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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】野球用捕球具
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/14 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
A63B71/14 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020094068
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021186228
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000108258
【氏名又は名称】ゼット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 昌博
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-015143(JP,A)
【文献】特開2003-126324(JP,A)
【文献】特開2001-161884(JP,A)
【文献】米国特許第05379459(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親指挿入部を形成するためのカバー体と、前記親指挿入部に挿入した親指である挿入親指を掛けるための指掛け体と、を備えた野球用捕球具であって、
前記挿入親指が沿う方向を挿脱方向とすると共に、前記挿入親指に対して小指が存在する側を小指側として、
前記指掛け体は、前記挿入親指に対して前記小指側から当接する当接部と、前記当接部の手甲側の端部から手甲側に延びる第1紐状部、第2紐状部、及び第3紐状部の3本の紐状部と、を備え、
前記カバー体は、前記第1紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第1孔と、前記第2紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第2孔と、前記第3紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第3孔と、を備え、
前記第2紐状部及び前記第3紐状部は、前記挿脱方向において前記挿入親指の付根部と前記挿入親指の先端部との間の位置に前記挿脱方向に並ぶ状態で備えられて、前記第2孔に挿通された前記第2紐状部と前記第3孔に挿通された前記第3紐状部とが互いに結ばれ、
前記第1紐状部は、前記挿脱方向において前記挿入親指の付根部に対応する位置に備えられて、前記第1孔に挿通された前記第1紐状部が前記第2紐状部及び前記第3紐状部に結ばれていない野球用捕球具。
【請求項2】
前記3本の紐状部のうちの少なくとも前記第1紐状部は平紐状に形成され、
前記挿脱方向における前記挿入親指の前記先端部に対して前記付根部が存在する側を付根側として、
前記第1孔は、前記付根側ほど前記小指側に位置する長孔に形成されている請求項1に記載の野球用捕球具。
【請求項3】
前記第1紐状部は、前記第2紐状部及び前記第3紐状部より短い長さに形成されている請求項1又は2に記載の野球用捕球具。
【請求項4】
前記カバー体は、前記第1紐状部を前記カバー体の外側から内側に挿通させる第4孔と、前記第1紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第5孔と、を備え、
前記第1孔にて前記カバー体の内側から外側に挿通された前記第1紐状部が、前記第4孔にて前記カバー体の外側から内側に挿通された後、前記第5孔にて前記カバー体の内側から外側に挿通されている請求項1から3の何れか一項に記載の野球用捕球具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親指挿入部を形成するためのカバー体と、前記親指挿入部に挿入した親指である挿入親指を掛けるための指掛け体と、を備えた野球用捕球具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、親指挿入部Hを形成するためのカバー体(第1カバー体1及び第2カバー体2)と、親指挿入部Hに挿入された親指Fを掛けるための指掛け体(指掛け部3)と、を備えた野球用捕球具が示されている。この野球用捕球具では、指掛け体が、親指Fに対して小指側から当接する当接部(ループ部3c)と、当接部から延びる2本の紐状部(結び目部3b)と、を備え、カバー体は、2本の紐状部をカバー体の内側から外側に挿通させる2つの孔を備えている。そして、2本の紐状部のうちの1本は、挿脱方向において親指Fの付根部に対応する位置に備えられ、2本の紐状部のうちの残る1本は、挿脱方向において親指Fの付根部と親指Fの先端部との間の位置に備えられており、カバー体の孔に挿通させた2本の紐状部を互いに結ぶことで、指掛け体をカバー体に保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-099127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このように指掛け体をカバー体に保持する構成では、指掛け体の締付け具合を変更する場合には、2本の紐状部を結び直す必要があり、指掛け体の締め付け具合の調整が行い難い場合がある。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、規制体の締付け具合を調整し易い野球用捕球具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、親指挿入部を形成するためのカバー体と、前記親指挿入部に挿入した親指である挿入親指を掛けるための指掛け体と、を備え、前記挿入親指が沿う方向を挿脱方向とすると共に、前記挿入親指に対して小指が存在する側を小指側として、前記指掛け体は、前記挿入親指に対して前記小指側から当接する当接部と、前記当接部から延びる第1紐状部、第2紐状部、及び第3紐状部の3本の紐状部と、を備え、前記カバー体は、前記第1紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第1孔と、前記第2紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第2孔と、前記第3紐状部を前記カバー体の内側から外側に挿通させる第3孔と、を備え、前記第2紐状部及び前記第3紐状部は、前記挿脱方向において前記挿入親指の付根部と前記挿入親指の先端部との間の位置に前記挿脱方向に並ぶ状態で備えられて、前記第2孔に挿通された前記第2紐状部と前記第3孔に挿通された前記第3紐状部とが互いに結ばれ、前記第1紐状部は、前記挿脱方向において前記挿入親指の付根部に対応する位置に備えられて、前記第1孔に挿通された前記第1紐状部が前記第2紐状部及び前記第3紐状部に結ばれていない点にある。
【0007】
本構成によれば、第2孔に挿通された第2紐状部と第3孔に挿通された第3紐状部とを互いに結ぶことで、第1紐状部を結ぶことなく指掛け体をカバー体に保持することができ、このカバー体に保持した指掛け体に挿入親指を掛けることができる。そして、上述のように指掛け体をカバー体に保持した状態では、第1紐状部が結ばれていないため、紐状部を結んだり解いたりすることなく第1紐状部を操作することができる。従って、第1孔に挿通させた第1紐状部をカバー体の外側から引っ張り操作するだけで、当接部の挿入親指の付根部に対する密着度を調整することができる。このように、第2紐状部と第3紐状部とを結び直すことなく指掛け体による挿入親指の掛け具合を調整することが可能となる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記3本の紐状部のうちの少なくとも前記第1紐状部は平紐状に形成され、前記挿脱方向における前記挿入親指の前記先端部に対して前記付根部が存在する側を付根側として、前記第1孔は、前記付根側ほど前記小指側に位置する長孔に形成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、当接部における第1紐状部が接続されている接続部分が、挿入親指の付根部に沿った姿勢となり易く、第1紐状部を引っ張り操作した場合や挿入親指を小指側に移動させた場合の付根部の痛みや違和感を低減できる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記第1紐状部が、前記第2紐状部及び前記第3紐状部より短い長さに形成されている点にある。
【0011】
本構成によれば、第1紐状部が、第2紐状部や第3紐状部より短いため、第1紐状部を第2紐状部や第3紐状部と同じ長さに形成した場合に比べて、結んでいない第1紐状部が邪魔になり難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】野球用捕球具の手甲側の外観図
図2図1のA-A断面図
図3図1のB-B断面図
図4】指掛け体の展開図
図5】野球用捕球具の手甲側における第1孔から第5孔を示す外観図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る野球用捕球具の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、野球用捕球具1は、捕球具本体2と捕球用ウェブ3と指掛け体4とを備えて構成されている。捕球具本体2は、親指を挿入する親指挿入部6、人差指を挿入する人差指挿入部7、中指を挿入する中指挿入部8、薬指を挿入する薬指挿入部(図示せず)、及び小指を挿入する小指挿入部10を有する手袋状に形成されている。捕球用ウェブ3は、親指挿入部6と人差指挿入部7との間に配設されて皮紐によって捕球具本体2に連結されている。指掛け体4は、親指挿入部6に挿入した親指である挿入親指Fを掛けるための部材であり、親指挿入部6の内部に配置されている。
【0014】
以下、捕球具本体2の構成、特に、捕球具本体2における親指挿入部6の構成について説明する。尚、挿入親指Fが沿う方向を挿脱方向Xとすると共に、挿脱方向Xにおける挿入親指Fの先端部F2に対して挿入親指Fの付根部F1が存在する側を付根側X1とし、挿脱方向Xにおける挿入親指Fの付根部F1に対して挿入親指Fの先端部F2が存在する側を先端側X2とする。また、挿入親指Fに対して小指(小指挿入部10に挿入した小指)が存在する側を小指側Y1とし、その反対側を親指側Y2と称する。
【0015】
図2及び図3に示すように、捕球具本体2は、捕球具本体2の外郭を形成する外袋12と、外袋12の内部に設置されて皮紐により外袋12に連結されている内袋13と、を備えている。外袋12は、手形状の手甲側外皮14と、手甲側外皮14に対して手掌側Z2に位置して捕球面を形成する手形状の手掌側外皮15と、を備えて手袋状に形成されている。内袋13は、手形状の基材16と、基材16との間に指を挿入する袋状の空間を形成するための5つの指部材17と、を備えている。5つの指部材17のうちの1つである親指部材18は、親指挿入部6の内部に設置されており、基材16に対して手甲側Z1に位置して基材16との間に挿入親指Fを挿入する袋状の空間を形成している。手掌側外皮15と基材16との間にはフェルト19が設けられている。
【0016】
手甲側外皮14は、親指挿入部6、人差指挿入部7、中指挿入部8、薬指挿入部、及び小指挿入部10を形成するために、手掌側外皮15に対して手甲側Z1に設けられている。つまり、手甲側外皮14は、親指挿入部6を形成するための部分を有しており、親指挿入部6を形成するためのカバー体に相当する。つまり、野球用捕球具1は、親指挿入部6を形成するための手甲側外皮14(カバー体)と、挿入親指Fを掛けるための指掛け体4と、を備えている。
【0017】
図2から図4に示すように、指掛け体4は、挿入親指Fに対して小指側Y1から当接する当接部21と、当接部21から延びる第1紐状部22a、第2紐状部22b、及び第3紐状部22cの3本の紐状部22と、を備えている。3本の紐状部22のうちの少なくとも第1紐状部22aは、平紐状に形成されている。本実施形態では、第1紐状部22aに加えて、第2紐状部22b及び第3紐状部22cも平紐状に形成されている。尚、平紐状は、紐状部22の挿脱方向Xの幅が厚みより大きい形状としている。
【0018】
図4に示すように、第2紐状部22bと第3紐状部22cとは、同じ長さに形成されており、第1紐状部22aは、第2紐状部22b及び第3紐状部22cより短い長さに形成されている。また、第1紐状部22aと第2紐状部22bと第3紐状部22cとは、同じ幅に形成されている。
【0019】
図2から図4に示すように、指掛け体4は、当接部21と3本の紐状部22とに加えて、結合部23を備えている。結合部23は、内袋13に結合される部分であり、結合部23が内袋13に結合されることで、指掛け体4が内袋13に連結されている。本実施形態では、結合部23は、第1結合用紐部23a、第2結合用紐部23b、第3結合用紐部23cとの3本の結合用紐部によって構成されている。第1結合用紐部23a、第2結合用紐部23b、及び第3結合用紐部23cは、いずれも平紐状に形成されている。
【0020】
図1及び図5に示すように、手甲側外皮14は、第1紐状部22aを手甲側外皮14の内側から外側に挿通させる第1孔14aと、第2紐状部22bを手甲側外皮14の内側から外側に挿通させる第2孔14bと、第3紐状部22cを手甲側外皮14の内側から外側に挿通させる第3孔14cと、を備えている。尚、手甲側外皮14の内側とは、手甲側外皮14に対して挿入親指Fが存在する側であり、手掌側Z2と同じ側である。また、手甲側外皮14の外側とは、手掌側Z2の反対側である手甲側Z1と同じ側である。
【0021】
第1孔14aと第2孔14bと第3孔14cとは、付根側X1から先端側X2に向けて第1孔14a、第2孔14b、第3孔14cの順に並ぶ状態で備えられている。第1孔14aは、付根側X1ほど小指側Y1に位置する長孔に形成されている。つまり、第1孔14aは、その長手方向が挿脱方向Xに対して傾いた姿勢で手甲側外皮14に形成されており、挿入親指Fの付根部F1における小指側Y1を向く面に沿い易い状態で備えられている。第2孔14b及び第3孔14cについては、その長手方向が挿脱方向Xと平行となる姿勢で、又は、挿脱方向Xに対して第1孔14aより小さい傾きとなる姿勢で、手甲側外皮14に形成されている。
【0022】
また、図5に示すように、手甲側外皮14は、第1紐状部22aを手甲側外皮14の外側から内側に挿通させる第4孔14dと、第1紐状部22aを手甲側外皮14の内側から外側に挿通させる第5孔14eと、を備えている。第1孔14aと第4孔14dと第5孔14eとは、小指側Y1から親指側Y2に向けて、第1孔14a、第4孔14d、第5孔14eの順に並ぶ状態で備えられている。第4孔14d及び第5孔14eは、第1孔14aと並行となる姿勢で手甲側外皮14に形成されている。
【0023】
図2及び図3に示すように、親指部材18は、第1紐状部22aを親指部材18の内側から外側に挿通させる第1挿通孔18aと、第2紐状部22bを親指部材18の内側から外側に挿通させる第2挿通孔18bと、第3紐状部22cを親指部材18の内側から外側に挿通させる第3挿通孔18cと、を備えている。第1挿通孔18aは、第1孔14aと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。第2挿通孔18bは、第2孔14bと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。第3挿通孔18cは、第3孔14cと少なくとも一部が重なる位置に形成されている。
【0024】
基材16は、指掛け体4の結合部23が結合される被結合部26を備えている。この被結合部26には、第1結合用紐部23aと第2結合用紐部23bと第3結合用紐部23cとの3本の結合用紐部が各別に挿通される3つの結合孔13aが形成されている。そして、指掛け体4は、第1結合用紐部23aと第2結合用紐部23bと第3結合用紐部23cとを結合孔13aに手甲側Z1から手掌側Z2に挿通された状態で、これら第1結合用紐部23a、第2結合用紐部23b、及び第3結合用紐部23cが基材16の手掌側Z2の面に結合されている。
【0025】
なお、図示は省略するが、付根側X1から先端側X2に向けて、第1結合用紐部23aを挿通させる結合孔13a、第2結合用紐部23bを挿通させる結合孔13a、第3結合用紐部23cを挿通させる結合孔13aの順に並ぶ状態で備えられている。そして、第1結合用紐部23aを挿通させる結合孔13aは、付根側X1ほど小指側Y1に位置する長孔に形成されている。
【0026】
図1に示すように、第2紐状部22b及び第3紐状部22cは、挿脱方向Xにおいて挿入親指Fの付根部F1と挿入親指Fの先端部F2との間の位置に挿脱方向Xに並ぶ状態で備えられている。そして、第2孔14bに挿通された第2紐状部22bと、第3孔14cに挿通された第3紐状部22cとが、手甲側外皮14の外側において互いに結ばれている。詳しくは、第2挿通孔18b及び第2孔14bに挿通された第2紐状部22bと、第3挿通孔18c及び第3孔14cに挿通された第3紐状部22cとが、手甲側外皮14の外側において互いに結ばれており、結び目部27が形成されている。
【0027】
第1紐状部22aは、挿脱方向Xにおいて挿入親指Fの付根部F1に対応する位置に備えられている。つまり、第1紐状部22aは、第2紐状部22bや第3紐状部22cより付根側X1に備えられている。そして、第1孔14aに挿通された第1紐状部22aは、第2紐状部22b及び第3紐状部22cに結ばれていない。詳しくは、第1挿通孔18a及び第1孔14aに挿通された第1紐状部22aが、第4孔14dに挿通されて手甲側外皮14の外側から内側に挿通された後、手甲側外皮14と親指部材18との間を親指側Y2に向けて通された後、第5孔14eに挿通されて手甲側外皮14の内側から外側に挿通されている。
【0028】
このように、第1紐状部22aは、第1孔14aに挿通させることに加えて、第4孔14d及び第5孔14e等に挿通させることによる摩擦力によって、手甲側外皮14に保持されている。このように第1紐状部22aを保持することで、第1紐状部22aは、第1孔14a、第4孔14d、及び第5孔14eのうちの第1孔14aのみに挿通させた場合に比べて、第1紐状部22aが第1孔14aから手甲側外皮14の内側に移動し難くなる。また、第1紐状部22aは、これらの孔に挿通させることによる摩擦力によって保持されているだけであるので、第2紐状部22bや第3紐状部22cのように互いに結ばれている場合に比べて、第1紐状部22aが第1孔14aを通して手甲側外皮14の内外に移動し易くなる。
【0029】
上述のように指掛け体4を手甲側外皮14に保持した状態では、第1紐状部22aが結ばれてないため、紐状部22を結んだり解いたりすることなく第1紐状部22aを操作することができる。従って、第1孔14aに挿通させた第1紐状部22aを手甲側外皮14の外側から引っ張り操作するだけで、当接部21の挿入親指Fの付根部F1に対する密着度を調整することができる。このように、第2紐状部22bと第3紐状部22cとを結び直すことなく指掛け体4による挿入親指Fの掛け具合を調整することが可能となっている。
【0030】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0031】
(1)上記実施形態では、野球用捕球具1として、野手用又は投手用のグローブを例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、野球用捕球具1を捕手用のミットとしてもよい。
【0032】
(2)上記実施形態では、第1紐状部22aと第2紐状部22bとを同じ長さに形成し、第3紐状部22cを第1紐状部22a及び第2紐状部22bより短い長さに形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第2紐状部22bと第3紐状部22cとを異なる長さに形成してもよく、また、第1紐状部22aを、第2紐状部22bや第3紐状部22cと同じ長さに形成してもよい等、第1紐状部22aと第2紐状部22bと第3紐状部22cとの長さ関係は適宜変更してもよい。
【0033】
(3)上記実施形態では、指掛け体4に紐状部22を3本のみ備える構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。つまり、指掛け体4に備える紐状部22は少なくとも3本備えていればよく、指掛け体4に、第1紐状部22a、第2紐状部22b、及び第3紐状部22cに加えて第4紐状部を備える等、指掛け体4に備える紐状部22を4本以上としてもよい。
【0034】
(4)上記実施形態では、第1紐状部22aを平紐状に形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第1紐状部22aを、幅と厚みとを同じとした丸紐状に形成する等、第1紐状部22aの形状は適宜変更してもよい。また同様に、第2紐状部22b及び第3紐状部22cの形状も適宜変更してもよい。
【0035】
(5)上記実施形態では、第1孔14aから第5孔14eを長孔とする構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第1孔14aから第5孔14eの一部又は全部を丸孔としてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 野球用捕球具
4 指掛け体
6 親指挿入部
14 手甲側外皮(カバー体)
14a 第1孔
14b 第2孔
14c 第3孔
21 当接部
22 紐状部
22a 第1紐状部
22b 第2紐状部
22c 第3紐状部
F 挿入親指
F1 付根部
F2 先端部
X 挿脱方向
X1 付根側
Y1 小指側
図1
図2
図3
図4
図5