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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】袋搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/54 20060101AFI20240415BHJP
   B65B 43/50 20060101ALI20240415BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
B65B43/54 D
B65B43/50
B65B57/02 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021021075
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123642
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】福永 一生
(72)【発明者】
【氏名】森野 学
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-006384(JP,A)
【文献】特開2010-149262(JP,A)
【文献】特開2002-370188(JP,A)
【文献】特開昭59-024986(JP,A)
【文献】特開2017-177294(JP,A)
【文献】特開平06-156440(JP,A)
【文献】特開2009-298418(JP,A)
【文献】特開平05-193629(JP,A)
【文献】特開2002-239209(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0135651(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を把持しつつ当該袋が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って前記袋を移送する把持移送部であって、複数の袋を順次移送する把持移送部と、
前記把持移送部により移送されている前記袋の状態の異常を検出する異常状態検出装置と、
前記把持移送部が前記袋に及ぼす把持力を、前記異常状態検出装置の検出結果に基づいて調整する把持制御部と、を備え、
前記把持移送部は、付与される駆動電流量に応じて出力を変える把持駆動部を有し、前記把持駆動部からの出力に応じて前記把持力が変わり、
前記把持制御部は、前記異常状態検出装置が前記異常を検出した第1の袋を把持するための前記駆動電流量よりも、前記第1の袋よりも後に前記エンドレス経路に沿って移送される第2の袋を把持するための前記駆動電流量が大きくなるように、前記把持駆動部を制御する袋搬送装置。
【請求項2】
前記複数の処理ステーションは、前記袋に内容物が投入される内容物投入ステーションを含み、
前記異常状態検出装置は、前記袋に前記内容物が投入された後の前記袋の状態の前記異常を検出する請求項に記載の袋搬送装置。
【請求項3】
袋を把持しつつ当該袋が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って移動する把持移送部を備え、
前記把持移送部は、
前記袋を挟む第1袋接触部及び第2袋接触部と、
前記第1袋接触部を移動させて、前記第1袋接触部と前記第2袋接触部との間の間隔を変える接触移動部と、を有し、
前記第1袋接触部及び前記第2袋接触部が前記袋を挟んでいる状態で、前記袋にかかる重力に応じた力が前記第1袋接触部にかかり、前記第1袋接触部にかかる当該力に応じて前記第1袋接触部及び前記第2袋接触部が前記袋に及ぼす把持力が変わり、
前記把持移送部は、回転軸部と、前記回転軸部を中心に揺動する揺動体と、を有し、
前記第1袋接触部は、前記揺動体に設けられ、前記揺動体の揺動に応じて前記回転軸部を中心とした円軌道に沿って移動し、
前記第1袋接触部及び前記第2袋接触部が前記袋を挟んでいる状態で、前記第1袋接触部は、前記袋から重力方向の力を受けることによって、前記回転軸部を中心とした正回転方向であって前記第2袋接触部に向かう方向に力がかかる、袋搬送装置。
【請求項4】
前記接触移動部は、
前記揺動体に対し、前記回転軸部を中心とした前記正回転方向への力を加える弾性体と、
前記揺動体に対し、前記回転軸部を中心とした逆回転方向への力を加える押圧部と、を有する請求項に記載の袋搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、袋搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
袋の両側縁部を把持しつつ当該袋を搬送する装置が、袋を使った様々な処理システム(例えば包装処理システム)で用いられている(特許文献1~特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-156440号公報
【文献】特開2009-298418号公報
【文献】実開平5-84613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
把持力が弱い場合、袋が把持装置から意図せずに落下する懸念がある。一方、長時間にわたって強い力で袋を把持し続ける場合、袋が傷ついてしまう懸念がある。そのため適度な大きさの把持力で袋を把持し、強い力で袋を把持する必要がある場合には、そのような強い力で袋を把持する時間を可能な限り短くすることが望ましい。
【0005】
その一方で、袋を把持するのに必要な把持力の適度な大きさは必ずしも一定しない。例えば、袋搬送中に袋内に内容物が投入される場合、内容物投入後の袋を把持するのに必要な把持力は、内容物投入前の袋を把持するのに必要な把持力よりも大きくなる。
【0006】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、状況に応じた把持力で袋を把持し、把持に伴う袋の損傷を抑えるのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、袋を把持しつつ当該袋が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って袋を移送する把持移送部と、把持移送部が袋に及ぼす把持力を、エンドレス経路における袋の位置に応じて調整する把持制御部と、を備える袋搬送装置に関する。
【0008】
複数の処理ステーションは、袋に内容物が投入される内容物投入ステーションを含み、把持制御部は、内容物投入ステーションにおいて袋に内容物が投入される前に袋が把持移送部とともに移動する区間の少なくとも一部において把持移送部が袋に及ぼす把持力が、内容物投入ステーションにおいて袋に内容物が投入される間に把持移送部が袋に及ぼす把持力よりも小さくなるように、把持力を調整してもよい。
【0009】
把持移送部は、エアーシリンダを含み、当該エアーシリンダの出力に応じて把持力を変え、把持制御部は、エアーシリンダの出力を調整してもよい。
【0010】
本開示の他の態様は、袋を把持しつつ当該袋が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って袋を移送する把持移送部であって、複数の袋を順次移送する把持移送部と、把持移送部により移送されている袋の状態の異常を検出する異常状態検出装置と、把持移送部が袋に及ぼす把持力を、異常状態検出装置の検出結果に基づいて調整する把持制御部と、を備え、把持移送部は、付与される駆動電流量に応じて出力を変える把持駆動部を有し、把持駆動部からの出力に応じて把持力が変わり、把持制御部は、異常状態検出装置が異常を検出した第1の袋を把持するための駆動電流量よりも、第1の袋よりも後にエンドレス経路に沿って移送される第2の袋を把持するための駆動電流量が大きくなるように、把持駆動部を制御する袋搬送装置に関する。
【0011】
複数の処理ステーションは、袋に内容物が投入される内容物投入ステーションを含み、異常状態検出装置は、袋に内容物が投入された後の袋の状態の異常を検出してもよい。
【0012】
本開示の他の態様は、袋を把持しつつ当該袋が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って移動する把持移送部を備え、把持移送部は、袋を挟む第1袋接触部及び第2袋接触部と、第1袋接触部を移動させて、第1袋接触部と第2袋接触部との間の間隔を変える接触移動部と、を有し、第1袋接触部及び第2袋接触部が袋を挟んでいる状態で、袋にかかる重力に応じた力が第1袋接触部にかかり、第1袋接触部にかかる当該力に応じて第1袋接触部及び第2袋接触部が袋に及ぼす把持力が変わる袋搬送装置に関する。
【0013】
把持移送部は、回転軸部と、回転軸部を中心に揺動する揺動体と、を有し、第1袋接触部は、揺動体に設けられ、揺動体の揺動に応じて回転軸部を中心とした円軌道に沿って移動し、第1袋接触部及び第2袋接触部が袋を挟んでいる状態で、第1袋接触部は、袋から重力方向の力を受けることによって、回転軸部を中心とした正回転方向であって第2袋接触部に向かう方向に力がかかってもよい。
【0014】
接触移動部は、揺動体に対し、回転軸部を中心とした正回転方向への力を加える弾性体と、揺動体に対し、回転軸部を中心とした逆回転方向への力を加える押圧部と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、状況に応じた把持力で袋を把持し、把持に伴う袋の損傷を抑えるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、包装システムの一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るグリッパーの一例を示す部分断面図である。
図3図3は、図2に示すグリッパーを2つ具備するグリッパーユニットを示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る包装システムの制御構成(特にグリッパーユニットによる袋の把持動作に関する制御構成)の一例を示すブロック図である。
図5図5は、第2実施形態に係るグリッパーユニットの一例を示す図である。
図6図6は、第2実施形態に係る包装システムの制御構成(特にグリッパーユニットによる袋の把持動作に関する制御構成)の一例を示すブロック図である。
図7図7は、第3実施形態に係るグリッパーユニットの一例を示す図である。
図8図8は、図7に示すグリッパーの拡大側方図である。
図9図9は、図8において符号「X」で示す方向から見たグリッパーの正面図である。
図10図10は、グリッパーの把持動作を説明する図である。
図11図11は、グリッパーの把持動作を説明する図である。
図12図12は、グリッパーの把持動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、包装システム10の一例を示す斜視図である。
【0019】
図1に示す包装システム10は、回転テーブル80、複数のグリッパーユニット81、印刷装置(図示省略)、開口装置83、投入装置84、液体充填装置85、シール装置11(加熱装置86及び冷却装置87を含む)、放出ユニット88、及びシステム制御部(図示省略)を備える。包装システム10に含まれる各種機器は、システム制御部の制御下で、包装処理及びその他の処理を適切に実施するように動作する。
【0020】
回転テーブル80は、その中心軸線を中心に回転方向Drへ間欠的に回転する。回転テーブル80の外周部には、複数のグリッパーユニット81(図示の例では10個のグリッパーユニット81)が、回転方向Drに関して等間隔に取り付けられている。グリッパーユニット81の数は、グリッパーユニット81が間欠的に停止させられるステーションの数に等しい。
【0021】
各グリッパーユニット81は2つのグリッパーを含む。袋90の両側部が2つのグリッパーにより把持されることで、当該袋90が対応のグリッパーユニット81によって支持される。
【0022】
袋90は、矩形シート状の表側壁部及び裏側壁部を有する。表側壁部及び裏側壁部は、周縁の4辺のうちの3辺においてお互いに結合されてシールされており、他の一辺において開閉自在の口部を有する。図1に示す例では、各袋90は、口部が上方に向けられた状態で、対応のグリッパーユニット81により支持される。
【0023】
各グリッパーユニット81は、回転テーブル80の回転に応じて間欠的に移動し、複数のステーションにおいて間欠的に停止される。図示の例では、10個のステーションS1~S10が、各グリッパーユニット81及び袋90の移送方向(すなわち回転方向Dr)に関して上流側から下流側に向けて順次設けられている。
【0024】
第1ステーションS1に配置されたグリッパーユニット81は、袋供給装置82を介して新たな袋90が供給され、当該袋90を支持する。袋供給装置82は、コンベアマガジン12に貯留されている袋90を一枚ずつ吸着し、吸着した袋90をコンベアマガジン12から取り出して、第1ステーションS1に位置するグリッパーユニット81に渡す。
【0025】
第2ステーションS2に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90は、図示しない印刷装置によって所定の情報が印刷される。第2ステーションS2における印刷方法、印刷タイミング、及び印刷情報の内容は、限定されない。例えば製造年月日、消費期限及び製造工場等に関する情報が、印刷装置により袋90に印刷されてもよい。
【0026】
第3ステーションS3に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90は、開口装置83によってその口部が開かれる。図示の開口装置83は、袋90の開口状態を維持しつつ、当該袋90に追従して第3ステーションS3から第4ステーションS4に移動する。
【0027】
第4ステーションS4に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90の内側には、投入装置84によって固形状の内容物が投入される。図示の投入装置84はホッパーを具備し、当該ホッパーの下方端部が口部を介して袋90の内部に挿入され、内容物が投入される。袋90にホッパーが挿入されている状態で、開口装置83は、当該袋90から退避し、第3ステーションS3に戻る。ホッパーは、袋90に内容物を投入した後、袋90の内部から退避する。
【0028】
第5ステーションS5に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90は、液体充填装置85によって液状の内容物(すなわち液体)が注入される。図示の液体充填装置85はノズルを具備し、当該ノズルを介して内容物が袋90の内側に注入される。
【0029】
第6ステーションS6及び第7ステーションS7は、空きステーションである。第6ステーションS6及び第7ステーションS7の各々に配置された袋90は、特に処理を受けない。
【0030】
第8ステーションS8に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90は、加熱装置86によって、ヒートシールのための加熱処理が施される。第9ステーションS9に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90は、冷却装置87によって、ヒートシールのための冷却処理が施される。このようにシール装置11は加熱装置86及び冷却装置87を含み、シール装置11により行われるヒートシール処理は加熱処理及び冷却処理を含む。
【0031】
冷却処理後の袋90(すなわち製品体93)は、第9ステーションS9に配置されている間にグリッパーユニット81の支持から解放される。グリッパーユニット81から解放された製品体93は、落下し、放出ユニット88により案内されて後段に送られる。
【0032】
第10ステーションS10は、不良を有する袋90を排出するためのステーションである。図示しない不良検出センサの検出結果から不良を有すると判定された袋90は、第9ステーションS9においてグリッパーユニット81の支持から解放されず(すなわち放出ユニット88に向けて放出されず)、第10ステーションS10においてグリッパーユニット81の支持から解放されて外部に排出される。
【0033】
不良検出センサの検出結果はシステム制御部に送られる。システム制御部は、不良検出センサの検出結果に応じて、グリッパーユニット81と、包装システム10を構成する他のデバイスとを制御することが可能である。なお不良検出センサの構成及び設置位置は限定されない。例えば、第1ステーションS1に配置されたグリッパーユニット81により支持されている袋90の位置(例えば上方端部位置)を検出する光学センサによって、不良検出センサを構成してもよい。不良を有すると判定された袋90に対しては、システム制御部の制御下で、第2ステーションS2~第9ステーションS9で行われる処理がスキップされてもよい。この場合、第10ステーションS10において排出された袋90を再利用することも可能である。
【0034】
図1に示す包装システム10では、回転テーブル80及び複数のグリッパーユニット81を含むユニットが、「袋90を把持しつつ当該袋90が複数の処理ステーションを通過するように、無端状の搬送経路(すなわちエンドレス経路)に沿って袋90を移送する把持移送部」を構成する。
【0035】
[グリッパーユニット]
次に、グリッパーユニット81の一例について説明する。
【0036】
図2は、第1実施形態に係るグリッパー20の一例を示す部分断面図である。図3は、図2に示すグリッパー20を2つ具備するグリッパーユニット81を示す図である。
【0037】
図2図3に示すグリッパー20は、回転テーブル80(図1参照)に取り付けられる揺動レバー21と、アーム固定部24により揺動レバー21に固定されたグリッパーアーム25と、支持軸41を介してグリッパーアーム25に揺動自在に取り付けられた把持揺動部36とを有する。
【0038】
揺動レバー21にはばねフック22が設けられ、ばねフック22には引っ張りばね23が取り付けられる。
【0039】
グリッパーアーム25の内側にはグリッパーエアーシリンダ26が設置される。グリッパーエアーシリンダ26のエアーシリンダ本体部26bには、第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bを介してエアー配管28が接続されている。第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bからエアーシリンダ本体部26bに供給されるエアーの圧力に応じて、エアーシリンダ本体部26bからの突出ロッド26aの突出量が変わる。具体的には、第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bのそれぞれを介して供給されるエアーの圧力差に応じて、突出ロッド26aの突出量が変わる。
【0040】
グリッパーアーム25に形成された切欠部29(すなわちグリッパーアーム25の外側と内側とをつなぐ貫通孔)が、エアーシリンダ本体部26bに対面する。エアーシリンダ本体部26bにはエアーシリンダ回転防止具30が取り付けられている。エアーシリンダ回転防止具30は、第1エアー配管継手27aの内側に向かって延び、グリッパーエアーシリンダ26の回転動を防ぐ。グリッパーアーム25の内側にはエアーシリンダスライド防止具31が設置されている。エアーシリンダスライド防止具31は、グリッパーアーム25の内側の段差部とエアーシリンダ本体部26bとの間に位置し、当該段差部によって移動が制限され、グリッパーエアーシリンダ26の水平移動を制限する。
【0041】
突出ロッド26aには、連結部材32が取り付けられている。連結部材32には、第1連結軸33を介して連結リンク35が取り付けられている。第1連結軸33は、突出ロッド26aの突出移動方向に沿って直線的に移動する。連結リンク35は、連結部材32に対し、第1連結軸33を中心に揺動自在に設けられている。連結リンク35は第2連結軸34を介して把持揺動部36に取り付けられている。把持揺動部36は、連結リンク35に対し、第2連結軸34を中心に揺動自在に設けられている。
【0042】
把持揺動部36の一端部は可動チャック部37として設けられており、可動チャック部37には第1袋接触部(例えばゴム部材)39が取り付けられている。グリッパーアーム25の一端部は固定チャック部38として設けられており、固定チャック部38には第2袋接触部(例えばゴム部材)40が取り付けられている。
【0043】
上述のように把持揺動部36は、グリッパーアーム25に対して支持軸41を中心に揺動可能であるとともに、連結リンク35に対して第2連結軸34を中心に揺動可能である。そのため把持揺動部36は、第2連結軸34の移動に応じて支持軸41を中心に揺動し、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が互いに接触する把持位置と、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が互いから離れる解放位置とに配置される。そのため各グリッパー20は、エアーシリンダ本体部26bからの突出ロッド26aの突出量に応じて、把持揺動部36が把持位置に配置される把持状態と、把持揺動部36が解放位置に配置される解放状態とに置かれる。
【0044】
グリッパーユニット81は、上述のグリッパー20を2つ具備する。引っ張りばね23の両端部が、それぞれのグリッパー20のばねフック22に引っ掛けられる。引っ張りばね23は、2つのグリッパー20(特に第1袋接触部39及び第2袋接触部40が設けられる先端部)をお互いに近づける方向の力(すなわち引っ張り力)を、各グリッパー20にかける。
【0045】
グリッパーユニット81は、各グリッパー20の揺動レバー21の基端側(図2の右側;図3の上側)に取り付けられたグリッパー開閉ユニット(図示省略)を有する。グリッパー開閉ユニットは、揺動レバー21が具備する2つのグリッパー20(特に第1袋接触部39及び第2袋接触部40が設けられる先端部)をお互いから遠ざける方向の力を、各グリッパー20にかける。
【0046】
グリッパー開閉ユニットが各グリッパー20に力をかけて、引っ張りばね23を引き伸ばして引っ張りばね23を第1長さにすることで、グリッパーユニット81は第1支持状態に置かれる。第1支持状態は、2つのグリッパー20が相対的に遠くに位置づけられる状態である。一方、グリッパー開閉ユニットが各グリッパー20に力をかけて又はグリッパー開閉ユニットが各グリッパー20にかける力をゼロ(0)にして、引っ張りばね23を第1長さよりも短い第2長さにすることで、グリッパーユニット81は第2支持状態に置かれる。第2支持状態は、2つのグリッパー20が相対的に近くに位置づけられる状態である。このように、グリッパー開閉ユニットが各グリッパー20に加える力に応じて、グリッパーユニット81の2つのグリッパー20は開閉動作を行う。
【0047】
グリッパー開閉ユニットは、任意の構成を有しうる。例えば、グリッパー開閉ユニットは、エンドレス経路に沿った対応のグリッパーユニット81の位置に応じて、2つのグリッパー20に開閉動作を行わせてもよい。そのようなグリッパー開閉ユニットの具体例の記述は省略するが、特許文献3にそのようなグリッパー開閉ユニットの一例が開示されている。
【0048】
図4は、第1実施形態に係る包装システム10の制御構成(特にグリッパーユニット81による袋90の把持動作に関する制御構成)の一例を示すブロック図である。
【0049】
各グリッパー20のグリッパーエアーシリンダ26は、エアー配管28を介して圧空供給源60に接続されている。エアー配管28には、第1レギュレータ61、開閉バルブ63及びシャトル弁64が、圧空供給源60側からグリッパーエアーシリンダ26側に向かって直列的に順に取り付けられている。第1レギュレータ61と開閉バルブ63との間において分岐したエアー配管28には第2レギュレータ62が取り付けられており、第2レギュレータ62はエアー配管28を介してシャトル弁64に接続されている。
【0050】
圧空供給源60は、大気圧よりも高い圧力である第1の圧力のエアーを、エアー配管28に継続的に送り出す。第1レギュレータ61は、上流側のエアー配管28を介して圧空供給源60から送られてくる第1の圧力のエアーを受け、当該エアーの圧力を第1の圧力よりも低い第2の圧力に調整し、第2の圧力のエアーを下流側のエアー配管28に向けて送り出す。
【0051】
第2レギュレータ62は、上流側のエアー配管28を介して第1レギュレータ61から送られてくる第2の圧力のエアーを受け、当該エアーの圧力を第2の圧力よりも低い第3の圧力に調整し、第3の圧力のエアーを下流側のエアー配管28に向けて送り出す。
【0052】
シャトル弁64は、開閉バルブ63とシャトル弁64との間のエアー配管28内のエアー圧力と、第2レギュレータ62とシャトル弁64との間のエアー配管28内のエアー圧力とに応じて、これらのエアー配管28の一方のみからのエアーを下流側のエアー配管28に送り出し、他方のエアー配管28からのエアーの流れを遮断する。
【0053】
具体的には、開閉バルブ63が開状態に置かれる場合、開閉バルブ63とシャトル弁64との間のエアー配管28内のエアー圧力(すなわち第2の圧力)の方が、第2レギュレータ62とシャトル弁64との間のエアー配管28内のエアー圧力よりも高くなる。その結果、シャトル弁64は、第2レギュレータ62から送られてくるエアーを遮断しつつ、開閉バルブ63から送られてくる「第2の圧力のエアー」を下流側のエアー配管28を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給する。
【0054】
一方、開閉バルブ63が閉状態に置かれる場合、第2レギュレータ62とシャトル弁64との間のエアー配管28内のエアー圧力(すなわち第3の圧力)の方が、開閉バルブ63とシャトル弁64との間のエアー配管28内のエアー圧力よりも高くなる。その結果、シャトル弁64は、開閉バルブ63から送られてくるエアーを遮断しつつ、第2レギュレータ62から送られてくる「第3の圧力のエアー」を下流側のエアー配管28を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給する。
【0055】
このように開閉バルブ63を開状態に置くことによって、グリッパーエアーシリンダ26には相対的に高い圧力のエアーが供給される。一方、開閉バルブ63を閉状態に置くことによって、グリッパーエアーシリンダ26には相対的に低い圧力のエアーが供給される。
【0056】
図2及び図3に示すグリッパーエアーシリンダ26では、第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bのそれぞれを介して供給されるエアーの圧力差に応じて、突出ロッド26aの突出量が変わる。そのため、第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bのうちの一方を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給されるエアーが、図4に示す圧力供給系を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給されるエアーに相当する。
【0057】
なお、図4に示す圧力供給系の全体がグリッパー20毎に設けられていてもよいし、図4に示す圧力供給系の一部がグリッパー20間で共通利用されてもよい。例えば、圧空供給源60及び第1レギュレータ61を含む第1ユニットU1は、複数のグリッパー20間(例えば回転テーブル80に取り付けられる全てのグリッパー20間)で共通利用される一方で、第1レギュレータ61よりも下流側に設けられる第2ユニットU2(第2レギュレータ62、開閉バルブ63及びシャトル弁64を含む)はグリッパー20毎に設けられてもよい。
【0058】
第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bのうちの他方を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給されるエアーは、任意の圧力供給系を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給される。例えば、図4に示す圧力供給系(例えば圧空供給源60と第1レギュレータ61との間のエアー配管28、第1レギュレータ61と開閉バルブ63との間のエアー配管28、或いは、第2レギュレータ62とシャトル弁64との間のエアー配管28)から導かれるエアーや、図4に示す圧力供給系とは異なる圧力供給系から送られてくるエアーを、第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bのうちの他方を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給してもよい。このようにして第1エアー配管継手27a及び第2エアー配管継手27bのうちの他方を介してグリッパーエアーシリンダ26に供給される圧力は、一定であってもよいし、可変であってもよい。
【0059】
図4に示すシステム制御部50は、搬送制御部51及び把持制御部52を有する。
【0060】
搬送制御部51は、搬送駆動部15(例えばモーター等)を制御して、回転テーブル80を回転させる。搬送駆動部15は、グリッパーユニット81及び袋90の移動のための駆動部であり、搬送制御部51は、搬送駆動部15を介して、グリッパーユニット81及び袋90の移動を制御する。したがって搬送制御部51は、回転テーブル80の回転状態を示す情報(すなわちエンドレス経路に沿った各グリッパーユニット81及び袋90の位置を示す情報)を保有する。
【0061】
把持制御部52は、開閉バルブ63を制御して、開閉バルブ63を開閉させる。本実施形態の把持制御部52は、搬送制御部51から提供される「回転テーブル80の回転状態を示す情報(すなわち各グリッパーユニット81の位置を示す情報)」に基づいて、開閉バルブ63を開閉させる。すなわち把持制御部52は、各グリッパー20のグリッパーエアーシリンダ26に供給するエアーの圧力を、各グリッパーユニット81の位置に応じて調整する。
【0062】
より具体的には、各グリッパーユニット81が袋90とともに第1ステーションS1~第3ステーションS3(図1参照)に位置している間は、相対的に小さい把持力が各グリッパー20から袋90に加えられるように、把持制御部52は対応のグリッパーエアーシリンダ26に供給する圧力を調整する。第1ステーションS1~第3ステーションS3において、各袋90は空袋であり、各袋90に対して重力方向にかかる力は比較的小さいため、各グリッパー20は相対的に小さい把持力で袋90を適切に把持することができる。
【0063】
一方、各グリッパーユニット81が袋90とともに第4ステーションS4~第9ステーションS9に位置している間は、相対的に大きい把持力が各グリッパー20から袋90に加えられるよう、把持制御部52は対応のグリッパーエアーシリンダ26に供給する圧力を調整する。第4ステーションS4~第9ステーションS9では、袋90内には内容物が存在し、袋90に対して重力方向にかかる力は比較的大きい。そのような袋90を適切に把持するために、各グリッパー20は相対的に大きい把持力を袋90にかける必要がある。
【0064】
以上説明したように本実施形態の袋搬送装置は、袋90を把持しつつ当該袋90が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って袋90を移送する把持移送部(回転テーブル80及び複数のグリッパーユニット81)と、把持移送部(グリッパーユニット81)が袋90に及ぼす把持力を、エンドレス経路における袋90の位置に応じて調整する把持制御部52と、を備える。
【0065】
当該袋搬送装置によれば、エンドレス経路における袋90の位置に応じて袋90の把持に必要な把持力が変わる場合に、把持移送部が袋90に及ぼす把持力を適応的に変えることができる。これにより、過大な把持力で袋90が長時間にわたって把持されることを防ぎ、袋90を適度な把持力で適切に把持しつつ移送することが可能である。このようにして、状況に応じて袋90を適切に搬送し、把持に伴う袋90の損傷を抑えることができる。
【0066】
また複数の処理ステーションは、袋90に内容物が投入される内容物投入ステーション(第4ステーションS4及び第5ステーションS5)を含み、把持制御部52は、内容物投入ステーションにおいて袋90に内容物が投入される前に袋90が把持移送部(グリッパーユニット81)とともに移動する区間の少なくとも一部において把持移送部(グリッパーユニット81)が袋90に及ぼす把持力が、内容物投入ステーションにおいて袋90に内容物が投入される間に把持移送部(グリッパーユニット81)が袋90に及ぼす把持力よりも小さくなるように、把持移送部の把持力を調整する。
【0067】
当該袋搬送装置によれば、重力に加えて内容物投入に伴う衝撃力が袋90にかかる内容物投入ステーションにおいても、把持移送部(グリッパーユニット81)は袋90を適切に把持することができる。
【0068】
また把持移送部(グリッパーユニット81)は、グリッパーエアーシリンダ26を含み、当該グリッパーエアーシリンダ26の出力に応じて把持力を変え、把持制御部52は、グリッパーエアーシリンダ26の出力を調整する。
【0069】
当該構成の袋搬送装置によれば、把持移送部(グリッパーユニット81)を簡素に構成することができる。
【0070】
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0071】
図5は、第2実施形態に係るグリッパーユニット81の一例を示す図である。図6は、第2実施形態に係る包装システム10の制御構成(特にグリッパーユニット81による袋90の把持動作に関する制御構成)の一例を示すブロック図である。
【0072】
本実施形態の各グリッパー20は、上述の第1実施形態のグリッパー20と基本的に同様の構成を有するが、第1実施形態のグリッパーエアーシリンダ26の代わりに、電気駆動式の把持駆動部46を具備する。
【0073】
把持駆動部46は、把持制御部52により付与される駆動電流量に応じて出力を変える。各グリッパー20は、対応の把持駆動部46からの出力に応じて、把持対象の袋90にかける把持力を変える。
【0074】
図5に示す例では、グリッパーアーム25の内側に把持駆動部46が設けられている。把持駆動部46は把持駆動軸46a及び把持駆動本体部46bを具備する。把持駆動部46に付与される駆動電流量に応じて、把持駆動本体部46bからの把持駆動軸46aの突出量が変わる。
【0075】
把持駆動部46の具体的な構成は限定されない。例えば、直動型モーターによって把持駆動部46を構成することが可能である。直動型モーターでは、例えば、ボールねじに係合するナットをフレーム等によって固定的に支持しつつ、モーターから出力される回転動力によってボールねじを回転させることで、ボールねじを直線的に移動させることができる。このようにして直線的に往復移動可能なボールねじを、把持駆動軸46aとして利用することができる。直動型モーターは、例えばステップモーターを使用することで、把持駆動本体部46bからの把持駆動軸46aの突出量を正確に調整することができ、第1袋接触部39(可動チャック部37)及び第2袋接触部40(固定チャック部38)の開閉度を所望の大きさに正確に調整することができる。
【0076】
また本実施形態の袋搬送装置は、図6に示すように、異常状態検出装置45を備える。異常状態検出装置45は、把持移送部(回転テーブル80及びグリッパーユニット81)により移送されている袋90の状態の異常を検出し、検出結果を把持制御部52に送信する。
【0077】
異常状態検出装置45によって検出される袋90の状態異常の種類は限定されないが、本実施形態の異常状態検出装置45は、各グリッパー20から袋90に及ぼされる把持力の低下に伴って生じる「袋90の状態の異常」を検出する。
【0078】
典型的には、異常状態検出装置45は、対応のグリッパー20(例えば第1袋接触部39及び第2袋接触部40)に対する袋90の位置及び/又は姿勢を測定することで、袋90の状態の異常を検出することができる。すなわち、対応のグリッパー20による袋90の把持位置が適正位置か否か及び/又は対応のグリッパー20による袋90の把持姿勢が適正姿勢か否か(例えば袋90の傾き角度が適正角度か否か)に基づいて、異常状態検出装置45は袋90の状態の異常を検出することができる。
【0079】
異常状態検出装置45の具体的な構成及び検出方式は限定されない。例えば、異常状態検出装置45は1又は複数の光学センサを具備してもよい。一例として、適正状態の袋90は検出光を遮断するが、不適正状態の袋90は検出光を遮断しないように、異常状態検出装置45の光学センサを設置してもよい。
【0080】
また異常状態検出装置45は、CMOS等の撮像素子を具備し、対応のグリッパーユニット81により把持されている袋90の画像を当該撮像素子使って取得してもよい。この場合、異常状態検出装置45は、取得された画像を解析し、その解析結果に基づいて、グリッパー20による袋90の把持位置が適正位置か否か及び/又はグリッパー20による袋90の把持姿勢が適正姿勢か否かの情報を取得し、当該情報に基づいて袋90の状態の異常を検出することができる。なお、対応のグリッパーユニット81により把持されている袋90の画像は異常状態検出装置45により取得されるが、当該画像の解析は把持制御部52により行われてもよい。この場合、把持制御部52は、実質的に異常状態検出装置45としても機能する。
【0081】
また異常状態検出装置45の設置位置は限定されない。「袋90の状態の異常」を効果的に検出する観点からは、そのような異常が袋90に生じうる可能性が高い位置にある袋90を、異常状態検出装置45の検出対象とすることが好ましい。具体的には、大きな重力がかかっている状態の袋90を異常状態検出装置45の検出対象とすることが好ましく、異常状態検出装置45は、袋90に内容物が投入された後の袋90の状態の異常を検出することが好ましい。本実施形態の異常状態検出装置45は、第4ステーションS4及び第5ステーションS5(図1参照)の各々に設置されており、第4ステーションS4において投入装置84から袋90内に内容物が投入された後の袋90の状態の異常と、第5ステーションS5において回転テーブル80から袋90内に内容物が投入された後の袋90の状態の異常と、を検出する。
【0082】
図6に示す把持制御部52は、受信した異常状態検出装置45の検出結果に基づいて、把持移送部(グリッパーユニット81)が袋90に及ぼす把持力を調整する。具体的には、把持制御部52は、異常状態検出装置45の検出結果に基づいて、把持駆動部46に付与する駆動電流量を変えることで、各グリッパー20から袋90に加えられる把持力を調整する。
【0083】
装置の経年劣化やその他の様々な要因によって、「把持駆動部46に付与される駆動電流量」と「把持移送部が袋90に及ぼす把持力」との間の関係は変わりうる。そのため、袋搬送装置の設置初期の段階では所望の把持力が得られていた駆動電流量を、袋搬送装置の設置から時間が経過した段階で把持駆動部46に付与しても、把持移送部が袋90に対して所望の把持力を加えることができないことがある。この場合、袋90は、十分な大きさの把持力では把持されないため、移送中に、把持移送部(対応のグリッパーユニット81)から意図せずに落下してしまう懸念がある。
【0084】
一方、本実施形態の袋搬送装置によれば、異常状態検出装置45の検出結果に基づいて、把持駆動部46に付与する駆動電流量が変えられる。そのため、「把持駆動部46に付与される駆動電流量」と「把持移送部が袋90に及ぼす把持力」との間の関係が変わっても、把持移送部(グリッパーユニット81)は袋90の把持に適した大きさの把持力で袋90を把持することが可能であり、把持移送部からの袋90の意図しない落下を効果的に防ぐことができる。
【0085】
例えば、異常状態検出装置45によって検出が行われるエンドレス経路上の位置に袋90が配置される際に、対応のグリッパーユニット81の各グリッパー20の把持駆動部46に対し、第1の駆動電流量が把持制御部52によって付与されている場合を想定する。この場合、袋搬送装置が万全の状態であれば、袋90はグリッパーユニット81によって適度な把持力で把持されつつ、適切に搬送される。
【0086】
一方、経年劣化等により袋搬送装置に不具合が生じている状態では、袋90は、グリッパーユニット81によって適切な把持力では把持されず(すなわち不十分な大きさの把持力で把持され)、当該グリッパーユニット81からずれたり外れたりして、状態異常が生じることがある。この場合、異常状態検出装置45によって状態異常が検出された袋(すなわち第1の袋)90よりも後に搬送される袋(すなわち第2の袋)90において、同様の状態異常が生じないようにすることが望ましい。そのため把持制御部52は、第1の袋90を把持するための第1の駆動電流量よりも大きな第2の駆動電流量を、第2の袋90を把持するグリッパーユニット81の各把持駆動部46に付与する。これにより、第2の袋90は、より大きな力によって把持され、対応のグリッパーユニット81からの意図しないずれや落下が防がれる。
【0087】
なお、把持制御部52による第2の駆動電流量の決め方は限定されない。第1の駆動電流量と第2の駆動電流量との間の差は、予め決められた値であってもよいし、袋90の異常の状態に応じて決められた値であってもよい。
【0088】
以上説明したように本実施形態の袋搬送装置は、袋90を把持しつつ袋90が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って袋90を移送する把持移送部(回転テーブル80及びグリッパーユニット81)であって、複数の袋90を順次移送する把持移送部と、把持移送部により移送されている袋90の状態の異常を検出する異常状態検出装置45と、把持移送部が袋90に及ぼす把持力を、異常状態検出装置45の検出結果に基づいて調整する把持制御部52と、を備える。把持移送部(各グリッパー20)は、付与される駆動電流量に応じて出力を変える把持駆動部46を有し、把持駆動部46からの出力に応じて把持力が変わる。把持制御部52は、異常状態検出装置45が異常を検出した第1の袋90を把持するための駆動電流量よりも、第1の袋90よりも後にエンドレス経路に沿って移送される第2の袋90を把持するための駆動電流量が大きくなるように、把持駆動部46を制御する。
【0089】
当該袋搬送装置によれば、状況に応じた把持力で袋90は把持され、把持に伴う袋90の損傷を抑えることができる。
【0090】
また複数の処理ステーションは、袋90に内容物が投入される内容物投入ステーション(第4ステーションS4及び第5ステーションS5)を含み、異常状態検出装置45は、袋90に内容物が投入された後の袋90の状態の異常を検出する。
【0091】
当該袋搬送装置によれば、大きな重力がかかる「内容物投入後の袋90」の異常の有無に基づいて、把持力の調整の必要性を決めることができる。
【0092】
[第3実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0093】
図7は、第3実施形態に係るグリッパーユニット81の一例を示す図である。図8は、図7に示すグリッパー120の拡大側方図である。図9は、図8において符号「X」で示す方向から見たグリッパー120の正面図である。
【0094】
本例においても、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同様に、複数のグリッパーユニット81が等間隔に回転テーブル80の外周部に取り付けられており、各グリッパーユニット81は2つのグリッパー120を具備する。回転テーブル80に対する各グリッパーユニット81の具体的な取り付け態様は限定されない。本実施形態の各グリッパーユニット81は、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同様に、回転テーブル80に対する2つのグリッパー120の揺動(開閉動作)に応じて、「2つのグリッパー120が相対的に遠くに位置づけられる第1支持状態」及び「2つのグリッパー120が相対的に近くに位置づけられる第2支持状態」に置かれる。
【0095】
各グリッパー120は、支持ブロック121、可動チャック部122及び固定チャック部123を有する。
【0096】
支持ブロック121は、可動チャック部122及び固定チャック部123が取り付けられ、可動チャック部122及び固定チャック部123を支持する。
【0097】
可動チャック部122は、回転軸部124を介して支持ブロック121に取り付けられており、回転軸部124を中心に揺動自在な揺動体として設けられている。
【0098】
固定チャック部123は、支持ブロック121に固定されている。なお固定チャック部123は、支持ブロック121と共通の部材により構成されてもよく、支持ブロック121の一部が固定チャック部123であってもよい。
【0099】
支持ブロック121には、第1固定部126を介して弾性体125の一端が取り付けられる。可動チャック部122には、第2固定部127を介して弾性体125の他端が取り付けられる。弾性体125は、例えば引っ張りばねにより構成され、支持ブロック121及び可動チャック部122の各々に対して引っ張り力を加える。
【0100】
弾性体125から可動チャック部122に引っ張り力が加えられることによって、可動チャック部122は、回転軸部124を中心に正回転方向D1への揺動が促される。可動チャック部122が正回転方向D1へ揺動する場合、可動チャック部122と一体的に設けられる第1袋接触部39(本例では可動チャック部122の端面により構成される第1袋接触部39)が固定チャック部123に近づいて、最終的には固定チャック部123と一体的に設けられる第2袋接触部40(本例では固定チャック部123の露出面により構成される第2袋接触部40)と接触する。
【0101】
一方、回転軸部124を中心に正回転方向D1とは逆方向(すなわち逆回転方向D2)へ可動チャック部122が揺動する場合、第1袋接触部39が第2袋接触部40から離れる。
【0102】
可動チャック部122に外力が加えられない場合、支持ブロック121及び可動チャック部122にかかる弾性体125の引っ張り力によって、第1袋接触部39が第2袋接触部40に対して押圧力を加える位置に可動チャック部122は配置される。一方、可動チャック部122に対して逆回転方向D2への十分な大きさの外力が加えられる場合、支持ブロック121及び可動チャック部122にかかる弾性体125の引っ張り力に抗して可動チャック部122は逆回転方向D2に揺動し、第1袋接触部39が第2袋接触部40から離れる。
【0103】
図10図12は、グリッパー120の把持動作を説明する図である。図10及び図11は第1ステーションS1(袋供給工程)に位置づけられるグリッパー120を示し、図12は第5ステーションS5(内容物投入工程)に位置づけられるグリッパー120を示す。
【0104】
第1ステーションS1には、押圧部128が設置されている。押圧部128は、移動可能に設けられており、第1袋接触部39及び第2袋接触部40を開閉させる開閉駆動部として働く。押圧部128は、任意の駆動装置(例えばエアーシリンダ)から出力される動力に応じて移動可能である。
【0105】
本実施形態の押圧部128は、解放駆動位置(図10参照)及び把持駆動位置(図11参照)に移動可能である。
【0106】
押圧部128は、解放駆動位置(図10参照)に移動することで、可動チャック部122に接触しつつ可動チャック部122を逆回転方向D2に揺動させて、可動チャック部122を解放位置に配置する。可動チャック部122が解放位置に配置されることで、第1袋接触部39が第2袋接触部40から離れて、第1袋接触部39と第2袋接触部40との間には、袋90を配置可能なスペースが形成される。
【0107】
一方、押圧部128は、把持駆動位置(図11参照)に移動することで、可動チャック部122から離れて、可動チャック部122に力をかけない。そのため可動チャック部122は、弾性体125により加えられる引っ張り力によって正回転方向D1に揺動し、把持位置に配置される。可動チャック部122が把持位置に配置されることで、第1袋接触部39は第2袋接触部40に近づく。袋90が第1袋接触部39と第2袋接触部40との間に配置されている状態で可動チャック部122が把持位置に配置される場合には、当該袋90は第1袋接触部39及び第2袋接触部40によって両側から挟まれて把持される。
【0108】
したがって本実施形態では、コンベアマガジン12(図1参照)から第1ステーションS1に位置づけられているグリッパーユニット81に袋90を供給する際には、まず押圧部128が解放駆動位置(図10参照)に移動し、第1袋接触部39と第2袋接触部40との間にスペースが作られる。そして、袋供給装置82(図1参照)によってコンベアマガジン12からグリッパーユニット81に供給される袋90が、第1袋接触部39と第2袋接触部40との間のスペースに位置づけられる。
【0109】
その後、押圧部128が把持駆動位置(図11参照)に移動し、袋90が第1袋接触部39(可動チャック部122)及び第2袋接触部40(固定チャック部123)により把持される。
【0110】
なお押圧部128の移動は、上述の把持制御部52(図4等参照)の制御下で行われてもよいし、システム制御部50(図4等参照)によって制御されることなく行われてもよい。押圧部128の移動がシステム制御部50により制御されない場合、押圧部128は、例えば一定のリズムで移動し、一定のタイミングで解放駆動位置及び把持駆動位置に配置されてもよい。また押圧部128は、袋90の供給のために動作する装置(例えば袋供給装置82(図1参照))と連動して移動し、解放駆動位置及び把持駆動位置に配置されてもよい。
【0111】
その後、袋90はグリッパーユニット81とともに内容物投入ステーション(第4ステーションS4及び第5ステーションS5)に移動し、袋90内に内容物95が投入される。
【0112】
本実施形態のグリッパーユニット81では、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に接触しつつ当該袋90を挟んでいる状態で、袋90にかかる重力に応じた力(すなわち第1袋接触部39と袋90との間に生じる摩擦に起因する力)が第1袋接触部39にかかる。その結果、図12に示すように、第1袋接触部39が袋90に食い込むように、可動チャック部122は正回転方向D1に揺動する。
【0113】
このように、第1袋接触部39にかかる「袋90にかかる重力に応じた力」に応じて、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に及ぼす把持力は変わる。特に、袋90にかかる下向き(すなわち重力方向)の力が大きくなるに従って、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に及ぼす把持力は増大する。したがって、袋90内の内容物95の総重量が大きくなるに従って、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に及ぼす把持力は増大する。
【0114】
そのため、袋90内に内容物95が投入されておらず、袋90にかかる下向きの力が比較的小さい間は、第1袋接触部39及び第2袋接触部40により相対的に小さい把持力で袋90は把持される。一方、袋90内に内容物95が投入されて、袋90にかかる下向きの力が大きくなると、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に及ぼす把持力も大きくなる。
【0115】
このように本実施形態のグリッパーユニット81は、袋90にかかる下向きの力の大きさに応じた把持力で、袋90を把持する。
【0116】
その後、袋90はグリッパーユニット81とともに袋解放ステーション(第9ステーションS9)に移動し、グリッパーユニット81の把持から解放される。第9ステーションS9には、第1ステーションS1に設置される押圧部128(図10及び図11参照)とは別個の押圧部(図示省略)が設置されている。第9ステーションS9に設置される押圧部は、第1ステーションS1に設置される押圧部128と同様に構成されるが、グリッパーユニット81から袋90を解放するために設けられている。すなわち、第9ステーションS9に設置される押圧部は、把持駆動位置(図11参照)から解放駆動位置(図10参照)に移動して、可動チャック部122を把持位置から解放位置に揺動させることで、各グリッパー120の把持から袋90を解放して落下させる。
【0117】
なお、第10ステーションS10にも、同様の押圧部(図示省略)が別個に設置されており、当該押圧部を把持駆動位置から解放駆動位置に移動させることで、不良を有する袋90が各グリッパー120から解放されて落下する。
【0118】
以上説明したように本実施形態の袋搬送装置は、袋90を把持しつつ当該袋90が複数の処理ステーションを通過するように、エンドレス経路に沿って移動する把持移送部(回転テーブル80及びグリッパーユニット81)を備える。把持移送部は、袋90を挟む第1袋接触部39及び第2袋接触部40と、第1袋接触部39を移動させて、第1袋接触部39と第2袋接触部40との間の間隔を変える押圧部(接触移動部)128と、を有する。第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90を挟んでいる状態で、袋90にかかる重力に応じた力が第1袋接触部39にかかり、第1袋接触部39にかかる当該力に応じて第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に及ぼす把持力が変わる。
【0119】
当該袋搬送装置によれば、袋90にかかる下向きの力が比較的小さい場合には、相対的に弱い把持力で袋90を把持することが可能である。一方、袋90にかかる下向きの力が比較的大きい場合には、相対的に強い把持力で袋90を把持することが可能である。そのため、状況に応じた把持力で袋90を把持し、把持に伴う袋90の損傷を抑えることができる。
【0120】
また把持移送部は、回転軸部124と、回転軸部124を中心に揺動する可動チャック部(揺動体)122と、を有する。第1袋接触部39は、可動チャック部122に設けられ、可動チャック部122の揺動に応じて回転軸部124を中心とした円軌道に沿って移動する。第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90を挟んでいる状態で、第1袋接触部39は、袋90から重力方向の力を受けることによって、回転軸部124を中心とした正回転方向D1であって第2袋接触部40に向かう方向に力がかかる。
【0121】
当該袋搬送装置によれば、円軌道に沿った第1袋接触部39の移動を利用して、第1袋接触部39及び第2袋接触部40が袋90に及ぼす把持力の大きさを、簡素な構成で調整することが可能である。
【0122】
また第1袋接触部39を移動させて第1袋接触部39と第2袋接触部40との間の間隔を変える接触移動部は、可動チャック部(揺動体)122に対し、回転軸部124を中心とした正回転方向D1への力を加える弾性体125と、可動チャック部122に対し、回転軸部124を中心とした逆回転方向D2への力を加える押圧部128と、を有する。
【0123】
当該袋搬送装置によれば、押圧部128によって、可動チャック部122の正回転方向D1への揺動及び逆回転方向D2への揺動の両方をコントロールすることができる。
【0124】
[変形例]
各グリッパー20が袋90を把持するための把持力は、3段階以上で調整されてもよい。例えば、上述の突出ロッド26a(図2及び図3参照)や把持駆動軸46a(図5参照)の突出量を3段階以上に調整可能にすることで、各グリッパー20が袋90を把持するための把持力も3段階以上で調整可能である。例えば、各グリッパー20は、内容物が投入される前の袋90(空袋)を第1の把持力で把持し、内容物が投入されている最中の袋90を第2の把持力(ただし「第2の把持力>第1の把持力」)で把持し、内容物の投入が完了した後の袋90を第3の把持力(ただし「第2の把持力>第3の把持力>第1の把持力」)で把持してもよい。
【0125】
回転テーブル80及び各グリッパーユニット81を含む把持移送部は、袋90を、間欠的に停止させることなく、継続的に搬送してもよい。例えば、上述の搬送駆動部15(図6参照)が回転テーブル80を継続的に一定速度で回転させてもよい。
【0126】
袋90の搬送経路であるエンドレス経路は、円形経路には限定されず、例えば直線経路及び円弧状経路の両方を含んでもよい。
【0127】
本開示の包装システムの構成は、上述の実施形態及び変形例の包装システム10の構成には限定されない。例えば、特許文献1に開示の構成を、上述の図2及び図3に示す各グリッパー20(ただしグリッパーエアーシリンダ26は除く)の構成に応用することが可能である。また特許文献2に開示の構成を、上述の図2及び図3に示すグリッパーエアーシリンダ26及びグリッパーエアーシリンダ26の近辺の構成に応用することが可能である。また特許文献3の構成を、各グリッパーユニット81が具備する左右のグリッパー20同士を接近及び離間させる機構に応用することが可能である。
【0128】
上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0129】
10 包装システム、11 シール装置、12 コンベアマガジン、15 搬送駆動部、20 グリッパー、21 揺動レバー、22 ばねフック、23 引っ張りばね、24 アーム固定部、25 グリッパーアーム、26 グリッパーエアーシリンダ、26a 突出ロッド、26b エアーシリンダ本体部、27a 第1エアー配管継手、27b 第2エアー配管継手、28 エアー配管、29 切欠部、30 エアーシリンダ回転防止具、31 エアーシリンダスライド防止具、32 連結部材、33 第1連結軸、34 第2連結軸、35 連結リンク、36 把持揺動部、37 可動チャック部、38 固定チャック部、39 第1袋接触部、40 第2袋接触部、41 支持軸、45 異常状態検出装置、46 把持駆動部、46a 把持駆動軸、46b 把持駆動本体部、50 システム制御部、51 搬送制御部、52 把持制御部、60 圧空供給源、61 第1レギュレータ、62 第2レギュレータ、63 開閉バルブ、64 シャトル弁、80 回転テーブル、81 グリッパーユニット、82 袋供給装置、83 開口装置、84 投入装置、85 液体充填装置、86 加熱装置、87 冷却装置、88 放出ユニット、90 袋、93 製品体、95 内容物、120 グリッパー、121 支持ブロック、122 可動チャック部、123 固定チャック部、124 回転軸部、125 弾性体、126 第1固定部、127 第2固定部、128 押圧部、D1 正回転方向、D2 逆回転方向、U1 第1ユニット、U2 第2ユニット、S1 第1ステーション、S2 第2ステーション、S3 第3ステーション、S4 第4ステーション、S5 第5ステーション、S6 第6ステーション、S7 第7ステーション、S8 第8ステーション、S9 第9ステーション、S10 第10ステーション
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