構成されている。
【0060】
処理回路38は、近接信号(複数可)に応答して把持顎部66-1と把持顎部66-2との間の変位を感知するように結合される。
【0061】
近接センサ82が電気接点84を含む実施形態では、処理回路38は、相互接触する2つの電気接点84に基づいて変位を感知し、それによって電気回路を完成させて、処理回路38内を流れる近接信号をもたらす。
【0062】
近接センサ82が位置追跡トランスデューサ32を含む実施形態では、処理回路38は、位置追跡トランスデューサ32によって提供される近接信号(例えば、位置信号)に応答して把持顎部間の変位を計算することによって変位を感知する。処理回路38は、把持顎部66-1と把持顎部66-2との間の変位を、それぞれの位置信号に応答して計算するように構成されている。変位は、距離として、又は角変位として測定することができる。
【0063】
処理回路38は、感知された変位が所与の閾値変位未満であるときに、把持顎部66の導電性表面70-1と導電性表面70-2との間に電流を印加するように構成されている。処理回路38は、相互接触する2つの電気接点84の結果として導電性表面70間に電流を印加し、それによって電流の流れをもたらす回路を閉じることができる。あるいは、処理回路38は、計算された変位が所与の閾値変位未満であることに応じて電流を印加してもよい。電流は、任意の好適な電流であってもよく、例えば、直流(DC)又はDCに近く(例えば、最大20KHzなどの低周波交流)てもよい。凝固中に使用される電力出力は、例えば、数百ワットのオーダーであるが、これらに限定されない任意の好適な値であってもよい。
【0064】
医療器具28は、その中に配設され、灌注ポンプ64に結合された灌注管90を含む。灌注ポンプ64は、灌注管90内に流体を圧送して組織を冷却するように構成されている。灌注ポンプ64は、導電性表面70間を流れる電流に応じて起動されてもよい。
【0065】
ここで、本発明の第1の代替実施形態による把持具ヘッド68Bの概略図である
図7を参照する。把持具ヘッド68Bは、位置追跡トランスデューサ32が把持顎部66の導電性表面70に隣接して把持具ヘッド68Bの遠位部分に配設されることを除いて、
図3~
図6の把持具ヘッド68と実質的に同じである。
【0066】
ここで、本発明の第2の代替実施形態による把持具ヘッド68Cの概略図である
図8を参照する。把持具ヘッド68Cは、把持具ヘッド68Cが電気接点84又はバネ86を含まないことを除いて、
図3~
図6の把持具ヘッド68と実質的に同じである。
図8の実施形態では、把持顎部66の変位は、位置追跡トランスデューサ32によって提供される位置信号に基づいて計算される。
【0067】
ここで、
図1のシステム20の操作方法における例示的な工程を含むフローチャート92である、
図9を参照する。
図3も参照する。以下に示される工程の順序は例示であり、工程は任意の好適な順序で実行され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、以下に記載される工程の全てが実行されない。いくつかの実施形態では、工程のうちの1つ又は2つ以上は、任意の好適な工程又は工程によって置き換えられてもよい。
【0068】
アクチュエータ76は、導電性表面70-1、70-2を生体の身体部分の組織と接触させるように把持顎部66を閉じる(ブロック94)ように構成されている。
【0069】
近接センサ82は、把持顎部66間の変位に応答して少なくとも1つの近接信号を出力する(ブロック96)ように構成されている。
【0070】
近接センサ82が把持具ヘッド68の細長い部材72上に配設された2つの電気接点84を備えるとき、電気接点84は、把持顎部66間の変位が所与の閾値変位未満であるときに互いに相互接触するように構成されている。電気接点84が相互に接触すると、回路が完成し、信号(すなわち、近接信号)が処理回路38によって感知される。
【0071】
近接センサ82が、把持具ヘッド68の細長い部材72内に配設された位置追跡トランスデューサ32を含むとき、近接信号は、位置追跡トランスデューサ32によって提供される位置信号に対応する。
【0072】
処理回路38は、近接信号(複数可)に応じて把持顎部66間の変位を感知する(ブロック98)ように結合される。
【0073】
前述したように、電気接点84が相互接触しているときに近接センサ82が2つの電気接点84を含むとき、回路が完成し、結果として信号(すなわち、近接信号)が処理回路38によって感知される。
【0074】
近接センサ82が位置追跡トランスデューサ32を含むとき、把持顎部66間の変位は、以下でより詳細に説明するように、提供された位置信号に基づいて計算を実行する処理回路38によって感知される。処理回路38は、把持顎部66間の変位を、それぞれの位置信号に応じて計算するように構成されている。
【0075】
処理回路38は、感知された変位が所与の閾値変位未満であるときに、把持顎部66の伝導性表面70間に電流を印加する(ブロック100)ように構成されている。
【0076】
本発明の様々に異なる特徴が、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これらが単一の実施形態中に組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の適切な部分的組み合わせとして提供されてもよい。
【0077】
上に記載される実施形態は、例として引用されており、本発明は、上に特に図示及び記載されたものによって限定されない。むしろ、本発明の範囲は、上に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者が思い付くであろう先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) 医療システムであって、
医療器具であって、
把持具ヘッドであって、第1及び第2の相補的把持顎部と、前記第1及び第2の把持顎部のそれぞれの遠位部分上に配設された第1及び第2の導電性表面であって、前記把持具ヘッド内で互いに電気的に絶縁されている、第1及び第2の導電性表面と、を含む、把持具ヘッドと、
前記第1及び第2の導電性表面を生体の身体部分の組織と接触させるように前記把持顎部を閉じるように構成されたアクチュエータと、
前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の変位に応答して、少なくとも1つの近接信号を出力するように構成された近接センサと、を含む、医療器具と、
前記少なくとも1つの近接信号に応答して前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位を感知し、感知された前記変位が所与の閾値変位未満であるときに、前記把持顎部の前記第1の導電性表面と前記第2の導電性表面との間に電流を印加するように結合された処理回路と、を備える、システム。
(2) 前記近接センサは、前記把持具ヘッド上に配設され、前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位が前記所与の閾値変位未満であるときに互いに相互接触するように構成された2つの電気接点を含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して前記把持具ヘッドに接続されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記把持具ヘッドが、前記把持具ヘッドの位置を示す位置信号を提供するように構成された少なくとも1つの位置追跡トランスデューサを含み、前記処理回路が、前記位置信号に応答して前記把持具ヘッドの位置を計算するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記近接センサが、前記把持具ヘッド内に配設され、前記少なくとも1つの近接信号に含まれる、前記第1及び第2の把持顎部のそれぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を提供するように構成された2つの位置追跡トランスデューサを含み、前記処理回路が、前記それぞれの位置信号に応答して前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位を計算するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0079】
(6) 灌注ポンプを更に備え、前記医療器具が、前記灌注ポンプに連結された灌注管を含み、前記灌注ポンプが、前記灌注管内に流体を圧送して前記組織を冷却するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記把持具ヘッドが、前記第1及び第2の把持顎部を含む2つの細長い部材と、前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の角運動を可能にするように前記2つの細長い部材を接続しているピンと、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記近接センサは、前記2つの細長い部材の2つの対向する側部上に配設され、前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位が前記所与の閾値変位未満であるときに互いに相互接触するように構成された2つの電気接点を含む、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して前記細長い部材に接続されている、実施態様8に記載のシステム。
(10) 医療方法であって、
医療器具の把持具ヘッドの第1及び第2の把持顎部のそれぞれの遠位部分上に配設された第1及び第2の導電性表面を、生体の身体部分の組織と接触させるように、前記第1及び第2の把持顎部を閉じることであって、前記第1及び第2の導電性表面が、前記把持具ヘッド内で互いに電気的に絶縁されている、閉じることと、
前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の変位に応答して、少なくとも1つの近接信号を出力することと、
前記少なくとも1つの近接信号に応答して、前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位を感知することと、
感知された前記変位が所与の閾値変位未満であるときに、前記把持顎部の前記第1の導電性表面と前記第2の導電性表面との間に電流を印加することと、を含む、方法。
【0080】
(11) 前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位が前記所与の閾値変位未満であるときに2つの電気接点が互いに相互接触することを更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記電気接点のそれぞれが、それぞれのバネを介して前記把持具ヘッドに接続されている、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記把持具ヘッドの位置を示す位置信号を提供することと、前記位置信号に応答して前記把持具ヘッドの位置を計算することと、を更に含む、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記把持具ヘッド内に配設された2つの位置追跡トランスデューサが、前記少なくとも1つの近接信号に含まれる、前記第1及び第2の把持顎部のそれぞれの位置を示すそれぞれの位置信号を提供することと、前記それぞれの位置信号に応答して前記第1の把持顎部と前記第2の把持顎部との間の前記変位を計算することと、を更に含む、実施態様10に記載の方法。
(15) 前記医療器具の灌注管に流体を圧送して、前記組織を冷却することを更に含む、実施態様10に記載の方法。