(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】流体圧駆動装置
(51)【国際特許分類】
F04B 1/324 20200101AFI20240415BHJP
F04B 49/12 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
F04B1/324
F04B49/12
(21)【出願番号】P 2020079149
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】赤見 俊也
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-190255(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの斜板で複数の吐出流路に吐出する吐出流体の吐出流量を制御する流体圧ポンプと、
前記複数の吐出流路に吐出された各前記吐出流体の圧力のいずれか一の圧力を交互に検出する単一の圧力検出部と、
前記圧力検出部で検出した圧力値に基づいて前記吐出流量を制御する制御部と、
を備え
、
前記流体圧ポンプは、
複数のシリンダ室を有するシリンダと、
前記シリンダ室内に移動自在に設けられ、前記シリンダ室内への流体の吸入及び前記シリンダ室からの流体の吐出を行うピストンと、
前記シリンダから吐出された前記吐出流体を分岐して前記複数の吐出流路へと導く弁板と、
を備え、
前記シリンダは、各前記シリンダ室をそれぞれ別々に前記複数の吐出流路のうちの1つと通じさせる複数のシリンダ連通孔を有し、
前記弁板は、
前記複数のシリンダ連通孔と対応する前記複数の吐出流路のうちの1つに連なって通じる複数の排出口と、
各前記排出口とは別に各前記シリンダ連通孔に通じる弁板連通孔と、
を有し、
前記圧力検出部は、前記弁板連通孔の圧力を検出する
流体圧駆動装置。
【請求項2】
一つの斜板で複数の吐出流路に吐出する吐出流体の吐出流量を制御する流体圧ポンプと、
前記複数の吐出流路に吐出された各前記吐出流体の圧力のいずれか一の圧力を交互に検出する単一の圧力検出部と、
前記圧力検出部で検出した圧力値に基づいて前記吐出流量を制御する制御部と、
を備え
、
前記複数の吐出流路に吐出された各前記吐出流体の圧力は、前記斜板側から取り出される高圧側ピストン圧力であり、
前記流体圧ポンプは、
シリンダ室を有するシリンダと、
前記シリンダ室内に移動自在に設けられ、前記シリンダ室内への流体の吸入及び前記シリンダ室からの流体の吐出を行うピストンと、
を備え、
前記ピストン及び前記斜板に前記シリンダ室に通じる計測路を形成し、
前記高圧側ピストン圧力は、前記ピストンを経て前記斜板から取り出される
流体圧駆動装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記圧力検出部で交互に検出した圧力から求められる平均圧力に基づいて前記斜板を制御する
請求項
1又は請求項2に記載の流体圧駆動装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記圧力値に基づいてポンプ最大吸収馬力を決定し、
前記ポンプ最大吸収馬力に基づいて制御する電磁弁を備える請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の流体圧駆動装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ポンプ最大吸収馬力に基づいて前記斜板の斜板角度を決定し、
前記電磁弁は、前記斜板の斜板角度に基づいて前記斜板を制御する請求項
4に記載の流体圧駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の油圧駆動装置に用いられるポンプとして、複数(例えば2つ)の吐出ポートを有するいわゆるスプリットフロー型ポンプがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、建設機械(特に、ミニショベル)は、省燃費の観点から、スプリットフロー型ポンプのポンプ吸収馬力を精度よく制御することが常に求められている。この対応として、特許文献1の油圧駆動装置を、例えば、電子化することにより、スプリットフロー型ポンプのポンプ吸収馬力を精度よく制御することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術における油圧駆動装置を電子化しようとすると、作動油の各吐出口にそれぞれ圧力計を備えるため複数の圧力計が必要となり、油圧駆動装置のコストを抑えることが難しい。このため、安価な装置が求められているミニショベルに、この油圧駆動装置を採用することは好ましくない。
【0006】
本発明は、例えばスプリットフロー型ポンプのポンプ吸収馬力を精度よく制御でき、コストを抑えることができる流体圧駆動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に係る流体圧駆動装置は、一つの斜板で複数の吐出流路に吐出する吐出流体の吐出流量を制御する流体圧ポンプと、前記複数の吐出流路に吐出された各前記吐出流体の圧力のいずれか一の圧力を交互に検出する単一の圧力検出部と、前記圧力検出部で検出した圧力値に基づいて前記吐出流量を制御する制御部と、を備え、前記流体圧ポンプは、複数のシリンダ室を有するシリンダと、前記シリンダ室内に移動自在に設けられ、前記シリンダ室内への流体の吸入及び前記シリンダ室からの流体の吐出を行うピストンと、前記シリンダから吐出された前記吐出流体を分岐して前記複数の吐出流路へと導く弁板と、を備え、前記シリンダは、各前記シリンダ室をそれぞれ別々に前記複数の吐出流路のうちの1つと通じさせる複数のシリンダ連通孔を有し、前記弁板は、前記複数のシリンダ連通孔と対応する前記複数の吐出流路のうちの1つに連なって通じる複数の排出口と、各前記排出口とは別に各前記シリンダ連通孔に通じる弁板連通孔と、を有し、前記圧力検出部は、前記弁板連通孔の圧力を検出する。
【0014】
このように構成することで、例えばスプリットフロー型ポンプの一つの斜板で複数の吐出流路に吐出する吐出流体の吐出流量を制御し、複数の吐出流路に吐出された各吐出流体の圧力のいずれか一の圧力を交互に検出できる。これにより、複数の圧力検出部を備える必要がなく、流体圧駆動装置のコストを抑えることができる。
【0015】
また、複数の吐出流路に吐出された各吐出流体の圧力のいずれか一の圧力を交互に検出することにより、検出した圧力値に基づいて平均圧力を演算し、さらに、平均圧力に相応しい行程容積となる斜板角に対応させてポンプ吸収トルクを演算できる。このため、演算したポンプ吸収トルクに基づいて、例えば、外部環境やエンジンの回転速度からポンプ最大吸収馬力を決定できる。これにより、決定されたポンプ最大吸収馬力に基づいて、例えば、平均圧力から求まる斜板角をもとに吐出流量を制御部で決定したポンプ最大吸収馬力に制御できる。このように、油圧駆動装置を電子化することにより、スプリットフロー型ポンプのポンプ吸収馬力を精度よく制御できる。
本発明の他の態様に係る流体圧駆動装置は、一つの斜板で複数の吐出流路に吐出する吐出流体の吐出流量を制御する流体圧ポンプと、前記複数の吐出流路に吐出された各前記吐出流体の圧力のいずれか一の圧力を交互に検出する単一の圧力検出部と、前記圧力検出部で検出した圧力値に基づいて前記吐出流量を制御する制御部と、を備え、前記複数の吐出流路に吐出された各前記吐出流体の圧力は、前記斜板側から取り出される高圧側ピストン圧力であり、前記流体圧ポンプは、シリンダ室を有するシリンダと、前記シリンダ室内に移動自在に設けられ、前記シリンダ室内への流体の吸入及び前記シリンダ室からの流体の吐出を行うピストンと、を備え、前記ピストン及び前記斜板に前記シリンダ室に通じる計測路を形成し、前記高圧側ピストン圧力は、前記ピストンを経て前記斜板から取り出される。
【0016】
上記構成で、前記制御部は、前記圧力検出部で交互に検出した圧力から求められる平均圧力に基づいて前記斜板を制御してもよい。
【0019】
上記構成で、前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記圧力値に基づいてポンプ最大吸収馬力を決定し、前記ポンプ最大吸収馬力に基づいて制御する電磁弁を備えてもよい。
【0020】
上記構成で、前記制御部は、前記ポンプ最大吸収馬力に基づいて前記斜板の斜板角度を決定し、前記電磁弁は、前記斜板の斜板角度に基づいて前記斜板を制御してもよい。
【発明の効果】
【0027】
上述の流体圧駆動装置によれば、例えばスプリットフロー型ポンプのポンプ吸収馬力を精度よく制御でき、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1実施形態における建設機械の概略構成図。
【
図2】本発明の第1実施形態における建設機械の油圧駆動装置を示す概略図。
【
図3】本発明の第1実施形態におけるポンプユニットの一部を破断して示す構成図。
【
図4】本発明の第1実施形態におけるシリンダブロックの端部の端面を模式的に示す図。
【
図5】本発明の第1実施形態における弁板のシリンダブロック側の第1端面を模式的に示す図。
【
図6】本発明の第2実施形態における油圧駆動装置の要部を拡大した断面図。
【
図7】本発明の第3実施形態における油圧駆動装置を示す概略図。
【
図8】本発明の第3実施形態における油圧駆動装置の要部を拡大した断面図。
【
図9】本発明の第3実施形態におけるシリンダブロックの端部の端面を模式的に示す図。
【
図10】本発明の第3実施形態における弁板のシリンダブロック側の第1端面を模式的に示す図。
【
図11】本発明の第4実施形態における油圧駆動装置の要部を示す概略図。
【
図12】第4実施形態におけるフロントフランジ及び斜板を分解した斜視図。
【
図13】第4実施形態におけるフロントフランジ及び斜板の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
[第1実施形態]
<建設機械>
図1は、第1実施形態における建設機械100の概略構成図である。
図1に示すように、建設機械100は、例えば油圧ショベルなどである。建設機械100は、旋回体101と、走行体102とを備える。旋回体101は、走行体102の上部で旋回する。旋回体101は、油圧駆動装置(請求項の流体圧駆動装置の一例)110を備える。
【0031】
旋回体101は、キャブ103と、ブーム104と、アーム105と、バケット106とを備える。キャブ103は、旋回体101に搭乗する操作者を支持する。ブーム104の一端は、旋回体101の本体に連結されている。ブーム104は、旋回体101の本体に対して揺動する。アーム105の一端は、ブーム104の旋回体101の本体とは反対側の他端(先端)に連結されている。アーム105は、ブーム104に対して揺動する。バケット106は、アーム105のブーム104とは反対側の他端(先端)に連結されている。バケット106は、アーム105に対して揺動する。
油圧駆動装置110は、例えば主要部がキャブ103内に設けられている。油圧駆動装置110から供給される作動油(作動液体)は、キャブ103、ブーム104、アーム105及びバケット106を駆動する。
【0032】
<油圧駆動装置>
図2は、建設機械100の油圧駆動装置110を示す概略図である。
図2に示すように、油圧駆動装置110は、動力源1と、ポンプユニット2と、複数のアクチュエータ3aから3dと、コントロールバルブ4と、複数のパイロットバルブ5aから5dと、トルク制御部6と、を備えている。
トルク制御部6は、圧力計(請求項の圧力検出部の一例)11と、制御部12と、電磁比例弁(請求項の電磁弁の一例)13と、斜板制御アクチュエータ14と、を備えている。
動力源1は、例えば、ディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)である。
【0033】
<ポンプユニット>
図3は、ポンプユニット2の一部を破断して示す構成図である。なお、
図3は、メインポンプ15のみを軸方向に沿う断面で示す。なお、
図3では、説明を分かりやすくするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図2、
図3に示すように、ポンプユニット2は、いわゆる油圧ポンプであり、作動油を吸入及び吐出する。ポンプユニット2は、一体化されたメインポンプ(請求項の流体圧ポンプの一例)15及び付加ポンプとしてのパイロットポンプ16を備える。メインポンプ15及びパイロットポンプ16は、エンジン1の駆動軸18にタンデムに接続され、エンジン1によって駆動される。
【0034】
<メインポンプ>
メインポンプ15は、いわゆる斜板式可変容量型でスプリットフロー型の油圧ポンプである。メインポンプ15は、主に、メインケーシング20と、シャフト21と、シリンダブロック(請求項のシリンダの一例)22と、斜板23とを備える。シャフト21は、中心軸線Cの軸線回りにメインケーシング20に対して回転する。シリンダブロック22は、メインケーシング20内に収納されるとともに、シャフト21に固定されている。斜板23は、メインケーシング20内に収納されるとともに、メインケーシング20に対して回転することによってメインポンプ15から排出される作動油の排出量を制御する。
以下の説明では、シャフト21の中心軸線Cと平行な方向を軸方向と称し、シャフト21の回転方向を周方向と称し、シャフト21の径方向を単に径方向と称する。
【0035】
メインケーシング20は、開口部25aを有する箱状のケーシング本体25と、ケーシング本体25の開口部25aを閉塞するフロントフランジ26とを備える。
ケーシング本体25は、開口部25aとは反対側に底壁28を備える。シリンダブロック22は、底壁28の内面28a側に配置される。パイロットポンプ16は、底壁28の外面28bに取り付けられる。
【0036】
底壁28には、シャフト21を挿し通し可能な回転軸挿通孔29が底壁28の板厚方向に貫通して形成されている。シャフト21の一端を回転可能に支持する軸受31は、底壁28の内面28a寄りに設けられている。底壁28は、シャフト21の中心軸線C上に位置するケーシング本体25の壁部である。
【0037】
底壁28には、シャフト21を挟んで径方向の両側に、第1吸入路32と第1排出路33a及び第2排出路33bとが形成されている。第1吸入路32は、底壁28の第1側面28cに形成された吸入口32aに通じている。吸入口32aは、タンク35に通じている。第1吸入路32は、第1側面28cからシャフト21に向かって漸次開口面積が小さくなるように底壁28内に延びている。
【0038】
底壁28の外面28bには、回転軸挿通孔29及び第2連通路37の周囲を取り囲むようにOリング溝38が形成されている。Oリング39は、Oリング溝38に装着されている。Oリング39は、メインケーシング20とパイロットポンプ16の後述するギアケーシング81との間のシール性を確保する。
【0039】
このような構成のもと、作動油は、タンク35から吸入口32aを介して第1吸入路32内に吸入される。第1吸入路32内に吸入された作動油は、第1連通路36及び第2連通路37へと流れる。
【0040】
第1排出路33aの排出口には、底壁28の第1側面28cとはシャフト21を挟んで反対側に位置する第2側面28dに、第1吐出ポート41が形成されている。また、第2排出路33bの排出口には、底壁28の第1側面28cとはシャフト21を挟んで反対側に位置する第2側面28dに、第2吐出ポート42が形成されている。第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42は、コントロールバルブ4等を介してアクチュエータ3aからアクチュエータ3dに接続されている。
【0041】
第1排出路33a及び第2排出路33bは、第2側面28dからシャフト21に向かって底壁28内に延びている。第1排出路33aのシャフト21側の端部には、第1排出路33aと底壁28の内面28aとを連なって通じさせる第3連通路(請求項の吐出流路、排出通路の一例)44aが形成されている。第3連通路44aは、第1排出路33aと後述する弁板43の外周側排出口43bとを連なって通じさせる。
第2排出路33bのシャフト21側の端部には、第2排出路33bと底壁28の内面28aとを連なって通じさせる第4連通路(請求項の吐出流路、排出通路の一例)44bが形成されている。第4連通路44bは、第2排出路33bと後述する弁板43の内周側排出口43cを連なって通じさせる。
【0042】
フロントフランジ26には、シャフト21を挿し通し可能な貫通孔46が形成されている。シャフト21の他端側を回転自在に支持する軸受47は、貫通孔46に設けられている。オイルシール48は、軸受47よりもケーシング本体25とは反対側(フロントフランジ26の外側)の貫通孔46に設けられている。
メインポンプ15を旋回体101(
図1参照)等に固定するための2つの取付プレート49は、フロントフランジ26に一体に成形されている。2つの取付プレート49は、シャフト21を挟んで径方向の両側に配置されている。取付プレート49は、径方向外側に向かって延びている。
【0043】
シャフト21は、段付き状に形成されている。シャフト21は、同軸上に配置された回転軸本体51、第1軸受部52、伝達軸53、第2軸受部54及び連結軸55を備える。回転軸本体51は、メインケーシング20内に配置されている。第1軸受部52は、回転軸本体51のケーシング本体25の底壁28側の端部に一体に成形されている。伝達軸53は、第1軸受部52の回転軸本体51とは反対側の端部に一体に成形されている。第2軸受部54は、回転軸本体51のフロントフランジ26側の端部に一体に成形されている。連結軸55は、第2軸受部54の回転軸本体51とは反対側の端部に一体に成形されている。
【0044】
回転軸本体51には、第2スプライン51aが形成されている。シリンダブロック22は、回転軸本体51の第2スプライン51aに嵌め合わされている。第1軸受部52の軸径は、回転軸本体51の軸径よりも小さい。第1軸受部52は、底壁28の軸受31に回転可能に支持されている。
【0045】
伝達軸53は、シャフト21の回転力をパイロットポンプ16に伝達する。伝達軸53の軸径は、第1軸受部52の軸径よりも小さい。伝達軸53は、軸受31を介してパイロットポンプ16側に突出している。伝達軸53は、底壁28の回転軸挿通孔29内に配置されている。伝達軸53の外周面には、円筒状のカップリング57が嵌め合わされている。カップリング57は、伝達軸53と一体に回転する。カップリング57のパイロットポンプ16側は、底壁28よりもパイロットポンプ16側に突出している。カップリング57のパイロットポンプ16側の突出した部位は、パイロットポンプ16に連結される。
【0046】
第2軸受部54の軸径は、第1軸受部52の軸径よりも大きい。第2軸受部54は、フロントフランジ26の軸受47に回転可能に支持されている。
連結軸55は、エンジン1の駆動軸18に連結される。連結軸55の軸径は、第2軸受部54の軸径よりも小さい。連結軸55の先端部は、軸受47を介してフロントフランジ26の外側に突出している。オイルシール48は、内部からの作動油の流出を防止するとともに、連結軸55の先端部とフロントフランジ26との間からの異物等の侵入を防止する。連結軸55の先端には、第1スプライン55aが形成されている。エンジン1の駆動軸18とシャフト21とは、第1スプライン55aを介して連結される。
【0047】
図4は、シリンダブロック22における端部22aの端面22Aを模式的に示す図である。
図3及び
図4に示すように、シリンダブロック22は、円柱状に形成されている。シリンダブロック22の径方向中央には、シャフト21を挿入又は圧入可能な貫通孔61が形成されている。貫通孔61の内壁面には、スプライン61aが形成されている。スプライン61aと回転軸本体51の第2スプライン51aとが結合される。シャフト21とシリンダブロック22とは、各スプライン61a,51aを介して一体となって回転する。シリンダブロック22は、軸方向に後述する弁板43との間の作動油の静圧によって支持されている。
【0048】
シリンダブロック22には、貫通孔61の軸方向中央から底壁28側の端部22aに至る間に、シャフト21の周囲を取り囲むように凹部63が形成されている。貫通孔61の軸方向中央からフロントフランジ26側に至る間には、内壁面の一部にシリンダブロック22を軸方向に貫通する貫通孔64が形成されている。凹部63には、スプリング65及びリテーナ66a,66bが収納される。貫通孔64には、連結部材67が軸方向に移動可能に収納される。
【0049】
シリンダブロック22には、シャフト21の周囲を取り囲むように複数のシリンダ室68が形成されている。複数のシリンダ室68は、中心軸線Cと同心の所定ピッチ円上の周方向に沿って等間隔に配置されている。シリンダ室68は、軸方向に沿って延びる有底円筒状に形成されている。シリンダ室68のフロントフランジ26側は開口され、シリンダ室68の底壁28側は閉じられている。シリンダブロック22の端部22aには、各シリンダ室68に対応する位置に、各シリンダ室68とシリンダブロック22の外部とを連なって通じさせる外周側連通孔69a又は内周側連通孔69bが形成されている。
【0050】
図5は、弁板43のシリンダブロック22側の端面(第1端面)43Aを模式的に示す図である。
図3から
図5に示すように、弁板43は、円板状に形成されている。弁板43は、シリンダブロック22の端部22aの端面22Aと、ケーシング本体25の底壁28の内面28aとの間に配置されている。弁板43は、ケーシング本体25の底壁28に固定されている。弁板43は、シリンダブロック22及びシャフト21が中心軸線C回りに回転する場合であっても、ケーシング本体25に対して静止した状態に保たれる。
【0051】
弁板43には、シリンダブロック22の各外周側連通孔69a及び各内周側連通孔69bに連なって通じる供給口43aが弁板43の厚さ方向に貫通して形成されている。供給口43aの外形は、例えば中心軸線C回りの所定角度範囲での円弧状の長孔に形成されている。
各シリンダ室68とケーシング本体25に形成された第1連通路36とは、弁板43の供給口43aとシリンダブロック22の外周側連通孔69a又は内周側連通孔69bとを介して連なって通じる。
【0052】
弁板43には、シリンダブロック22の各外周側連通孔69aに連なって通じる複数の外周側排出口(請求項の排出口の一例)43bと、シリンダブロック22の各内周側連通孔69bに連なって通じ、外周側排出口43bよりも径方向内側に位置する複数の内周側排出口(請求項の排出口の一例)43cと、が形成されている。各連通孔69a,69bは、弁板43の厚さ方向に貫通して形成されている。外周側排出口43b及び内周側排出口43cの各々の外形は、例えば中心軸線C回りの各所定角度範囲での円弧状の長孔に形成されている。
【0053】
複数の外周側排出口43bは、第1端面43A上で中心軸線Cと同心の第1ピッチ円上に形成されている。複数の外周側排出口43bは、第1端面43A上で第1ピッチ円上に形成された円弧状の外周側凹部45aに通じるように形成されている。
【0054】
複数の内周側排出口43cは、第1端面43A上で中心軸線Cと同心の第1ピッチ円よりも小さな第2ピッチ円上に形成されている。複数の内周側排出口43cは、第1端面43A上で第2ピッチ円上に形成された円弧状の内周側凹部45bに通じるように形成されている。
なお、第1ピッチ円の直径は、第2ピッチ円の直径よりも、シリンダブロック22の複数のシリンダ室68に対する所定ピッチ円の直径により近い大きさである。第1ピッチ円の直径は、例えば、複数のシリンダ室68に対する所定ピッチ円の直径よりもやや小さく設定されている。
【0055】
各シリンダ室68とケーシング本体25に形成された第3連通路44aとは、弁板43の外周側排出口43b及びシリンダブロック22の外周側連通孔69aを介して連なって通じる。
各シリンダ室68とケーシング本体25に形成された第4連通路44bとは、弁板43の内周側排出口43c及びシリンダブロック22の内周側連通孔69bを介して連なって通じる。
【0056】
弁板43はケーシング本体25に対して固定されている。このため、各シリンダ室68は、シリンダブロック22の回転状態に応じて、弁板43を介して第1吸入路32から作動油が供給される状態と、第1排出路33a又は第2排出路33bに作動油を吐出する状態とに切り替えられる。
【0057】
ピストン71は、シリンダブロック22の各シリンダ室68に収納されることによって、シャフト21及びシリンダブロック22の回転に伴い、シャフト21の中心軸線Cを中心に周回するように回転する。
ピストン71のフロントフランジ26側の端部は、一体に形成された球状の凸部72を備えている。ピストン71の内部には、シリンダ室68内の作動油を貯留する凹部73が形成されている。ピストン71の往復動は、シリンダ室68への作動油の供給及び排出と連関している。
【0058】
ピストン71がシリンダ室68から引き出される際には、作動油は第1吸入路32から第1連通路36及び供給口43aを介してシリンダ室68内に供給される。
ピストン71がシリンダ室68内に進入する際には、作動油は、シリンダ室68内から外周側連通孔69a、外周側排出口43b、第3連通路44a及び第1排出路33aを介して排出される。また、シリンダ室68内から内周側連通孔69b、内周側排出口43c、第4連通路44b及び第2排出路33bを介して排出される。
【0059】
シリンダブロック22の凹部63に収納されたスプリング65は、例えばコイルスプリングである。スプリング65は、凹部63に収納された2つのリテーナ66a,66bの間で圧縮されている。スプリング65は、弾性力によって伸長する向きに付勢力を発生させる。スプリング65の付勢力は、2つのリテーナ66a,66bのうちの一方のリテーナ66bを介し連結部材67に伝達される。スプリング65の付勢力は、連結部材67を介して押圧部材75に伝達される。押圧部材75は、連結部材67よりもフロントフランジ26側に回転軸本体51の外周面に嵌め合わされている。
【0060】
斜板23は、フロントフランジ26のうちケーシング本体25側の内面26aに設けられている。斜板23は、フロントフランジ26に対して傾倒可能に設けられている。斜板23は、フロントフランジ26に対して傾くことにより、各ピストン71の軸方向に沿う方向への変位を規制する。斜板23の径方向中央には、シャフト21を挿し通し可能な挿通孔76が形成されている。斜板23は、シリンダブロック22側に平坦な摺動面23aを備えている。
【0061】
摺動面23a上を移動可能な複数のシュー77は、ピストン71の凸部72に取り付けられている。シュー77の凸部72を受け入れる側の面には、凸部72の形状に対応するように球状の凹部77aが形成されている。ピストン71の凸部72は、凹部77aの内壁面に嵌め込まれる。シュー77は、ピストン71の凸部72に対して回転可能に連結される。
シュー保持部材78は、各シュー77を一体的に保持する。押圧部材75は、シュー保持部材78に接触して、シュー保持部材78を斜板23側に向かって押す。シュー77は斜板23の摺動面23aに追随するように移動する。なお、斜板23の斜板角度は、斜板制御アクチュエータ14(
図2参照)によって制御される。
【0062】
以上説明したように、メインポンプ15は、シリンダブロック22から吐出される作動油の吐出量を制御する単一の斜板23と、シリンダブロック22から吐出された作動油を複数に分岐する弁板43と、を備えている。単一の斜板23により、メインポンプ15の第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42の2つの吐出ポートから吐出される作動油の吐出量が制御される。
すなわち、メインポンプ15は、単一の斜板23の斜板角度が斜板制御アクチュエータ14で変えるように制御されることにより押しのけ量(押しのけ容積)が変化し、第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42からの吐出流量を変化させる。
【0063】
<パイロットポンプ>
第1吸入路32のシャフト21側の端部には、第1吸入路32と底壁28の内面28aとを連なって通じさせる第1連通路36が形成されている。第1連通路36は、第1吸入路32と弁板43の供給口43aとを連なって通じさせる。
第1吸入路32のシャフト21側の端部には、第1吸入路32と底壁28の外面28bとを連なって通じさせる第2連通路37が形成されている。第2連通路37は、第1吸入路32とパイロットポンプ16の後述する第2吸入路82とを連なって通じさせる。
【0064】
パイロットポンプ16は、例えば、ギアケーシング81と、図示しない駆動ギア及び従動ギアと、を備えたギアポンプである。
直方体状のギアケーシング81は、メインケーシング20の底壁28の外面28bに配置される。ギアケーシング81のメインケーシング20と重ね合わされる壁面81aには、メインケーシング20の第2連通路37に連なって通じる第2吸入路82が形成されている。第2吸入路82は、ギアケーシング81の壁面81aの内外を連なって通じさせる。
【0065】
ギアケーシング81の壁面81aには、メインケーシング20の回転軸挿通孔29に対応する位置に、カップリング挿通孔83が形成されている。カップリング57のパイロットポンプ16側の端部は、カップリング挿通孔83を介してギアケーシング81内に突出されている。
ギアケーシング81の第1側壁面81bは、吸入口32aが形成されているメインケーシング20の第1側面28cと同一方向を向いている。第2側壁面81cは、第1排出路33a及び第2排出路33bの排出口が形成されているメインケーシング20の第2側面28dと同一方向を向いている。
【0066】
図2及び
図3に示すように、ギアケーシング81の第2側壁面81cには、不図示の第3排出路が形成されている。ギアケーシング81の第3排出路は、第2側壁面81cに開口されている。ギアケーシング81の第3排出路の排出口と、メインケーシング20の第1排出路33a及び第2排出路33bの排出口とは、同一方向を向いた第2側壁面81c及び第2側面28dに形成されている。第3排出路の排出口には第3吐出ポート59が形成されている。すなわち、第3吐出ポート59は、第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42と同一方向を向いて配置されている。
【0067】
パイロットポンプ16の駆動ギア及び従動ギアは、ギアケーシング81内に回転可能に支持されるとともに、互いに噛み合っている。駆動ギアは、メインケーシング20からカップリング挿通孔83を介して突出するカップリング57に連結されている。メインポンプ15におけるシャフト21の回転力は、カップリング57を介して駆動ギアに伝達される。従動ギアは、駆動ギアに噛み合っているので、駆動ギアと同期して回転する。
【0068】
図1、
図2に示すように、複数のアクチュエータ3a~3dは、コントロールバルブ4等を介して第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42に接続されている。複数のアクチュエータ3a~3dは、メインポンプ15の第1吐出ポート41から吐出された第1作動油(第1圧油、請求項の吐出流体の一例)と、第2吐出ポート42から吐出された第2作動油(第2圧油、請求項の吐出流体の一例)とにより駆動される。
アクチュエータ3aは、例えば、旋回体101を旋回させる油圧モータである。アクチュエータ3bは、例えば、ブーム104を揺動させる油圧シリンダである。アクチュエータ3cは、例えば、アーム105を揺動させる油圧シリンダである。アクチュエータ3dは、例えば、バケット106を揺動させる油圧シリンダである。
【0069】
コントロールバルブ4は、メインポンプ15の第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42に第1圧油供給路(請求項の吐出流路の一例)120及び第2圧油供給路(請求項の吐出流路の一例)121を介して接続されている。コントロールバルブ4は、オープンセンタ型の複数の流量制御弁15a~15dを内蔵している。複数の流量制御弁15a~15dは、第1吐出ポート41及び第2吐出ポート42から複数のアクチュエータ3a~3dに供給される第1作動油及び第2作動油の流量を制御する。
【0070】
複数のパイロットバルブ5a~5dは、パイロットポンプ16の第3吐出ポート59に第3圧油供給路122を介して接続されている。複数のパイロットバルブ5a~5dは、パイロットポンプ16の第3吐出ポート59から吐出された第3作動油(第3圧油)により、複数の流量制御弁15a~15dを制御するための操作パイロット圧を生成する。
【0071】
複数のパイロットバルブ5a~5dは、図示しない操作レバーを備えている。複数のパイロットバルブ5a~5dは、各操作レバーの操作方向に応じて選択的に動作し、第3圧油供給路122の第3圧油(パイロットポンプ16の吐出圧)を元圧として操作レバーの操作量に応じたパイロット圧を生成する。
このパイロット圧は、パイロット油路を介してコントロールバルブ4内の対応する流量制御弁15a~15dに出力され、流量制御弁15a~15dの切り換え操作を行う。
【0072】
ところで、アクチュエータ3dの油圧シリンダでバケット106を揺動させる場合、例えば、アクチュエータ3dには、メインポンプ15の第2吐出ポート42から第2圧油供給路121に導かれた第2作動圧(第2圧油)が伝達される。一方、メインポンプ15の第1吐出ポート41から第1圧油供給路120に導かれた第1作動圧(第1圧油)がタンク35に戻される。
【0073】
ここで、第1圧油供給路120の途中と第2圧油供給路121の途中とが、計測連通路123で連なって通されている。計測連通路123は、第1圧油供給路120寄りの部位に第1オリフィス124が設けられ、第2圧油供給路121寄りの部位に第2オリフィス125が設けられている。計測連通路123のうち、第1オリフィス124と第2オリフィス125との間に、圧力計測路126を介して単一の圧力計11が接続されている。圧力計測路126には第3オリフィス132が設けられている。なお、圧力計測路126には第3オリフィス132を設けなくてもよい。
【0074】
メインポンプ15の第1吐出ポート41から第1圧油供給路120に第1作動油が吐出され、メインポンプ15の第2吐出ポート42から第2圧油供給路121に第2作動油が吐出される。第1作動油は、計測連通路123の第1オリフィス124を経て計測連通路123の合流箇所(請求項の合流箇所の一例)123aまで導かれる。第2作動油は、計測連通路123の第2オリフィス125を経て計測連通路123の合流箇所123aまで導かれる。
合流箇所123aで第1作動油及び第2作動油が合流され、合流された第1作動油及び第2作動油が圧力計測路126を経てトルク制御部6の圧力計11に導かれる。
【0075】
<トルク制御部>
以下、トルク制御部6を構成する圧力計11、制御部12、電磁比例弁13、及び斜板制御アクチュエータ14について説明する。
圧力計11は、合流箇所123aで合流された第1作動油及び第2作動油が圧力計測路126に導かれ、合流した第1作動油及び第2作動油の圧力(請求項の合流した圧力の一例)を圧力値として計測(請求項の検出の一例)する。以下、合流した第1作動油及び第2作動油の圧力を「中間圧力」ということがある。圧力計11で計測した圧力値は、制御部12に電気信号として伝達される。
第1実施形態では、圧力検出部として、例えば機械式で圧力を計測する機器(すなわち、圧力計11)を例示するが、これに限らない。その他の例として、例えばひずみゲージを用いて電気的に圧力を測定する圧力センサ等の圧力検出部を使用してもよい。
【0076】
制御部12は、伝達された圧力値に基づいて平均圧力を演算し、平均圧力からポンプ吸収トルクを演算する。さらに、制御部12は、演算したポンプ吸収トルクに基づいて、例えば、外部環境やエンジン1の回転速度からポンプ最大吸収馬力(すなわち、斜板23の斜板角度)を決定する。また、制御部12は、決定した斜板23の斜板角度を電磁比例弁13に電気信号として伝達する。
【0077】
電磁比例弁13は、制御部12で決定された斜板23の斜板角度に基づいて、斜板制御アクチュエータ14を作動させる。
具体的には、電磁比例弁13は、入力ポート127が第1パイロット通路128を介して第3圧油供給路122に接続され、出力ポート129が第2パイロット通路130を介して斜板制御アクチュエータ14に接続されている。入力ポート127には、第3圧油供給路122及び第1パイロット通路128を介してパイロットポンプ16から吐出された第3作動油が伝達される。
【0078】
また、電磁比例弁13が作動することにより、入力ポート127に伝達された第3作動油(パイロット油)を、出力ポート129から第2パイロット通路130を介して斜板制御アクチュエータ14に伝達される。
電磁比例弁13は、制御部12で決定された斜板23の斜板角度に基づいて作動することにより、パイロットポンプ16から吐出された第3作動油のパイロット油を斜板制御アクチュエータ14に伝達できる。
【0079】
斜板制御アクチュエータ14は、電磁比例弁13から伝達されたパイロット油に基づいて作動し、例えば、不図示のピストンが進出、後退する制御シリンダである。斜板制御アクチュエータ14が作動することにより、制御部12で決定した斜板角度に斜板23が制御される。
【0080】
<油圧駆動装置の動作>
次に、油圧駆動装置110の動作について説明する。
メインポンプ15の第1吐出ポート41から第1圧油供給路120に第1作動油が吐出され、吐出された第1作動油が第1オリフィス124を通過する。また、メインポンプ15の第2吐出ポート42から第2圧油供給路121に第2作動油が吐出され、吐出された第2作動油が第2オリフィス125を通過する。
【0081】
第1作動油及び第2作動油は、計測連通路123のうち、第1オリフィス124と第2オリフィス125との間の合流箇所123aで合流する。合流した作動油は、圧力計測路126を介して圧力計11に伝達される。圧力計11により、合流した第1作動油及び第2作動油の中間圧力P1,P2を検出する。
【0082】
中間圧力P1は、合流した第1作動油及び第2作動油のうち、第1作動油を主成分とする中間圧力である。
中間圧力P2は、合流した第1作動油及び第2作動油のうち、第2作動油を主成分とする中間圧力である。
中間圧力P1と中間圧力P2との圧力波形は規則的に変化する。
圧力計11で検出した中間圧力P1,P2が制御部12に電気的に伝達される。
【0083】
制御部12では、圧力計11で計測した中間圧力P1,P2に基づいて、
平均圧力Pm=(P1+P2)/2
を演算して中間圧力(P1、P2)を平均する。
【0084】
ここで、
ポンプ吸収トルク:メインポンプ15を駆動するためのトルク
V1:メインポンプ15の第1吐出ポート41の押しのけ量
V2:メインポンプ15の第2吐出ポート42の押しのけ量
η:効率
としたとき、演算した平均圧力Pmに基づいて、
ポンプ吸収トルク=Pm×(V1+V2)/(2π×η)
を演算してポンプ吸収トルクを求める。
【0085】
演算したポンプ吸収トルクに基づいて、
斜板23の斜板角度=V1+V2
を決定する。さらに、制御部12は、外部環境やエンジン1の回転速度からポンプ最大吸収馬力を決定する。
【0086】
制御部12で決定した情報に基づいて、電磁比例弁13に電気信号を伝達する。伝達された電気信号に基づいて、電磁比例弁13が作動する。電磁比例弁13が作動することにより、制御部12で決定された斜板23の斜板角度に基づいて、パイロットポンプ16から吐出されたパイロット油を斜板制御アクチュエータ14に伝達する。
電磁比例弁13から伝達されたパイロット油に基づいて、斜板制御アクチュエータ14が作動し、図示しないピストンが進出、後退する。斜板制御アクチュエータ14が作動することにより、制御部12で決定した斜板角度に斜板23を制御する。このように、電磁比例弁13を利用して斜板23の斜板角度を制御することにより、例えば、馬力制御、全馬力制御やエアコン等の制御や、その他、減馬力制御等を精度よく制御できる。
【0087】
以上説明したように、第1実施形態の油圧駆動装置110によれば、メインポンプ15はスプリットフロー型ポンプであり、シリンダブロック22から吐出された作動油を弁板43で第1作動油と第2作動油との複数に分岐する。弁板43で複数に分岐された第1作動油と第2作動油が合流され、合流された第1作動油及び第2作動油の中間圧力P1,P2を単一の圧力計11で計測できる。これにより、複数の圧力計を備える必要がなく、油圧駆動装置110のコストを抑えることができる。
【0088】
また、合流された第1作動油及び第2作動油の中間圧力P1,P2を単一の圧力計11で計測することにより、例えば、計測した圧力値に基づいて平均圧力を制御部12で演算し、さらに、制御部12で、平均圧力に相応しい行程容積となる斜板角に対応させてポンプ吸収トルクを演算できる。このため、制御部12で、演算したポンプ吸収トルクに基づいて、例えば、外部環境やエンジン1の回転速度からポンプ最大吸収馬力(すなわち、斜板23の斜板角度)を決定できる。
【0089】
これにより、制御部12で決定されたポンプ最大吸収馬力に基づいて、例えば、平均圧力から求まる斜板角をもとに吐出流量を制御部12で決定したポンプ最大吸収馬力に制御できる。このように、トルク制御部6に電磁比例弁13を備えることにより、斜板23の斜板角度を電子的に制御でき、スプリットフロー型のメインポンプ15のポンプ吸収馬力を精度よく制御できる。
【0090】
ここで、合流した作動油の中間圧力P1,P2は、規則的に変化する。これにより、中間圧力P1,P2を圧力計11で検出することにより、中間圧力P1,P2の圧力波形におけるピークに基づいて、メインポンプ15の回転数や回転速度を検出できる。
【0091】
上述の第1実施形態では、シリンダブロック22から吐出された作動油を弁板43で第1作動油と第2作動油とに分岐した例について説明するが、これに限らない。その他の例として、例えば、シリンダブロック22から吐出された作動油を弁板43で3つ以上の作動油に分岐してもよい。
【0092】
以下、
図6から
図13に基づいて、第2実施形態から第4実施形態の油圧駆動装置140,150,160を説明する。なお、第2実施形態から第4実施形態にでは、第1実施形態の油圧駆動装置110と同一、類似部材については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0093】
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態における油圧駆動装置(請求項の流体圧駆動装置の一例)140の要部を拡大した断面図である。
図2及び
図6に示すように、油圧駆動装置140は、ケーシング本体25の底壁28に計測連通路(請求項の弁板の複数の排出口を連なって通じさせる通路、ケーシングの各排出通路を連なって通じさせる通路の一例)141が設けられている。計測連通路141は、圧力計測路142を介して単一の圧力計11に接続されている。
具体的には、ケーシング本体25の底壁28に、第3連通路44aと第4連通路44bとが形成されている。第3連通路44aには、弁板43で分岐された第1作動油が導かれる。第4連通路44bには、弁板43で分岐された第2作動油が導かれる。
【0094】
第3連通路44aの途中と第4連通路44bの途中とが、計測連通路141で連なって通じている。すなわち、外周側排出口43b及び内周側排出口43cが、第3連通路44a及び第4連通路44bを介して計測連通路141で連なって通じている。
計測連通路141は、径方向に延びている。計測連通路141には、第3連通路44a寄りの部位に第1オリフィス143が設けられ、第3連通路44a寄りの部位に第2オリフィス144が設けられている。計測連通路141のうち、第1オリフィス143と第2オリフィス144との間に、圧力計測路142を介して単一の圧力計11が接続されている。圧力計測路142には第3オリフィス145が設けられている。なお、圧力計測路142には第3オリフィス145を設けなくてもよい。
【0095】
以上説明したように、第2実施形態の油圧駆動装置140によれば、
図2に示す第1実施形態の油圧駆動装置110と同様に、シリンダブロック22から吐出された作動油を弁板43で第1作動油と第2作動油との複数に分岐する。弁板43で複数に分岐された第1作動油と第2作動油が合流され、合流された第1作動油及び第2作動油の中間圧力(P1、P2)を単一の圧力計11で計測できる。
このため、例えば、計測した圧力値に基づいて平均圧力を制御部12で演算し、さらに、制御部12で平均圧力からポンプ吸収トルクを演算できる。この結果、制御部12で、演算したポンプ吸収トルクに基づいて、例えば、外部環境やエンジン1の回転速度からポンプ最大吸収馬力(すなわち、斜板23の斜板角度)を決定できる。
【0096】
これにより、制御部12で決定されたポンプ最大吸収馬力に基づいて、例えば、電磁比例弁13で斜板制御アクチュエータ14を作動させて斜板23を制御部12で決定した斜板角度に制御して吐出流量を制御できる。このように、トルク制御部6に電磁比例弁13を備えることにより、斜板23の斜板角度を電子的に制御でき、スプリットフロー型のメインポンプ15のポンプ吸収馬力を精度よく制御できる。
【0097】
また、合流された第1作動油及び第2作動油の中間圧力P1,P2を単一の圧力計11で計測できる。これにより、複数の圧力計を備える必要がなく、第1実施形態の油圧駆動装置110と同様に、油圧駆動装置140のコストを抑えることができる。
【0098】
さらに、ケーシング本体25の底壁28に計測連通路141を設けることにより、第1実施形態の油圧駆動装置110のように、メインポンプ15の外部に計測連通路123を設ける必要がない。これにより、油圧駆動装置140の構成を簡素化して、油圧駆動装置140のコンパクト化を図ることができる。
【0099】
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態における油圧駆動装置(請求項の流体圧駆動装置の一例)150を示す概略図である。
図8は、油圧駆動装置150の要部を拡大した断面図である。
図9は、シリンダブロック22の端部22aの端面22Aを模式的に示す図である。
図10は、弁板43のシリンダブロック22側の端面(第1端面)43Aを模式的に示す図である。
図7から
図10に示すように、油圧駆動装置150は、シリンダブロック22のシリンダ室68に圧力計測路152等を介して単一の圧力計11が接続されている。圧力計測路152にはオリフィス153が設けられている。
図7では、構成の理解を容易にするため、便宜上、オリフィス153をメインポンプ15の外部に示す。なお、圧力計測路152にはオリフィス153を設けなくてもよい。
【0100】
具体的には、シリンダブロック22の端部22aの外周側連通孔69aが径方向内側に広げられて外周側連通孔69a1が形成されている。また、端部22aの内周側連通孔69bが径方向外側に広げて内周側連通孔69b1が形成されている。外周側連通孔69a1及び内周側連通孔69b1は、周方向で互いに重なるように形成されている。
なお、第3実施形態では、複数の外周側連通孔69aから選択した1つを外周側連通孔69a1に形成し、複数の内周側連通孔69bから選択した1つを内周側連通孔69b1に形成した例について説明するが、これに限らない。その他の例として、例えば、複数の外周側連通孔69aを外周側連通孔69a1に形成し、複数の内周側連通孔69bを内周側連通孔69b1に形成してもよい。
【0101】
また、弁板43には弁板連通孔151が軸方向に貫通されている。弁板連通孔151は、径方向で外周側排出口43bと内周側排出口43cとの中間に形成されている。弁板連通孔151は、外周側連通孔69a1及び内周側連通孔69b1に周方向で互いに重なるように形成されている。
弁板連通孔151には、弁板43で分岐される第1作動油及び第2作動油が、外周側連通孔69a1及び内周側連通孔69b1から規則的に導かれる。よって、弁板連通孔151には、規則的に変化する吐出圧力P1,P2が発生する。この弁板連通孔151には、圧力計測路152を介して単一の圧力計11が接続されている。これにより、圧力計11は、第1作動油の吐出圧力P1と第2作動油の吐出圧力P2とを交互(別々)に、かつ規則的に計測できる。
【0102】
以上説明したように、第3実施形態の油圧駆動装置150によれば、弁板43で複数に分岐された第1作動油の吐出圧力P1と第2作動油の吐出圧力P2とを単一の圧力計11で計測できる。このため、第1実施形態の油圧駆動装置110と同様に、計測した第1作動油と第2作動油との吐出圧力P1,P2に基づいて平均圧力を制御部12で演算し、さらに、制御部12で平均圧力からポンプ吸収トルクを演算できる。この結果、制御部12で、演算したポンプ吸収トルクに基づいて、例えば、外部環境やエンジン1の回転速度からポンプ最大吸収馬力(すなわち、斜板23の斜板角度)を決定できる。
【0103】
これにより、制御部12で決定されたポンプ最大吸収馬力に基づいて、例えば、電磁比例弁13で斜板制御アクチュエータ14を作動させて斜板23を制御部12で決定した斜板角度に制御して吐出流量を制御できる。このように、トルク制御部6に電磁比例弁13を備えることにより、斜板23の斜板角度を電子的に制御でき、スプリットフロー型のメインポンプ15のポンプ最大吸収馬力を精度よく制御できる。
【0104】
また、弁板43で複数に分岐された第1作動油と第2作動油との吐出圧力P1,P2を単一の圧力計11で計測できる。これにより、複数の圧力計を備える必要がなく、第1実施形態の油圧駆動装置110と同様に、油圧駆動装置150のコストを抑えることができる。
【0105】
さらに、外周側連通孔69a1、内周側連通孔69b1、及び圧力計測路152は、メインポンプ15の内部に形成されている。これにより、油圧駆動装置150の構成を第1実施形態の油圧駆動装置110より簡素化して、油圧駆動装置150のコンパクト化を図ることができる。
【0106】
[第4実施形態]
図11は、第4実施形態における油圧駆動装置(請求項の流体圧駆動装置の一例)160を示す概略図である。
図12は、フロントフランジ26及び斜板23を分解した斜視図である。
図13は、フロントフランジ26及び斜板23の側面図である。
図11から
図13に示すように、油圧駆動装置160は、ピストン71の内部の凹部73に、第1圧力計測路161及び第2圧力計測路163等を介して単一の圧力計11が接続されている。第1圧力計測路161には第1オリフィス164が設けられている。また、第2圧力計測路163には第2オリフィス165が設けられている。
図12では、構成の理解を容易にするため、便宜上、第2オリフィス165をメインポンプ15の外部に示す。
なお、第1圧力計測路161及び第2圧力計測路163のいずれか一方にオリフィスを設けてもよい。あるいは、第1圧力計測路161及び第2圧力計測路163の両方にオリフィスを設けなくてもよい。
【0107】
具体的には、ピストン71の内部には、シリンダ室68内の作動油を貯留する凹部73が形成されている。また、ピストン71の凸部72には、凹部73に連なって通じる凸部連通孔72aが貫通されている。さらに、シュー77には、凸部連通孔72aに連なって通じるシュー連通孔77bが貫通されている。シュー連通孔77bは、斜板23の摺動面23aに開口されている。
【0108】
ピストン71は、シリンダブロック22がシャフト21とともに中心軸線Cを中心に回転することにより、規則的にシリンダ室68から引き出され、シリンダ室68内に進入する。
ピストン71がシリンダ室68内に進入する際に、シリンダ室68内の作動油は、外周側連通孔69aを経て外周側排出口43b(すなわち、弁板43)で第1作動油に分岐され、第3連通路44a及び第1排出路33aを介して排出される。また、シリンダ室68内の作動油は、内周側連通孔69b(
図4参照)を経て内周側排出口43c(すなわち、弁板43)で第2作動油に分岐され、第4連通路44b及び第2排出路33bを介して排出される。
第1作動油の吐出圧力(請求項の高圧側ピストン圧力の一例)P1及び第2作動油の吐出圧力(請求項の高圧側ピストン圧力の一例)P2は、ピストン71内の凹部73から凸部連通孔72aを経てシュー連通孔77bに規則的に伝達される。
【0109】
斜板23には、第1圧力計測路161と計測凹部162とが設けられている。計測凹部162は、斜板23の湾曲面23bで、摺動面23a側に凹むように形成されている。湾曲面23bは、フロントフランジ26の内面26aに沿って摺動可能に湾曲状に形成されている。これにより、斜板23は、フロントフランジ26の内面26aに対して傾倒可能に設けられている。計測凹部162は、第1圧力計測路161を介してシュー連通孔77bに連なって通じている。また、計測凹部162は、フロントフランジ26の内面26aに向けて、例えば、矩形状に大きく開口されている。
【0110】
フロントフランジ26には、第2圧力計測路163が形成されている。第2圧力計測路163は、計測凹部162の開口部に一端部が連通(開口)されている。ここで、計測凹部162の開口部が湾曲面23bに沿って大きく形成されている。このため、フロントフランジ26の内面26aに対して斜板23が傾倒する範囲で、第2圧力計測路163の一端部が計測凹部162の開口に連なって通じた状態に保たれる。第2圧力計測路163は、単一の圧力計11に他端部が接続されている。
【0111】
すなわち、圧力計11は、第2圧力計測路163、計測凹部162、第1圧力計測路161、シュー連通孔77b、及び凸部連通孔72aを介してピストン71内の凹部73に接続されている。これにより、圧力計11は、凹部73の第1作動油の吐出圧力P1と第2作動油の吐出圧力P2とを交互(別々)に、かつ規則的に計測できる。
【0112】
以上説明したように、第4実施形態の油圧駆動装置160によれば、弁板43で複数に分岐される第1作動油の吐出圧力P1と第2作動油の吐出圧力P2とを単一の圧力計11で計測できる。このため、第1実施形態の油圧駆動装置110と同様に、計測した第1作動油と第2作動油との吐出圧力P1,P2に基づいて平均圧力を制御部12で演算し、さらに、制御部12で平均圧力からポンプ吸収トルクを演算できる。これにより、演算したポンプ吸収トルクに基づいて、制御部12で、例えば外部環境やエンジン1の回転速度からポンプ最大吸収馬力(すなわち、斜板23の斜板角度)を決定できる。
【0113】
この結果、制御部12で決定されたポンプ最大吸収馬力に基づいて、例えば、電磁比例弁13で斜板制御アクチュエータ14を作動させ、斜板23を制御部12で決定した斜板角度に制御して吐出流量を制御できる。このように、トルク制御部6に電磁比例弁13を備えることにより、斜板23の斜板角度を電子的に制御でき、スプリットフロー型のメインポンプ15のポンプ吸収馬力を精度よく制御できる。
【0114】
また、弁板43で複数に分岐される第1作動油と第2作動油との吐出圧力P1,P2を単一の圧力計11で計測できる。これにより、複数の圧力計を備える必要がなく、第1実施形態の油圧駆動装置110と同様に、油圧駆動装置160のコストを抑えることができる。
【0115】
さらに、第1圧力計測路161、計測凹部162、及び第2圧力計測路163は、メインポンプ15の内部に形成されている。これにより、油圧駆動装置160の構成を第1実施形態の油圧駆動装置110より簡素化して、油圧駆動装置160のコンパクト化を図ることができる。
【0116】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲に、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、建設機械100は油圧ショベルである場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、さまざまな建設機械に上述の油圧駆動装置110,140,150,160を採用することができる。
【0117】
また、上述の実施形態では、流体圧駆動装置として油圧駆動装置110,140,150,160を例示したが、これに限らない。流体の圧力を利用して駆動するさまざまな流体圧駆動装置に上述の構成を採用できる。
また、上述の実施形態では、電磁弁として電磁比例弁13を例示したが、電磁弁は電磁比例弁に限らない。さまざまな電磁弁を採用できる。
【0118】
さらに、上述の実施形態では、圧力計11で計測した圧力値に基づいて、ポンプ最大吸収馬力(すなわち、斜板23の斜板角度)を決定し、電磁比例弁13で斜板23の斜板角度を制御する例位ついて説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば電磁比例弁13でエンジンを制御してもよい。
加えて、上述の実施形態では、斜板制御アクチュエータ14として制御シリンダを例示したが、これに限らない。制御部12からの電気信号によって斜板23の斜板角度を制御するアクチュエータであればよい。
【符号の説明】
【0119】
11…圧力計(圧力検出部)、12…制御部、13…電磁比例弁(電磁弁)、15…メインポンプ(流体圧ポンプ)、22…シリンダブロック(請求項のシリンダの一例)、23…斜板、43b…外周側排出口(排出口)、43c…内周側排出口(排出口)、44a,44b…第3連通路、第4連通路(吐出流路、排出通路)、68…シリンダ室、71…ピストン、110,140,150,160…油圧駆動装置(流体圧駆動装置)、120…第1圧油供給路(吐出流路)、121…第2圧油供給路(吐出流路)、123…計測連通路、123a…合流箇所、141…計測連通路(弁板の複数の排出口を連なって通じさせる通路、ケーシングの各排出通路を連なって通じさせる通路)、P1,P2…吐出圧力、P1,P2…中間圧力(合流した圧力)、P1,P2…吐出圧力(高圧側ピストン圧力)