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特許7471978塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法、電流効率の演算方法及び金属マグネシウムの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法、電流効率の演算方法及び金属マグネシウムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/359 20140101AFI20240415BHJP
   C25C 3/04 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G01N21/359
C25C3/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020164086
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056201
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390007227
【氏名又は名称】東邦チタニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 辰美
(72)【発明者】
【氏名】小林 純也
(72)【発明者】
【氏名】丸山 雄市
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-177694(JP,A)
【文献】特開平08-074082(JP,A)
【文献】特開2003-207448(JP,A)
【文献】特開2013-082690(JP,A)
【文献】特開2020-003265(JP,A)
【文献】特開2002-071536(JP,A)
【文献】特開昭62-228162(JP,A)
【文献】特開昭50-120383(JP,A)
【文献】特表2006-519156(JP,A)
【文献】実開昭63-057571(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/00-G01N21/958
C25C 1/00-C25C 7/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDream3)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法であって、
流動状態の分析用塩素含有ガスを近赤外線吸収分光法により分析し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する酸素ガス濃度測定ステップを含み、
前記塩素含有ガスは、塩化マグネシウムの溶融塩電解で生成される、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法。
【請求項2】
前記酸素ガス濃度測定ステップ前に、塩素含有ガスの一部を前記分析用塩素含有ガスとして分岐させて流すガス分岐ステップと、
前記酸素ガス濃度測定ステップ後に、前記分析用塩素含有ガスを前記塩素含有ガスに合流させるガス合流ステップを更に含む、請求項1に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法。
【請求項3】
前記ガス分岐ステップ前に、前記塩素含有ガスの流量を測定するガス流量測定ステップを更に含む、請求項に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法。
【請求項4】
前記酸素ガス濃度測定ステップ前に、前記塩素含有ガス中の微粉を予め捕集する前処理ステップを更に含む、請求項1又は2に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法。
【請求項5】
前記酸素ガス濃度測定ステップ前に、前記塩素含有ガス中の微粉を予め捕集する前処理ステップを更に含む、請求項3に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法。
【請求項6】
前記ガス流量測定ステップ前に、前記塩素含有ガス中の微粉を予め捕集する前処理ステップを更に含む、請求項に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法。
【請求項7】
請求項3、5及び6のいずれか一項に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法により、前記ガス流量測定ステップで得られた塩素含有ガスの流量と、前記酸素ガス濃度測定ステップで得られた該塩素含有ガス中の酸素ガス濃度とを用いて、塩化マグネシウムの溶融塩電解の電流効率を求めることを含、電流効率の演算方法。
【請求項8】
溶融塩電解槽内で塩化マグネシウムの溶融塩電解により金属マグネシウムを生成する生成工程を含む金属マグネシウムの製造方法であって、
該生成工程においては、請求項1~6のいずれか一項に記載の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法により、前記溶融塩電解槽内への外気の流入を監視することを含む、金属マグネシウムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法、電流効率の演算方法及び金属マグネシウムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物の製造において排出されるガス中の各成分の定量分析法は種々知られており、例えばガスクロマトグラフ法、ガスクロマトグラフ-質量分析法、吸光分析法などがある。
【0003】
排出ガス中の各成分の定量分析に用いる分析装置には、連続的に測定可能なレーザ式ガス分析装置がある。レーザ式ガス分析装置は、測定対象ガスにレーザ光を照射し、測定対象ガスを透過したレーザ光の吸収スペクトルに基づいて、ガス中の各成分濃度を測定することが可能なものである。
【0004】
レーザ式ガス分析装置を用いてガス中の主成分濃度を測定する方法としては、例えば特許文献1の技術が挙げられる。特許文献1には、「塩素含有ガスを収容する測定セルと、前記測定セル内を流れる前記塩素含有ガスに対し、紫外線を照射するLED光源を備える発光部と、前記測定セルを透過した前記紫外線を受光する受光部と、前記受光部からの出力信号に基づいて前記塩素含有ガス中の塩素濃度を演算する演算部とを備えることを特徴とする塩素濃度分析装置。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2019/044917号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の塩素濃度分析装置は、発光部のレーザ光源から発光する紫外線に対して吸収スペクトルを有する塩素分子に着目して塩素濃度を測定している。例えば溶融塩電解槽内への外気の流入を監視する場合、溶融塩電解槽内から排出される塩素含有ガス中の塩素濃度は常に高い傾向があるので、塩素ガスの純度よりもむしろ微量である不純物の量を確認したいという要望があった。
【0007】
そこで、一実施形態においては、流動状態の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を連続的に把握することが可能な塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は一側面において、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法であって、流動状態の分析用塩素含有ガスを近赤外線吸収分光法により分析し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する酸素ガス濃度測定ステップを含む、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法である。
【0009】
本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態においては、前記酸素ガス濃度測定ステップ前に、塩素含有ガスの一部を前記分析用塩素含有ガスとして分岐させて流すガス分岐ステップと、前記酸素ガス濃度測定ステップ後に、前記分析用塩素含有ガスを前記塩素含有ガスに合流させるガス合流ステップを更に含む。
【0010】
本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態においては、前記塩素含有ガスは、塩化マグネシウムの溶融塩電解で生成される。
【0011】
本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態においては、前記ガス分岐ステップ前に、前記塩素含有ガスの流量を測定するガス流量測定ステップを更に含む。
【0012】
本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態においては、前記酸素ガス濃度測定ステップ前に、前記塩素含有ガス中の微粉を予め捕集する前処理ステップを更に含む。
【0013】
本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態においては、前記ガス流量測定ステップ前に、前記塩素含有ガス中の微粉をフィルタで予め捕集する前処理ステップを更に含む。
【0014】
また、本発明は別の側面において、上記いずれかの塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法により、前記ガス流量測定ステップで得られた塩素含有ガスの流量と、前記酸素ガス濃度測定ステップで得られた該塩素含有ガス中の酸素ガス濃度とを用いて、塩化マグネシウムの溶融塩電解の電流効率を求めることを含み、前記塩素含有ガスは、前記塩化マグネシウムの溶融塩電解で生成される、電流効率の演算方法である。
【0015】
さらに、本発明は別の側面において、溶融塩電解槽内で塩化マグネシウムの溶融塩電解により金属マグネシウムを生成する生成工程を含む金属マグネシウムの製造方法であって、該生成工程においては、上記いずれかの塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法により、前記溶融塩電解槽内への外気の流入を監視することを含む、金属マグネシウムの製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によれば、流動状態の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を連続的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態を説明するためのフロー図である。
図2】本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態に用いられる塩素含有ガス回収機構の概略構成の一例を示す図である。
図3図2の塩素含有ガス回収機構のレーザ式酸素ガス分析装置の概略構成の一例を示す図である。
図4図2の溶融塩電解槽の概略構成の一例を示す図である。
図5】実施例1で用いられる塩素含有ガス回収機構の概略構成の一例を示す図である。
図6図6(A)及び(B)は、実施例1における溶融塩電解槽内の経時的な酸素ガス濃度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は以下に説明する各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
【0019】
[1.塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法]
本発明に係る塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法の一実施形態においては、塩素含有ガスの酸素ガス濃度を測定するものであって、図1に示すように、前処理ステップS101と、ガス流量測定ステップS102と、ガス分岐ステップS103と、酸素ガス濃度測定ステップS104と、ガス合流ステップS105とを含む。該酸素ガス濃度測定ステップS104においては、流動状態の分析用塩素含有ガスの酸素ガス濃度を近赤外線吸収分光法により分析し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する。よって、本実施形態では、流動状態の分析用塩素含有ガスに対して近赤外線を照射して酸素ガス濃度を測定する。これにより、一実施形態においては、流動状態の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を連続的に把握することができる。例えば、塩化マグネシウムの電気分解で生成した塩素含有ガスを塩化炉に送る際に上記測定を実施することができる。また、測定結果を長期間にわたり連続的に入手可能である。
なお、一実施形態においては、上記ステップS101~S105の順に実施することが好ましい。また、前処理ステップS101、ガス流量測定ステップS102、ガス分岐ステップS103及び、ガス合流ステップS105は好ましい態様に過ぎず、一実施形態においては、それらのうちの少なくとも1つのステップを省略してもよい。省略しても流動状態の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を把握することが可能な場合もあるからである。また、図1に示す実施形態では塩素含有ガスのガス流量測定が塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定の前に行われているが、該ガス流量測定は酸素ガス濃度測定後であって、かつ、ガス合流後に行うこともできる。即ち、各ステップは順序を入れ替えて実施可能なものもある。また、一実施形態において溶融塩電解槽を用いて説明しているが、これに限定されるものではない。
【0020】
(概要)
先述したように、塩化マグネシウムの溶融塩電解で発生し溶融塩電解槽から排出される塩素含有ガスは一般的に高塩素濃度であるから、溶融塩電解槽内への外気の流入を把握するには塩素含有ガス中の塩素濃度を測定するよりも、塩素以外のガスの濃度を検知する方が効果的である。その理由としては、以下のことが推察される。
例えば、溶融塩電解槽の操業中、塩化マグネシウムの追い注ぎ(チャージ)或いは金属マグネシウムの回収のため溶融塩電解槽の金属回収室の上方の蓋の一部を開いた際には、負圧状態の溶融塩電解槽内に外気が流入しうる。このとき、外気の流入に起因して、塩素含有ガス中の塩素濃度は若干低下すると考えられる。そして、溶融塩電解槽内からの塩素含有ガスの継続的な排出により、この外気の流入からある程度時間が経過すると、溶融塩電解槽内から排出される塩素含有ガスは塩素濃度が再び高くなり、上記塩素濃度の若干の低下が解消される。ここで、外気の流入が僅かであった場合、その塩素含有ガス中の塩素濃度の変動が微小になることから、塩素濃度を測定してもそのような外気の流入があったか否かの判断は難しい場合もありうる。また、塩素含有ガス中の塩素濃度を測定する場合、塩素含有ガス中に塩素以外の何らかの成分が含まれていることがわかったとしても、その成分が外気に含まれる成分であるか否かまでは判別できない。
【0021】
したがって、塩素含有ガス中の塩素濃度ではなく、外気に含まれる酸素の酸素ガス濃度を測定した方が、溶融塩電解槽内に外気が流入したかどうかを把握しやすい。外気は酸素量と窒素量の比が概ね一定であるため、混入した酸素量がわかればこれに基づき混入した外気量を求めることができる。塩素含有ガスは通常、塩化マグネシウムの溶融塩電解で発生する気体の塩素で構成されているが、そのような塩素含有ガスから僅かでも酸素が検出された場合、例えば溶融塩電解槽の内部の気密性が一時的に維持されなくなって溶融塩電解槽内に外気が流入した可能性があると判断できる。
【0022】
また、塩素含有ガス中に酸素が検出された場合、その酸素が溶融塩電解槽内への外気の流入に起因するものであると考えることができる。さらに、溶融塩電解槽内へ外気のみが流入していると仮定し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を用い、外気(大気)中の成分構成比率を考慮し、塩素含有ガス中の塩素濃度を算出することが可能である。そして、溶融塩電解槽から排出される塩素含有ガスの流量を測定すれば、それらの塩素濃度及び塩素ガスの流量により上記溶融塩電解の電流効率を求めることができる。また、酸素ガス濃度を測定した後の塩素含有ガスは、実質的にその測定によって成分の変化等が生じないので、その後に、例えばチタン鉱石の塩化反応等の所定の用途に使用することができる。この場合、塩素含有ガスを有効に活用できる。
上記のように流動状態の塩素ガスについてその流量と濃度から電流効率を求めれば、溶融塩電解槽内で進行する塩化マグネシウムの電気分解の状況を連続的に把握できる。金属マグネシウムの回収量に基づき電流効率を求めると、金属マグネシウムの回収時に過去の電流効率を求めることはできるが、塩化マグネシウムの電気分解状況を時間別に把握することはできない。流動状態の塩素ガスから電流効率を求めることができれば、経時的な電気分解の状況を把握できる点で有利であり、さらにリアルタイムに電気分解の状況を把握できる点でも有利である。
【0023】
このような観点で塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する場合、本発明者は鋭意検討の結果、近赤外線吸収分光法を利用することが有利であるという知見を得るに至った。一実施形態における近赤外線吸収分光法は、塩素含有ガスを流動させながら当該流動状態の塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を連続的に測定することが可能である。該塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定した結果、溶融塩電解槽の上蓋に設けられた開口部を開くこと等による該溶融塩電解槽内の酸素ガス濃度の上昇だけでなく、開口部を閉じる蓋の配置不良や陽極と上蓋の間のシール不良等による酸素の流入(例えば、1質量%未満)も検出できることを見出した。
溶融塩電解槽の開口部を閉じる蓋の配置不良や上蓋と陽極との間の目地等のシール不良等を溶融塩電解槽の外側から作業者がすべて確認することは困難であるし、このような観点の取り組みは作業者への負担が非常に大きい。一実施形態においては、微量な酸素が溶融塩電解槽内に流入したとしても検出可能であるので溶融塩電解槽の気密不良を精度よくかつ簡便に確認でき、溶融塩電解槽の点検負荷を大幅に軽減することが可能である。
以下、本発明の一実施形態で用いられる塩素含有ガス回収機構を例示しながら各工程をそれぞれ説明する。
【0024】
(塩素含有ガス回収機構)
塩素含有ガス回収機構は、塩素含有ガスを回収する。塩素含有ガス回収機構は溶融塩電解槽に接続されてよい。塩素含有ガス回収機構により回収された塩素含有ガスは、例えば塩化炉へ供給されて酸化チタンを含む鉱石及び炭素と接触し、スポンジチタンを生成する際に原料となる四塩化チタン含有ガスの生成に用いることができる。
図2に示す塩素含有ガス回収機構500は、レーザ式酸素ガス分析装置100と、フィルタ部300と、ガス流量測定部400とを備える。溶融塩電解槽200のガス回収口222(図4参照)は、ガス供給配管221に接続される。塩化マグネシウムの電気分解で生じた塩素ガスは溶融塩電解槽200内の溶融塩浴の対流により金属回収室240にも少量入り込むため、ガス回収口223は金属回収室240側にも設けられてよい。該ガス供給配管221には、上流側の溶融塩電解槽200から下流側に向かって、フィルタ部300、ガス流量測定部400、分岐部B、合流部J1の順にそれぞれ配置されている。ガス供給配管221は、そのガス供給配管221から分岐するガス供給分岐配管221aと、分岐部B及び合流部J1で接続されている。該ガス供給分岐配管221aには、分岐部Bから合流部J1に向かって、バルブV1、レーザ式酸素ガス分析装置100、バルブV2の順にそれぞれが配置されている。
なお、ガス供給配管221は、最下流側において塩化炉(不図示)若しくは塩素含有ガス用タンク(不図示)と接続されてよいし、又は下流側に向かって塩素含有ガス用タンク、塩化炉の順に接続されてよい。
なお、図2に示す塩素含有ガス回収機構500は1つの溶融塩電解槽200に接続されているが、複数の溶融塩電解槽200、250(図5参照)に接続されていてもよい。
【0025】
(レーザ式酸素ガス分析装置)
レーザ式酸素ガス分析装置100は、近赤外線吸収分光法により流動状態の分析用塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する。該レーザ式酸素ガス分析装置100において近赤外線吸収分光法を用いているので、塩素含有ガスの成分を変化させることなく、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を定量的に測定することができる。なお、一実施形態における塩化マグネシウムの溶融塩電解では、気体として塩素が発生し、また、塩素含有ガスには、その塩素及び外気以外の気体はほぼ流入されない。したがって、該塩化マグネシウムの溶融塩電解においては、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定すれば、外気の成分構成比率から、溶融塩電解槽200内に流入した外気由来の窒素等の濃度も求めることができる。
【0026】
図3に示すレーザ式酸素ガス分析装置100は、発光部110と、受光部120と、測定セル130とを備える。但し、近赤外線吸収分光法を実施可能であれば異なる構成を有する他の装置を使用することも可能である。
発光部110は、光管路140の端部に設けられ、測定セル130内を流動する分析用塩素含有ガスXに近赤外光を照射する。発光部110から照射される近赤外光は、酸素を吸収する波長を含む光である。なお、光管路140は、該光管路140内への汚れた空気の導入を遮断するために窒素等の浄化ガスYを導入する浄化ガス導入口142と、その浄化ガスYを導出する浄化ガス導出口144が設けられてよい。
受光部120は、光管路150の端部に設けられ、測定セル130内を流動する分析用塩素含有ガスXを透過した近赤外光を受光する。なお、光管路150は、該光管路150内への汚れた空気の導入を遮断するために窒素等の浄化ガスYを導入する浄化ガス導入口152と、その浄化ガスYを導出する浄化ガス導出口154が設けられてよい。
測定セル130は、分析用塩素含有ガスがその内部を連続的に流通しており、分岐部で分岐された分析用塩素含有ガスXを導入する塩素含有ガス導入口132と、その分析用塩素含有ガスXを導出する塩素含有ガス導出口134と、光管路140、150と接続された取付フランジ136、138とを有する。
なお、レーザ式酸素ガス分析装置100は、演算処理機構(不図示)を更に備えてよい。該演算処理機構は、例えば受信部と、演算処理部と、表示部とを有してよい。受信部は、受光部120のレーザ検出器で受光した近赤外光に応じた酸素分子の吸収量を受信する。演算処理部は、レーザ光源の近赤外光の照射量と近赤外光に応じた酸素分子の吸収量とに基づき、測定セル130内の分析用塩素含有ガスX中の酸素ガス濃度を演算する。該酸素ガス濃度は、分析用塩素含有ガスX源である塩素含有ガス中の酸素ガス濃度に相当する。表示部は、演算処理部で演算された酸素ガス濃度をモニタ等の画面に表示する。
【0027】
(溶融塩電解槽)
図4に示す溶融塩電解槽200では、内部に供給された塩化マグネシウムを含む溶融塩からなる溶融塩浴が保持されており、溶融塩中の塩化マグネシウム等の特定の金属塩化物を電気分解する。例えば、塩化マグネシウムの電気分解により溶融金属マグネシウム及び塩素ガスが生成される。溶融塩電解槽200はその内側に塩化マグネシウムが含まれる溶融塩浴が形成され、上方に開口部を有する外壁210と、該外壁210の開口部を閉じる上蓋220と、流通口236を有する隔壁235で区画される電解室230および金属回収室240とを備える。該電解室230での電気分解により得られる溶融金属Mが金属回収室240に流入する。該電解室230は、電気分解に用いられる電極231(陽極231a、陰極231b)が配置されている。該上蓋220は、電解分解により発生した塩素含有ガスを回収するためのガス回収口222、223と、溶融金属Mを回収するための溶融金属回収口224と、電気分解で消費された塩化マグネシウム等の溶融塩を追い注ぎ(チャージ)するための溶融塩供給口226とを有する。図4では溶融金属回収口224と溶融塩供給口226とを別構成としているが、これらの機能を備える一つの開口を設けることとしてもよい。該ガス回収口222、223は、ガス供給配管221(図2参照)に接続されている。
【0028】
(フィルタ部)
フィルタ部300は、取り入れた塩素含有ガス中の微粉(金属マグネシウム、塩化マグネシウム、溶融塩浴成分、微小スラッジを含む不純物等)を捕集する。これにより、ガス流量測定部400における塩素含有ガスの流量及びレーザ式酸素ガス分析装置100における分析用塩素含有ガス中の酸素ガス濃度をより高い精度にて測定可能となる。なお、フィルタ部300としては、ダストチャンバやバグフィルタ等の除塵装置を使用すればよい。
【0029】
(ガス流量測定部)
ガス流量測定部400は、ガス供給配管221を流れる塩素含有ガスの流量を測定する。ここでは、公知の流量計を使用可能である。
【0030】
<前処理ステップ>
前処理ステップS101においては、塩素含有ガス中の微粉をダストチャンバやバグフィルタ等の除塵装置で予め捕集する。より具体的には、溶融塩電解槽200内の塩化マグネシウムを含有する溶融塩浴で電気分解により生成された塩素含有ガスがガス供給配管221から、フィルタ部300に流入する。該フィルタ部300においては、塩素含有ガス中の微粉が、塩素含有ガスの流量の測定に先立って予め捕集される。その結果、近赤外光を遮断及び/又は反射しうる微粉が低減されるので、酸素ガス濃度測定ステップS104における分析用塩素含有ガス中の酸素ガス濃度の測定の精度をより一層高めることが可能となる。
なお、前処理ステップS101は、酸素ガス濃度測定ステップS104前に実施すればよく、すなわち先述したガス流量測定ステップS102前の他に、ガス流量測定ステップS102とガス分岐ステップS103との間、又はガス分岐ステップS103と酸素ガス濃度測定ステップS104との間に実施してもよい。
【0031】
<ガス流量測定ステップ>
ガス流量測定ステップS102においては、ガス流量測定部400で塩素含有ガスの流量を測定する。該塩素含有ガスの流量は、溶融塩電解の電流効率を求めるためのパラメータとして使用可能である。求められた該電流効率から金属マグネシウムの生産性を推測することができる。ガス流量を測定するための流量計は特段限定されず、公知のものを適宜使用可能である。
【0032】
<ガス分岐ステップ>
ガス分岐ステップS103は、塩素含有ガスの一部を分析用塩素含有ガスとして分岐させて流す。より具体的には、バルブV1を開いてガス供給配管221を流れる塩素含有ガスの一部を分岐させ、その一部を分析用塩素含有ガスとしてガス供給分岐配管221aへ流す。
【0033】
<酸素ガス濃度測定ステップ>
酸素ガス濃度測定ステップS104は、レーザ式酸素ガス分析装置100にて流動状態の分析用塩素含有ガスを近赤外線吸収分光法により分析し、分析用塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定する。分析用塩素含有ガス中の酸素ガス濃度は、ガス供給配管221等を流れる塩素含有ガスの酸素ガス濃度と同程度とみなすことができる。つまり、酸素ガス濃度測定ステップS104により、塩素含有ガスの酸素ガス濃度を測定できる。
一実施形態においては、該塩素含有ガス中の酸素ガス濃度が1質量%以下と微量であっても酸素を検知できる。これにより、溶融塩電解槽200の上蓋220に設けられた開口部を閉じる蓋の配置不良、陽極目地のシール不良等を速やかに把握できる場合がある。例えば、この配置不良は金属マグネシウムの回収後や塩化マグネシウムのチャージ後に起こるため、この場合は蓋を開けて一旦高くなった酸素ガス濃度が長時間にわたり元の値に戻らないという状態になる。また、陽極目地のシール不良は金属マグネシウムの回収や塩化マグネシウムのチャージとは無関係に生じうるため、この場合は酸素ガス濃度上昇の開始時点が蓋の開放とは異なる。上記のような不具合や不良を速やかに把握できれば溶融塩電解槽200の早期の修繕が可能であり、これにより金属マグネシウムの汚染を抑制し、その結果として金属マグネシウムの製造の歩留りを高く維持することが可能となる。
【0034】
<ガス合流ステップ>
ガス合流ステップS105においては、塩素含有ガスから分岐された分析用塩素含有ガスを塩素含有ガスに合流部J1にて合流させる。具体的に、ガス供給分岐配管221aに配置したレーザ式酸素ガス分析装置100で酸素ガス濃度を測定した分析用塩素含有ガスは、ガス供給配管221を流れる塩素含有ガスと合流部J1で合流する。なお、一実施形態において、レーザ式酸素ガス分析装置100では近赤外光を用いているので、塩素含有ガスと分析用塩素含有ガスとが合流しても塩素含有ガスの組成は変わらない。
そして、合流後の塩素含有ガスは、塩化炉に供給され、又は塩素含有ガス用タンクに回収される。
【0035】
なお、レーザ式酸素ガス分析装置100に不具合が生じた場合、バルブV1、V2を閉めて別のレーザ式酸素ガス分析装置に交換してよい。
【0036】
[2.電流効率の演算方法]
本発明に係る電流効率の演算方法においては、先述した塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法により、ガス流量測定ステップS102で得られた塩素含有ガスの流量と、酸素ガス濃度測定ステップS104で得られた該塩素含有ガス中の酸素ガス濃度とを用いて、塩化マグネシウムの溶融塩電解の電流効率を求めることを含む。
溶融塩電解槽を使用した塩化マグネシウム等金属塩化物の電気分解では高濃度の塩素ガスが得られる。他方、溶融塩電解槽内は外環境に対して負圧とされているため、塩素ガスは少量の外気を含みうる。そこで、塩素含有ガス中の塩素ガス濃度とその流量を得ることができれば塩素ガスの総量が求まり、MgCl2→Mg+Cl2の反応式に基づき電気分解の状況を把握できる。他方、電極に流した電流量から、塩素ガスや金属マグネシウムの理論生成量を得ることができる。よって、この理論値と上記塩素ガスの総量とから電気分解の電流効率を得ることができる。この電流効率を連続的に監視すれば、溶融塩電解槽内で電気分解が効率的に進行しているか把握可能となる。
塩素含有ガスには外気が含まれうるが、その他のガスはほぼ混入されない。そのため、上記塩素含有ガスに含まれる塩素ガス濃度は外気の濃度を差し引く方法で求めることができる。外気は酸素ガスと窒素ガスを一定の割合で含むため、酸素ガス濃度が得られれば外気の濃度を得ることができる。
【0037】
[3.金属マグネシウムの製造方法]
本発明に係る金属マグネシウムの製造方法の一実施形態においては、溶融塩電解槽200内で塩化マグネシウムの溶融塩電解により金属マグネシウムを生成する生成工程を含む。該生成工程は、先述した塩素含有ガス中の酸素ガス濃度測定方法により、溶融塩電解槽内への外気の流入を監視することを有する。例えば、監視中、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度が上昇したことを確認した場合、溶融塩電解槽200内に外気が流入したものと判断される。この原因としては、溶融塩電解槽200の上蓋220に設けられた開口部を閉じる蓋の配置不良及び溶融塩電解槽200の陽極231aと上蓋220の間のシール不良等が想定される。仮に溶融塩電解槽200の上蓋220に設けられた開口部を閉じる蓋が配置不良である場合、外壁の開口部から外気が混入し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度が高くなるので、電解効率の値が正常時と比べ低くなりうる。また、溶融塩電解槽200の陽極231aと上蓋220の間のシール不良が生じている場合、そのシールされていない陽極と上蓋の間から外気が混入し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度が高くなるので、電解効率の値が正常時と比べ低くなりうる。
【実施例
【0038】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。以下の実施例の記載は、あくまで本発明の技術的内容の理解を容易とするための具体例であり、本発明の技術的範囲はこれらの具体例によって制限されるものではない。なお、溶融塩電解槽250は、図4に示した溶融塩電解槽200と同じ構成にした。
【0039】
[実施例1]
まず、図5に示した塩素含有ガス回収機構550を設置した。塩素含有ガス回収機構550は、近赤外光の吸収を検知するためのレーザ式酸素ガス分析装置100(レーザ式ガス濃度計、NEO Monirors AS社製)、フィルタ部300、ガス流量測定部400、バルブV1、V2、合流部J1、J2、分岐部B、ガス供給配管221、271、ガス供給分岐配管221aで構成されるものとし、該ガス供給配管221は最下流側にて塩化炉(不図示)と接続した。ガス供給配管221、271はそれぞれ溶融塩電解槽200、250の各ガス回収口222、223に接続されており、溶融塩電解槽200、250はいずれも図4に示すものと同様の構成を有するものとした。ガス供給配管271は溶融塩電解槽200とフィルタ部300との間に配置した合流部J2でガス供給配管221に接続した。
【0040】
溶融塩電解槽200、250は、外壁210、隔壁235の材質がそれぞれAl23を含む定型耐火物(耐火煉瓦)とし、上蓋220の材質は蓋裏にキャスタブル耐火物の層を施工した炭素鋼を使用した。なお、電気分解開始前の溶融塩の組成は、塩化マグネシウムが20質量%、塩化カルシウムが30質量%、及び塩化ナトリウムが50質量%とした。また、電解室230においては、陽極231aと陰極231bとバイポーラ電極をそれぞれ配置した。陽極231aの材質は黒鉛とし、陰極231bの材質は鉄とした。バイポーラ電極の材質は黒鉛とした。
【0041】
2つの溶融塩電解槽200、250中の電極231に電圧をそれぞれ印加して、電気分解を開始した。2つの溶融塩電解槽200、250から生成された塩素含有ガスをガス回収口222、223から回収し、塩素含有ガスをフィルタ部300としてのバグフィルタに接触させることで塩素含有ガス中の微粉を捕集した(前処理ステップS101)。捕集後の塩素含有ガスをガス流量測定部400にて、その流量を連続的に測定した(ガス流量測定ステップS102)。ガス供給分岐配管221aに流れる塩素含有ガスの一部を分岐させた(ガス分岐ステップS103)。レーザ式酸素ガス分析装置100を用いて下記分析条件にて分析用塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を連続的に測定した(酸素ガス濃度測定ステップS104)。酸素ガス濃度測定後の分析用塩素含有ガスは、測定セル130から導出されガス供給分岐配管221aを流れ、合流部J1を介してガス供給配管221の塩素含有ガスと合流した(ガス合流ステップS105)。その後、塩素含有ガスは、塩化炉へ供給された。
【0042】
溶融塩電解槽200、250の操業においては、溶融塩供給口226の開閉可能な蓋を開けて塩化マグネシウムを追い注ぎ(チャージ)し、この追い注ぎを計10回実施した。追い注ぎ作業開始直後、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度が0.1質量%から急激に1.0質量%以上となったことをいずれも確認した。なお、図6(A)においては、溶融塩電解槽200、250の操業開始時から2時間経過時に溶融塩供給口226の開閉可能な蓋を開けて塩化マグネシウムの追い注ぎをし、また、図6(B)においては、溶融塩電解槽200、250の操業開始時から12時間経過時及び19時間経過時に溶融塩供給口226の開閉可能な蓋を開けて塩化マグネシウムの追い注ぎを実施した。すなわち、追い注ぎ時に溶融塩供給口226の蓋を開けたことで溶融塩電解槽200、250内に外気が流入したことが推察される。
また、溶融塩電解槽200、250の操業開始時から14時間経過時から約5時間、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度が0.7質量%以上となる上昇を繰り返していた。そこで、操業中の溶融塩電解槽200、250を確認した結果、操業開始時から12時間経過時の追い注ぎではその作業後に溶融塩供給口226の蓋が完全に閉まっていなかったことが確認された。操業開始時から19時間経過時に実施した追い注ぎの作業後は蓋を完全に閉めたことで、その後酸素ガス濃度が0.1質量%以下に戻っていった。
【0043】
(実施例による考察)
実施例1において、塩化マグネシウムの溶融塩電解で発生した塩素含有ガス中の酸素ガス濃度の上昇を速やかに把握することで、溶融塩の追い注ぎ時における溶融塩電解槽200、250内への外気の流入と溶融塩供給口の蓋を完全に閉めていないことによる溶融塩電解槽200、250内への外気の流入とをそれぞれ検知することができた。その結果、実施例1においては、溶融塩電解槽200、250の点検負荷も大幅に軽減することができると推察される。したがって、実施例1によれば、酸素ガス濃度測定ステップにおいて流動状態の分析用塩素含有ガスを近赤外線吸収分光法により分析し、塩素含有ガス中の酸素ガス濃度を測定することが有用であるといえる。
【符号の説明】
【0044】
100 レーザ式酸素ガス分析装置
110 発光部
120 受光部
130 測定セル
132 塩素含有ガス導入口
134 塩素含有ガス導出口
136、138 取付フランジ
140、150 光管路
142、152 浄化ガス導入口
144、154 浄化ガス導出口
200、250 溶融塩電解槽
210 外壁
220 上蓋
221、271 ガス供給配管
221a ガス供給分岐配管
222、223 ガス回収口
224 溶融金属回収口
226 溶融塩供給口
230 電解室
231 電極
231a 陽極
231b 陰極
235 隔壁
236 流通口
240 金属回収室
300 フィルタ部
400 ガス流量測定部
500、550 塩素含有ガス回収機構
B 分岐部
J1、J2 合流部
M 溶融金属
S101 前処理ステップ
S102 ガス流量測定ステップ
S103 ガス分岐ステップ
S104 酸素ガス濃度測定ステップ
S105 ガス合流ステップ
V1、V2 バルブ
X 分析用塩素含有ガス
Y 浄化ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6