(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20240415BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240415BHJP
【FI】
G06Q20/40 320
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2021074307
(22)【出願日】2021-04-26
(62)【分割の表示】P 2017112874の分割
【原出願日】2017-06-07
【審査請求日】2021-05-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 彰二
(72)【発明者】
【氏名】国京 正樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 一樹
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】佐藤 智康
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-310770(JP,A)
【文献】特開2005-056009(JP,A)
【文献】特開2001-282675(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0289261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と通信するサーバであって、
メッセージングサービスを含むソーシャルネットワーキングサービスにおける、前記端末のユーザのユーザ情報に基づき、前記端末のユーザの信用
度を算出
し、
前記端末のユーザによる商品またはサービスの購入
手続が完了すると、前記信用
度に基づく特典に関する情報を前記端末に送信する
制御装置を備え、
前記制御
装置は、前記信用
度に基づいて、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられるタイミングを決定する。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバであって、
前記
制御装置は、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられる前記タイミングに関するタイミング情報を前記端末に送信する。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバであって、
前記タイミング情報は、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられる日付けに関する情報を含む。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバであって、
前記制御
装置は、前記信用
度が第1信用
度の場合、第1日付けに前記特典を前記端末のユーザに関連付ける処理を行い、前記信用
度が前記第1信用
度よりも低い第2信用
度の場合、第1日付けよりも遅い第2日付けに前記特典を前記端末のユーザに関連付ける処理を行う。
【請求項5】
端末と通信するサーバであって、
メッセージングサービスを含むソーシャルネットワーキングサービスにおける、前記端
末のユーザのユーザ情報に基づき、前記端末のユーザの信用
度を算出
し、
前記端末のユーザによる商品またはサービスの購入
手続が完了すると、前記信用
度に基づく、ポイントを含む特典に関する情報を前記端末に送信する
制御装置を備える。
【請求項6】
請求項5に記載のサーバであって、
前記制御
装置は、前記信用
度に基づいて、前記端末のユーザに関連付ける前記ポイントを決定する。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のサーバであって、
前記制御
装置は、前記信用
度に基づいて、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられるタイミングを決定する。
【請求項8】
請求項7に記載のサーバであって、
前記
制御装置は、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられる前記タイミングに関するタイミング情報を前記端末に送信する。
【請求項9】
請求項8に記載のサーバであって、
前記タイミング情報は、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられる日付けに関する情報を含む。
【請求項10】
請求項9に記載のサーバであって、
前記制御
装置は、前記信用
度が第1信用
度の場合、第1日付けに前記特典を前記端末のユーザに関連付ける処理を行い、前記信用
度が前記第1信用
度よりも低い第2信用
度の場合、第1日付けよりも遅い第2日付けに前記特典を前記端末のユーザに関連付ける処理を行う。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記ユーザ情報は、前記端末のユーザが前記ソーシャルネットワーキングサービスを利用している期間、または前記ソーシャルネットワーキングサービスのおける前記端末のユーザの友達に関する情報を含む。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記制御
装置は、前記ソーシャルネットワーキングサービスで前記端末のユーザと関連付けられた第1ユーザの情報に基づいて、前記端末のユーザの信用
度を算出する。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記制御
装置は、前記端末のユーザによる購入履歴に基づいて、前記端末のユーザの信用
度を算出する。
【請求項14】
端末と通信するサーバによって実行されるプログラムであって、
メッセージングサービスを含むソーシャルネットワーキングサービスにおける、前記端末のユーザのユーザ情報に基づき、前記端末のユーザの信用
度を算出することと、
前記端末のユーザによる商品またはサービスの購入
手続が完了すると、前記信用
度に基づく特典に関する情報を前記端末に送信することと、
前記信用
度に基づいて、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられるタイミングを決定することと、
を前記サーバに実行
させる。
【請求項15】
端末と通信するサーバ
が実行する情報処理方法であって、
メッセージングサービスを含むソーシャルネットワーキングサービスにおける、前記端末のユーザのユーザ情報に基づき、前記端末のユーザの信用
度を算出することと、
前記端末のユーザによる商品またはサービスの購入
手続が完了すると、前記信用
度に基づく特典に関する情報を前記端末に送信することと、
前記信用
度に基づいて、前記特典が前記端末のユーザに関連付けられるタイミングを決定することと、を含む。
【請求項16】
端末と通信するサーバによって実行されるプログラムであって、
メッセージングサービスを含むソーシャルネットワーキングサービスにおける、前記端末のユーザのユーザ情報に基づき、前記端末のユーザの信用
度を算出することと、
前記端末のユーザによる商品またはサービスの購入
手続が完了すると、前記信用
度に基づく、ポイントを含む特典に関する情報を前記端末に送信することと
、
を前記サーバに実行
させる。
【請求項17】
端末と通信するサーバ
が実行する情報処理方法であって、
メッセージングサービスを含むソーシャルネットワーキングサービスにおける、前記端末のユーザのユーザ情報に基づき、前記端末のユーザの信用
度を算出することと、
前記端末のユーザによる商品またはサービスの購入
手続が完了すると、前記信用
度に基づく、ポイントを含む特典に関する情報を前記端末に送信することと
、
を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等を介して、オンラインで商品やサービスを購入できる、いわゆるオンラインショッピング(インターネットショッピング)のサービスが普及している。このオンラインショッピングにおいて、商品やサービスを販売する企業等は、購入金額に応じたポイントの付与や、特定の顧客向けの特別な割引販売(セール)等のサービスを提供している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、例えば、購入のキャンセルや返品等が比較的少ないため、売買取引が正常に完了することが比較的多いユーザに所定の特典を付与したい場合に、当該ユーザの購入履歴が少ない場合等においては、当該ユーザの決済についての信用度を比較的適切に判定できないという問題がある。
【0005】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの決済についての信用度をより適切に判定することができる情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、1のユーザにより利用される情報処理端末に、インスタントメッセージングサービスを含むソーシャル・ネットワーキング・サービスを提供するステップと、前記ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける前記ユーザの情報に基づいて、前記ユーザの決済についての信用度を算出するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザの決済についての信用度をより適切に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態における通信システムの構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係る通信システムの処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図3】購入サイトを選択する表示画面の一例を示す図である。
【
図4】信用度に応じた特典の表示画面の一例を示す図である。
【
図5】サーバにおけるユーザの信用度を算出する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】提携先購入履歴データの一例を示す図である。
【
図9】決済アカウントデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<通信の秘密の遵守>
本明細書に記載の開示を実施する場合は、通信の秘密に係る法的事項を遵守の上で実施されるものであることに留意されたい。
【0010】
本開示に係るユーザの信用度を算出するための実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本開示の一実施形態における通信システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、通信システム1では、ネットワーク30を介してサーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C)と、購入サーバ50-1、50-2、・・・(以下で、それぞれを区別する必要がない場合は、単に「購入サーバ50」と称する。)が接続される。なお、購入サーバ50は、「外部サーバ」の一例である。サーバ10は、ネットワーク30を介してユーザが所有する端末20に、端末20間でのメッセージの送受信を実現するサービスを提供する。なお、ネットワーク30に接続される端末20の数は限定されない。
【0012】
ネットワーク30は、1以上の端末20と、1以上のサーバ10とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、端末20がサーバ10に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0013】
例えば、ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク30は、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ただし、本開示において、ネットワーク30は、これらに限定されない。また、ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
【0014】
端末20(端末20A,端末20B,端末20C)は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、代表的にはスマートフォンであり、その他に携帯電話(例えば、フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA・(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。ただし、本開示において、端末20は、これらに限定されない。また、端末20は情報処理端末と表現されても良い。
【0015】
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、代表として端末20について説明する。また、必要に応じて端末20Xに対応付けられたユーザ情報をユーザ情報X、端末20Xを操作するユーザをユーザXとして説明する。なお、ユーザ情報とは、インスタントメッセンジャーを代表とするSNS(Social Network Service)におけるアカウントに対応付けられた情報の一部または全部であり、例えば、ユーザ名やユーザ画像である。他にもユーザ識別子、ユーザの年齢、性別、住所などの情報であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。ただし、これらに限定されない。
【0016】
サーバ10は、端末20に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ10は、例えば、SNS、SNSで利用可能なスタンプやゲームを販売するサービス、送金及び決済サービスを提供する機能を備える。また、サーバ10は、例えば、提携しているショッピングサイトの情報を提示するショッピングモールサービス、当該提携しているショッピングサイトでの購入金額に応じたポイントを付与するポイントサイトサービスを提供する機能を備える。また、サーバ10は、ユーザの決済等に関する信用度を算出する機能を備える。当然に、サーバ10は上述のサービスごとに分離していてもよい。
【0017】
サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ10は、代表的にはサーバ装置であり、その他にコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。ただし、本開示において、サーバ10は、これらに限定されない。また、サーバ10は情報処理装置と表現されても良い。
【0018】
購入サーバ50は、例えば、ユーザが商品やサービスを購入するためのWebサイトを提供するサーバ装置である。
【0019】
なお、サーバ10は、例えば、SNS等のサービスを提供する事業者が運用してもよい。購入サーバ50は、例えば、衣料品、食料品、化粧品、金融商品等の商品やサービスを販売する事業者が運用してもよい。
【0020】
また、サーバ10、及び購入サーバ50は、一体のサーバとして構成されてもよい。
【0021】
<ハードウェア(HW)構成>
図1を用いて、通信システム1に含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0022】
(1)端末のHW構成
【0023】
端末20は、制御装置21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶装置28、通信I/F22(インタフェース)、入出力装置23、表示装置24、マイク25、スピーカ26、カメラ27を備える。端末20のHWの各構成要素は、例えば、バスBを介して相互に接続される。
【0024】
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、サーバ10との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御装置21からの指示に従って、サーバ10に送信する。また、通信I/F22は、サーバ10から送信された各種データを受信し、制御装置21に伝達する。
【0025】
入出力装置23は、端末20に対する各種操作を入力する装置、および、端末20で処理された処理結果を出力する装置を含む。入出力装置23は、入力装置と出力装置が一体化していても良いし、入力装置と出力装置に分離していてもよい。
【0026】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御装置21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力装置は、代表的にはタッチパネルなどにより実現され、ユーザの指やスタイラスなどの指示具による接触とその接触位置を検出し、当該接触位置の座標を制御装置21に伝達する。一方で、入力装置は、タッチパネル以外の入力装置により実現されてもよい。入力装置は、例えば、キーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。ただし、本開示において、入力装置は、これらに限定されない。
【0027】
出力装置は、制御装置21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、代表的には、タッチパネルなどにより実現される。一方で、出力装置はタッチパネル以外の出力装置により実現されても良い。例えば、スピーカ(音声出力)、レンズ(例えば3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含むことができる。ただし、本開示において、出力装置は、これらに限定されない。
【0028】
表示装置24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示装置24は、代表的にはモニタ(例えば、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。表示装置24は、ヘッドマウントディスプレイ(HD
M:Head Mounted Display)であってもよい。また、表示装置24は、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置により実現されてもよい。なお、これらの表示装置24は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。ただし、本開示において、表示装置24は、これらに限定されない。
【0029】
入出力装置23がタッチパネルの場合、入出力装置23と表示装置24とは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていても良い。
【0030】
制御装置21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、例えば、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0031】
制御装置21は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)であってもよい。ただし、本開示において、制御装置21は、これらに限定されない。
【0032】
記憶装置28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶装置28は、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶装置28は、これらに限定されない。
【0033】
端末20は、プログラムPを記憶装置28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御装置21が、制御装置21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶装置28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御装置21が実行する各機能を実現させる。
【0034】
マイク25は、音声データの入力に利用される。スピーカ26は、音声データの出力に利用される。カメラ27は、動画像データの取得に利用される。
【0035】
(2)サーバのHW構成
サーバ10は、制御装置11(CPU)、記憶装置15、通信I/F14(インタフェース)、入出力装置12、ディスプレイ13を備える。サーバ10のHWの各構成要素は、例えば、バスBを介して相互に接続される。
【0036】
制御装置11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、例えば、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0037】
制御装置11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよい。ただし、本開示において、制御装置11は、これらに限定されない。
【0038】
記憶装置15は、サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶装置15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶装置15は、これらに限定されない。
【0039】
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御装置11からの指示に従って、端末20に送信する。また、通信I/F14は、端末20から送信された各種データを受信し、制御装置11に伝達する。
【0040】
入出力装置12は、サーバ10に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力装置12は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御装置11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入出力装置12は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入出力装置12、例えば、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよい。ただし、本開示において、入出力装置12は、これらに限定されない。
【0041】
ディスプレイ13は、代表的にはモニタ(例えば、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、ディスプレイ13は、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよい。なお、これらのディスプレイ13は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。ただし、本開示において、ディスプレイ13は、これらに限定されない。
【0042】
サーバ10は、プログラムPを記憶装置15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御装置11が、制御装置11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶装置15に記憶されるプログラムPは、サーバ10に、制御装置11が実行する各機能を実現させる。
【0043】
本開示の各実施形態においては、端末20および/またはサーバ10のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
【0044】
なお、端末20の制御装置21、および/または、サーバ10の制御装置11は、CPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0045】
また、本開示の各実施形態のプログラムP(ソフトウェアプログラム/コンピュータプログラム)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。
【0046】
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
【0047】
サーバ10および/または端末20は、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
【0048】
また、本開示のプログラムPは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ10および/または端末20に提供されてもよい。サーバ10および/または端末20は、例えば、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0049】
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0050】
端末20における処理の少なくとも一部を、サーバ10により行う構成としてもよい。この場合、例えば、端末20の制御装置21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよい。
【0051】
サーバ10における処理の少なくとも一部を、端末20により行う構成としてもよい。この場合、例えば、サーバ10の制御装置11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末20で行う構成としてもよい。
【0052】
本開示において、判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしても良いことは当然である。
【0053】
なお、本開示のプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。ただし本開示はこれらに限定されない。
【0054】
本実施形態は、SNSアカウントの利用期間やSNSにおける友達等に応じて、ユーザに特典を付与するための信用度を算出する。これにより、ユーザの決済についての信用度をより適切に判定することができる。そのため、例えば、ユーザの信用度に応じて、特典を付与するタイミングを早める等のサービスを提供することができる。
【0055】
<機能構成>
図1に示すように、サーバ10は、制御装置11により実現される機能として、提供部111、算出部112、決定部113、表示制御部114、及び通信部115を有する。
【0056】
提供部111は、インスタントメッセージングサービスを含むSNS、当該SNS等で利用可能なスタンプやゲームを販売するサービス、当該SNS等で利用可能な送金及び決済サービス等のサービスを端末20に提供する。また、提供部111は、提携しているショッピングサイトの情報を提示するショッピングモールサービス、当該提携しているショッピングサイトでの購入金額に応じたポイントを付与するポイントサイトサービス等の各種サービスを端末20に提供する。また、提供部111は、決定部113により決定される、信用度に応じた特典を端末20に提供する。
【0057】
算出部112は、提供部111が提供するSNS等における端末20のユーザ情報に基づいて、当該ユーザの決済についての信用度を算出する。
【0058】
決定部113は、算出部112により算出された信用度に応じて、端末20のユーザに付与する各種の特典を決定する。
【0059】
表示制御部114は、提供部111、及び決定部113等による処理に応じて、端末20の画面の表示を制御する。
【0060】
通信部115は、端末20、及び各購入サーバ50との通信を行う。通信部115は、例えば、算出した信用度に応じた特典の情報を、端末20に送信する。
【0061】
また、記憶装置15には、提携先購入履歴データ151、購入履歴データ152、アカウントデータ153、及び決済アカウントデータ154等の各種データが記憶されている。
【0062】
<処理>
次に、
図2を参照し、実施形態に係る通信システム1の処理について説明する。
図2は、実施形態に係る通信システム1の処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0063】
ステップS1において、端末20は、例えば、所定のアプリケーション、またはWebブラウザを用いて、サーバ10にアクセスし、SNS等の各種サービスを利用する。
【0064】
続いて、サーバ10の算出部112は、端末20のユーザの信用度を算出する(ステップS2)。なお、信用度を算出する処理については後述する。
【0065】
続いて、端末20は、サーバ10の表示制御部114により表示される画面上で、ユーザから、例えば、所定の購入サイト等を選択する操作を受け付ける(ステップS3)。
【0066】
図3は、購入サイトを選択する表示画面の一例を示す図である。
図3の例では、端末20の画面に、例えば、サーバ10を運用する事業者の提携先の各事業者の購入サイト501A、501B、501C、・・・の一覧が表示されている。また、当該画面の所定の領域502には、端末20のユーザに対して既に付与されているポイントが表示されている。なお、当該ポイントは、例えば、サーバ10が提供するSNSサービス上で利用できるスタンプ等のコンテンツや、購入サーバ50における商品等の代金の支払い等に利用できるようにされてもよい。
【0067】
続いて、端末20は、選択された購入サイトに関する情報をサーバ10に送信する(ステップS4)。ここで、購入サイトに関する情報には、例えば、ユーザから選択された購入サイトのID等が含まれてもよい。
【0068】
続いて、サーバ10の通信部115は、算出した信用度に応じた特典の情報を、端末20に送信する(ステップS5)。ここで、サーバ10は、信用度が高い順に、例えば、「優良」、「普通」、「不良(デフォルト)」の3つの段階(クラス)に分けてもよい。この場合、サーバ10は、信用度に応じた特典を、例えば、ポイントが付与されるまでの期間とし、「優良」のユーザについては、購入サーバ50の運用事業者による購入の承認(
オーソライゼーション)等の翌日としてもよい。また、サーバ10は、「普通」のユーザについては、購入手続きの完了等から30日後、「不良(デフォルト)」のユーザについては、購入手続きの完了等から70日後、または翌々月の25日以降としてもよい。
【0069】
続いて、端末20は、受信した、特典の情報をユーザに表示する(ステップS6)。
【0070】
図4は、信用度に応じた特典の表示画面の一例を示す図である。
図4では、
図3に示す購入サイト501Aが選択された場合の、端末20の表示画面の例が示されている。
図4の例では、領域503に、例えば、購入サイト501Aの広告が表示され、領域505に、信用度に応じた特典の情報として、購入金額に対する所定の割合のポイントが付与されるタイミングが、翌々月の25日以降であることが表示されている。
【0071】
続いて、端末20は、ユーザから、購入サイトへ接続(アクセス)する操作を受け付ける(ステップS7)。ここで、例えば、
図4に示す表示画面において、ユーザがボタン504を押下する操作を受け付けてもよい。
【0072】
続いて、端末20は、ユーザから選択された、購入サーバ50の購入サイトにアクセスする(ステップS8)。購入サイトは、例えば、Webによるショッピングサイト等でもよい。
【0073】
続いて、端末20は、ユーザから、購入サイトにおける商品等を購入するための操作を受け付ける(ステップS9)。
【0074】
続いて、端末20は、ユーザからの操作に応じて、商品等の購入の要求を購入サーバ50に送信する(ステップS10)。ここで、端末20は、ユーザから、所望の商品の選択、代金支払い方法の選択、届け先住所の入力等の操作を受け付け、受け付けた内容を購入サーバ50に送信する。これにより、ユーザによる商品等を購入するための操作は完了する。
【0075】
続いて、購入サーバ50は、端末20のユーザからの購入情報をサーバ10に送信する(ステップS11)。ここで、購入情報には、当該ユーザを識別するためのユーザID、購入金額、購入サーバIDが含まれる。ユーザIDは、例えば、端末20のID、端末20の電話番号、当該ユーザのサーバ10におけるSNS用のアカウントID等でもよい。
購入サーバIDは、例えば、購入サーバ50のID、または、購入サーバ50を運用する事業者のIDでもよい。なお、サーバ10は、購入情報を購入サーバ50から直接受信してもよいし、例えば、サーバ10を運用する事業者が運用する他のサーバ(トークサーバ、決済サーバ、eコマースサーバ等)を介して受信してもよい。
【0076】
続いて、サーバ10の提供部111は、当該ユーザの信用度に応じた特典を、当該ユーザに付与する(ステップS12)。ここで、購入サーバ50は、例えば、信用度に応じた、ポイントを付与するタイミングにて、当該ユーザのアカウントに対して、ポイントが付与される。
【0077】
当然に、特典の種類によってはステップS5やステップS6を省略することで特典の情報を端末20に送信しない構成としてもよい。限定でなく例として、特典が購入金額に応じたポイント付与の期間である場合には、サーバ10で内部的に処理を行い、端末20に特典情報を表示することなく特典を提供してもよい。つまり、端末20にはポイント付与までの期間は表示されず、信用度に応じてポイント付与の期間が設定されてもよい。
【0078】
<第1変形例>
以上では、信用度に応じた特典として、ポイントを付与するタイミングを決定する例について説明した。
【0079】
サーバ10の決定部113は、信用度に応じた特典として、例えば、購入金額に対してポイントが付与される割合(ポイント還元率)を決定してもよい。この場合、例えば、信用度が比較的高い優良ユーザには、ポイントバックの率を高くしてもよい。これにより、例えば、キャンセル、返品、いたずら等が比較的少ないと推測されるユーザに対しては、キャンセル等の対応による経費分を見込む必要が比較的低いため、より沢山の商品を購入する動機を与えることができる。
【0080】
また、サーバ10の決定部113は、信用度に応じた特典として、例えば、閲覧または購入可能な商品を決定してもよい。この場合、例えば、信用度が比較的高い優良ユーザには、キャンセル及び返品が不可に制限された、生産終了品の在庫一掃セール等のサイト用の情報を提供してもよい。
【0081】
≪信用度の算出処理≫
次に、
図5を参照し、
図2のステップS6の、サーバ10の算出部112におけるユーザの信用度を算出する処理について説明する。
図5は、サーバ10におけるユーザの信用度を算出する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、信用度を算出する対象となるユーザのことを、「処理対象のユーザ」とも称する。
【0082】
ステップS101において、算出部112は、提携先購入履歴データ151を参照し、処理対象のユーザの各購入サーバ50における購入履歴に基づいて、信用度のスコアを算出する。
【0083】
図6は、提携先購入履歴データ151の一例を示す図である。提携先購入履歴データ151には、例えば、各ユーザの、サーバ10の事業者が提携している事業者の購入サーバ50における購入履歴が記録されている。
図6に示す提携先購入履歴データ151には、ユーザIDに対応付けて、日時、購入サーバID、購入金額、購入商品、購入結果、OA登録有無等が記録されている。日時は、例えば、ユーザによる購入サーバ50における購入手続きが完了した日時である。購入金額は、購入手続きを行った商品等の料金である。購入商品は、購入手続きを行った商品等のID、種別、または名称等である。購入結果は、最終的な購入結果を示す情報であり、「キャンセル」、「返品」、「正常完了」等が含まれる。「キャンセル」は、購入手続きが、商品の発送前にキャンセルされたことを示す。「返品」は、商品の発送後に返品されたことを示す。「正常完了」は、商品等の代金が支払われ、また、商品等の受け取りが完了し、購入が確定したことを示す。
【0084】
OA登録有無は、サーバ10により提供されるSNSサービスにおいて、ユーザが、購入サーバIDに係るアカウント(公式アカウント、OA(Official Account))を、友達、フォロー等として登録しているか否かを示す情報である。なお、購入サーバIDに係るアカウントを友達等として登録しておくと、当該アカウントからのクーポン等のメッセージを受信できるようになる。
【0085】
ここで、算出部112は、提携先購入履歴データ151を参照し、処理対象のユーザについて、購入頻度を算出する。購入頻度は、例えば、処理対象のユーザについての購入履歴が記憶されている最初の日時から現在日時までの期間を、処理対象のユーザについての購入履歴の数で除算することにより算出されてもよい。当然に、当該期間は任意の期間に設定されてもよい。
【0086】
また、算出部112は、「キャンセル」及び「返品」(「正常完了」以外)の率、及び回数を算出する。なお、「キャンセル」及び「返品」の率は、例えば、処理対象のユーザについて、購入結果が「キャンセル」及び「返品」であるデータの数を、「キャンセル」、「返品」及び「正常完了」である全データの数で除算することにより算出されてもよい。
【0087】
そして、算出部112は、購入頻度が高い程、信用度のスコアを高く算出する。また、「キャンセル」及び「返品」の率、及び回数が小さい程、信用度のスコアを高く算出する。また、OA登録有無が「有」であれば、信用度のスコアを比較的高く算出する。
【0088】
続いて、購入履歴データ152を参照し、処理対象のユーザのサーバ10における購入履歴に基づいて、信用度のスコアを算出する(ステップS102)。
【0089】
図7は、購入履歴データ152の一例を示す図である。購入履歴データ152には、例えば、各ユーザの、サーバ10における購入履歴が記録されている。
図7に示す購入履歴データ152には、ユーザIDに対応付けて、日時、購入金額、購入商品、購入結果等が記録されている。なお、サーバ10の提供部111は、例えば、SNS上で利用可能なスタンプゲーム、音楽、漫画等のコンテンツを販売してもよい。そして、算出部112は、例えば、ユーザの購入頻度が高い程、信用度のスコアを高く算出する。
【0090】
続いて、算出部112は、アカウントデータ153を参照し、処理対象のユーザのアカウントに関する情報に基づいて、信用度のスコアを算出する(ステップS103)。
【0091】
図8は、アカウントデータ153の一例を示す図である。アカウントデータ153には、例えば、提供部111により提供されるSNSサービスにおけるアカウントに関する情報が記録されている。
図8に示すアカウントデータ153には、ユーザIDに対応付けて、アカウント開設日時、電話番号等が記録されている。アカウント開設日時は、サーバ10において、処理対象のユーザにより当該アカウントが新規に作成された日時である。電話番号は、処理対象のユーザの端末20等であるスマートフォン等の電話番号である。なお、当該電話番号は、例えば、携帯電話事業者(キャリア)のSMS(Short Message Servic)等を用いて、処理対象のユーザが使用している電話番号であることを事前に確認されていてもよい。また、ユーザは、電話番号を取得する際に、携帯電話事業者による本人認証が行われていてもよい。
【0092】
ここで、算出部112は、アカウントデータ153を参照し、アカウント開設日時から現在日時までの期間であるアカウント利用期間を算出する。そして、サーバ10は、当該アカウント利用期間が長い程、信用度のスコアを高く算出する。また、サーバ10は、ユーザのアカウントに対して電話番号が登録されていれば、信用度のスコアを比較的高く算出する。
【0093】
続いて、算出部112は、アカウントデータ153を参照し、処理対象のユーザのソーシャルグラフに基づいて、信用度のスコアを算出する(ステップS104)。
図8に示すアカウントデータ153には、ユーザIDに対応付けて、さらに、友達、招待元ユーザID、信用度等が記録されている。友達は、サーバ10により提供されるSNSサービスにおいて、各ユーザIDに係るユーザにより、友達(友人、知り合い)として登録されている他の各ユーザのユーザIDである。招待元ユーザIDは、各ユーザIDに係るユーザを、サーバ10により提供されるSNSを用いた所定のサービス(例えば、ショッピングのサービス等)に招待したユーザのユーザIDである。なお、当該所定のサービスを提供する事業者は、利用ユーザの拡大等を目的として、紹介元のユーザが、サーバ10が提供するSNSにおける友達を当該所定のサービスに紹介した場合に、例えば、紹介元のユーザと、その友達である紹介先のユーザに、所定のポイントを付与してもよい。信用度は、前回算出された、各ユーザIDに係るユーザの信用度である。
【0094】
ここで、算出部112は、アカウントデータ153を参照し、処理対象のユーザが友達として登録している他のユーザの数、処理対象のユーザを友達として登録している他のユーザの数、及び処理対象のユーザと相互に友達として登録している他のユーザの数を算出する。
【0095】
そして、算出部112は、処理対象のユーザが友達として登録している他のユーザの数、処理対象のユーザを友達として登録している他のユーザの数、及び処理対象のユーザと相互に友達として登録している他のユーザの数が多い程、信用度のスコアを高く算出する。
【0096】
また、サーバ10は、アカウントデータ153を参照し、処理対象のユーザが友達として登録している他の各ユーザの信用度、処理対象のユーザを友達として登録している他の各ユーザの信用度、及び処理対象のユーザと相互に友達として登録している他の各ユーザの信用度を抽出する。
【0097】
そして、算出部112は、処理対象のユーザが友達として登録している他の各ユーザの信用度、処理対象のユーザを友達として登録している他の各ユーザの信用度、及び処理対象のユーザと相互に友達として登録している他の各ユーザの信用度に基づいて、信用度のスコアを算出する。この場合、サーバ10は、例えば、他の各ユーザの信用度の平均値、中央値、最大値、または最小値が高い程、信用度のスコアを高く算出してもよい。
【0098】
また、算出部112は、招待元ユーザIDに係るユーザの信用度が高い程、信用度のスコアを高く算出する。これにより、信用度の高いユーザに招待されたユーザは、信用度が比較的高く算出される。
【0099】
続いて、算出部112は、決済アカウントデータ154を参照し、処理対象のユーザの決済サービスのアカウントに関する情報に基づいて、信用度のスコアを算出する(ステップS105)。
【0100】
図9は、決済アカウントデータ154の一例を示す図である。決済アカウントデータ154には、例えば、サーバ10により提供される決済サービスにおけるアカウントに関する情報が記録されている。
図9に示す決済アカウントデータ154には、ユーザIDに対応付けて、カードID、及び本人確認有無が記録されている。カードIDは、例えば、決済用のクレジットカード等のIDである。本人確認有無は、例えば、住民票、運転免許証、保険証等の公的な本人確認書類による本人確認が済んでいるか否かを示す情報である。なお、例えば、カードIDに係るカードがプリペイドカードとして使用される場合は、本人確認は行われていなくともよい。
【0101】
ここで、算出部112は、決済アカウントデータ154を参照し、処理対象のユーザが、決済サービスにおけるアカウントを有しており、かつ、本人確認済みである場合、信用度のスコアを比較的高く算出する。
【0102】
続いて、算出部112は、算出された信用度のスコアに応じて、信用度を決定する(ステップS106)。
【0103】
なお、サーバ10は、ステップS101乃至ステップS105における各項目に対するスコアを、当該各項目に対して予め設定された重み係数を乗算して算出してもよい。また、サーバ10は、各項目に対して算出されたスコアの平均値、中央値、合計値、または最高値等に基づいて、信用度を決定してもよい。当然に、ステップS101乃至ステップS105における各項目のうち、任意の項目の単体またはその組み合わせによって信用度を決定してもよい。
【0104】
ポイント等の特典を不正に得ることを目的とするユーザ(以下で、「悪意のユーザ」)は、アカウントを開設して間も無い(利用期間が比較的短い)、SNSの友達の登録も少ない、本人に関する情報の登録が少ない等の特徴を有する場合がある。本実施形態によれば、このような悪意のユーザに対する信用度を低く算出することができる。
【0105】
<第2変形例>
ステップS104の、ユーザのソーシャルグラフに基づいて、信用度のスコアを算出する際、算出部112は、サーバ10のSNSのアカウントの情報に加え、当該アカウントに連携している他のSNSサービスのアカウントの情報を用いてもよい。この場合、当該他のSNSサービスのアカウントの利用期間、友達数、本人情報等に基づいて、例えば、利用期間が長い程、友達数が多い程、本人情報において入力された項目数乃至データ量が多い程、信用度のスコアを高く算出してもよい。
【0106】
<第3変形例>
サーバ10の提供部111は、信用度の情報を、購入サーバ50に通知してもよい。この場合、信用度の情報は、例えば、定期的なタイミングで、購入サーバ50に通知されてもよい。または、購入サーバ50が、ユーザの端末20からアクセスされ、信用度の情報が必要な取引等を行う場合に、端末20からサーバ10用のアカウントID、パスワード等を取得し、サーバ10から信用度の情報を取得するようにしてもよい。
【0107】
この場合、購入サーバ50は、例えば、当該信用度に応じた、購入サーバ50用のポイントの還元率を、端末20に通知してもよい。なお、当該ポイントは、当該購入サーバ50の購入サイトや、当該購入サーバ50の事業者が運用する実店舗にて利用できるようにしてもよい。また、購入サーバ50は、当該信用度に応じた所定の商品等を、端末20に通知するようにしてもよい。これにより、例えば、信用度が比較的高いユーザに限り、キャンセル及び返品を不可とした、生産終了品の在庫一掃セール等の商品の情報を端末20に提供してもよい。または、サーバ10のポイントの還元率が高い限定商品の情報を端末20に提供してもよい。
【0108】
<第4変形例>
ステップS104の、ソーシャルグラフに基づいて、信用度のスコアを算出する処理において、算出部112は、以下のような処理を行うようにしてもよい。
・処理対象のユーザが、サーバ10が提供するインスタントメッセージングサービスを用いて、他のユーザに送信したメッセージの数またはデータ量が多い程、信用度のスコアを高く算出する。
・処理対象のユーザが、サーバ10が提供するインスタントメッセージングサービスを用いて、他のユーザから受信したメッセージの数またはデータ量が多い程、信用度のスコアを高く算出する。
【0109】
<まとめ>
従来、オンラインショッピングにおいて、ユーザが商品等を購入した場合、例えば、購入金額に対し所定の割合のポイント等の特典を、当該ユーザに付与することが知られている。なお、当該ポイントは、例えば、次回以降の購入の際に用いることができる。
【0110】
ここで、商品購入時、代金支払い時、または商品受け渡し時等のタイミングで特典を付与すると、例えば、購入のキャンセル、購入した商品等の返品、または商品等の届け先に不正な住所を通知する等の行為をユーザが行った場合、既に付与した特典を取り消す手間が生じる場合がある。一方、特典を付与するタイミングを比較的遅らせれば、既に付与した特典を取り消す手間が生じる可能性を低減できるものの、ユーザが特典の恩恵を受けられる時期も遅くなるという問題が生じる。
【0111】
本開示によれば、SNSアカウントの利用期間やSNSにおける友達等に応じて、ユーザに特典を付与するための信用度を算出する。これにより、例えば、ユーザの信用度に応じて、特典を付与するタイミングを早める等のサービスを提供することができる。また、これにより、例えば、ユーザの購入履歴等のみに応じて信用度を算出する場合と比較して、初めて購入するユーザや、購入頻度が低いユーザに対しても、より精度の高い信用度を算出することができる。
【0112】
本開示の実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、各実施形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 通信システム
10 サーバ
111 提供部
112 算出部
113 決定部
114 表示制御部
115 通信部
151 提携先購入履歴データ
152 購入履歴データ
153 アカウントデータ
154 決済アカウントデータ
20 端末
50 購入サーバ