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  • 特許-ペン型ハサミ 図1
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  • 特許-ペン型ハサミ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ペン型ハサミ
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/20 20060101AFI20240415BHJP
   B26B 13/22 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
B26B13/20
B26B13/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021114615
(22)【出願日】2021-07-09
(65)【公開番号】P2023010458
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2023-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591287864
【氏名又は名称】株式会社レイメイ藤井
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】園上 貴紀
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-023805(JP,A)
【文献】特開2004-038343(JP,A)
【文献】実開平02-126568(JP,U)
【文献】特開2012-135695(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0015207(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 13/00 - 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン型のハサミであって、
刃が形成されたブレード部と、前記ブレード部の刃元に接続する持ち手部とを有する本体が2本、軸部で回転可能に交差するものであり、
前記持ち手部は、断面が略半円形状で内部に空間を有し、背部に開口部、長さ方向の一方の側部に前記長さ方向に沿って第1のスリット、前記長さ方向の他方の側部に前記長さ方向に沿って第2のスリット、前記軸部とは反対側の端部の先端に溝部が形成され、
前記開口部内を移動するスライダーと、
前記溝部内を移動する切替レバーと、
一端が前記スライダーに接続すると共に、他端が前記切替レバーに接続するハンドルループとを備え、
前記開口部において、前記スライダーを前記軸部側の端部に移動させると、前記ハンドルループが前記持ち手部の内部の空間に収納され、前記スライダーを前記軸部とは反対側の端部に移動させると、前記ハンドルループが前記第1のスリット又は前記第2のスリットから突出するものであり、
前記ハンドルループは、前記切替レバーが前記第2のスリット側に位置する場合に、前記第1のスリットから突出し、前記切替レバーが前記第1のスリット側に位置する場合に、前記第2のスリットから突出することを特徴とするペン型ハサミ。
【請求項2】
持ち手の軸部とは反対側の端部の先端は、丸みを帯びており、
溝部は、前記持ち手部の長さ方向の外周に沿って、前記端部の幅方向の両端を接続するよう、円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のペン型ハサミ。
【請求項3】
切替レバーとハンドルループとは、中心に円形の穴部を備える円盤によって接続され、
前記穴部が、持ち手の内部に設けられた突起部に挿入されて、前記円盤が回転可能に固定されることを特徴とする請求項1又は2記載のペン型ハサミ。
【請求項4】
開口部は、持ち手部の軸部側に形成され、
第1のスリットと第2のスリットは、前記持ち手部の前記軸部とは反対側に形成され、
2つのブレード部が閉じた状態で、円筒状のキャップが前記ブレード部を覆うよう装着されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のペン型ハサミ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン形状のハサミに係り、特に、筆箱にペンのように収納できると共に、特別な部品を取り付けなくても簡単に右利き用又は左利き用に切り替えることができ、使い勝手及び利便性を向上させることができるペン型ハサミに関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明]
この数年、典型的な形状のハサミではなく、携帯性とデザイン性に優れたペン形状のハサミが販売されている。
ペン形状のハサミとしては、ハサミを開閉する際に指を挿入するハンドルフレーム部が変形可能な細長い部材で形成され、使用時に本体から突出するものがある(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
ハンドルフレーム部は、通常は本体(刃とは反対側の把持部)内部に収納されており、ハサミ使用時には、スライダーを動かすことで、ハンドルフレーム部が本体に設けられた開口部(穴)から本体外側に半円状に張り出して、指を挿入するハンドルが形成される。
【0004】
このような従来のペン型ハサミでは、ハンドルフレーム部が引き出される穴は本体を貫通しており、本体のどちら側にハンドルを突出させるかによって、右利き用、左利き用のいずれとしても使用可能としている。
例えば、右利き用として使用する際には、左利き用で用いられる穴に、突出阻止部材を挿入することで、右利き用の穴からハンドルフレーム部を突出させて、右利き用のハンドルを形成するようになっている。
【0005】
尚、関連する先行文献として、特許第5102909号公報「ハサミ」(特許文献1)、特許第5507612号公報「ハサミの把持部」(特許文献2)、特許第6718909号公報「鋏」(特許文献3)、実用新案登録第3178404号「ペン型ハサミ」(特許文献4)がある。
【0006】
特許文献1には、刃部と、それに連設する把持部と、刃部を回動可能とする軸部と、把持部に外側に突出するハンドル部を有するペン型ハサミが示されている。
特許文献2には、ハンドルフレームを本体のどちら側に突出させるかによって、右利き用と左利き用のいずれとしても使える両利き用のハサミの把持部が記載されている。
【0007】
また、特許文献3には、ハサミ本体がキャップから引き抜かれたときにハンドルが進出し、本体がキャップに収納されたときにハンドルが退避する鋏が記載されている。
特許文献4には、子供が使いやすいよう、厚い画用紙でも切ることができ、軽量化したペン型ハサミが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5102909号公報
【文献】特許第5507612号公報
【文献】特許第6718909号公報
【文献】実用新案登録第3178404号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1のペン型ハサミでは、右利き用又は左利き用としてハンドルフレームを突出させるためには、反対側(突出させない側)の開口部に突出阻止部材を挿入しなければならず、取り付けや取り外しの作業が煩雑であり、また、突出阻止部材は小さい部材であるため紛失しやすく、使い勝手がよくないという問題点があった。
【0010】
尚、特許文献1~4には、特別な部品を取り付けずに、簡単に右利き用又は左利き用として切り替えることができるペン型ハサミは記載されていない。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであり、特別な部品を取り付けずに、容易に右利き用又は左利き用として切り替えることができ、部品の紛失を防ぐと共に、部品の取り付け/取り外し作業を不要とし、使い勝手及び利便性を向上させることができるペン型ハサミを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ペン型のハサミであって、刃が形成されたブレード部と、ブレード部の刃元に接続する持ち手部とを有する本体が2本、軸部で回転可能に交差するものであり、持ち手部は、断面が略半円形状で内部に空間を有し、背部に開口部、長さ方向の一方の側部に長さ方向に沿って第1のスリット、長さ方向の他方の側部に長さ方向に沿って第2のスリット、軸部とは反対側の端部の先端に溝部が形成され、開口部内を移動するスライダーと、溝部内を移動する切替レバーと、一端がスライダーに接続すると共に、他端が切替レバーに接続するハンドルループとを備え、開口部において、スライダーを軸部側の端部に移動させると、ハンドルループが持ち手部の内部の空間に収納され、スライダーを軸部とは反対側の端部に移動させると、ハンドルループが第1のスリット又は第2のスリットから突出するものであり、ハンドルループは、切替レバーが第2のスリット側に位置する場合に、第1のスリットから突出し、切替レバーが第1のスリット側に位置する場合に、第2のスリットから突出することを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、上記ペン型ハサミにおいて、持ち手の軸部とは反対側の端部の先端は、丸みを帯びており、溝部は、持ち手部の長さ方向の外周に沿って、端部の幅方向の両端を接続するよう、円弧形状に形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、上記ペン型ハサミにおいて、切替レバーとハンドルループとは、中心に円形の穴部を備える円盤によって接続され、穴部が、持ち手の内部に設けられた突起部に挿入されて、円盤が回転可能に固定されることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、上記ペン型ハサミにおいて、開口部は、持ち手部の軸部側に形成され、第1のスリットと第2のスリットは、持ち手部の軸部とは反対側に形成され、2つのブレード部が閉じた状態で、円筒状のキャップがブレード部を覆うよう装着されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、刃が形成されたブレード部と、ブレード部の刃元に接続する持ち手部とを有する本体が2本、軸部で回転可能に交差するものであり、持ち手部は、断面が略半円形状で内部に空間を有し、背部に開口部、長さ方向の一方の側部に長さ方向に沿って第1のスリット、長さ方向の他方の側部に長さ方向に沿って第2のスリット、軸部とは反対側の端部の先端に溝部が形成され、開口部内を移動するスライダーと、溝部内を移動する切替レバーと、一端がスライダーに接続すると共に、他端が切替レバーに接続するハンドルループとを備え、開口部において、スライダーを軸部側の端部に移動させると、ハンドルループが持ち手部の内部の空間に収納され、スライダーを軸部とは反対側の端部に移動させると、ハンドルループが第1のスリット又は第2のスリットから突出するものであり、ハンドルループは、切替レバーが第2のスリット側に位置する場合に、第1のスリットから突出し、切替レバーが第1のスリット側に位置する場合に、第2のスリットから突出するペン型ハサミとしているので、筆箱にペンのように収納できると共に、特別な部品を用いることなく容易に右利き用又は左利き用として切り替えることができ、使い勝手及び利便性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本ハサミを開いた状態を示す正面図である。
図2】本ハサミにキャップをした状態を示す正面図である。
図3】本ハサミを閉じた状態の右側面図である。
図4】切替レバーの構成を示す説明図である。
図5】ハンドルループ14の切替方法を示す説明図である。
図6】本ハサミを左利き用に切り替えた場合の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るペン型ハサミは、刃が形成されたブレード部と、ブレード部の刃元に接続する持ち手部とを有する本体が2本、軸部で回転可能に交差するものであり、持ち手部は、断面が略半円形状で内部に空間を有し、背部に開口部、長さ方向の一方の側部に第1のスリット、他方の側部に第2のスリット、軸部とは反対側の端部に溝部が形成されており、開口部内を移動するスライダーと、溝部内を移動する切替レバーと、一端がスライダーに接続すると共に、他端が切替レバーに接続するハンドルループとを備え、スライダーを軸部とは反対側に移動させると、切替レバーの位置に応じて、ハンドルループが第1のスリット又は第2のスリットの一方から選択的に突出するものであり、切替レバーを溝部の一方の端部又は他方の端部に移動させることにより、本体の右側又は左側にハンドルループを突出させて右利き用又は左利き用に容易に切り替えることができ、利便性を向上させることができるものである。
【0020】
[本ハサミの構成:図1~3]
本発明の実施の形態に係るペン型ハサミ(本ハサミ)の構成について図1~3を参照しながら説明する。図1は、本ハサミを開いた状態を示す正面図(右利き用)であり、図2は、本ハサミにキャップをした状態を示す正面図であり、図3は、本ハサミを閉じた状態の右側面図である。
【0021】
本ハサミの基本的な構成は、図1に示すように、ブレード部11と、そのブレード部11の刃元に接続して形成された持ち手部12とを備えた2本の本体が交差した構成であり、当該交差する点において、2本の本体を回動可能に保持する軸部13が設けられている。
【0022】
ブレード部11は、幅方向の両端部に刃が形成されている。
持ち手部12は、プラスチック樹脂で形成され、断面の形状が略半円形状で、内部が空洞となっている。
そして、図3に示すように、本ハサミを閉じた場合には、2つの持ち手部12の内側の平面同士が重なって、全体として略円筒形状となるものである。これにより、ペンに近い形状となって、手になじみやすいものである。
【0023】
持ち手部12には、開口部15と、スライダー16と、溝17と、第1のスリット18aと、第2のスリット18bと、切替レバー172と、突起部19とが設けられている。
開口部15は、持ち手部12の背面部(本ハサミを閉じた場合に外側になる面、円筒の側面に相当する部分)を貫通し、長さ方向に形成された細長い形状の穴である。
【0024】
ハンドルループ14は、指を挿入するためのループを形成するものあり、変形可能なプラスチック製の細い棒状の部材で形成されている。
ハンドルループ14の一端は、スライダー16に摺動回転可能に接続され、他端は、後述するように切替レバー172に摺動回転可能に接続されている。
【0025】
スライダー16は、開口部15内を本体の長さ方向に沿って移動するものであり、図2に示すように、スライダー16を軸部13方向の端部に移動させると、ハンドルループ14が伸びて、持ち手部12の内部の空間に収納され、持ち手部12から突出しない。
反対に、図1に示すように、スライダー16を、開口部15の軸部13とは反対側の端部方向に移動させると、ハンドルループ14が湾曲して、第1のスリット18a又は第2のスリット18bから突出する。
【0026】
尚、スライダー16の正面部は、開口部15内で押し上げたり押し下げたりする操作を容易にするために、図3に示すように、中央部が凹部、上下両端が凸部となるよう湾曲した形状に形成されている。これにより、指が引っ掛かりやすくなり、ハンドルループ14の出し入れ操作を容易にするものである。
また、スライダー16の側面部には、厚み方向を略2分するように溝が形成されており、当該溝が開口部15の縁に嵌合して、開口部15から外れることなくスムーズに移動可能となっている。
【0027】
第1のスリット18a及び第2のスリット18bは、ハンドルループ14を持ち手部14から突出させる穴である。
第1のスリット18aは、本体において、持ち手部12の背面部を正面、ブレード部11方向を上とした場合に、持ち手部12の長さ方向の右側面に形成されており、第2のスリット18bは、持ち手部12の長さ方向の左側面に形成されている。
【0028】
そして、図1に示すように、右側面に形成された第1のスリット18aからハンドルループ14を突出させると、本ハサミは右利き用のハサミとなり、左側面に形成された第2のスリット18bからハンドルループ14を突出させると、左利き用のハサミとなるものである。
【0029】
従来は、ハンドルループ14を突出させない方のスリットに穴をふさぐための突出防止部材を挿入して、所望のスリットからハンドルループを突出させていたが、本ハサミではこのような部材を用いることなく、どちらのスリットからハンドルループ14を突出させるか、容易に切り替え可能としている。
【0030】
溝17は、持ち手部12において、軸部13とは反対側の端部に、幅方向に形成されている。つまり、溝17は、持ち手部12の端部において、両側面を接続するように形成されている。
図1,2に示すように、本ハサミでは溝17が円弧形状に形成されており、後述する切替レバー172の動きをスムーズにするものである。
【0031】
切替レバー172は、ハンドルループ14の他方の端部に接続しており、溝17内を移動して、ハンドルループ14を第1のスリット18a,第2のスリット18bのどちらから突出させるかを切り替えるものである。
具体的には、図1に示すように、切替レバー172を、持ち手部12の左側面側に移動させると、ハンドルループ14は、右側面に形成された第1のスリット18aから突出して、右利き用となる。
反対に、切替レバー172を、右側面側に移動させると、ハンドルループ14は、左側面に形成された第2のスリット18bから突出して、左利き用となる。
【0032】
右利き用、左利き用の切り替えをわかりやすくするために、図3に示すように、持ち手部12の裏側(内側、平坦な面)において、溝17の両端付近に、右利き用を示す「R」と左利き用を示す「L」の文字が刻印されている。
更に、図6に示すように、溝17の左端に、右利き用がわかるように「〇」の印(右利き用目印173)が刻まれている。
尚、実際の操作としては、ハンドルループ14が持ち手部12の内部に収納された状態で、まず切替レバーを所望の位置に移動させ、その後でスライダー16を押し下げるようにすると、スムーズに所望の側にハンドルループ14を突出させることができるものである。
【0033】
また、図2に示すように、本ハサミは略円筒形状のキャップ21を備えており、ペンケース等に収納する際にキャップ21を被せてブレード部11を覆うことにより、安全に持ち運ぶことができるものである。
更に、キャップ21には、凸部22が形成されており、キャップを外した状態において、キャップ21が回転して転がり落ちるのを防ぐ。
【0034】
[切替レバーの構成:図4
次に、切替レバー172の構成について図4を用いて説明する。図4は、切替レバーの構成を示す説明図である。
図4に示すように、切替レバー172は、上述したように、ハンドルループ14の他端に接続されているものであるが、ハンドルループ14と切替レバー172との間に、中央に円形の穴(穴部)が設けられたドーナツ形状の円盤171が設けられている。
ハンドルループ14と切替レバー172とは、円盤171の直径の両端に接続されており、ハンドルループ14、円盤171、切替レバー172は一体に形成されている。
【0035】
そして、円盤171の穴部が、本ハサミの持ち手部12の内部空間に突出する突起部19に嵌合しており、円盤171は、当該突起部19を中心として回転可能となっている。尚、図1では突起部19の端部が外部から見えるように形成されているが、見えないように形成されてもよい。
【0036】
これにより、本ハサミにおいて、溝17から外側に突出した切替レバー172が左右に動かされると、それに伴って円盤171が回転し、ハンドルループ14が切替レバー172とは反対側に設けられたスリットに接近し、スライダー16の操作により、当該スリットから突出することになる。
【0037】
つまり、切替レバー172が第2のスリット18b側にある場合には、ハンドルループ14は第1のスリット18aから突出し、切替レバー172が第1のスリット18a側にある場合には、ハンドルループ14は第2のスリット18bから突出する。
【0038】
[ハンドルループの切替方法:図5
次に、ハンドルループ14の切替方法について図5を用いて説明する。図5は、ハンドルループ14の切替方法を示す説明図である。
図5に示すように、各持ち手部12の軸部13とは反対方向の端部に溝17が形成され、当該溝17から切替レバー172が露出している。
【0039】
そして、持ち手部12の背面部を上にした状態で、切替レバー172を溝17の左端に移動させると、ハンドルループ14は右側面の第1のスリット18aから突出して右利き用(R)とすることができ、切替レバー172を右橋に移動させると、ハンドルループ14は左側面の第2のスリット18bから突出して左利き用(L)とすることができるものである。
【0040】
[本ハサミを開いた状態の正面図(左利き用):図6
次に、本ハサミを左利き用に切り替えた場合の正面図について図6を用いて説明する。図6は、本ハサミを左利き用に切り替えた場合の正面図である。
図6に示すように、本ハサミを左利き用に切り替えた場合には、ブレード部11を上、持ち手部12の背面部を正面とした状態において、切替レバー172は溝17の右端に位置し、左側面の第2のスリット18bからハンドルループ14が突出している。
【0041】
[実施の形態の効果]
本ハサミによれば、ブレード部11と持ち手部12を備えた2本の本体が軸部13で交差するペン型のハサミであり、持ち手部12は、断面が略半円形状で内部に空間を有し、背部に開口部15、長さ方向の一方の側部に第1のスリット18a、他方の側部に第2のスリット18b、軸部13とは反対側の端部に溝17が形成されており、開口部15内を移動するスライダー16と、溝17内を移動する切替レバー172と、一端がスライダー16に接続すると共に、他端が切替レバー172に接続するハンドルループ14とを備え、スライダー16を軸部13とは反対側に移動させると、切替レバー172の位置に応じて、ハンドルループ14が第1のスリット18a又は第2のスリット18bの一方から選択的に突出するペン型ハサミとしているので、切替レバー172を溝17の一方の端部又は他方の端部に移動させると、本体の右側又は左側にハンドルループ14を選択的に突出させて右利き用又は左利き用に容易に切り替えることができ、利便性を向上させることができるものである。
【0042】
特に、本ハサミでは、ハンドルループ14を突出させない側のスリットに挿入する特別な部品が不要であり、部品の取り付け/取り外しの作業が無く、部品を紛失することもないため、使い勝手及び利便性を向上できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、筆箱にペンのように収納できると共に、特別な部品を取り付けることなく容易に右利き用又は左利き用として切り替えることができ、使い勝手及び利便性を向上させることができるペン型ハサミに適している。
【符号の説明】
【0044】
11…ブレード部、 12…持ち手部、 13…軸部、 14…ハンドルループ、 15…開口部、 16…スライダー、 17…溝、 18a…第1のスリット、 18b…第2のスリット、 19…突起部、 21…キャップ、 22…凸部、 171…円盤、 172…切替レバー、 173…右利き用目印
図1
図2
図3
図4
図5
図6