(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ハイドロフォイルボードを動作させるための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B63B 32/10 20200101AFI20240415BHJP
【FI】
B63B32/10
(21)【出願番号】P 2020552002
(86)(22)【出願日】2019-03-25
(86)【国際出願番号】 AU2019050262
(87)【国際公開番号】W WO2019183668
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-08
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520188673
【氏名又は名称】フライトボード プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】トレウェルン,デイビッド
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0072383(US,A1)
【文献】特開2007-314084(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0104985(US,A1)
【文献】独国実用新案第202017103703(DE,U1)
【文献】特開2015-16865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0185430(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014005314(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0139905(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 32/10,32/64,34/10,34/40,1/24,
B63H 21/17,21/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ駆動プロペラによって動くハイドロフォイルボードを制御する方法であって、前記モータは、スロットルによって前記ボードの速度を調整するように構成されているハンドコントローラによって制御され、前記ハンドコントローラはまた、ユーザが選択可能なオペレーティングプリセットを受けるインターフェースによって構成されており、
前記ボードがハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために要求されるよりも遅い最大の第1の速度まで前記ボードが加速される、第1のオペレーティングプリセット、及び
前記ボードがハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために十分であ
る第2の速度まで前記ボードが加速される、第2のオペレーティングプリセット、
を備える方法。
【請求項2】
前記ボードの前記速度は、GPSによって測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
モータ駆動プロペラによって動くハイドロフォイルボードを制御する方法であって、前記モータは、スロットルによってモータ動力を調節するように構成されているハンドコントローラによって制御され、前記ハンドコントローラはまた、ユーザが選択可能なオペレーティングプリセットを受けるインターフェースによって構成されており、
前記ボードがハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために要求されるよりも小さい最大の第1の値に前記モータ動力が制限される、第1のオペレーティングプリセット、及び
前記ボードがハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために十分であ
る第2の値に前記モータ動力が制限される、第2のオペレーティングプリセット、
を備える方法。
【請求項4】
前記スロットルは、ユーザが前記オペレーティングプリセット間を切り替えると同時に動作され得る、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
10個以上のオペレーティングプリセットが提供される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムであって、前記システムは、
受信機、プロセッサ、モータコントローラ及び推進源を備える推進制御ユニット、及び
プロセッサ、送信機、インターフェース及びスロットルセンサを備えるハンドコントローラであって、前記スロットルセンサを介しての第1のユーザ入力及び前記インターフェースを介しての第2のユーザ入力の受信と、前記送信機を用いて信号を前記推進制御ユニットの前記受信機に送信とをするために構成されているハンドコントローラを備え、前記第1のユーザ入力は、可変のスロットル値であり、前記第2のユーザ入力は、前記推進制御ユニットの動作の複数のオペレーティングプリセットのうちの一つを選択し、
前記推進制御ユニットは、前記ユーザ入力に応答して、前記選択されたオペレーティングプリセットによって決定される最大で最高の動力値までのみの前記選択されたスロットル値に従って前記推進源を駆動するためおよび前記推進源の動力を調節するために構成され、
前記複数のオペレーティングプリセットは、
前記ボードがハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために要求されるよりも小さい第1の最大値に前記推進源の前記動力が制限される、第1のオペレーティングプリセット、及び
前記ボードがハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために適する第2
の値まで前記推進源の前記動力が増加され得る、
第2のオペレーティングプリセット、
を備える、システム。
【請求項7】
ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムであって、前記システムは、
受信機、プロセッサ、モータコントローラ及び推進源を備える推進制御ユニット、及び
プロセッサ、送信機、インターフェース及びスロットルセンサを備えるハンドコントローラであって、前記スロットルセンサを介しての第1のユーザ入力及び前記インターフェースを介しての第2のユーザ入力の受信と、前記送信機を用いて信号を前記推進制御ユニットの前記受信機に送信とをするために構成されているハンドコントローラを備え、前記第1のユーザ入力は、可変のスロットル値であり、前記第2のユーザ入力は、前記推進制御ユニットの動作の複数のオペレーティングプリセットのうちの一つを選択し、
前記推進制御ユニットは、前記ユーザ入力に応答して、前記選択されたオペレーティングプリセットによって決定される最大のボードの速度までのみの前記選択されたスロットル値に従って前記推進源を駆動するためおよび前記ボードの速度を調節するために構成され、
前記複数のオペレーティングプリセットは、
前記ボードの速度を、ハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために要求される速度未満の最大の第1の速度まで前記推進源が増加させる、第1のオペレーティングプリセット、及び
前記ボードの速度をハイドロフォイル
するためにおよび水面から上昇するために適し
た第2の速度まで前記推進源が増加させる、第2のオペレーティングプリセット
を備える、システム。
【請求項8】
前記受信機は、前記ボードの前方部分に配置される、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ハンドコントローラは、ボード速度、残りの移動距離、残りの移動時間、バッテリ温度、バッテリ残量、及び電力消費率からなる群から選んだ一つ以上の性能及び/又は診断データを表示するように構成されている出力を備える、請求項6~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記推進源は、前記ハンドコントローラ及び前記ボードの近接及び/又は相対運動に基づいて停止される、請求項6~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハンドコントローラは、ブザー及び/又はバイブレータの形態の出力をさらに備える、請求項6~
10のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は一般に、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法及びシステムに関する。
【0002】
〔優先権出願〕
本出願は、オーストラリア仮特許第2018901001号からの優先権を主張し、その内容は、全体として本明細書に含まれる。
【0003】
〔背景〕
ハイドロフォイルボードは、ハイドロフォイルモータを備えたサーフボード又はスタンドアップパドルボードの一般的な外観をとる船のスタイルである。この配置により、ハイドロフォイルボードは、ハイドロフォイリングができ、その結果、ボードは水面より上に持ち上げられる。ハイドロフォイルボードは、抗力を減少させ、水面上を高速かつエキサイティングに移動することができる。しかしながら、ユーザの中には、ハイドロフォイルボードに乗り、制御することが難しいことに気づく人もいる。
【0004】
したがって、動作が簡略化された、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法及びシステムを提供することが望ましいだろう。そのような方法及びシステムは、例えば電気スケートボード等の他の動力を備えたボードの用途においても有用であってよい。
【0005】
任意の先行する刊行物(又はそれから派生した情報)、又は任意の既知の主題に対する、本明細書における言及は、先行する刊行物(又はそれから派生した情報)又は本明細書が関係する分野における技術常識の一部を形成する既知の主題の承認又は是認、又は任意の形態の示唆として解釈されないし、また、そのように解釈されるべきではない。
【0006】
〔概要〕
本発明の一態様によれば、モータ駆動プロペラによって動くハイドロフォイルボードを制御する方法であって、モータは、ユーザが選択可能なオペレーティングプリセットによって構成されたハンドコントローラによって制御され、ボードがハイドロフォイルするために要求される速度よりも遅い第1の速度まで加速される、第1のオペレーティングプリセット、及びボードがハイドロフォイルするために十分である第2の速度まで加速される、第2のオペレーティングプリセットをオペレーティングプリセットは、含んでいる方法が提供される。
【0007】
本発明の別の態様によれば、モータ駆動プロペラによって動くハイドロフォイルボードを制御する方法であって、モータは、スロットルによってボードの速度を調整するように構成されているハンドコントローラによって制御され、ハンドコントローラはまた、ユーザが選択可能なオペレーティングプリセットによって構成されており、ボードがハイドロフォイルするために要求されるよりも遅い最大の第1の速度までボードが加速される、第1のオペレーティングプリセット、及び、ボードがハイドロフォイルするために十分である第2の速度までボードが加速される、第2のオペレーティングプリセットを含んでいる方法が提供される。好ましくは、ボードの速度は、GPSによって測定される。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、モータ駆動プロペラによって動くハイドロフォイルボードを制御する方法であって、モータは、スロットルによってモータ動力を調節するように構成されているハンドコントローラによって制御され、ハンドコントローラはまた、ユーザが選択可能にオペレーティングプリセットによって構成されており、ボードがハイドロフォイルするために要求される値よりも小さい第1の値にモータ動力が制限される、第1のオペレーティングプリセット、及びボードがハイドロフォイルするために十分である第2の値にモータ動力が制限される、第2のオペレーティングプリセットを含んでいる方法が提供される。
【0009】
一例としての形態において、スロットルは、ユーザがオペレーティングプリセット間を切り替えると同時に動作され得る。別の形態において、10個以上のオペレーティングプリセットが提供される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムであって、システムは、推進源を含んでいる推進制御ユニット、及び第1のユーザ入力及び第2のユーザ入力の受信と、ユーザ入力を推進制御ユニットに送信とをするために構成されているハンドコントローラを含んでおり、第1のユーザ入力は、可変のスロットル値であり、第2のユーザ入力は、推進制御ユニットの動作の複数のオペレーティングプリセットの一つを選択し、推進制御ユニットは、ユーザ入力に応答して、選択されたオペレーティングプリセットによって決定される最大で最高レベルまでのみの選択されたスロットル値に従って推進源を駆動するために構成されているシステムが提供される。
【0011】
一例としての形態において、複数のオペレーティングプリセットは、ボードの速度を、ハイドロフォイリングの速度未満の第1の速度まで推進源が増加させる、第1のオペレーティングプリセット、及びボードの速度をハイドロフォイルするために適した第2の速度まで推進源が増加させ、水面から上昇させる、第2のオペレーティングプリセットを含む。
【0012】
別の形態において、複数のオペレーティングプリセットは、ボードがハイドロフォイルするために要求されるよりも少ない第1の最大値に推進源の動力が制限される、第1のオペレーティングプリセット、及びボードがハイドロフォイルするために適しており、水面から上昇するための第2の最大値まで推進源の動力が増加され得る、第2のオペレーティングプリセットを含む。
【0013】
限定はされないが、他の特定の例としての形態において、システムは、ハンドコントローラと推進制御ユニットとの間で信号を送信及び受信するために構成されている受信機をさらに含み、受信機は、ボードの前方部分に配置され、ハンドコントローラは、ボード速度、残りの移動距離、残りの移動時間、バッテリ温度、バッテリ残量、及び電力消費率からなる群から選んだ一つ以上の性能及び/又は診断データを表示するために構成されている出力を含む。好ましくは、推進源は、ハンドコントローラ及びボードの近接及び/又は相対運動に基づいて停止される。
【0014】
別の例としての形態において、オペレーティングプリセットは、ボードの地理的位置に基づいて自動的に変更することができる。この自動的に選択されたオペレーティングプリセットは、前述した第1又は第2のプリセット、又はいくつかの他のオペレーティングプリセットであってよい。一形態において、この自動的に選択されたオペレーティングプリセットは、第2のオペレーティングプリセットよりも低い速度/動力リミットを有する。さらに別の形態において、ハンドコントローラは、ブザー及び/又はバイブレータの形態の出力をさらに含む。
【0015】
本発明の別の態様によれば、本明細書で定義されるシステムと共に使用するためのハンドコントローラは、提供される。
【0016】
〔図面の簡単な説明〕
例としての実施形態は、添付の図面に関連して説明される、少なくとも一つの好ましいが非限定的な実施形態の、例としてのみ与えられる以下の説明から明らかになるはずである。
【0017】
図1は、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【0018】
図2は、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法と共に使用するためのハンドコントローラの一実施形態の図を示す。
【0019】
図3は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムの一実施形態のブロック図を示す。
【0020】
図4は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するための一例としてのプロセスシステムを示す。
【0021】
図5は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムの一実施形態のブロック図を示す。
【0022】
図6は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するためのハンドコントローラの一実施形態のブロック図を示す。
【0023】
図7は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するための受信機の一実施形態のブロック図を示す。
【0024】
図8は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するための推進制御ユニットの一実施形態のブロック図を示す。
【0025】
〔詳細な説明〕
好ましい実施形態又は複数の実施形態の主題のより正確な理解を提供するために、例としてのみ与えられる、以下のモードを説明する。
【0026】
例としての実施形態の特徴を示すために組み込まれた図において、同様の参照番号は、図面全体を通して、同様の部分を識別するために使用される。
【0027】
本明細書で記述されることは、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法の実施形態である。ボードは、モータ駆動プロペラであってもよい推進源によって駆動されてもよい。モータ駆動のプロペラは、ボードに乗っている間、ユーザがそのグリップを握ることができる例えばハンドコントローラ等のユーザ動作のコントローラによって制御されてもよい。
【0028】
本方法に従ったボードの動作は、特定のオペレーティングプリセットを含んでよい。一実施形態において、ハンドコントローラは、これらのオペレーティングプリセットの選択を容易にすることができる。例えば、本方法は、ボードがハイドロフォイリングのための速度よりも遅い速度に上げられる第1のオペレーティングプリセット、及びハイドロフォイリングを開始するために十分な速度に上げられる第2のオペレーティングプリセットを含んでよい。一旦、第2のオペレーティングプリセットが選択され、そしてハイドロフォイリングを開始するために十分な速度までボードを加速すると、ボードの速度は、ユーザの好みに従って、好ましくはハンドコントローラを介して制御されてよい。
【0029】
本方法は、ボードを、ハイドロフォイリングのために要求されるものよりも低い速度に上げられる、第1のオペレーティングプリセットを含むことができる。当該速度は第1の速度と称することができる。第1のオペレーティングプリセットは、ボードハイドロフォイリングの前にユーザがボード上で自身のバランスをとることを可能にすることに適してよい。例えば、うつ伏せ位置で静止するボード上に横たわっているユーザは、ハンドコントローラを介して第1のオペレーティングプリセットを選択することができ、その結果、推進源は、ボードを第1の速度まで上げるのに十分な動力を供給される。ボードが第1の速度で運動している状態で、ユーザは、所望であれば、ハイドロフォイリングの準備において、例えば膝をつける又は立つ等の自分の好ましい乗る姿勢に自分の位置を調整してよい。
【0030】
本方法は、ボードを、ハイドロフォイリングを開始するために十分な速度まで上げられる、第2のオペレーティングプリセットを含むことができる。当該速度は第2の速度と称することができる。第2のオペレーティングプリセットは、ボードが第1の速度で移動するとき、ユーザが自分の選んだ乗る姿勢、例えば立つ位置で、バランスをとった後に選択されてよい。ボードが第2の速度に達すると、ユーザは、それらの重量を後方にシフトさせることができ、それによってボードに取り付けられた水中に沈んだハイドロフォイルの迎え角を変更することができる。この動作によって、ボードは、ハイドロフォイリングを始めることができ、したがって、水面より上に上昇することができる。
【0031】
第2のオペレーティングプリセットが選択された後、ボードの速度は、ユーザの好みに従って調整されてもよい。例えば第2のオペレーティングプリセットが選択された後、ユーザが今のハイドロフォイリングボードに乗っているとき、ユーザは、ユーザのスリル感を大きくするために速度を上げることを望むことができる。同様に、乗り手は、それらの速度を下げることを望むことができる。一実施形態において、ハンドコントローラは、ハイドロフォイルすることを開始した後に、ボードの速度を上げる及び下げるために使用されてもよい。
【0032】
本明細書に記載される本発明のオペレーティングプリセット及び他の特徴は、動力を備えたハイドロフォイルボードに乗るために必須ではないが、それらは、システムの調整、問題を生じさせることなくシステムの限界まで乗ること、及びボードの範囲及び性能を最大化することを含む多くの方法に実質的な利益を提供するため、プロセスに有利である。
【0033】
本発明の方法は、ボードの動作のオペレーティングプリセットを選択するためにコントローラを使用することにより、達成することができる。一実施形態において、コントローラは、入力装置及び出力装置を含むことができるユーザインターフェースを有するハンドコントローラであってよい。ユーザインターフェースは、ハンドコントローラのピストル型ハンドル上に配置されたトリガ型アクチュエータを含んでよい。ユーザインターフェースはまた、ハンドルのグリップを有するユーザの親指によって作動可能な一つ以上のボタンを含んでよい。ボタンは、「+」印を有するボタン及び「-」印を有するボタンを含んでよい。
【0034】
一実施形態において、ハンドコントローラは、以下の方式による本方法を達成するためにボードと併せて使用することができる。第一に、ボードが固定され、ユーザがその上でバランスを取ると、ハンドコントローラトリガは、第1のオペレーティングプリセットを選択するために完全に係合され、ここでボードは、第1の速度まで加速される。代替的には、ボードは、完全に係合されるまで、ユーザによるトリガの徐々な適用によって、第1の速度まで、より徐々に上げることができる。
【0035】
ボードを第1の速度で移動させることによりユーザが快適になると、トリガの係合を維持している間、ユーザは、例えば立つ位置等の、ハイドロフォイリングのための好ましい操作姿勢で、ボード上に自身を向けてよい。位置を調整している間の速度を制限することによって、この時点でトリガを完全に押し下げることにより、これは、スロットルをぶつけるあらゆる危険性、すなわち、動力又は速度を変化させ、潜在的な衝突を引き起こす可能性のある危険性を取り除く。
【0036】
乗り手が好ましいハイドロフォイリングの位置に方向を合わせることによって、ユーザは、ハンドコントローラ上のボタンを作動することによって、ボードを第2のオペレーティングプリセットに置くことができ、それによってボードを第2の速度まで加速させることができる。ボードが第2の速度にあることによって、ユーザは、ボードに対して後方にそれらの重量を移動させることができ、それによってボードは、ハイドロフォイリングを開始し、水の表面の上方に持ち上がるようにする。
【0037】
ユーザが現在、ハイドロフォイリングボードに乗っていることによって、ユーザは、ユーザの乗り心地に従ってボードの速度を変更することができ、ここでボードの速度は、調整可能である。例えばハンドコントローラは、速度を上げるためのボタン及び速度を下げるためのボタンを有することができ、これらのボタンは、一例として、それぞれ「+」及び「-」印を有するボタンに対応することができる。代替的には、トリガを部分的に解放することによって速度を低下させてもよい。
【0038】
上記の方法を使用することによって、ハイドロフォイルに乗る行為は、別個のステップに分割することができ、したがって、ハイドロフォイルボードに乗る行為をより単純にし、様々なユーザにアクセスしやすくする。
【0039】
一実施形態において、ハンドコントローラのトリガが係合されると、それによりボードを第1のオペレーティングプリセットに置くことにより、ハンドコントローラは次に、「デッドマンのスイッチ(deadman’s switch)」とすることができ、その結果、ボードが動力を受けたままであるために、トリガは係合されたままでなければならない。この方式により、トリガを作動させてボードを第1のオペレーティングプリセットに配置した後、ユーザは、ボードを第2のオペレーティングプリセットに配置するためにボタンを作動させている間、トリガ上のそれらのグリップを維持することができる。次に、第2のオペレーティングプリセット及び第2の速度で移動するボードによって、ユーザは、ハンドコントローラ上の必要なボタンを介してボードの速度を調整している間、トリガ上でのそれらのグリップを維持し続けることができる。
【0040】
トリガが任意の時間で解放される場合、推進源への動力が失われ、その結果、ボードの速度が低下し、及び/又は停止する。いくつかの実施形態において、トリガがスイッチとすることができ、一方、他の実施形態において、動力の減少は、トリガが解放される度合いに応じて、徐々にすることができる。
【0041】
一実施形態において、第1及び第2の速度は、ユーザの重量に従って選択することができる。さらなる実施形態において、第1及び第2の速度は、使用されるボードの種類、例えば、ハイドロフォイルの翼のデザイン、又はボードの性能、例えばボードのハイドロフォイリングの性能に影響を及ぼし得る他のデザインパラメータに従って選択されてもよい。この方式によって、第1の速度は、ユーザの特定の重量及び特定のボードデザインのためのハイドロフォイリングの速度よりも小さくなるように選択されてもよく、第2の速度は、ユーザの特定の重量及び特定のボードデザインのためのハイドロフォイリングに適するように選択されてもよい。
【0042】
ユーザは、それらの重量及びハンドコントローラを介して使用されるボードの種類を選択することができ、その結果、第1及び第2の速度は、プロセスシステムを介して決定される。このようにして、第1の速度は、ハイドロフォイリングの速度よりも小さくなるように選択され、第2の速度は、ユーザの特定の重量及び特定のボード設計のためにハイドロフォイリングに十分であるように選択されてもよい。乗り手の重量を入力する能力、及び/又はボード設計を選択する能力は、いくつかの実施形態に含まれないことがある任意選択の特徴であることが理解されるだろう。
【0043】
別の実施形態において、ユーザが手動で選択することができる多くの速度、例えば、10、20、又は20よりも多いか又は少ないプリセットの速度が存在し得る。ユーザは最初に、ハイドロフォイリングの速度未満である、ユーザが知っている第1の速度を選択することができる。例えば、10個の選択肢のうち、3番目又は4番目のレベルにすることができる。ハイドロフォイリングを開始したい場合、ハンドコントローラ上の適切なボタンを繰り返し押すことによって、ハイドロフォイリングに十分であると知っているレベル、例えばレベル8又は9等の速度に上げることができる。
【0044】
一実施形態において、ユーザは、ボードの所望の加速度/動力曲線を選択することもできる。例えば初心者の乗り手は、ボードの穏やかな加速を望む場合があり、したがって、ボード上でのバランスを得ること及び維持することに集中することができる。この配置によって、初心者は、ボードが静止位置から第1の速度までスムーズ及びゆっくりと加速することを望んでもよい。ユーザはまた、ボードが第1の速度から第2の速度までスムーズに及びゆっくりと加速することを望む場合がある。また、ユーザは、ボードが第2の速度に達した後に起動される速度調整ボタンに反応してボードがスムーズ及びゆっくりと加速することを望むことができる。対照的に、より上級の乗り手は例えば、ボードに乗る際のスリルの感覚を高めるために、速度間のより積極的な移行を望むことができる。
【0045】
一実施形態において、ハンドコントローラを介して加速度曲線を選択し、カスタマイズすることができる。別の実施形態において、そのような加速度曲線は、例えばラップトップ又はモバイルアプリケーション等の外部接続ハードウェアを使用して選択することができる。
【0046】
一実施形態において、ボードの速度は、GPSを介して測定され、制御されてもよい。GPSは、ハンドコントローラ及び/又はボードに組み込まれてもよい。GPSは、ボードの推進源と通信することができ、その結果、ボードの速度がGPSによって監視及び制御される。この配置によって、一旦オペレーティングプリセットが選択されると、推進源は、オペレーティングプリセットに関連する速度が達成されるまで、ボードの速度を上げ、ここで速度は、GPSによって測定される。GPSはまた、出力装置上のボードの速度を表示するために、ハンドコントローラと通信してもよい。
【0047】
一実施形態において、GPSはまた、制限された動力又は速度制限を規則が必要とする様々な場所について、動力又は速度を下げるためにスロットルするために使用されるように、ボードの推進源と通信することができる。バッテリの充電量が少ないとき、バッテリの温度が高いとき、又はシステムに他の潜在的な問題が検出されたとき、GPSを使用して動力をスロットルすることもできる。
【0048】
種々の他の実施形態において、オペレーティングプリセットは、ボードの速度ではなく、モータの動力を制御してもよい。すなわち上述の各実施形態において、システムは、上述したように速度を制御するために動力を調整するのではなく、モータの動力を一定又は制限するために制御することができる。
【0049】
例えば、一実施形態において、本方法は、モータがハイドロフォイリングのための動力レベルより低い動力レベルまで上げられる第1のオペレーティングプリセット、及びモータがハイドロフォイリングを開始するのに十分な動力レベルまで上げられる第2のオペレーティングプリセットを含むことができる。一旦、第2のオペレーティングプリセットが選択されると、それにより、ハイドロフォイリングを開始するために十分なレベルまでモータ動力を上げ、好ましくは、ユーザ選好に従って、ハンドコントローラを介してモータの動力レベルを制御することができる。
【0050】
本方法はまた、ハイドロフォイリング時に選択され得る「波モード」を任意に含んでもよく、それにより、波乗りのための予め決定した低動力設定にスムーズに動力が下がり、次いで、波モードに入る前から動力をそのレベルにリセットする。
【0051】
一実施形態において、ハンドコントローラは、慣性測定ユニット(IMU)を備えることができる。さらなる実施形態において、ボードにIMUを取り付けることができる。ハンドコントローラ及びボードのIMUは、通常の動作パラメータが満たされない場合、応答を引き出すために使用されてもよい。例えば、IMUが特定の通常の動作パラメータが満たされないことを検出した場合、ハンドコントローラ及びボードのIMUは、例えばボードの推進源への動力を切断する等の安全応答を引き出すことができる。
【0052】
一実施形態において、ボードが水上に乗っていないことを示す軸の角度にボードがあることを、IMUsが検出した場合、推進源への動力は遮断されてもよい。さらに、モータデータ及びそれぞれのIMUsによって測定されるハンドコントローラとボードとの間の平均移動方向が同期していない場合、乗り手がボードから転落し、推進源への動力が遮断されている可能性があると推測される。
【0053】
一実施形態において、ハンドコントローラ及び/又はボードは、乗車中に様々なデータを計算し、記憶するためのプロセッサ及びメモリを含むことができる。次いで、このデータは、ハンドコントローラ上の出力によってユーザに提示され得る。例えばプロセッサは、バッテリ管理システムによって供給されるバッテリデータ及び他の関連情報を使用して、乗車中に残っている残りの距離及び時間を動的に計算することができる。
【0054】
プロセッサはまた、ユーザが自分の乗車時間及び/又は距離を最大にすることを助けるために、キロメートル当たりのワット時間(Wh/km)で実際の効率を計算することができる。例えばモータ回転数、バッテリ温度及び電力消費、ボードの角度及びGPS速度等の診断情報を含む他の情報も計算され、表示され、それによって、ユーザがその乗車を監視することを助けることができる。
【0055】
上記のデータは、後で見るために、又は例えば電話アプリケーション又は他の別個のハードウェア及び/又はソフトウェア等によって、遠隔コンピュータシステムに転送されるために、メモリに記録されてもよい。同様に、そのような外部システムは、ボードの設定又はプロファイルを更新するために使用することができる。
【0056】
図1を参照すると、ハイドロフォイルボードを動作させるための一例の方法のフローチャートが示されている。1として示される第1のステップにおいて、ユーザは、関連する設計パラメータを入力することができ、その結果、第1及び第2の速度が決定される。ユーザは、所望の加速度/動力曲線を入力することもでき、その結果、ボードの応答性が決定される。
【0057】
2で示される第2のステップにおいて、ユーザは、ボードを取り付け、ハンドコントローラを介して第1のオペレーティングプリセットを選択し、その結果、ボードは、選択された加速度曲線に従って第1の速度まで加速するようにすることができる。3で示される第3のステップにおいて、ユーザが例えば立った姿勢に自分の乗る姿勢を変更し、ハンドコントローラを介して第2のオペレーティングプリセットを選択することができ、その結果、ボードが第2の速度まで加速することができる。
【0058】
4で示される第4のステップにおいて、ユーザは、自分の体重を後方に移動させることができ、その結果、ボードがハイドロフォイリングを開始し、水面より上に上昇する。5で示される第5のステップにおいて、ユーザは、ハンドコントローラを介してハイドロフォイリングボードの速度を調整することができる。
【0059】
ここで
図2を参照すると、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法と共に使用するのに適したハンドコントローラ6の実施形態が示されている。ハンドコントローラ6は、ハンドル7を有し、ユーザがハンドコントローラ6をグリップすることができる。ハンドル7は、ハンドル7のグリップを失った場合にハンドコントローラ6をユーザの手首につなぐために、ユーザの手首の周りに配置するためのランヤード(図示せず)を有することができる。
【0060】
ハンドル7は、ハンドル7のグリップを有するユーザの指によってアクセス可能なトリガ9の形態のアクチュエータを有するピストルスタイルのグリップの形態である。トリガ9は、加速器又はスロットルとすることができ、これにより、トリガ9を部分的に押すことによって、可変レベルの動力/速度を示すことができる。ハンドルコントローラ6はまた、ハンドル7のグリップを有するユーザの親指で押すことができるボタン10の形のアクチュエータを有している。
【0061】
ハンドコントローラ6は、ボタン10に近接した上部に表示画面11を有し、その結果、ハンドル7のグリップを有するユーザが画面11を便利に見ることができるようになっている。スクリーン11は、例えばボードの速度、走行距離、バッテリ寿命残量、走行時間残量等の特定の出力を表示することができる。これらのメトリックスは例えば、親指とモードボタン10を使用してユーザがスクロールできる番号表示画面レイアウトを介してアクセス可能である。
【0062】
ハンドコントローラ6は、片手動作を可能にするために十分に小さい。すなわち、トリガ9は、ハンドル7のグリップを有しながら、一つ以上のボタン10を押すことと同時に、ユーザによって操作されることができる。実際に、コントローラ6は、ほとんどの乗り手がコントローラ6をボードにぶつけることなく立ち上がるようにボードを押すために手のひらを使用することができるように十分に小さい。
【0063】
好ましい実施形態に示されるように、ハンドコントローラ6は防水であり、スロットルにホール効果センサを使用し、これにより、ハンドコントローラ6のメインハウジングの防水性を維持しながらトリガ9を可動にすることができる。しかしながら、代替の実施形態は、代替の形態のセンサを使用することができることが理解されるだろう。さらに、コントローラ6は、落下した場合にコントローラ6が水中で浮遊することを確実にする成形発泡体インサートを含む。
【0064】
ハンドコントローラ6は、ブザー及び/又はバイブレータも含むことが好ましい。乗車時、ブザー及び/又はバイブレータは、表示画面11上に警告をポップアップするように乗り手に警告するために使用することができる。これらの警告は、例えばハーフボードバッテリ、ローボードバッテリ、空バッテリ、ローコントローラバッテリ、高温、高電流、及び新しい最大速度等のステータスを示す。
【0065】
図3を参照すると、ハイドロフォイルボードを動作させるための例示的なシステム200が示されている。一実施形態において、システム200を使用して、本明細書で前述した方法を実行することができる。図に示されるように、システム200は、受信機220と通信しているハンドコントローラ210を含み、次に、このハンドコントローラは、推進制御ユニット230と通信している。ハンドコントローラ210は、ユーザが受信機220を介して推進制御ユニット230と通信し、推進制御ユニット230を遠隔動作及び/又は制御することを可能にする、携帯型のユーザ動作コントローラであってよい。
【0066】
いくつかの実施例において、ハンドコントローラ210がユーザによるコマンドの入力のためのユーザインターフェースを含むハウジングを有する。ユーザインターフェースは、例えば「プラス」ボタン、「マイナス」ボタン、「モード/メニュー」ボタン等の一つ以上のプッシュボタンを含んでよい。
【0067】
ハウジングは、システム200の設定をユーザに表示するための表示画面をさらに含んでもよい。表示スクリーンは、有機発光ダイオード(OLED)表示スクリーン、又はパッシブマトリクスOLED(PMOLED)表示スクリーン、又は任意の他のタイプの電子表示スクリーンを含んでもよい。他の例において、ハウジングは、ユーザインターフェースを提供し、ユーザに情報を表示することができるタッチディスプレイを含むことができる。好ましくは必ずしも必要ではないが、ハンドコントローラ210のハウジングは、防水性である。
【0068】
ハンドコントローラ210は、ハンドコントローラ210のモーション及び/又は方向を感知するための一つ以上のモーションセンサをさらに含むことができる。一つ以上のモーションセンサは、慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、又は任意の他のモーションセンサを含むことができる。いくつかの例において、モーションセンサは、3軸ジャイロスコープ及び3軸加速度計を含む6軸運動センサである。
【0069】
ハンドコントローラ210は、受信機220と通信するための通信ユニットをさらに含むことができる。好ましくは、必ずしもそうではないが、通信ユニットは、受信機220と無線通信するように構成された、例えばBluetoothモジュール等の無線通信ユニットである。ハンドコントローラ210は、無線通信ユニットと受信機220との間の無線通信を容易にするために、アンテナをさらに含んでもよい。
【0070】
プロセスシステムはまた、任意で、前述したように、例えばユーザの体重及び加速度/動力曲線等のボードの性能に影響を及ぼす特定のパラメータをユーザが入力することを容易にすることができる。一実施形態において、プロセスシステムは、
図4に示され、以下でより詳細に説明されるように、例示的なプロセスシステム100の形態をとることができる。
【0071】
ハンドコントローラ210は、ユーザインターフェースからユーザ入力コマンドを受信し、一つ以上のモーションセンサからモーション及び/又は方向データを受信し、システム200の設定を表示するためにディスプレイスクリーンを動作させ、受信機220を介して推進制御ユニット230にデータ及び/又はコマンド信号を送信するように構成されたプロセスシステムをさらに含むことができる。
【0072】
ハンドコントローラ210は必ずしもそうではないが、電池式であることが好ましい。ハンドコントローラ210は、例えばリチウムポリマー電池等の電池をさらに含む。必ずしもそうではないが、バッテリは再充電可能なバッテリであることが好ましい。ハンドコントローラ210はさらに、例えばUSBポート及びUSB充電回路等のバッテリを充電するための充電回路を含む。バッテリは、少なくともプロセスシステム及びハンドコントローラ210の表示画面に電力を供給するために使用されてもよい。ハンドコントローラ210は、プロセスシステム、表示画面、及びハンドコントローラ210の任意の他のデバイスに電力を供給するためのバッテリ出力電力を調整又は適当な状態にするための一つ以上の電力変換器をさらに含むことができる。
【0073】
ハンドコントローラ210は、プロセスシステムをオン又はオフにするためのイグニション回路をさらに含んでもよい。イグニション回路は、例えばハウジング内のホール効果センサ等の磁気センサ、及びハンドコントローラ210を起動及び/又は停止させるためにハウジングの外部に取り付けられた一つ以上の磁石を含むことができる。
【0074】
いくつかの例において、受信機220は、ハイドロフォイルボード内に埋め込まれるように構成されてもよい。他の例において、受信機220は、ハイドロフォイルボードに固定されるか、又は取り付けられるように構成されてもよい。いくつかの例において、受信機220は、例えばハイドロフォイルボードの「ノーズ(nose)」等のハイドロフォイルボードの前部又はチップ内に埋め込まれてもよく、又はそれに固定されてもよい。受信機220は、ハウジングを含んでもよい。必ずしも必要ではないが、ハウジングは防水性であることが好ましい。
【0075】
受信機220は、ハンドコントローラ210と通信するための通信ユニットを含むことができる。好ましくは、必ずしも必要ではないが、通信ユニットは、ハンドコントローラ210と無線で通信するように構成された、例えばBluetoothモジュール等の無線通信ユニットとすることができる。受信機220は、無線通信ユニットとハンドコントローラ210との間の無線通信を容易にするために、アンテナをさらに含んでもよい。
【0076】
受信機220は、プロセスシステムをオン又はオフにするためのイグニション回路をさらに含んでもよい。イグニション回路は、例えばハウジング内にホール効果センサ等の磁気センサを含むことができる。受信機220はさらに、例えば受信機220がアクティブであるか非アクティブであるか等の、受信機220の状態の視覚的キューを提供するための発光ダイオード(LED)を含む。
【0077】
一実施形態において、磁石は、ボード上の受信機220内の磁気センサを起動するために使用されるハンドコントローラ210の台尻内に含まれる。これは、ボード電動をアーミングするための安全機能として機能することができる。この同じシステムを使用して、ボードをペアリングモードにすることもできる。ボード上の受信機220上のライトは、ハンドコントローラ接続の状態及び使用状態を示すために、色を変えてもよく、点滅パターンを使用してもよく、いずれも行ってもよい。同様に、ハンドコントローラは、ボードがこのように起動され、アーミングされ、使用の準備が整ったときに、視覚的な表示及び/又は振動を提供することができる。
【0078】
受信機220はさらに、基準の空間フレーム内で受信機220を位置決めするポジショニングシステムを含んでもよい。好ましくは、必ずしも必要ではないが、ポジショニングシステムは、GPS衛星から情報を受信し、受信機220の地理的位置を計算するための、GPS受信機、又はGPSアンテナに接続されたGPSモジュールである。
【0079】
受信機220は、ユーザインターフェースからユーザ入力コマンドを受信し、ポジションニングシステムから位置データを受信し、位置データから受信機220の速度を計算するように構成されたプロセスシステムをさらに含むことができる。プロセスシステムは、LEDを動作させるようにさらに構成される。プロセスシステムは、例示的なプロセスシステム100の形態をとることができる。
【0080】
受信機220はさらに、推進制御ユニット230への有線接続を可能にするコネクタを含んでもよい。いくつかの例において、プロセスシステムは、コネクタによって推進制御ユニット230にデータを送信するようにさらに構成されてもよい。いくつかの例において、推進制御ユニット230がコネクタによって受信機220に電力信号を供給するように構成される。
【0081】
受信機220は、プロセスシステム及び受信機220の任意の他のデバイスに電力を供給するためにコネクタからの電力信号を調整又は適当な状態にするための一つ以上の電力変換器をさらに含むことができる。
【0082】
例えば磁気イグニションスイッチ、GPS及びGPSアンテナ、及びBluetoothアンテナ等の集積構成要素を含む受信機220は、ボードのノーズ/前方部分に配置されてもよい。ボードのノーズ部分は、ユーザがボード上に自分自身を置いたときに、水面より上に留まる可能性がより高い。
【0083】
この配置は、受信機220とハンドコントローラ210との間のより最適な送信、ならびにより良いGPS受信を提供し得る。静止位置であっても、傾斜位置にあるボード上に横たわるユーザは、一般的にボードの正面が水面上に上昇する可能性があるボードの背面に向かってそれ自体を向け、その結果、ボードのノーズ内に受信機220を配置することにより、最初に推進源に動力を供給するときに、より信頼性の高い制御リンクを提供することができる。
【0084】
他のシステムが信号強度をチェックし、信号の強度が十分でない場合、コントローラ接続をオフにすることができるが、これは通常、エラーチェックが組み込まれたデジタル信号が使用されるので、現在のシステムでは必要ではない。
【0085】
推進制御ユニット230は、ハイドロフォイルボード内に収容され、推進源に連結されるように構成することができる。例えば、推進制御ユニットは、ハイドロフォイルボードのプロペラに駆動可能に連結されてもよい。必ずしもそうではないが、推進制御ユニット230は、プロペラが位置するハイドロフォイルボードの尾部に取り付けられることが好ましい。
【0086】
推進制御ユニット230は、プロペラを駆動するためのモータに動作可能に接続されたモータ制御装置を含んでもよい。モータは、三相ブラシレスDCモータであってもよい。
【0087】
推進制御ユニット230はさらに、ハンドコントローラ210からの第1のユーザ入力を受け取るように構成されたプロセスシステムを含んでもよく、推進制御ユニット230の動作の複数のオペレーティングプリセットのうちの1つを選択する。プロセスシステムは、選択された操作するプリセットに従って、モータコントローラによってモータを動作させるようにさらに構成されてもよい。
【0088】
オペレーティングプリセットは、ハンドコントローラ210のユーザインターフェースを介してユーザによって選択されてもよい。オペレーティングプリセットは、ボードの異なる動作スタイルに対応することができる。例えば、そのような1つのオペレーティングプリセットは、前述のようなボードを動作させる方法に対応することができる。
【0089】
推進制御ユニット230はさらに、プロセスシステム、モータコントローラ、及び推進制御ユニット230の任意の他の装置に動力を供給するための、バッテリ及びバッテリ管理システムを含むバッテリモジュールを含んでもよい。推進制御ユニット230は、電池モジュールからの電力信号を調整又は適当な状態にするための一つ以上の電力変換器をさらに含むことができる。
【0090】
推進制御ユニット230は、受信機220のコネクタに接続されたワイヤ又はケーブルを介して受信機220に接続される。推進制御ユニット230のバッテリモジュールはさらに、ワイヤ又はケーブルを通して受信機220に電力を供給するように構成されてもよい。
【0091】
一実施形態において、推進制御ユニット230及び/又は受信機220が例えば、システム200から引き出された情報をハンドコントローラの画面上に表示するために、ハンドコントローラ210と通信することができる。一例として、推進制御ユニット230のバッテリ管理システムは、バッテリ寿命残量及びダイナミックレンジ情報として、ハンドコントローラ210の画面上にそういった出力を提供するように通信することができる。同様に、受信機220と一体化されたGPSは、ボードの速度及び移動距離として、ハンドコントローラ210の画面上にそういった出力を提供するように通信することができる。
【0092】
一実施形態において、第1のユーザが選択したオペレーティングモードは、前述したようなボードを動作させる方法に対応することができる。ユーザは、このオペレーティングモードに従ってボードを使用したい場合、ハンドコントローラのユーザインターフェースを使用してオペレーティングモードを選択することができる。ユーザは、任意で、自分の体重を選択し、推進源が使用されるボードのタイプに関連するパラメータを実行し選択することを望む加速度/動力曲線を構成することもできる。次いで、システム200のプロセスシステムは、これらのユーザ入力を使用して、第1のオペレーティングプリセットの第1及び第2の速度を決定することができる。次いで、乗り手は、第1のオペレーティングモードに従ってボードに乗ることができる。
【0093】
一実施形態において、他のオペレーティングモードを提供することができる。例えば、プリセットを動作させることなく第2のオペレーティングモードが存在してもよく、推進システムに送られる動力は、純粋にハンドコントローラのトリガに応答する。別の言い方をすれば、トリガは、推進源に対するスロットルの調整動力として機能してもよい。しかしながら、このオペレーティングモードにおいて、トリガの動作を、システム200を介した推進源の動力にマッピングする加速度/動力曲線は、ユーザ設定可能であってもよい。ユーザは、自分の好みに応じて特定の加速度曲線を選択することができ、例えば、上級ユーザは積極的な曲線を選択して、乗車体験のスリルを増大させるように、トリガに対する推進源応答を大きくさせることができる。
【0094】
一例として、第2のオペレーティングモードのようにスロットルとなるトリガを介して連続的にではなく、ボードの速度をインクリメンタル/ステップ状に増加又は減少させることができる第3の動作モードがあってもよい。
【0095】
このようなオペレーティングモードは、ギヤード配置に類似していてもよく、ユーザは、推進源及びGPSと通信するようにハンドコントローラ上のボタンを作動させて、ボードの速度を一定速度、上げることができる。その後、ユーザは、ボタンを再び作動させて、ボードの速度を一定速度だけさらに上げることができる。同様に、ユーザは、ボタンを作動させて、ボードを一定速度だけ速度を下げることができる。
【0096】
前述したように、ハンドコントローラは、ボードの速度をインクリメンタルに下げる及び上げるための「-」及び「+」印でマークされたボタンを、都合よく含むことができる。システムは、ボードの動作に便利なように又は望ましいように、10の速度又はギア、20の速度又はギア、又はそれ以上又はそれ以下の速度又はギアを含むことができる。
【0097】
一例において、波モードは、波乗りのための所定の低動力設定に動力を円滑に戻すために「-」ボタンを押す、及び/又は保持することにより、次いで、「+」ボタンをタップして、波モードに入る前から動力をそのレベルにリセットすることにより起動されることができる。
【0098】
さらなる例として、第4のオペレーティングモードがあってもよく、ここでボードの最大速度が第2のオペレーティングモードごとにスロットルとするトリガを介して、この最大値まで連続的に上がる又は下がると共にインクリメンタル/ステップ状で上がる又は下がってもよい。
【0099】
このようなオペレーティングモードは、ギヤード配置に類似していてもよく、ここでユーザは推進源及びGPSと通信するようにハンドコントローラ上のボタンを作動させて、ボードの速度を一定速度、上げることができる。その後、ユーザは、ボタンを再び作動させて、ボードの速度を一定速度だけさらに上げることができる。同様にユーザは、ボタンを作動させて、ボードを一定速度だけ下げることができる。
【0100】
一実施形態において、システムは、関連するボタンの作動に応じてボードが受ける速度の上昇及び低下の量及び速度を変化させることができるように構成可能であってもよい。システム200は、他のオペレーティングモードと同様に、推進制御ユニットが推進源を制御して正しい速度を達成できるように、速度を測定するためにGPSを使用してもよい。
【0101】
本発明の特定の実施形態は、一つ以上のプロセスシステムを使用して実現することができ、その一例が
図4に示されている。具体的には、プロセスシステム100は、一般的に少なくとも一つのプロセッサ102、又は一つ以上の処理ユニット、メモリ104、少なくとも一つの入力装置106、及び少なくとも一つの出力装置108を含み、これらはすべてバス又はバス群110を介して互いに結合されている。特定の実施形態において、入力装置106及び出力装置108は、同じ装置とすることができる。
【0102】
プロセスシステム100を一つ以上の周辺装置に結合するために、インターフェース112を設けることもできる。例えば、インターフェース112は、PCIカード又はPCカードであってもよい。少なくとも一つのデータベース116を収容する少なくとも1つの記憶装置114を設けることもできる。メモリ104は、任意の形態のメモリデバイス、例えば揮発性又は不揮発性メモリ、ソリッドステート記憶デバイス、磁気デバイス等とすることができる。プロセッサ102は例えば、プロセスシステム100内の異なる機能を処理するために、複数の異なる処理装置を含むことができる。
【0103】
入力装置106は、入力データ118を受信し、例えば、キーボード、例えばペンのような装置又はマウス等のポインタ装置、例えばマイクロフォン等の音声制御起動のためのオーディオ受信装置、例えばモデム又は無線データアダプタ等のデータ受信機又はアンテナ、データ取得カード等を含むことができる。入力データ118は、例えばネットワークを介して受信されたデータと共にキーボード命令等の異なるソースからくることができる。
【0104】
出力装置108は、出力データ120を生成又は発生し、例えば出力データ120が視覚的である場合の表示デバイス又はモニタ、出力データ120が印刷される場合のプリンタ、例えばUSBポート等のポート、周辺コンポーネントアダプタ、例えばモデム又はワイヤレスネットワークアダプタ等のデータ送信機又はアンテナを含むことができる。
【0105】
出力データ120は、異なる出力装置、例えば、ネットワークに送信されるデータと共にモニタ上の視覚表示装置から区別され、導出され得る。ユーザは、データ出力又はデータ出力の解釈を、例えば、モニタ上又はプリンタを使用して見ることができる。記憶装置114は、任意の形態のデータ又は情報記憶手段、例えば揮発性又は不揮発性メモリ、ソリッドステート記憶装置、磁気デバイス等とすることができる。
【0106】
使用時において、プロセスシステム100は、有線又は無線通信手段を介して、少なくとも一つのデータベース116にデータ又は情報を記憶及び/又は検索できるように構成される。インターフェース112は、プロセスユニット102と、特殊な目的を果たすことができる周辺コンポーネントとの間の有線及び/又は無線通信を可能にすることができる。
【0107】
プロセッサ102は、入力装置106を介して入力データ118として命令を受け取り、出力装置108を利用することによって、処理された結果又は他の出力をユーザに表示することができる。二つ以上の入力装置106及び/又は出力装置108を設けることができる。プロセスシステム100は、任意の形態の端末、サーバ、特殊なハードウェア等であってもよいことが理解されるべきである。
【0108】
図5を参照すると、ハンドコントローラ210、受信機220、及び推進制御ユニット230のいくつかの付加的な詳細を提供する、システム200の実施形態のブロック図が示されている。
【0109】
図6を参照すると、いくつかの付加的な詳細を提供するハンドコントローラ210の実施形態のブロック図が示されている。
図7を参照すると、いくつかの付加的な詳細を提供する受信機220の一実施形態のブロック図が示されている。
図8を参照すると、推進制御ユニット230の一実施形態のブロック図が示されている。
【0110】
本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者には多くの変形が明らかであろうことが理解されるであろう。全てのそのような変化及び変形は以下に広く記載され、特許請求されるように、本発明の範囲内にあると考えられるべきである。
【0111】
好ましい実施形態の前述の説明では、明確性のために特定の用語を用いた。しかしながら、本発明はそのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、各特定の用語は同様の技術的目的を達成するために同様の方法で動作する全ての技術的等価物を含むことを理解されたい。例えば「前」及び「後」、「内側」及び「外側」、「上」及び「下」等の単語は、基準点を提供するための利便性のある単語として使用され、限定する単語として解釈されるべきではない。
【0112】
本明細書及び以下の主張を通して、文脈が別途必要としない限り、「備える(comprise)」という用語及び例えば「構成する(comprises)」又は「構成する(comprising)」等の変形は、明示された完全体又はステップ又はステップのグループを含めることを意味するが、他の完全体又はステップ又はステップのグループを除外することを意味するものではないと理解されるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【
図1】
図1は、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【
図2】
図2は、ハイドロフォイルボードを動作させるための方法と共に使用するためのハンドコントローラの一実施形態の図を示す。
【
図3】
図3は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムの一実施形態のブロック図を示す。
【
図4】
図4は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するための一例としてのプロセスシステムを示す。
【
図5】
図5は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムの一実施形態のブロック図を示す。
【
図6】
図6は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するためのハンドコントローラの一実施形態のブロック図を示す。
【
図7】
図7は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するための受信機の一実施形態のブロック図を示す。
【
図8】
図8は、ハイドロフォイルボードを動作させるためのシステムと共に使用するための推進制御ユニットの一実施形態のブロック図を示す。