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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】発電制御用入出力モジュール
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
G05B19/042
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021000554
(22)【出願日】2021-01-05
(65)【公開番号】P2022105918
(43)【公開日】2022-07-15
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】添島 康徳
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/162926(WO,A1)
【文献】特開2020-184184(JP,A)
【文献】特開2019-012375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電設備構成機器と外部制御ロジック部との間の通信を行うための通信インターフェースと、
前記発電設備構成機器との間において信号が入力および出力されるように構成された内部制御ロジック部と、
前記外部制御ロジック部と前記通信インターフェースとの間における通信について異常が発生したか否かの診断を行う診断回路と
前記外部制御ロジック部と前記通信インターフェースとの間における通信について前記診断回路が異常の発生有りと判断したとき、前記外部制御ロジック部から前記発電設備構成機器への信号の出力を、前記内部制御ロジック部から前記発電設備構成機器への信号の出力に切り替える切替回路と
を備え
前記内部制御ロジック部は、
第1の出力制御信号を生成する制御信号生成部と、
前記制御信号生成部において生成された第1の出力制御信号と、前記外部制御ロジック部において生成された第2の出力制御信号との間を比較することによって評価する評価部と、
前記評価部が評価した評価結果に基づいて、前記第1の出力制御信号を補正するための補正係数を生成する補正係数生成部と
を有する、
発電制御用入出力モジュール。
【請求項2】
前記発電設備構成機器は、
前記外部制御ロジック部および前記内部制御ロジック部へ入力する信号を出力する第1の発電設備構成機器と、
前記外部制御ロジック部または前記内部制御ロジック部から出力された信号が入力される第2の発電設備構成機器と
を含み、
前記第1の発電設備構成機器と前記通信インターフェースとの間に介在していると共に、前記第1の発電設備構成機器と前記内部制御ロジック部との間に介在している入力回路と、
前記切替回路を介して前記第2の発電設備構成機器と前記通信インターフェースとの間に介在していると共に、前記切替回路を介して前記第2の発電設備構成機器と前記内部制御ロジック部との間に介在している出力回路と
を備え、
前記第1の発電設備構成機器から前記入力回路を介して前記通信インターフェースおよび前記内部制御ロジック部に信号が入力されるように構成され、
前記異常が発生しないと前記診断回路が判断したとき、前記切替回路が前記通信インターフェースから前記出力回路を介して前記第2の発電設備構成機器へ信号を出力し、
前記異常が発生したと前記診断回路が判断したとき、前記切替回路が前記内部制御ロジック部から前記出力回路を介して前記第2の発電設備構成機器へ信号を出力するように構成されており、
前記入力回路および前記出力回路は、交換可能に構成されている、
請求項1に記載の発電制御用入出力モジュール。
【請求項3】
前記通信インターフェースは、他の発電制御用入出力モジュールとの間の通信を行うように構成されている、
請求項1または2に記載の発電制御用入出力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発電制御用入出力モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発電設備は、発電制御装置によって動作が制御される。発電制御装置は、発電制御用入出力モジュールとCPUモジュールとを備えており、発電設備を構成する発電設備構成機器(センサ、アクチュエータなど)とCPUモジュールを構成する制御ロジックとの間の通信が、発電制御用入出力モジュールを介して行われることで制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2017-514246号公報
【文献】特開平9-81201号公報
【文献】特許第2845606号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御ロジックと発電制御用入出力モジュールとの間の通信において異常が発生した場合には、発電設備の動作を適切に制御することが困難な場合がある。複数の制御ロジックを設置した場合であっても、常用の制御ロジックから待機中の制御ロジックへ遷移する間には、制御が停止されるため、発電設備の動作を適切に制御することが容易でない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、通信の異常が発生した場合であっても、発電設備の動作を適切に制御可能な発電制御用入出力モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の発電制御用入出力モジュールは、通信インターフェースと内部制御ロジック部と診断回路と切替回路とを有する。通信インターフェースは、発電設備構成機器と外部制御ロジック部との間の通信を行う。内部制御ロジック部は、発電設備構成機器との間において信号が入力および出力されるように構成されている。診断回路は、外部制御ロジック部と通信インターフェースとの間における通信について異常が発生したか否かの診断を行う。切替回路は、外部制御ロジック部と通信インターフェースとの間における通信について診断回路が異常の発生有りと判断したとき、外部制御ロジック部から発電設備構成機器への信号の出力を、内部制御ロジック部から発電設備構成機器への信号の出力に切り替える。内部制御ロジック部は、第1の出力制御信号を生成する制御信号生成部と、制御信号生成部において生成された第1の出力制御信号と、外部制御ロジック部において生成された第2の出力制御信号との間を比較することによって評価する評価部と、評価部が評価した評価結果に基づいて、第1の出力制御信号を補正するための補正係数を生成する補正係数生成部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態にかかる発電制御装置の概要を模式的に示す図である。
図2図2は、第2実施形態にかかる発電制御装置の概要を模式的に示す図である。
図3図3は、第3実施形態にかかる発電制御装置の概要を模式的に示す図である。
図4図4は、第4実施形態にかかる発電制御用入出力モジュール1aにおいて、内部制御ロジック部30の構成を模式的に示すブロック図である。
図5図5は、第4実施形態の変形例にかかる発電制御用入出力モジュール1aにおいて、内部制御ロジック部30の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
[A]全体構成
図1は、第1実施形態にかかる発電制御装置の概要を模式的に示す図である。
【0009】
図1に示すように、本実施形態の発電制御装置は、複数の発電制御用入出力モジュール1a~1nとCPUモジュール100とを備えており、発電設備(図示省略)を構成する発電設備構成機器の動作を制御することによって発電設備において発電を行うように構成されている。
【0010】
[A-1]発電制御用入出力モジュール1a~1n
本実施形態では、発電制御用入出力モジュール1aは、通信インターフェース10と診断回路20と内部制御ロジック部30と切替回路41と切替回路42と入出力制御回路50とデジタル入力回路61とアナログ入力回路62とデジタル出力回路71とアナログ出力回路72とを有する。図示を省略しているが、一の発電制御用入出力モジュール1a以外の発電制御用入出力モジュール1a~1nも、一の発電制御用入出力モジュール1aと同様に構成されている。発電制御用入出力モジュール1aを構成する各部の詳細について後述する。
【0011】
[A-2]CPUモジュール100
CPUモジュール100は、複数の発電制御用入出力モジュール1a~1nのそれぞれから信号が入力されると共に、複数の発電制御用入出力モジュール1a~1nのそれぞれに信号を出力するように構成されている。
【0012】
CPUモジュール100は、外部制御ロジック部101を有する。外部制御ロジック部101は、演算器(図示省略)とメモリ装置(図示省略)とを含み、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うように構成されている。たとえば、外部制御ロジック部101は、入力された入力信号と、制御のために出力する出力信号とを関連付けた関数やルックアップテーブルなどを用いて、入力信号に応じて出力信号を出力するように構成されている。
【0013】
外部制御ロジック部101は、たとえば、発電設備(図示省略)を構成する発電設備構成機器が出力した信号が、複数の発電制御用入出力モジュール1a~1nのそれぞれを介して入力信号として入力される。外部制御ロジック部101は、各部から入力された入力信号に基づいて、発電設備を制御するための制御信号を生成する。外部制御ロジック部101において生成された制御信号は、CPUモジュール100から複数の発電制御用入出力モジュール1a~1nのそれぞれを介して、発電設備(図示省略)を構成する発電設備構成機器に出力信号として出力される。
【0014】
[A-3]発電設備構成機器
発電設備構成機器は、たとえば、故障接点201、センサ202、リレー211、および、アクチュエータ212である。
【0015】
故障接点201およびセンサ202は、外部制御ロジック部101および内部制御ロジック部30へ入力する信号を出力するための機器(第1の発電設備構成機器)である。故障接点201は、デジタル機器であって、センサ202は、アナログ機器である。故障接点201は、故障に関して検知したデータを信号S201として出力する。センサ202は、たとえば、弁の開度に関して検知したデータを信号S202として出力する。
【0016】
リレー211およびアクチュエータ212は、外部制御ロジック部101または内部制御ロジック部30から出力された信号が各部を介して入力されるための機器(第2の発電設備構成機器)である。リレー211は、デジタル機器であって、アクチュエータ212は、アナログ機器である。リレー211はデジタル出力回路71が出力する信号S71に基づいてスイッチング動作を実行することによって、電力の出力を行うように構成されている。アクチュエータ212は、アナログ機器であって、アナログ出力回路72が出力する信号S72に基づいて駆動するように構成されている。
【0017】
[B]発電制御用入出力モジュール1aの詳細構成
発電制御用入出力モジュール1aを構成する各部の詳細について順次説明する。
【0018】
[A-1]通信インターフェース10
通信インターフェース10は、発電制御用入出力モジュール1aの外部に設けられている外部制御ロジック部101との間の通信を行うように構成されている。
【0019】
また、通信インターフェース10は、切替回路41に信号S10aを出力すると共に、切替回路42に信号S10bを出力するように構成されている。そして、通信インターフェース10は、内部制御ロジック部30に信号S10cを出力すると共に、診断回路20に信号S10dを出力するように構成されている。
【0020】
[A-2]診断回路20
診断回路20は、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うように構成されている。診断回路20は、通信インターフェース10から出力された信号S10dが入力される。そして、診断回路20は、切替回路41および切替回路42に信号S20aを出力する他に、通信インターフェース10に信号S20bを出力する。
【0021】
本実施形態においては、診断回路20は、通信インターフェース10に信号S20bを出力した後に通信インターフェース10から入力される信号S10dの結果に基づいて、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常(通信停止を含む)が発生したか否かの診断を行う。たとえば、通信インターフェース10に信号S20bを出力した後に通信インターフェース10から信号S10dが入力されない場合には、異常が発生した状態であると診断回路20が判断する。そして、診断回路20は、たとえば、通信の異常が発生した状態であると判断したときに、信号S20aを切替回路41および切替回路42に出力する。
【0022】
[A-3]内部制御ロジック部30
内部制御ロジック部30は、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うように構成されている。たとえば、内部制御ロジック部30は、入力された入力信号と、制御のために出力する出力信号とを関連付けた関数やルックアップテーブルなどを用いて、入力信号に応じて出力信号を出力するように構成されている。
【0023】
本実施形態では、内部制御ロジック部30は、入出力制御回路50から出力された信号S50aおよび信号S50bが入力される。そして、内部制御ロジック部30は、切替回路41に信号S30aを出力すると共に、切替回路42に信号S30bを出力する。
【0024】
内部制御ロジック部30は、入力された信号S50aおよび信号S50bに基づいて演算処理を行うことによって、リレー211の動作およびアクチュエータ212の動作を制御するための制御信号を生成し、その制御信号を信号S30aおよび信号S30bとして出力する。
【0025】
この他に、内部制御ロジック部30は、通信インターフェース10から出力された信号S10cが入力されると共に、通信インターフェース10に信号S30cを出力する。
【0026】
[A-4]切替回路41,切替回路42
切替回路41は、スイッチを含むように構成されている。切替回路41は、診断回路20が出力した信号S20aおよび通信インターフェース10が出力した信号S10aが入力されると共に、内部制御ロジック部30が出力した信号S30aが入力される。また、切替回路41は、入出力制御回路50に信号S41を出力する。
【0027】
切替回路41は、診断回路20が出力した信号S20aに応じて、通信インターフェース10が出力した信号S10aと内部制御ロジック部30が出力した信号S30aとの一方を、入出力制御回路50に信号S41として出力する。
【0028】
たとえば、通信の異常が発生したと診断回路20が判断し、診断回路20から信号S20aが切替回路41に入力されたときには、内部制御ロジック部30が出力した信号S30aを切替回路41が入出力制御回路50に信号S41として出力する。これに対して、通信の異常がないと診断回路20が判断し、診断回路20から信号S20aが切替回路41に入力されないときには、通信インターフェース10から出力された信号S10a(外部制御ロジック部101が出力した制御信号)を切替回路41が入出力制御回路50に信号S41として出力する。
【0029】
切替回路42は、切替回路41と同様に、スイッチを含むように構成されている。切替回路42は、診断回路20が出力した信号S20aおよび通信インターフェース10が出力した信号S10bが入力されると共に、内部制御ロジック部30が出力した信号S30bが入力される。また、切替回路42は、入出力制御回路50に信号S42を出力する。
【0030】
切替回路42は、診断回路20が出力した信号S20aに応じて、通信インターフェース10が出力した信号S10bと内部制御ロジック部30が出力した信号S30bとの一方を、入出力制御回路50に信号S42として出力する。
【0031】
たとえば、通信の異常が発生したと診断回路20が判断し、診断回路20から信号S20aが切替回路42に入力されたときには、内部制御ロジック部30が出力した信号S30bを切替回路42が入出力制御回路50に信号S42として出力する。これに対して、通信の異常がないと診断回路20が判断し、診断回路20から信号S20aが切替回路42に入力されないときには、通信インターフェース10から出力された信号S10b(外部制御ロジック部101が出力した制御信号)を切替回路42が入出力制御回路50に信号S42として出力する。
【0032】
[A-5]入出力制御回路50
入出力制御回路50は、レジスタであって、デジタル入力回路61から入力された信号S61を内部制御ロジック部30に信号S50aとして出力すると共に、アナログ入力回路62から入力された信号S62を内部制御ロジック部30に信号S50bとして出力するように構成されている。
【0033】
また、入出力制御回路50は、切替回路41から入力された信号S41をデジタル出力回路71に信号S50cとして出力すると共に、切替回路42から入力された信号S42をアナログ出力回路72に信号S50dとして出力する。
【0034】
[A-6]デジタル入力回路61,アナログ入力回路62
デジタル入力回路61(入力回路)は、たとえば、フィルタ回路を含み、故障接点201から入力された信号S201(デジタル信号)を入出力制御回路50に信号S61(デジタル信号)として出力するように構成されている。
【0035】
アナログ入力回路62(入力回路)は、たとえば、フィルタ回路を含み、センサ202から入力された信号S202(アナログ信号)を入出力制御回路50に信号S62(デジタル信号)として出力するように構成されている。
【0036】
[A-7]デジタル出力回路71,アナログ出力回路72
デジタル出力回路71(出力回路)は、たとえば、フィルタ回路を含み、入出力制御回路50から入力された信号S50c(デジタル信号)をリレー211に信号S71(デジタル信号)として出力するように構成されている。
【0037】
アナログ出力回路72(出力回路)は、たとえば、フィルタ回路を含み、入出力制御回路50から入力された信号S50d(デジタル信号)をアクチュエータ212に信号S72(アナログ信号)として出力するように構成されている。
【0038】
[C]動作
上記した発電制御用入出力モジュール1aの動作について説明する。
【0039】
上述したように、発電制御用入出力モジュール1aにおいては、故障接点201からデジタル入力回路61に入力された信号S201は、デジタル入力回路61から入出力制御回路50に信号S61として入力される。また、センサ202からアナログ入力回路62に入力された信号S202が、アナログ入力回路62から入出力制御回路50に信号S62として入力される。
【0040】
入出力制御回路50に入力された信号S61は、入出力制御回路50から通信インターフェース10および内部制御ロジック部30に信号S50aとして出力される。また、入出力制御回路50に入力された信号S62は、入出力制御回路50から通信インターフェース10および内部制御ロジック部30に信号S50bとして出力される。
【0041】
通信インターフェース10に入力された信号S61および信号S62は、通信インターフェース10から外部制御ロジック部101に出力される。外部制御ロジック部101においては、入力信号(信号S61、信号S62など)に基づいて、リレー211の動作およびアクチュエータ212の動作を制御するための制御信号が生成され、その制御信号が通信インターフェース10に出力される。外部制御ロジック部101から通信インターフェース10に出力された制御信号は、通信インターフェース10から信号S10aおよび信号S10bとして切替回路41および切替回路42に出力される。
【0042】
内部制御ロジック部30においても、入力された信号S50aおよび信号S50bに基づいて、リレー211の動作およびアクチュエータ212の動作を制御するための制御信号が生成され、その制御信号が内部制御ロジック部30から信号S30aおよび信号S30bとして切替回路41および切替回路42に出力される。
【0043】
外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常が発生していないと診断回路20が判断した場合(通常時)には、上述したように、診断回路20から信号S20aが切替回路41および切替回路42に入力されない。このとき、切替回路41は、通信インターフェース10から出力された信号S10aを入出力制御回路50に信号S41として出力する。また、切替回路42は、通信インターフェース10から出力された信号S10bを入出力制御回路50に信号S42として出力する。
【0044】
これに対して、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常が発生していると診断回路20が判断した場合(異常時)には、上述したように、診断回路20から信号S20aが切替回路41および切替回路42に入力される。このとき、切替回路41は、内部制御ロジック部30から出力された信号S30aを入出力制御回路50に信号S41として出力する。また、切替回路42は、内部制御ロジック部30から出力された信号S30bを入出力制御回路50に信号S42として出力する。
【0045】
切替回路41から入出力制御回路50に出力された信号S41は、デジタル出力回路71に信号S50cとして出力される。そして、デジタル出力回路71に出力された信号S50cは、デジタル出力回路71からリレー211に信号S71として出力される。切替回路42から入出力制御回路50に出力された信号S42は、アナログ出力回路72に信号S50dとして出力される。そして、アナログ出力回路72に出力された信号S50dは、アナログ出力回路72からアクチュエータ212に信号S72として出力される。
【0046】
[D]まとめ
以上のように、本実施形態の発電制御用入出力モジュール1aにおいて、通信インターフェース10は、発電設備構成機器(リレー211、アクチュエータ212、故障接点201、センサ202など)と外部制御ロジック部101との間の通信を行うために設置されている。診断回路20は、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常が発生したか否かの診断を行うために設置されている。内部制御ロジック部30は、発電設備構成機器との間において信号が入力および出力されるように構成されている。
【0047】
デジタル入力回路61およびアナログ入力回路62は、発電設備構成機器(故障接点201、センサ202)と通信インターフェース10との間に介在していると共に、発電設備構成機器(故障接点201、センサ202)と内部制御ロジック部30との間に介在している。デジタル出力回路71およびアナログ出力回路72は、切替回路41,42を介して、発電設備構成機器(リレー211,アクチュエータ212)と通信インターフェース10との間に介在していると共に、切替回路41,42を介して、発電設備構成機器(リレー211,アクチュエータ212)と内部制御ロジック部30との間に介在している。
【0048】
切替回路41および切替回路42は、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について診断回路20が異常の発生有りと判断したとき、外部制御ロジック部101から発電設備構成機器(リレー211,アクチュエータ212)への信号の出力を、内部制御ロジック部30から発電設備構成機器(リレー211,アクチュエータ212)への信号の出力に切り替える。
【0049】
このため、本実施形態では、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常が発生した場合であっても、内部制御ロジック部30が出力する制御信号によって、発電設備の動作を適切に制御可能である。つまり、発電制御用入出力モジュール1a単体での制御によって発電設備の動作を継続することができる。
【0050】
[E]変形例
上記の実施形態では、発電設備構成機器として、リレー211、アクチュエータ212、故障接点201、センサ202を含む場合について説明したが、これに限らない。リレー211、アクチュエータ212、故障接点201、センサ202以外の機器を、発電設備構成機器として含む場合において、上記の実施形態で示した発電制御用入出力モジュール1aを用いてもよい。
【0051】
<第2実施形態>
[A]構成
図2は、第2実施形態にかかる発電制御装置の概要を模式的に示す図である。
【0052】
図2に示すように、本実施形態においては、デジタル入力回路61、アナログ入力回路62、デジタル出力回路71、および、アナログ出力回路72は、交換可能に構成されている。この点、および、関連する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様に構成されている。このため、重複する部分に関しては説明を省略する。
【0053】
[B]まとめ
本実施形態では、発電設備構成機器を別の機器に変更する場合であっても、デジタル入力回路61、アナログ入力回路62、デジタル出力回路71、および、アナログ出力回路72の交換によって対応可能である。
【0054】
<第3実施形態>
[A]構成
図3は、第3実施形態にかかる発電制御装置の概要を模式的に示す図である。
【0055】
図3に示すように、本実施形態においては、発電制御用入出力モジュール1aの通信インターフェース10の構成の一部が、第2実施形態の場合(図2参照)と異なっている。この点、および、関連する点を除き、本実施形態は、第2実施形態と同様に構成されている。このため、重複する部分に関しては説明を省略する。
【0056】
本実施形態において、発電制御用入出力モジュール1aの通信インターフェース10は、相互通信部11を含む。相互通信部11は、他の発電制御用入出力モジュール1b~1nとの間の通信を行うインターフェースである。
【0057】
このため、本実施形態では、他の発電制御用入出力モジュール1b~1nを介して他の発電設備構成機器から相互通信部11に信号が入力される。相互通信部11に入力された信号は、通信インターフェース10から信号S10cとして内部制御ロジック部30に入力される。
【0058】
本実施形態において、内部制御ロジック部30は、より多くの情報に基づいて、リレー211の動作およびアクチュエータ212の動作を制御するための制御信号を生成することができる。
【0059】
[B]まとめ
したがって、本実施形態では、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常が発生した場合であっても、内部制御ロジック部30が出力する高精度な制御信号によって、発電設備の動作をより適切に制御可能である。
【0060】
<第4実施形態>
[A]構成
図4は、第4実施形態にかかる発電制御用入出力モジュール1aにおいて、内部制御ロジック部30の構成を模式的に示すブロック図である。
【0061】
図4に示すように、本実施形態の内部制御ロジック部30は、第3実施形態の場合(図3参照)と異なる。この点、および、関連する点を除き、本実施形態は、第3実施形態の場合と同様である。このため、重複する事項については、適宜、説明を省略する。
【0062】
本実施形態において、内部制御ロジック部30は、図4に示すように、制御信号生成部31と評価部32と補正係数生成部33とを有する。
【0063】
制御信号生成部31は、たとえば、センサ202の検知結果に応じて入力された信号S50bに基づいて、アクチュエータ212の動作を制御するための信号S30b(第1の出力制御信号)を生成して出力する。たとえば、制御信号生成部31は、信号S50bと、制御のために出力する信号S30bとを関連付けた関数やルックアップテーブルなどを用いて、入力された信号S50bに応じて信号S30bを出力する。
【0064】
評価部32は、制御信号生成部31において生成された信号S30bが入力される。これと共に、評価部32には、通信インターフェース10から信号S10c(第2の出力制御信号)が入力される。通信インターフェース10から評価部32に入力される信号S10cは、センサ202の検知結果に応じて入力された信号S50bに基づいて、外部制御ロジック部101がアクチュエータ212の動作を制御するために生成した制御信号である。評価部32は、制御信号生成部31から入力された信号S30bと、通信インターフェース10を経由して外部制御ロジック部101から入力された信号S10cとの間を比較することによって評価する。
【0065】
補正係数生成部33は、評価部32が評価した評価結果に基づいて、制御信号生成部31において生成された信号S30bを補正するための補正係数を生成する。
【0066】
制御信号生成部31には、入力された信号S50bに対応する補正係数が補正係数生成部33から信号S33として入力され、出力する信号S30bの補正に用いられる。
【0067】
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、内部制御ロジック部30が制御のために切替回路42に出力する信号S30bを、外部制御ロジック部101が制御のために切替回路42に出力する信号S50bへ、補正によって近付けることができる。つまり、学習機能によって、内部制御ロジック部30の制御を外部制御ロジック部101の制御に近付けることができる。
【0068】
したがって、本実施形態では、外部制御ロジック部101と通信インターフェース10との間における通信について異常が発生した場合であっても、内部制御ロジック部30が出力する高精度な制御信号によって、発電設備の動作をより適切に制御可能である。
【0069】
なお、図4では、理解を容易にするために、内部制御ロジック部30において、入力された信号S50bに基づいて、制御のための信号S30bを生成し出力する場合を例示している。図3において内部制御ロジック部30に入力される信号S50a、および、内部制御ロジック部30から出力される信号S30bについては、図4では省略している。しかし、当然ながら、入力された信号S50aおよび信号S50bに基づいて、制御のための信号S30aおよび信号S30bを、内部制御ロジック部30が上記と同様に生成して出力してもよい。
【0070】
[C]変形例
上記の実施形態では、外部制御ロジック部101および内部制御ロジック部30が、
測定値を目標値と比較し、測定値と目標値とを一致させるように動作を制御するフィードバック制御を行う場合について説明したが、これに限らない。外部制御ロジック部101および内部制御ロジック部30は、予め定められた順序に従って制御を進めるシーケンス制御を行うように構成されていてもよい。
【0071】
図5は、第4実施形態の変形例にかかる発電制御用入出力モジュール1aにおいて、内部制御ロジック部30の構成を模式的に示すブロック図である。
【0072】
図5に示すように、
本変形例の内部制御ロジック部30において、制御信号生成部31には、評価部32と同様に、通信インターフェース10から信号S10cが入力される。通信インターフェース10から入力される信号S10cは、シーケンス制御を行うために、外部制御ロジック部101が出力した制御信号である。制御信号生成部31は、入力された信号S10cに応じて、たとえば、アクチュエータ212の動作を制御するための信号S30b(第1の出力制御信号)を生成して出力する。ここでは、制御信号生成部31は、予測時間における信号S10cのパターンから、予測時間後の継続時間において制御を行うための信号S30bのパターンを予測して出力する。
【0073】
本変形例においても、評価部32は、上記の実施形態の場合と同様に、制御信号生成部31から入力された信号S30bと、通信インターフェース10を経由して外部制御ロジック部101から入力された信号S10cとの間を比較することによって評価を行う。そして、補正係数生成部33は、評価部32が評価した評価結果に基づいて、制御信号生成部31において生成された信号S30bを補正するための補正係数を生成する。制御信号生成部31には、入力された信号S10bに対応する補正係数が補正係数生成部33から信号S33として入力され、出力する信号S30bの補正に用いられる。
【0074】
以上のように、本変形例では、シーケンス制御を行う際に、通信の異常が発生した場合であっても、上記の実施形態の場合と同様に、内部制御ロジック部30が出力する高精度な制御信号によって、発電設備の動作をより適切に制御可能である。
【0075】
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1a~1n:発電制御用入出力モジュール、10:通信インターフェース、11:相互通信部、20:診断回路、30:内部制御ロジック部、31:制御信号生成部、32:評価部、33:補正係数生成部、41:切替回路、42:切替回路、50:入出力制御回路、61:デジタル入力回路、62:アナログ入力回路、71:デジタル出力回路、72:アナログ出力回路、100:CPUモジュール、101:外部制御ロジック部、201:故障接点、202:センサ、211:リレー、212:アクチュエータ
図1
図2
図3
図4
図5